JP2014220731A - 振動子、発振器、電子機器、及び移動体 - Google Patents

振動子、発振器、電子機器、及び移動体 Download PDF

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Abstract

【課題】共振による振動損失を抑制した振動子を提供する。【解決手段】基板と、基板の一方面に設けられた第1電極及び第2電極を有している電極部と、第1電極に対して離間し、一部が重なる様に基部から延設されている第1振動体、及び第2電極に対して離間し、一部が重なる様に第1振動体が延設されている方向と交差する方向に向かって基部から延設されている第2振動体を有している振動部と、基部から延設されている梁部を有している支持部と、第2電極上に設けられ、前記支持部が接続されている固定部と、両端が固定部に接続され第1電極に対して離間し、一部が重なる様に設けられている第1交差部と、一端が第1電極に接続され第2電極に対して離間し、一部が重なる様に設けられている第2交差部と、を備え、振動部の振動周波数と、第1交差部及び第2交差部の共振周波数と、の間に周波数差を有している。【選択図】図1

Description

本発明は、振動子、発振器、電子機器、及び移動体に関する。
一般に、半導体微細加工技術を利用して形成されたMEMS(Micro-Electro-Mechanical-System)デバイスと呼ばれる機械的に可動することができる構造体を備えた電気機械系構造体(例えば、振動子、フィルター、センサー、モーター等)が知られている。これらMEMSデバイスの中でも振動子は、水晶や誘電体を使用した振動子・共振子と比較して、発振回路等を組み込んで製造することが容易であり、微細化、高機能化に対し有利であることから、その利用範囲が広まっている。
従来、振動子の代表例としては、基板の厚さ方向に振動する梁型振動子が知られている。梁型振動子は、基板上に設けられた電極部と、その電極部に対して間隙を置いて設けられた振動部等を含み構成されている。梁型振動子は、振動部の支持の方法によって、片持ち梁型(clamped-free-beam)、両持ち梁型(clamped-clamped-beam)、両端自由梁型(free-free-beam)等が知られている。
上述した振動子の一例として両端自由梁型の振動子は、振動部の振動の節の部分が支持部材によって支持されるため、基板への振動漏れが少なく振動の効率が高い。例えば、特許文献1には、振動部に孔を設けることで振動特性を改善する振動子が開示されている。
米国特許第7170369号明細書
この様な振動子において、電極部と、励振信号を振動部に印加するための導電体と、が交差する部分が生じる構造も検討されている。この様な振動子は、振動部の振動周波数と、当該交差する導電体の共振周波数と、の周波数が接近すると導電体の共振による振動部の振動損失が生じる虞がある。よって、振動部の振動周波数と、電極部と交差する導電体の共振周波数と、を乖離させなければならない。
しかしながら、上述の特許文献に開示されている振動子の様に、振動部に孔を設けた場合には、振動部と電極部との対向面積が減縮されることから振動に伴って振動子から出力される電気信号が低下する虞があった。
本発明は、上述した課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態、または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本適用例に係る振動子は、基板と、基板の一方面に設けられた第1電極及び第2電極を有している電極部と、第1電極に対して離間し、平面視において少なくとも一部が重なる様に基部から延設されている第1振動体、及び第2電極に対して離間し、一部が重なる様に第1振動体が延設されている方向と交差する方向に向かって基部から延設されている第2振動体を有している振動部と、基部から延設されている梁部を有している支持部と、第2電極上に設けられ、前記支持部が接続されている固定部と、両端が固定部に接続され第1電極に対して離間し、平面視において少なくとも一部が重なる様に設けられている第1交差部と、一端が第1電極に接続され第2電極に対して離間し、平面視において少なくとも一部が重なる様に設けられている第2交差部と、を備え、振動部の振動周波数と、第1交差部及び第2交差部の共振周波数と、の間に周波数差を有していることを特徴とする。
この様な振動子によれば、振動部は、第2振動体と電極部との間に電位(励振信号)が印加されることで第2振動体が電極部に静電吸引され、第1振動体は電極部が設けられた方向とは反対の方向に反る様に撓む。第2振動体と電極部との間の電位を解くと第1振動体及び第2振動体は、復位する。振動部は、第2振動体と電極部との間の電位の印加と解放とを繰り返すことで振動することができる。振動部は、第1の振動体と、第1の振動体と交差する第2の振動体と、の基部が振動振幅の変曲点となる。振動部は、当該基部から延伸する支持部によって固定部に支持されている。
また、この様な振動子は、振動部に励振信号を印加するため、電極部と交差する部分に導電性を有する交差部が設けられている。振動部に印加される励振信号は、交差部を介して印加されるため、電極部と交差部との間に共振が生じ、交差部の共振周波数と振動部の振動周波数とが接近すると交差部の共振によって振動部の振動が打ち消され振動部の振動損失が生じる。
したがって、この様な振動子は、交差部の形状によって、振動部の振動周波数と交差部の共振周波数との間に周波数差を有することで、交差部の共振による振動部の振動損失が抑制された高いQ値を備えた特性を得ることができる。
また、振動部と電極部とが対応する面積が減縮されないため、振動に伴って出力される電気信号に与える影響を抑制することができる。
[適用例2]
上記適用例に係る振動子において、振動周波数を基準とし、振動周波数と、共振周波数と、の周波数差の割合が15%を超えることが好ましい。
この様な振動子によれば、振動部の振動周波数を基準とし、当該振動周波数と、交差部の共振周波数と、の周波数差の割合が15%を超えることで、交差部の共振による振動部の振動損失を抑制する効果を高めることができる。
[適用例3]
上記適用例に係る振動子において、交差部が延伸する第1の方向と交差する第2の方向における交差部の幅は、少なくとも交差部と電極部とが離間して平面視において少なくとも重なる部分において異なることが好ましい。
