JP2013523823A - 胎盤幹細胞を用いるサルコイドーシスの治療 - Google Patents
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Abstract
本明細書に記載の胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞及び胎盤多能性細胞(PDAC)を用いて、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害を有する個体を治療する組成物及び方法が本明細書で提供される。該細胞又はその組成物を含むキットも本明細書で提供される。
【選択図】なし
【選択図】なし
Description
(1.分野)
単離された胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞)、胎盤幹細胞の集団、及びそれらを用いて、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患、障害、もしくは病気、例えば、全身性サルコイドーシス、皮膚サルコイドーシス、レフグレン症候群、神経サルコイドーシス、肺サルコイドーシス、心サルコイドーシス、眼サルコイドーシス、又は他の器官もしくは組織の病変を伴うサルコイドーシスを治療する方法が本明細書で提供される。
単離された胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞)、胎盤幹細胞の集団、及びそれらを用いて、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患、障害、もしくは病気、例えば、全身性サルコイドーシス、皮膚サルコイドーシス、レフグレン症候群、神経サルコイドーシス、肺サルコイドーシス、心サルコイドーシス、眼サルコイドーシス、又は他の器官もしくは組織の病変を伴うサルコイドーシスを治療する方法が本明細書で提供される。
(2.背景)
サルコイド病又はベニエー-ベック病とも呼ばれるサルコイドーシスは、種々の器官(例えば、肺、皮膚、心臓、眼、肝臓、神経系、腎臓、又は筋骨格系)に影響を及ぼし得る多臓器性の肉芽腫性炎症性疾患である。サルコイドーシスの原因は依然として不明であるが、遺伝的に感受性の高い個体における環境因子、職業性因子、又は感染性因子への曝露後の免疫応答の変化と関連付けられている。
サルコイド病又はベニエー-ベック病とも呼ばれるサルコイドーシスは、種々の器官(例えば、肺、皮膚、心臓、眼、肝臓、神経系、腎臓、又は筋骨格系)に影響を及ぼし得る多臓器性の肉芽腫性炎症性疾患である。サルコイドーシスの原因は依然として不明であるが、遺伝的に感受性の高い個体における環境因子、職業性因子、又は感染性因子への曝露後の免疫応答の変化と関連付けられている。
ステロイド療法(例えば、コルチコステロイド、例えば、プレドニゾン)がサルコイドーシスの標準治療となっている。しかしながら、コルチコステロイドの使用には、いくつかの欠点がある。例えば、特定の患者は、ステロイド療法に応答しない。さらに、コルチコステロイドにはいくつかの重篤な副作用があり、その使用は、通常、進行性の病気又は重い病気に限られる。したがって、例えば、ヒト胎盤幹細胞を用いて、サルコイドーシスを治療する新しい方法に対する必要性が存在する。
(3.概要)
一態様では、サルコイドーシス、又は例えば、サルコイドーシスと関連するか、それを生じさせるか、もしくはそれによって生じる1以上のサルコイドーシス関連の疾患、障害、及び/もしくは病気を治療、管理、改善、又は予防する方法が本明細書で提供される。サルコイドーシス、又はサルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する疾患、障害、もしくは病気の治療で用いるためのキットも本明細書で提供される。
一態様では、サルコイドーシス、又は例えば、サルコイドーシスと関連するか、それを生じさせるか、もしくはそれによって生じる1以上のサルコイドーシス関連の疾患、障害、及び/もしくは病気を治療、管理、改善、又は予防する方法が本明細書で提供される。サルコイドーシス、又はサルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する疾患、障害、もしくは病気の治療で用いるためのキットも本明細書で提供される。
一実施態様では、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患、障害、もしくは病気を有する個体を治療する方法であって、該個体に、本明細書でPDAC(胎盤由来接着細胞、例えば、下の第4.2節に記載の胎盤由来接着細胞)とも呼ばれる組織培養プラスチック接着性胎盤細胞、例えば、胎盤多能性細胞もしくは胎盤幹細胞、又はPDAC(例えば、胎盤幹細胞)によって馴化された培養培地の治療有効量を、サルコイドーシス、又は該疾患、障害、もしくは病気の1以上の症状の検出可能な改善に十分な量及び時間で投与することを含む、方法が本明細書で提供される。
別の態様では、サルコイドーシス、又はサルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する疾患、障害、及び/もしくは病気を治療、管理、改善、又は予防するための医薬の製造における胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞)の使用が本明細書で提供される。
別の実施態様では、例えば、医薬として許容し得る担体と混合することによって医薬として許容し得る形態で調製することができるPDAC又はその治療的細胞組成物と、アプリケータとを、使用説明書とともに含むキットが本明細書で提供される。
特定の実施態様では、本方法は、胎盤細胞(例えば、胎盤幹細胞)を、該個体に、該胎盤幹細胞の投与前の個体と比較したときの、該サルコイドーシス又は該疾患もしくは障害の1以上の症状の検出可能な改善に十分な量及び時間で投与することを含む。
特定の実施態様では、胎盤細胞の該治療有効量は、例えば、該個体の該1以上の症状の数、もしくはその重症度を低下させる、例えば、検出可能に低下させるか、又は該個体の該1以上の症状の数、もしくはその重症度の増加速度を低下させ、例えば、かつ/或いはサルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患、障害、もしくは病気の1以上の症状の検出可能な改善をもたらす。具体的な実施態様では、胎盤細胞の該治療有効量は、該個体の1以上の肉芽腫の数、もしくはその重症度を低下させる、例えば、検出可能に低下させるか、又は該個体の1以上の肉芽腫の数、もしくはその重症度の増加速度を低下させる。一実施態様では、該治療有効量は、該サルコイドーシスの少なくとも1つの症状の検出可能な改善をもたらす量である。
1つの具体的な実施態様では、該サルコイドーシスは全身性サルコイドーシスであり、かつ該症状は、肉芽腫の形成、疲労、体重減少、発熱、うずき、疼痛、関節炎、ドライアイ、膝の腫れ、かすみ目、息切れ、咳、又は皮膚病変のうちの1つ又は複数を含む。
別の具体的な実施態様では、該サルコイドーシスは皮膚サルコイドーシスであり、かつ該症状は、皮膚病変を含む。より具体的な実施態様では、該皮膚サルコイドーシスは、環状サルコイドーシス、紅皮症性サルコイドーシス、魚鱗癬様サルコイドーシス、低色素性サルコイドーシス、斑状強皮症型サルコイドーシス、粘膜サルコイドーシス、丘疹性サルコイド、瘢痕サルコイド、皮下サルコイドーシス、又は潰瘍性サルコイドーシスのうちの1つ又は複数を含む。より具体的な実施態様では、該皮膚病変は、結節性紅斑、貨幣状湿疹、多形性紅斑、皮膚石灰沈着症及び掻痒症、凍傷状狼瘡、皮膚プラーク、斑丘疹性発疹、皮膚のより深部の結節性病変、又は古い瘢痕の浸潤のうちの1つ又は複数を含む。
別の具体的な実施態様では、該サルコイドーシスはレフグレン症候群であり、かつ該症状は、結節性紅斑、両側肺門アデノパシー(bilateral hilar denopathy)、関節炎、関節痛、又は発熱のうちの1つ又は複数を含む。別の具体的な実施態様では、該サルコイドーシスは神経サルコイドーシスであり、かつ該症状は、神経系における肉芽腫の形成、頭痛、錯乱、倦怠感、又は顔面麻痺のうちの1つ又は複数を含む。別の具体的な実施態様では、該サルコイドーシスは肺サルコイドーシスであり、かつ該症状は、咳、息切れ、胸痛、胸部圧迫感、嗄声、鼻閉塞、及び再発性又は持続性副鼻腔炎のうちの1つ又は複数を含む。別の具体的な実施態様では、該サルコイドーシスは心サルコイドーシスであり、かつ該症状は、胸痛、動悸、鬱血性心不全、心膜炎、又は乳頭筋機能不全、息切れ、くるぶし腫脹、不規則な心拍、又は突然死のうちの1つ又は複数を含む。別の具体的な実施態様では、該サルコイドーシスは眼サルコイドーシスであり、かつ該症状は、充血した目もしくは涙目、肉芽腫性ブドウ膜炎(granulomatous uvetis)、虹彩結節、脈絡網膜炎、結膜炎、涙腺病変、又は眼球突出のうちの1つ又は複数を含む。別の具体的な実施態様では、該サルコイドーシスは、他の器官又は組織の病変を伴うサルコイドーシス、例えば、筋骨格、肝臓、血液、精神、腎臓、脾臓、副鼻腔、口腔、胃もしくは腸、内分泌腺、胸膜、又は生殖器の病変を伴うサルコイドーシスである。別の具体的な実施態様では、該サルコイドーシスは、肺の組織又は器官以外の1以上の器官又は組織のサルコイドーシスである。より具体的な実施態様では、該サルコイドーシスは、肺以外の1以上の器官又は組織のサルコイドーシスである。
特定の実施態様では、治療方法は、少なくとも約1×107、5×107、1×108、5×108、1×109、5×109、又は1×1010個の胎盤細胞を該個体に投与することを含む。別の具体的な実施態様では、該胎盤細胞は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、又は30回以下の集団倍加の間、インビトロで増殖させたものである。本明細書における実施態様のいずれかの別の実施態様では、該胎盤細胞は、凍結保存され、該投与することの前に解凍されたものである。
上記の方法のいずれかの特定の実施態様では、該胎盤細胞は、組織培養プラスチックに接着し、かつフローサイトメトリーで検出した場合、CD34-、CD10+、CD105+、及びCD200+である。具体的な実施態様では、胎盤細胞は、骨形成細胞又は軟骨形成細胞に分化する能力を有する。別の実施態様では、該胎盤細胞は、組織培養プラスチックに接着し;フローサイトメトリーで検出した場合、CD34-、CD10+、CD105+、及びCD200+であり;かつ骨形成細胞又は軟骨形成細胞の1以上の特徴、例えば、骨細胞又は軟骨細胞の特徴を有する細胞に分化する能力を有する。他の実施態様では、胎盤細胞はさらに、神経細胞又は神経形成細胞の1以上の特徴、例えば、ニューロンの特徴;グリア細胞の1以上の特徴、例えば、グリア又は星状細胞の特徴;脂肪細胞系細胞(adipocytic cell)の1以上の特徴、例えば、脂肪細胞(adipocyte)の特徴;膵臓細胞の1以上の特徴;及び/又は心臓細胞の1以上の特徴を有する細胞に分化する能力を有する。
別の実施態様では、該胎盤細胞は、フローサイトメトリー及び/又はRT-PCRで検出した場合、CD34-、CD10+、CD105+、及びCD200+、かつCD38-、CD45-、CD80-、CD86-、CD133-、HLA-DR、DP、DQ-、SSEA3-、SSEA4-、CD29+、CD44+、CD73+、CD90+、CD105+、HLA-A,B,C+、PDL1+、ABC-p+、及び/又はOCT-4+のうちの1つ又は複数である。別の実施態様では、該胎盤細胞は、フローサイトメトリーで検出した場合、CD34-、CD45-、CD10+、CD90+、CD105+、及びCD200+である。別の実施態様では、該胎盤細胞は、フローサイトメトリーで検出した場合、CD34-、CD45-、CD10+、CD80-、CD86-、CD90+、CD105+、及びCD200+である。別の実施態様では、該胎盤細胞は、フローサイトメトリーで検出した場合、CD34-、CD45-、CD10+、CD80-、CD86-、CD90+、CD105+、及びCD200+、かつさらにCD29+、CD38-、CD44+、CD54+、SH3+、又はSH4+のうちの1つ又は複数である。別の実施態様では、該胎盤細胞は、フローサイトメトリーで検出した場合、CD34-、CD38-、CD45-、CD10+、CD29+、CD44+、CD54+、CD73+、CD80-、CD86-、CD90+、CD105+、及びCD200+である。
別の実施態様では、該CD34-、CD10+、CD105+、及びCD200+胎盤細胞はさらに、CD117-、CD133-、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A,B,C+、HLA-DP、DQ、DR-、もしくはプログラム死-1リガンド(PDL1)+のうちの1つもしくは複数、又はそれらの任意の組合せである。別の具体的な実施態様では、該胎盤細胞は、フローサイトメトリーで検出した場合、CD34-、CD38-、CD45-、CD10+、CD29+、CD44+、CD54+、CD73+、CD80-、CD86-、CD90+、CD105+、CD117-、CD133-、CD200+、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A,B,C+、HLA-DP、DQ、DR-、又はプログラム死-1リガンド(PDL1)+である。
別の実施態様では、本明細書に記載の胎盤細胞はいずれもさらに、フローサイトメトリーで検出した場合、ABC-p+、又は例えば、RT-PCRで決定した場合、OCT-4+(POU5F1+)であり、ここで、ABC-pは、胎盤特異的ABC輸送体タンパク質(乳癌耐性タンパク質(BCRP)及びミトキサントロン耐性タンパク質(MXR)としても知られる)である。別の実施態様では、本明細書に記載の胎盤細胞はいずれもさらに、例えば、フローサイトメトリーで決定した場合、SSEA3-又はSSEA4-であり、ここで、SSEA3はステージ特異的胚抗原3であり、かつSSEA4はステージ特異的胚抗原4である。別の実施態様では、本明細書に記載の胎盤細胞はいずれもさらに、SSEA3-及びSSEA4-である。
本明細書に記載の方法の別の実施態様では、本明細書に記載の胎盤細胞はいずれもさらに、MHC-I+(例えば、HLA-A,B,C+)、MHC-II-(例えば、HLA-DP、DQ、DR-)、又はHLA-G-のうちの1つ又は複数である。別の実施態様では、本明細書に記載の胎盤細胞はいずれもさらに、フローサイトメトリーで検出した場合、MHC-I+(例えば、HLA-A,B,C+)、MHC-II-(例えば、HLA-DP、DQ、DR-)、及びHLA-G-の各々である。
別の実施態様では、CD34-、CD10+、CD105+、CD200+細胞はさらに、CD29+、CD38-、CD44+、CD54+、CD80-、CD86-、SH3+、又はSH4+のうちの1つ又は複数である。別の実施態様では、該細胞はさらに、CD44+である。別の実施態様では、CD34-、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞はさらに、CD13+、CD29+、CD33+、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD62E-、CD62L-、CD62P-、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80-、CD86-、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117-、CD144/VE-カドヘリンlow、CD184/CXCR4-、CD133-、OCT-4+、SSEA3-、SSEA4-、ABC-p+、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A,B,C+、HLA-DP、DQ、DR-、HLA-G-、又はプログラム死-1リガンド(PDL1)+のうちの1つもしくは複数、又はそれらの任意の組合せである。別の実施態様では、CD34-、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞はさらに、フローサイトメトリーで検出した場合、CD13+、CD29+、CD33+、CD38-、CD44+、CD45-、CD54/ICAM+、CD62E-、CD62L-、CD62P-、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80-、CD86-、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117-、CD144/VE-カドヘリンdim、CD184/CXCR4-、CD133-、OCT-4+、SSEA3-、SSEA4-、ABC-p+、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A,B,C+、HLA-DP、DQ、DR-、HLA-G-、及びプログラム死-1リガンド(PDL1)+である。
