JP2015001420A - ジャイロセンサー素子、ジャイロ装置、電子機器および移動体 - Google Patents

ジャイロセンサー素子、ジャイロ装置、電子機器および移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】振動腕の駆動効率の向上と、角速度の検出感度の向上とを両立させたジャイロセンサー素子を提供すること。【解決手段】振動腕と、前記振動腕の一面上に設けられている第1積層体および第2積層体と、を有し、前記第1積層体および前記第2積層体は、第1電極層、第2電極層、第3電極層、前記第1電極層と前記第2電極層との間に設けられている第1圧電層および前記第2電極層と前記第3電極層との間に設けられている第2圧電層、を含み、前記第1積層体は、前記第1電極層、前記第1圧電層および前記第2電極層を含む駆動部を有し、前記第2積層体は、前記第2電極層、前記第2圧電層および前記第3電極層を含む検出部を有し、前記第1圧電層の圧電歪定数は、前記第2圧電層の圧電歪定数より大きく、前記第2圧電層の誘電率は、前記第1圧電層の誘電率より小さいこと【選択図】図1

Description

本発明は、ジャイロセンサー素子、ジャイロ装置、電子機器および移動体に関する。
従来から、ジャイロセンサーは、船舶、航空機、ロケットなどの姿勢を自律制御する技術に使用されている。最近では、車両における車体制御、カーナビゲーションシステムの自車位置検出、デジタルカメラ、ビデオカメラおよび携帯電話の振動制御補正(いわゆる手振れ補正)などに用いられている。これら電子機器の小型化に伴い、例えば、特許文献1に記載されているように、シリコン基板からなる音叉型振動子のアームに、振動部を励振する駆動部と、振動部のたわみを検出する検知部を設けた小型なジャイロセンサーが知られていた。
特開2005−249395号公報
特許文献1に記載のジャイロセンサーの駆動部および検出部(検知部)は、上部電極と下部電極および上部電極と下部電極とに挟まれた圧電体で形成されており、圧電体には、圧電材料の中で大きな圧電歪定数(d)を有するチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)などが使用されている。駆動部にPZTを用いると、与えられた電気的エネルギーを高効率で駆動振動へ変換できるという長所が得られる。しかし、一般的に、大きい圧電歪定数(d)を有する圧電体は、高い誘電率を有しており、検出部にPZTを用いると、検出部に蓄えられている電荷量が多く、圧電体が振動腕の厚み方向に撓むことによって生じる微少な電荷の変化を検知し難い。すなわち、振動腕の駆動効率の向上と、角速度の検出感度の向上とを両立することが難しいという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例に係るジャイロセンサー素子は、振動腕と、前記振動腕の一面上に設けられている第1積層体および第2積層体と、を有し、前記第1積層体および前記第2積層体は、第1電極層、第2電極層、第3電極層、前記第1電極層と前記第2電極層との間に設けられている第1圧電層および前記第2電極層と前記第3電極層との間に設けられている第2圧電層、を含み、前記第1積層体は、前記第1積層体に設けられている前記第1電極層、前記第1圧電層および前記第2電極層を含む駆動部を有し、前記駆動部は、前記振動腕を第1の方向に屈曲振動させ、前記第2積層体は、前記第2積層体に設けられている前記第2電極層、前記第2圧電層および前記第3電極層を含む検出部を有し、前記検出部は、前記振動腕が前記第1の方向と交差する方向へ振動したことを検出し、前記第1圧電層の圧電歪定数は、前記第2圧電層の圧電歪定数より大きく、前記第2圧電層の誘電率は、前記第1圧電層の誘電率より小さいことを特徴とする。
本適用例によれば、ジャイロセンサー素子は、振動腕の上に第1積層体と第2積層体が形成され、第1積層体には第1圧電層を含む駆動部が設けられ、第2積層体には第2圧電層を含む検出部が設けられている。第1圧電層は第2圧電層の圧電歪定数より大きい圧電歪定数を有する圧電材料で形成され、第2圧電層は第1圧電層の誘電率よりも小さい誘電率を有する圧電材料で形成されている。ジャイロセンサー素子の駆動部は、逆圧電効果を利用して、第1圧電層に電圧を印加して圧電層に歪を生じさせ、振動腕に第1の方向への屈曲振動を励起させる。第1圧電層に、圧電歪定数(逆圧電効果)の大きい圧電材料を使用することで、電気エネルギー(電圧)から機械エネルギー(歪)への変換効率が高まり、振動腕を大きく屈曲振動させることができる。なお、第1の方向とは、駆動部が振動腕を屈曲振動させる方向である。検出部は、振動腕に加わる角速度で生じるコリオリ力が第2圧電層に歪を加え、圧電効果により、歪量に応じて圧電層に現れる電荷を検出する。第2圧電層に誘電率の小さい圧電材料を使用することで、検出部に滞留する電荷量を減らせるため、歪量に応じて現れる電荷を精度良く検出することができる。これによって、振動腕を効率よく屈曲振動させると共に、角速度が加わった時に生じる微少な電荷の変化を精度良く検出することが可能なジャイロセンサー素子を提供することができる。
[適用例2]上記適用例に記載のジャイロセンサー素子は、前記第1積層体および前記第2積層体は、前記振動腕の前記一面上より、前記第1電極層、前記第1圧電層、前記第2電極層、前記第2圧電層、前記第3電極層、の順に積層されていることが好ましい。