この様な振動子によれば、少なくとも交差部と電極部とが離間して平面視において少なくとも重なる部分において、交差部の幅が異なって設けられている。例えば、幅が広く設けられている場合には、交差部と電極部とが離間して対向する面積を増加させるとともに、両部間に生じる電荷が増加することで、交差部の共振周波数を調整することができる。また、例えば、幅が狭く設けられている場合には、交差部と電極部とが離間して対向する面積を減少させるとともに、両部間に生じる電荷が減少することで交差部の共振周波数を調整することができる。
したがって、この様な振動子は、交差部の幅を異ならせることで振動部の振動周波数と、交差部の共振周波数とを離間させ、交差部の共振による振動部の振動損失が抑制された高いQ値を備えた特性を得ることができる。
[適用例4]
上記適用例に係る振動子おいて、第1の方向及び第2の方向と交差する第3の方向における交差部の厚みは、少なくとも交差部と電極部とが離間して平面視において少なくとも重なる部分において異なることが好ましい。
この様な振動子によれば、少なくとも交差部と電極部とが離間して平面視において少なくとも重なる部分において交差部の厚みが異なっている。例えば、交差部の厚みを厚く設けた場合は、交差部の靱性が高まることで交差部の共振周波数を調整することができる。また、例えば、交差部の厚みを薄く設けた場合は、交差部の靱性が弱まることで交差部の共振周波数を調整することができる。
したがって、この様な振動子は、交差部の厚みを異ならせることで振動部の振動周波数と、交差部の共振周波数とを離間させ、交差部の共振による振動部の振動損失が抑制された高いQ値を備えた特性を得ることができる。
[適用例5]
上記適用例に係る振動子において、交差部には、少なくとも交差部と電極部とが離間して平面視において少なくとも重なる部分に貫通穴が設けられていることが好ましい。
この様な振動子によれば、少なくとも交差部と電極部とが離間して平面視において少なくとも重なる部分において交差部を貫通する貫通穴が設けられている。交差部に貫通穴が設けられているため、交差部の靱性が弱まるとともに交差部の共振周波数を調整することができる。
また、この様な振動子は、電極部と対向する交差部に貫通穴が設けられているため、電極部と交差部とが重なる対向面積を減少させるとともに、電極部と交差部との間に生じる電荷を減少させることができる。
したがって、この様な振動子は、電極部と交差部との間に生じる電荷、及び交差部の靱性によって交差部の共振周波数を調整することでき、振動部の振動周波数と交差部の共振周波数とを離間させ、交差部の共振による振動部の振動損失が抑制された高いQ値を備えた特性を得ることができる。
[適用例6]
本適用例に係る発振器は、上述したいずれかの振動子が搭載されていることを特徴とする。
この様な発振器によれば、交差部の共振による振動損失が抑制された振動子が搭載されることで、振動に伴う電気信号の出力を高めることができる。
[適用例7]
本適用例に係る電子機器は、上述したいずれかの振動子が搭載されていることを特徴とする。
この様な電子機器によれば、交差部の共振による振動損失が抑制された振動子が搭載されることで、電子機器の信頼性を高めることができる。
[適用例8]
本適用例に係る移動体は、上述したいずれかの振動子が搭載されていることを特徴とする。
この様な移動体によれば、交差部の共振による振動損失が抑制された振動子が搭載されることで、移動体の信頼性を高めることができる。
第1実施形態に係る振動子を模式的に示す平面図。 第1実施形態に係る振動子を模式的に示す断面図。 第1実施形態に係る振動子の動作を説明する斜視図。 第1実施形態に係る振動子の振動周波数と共振周波数と周波数差による振動子の良否判定を行った結果を示す表。 第1実施形態に係る振動子の製造工程を説明する図。 第1実施形態に係る振動子の製造工程を説明する図。 第1実施形態に係る振動子の製造工程を説明する図。 第1実施形態に係る振動子の製造工程を説明する図。 第1実施形態に係る振動子の製造工程を説明する図。 第1実施形態に係る振動子の製造工程を説明する図。 変形例に係る振動子を模式的に示す平面図。 変形例に係る振動子を模式的に示す平面図。 変形例に係る振動子を模式的に示す平面図。 実施例に係る電子機器としてのパーソナルコンピューターを模式的に示す図。 実施例に係る電子機器としての携帯電話機を模式的に示す図。 実施例に係る電子機器としてのデジタルスチールカメラを模式的に示す図。 実施例に係る移動体としての自動車を模式的に示す図。
以下、本発明の実施形態について各図面を用いて説明する。なお、以下に示す各図においては、各構成要素を図面上で認識され得る程度の大きさとするため、各構成要素の寸法や比率を実際の構成要素とは適宜に異ならせて記載する場合がある。
[実施形態]
実施形態に係る振動子について、図1から図10を用いて説明する。
図1は、実施形態に係る振動子の概略を模式的に示す平面図である。図2は、図1中の線分A−A’、線分B−B’、線分C−C’で示す部分の振動子の断面を模式的に示す断面図である。図3は、振動子の動作を説明する斜視図である。図4は、振動子の振動周波数及び交差部の共振周波数の周波数差による振動子の良否判定を行った結果を示す表である。
図5から図7は、図1中の線分A−A’で示す部分の振動子の断面を模式的に示し、その振動子の製造工程を説明する図である。図8から図10は、図1中の線分B−B’で示す部分の振動子の断面を模式的に示し、その振動子の製造工程を説明する図である。
また、図1から図10では、互いに直交する3つの軸として、X軸、Y軸、Z軸を図示している。なお、Z軸は、基板に絶縁部等が積層される厚み方向を示す軸である。
(振動子1の構造)
実施形態に係る振動子1は、電極間に生じる静電引力によって振動するいわゆる梁型振動子である。振動子1は、図1及び図2に示す様に基板10上に、可動電極としての振動部20と、振動部20から延設されている支持部40と、支持部40が接続されている固定部50と、が設けられている。また、基板10上に、電極部30が設けられている。なお、振動部20は、電極部30に対して間隙35を有し離間させて設けられている。
振動子1において振動部20は、電極部30との間に励振信号(電位)が印加されることで、電極部30に対し静電引力によって誘引され、振動可能となるものである。
