JP2014032106A - 振動片、振動子、ジャイロセンサー、電子機器、および移動体 - Google Patents

振動片、振動子、ジャイロセンサー、電子機器、および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】検出振動腕に設けられた検出用電極の面積を確保し、小型化によるジャイロ特性の低下を防止する。
【解決手段】本発明に係る振動片としてのジャイロ素子10は、基部1から延出されている検出用振動腕3a,3bと、検出用振動腕3a,3bの主面に設けられている段部7,8,9,11と、段部7,8,9,11と連通し、基部1に設けられている溝部13,14,15,16と、を備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、振動片、および振動片を用いた振動子、ジャイロセンサー、電子機器、並びに移動体に関する。
車両における車体制御やカーナビゲーションシステムの自車位置検出、また、デジタルカメラやデジタルビデオカメラなどの振動制御補正機能(所謂手ぶれ補正)などを充実させるジャイロセンサーが広く利用されている。ジャイロセンサーは、水晶などの圧電性単結晶物からなる振動片としてのジャイロ素子により、物体の揺れや回転などの振動によってジャイロ素子の一部に発生する電気信号を角速度として検出し、回転角を算出することによって物体の変位を求めるものである。
従来から、角速度を検出するための振動片として、所謂「H型」のジャイロ素子(振動片)が知られている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に記載されているジャイロ素子は、支持部(基部)と、支持部から延出されている一対の第1アーム(駆動振動腕)と、支持部から第1アームとは反対側に延出されている一対の第2アーム(検出振動腕)とを含んでいる。また、上記各アームにおける駆動や検出を高精度に行うため、各振動腕に溝部、あるいは段部を形成して駆動電極あるいは検出電極の有効面積を広くして感度を高めることが提案されている(例えば、特許文献2、特許文献3参照)。
特開2004−251663号公報 特開2008−209215号公報 特開2011−141266号公報
近年、電子機器の小型化に伴い、ジャイロ素子においても小型化の要求が高まってきた。しかしながら、従来のジャイロ素子の構成では、ジャイロ素子を小型化すると駆動振動腕、および検出振動腕の長さが短くなってしまい、それに伴って駆動電極、および検出用電極の電極面積が小さくなってしまう。特に、微弱な検出電流を検出することが必要な検出振動腕では、検出用電極の面積が小さくなることによって検出電流が減少し、これによってジャイロ特性が低下してしまうという課題が生じていた。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る振動片は、基部と、前記基部から延出されている検出用振動腕と、前記検出用振動腕の主面に設けられている凹部または段部と、前記凹部または前記段部と連通し、前記基部に設けられている溝部と、を備えていること特徴とする。
本適用例によれば、検出用振動腕の主面に設けられている凹部または段部と連通している溝部が基部に設けられている。この構成により、検出用振動腕の凹部または段部の面積に基部における溝部の面積も加えられることから、信号検出の有効面積を確保できることができる。したがって、振動片が小型化されても、検出電流の減少を防止することができることから検出の確実性を維持することが可能となり、振動片の小型化を実現することが可能となる。
[適用例2]上記適用例に記載の振動片において、前記凹部、または前記段部には、電極が設けられおり、前記電極は、前記溝部に延設されていることを特徴とする。
本適用例によれば、検出のための電極の有効面積を大きくすることが可能となり、振動片が小型化されても検出電流の減少を防止することができる。したがって、振動片の小型化を実現することが可能となる。
[適用例3]上記適用例に記載の振動片において、前記凹部または前記段部は、前記検出用振動腕の表裏の主面に設けられていることを特徴とする。
本適用例によれば、検出用振動腕の表裏の主面に、凹部または段部が設けられているため、さらに検出のための電極の有効面積を大きくすることが可能となる。
[適用例4]上記適用例に記載の振動片において、前記基部から延出された駆動用振動腕が設けられていることを特徴とする。
本適用例によれば、検出用振動腕に加えて、駆動用振動腕を有しているため、小型で特性の安定した振動片を提供することが可能となる。
[適用例5]本適用例に係る振動子は、上記適用例のいずれか一例に記載の振動片と、前記振動片を収容する収納容器と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、振動片が小型化されても検出電流の減少を防止することができるとともに、小型化が可能な振動片が収納容器に収納されているため、特性の安定した小型の振動子を提供することが可能となる。
[適用例6]本適用例に係るジャイロセンサーは、上記適用例のいずれか一例に記載の振動片と、前記振動片を収容する収納容器と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、振動片が小型化されても検出電流の減少を防止することができるとともに、小型化が可能な振動片が収納容器に収納されているため、特性の安定した小型のジャイロセンサーを提供することが可能となる。
[適用例7]本適用例に係る電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の振動片を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、検出電流の減少を防止することができ、小型化が可能な振動片を用いているため、安定した性能を有する小型の電子機器を提供することが可能となる。
[適用例8]本適用例に係る移動体は、上記適用例のいずれか一例に記載の振動片を備えていることを特徴とする
本適用例によれば、検出電流の減少を防止することができ、小型化が可能な振動片を用いているため、安定した性能を有する小型の移動体を提供することが可能となる。
第1実施形態に係るジャイロ素子を示す斜視図。 第1実施形態に係る振動片としてのジャイロ素子の概略を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すP−P断面図、(c)は(a)に示すQ−Q断面図。 第1実施形態に係るジャイロ素子の変形例1を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すP−P断面図、(c)は(a)に示すQ−Q断面図。 第1実施形態に係るジャイロ素子の変形例2を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すP−P断面図、(c)は(a)に示すQ−Q断面図。 第1実施形態に係るジャイロ素子の検出感度を示すグラフ。 第2実施形態に係る振動片としてのジャイロ素子の概略を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すP−P断面図、(c)は(a)に示すQ−Q断面図。 第2実施形態に係るジャイロ素子の変形例1を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すP−P断面図、(c)は(a)に示すQ−Q断面図。 第2実施形態に係るジャイロ素子の変形例2を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すP−P断面図、(c)は(a)に示すQ−Q断面図。 第3実施形態に係る振動片としてのジャイロ素子の概略を示し、(a)は図2(a)に示すQ−Qに該当する断面図、(b)は図2(a)に示すP−Pに該当する断面図、(c)は、第3実施形態に係るジャイロ素子の変形例1を示す(b)と同じ位置での断面図、(d)は第3実施形態に係るジャイロ素子の変形例2を示す(b)と同じ位置での断面図。 第4実施形態に係る振動片としてのジャイロ素子の概略を示し、(a)は図2(a)に示すQ−Qに該当する断面図、(b)は図2(a)に示すP−Pに該当する断面図、(c)は、第4実施形態に係るジャイロ素子の変形例1を示す(b)と同じ位置での断面図、(d)は第4実施形態に係るジャイロ素子の変形例2を示す(b)と同じ位置での断面図。 本実施形態に係る振動片としてのジャイロ素子を用いた振動子の概略を示す正断面図。 本実施形態に係る振動片としてのジャイロ素子を用いたジャイロセンサーの概略を示す正断面図。 電子機器の一例としてのモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図。 電子機器の一例としての携帯電話機の構成を示す斜視図。 電子機器の一例としてのデジタルスチールカメラの構成を示す斜視図。 移動体の一例としての自動車の構成を示す斜視図。