本適用例によれば、ジャイロセンサー素子の駆動部は、振動腕に接している第1電極層と、第1圧電層と、第2電極層とで形成され、検出部は、振動腕と第1電極層および第1圧電層を介した第2電極層と、第2圧電層と、第3電極層とで形成されている。通常、層を多層に積層すると、後から積層した層は、先に形成した下地となる層の表面形状の影響を受け、層の表面に生じる厚さ方向の凹凸が大きくなる。言い換えれば、振動腕に近い層ほど、表面形状が平坦で良好な膜質が得られ、圧電歪定数の大きい圧電層を形成することができる。したがって、第1圧電層を駆動部とすることで、振動腕を効率よく屈曲振動させることができる。また、検出部は、振動腕と第1電極層および第1圧電層を介した厚み方向に離れた位置に形成されているため、振動腕に厚み方向の力が加わると、第2圧電層に加わる歪量が大きくなる。これにより、圧電層に現れる電荷量も多くなるため、角速度が加わった時に生じる電荷の検出精度を向上することができる。
[適用例3]上記適用例に記載のジャイロセンサー素子は、前記第1積層体は、一対で設けられており、前記第2積層体は、一対の前記第1積層体の間に設けられていることが好ましい。
本適用例によれば、ジャイロセンサー素子の振動腕には、一対の駆動部が設けられているため、振動腕を効率よく屈曲振動させることができる。
[適用例4]上記適用例に記載のジャイロセンサー素子は、前記第1積層体は、前記第1積層体に設けられている前記第2電極層、前記第3電極層および前記第2圧電層を含む補正部を有し、前記補正部は、前記駆動部による屈曲振動によって前記振動腕に生ずる前記第1の方向と交差する方向の振動と逆位相の振動を前記振動腕に生じさせることが好ましい。
本適用例によれば、ジャイロセンサー素子の第1積層体には、補正部が設けられており、検出部で検知した駆動部による振動に起因して振動腕に生ずる第1の方向と交差する方向の振動(漏れ振動)と逆位相の振動を励起する電圧を補正部に印加することで、漏れ振動を制振することができる。
[適用例5]上記適用例に記載のジャイロセンサー素子は、前記第1積層体は、前記第1積層体に設けられている前記第2電極層、前記第3電極層および前記第2圧電層を含むモニター部を有し、前記モニター部は、前記振動腕の振動を検出し振幅に応じた電荷を出力することが好ましい。
本適用例によれば、ジャイロセンサー素子の第1積層体には、モニター部が設けられており、振動腕の屈曲振動で第2圧電層に生じる歪により現れる電荷を増幅して、駆動部に電圧を印加する駆動回路にモニター電圧として印加することができるため、振動腕に安定した屈曲振動をさせることができる。
[適用例6]本適用例に係るジャイロ装置は、上記適用例に記載のジャイロセンサー素子と、前記ジャイロセンサー素子を駆動する駆動回路と、前記ジャイロセンサー素子に加わった角速度に応じた信号を出力する検出回路と、を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、振動腕を効率よく屈曲振動させると共に、角速度が加わった時に生じる微少な電荷の変化を精度良く検出することが可能なジャイロ装置を提供することができる。
[適用例7]本適用例に係る電子機器は、上記適用例に記載のジャイロセンサー素子を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、振動腕を効率よく屈曲振動させると共に、角速度が加わった時に生じる微少な電荷の変化を精度良く検出することが可能なジャイロセンサー素子を備えた電子機器を提供することができる。
[適用例8]本適用例に係る移動体は、上記適用例に記載のジャイロセンサー素子を備えていることを特徴とする。
本適用例によれば、振動腕を効率よく屈曲振動させると共に、角速度が加わった時に生じる微少な電荷の変化を精度良く検出することが可能なジャイロセンサー素子を備えた移動体を提供することができる。
実施形態1に係るジャイロセンサー素子の概略構成を示す模式平面図。 図1におけるA−A線での断面図。 変形例1に係るジャイロセンサー素子の図1におけるA−A線での断面図。 駆動回路および補正信号生成回路の構成を示すブロック図。 検出回路の構成を示すブロック図。 駆動振動の振動形態を説明する図。 変形例2に係るジャイロセンサー素子の図1におけるA−A線での断面図。 駆動回路の構成を示すブロック図。 ジャイロセンサー素子を備えるジャイロ装置の概略を示す断面図。 ジャイロセンサー素子を備える電子機器としてのモバイル型(又はノート型)のパーソナルコンピューターの構成を示す斜視図。 ジャイロセンサー素子を備える電子機器としての携帯電話機を示す斜視図。 ジャイロセンサー素子を備える電子機器としてのデジタルスチルカメラを示す斜視図。 ジャイロセンサー素子を備える移動体としての自動車を示す斜視図。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。なお、以下の各図においては、各層や各部材を認識可能な程度の大きさにするため、各層や各部材の尺度を実際とは異ならせている。
<ジャイロセンサー素子>
(実施形態)
図1は、実施形態に係るジャイロセンサー素子1の概略構成を示す模式平面図である。図2は、図1におけるA−A線での断面図である。ここで、図1、図2、および後述する図3、図6、図7では、説明の便宜上、互いに直交する3軸として、X軸、Y軸およびZ軸を図示しており、その図示した矢印の先端側を「+側」、基端側を「−側」としている。また、以下では、X軸に平行な方向を「X軸方向」と言い、Y軸に平行な方向を「Y軸方向」と言い、Z軸に平行な方向を「Z軸方向」と言う。
まず、実施形態に係るジャイロセンサー素子の概略構成について、図1と図2とを用いて説明する。
図1に示すように、ジャイロセンサー素子1は、基部10と、基部10から延出している一対の振動腕20,30などから構成されている。詳しくは、ジャイロセンサー素子1は、略矩形平板状の基部10の+Y側の一端から、Y軸方向に互いに略平行に延びる角柱状の一対の振動腕20,30を備えている。ジャイロセンサー素子1を構成する基部10と振動腕20,30は、一体で形成され、例えば、Si(シリコン)を主成分とする材料が用いられている。ジャイロセンサー素子1は、その平面形状より音叉型ジャイロとも呼ばれている。