(基板10)
基板10は、振動部20や電極部30等が設けられる基材である。基板10は、半導体加工技術によって加工容易なシリコン基板を用いると好適である。なお、基板10は、シリコン基板に限定されることなく、例えば、ガラス基板を用いることができる。
以降の説明において振動部20等が設けられる基板10の一方面を主面10aと称して振動子1の構成を説明する。
(絶縁部12)
絶縁部12は、基板10の主面10aに積層して設けられている。
絶縁部12は、基板10と、後述する電極部30と、の間を電気的に絶縁するために設けられている。絶縁部12は、その材料として、窒化シリコン(Si34)を含むことが好適である。絶縁部12の材料は、特に限定されることなく、基板10と、電極部30と、の間の絶縁の確保、及び後述する振動部20等を形成する際に基板10を保護することができれば適宜変更しても良い。
以降の説明において、振動部20等が設けられる絶縁部12の一方面を主面12aと称して振動子1の構成を説明する。
(振動部20、電極部30、支持部40、固定部50)
基板10には、絶縁部12の主面12aを介して振動部20と、電極部30と、振動部20から延設されている支持部40と、支持部40が接続されている固定部50と、が設けられている。
(振動部20)
振動部20は、主面12aに対して垂直方向であるZ軸方向から平面視した場合に、電極部30に対して間隙35を有し離間させて、一部が電極部30と重なる様に設けられている。振動部20は、電極部30との間で静電引力が作用することによって振動することができる。なお、振動動作については後述する。
振動部20は、図1におけるX軸方向に延設されている第1振動体22と、当該第1振動体22と交差して図1におけるY軸方向に延設されている第2振動体24と、を含み構成されている。
振動部20は、基部から第1振動体22と、第2振動体24と、が延設され、当該基部が振動の節20cとなる。振動部20は、振動の節20c(基部)から+X軸方向に延設されている第1振動体22bと、−X軸方向に延設されている第1振動体22aと、が一対となって振動することができる。また、振動部20は、振動の節20c(基部)から+Y軸方向に延設されている第2振動体24aと、−X軸方向に延設されている第2振動体24bと、が一対となって振動することができる。
振動部20は、その材料としてポリシリコン(Polycrystalline-silicon)を含んで構成されている。振動部20は、その材料が特に限定されるものでなく、アモルファスシリコン(Amorphous-silicon)、金(Au)、チタン(Ti)や、これらを含む合金等の導電性部材を用いることができる。振動部20は、導電部材を用いることで別途に電極膜を設けることなく、電極部30との間で静電引力を発生させることができる。
(電極部30、配線部60)
電極部30は、図1及び図2に示す様に基板10上に主面12aを介して設けられている。また、電極部30は、基板10(主面12a)に対して垂直方向であるZ軸方向から平面視した場合に、上述した振動部20と少なくとも一部が重なる様に間隙35を有し離間させて設けられている。電極部30は、第1電極32、第2電極34、及び第3電極36で構成されている。第1電極32は、主に第1振動体22(22a,22b)と間隙35を有し離間させて主面12a上に設けられている。第2電極34は、主に第2振動体24(24a,24b)と間隙35を有し離間させて設けられている。第3電極36は、主面12a上に設けられ、固定部50及び支持部40を介して振動部20に接続されている。これにより、振動子1は、振動部20の振動に応じて第3電極36に接続された振動部20と、第1振動体22と間隙35を有し設けられている第1電極32と、の間で静電容量の変化を伴うことができる。また、振動子1は、振動部20の振動に応じて第3電極36に接続された振動部20と、第2振動体24と間隙35を有し設けられている第2電極34と、の間で静電容量の変化を伴うことができる。
配線部60は、図1及び図2に示す様に基板10上に主面12aを介して設けられている。配線部60は、第1配線62、第2配線64、第3配線66、及び第4配線68で構成されている。第1配線62は、第1電極32と接続して設けられている。第2配線64は、第2電極34と接続して設けられている。第3配線66は、第1電極32において振動部20と対向する面に生じる電界を均一に保つため、第1振動体22a,22bと対向する側のそれぞれの一端と接続されている。第3配線66は、第1振動体22bと対面する側の第1電極32と接続され、基板10の外周縁に沿って第1振動体22aと対向する側の第1電極32に向かって延設されている。第4配線68は、第3電極36と接続して設けられている。第1配線62、第2配線64、及び第4配線68は、それぞれ接続される電極部30に励振信号を印加するために用いられるものであり、図示を省略する回路部等に接続されている。
電極部30及び配線部60は、パターニングされた電極及び配線であり、例えば、その材料としてポリシリコンを含んで構成されている。電極部30は、その材料が特に限定されることなく、アモルファスシリコン、金(Au)、チタン(Ti)や、これらを含む合金等の導電性部材を用いることができる。
なお、電極部30は配線部60(第1配線62,第2配線64)によって励振信号を発生させる回路部(図示省略)と接続されている。
(支持部40)
支持部40は、振動部20から固定部50に向かって延設され、振動部20を固定部50に支持するために設けられている。支持部40は、振動部20から1対延設されている。支持部40は、第1振動体22と第2振動体24とが延設される基部としての振動の節20cから固定部50に向かって延設されている。より詳細には、支持部40は、第1振動体22と、第2振動体24と、が交わる点から放射状、かつ、第1振動体22または第2振動体24が延伸する方向に設定される仮想線(例えば、線分C−C’)に対して線対称に固定部50に向かって延設されている。
支持部40は、その材料としてポリシリコン、アモルファスシリコン、金(Au)、チタン(Ti)や、これらを含む合金等の導電性部材を用いることができる。
(固定部50)
固定部50は、第3電極36を介して基板10上に設けられている。固定部50には、振動部20から延設されている支持部40が接続されている。固定部50は、支持部40を介して振動部20を基板10に支持するために設けられている。固定部50は、振動部20から延設されている1対の支持部40に対応して4つ設けられている。固定部50は、第3電極36及び支持部40と電気的に接続させて設けられている。