以下、本発明に係る実施形態を、図面を参照しながら第1実施形態〜第4実施形態として説明する。
(第1実施形態)
まず、本発明に係る振動片としてのジャイロ素子の第1実施形態について図1〜図4を用いて説明する。図1は、第1実施形態に係る振動片としてのジャイロ素子の概略を示す斜視図である。図2は、振動片としてのジャイロ素子の一実施形態を示し、(a)は模式図的に示す平面図、(b)は(a)に示すP−P断面の拡大図、(c)は(a)に示すQ−Q断面の拡大図である。図3は、第1実施形態に係るジャイロ素子の変形例1を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すP−P断面の拡大図、(c)は(a)に示すQ−Q断面の拡大図である。図4は、第1実施形態に係るジャイロ素子の変形例2を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すP−P断面の拡大図、(c)は(a)に示すQ−Q断面の拡大図である。
図1、および図2に示すように、振動片としてのジャイロ素子10は、基材(主要部分を構成する材料)を加工することにより一体に形成された基部1と、駆動用振動腕2a,2b、および検出用振動腕3a,3bを有している。更に、ジャイロ素子10は、基部1から互いに反対方向へ延出する第1支持部5と第2支持部6とを有している。第1支持部5は、基部1から延出する第1連結部5aと、第1連結部5aに連結し、図示しないパッケージ等の基板に固定される第1固定部5bと、を含んでいる。また、第2支持部6は、基部1から延出する第2連結部6aと、第2連結部6aに連結し、図示しないパッケージ等の基板に固定される第2固定部6bと、を含んでいる。
本実施形態のジャイロ素子10は、基材として圧電体材料である水晶を用いた一例である。水晶は、電気軸と呼ばれるX軸、機械軸と呼ばれるY軸、及び光学軸と呼ばれるZ軸を有している。本実施形態では、水晶結晶軸において直交するX軸及びY軸で規定される平面に沿って切り出されて平板状に加工され、平面と直交するZ軸方向に所定の厚みを有した所謂水晶Z板を基材として用いた例を説明する。なお、ここでいう所定の厚みは、発振周波数(共振周波数)、外形サイズ、加工性などにより適宜設定される。また、ジャイロ素子10を形成する平板は、水晶からの切り出し角度の誤差を、X軸、Y軸及びZ軸の各々につき多少の範囲で許容できる。例えば、X軸を中心に0度から2度の範囲で回転して切り出したものを使用することができる。Y軸及びZ軸についても同様である。
ジャイロ素子10は、中心部分に位置する略矩形状の基部1と、基部1の(±)Y軸方向の端部のうち一方の端部(図中Y(+)方向)から(+)Y軸に沿って並行させて延伸された一対の駆動用振動腕2a,2bと、基部1の他方の端部(図中Y(−)方向)から(−)Y軸に沿って並行させて延伸された一対の検出用振動腕3a,3bと、を有している。このように、基部1の両端部から、一対の駆動用振動腕2a,2bと、一対の検出用振動腕3a,3bとが、それぞれ同軸方向に延伸されている形状から、本実施形態に係るジャイロ素子10は、H型振動片(H型ジャイロ素子)と呼ばれることがある。
H型のジャイロ素子10は、駆動用振動腕2a,2bと、検出用振動腕3a,3bとが、基部1の同一軸方向の両端部からそれぞれ延伸されていることで、駆動系と検出系が分離されることから、駆動系と検出系の電極間、あるいは配線間の静電結合が低減され、検出感度が安定するという特徴を有する。なお、本実施形態ではH型振動片を例に駆動用振動腕および検出用振動腕を各々2本ずつ設けているが、振動腕の本数は1本であっても3本以上であっても良い。
一対の駆動用振動腕2a,2bには、駆動用振動腕2a,2bの延出方向に沿うように表面(一方の主面)から掘り込まれた溝状の凹部17a,17bが設けられている。また、一対の検出用振動腕3a,3bには、幅方向(X軸方向)の両端側に段部7,8,9,11が設けられ、中央部を凸部12a,12bとしている。段部7,8,9,11は、検出用振動腕3a,3bの表面(一方の主面)から段差状に掘り込まれており底部を有している。そして、段部7,8,9,11は、一方端が検出用振動腕3a,3bの開放端に開放されている。更に、他方端は、基部1と検出用振動腕3a,3bとの付け根部分から基部1の内部まで連通して形成されている溝部13,14,15,16に連通されている。換言すれば、溝部13,14,15,16は、基部1の一方端1aから他方端1bに向かって延在されている。
なお、段部7,8,9,11の底面と、それぞれに連通された溝部13,14,15,16の底面と、が同一面の例で説明したが、それぞれの底面に段差が設けられている構成でもよい。換言すれば、段部7,8,9,11の一方の主面からの深さと溝部13,14,15,16の一方の主面からの深さとが異なっている構成でもよい。
基部1の中央は、ジャイロ素子10の重心とすることができる。X軸、Y軸及びZ軸は、互いに直交し、重心を通るものとする。ジャイロ素子10の外形は、重心を通るY軸方向の仮想の中心線に対して線対称とすることができる。これにより、ジャイロ素子10の外形はバランスのよいものとなり、ジャイロ素子10の特性が安定して、検出感度が向上する。このようなジャイロ素子10の外形形状は、フォトリソグラフィー技術を用いたエッチング(ウェットエッチングまたはドライエッチング)により形成することができる。なお、ジャイロ素子10は、1枚の水晶ウエハーから複数個取りすることが可能である。
また、図2(b)、(c)に示すように、検出用振動腕3a,3bに設けられた段部7,8,9,11、および段部7,8,9,11から基部1に連通して設けられた溝部13,14,15,16には、第1検出用電極S1と第2検出用電極S2とが設けられている。第1検出用電極S1および第2検出用電極S2は、検出用振動腕3a,3bが振動することによって基材である水晶に発生するひずみ信号を検出するために設けられている。
詳述すると、検出用振動腕3aに設けられた段部7と、段部7に連通して基部1に設けられた溝部13の底部および側面には第1検出用電極S1が設けられている。また、検出用振動腕3aに設けられた段部8と、段部8に連通して基部1に設けられた溝部14の底部および側面には第2検出用電極S2が設けられている。更に、検出用振動腕3aの裏面側の主面には、段部7の底部に対向して第2検出用電極S2が設けられ、段部8の底部に対向して第1検出用電極S1が設けられている。
同様に、検出用振動腕3bに設けられた段部9と、段部9に連通して基部1に設けられた溝部15の底部および側面には第1検出用電極S1が設けられている。また、検出用振動腕3bに設けられた段部11と、段部11に連通して基部1に設けられた溝部16の底部および側面には第2検出用電極S2が設けられている。更に、検出用振動腕3bの裏面側の主面には、段部9の底部に対向して第2検出用電極S2が設けられ、段部11の底部に対向して第1検出用電極S1が設けられている。
そして、検出用振動腕3a,3bの振動によって生じるひずみが、第1検出用電極S1および第2検出用電極S2の電極間の電位差を検出することにより検出される。
