JP2021160165A - 加飾フィルム及び加飾成形体 - Google Patents

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【課題】本発明は、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下において加飾成形を行う場合に、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に対して、優れた密着性を発揮する加飾フィルムを提供することを課題とする。【解決手段】本発明は、加飾層と、接着層と、離型層とをこの順に有する加飾フィルムであって、接着層は、イソペンタン由来構造から構成されるブロックを含むブロック共重合体と、テルペン系樹脂と、プロセスオイルとを含有し、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下における加飾成形用である、加飾フィルムに関する。また、本発明は、加飾フィルムを、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に貼合してなる加飾成形体に関するものでもある。【選択図】図1

Description

本発明は、加飾フィルム及び加飾成形体に関する。
従来、自動車内外装部品、家電用部品、建材用部品などの表面を保護したり、装飾(加飾)をする場合、射出成形や真空成形によって成形体を加工した後、成形体の表面にスプレー塗装などで塗料を塗布し、乾燥・加熱硬化させることが行われていた。しかし、この様な塗装は、揮発性有機溶剤の排出が作業環境を悪化させるという問題に加え、成形部品ごとの作業工程と生産設備が必要となることや、塗料の重ね塗りが必要となるため塗料の歩留りが悪く、生産性が低いという問題があった。
近年は、自動車内外装部品、家電用部品、建材用部品などを軽量化する目的で、成形体として樹脂成形体の使用が進んでいる。樹脂成形体の装飾(加飾)には、スプレー塗装が適さない場合が多く、樹脂成形体の表面を加飾するために、様々な手法が開発されている。中でも、成形体の最表面を、加飾フィルムで加飾して加飾成形体を得る方法は、塗料等を使って表面に塗布又は印刷する方法よりも、意匠の自由度が高く、生産性も優れるといった利点を有する。また、加飾フィルムを用いた加飾方法は、三次元的な凹凸を有する成形体表面も加飾をすることができるため、様々な用途に用いられている。
例えば、特許文献1には、基材層と、粘着剤層とを有する加飾成形用積層体であって、粘着剤層がシリコーン系粘着剤層と、アクリル系粘着剤層を有する加飾成形用積層体が開示されている。また、特許文献2には、表層フィルムの下面に接着剤層を有する真空成型用シートが開示されている。ここでは、接着剤層に、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂にポリイソシアネート1.5〜2.5当量を配合し硬化したものを用いている。
特開2017−154410号公報 特開2010−120209号公報
加飾成形体においては、当然ながら被着体と加飾フィルムが十分に密着しており、容易に剥離しないことが求められている。しかしながら、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下において加飾成形を行う場合であって、被着体にポリプロピレン樹脂の素材を用いた場合に、従来の加飾成形用粘着シート(加飾フィルム)を用いると、被着体に対する加飾フィルムの密着性が十分に発揮されないという問題があった。
そこで本発明者らは、このような従来技術の課題を解決するために、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下において加飾成形を行う場合に、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に対して、優れた密着性を発揮する加飾フィルムを提供することを目的として検討を進めた。
上記の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、本発明者らは、加飾層と、接着層と、離型層とをこの順に有する加飾フィルムにおいて、接着層に、イソペンタン由来構造から構成されるブロックを含むブロック共重合体と、テルペン系樹脂と、プロセスオイルを配合することにより、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下において加飾成形を行う場合に、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に対して、優れた密着性を発揮する加飾フィルムが得られることを見出した。
具体的に、本発明は、以下の構成を有する。
[1] 加飾層と、接着層と、離型層とをこの順に有する加飾フィルムであって、
接着層は、イソペンタン由来構造から構成されるブロックを含むブロック共重合体と、テルペン系樹脂と、プロセスオイルとを含有し、
真空加熱条件下又は減圧加熱条件下における加飾成形用である、加飾フィルム。
[2] ブロック共重合体は、
イソペンタン由来構造から構成されるブロック及びスチレン系ポリマーから構成されるブロックを含むブロック共重合体である、[1]に記載の加飾フィルム。
[3] テルペン系樹脂はテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂及びテルペンフェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であり、
