JP2014008694A - 積層体、および該積層体を含む成形体 - Google Patents

積層体、および該積層体を含む成形体 Download PDF

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Abstract

【解決手段】下記ポリオレフィン接着性樹脂(A)を有する層および下記極性接着性樹脂
(B)を有する層が連続した積層体。
(A)は、プロピレンを50〜95モル%、1−ブテンを5〜50モル%含有し、融点が50〜120℃のプロピレン/1-ブテン共重合体およびその誘導体であり、
(B)は、次の(i)〜(iii)の3つの要件を全て満たす樹脂
(i)アルケン、ジエンの一方、もしくは両方に由来する構造を含み、
(ii) エポキシ基、水酸基、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、イミド基、アミド基、ニトリル基、チオール基、イソシアネート基より選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、
(iii) 上記(ii)記述の官能基を含まないモノマーであって、所定のモノマーに由来する構造を少なくとも1つ有する。
【効果】ポリオレフィン系樹脂基材に対する優れた付着性と同時に、ポリエステル系樹脂
やアクリル系樹脂のような極性の高い基材に対しても良好な付着性を有する。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリオレフィン材料のような極性の低い材料と、ポリカーボネート、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、金属、無機箔のような極性の高い材料に対して、良好な接着性を発現する積層体、および該積層体を含む成形体に関するものである。さらに詳しくは、低極性のポリオレフィン樹脂からなる基材同士、または該低極性基材と他の極性の高い基材との接着特性に優れた接着層、プライマー、ホットメルト接着フィルム、並びに該ホットメルト接着フィルムを主成分とする層を含む加飾フィルムに関する。
ポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン系樹脂は、安価で成形性、耐薬品性、耐水性、電気特性、安全性など多くの優れた性質を有するため、広く用いられている。しかし、ポリオレフィン系樹脂は、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂等の極性樹脂とは異なり、非極性でかつ結晶性のため、その表面にインキ、塗料、あるいは接着剤を強固に付着させることが困難である。
こうしたポリオレフィン系樹脂に対して付着性を有する樹脂として、不飽和カルボン酸変性をはじめとする酸変性ポリオレフィン樹脂(特許文献1)や、塩素化ポリオレフィン樹脂、アクリル系粘接着剤、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合ゴム(特許文献2)、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム(特許文献3)、あるいはスチレン−共役ジエン−スチレン系ブロック共重合体の水添物に無水マレイン酸をグラフト重合させた変性ブロック共重合体(特許文献4)が知られている。
しかしながら、塩素化ポリオレフィン樹脂やアクリル系粘着剤はポリオレフィン樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂の全てに対して良好な接着性を発現するものの、乾燥塗膜にはタック性があり、被膜表面にゴミが付着するなどして取扱の面で問題が残る。一方、酸変性ポリオレフィン樹脂やスチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロック共重合ゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合ゴム、スチレン−共役ジエン−スチレン系ブロック共重合体の水添物に無水マレイン酸をグラフト重合させた変性ブロック共重合体などは、ポリオレフィン樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂の全てに対する高い接着性を、一度に満足する点においてまだ向上の余地があった。
一方で、新しい加飾技術として、種々の形状を有する成形体に、意匠性のあるフィルム(加飾フィルム)を貼合して加飾する方法が提案されている(特許文献5,6)。塗装工程の簡素化・高付加価値化・低環境負荷を可能とする技術として、既に家電製品のハウジング、自動車の内外装部品等に使用されている。
一般的に意匠層はウレタン系樹脂やアクリル系樹脂などの極性の高い樹脂が基材として用いられる。したがって、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂の成形体に対して加飾フィルムを貼合する場合には、ポリオレフィン系樹脂とウレタン系樹脂やアクリル系樹脂などの極性の高い意匠層とを接着させる接着層が求められる。また、易取り扱い性の観点から作業環境においてタック性の小さい接着フィルムが求められている。
特許第3939464号 特開平3−160083号公報 特開平8−60121号公報 WO01/068785 特開2004−299220号公報 特開2004−299223号公報
本発明の目的は、コロナ処理等の予備的な表面処理がなされていないポリオレフィン系樹脂基材に対しても優れた付着性を有し、同時に、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂のような極性の高い基材に対しても良好な付着性を有し、且つタック性が低く、取り扱いやすい積層体、および該積層体を含む成形体を提供することである。更には、該積層体を主成分とするプライマー、ホットメルト接着フィルム、並びに該ホットメルト接着フィルムを主成分とする層を含む加飾フィルムを提供することである。
本発明者らは、上記の問題を解決すべく鋭意検討した結果、特定の樹脂を原料とする積層体を見出し、本発明に至った。即ち本発明は、
下記ポリオレフィン接着性樹脂(A)を有する層および下記極性接着性樹脂(B)を有する層が連続した積層体である。
(A)は、プロピレンを50〜95モル%、1−ブテンを5〜50モル%含有し、融点
が50〜120℃のプロピレン/1-ブテン共重合体およびその誘導体であり、
(B)は、次の3つの要件を全て満たす樹脂、
(i)アルケン、ジエンの一方、もしくは両方に由来する構造を含み、
(ii) エポキシ基、水酸基、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、イミド基、アミド基、ニトリル基、チオール基、イソシアネート基より選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、
(iii) 上記(ii)記述の官能基を含まないモノマーであって、芳香族ビニルモノマーおよびその水添物、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、不飽和二塩基酸のジエステル、ビニルエステル、テルペン類より選択されるモノマーに由来する構造を少なくとも1つ有する。
ポリオレフィン接着性樹脂(A)は、無水マレイン酸を0.1〜15重量%グラフトした無水マレイン酸変性プロピン/1-ブテン共重合体であることが好ましい。
また、極性接着性樹脂(B)が芳香族ビニル化合物又は共役ジエン共重合体の、エポキシ基、水酸基、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、イミド基、ニトリル基、チオール基、イソシアネート基の何れかを有する化合物による変性体、もしくは、メタクリル酸グリシジル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、無水マレイン酸−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸グリシジル−エチレン−酢酸ビニル共重合体の何れかであることが好ましい。
更に、上記スチレン系エラストマーの変性体がエポキシ変性スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、又は水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の無水マレイン酸変性体であることが好ましい。
また、上記極性接着性樹脂(B)が石油樹脂及び/又はテルペン樹脂と、無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体とを含む樹脂であることが好ましい。
本発明の成形体は、上記積層体を介して、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂およびこれらの複合材料より選別される極性樹脂材料とポリオレフィン樹脂材料とが接着された構造体(図1)を含む成形体である。
本発明のプライマーは、上記積層構造を少なくとも一部に有する。また本発明のホットメルト接着フィルムは上記積層構造を少なくとも一部に有する。更に、本発明の加飾フィルムは前記積層構造を少なくとも一部に有する。また本発明の加飾された成形体は、前記加飾フィルムによって加飾された成形体である。この成形体は、真空成形装置によって加飾された成形体が好ましい。