振動腕20の一面である主面11上には、Y軸方向を長辺とする矩形状の一対の第1積層体40,50が設けられている。そして、一対の第1積層体40,50の間には、Y軸方向を長辺とする第2積層体60が設けられている。
振動腕30の主面11上には、Y軸方向を長辺とする矩形状の一対の第1積層体70,80が設けられている。そして、一対の第1積層体70,80の間には、Y軸方向を長辺とする第2積層体90が設けられている。
第1積層体40と第1積層体50とは、振動腕20の主面11上の中心線C1に対して、互いに略線対称形状に設けられ、第2積層体60は、振動腕20の主面11上の中心線C1に対して、+X側と−X側とが互いに略線対称に設けられている。
第1積層体70と第1積層体80とは、振動腕30の主面11上の中心線C2に対して、互いに略線対称形状に設けられ、第2積層体90は、振動腕30の主面11上の中心線C2に対して、+X側と−X側とが互いに略線対称に設けられている。
第1積層体40は、振動腕20の主面11の上面より、第1電極層41、第1圧電層42、第2電極層43、第2圧電層44、第3電極層45の順に積層され、第1電極層41、第1圧電層42および第2電極層43で構成される駆動部101が設けられている。
第1積層体50は、振動腕20の主面11の上面より、第1電極層51、第1圧電層52、第2電極層53、第2圧電層54、第3電極層55の順に積層され、第1電極層51、第1圧電層52および第2電極層53で構成される駆動部102が設けられている。
第2積層体60は、振動腕20の主面11の上面より、第1電極層61、第1圧電層62、第2電極層63、第2圧電層64、第3電極層65の順に積層され、第2電極層63、第2圧電層64および第3電極層65で構成される検出部111が設けられている。
第1積層体70は、振動腕20の主面11の上面より、第1電極層71、第1圧電層72、第2電極層73、第2圧電層74、第3電極層75の順に積層され、第1電極層71、第1圧電層72および第2電極層73で構成される駆動部103が設けられている。
第1積層体80は、振動腕20の主面11の上面より、第1電極層81、第1圧電層82、第2電極層83、第2圧電層84、第3電極層85の順に積層され、第1電極層81、第1圧電層82および第2電極層83で構成される駆動部104が設けられている。
第2積層体90は、振動腕20の主面11の上面より、第1電極層91、第1圧電層92、第2電極層93、第2圧電層94、第3電極層95の順に積層され、第2電極層93、第2圧電層94および第3電極層95で構成される検出部112が設けられている。
第1電極層41,51,61,71,81,91、第2電極層43,53,63,73,83,93、第3電極層45,55,65,75,85,95には、例えば、Pt(プラチナ)、Al(アルミニウム)、Mo(モリブデン)、Cr(クロム)、Ti(チタン)、Ni(ニッケル)、Cu(銅)、Ag(銀)、Au(金)などが用いられている。
第1圧電層42,52,62,72,82,92には、圧電歪定数(絶対値)の大きい圧電材料として知られているPZTが用いられ、第2圧電層44,54,64,74,84,94には、ZnO(酸化亜鉛)が用いられている。
PZTの圧電歪定数の絶対値(d)は、一例として約130×10-12m/Vであり、ZnOの圧電歪係数の絶対値(d)は、一例として約6×10-12m/Vである。PZTの比誘電率(εr)は、800〜3000であり、ZnOの比誘電率(εr)は、8〜10である。ここで、比誘電率(εr)とは、当該物質の誘電率(ε)と真空の誘電率(εO)との比(εr=ε/εO)を表す。これにより、ジャイロセンサー素子1は、駆動部101,102,103,104に、検出部111,112を構成する第2圧電層64,94より大きい圧電歪定数(絶対値)を有する第1圧電層42,52,72,82を備え、検出部111,112に、駆動部101,102,103,104を構成する第1圧電層42,52,72,82より小さい誘電率を有する第2圧電層64,94を備えることができる。
なお、本実施形態では、第1圧電層42,52,62,72,82,92にPZT、第2圧電層44,54,64,74,84,94にZnOを用いるものとして説明したが、これらの圧電材料に限定されるものではない。
第1積層体40,50,70,80および第2積層体60,90を形成する第1電極層41,51,61,71,81,91、第1圧電層42,52,62,72,82,92、第2電極層43,53,63,73,83,93、第2圧電層44,54,64,74,84,94、第3電極層45,55,65,75,85,95の成膜には、例えば、スパッタ法などが用いられ、パターニング(外形形状形成)には、例えば、フォトリソグラフィー法及びエッチング法などが用いられる。
本実施形態では、第1積層体40,50,70,80および第2積層体60,90は、主面11上に設けられ、主面11の反対側にあたる裏面12には設けられていない。これにより、スパッタ法、フォトリゾグラフィー法やエッチング法などの一括処理を効率よく実施できる。
次に、ジャイロセンサー素子1の振動腕を第1の方向へ駆動(屈曲振動)させる方法について説明する。本実施形態では、一例として、振動腕をX軸方向(第1の方向)に駆動させる方法を説明する。
駆動部101,102,103,104の第1圧電層42,52,72,82は、−Z軸方向に分極処理され、第2電極層43,53,73,83は、グランドに接続されている。
まず、振動腕20の変位について説明する。第1積層体40に備えられている駆動部101の第1電極層41に+(プラス)電位を印加すると、逆圧電効果により、Y軸方向を長辺とする矩形状の第1圧電層42は、Z軸方向に伸長し、Y軸方向に収縮する。同時に、第1積層体50に備えられている駆動部102の第1電極層51に−(マイナス)電位を印加すると、Y軸方向を長辺とする矩形状の第1圧電層52は、Z軸方向に収縮し、Y軸方向に伸長する。すると、振動腕20の主面11上の中心線C1に対して、第1積層体40は振動腕20の−X軸方向に、第1積層体50は振動腕20の+X軸方向に、互いに略線対称形状に設けられているため、振動腕20はXY平面に沿って−X軸方向へ変位する。
