JP2014025742A - 振動片、ジャイロセンサー、電子機器、および移動体 - Google Patents

振動片、ジャイロセンサー、電子機器、および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】振動腕の電極面積を確保することで振動腕の検出信号のインピーダンスを低減させ、振動片の小型化を実現する。
【解決手段】振動片としてのジャイロ素子2は、基部41から延出されている第1、および第2検出振動腕421、422と、検出振動腕の先端部に幅広に設けられている幅広部425、426と、検出振動腕、および幅広部に連通して設けられている第1の溝部423、424と、幅広部における第1の溝部の両側に第1の壁部427を介して設けられている第2の溝部429a、429bとを備えている。
【選択図】図2

Description

本発明は、振動片、ジャイロセンサー、電子機器、および移動体に関する。
従来から、角速度を検出するための振動片として、いわゆる「ダブルT型」のジャイロ素子(振動片)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載されているジャイロ素子は、基部と、基部から両側へy軸に沿って延出している第1、第2検出振動腕(検出アーム)と、基部から両側へx軸に沿って延出している第1、第2連結腕(連結アーム)と、第1連結腕から両側へy軸に沿って延出している第1、第2駆動振動腕(駆動アーム)と、第2連結腕から両側へy軸に沿って延出している第3、第4駆動振動腕(駆動アーム)と、第1、第2検出振動腕および第1、第2駆動振動腕の先端部に幅広に設けられた重量部(幅広部)と、を含んでいる。
また、上記各振動腕における駆動や検出を高精度に行うため、各振動腕に溝部を形成して駆動電極あるいは検出電極の有効面積を広くして感度を高めることが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開2006−201011号公報 特開2004−245605号公報
近年、ジャイロ素子の小型化の要求が高まり、ジャイロ素子の更なる小型化が進んでいる。ジャイロ素子をさらに小型化しようとすると、各振動腕の電極面積が益々小さくなり、各振動腕の検出信号のインピーダンスが高くなってしまうことから、信号の検出が困難になってしまうという課題を生じる。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係る振動片は、基部と、前記基部から延出されている検出振動腕と、前記検出振動腕の先端部に設けられている幅広部と、前記検出振動腕、および前記幅広部に連通して設けられている第1の溝部と、前記幅広部における前記第1の溝部の両側に設けられている第2の溝部と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、幅広部における第1の溝部の両側に第2の溝部が設けられている。この構成により、検出振動腕に加えて、幅広部においても信号検出の有効面積を確保できることから、振動片が小型化されても検出のインピーダンスを低く保つことが可能となる。したがって、振動片の小型化を実現することが可能となる。
[適用例2]上記適用例に記載の振動片において、前記第1の溝部は、前記幅広部の先端に開放されていることを特徴とする。
本適用例によれば、第1の溝部が幅広部の先端に開放されている、即ち第1の溝部は幅広部の一方端から他方端まで連通して設けられている。したがって、検出の有効面積を、より大きくすることが可能となり、検出のインピーダンスを低減することが可能となる。
[適用例3]上記適用例に記載の振動片において、前記第1の溝部、および前記第2の溝部には、電極が設けられていることを特徴とする。
本適用例によれば、例えば検出のための電極の有効面積を大きくすることが可能となり、振動片が小型化されても検出のインピーダンスを低く保つことが可能となる。したがって、振動片の小型化を実現することが可能となる。
[適用例4]上記適用例に記載の振動片において、さらに、前記基部から延出されている駆動振動腕と、前記駆動振動腕の先端部に設けられている第2の幅広部と、前記駆動振動腕、および前記第2の幅広部に連通して設けられている第3の溝部と、前記第2の幅広部における前記第3の溝部の両側に設けられている第4の溝部と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、検出振動腕に加えて、駆動振動腕、および第2の幅広部に連通して設けられている第3の溝部と、第2の幅広部における第3の溝部の両側に設けられている第4の溝部とを有している。これにより、駆動のインピーダンスも低減することが可能となり、振動片の小型化を実現することが可能となる。