テルペン系樹脂の軟化点は60〜130℃であり、
テルペン系樹脂の数平均分子量は300〜1500である、[1]又は[2]に記載の加飾フィルム。
[4] テルペン系樹脂の含有量は、ブロック共重合体100質量部に対して、40〜200質量部である、[1]〜[3]のいずれかに記載の加飾フィルム。
[5] プロセスオイルはパラフィン系オイルである、[1]〜[4]のいずれかに記載の加飾フィルム。
[6] プロセスオイルの含有量は、ブロック共重合体100質量部に対して、1〜50質量部である、[1]〜[5]のいずれかに記載の加飾フィルム。
[7] 接着層の厚みは、0.5〜20μmである、[1]〜[6]のいずれかに記載の加飾フィルム。
[8] [1]〜[7]のいずれかに記載の加飾フィルムを、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に貼合してなる加飾成形体。
[9] 自動車部材、電子機器又は建材用である、[8]に記載の加飾成形体。
本発明によれば、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下において加飾成形を行う場合に、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に対して優れた密着性を発揮する加飾フィルムを得ることができる。
図1は、加飾フィルムの構成の一例を表す断面図である。 図2は、加飾成形体の構成の一例を表す断面図である。
以下において、本発明について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、代表的な実施形態や具体例に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施形態に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は「〜」前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
(加飾フィルム)
本発明は、加飾層と、接着層と、離型層とをこの順に有する加飾フィルムであって、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下における加飾成形用である加飾フィルムに関する。ここで、接着層は、イソペンタン由来構造から構成されるブロックを含むブロック共重合体と、テルペン系樹脂と、プロセスオイルとを含有する。本発明の加飾フィルムは、上記構成を有するため、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下において加飾成形を行う場合に、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に対して優れた密着性を発揮する。このため、本発明の加飾フィルムは、ポリプロピレン樹脂を主成分として含む被着体への貼合用として好ましく用いられる。
従来、加飾成形体の被着体としては、ポリカーボネート系樹脂やABS樹脂が用いられていた。このため、ポリプロピレン樹脂を主成分として含む被着体を加飾するための加飾フィルムについては、その具体的構成について十分な検討がなされていなかった。そこで、本発明者らは、ポリプロピレン樹脂を主成分として含む被着体を真空加熱条件下又は減圧加熱条件下において加飾成形することについて鋭意検討を行った。その結果、本発明者らは、加飾フィルムにおいて、イソペンタン由来構造から構成されるブロックを含むブロック共重合体と、テルペン系樹脂と、プロセスオイルとを含有する接着層を設けることで、ポリプロピレン樹脂を主成分として含む被着体に対して優れた密着性を発揮する加飾フィルムを得ることに成功した。
図1は、本発明の加飾フィルムの構成の一例を説明する断面図である。図1に示されるように、加飾フィルム30は、加飾層21と、接着層11と、離型層25を有する。加飾フィルム30において、加飾層21と接着層11の間には、他の層が設けられていてもよいが、本実施形態においては、加飾層21と接着層11は直接接するように積層されていることが好ましい。また、加飾フィルム30において、接着層11と離型層25の間には、他の層が設けられていてもよいが、本実施形態においては、接着層11と離型層25は直接接するように積層されていることが好ましい。
加飾層21は単層であってもよく、基材に顔料や染料が練りこまれた着色フィルムであってもよい。なお、図1においては、加飾層21は単層で描画しているが、加飾層21は少なくとも基材と加飾性層を含む多層構造を有していてもよい。加飾層21が基材と加飾性層を含む場合、加飾層21における加飾性層は接着層11と接する面に設けられることが好ましい。また、加飾性層は加飾フィルムの最表層(接着層11と接する逆面)に設けられてもよく、このような場合、加飾性層のさらに表層側に加飾層とは別にハードコート層や反射防止層などの機能層が設けられていてもよい。
離型層25は単層の離型フィルムからなる層であってもよいが、離型剤層を備えた離型紙であってもよい。すなわち、離型層25は、離型紙であってもよく、離型フィルムであってもよい。
本発明の加飾フィルムは、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下における加飾成形用である。本明細書において、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下での成形は、いわゆるTOM成形と呼ばれるものである。TOM成形工法においては、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下において、加飾フィルムを被着体に積層する工程と、気圧差により、加飾フィルムを被着体に圧着する工程を含む。