本明細書に開示されている方法の他の実施態様では、単離された胎盤細胞は、フローサイトメトリーで検出した場合、CD200+及びHLA-G-;CD73+、CD105+、及びCD200+;CD200+及びOCT-4+;CD73+、CD105+、及びHLA-G-;CD73+及びCD105+;もしくはOCT-4+;又はそれらの任意の組合せである。
本明細書に開示されている方法の特定の実施態様では、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3-、SSEA4-、OCT-4+、MHC-I+、又はABC-p+のうちの1つ又は複数であり、ここで、ABC-pは、胎盤特異的ABC輸送体タンパク質(乳癌耐性タンパク質(BCRP)及びミトキサントロン耐性タンパク質(MXR)としても知られる)である。別の実施態様では、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3-、SSEA4-、及びOCT-4+である。別の実施態様では、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38-、CD45-、CD54+、SH2+、SH3+、及びSH4+である。別の実施態様では、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38-、CD45-、CD54+、SH2+、SH3+、SH4+、及びOCT-4+である。別の実施態様では、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、MHC-1+、SH2+、SH3+、SH4+である。別の実施態様では、単離された胎盤細胞は、OCT-4+及びABC-p+である。別の実施態様では、単離された胎盤細胞は、SH2+、SH3+、SH4+、及びOCT-4+である。別の実施態様では、単離された胎盤細胞は、OCT-4+、CD34-、SSEA3-、及びSSEA4-である。具体的な実施態様では、該OCT-4+、CD34-、SSEA3-、及びSSEA4-細胞はさらに、CD10+、CD29+、CD34-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、及びSH4+である。別の実施態様では、単離された胎盤細胞は、OCT-4+及びCD34-、かつSH3+又はSH4+のいずれかである。別の実施態様では、単離された胎盤細胞は、CD34-かつCD10+、CD29+、CD44+、CD54+、CD90+、又はOCT-4+のいずれかである。特定の実施態様では、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD34-、CD105+、及びCD200+である。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29-、CD44+、CD45-、CD54/ICAM-、CD62-E-、CD62-L-、CD62-P-、CD80-、CD86-、CD103-、CD104-、CD105+、CD106/VCAM+、CD144/VE-カドヘリンdim、CD184/CXCR4-、β2-ミクログロブリンdim、MHC-Idim、MHC-II-、HLA-Gdim、及び/又はPDL1dimのうちの1つ又は複数である。特定の実施態様では、そのような胎盤細胞は、少なくともCD29-及びCD54-である。別の実施態様では、そのような単離された胎盤細胞は、少なくともCD44+及びCD106+である。別の実施態様では、そのような単離された胎盤細胞は、少なくともCD29+である。
上記の特徴のいずれかの特定の実施態様では、細胞マーカー(例えば、分化抗原群(cluster of differentiation)又は免疫学的マーカー)の発現は、フローサイトメトリーで決定される。特定の他の実施態様では、細胞マーカーの発現は、RT-PCRで決定される。
別の実施態様では、本明細書に開示されている方法において有用な該胎盤細胞、例えば、該CD10+、CD34-、CD105+、CD200+細胞は、同等数の骨髄由来間葉系幹細胞よりも検出可能に高いレベルで1種以上の遺伝子を発現し、ここで、該1種以上の遺伝子は、ACTG2、ADARB1、AMIGO2、ARTS-1、B4GALT6、BCHE、C11orf9、CD200、COL4A1、COL4A2、CPA4、DMD、DSC3、DSG2、ELOVL2、F2RL1、FLJ10781、GATA6、GPR126、GPRC5B、ICAM1、IER3、IGFBP7、IL1A、IL6、IL18、KRT18、KRT8、LIPG、LRAP、MATN2、MEST、NFE2L3、NUAK1、PCDH7、PDLIM3、PKP2、RTN1、SERPINB9、ST3GAL6、ST6GALNAC5、SLC12A8、TCF21、TGFB2、VTN、及びZC3H12Aのうちの1つ又は複数であり、かつ該骨髄由来間葉系幹細胞は、該単離された胎盤細胞が経た継代数と同等の培養継代数を経たものである。特定の実施態様では、該1種以上の遺伝子の該発現は、例えば、RT-PCR、又は例えば、U133-Aマイクロアレイ(Affymetrix)を用いるマイクロアレイ解析によって決定される。別の実施態様では、該単離された胎盤細胞は、60%DMEM-LG(例えば、Gibco製)及び40%MCDB-201(例えば、Sigma製);2%胎仔ウシ血清(例えば、Hyclone Labs.製);1×インスリン-トランスフェリン-セレン(ITS);1×リノール酸-ウシ血清アルブミン(LA-BSA);10-9Mデキサメタゾン(例えば、Sigma製);10-4Mアスコルビン酸2-ホスフェート(例えば、Sigma製);上皮成長因子10ng/mL(例えば、R&D Systems製);並びに血小板由来成長因子(PDGF-BB)10ng/mL(例えば、R&D Systems製)を含む培地中で、例えば、約3〜約35回の範囲の集団倍加の間、培養したときに、該1種以上の遺伝子を発現する。別の実施態様では、該単離された胎盤細胞は、60%DMEM-LG(例えば、Gibco製)及び40%MCDB-201(例えば、Sigma製);2%胎仔ウシ血清(例えば、Hyclone Labs.製);1×インスリン-トランスフェリン-セレン(ITS);1×リノール酸-ウシ血清アルブミン(LA-BSA);10-9Mデキサメタゾン(例えば、Sigma製);10-4Mアスコルビン酸2-ホスフェート(Sigma);上皮成長因子10ng/mL(例えば、R&D Systems製);並びに血小板由来成長因子(PDGF-BB)10ng/mL(例えば、R&D Systems製)を含む培地中で、約3〜約35回の集団倍加の間、培養したときに、該1種以上の遺伝子を発現する。
いくつかの実施態様では、胎盤細胞は、CD200を発現し、かつHLA-Gを発現しないか、又はCD73、CD105、及びCD200を発現するか、又はCD200及びOCT-4を発現するか、又はCD73及びCD105を発現し、かつHLA-Gを発現しないか、又はCD73及びCD105を発現し、かつ該幹細胞を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進するか、又はOCT-4を発現し、かつ該幹細胞を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進する。
特定の実施態様では、胎盤細胞は、同等数の骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)よりも検出可能に高いレベルで、CD200及びARTS1(1型腫瘍壊死因子のアミノペプチダーゼ調節因子);ARTS-1及びLRAP(白血球由来アルギニンアミノペプチダーゼ);IL6(インターロイキン-6)及びTGFB2(形質転換成長因子、β2);IL6及びKRT18(ケラチン18);IER3(即初期応答3)、MEST(中胚葉特異的転写産物ホモログ)及びTGFB2;CD200及びIER3;CD200及びIL6;CD200及びKRT18;CD200及びLRAP;CD200及びMEST;CD200及びNFE2L3(核因子(赤血球由来2)-様3);又はCD200及びTGFB2を発現し、ここで、該骨髄由来間葉系幹細胞は、該単離された胎盤細胞が経た継代数と同等の培養継代数を経たものである。他の実施態様では、胎盤細胞は、同等数の骨髄由来間葉系幹細胞BM-MSCよりも検出可能に高いレベルで、ARTS-1、CD200、IL6、及びLRAP;ARTS-1、IL6、TGFB2、IER3、KRT18、及びMEST;CD200、IER3、IL6、KRT18、LRAP、MEST、NFE2L3、及びTGFB2;ARTS-1、CD200、IER3、IL6、KRT18、LRAP、MEST、NFE2L3、及びTGFB2;又はIER3、MEST、及びTGFB2を発現し、ここで、該骨髄由来間葉系幹細胞は、該単離された胎盤細胞が経た継代数と同等の培養継代数を経たものである。
様々な実施態様では、本明細書に開示されている方法において有用な該単離された胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞は、その細胞の少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%が該単離された胎盤細胞である細胞の集団内に含まれる。特定の他の実施態様では、該細胞の集団内の胎盤細胞は、母親の遺伝子型を有する細胞を実質的に含まず;例えば、該集団内の胎盤細胞の少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、胎児の遺伝子型を有する、すなわち、胎児起源のものである。特定の他の実施態様では、該胎盤細胞を含む細胞の集団は、母親の遺伝子型を有する細胞を実質的に含まず;例えば、該集団内の細胞の少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、胎児の遺伝子型を有する、すなわち、胎児起源のものである。特定の他の実施態様では、該胎盤細胞を含む細胞の集団は、母親の遺伝子型を有する細胞を含み;例えば、該集団内の細胞の少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、母親の遺伝子型を有する、すなわち、母親起源のものである。
本明細書における胎盤細胞(例えば、PDAC)の実施態様のいずれかの実施態様では、胎盤細胞は、該単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、例えば、増殖条件下で培養したとき、該集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進する。
本明細書に開示されている胎盤細胞のいずれかの特定の実施態様では、細胞は、ヒトのものである。
特定の実施態様では、本明細書に記載の胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞はいずれも、レシピエントにとって自己のものである。特定の他の実施態様では、本明細書に記載の胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞はいずれも、レシピエントにとって同種異系のものである。
特定の実施態様では、胎盤細胞は、該投与することの前に凍結保存される。別の実施態様では、該単離された胎盤細胞は、胎盤細胞バンク(例えば、PDACバンク)から得られる。
単離された胎盤細胞の上記の実施態様のいずれにおいても、単離された胎盤細胞は、通常、成長培地、すなわち、増殖を促進するように調合された培地中で培養する間、例えば、成長培地中での増殖の間、分化しない。別の実施態様では、該単離された胎盤細胞は、増殖するためにフィーダー層を必要としない。別の実施態様では、該単離された胎盤細胞は、単にフィーダー細胞層の非存在下での培養の結果として、培養で分化しない。
特定の実施態様では、該単離された胎盤細胞は、血液が抜かれ、かつ残留血液を取り除くように灌流されているか;血液は抜かれているが、残留血液を取り除くように灌流されていないか;又は血液が抜かれておらず、残留血液を取り除くように灌流されてもいない分娩後の胎盤の灌流によって得られる。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、胎盤組織の物理的及び/又は酵素的破壊によって得られる。
本明細書で提供される方法において有用な、胎盤細胞の細胞表面マーカー、分子マーカー、及び遺伝子マーカーは、下の第4.2節で詳細に記載されている。
具体的な実施態様では、胎盤幹細胞が投与される該個体には、第二の療法(例えば、第二の治療剤)のうちの1つ又は複数がさらに投与され、ここで、該第二の療法(例えば、第二の治療剤)は、抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制剤、抗生物質、TNF-α阻害剤(例えば、インフリキシマブ、アダリムマブ)、PDE-4阻害剤(例えば、アプレミリアスト(apremiliast))、IL-12阻害剤、IL-23阻害剤、アビプタジル、IFN-γ阻害剤、又は抗マラリア薬(例えば、クロロキンもしくはヒドロキシクロロキン)を含む。
サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患、障害、もしくは病気の治療において有用な抗炎症薬の例としては、メサラミン、5-ASA(5-アミノサリチル酸)剤(例えば、ASACOL(登録商標)(メサラミン、遅延放出性)、DIPENTUM(オサラジン)、PENTASA(登録商標)(メサラミン、放出制御性))、スルファサラジン(5-ASAとスルファピリジンの組合せ)、抗炎症性抗体(例えば、インフリキシマブ(REMICADE(登録商標)))などが挙げられるが、これらに限定されない。サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患、障害、もしくは病気の治療において有用なステロイドの例としては、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾンなどが挙げられるが、これらに限定されない。通常、当技術分野で実施されているように、ステロイドの投薬量はまず、比較的大きい用量で送達され、その後、炎症が弱まるにつれて、より少ない投薬量が送達される。サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害の治療において有用な免疫抑制剤の例としては、シクロスポリンA、6-メルカプトプリン、又はアザチオプリンが挙げられるが、これらに限定されない。例えば、アンピシリン、スルホンアミド、セファロスポリン、テトラサイクリン、及び/又はメトロニダゾールを含む、任意の抗生物質をクローン病の治療で用いることができる。別の具体的な実施態様では、第二の療法は、ブタの鞭虫、例えば、ブタ鞭虫(Trichuris suis)の卵の投与である。