[適用例5]本適用例に係るジャイロセンサーは、上記適用例のいずれか一例に記載の振動片と、前記振動片が収納されているパッケージと、を備えていることを特徴とする。
本適用例のジャイロセンサーによれば、検出あるいは駆動のインピーダンスを低く保ち、小型化が可能な振動片を用いているため、ジャイロセンサーの小型化を実現することが可能となる。
[適用例6]本適用例に係る電子機器は、上記適用例のいずれか一例に記載の振動片を備えていることを特徴とする。
本適用例の電子機器によれば、検出あるいは駆動のインピーダンスを低く保ち、小型化が可能な振動片を用いているため、安定した機能且つ小型の電子機器を提供することが可能となる。
[適用例7]本適用例に係る移動体は、上記適用例のいずれか一例に記載の振動片を備えていることを特徴とする。
本適用例の移動体によれば、検出あるいは駆動のインピーダンスを低く保ち、小型化が可能な振動片を用いているため、安定した機能且つ小型の移動体を提供することが可能となる。
本発明にかかる振動片の実施形態、およびその振動片を用いた振動子の実施形態を示す概略図であり、(A)は平面図、(B)は正断面図。 振動子が備える振動片としてのジャイロ素子の平面図。 (A)は図2のQ−Q断面図、(B)は図2のP−P断面図であり、(C)、(D)は(A)、(B)それぞれの変形例を示す断面図。 ジャイロ素子の駆動を説明する平面図。 ジャイロ素子の変形例1を示す平面図。 ジャイロ素子の変形例2を示す平面図。 ジャイロセンサーの概略を示す正断面図。 電子機器の一例としてのモバイル型のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図。 電子機器の一例としての携帯電話機の構成を示す斜視図。 電子機器の一例としてのデジタルスチールカメラの構成を示す斜視図。 移動体の一例としての自動車の構成を示す斜視図。
以下、本発明の振動片および振動子を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
<実施形態>
まず、本発明にかかる振動片の実施形態、およびその振動片を適用した振動子の実施形態について説明する。
図1は、本発明にかかる振動片、およびその振動片を用いた振動子の実施形態を示す図であり、(A)は平面図、(B)は正断面図である。図2は、図1に示す振動子が備える振動片としてのジャイロ素子を示す平面図である。図3は、ジャイロ素子を構成する検出振動腕の断面を示す図であり、(A)は図2のQ−Q断面図、(B)は図2のP−P断面図、(C)、(D)は(A)、(B)にそれぞれ対応した変形例を示す断面図である。図4は、ジャイロ素子の駆動を説明する平面図である。
なお、以下では、図1に示すように、互いに直交する3軸を、x軸、y軸およびz軸とし、z軸は、振動デバイスの厚さ方向と一致する。また、x軸に平行な方向を「x軸方向(第2方向)」と言い、y軸に平行な方向を「y軸方向(第1方向)」と言い、z軸に平行な方向を「z軸方向」と言う。
図1に示す振動子1は、振動片としてのジャイロ素子(振動素子)2と、ジャイロ素子2を収納するパッケージ9とを有している。以下、ジャイロ素子2およびパッケージ9について順次詳細に説明する。なお、同図(A)では、リッド92を省略してある。
(ジャイロ素子)
図2は、上側から(リッド92側)から見た振動片としてのジャイロ素子の平面図である。なお、ジャイロ素子には、検出信号電極、検出信号配線、検出信号端子、検出接地電極、検出接地配線、検出接地端子、駆動信号電極、駆動信号配線、駆動信号端子、駆動接地電極、駆動接地配線および駆動接地端子などが設けられているが、同図においては検出信号電極、および検出接地端子を除き省略している。
振動片としてのジャイロ素子2は、z軸まわりの角速度を検出する「面外検出型」のセンサーであって、図示しないが、基材と、基材の表面に設けられている複数の電極、配線および端子とで構成されている。
ジャイロ素子2は、水晶、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウムなどの圧電材料で構成することができるが、これらの中でも、水晶で構成するのが好ましい。これにより、優れた振動特性(周波数特性)を発揮することのできるジャイロ素子2が得られる。