固定部50は、その材料として、ポリシリコン、アモルファスシリコン、金(Au)、チタン(Ti)や、これらを含む合金等の導電性部材を用いることができる。
(交差部70)
交差部70は、両端が固定部50に接続されている第1交差部72と、一端が第1電極32に接続され、他端を第3配線66と接続されている第2交差部74と、を含み構成されている。
第1交差部72は、固定部50間を電気的に接続し、固定部50間を同電位に保つために設けられている。第1交差部72は、1の固定部50から他の固定部50に向かって電極部30に対して間隙35を有し離間させて延設されている。
第2交差部74は、第3配線66と第1振動体22aと対面する側の第1電極32と接続され、第2電極34に対して間隙35を有し離間させて設けられている。
(振動子1の動作)
図3は、図1に示す振動子1の概略斜視図であり、可動電極としての振動部20の振動動作を示している。
本実施形態の振動子1は、回路部(不図示)で生成された励振信号(電位)が、振動部20と第2電極34とに印加されることで、第2振動体24と第2電極34との間に電荷が発生する。第2振動体24には、電荷によって第2電極34に対する静電引力が作用する。第2振動体24は、静電引力によって第2電極34側に誘引される。即ち、第2振動体24は、図3に示す矢印αの方向に撓む。
また、第1振動体22は、当該第1振動体22と交差する第2振動体24が第2電極34側に誘引されることによる応力によって、第2振動体24が撓む方向とは反対方向である矢印α’の方向に撓む(反る)。
なお、振動部20と第2電極34とに印加された電位を解くと、第2振動体24が復位するとともに、第1振動体22も復位する。励振信号(電位)の印加と、解放と、を繰り返すことで振動部20は振動することができる。
ここで、第2振動体24と、第2電極34と、の間には静電容量(電荷)が発生する。電荷は、第2振動体24と第2電極34との距離(間隔)によって異なる。すなわち、第2振動体24の振動によって第2電極34との間に生じる電荷が変化する。振動子1は、この電荷の変位を取り出すことで振動部20の振動に伴う電気信号を得ることができる。
なお、振動部20への励振信号の印加は、支持部40を介して固定部50から行うことができる。また、振動部20が振動することによって得られた電気信号を、電極部30と、振動部20から延設されている支持部40を介して固定部50と、から取り出すことができる。
振動部20の振動は、第1振動体22と第2振動体24とが重なる領域を振動の節20cとして、第1振動体22及び第2振動体24の自由端が振動の腹20pとなる撓み動作となる。なお、振動の節20cは、振動(振幅)の変曲点である。
(振動周波数と共振周波数との周波数差)
ところで、振動部20への励振信号は、支持部40と固定部50とを介して第1電極32から印加されるが、固定部50間を接続する第1交差部72にも印加される。
このことから、第1交差部72と、第1電極32及び第2電極34と、の間の電位が異なり、第1交差部72と、第1電極32及び第2電極34と、の間に電荷が発生する。発生した電荷によって第1交差部72は、第1電極32及び第2電極34に静電吸引され、励振信号が解かれると、第1交差部72は復位する。第1交差部72には、前述した振動部20と同様に励振信号の印加によって振動する共振現象が生じる。
また、第2電極34と間隙35を有して交差する第2交差部74には、第1電極32から励振信号が印加される。
このことから、第2交差部74と第2電極34との間の電位が異なり、第2交差部74と第2電極34との間に電荷が発生する。発生した電荷によって第2交差部74には、第1交差部72と同様に励振信号の印加によって振動する共振現象が生じる。
振動部20の固有振動周波数f0(以下、単に「振動周波数f0」と称する。)と、第1交差部72及び第2交差部74(交差部70)の共振に伴う共振周波数f1と、が近似すると交差部70の共振によって振動部20の振動が打ち消され、振動損失が生じる。よって、振動周波数f0と、共振周波数f1と、を離間させることで振動部20の振動損失を抑止することができる。
そこで、発明者等によって振動周波数f0と共振周波数f1との周波数差fΔを段階的に変化(離間)させて、振動子1の振動の良否判定を行う実験を行った。図4は、振動周波数f0に対して、振動周波数f0と共振周波数f1との周波数差fΔを百分率で示し、それぞれの周波数差fΔにおける振動子1の振動の良否判定を行った結果を示した表である。
図4に示す様に、周波数差fΔの割合が±0%、及び±5%の時には、振動部20の振動周波数f0が交差部70の共振によって打ち消されることから、不良(図4において「×」印)の判定をした。周波数差fΔの割合が±10%の時には、振動部20の振動周波数f0が交差部70の共振によって打ち消されることが少なからず抑制されることから、可(図4において「△」印)の判定をした。周波数差fΔの割合が±15%を超える場合には、振動部20の振動周波数f0が交差部70の共振によって打ち消されることが抑制されることから、良(図4において「○」印)の判定をした。周波数差fΔの割合が±20%を超える場合には、振動部20の振動周波数f0が交差部70の共振によって打ち消されることがさらに抑制されることから、優(図4において「◎」印)の判定をした。
上述した実験より、振動部20の振動周波数f0を基準とし、振動周波数f0と交差部70の共振周波数f1との周波数差fΔの割合が±15%を超えることが有用であることが確認された。
振動子1は、交差部70の幅や厚み等を調整することで、振動部20の振動周波数f0と交差部70の共振周波数f1との周波数差fΔを±15%以上異ならせている。
(振動子1の製造方法)
次に、振動子1の製造方法について説明する。
図5から図10は、実施形態に係る振動子1の製造方法を工程順に説明する断面図である。図5から図7は、図1において線分A−A’で示す振動子1の断面を模式的に示すものである。また、図8から図10は、図おいて線分B−B’で示す振動子1の断面を模式的に示すものである。なお、図5から図10において(a)から(j)で示す各図は、それぞれ同じ工程における振動子1の製造過程を示すものである。
