JP2014207511A - 振動子、発振器、電子機器、及び移動体 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の振動子は、基板と、基板の一方面に設けられている電極部と、第1振動体及び第1振動体と交差する方向に延伸する第2振動体を有し、電極部と離間して設けられている振動部と、第1振動体と、第2振動体と、が重なる領域から延伸する梁部を有する2対の支持部と、基板の一方面に設けられ、支持部が接続されている固定部と、を備えている。
【選択図】図1
Description
本適用例に係る振動子は、基板と、基板の一方面に設けられている電極部と、第1振動体及び第1振動体と交差する方向に延伸する第2振動体を有し、電極部と離間して設けられている振動部と、第1振動体と、第2振動体と、が重なる領域から延伸する梁部を有する2対の支持部と、基板の一方面に設けられ、支持部が接続されている固定部と、を備えていることを特徴とする。
振動部は、第1の振動体及び第1の振動体と交差する方向に延伸する第2の振動体と、が重なる領域が振動振幅の変曲点となり、当該重なる領域から延伸する梁部を有する支持部によって固定部に支持されているため、振動部の振動が支持部を介して固定部に伝導されることを抑制することができる。
よって、この様な振動子は、振動部の振動が固定部へ伝導されることが抑制されるため、振動部の振動損失を抑制することができる。また、この様な振動子は、基板と振動部との間に生じる応力を支持部で吸収できるため、振動部や支持部等の破損を抑制することができる。
従って、この様な振動子は、振動部の振動損失が抑制され高いQ値が得られるとともに、振動部や支持部等の破損を抑制することができる。
上記適用例に係る振動子は、支持部には、梁部が屈曲されている屈曲部が設けられていることが好ましい。
よって、この様な振動子は、振動部の振動が固定部へ伝導されることが屈曲部によって抑制されるため、振動部の振動損失を抑制することができる。また、この様な振動子は、基板と振動部との間に生じる応力を屈曲部で吸収できるため、振動部や支持部等の破損を抑制することができる。
従って、この様な振動子は、振動部の振動損失が抑制され高いQ値が得られるとともに、振動部や支持部等の破損を抑制することができる。
上記適用例に係る振動子は、屈曲部は、梁部が振動部接続する箇所と固定部との中間点に設けられていることが好ましい。
よって、振動部と固定部との間により大きな応力が生じても屈曲部が屈曲することで応力を吸収することができる。また、屈曲部は、その屈曲長が長いため、振動部から漏洩した振動をより減衰させ、固定部への振動の伝導を抑制することができる。
上記適用例に係る振動子は、屈曲部は、梁部の中間点と固定部との間に設けられていることが好ましい。
上記適用例に係る振動子は、屈曲部は、梁部の中間点と振動部と接続する箇所との間に設けられていることが好ましい。
上記適用例に係る振動子は、屈曲部は、振動部から梁部が延設されている第1の方向と交差する第2の方向に向かって梁部から延設されている第1屈曲部と、第1屈曲部と接続し、第2の方向と交差する第3の方向に延設されている第2屈曲部と、第2屈曲部と接続し、第2の方向に延設され梁部と接続される第3屈曲部と、を有することが好ましい。
上記適用例に係る振動子は、屈曲部は、梁部と第1屈曲部とが成す角度、及び梁部と第3屈曲部とが成す角度が45°以上90°以下であることが好ましい。
上記適用例に係る振動子は、屈曲部は、振動部から梁部が延設されている第1の方向と交差する第2の方向に向かって梁部から延設されている第4屈曲部と、第4屈曲部と接続し、第2の方向に延設され梁部と接続されている第5屈曲部と、を有することが好ましい。
上記適用例に係る振動子は、屈曲部は、梁部と第4屈曲部とが成す角度、及び梁部と第5屈曲部とが成す角度が90°未満であることが好ましい。
上記適用例に係る振動子は、屈曲部は、第1振動体と第2振動体とが交差する交点を中心とする点対称に設けられていることが好ましい。
これにより、対向する支持部に設けられている屈曲部の剛性が略等しくなることから、さらに振動部から固定部への振動の漏洩を抑制することができる。
本適用例に係る発振器は、上述したいずれかの振動子が搭載されていることを特徴とする。
本適用例に係る電子機器は、上述したいずれかの振動子が搭載されていることを特徴とする。
本適用例に係る移動体は、上述したいずれかの振動子が搭載されていることを特徴とする。
第1実施形態に係る振動子について、図1から図6を用いて説明する。
図1は、第1実施形態に係る振動子の概略を模式的に示す平面図である。図2は、図1中の線分A−A’で示す部分の振動子の断面を模式的に示す断面図である。図3は、振動子の動作を説明する斜視図である。図4から図6は、図1中の線分A−A’で示す部分の振動子の断面を模式的に示し、その振動子の製造工程を説明する図である。また、図1から図6では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。なお、Z軸は、基板に絶縁部等が積層される厚み方向を示す軸である。