このようなジャイロ素子2は、いわゆるダブルT型をなす振動体4と、振動体4を支持する支持部としての第1支持部51および第2支持部52と、振動体4と第1、第2支持部51、52とを連結する梁としての第1梁61、第2梁62、第3梁63および第4梁64とを有している。
振動体4は、xy平面に拡がりを有し、z軸方向に厚みを有している。このような振動体4は、中央に位置する基部41と、基部41からy軸方向に沿って両側に延出している第1検出振動腕421、第2検出振動腕422と、基部41からx軸方向に沿って両側に延出している第1連結腕431、第2連結腕432と、第1連結腕431の先端部からy軸方向に沿って両側に延出している振動腕としての第1駆動振動腕441、および第2駆動振動腕442と、第2連結腕432の先端部からy軸方向に沿って両側に延出している振動腕としての第3駆動振動腕443、および第4駆動振動腕444とを有している。第1、第2検出振動腕421、422および第1、第2、第3、第4駆動振動腕441、442、443、444の先端部には、それぞれ、基端側よりも幅の大きい略四角形の幅広の幅広部(ハンマーヘッド)425、426、445、446、447、448が設けられている。このような幅広部425、426、445、446、447、448を設けることでジャイロ素子2の角速度の検出感度が向上する。なお、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441、442、443、444に設けられている幅広部445、446、447、448を第2の幅広部という。
なお、第1、第2駆動振動腕441、442は、第1連結腕431の延在方向の途中から延出してもよく、同様に、第3、第4駆動振動腕443、444は、第2連結腕432の延在方向の途中から延出してもよい。
また、本例では、基部41から延出している第1連結腕431、第2連結腕432から第1駆動振動腕441、第2駆動振動腕442、第3駆動振動腕443、および第4駆動振動腕444が延出している構成で説明したが、基部41と第1連結腕431と第2連結腕432とを含めて基部とすることも可能である。即ち、基部から第1駆動振動腕、第2駆動振動腕、第3駆動振動腕、および第4駆動振動腕が延出している構成も可能である。
また、第1、第2支持部51、52は、それぞれ、x軸方向に沿って延在しており、これら第1、第2支持部51、52の間に振動体4が位置している。言い換えれば、第1、第2支持部51、52は、振動体4を介してy軸方向に沿って対向するように配置されている。第1支持部51は、第1梁61、および第2梁62を介して基部41と連結されており、第2支持部52は、第3梁63、および第4梁64を介して基部41と連結されている。
第1梁61は、第1検出振動腕421と第1駆動振動腕441との間を通って第1支持部51と基部41を連結し、第2梁62は、第1検出振動腕421と第3駆動振動腕443との間を通って第1支持部51と基部41を連結し、第3梁63は、第2検出振動腕422と第2駆動振動腕442との間を通って第2支持部52と基部41を連結し、第4梁64は、第2検出振動腕422と第4駆動振動腕444との間を通って第2支持部52と基部41を連結している。
このような各梁61、62、63、64は、それぞれ、x軸方向に沿って往復しながらy軸方向に沿って延びる蛇行部(S字形状部)を有しており、x軸方向およびy軸方向に弾性を有している。また、各梁61、62、63、64は、それぞれ、蛇行部を有する細長い形状を有しているので、あらゆる方向に弾性を有している。そのため、外部から衝撃が加えられても、各梁61、62、63、64で衝撃を吸収する作用を有するので、これに起因する検出ノイズを低減または抑制することができる。
(振動腕の溝部)
図2に示すように、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441、442、443、444には、第1連結腕431、第2連結腕432側の基端部(根元部分)から幅広部445、446、447、448に向かって延在する溝部441a、442a、443a、444aが設けられている。溝部441a、442a、443a、444aは、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441、442、443、444の表面から溝状(底部を有する陥状)に、基端部から幅広部445、446、447、448の根元に亘って設けられている。