本実施形態の振動子1を製造する工程は、絶縁部12、振動部20、及び電極部30等が形成される主面10aを有する基板10を準備する工程を含む。また、振動子1を製造する工程は、基板10上に絶縁部12を形成する工程と、絶縁部12上に電極部30、固定部50、及び配線部60を形成する工程と、を含む。さらに、振動子1を製造する工程は、電極部30に対して間隙35を有し離間させて振動部20と、交差部70と、を形成する工程と、を含む。
(基板10の準備工程)
図5(a)及び図8(a)は、振動子1を形成する基板10が準備された状態を示している。
基板10を準備する工程は、後述する各工程で絶縁部12、振動部20、電極部30、等が形成される基板10を準備する工程である。基板10は、例えば、シリコン基板を用いることができる。なお、振動子1の製造方法の説明においても絶縁部12、振動部20、電極部30、等が形成される基板10の一方面を主面10aと称して各工程を説明する。
(絶縁部12の形成工程)
図5(b)及び図8(b)は、基板10の主面10aに絶縁部12が形成された状態を示している。
絶縁部12を形成する工程は、上述の工程で準備をした基板10の主面10aに絶縁部12を形成する工程である。
絶縁部12を形成する工程は、例えば、絶縁部12としての窒化シリコン(Si34)膜をCVD法によって形成することができる。絶縁部12を形成する工程は、CVD法に限定されることなく、窒素ガスと水素ガスとの雰囲気中で、基板10としてのシリコン基板を加熱することで窒化シリコン膜を形成しても良い。
絶縁部12は、基板10の主面10aに対応して、その略全面に形成されるものである。
なお、振動子1の製造方法の説明においても絶縁部12が形成された側の一方面を主面12aと称して各工程を説明する。
(電極部30及び配線部60の形成工程)
図5(c)及び図8(c)は、絶縁部12の主面12a上に電極部30及び配線部60が形成された状態を示している。
電極部30を形成する工程は、上述した基板10上に絶縁部12を介して電極部30を形成する工程である。
電極部30を形成する工程は、例えば、ポリシリコン、アモルファスシリコン、金(Au)、チタン(Ti)等の導電性材料を含む導電層(不図示)をCVD法によって形成し、導電層をパターニングすることで第1電極32と、第2電極34と、第3電極36と、を形成することができる。
電極部30を形成する工程は、CVD法によって形成された導電層をパターニングする方法に限定されることなく、電極部30の形成を欲する部分が開口したマスクパターンを主面12aに形成し、CVD法やPVD(Physical-Vapour-Deposition)法を用いて電極部30を形成しても良い。
配線部60を形成する工程は、例えば、ポリシリコン、アモルファスシリコン、金(Au)、チタン(Ti)等の導電性材料を含む導電層(不図示)をCVD法によって形成し、導電層をパターニングすることで第1配線62、第2配線64、第3配線66及び第4配線68を形成することができる。
配線部60を形成する工程は、CVD法によって形成された導電層をパターニングする方法に限定されることなく、配線部60の形成を欲する部分が開口したマスクパターンを主面12aに形成し、CVD法やPVD(Physical-Vapour-Deposition)法を用いて配線部60を形成しても良い。また、配線部60は、上述した電極部30と同時に同工程で形成しても良い。
(犠牲層210の形成工程)
図5(d)及び図8(d)は、振動部20(図7(j)参照)と電極部30との間、及び交差部70(図10(j)参照)と電極部30との間に間隙35を設けるための犠牲層210が電極部30及び配線部60を覆う様に設けられた状態を示している。振動子1は上述の通り、電極部30に対して、間隙35を有し離間させて振動部20、及び交差部70が設けられている。振動部20及び交差部70は、後述する工程で当該犠牲層210上に形成される。また、後の工程によって犠牲層210が除去されることで電極部30と、振動部20及び交差部70との間に間隙35を設けることができる。
犠牲層210を形成する工程は、上述した間隙35を設けるための中間層である犠牲層210を形成する工程である。犠牲層210を形成する工程は、例えば、酸化シリコンを含む犠牲層210をCVD法によって形成することができる。犠牲層210を形成する方法は、CVD法に限定されることなく、PVD法等を用いて、酸化シリコンを含む犠牲層210を形成しても良い。なお、犠牲層210を構成する材料は、後述する工程で振動部20、電極部30、固定部50、配線部60、交差部70等を残置しつつ、犠牲層210を除去するため、選択的に当該犠牲層210を除去(エッチング)可能な材料である酸化シリコン、もしくは酸化シリコンを含む化合物を用いることが好適である。犠牲層210は、酸化シリコン、もしくは酸化シリコンを含む化合物に限定されることはなく、選択的に当該犠牲層210を除去することができる材料であれば適宜変更して良い。
(振動部20、支持部40、固定部50、及び交差部70の形成工程)
図6(e)及び図9(e)は、先の工程で形成した犠牲層210上に、固定部50及び交差部70(第2交差部74)(図7(j),図10(j)参照)を形成するためのマスクパターン230が形成された状態を示している。
振動部20、支持部40、固定部50、及び交差部70を形成する工程(以下、振動部20を形成する工程として説明する。)は、最初に、振動部20を支持する支持部40が接続される固定部50を形成する部分の犠牲層210の除去を行う。また、第2交差部74を形成する部分の犠牲層210の除去を行う。振動部20の形成工程は、後の工程で固定部50を第3電極36と接続させて形成するため、固定部50が形成される部分の犠牲層210を第3電極36が露出する様に除去を行う。また、振動部20の形成工程は、後の工程で第2交差部74を第1電極32及び第3配線66と接続させて形成するため、第2交差部74が形成される部分の犠牲層210を第1電極32及び第3配線66が露出する様に除去を行う。
振動部20を形成する工程は、フォトリソグラフィー法を用いて犠牲層210上に固定部50及び第2交差部74が形成される部分が開口したマスクパターン230を形成する。次に、マスクパターン230が開口し犠牲層210が露出している部分のエッチングを行うことで固定部50及び第2交差部74が形成される部分の犠牲層210を除去することができる。