次に、振動腕30の変位について説明する。第1積層体80に備えられている駆動部104の第1電極層81に+電位を印加すると、Y軸方向を長辺とする矩形状の第1圧電層82は、Z軸方向に伸長し、Y軸方向に収縮する。同時に、第1積層体70に備えられている駆動部103の第1電極層71に−電位を印加すると、Y軸方向を長辺とする矩形状の第1圧電層72は、Z軸方向に収縮し、Y軸方向に伸長する。すると、振動腕30の主面11上の中心線C1に対して、第1積層体80は振動腕30の+X軸方向に、第1積層体70は振動腕30の−X軸方向に、互いに略線対称形状に設けられているため、振動腕30はXY平面に沿って+X軸方向へ変位する。
第1積層体40の第1電極層41に−電位を印加すると、第1圧電層42はY軸方向に伸長し、第1電極層51に+電位を印加すると、第1圧電層52はY軸方向に収縮する。よって、振動腕20はXY平面に沿って+X方向へ変位する。
第1積層体80の第1電極層81に−電位を印加すると、第1圧電層82はY軸方向に伸長し、第1電極層71に+電位を印加すると第1圧電層72はY軸方向に収縮する。よって、振動腕20はXY平面に沿って−X方向へ変位する。
したがって、第1圧電層42,82と第1圧電層52,72とに、位相が180度異なる交流電圧を印加すると、ジャイロセンサー素子1は、振動腕20と振動腕30とが、XY平面に沿って互いに逆方向へ変位する屈曲振動を繰り返す。
この際、ジャイロセンサー素子1は、駆動部101,102,103,104の第1圧電層42,52,72,82の材料として圧電歪定数の大きな材料であるPZTが用いられていることから、第1圧電層42,52,72,82へ印加した電気エネルギー(交流電圧)を効率よく機械エネルギー(収縮と伸長)に変換することができ、振動腕20,30に振幅の大きな屈曲振動をさせることができる。
これにより、ジャイロセンサー素子1は、角速度に伴って生じるコリオリ力を受けやすくなる。
なお、本実施形態では、圧電歪定数の大きなPZTを材料とする第1圧電層42,52,72,82を伸縮させて、振動腕20,30を屈曲振動させるものとして説明したが、第3電極層45,55,75,85にも電圧を供給し、第2圧電層44,54,74,84も同時に伸縮させて、振動腕20,30を屈曲振動させてもよい。第2圧電層44,54,74,84には、第1圧電層42,52,72,82より圧電歪定数の小さな材料を用いているが、第2圧電層も同時に伸縮させることで、振動腕20,30の屈曲振動の効率を高めることができる。
次に、ジャイロセンサー素子1に加わる角速度の検出について説明する。
ジャイロセンサー素子1は、振動腕20,30が上述した屈曲振動をしている状態で、Y軸周りに角速度ωが加わると、振動腕20,30にコリオリ力が発生し、振動腕20,30が+Z軸方向(図1の紙面手前側)と−Z軸方向(図1の紙面奥側)へ変位する。
まず、振動腕20が+Z軸方向に変位した場合について説明する。
検出部111の第2圧電層64は、−Z軸方向に分極処理されている。振動腕20が+Z軸方向へ変位すると、Y軸方向を長辺とする矩形状の第2圧電層64は、Y軸方向に収縮し、Z軸方向に伸長する。すると、圧電効果により、第3電極層65に−電荷が発生する。
次に振動腕30が−Z軸方向に変位した場合について説明する。
検出部112の第2圧電層94は、−Z軸方向に分極処理されている。振動腕30が−Z軸方向へ変位すると、Y軸方向を長辺とする矩形状の第2圧電層94は、Y軸方向に伸長し、Z軸方向に収縮する。すると、圧電効果により、第3電極層95に+電荷が発生する。
ジャイロセンサー素子1は、検出部111の第3電極層65と、検出部112の第3電極層95とに生じる電荷を検出することで、ジャイロセンサー素子1に加わる角速度ωを検知することができる。
ジャイロセンサー素子の検出部111,112を構成する第2圧電層64,94の材料に、駆動部101,102,103,104を構成する第1圧電層42,52,72,82と同じPZTを用いると、PZTは他の圧電材料と比較して大きな誘電率を有しているため、検出部111,112に多くの電荷(静電容量)を帯電してしまうため、微少な電荷の変化を検出し難い。そこで、本実施形態では、第2圧電層64,94の材料として、PZTに比べ誘電率の小さいZnOを用いている。これにより、検出部111,112の静電容量を減らせるため、角速度ωが加わった時に生じる微少な電荷の変化を精度良く検出することができる。
なお、検出部111,112を構成する第2積層体60,90は、振動腕20,30の主面11上の中心線C1またはC2に対して、+X側と−X側とが互いに略線対称に設けられている。このため、検出部111,112は、振動腕20,30がXY面に沿って屈曲振動することによって発生する電荷を検出部111,112内で相殺し、Z軸方向の振動により発生した電荷を検出する。
以上述べたように、本実施形態に係るジャイロセンサー素子1よれば、以下の効果を得ることができる。
本実施形態のジャイロセンサー素子1は、一対の振動腕20,30を有する音叉型ジャイロである。振動腕20,30の上に設けられた駆動部101,102,103,104を構成する第1圧電層42,52,72,82には、PZTが用いられ、検出部111,112を構成する第2圧電層64,94には、ZnOが用いられている。PZTは、ZnOより大きい圧電歪定数を有し、ZnOは、PZTより小さい誘電率を有している。したがって、駆動部101,102,103,104の第1圧電層42,52,72,82に、検出部111,112の第2圧電層64,94より圧電歪定数の大きいPZTを用いることで、振動腕20,30に振幅の大きい屈曲振動をさせることができる。また、検出部111,112の第2圧電層64,94に、駆動部101,102,103,104の第1圧電層42,52,72,82より誘電率の小さいZnOを用いることで、検出部111,112に滞留する静電容量が小さくなるため、振動腕20,30に加わる角速度に応じて現れる電荷を精度良く検出することができる。これによって、振動腕20,30を効率よく屈曲振動させると共に、角速度ωが加わった時に生じる微少な電荷の変化を精度良く検出することが可能なジャイロセンサー素子を提供することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