図2および図3(A)、(B)に示すように、第1検出振動腕421、第2検出振動腕422には、基部41側の基端部(根元部分)から幅広部425、426の先端に開放されている第1の溝部423、424が設けられている。第1の溝部423、424は、第1、第2検出振動腕421、422の表面421aから溝状(底部を有する凹陥状)に設けられている。第1の溝部423、424の幅方向の両側には、第1、第2検出振動腕421、422の側面との間に第1の壁部としての壁部427が設けられている。
また、幅広部425には、第1の溝部423の両側に第1の溝部423と壁部427を介して設けられた第2の溝部429a、429bが設けられている。また、幅広部426には、第1の溝部424の両側に第1の溝部424と壁部428を介して設けられた第2の溝部430a、430bが設けられている。なお、壁部427、428は、第1、第2検出振動腕421、422から幅広部425、426まで延伸されている。
第2の溝部429a、429bは、幅広部425、426の先端および反対側の端部に開放されており、幅広部425、426の表面425aから溝状(有底を有する陥状)に設けられている。また、第2の溝部430a、430bは、幅広部426の先端および反対側の端部に開放されており、幅広部426の表面(426a)から溝状(底部を有する凹陥状)に設けられている。
また、本例では、第1の溝部423、424と、第2の溝部429a、429b、430a、430bとは、実質的に同じ深さで形成されているが、必ずしも同じ深さでなくてもよい。
図3(A)、(B)に示すように、第1の溝部423、424の内壁(底面と側面)には、検出信号電極710が設けられている。また、第1検出振動腕421の側面には、検出接地電極720が設けられている。検出接地電極720は、第2の溝部429a、429bの壁部427側の壁面まで延設されている。同様に、第2検出振動腕422の側面には、検出接地電極720が設けられている。検出接地電極720は、第2の溝部430a、430bの壁部428側の壁面まで延設されている。
このように、ジャイロ素子2を構成する第1検出振動腕421、第2検出振動腕422の幅広部425、426に、第1の溝部423、424および第2の溝部429a、429b、430a、430bが設けられている。そして、この第1の溝部423、424には検出信号電極710が設けられており、第2の溝部429a、429b、430a、430bには、検出接地電極720が設けられている。このように、検出信号電極710および検出接地電極720は、第1、および第2検出振動腕421、422の検出信号電極710および検出接地電極720と、第1の溝部423、424の検出信号電極710と、第2の溝部429a、429b、430a、430bの検出接地電極720と、が加えられることから、それぞれの面積が大きくなる。これにより、検出信号を検出する際の検出インピーダンスを低く保つことが可能となり、検出の安定性を高めることができるとともにジャイロ素子2が小型化されても検出信号の検出が可能となる。したがって、ジャイロ素子の小型化を実現することが可能となる。
(溝部の変形例)
本溝部の変形例の説明では、第1検出振動腕421、第2検出振動腕422の内から、第1検出振動腕421を代表として用いて説明するが、第2検出振動腕422も同様な構成である。また、上述と同様な構成については同一符号を付けて説明する。
図3(C)、(D)は、上述の第1検出振動腕421に設けられている第1の溝部423と第2の溝部429a、429bの変形例を示している。上述の形態では、第1の溝部423と第2の溝部429a、429bとが表面421a、425a側に設けられているが、本変形例は、表面421a’、425a’と裏面421b’、425b’から第1の溝部423a、423bと第2の溝部429a’、429b’、429c’、429d’とが設けられている。
図3(C)に示すように、第1検出振動腕421aaには、その表面421a’から溝状に、基部41側の基端部(根元部分)から幅広部425の先端に開放されている第1の溝部423aが設けられている。第1の溝部423aの幅方向の両側には、第1検出振動腕421aaの側面との間に壁部427aが設けられている。
また、第1検出振動腕421aaの裏面421b’には、裏面421b’から溝状に、基部41側の基端部(根元部分)から幅広部425の先端に開放されている第1の溝部423bが設けられている。表面421a’と同様に、第1の溝部423bの幅方向の両側には、第1検出振動腕421aaの側面との間に壁部427bが設けられている。