別の実施態様では、それを必要とする個体への、胎盤細胞(例えば、PDAC)、又はそのような細胞を含む治療的組成物の投与は、局所又は全身投与のために、移植、(例えば、細胞それ自体もしくはマトリックス-細胞の組合せの部分としての細胞の)埋め込み、注射(例えば、疾患もしくは病気の部位に直接、例えば、肉芽腫に直接)、注入、カテーテルからの送達、又は細胞療法を提供するための当技術分野で公知の任意の他の手段によって達成することができる。他の実施態様では、胎盤細胞(例えば、PDAC)、又はそのような細胞を含む治療的組成物は、静脈内、動脈内、腹腔内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液嚢内、眼内、硝子体内(例えば、眼病変がある場合)、大脳内、脳室内(例えば、神経学的病変又は脳病変がある場合)、心腔内(例えば、心病変がある場合)、髄腔内、骨内注入、膀胱内、及び経皮、嚢内、硬膜外、皮下投与によって個体に送達することができる。
具体的な実施態様では、胎盤細胞は、局所に、例えば、サルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する1以上の損傷組織に直接、又はその近くに(例えば、1〜5cm以内に)投与される。具体的な実施態様では、胎盤細胞は、病変内に、例えば、サルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する1以上の病変もしくは肉芽腫に直接、又はその近くに(例えば、1〜5cm以内に)投与される。特定の実施態様では、胎盤細胞は、マトリックス、例えば、注射可能なマトリックスと組み合わせて投与される。特定の他の実施態様では、胎盤細胞は、固体マトリックス、例えば、代用骨、下の第4.7.4節に記載のマトリックス又は代用骨と組み合わせて、サルコイドーシス関連の疾患又は障害を有する個体に投与される。
上記の方法の別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、ボーラス注射で投与される。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、静脈内注入で投与される。具体的な実施態様では、該静脈内注入は、約1〜約8時間かかる静脈内注入である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、頭蓋内投与される。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、腹腔内投与される。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、動脈内投与される。治療方法の別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、筋肉内、皮内、皮下、又は眼内に投与される。
上記の方法の別の実施態様では、該単離された胎盤細胞は、該単離された胎盤細胞を含む物質の組成物の該個体への外科的埋め込みによって投与される。具体的な実施態様では、該物質の組成物は、マトリックス又はスキャフォールドである。別の具体的な実施態様では、該マトリックス又はスキャフォールドは、ハイドロゲルである。別の具体的な実施態様では、該マトリックス又はスキャフォールドは、脱細胞化組織である。別の具体的な実施態様では、該マトリックス又はスキャフォールドは、合成された生体分解性組成物である。別の具体的な実施態様では、該マトリックス又はスキャフォールドは、発泡体である。
上記の方法の別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、該個体に1回投与される。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、2回以上の個別投与で該個体に投与される。別の具体的な実施態様では、該投与することは、例えば、該個体のキログラム当たり約1×104〜1×105個の単離された胎盤細胞、例えば、胎盤細胞を投与することを含む。別の具体的な実施態様では、該投与することは、該個体のキログラム当たり約1×105〜1×106個の単離された胎盤細胞を投与することを含む。別の具体的な実施態様では、該投与することは、該個体のキログラム当たり約1×106〜1×107個の単離された胎盤細胞を投与することを含む。別の具体的な実施態様では、該投与することは、該個体のキログラム当たり約1×107〜1×108個の単離された胎盤細胞を投与することを含む。他の具体的な実施態様では、該投与することは、該個体のキログラム当たり約1×106〜約2×106個の単離された胎盤細胞;該個体のキログラム当たり約2×106〜約3×106個の単離された胎盤細胞;該個体のキログラム当たり約3×106〜約4×106個の単離された胎盤細胞;該個体のキログラム当たり約4×106〜約5×106個の単離された胎盤細胞;該個体のキログラム当たり約5×106〜約6×106個の単離された胎盤細胞;該個体のキログラム当たり約6×106〜約7×106個の単離された胎盤細胞;該個体のキログラム当たり約7×106〜約8×106個の単離された胎盤細胞;該個体のキログラム当たり約8×106〜約9×106個の単離された胎盤細胞;又は該個体のキログラム当たり約9×106〜約1×107個の単離された胎盤細胞を投与することを含む。別の具体的な実施態様では、該投与することは、該個体のキログラム当たり約1×107〜約2×107個の単離された胎盤細胞を該個体を投与することを含む。別の具体的な実施態様では、該投与することは、該個体のキログラム当たり約1.3×107〜約1.5×107個の単離された胎盤細胞を該個体を投与することを含む。別の具体的な実施態様では、該投与することは、該個体のキログラム当たり最大約3×107個の単離された胎盤細胞を該個体を投与することを含む。具体的な実施態様では、該投与することは、約5×106〜約2×107個の単離された胎盤細胞を該個体を投与することを含む。別の具体的な実施態様では、該投与することは、約20ミリリットルの溶液中の約150×106個の単離された胎盤細胞を該個体を投与することを含む。
具体的な実施態様では、該投与することは、約5×106〜約2×107個の単離された胎盤細胞を該個体に投与することを含み、ここで、該細胞は、10%デキストラン、例えば、デキストラン-40、5%ヒト血清アルブミン、及び任意で免疫抑制剤を含む溶液中に含まれる。
別の具体的な実施態様では、該投与することは、約5×107〜3×109個の単離された胎盤細胞を静脈内投与することを含む。具体的な実施態様では、該投与することは、約9×108個の単離された胎盤細胞又は約1.8×109個の単離された胎盤細胞を静脈内投与することを含む。別の具体的な実施態様では、該投与することは、約5×107〜1×108個の単離された胎盤細胞を病変内投与することを含む。別の具体的な実施態様では、該投与することは、約9×107個の単離された胎盤細胞を病変内投与することを含む。
(3.1 定義)
本明細書で使用されるように、記述された数値に言及するときの「約」という用語は、該記述された数値の±10%以内の値を示す。
本明細書で使用されるように、記述された数値に言及するときの「約」という用語は、該記述された数値の±10%以内の値を示す。
本明細書で使用されるように、「SH2」という用語は、細胞マーカーCD105上のエピトープに結合する抗体を指す。したがって、SH2+と表される細胞は、CD105+である。
本明細書で使用されるように、「SH3」及び「SH4」という用語は、細胞マーカーCD73上に存在するエピトープに結合する抗体を指す。したがって、SH3+及び/又はSH4+と表される細胞は、CD73+である。
胎盤は、その中で発生する胎児の遺伝子型を有するが、妊娠中、母親の組織とも密接に物理的に接触している。そのため、本明細書で使用されるように、「胎児の遺伝子型」という用語は、胎児を身ごもった母親の遺伝子型に対立するものとして、胎児の遺伝子型、例えば、本明細書に記載されている、特定の単離された胎盤細胞が得られる胎盤と関連している胎児の遺伝子型を意味する。本明細書で使用されるように、「母親の遺伝子型」という用語は、胎児、例えば、本明細書に記載されている、特定の単離された胎盤細胞が得られる胎盤と関連している胎児を身ごもった母親の遺伝子型を意味する。
本明細書で使用されるように、「肉芽腫」という用語は、例えば、免疫系が、それが異物と認識する物質(例えば、感染性生物、例えば、細菌及び真菌、並びに他の材料、例えば、ケラチン、縫合糸の断片、及び植物粒子)を排除しようとするが、排除することができないときに、炎症反応の結果として形成される免疫細胞の球状の塊を指す。
本明細書で使用されるように、「単離された細胞」、例えば、「単離された胎盤細胞」、「単離された胎盤幹細胞」などの用語は、該幹細胞が由来する組織、例えば、胎盤の他の異なる細胞から実質的に分離されている細胞を意味する。細胞は、該幹細胞が天然に関連している細胞、例えば、非幹細胞、又は異なるマーカープロファイルを示す幹細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は少なくとも99%が、例えば、該幹細胞の回収及び/又は培養時に、該幹細胞から取り除かれる場合、「単離された」ものとなる。
本明細書で使用されるように、細胞に言及するときの「多能性」は、該細胞が、いくつかの、しかし、必ずしも全てではないタイプの体の細胞、又はいくつかの、しかし、全てではないタイプの体の細胞の特徴を有する細胞、又は3胚葉のうちの1つもしくは複数の細胞に分化する能力を有することを意味する。特定の実施態様では、神経形成細胞、軟骨形成細胞、及び/又は骨形成細胞の特徴を有する細胞に分化する能力を有する、例えば、下の第4.2節に記載されているような、単離された胎盤細胞(PDAC)は、多能性細胞である。
本明細書で使用されるように、「単離された細胞の集団」という用語は、該細胞の集団が由来する組織、例えば、胎盤の他の細胞から実質的に分離されている細胞の集団を意味する。
本明細書で使用されるように、「胎盤細胞」という用語は、例えば、下の第4.2節に記載されているように、哺乳動物胎盤から単離されるか、又は哺乳動物の胎盤から単離された細胞から培養される、幹細胞又は前駆細胞を指す。これは、初代培養後の継代数を問わず、初代単離細胞もしくは培養細胞のいずれかとして、本明細書で「PDAC」とも呼ばれる。特定の実施態様では、本明細書で使用される「胎盤細胞」という用語は、しかしながら、栄養芽層も、細胞栄養芽層も、合胞体栄養細胞層も、血管芽細胞(angioblast)も、血管芽細胞(hemangioblast)も、胚性生殖細胞も、胚性幹細胞も、胚盤胞の内部細胞塊から得られる細胞も、後期胚、例えば、胚性生殖細胞の生殖隆起から得られる細胞も指さず、また、本明細書で提供される方法で使用される胎盤細胞は、しかしながら、栄養芽層でも、細胞栄養芽層でも、合胞体栄養細胞層でも、血管芽細胞(angioblast)でも、血管芽細胞(hemangioblast)でも、胚性生殖細胞でも、胚性幹細胞でも、胚盤胞の内部細胞塊から得られる細胞でも、後期胚、例えば、胚性生殖細胞の生殖隆起から得られる細胞でもない。細胞は、該細胞が、幹細胞の性質、例えば、1種類以上の幹細胞と関連するマーカー又は遺伝子発現プロファイル;培養下で少なくとも10〜40回複製する能力、及び3胚葉のうちの1つ又は複数の分化した細胞の特徴を示す細胞に分化する能力を示す場合、「幹細胞」とみなされる。本明細書で特に注記しない限り、「胎盤」という用語は、臍帯を含む。本明細書に開示されている単離された胎盤細胞は、特定の実施態様では、分化条件下にインビトロで分化するか、インビボで分化するか、又は両方である。
本明細書で使用されるように、胎盤細胞は、そのマーカーがバックグラウンドを超えて検出可能であるとき、特定のマーカーについて陽性である。特定のマーカーの検出は、例えば、抗体の使用によるか、又は該マーカーをコードする遺伝子もしくはmRNAの配列に基づくオリゴヌクレオチドプローブもしくはプライマーによるかのいずれかで達成することができる。例えば、胎盤細胞は、例えば、CD73が(例えば、アイソタイプ対照と比較して)バックグラウンドよりも検出可能に大きい量で、胎盤細胞に検出されるので、CD73陽性である。また、細胞は、そのマーカーを用いて、該細胞を少なくとも1つの他の細胞型と区別することができるか、又は該細胞によって提示もしくは発現されるときに、そのマーカーを用いて、該細胞を選択もしくは単離することができる場合、マーカー陽性である。例えば、抗体を介する検出との関連において、特定の細胞表面マーカーが存在することを示す「陽性」は、該マーカーが、そのマーカーに特異的な抗体、例えば、蛍光標識抗体を用いて検出されることを意味し;「陽性」は、例えば、サイトメーターにおいて、バックグラウンドを検出可能に上回るシグナルを発生させる量のマーカーを示す細胞も指す。例えば、細胞は、該細胞が、CD200に特異的な抗体で検出可能に標識され、かつ該抗体からのシグナルが、対照(例えば、バックグラウンド又はアイソタイプ対照)のシグナルよりも検出可能に高い場合、「CD200+」である。逆に、同じ文脈における「陰性」は、細胞表面マーカーが、対照(例えば、バックグラウンド又はアイソタイプ対照)と比較して、そのマーカーに特異的な抗体を用いて検出可能でないことを意味する。例えば、細胞は、該細胞が、対照(例えば、バックグラウンド又はアイソタイプ対照)よりも大きい程度に、CD34に特異的な抗体で再現性良く検出可能に標識されない場合、「CD34-」である。抗体を用いて検出されないか、又は検出可能でないマーカーは、適切な対照を用いて、同様の様式で陽性又は陰性と決定される。例えば、細胞又は細胞集団は、該細胞又は細胞の集団由来のRNA中に検出されるOCT-4 RNAの量が、例えば、RNAを検出する方法、例えば、RT-PCR、スロットブロットなどによって決定されるバックグラウンドよりも検出可能に多い場合、OCT-4+であると決定することができる。本明細書で特に注記しない限り、分化抗原群(「CD」)マーカーは、抗体を用いて検出される。特定の実施態様では、OCT-4が、RT-PCRを用いて検出可能である場合、OCT-4が存在すると決定され、細胞は「OCT-4+」である。
本明細書で使用されるように、フローサイトメトリーによって検出可能なマーカーの発現に言及するときの「low」という記号表示は、該マーカーが、試験した細胞の10%未満によって発現されていること、又は例えば、フローサイトメトリーでの、該マーカーに起因する蛍光が、バックグラウンドを超えて1対数未満であることを意味する。
本明細書で使用されるように、「治療する」は、疾患、障害、もしくは病気(例えば、サルコイドーシス(sarcpodpsos))、又はそれらの任意のパラメータもしくは症状の矯正、改善、その重症度の軽減、又はその時間経過の減少を包含する。
(4.詳細な説明)
(4.1 サルコイドーシス、又はサルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する疾患、障害、もしくは病気の治療)
サルコイドーシス、又はサルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する疾患もしくは障害を治療する方法であって、下の第4.2節に記載の組織培養プラスチック接着性胎盤幹細胞、例えば、PDACの有効量を投与することを含む、方法が本明細書で提供される。そのような個体の治療方法、及び単独での又は他の療法と組み合わせた、そのような幹細胞の投与方法が以下で詳細に論じられている。
(4.1 サルコイドーシス、又はサルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する疾患、障害、もしくは病気の治療)