(変形例1)
変形例1では、振動腕上に形成された第1積層体に、駆動部による振動に起因して振動腕に生ずる、第1の面と交差する方向の振動と逆位相の振動を振動腕に生じさせる補正部が設けられている。
図3は、変形例1に係る図1におけるA−A線での断面図である。
上記実施形態では、図2のように、第1積層体40,50,70,80に駆動部101,102,103,104を設けるものとして説明したが、この構成に限定するものではない。
以下、変形例1に係るジャイロセンサー素子1について図1および図3を用いて説明する。なお、実施形態と同一の構成部位については、同一の番号を附し、重複する説明は省略する。
図3に示すように、第1積層体40には、第2電極層43、第2圧電層44および第3電極層45で構成される補正部121が設けられている。
第1積層体50には、第2電極層53、第2圧電層54および第3電極層55で構成される補正部122が設けられている。
第1積層体70には、第2電極層73、第2圧電層74および第3電極層75で構成される補正部123が設けられている。
第1積層体80には、第2電極層83、第2圧電層84および第3電極層85で構成される補正部124が設けられている。
ジャイロセンサー素子1の振動腕20,30は、駆動部101,102,103,104に電圧を印加することにより、XY平面に沿って生じる屈曲振動に起因して、Z軸方向の振動(漏れ振動)を生じることがある。詳しくは、振動腕20,30をXZ面に平行に切断した断面形状が、加工精度などにより中心線C1またはC2に対して非対称になると、振動腕20,30にXY平面に沿った屈曲振動をさせた際に、Z軸方向の漏れ振動が加わり、角速度の検出精度が低下してしまう。そこで、本変形例では、第1積層体40,50,70,80に補正部121,122,123,124を設け、振動腕20,30に漏れ振動と逆位相の振動が生じるように、補正部121,122,123,124に電圧を印加し、漏れ振動を抑制している。なお、補正部121,122,123,124を形成する第2圧電層44,54,74,84には、駆動部101,102,103,104を形成する第1圧電層42,52,72,82より圧電歪定数の小さいZnOを用いているが、振動腕のXY平面に沿った屈曲振動に比べて、漏れ振動の振幅は僅かであるため、ZnOでも漏れ振動を十分補正することが可能である。
まず、振動腕20に、Z軸方向の漏れ振動が生じ、振動腕20が+Z軸方向に変位した場合の補正について説明する。
補正部121,122の第2圧電層44,54は、−Z軸方向に分極処理されており、第3電極層45,55に−電位を印加すると、逆圧電効果により、Y軸方向を長辺とする矩形状の第2圧電層44,54は、Z軸方向に伸長し、Y軸方向に収縮する。これにより、振動腕20は、−Z軸方向に変位するため、漏れ振動により生じた+Z軸方向の変位を相殺することができる。したがって、補正部121,122に漏れ振動と逆位相の振動を生じさせる電圧を印加することで、漏れ振動を抑制することができる。
次に、図4、図5を参照して、ジャイロセンサー素子1をジャイロセンサーとして機能させるための回路構成について説明する。本変形例1に係るジャイロセンサーは、駆動回路210、検出回路300、および補正信号生成回路220,230を含み構成されている。
駆動回路210は、I−Vアンプ(電流・電圧変換回路)214とAGC(Autmatic Gain Control)回路212、および駆動部101,102,103,104を含み構成されている。I−Vアンプ214から出力された信号は、AGC回路212を経て駆動信号として、駆動部101,102,103,104を駆動させる第1電極層41,51,71,81へと出力されると共に、詳細を後述する補正信号生成回路220,230、および検出回路300へと出力される。駆動部101,102,103,104からの出力信号は、帰還信号としてI−Vアンプ214に入力され、増幅されると共に出力される。
検出回路300は、検出部111,112、q−Vアンプa310、q−Vアンプb320、差動アンプ340、同期検波回路360、およびLPF(Low−pass filter)380を含み構成される。
検出回路300では、検出部111,112からの出力信号をそれぞれq−Vアンプa310、q−Vアンプb320によって増幅し、差動アンプ340へ入力すると共に、q−Vアンプa310、q−Vアンプb320によって増幅されたそれぞれの信号を、詳細を後述する補正信号生成回路220,230へと出力する。
差動アンプ340は、検出部111と検出部112からの出力信号の差動増幅信号を同期検波回路360へと出力する。同期検波回路360では、差動アンプ340から入力された差動増幅信号を駆動回路210におけるI−Vアンプ214からの出力信号を基準として位相検波する。同期検波回路360からの出力信号は、LPF380を介して平滑化されて出力される。これにより、Y軸回りの角速度ωを数値として得ることができる。