さらに、図3(D)に示すように、幅広部425aaの表面425a’には、第1の溝部423aの両側に、第1の溝部423aと壁部427aを介して設けられた第2の溝部429a’、429b’が設けられている。なお、壁部427aは、第1検出振動腕421から幅広部425aaまで延伸されている。第2の溝部429a’、429b’は、幅広部425の先端および反対側の端部に開放されており、幅広部425aaの表面425a’から溝状(底部を有する陥状)に設けられている。また、幅広部425aaの裏面425b’には、第1の溝部423bの両側に、第1の溝部423bと壁部427bを介して設けられた第2の溝部429c’、429d’が設けられている。
表面421a’側の第1の溝部423aの内壁(底面と側面)には、検出信号電極710aが設けられている。また、裏面421b’側の第1の溝部423bの内壁(底面と側面)には、検出信号電極710bが設けられている。
また、第1検出振動腕421aaの側面には、検出接地電極720が設けられている。検出接地電極720は、第2の溝部429a’、429b’、429c’、429d’の壁部427a、427b側の壁面に設けられている検出接地電極720a、720bまで延設されている。
溝部の変形例で説明したような、表面421a’、425a’と裏面421b’、425b’から第1の溝部423a、424aと第2の溝部429a’、429b’、429c’、429d’とが設けられている構成であっても、上述の実施形態と同様な効果を有している。
このような構成のジャイロ素子2は、次のようにしてz軸まわりの角速度ωを検出する。ジャイロ素子2は、角速度ωが加わらない状態において、駆動信号電極(図示せず)および駆動接地電極(図示せず)の間に電界が生じると、図4(A)に示すように、各駆動振動腕441、442、443、444が矢印Aに示す方向に屈曲振動を行う。このとき、第1、第2駆動振動腕441、442と、第3、第4駆動振動腕443、444とは、中心点G(重心G)を通るyz平面に関して面対称の振動を行っているため、基部41と、第1、第2連結腕431、432と、第1、第2検出振動腕421、422とは、ほとんど振動しない。
この駆動振動を行っている状態にて、ジャイロ素子2にz軸まわり角速度ωが加わると、図4(B)に示すような振動が発生する。即ち、駆動振動腕441、442、443、444および連結腕431、432に矢印B方向のコリオリの力が働き、この矢印B方向の振動に呼応して、矢印C方向の検出振動が励起される。そして、この振動により発生した検出振動腕421、422の歪みを検出信号電極(図示せず)および検出接地電極(図示せず)が検出して角速度ωが求められる。
(パッケージ)
図1に戻りパッケージについて説明する。パッケージ9は、ジャイロ素子2を収納するものである。なお、パッケージ9には、後述する電子デバイスのように、ジャイロ素子2の他に、ジャイロ素子2の駆動等を行うICチップ等が収納されていてもよい。このようなパッケージ9は、その平面視(xy平面視)にて、略矩形状をなしている。
パッケージ9は、上面に開放する凹部を有するベース91と、凹部の開口を塞ぐようにベースに接合されているリッド(蓋体)92とを有している。また、ベース91は、板状の底板911と、底板911の上面周縁部に設けられている枠状の側壁912とを有している。このようなパッケージ9は、その内側に収納空間を有しており、この収納空間内に、ジャイロ素子2が気密的に収納、設置されている。
ジャイロ素子2は、第1、第2支持部51、52にて、半田、銀ペースト、導電性接着剤(樹脂材料中に金属粒子などの導電性フィラーを分散させた接着剤)などの導電性固定部材8を介して底板911の上面に固定されている。第1、第2支持部51、52は、ジャイロ素子2のy軸方向の両端部に位置するため、このような部分を底板911に固定することにより、ジャイロ素子2の振動体4が両持ち支持され、ジャイロ素子2を底板911に対して安定的に固定することができる。そのため、ジャイロ素子2の不要な振動(検出振動以外の振動)が抑制され、ジャイロ素子2による角速度ωの検出精度が向上する。
また、導電性固定部材8は、第1、第2支持部51、52に設けられている2つの検出信号端子714、2つの検出接地端子724、駆動信号端子734および駆動接地端子744に対応(接触)して、かつ互いに離間して6つ設けられている。また、底板911の上面には、2つの検出信号端子714、2つの検出接地端子724、駆動信号端子734および駆動接地端子744に対応する6つの接続パッド10が設けられており、導電性固定部材8を介して、これら各接続パッド10とそれと対応するいずれかの端子とが電気的に接続されている。
次に、図5、図6を用いてジャイロ素子の変形例について説明する。なお、この変形例の説明では、上述の実施形態のジャイロ素子2と構成の異なる部位について説明し、同じ構成の部位については同符号を付して説明を省略する。