なお、図6(f)及び図9(f)は、固定部50及び第2交差部74が形成される部分の犠牲層210がエッチングされて、第1電極32、第3電極36及び第3配線66の一部が露出している状態を示している。
図6(g)及び図9(g)は、犠牲層210上に振動部20、支持部40、固定部50、及び交差部70の前駆体としての導電層250が形成された状態を示している。
振動部20を形成する工程は、次に、振動部20、支持部40、固定部50、及び交差部70の前駆体である導電層250を犠牲層210上及び、前述の工程で露出をさせた第1電極32及び第3配線66上に形成する。振動部20を形成する工程は、犠牲層210上にポリシリコンを含む導電層250を、例えば、CVD法によって形成することができる。
図6(h)及び図10(h)は、振動部20、支持部40、及び固定部50の前駆体としての導電層250上に、振動部20、支持部40、固定部50、及び交差部70をパターニングするためのマスクパターン235が形成された状態を示している。
次に、振動部20を形成する工程は、振動部20、支持部40、固定部50及び交差部70として不要な部分の導電層250を除去するためのマスクパターン235を形成する。振動部20を形成する工程は、マスクパターン235が形成されていない部分、即ち、振動部20、支持部40、固定部50、及び交差部70として不要な部分の導電層250の除去を行う。マスクパターン235の形成、及び導電層250の除去は、フォトリソグラフィー法によって行うことができる。
なお、図7(i)及び図10(i)は、振動部20、支持部40、固定部50、及び交差部70として不要な部分(導電層250)が除去された状態を示している。
(犠牲層210の除去工程)
図7(j)及び図10(j)は、先の工程で形成した犠牲層210が除去された状態を示している。
犠牲層210を除去する工程は、電極部30と、振動部20及び交差部70と、の間に間隙35を設けるために中間層として一時的に形成された犠牲層210を除去する工程である。
犠牲層210を除去する工程は、犠牲層210を選択的に除去することが求められる。そこで、犠牲層210を除去する工程は、例えば、ウエットエッチング法によって犠牲層210のエッチング(除去)を行う。ウエットエッチング法による犠牲層210の除去は、フッ酸を含むエッチャント(洗浄液)を用いると好適である。フッ酸を含むエッチャントを用いることで、酸化シリコンを含む犠牲層210に対するエッチング速度が、振動部20、電極部30、支持部40、固定部50、及び交差部70に対するエッチング速度に比べて早いため、犠牲層210を選択的、かつ、効率的に除去することができる。
また、電極部30及び配線部60の下地膜である絶縁部12が耐フッ酸性を有する窒化シリコンを含むことで、当該絶縁部12は、いわゆるエッチングストッパーとして機能することができる。これにより、振動子1は、犠牲層210がエッチングされることによる、基板10と、電極部30と、の間の絶縁の低下を抑制することができる。
振動子1は、犠牲層210が除去されることで、電極部30と、振動部20及び交差部70と、の間に間隙35を有し離間させて設けることができる。
なお、犠牲層210を除去する工程は、ウエットエッチング法に限定されることなく、ドライエッチング法によって行っても良い。
上述した犠牲層210を除去することで、振動子1を製造する工程が完了する。
上述した実施形態によれば、以下の効果が得られる。
この様な振動子1によれば、振動周波数f0と共振周波数f1とを離間させることで、振動部20の振動損失が抑制された高いQ値を備えた特性を得ることができる。
また、振動周波数f0を基準とし、振動周波数f0と共振周波数f1との周波数差fΔの割合が±15%を超えることで、さらに振動部20の振動損失を抑制することができる。
また、この様な振動子1は、振動部20と電極部30とが対応する面積が減縮されないため、振動に伴う電気信号を低下させることなく出力することができる。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されず、上述した実施形態に種々の変更や改良などを加えることが可能である。変形例を以下に述べる。
[変形例]
図11から図13は、変形例に係る振動子の交差部を拡大して模式的に示す図であり、図1で示した固定部間に設けられている第1交差部と、第1配線と第3配線との間に設けられている第2交差部と同等の部分を示すものである。
変形例に係る振動子は、交差部の幅や厚み等の形状が異なる。以下に相違点を説明し、同一の構成、及び製造工程については説明を一部省略する。
[変形例1]
図11は、変形例1に係る振動子の交差部を拡大して示す模式図である。図11(a)は、固定部間に設けられている第1交差部を拡大して示す模式図である。また、図11(b)は、第1電極と第3配線との間に設けられている第2交差部を拡大して示す模式図である。
変形例1に係る振動子1aは、交差部70のうち、電極部30と間隙35を有して重なる部分の幅が異なる点で実施形態において上述した振動子1とは異なる。
図11(a)、及び図11(b)に示す様に、振動子1aの第1交差部172及び第2交差部174は、少なくとも電極部30と間隙35を有し、平面視において重なる部分の幅が広く設けられている。より詳しくは、交差部70と電極部30とが間隙35を有し、平面視において重なる部分の交差部70の幅は、交差部70が延設する第1の方向と交差する第2の方向に広く設けられている。
これにより、電極部30と交差部70との対向面積が増加するとともに、電極部30と交差部70との間に生じる電荷が増加し、交差部70の共振周波数f1を変化させることができる。よって、振動部20の振動周波数f0と交差部70の共振周波数f1とを異ならせることができる。したがって、この様な振動子1aは、交差部70の幅を広くすることで振動部20の振動周波数f0と、交差部70の共振周波数f1とを離間させ、振動部20の振動損失が抑制された高いQ値を備えた特性を得ることができる。
なお、振動子1aは、交差部70の幅は広く設けることに限定されず、その幅を狭く設けても良い。振動子1aは、交差部70の幅が狭く設けられている場合には、交差部70と電極部30とが離間して対向する面積を減少するとともに、交差部70と電極部30との間に生じる電荷が減少することで交差部70の共振周波数f1を調整することができる。
[変形例2]