本発明により、ポリオレフィン系樹脂基材に対する優れた付着性と同時に、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂のような極性の高い基材に対しても良好な付着性を有し、且つ、タック性が低く取扱性に優れた積層体、および該積層体を含む成形体を提供することが出来る。より具体的には、該積層体を主成分とするプライマー、ホットメルト接着フィルム、並びにポリオレフィン基材に対して好適に用いられる加飾フィルムを提供することができる。
本発明に係る構造体を含む成形体を示す模式的な断面図である。
本発明の積層体は、ポリオレフィン接着性樹脂(A)を有する層、および極性接着性樹脂(B)を有する層を連続して積層することによって得られる。ここで、「連続」とは、ポリオレフィン接着性樹脂(A)を有する層と極性接着性樹脂(B)を有する層が、接触して積層していることをいう。
ポリオレフィン接着性樹脂(A)
本発明で用いるポリオレフィン接着性樹脂(A)とはポリプロピレン等のポリオレフィン樹脂に対して良好な接着性を発現する樹脂である。具体的にはプロピレン/1-ブテン共重合体およびその誘導体であり、より好ましくは無水マレイン酸変性プロピレン/1-ブテン共重合体が好適に用いられる。
これら共重合体はオレフィン系エラストマーであるが故にオレフィンに対する接着性が良好であり、且つ結晶性であるが故に結晶化後はタック性が小さいという利点を有する。
該プロピレン/1-ブテン共重合体は、プロピレンを50〜95モル%、好ましくは60〜93モル%、より好ましくは70〜90モル%の量で、1-ブテンを5〜50モル%、好ましくは7〜40モル%、より好ましくは10〜30モル%の量で含有している。プロピレンおよび1-ブテン以外のオレフィンから導かれる単位を、例えば10モル%以下、望ましくは5モル%以下の量で含んでいてもよい。
該プロピレン/1-ブテン共重合体の135℃、デカリン中で測定される極限粘度[η]は、0.1〜12dl/g、好ましくは0.5〜12dl/g、より好ましくは1〜12dl/gである。該プロピレン/1-ブテン共重合体のゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)により求められる分子量分布(Mw/Mn)は3以下であり、好ましくは2.0〜3. 0、より好ましくは2. 0〜2. 5である。
該プロピレン/1-ブテン共重合体の示差走査型熱量計によって測定される融点Tmは、60〜140℃、好ましくは70〜130℃である。
該プロピレン/1-ブテン共重合体の誘導体は、該プロピレン/1-ブテン共重合体に極性モノマーをグラフト共重合することによって得られる。極性モノマーとしては、水酸基含有エチレン性不飽和化合物、アミノ基含有エチレン性不飽和化合物、エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物、不飽和カルボン酸とその無水物およびその誘導体、ビニルエステル化合物、塩化ビニル等を挙げることができるが、不飽和カルボン酸およびその無水物が好ましい。これらの極性モノマーは単独あるいは複数で使用することができる。また、上記極性モノマーはグラフト共重合されたプロピレン系エラストマー100重量部に対し、0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部となるようにグラフト共重合されるのが好ましい。ここで、0.1重量部以上の場合、アクリル、PETなとの極性樹脂被着体に対する接着性が十分であり、15重量部以下である場合、接着剤層の脆性が増加することも少なく凝集剥離を生ずることも少ない傾向がある。
水酸基含有エチレン性不飽和化合物としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルおよび10−ウンデセンー1−オール、1−オクテンー3−オール、グリセリンモノアリルエーテル、アリルアルコール、2−ブテン1,4−ジオール、グリセリンモノアルコール等を挙げることができる。
アミノ基含有エチレン性不飽和化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸アミノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、等のアクリル酸またはメタクリル酸のアミノアルキルエステル系誘導体類、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン等のビニルアミン系誘導体類を挙げることができる。
アミド基含有エチレン性不飽和化合物としては、アクリルアミド、メタクリルアミド、等のアクリルアミド系誘導体を挙げることができる。
イミド基含有エチレン性不飽和化合物としては、p−アミノヘキシルコハク酸イミド、2−アミノエチルコハク酸イミド等のイミド系誘導体類を挙げることができる。
エポキシ基含有エチレン性不飽和化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸のグリシジルエステル、あるいはマレイン酸、フマル酸、等の不飽和ジカルボン酸のモノグリシジルエステル(モノグリシジルエステルの場合のアルキル基の炭素数1〜12)、p−スチレンカルボン酸のアルキルグリシジルエステル、2−メチルアリルグリシジルエーテル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキシド等を挙げることができる。
不飽和カルボン酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、等の不飽和カルボン酸またはこれらの誘導体(例えば酸無水物、酸ハライド、アミド、イミド、エステル等)を挙げることができる。
この誘導体としては、例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、マレイン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジエチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、等を挙げることができる。
ビニルエステル化合物としては、例えば、酢酸ビニル、n−酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、カプロン酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、サリチル酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル等を挙げることができる。
変性方法としては、例えば、プロピレン系エラストマーを有機溶媒に溶解し、上記極性モノマーおよびラジカル重合開始剤を添加して加熱、攪拌してグラフト共重合反応させる方法、プロピレン系エラストマーを加熱溶融して、得られる溶融物に極性モノマーおよびラジカル重合開始剤を添加し、攪拌してグラフト共重合させる方法、プロピレン系エラストマー、極性モノマーおよびラジカル重合開始剤を予め混合し、得られる混合物を押出機に供給して加熱混練しながらグラフト共重合反応させる方法、プロピレン系エラストマーに、上記極性モノマーおよびラジカル重合開始剤を有機溶媒に溶解してなる溶液を含浸させた後、該プロピレン/1-ブテン共重合体が溶解しない最高の温度まで加熱し、グラフト共重合反応させる方法などを挙げることができる。
使用するラジカル重合開始剤は、該プロピレン/1-ブテン共重合体と前記極性モノマーとの反応を促進するものであれば何でも良いが、特に有機ペルオキシド、有機ペルエステルが好ましい。
具体的には、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチルー2,5−ジ(ペルオキシベンゾエート)ヘキシンー3、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチルー2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシンー3、2,5−ジメチルー2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシド)ヘキサン、tert−ブチルベンゾエート、tert−ブチルペルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピバレート、クミルペルピバレートおよびtert−ブチルペルジエチルアセテートがあり、その他アゾ化合物、たとえば、アゾビス−イソブチルニトリル、ジメチルアゾイソブチルニトリルが挙げられる。
これらのうちでは、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシンー3,2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン等のジアルキルペルオキシドが好ましい。
ラジカル重合開始剤は、プロピレン系エラストマー100重量部に対して、0.001〜10重量部程度の量で使用されることが好ましい。
該無水マレイン酸変性プロピレン/1-ブテン共重合体は、上述の方法によって、該プロピレン/1-ブテン共重合体に無水マレイン酸をグラフト重合することによって製造される。無水マレイン酸は該無水マレイン酸変性プロピレン/1-ブテン共重合体100重量部に対し、0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部となるようにグラフト共重合されるのが好ましい。