<第1実施形態の変形例1>
次に、第1実施形態の変形例1に係るジャイロ素子について図3を用いて説明する。本変形例1は、上述の第1実施形態の基部1に設けられた溝部の形状を変えた例である。なお、本変形例1の説明では、上述の実施形態と同じ構成については同符号を付けて説明を省略し、異なる部分の説明を行う。
図3(a)、(b)、(c)に示すように、第1実施形態の変形例1に係るジャイロ素子10aは、基部1、一対の駆動用振動腕2a,2b、一対の検出用振動腕3a,3b、第1支持部5、および第2支持部6を有している。検出用振動腕3a,3bには、第1実施形態と同様に、幅方向(X軸方向)の両端側に段部7,8,9,11が設けられ、中央部を凸部12a,12bとしている。段部7,8,9,11は、検出用振動腕3a,3bの表面(一方の主面)から段差状に掘り込まれており底部を有している。
段部7,9は、一方端が検出用振動腕3a,3bの開放端に開放され、更に、他方端は、基部1と検出用振動腕3a,3bとの付け根部分から基部1の内部にまで連通して形成されている溝部13,15に連通されている。換言すれば、溝部13,15は、基部1の一方端1aから他方端1bに向かって延在されている。
また、段部8,11は、一方端が検出用振動腕3a,3bの開放端に開放され、更に、他方端は、基部1と検出用振動腕3a,3bとの付け根部分から基部1の内部まで延設、接続された溝部としての段差部14aに連通されている。このように、溝部を段差部14aとすることで、溝部の平面積が広くなり溝部の形成を容易に行うことが可能となる。なお、段部7,8,9,11の底面と、それぞれに連通された溝部13,15および段差部14aの底面と、が同一面でない(段差を有している)構成でもよい。
<第1実施形態の変形例2>
次に、第1実施形態の変形例2に係るジャイロ素子について図4を用いて説明する。本変形例2は、上述の第1実施形態の基部1に設けられた溝部の形状を変えた例である。なお、本変形例2の説明では、上述の実施形態と同じ構成については同符号を付けて説明を省略し、異なる部分の説明を行う。
図4(a)、(b)、(c)に示すように、第1実施形態の変形例2に係るジャイロ素子10bは、基部1、一対の駆動用振動腕2a,2b、一対の検出用振動腕3a,3b、第1支持部5、および第2支持部6を有している。検出用振動腕3a,3bには、第1実施形態と同様に、幅方向(X軸方向)の両端側に段部7,8,9,11が設けられ、中央部を凸部12a,12bとしている。段部7,8,9,11は、検出用振動腕3a,3bの表面(一方の主面)から段差状に掘り込まれており底部を有している。
段部7,9は、一方端が検出用振動腕3a,3bの開放端に開放され、更に、他方端は、基部1と検出用振動腕3a,3bとの付け根部分から基部1の内部にまで連通して形成されている溝部としての段差部13a、15aに連通されている。段差部13a、15aは、実施形態1の溝部13,15が、それぞれX軸方向に延伸して基部1のX軸方向の両端まで達した構成となっている。このように、溝部を段差部13a,15aとすることで、溝部の平面積が広くなり溝部の形成を容易に行うことが可能となる。
また、段部8,11は、一方端が検出用振動腕3a,3bの開放端に開放され、更に、他方端は、基部1と検出用振動腕3a,3bとの付け根部分から基部1の内部まで連通して形成されている溝部14,16に連通されている。なお、段部7,8,9,11の底面と、それぞれに連通された溝部14,16および段差部13a,15aの底面と、が同一面でない(段差を有している)構成でもよい。
なお、図示しないが、溝部(段差部)の構成は、第1実施形態の変形例1で説明した段差部14aと、変形例2で説明した段差部13a、15aが組み合わされている構成であってもよい。また、駆動用振動腕2a,2bにおいては、駆動用振動腕2a,2bを駆動させるため駆動用電極が設けられているが、本実施形態での説明は省略する。
上述した第1実施形態に係るジャイロ素子10,10a,10bによれば、検出用振動腕3a,3bの主面(一方の主面)に設けられている段部7,8,9,11と連通している溝部13,14,15,16(段差部13a,14a,15a)が基部1に設けられている。この構成により、検出信号を検出する面である、検出用振動腕3a,3bの段部7,8,9,11の面積に、基部1における溝部13,14,15,16(段差部13a,14a,15a)の面積が加えられることから、信号検出の有効面積を大きくすることができる。そして、この検出信号を検出する面に検出のための電極である第1検出用電極S1と第2検出用電極S2が設けられているため電極の有効面積を大きくすることが可能となり、ジャイロ素子10,10a,10bが小型化されても検出電流の減少を防止すること、換言すれば、検出のインピーダンスを低く保つができる。したがって、ジャイロ素子10,10a,10bの小型化を実現することが可能となる。
また、検出用振動腕3a,3bが基部1から延出する部分、即ち検出用振動腕3a,3bの付け根部分は、音叉振動(検出用振動腕3a,3bがX軸方向に付け根部分を支点として往復運動する)する一対の検出用振動腕3a,3bの振動の応力が集中する。溝部13,14,15,16(段差部13a,14a,15a)が設けられることにより、付け根部分の剛性が弱まり、この応力集中を抑制することができ、更に検出のインピーダンスを低くすることが可能となる。
図5は、第1実施形態に係るジャイロ素子10(10a,10b)の検出感度を測定した結果を示すグラフである。図5のグラフに示すように、第1実施形態に係るジャイロ素子10は、従来のジャイロ素子と比して1.2倍程度の検出感度を有している。このように、振動片としてのジャイロ素子10,10a,10bが小型化されても、検出の確実性を維持することができる。したがって、ジャイロ素子10,10a,10bの小型化を実現することが可能となる。
(第2実施形態)
次に、本発明に係る振動片としてのジャイロ素子の第2実施形態について図6〜図8を用いて説明する。図6は、振動片としてのジャイロ素子の一実施形態を示し、(a)は模式図的に示す平面図、(b)は(a)に示すP−P断面の拡大図、(c)は(a)に示すQ−Q断面の拡大図である。図7は、第2実施形態に係るジャイロ素子の変形例1を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すP−P断面の拡大図、(c)は(a)に示すQ−Q断面の拡大図である。図8は、第2実施形態に係るジャイロ素子の変形例2を示し、(a)は平面図、(b)は(a)に示すP−P断面の拡大図、(c)は(a)に示すQ−Q断面の拡大図である。なお、本第2実施形態の説明では、上述の第1実施形態に係るジャイロ素子10と同様な構成については同符号を付けて説明を省略することがある。
図6に示すように、振動片としてのジャイロ素子10cは、基材(主要部分を構成する材料)を加工することにより一体に形成された基部1と、駆動用振動腕2a,2b、および検出用振動腕3a,3bを有している。更に、ジャイロ素子10cは、基部1から互いに反対方向へ延出する第1支持部5と第2支持部6とを有している。第1支持部5は、基部1から延出する第1連結部5aと、第1連結部5aに連結し、図示しないパッケージ等の基板に固定される第1固定部5bと、を含んでいる。また、第2支持部6は、基部1から延出する第2連結部6aと、第2連結部6aに連結し、図示しないパッケージ等の基板に固定される第2固定部6bと、を含んでいる。
一対の駆動用振動腕2a,2bには、駆動用振動腕2a,2bの延出方向に沿うように表面(一方の主面)から掘り込まれた溝状の凹部17a,17bが設けられている。
また、一対の検出用振動腕3a,3bには、幅方向(X軸方向)の中央部に表側の主面から掘り込まれ、底面を有する凹部22a,22bが設けられている。凹部22a,22bは、検出用振動腕3a,3bを平面視したときの内側(検出用振動腕3a,3bの内部)に一方端を有し、検出用振動腕3a,3bの延在方向に沿うように、基部1と検出用振動腕3a,3bとの付け根部分から基部1の内部まで連通している。即ち、凹部22a,22bの他方端は、基部1を平面視したときの内側(基部1の内部)に設けられている。換言すれば、基部1に凹部22a,22bの一部が設けられている。