図12は、変形例2に係る振動子の交差部を拡大して示す模式図である。図12(a)は、固定部間に設けられている第1交差部を拡大して示す模式図である。また、図12(b)は、第1電極と第3固定部との間に設けられている第2交差部を拡大して示す模式図である。
変形例2に係る振動子1bは、少なくとも電極部30と離間して設けられている交差部70の部分に貫通穴176が設けられている点で実施形態、及び変形例1において上述した振動子1,1aとは異なる。
図12(a)、及び図12(b)に示す様に、振動子1bの第1交差部172及び第2交差部174は、平面視において電極部30と離間して重なる部分に貫通穴176が設けられている。
これにより、振動子1bは、電極部30と交差部70との対向面積を貫通穴176で調整することができる。よって、振動子1bは、電極部30と交差部70との間に生じる電荷を調整するとともに、交差部70の共振周波数f1を変化させることができる。また、振動子1bは、交差部70に貫通穴176が設けられていることで、交差部70の靱性を弱めることで交差部70の共振周波数f1を調整することができる。
したがって、この様な振動子1bは、電極部30と交差部70との間に生じる電荷、及び交差部70の靱性によって交差部70の共振周波数f1を調整することで、振動子1bの振動周波数f0と交差部70の共振周波数f1とを離間させ、振動部20の振動損失が抑制された高いQ値を備えた特性を得ることができる。
[変形例3]
図13は、変形例3に係る振動子の交差部を拡大して示す模式図である。図13(a)は、固定部間に設けられている第1交差部の断面を拡大して示す模式図である。また、図13(b)は、第1電極と第3固定部との間に設けられている第2交差部の断面を拡大して示す模式図である。
変形例3に係る振動子1cは、平面視において少なくとも、交差部70と電極部30とが重なる部分において交差部70の厚みが異なっている点で実施形態、変形例1、及び変形例2において上述した振動子1,1a,1bとは異なる。
図13(a)、及び図13(b)に示す様に、例えば、振動子1cの第1交差部272及び第2交差部274は、電極部30と間隙35を有して重なる部分の厚みが厚く設けられている。より詳しくは、交差部70が延設されている第1の方向、及び当該第1の方向と交差する交差部70の幅となる第2の方向と、交差する第3の方向における交差部70の厚みが厚く設けられている。
この様な振動子1cは、交差部70の厚みを厚く設けた場合、交差部70の靱性が高まることで交差部70の共振周波数f1を調整することができる。
したがって、この様な振動子1cは、交差部70の厚みを異ならせることで振動周波数f0と、共振周波数f1とを離間させ、振動部20の振動損失が抑制された高いQ値を備えた特性を得ることができる。
なお、交差部70の厚みが異なる部分は、交差部70を薄く設けても良い。交差部70の厚みを薄く設けた場合は、交差部70の靱性が弱まることで交差部70の共振周波数f1を調整することができる。
なお、上述した振動子1、または振動子1aから1cは、振動部20へ励振信号を与える励振回路と、振動部20の振動に伴う電気信号を増幅する増幅回路と、などを含み構成される回路部(不図示)と組合せることで発振器(不図示)として用いることができる。この様な発振器によれば、交差部70の共振による振動損失が抑制された振動子1、または振動子1aから1cが搭載されることで、振動に伴う電気信号の出力を高めることができる。
[実施例]
本発明の一実施形態に係る振動子1、振動子1aから1c(以下、総括して振動子1として説明する。)のいずれかを適用した実施例について、図14から図17を参照しながら説明する。
[電子機器]
本発明の一実施形態に係る振動子1を適用した電子機器について、図14から図16を参照しながら説明する。
図14は、本発明の一実施形態に係る振動素子を備える電子機器としてのラップトップ型(またはモバイル型)のパーソナルコンピューターの構成の概略を示す斜視図である。この図において、ラップトップ型パーソナルコンピューター1100は、キーボード1102を備えた本体部1104と、表示部1008を備えた表示ユニット1106とにより構成され、表示ユニット1106は、本体部1104に対しヒンジ構造部を介して回動可能に支持されている。この様なラップトップ型パーソナルコンピューター1100には、そのラップトップ型パーソナルコンピューター1100に加えられる加速度等を検知して表示ユニット1106に加速度等を表示するための加速度センサー等として機能する振動子1が内蔵されている。この様な振動子1を内蔵することで、共振による振動損失が抑制されているため、信頼性の高いラップトップ型パーソナルコンピューター1100を得ることができる。
図15は、本発明の一実施形態に係る振動子を備える電子機器としての携帯電話機(PHSも含む)の構成の概略を示す斜視図である。この図において、携帯電話機1200は、複数の操作ボタン1202、受話口1204及び送話口1206を備え、操作ボタン1202と受話口1204との間には、表示部1208が配置されている。この様な携帯電話機1200には、携帯電話機1200に加えられる加速度等を検知して、当該携帯電話機1200の操作を補助するための加速度センサー等として機能する振動子1が内蔵されている。この様な振動子1を内蔵することで、共振による振動損失が抑制されているため、信頼性の高い携帯電話機1200を得ることができる。
図16は、本発明の一実施形態に係る振動子を備える電子機器としてのデジタルスチールカメラの構成の概略を示す斜視図である。なお、この図には、外部機器との接続についても簡易的に示されている。ここで、通常のカメラは、被写体の光像により銀塩写真フィルムを感光するのに対し、デジタルスチールカメラ1300は、被写体の光像をCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子により光電変換して撮像信号(画像信号)を生成する。
デジタルスチールカメラ1300におけるケース(ボディー)1302の背面には、表示部1308が設けられ、CCDによる撮像信号に基づいて表示を行う構成になっており、表示部1308は、被写体を電子画像として表示するファインダーとして機能する。また、ケース1302の正面側(図中裏面側)には、光学レンズ(撮像光学系)やCCD等を含む受光ユニット1304が設けられている。