極性接着性樹脂(B)
本発明で用いる極性接着性樹脂(B)とはアクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の極性の高い樹脂基材に対して良好な接着性を発現する樹脂である。具体的には次の3つの構成要件を全て満たす樹脂である。
(i)アルケン、ジエンの一方、もしくは両方に由来する構造を含み
(ii) エポキシ基、水酸基、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、イミド基、ニトリル
基、チオール基、イソシアネート基より選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、
(iii) 上記(ii)記述の官能基を含まないモノマーであって、芳香族ビニルモノマー、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、不飽和二塩基酸のジエステル、ビニルエステル、テルペン類より選択されるモノマーに由来する構造を少なくとも1つ有する。
上記3つの構成要件を全て満たすことによって、本発明の極性接着性樹脂(B)は、その化学構造に起因して、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂等の極性の高い樹脂基材と、該ポリオレフィン接着性樹脂(A)の両者に対して良好な接着性を発現することが出来る。
すなわち、構成要件(ii)(iii)を共に満たすことによって極性の高い樹脂基材との接着性が担保され、構成要件(i)(iii)を共に満たすことによって該ポリオレフィン接着性樹脂(A)との接着性が担保される。
これら極性接着性樹脂(B)を単独で使用した場合にはポリオレフィン基材に対する十分な接着性を発現することはできす、本発明のポリオレフィン接着性樹脂(A)と組み合わせて用いることが重要である。
構成要件(i)におけるアルケンとしては、例えばプロピレン、1−ブテン、2−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、4,4ージメチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ヘキセン、3−エチル−1−ヘキセン、4−エチル−1−ヘキセン、4,4−ジメチル−1−ヘキセン、1−オクテン、3−メチル−1−ブテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、および1−エイコセンなどが挙げられる。この中でも特にエチレン、プロピレンが好ましい。
構成要件(i)におけるジエンとしては、1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、1,3−ヘキサジエン、1,3−ヘプタジエン、1,3−オクタジエン、1−フェニル−1,3−ブタジエン、1−フェニル−2,4−ペンタジエン、イソプレン、2−エチル−1,3−ブタジエン、2−プロピル−1,3−ブタジエン、2−ブチル−1,3−ブタジエン、2−ペンチル−1,3−ブタジエン、2−ヘキシル−1,3−ブタジエン、2−ヘプチル−1,3−ブタジエン、2−オクチル−1,3−ブタジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエンなどが挙げられる。この中でも特に1,3−ブタジエン、イソプレンが好ましい。
構成要件(ii)を満たすための該官能基の導入方法としては、該官能基を有するモノマーを他のモノマーと共重合させる方法や、ポリマーの変性によって該官能基を有するモノマーを付加する方法、過酸化水素処理によるエポキシ化などでポリマー中の官能基を該官能基に変換する方法等が挙げられる。
該エポキシ基を有するモノマーとしては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等の不飽和カルボン酸のグリシジルエステル、あるいはマレイン酸、フマル酸、等の不飽和ジカルボン酸のモノグリシジルエステル(モノグリシジルエステルの場合のアルキル基の炭素数1〜12)、p−スチレンカルボン酸のアルキルグリシジルエステル、3,4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エポキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポキシ−1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキシド等を挙げることができる。
該水酸基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールモノ(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、等の水酸基含有(メタ)アクリル酸エステルおよび10−ウンデセン−1−オール、1−オクテン−3−オール、2−ブテン1,4−ジオール、グリセリンモノアルコール等を挙げることができる。
該カルボン酸基を有するモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、等の不飽和カルボン酸を挙げることが出来る。
該酸無水物基を有するモノマーとしては、無水マレイン酸、無水イタコン酸、等を挙げることができる。
該アミノ基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸アミノメチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、メタクリル酸シクロヘキシルアミノエチル等のアクリル酸またはメタクリル酸のアルキルエステル系誘導体類、N−ビニルジエチルアミン、N−アセチルビニルアミン等のビニルアミン系誘導体類を挙げることができる。
該アミド基を有するモノマーとしては、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド等のアクリルアミド系誘導体を挙げることができる。
該イミド基を有するモノマーとしては、N−アクリロイルオキシエチル−1,2,3,6−テトラヒドロフタルイミド(東亜合成(株)製,商品名:アロニックスTO−1428)、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド(東亜合成(株)製,商品名:アロニックスTO−1429)、N−アクリロイルオキシエチル−3,4,5,6−テトラヒドロフタルイミド(東亜合成(株)製,商品名:アロニックスTO−1534)等が挙げられる。
該ニトリル基を有するモノマーとしては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、5−ヘキセンニトリル、5−メチル−5−ヘキセンニトリル、メチル−2−シアノアクリレート、エチル−2−シアノアクリレート、ブチル−2−シアノアクリレート、シクロヘキシル−2−シアノアクリレート、2−エチルヘキシル−2−シアノアクリレート、エトキシエチル−2−シアノアクリレート、等が挙げられる。
該チオール基を有するモノマーとしては、例えば2−メルカプトエタノール、エタンジチオール、1,2−プロパンジチオール、1,3−プロパンジチオール、パラハイドロキシチオフエノール、3−メルカプト−1,2−プロパンジチオール、1,4−ブタンジチオール、2−メルカプトエチルエーテル、2−メルカプトエチルスルフイドなどの脂肪族または芳香族のメルカプトアルコール若しくはジチオールなどのチオール基含有化合物と、アクリル酸またはメタクリル酸によるエステル類などが挙げられる。
該イソシアネート基を有するモノマーとしては、例えば2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工(株)製,商品名:カレンズMOI)、2−アクリロイルオキシエチルイソシアネ−ト(昭和電工(株)製,商品名:カレンズAOI)などが挙げられる。
構成要件(iii)を満たすための該官能基を含まないモノマーに由来する構造の導入方法としては、該当するモノマーを他のモノマーと共重合させる方法や、該構造を有するポリマーを添加剤としてブレンドする方法等が挙げられる。これらモノマーは、単独で用いても、複数組み合わせて用いてもよい。
該官能基を含まない芳香族ビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等が挙げられる。また、これらの重合物を水添させた脂環飽和構造であっても構わない。
該官能基を含まないアクリル酸エステルとしては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸オクチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸フルフリル、アクリル酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシブチル、アクリル酸ジメチルアミノメチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル等が挙げられる。
該官能基を含まないメタアクリル酸エステルとしては、例えば、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸オクチル、メタアクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸ステアリル、メタアクリル酸ベンジル、メタアクリル酸テトラヒドロフルフリル等が挙げられる。