サルコイドーシス、又はサルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する疾患もしくは障害を治療する方法であって、下の第4.2節に記載の組織培養プラスチック接着性胎盤幹細胞、例えば、PDACの有効量を投与することを含む、方法が本明細書で提供される。そのような個体の治療方法、及び単独での又は他の療法と組み合わせた、そのような幹細胞の投与方法が以下で詳細に論じられている。
(4.1.1 サルコイドーシス)
サルコイドーシスは、多臓器性の肉芽腫性炎症性疾患である。該疾患は、通常、種々の器官における小さい、粒状の炎症性病変もしくは肉芽腫(例えば、非乾酪性肉芽腫)の形成、並びに/又は罹患した組織もしくは器官における免疫応答の存在(例えば、CD4+ Tリンパ球及びマクロファージの存在)を特徴とする。肉芽腫性炎症は、TNF-α、IL-2、IL-12、IFN-γ、IL-1、IL-6、又はIL-15の産生の上昇を伴う、単球、マクロファージ、顕著なTh1応答、及び活性化Tリンパ球の蓄積に起因し得る。
サルコイドーシスは、多臓器性の肉芽腫性炎症性疾患である。該疾患は、通常、種々の器官における小さい、粒状の炎症性病変もしくは肉芽腫(例えば、非乾酪性肉芽腫)の形成、並びに/又は罹患した組織もしくは器官における免疫応答の存在(例えば、CD4+ Tリンパ球及びマクロファージの存在)を特徴とする。肉芽腫性炎症は、TNF-α、IL-2、IL-12、IFN-γ、IL-1、IL-6、又はIL-15の産生の上昇を伴う、単球、マクロファージ、顕著なTh1応答、及び活性化Tリンパ球の蓄積に起因し得る。
サルコイドーシスは、全身性(例えば、全身性サルコイドーシス)又は局所性(例えば、限局性サルコイド様反応)であることができる。肉芽腫は、ほぼ全ての器官に現れることができるが、ほとんどの場合、肺又はリンパ節に現われる。他の一般的な部位としては、肝臓、脾臓、皮膚、及び眼が挙げられる。特定の器官の病変は、軽症であっても重症であってもよく、自然治癒性であっても慢性であってもよく、かつ程度が限られていても広範囲にわたっていてもよい。症状は、通常、徐々に現われるが、時には突然現われることもある。サルコイドーシス患者が経験する一般的な症状は、疲労、息切れ、治らない咳、顔面、腕、もしくは脛の皮膚病変もしくは皮膚発疹、眼の炎症、体重減少、寝汗、呼吸困難、咳、胸部不快感、クラックル、倦怠感、脱力、食欲不振、体重減少、又は発熱を含む。他の症状としては、例えば、リンパ腺肥大(腋窩しこり)、肝肥大、脾肥大、口の乾燥、又は鼻血が挙げられる。様々なタイプのサルコイドーシスの症状が以下に記載されている。
一般に、臨床経過は様々である。いくつかの実施態様では、サルコイドーシスは、無症候性であることができる。他の実施態様では、組織又は器官は、該組織又は器官の1以上の肉芽腫が治癒しない場合、炎症を起こしたままとなるか、又は瘢痕化もしくは線維化することがある。さらに他の実施態様では、サルコイドーシスは、死に至る可能性がある消耗性慢性疾患(例えば、不可逆性肺線維症)をもたらすことがある。
したがって、一態様では、本明細書で提供される、PDAC、そのような細胞の集団、及びPDACを含む細胞の集団を用いて、サルコイドーシス、又はサルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する1以上の疾患、障害、もしくは病気を示す個体を治療することができる。具体的な実施態様では、サルコイドーシスを有する個体を治療する方法であって、該個体に、単離された胎盤細胞、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を投与することを含み、ここで、該投与は、該サルコイドーシスの1以上の症状の進行の検出可能な低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をもたらす、方法が本明細書で提供される。具体的な実施態様では、胎盤細胞の該治療有効量は、該個体の1以上の肉芽腫の数、もしくはその重症度を低下させる、例えば、検出可能に低下させるか、又は該個体の1以上の肉芽腫の数、もしくはその重症度の増加速度を低下させる。別の具体的な実施態様では、胎盤細胞の該治療有効量は、単球、マクロファージ、もしくは活性化Tリンパ球の数を低下させる、例えば、検出可能に低下させるか、又はその数の増加速度を低下させる。別の具体的な実施態様では、胎盤細胞の該治療有効量は、該個体の1以上のTNF-α、IL-2、IL-12、IFN-γ、IL-1、IL-6、IL-15、もしくはTh1応答のレベルを低下させる、例えば、検出可能に低下させるか、又はそのレベルの増加速度を低下させる。
特定の実施態様では、該サルコイドーシスは、全身性サルコイドーシス、皮膚サルコイドーシス、レフグレン症候群、神経サルコイドーシス、肺サルコイドーシス、心サルコイドーシス、眼サルコイドーシス、肝サルコイドーシス、筋骨格サルコイドーシス、腎サルコイドーシス、又は他の器官もしくは組織の病変を伴うサルコイドーシスのうちの1つ又は複数である。
全身性サルコイドーシスは、複数の器官病変を伴うサルコイドーシスである。一実施態様では、全身性サルコイドーシスを有する個体を治療する方法であって、該個体に、単離された胎盤細胞、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を投与することを含み、ここで、該投与は、該全身性サルコイドーシスの1以上の症状の進行の検出可能な低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をもたらす、方法が本明細書で提供される。いくつかの実施態様では、該全身性サルコイドーシスの1以上の症状は、非特異的な一般症状、例えば、体重減少、疲労、食欲喪失、発熱、悪寒、寝汗、肉芽腫の形成、疲労、うずき、疼痛、又は関節炎を含む。
他の実施態様では、全身性サルコイドーシスは、罹患した特定の器官に関する特定の症状(例えば、ドライアイ、膝の腫れ、かすみ目、息切れ、咳、皮膚病変、例えば、発疹など)を提示することがある。具体的な実施態様では、該特定の症状は、肺、肺リンパ管、筋骨格、肝臓、関節、血液、皮膚、眼、精神、神経系(neurological)、腎臓、脾臓、神経系(neurologic)、副鼻腔、心臓、骨、口腔、胃、腸、内分泌腺、胸膜、又は生殖器の症状のうちの1つ又は複数である。
皮膚サルコイドーシスは、皮膚病変を伴うサルコイドーシスの合併症である。別の実施態様では、皮膚サルコイドーシスを有する個体を治療する方法であって、該個体に、単離された胎盤細胞、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を投与することを含み、ここで、該投与は、該皮膚サルコイドーシスの1以上の症状の進行の検出可能な低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をもたらす、方法が本明細書で提供される。特定の実施態様では、皮膚サルコイドーシスは、環状サルコイドーシス、紅皮症性サルコイドーシス、魚鱗癬様サルコイドーシス、低色素性サルコイドーシス、斑状強皮症型サルコイドーシス、粘膜サルコイドーシス、丘疹性サルコイド、瘢痕サルコイド、皮下サルコイドーシス、及び潰瘍性サルコイドーシスを含む。いくつかの実施態様では、皮膚サルコイドーシスの1以上の症状は、特定又は非特定の(例えば、いくつかの他の皮膚疾患に類似する)種々の皮膚病変又は皮膚疾患を含む。皮膚サルコイドーシスと関連する例示的な皮膚病変又は皮膚疾患は、丘疹(例えば、肉芽腫性酒さ、座瘡、もしくは良性付属器腫瘍)、皮膚プラーク(例えば、乾癬、扁平苔癬、貨幣状湿疹、円板状エリテマトーデス、環状肉芽腫、皮膚T細胞リンパ腫、カポジ肉腫、もしくは二期梅毒)、凍傷状狼瘡(例えば、瘢痕もしくは円板状エリテマトーデス)、結節性紅斑(例えば、隆起した、赤くて固い皮膚のただれ、蜂巣炎、せつ腫症、もしくは他の炎症性脂肪織炎)、斑丘疹性発疹、皮膚のより深部の結節性病変、又は古い瘢痕の浸潤を含む。他の皮膚症状としては、例えば、皮膚発疹、さらに隆起するようになる古い瘢痕、皮膚病変、又は抜け毛が挙げられる。
レフグレン症候群は、通常、結節性紅斑と両側肺門アデノパシー(bilateral hilar denopathy)と関節炎又は関節痛の3つを特徴とする、全身性サルコイドーシスの急性症状を表す。それは、発熱を伴う場合もある。別の実施態様では、レフグレン症候群を有する個体を治療する方法であって、該個体に、単離された胎盤細胞、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を投与することを含み、ここで、該投与は、該レフグレン症候群の1以上の症状の進行の検出可能な低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をもたらす、方法が本明細書で提供される。具体的な実施態様では、該1以上の症状は、結節性紅斑、両側肺門アデノパシー(bilateral hilar denopathy)、関節炎、関節痛、又は発熱を含む。
神経サルコイドーシス又は神経サルコイドは、炎症及び異常沈着が、脳、脊髄、及び神経系の任意の他の領域で起こるサルコイドーシスを指す。別の実施態様では、神経サルコイドーシスを有する個体を治療する方法であって、該個体に、単離された胎盤細胞、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を投与することを含み、ここで、該投与は、該神経サルコイドーシスの1以上の症状の進行の検出可能な低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をもたらす、方法が本明細書で提供される。神経サルコイドーシスは、神経系の任意の部分、例えば、顔面脱力(例えば、顔面麻痺)の症状をもたらす可能性がある顔面筋肉神経(脳神経VII)、眼の神経、又は味覚、嗅覚、もしくは聴覚を支配する神経に影響を及ぼすことができる。
いくつかの実施態様では、神経サルコイドーシスの症状は、月経期間の変化、極度の疲れ(例えば、疲労)、頭痛、視覚変化、網膜症、神経根痛、腸もしくは膀胱制御の喪失、手根管症候群、及び/又は対麻痺、過度の口渇、もしくは大量の尿排出を含む。他の実施態様では、神経サルコイドーシスの症状は、錯乱、見当識障害、聴力低下、認知症もしくは幻覚症状、目眩もしくは空間識失調(例えば、異常な運動感覚)、複視もしくは他の視覚問題、顔面麻痺(脱力、下垂)、頭痛、嗅覚もしくは味覚の喪失、味覚異常、精神障害、発作もしくは発語障害、筋脱力、又は感覚喪失、或いは場合によっては、下垂体機能低下症(hypopituiarism)を含む。具体的な実施態様では、神経サルコイドーシスの症状は、神経系(例えば、脳、脊髄、又は顔面神経もしくは視神経)における肉芽腫の形成、頭痛、錯乱、倦怠感、又は顔面麻痺を含む。
肺サルコイドーシスは、肺の組織又は器官(例えば、肺)に影響を及ぼすサルコイドーシスを指す。別の実施態様では、肺サルコイドーシスを有する個体を治療する方法であって、該個体に、単離された胎盤細胞、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を投与することを含み、ここで、該投与は、該肺サルコイドーシスの1以上の症状の進行の検出可能な低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をもたらす、方法が本明細書で提供される。肺サルコイドーシスの症状は、通常、肺及び/又は胸部症状を含み、これは、例えば、肺ガリウム(Ga.)スキャン、胸部X線、肺機能検査、運動パルスオキシメトリー、胸部CTスキャン、PETスキャン、CTガイド下生検、縦隔鏡検査法、開胸的肺生検、又は気管支鏡生検(bronchoscopy with biopsy)によって決定することができる。
特定の実施態様では、肺サルコイドーシスの症状は、肺胞中隔、気管支、及び気管支壁における肉芽腫、息切れ、咳、肺容量の喪失及び肺の硬さの異常、肺機能の異常もしくは悪化、肺容量の減少、コンプライアンスの低下、肺組織の瘢痕化、又は肺組織からの出血を含む。他の症状としては、例えば、肺に吸い込まれる空気量の制限、正常よりも高い呼気流比、肺活量(深く息を吸い込んで、深く息を吐き出すまで)の減少、FEV1/FVC比の増加、吐き出すことができる空気量の減少をもたらし得る閉塞性の肺の変化、或いは気道を圧迫し得るか、又は内部の炎症もしくは小結節が空気の流れを妨げる場合の胸部リンパ節の肥大、肺高血圧、或いは肺不全が挙げられる。
任意の理論に束縛されるものではないが、Scadding基準は、肺サルコイドーシスを有する患者の病期診断に最もよく用いられる尺度である。簡潔に、各ステージについてのX線写真による証拠を次のように記載することができる:ステージI:両側肺門及び/又は縦隔リンパ節腫脹(リンパ節の肥大);ステージII:両側肺門及び/又は縦隔リンパ節腫脹;肺浸潤の証拠;ステージIII:実質組織の変化;リンパ節肥大なし;及びステージIV:肺線維症の証拠。したがって、肺サルコイドーシス、又は肺サルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する疾患、障害、もしくは病気を有する個体を治療する方法であって、該個体に、単離された胎盤細胞、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を投与することを含み、ここで、該投与は、Scadding基準によって決定される該肺サルコイドーシスの1以上の症状の進行の検出可能な低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をもたらす、方法が本明細書で提供される。
いくつかの実施態様では、肺サルコイドーシスは、肺の構造を歪め、呼吸を妨げることがある肺線維症(例えば、不可逆性肺線維症)、又は太い気道の破壊及び拡張を特徴とする肺疾患である気管支拡張症になることがある。したがって、具体的な実施態様では、該疾患又は障害は、肺線維症又は気管支拡張症(bronchietasis)である。より具体的な実施態様では、サルコイドーシスによって生じるか又はそれに関連する肺線維症(例えば、不可逆性肺線維症)を有する個体を治療する方法であって、該個体に、単離された胎盤細胞、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を投与することを含み、ここで、該投与は、該肺線維症(例えば、不可逆性肺線維症)の1以上の症状の進行の検出可能な低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をもたらす、方法が本明細書で提供される。別の具体的な実施態様では、サルコイドーシスによって生じるか又はそれに関連する気管支拡張症を有する個体を治療する方法であって、該個体に、単離された胎盤細胞、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を投与することを含み、ここで、該投与は、該気管支拡張症の1以上の症状の進行の検出可能な低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をもたらす、方法が本明細書で提供される。
他の実施態様では、サルコイドーシスは、胸部X線で決定されるように、肺リンパ管系に影響を及ぼすことがあり(例えば、肺門又は縦隔病変)、非圧痛性の末梢又は頸部リンパ節腫脹の症状を提示する。
心サルコイドーシスは、心筋病変を伴うサルコイドーシスを指す。別の実施態様では、心サルコイドーシスを有する個体を治療する方法であって、該個体に、単離された胎盤細胞、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を投与することを含み、ここで、該投与は、該心サルコイドーシスの1以上の症状の進行の検出可能な低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をもたらす、方法が本明細書で提供される。