(接着層)
加飾フィルムは、接着層を有する。本発明において、接着層は、加飾層の両面に設けられていてもよいが、加飾層のいずれか一方の面に一層設けられていることが好ましい。
本実施形態において、接着層は、ブロック共重合体と、テルペン系樹脂と、プロセスオイルとを含む。ここで、ブロック共重合体は、イソペンタン由来構造から構成されるブロックを含む。テルペン系樹脂の含有量は、ブロック共重合体100質量部に対して40質量部以上であることが好ましく、45質量部以上であることがより好ましく、50質量部以上であることがさらに好ましく、55質量部以上であることが特に好ましい。また、テルペン系樹脂の含有量は、ブロック共重合体100質量部に対して200質量部以下であることが好ましく、180質量部以下であることがより好ましく、160質量部以下であることがさらに好ましく、140質量部以下であることが特に好ましい。テルペン系樹脂の含有量を上記範囲内とすることにより、接着層とポリプロピレン層の層間密着性を高めることができ、さらに、接着層と加飾層の層間密着性を高めることもできる。
また、ブロック共重合体とテルペン系樹脂の合計含有量は、接着層の全質量に対して、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましい。ブロック共重合体とテルペン系樹脂の合計含有量を上記範囲とすることにより、加飾フィルムはポリプロピレン樹脂を含む被着体に対して優れた密着性を発揮することができ、さらに、接着層と加飾層の層間密着性を高めることができる。
接着層に含まれるブロック共重合体は、イソペンタン由来構造から構成されるブロック及びスチレン系ポリマーから構成されるブロックを含むことが好ましい。本明細書において、イソペンタン由来構造とは、以下の構造である。そして、イソペンタン由来構造から構成されるブロックは、上記構造のイソペンタン由来構造が重合してなるブロックである。なお、イソペンタン由来構造は、プロピレン・エチレン共重合体であることが好ましい。
Figure 2021160165
スチレン系ポリマーから構成されるブロックは、スチレン重合体やα−メチルスチレン重合体から構成されるブロックであることが好ましい。
接着層に含まれるブロック共重合体は、イソペンタン由来構造から構成されるブロック及びスチレン系ポリマーから構成されるブロックに加えて、他のポリマーから構成されるブロックを含んでいてもよい。他のポリマーから構成されるブロックとしては、例えば、エチレン由来構造から構成されるブロックや、(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーから構成されるブロック等が挙げられる。
接着層に含まれるブロック共重合体において、イソペンタン由来構造から構成されるブロックをAとし、スチレン系ポリマーから構成されるブロックをBとした場合、ブロック共重合体は、A−B構造のジブロック共重合体であってもよく、A−B−A構造や、B−A−B構造のトリブロック共重合体であってもよい。また、−A−B−A−B−構造のように各ブロックの繰り返し構造を有するブロック共重合体であってもよい。さらに、上述したように、他のポリマーから構成されるブロックをさらに含むブロック共重合体であってもよい。
接着層に含まれるブロック共重合体は、そのポリマー鎖にさらに置換基を有していてもよく、例えば、置換基として不飽和結合を有する置換基を有するブロック共重合体を用いてもよい。
上述したブロック共重合体は公知方法により重合により作製してもよいが、市販品を用いることもできる。市販品としては、例えば、クラレ社製のセプトン1020、セプトン2002、セプトン4033、セプトンHG252等を用いることができる。
接着層に含まれるテルペン系樹脂は、テルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂及びテルペンフェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。より具体的には、α−ピネン重合体、β−ピネン重合体、ジペンテン重合体や、これらをフェノール変性、芳香族変性、水素添加変性、炭化水素変性したテルペン系樹脂を挙げることができる。
テルペン系樹脂の軟化点は60℃以上であることが好ましく、65℃以上であることがより好ましく、70℃以上であることがさらに好ましく、75℃以上であることが特に好ましい。テルペン系樹脂の軟化点は100℃以上であってもよい。また、テルペン系樹脂の軟化点は130℃以下であることが好ましく、125℃以下であることがより好ましい。なお、テルペン系樹脂の軟化点は、JIS K2207に記載の方法に準じて自動軟化点測定装置(FLEX SCIENTIFIC 社製、EX−719PD4)を用いて測定した値である。
テルペン系樹脂の数平均分子量は、300以上であることが好ましく、350以上であることがより好ましく、400以上であることがさらに好ましい。また、テルペン系樹脂の数平均分子量は、1500以下であることが好ましく、1400以下であることがより好ましく、1300以下であることがさらに好ましい。なお、テルペン系樹脂の数平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)により測定し、分子量が既知である標準ポリスチレンを用いて作成した検量線を用いて換算して求めた値である。