該官能基を含まない不飽和二塩基酸のジエステルとしては、例えば、フマール酸ジメチル、フマール酸ジブチル、フマール酸ジオクチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジオクチル等が挙げられる。
該官能基を含まないビニルエステルとしては、例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等が挙げられる。
該官能基を含まないテルペン類としては、例えば、α−ピネン、β−ピネン、リモネン等が挙げられる。
3つの構成要件を全て満たす該極性接着性樹脂(B)としては、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン共重合体などの芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合体の、エポキシ基、水酸基、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、アミド基、イミド基、ニトリル基、チオール基、イソシアネート基を有する化合物による変性体、もしくは、上記アルケンもしくはジエンと、エポキシ基、水酸基、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、アミド基、イミド基、ニトリル基、チオール基、イソシアネート基を有するモノマー、並びに当該官能基を含まないモノマーとの共重合体、もしくは、石油樹脂、テルペン樹脂の何れかまたは両方と、無水マレイン酸変性α−オレフィン重合体とを含む組成物などが挙げられる。その中でも特にエポキシ変性スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の無水マレイン酸変性体、メタクリル酸グリシジル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、無水マレイン酸−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸グリシジル−エチレン−酢酸ビニル共重合体、石油樹脂と無水マレイン酸変性α−オレフィン共重合体とを含む組成物が好適に用いられる。なお前記芳香族ビニル・共役ジエン共重合体の変性体における芳香族ビニル化合物・共役ジエン共重合体はエラストマーであることが好ましい。
該エポキシ変性スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体は、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体を過酸化水素、過酢酸または他の過酸で処理することによりエポキシ化することによって得られる。例えば、「エポフレンドAT501」、「エポフレンドCT310」(ダイセル化学工業(株))などの市販品が好適に利用できる。
該水添スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体の無水マレイン酸変性体における無水マレイン酸のグラフト量としては、該水添ブロック共重合体100重量部に対し、通常約0.1〜5重量部程度、好ましくは0.1〜3重量部程度である。無水マレイン酸のグラフト量が0.1重量部未満の場合、アクリル、PETなどの極性樹脂被着体に対する接着性が低下する傾向があり好ましくなく、5重量部を超える場合には、接着剤層の脆性が増加して凝集剥離を生ずる傾向があるため好ましくない。
該水添スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体の無水マレイン酸変性体の製造方法としては、例えば、特公昭62−79211号公報、特公平3−12087号公報、特公昭63−44784号公報に記載の方法などが挙げられる。具体的には、水添スチレン−ブタジエン-スチレンブロック共重合体、無水マレイン酸およびラジカル開始剤をドライブレンドしたのち、押出機に投入して加熱溶融しながら混錬し、未反応の無水マレイン酸を加熱減圧留去して得る方法などが例示される。該水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の無水マレイン酸変性体としては、例えば「タフテックM1913」、「タフテックM1943」、「タフテックM1953」、「タフテックM1962」(旭化成工業(株)製)、「クレイトン FG1901GT」、「クレイトン FG1924GT」(クレイトンポリマー(株)製)などの市販品が好適に利用できる。
該メタクリル酸グリシジル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体は、例えば、エチレン、アクリル酸メチル、メタクリル酸グリシジルの高圧ラジカル重合によって得られるランダムターポリマーである。例えば、「LOTADER AX8900」(Arkema社製)、「ボンドファスト 7L」、「ボンドファスト 7M」(住友化学社製)などの市販品が好適に利用できる。
該無水マレイン酸−エチレン−アクリル酸エステル共重合体は、例えば、エチレン、アクリル酸メチル、無水マレイン酸の高圧ラジカル重合によって得られるランダムターポリマーである。例えば、「LOTADER 3210」、「LOTADER 4210」、「LOTADER 6200」、「LOTADER 8200」、「LOTADER Bondine HX8290」、「LOTADER TX8030」、「LOTADER 3410」(Arkema社製)などの市販品が好適に利用できる。
該メタクリル酸グリシジル−エチレン−酢酸ビニル共重合体は、例えば、エチレン、酢酸ビニル、メタクリル酸グリシジルの高圧ラジカル重合によって得られるランダムターポリマーである。例えば、「ボンドファスト 2B」、「ボンドファスト 7B」(住友化学社製)などの市販品が好適に利用できる。
極性接着性樹脂(B)は石油樹脂、テルペン樹脂の何れかまたは両方と、無水マレイン酸変性α−オレフィン共重合体とを含んでも良い。石油樹脂、テルペン樹脂の何れかまたは両方の含有量は、通常(B)の合計を100重量部とした場合に、0〜30重量部好ましくは0.5〜20重量部である。これらの樹脂の含有量が0を超える場合、アクリル、PETなどの極性樹脂被着体に対する接着性が十分であり、30重量部以下であれば(接着剤層の脆性が増加することも少なく凝集剥離を生ずることも少ない傾向となるので好ましい。
石油樹脂、テルペン樹脂の何れかまたは両方と、無水マレイン酸変性α−オレフィン重合体とを含む該樹脂は、例えば、溶剤を用いて全ての成分を混和する方法、溶融混錬によって全ての成分を混和する方法等によって得ることができる。これら組成物はポリエチレンなど未変性のα−オレフィン重合体も含有することが出来る。
該石油樹脂は、例えば、「アルコン Pタイプ」、「アルコン Mタイプ」、「アルコン KR−1840」(荒川化学工業社製)、「日石ネオポリマー グレード120」、「日石ネオポリマー グレードE−130」(JX日鉱日石エネルギー社製)、「FTR−6100」、「FTR−7125」(三井化学社製)などの市販品が好適に利用できる。これら石油樹脂は、芳香族ビニルモノマー及びその水添物から選ばれる1つ以上に由来する構成単位を含有している。
該テルペン樹脂は、例えば、「クリアロン P125」、「YSレジン TO125」、「クリアロン M115」、「YSポリスター U130」、「YSポリスター T130」(ヤスハラケミカル社製)などの市販品が好適に利用できる。
該無水マレイン酸変性α−オレフィン共重合体は、無水マレイン酸を公知の方法によってα−オレフィン共重合体にグラフトさせることによって得られる。α−オレフィン共重合体としては、例えばエチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン、1−テトラデセン、1−オクタデセンなどの炭素数2〜20のα−オレフィンを共重合体することによって得られる。その中でも特にエチレン−ブテン共重合体が好適に利用される。グラフト変性方法としては、例えば、α−オレフィン重合体を有機溶媒に溶解し、無水マレイン酸およびラジカル重合開始剤を添加して加熱、攪拌してグラフト共重合反応させる方法、α−オレフィン重合体を加熱溶融して、得られる溶融物に無水マレイン酸およびラジカル重合開始剤を添加し、攪拌してグラフト共重合させる方法、α−オレフィン重合体、無水マレイン酸およびラジカル重合開始剤を予め混合し、得られる混合物を押出機に供給して加熱混練しながらグラフト共重合反応させる方法、α−オレフィン重合体に、無水マレイン酸およびラジカル重合開始剤を有機溶媒に溶解してなる溶液を含浸させた後、α−オレフィン重合体が溶解しない最高の温度まで加熱し、グラフト共重合反応させる方法などを挙げることができる。
本発明の積層体は、ポリオレフィン系樹脂基材に対しても、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂のような極性の高い樹脂基材に対しても良好な接着性を発現すため、それら両基材が接着した構造体(図1)を含む成形体として利用することが出来る。