いくつかの実施態様では、心サルコイドーシスの1以上の症状は、循環器系の疾患又は障害、例えば、心筋梗塞、心筋症、動脈瘤、狭心症(angina)、大動脈狭窄、大動脈炎、不整脈、動脈硬化症、動脈炎、非対称性心室中隔肥大(ASH)、アテローム動脈硬化症、心房細動及び粗動、細菌性心内膜炎、バーロー症候群(僧帽弁逸脱症)、徐脈、バージャー病(閉塞性血栓血管炎)、心肥大、心臓炎、頸動脈疾患、大動脈縮窄症、先天性心欠損、先天性心不全、冠動脈疾患、アイゼンメンガー症候群、塞栓症、心内膜炎、先端紅痛症、細動、線維筋性形成異常、心ブロック、心雑音、高血圧症、低血圧症、特発性乳児動脈石灰化、川崎病(皮膚粘膜リンパ節症候群、皮膚粘膜リンパ節疾患、乳児多発性動脈炎)、メタボリックシンドローム、微小血管狭心症、心筋炎、発作性心房頻拍(PAT)、結節性動脈周囲炎(多発性動脈炎、結節性多発性動脈炎)、心膜炎、末梢血管疾患、重症肢虚血、静脈炎、肺動脈弁狭窄(肺動脈狭窄)、レイノー病、腎動脈狭窄、腎血管性高血圧症、リウマチ性心疾患、糖尿病性血管症、中隔欠損、無症候性虚血、X症候群、頻脈、高安動脈炎、ファローの四徴症、大血管転位症、三尖弁閉鎖症、総動脈幹症、心臓弁膜症、静脈瘤性潰瘍、静脈瘤、血管炎、心室中隔欠損、ウルフ-パーキンソン-ホワイト症候群、心内膜床欠損、急性リウマチ熱、急性リウマチ性心膜炎、急性リウマチ性心内膜炎、急性リウマチ性心筋炎、慢性リウマチ性心疾患、僧帽弁の疾患、僧帽弁狭窄、リウマチ性僧帽弁閉鎖不全症、大動脈弁の疾患、他の心内膜構造の疾患、虚血性心疾患(急性及び亜急性)、狭心症(angina pectoris)、急性肺性心疾患、肺塞栓症、慢性肺性心疾患、脊柱後側弯性心疾患、心筋炎、心内膜炎、心内膜心筋線維症、心内膜弾性線維症、房室ブロック、心律動障害、心筋変性、脳血管疾患、動脈、細動脈、及び毛細血管の疾患、又は静脈及びリンパ管の疾患の症状と類似している。したがって、特定の実施態様では、本明細書で提供されるPDAC又は治療的組成物を投与される、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害を有する個体の改善は、該サルコイドーシス、又は該サルコイドーシス関連の疾患もしくは障害の1以上の症状の検出可能な改善によって評価又は実証することができる。
特定の実施態様では、本方法は、胎盤細胞を、該個体に、心機能の1以上の兆候の検出可能な改善に十分な量及び時間で投与することを含み、ここで、該心機能の兆候は、該PDACの投与前の個体と比較したときの、胸部心拍出量(CO)、心係数(CI)、肺動脈楔入圧(PAWP)、及び心係数(CI)、%短縮率(%FS)、駆出率(EF)、左室駆出率(LVEF);左室拡張末期径(LVEDD)、左室収縮末期径(LVESD)、収縮力(例えば、dP/dt)、心房機能もしくは心室機能の減少、ポンプ効率の増大、ポンプ効率の損失率の低下、血行動態機能の損失の減少、又は心筋症と関連する合併症の減少である。
本明細書で提供される治療方法の具体的な実施態様では、PDACは、幹細胞(すなわち、PDACではない幹細胞)、筋芽細胞、筋細胞、心筋芽細胞、心筋細胞、又は筋芽細胞、筋細胞、心筋芽細胞、及び/もしくは心筋細胞の前駆体とともに投与される。
具体的な実施態様では、本明細書で提供される治療方法は、PDAC、例えば、該細胞を含む治療的組成物を、サルコイドーシス、又はサルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する疾患、障害、もしくは病気を有する患者に投与すること;及び該患者を心機能の改善について評価することを含み、ここで、該治療的細胞組成物は、マトリックス-細胞複合体として投与される。特定の実施態様では、マトリックスは、好ましくは生体吸収性で、少なくとも該細胞を含む、スキャフォールドである。
この目的のために、心臓形成、血管形成(angiogenic)、血管形成(hemangiogenic)、又は脈管形成経路に沿った幹細胞又は前駆細胞分化を刺激する1以上の因子と接触させた、例えば、該因子の存在下でインキュベート又は培養した、PDACの集団が本明細書でさらに提供される。そのような因子としては、成長因子、ケモカイン、サイトカイン、細胞産物、脱メチル化剤などの因子、及び例えば、心臓形成、血管形成(angiogenic)、血管形成(hemangiogenic)、又は脈管形成経路又は系統に沿った幹細胞の分化を刺激することが現在知られているか又は後に明らかにされる他の因子が挙げられるが、これらに限定されない。
特定の実施態様では、PDACは、脱メチル化剤、BMP(骨形成タンパク質)、FGF(線維芽細胞成長因子)、Wnt因子タンパク質、ヘッジホッグタンパク質、及び/又は抗Wnt因子のうちの少なくとも1つを含む因子の存在下での該細胞の培養により、インビトロで、心臓形成、血管形成(angiogenic)、血管形成(hemangiogenic)、又は脈管形成経路又は系統に沿って分化させることができる。
PDAC、及びそのような細胞の集団は、個体、例えば、サルコイドーシスに関連する心臓もしくは循環器系の、又はサルコイドーシスに関連する心臓もしくは循環器系に影響を及ぼす、疾患、障害、もしくは病気個体に対して、治療的又は予防的に提供することができる。そのような疾患、障害、又は病気としては、アテローム動脈硬化症、心筋症、又は心損傷、例えば、心筋梗塞もしくは創傷(急性もしくは慢性)などによる虚血性傷害による先天性心不全を挙げることができる。
眼サルコイドーシスは、眼に影響を及ぼすサルコイドーシスである。別の実施態様では、眼サルコイドーシスを有する個体を治療する方法であって、該個体に、単離された胎盤細胞、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を投与することを含み、ここで、該投与は、該眼サルコイドーシスの1以上の症状の進行の検出可能な低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をもたらす、方法が本明細書で提供される。特定の実施態様では、眼サルコイドーシスの1以上の症状は、ブドウ膜炎(例えば、肉芽腫性ブドウ膜炎(granulomatous uvetis))、ブドウ膜耳下腺炎、網膜炎症、視力の低下、赤色覚異常、涙目、虹彩結節、脈絡網膜炎、結膜炎、涙腺病変、又は眼球突出を含む。
(筋骨格、肝臓、血液、精神、腎臓、脾臓、副鼻腔、口腔、胃もしくは腸、内分泌腺、胸膜、又は生殖器の病変を伴うサルコイドーシス)
特定の実施態様では、サルコイドーシスは、筋肉、肝臓、関節、血液、精神、腎臓、脾臓、副鼻腔、骨、口腔、胃もしくは腸、内分泌腺、胸膜、又は生殖器の系統に影響を及ぼし、それぞれの症状を提示することがある。別の実施態様では、筋骨格、肝臓、関節、血液、精神、腎臓、脾臓、副鼻腔、口腔、胃もしくは腸、内分泌腺、胸膜、又は生殖器の病変を伴うサルコイドーシス有する個体を治療する方法であって、該個体に、単離された胎盤細胞、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を投与することを含み、ここで、該投与は、該サルコイドーシスの1以上の症状の進行の検出可能な低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をもたらす、方法が本明細書で提供される。
一実施態様では、筋骨格病変を伴うサルコイドーシスは、酵素上昇を伴う又は伴わなない、無症候性のものであるか、或いは例えば、筋脱力を伴う潜伏性もしくは急性ミオパシー、関節炎(例えば、くるぶし、膝、手首、及び肘の関節炎)、ジャクー変形(Jaccoud's deformities)もしくは指炎を伴う慢性関節炎、関節周囲炎、関節痛、溶骨性もしくは嚢胞性病変、骨減少症、又はレフグレン症候群の症状を提示することがある。別の実施態様では、肝病変を伴うサルコイドーシスは、無症候性のものであるか、又は肝機能検査の結果の軽度の上昇、放射線不透過性色素を用いたCTスキャンでの低透過性(hypolucent)病変、肝腫脹、肝臓酵素レベルの変化、肝疾患、発熱、倦怠感、疲労、胆汁鬱滞、肝硬変などの1以上の症状、もしくは肉芽腫性肝炎と類似する症状を提示することがある。
別の実施態様では、血液サルコイドーシスの患者は、リンパ球減少症、慢性疾患による貧血、骨髄の肉芽腫性浸潤による貧血、汎血球減少症、脾臓血球貯留、血小板減少症、又は白血球減少症の1以上の症状を有する。別の実施態様では、サルコイドーシスの患者は、精神症状(例えば、鬱病)を示すことがある。別の実施態様では、腎病変を伴うサルコイドーシスは、無症候性の高カルシウム尿症、間質性腎炎、腎結石症によって生じる慢性腎不全、又は腎石灰沈着症の症状を提示することがある。別の実施態様では、脾病変を伴うサルコイドーシスは、無症候性のものであるか、或いは疼痛、血小板減少症の症状、又はX線もしくはCTスキャンで明らかにされる症状を提示することがある。別の実施態様では、副鼻腔病変を伴うサルコイドーシスは、一般的なアレルギー性もしくは感染性副鼻腔炎と類似する症状を有する副鼻腔粘膜、又は凍傷状狼瘡(upus pernio)の症状を提示することがある。別の実施態様では、口腔病変を伴うサルコイドーシスは、無症候性の耳下腺腫脹、口腔乾燥を伴う耳下腺炎、へールフォルト症候群、ブドウ膜炎、両側性の耳下腺腫脹、顔面麻痺、慢性発熱、口腔凍傷状狼瘡、又は硬口蓋、頬、舌、及び歯茎の変形の症状を提示することがある。別の実施態様では、胃もしくは腸、内分泌腺、胸膜、又は生殖器病変を伴うサルコイドーシスの症状は、胃肉芽腫、腸間膜リンパ節腫脹、腹痛、汎下垂体機能低下症、甲状腺浸潤、続発性副甲状腺機能低下症、高カルシウム血症、又はリンパ球滲出性浸出(lymphocytic exudative effusion)を含む。
別の実施態様では、肺の組織又は器官以外の1以上の組織又は器官の病変を伴うサルコイドーシスを有する個体を治療する方法であって、該個体に、単離された胎盤細胞、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を投与することを含み、ここで、該投与は、該サルコイドーシスの1以上の症状の進行の検出可能な低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をもたらす、方法が本明細書で提供される。別の実施態様では、肺以外の1以上の組織又は器官の病変を伴うサルコイドーシスを有する個体を治療する方法であって、該個体に、単離された胎盤細胞、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を投与することを含み、ここで、該投与は、該サルコイドーシスの1以上の症状の進行の検出可能な低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をもたらす、方法が本明細書で提供される。
(他の疾患、障害、もしくは病気)
いくつかの実施態様では、該サルコイドーシス関連の疾患又は障害は、癌(例えば、サルコイドーシスにおいて影響を受けることが知られている器官の癌)である。別の実施態様では、サルコイドーシス関連癌を有する個体を治療する方法であって、該個体に、単離された胎盤細胞、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を投与することを含み、ここで、該投与は、該サルコイドーシス関連癌の1以上の症状の進行の検出可能な低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をもたらす、方法が本明細書で提供される。
任意の理論に束縛されるものではないが、サルコイドーシスの患者は、癌(例えば、肺癌又は悪性リンパ腫(malignant lymphona))の増大したリスクを有することがある。特定の実施態様では、該癌は固形腫瘍である。いくつかの実施態様では、該癌は、原発性腺管癌、白血病、急性T細胞白血病、慢性骨髄球性リンパ腫(CML)、急性骨髄性白血病、慢性骨髄性白血病(CML)、肺癌、結腸腺癌、組織球性リンパ腫、結腸直腸癌、結腸直腸腺癌、又は網膜芽腫である。具体的な実施態様では、癌は、ヘアリー細胞白血病、急性骨髄球性白血病(急性骨髄性白血病)、又は急性骨髄芽球性白血病である。
他の実施態様では、該サルコイドーシス関連の疾患又は障害は、ビタミンD調節異常、高プロラクチン血症、甲状腺疾患(例えば、甲状腺機能低下症、甲状腺機能亢進症、及び甲状腺自己免疫)、自己免疫障害、又はサルコイドーシス-リンパ腫症候群及び過敏症(例えば、セリアック病、IV型過敏症)を含む。
通常、サルコイドーシスの1以上の症状を提示する個体は、サルコイドーシスの最終的な診断の前に少なくとも1回、例えば、サルコイドーシスの診断に至るために実施される検査の一部として、サルコイドーシスについて評価される。また通常、サルコイドーシスと診断された個体は、該疾患の進行状況を判断するために、サルコイドーシスの診断後に少なくとも1回、通常、2回以上、サルコイドーシスの症状について評価される。そのような評価は、例えば、胸部イメージング、胸部X線、胸部CTスキャン、PETスキャン、CTガイド下生検、縦隔鏡検査法、開胸的肺生検、気管支鏡生検(bronchoscopy with biopsy)、縦隔リンパ節のFNAを伴う気管支内超音波もしくは内視鏡的超音波;組織生検、例えば、組織生検、アンジオテンシン変換酵素血液;例えば、心病変、神経学的病変、もしくは肝病変を検出するための核磁気共鳴イメージング(MRI)、コンピュータ断層撮影(CT)スキャニング、陽電子放出断層撮影(PET)スキャニング、罹患した組織もしくは器官の心電図;肝機能検査;眼検査;血中カルシウム、イオン化カルシウム、及び尿中カルシウム測定;血清リン(serum phophorus)測定;甲状腺機能検査;ブドウ膜炎を検出するための細隙灯検査;又は他の肉芽腫性障害の除外による、肺の機能又は症状の診断を含むことができる。サルコイドーシスの治療の有効性、例えば、胎盤細胞を投与することの有効性は、サルコイドーシスのそのような症状のいずれか1つ、又は複数によって評価することができる。有効性は、該胎盤細胞の投与前及び投与後の該個体の罹患した器官の症状又は機能の進行の低下、その悪化の検出可能な軽減、及び/又はその検出可能な改善をモニタリングすることによって評価することもできる。
一態様では、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患、障害、もしくは病気を有する患者を治療する方法であって、治療的細胞組成物を、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患、障害、もしくは病気を有する患者に投与すること、及び該患者をサルコイドーシスの症状の改善について評価することを含み、ここで、該細胞組成物は、本明細書に記載のPDACを含む、方法が本明細書で提供される。
一実施態様では、該方法は、該投与することの前に1回もしくは複数回、及び/又は該投与することの後に1回もしくは複数回、(1)該個体の罹患した器官の数及び/もしくは程度;(2)該個体の症状の数及び/もしくは程度、(3)肉芽腫の数及び/もしくは程度;又は(4)該個体の炎症の程度のうちの1つ又は複数を決定することを含むことができる。
特定の実施態様では、胎盤細胞の該治療有効量は、該個体の該1以上の症状の数、もしくはその重症度を低下させる、例えば、検出可能に低下させるか、又は該個体の該1以上の症状の数、もしくはその重症度の増加速度を低下させ、かつ/或いはサルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患、障害、もしくは病気の1以上の症状の検出可能な改善をもたらす。
一実施態様では、該治療有効量は、該サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害の少なくとも1つの症状の検出可能な改善をもたらす量である。別の実施態様では、該治療有効量は、免疫細胞、又は複数の免疫細胞の活性、例えば、増殖の調節、例えば、抑制をもたらす量である。具体的な実施態様では、該治療有効量は、1以上の炎症マーカー(例えば、C反応性タンパク質、IL-6、又はPLAC検査で測定されるもの)によって決定される、炎症応答の抑制をもたらす量である。具体的な実施態様では、該調節(例えば、抑制)は、免疫細胞(複数可)を複数の胎盤幹細胞と、該胎盤幹細胞が免疫応答を検出可能に調節する(例えば、抑制する)のに十分な時間接触させることによって行なわれる。別の実施態様では、該治療有効量は、該個体の罹患した組織又は器官に移植したときに、該罹患した組織又は器官でのコロニー形成単位の形成を可能にする量である。