(ジャイロ素子の変形例1)
図5を用いてジャイロ素子の変形例1について説明する。図5は、ジャイロ素子の変形例1を示す平面図である。変形例1のジャイロ素子2aは、上述の実施形態における第1検出振動腕421、第2検出振動腕422および幅広部425、426に設けられている第2の溝部の形状が異なる。
変形例1のジャイロ素子2aは、基部41側の基端部(根元部分)から延在され、幅広部425、426の内に端部を有する第1の溝部423aa、424aaが設けられている。第1の溝部423aa、424aaは、第1、第2検出振動腕421、422の表面から溝状(有底を有する陥状)に設けられている。第1の溝部423aa、424aaの幅方向の両側には、第1、第2検出振動腕421、422の側面との間に壁部427が設けられている。
また、幅広部425には、第1の溝部423aaの両側に、該第1の溝部423aaと壁部427を介して設けられた第2の溝部429aa、429bbが設けられている。また、幅広部426には、第1の溝部424aaの両側に、該第1の溝部424aaと壁部428を介して設けられた第2の溝部430aa、430bbが設けられている。なお、壁部427、428は、第1、第2検出振動腕421、422から幅広部425、426まで延伸されている。
第2の溝部429aa、429bb、430aa、430bbは、第1の溝部423aa、424aaの端部と略並ぶ位置の幅広部425、426内に端部を有し、幅広部425、426の先端と反対側の端に他端部が開放されている。また、第2の溝部429aa、429bb、430aa、430bbは、幅広部425、426の表面から溝状(有底を有する陥状)に設けられている。
なお、第1の溝部423aa、424aa、および第2の溝部429aa、429bb、430aa、430bbは、第1検出振動腕421、第2検出振動腕422および幅広部425、426の表裏面の両側に設けられていてもよい。
第1の溝部423aa、424aaの内壁(底面と側面)には、検出信号電極710が設けられている。また、第1検出振動腕421の側面には、検出接地電極720が設けられている。検出接地電極720は、第2の溝部429aa、429bbの壁部427側の壁面まで延設されている。同様に、第2検出振動腕422の側面には、検出接地電極720が設けられている。検出接地電極720は、第2の溝部430aa、430bbの壁部428側の壁面まで延設されている。
変形例1のジャイロ素子2aにおいても、上述の実施形態のジャイロ素子2と同様に、検出信号を検出する際の検出インピーダンスを低く保つことが可能となり、ジャイロ素子2aが小型化されても検出信号を検出することが可能となる。したがって、検出信号の検出が安定するとともにジャイロ素子の小型化を実現することが可能となる。
(ジャイロ素子の変形例2)
図6を用いてジャイロ素子の変形例2について説明する。図6は、ジャイロ素子の変形例2を示す平面図である。
変形例2のジャイロ素子2bは、上述のジャイロ素子2と基部41からx軸方向に沿って両側に延出している第1連結腕、第2連結腕の形状が異なる。
ジャイロ素子2bを構成する第1連結腕431a、第2連結腕432aは、基部41から端部に向かって細くなるようなテーパー形状に形成されており、テーパー形状が所定の幅まで達した後は、所定の幅で端部まで延設されている。そして、第1連結腕431a、第2連結腕432aは、第1連結腕431aの先端部からy軸方向に沿って両側に延出している第1駆動振動腕441、および第2駆動振動腕442と、第2連結腕432aの先端部からy軸方向に沿って両側に延出している第3駆動振動腕443、および第4駆動振動腕444とを有している。
変形例2のジャイロ素子2bによれば、第1連結腕431a、第2連結腕432aが基部41から端部に向かって細くなるようなテーパー形状に形成されていることにより、上述の実施形態の効果に加えて、S/N比を一層向上させることができる。
なお、図示しないが、上述した実施形態の第1の溝部と第2の溝部と同じ構成を第1、第2、第3、第4駆動振動腕441、442、443、444に適用することもできる。この構成では、上述の実施形態で説明した第1、第2検出振動腕421、422から幅広部425、426に設けられている第1の溝部423、424と、幅広部425、426に設けられている第2の溝部429a、429b、430a、430bと、に加えて設けられる。