該極性の高い樹脂基材としては、ポリビニルアルコール樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリアミド−6、ポリアミド−6,6およびポリアミド−6,10等のポリアミド樹脂;ポリスチレン樹脂;アクリル酸、メタアクリル酸エステル、メタアクリルアミド、メタアクリロニトリルなどのビニル系化合物を単量体とするアクリル樹脂;塩化ビニル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ABS樹脂;ウレタン樹脂;メラミン樹脂;ポリフェニレンエーテル樹脂およびこれらの複合材料などが挙げられる。
該極性の高い樹脂基材の形状としては特に限定されないが、例えば、塗料、フィルムおよびシートなどの形状が挙げられる。塗料としては、通常、アクリル系樹脂、メラミン系樹脂およびウレタン系樹脂などの極性基含有樹脂が使用され、とりわけ、ウレタン系樹脂が好適である。塗料としては、2種類以上の極性基含有樹脂を混合して使用しても良く、さらに、同種類又は異なる種類の塗料を複数回塗装してもよい。フィルムおよびシートとしては、通常、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂などが好適に使用される。
該極性の高い樹脂基材には、透明性と成形性が阻害されない範囲で慣用の添加剤を添加してもよく、例えば、可塑剤、耐候性添加剤(紫外線吸収剤、光安定剤等)、酸化防止剤、オゾン化防止剤、活性剤、帯電防止剤、滑剤、耐摩擦剤、ブロッキング防止剤、防カビ剤、抗菌剤、分散剤、難燃剤及び加流促進剤や加流促進助剤等の添加剤を添加してもよい。
これら添加剤は単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。
また、該極性の高い樹脂基材は、射出成型、圧縮成型、中空成型、押出成型、回転成型等の公知の成型法のいずれの方法によって成型されたものであってもよい。
本発明の積層体の形成方法としては、ポリオレフィン接着性樹脂(A)を溶剤に溶かしたワニスをポリオレフィン樹脂基材に塗膜後、更にその上に極性接着性樹脂(B)を溶剤に溶かしたワニスを塗膜させ、塗膜後、極性の高い樹脂基材を熱プレス等でドライラミネートする方法。(B)を溶剤に溶かしたワニスを極性の高い樹脂基材に塗膜後、更にその上に(A)を溶剤に溶かしたワニスを塗膜させ、塗膜後、ポリオレフィン樹脂基材を熱プレス等でドライラミネートする方法。(A)を溶剤に溶かしたワニス、および(B)を溶剤に溶かしたワニスを同時にポリオレフィン樹脂基材もしくは極性の高い基材に一度に塗膜後、他方の基材を熱プレス等でドライラミネートする方法。予め(A)を有する層および(B)を有する層が連続した積層体を共押出法や塗工法によって作成した後に、ポリオレフィン樹脂基材と極性の高い樹脂基材との間に挟んで熱プレス等でドライラミネートする方法、予め(A)を有する層および(B)を有する層が連続した積層体を共押出法や塗工法によって作成した後に、ポリオレフィン樹脂基材もしくは極性の高い樹脂基材と熱プレス等でドライラミネートし、後ほど、更に他方の基材と熱プレス等でドライラミネートする方法などが挙げられる。
本発明の積層体はプライマーや、ホットメルト接着フィルムとして用いるのに好適である。
前記(A)を含むワニスと、前記(B)を含むワニスとを組み合わせることで、2液型プライマーとして用いることも可能である。そして乾燥後は(A)を有する層および(B)を有する層が連続した積層体を含む塗膜を形成する。主としてプラスチック成型品の表面処理剤として用いられる。
ポリオレフィン樹脂基材からなる成型品の表面に、本発明のプライマー組成物を塗布し、乾燥させた後、そのプライマー組成物の塗膜表面に塗料を塗布すると、成型品と塗料との密着性を向上させることができる。また、上記プライマー組成物の塗膜表面に接着剤を塗布すると、成型品と接着剤との密着性を向上させることができる。
該溶媒としては、特に限定されないが、たとえば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、プロパンジオール、フェノール等のアルコール、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、ヘキサノン、イソホロン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のセルソルブ類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、ギ酸ブチル等のエステル類、トリクロルエチレン、ジクロルエチレン、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。通常、トルエン、キシレンなどの香族炭化水素が使用される。また、水などに分散せしめたものを使用してもよい。
また、必要に応じて、酸化チタン(ルチル型)、酸化亜鉛などの遷移金属化合物、カーボンブラック等の顔料、揺変剤、増粘剤、ロジン樹脂・テルペン樹脂などの粘着付与剤、消泡剤、表面調整剤、沈降防止剤、酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、帯電防止剤、染料などの塗料用添加剤を添加しても良い。
本発明のプライマー組成物をポリオレフィン樹脂基材からなる成型品の表面に塗布する方法としては、特に制限はなく、常温にて、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ディッピング、スプレー等の公知の方法で行なうことができる。
ポリオレフィン樹脂基材からなる成型品の表面に塗布された該プライマー組成物は、自然乾燥あるいは加熱強制乾燥等、適宜の方法によって乾燥させることで、成形品の表面に硬化した塗膜を形成することができる。
本発明の積層体を有する硬化塗膜は、ポリオレフィン接着性樹脂(A)を有するプライマー組成物をポリオレフィン樹脂基材の表面に塗膜後、更にその上に極性接着性樹脂(B)を有するプライマー組成物を塗膜させる方法、もしくは、(A)を有するプライマー組成物と(B)を有するプライマー組成物をポリオレフィン樹脂基材の表面に一度に塗膜させる方法などによって得られる。
該プライマー組成物が表面に塗膜されたポリオレフィン樹脂基材からなる成型品には、バーコーター、ロールコーター、ダイコーター、ディッピング、スプレー、刷毛塗り等の方法で、塗料、接着剤を塗布することができる。
該塗料としては、溶剤型熱可塑性アクリル樹脂塗料、溶剤型熱硬化性アクリル樹脂塗料、アクリル変性アルキド樹脂塗料、エポキシ樹脂塗料、ポリウレタン樹脂塗料、メラミン樹脂塗料等を用いることができる。
該接着剤としては、ユリア樹脂系接着剤、メラミン樹脂系接着剤、アクリル樹脂系接着剤、エポキシ樹脂系接着剤、ウレタン樹脂系接着剤、フェノール樹脂系接着剤、酢酸ビニル系溶剤型接着剤、合成ゴム系溶剤型接着剤、クロロプレン系溶剤型接着剤、天然ゴム系溶剤型接着剤、および酢酸ビニル樹脂系エマルション型接着剤、酢酸ビニル共重合樹脂系エマルション型接着剤、EVA系エマルション型接着剤、アクリル樹脂系エマルション型接着剤、ウレタン樹脂系エマルション型接着剤、エポキシ樹脂系エマルション型接着剤などを用いることができる。
本発明のホットメルト接着フィルムは、ポリオレフィン接着性樹脂(A)を有する層および極性接着性樹脂(B)を執する層が連続した積層体を含む。
ホットメルト接着フィルムの厚さとしては、通常、約1〜400μm程度、好ましくは5〜150μm程度であり、接着剤層の厚さが1μmに達しない場合には、接着力が低下して界面剥離を生ずる傾向があり、400μmよりも厚い場合にも凝集剥離を生ずる傾向があり、好ましくない。
本発明におけるホットメルト接着フィルムは、特異的に選別されたポリオレフィン接着性樹脂(A)、極性接着性樹脂(B)の相乗効果によって、タック性が小さく、且つポリオレフィン樹脂基材、極性の高い樹脂基材の両者に対して良好な接着性を発現することが出来る。
すなわち、ポリオレフィン樹脂基材に対する接着性が良好、且つタック性の小さい(A)と、極性の高い樹脂基材に対する接着性が良好、且つ該(A)に対しても接着性が良好な(B)より構成される該ホットメルト接着フィルムは、ポリオレフィン樹脂基材と、極性の高い樹脂基材への接着性を両立しながら、タック性が低く取り扱い易いという利点を有する。
該ホットメルト接着フィルムを介してポリオレフィン樹脂基材と極性の高い樹脂基材とを接着させる方法としては、ヒートシーラー、プレス機などを使用して、通常、80〜200℃程度に熱圧着する方法などが挙げられる。得られた構造体はさらに、圧搾、圧締、加熱などを実施しても良い。
該ホットメルト接着フィルムは、例えば、樹脂組成物を溶媒に溶解又は分散させて得られる接着剤ワニスを印刷・塗工する方法、もしくは、樹脂組成物を熱プレス、押出成形、カレンダー成形、インフレーション成形などによってシート又はフィルム状に成形する方法によって得られる。
共押出フィルム成形による該ホットメルト接着フィルムの製造方法は、各層を構成するポリオレフィン接着性樹脂(A)、もしくは極性接着性樹脂(B)の樹脂組成物をTダイキャスト押出成形、インフレーション成形、カレンダー成形等の方法で、たとえば130〜230℃で積層することによって製造される。
印刷・塗工によるホットメルト接着フィルムの製造方法は、離型PETなどの離型フィルム上にポリオレフィン接着性樹脂(A)、もしくは極性接着性樹脂(B)を溶媒に溶解させたワニスを塗布・加熱乾燥することによって行うことが出来る。
印刷法としては、例えば、グラビア印刷法、スクリーン印刷法及びオフセット印刷法が挙げられる。