いくつかの実施態様では、胎盤細胞の該治療有効量は、例えば、胸部イメージング、胸部X線、胸部CTスキャン、PETスキャン、又はCTガイド下生検によって決定される肺機能をもたらす、例えば、検出可能にもたらす。他の実施態様では、胎盤細胞の該治療有効量は、例えば、切除生検によって決定される皮膚病変の数及び/又は程度を低下させる。さらに他の実施態様では、癌が関与する場合、該胎盤細胞は、癌細胞の数を、該胎盤細胞の投与前の該癌の数と比較して、少なくとも、例えば、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%減少させる。
別の実施態様では、治療は、別の細胞型を含むか又はそれを含まない、PDACを含む治療的細胞組成物による、サルコイドーシス、又はサルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する疾患、障害、もしくは病気を有する個体の治療を含む。特定の実施態様では、該個体は、療法による、例えば、心臓に存在する幹細胞又は前駆細胞を含む他の細胞の成長を支える該細胞の能力による、組織の内部成長又は組織の血管新生による、及び有益な細胞因子、ケモカイン、サイトカインなどの存在による利益を受けるが、該細胞は、該個体に融合することも、該個体で倍加することもない。別の実施態様では、患者は、該細胞による治療的治療によって利益を得るが、該細胞は、該患者内で長期間にわたって生存するものではない。一実施態様では、該細胞は、数、生存率、又は生化学的活性が徐々に減少し、他の実施態様では、細胞の減少に先立って、一定期間の活性、例えば、成長、分裂、又は生化学的活性がある場合がある。他の実施態様では、老化しているか、生存不能であるか、又は死んでさえいる細胞が、有益な治療効果を有することができる。
本明細書で提供されるPDAC又は治療的組成物を投与される、サルコイドーシス、又はサルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する疾患、障害、もしくは病気を有する個体の改善は、該サルコイドーシス、又は該サルコイドーシス関連の疾患もしくは障害の1以上の症状の検出可能な改善によって評価又は実証することができる。
本明細書で提供されるPDAC、又はPDACを含む治療的組成物を受容する個体の改善は、主観的な指標、例えば、該個体による投与後の彼又は彼女の健康状態についての自己評価によって評価することもできる。
該細胞の投与の成功は、特定の実施態様では、投与されたPDACの該個体における生存に基づくものではない。その代わり、成功は、上に示したような、サルコイドーシスの1以上の症状の改善に関する1以上の指標に基づくものである。したがって、該細胞は、融合して、患者の罹患した組織又は器官とともに拍動する必要がない。
(4.1.2 胎盤細胞の投与)
いくつかの実施態様では、それを必要とする個体への、胎盤細胞(例えば、PDAC)、又はそのような細胞を含む治療的組成物の投与は、局所又は全身投与のために、移植、(例えば、細胞それ自体もしくはマトリックス-細胞の組合せの部分としての細胞の)埋め込み、注射(例えば、疾患もしくは病気の部位に直接、例えば、サルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する1以上の病変又は肉芽腫に直接)、注入、カテーテルからの送達、又は細胞療法を提供するための当技術分野で公知の任意の他の手段によって達成することができる。他の実施態様では、胎盤細胞(例えば、PDAC)、又はそのような細胞を含む治療的組成物は、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液嚢内、及び皮下投与によって個体に送達することができる。
いくつかの実施態様では、それを必要とする個体への、胎盤細胞(例えば、PDAC)、又はそのような細胞を含む治療的組成物の投与は、局所又は全身投与のために、移植、(例えば、細胞それ自体もしくはマトリックス-細胞の組合せの部分としての細胞の)埋め込み、注射(例えば、疾患もしくは病気の部位に直接、例えば、サルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する1以上の病変又は肉芽腫に直接)、注入、カテーテルからの送達、又は細胞療法を提供するための当技術分野で公知の任意の他の手段によって達成することができる。他の実施態様では、胎盤細胞(例えば、PDAC)、又はそのような細胞を含む治療的組成物は、静脈内、動脈内、腹腔内、髄腔内、心室内、尿道内、胸骨内、頭蓋内、筋肉内、滑液嚢内、及び皮下投与によって個体に送達することができる。
一実施態様では、治療的細胞組成物は、それを必要とする個体に、例えば、該個体内の1以上の部位への注射によって提供される。具体的な実施態様では、心病変がある場合、治療的細胞組成物は、例えば、心臓の虚血部位への心腔内注射によって提供される。他の具体的な実施態様では、該細胞は、罹患器官の表面に、隣接部位に、又はより離れた部位にも注射される。好ましい実施態様では、該細胞は、罹患部位又は損傷部位にホーミングすることができる。
具体的な実施態様では、胎盤細胞は、病変内に、例えば、サルコイドーシスによって生じるかもしくはそれに関連する1以上の病変もしくは肉芽腫に直接、又はその近くに(例えば、1〜5cm以内に)投与される。特定の実施態様では、胎盤細胞は、マトリックス、例えば、注射可能なマトリックスと組み合わせて投与される。特定の他の実施態様では、胎盤細胞は、固体マトリックス、例えば、代用骨、下の第4.7.4節に記載のマトリックス又は代用骨と組み合わせて、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害を有する個体に投与される。
特定の他の実施態様では、胎盤細胞は、個体に静脈内投与される。胎盤細胞は、個体への流体、例えば、細胞を含む流体の送達に医学的に好適な、任意の容器から、及び任意の送達系によって投与することができる。そのような容器は、例えば、滅菌プラスチックバッグ、フラスコ、瓶、又は胎盤細胞集団を容易に分注することができる他の容器であることができる。例えば、該容器は、血液バッグ又はレシピエントへの液体の静脈内投与に好適な他のプラスチック製の、医療用に許容し得るバッグであることができる。
病変内又は静脈内投与は、単一用量中に、例えば、約、少なくとも、又は以下の個数を超えない1×105、5×105、1×106、5×106、1×107、5×107、1×108、5×108、1×109、5×109、1×1010、5×1010、1×1011個、又はそれより多くの単離された胎盤細胞を含むことができる。該単離された胎盤細胞は、治療期間中に、1回、又は2回以上投与することができる。好ましくは、投与される胎盤細胞は、50%以上の生細胞を含む(すなわち、該集団内の細胞の少なくとも約50%は機能的であるか又は生きている)。好ましくは、該集団内の細胞の少なくとも約60%は生きている。より好ましくは、医薬組成物中の該集団内の細胞の少なくとも約70%、80%、90%、95%、又は99%は生きている。
特定の実施態様では、個体に、例えば、PDACを含む細胞の集団内のPDACの治療有効量を投与する。具体的な実施態様では、該集団は、約50%のPDACを含む。別の具体的な実施態様では、該集団は、PDACの実質的に均質な集団である。他の実施態様では、該集団は、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%のPDACを含む。
サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは病気を有する個体に、PDACを、該細胞が治療上有益であるどの時点でも投与することができる。特定の実施態様では、例えば、本発明のPDAC又は治療的組成物は、心筋梗塞の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24時間、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30日以内に投与される。心筋梗塞に時間的に近い、例えば、1〜3又は1〜7日以内の投与は、時間的に遠い、例えば、心筋梗塞から3又は7日後の投与よりも好ましい。他の実施態様では、本発明の細胞又は治療的組成物は、該疾患又は病気の初期診断の1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24時間、又は1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、もしくは30日以内に投与される。
特定の実施態様では、治療すべき個体は、哺乳動物である。具体的な実施態様では、治療すべき個体は、任意の年齢及び/又は任意の臨床病期、或いはサルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患、障害、もしくは病気のヒトである。具体的な実施態様では、該個体は、畜産動物又は家畜である。他の具体的な実施態様では、治療すべき個体は、ウマ、ウシもしくは去勢ウシ、ブタ、イヌ、又はネコである。
(4.1.3 併用療法)
サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害、例えば、全身性サルコイドーシスの治療は、該サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害を有する個体への、第二の療法(例えば、第二の治療剤)のうちの1つ又は複数と組み合わせた、単離された胎盤細胞、特に、下の第4.2節に詳細に記載されている単離された胎盤細胞(PDAC)の投与を含むことができる。
サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害、例えば、全身性サルコイドーシスの治療は、該サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害を有する個体への、第二の療法(例えば、第二の治療剤)のうちの1つ又は複数と組み合わせた、単離された胎盤細胞、特に、下の第4.2節に詳細に記載されている単離された胎盤細胞(PDAC)の投与を含むことができる。
本明細書で提供される併用療法は、療法が対象に投与される順序を制限するものではない。例えば、第一の療法は、所与の疾患を有していたか、それを有しているか、又はそれに罹りやすい対象への第二の療法の投与の前(例えば、1分前、15分前、30分前、45分前、1時間前、2時間前、4時間前、6時間前、12時間前、24時間前、48時間前、72時間前、96時間前、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前、5週間前、6週間前、8週間前、もしくは12週間前)に、該投与と同時に、又は該投与の後(例えば、1分後、15分後、30分後、45分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、8週間後、もしくは12週間後)に投与することができる。任意の追加療法を他の追加療法とともに任意の順序で投与することができる。
特定の実施態様では、第二の治療剤は、TNF-α阻害剤(例えば、インフリキシマブもしくはアダリムマブ)、抗マラリア薬(例えば、クロロキンもしくはヒドロキシクロロキン)、サリドマイド、アザチオプリン、ミコフェノレート、シクロホスファミド、クロラムブシル、メトトレキサート、フォカリン、イロプロスト、メトトレキサート、ニコチン、サリドマイド、アンブリセンタン(例えば、レタイリス)、ボセンタン、アトルバスタチン、ペントキシフィリン、アダリムマブ、リツキシマブ、ステララ(例えば、ウステキヌマブ)、アビプタジル、アプレミラスト、レミケード、ヒュミラ、成長因子、ケモカイン、サイトカイン、細胞産物、脱メチル化剤、及び幹細胞の分化を刺激することが現在知られているかもしくは後に明らかにされる他の因子、インスリン様成長因子(IGF)、血小板由来成長因子(PDGF)、上皮成長因子(EGF)、線維芽細胞成長因子(FGF)、血管内皮成長因子(VEGF)、肝細胞成長因子(HGF)、インターロイキン18(IL-8)、抗血栓剤(例えば、ヘパリン、ヘパリン誘導体、ウロキナーゼ、又はPPack(デキストロフェニルアラニンプロリンアルギニンクロロメチルケトン)、抗トロンビン化合物、血小板受容体アンタゴニスト、抗トロンビン抗体、抗血小板受容体抗体、アスピリン、ジピリダモール、プロタミン、ヒルジン、プロスタグランジン阻害剤、及び/又は血小板阻害剤)、抗アポトーシス剤(例えば、エリスロポエチン(Epo)、Epo誘導体もしくは類似体、又はそれらの塩、トロンボポエチン(Tpo)、IGF-I、IGF-II、肝細胞成長因子(HGF)、又はカスパーゼ阻害剤)、抗炎症剤(例えば、p38 MAPキナーゼ阻害剤、スタチン、IL-6阻害剤、IL-1阻害剤、ペミロラスト、トラニラスト、レミケード、シロリムス、及び/又は非ステロイド抗炎症化合物(例えば、アセチルサリチル酸、イブプロフェン、テポキサリン、トルメチン、もしくはスプロフェン))、免疫抑制剤又は免疫調節剤(例えば、カルシニューリン阻害剤、例えば、シクロスポリン、タクロリムス、mTOR阻害剤、例えば、シロリムス又はエベロリムス;抗増殖薬、例えば、アザチオプリン及び/又はミコフェノール酸モフェチル;コルチコステロイド、例えば、プレドニゾン、プレドニゾロン、又はヒドロコルチゾン;ステロイド節減薬、例えば、アザチオプリン及びメトトレキサート;抗体、例えば、モノクローナル抗IL-2Rα受容体抗体、バシリキシマブ、ダクリズマ、ポリクローナル抗T細胞抗体、例えば、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)、抗リンパ球グロブリン(ALG)、及び/又はモノクローナル抗T細胞抗体OKT3、又はその各々の開示がその全体として引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第7,468,276号及び米国特許出願公開第2007/0275362号に記載されている接着性胎盤幹細胞、並びに/或いは抗酸化剤(例えば、プロブコール;ビタミンA、C、及び/もしくはE、補酵素Q-10、グルタチオン、Lシステイン、N-アセチルシステイン、又は前述のもののいずれかの抗酸化誘導体、類似体、もしくは塩)を含む。特定の実施態様では、PDACを含む治療的組成物は、1以上のさらなる細胞型、例えば、成体細胞(例えば、線維芽細胞もしくは内胚葉細胞)、幹細胞、及び/又は前駆細胞をさらに含む。そのような治療剤及び/又は1以上のさらなるタイプの細胞は、それを必要とする個体に、個別にもしくは組み合わせて、又は2以上のそのような化合物もしくは薬剤を投与することができる。
一実施態様では、第二の治療剤は、抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制剤、及び/又は抗生物質である。サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患、障害、もしくは病気の治療において有用な抗炎症薬の例としては、メサラミン、5-ASA(5-アミノサリチル酸)剤(例えば、ASACOL(登録商標)(メサラミン、遅延放出性)、DIPENTUM(オサラジン)、PENTASA(登録商標)(メサラミン放出制御性))、スルファサラジン(5-ASAとスルファピリジンの組合せ)、抗炎症性抗体(例えば、インフリキシマブ(REMICADE(登録商標)))などが挙げられるが、これらに限定されない。サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患、障害、もしくは病気の治療において有用なステロイドの例としては、コルチゾン、ヒドロコルチゾン、プレドニゾン、メチルプレドニゾンなどが挙げられるが、これらに限定されない。通常、当技術分野で実施されているように、ステロイドの投薬量はまず、比較的大きい用量で送達され、その後、炎症が弱まるにつれて、より少ない投薬量が送達される。サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害の治療において有用な免疫抑制剤の例としては、シクロスポリンA、6-メルカプトプリン、又はアザチオプリンが挙げられるが、これらに限定されない。任意の抗生物質をクローン病の治療で用いることができ、それには、例えば、アンピシリン、スルホンアミド、セファロスポリン、テトラサイクリン、及び/又はメトロニダゾールが含まれる。別の具体的な実施態様では、第二の療法は、ブタの鞭虫、例えば、ブタ鞭虫の卵の投与である。