更に、基部1には、検出用振動腕3a,3bのそれぞれの両側面と連通する壁を一壁面とし、基部1の表面(一方の主面)から有底の溝状に掘り込まれた溝部23,24,25,26が設けられている。換言すれば、溝部23,24,25,26は、基部1の一方端1aから他方端1bに向かって基部1に設けられている。溝部23,24,25,26は、検出用振動腕3a,3bのそれぞれの両側面と連通する一壁面が延伸された壁面を有し、凹部22a,22bの底面深さと同程度の深さの底面を有している。そして、溝部23,24,25,26は、基部1の一方端1a側が開放されている。なお、凹部22a,22bの主面から底面までの深さと、溝部23,24,25,26の主面から底面までの深さと、は異なっていてもよい。
また、図6(b)、(c)に示すように、検出用振動腕3a,3bに設けられた凹部22a,22bの内面、検出用振動腕3a,3bの両側面、および溝部23,24,25,26には、第1検出用電極S1と第2検出用電極S2とが設けられている。第1検出用電極S1および第2検出用電極S2は、検出用振動腕3a,3bが振動することによって基材である水晶に発生するひずみ信号を検出するために設けられている。
詳述すると、検出用振動腕3aに設けられた凹部22aの一方の内側面と底面の一部には、第1検出用電極S1が設けられている。なお、一方の内側面とは、検出用振動腕3aと検出用振動腕3bとの中心側に位置する側面を表している。さらに、凹部22aの他方の内側面と底面の一部には、第2検出用電極S2が設けられている。即ち、凹部22aの内側面に設けられた第1検出用電極S1および第2検出用電極S2は、検出用振動腕3aから基部1の内部に亘り設けられている。
凹部22aの一方の内側面に対向する検出用振動腕3aの側面には、第2検出用電極S2が設けられており、他方の内側面に対向する検出用振動腕3aの側面には、第1検出用電極S1が設けられている。更に、検出用振動腕3aの裏面側の主面には、凹部22aの一方の内側面の側に第1検出用電極S1が設けられ、凹部22aの他方の内側面の側に第2検出用電極S2が設けられている。
また、溝部23には、他方の内側面に対向する検出用振動腕3aの側面と、連通する一壁面、および底面とに第1検出用電極S1が設けられている。溝部24には、一方の内側面に対向する検出用振動腕3aの側面と、連通する一壁面、および底面とに第2検出用電極S2が設けられている。
同様に、検出用振動腕3bに設けられた凹部22bの一方の内側面と底面の一部には、第1検出用電極S1が設けられている。さらに、凹部22bの他方の内側面と底面の一部には、第2検出用電極S2が設けられている。即ち、凹部22bの内側面に設けられた第1検出用電極S1および第2検出用電極S2は、検出用振動腕3bから基部1の内部に亘り設けられている。
凹部22bの一方の内側面に対向する検出用振動腕3bの側面には、第2検出用電極S2が設けられており、他方の内側面に対向する検出用振動腕3bの側面には、第1検出用電極S1が設けられている。更に、検出用振動腕3bの裏面側の主面には、凹部22bの一方の内側面の側に第1検出用電極S1が設けられ、凹部22bの他方の内側面の側に第2検出用電極S2が設けられている。
また、溝部25には、他方の内側面に対向する検出用振動腕3bの側面と連通する一壁面に第1検出用電極S1が設けられている。溝部26には、一方の内側面に対向する検出用振動腕3bの側面と連通する一壁面に第2検出用電極S2が設けられている。
そして、検出用振動腕3a,3bの振動によって生じるひずみが、第1検出用電極S1および第2検出用電極S2の電極間の電位差を検出することにより検出される。
<第2実施形態の変形例1>
次に、第2実施形態の変形例1に係るジャイロ素子について図7を用いて説明する。本変形例1は、上述の第2実施形態の基部1に設けられた溝部の形状を変えた例である。なお、本変形例1の説明では、上述の実施形態と同じ構成については同符号を付けて説明を省略し、異なる部分の説明を行う。
図7(a)、(b)、(c)に示すように、第2実施形態の変形例1に係るジャイロ素子10dは、基部1、一対の駆動用振動腕2a,2b、一対の検出用振動腕3a,3b、第1支持部5、および第2支持部6を有している。検出用振動腕3a,3bには、第2実施形態と同様に、幅方向(X軸方向)の中央部に表側の主面から掘り込まれ、底面を有する凹部22a,22bが設けられている。更に、基部1には、検出用振動腕3a,3bのそれぞれの両側面と連通する壁を一壁面とし、基部1の表面(一方の主面)から有底の溝状に掘り込まれた溝部23,25と、第2実施形態のジャイロ素子10cに設けられている溝部24および溝部26の相当する部分が連結された段差部24aが設けられている。溝部23,25、および段差部24aは、基部1の一方端1aから他方端1bに向かって基部1に設けられている。このような段差部24aを設けることで、溝部に相当する部分の平面積が広くなり形成を容易に行うことが可能となる。
なお、ジャイロ素子10dにも、第1検出用電極S1および第2検出用電極S2が設けられているが、第2実施形態のジャイロ素子10cと同様な構成であるので、同符号で図示するが、その説明は省略する。
<第2実施形態の変形例2>
次に、第2実施形態の変形例2に係るジャイロ素子について図8を用いて説明する。本変形例2は、上述の第2実施形態の基部1に設けられた溝部の形状を変えた例である。なお、本変形例2の説明では、上述の実施形態と同じ構成については同符号を付けて説明を省略し、異なる部分の説明を行う。
図8(a)、(b)、(c)に示すように、第2実施形態の変形例2に係るジャイロ素子10eは、基部1、一対の駆動用振動腕2a,2b、一対の検出用振動腕3a,3b、第1支持部5、および第2支持部6を有している。検出用振動腕3a,3bには、第2実施形態と同様に、幅方向(X軸方向)の中央部に表側の主面から掘り込まれ、底面を有する凹部22a,22bが設けられている。更に、基部1には、検出用振動腕3a,3bのそれぞれの両側面と連通する壁を一壁面とし、基部1の表面(一方の主面)から有底で掘り込まれた溝部としての段差部23a,24a,25aが設けられている。このような段差部23a,24a,25aを設けることで、溝部に相当する部分の平面積が広くなり形成を容易に行うことが可能となる。
なお、ジャイロ素子10eにも、第1検出用電極S1および第2検出用電極S2が設けられているが、第2実施形態のジャイロ素子10cと同様な構成であるので、同符号で図示するが、その説明は省略する。
上述した第2実施形態に係るジャイロ素子10c,10d、10eによれば、検出用振動腕3a,3bから基部1にかけての主面に設けられている凹部22a,22bと、検出用振動腕3a,3bのそれぞれの両側面と連通する壁を一壁面とし、基部1の表面(一方の主面)から有底の溝状に掘り込まれた溝部23,24,25,26(段差部23a,24a,25a)と、が設けられている。この構成により、検出信号を検出する面である、検出用振動腕3a,3bの凹部22a,22bの面積に、基部1における溝部23,24,25,26(段差部23a,24a,25a)の面積が加えられることから、信号検出の有効面積を大きくすることができる。そして、この検出信号を検出する面に検出のための電極である第1検出用電極S1と第2検出用電極S2が設けられているため電極の有効面積を大きくすることが可能となり、ジャイロ素子10c,10d、10eが小型化されても検出電流の減少を防止すること、換言すれば、検出のインピーダンスを低く保つができる。したがって、ジャイロ素子10c,10d、10eの小型化を実現することが可能となる。
(第3実施形態)