コート法としては、例えば、フローコート法、スプレーコート法、バーコート法、グラビアコート法、グラビアリバースコート法、キスリバースコート法、マイクログラビアコート法、ロールコート法、ブレードコート法、ロッドコート法、ロールドクターコート法、エアナイフコート法、コンマロールコート法、リバースロールコート法、トランスファーロールコート法、キスロールコート法、カーテンコート法及びディッピングコート法が挙げられる。
本発明の積層体を有するホットメルト接着フィルムは、ポリオレフィン接着性樹脂(A)を溶媒に溶かしたワニスを離型PETなどの離型フィルム上に塗膜後、更にその上に極性接着性樹脂(B)を溶媒に溶かしたワニスを塗膜させる方法、極性接着性樹脂(B)を溶媒に溶かしたワニスを離型PETなどの離型フィルム上に塗膜後、更にその上にポリオレフィン接着性樹脂(A)を溶媒に溶かしたワニスを塗膜させる方法、ポリオレフィン接着性樹脂(A)を溶媒に溶かしたワニス、および極性接着性樹脂(B)を溶媒に溶かしたワニスを同時に離型PETなどの離型フィルム上に一度に塗膜させる方法などが挙げられる。
該ワニスの溶媒としては、特に限定はされないが、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、プロパンジオール、フェノール等のアルコール、アセトン、メチルイソブチルケトン、メチルエチルケトン、ペンタノン、ヘキサノン、イソホロン、アセトフェノン等のケトン系溶媒、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ等のセルソルブ類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、ギ酸ブチル等のエステル類、トリクロルエチレン、ジクロルエチレン、クロルベンゼン等のハロゲン化炭化水素等を挙げることができる。通常、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素が使用される。また、水などに分散せしめたものを使用してもよい。
接着剤ワニスに含まれる樹脂固形分の含有量は、通常、5〜40重量%程度、好ましくは10〜30重量%の割合である。本発明における接着ワニスには、必要に応じて、酸化チタン(ルチル型)、酸化亜鉛などの遷移金属化合物、カーボンブラック等の顔料、揺変剤、増粘剤、ロジン樹脂・テルペン樹脂などの粘着付与剤、消泡剤、表面調整剤、沈降防止剤、酸化防止剤、耐候剤、熱安定剤、光安定剤、紫外線吸収剤、顔料分散剤、帯電防止剤、染料などの塗料用添加剤を添加しても良い。
本発明のホットメルト接着フィルムは、加飾フィルムの接着層として好適に使用することが出来る。
本発明で用いる加飾フィルムは本発明の積層体を有すること以外に特に制限は無く、公知の意匠性を有するフィルムと組み合わせて用いる事ができる。例えば、予め印刷・塗装・蒸着等で加飾されたフィルム、もしくはこれらの組み合わせによって加飾されたフィルムと、本発明の積層体、好ましくはホットメルト接着フィルムを積層させて用いることが出来る。
また、該意匠層を有するフィルムの材質としては、アクリルフィルム、PETフィルム、ポリカーボネートフィルム、COCフィルム、塩化ビニルフィルム等の熱可塑性フィルムが挙げられる。本発明の積層体を有する加飾フィルムとしては、例えば接着性樹脂(A)層/接着性樹脂(B)層、中間層、UV硬化層、フィルム層がこの順に積層された構造を例示することができるが、各層の間に更に他の層が含まれていても良く、また中間層、UV硬化層、フィルム層としては、それそれ例えば特開2011−56892号公報記載の中間層、UV硬化層、フィルム層を例示できるが、これに限定されるものではない。
該加飾フィルムの製造方法としては、加飾フィルムに本発明の積層体が接着層として具備されていればよく、特に制限は無い。具体的には、意匠層を有する加飾フィルムの被着体と相対峙する面に、該積層体、好ましくはホットメルト接着フィルムをドライラミネートする方法、該積層体、好ましくはホットメルト接着フィルムに印刷等で直接意匠層を設ける方法等が挙げられる。
本発明のホットメルト接着フィルムを有する加飾フィルムを三次元形状に成形する方法としては、例えば、真空成形法、圧空真空成形法等の既存の真空成形方法、インサート成形法及びインモールド成形法等を利用することが出来る。また、特許第3733564(特許文献7)に記載の「真空成型装置」によるTOM工法を利用することも出来る。
該加飾フィルムの被着体として使用する樹脂は特に限定されず、例えば、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル樹脂、ポリメチルメタクリレートやポリエチルメタクリレートなどのアクリル樹系脂、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂、アクリロニトリル−アクリルゴム−スチレン樹脂、アクリロニトリル−エチレンゴム−スチレン樹脂、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン樹脂、スチレン−ブタジエン−スチレン樹脂などのスチレン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリアクリルニトリル、ナイロンなどのポリアミド樹脂、エチレン−酢酸ビニル樹脂、エチレン−アクリル酸樹脂、エチレン−エチルアクリレート樹脂、エチレン−ビニルアルコール樹脂、ポリ塩化ビニルやポリ塩化ビニリデンなどの塩素樹脂、ポリフッ化ビニルやポリフッ化ビニリデンなどのフッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、メチルペンテン樹脂、セルロース樹脂等、ならびにオレフィン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマー、スチレン系エラストマー、ウレタン系エラストマー、ポリエステル系エラストマー、ポリアミド系エラストマー等の熱可塑性エラストマーなどを用いることができる。また、前記例示の樹脂を用いる場合、2種類以上を混合若しくは多層化して用いても良い。さらに、無機フィラー等の補強剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、帯電防止剤、難燃剤、滑剤等の常用の添加剤を添加してもよく、これらの添加剤は単独で使用しても2種類以上を併用してもよい。またED鋼板、SUS、Al合金、Mg合金などの各種金属材料等を用いることができる。
これらの中でも、被着体としては、安価、汎用的、適用用途の多さの点でポリプロピレン樹脂が好ましい。
該加飾成形体は、例えば、インストルメントパネル、コンソールボックス、メーターカバー、ドアロックペゼル、ステアリングホイール、パワーウィンドウスイッチベース、センタークラスター、ダッシュボード等の自動車内装用部材;ウェザーストリップ、バンパー、バンパーガード、サイドマッドガード、ボディーパネル、スポイラー、フロントグリル、ストラットマウント、ホイールキャップ、センターピラー、ドアミラー、センターオーナメント、サイドモール、ドアモール、ウインドモール、窓、ヘッドランプカバー、テールランプカバー、風防部品等の自動車外装用部材;AV機器等の各種フロントパネル;ボタン、エンブレム等の表面化粧材;携帯電話等のハウジング、表示窓、ボタン等の各種部品;家具用外装材;壁面、天井、床等の建築用内装材;サイディング等の外壁、塀、屋根、門扉、破風板等の建築用外装材;窓枠、扉、手すり、敷居、鴨居等の家具類の表面化粧材;各種ディスプレイ、レンズ、ミラー、ゴーグル、窓ガラス等の光学部材;電車、航空機、船舶等の自動車以外の各種乗り物の内外装用部材;及び瓶、化粧品容器、小物入れ等の各種包装容器、包装材料、景品、小物等の雑貨等のその他各種用途に好適に使用することができる。
[製造例1:プロピレン/1-ブテン共重合体の合成]
充分に窒素置換した2Lのオートクレーブに、ヘキサンを900ml、1−ブテンを90g仕込み、トリイソブチルアルミニウムを1mmol加え、70℃に昇温した後、プロピレンを供給して全圧0.7MPaGにし、メチルアルミノキサン0. 30mmol、rac−ジメチルシリレン−ビス{1−(2−メチル-4−フェニルインデニル)}ジルコニウムジクロライドをZr原子に換算して0. 001mmol加え、プロピレンを連続的に供給して全圧を0.7MPaGに保ちながら30分間重合を行った。重合後、脱気して大量のメタノール中でポリマーを回収し、110℃で12時間減圧乾燥した。得られたプロピレン/1-ブテン共重合体(樹脂A−1)の融点は78.3℃、融解熱量は29.2J/g、Mwは330,000、プロピレン含有量は67.2mol%であった。
[製造例2:無水マレイン酸変性プロピレン/1-ブテン共重合体の合成]
上記プロピレン/1-ブテン共重合体3kgを10Lのトルエンに加え、窒素雰囲気下で145℃に昇温し、該共重合体をトルエンに溶解させた。さらに、攪拌下で無水マレイン酸382g、ジ−tert−ブチルパーオキシド175gを4時間かけて系に供給し、続けて145℃で2時間攪拌を行った。冷却後、多量のアセトンを投入し変性された共重合体を沈殿させ、ろ過し、アセトンで洗浄した後、真空乾燥した。得られた無水マレイン酸変性プロピレン/1−ブテン共重合体(樹脂A−2)の融点は75.8℃、融解熱量は28.6J/g、Mwは110,000、無水マレイン酸のグラフト量は変性共重合体100重量部に対し、1重量部であった。
(石油樹脂と無水マレイン酸変性エチレン/1−ブテン共重合体を含む組成物の調製)