テルペン系樹脂としては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、ヤスハラケミカル社製のYS レジン PX 1150、YS レジン PX 1250、YS レジン TO 125、YS レジン TO 105、YS ポリスター T 125、YS ポリスター T 80、YS ポリスター G 125等を用いることができる。
接着層に含まれるプロセスオイルとしては、ゴムや熱可塑性系エラストマー等の可塑剤として使用されるものを挙げることができる。プロセスオイルとしては、例えば、芳香族系オイル、ナフテン系オイル、パラフィン系オイル等を挙げることができる。中でも、本実施形態においては、プロセスオイルとしてパラフィン系オイルを用いることが好ましい。プロセスオイルとしてパラフィン系オイルを用いることにより、接着剤層が可塑化され被着体への接着性を高めることができる。
プロセスオイルの含有量は、ブロック共重合体100質量部に対して1質量部以上であることが好ましく、2質量部以上であることがより好ましく、3質量部以上であることがさらに好ましい。また、プロセスオイルの含有量は、ブロック共重合体100質量部に対して50質量部以下であることが好ましく、40質量部以下であることがより好ましく、30質量部以下であることがさらに好ましい。プロセスオイルの含有量を上記範囲内とすることにより、接着層とポリプロピレン層の層間密着性を高めることができ、さらに、接着層と加飾層の層間密着性を高めることもできる。
プロセスオイルとしては、市販品を用いてもよい。市販品としては、例えば、ナフテン系プロセスオイルとして出光興産社製ダイアナプロセスオイルNSシリーズ、日本サン石油社製のSUNTHENE シリーズ、パラフィン系プロセスオイルとして出光興産社製ダイアナプロセスオイルPWシリーズ、日本サン石油社製のSUNPAR シリーズ等を用いることができる。
接着層は、上述したブロック共重合体や樹脂の他に、添加剤を含んでいてもよい。添加剤としては、例えば、酸化防止剤(又は老化防止剤)、シランカップリング剤、テルペン系樹脂以外の粘着付与剤、軟化剤、架橋剤、顔料、水素引抜型開始剤等を挙げることができる。
酸化防止剤としては、フェノール系酸化防止剤、アミン系酸化防止剤、ラクトン系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤等が挙げられる。これら酸化防止剤は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
シランカップリング剤としては、例えば、メルカプト基を含有するメルカプト系シランカップリング剤や、エポキシ基を有するエポキシ系シランカップリング剤、ビニル基を有するビニル系シランカップリング剤等が挙げられる。これらの中でも、本発明の用途ではメルカプト系シランカップリング剤を用いることが好ましい。メルカプト系シランカップリング剤としては、例えば、メルカプトトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、メルカプトメチルトリエトキシシラン、トリエトキシ(2−メルカプトエチル)シラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、4−メルカプトブチルトリメトキシシラン、10−メルカプトデシルトリエトキシシラン、11−メルカプトウンデシルトリメトキシシラン、11−メルカプトウンデシルトリエトキシシランなどが例示できる。
テルペン系樹脂以外の粘着付与剤としては、例えば、スチレン系樹脂、ロジン系樹脂、C5系樹脂、C9系樹脂、C5/C9系樹脂などの石油系樹脂を挙げることができる。
水素引抜型開始剤としては、ベンゾイルギ酸メチルや4メチルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物が挙げられる。
接着層の厚みは、0.5μm以上であることが好ましく、1μm以上であることがより好ましい。また、接着層の厚みは、20μm以下であることが好ましく、15μm以下であることがより好ましく、10μm以下であることがさらに好ましい。本実施形態においては、このように接着層の厚みを薄くすることも可能となる。
(加飾層)
加飾フィルムは、加飾層を有する。ここで、加飾層は、基材に顔料や染料が練りこまれた単層の着色フィルムであってもよい。また、加飾層は、基材と加飾性層を含む多層フィルムであってもよい。
加飾層が基材と加飾性層を含む多層フィルムである場合、加飾性層は、加飾フィルムにおいて接着層の接する側の面に設けられる層であることが好ましい。また加飾性層は加飾フィルムの最表層(接着層と接する逆面)に設けられてもよく、この場合、さらに最表層にはハードコート層や反射防止層などの機能層が設けられてもよい。
加飾性層は、印刷層であることが好ましい。印刷層は、例えば熱硬化性樹脂や紫外線硬化性樹脂等を主剤とするインクを用いて、上記フィルム状の基材の一方の面側に印刷を施すことによって形成される。印刷は、例えばインクジェット印刷、スクリーン印刷等の公知の印刷方法を採用することができる。印刷を施すフィルム状の基材としては、例えば、ABS樹脂(アクリロニトリル、ブタジエン、及び、スチレンの共重合体)、AS樹脂(アクリロニトリル、スチレンの共重合体)、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、液晶ポリマー、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアセタール、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテイミド、ポリアミドイミド、ポリカーボネート、ポリオレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン等)、ポリスチレン、ウレタン樹脂等を挙げることができる。これらの基材は、成形工程において被着体に追従する形で延伸可能なものであることが好ましい。また、フィルム状の基材は通常透明なフィルムを用いるが、意匠性を付与するためにカーボン(グラファイト)等の着色剤が配合されていてもよく、有色の層であってもよい。