補正信号生成回路220,230は、減衰回路a222と減衰回路b232、および補正部121,122,123,124を基本として構成されている。補正信号生成回路220,230は、補正部121,122,123,124を駆動部101,102,103,104の動作と同期させて稼動させることで、駆動部101,102,103,104に電圧を印加することにより、XY平面に沿って生じる屈曲振動に起因して生ずる漏れ振動を抑制する作用を持つ。ここで、振動腕20,30に漏れ振動が生ずることを模式的に示すと、図6に示すように、斜め振動が生じているといえる。そして、斜め振動は、図6に示すように、2つの振動形態を有する。第1の振動形態は、振動腕20,30が+X軸側に振れた際に+Z軸側に漏れ振動を生じさせるように振れ、−X軸側に振れた際に−Z軸側に振れるといった形態である。また、第2の振動形態は、振動腕20,30が+X軸側に振れた際に−Z軸側に漏れ振動を生じさせるように振れ、−X軸側に振れた際に+Z軸側に振れるといった振動形態である。
このため、振動腕20,30の振動形態に応じた信号を減衰回路a222、減衰回路b232へ入力するために、減衰回路a222、および減衰回路b232の入力側にはそれぞれ、位相反転経路としての分岐経路と、位相シフトスイッチ226及び位相シフトスイッチ236が設けられている。分岐経路を構成する一方の経路には、位相シフト回路224,234が設けられており、入力信号の位相を180°反転させることを可能としている。このような構成とすることで、位相シフトスイッチ226,236の入力切り替えにより、補正部121,122,123,124の動作形態を振動腕20,30の振動形態に合わせて変化させることが可能となる。
減衰回路a222、減衰回路b232では、演算回路a228、演算回路b238によって導き出された減衰率に従って、I−Vアンプ214からの出力信号が減衰される。減衰率は、検出回路300におけるq−Vアンプa310、q−Vアンプb320から、記憶手段であるROMa229、ROMb239に入力された出力信号に基づいて、これをゼロにするための発振を得るための値として算出される。演算回路a228、演算回路b238からは、減衰回路a222、減衰回路b232に与える減衰率の他、位相シフトスイッチ226,236に対する切り替え信号の出力も生成される。なお、ここで、減衰率を求めるために検出回路300におけるq−Vアンプa310、q−Vアンプb320から、記憶手段であるROMa229、ROMb239に入力される出力信号は、ジャイロセンサー素子1に対する角速度ωの印加が無い状態で生ずる、いわゆる漏れ振動に起因した信号である。
減衰回路a222、減衰回路b232からの出力信号は、駆動信号として、補正部121,122,123,124を構成する第3電極層45,55,75,85へと入力される。
このような構成のジャイロセンサー素子1によれば、減衰率の調整により、漏れ振動の抑制率を調整することができる。また、漏れ振動の方向や大きさに基づく個別調整を機械的加工により行う必要性が無いため、生産性を悪化させる虞も無い。なお、上記変形例1では、位相反転経路の選択について、位相シフトスイッチ226,236による経路の切換えを行うものとして説明したが、いずれか一方のパターンの切断により、経路の選択を行うようにしてもよい。
以上述べたように、本変形例に係るジャイロセンサー素子1によれば、実施形態での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
ジャイロセンサー素子1の第1積層体40,50,70,80には、補正部121,122,123,124が設けられており、検出部111,112で検知した漏れ振動と逆位相の振動を励起する電圧を補正部121,122,123,124に印加することで、振動腕20,30に生じた漏れ振動を制振することができるという効果がある。
(変形例2)
変形例2では、振動腕上に形成された第1積層体に、振動腕の振動を検出し振幅に応じた電荷を出力するモニター部が設けられている。
図7は、変形例2に係る図1におけるA−A線での断面図である。
以下、変形例2に係るジャイロセンサー素子1について図7を用いて説明する。
第1積層体50には、第2電極層53、第2圧電層54および第3電極層55で構成されるモニター部132が設けられている。
第1積層体70には、第2電極層73、第2圧電層74および第3電極層75で構成されるモニター部133が設けられている。
ジャイロセンサー素子1は、第1圧電層42,52,72,82へ電圧を印加し、振動腕20,30をXY平面に沿って屈曲振動させた時、第2圧電層54,74に生じる歪により現れる電荷を出力するモニター部132,133を備えている。モニター部132,133が出力した電荷を増幅して、駆動部101,102,103,104に電圧を印加する駆動回路にモニター電圧として印加することができるため、振動腕を効率よく安定的に屈曲振動させることができる。
次に、モニター部を備えたジャイロセンサー素子を駆動するための駆動回路について説明する。
図8は、本変形例2に係る駆動回路400の構成を表すブロック図である。
ジャイロセンサー素子1の振動腕20,30を駆動するための駆動回路400は、I−Vアンプ420、AGC回路440および駆動アンプ460を含んで構成されている。
駆動アンプ460から振動腕20,30上に設けられた駆動部101,102,103,104に電圧が印加されることで、振動腕20,30は、XY平面に沿って互いに逆方向へ変位する屈曲振動を生じる。この際、モニター部132,133を構成する第2圧電層54,74は、Y軸方向への収縮およびZ軸方向への伸長、またはY軸方向への伸長およびZ軸方向への収縮をする。これにより、モニター部132,133は、圧電効果により、振動腕20,30の屈曲振動の振幅に応じた電荷を発生する。
その後、発生した電荷は、第3電極層55,75からI−Vアンプ420へ入力され、増幅した後にモニター電圧として出力される。そして、屈曲振動の振幅に応じたモニター電圧はAGC回路440で一定電圧となり、駆動アンプ460へ印加され、その後、駆動アンプ460からモニター電圧に応じた一定電圧が駆動部101の第1電極層41と駆動部102の第1電極層51と駆動部103の第1電極層71と駆動部104の第1電極層81とに印加されることにより、安定した屈曲振動を駆動することができる。