別の実施態様では、本明細書で提供される第二の療法は、例えば、サルコイドーシス関連癌を治療するための抗癌療法、例えば、1以上の化学療法又は化学療法化合物である。そのような他の抗癌療法は、胎盤細胞、例えば、PDACの該投与と同時に、該投与と同じ一連の治療の間に、又は該投与とは別に、個体に投与することができる。具体的な実施態様では、該他の抗癌療法の投与は、該胎盤細胞の投与と連続して投与される。別の具体的な実施態様では、該他の抗癌療法(単数)又は抗癌療法(複数)は、該胎盤細胞の投与前に該個体に投与され;例えば、一連のそのような他の抗癌療法は、単離された胎盤細胞の該個体への投与前に、個体に投与され、終了する。別の具体的な実施態様では、該胎盤細胞は、該他の抗癌療法の投与前に個体に投与され;例えば、一連の胎盤細胞は、該他の抗癌療法の投与前に該個体に投与され、該他の抗癌療法(単数)又は抗癌療法(複数)の該個体への投与前に終了する。
具体的な実施態様では、抗癌剤は、メルファラン(L-フェニルアラニンマスタード又はL-PAM;商標名Albertanとしても知られる)である。したがって、一実施態様では、多発性骨髄腫を有する個体を治療する方法は、該個体にメルファラン、例えば、メルファランの治療有効用量(単数又は複数)を投与することを含む。投与は、通常、経口又は静脈内である。別の具体的な実施態様では、抗癌剤は、サリドマイドである。別の具体的な実施態様では、抗癌剤は、アミノ置換サリドマイド類似体又はアミノ置換イミダゾールである。別の具体的な実施態様では、抗癌剤は、ポマリドマイド(ACTIMID(登録商標)という商標名で販売されている);レナリドミド(REVLIMID(登録商標)という商標名で販売されている);又はデキサメタゾンと組み合わせたレナリドミドである。別の具体的な実施態様では、抗癌剤治療は、ボルテゾミブ(VELCADE(登録商標))である。別の具体的な実施態様では、抗癌剤は、(別々に又は一緒に投与される)メルファランとプレドニゾンとサリドマイドの組合せを含む。別の具体的な実施態様では、抗癌剤は、(別々に又は一緒に投与される)ボルテゾミブとメルファランとプレドニゾンの組合せである。
他の抗癌剤が当技術分野で周知である。したがって、他の具体的な実施態様では、抗癌剤としては:アシビシン;アクラルビシン;アコダゾール塩酸塩;アクロニン;アドゼレシン;アルデスロイキン;アルトレタミン;アンボマイシン;酢酸アメタントロン;アムサクリン;アナストロゾール;アントラマイシン;アスパラギナーゼ;アスペルリン;アザシチジン;アゼテパ;アゾトマイシン;バチマスタット;ベンゾデパ;ビカルタミド;ビサントレン塩酸塩;ジメシル酸ビスナフィド;ビゼレシン;硫酸ブレオマイシン;ブレキナルナトリウム;ブロピリミン;ブスルファン;カクチノマイシン;カルステロン;カラセミド;カルベチマー;カルボプラチン;カルムスチン;カルビシン塩酸塩;カルゼレシン;セデフィンゴール;セレコキシブ(COX-2阻害剤);クロランブシル;シロレマイシン;シスプラチン;クラドリビン;メシル酸クリスナトール;シクロホスファミド;シタラビン;ダカルバジン;ダクチノマイシン;ダウノルビシン塩酸塩;デシタビン;デキソルマプラチン;デザグアニン;メシル酸デザグアニン;ジアジクオン;ドセタキセル;ドキソルビシン;ドキソルビシン塩酸塩;ドロロキシフェン;クエン酸ドロロキシフェン;プロピオン酸ドロモスタノロン;デュアゾマイシン;エダトレキサート;エフロミチン(eflomithine)塩酸塩;エルサミトルシン;エンロプラチン;エンプロマート;エピプロピジン;エピルビシン塩酸塩;エルブロゾール;エソルビシン塩酸塩;エストラムスチン;エストラムスチンリン酸ナトリウム;エタニダゾール;エトポシド;リン酸エトポシド;エトプリン;ファドロゾール塩酸塩;ファザラビン;フェンレチニド;フロクスウリジン;リン酸フルダラビン;フルオロウラシル;フルロシタビン;ホスキドン;ホストリエシンナトリウム;ゲムシタビン;ゲムシタビン塩酸塩;ヒドロキシウレア;イダルビシン塩酸塩;イホスファミド;イルモホシン;イプロプラチン;イリノテカン;イリノテカン塩酸塩;酢酸ランレオチド;レトロゾール;酢酸ロイプロリド;リアロゾール塩酸塩;ロメトレキソールナトリウム;ロムスチン;ロソキサントロン塩酸塩;マソプロコール;メイタンシン;メクロレタミン塩酸塩;酢酸メゲストロール;酢酸メレンゲストロール;メルファラン;メノガリル;メルカプトプリン;メトトレキサート;メトトレキサートナトリウム;メトプリン;メツレデパ;ミチンドミド;マイトカルシン;マイトクロミン;マイトジリン;マイトマルシン;マイトマイシン;マイトスパー;ミトタン;ミトキサントロン塩酸塩;ミコフェノール酸;ノコダゾール;ノガラマイシン;オルマプラチン;オキシスラン;パクリタキセル;ペガスパルガーゼ;ペリオマイシン;ペンタムスチン;硫酸ペプロマイシン;ペルホスファミド;ピポブロマン;ピポスルファン;ピロキサントロン塩酸塩;プリカマイシン;プロメスタン;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニムスチン;プロカルバジン塩酸塩;ピューロマイシン;ピューロマイシン塩酸塩;ピラゾフリン;リボプリン;サフィンゴール;サフィンゴール塩酸塩;セムスチン;シムトラゼン;スパルフォセートナトリウム;スパルソマイシン;スピロゲルマニウム塩酸塩;スピロムスチン;スピロプラチン;ストレプトニグリン;ストレプトゾシン;スロフェヌル;タリソマイシン;テコガランナトリウム;タキソテール;テガフール;テロキサントロン塩酸塩;テモポルフィン;テニポシド;テロキシロン;テストラクトン;チアミプリン;チオグアニン;チオテパ;チアゾフリン;チラパザミン;クエン酸トレミフェン;酢酸トレストロン;リン酸トリシリビン;トリメトレキサート;グルクロン酸トリメトレキサート;トリプトレリン;ツブロゾール塩酸塩;ウラシルマスタード;ウレデパ;バプレオチド;ベルテポルフィン;硫酸ビンブラスチン;硫酸ビンクリスチン;ビンデシン;硫酸ビンデシン;硫酸ビネピジン;硫酸ビングリシナート;硫酸ビンレウロシン;酒石酸ビノレルビン;硫酸ビンロシジン;硫酸ビンゾリジン;ボロゾール;ゼニプラチン;ジノスタチン;及びゾルビシン塩酸塩が挙げられるが、これらに限定されない。
他の抗癌薬としては、20-エピ-1,25ジヒドロキシビタミンD3;5-エチニルウラシル;アビラテロン;アクラルビシン;アシルフルベン;アデシペノール;アドゼレシン;アルデスロイキン;ALL-TKアンタゴニスト;アルトレタミン;アンバムスチン;アミドックス;アミホスチン;アミノレブリン酸;アムルビシン;アムサクリン;アナグレリド;アナストロゾール;アンドログラホリド;血管新生阻害剤;アンタゴニストD;アンタゴニストG;アンタレリックス;抗背側化形態形成タンパク質-1;抗アンドロゲン剤、前立腺癌;抗エストロゲン剤;アンチネオプラストン;アンチセンスオリゴヌクレオチド;グリシン酸アフィディコリン;アポトーシス遺伝子調整因子;アポトーシス調節因子;アプリン酸;アラ-CDP-DL-PTBA;アルギニンデアミナーゼ;アスラクリン;アタメスタン;アトリムスチン;アキシナスタチン1;アキシナスタチン2;アキシナスタチン3;アザセトロン;アザトキシン;アザチロシン;バッカチンIII誘導体;バラノール;バチマスタット;BCR/ABLアンタゴニスト;ベンゾクロリン;ベンゾイルスタウロスポリン;βラクタム誘導体;β-アレチン;ベタクラマイシンB;ベツリン酸;bFGF阻害剤;ビカルタミド;ビサントレン;ビスアジリジニルスペルミン;ビスナフィド;ビストラテンA;ビゼレシン;ブレフラート;ブロピリミン;ブドチタン;ブチオニンスルホキシミン;カルシポトリオール;カルホスチンC;カンプトテシン誘導体;カペシタビン;カルボキサミド-アミノ-トリアゾール;カルボキシアミドトリアゾール;CaRest M3;CARN 700;軟骨由来阻害剤;カルゼレシン;カゼインキナーゼ阻害剤(ICOS);カスタノスペルミン;セクロピンB;セトロレリックス;クロリンス(chlorlns);クロロキノキサリンスルホンアミド;シカプロスト;シス-ポルフィリン;クラドリビン;クロミフェン類似体;クロトリマゾール;コリスマイシンA;コリスマイシンB;コンブレタスタチンA4;コンブレタスタチン類似体;コナゲニン;クランベシジン816;クリスナトール;クリプトフィシン8;クリプトフィシンA誘導体;クラシンA;シクロペンタアントラキノン;シクロプラタム;シペマイシン;シタラビンオクホスファート;細胞溶解因子;シトスタチン;ダクリキシマブ;デシタビン;デヒドロジデムニンB;デスロレリン;デキサメタゾン;デキシホスファミド;デクスラゾキサン;デクスベラパミル;ジアジクオン;ジデムニンB;ジドックス;ジエチルノルスペルミン;ジヒドロ-5-アザシチジン;9-ジヒドロタキソール;ジオキサマイシン;ジフェニルスピロムスチン;ドセタキセル;ドコサノール;ドラセトロン;ドキシフルリジン;ドキソルビシン;ドロロキシフェン;ドロナビノール;デュオカルマイシンSA;エブセレン;エコムスチン;エデルホシン;エドレコロマブ;エフロルニチン;エレメン;エミテフル;エピルビシン;エプリステリド;エストラムスチン類似体;エストロゲンアゴニスト;エストロゲンアンタゴニスト;エタニダゾール;リン酸エトポシド;エキセメスタン;ファドロゾール;ファザラビン;フェンレチニド;フィルグラスチム;フィナステリド;フラボピリドール;フレゼラスチン;フルアステロン;フルダラビン;フルオロダウノルニシン塩酸塩;ホルフェニメクス;ホルメスタン;ホストリエシン;ホテムスチン;ガドリニウムテキサフィリン;硝酸ガリウム;ガロシタビン;ガニレリックス;ゼラチナーゼ阻害剤;ゲムシタビン;グルタチオン阻害剤;ヘプスルファム;ヘレグリン;ヘキサメチレンビスアセトアミド;ヒペリシン;イバンドロン酸;イダルビシン;イドキシフェン;イドラマントン;イルモホシン;イロマスタット;イマチニブ(例えば、GLEEVEC(登録商標))、イミキモド;免疫賦活ペプチド;インスリン様成長因子-1受容体阻害剤;インターフェロンアゴニスト;インターフェロン;インターロイキン;ヨーベングアン;ヨードドキソルビシン;4-イポメアノール;イロプラクト;イルソグラジン;イソベンガゾール;イソホモハリコンドリンB;イタセトロン;ジャスプラキノリド;カハラリドF;三酢酸ラメラリン-N;ランレオチド;レイナマイシン;レノグラスチム;硫酸レンチナン;レプトルスタチン;レトロゾール;白血病抑制因子;白血球αインターフェロン;ロイプロリド+エストロゲン+プロゲステロン;ロイプロレリン;レバミソール;リアロゾール;線状ポリアミン類似体;親油性二糖ペプチド;親油性白金化合物;リッソクリナミド7;ロバプラチン;ロンブリシン;ロメトレキソール;ロニダミン;ロソキサントロン;ロキソリビン;ルルトテカン;ルテチウムテキサフィリン;リソフィリン;溶解性ペプチド;マイタンシン;マンノスタチンA;マリマスタット;マソプロコール;マスピン;マトリライシン阻害剤;マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤;メノガリル;メルバロン;メテレリン;メチオニナーゼ;メトクロプラミド;MIF阻害剤;ミフェプリストン;ミルテホシン;ミリモスチム;ミトグアゾン;ミトラクトール;マイトマイシン類似体;メトナフィド;ミトトキシン線維芽細胞成長因子-サポリン;ミトキサントロン;モファロテン;モルグラモスチム;Erbitux、ヒト絨毛性ゴナドトロピン;モノホスホリル脂質A+ミオバクテリウム細胞壁sk;モピダモール;マスタード抗癌剤;ミカペルオキシドB;ミコバクテリア細胞壁抽出物;ミリアポロン;N-アセチルジナリン;N-置換ベンズアミド;ナファレリン;ナグレスチップ;ナロキソン+ペンタゾシン;ナパビン;ナフテルピン;ナルトグラスチム;ネダプラチン;ネモルビシン;ネリドロン酸;ニルタミド;ニサマイシン;一酸化窒素調整因子;ニトロキシド酸化防止剤;ニトルリン;オブリマーセン(GENASENSE(登録商標));O6-ベンジルグアニン;オクトレオチド;オキセノン;オリゴヌクレオチド;オナプリストン;オンダンセトロン;オンダンセトロン;オラシン;経口サイトカイン誘導物質;オルマプラチン;オサテロン;オキサリプラチン;オキサウノマイシン;パクリタキセル;パクリタキセル類似体;パクリタキセル誘導体;パラウアミン;パルミトイルリゾキシン;パミドロン酸;パナキシトリオール;パノミフェン;パラバクチン;パゼリプチン;ペガスパルガーゼ;ペルデシン;多硫酸ペントサンナトリウム;ペントスタチン;ペントロゾール;ペルフルブロン;ペルホスファミド;ペリリルアルコール;フェナジノマイシン;フェニルアセタート;ホスファターゼ阻害剤;ピシバニール;ピロカルピン塩酸塩;ピラルビシン;ピリトレキシム;プラセチンA;プラセチンB;プラスミノーゲン活性化因子阻害剤;白金錯体;白金化合物;白金-トリアミン錯体;ポルフィマーナトリウム;ポルフィロマイシン;プレドニゾン;プロピルビス-アクリドン;プロスタグランジンJ2;プロテアソーム阻害剤;プロテインA系免疫調整因子;タンパク質キナーゼC阻害剤;微細藻類タンパク質キナーゼC阻害剤;タンパク質チロシンホスファターゼ阻害剤;プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤;プルプリン;ピラゾロアクリジン;ピリドキシル化ヘモグロビンポリオキシエチレンコンジュゲート;rafアンタゴニスト;ラルチトレキセド;ラモセトロン;rasファルネシルタンパク質トランスフェラーゼ阻害剤;ras阻害剤;ras-GAP阻害剤;脱メチル化レテリプチン;エチドロン酸レニウムRe186;リゾキシン;リボザイム;RIIレチンアミド;ロヒツキン;ロムルチド;ロキニメックス;ルビギノンB1;ルボキシル;サフィンゴール;サイントピン;SarCNU;サルコフィトールA;サルグラモスチム;Sdi 1模倣体;セムスチン;老化由来阻害剤1;センスオリゴヌクレオチド;シグナル伝達阻害剤;シゾフィラン;ソブゾキサン;ボロカプタートナトリウム;フェニル酢酸ナトリウム;ソルベロール;ソマトメジン結合タンパク質;ソネルミン;スパルホス酸;スピカマイシンD;スピロムスチン;スプレノペンチン;スポンギスタチン1;スクアラミン;スチピアミド;ストロメライシン阻害剤;スルフィノシン;超活性血管作用性小腸ペプチドアンタゴニスト;スラジスタ;スラミン;スワインソニン;タリムスチン;タモキシフェンメチオジド;タウロムスチン;タザロテン;テコガランナトリウム;テガフール;テルラピリリウム;テロメラーゼ阻害剤;テモポルフィン;テニポシド;テトラクロロデカオキシド;テトラゾミン;タリブラスチン;チオコラリン;トロンボポイエチン;トロンボポイエチン模倣体;チマルファシン;サイモポエチン受容体アゴニスト;チモトリナン;甲状腺刺激ホルモン;スズエチルエチオプルプリン;チラパザミン;二塩化チタノセン;トプセンチン;トレミフェン;翻訳阻害剤;トレチノイン;トリアセチルウリジン;トリシリビン;トリメトレキサート;トリプトレリン;トロピセトロン;ツロステリド;チロシンキナーゼ阻害剤;チルホスチン;UBC阻害剤;ウベニメクス;泌尿生殖洞由来成長阻害因子;ウロキナーゼ受容体アンタゴニスト;バプレオチド;バリオリンB;ベラレソール;ベラミン;ベルジン;ベルテポルフィン;ビノレルビン;ビンキサルチン;ビタキシン;ボロゾール;ザノテロン;ゼニプラチン;ジラスコルブ;及びジノスタチンスチマラマーが挙げられるが、これらに限定されない。