本構成を詳述すると、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441、442、443、444に設けられている溝部441a、442a、443a、444aが、第2の幅広部としての幅広部445、446、447、448まで連通して設けられている第3の溝部が設けられている。そして、幅広部445、446、447、448には、幅広部445、446、447、448に連通されている第3の溝部の両側に、第3の溝部の両側に設けられている第2の壁部を介して設けられている第4の溝部と、を有している。
このような構成とすることで、第1、第2、第3、第4駆動振動腕441、442、443、444の駆動効率が高まり、さらにジャイロ素子2bの小型化を図ることが可能となる。
上述した振動子1によれば、用いているジャイロ素子2、2a、2bが、検出信号を検出する際の検出インピーダンスを低く保つことが可能であることから、安定した検出を保つことができるとともに小型化することができる。したがって、ジャイロ素子2、2a、2bを用いる振動子1においても、安定した特性を有するとともに小型化を図ることが可能となる。
[電子デバイス]
次に、上述のジャイロ素子2を用いたジャイロセンサーについて、図7を用いて説明する。図7はジャイロセンサーの概略を示す正断面図である。
ジャイロセンサー80は、振動片としてのジャイロ素子2、回路素子としてのIC84、パッケージとしての収容器81、蓋体86を備えている。セラミックなどで形成された収容器81の底面にはIC84が配置され、Auなどのワイヤー85で収容器81に形成された配線(図示せず)と電気的接続がなされている。IC84にはジャイロ素子2を駆動振動させるための駆動回路と、角速度が加わったときにジャイロ素子2に生ずる検出振動を検出する検出回路とを含んでいる。
ジャイロ素子2は、収容器81に形成された支持台82に、ジャイロ素子2の支持部51、52が導電性接着剤などの固定部材83を介して接着支持されている。また、支持台82表面には配線(図示せず)が形成され、ジャイロ素子2の電極と配線間の導通が固定部材83を介してなされている。この固定部材83は、弾性のある材料であることが望ましい。弾性を有する固定部材83としてはシリコーンを基材とする導電性接着剤などが知られている。そして、収容器81内を真空雰囲気に保持し、収容器81の上部の開口が蓋体86にて封止されている。
上述したジャイロセンサー80によれば、用いているジャイロ素子2が、検出信号を検出する際の検出インピーダンスを低く保つことが可能となり、検出の安定性を高めることができるとともに小型化されている。したがって、ジャイロセンサー80においても特性が安定するとともに、小型化を図ることが可能となる。
[電子機器]
次いで、本発明の一実施形態に係る振動片としてのジャイロ素子2、ジャイロ素子2を用いた振動子1、あるいはジャイロセンサー80を適用した電子機器について、図8〜図10に基づき、詳細に説明する。なお、説明では、振動片としてのジャイロ素子2を用いた振動子1を用いた例を示している。
図8は、本発明の一実施形態に係る振動子1を備える電子機器としてのモバイル型(又はノート型)のパーソナルコンピューターの構成の概略を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部100を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、角速度を検出する機能を備えたジャイロ素子2を用いた振動子1が内蔵されている。
図9は、本発明の一実施形態に係る振動子1を備える電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成の概略を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部100が配置されている。このような携帯電話機1200には、角速度センサー等として機能するジャイロ素子2を用いた振動子1が内蔵されている。
図10は、本発明の一実施形態に係る振動子1を備える電子機器としてのデジタルスチールカメラの構成の概略を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部100が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部100は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部100に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチールカメラ1300には、角速度センサー等として機能するジャイロ素子2を用いた振動子1が内蔵されている。