加飾層は印刷層を保護するために、さらに表面保護層や印刷保護層を有していてもよい。表面保護層は、加飾層において、最も露出表面側に配置され、耐傷性や耐候性を高める働きをする層であることが好ましい。このため、表面保護層は硬化性樹脂層を含む層であることが好ましく、ハードコート層であることがより好ましい。中でも、硬化性樹脂は、光硬化性樹脂であることが好ましく、紫外線硬化性樹脂であることがより好ましい。この場合、表面保護層を形成するための樹脂組成物は、例えば、紫外線硬化性樹脂に加えて光重合開始剤を含むことが好ましい。また、加飾性層が印刷により形成される場合は、用いられるインキによってはキズがつきやすいため、傷付き防止のためハードコート層のような印刷保護層をインキ層の上に設けてもよい。
表面保護層は、さらに微粒子を含んでもよい。微粒子としては、例えば、無機微粒子を挙げることができ、金属酸化物を好ましく例示することができる。また、必要に応じて、顔料や染料を含んでもよい。また、表面保護層は、必要に応じて、顔料分散剤、消泡剤、紫外線吸収剤、ハルス、酸化防止剤、帯電防止剤、耐磨耗防止剤、ブロッキング防止剤などの添加剤を含んでいてもよい。
加飾層は、さらにプロテクトフィルムや最表層に粘着剤層がある場合はセパレーター層を含んでいてもよい。プロテクトフィルムやセパレーター層は、表面保護層を一時的に保護するために設けられるものである。例えば、使用時までに表面保護層や印刷層に傷がつくこと等を防止するために設けられる。プロテクトフィルムは、エチレン酢酸ビニル共重合体からなる自着性フィルムや、PETフィルムなどにウレタン系及び/又はアクリル系の再剥離性を有する粘着剤層を積層した微粘着フィルムであることが好ましい。セパレーター層は、例えば、上述したような基材層の表面にシリコーン等の剥離層を設けた構成であることが好ましい。このようなセパレーター層は、製造工程や使用時に剥離され、加飾フィルムや加飾成形体から除去される。
表面側層の構成としては、例えば、以下のような層構成が挙げられる。なお、各層を接着するために、必要に応じて各層の間には粘着剤層が設けられていてもよい。
(1)基材層のみからなる構成
(2)加飾性層、表面保護層がこの順で設けられた構成
(3)加飾性層、基材層がこの順で設けられた構成
(4)基材層、加飾性層がこの順で設けられた構成
(5)加飾性層、基材層、表面保護層がこの順で設けられた構成
(6)上述した(1)〜(5)の構成の最表面にさらにプロテクトフィルムが設けられた構成
(7)上述した(1)〜(5)の構成の最表面にさらに粘着剤層及びセパレーター層が設けられた構成
各層を接着するために粘着剤層が設けられる場合、粘着剤層を構成する粘着剤としては、公知の粘着剤を利用することができる。粘着剤としては、例えば、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。粘着剤は、溶剤系、無溶剤系、エマルジョン系、水系のいずれであってもよい。
(離型層)
加飾フィルムは、離型層を有する。離型層は、単層の離型フィルムからなる層であってもよく、離型層用基材とこの離型層用基材の片面に設けられた離型剤層とを有する構成であってもよい。離型層用基材としては、紙類や高分子フィルム等が挙げられる。また、離型剤層を構成する離型剤としては、例えば、付加型もしくは縮合型のシリコーン系剥離剤や長鎖アルキル基含有化合物が挙げられる。なお、離型層が単層の離型フィルムからなる層である場合、フィルムとしては、例えば、テフロンフィルムやシリコーンフィルム等を用いることが好ましい。
(加飾フィルムの製造方法)
本発明の加飾フィルムの製造方法は、加飾層上に、接着剤組成物を塗工し、乾燥又は硬化させることで、接着層を形成する工程を含む。
接着剤組成物は、既存の方法により塗工することができる。溶剤に溶解して製造した接着剤組成物を用いる場合は、ナイフコーター等で塗工した後、乾燥炉にて溶剤を乾燥させることでシート化できる。一方、加熱による混練法で製造した粘着剤を用いる場合は、予め加熱することにより接着剤組成物を軟化さることが可能なホットメルトコーダーを用いることによりシート化が可能となる。
(加飾成形体)
本発明は、加飾フィルムを、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に貼合してなる加飾成形体に関するものでもある。なお、加飾成形体においては、被着体と、少なくとも加飾フィルム(又はインモールド成形の場合は加飾層)が接着層を介して一体化した状態であり、被着体の表面の少なくとも一部が加飾フィルム(又は加飾層)によって被覆された状態である。
図2は、加飾成形体の構成の一例を説明する断面図である。図2に示されるように、加飾成形体100は、被着体50に、加飾フィルム30が積層された構成を有する。図2に示されるように、加飾フィルム30は、加飾層21と接着層11を有しており、接着層11が被着体50に直接貼り合わされている。