次に、本発明に係る振動片としてのジャイロ素子の第3実施形態について図9を用いて説明する。図9は、第3実施形態に係る振動片としてのジャイロ素子の概略を示し、(a)は図2(a)に示すQ−Qに該当する断面図、(b)は図2(a)に示すP−Pに該当する断面図、(c)は、第3実施形態に係るジャイロ素子の変形例1を示す(b)と同じ切断位置(P−P)での断面図、(d)は第3実施形態に係るジャイロ素子の変形例2を示す(b)と同じ切断位置(P−P)での断面図である。なお、本第3実施形態の説明では、上述の第1実施形態に係るジャイロ素子10と同様な構成については同符号を付けて説明を省略することがある。
第3実施形態のジャイロ素子10fの基本的な構成は、上述の第1実施形態に係るジャイロ素子10と同様であり、基部1と、駆動用振動腕2a,2b、および検出用振動腕3a’,3b’と、第1支持部5と、第2支持部6とを有している(図1(a)参照)。第1実施形態に係るジャイロ素子10との違いは、一対の検出用振動腕3a’,3b’において幅方向(X軸方向)の両端側に設けられている段部が、表の主面Sおよび裏の主面B(表裏の主面S,B)の双方に設けられていることである。
図9(a)、(b)に示すように、ジャイロ素子10fの一対の検出用振動腕3a’,3b’には、表の主面Sに、幅方向(X軸方向)の中央部を凸部32a,32bとした両側に段部37a,38a,39a,41aが設けられている。また、裏の主面Bに、幅方向(X軸方向)の中央部を凸部32a,32bとした両側に段部37b,38b,39b,41bが設けられている。即ち、表裏双方に段部が設けられている。
段部37a,38a,39a,41a,37b,38b,39b,41bは、検出用振動腕3a’,3b’の表裏の主面S,Bから段差状に掘り込まれており底部を有している。段部37a,38a,39a,41a,37b,38b,39b,41bは、一方端が検出用振動腕3a’,3b’の開放端に開放されている。更に、他方端は、基部1と検出用振動腕3a’,3b’との付け根部分から基部1の内部まで連通して形成されている、図9(b)に示す溝部43a,44a,45a,46a,43b,44b,45b,46bに連通されている。
なお、段部37a,38a,39a,41a,37b,38b,39b,41bの底面と、それぞれに連通された溝部43a,44a,45a,46a,43b,44b,45b,46bの底面と、が同一面の例で説明したが、それぞれの底面に段差が設けられている構成でもよい。換言すれば、段部37a,38a,39a,41a,37b,38b,39b,41bの表裏の主面S,Bからの深さと、溝部43a,44a,45a,46a,43b,44b,45b,46bの表裏の主面S,Bからの深さとが異なっている構成でもよい。
また、図9(a)、(b)に示すように、段部37a,38a,39a,41a,37b,38b,39b,41b、および段部37a,38a,39a,41a,37b,38b,39b,41bから基部1に連通して設けられた溝部43a,44a,45a,46a,43b,44b,45b,46bには、第1検出用電極S1と第2検出用電極S2とが設けられている。第1検出用電極S1および第2検出用電極S2は、検出用振動腕3a’,3b’が振動することによって基材である水晶に発生するひずみ信号を検出するために設けられている。
詳述すると、検出用振動腕3a’に設けられた段部37aと、段部37aに連通して基部1に設けられた溝部43aの底部および側面には第1検出用電極S1が設けられている。また、検出用振動腕3a’に設けられた段部38aと、段部38aに連通して基部1に設けられた溝部44aの底部および側面には第2検出用電極S2が設けられている。
更に、検出用振動腕3a’に設けられた段部37bと、段部37bに連通して基部1に設けられた溝部43bの底部および側面には第2検出用電極S2が設けられている。また、検出用振動腕3a’に設けられた段部38bと、段部38bに連通して基部1に設けられた溝部44bの底部および側面には第1検出用電極S1が設けられている。
同様に、検出用振動腕3b’に設けられた段部39aと、段部39aに連通して基部1に設けられた溝部45aの底部および側面には第2検出用電極S2が設けられている。また、検出用振動腕3b’に設けられた段部41aと、段部41aに連通して基部1に設けられた溝部46aの底部および側面には第1検出用電極S1が設けられている。
更に、検出用振動腕3b’に設けられた段部39bと、段部39bに連通して基部1に設けられた溝部45bの底部および側面には第1検出用電極S1が設けられている。また、検出用振動腕3b’に設けられた段部41bと、段部41bに連通して基部1に設けられた溝部46bの底部および側面には第2検出用電極S2が設けられている。
そして、検出用振動腕3a’,3b’の振動によって生じるひずみが、第1検出用電極S1、および第2検出用電極S2の電極間の電位差を検出することにより検出される。
<第3実施形態の変形例1>
図9(c)に示すように、第3実施形態の変形例1のジャイロ素子10f’は、上述の第3実施形態のジャイロ素子10fの溝部44aと溝部46aとが連結された構成の段差部47aと、上述の第3実施形態のジャイロ素子10fの溝部44bと溝部46bとが連結された構成の段差部47bと、が設けられている。なお、第1検出用電極S1、および第2検出用電極S2も含む他の構成は、第3実施形態のジャイロ素子10fと同様である。
<第3実施形態の変形例2>
図9(d)に示すように、第3実施形態の変形例2のジャイロ素子10f”は、段差部48a、49a,48b,49bが設けられている。段差部48aは、上述の第3実施形態のジャイロ素子10fの溝部43aが−X軸方向に延伸して形成されており、段差部49aは、第3実施形態のジャイロ素子10fの溝部45aが+X軸方向に延伸して形成されている。また、段差部48bは、上述の第3実施形態のジャイロ素子10fの溝部43bが−X軸方向に延伸して形成されており、段差部49bは、第3実施形態のジャイロ素子10fの溝部45bが+X軸方向に延伸して形成されている。なお、第1検出用電極S1および第2検出用電極S2も含む他の構成は、第3実施形態のジャイロ素子10fと同様である。
上述した第3実施形態に係るジャイロ素子10f,10f’、10f”によれば、検出用振動腕3a’,3b’の表裏の主面S,Bに設けられている段部37a,38a,39a,41a,37b,38b,39b,41bと連通している溝部43a,44a,45a,46a,43b,44b,45b,46b(段差部47a,47b,48a,48b,49a,49b)が基部1に設けられている。
この構成により、検出信号を検出する面である、検出用振動腕3a’,3b’の段部37a,38a,39a,41a,37b,38b,39b,41bの面積に、基部1における溝部43a,44a,45a,46a,43b,44b,45b,46b(段差部47a,47b,48a,48b,49a,49b)の面積が加えられることから、信号検出の有効面積を大きくすることができる。そして、この検出信号を検出する面に検出のための電極である第1検出用電極S1と第2検出用電極S2が設けられているため電極の有効面積を大きくすることが可能となり、ジャイロ素子10c,10d、10eが小型化されても検出電流の減少を防止する、換言すれば、検出のインピーダンスを低く保つことができる。したがって、ジャイロ素子10c,10d、10eの小型化を実現することが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明に係る振動片としてのジャイロ素子の第4実施形態について図10を用いて説明する。図10は、第4実施形態に係る振動片としてのジャイロ素子の概略を示し、(a)は図2(a)に示すQ−Qに該当する断面図、(b)は図2(a)に示すP−Pに該当する断面図、(c)は、第4実施形態に係るジャイロ素子の変形例1を示す(b)と同じ切断位置(P−P)での断面図、(d)は第4実施形態に係るジャイロ素子の変形例2を示す(b)と同じ切断位置(P−P)での断面図である。なお、本第4実施形態の説明では、上述の第1実施形態に係るジャイロ素子10と同様な構成については同符号を付けて説明を省略することがある。