撮影者が表示部1308に表示された被写体像を確認し、シャッターボタン1306を押下すると、その時点におけるCCDの撮像信号が、メモリー1310に転送・格納される。また、このデジタルスチールカメラ1300においては、ケース1302の側面に、ビデオ信号出力端子1312と、データ通信用の入出力端子1314とが設けられている。そして、図示される様に、ビデオ信号出力端子1312には液晶ディスプレイ1430が、データ通信用の入出力端子1314にはパーソナルコンピューター1440が、それぞれ必要に応じて接続される。さらに、所定の操作により、メモリー1310に格納された撮像信号が、液晶ディスプレイ1430や、パーソナルコンピューター1440に出力される構成になっている。この様なデジタルスチールカメラ1300には、その落下からデジタルスチールカメラ1300を保護する機能を動作させるため、落下による加速度を検知する加速度センサーとして機能する振動子1が内蔵されている。この様な振動子1を内蔵することで、共振による振動損失が抑制されているため、信頼性の高いデジタルスチールカメラ1300を得ることができる。
なお、本発明の一実施形態に係る振動子1は、図14のラップトップ型パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター)、図15の携帯電話機、図16のデジタルスチールカメラの他にも、例えば、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター等の電子機器に適用することができる。
[移動体]
図17は移動体の一例としての自動車を概略的に示す斜視図である。自動車1500は、加速度センサーとして機能する振動子1が各種制御ユニットに搭載されている。例えば、同図に示す様に、移動体としての自動車1500には、当該自動車1500の加速度を検知する振動子1を内蔵してエンジンの出力を制御する電子制御ユニット(ECU:electronic Control Unit)1508が車体1507に搭載されている。加速度を検知して車体1507の姿勢に応じた適切な出力にエンジンを制御することで、燃料等の消費を抑制した効率的な移動体としての自動車1500を得ることができる。
また、振動子1は、他にも、車体姿勢制御ユニット、アンチロックブレーキシステム(ABS)、エアバック、タイヤ・プレッシャー・モニタリング・システム(TPMS:Tire Pressure Monitoring System)、に広く適用できる。
この様な振動子1が搭載されることで、共振による振動損失が抑制されているため、信頼性の高い移動体1500を得ることができる。
1,1a,1b,1c…振動子、10…基板、10a…主面、12…絶縁部、12a…主面、20…振動部、20c…振動の節、20p…振動の腹、22…第1振動体、24…第2振動体、30…電極部、32…第1電極、34…第2電極、35…間隙、36…第3電極、40…支持部、50…固定部、60…配線部、62…第1配線、64…第2配線、66…第3配線、68…第4配線、70…交差部、72,172,272…第1交差部、74,174,274…第2交差部、176…貫通穴、210…犠牲層、230,235…マスクパターン、250…導電層、1100…ラップトップ型パーソナルコンピューター、1200…携帯電話機、1300…デジタルスチールカメラ、1500…自動車。

Claims (8)

  1. 基板と、
    前記基板の一方面に設けられた第1電極及び第2電極を有している電極部と、
    前記第1電極に対して離間し、平面視において少なくとも一部が重なる様に基部から延設されている第1振動体、及び前記第2電極に対して離間し、平面視において少なくとも一部が重なる様に前記第1振動体が延設されている方向と交差する方向に向かって前記基部から延設されている第2振動体を有している振動部と、
    前記基部から延設されている梁部を有している支持部と、
    前記第2電極上に設けられ、前記支持部が接続されている固定部と、
    両端が前記固定部に接続され前記第1電極に対して離間し、平面視において少なくとも一部が重なる様に設けられている第1交差部と、
    一端が前記第1電極に接続され前記第2電極に対して離間し、平面視において少なくとも一部が重なる様に設けられている第2交差部と、を備え、
    前記振動部の振動周波数と、前記第1交差部及び前記第2交差部の共振周波数と、の間に周波数差を有していることを特徴とする振動子。
  2. 請求項1に記載の振動子において、
    前記振動周波数を基準とし、前記振動周波数と、前記共振周波数と、の前記周波数差の割合が15%を超えることを特徴とする振動子。
  3. 請求項1または請求項2に記載の振動子において、
    前記交差部が延伸する第1の方向と交差する第2の方向における前記交差部の幅は、少なくとも前記交差部と前記電極部とが離間して平面視において重なる部分において異なることを特徴とする振動子。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の振動子において、
    前記第1の方向及び前記第2の方向と交差する第3の方向における前記交差部の厚みは、少なくとも前記交差部と前記電極部とが離間して平面視において重なる部分において異なることを特徴とする振動子。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか一項に記載の振動子において、
    前記交差部には、少なくとも前記交差部と前記電極部とが離間して平面視において重なる部分に貫通穴が設けられていることを特徴とする振動子。
  6. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載された振動子が搭載されていることを特徴とする発振器。
  7. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載された振動子が搭載されていることを特徴とする電子機器。
  8. 請求項1ないし請求項5のいずれか一項に記載された振動子が搭載されていることを特徴とする移動体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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