エチレン/1−ブテン共重合体(三井化学社製、タフマーA20090)3kgを10Lのトルエンに加え、窒素雰囲気下で145℃に昇温し、該共重合体をトルエンに溶解させた。さらに、攪拌下で無水マレイン酸382g、ジ−tert−ブチルパーオキシド175gを4時間かけて系に供給し、続けて145℃で2時間攪拌を行った。冷却後、多量のアセトンを投入し変性された共重合体を沈殿させ、ろ過し、アセトンで洗浄した後、真空乾燥することで、無水マレイン酸変性エチレン/1−ブテン共重合体を得た。
続いて、上記無水マレイン酸変性エチレン/1−ブテン共重合体35部、エチレン/1−ブテン共重合体(三井化学社製、タフマーA20090)40部、石油樹脂(三井化学社製、FTR−7080、スチレン系モノマー/α−メチルスチレン/脂肪族系モノマー 共重合系)10部、ポリエチレン(三井化学社製、ネオゼックス2540R)15部を二軸押出機にて溶融混錬し、樹脂組成物(B−4)を得た。
[実施例1]
樹脂(A−1)をトルエンに溶解させ、不揮発分20%の接着剤ワニス(a−1)を得た。同様に樹脂(B−1)としてエポキシ変性SBS(ダイセル化学工業社製、エポフレンドAT501)をトルエンに溶解させ、不揮発分20%の接着剤ワニス(b−1)を得た。
膜厚38μの離型PETフィルム(東セロ社製、SP−PETO1−38−BU)上に接着剤ワニス(a−1)をダイコーターで塗工し、搬送速度0.6m/minで60℃〜95℃の乾燥炉を通過させ、樹脂(A−1)層付き離型PETフィルム(膜厚75μm、幅600mm)を得た。
更に該接着層付き離型PETフィルム上に、乾燥後の膜厚が25μmとなるように接着剤ワニス(b−1)を同様に塗工、乾燥し、総膜厚が100μm、樹脂(A−1)/樹脂(B−1)層比が3/1である2層の接着層を有する離型PETフィルムを得た。
[実施例2]
3種3層共押出装置 (サーモ・プラスティックス工業社製)を用いて、下記条件にて総膜厚が100μm、樹脂(A−1):プロピレン/1−ブテン共重合体/樹脂(B−2):無水マレイン酸変性SEBS(クレイトンポリマー社製、クレイトン FG1924GT)層比が4/1の2層フィルムを作製した。
各樹脂の押出機仕様及び押出温度:
無水マレイン酸変性SEBS「クレイトン FG1924GT」;
20mmφ押出機 (L/D = 26 )
C1/C2/C3/J = 200/200/200/200℃
プロピレン/1-ブテン共重合体;
25mmφ押出機 (L/D= 26 )
C1/C2/C3/C4/J = 200/200/200/200/200℃
ダイス温度: 200℃、冷却ロールの温度:30℃、引き取り速度:1m/分
ここで、「J」とは、ジョイント部をいう。
[実施例3]
樹脂(A−1)の代わりに樹脂(A−2)、樹脂(B−1)の代わりに樹脂(B−3)としてメタクリル酸グリシジル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体(Arkema社製、LOTADER AX8900」を用いた以外は実施例1同様に行い、総膜厚が100μm、樹脂(A−2)/樹脂(B−3)層比が3/1である2層の接着層を有する離型PETフィルムを得た。
[実施例4]
樹脂(A−1)の代わりに樹脂(A−2)を用いた以外は実施例1同様に行い、総膜厚が100μm、樹脂(A−2)/樹脂(B−1)層比が3/1である2層の接着層を有する離型PETフィルムを得た。
[実施例5]
樹脂(B−2)の代わりに樹脂組成物(B−4)を用いた以外は実施例2同様に行い、総膜厚が100μm、樹脂(A−1)/樹脂(B−4)層比が4/1である2層フィルムを得た。
[比較例1]
実施例2において、樹脂(B−1)を除き、樹脂(A−1)のみで同様にフィルム成形を行い、膜厚が100μmの樹脂(A−1)フィルムを得た。
[比較例2]
樹脂(C−1)酸変性塩素化PP(東洋紡社製、ハードレン F−2P)をトルエンに溶解させ、不揮発分20%の接着剤ワニスを得た。
膜厚38μの離型PETフィルム上に接着剤ワニスをダイコーターで塗工し、搬送速度0.6m/minで60℃〜95℃の乾燥炉を通過させ、樹脂(C−1)層付き離型PETフィルム(膜厚100μm、幅600mm)を得た。
[比較例3]
樹脂(C−1)を樹脂(B−1)に代えた以外は比較例2と同様に行い、樹脂(B-1)層付き離型PETフィルム(膜厚100μm、幅600mm)を得た。
[比較例4]
樹脂(C−1)を樹脂(B−2)に代えた以外は比較例2と同様に行い、樹脂(B-2)層付き離型PETフィルム(膜厚100μm、幅600mm)を得た。
[比較例5]
樹脂(C−1)を樹脂(B−3)に代えた以外は比較例2と同様に行い、樹脂(B-3)層付き離型PETフィルム(膜厚100μm、幅600mm)を得た。
[比較例6]
樹脂(B−2)の代わりに樹脂(B−5)としてSEBS(旭化成工業社製、タフテックH1052)を用いた以外は実施例2同様に行い、総膜厚が100μm、樹脂(A−1)/樹脂(B−5)層比が4/1である2層フィルムを得た。
[比較例7]
樹脂(B−2)の代わりに樹脂(B−6)としてエチレン・メタアクリル酸共重合体樹脂(三井・デュポンポリケミカル社製、ニュクレル AN4213C)を用いた以外は実施例2同様に行い、総膜厚が100μm、樹脂(A−1)/樹脂(B−6)層比が4/1である2層フィルムを得た。
[比較例8]
樹脂(B−2)の代わりに樹脂(B−7)としてエチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂(三井・デュポンポリケミカル社製、エバフレックス EV460)を用いた以外は実施例2同様に行い、総膜厚が100μm、樹脂(A−1)/樹脂(B−7)層比が4/1である2層フィルムを得た。
[比較例9]
樹脂(B−1)の代わりに樹脂(B−8)としてメタクリル酸グリシジル−エチレン共重合体(Arkema社製、LOTADER AX8840」を用いた以外は実施例1同様に行い、総膜厚が100μm、樹脂(A−1)/樹脂(B−8)層比が3/1である2層の接着層を有する離型PETフィルムを得た。
(フィルムタック性の評価)
作成した各種接着フィルムを3cm角に切断し、一晩静置した後、離型PETフィルムを使用したものについてはそれを剥がし、人差し指で触った感触よりフィルム構成の一層目のタック性を次の3段階で評価した。
○ :フィルムは不動で、指先に粘着感は一切感じられない
△ :フィルムは不動だが、指先に粘着感が感じられる
× :フィルムが指に付き机上から持ち上がる
(アクリルフィルムもしくはPETフィルムとのヒートシール接着性の評価)
作成した各種接着フィルムと三菱レイヨン社製アクリルフィルム(アクリプレンHBS010 膜厚100μm)を2cm×11cmのサイズに切断した。離型フィルムを使用した接着フィルムはそれを剥がし、離型フィルム側にあった接着フィルム1層目をポリプロピレン成形体(2mm×250mm×100mm)に、2層目をアクリルフィルムと接しさせ、ヒートシーラー(テスター産業社製 TP−701−B)を用いて、140℃、0.3MPaで20秒間圧着させた。その際、フィルム短辺側の粘着フィルムとアクリルフィルム間に紙を挿入し、剥離端として非接着領域を作成した。
試験片は一晩静置した後、幅1cmの短冊状にカッターで切り目を入れ、オートグラフ(島津製作所社製 AGS−500B)を用いて、剥離端より180°、200mm/minの条件でアクリルフィルムを剥離し、剥離強度を測定した。測定結果より次の基準で評価した。
◎ :10 N/cm以上,
○ :8 N/cm以上 10 N/cm未満
△ :3 N/cm以上 8 N/cm未満
× :3 N/cm未満
同様にアクリルフィルムを帝人社製PETフィルム(テフレックス 膜厚50μm)に、ヒートシーラー温度を100℃に変えてPETフィルムの剥離強度試験を行った。
[実施例6]
実施例5で調製した樹脂(A−1)/樹脂(B−4)層比が4/1である2層フィルムを2cm×11cmのサイズに切断した。樹脂(B−4)側と硬質塩化ビニル樹脂成形体(2mm×25mm×100mm)を接しさせ、ヒートシーラー(テスター産業社製、TP−701−B)を用いて、100℃、0.3MPaで20秒間圧着させた。その際、フィルム短辺側の粘着フィルムと硬質塩化ビニル樹脂成形体との間に紙を挿入し、剥離端として非接着領域を作成した。
試験片を一晩静置した後、幅1cmの短冊状にカッターで切り目を入れ、オートグラフ(島津製作所社製、AGS−500B)を用いて、剥離端より180°、200mm/minの条件で2層フィルムを剥離し、剥離強度を測定した。測定結果は上記と同様の基準で評価した。
[実施例7]
実施例6において硬質塩化ビニル樹脂成形体をポリカーボネート樹脂成形体に変更した以外は同様に試験を行い、剥離強度を測定した。
[実施例8]
実施例6において硬質塩化ビニル樹脂成形体をABS樹脂成形体に変更した以外は同様に試験を行い、剥離強度を測定した。
[実施例9]
実施例5で調製した樹脂(A−1)/樹脂(B−4)層比が4/1である2層フィルムを2cm×11cmのサイズに切断した。樹脂(A−1)側とポリプロピレン成形体(2mm×250mm×100mm)を接しさせ、ヒートシーラー(テスター産業社製、TP−701−B)を用いて、140℃、0.3MPaで20秒間圧着させた。
次に樹脂(B−4)側に、主剤(日本ビーケミカル社製、R−278)/硬化剤(日本ビーケミカル社製、R−271)=4/1で予め混合させておいた2液ウレタン塗料をバーコーターを用いて塗工し、100℃で30分間乾燥させることで、膜厚50μmのウレタン塗料層を形成させた。その際、フィルム短辺側に紙テープを張り、フィルムとウレタン塗料層との間に剥離端として非接着領域を作成した。