被着体は、ポリプロピレン樹脂を含む。ここで、被着体は、ポリプロピレン樹脂を主成分として含むものである。具体的には、被着体における、ポリプロピレン樹脂の含有量は、50質量%以上であることが好ましく、60質量%以上であることがより好ましく、70質量%以上であることがさらに好ましい。なお、被着体におけるポリプロピレン樹脂の含有量は、100質量%であってもよく、被着体は、ポリプロピレン樹脂からなるものであってもよい。
ポリプロピレン樹脂を含む被着体の形状は特に限定されるものではなく、板状であってもよく、3次元立体形状を有するものであってもよい。また、被着体は、その表面の一部に凹凸構造を有するものであってもよい。
加飾成形体は、自動車部材、電子機器又は建材用であることが好ましい。本発明は、上述した加飾成形体を含む自動車部材、電子機器又は建材に関するものであってもよい。自動車部材としては、例えば、ボディー、バンパー、スポイラー、ミラー、ホイール、エンブレム、内装材等の部品等が挙げられる。また、電子機器としては、家電製品等の電子機器や、パソコンといった液晶表示装置等を挙げることができる。建材としては、家具、建築材料等を挙げることができる。さらに、被着体は、道路用資材(例えば、交通標識、防音壁等)、トンネル用資材(例えば、側壁板等)、楽器、容器、事務用品、スポーツ用品、玩具等であってもよい。
(加飾成形体の製造方法)
加飾成形体の製造方法は、加飾フィルムを被着体に貼合する工程を含むことが好ましい。加飾成形体の製造方法は、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下における成形であることが好ましく、上述した加飾フィルムは、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下における加飾成形用に適した粘着シートである。
本明細書において、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下での成形は、いわゆるTOM成形と呼ばれるものである。TOM成形工法においては、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下において、加飾成形用積層粘着シートを被着体に積層する工程と、気圧差により、加飾成形用積層粘着シートを被着体に圧着する工程を含む。さらに、TOM成形においては、加飾成形用積層粘着シートを被着体に圧着する工程の前に、加飾成形用積層粘着シートの表面を100℃以上180℃以下に加熱する工程を含むことが好ましい。100℃以上180℃以下に加熱することで加飾フィルムが軟化して、被着体の形状に追従し易くなる。この場合、加熱には、赤外線ヒーターを使用することが好ましい。
なお、本明細書においては、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下での成形には、成形体に真空孔を設けたものを利用して、積層体と成形体を密着させる工法は含まれない。具体的には、真空加熱条件下又は減圧加熱条件下での成形は、特許第3733564号公報に記載の「真空成形装置」を用いることで実施をすることができる。
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
<接着剤組成物の製造>
接着剤組成物(A−1)
下記構造式で表される構造を有するブロック共重合体(クラレ社製、セプトン1020)100質量部、テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製、YS レジン PX 1150、軟化点115℃、数平均分子量1000)60質量部、パラフィン系オイル(出光社製、ダイアナプロセスオイルPW−32)5質量部、酸化防止剤(BASF社製、IRGANOX1010)0.6質量部を、固形分濃度が30質量%になるようにトルエンに溶解して接着剤組成物(A−1)を得た。
Figure 2021160165
接着剤組成物(A−2)
ブロック共重合体として下記構造式で表される構造を有する樹脂(クラレ社製、セプトン2002)を使用した以外は接着剤組成物(A−1)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(A−2)を得た。
Figure 2021160165
接着剤組成物(A−3)
ブロック共重合体として下記構造式で表される構造を有する樹脂(クラレ社製、セプトン4033)を使用した以外は接着剤組成物(A−1)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(A−3)を得た。
Figure 2021160165
接着剤組成物(A−4)
テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製、YS レジン PX 1150、軟化点115℃、数平均分子量1000)を、テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製、YS レジン PX 800、軟化点80℃ 数平均分子量700)に変更し、さらに添加量を100質量部に変更した以外は接着剤組成物(A−3)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(A−4)を得た。
接着剤組成物(A−5)
テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製、YS レジン PX 1150、軟化点115℃、数平均分子量1000)を、芳香族変性テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製、YS レジン TO 125、軟化点125℃ 数平均分子量800)に変更した以外は接着剤組成物(A−3)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(A−5)を得た。