第4実施形態のジャイロ素子10gの基本的な構成は、上述の第1実施形態に係るジャイロ素子10と同様であり、基部1と、駆動用振動腕2a,2b、および検出用振動腕3a”,3b”と、第1支持部5と、第2支持部6と、を有している(図1(a)参照)。第1実施形態に係るジャイロ素子10との違いは、一対の検出用振動腕3a”,3b”において、幅方向(X軸方向)の中央部に主面から掘り込まれ、底面を有する凹部が、表の主面Sおよび裏の主面Bの双方に設けられていることである。
図10(a)、(b)に示すように、ジャイロ素子10gの一対の検出用振動腕3a”,3b”には、表の主面Sにおいて、幅方向(X軸方向)の中央部に表側の主面Sから掘り込まれ、底面を有する凹部62a,63aが設けられている。凹部62a,63aは、検出用振動腕3a”,3b”を平面視したときの内側(検出用振動腕3a”,3b”の内部)に一方端を有し、検出用振動腕3a”,3b”の延在方向に沿うように、基部1と検出用振動腕3a”,3b”との付け根部分から基部1の内部まで連通している。即ち、凹部62a,63aの他方端は、基部1を平面視したときの内側(基部1の内部)に設けられている。換言すれば、基部1に凹部62a,63aの一部が形成されているということもできる。
更に、基部1には、検出用振動腕3a”,3b”のそれぞれの両側面と連通する壁を一壁面とし、基部1の表の主面(一方の主面)Sから有底の溝状に掘り込まれた溝部73a,74a,75a,76aが設けられている。溝部73a,74a,75a,76aは、検出用振動腕3a”,3b”のそれぞれの両側面と連通する一壁面が延伸された壁面を有し、凹部62a,63aの底面深さと同程度の深さの底面を有している。そして、溝部73a,74a,75a,76aは、基部1の一方端側が開放されている。
また、裏の主面Bにも、幅方向(X軸方向)の中央部に裏側の主面Bから掘り込まれ、底面を有する凹部62b,63bが設けられている。凹部62b,63bは、検出用振動腕3a”,3b”を平面視したときの内側(検出用振動腕3a”,3b”の内部)に一方端を有し、検出用振動腕3a”,3b”の延在方向に沿うように、基部1と検出用振動腕3a”,3b”との付け根部分から基部1の内部まで連通している。即ち、凹部62b,63bの他方端は、基部1を平面視したときの内側(基部1の内部)に設けられている。換言すれば、基部1に凹部62b,63bの一部が形成されているということもできる。
更に、基部1には、検出用振動腕3a”,3b”のそれぞれの両側面と連通する壁を一壁面とし、基部1の裏の主面(他方の主面)Bから有底の溝状に掘り込まれた溝部73b,74b,75b,76bが設けられている。溝部73b,74b,75b,76bは、検出用振動腕3a”,3b”のそれぞれの両側面と連通する一壁面が延伸された壁面を有し、凹部62b,63bの底面深さと同程度の深さの底面を有している。そして、溝部73b,74b,75b,76bは、基部1の一方端側が開放されている。なお、凹部62a,63a,62b,63bの主面S,Bから底面までの深さと、溝部73b,74b,75b,76bの主面S,Bから底面までの深さと、は異なっていてもよい。
また、図10(a)、(b)に示すように、検出用振動腕3a”,3b”に設けられた凹部62a,63a,62b,63bの内面、検出用振動腕3a”,3b”の両側面、および溝部73a,74a,75a,76a,73b,74b,75b,76bの一壁面には、第1検出用電極S1と第2検出用電極S2とが設けられている。第1検出用電極S1および第2検出用電極S2は、検出用振動腕3a”,3b”が振動することによって基材である水晶に発生するひずみ信号を検出するために設けられている。
詳述すると、検出用振動腕3a”に設けられた凹部62aの一方の内側面と底面の一部には、第1検出用電極S1が設けられている。なお、一方の内側面とは、検出用振動腕3a”と検出用振動腕3b”との中心側に位置する側面を表している。さらに、凹部62aの他方の内側面と底面の一部には、第2検出用電極S2が設けられている。即ち、凹部62aの内側面に設けられた第1検出用電極S1および第2検出用電極S2は、検出用振動腕3a”から基部1に内部に亘って設けられている。
凹部62aの一方の内側面に対向する検出用振動腕3a”の側面には、第2検出用電極S2が設けられており、他方の内側面に対向する検出用振動腕3a”の側面には、第1検出用電極S1が設けられている。また、溝部73aには、凹部62aの他方の内側面に対向し、かつ検出用振動腕3a”の側面と連通する一壁面に第1検出用電極S1が設けられている。溝部74aには、凹部62aの一方の内側面に対向し、かつ検出用振動腕3a”の側面と連通する一壁面に第2検出用電極S2が設けられている。
検出用振動腕3b”に設けられた凹部63aの一方の内側面と底面の一部には、第1検出用電極S1が設けられている。なお、一方の内側面とは、検出用振動腕3a”と検出用振動腕3b”との中心側に位置する側面を表している。さらに、凹部63aの他方の内側面と底面の一部には、第2検出用電極S2が設けられている。即ち、凹部63aの内側面に設けられた第1検出用電極S1および第2検出用電極S2は、検出用振動腕3b”から基部1の内部に亘って設けられている。
凹部63aの一方の内側面に対向する検出用振動腕3b”の側面には、第2検出用電極S2が設けられており、他方の内側面に対向する検出用振動腕3b”の側面には、第1検出用電極S1が設けられている。また、溝部76aには、凹部63aの一方の内側面に対向し、かつ検出用振動腕3b”の側面と連通する一壁面に第2検出用電極S2が設けられている。溝部75aには、他方の内側面に対向し、かつ検出用振動腕3b”の側面と連通する一壁面に第1検出用電極S1が設けられている。
更に、裏の主面B側の凹部62bの一方の内側面と底面の一部には、第2検出用電極S2が設けられている。凹部62bの他方の内側面と底面の一部には、第1検出用電極S1が設けられている。即ち、凹部62bの内側面に設けられた第1検出用電極S1および第2検出用電極S2は、検出用振動腕3a”から基部1の内部に亘って設けられている。
凹部62bの一方の内側面に対向する検出用振動腕3a”の側面には、第1検出用電極S1が設けられており、他方の内側面に対向する検出用振動腕3a”の側面には、第2検出用電極S2が設けられている。また、溝部73bには、凹部62bの他方の内側面に対向し、かつ検出用振動腕3a”の側面と連通する一壁面に第2検出用電極S2が設けられている。溝部74bには、一方の内側面に対向し、かつ検出用振動腕3a”の側面と連通する一壁面に第1検出用電極S1が設けられている。
また、裏の主面B側の凹部63bの一方の内側面と底面の一部には、第2検出用電極S2が設けられている。凹部63bの他方の内側面と底面の一部には、第1検出用電極S1が設けられている。即ち、凹部63bの内側面に設けられた第1検出用電極S1および第2検出用電極S2は、検出用振動腕3b”から基部1の内部に亘って設けられている。
凹部63bの一方の内側面に対向する検出用振動腕3b”の側面には、第1検出用電極S1が設けられており、他方の内側面に対向する検出用振動腕3b”の側面には、第2検出用電極S2が設けられている。また、溝部75bには、他方の内側面に対向し、かつ検出用振動腕3b”の側面と連通する一壁面に第2検出用電極S2が設けられている。溝部76bには、一方の内側面に対向し、かつ検出用振動腕3b”の側面と連通する一壁面に第1検出用電極S1が設けられている。
そして、検出用振動腕3a”,3b”の振動によって生じるひずみが、第1検出用電極S1および第2検出用電極S2の電極間の電位差を検出することにより検出される。
<第4実施形態の変形例1>
図10(c)に示すように、第4実施形態の変形例1のジャイロ素子10g’は、上述の第4実施形態のジャイロ素子10gの溝部74aと溝部76aとが連結された構成の段差部77aと、上述の第4実施形態のジャイロ素子10gの溝部74bと溝部76bとが連結された構成の段差部77bと、が設けられている。なお、第1検出用電極S1および第2検出用電極S2も含む他の構成は、第4実施形態のジャイロ素子10gと同様である。
<第4実施形態の変形例2>