試験片は一晩静置した後、幅1cmの短冊状にカッターで切り目を入れ、オートグラフ(島津製作所社製、AGS−500B)を用いて、剥離端より180°、200mm/minの条件でウレタン塗料層を剥離し、剥離強度を測定した。測定結果は上記と同様の基準で評価した。
[実施例10]
実施例9において、樹脂(A−1)/樹脂(B−4)層比が4/1である2層フィルムを実施例4で調製した樹脂(A−2)/樹脂(B−1)層比が3/1である2層フィルムに変更した以外は同様に試験を行い、剥離強度を測定した。樹脂(A−2)側とポリプロピレン成形体を接する際には、離型PETフィルムを剥がした後に行った。
[実施例11]
実施例4で調製した樹脂(A−2)/樹脂(B−1)層比が3/1である2層フィルムと三菱レイヨン社製アクリルフィルム(アクリプレンHBS010 膜厚100μm)を2cm×11cmのサイズに切断した。接着フィルムより離型フィルムを剥がし、離型フィルム側をED鋼板(江口巌商店社製、GT10)に、反対面をアクリルフィルムと接しさせ、ヒートシーラー(テスター産業社製 、P−701−B)を用いて、140℃、0.3MPaで20秒間圧着させた。その際、フィルム短辺側の粘着フィルムとアクリルフィルム間に紙を挿入し、剥離端として非接着領域を作成した。
試験片は一晩静置した後、幅1cmの短冊状にカッターで切り目を入れ、オートグラフ(島津製作所社製、AGS−500B)を用いて、剥離端より180°、200mm/minの条件でアクリルフィルムを剥離し、剥離強度を測定した。測定結果は上記と同様の基準で評価した。
[実施例12]
実施例11においてED鋼板をMg合金(大阪富士工業社製、AZ31B)に変更した以外は同様に試験を行い、剥離強度を測定した。測定結果は上記と同様の基準で評価した。
[実施例13]
(UV硬化層用樹脂の合成)
メチルメタクリレート(MMA)85g、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)14g、メタクリル酸(MAA)1g、アゾビスイソブチロニトリル1gの混合溶液を、トルエン85g、n−ブタノール37gを仕込んだ反応容器に、空気気流下100℃で4時間かけて滴下した。さらに100℃を維持し、重合を完結させるためにアゾビスイソブチロニトリル0.2gを1時間ごとに2回添加した。滴下終了から3時間後に冷却し、不揮発分45%、重量平均分子量25000の重合体溶液を得た。
さらに、この重合体溶液111g(固形分50g)にペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)50g、光開始剤(チバスペシャリティ社製、イルガキュア184)3gを混合し、UV硬化層用樹脂の溶液を得た。
(積層フィルムの作成)
実施例4で調製した樹脂(A−2)/樹脂(B−1)層比が3/1である2層フィルムの樹脂(B−1)側に、アルマテックスL1053(三井化学株式会社品、アクリル樹脂)を塗工し、60℃で20分乾燥した。得られた中間層の膜厚30μであった。さらに、この上に上記のUV硬化層用樹脂を塗工し、60℃で10分乾燥した。得られたUV硬化層の膜厚は30μであった。最後に、この上にPETフィルム(三菱化学社製、ノバクリアーSG007)を、ゴムロールでラミネートし、積層フィルムを作成した。
(加飾成形試験)
上下ボックスからなる両面真空成形装置(商品名NGF−0404、布施真空社製)内に装備された上下昇降テーブル上に、ポリプロピレン(株式会社テストピース社製; 25mm×100mm×2mm)を載置した。その後、上記にて得た積層フィルムの離型PETフィルムを剥離し、上記両面真空成形装置の成型基材(成型品)の上部にあるシートクランプ枠に、離型PETフィルムを剥離した積層フィルム(以下、積層フィルムと記載)をセットした。続いて、上下ボックス内の真空度が99.0kPaになるように減圧し、近赤外線ヒータを用いて積層フィルムの温度が90℃になるまで加熱し、成型基材を上昇させて、成型基材と積層フィルムとを圧着させ、5秒間保持した。その後、上ボックスのみを大気圧に開放し、積層フィルムで加飾された加飾成形体を得た。
さらに、上記加飾成形体のPETフィルム側から、100W/cmの高圧水銀灯を3灯有する紫外線照射装置で、照射距離10cm、ライン速度10m/minで紫外線を照射してUV硬化層を硬化させ、UV(紫外線)硬化成形体を得た。
得られたUV(紫外線)硬化成形体は一晩静置した後、幅1cmの短冊状にカッターで切り目を入れ、オートグラフ(島津製作所社製、AGS−500B)を用いて、180°、200mm/minの条件で積層フィルムを剥離し、剥離強度を測定した。測定結果より次の基準で評価した。結果を表4に示す。
◎ :10 N/cm以上,
○ :8 N/cm以上 10 N/cm未満
△ :3 N/cm以上 8 N/cm未満
× :3 N/cm未満
また、被着体として、上記ポリプロピレンに代えて、SUS304、アルミ合金A5052(全て株式会社テストピース社製;25mm×100mm×2mm)を用いた場合についてもそれぞれ同様に試験を行い、各被着体に対する密着性を評価した。結果を表4に示す。
使用した樹脂の一覧を表1に示す。
表2に実施例1〜5、比較例1〜10の評価結果を示す。
表3に実施例6〜12の評価結果を示す。
実施例1〜5はタック性が低く、かつ、アクリル、PET、ポリプロピレンへの接着性が良好であることがわかる。 比較例1はポリオレフィン樹脂(A)のみであり、アクリル、PETとの接着性が不十分な例である。 比較例2はアクリル、PET、ポリプロピレンへの接着性は十分であるが、タック性が不十分な例である。 比較例3,4,5は極性樹脂(B)のみであり、ポリプロピレンとの接着性が不十分な例である。 比較例6,8は2層構造ではあるが、要件(ii)を満たさないためにアクリル、PETとの接着性が不十分な例である。 比較例7,9は2層構造ではあるが、要件(iii)を満たさないためにポリオレフィン樹脂(A)と極性樹脂(B)との接着性が不十分な例である。

Claims (11)

  1. 下記ポリオレフィン接着性樹脂(A)を有する層および下記極性接着性樹脂(B)を有する層が連続した積層体。
    (A)は、プロピレンを50〜95モル%、1−ブテンを5〜50モル%含有し、融点が50〜120℃のプロピレン/1-ブテン共重合体およびその誘導体であり、
    (B)は、次の3つの要件を全て満たす樹脂,
    (i)アルケン、ジエンの一方、もしくは両方に由来する構造を含み、
    (ii) エポキシ基、水酸基、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、イミド基、アミド基、ニトリル基、チオール基、イソシアネート基より選ばれる少なくとも1種の官能基を有し、
    (iii) 上記(ii)記述の官能基を含まないモノマーであって、芳香族ビニルモノマーお よびその水添物、アクリル酸エステル、メタアクリル酸エステル、不飽和二塩基酸のジエステル、ビニルエステル、テルペン類より選択されるモノマーに由来する構造を少なくとも1つ有する。
  2. 上記ポリオレフィン接着性樹脂(A)が、無水マレイン酸を0.1〜15重量%グラフトした無水マレイン酸変性プロピレン/1-ブテン共重合体である請求項1に記載の積層体。
  3. 上記極性接着性樹脂(B)が芳香族ビニル化合物又は共役ジエン共重合体の、エポキシ基、水酸基、カルボン酸基、酸無水物基、アミノ基、イミド基、ニトリル基、チオール基、イソシアネート基の何れかを有する化合物による変性体、もしくは、メタクリル酸グリシジル−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、無水マレイン酸−エチレン−アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸グリシジル−エチレン−酢酸ビニル共重合体の何れかである請求項1又は2に記載の積層体。
  4. 上記スチレン系エラストマーの変性体がエポキシ変性スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、又は水添スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体の無水マレイン酸変性体である請求項3に記載の積層体。
  5. 上記極性接着性樹脂(B)が石油樹脂及び/又はテルペン樹脂と、無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体とを含む樹脂である請求項1又は2に記載の積層体。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の積層体を介して、ポリビニルアルコール樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、ウレタン樹脂、メラミン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂およびこれらの複合材料より選別される極性樹脂材料とポリオレフィン樹脂材料とが接着された構造体を含む成形体。
  7. 請求項1〜5の何れかに記載の積層体を有するプライマー。
  8. 請求項1〜5の何れかに記載の積層体を有するホットメルト接着フィルム。
  9. 請求項1〜5の何れかに記載の積層体を少なくとも有する加飾フィルム。
  10. 請求項9に記載の加飾フィルムによって加飾された成形体。
  11. 真空成形装置によって加飾された請求項10に記載の成形体。
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