接着剤組成物(A−6)
テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製、YS レジン PX 1150、軟化点115℃、数平均分子量1000)を、テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製、YS ポリスター T 80、軟化点80℃ 数平均分子量500)に変更した以外は接着剤組成物(A−3)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(A−6)を得た。
接着剤組成物(A−7)
パラフィン系オイル(出光社製、ダイアナプロセスオイルPW−32)の添加量を40質量部に変更した以外は粘着剤組成物(A−3)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の粘着剤組成物(A−7)を得た。
接着剤組成物(B−1)
イソペンタン由来構造を有するブロック共重合体の代わりに、イソペンタン由来構造を有さない下記構造式で表される水添ポリブタジエン系樹脂(クラレ社製、セプトン8004)を使用した以外は接着剤組成物(A−1)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(B−1)を得た。
Figure 2021160165
接着剤組成物(B−2)
テルペン樹脂の代わりにスチレン系樹脂(三井化学社製、FTR8100、数平均分子量800)を使用した以外は接着剤組成物(A−3)の作製方法と同様にして固形分濃度30質量%の接着剤組成物(B−2)を得た。
接着剤組成物(C−1)
撹拌機、窒素ガス導入管、温度計及び還流冷却管を備えた反応容器に、アクリル酸nブチル(BA)と、2−ヒドロキシエチルアクリレート(2HEA)を、質量比が80:20となるように配合し、ラジカル重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)を溶液へ溶解した。溶液を60℃に加熱することでモノマー成分をランダム共重合させ、共重合体溶液を得た。上記で得られた共重合体の固形分100質量部に対して、架橋剤としてキシリレンジイソシアネート化合物(三井化学(株)製、タケネートD−110N)を0.11質量部加えて、固形分濃度が30質量%となるように酢酸エチルを添加して、接着剤組成物(C−1)を得た。
接着剤組成物(C−2)
酸成分として、テレフタル酸:イソフタル酸:アジピン酸を、質量比が30:30:40となるように配合し、グリコール成分として、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオールを質量比が25:75となるように配合し、触媒(テトラブチルチタネート)の存在下、加熱することで、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂を得た。上記で得られた熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂を溶剤(メチルエチルケトン)に溶解し、固形分濃度が30質量%の溶液となるように希釈撹拌した。次いで、該溶液にポリイソシアネート(日本ポリウレタン製、「コロネートHX」(ヘキサメチレンジイソシアネート)、固形分濃度100質量%)を、熱可塑性飽和共重合ポリエステル樹脂100質量部に対して2質量部加えることで接着剤組成物(C−2)を得た。
<加飾フィルムの作製>
(実施例1)
上記で作製した接着剤組成物(A−1)を、ナイフコーターを用いてアクリルフィルム(クラレ社製、パラピュア HIグレード 75μm)に、乾燥後の接着層の厚みが5μmとなるように塗工した後、100℃で3分間乾燥して溶剤のトルエンを揮発乾燥させた。次いで、グラシン系離型紙(王子タック社製、G6W 60g/m)を接着層側にハンドローラーで貼合し、離型層(離型紙)を備えた加飾フィルムを得た。
(実施例2)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(A−2)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(実施例3)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(A−3)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(実施例4)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(A−4)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(実施例5)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(A−5)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(実施例6)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(A−6)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(実施例7)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(A−7)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(実施例8)