図10(d)に示すように、第4実施形態の変形例2のジャイロ素子10g”は、段差部77a,78a、79a,77b,78b,79bが設けられている。段差部77aは、上述の第4実施形態のジャイロ素子10gの溝部74aと溝部76aとが連結された構成であり、段差部77bは、上述の第4実施形態のジャイロ素子10gの溝部74bと溝部76bとが連結された構成である。
段差部78aは、上述の第4実施形態のジャイロ素子10gの溝部73aが−X軸方向に延伸して形成されており、段差部79aは、第4実施形態のジャイロ素子10gの溝部75aが+X軸方向に延伸して形成されている。また、段差部78bは、上述の第4実施形態のジャイロ素子10gの溝部73bが−X軸方向に延伸して形成されており、段差部79bは、第4実施形態のジャイロ素子10gの溝部75bが+X軸方向に延伸して形成されている。なお、第1検出用電極S1および第2検出用電極S2も含む他の構成は、第4実施形態のジャイロ素子10gと同様である。
上述した第4実施形態に係るジャイロ素子10g,10g’、10g”によれば、検出用振動腕3a”,3b”から基部1にかけて表裏の主面S,Bに設けられている凹部62a,62b,63a,63bと、検出用振動腕3a”,3b”のそれぞれの両側面と連通する壁を一壁面として基部1の表裏の主面S,Bから有底の溝状に掘り込まれた溝部73a,74a,75a,76a,73b,74b,75b,76b(段差部77a,78a,79a,77b,78b,79b)と、が設けられている。
この構成により、信号検出面の有効面積を大きくすることができる。そして、この検出信号を検出する面に検出のための電極である第1検出用電極S1と第2検出用電極S2が設けられているため電極の有効面積を大きくすることが可能となり、ジャイロ素子10c,10d、10eが小型化されても検出電流の減少を防止する、換言すれば、検出のインピーダンスを低く保つことができる。したがって、ジャイロ素子10c,10d、10eの小型化を実現することが可能となる。
上述の第1〜第4実施形態のジャイロ素子においては、駆動用振動腕および検出用振動腕が、基部から同じ幅で延出されている構成で説明したが、これに限らない。例えば、駆動用振動腕および検出用振動腕の先端(開放端)部分にバランス調整、共振周波数調整などに用いる幅広の錘部(質量調整部)が設けられた構成、或いは、駆動用振動腕および検出用振動腕の幅が順次変化する構成であっても効果は変わらない。
また、上述の第1〜第4実施形態のジャイロ素子においては、一対の駆動用振動腕と、一対の検出用振動腕とが、それぞれ同軸方向に延伸されている、所謂H型のジャイロ素子で説明したがこれに限らない。例えば、音叉型のジャイロ素子、あるいは一対の駆動用振動腕と、一対の検出用振動腕とが、それぞれ同軸逆方向に延伸されている、所謂WT型ジャイロ素子などに適用することができる。
[振動子]
本発明に係る振動子の実施形態について、図11を参照しながら第1実施形態のジャイロ素子10を用いた例で説明する。図11は、振動子としてのジャイロデバイスの概略を示す正断面図である。
図11に示すように、振動子としてのジャイロデバイス90は、パッケージ91の凹部に、ジャイロ素子10を収容し、パッケージ91の開口部を蓋体96により密閉し、内部を気密に保持されている。パッケージ91は、平板上の基板92と、基板92上に、枠状に形成された第2枠状基板94、および第3枠状基板95を積層して形成され、ジャイロ素子10とが収容される凹部が形成される。基板92、第2枠状基板94、および第3枠状基板95は、例えばセラミックなどにより形成される。
第2枠状基板94上には、第2枠状基板94の開口より広い開口を有する第3枠状基板95が積層され、固着されている。そして第2枠状基板94に第3枠状基板95が積層されて第3枠状基板95の開口の内側に現れる第2枠状基板94面には、ジャイロ素子10の第1支持部5と第2支持部6とが接続されている。即ち、ジャイロ素子10は、第2枠状基板面に導電性接着剤93などによって接着固定されている。
更に、第3枠状基板95の開口の上面に蓋体96が配置され、パッケージ91の開口を封止し、パッケージ91の内部が気密封止され、振動子としてのジャイロデバイス90が得られる。蓋体96は、例えば、42アロイ(鉄にニッケルが42%含有された合金)やコバール(鉄、ニッケルおよびコバルトの合金)等の金属、セラミックス、あるいはガラスなどを用いて形成することができる。例えば、金属により蓋体96を形成した場合には、コバール合金などを矩形環状に型抜きして形成されたシールリング(図示せず)を介してシーム溶接することによりパッケージ91と接合される。パッケージ91および蓋体96によって形成される凹部空間は、ジャイロ素子10が動作するための空間となるため、減圧空間または不活性ガス雰囲気に密閉・封止することが好ましい。なお、基板92の外部底面には、パッケージ91の図示しない内部配線が接続された複数の外部接続端子が設けられているが図示は省略している。
上述した振動子としてのジャイロデバイス90によれば、検出電流の減少を防止するとともに、小型化が可能な振動片としてのジャイロ素子10を用いている。したがって、特性の安定した小型のジャイロデバイス90の提供が可能となる。
[ジャイロセンサー]
次に、第1実施形態のジャイロ素子10を備えたジャイロセンサーについて説明する。図12は、ジャイロセンサーの概略を示す正断面図である。
図12に示すように、ジャイロセンサー200は、パッケージ110の凹部に、ジャイロ素子10と、電子部品としての半導体装置120と、を収容し、パッケージ110の開口部を蓋体130により密閉し、内部を気密に保持されている。パッケージ110は、平板上の第1基板111と、第1基板111上に、枠状の第2基板112、第3基板113、第4基板114、を順に積層、固着して形成され、半導体装置120とジャイロ素子10とが収容される凹部が形成される。基板111,112,113,114は、例えばセラミックなどにより形成される。
第1基板111は、凹部側の半導体装置120が搭載される電子部品搭載面111aには、半導体装置120が載置され、固定されるダイパッド115が設けられている。半導体装置120はダイパッド115上に、例えば、ろう材(ダイアタッチ材)140によって接着され、固定されている。
半導体装置120は、ジャイロ素子10を駆動振動させるための励振手段としての駆動回路と、角速度が加わったときにジャイロ素子10に生じる検出振動を検出する検出手段としての検出回路と、を有する。具体的には、半導体装置120が有する駆動回路は、ジャイロ素子10の一対の駆動用振動腕2a,2b(図2参照)にそれぞれ形成された駆動電極に駆動信号を供給する。また、半導体装置120が有する検出回路は、ジャイロ素子10の一対の検出用振動腕3a,3b(図2参照)にそれぞれ形成された検出電極に生じる検出信号を増幅させて増幅信号を生成し、該増幅信号に基づいてジャイロセンサー200に加わった回転角速度を検出する。
第2基板112は、ダイパッド115上に搭載される半導体装置120が収容可能な大きさの開口を有する枠状の形状に形成されている。第3基板113は、第2基板112の開口より広い開口を有する枠状の形状に形成され、第2基板112上に積層され、固着される。
そして第2基板112に第3基板113が積層されて第3基板113の開口の内側に現れる第2基板面112aには、半導体装置120の図示しない電極パッドと電気的に接続するボンディングワイヤーBWが接続される複数のIC接続端子112bが形成されている。そして、半導体装置120の図示しない電極パッドと、パッケージ110に設けられたIC接続端子112bとが、ワイヤーボンディング法を用いて電気的に接続されている。すなわち、半導体装置120に設けられた複数の電極パッドと、パッケージ110の対応するIC接続端子112bとが、ボンディングワイヤーBWにより接続されている。また、IC接続端子112bのいずれかは、パッケージ110の図示しない内部配線により、第1基板111の外部底面111bに設けられた複数の外部接続端子111cに電気的に接続されている。