なお、本変形例では、第1積層体50,70にモニター部132,133を設けたものとして説明したが、第1積層体40,80にモニター部を設けてもよい。
以上述べたように、本変形例に係るジャイロセンサー素子1によれば、実施形態での効果に加えて、以下の効果を得ることができる。
ジャイロセンサー素子1の第1積層体50,70には、モニター部132,133が設けられており、振動腕20,30の屈曲振動で第2圧電層54,74に生じる歪により現れる電荷を増幅して、駆動部101,102,103,104に電圧を印加する駆動回路400にモニター電圧として印加することができるため、振動腕20,30に安定した屈曲振動をさせることができるという効果がある。
<電子デバイス>
次に、本発明のジャイロセンサー素子1を適応したジャイロ装置について説明する。図9は、本発明のジャイロセンサー素子1を備えるジャイロ装置500の概略を示した断面図である。
ジャイロ装置500は、ジャイロセンサー素子1、ICチップ530、ジャイロセンサー素子1とICチップ530とを収容するために矩形の箱状に形成されているパッケージ本体510、および蓋体520を備えている。セラミックなどで形成されたパッケージ本体510の底面にはICチップ530が配置され、Au(金)などのワイヤー550でパッケージ本体510に形成された配線(図示せず)と電気的接続がされている。ICチップ530は、ジャイロセンサー素子1を駆動する駆動回路210(図4参照)と、ジャイロセンサー素子に加わった角速度を出力する検出回路300(図5参照)とを含んでいる。
ジャイロセンサー素子1は、パッケージ本体510に形成された支持台512に、ジャイロセンサー素子1の基部10が接着剤などの固定部材540を介して接着支持されている。また、支持台512表面には配線(図示せず)が形成され、ジャイロセンサー素子1の電極と配線間とをAu(金)などのワイヤー550で電気的接続がされている。この固定部材540は、弾性のある材料であることが望ましい。弾性を有する固定部材540としてはシリコーンを基材とする接着剤などが知られている。そして、パッケージ本体510の上部の開口が蓋体520にて封止されている。なお、ジャイロセンサー素子1とICチップ530とを収容するパッケージ本体510のキャビティー560内は窒素などの不活性気体雰囲気あるいは減圧雰囲気となっている。
以上述べたように、ジャイロ装置500によれば、振動腕20,30を効率よく屈曲振動させると共に、角速度ωが加わった時に生じる微少な電荷の変化を精度良く検出することが可能なジャイロ装置を提供することができる。
<電子機器>
次に、本発明の実施形態に係るジャイロセンサー素子1、またはジャイロ装置500を備えた電子機器について図10から図12を用いて説明する。なお、説明では、ジャイロセンサー素子1を用いた例を示している。
図10は、本発明の一実施形態に係るジャイロセンサー素子1を備える電子機器としてのモバイル型(又はノート型)のパーソナルコンピューター1100の構成の概略を示す斜視図である。この図において、パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1000を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。このようなパーソナルコンピューター1100には、角速度を検出する機能を備えたジャイロセンサー素子1が内蔵されている。
図11は、本発明の一実施形態に係るジャイロセンサー素子1を備える電子機器としての携帯電話機1200(PHSも含む)の構成の概略を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204および送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1000が配置されている。このような携帯電話機1200には、角速度センサー等として機能するジャイロセンサー素子1が内蔵されている。
図12は、本発明の一実施形態に係るジャイロセンサー素子1を備える電子機器としてのデジタルスチルカメラ1300の構成の概略を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、従来のフィルムカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチルカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチルカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1000が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1000は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1000に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1308に転送・格納される。また、このデジタルスチルカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示されるように、ビデオ信号出力端子1312にはテレビモニター1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1308に格納された撮像信号が、テレビモニター1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。このようなデジタルスチルカメラ1300には、角速度センサー等としてジャイロセンサー素子1が内蔵されている。