第1実施形態に係る振動子1は、電極間に生じる静電引力によって振動するいわゆる梁型振動子である。振動子1は、図1及び図2に示す様に基板10上に、可動電極としての振動部20と、振動部20から延設されている支持部40と、支持部40が接続されている固定部50と、が設けられている。また、基板10上に、電極部30が設けられている。なお、振動部20は、電極部30に対して間隙35を有し離間させて設けられている。
振動子1において振動部20は、電極部30との間に電位が印加されることで、電極部30に対し静電引力によって誘引され、振動可能となるものである。
基板10は、振動部20や電極部30等が設けられる基材である。基板10は、半導体加工技術によって加工容易なシリコン基板を用いると好適である。なお、基板10は、シリコン基板に限定されることなく、例えば、ガラス基板を用いることができる。
以降の説明において振動部20等が設けられる基板10の一方面を主面10aと称して振動子1の構成を説明する。
絶縁部12は、基板10の主面10aに積層して設けられている。
絶縁部12は、基板10と、電極部30と、の間を電気的に絶縁するために設けられている。絶縁部12は、その材料として、窒化シリコン(Si3N4)を含むことが好適である。絶縁部12の材料は、特に限定されることなく、基板10と、電極部30と、の間の絶縁すること、及び後述する振動部20等を形成する際に基板10を保護することができれば適宜変更しても良い。
以降の説明において、振動部20等が設けられる絶縁部12の一方面を主面12aと称して振動子1の構成を説明する。
基板10には、絶縁部12の主面12aを介して振動部20と、電極部30と、振動部20から延設されている支持部40と、支持部40が接続されている固定部50と、が設けられている。
振動部20は、主面12aに対して垂直方向であるZ軸方向から平面視した場合に、電極部30に対して間隙35を有し離間させて一部が、その電極部30と重なる様に設けられている。
振動部20は、電極部30との間で静電引力が作用することによって振動することができる。なお、振動動作については後述する。
振動部20は、第1振動体22と、第2振動体24とが交差する部分が振動の節20cとなる。振動部20は、振動の節20cから+X軸方向に延設されている第1振動体22aと、−X軸方向に延設されている第1振動体22bと、が一対となって振動することができる。また、振動の節20cから+Y軸方向に延設されている第2振動体24aと、−X軸方向に延設されている第1振動体22bと、が一対となって振動することができる。
電極部30は、図1及び図2に示す様に基板10上に主面12aを介して設けられている。また、電極部30は、基板10(主面12a)に対して垂直方向であるZ軸方向からの平面視した場合に、上述した振動部20と少なくとも一部が重なる様に間隙35を置いて離間させて設けられている。
電極部30は、固定部50が接続され、固定部50及び支持部40を介して振動部20に電位を印加する第1電極部32と、振動部20の振動によって、振動部20との間で静電容量の変化を伴う第2電極部34と、を含み構成されている。
電極部30は、パターニングされた電極であり、例えば、その材料としてポリシリコンを含んで構成されている。電極部30は、その材料が特に限定されることなく、アモルファスシリコン、金(Au)、チタン(Ti)や、これらを含む合金等の導電性部材を用いることができる。
なお、電極部30は配線(図示省略)によって回路部(図示省略)と接続されている。
支持部40は、振動部20から固定部50に向かって延設され、振動部20を固定部50に支持するために設けられている。支持部40は、梁部42と、屈曲部45と、を含み構成されている。支持部40は、振動部20から2対延設されている。
支持部40は、第1振動体22と、第2振動体24と、が交差する部分から固定部50に向かって梁部42が延設され、梁部42が振動部20と接続する箇所と固定部50との中間点Cに屈曲部45が設けられている。即ち、支持部40は、第1振動体22と、第2振動体24とが重なる領域である振動の節20cから固定部50に向かって延設されている。より詳細には、支持部40は、第1振動体22と、第2振動体24と、が交わる点から放射状、かつ、第1振動体22又は第2振動体24が延伸する方向に設定される仮想線に対して線対称に梁部42が固定部50に向かって延設されている。
支持部40は、その材料としてポリシリコン、アモルファスシリコン、金(Au)、チタン(Ti)や、これらを含む合金等の導電性部材を用いることができる。
固定部50は、第1電極部32を介して基板10上に設けられている。固定部50には、振動部20から延設されている支持部40が接続されている。固定部50は、支持部40を介して振動部20を基板10に支持するために設けられている。固定部50は、振動部20から延設されている2対の支持部40に対応して4つ設けられている。固定部50は、第1電極部32及び支持部40と電気的に接続して設けられている。