第3基板113上には、第3基板113の開口より広い開口を有する第4基板114が積層され、固着されている。そして、そして第3基板113に第4基板114が積層されて第4基板114の開口の内側に現れる第3基板面113aには、ジャイロ素子10に形成された第1支持部5と第2支持部6とが接続されている。ジャイロ素子10は、第3基板面113aに形成された素子接続端子113bに、ジャイロ素子10の第1固定部5b、第2固定部6b(図2参照)の位置を合わせて載置し、導電性接着剤150によって接着固定する。
更に、第4基板114の開口の上面に蓋体130が配置され、パッケージ110の開口を封止し、パッケージ110の内部が気密封止され、ジャイロセンサー200が得られる。蓋体130は、例えば、42アロイ(鉄にニッケルが42%含有された合金)やコバール(鉄、ニッケルおよびコバルトの合金)等の金属、セラミックス、あるいはガラスなどを用いて形成することができる。例えば、金属により蓋体130を形成した場合には、コバール合金などを矩形環状に型抜きして形成されたシールリング160を介してシーム溶接することによりパッケージ110と接合される。パッケージ110および蓋体130によって形成される凹部空間は、ジャイロ素子10が動作するための空間となるため、減圧空間または不活性ガス雰囲気に密閉・封止することが好ましい。
上述したジャイロセンサー200によれば、検出電流の減少を防止するとともに、小型化が可能な振動片としてのジャイロ素子10を用いている。したがって、特性の安定した小型のジャイロセンサー200の提供が可能となる。
[電子機器]
次いで、本発明の一実施形態に係る振動片としてのジャイロ素子10、ジャイロ素子10を用いた振動子としてのジャイロデバイス90、あるいはジャイロセンサー200を適用した電子機器について、図13〜図15に基づき、詳細に説明する。なお、説明では、振動片としてのジャイロ素子10を用いたジャイロセンサー200を用いた例を示している。
図13は、本発明の一実施形態に係るジャイロセンサー200を備える電子機器としてのモバイル型(又はノート型)のパーソナルコンピューターの構成の概略を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、角速度を検出する機能を備えたジャイロ素子10を用いたジャイロセンサー200が内蔵されている。
図14は、本発明の一実施形態に係るジャイロセンサー200を備える電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成の概略を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。このような携帯電話機1200には、角速度センサー等として機能するジャイロ素子10を用いたジャイロセンサー200が内蔵されている。
図15は、本発明の一実施形態に係るジャイロセンサー200を備える電子機器としてのデジタルスチールカメラの構成の概略を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部100が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部100は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部100に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。
そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。
さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、角速度センサー等として機能するジャイロ素子10を用いたジャイロセンサー200が内蔵されている。
なお、本発明の一実施形態に係るジャイロセンサー200は、図13のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図14の携帯電話機、図15のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
[移動体]
図16は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車106には本実施形態に係るジャイロ素子10を用いたジャイロセンサー200が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車106には、ジャイロ素子10を用いたジャイロセンサー200を内蔵して、タイヤ109などを制御する電子制御ユニット108が車体107に搭載されている。また、ジャイロセンサー200は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
1…基部、2a,2b…駆動用振動腕、3a,3b…検出用振動腕、5…第1支持部、5a…第1連結部、5b…第1固定部、6…第2支持部、6a…第2連結部、6b…第2固定部、7,8,9,11…段部、10,10a,10b,10c,10d,10e,10f,10f’,10f”,10g,10g’,10g”…ジャイロ素子、12a,12b…凸部、13,14,15,16…溝部、13a,14a,15a…段差部、90…振動子としてのジャイロデバイス、91…パッケージ、92…基板、93…導電性接着剤、94…第2枠状基板、95…第3枠状基板、96…蓋体、106…移動体としての自動車、111…第1基板、111a…電子部品搭載面、111b…外部底面、111c…外部接続端子、112…第2基板、112a…第2基板面、112b…IC接続端子、113…第3基板、113a…第3基板面、113b…素子接続端子、114…第4基板、115…ダイパッド、120…半導体装置、130…蓋体、140…ろう材、150…導電性接着剤、160…シールリング、200…ジャイロセンサー、1100…電子機器としてのモバイル型のパーソナルコンピューター、1200…電子機器としての携帯電話機、1300…電子機器としてのデジタルスチールカメラ、S1…第1検出用電極、S2…第2検出用電極。

Claims (8)

  1. 基部と、
    前記基部から延出されている検出用振動腕と、
    前記検出用振動腕の主面に設けられている凹部または段部と、
    前記凹部または前記段部と連通し、前記基部に設けられている溝部と、
    を備えていること特徴とする振動片。
  2. 請求項1に記載の振動片において、
    前記凹部、または前記段部には、電極が設けられおり、
    前記電極は、前記溝部に延設されていることを特徴とする振動片。
  3. 請求項1または請求項2に記載の振動片において、
    前記凹部、または前記段部は、前記検出用振動腕の表裏の主面に設けられていることを特徴とする振動片。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の振動片において、
    前記基部から延出された駆動用振動腕が設けられていることを特徴とする振動片。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動片と、
    前記振動片を収容する収納容器と、
    を備えていることを特徴とする振動子。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動片と、
    前記振動片を収容する収納容器と、
    を備えていることを特徴とするジャイロセンサー。
  7. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動片を備えていることを特徴とする電子機器。
  8. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動片を備えていることを特徴とする移動体。
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