乾燥後の接着層の厚みを1μmに変更した以外は、実施例3と同様にして加飾フィルムを得た。
(実施例9)
乾燥後の接着層の厚みを20μmに変更した以外は、実施例3と同様にして加飾フィルムを得た。
(比較例1)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(B−1)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(比較例2)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(B−2)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(比較例3)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(C−1)に変更した以外は、実施例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(比較例4)
接着剤組成物(A−1)を接着剤組成物(C−2)に変更した以外は、比較例1と同様にして加飾フィルムを得た。
(密着性評価)
<加飾成形体の作製>
各実施例及び比較例で得た加飾フィルムを用いてTOM工法により加飾成形体を作製した。まず、離型層(離型紙)を剥がした加飾フィルムと、100mm×100mm×2.0mm厚のポリプロピレン樹脂(住友化学社製、スミカセン(登録商標)−L GA401)からなる板状の成形体を、該成形体と加飾フィルムの接着層とが向き合うように、TOM成形機(布施真空株式会社製、NGF成形機)にセットした。TOM成形機を用いて120℃で加飾フィルムを上記成形体に積層させることによって、加飾成形体を得た。
<評価>
上記で作製した加飾成形体を23℃、相対湿度50%の環境下で24時間養生した後、加飾フィルムとポリプロピレン樹脂被着体の密着性をJIS K 5600−5−6に準拠し評価した。具体的には、以下のようにしてクロスカット法による密着試験を行った。
まず、加飾フィルム側からかみそりを用いて1mm×1mmの碁盤目が100マスできるように切込みを入れた後、セロハンテープ(ニチバン社製、CT28)を指で上から押し付けるようにして加飾フィルムに密着させた後に剥離した。100マスの内、全てのマス目で加飾フィルムが剥離していない場合を100/100、全てのマス目で剥離している場合を0/100とし、加飾フィルムが剥離していないマス目を数え、以下の評価基準にて加飾フィルムの密着性を評価した。
A:80/100〜100/100
B:50/100〜79/100
C:0/100〜49/100
Figure 2021160165
Figure 2021160165
実施例で得られた加飾フィルムは、ポリプロピレン樹脂被着体に対して良好な密着性を示した。一方、比較例で得られた加飾フィルムにおいては、ポリプロピレン樹脂被着体に対する密着性が劣っていた。なお、実施例で得られた加飾フィルムは、加飾成形時の加熱温度が比較的低い条件(120℃)においても良好に接着していた。
11 接着層
21 加飾層
25 離型層
30 加飾フィルム
50 被着体
100 加飾成形体

Claims (9)

  1. 加飾層と、接着層と、離型層とをこの順に有する加飾フィルムであって、
    前記接着層は、イソペンタン由来構造から構成されるブロックを含むブロック共重合体と、テルペン系樹脂と、プロセスオイルとを含有し、
    真空加熱条件下又は減圧加熱条件下における加飾成形用である、加飾フィルム。
  2. 前記ブロック共重合体は、
    イソペンタン由来構造から構成されるブロック及びスチレン系ポリマーから構成されるブロックを含むブロック共重合体である、請求項1に記載の加飾フィルム。
  3. 前記テルペン系樹脂はテルペン樹脂、芳香族変性テルペン樹脂及びテルペンフェノール樹脂からなる群から選択される少なくとも1種であり、
    前記テルペン系樹脂の軟化点は60〜130℃であり、
    前記テルペン系樹脂の数平均分子量は300〜1500である、請求項1又は2に記載の加飾フィルム。
  4. 前記テルペン系樹脂の含有量は、前記ブロック共重合体100質量部に対して、40〜200質量部である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  5. 前記プロセスオイルはパラフィン系オイルである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  6. 前記プロセスオイルの含有量は、前記ブロック共重合体100質量部に対して、1〜50質量部である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  7. 前記接着層の厚みは、0.5〜20μmである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の加飾フィルム。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の加飾フィルムを、ポリプロピレン樹脂を含む被着体に貼合してなる加飾成形体。
  9. 自動車部材、電子機器又は建材用である、請求項8に記載の加飾成形体。
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