固定部50は、その材料として、ポリシリコン、アモルファスシリコン、金(Au)、チタン(Ti)や、これらを含む合金等の導電性部材を用いることができる。
図3は、図1に示す振動子1の概略斜視図であり、可動電極としての振動部20の振動動作を示している。
本実施形態の振動子1は、回路部(不図示)で生成された励振信号(電位)が、振動部20と第2電極部34とに印加されることで、第2振動体24と第2電極部34との間に電荷が発生する。第2振動体24には、電荷によって第2電極部34に対する静電引力が作用する。第2振動体24は、静電引力によって第2電極部34に誘引される。即ち、第2振動体24は、図3に示す矢印αの方向に撓む。
また、第1振動体22は、当該第1振動体22と交差する第2振動体24が第2電極部34に誘引されることによる応力によって、第2振動体24が撓む方向とは反対方向である矢印α’の方向に撓む(反る)。
なお、振動部20と第2電極部34とに印加された電位を解くと、第2振動体24が復位するとともに、第1振動体22も復位する。電位の印加と、解放と、を繰り返すことで振動部20は振動することができる。
ここで、第2振動体24と、第2電極部34との間には静電容量(電荷)が発生し、発生する電荷は、第2振動体24と第2電極部34との距離(間隔)によって異なる。即ち、第2振動体24の振動によって第2電極部34との間に生じる電荷が変化する。振動子1は、この電荷の変位を取り出すことで振動部20の振動に伴う電気信号を得ることができる。
なお、振動部20への励振信号の印加は、支持部40を介して固定部50から行うことができる。また、振動部20が振動することによって得られた電気信号を、電極部30と、振動部20から延設されている支持部40を介して固定部50と、から取り出すことができる。
次に、振動子1の製造方法について説明する。
図4から図6は、第1実施形態に係る振動子1の製造方法を工程順に説明する断面図である。なお、図4から図6は、図1において線分A−A’で示す振動子1の断面を模式的に示すものである。
図4(a)は、振動子1を形成する基板10が準備された状態を示している。
基板10を準備する工程は、後述する各工程で絶縁部12、振動部20、電極部30、等が形成される基板10を準備する工程である。基板10は、例えば、シリコン基板を用いることができる。なお、振動子1の製造方法の説明においても絶縁部12、振動部20、電極部30、等が形成される基板10の一方面を主面10aと称して各工程を説明する。
図4(b)は、基板10の主面10aに絶縁部12が形成された状態を示している。
絶縁部12を形成する工程は、上述の工程で準備をした基板10の主面10aに絶縁部12を形成する工程である。
絶縁部12は、基板10の主面10aに対応して、その略全面に形成されるものである。
なお、振動子1の製造方法の説明においても絶縁部12が形成された側の一方面を主面12aと称して各工程を説明する。
図4(c)は、絶縁部12の主面12a上に電極部30が形成された状態を示している。
電極部30を形成する工程は、上述した基板10上に絶縁部12を介して電極部30を形成する工程である。
電極部30を形成する工程は、例えば、ポリシリコン、アモルファスシリコン、金(Au)、チタン(Ti)等の導電性材料を含む導電層(不図示)をCVD法によって形成し、導電層をパターニングすることで第1電極部32と、第2電極部34と、を形成することができる。
電極部30を形成する方法は、CVD法によって形成された導電層をパターニングする方法に限定されることなく、電極部30の形成を欲する部分が開口したマスクパターンを主面12aに形成し、CVD法やPVD(Physical-Vapour-Deposition)法を用いて電極部30を形成しても良い。
図4(d)は、振動部20と電極部30との間に間隙35を設けるための犠牲層210が電極部30を覆う様に設けられた状態を示している。
振動子1は上述の通り、電極部30に対して、間隙35を有して振動部20が設けられている。振動部20は、後述する工程で当該犠牲層210上に形成される。また、後の工程によって犠牲層210が除去されることで振動部20と電極部30との間に間隙35を設けることができる。
犠牲層210を形成する工程は、上述した間隙35を設けるための中間層である犠牲層210を形成する工程である。犠牲層210を形成する工程は、例えば、酸化シリコンを含む犠牲層210をCVD法によって形成することができる。犠牲層210を形成する方法は、CVD法に限定されることなく、PVD法等を用いて、酸化シリコンを含む犠牲層210を形成しても良い。なお、犠牲層210を構成する材料は、後述する工程で振動部20、電極部30、固定部50等を残置しつつ、犠牲層210を除去するため、選択的に当該犠牲層210を除去(エッチング)可能な材料である酸化シリコン、もしくは酸化シリコンを含む化合物を用いることが好適である。犠牲層210は、酸化シリコン、もしくは酸化シリコンを含む化合物に限定されることはなく、選択的に当該犠牲層210を除去することができる材料であれば適宜変更して良い。