なお、本発明の一実施形態に係るジャイロセンサー素子1は、図10のパーソナルコンピューター1100(モバイル型パーソナルコンピューター)、図11の携帯電話機1200、図12のデジタルスチルカメラ1300の他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、ラップトップ型パーソナルコンピューター、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
<移動体>
図13は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500には本発明に係るジャイロセンサー素子1が搭載されている。例えば、同図に示すように、移動体としての自動車1500には、ジャイロセンサー素子1を内蔵してタイヤなどを制御する電子制御ユニット1510が車体に搭載されている。また、ジャイロセンサー素子1は、他にもキーレスエントリー、イモビライザー、カーナビゲーションシステム、カーエアコン、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、エンジンコントロール、ハイブリッド自動車や電気自動車の電池モニター、車体姿勢制御システム、等の電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)に広く適用できる。
1…ジャイロセンサー素子、10…基部、20,30…振動腕、40…第1積層体、41…第1電極層、42…第1圧電層、43…第2電極層、44…第2圧電層、45…第3電極層、50…第1積層体、51…第1電極層、52…第1圧電層、53…第2電極層、54…第2圧電層、55…第3電極層、60…第2積層体、61…第1電極層、62…第1圧電層、63…第2電極層、64…第2圧電層、65…第3電極層、70…第1積層体、71…第1電極層、72…第1圧電層、73…第2電極層、74…第2圧電層、75…第3電極層、80…第1積層体、81…第1電極層、82…第1圧電層、83…第2電極層、84…第2圧電層、85…第3電極層、90…第2積層体、91…第1電極層、92…第1圧電層、93…第2電極層、94…第2圧電層、95…第3電極層、101,102,103,104…駆動部、111,112…検出部、121,122,123,124…補正部、132,133…モニター部、210…駆動回路、212…AGC回路、214…I−Vアンプ、220,230…補正信号生成回路、300…検出回路、400…駆動回路、500…ジャイロ装置、1100…パーソナルコンピューター、1200…携帯電話機、1300…デジタルスチルカメラ、1500…自動車。

Claims (8)

  1. 振動腕と、
    前記振動腕の一面上に設けられている第1積層体および第2積層体と、を有し、
    前記第1積層体および前記第2積層体は、第1電極層、第2電極層、第3電極層、前記第1電極層と前記第2電極層との間に設けられている第1圧電層および前記第2電極層と前記第3電極層との間に設けられている第2圧電層、を含み、
    前記第1積層体は、前記第1積層体に設けられている前記第1電極層、前記第1圧電層および前記第2電極層を含む駆動部を有し、前記駆動部は、前記振動腕を第1の方向に屈曲振動させ、
    前記第2積層体は、前記第2積層体に設けられている前記第2電極層、前記第2圧電層および前記第3電極層を含む検出部を有し、前記検出部は、前記振動腕が前記第1の方向と交差する方向へ振動したことを検出し、
    前記第1圧電層の圧電歪定数は、前記第2圧電層の圧電歪定数より大きく、
    前記第2圧電層の誘電率は、前記第1圧電層の誘電率より小さいことを特徴とするジャイロセンサー素子。
  2. 前記第1積層体および前記第2積層体は、前記振動腕の前記一面上より、前記第1電極層、前記第1圧電層、前記第2電極層、前記第2圧電層、前記第3電極層、の順に積層されていることを特徴とする請求項1に記載のジャイロセンサー素子。
  3. 前記第1積層体は、一対で設けられており、
    前記第2積層体は、一対の前記第1積層体の間に設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載のジャイロセンサー素子。
  4. 前記第1積層体は、前記第1積層体に設けられている前記第2電極層、前記第3電極層および前記第2圧電層を含む補正部を有し、前記補正部は、前記駆動部による屈曲振動によって前記振動腕に生ずる前記第1の方向と交差する方向の振動と逆位相の振動を前記振動腕に生じさせることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のジャイロセンサー素子。
  5. 前記第1積層体は、前記第1積層体に設けられている前記第2電極層、前記第3電極層および前記第2圧電層を含むモニター部を有し、前記モニター部は、前記振動腕の振動を検出し振幅に応じた電荷を出力することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のジャイロセンサー素子。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のジャイロセンサー素子と、
    前記ジャイロセンサー素子を駆動する駆動回路と、
    前記ジャイロセンサー素子に加わった角速度に応じた信号を出力する検出回路と、を備えていることを特徴とするジャイロ装置。
  7. 請求項1から5のいずれか1項に記載のジャイロセンサー素子を備えていることを特徴とする電子機器。
  8. 請求項1から5のいずれか1項に記載のジャイロセンサー素子を備えていることを特徴とする移動体。
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