なお、本発明の一実施形態に係る振動子1は、図8のパーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図9の携帯電話機、図10のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
[移動体]
図11は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車106には本発明に係るジャイロ素子2を用いた振動子1が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車106には、ジャイロ素子2を用いた振動子1を内蔵してタイヤ109などを制御する電子制御ユニット108が車体107に搭載されている。また、振動子1は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:electronic control unit)に広く適用できる。
1…振動子、2…振動片としてのジャイロ素子、4…振動体、8…導電性固定部材(銀ペースト)、9…パッケージ、10…接続パッド、41…基部、51…第1支持部、52…第2支持部、61…第1梁、62…第2梁、63…第3梁、64…第4梁、91…ベース、92…リッド、106…移動体としての自動車、421…第1検出振動腕、422…第2検出振動腕、425、426、445、446、447、448…幅広部(ハンマーヘッド)、423、424…第1の溝部、427、428…第1の壁部としての壁部、429a、429b、430a、430b…第2の溝部、431…第1連結腕、432…第2連結腕、441…第1駆動振動腕、442…第2駆動振動腕、443…第3駆動振動腕、444…第4駆動振動腕、710…検出信号電極、720…検出接地電極、714…固定部としての検出信号端子、724…固定部としての検出接地端子、734…固定部としての駆動信号端子、744…固定部としての駆動信号端子、911…底板、912…側壁、1100…電子機器としてのモバイル型のパーソナルコンピューター、1200…電子機器としての携帯電話機、1300…電子機器としてのデジタルスチールカメラ。

Claims (7)

  1. 基部と、
    前記基部から延出されている検出振動腕と、
    前記検出振動腕の先端部に設けられている幅広部と、
    前記検出振動腕、および前記幅広部に連通して設けられている第1の溝部と、
    前記幅広部における前記第1の溝部の両側に設けられている第2の溝部と、
    を備えていることを特徴とする振動片。
  2. 請求項1に記載の振動片において、
    前記第1の溝部は、前記幅広部の先端に開放されていることを特徴とする振動片。
  3. 請求項1または請求項2に記載の振動片において、
    前記第1の溝部、および前記第2の溝部には、電極が設けられていることを特徴とする振動片。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の振動片において、
    さらに、
    前記基部から延出されている駆動振動腕と、
    前記駆動振動腕の先端部に設けられている第2の幅広部と、
    前記駆動振動腕、および前記第2の幅広部に連通して設けられている第3の溝部と、
    前記第2の幅広部における前記第3の溝部の両側に設けられている第4の溝部と、
    を備えていることを特徴とする振動片。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動片と、
    前記振動片が収納されているパッケージと、
    を備えていることを特徴とするジャイロセンサー。
  6. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動片を備えていることを特徴とする電子機器。
  7. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動片を備えていることを特徴とする移動体。
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JP2016085184A (ja) * 2014-10-28 2016-05-19 セイコーエプソン株式会社 センサー素子、物理量センサー、電子機器および移動体

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