図5(e)は、先の工程で形成した犠牲層210上に、固定部50を形成するためのマスクパターン230が形成された状態を示している。
振動部20を形成する工程は、最初に、振動部20を支持する支持部40が接続される固定部50を形成する部分の犠牲層210の除去を行う。
振動部20の形成工程は、後の工程で固定部50を第1電極部32と接続させて形成するため、固定部50が形成される部分の犠牲層210を第1電極部32が露出する様に除去を行う。振動部20を形成する工程は、フォトリソグラフィー法を用いて犠牲層210上に固定部50が形成される部分が開口したマスクパターン230を形成する。次に、マスクパターン230が開口し犠牲層210が露出している部分のエッチングを行うことで固定部50が形成される部分の犠牲層210を除去することができる。
なお、図5(f)は、固定部50が形成される部分の犠牲層210がエッチングされて、第1電極部32の一部が露出している状態を示している。
振動部20を形成する工程は、次に、振動部20、支持部40、及び固定部50の前駆体である導電層250を犠牲層210上に形成する。振動部20を形成する工程は、犠牲層210上にポリシリコンを含む導電層250を、例えば、CVD法によって形成することができる。
次に、振動部20を形成する工程は、振動部20、支持部40及び固定部50として不要な部分の導電層250を除去するためのマスクパターン235を形成する。振動部20を形成する工程は、マスクパターン235が形成されていない部分、即ち、振動部20、支持部40、及び固定部50として不要な部分の導電層250の除去を行う。マスクパターン235の形成、及び導電層250の除去は、フォトリソグラフィー法によって行うことができる。
なお、図6(i)は、振動部20、支持部40、及び固定部50として不要な部分(導電層250)が除去された状態を示している。
図6(j)は、先の工程で形成した犠牲層210が除去された状態を示している。
犠牲層210を除去する工程は、振動部20と、電極部30と、の間に間隙35を設けるために中間層として一時的に形成された犠牲層210を除去する工程である。
犠牲層210を除去する工程は、犠牲層210を選択的に除去することが求められる。そこで、犠牲層210を除去する工程は、例えば、ウエットエッチング法によって犠牲層210のエッチング(除去)を行う。ウエットエッチング法による犠牲層210の除去は、フッ酸を含むエッチャント(洗浄液)を用いると好適である。フッ酸を含むエッチャントを用いることで、酸化シリコンを含む犠牲層210に対するエッチング速度が、振動部20、電極部30、支持部40、及び固定部50に対するエッチング速度に比べて早いため、犠牲層210を選択的、かつ、効率的に除去することができる。
振動子1は、犠牲層210が除去されることで、振動部20と、電極部30と、の間に間隙35が生じ、振動部20が振動可能となる。
なお、犠牲層210を除去する工程は、ウエットエッチング法に限定されることなく、ドライエッチング法によって行っても良い。
この様な振動子1によれば、振動部20から固定部50に向かって延設されている梁部42に屈曲部45が設けられていることによって、基板10と振動部20の間に生じた応力を屈曲部45が屈曲することで吸収することができる。また、振動部20の振動が支持部40に伝導された場合に、梁部42に設けられた屈曲部45によって振動が減衰され固定部50に伝導されることを抑制することができる。
よって、この様な振動子1は、振動部20の振動損失が抑制され高いQ値が得られるとともに、振動部20や支持部40等の破損を抑制することができる。
次に、第2実施形態に係る振動子2について説明する。
図7は、第2実施形態に係る振動子の概略を模式的に示す平面図である。振動子2は、第1実施形態で説明した振動子1とは、支持部40に設けられている屈曲部45の配置が異なる。以下、同一の構成には同じ符号を付して説明し、同一の構成については説明を一部省略して振動子2の構成を説明する。
第2実施形態に係る振動子2は、振動子1と同様に、振動部20と電極部30との間に生じる静電引力によって振動するいわゆる梁型振動子である。振動子2、図7に示す様に基板10上に、可動電極としての振動部20と、振動部20から延設されている支持部40と、支持部40が接続されている固定部50と、が設けられている。また、基板10上に、電極部30が設けられている。なお、振動部20は、電極部30に対して間隙35(不図示)を有し離間して設けられている。
振動子2において振動部20は、電極部30との間に電位が印加されることで、電極部30に対し静電引力によって誘引され、振動可能となるものである。
支持部40は、第1振動体22と、第2振動体24と、が交差する部分から固定部50に向かって梁部42が延設され、梁部42が振動部20と接続する箇所と固定部50との中間点Cに屈曲部45が設けられている。
即ち、支持部40は、第1振動体22と、第2振動体24とが重なる領域である振動の節20cから固定部50に向かって延設されている。より詳細には、支持部40は、第1振動体22と、第2振動体24と、が交わる中心点Sから見て放射状、かつ、中心点Sに対して点対称に梁部42が固定部50に向かって延設されている。
振動子2のその他の構成、及び製造方法は第1実施形態において説明をした振動子1と同様のため、説明を省略する。
この様な振動子2によれば、振動部20から延設される1の支持部40に設けられている屈曲部45の形状と、当該支持部40が延設されている方向と反対の方向に延設されている支持部40に設けられた屈曲部45の形状と、が点対称となる様に設けられている。
これにより、対向する支持部40に設けられている屈曲部45の剛性が略等しくなることから、より一層振動部20から固定部50への振動の漏洩を抑制することができる。
図8及び図9は、変形例に係る振動子の支持部を拡大して模式的に示す図であり、図1(b)で示した部分と同等の部分を示すものである。
変形例に係る振動子は、支持部に設けられた屈曲部の形状や配置が異なる。以下に相違点を説明し、同一の構成、及び製造工程については説明を一部省略する。
図8(a)は、変形例1に係る振動子の支持部を拡大して示す模式図である。
変形例1に係る振動子1aは、振動部20から固定部50に向かって延設された支持部40に設けられている屈曲部45の配設位置が第1実施形態及び第2実施形態で上述した振動子1及び振動子2とは異なる。
図8(a)に示す様に、振動子1aの支持部40には、振動部20から固定部50に向かって延設されている梁部42に屈曲部45が設けられている。屈曲部45は、振動部20から固定部50に向かって延伸する梁部42の固定部50と、振動部20と固定部50との中間点Cと、の間に設けられている。
図8(b)は、変形例2に係る振動子の支持部を拡大して示す模式図である。
変形例2に係る振動子1bは、振動部20から固定部50に向かって延設された支持部40に設けられている屈曲部45の配設位置が第1実施形態及び第2実施形態で上述した振動子1及び振動子2とは異なる。
図8(b)に示す様に、振動子1bの支持部40には、振動部20から固定部50に向かって延設されている梁部42に屈曲部45が設けられている。屈曲部45は、振動部20から固定部50に向かって延伸する梁部42の振動部20と、振動部20と固定部50との中間点Cと、の間に設けられている。
図9(c)は、変形例3に係る振動子の支持部を拡大して示す模式図である。
変形例3に係る振動子1cは、振動部20から固定部50に向かって延設された支持部40に設けられている屈曲部45の構成が第1実施形態及び第2実施形態で上述した振動子1及び振動子2とは異なる。
図9(c)に示す様に、振動子1cの支持部40には、振動部20から固定部50に向かって延設されている梁部42に屈曲部45が設けられている。屈曲部45は、振動部20から固定部50に向かって延伸する梁部42の振動部20と固定部50との中間点Cに設けられている。振動子1cに係る屈曲部45には、梁部42が延設されている第1の方向と交差する第2の方向に向かって梁部42から延設されている第4屈曲部45dと、第4屈曲部45dと接続し、第2の方向に延設され梁部42と接続されている第5屈曲部45eと、が設けられている。また、第4屈曲部45dと第5屈曲部45eが成す角度(頂角)θ3を90°未満とすることで屈曲部45の長さを長く設けることができる。
本発明の一実施形態に係る振動子1、振動子1aから1c、又は振動子2(以下、総括して振動子1として説明する。)のいずれかを適用した実施例について、図10から図13を参照しながら説明する。
本発明の一実施形態に係る振動子1を適用した電子機器について、図10から図12を参照しながら説明する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1308が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1308は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1308に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1310に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示される様に、ビデオ信号出力端子1312には液晶ディスプレイ1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1310に格納された撮像信号が、液晶ディスプレイ1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。この様なデジタルスチールカメラ1300には、その落下からデジタルスチールカメラ1300を保護する機能を動作させるため、落下による加速度を検知する加速度センサーとして機能する振動子1が内蔵されている。この様な振動子1を内蔵することで、デジタルスチールカメラ1300を落下させた際の衝撃等によって振動子1の破損が抑制されるため、信頼性の高いデジタルスチールカメラ1300を得ることができる。
図13は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500は、加速度センサーとして機能する振動子1が各種制御ユニットに搭載されている。例えば、同図に示す様に、移動体としての自動車1500には、当該自動車1500の加速度を検知する振動子1を内蔵してエンジンの出力を制御する電子制御ユニット(ECU:electronic Control Unit)1508が車体1507に搭載されている。加速度を検知して車体1507の姿勢に応じた適切な出力にエンジンを制御することで、燃料等の消費を抑制した効率的な移動体としての自動車1500を得ることができる。
また、振動子1は、他にも、車体姿勢制御ユニット、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、に広く適用できる。
この様な振動子1が搭載されることで、振動子1が設けられている周辺温度の変化や走行に伴う振動による応力が振動子1に生じても、その破損が抑制されているため、信頼性の高い移動体1500を得ることができる。
Claims (13)
- 基板と、
前記基板の一方面に設けられている電極部と、
第1振動体及び前記第1振動体と交差する方向に延伸する第2振動体とを有し、前記電極部と離間して設けられている振動部と、
前記第1振動体と前記第2振動体と、が重なる領域から延伸する梁部を有する支持部と、
前記基板の前記一方面に設けられ、前記支持部が接続されている固定部と、を備えていることを特徴とする振動子。 - 請求項1に記載の振動子において、
前記支持部には、前記梁部が屈曲されている屈曲部が設けられていることを特徴とする振動子。 - 請求項2に記載の振動子において、
前記屈曲部は、前記梁部が前記振動部と接続する箇所と前記固定部との中間点に設けられていることを特徴とする振動子。 - 請求項2に記載の振動子において、
前記屈曲部は、前記梁部の前記中間点と前記固定部との間に設けられていることを特徴とする振動子。 - 請求項2に記載の振動子において、
前記屈曲部は、前記梁部の前記中間点と前記振動部と接続する箇所との間に設けられていることを特徴とする振動子。 - 請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載の振動子において、
前記屈曲部は、
前記振動部から前記梁部が延設されている第1の方向と交差する第2の方向に向かって前記梁部から延設されている第1屈曲部と、
前記第1屈曲部と接続し、前記第2の方向と交差する第3の方向に延設されている第2屈曲部と、
前記第2屈曲部と接続し、前記第2の方向に延設され前記梁部と接続される第3屈曲部と、を有することを特徴とする振動子。 - 請求項6に記載の振動子において、
前記屈曲部は、前記梁部と前記第1屈曲部とが成す角度、及び前記梁部と前記第3屈曲部とが成す角度が45°以上90°以下であること特徴とする振動子。 - 請求項2ないし請求項5のいずれか一項に記載の振動子において、
前記屈曲部は、前記振動部から前記梁部が延設されている第1の方向と交差する第2の方向に向かって前記梁部から延設されている第4屈曲部と、
前記第4屈曲部と接続し、前記第2の方向に延設され前記梁部と接続されている第5屈曲部と、を有することを特徴とする振動子。 - 請求項8に記載の振動子において、
前記屈曲部は、前記梁部と前記第4屈曲部とが成す角度、及び前記梁部と前記第5屈曲部とが成す角度が90°未満であることを特徴とする振動子。 - 請求項2ないし請求項9のいずれか一項に記載の振動子において、
前記屈曲部は、前記第1振動体と前記第2振動体とが交差する交点を中心とする点対称に設けられていること、を特徴とする振動子。 - 請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載された振動子が搭載されていることを特徴とする発振器。
- 請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載された振動子が搭載されていることを特徴とする電子機器。
- 請求項1ないし請求項10のいずれか一項に記載された振動子が搭載されていることを特徴とする移動体。
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2013
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