別の実施態様では、併用療法は、ビスホスホネートと組み合わせた、胎盤細胞の投与を含む。一実施態様では、ビスホスホネートは、クロドロネート及び/又はパミドロネートである。
具体的な実施態様では、本明細書で提供される併用療法は、1以上のTNF-α阻害剤(例えば、インフリキシマブ、アダリムマブ)、コイルチコステロイド(coirticosteroid)(例えば、プレドニゾン)、PDE-4阻害剤(例えば、アプレミリアスト(apremiliast))、IL-12阻害剤、IL-23阻害剤、アビプタジル、IFN-γ阻害剤、又は抗マラリア薬(例えば、クロロキンもしくはヒドロキシクロロキン)を組み合わせた、胎盤細胞の投与を含む。
具体的な実施態様では、第二の療法(例えば、第二の治療剤)のうちの1つ又は複数と任意に組み合わせた、胎盤細胞の該治療有効量は、該個体の1以上の肉芽腫の数、もしくはその重症度を低下させる、例えば、検出可能に低下させるか、又は該個体の1以上の肉芽腫の数、もしくはその重症度の増加速度を低下させる。
別の具体的な実施態様では、第二の療法(例えば、第二の治療剤)のうちの1つ又は複数と任意に組み合わせた、胎盤細胞の該治療有効量は、第二の療法(例えば、第二の治療剤)のうちの1つ又は複数と組み合わせて、単球、マクロファージ、もしくは活性化Tリンパ球の数を低下させる、例えば、検出可能に低下させるか、又はその数の増加速度を低下させる。別の具体的な実施態様では、第二の療法(例えば、第二の治療剤)のうちの1つ又は複数と任意に組み合わせた、胎盤細胞の該治療有効量は、第二の療法(例えば、第二の治療剤)のうちの1つ又は複数と組み合わせて、該個体の1以上のTNF-α、IL-2、IL-12、IFN-γ、IL-1、IL-6、IL-15、もしくはTh1応答のレベルを低下させる、例えば、検出可能に低下させるか、又はそのレベルの増加速度を低下させる。
(4.2 単離された胎盤細胞及び単離された胎盤細胞集団)
サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害を有する個体を有する個体の治療において有用な、単離された胎盤細胞、例えば、PDACは、胎盤又はその部分から得ることができ、組織培養基材に接着し、かつ多能性細胞又は幹細胞の特徴を有するが、栄養芽層ではない細胞である。特定の実施態様では、本明細書に開示されている方法において有用な単離された胎盤細胞は、非胎盤細胞型に分化する能力を有する。
サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害を有する個体を有する個体の治療において有用な、単離された胎盤細胞、例えば、PDACは、胎盤又はその部分から得ることができ、組織培養基材に接着し、かつ多能性細胞又は幹細胞の特徴を有するが、栄養芽層ではない細胞である。特定の実施態様では、本明細書に開示されている方法において有用な単離された胎盤細胞は、非胎盤細胞型に分化する能力を有する。
本明細書に開示されている方法において有用な単離された胎盤細胞は、胎児起源のもの又は母親起源のもののいずれかであることができる(すなわち、それぞれ、胎児又は母親のいずれかの遺伝子型を有することができる)。好ましくは、単離された胎盤細胞及び単離された胎盤細胞の集団は、胎児起源のものである。本明細書で使用されるように、「胎児起源」又は「非母親起源」という語句は、単離された胎盤細胞又は単離された胎盤細胞の集団が、胎児と関連する、すなわち、胎児の遺伝子型を有する臍帯又は胎盤構造物から得られることを示す。本明細書で使用されるように、「母親起源」という語句は、細胞又は細胞の集団が、母親と関連する、すなわち、母親の遺伝子型を有する胎盤構造物から得られることを示す。単離された胎盤細胞、例えば、PDAC、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団は、もっぱら胎児起源のものもしくは母親起源のものである単離された胎盤細胞を含むことができるか、又は胎児起源と母親起源の両方の単離された胎盤細胞の混合集団を含むことができる。単離された胎盤細胞、及び単離された胎盤細胞を含む細胞の集団は、以下で論じられている形態的特性、マーカー特性、及び培養特性によって同定及び選択することができる。特定の実施態様では、本明細書に記載の胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞はいずれも、レシピエント、例えば、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害を有する個体にとって自己のものである。特定の他の実施態様では、本明細書に記載の胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞はいずれも、レシピエント、例えば、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害を有する個体にとって同種異系のものである。
(4.2.1 物理的及び形態的特性)
本明細書に記載の単離された胎盤細胞(PDAC)は、初代培養又は細胞培養で培養したとき、組織培養基材、例えば、組織培養容器表面(例えば、組織培養プラスチック)、又はラミニン、コラーゲン(例えば、天然物もしくは変性物)、ゼラチン、フィブロネクチン、オルニチン、ビトロネクチン、及び細胞外膜タンパク質(例えば、MATRIGEL(登録商標)(BD Discovery Labware, Bedford, Mass.))などの細胞外マトリックスもしくはリガンドをコーティングした組織培養表面に接着する。培養下の単離された胎盤細胞は、通常、線維芽細胞のような星状の外観をしており、いくつかの細胞質突起が中央の細胞体から伸びている。しかしながら、単離された胎盤細胞は、線維芽細胞よりも多くのそのような突起を示すので、これらの細胞は、同じ条件下で培養された線維芽細胞と形態的に区別することができる。形態的には、単離された胎盤細胞は、造血幹細胞からも区別することができ、造血幹細胞は、通常、培養下では、より丸みを帯びた、又は敷石状の形態をとる。
本明細書に記載の単離された胎盤細胞(PDAC)は、初代培養又は細胞培養で培養したとき、組織培養基材、例えば、組織培養容器表面(例えば、組織培養プラスチック)、又はラミニン、コラーゲン(例えば、天然物もしくは変性物)、ゼラチン、フィブロネクチン、オルニチン、ビトロネクチン、及び細胞外膜タンパク質(例えば、MATRIGEL(登録商標)(BD Discovery Labware, Bedford, Mass.))などの細胞外マトリックスもしくはリガンドをコーティングした組織培養表面に接着する。培養下の単離された胎盤細胞は、通常、線維芽細胞のような星状の外観をしており、いくつかの細胞質突起が中央の細胞体から伸びている。しかしながら、単離された胎盤細胞は、線維芽細胞よりも多くのそのような突起を示すので、これらの細胞は、同じ条件下で培養された線維芽細胞と形態的に区別することができる。形態的には、単離された胎盤細胞は、造血幹細胞からも区別することができ、造血幹細胞は、通常、培養下では、より丸みを帯びた、又は敷石状の形態をとる。
特定の実施態様では、本明細書に開示されている方法において有用な単離された胎盤細胞は、成長培地中で培養したときに、胚様体様体を発生させる。胚様体様体は、増殖している単離された胎盤細胞の接着層の最上部で成長することができる不連続な細胞塊である。該細胞塊が、胚性幹細胞の培養物から成長する細胞塊である胚様体に似ているので、「胚様体様」という用語が用いられる。胚様体様体が、単離された胎盤細胞の増殖する培養物中に発生することができる成長培地としては、例えば、DMEM-LG(例えば、Gibco製);2%胎仔ウシ血清(例えば、Hyclone Labs.製);1×インスリン-トランスフェリン-セレン(ITS);1×リノール酸-ウシ血清アルブミン(LA-BSA);10-9Mデキサメタゾン(例えば、Sigma製);10-4Mアスコルビン酸2-ホスフェート(例えば、Sigma製);上皮成長因子10ng/mL(例えば、R&D Systems製);及び血小板由来成長因子(PDGF-BB)10ng/mL(例えば、R&D Systems製)を含む培地が挙げられる。
(4.2.2 細胞表面マーカー、分子マーカー、及び遺伝子マーカー)
本明細書に開示されている方法、例えば、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害の治療方法において有用な、単離された胎盤細胞、例えば、単離された多能性胎盤細胞又は単離された胎盤幹細胞、及びそのような単離された胎盤細胞の集団は、多能性細胞又は幹細胞の特徴を有し、かつ幹細胞を含む細胞、又は幹細胞を含む細胞の集団を同定及び/又は単離するために用いることができる複数のマーカーを発現する組織培養プラスチック接着性ヒト胎盤細胞である。特定の実施態様では、PDACは、例えば、インビトロ又はインビボで血管形成性である。本明細書に記載の単離された胎盤細胞、及び胎盤細胞集団(すなわち、2以上の単離された胎盤細胞)には、胎盤、又はその任意の部分(例えば、絨毛膜、胎盤葉など)から直接得られる胎盤細胞及び胎盤細胞含有細胞集団が含まれる。単離された胎盤細胞集団には、培養下の単離された胎盤細胞の集団(すなわち、2以上の単離された胎盤細胞)、及び容器、例えば、バッグの中の集団も含まれる。本明細書に記載の単離された胎盤細胞は、骨髄由来間葉系細胞でも、脂肪由来間葉系幹細胞でも、臍帯血、胎盤血、又は末梢血から得られる間葉系細胞でもない。本明細書に記載の方法及び組成物において有用な、胎盤細胞、例えば、胎盤多能性細胞及び胎盤細胞は本明細書に記載されており、かつ例えば、その開示が、その全体として引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第7,311,904号;第7,311,905号;及び第7,468,276号;並びに米国特許出願公開第2007/0275362号に記載されている。
本明細書に開示されている方法、例えば、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害の治療方法において有用な、単離された胎盤細胞、例えば、単離された多能性胎盤細胞又は単離された胎盤幹細胞、及びそのような単離された胎盤細胞の集団は、多能性細胞又は幹細胞の特徴を有し、かつ幹細胞を含む細胞、又は幹細胞を含む細胞の集団を同定及び/又は単離するために用いることができる複数のマーカーを発現する組織培養プラスチック接着性ヒト胎盤細胞である。特定の実施態様では、PDACは、例えば、インビトロ又はインビボで血管形成性である。本明細書に記載の単離された胎盤細胞、及び胎盤細胞集団(すなわち、2以上の単離された胎盤細胞)には、胎盤、又はその任意の部分(例えば、絨毛膜、胎盤葉など)から直接得られる胎盤細胞及び胎盤細胞含有細胞集団が含まれる。単離された胎盤細胞集団には、培養下の単離された胎盤細胞の集団(すなわち、2以上の単離された胎盤細胞)、及び容器、例えば、バッグの中の集団も含まれる。本明細書に記載の単離された胎盤細胞は、骨髄由来間葉系細胞でも、脂肪由来間葉系幹細胞でも、臍帯血、胎盤血、又は末梢血から得られる間葉系細胞でもない。本明細書に記載の方法及び組成物において有用な、胎盤細胞、例えば、胎盤多能性細胞及び胎盤細胞は本明細書に記載されており、かつ例えば、その開示が、その全体として引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許第7,311,904号;第7,311,905号;及び第7,468,276号;並びに米国特許出願公開第2007/0275362号に記載されている。
特定の実施態様では、単離された胎盤細胞は、単離された胎盤幹細胞である。特定の他の実施態様では、単離された胎盤細胞は、単離された胎盤多能性細胞である。一実施態様では、単離された胎盤細胞、例えば、PDACは、フローサイトメトリーで検出した場合、CD34-、CD10+、及びCD105+である。別の具体的な実施態様では、単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞は、神経表現型の細胞、骨形成表現型の細胞、及び/又は軟骨形成表現型の細胞に分化する潜在能力を有する。別の具体的な実施態様では、単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞はさらに、CD200+である。別の具体的な実施態様では、単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞はさらに、CD45-又はCD90+である。別の具体的な実施態様では、単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞はさらに、フローサイトメトリーで検出した場合、CD45-及びCD90+である。別の具体的な実施態様では、単離されたCD34-、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞はさらに、フローサイトメトリーで検出した場合、CD90+又はCD45-である。別の具体的な実施態様では、単離されたCD34-、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞はさらに、フローサイトメトリーで検出した場合、CD90+及びCD45-である、すなわち、該細胞は、CD34-、CD10+、CD45-、CD90+、CD105+、及びCD200+である。別の具体的な実施態様では、該CD34-、CD10+、CD45-、CD90+、CD105+、CD200+細胞はさらに、CD80-及びCD86-である。
特定の実施態様では、該胎盤細胞は、フローサイトメトリーで検出した場合、CD34-、CD10+、CD105+、及びCD200+、かつCD38-、CD45-、CD80-、CD86-、CD133-、HLA-DR、DP、DQ-、SSEA3-、SSEA4-、CD29+、CD44+、CD73+、CD90+、CD105+、HLA-A,B,C+、PDL1+、ABC-p+、及び/又はOCT-4+のうちの1つ又は複数である。他の実施態様では、上記のCD34-、CD10+、CD105+細胞はいずれもさらに、CD29+、CD38-、CD44+、CD54+、SH3+、又はSH4+のうちの1つ又は複数である。別の具体的な実施態様では、該細胞はさらに、CD44+である。上記の単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞のいずれかの別の具体的な実施態様では、該細胞はさらに、CD117-、CD133-、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A,B,C+、HLA-DP、DQ、DR-、もしくはプログラム死-1リガンド(PDL1)+のうちの1つもしくは複数、又はそれらの任意の組合せである。
別の実施態様では、CD34-、CD10+、CD105+細胞はさらに、CD13+、CD29+、CD33+、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD62E-、CD62L-、CD62P-、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80-、CD86-、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117-、CD144/VE-カドヘリンlow、CD184/CXCR4-、CD200+、CD133-、OCT-4+、SSEA3-、SSEA4-、ABC-p+、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A,B,C+、HLA-DP、DQ、DR-、HLA-G-、もしくはプログラム死-1リガンド(PDL1)+のうちの1つもしくは複数、又はそれらの任意の組合せである。他の実施態様では、CD34-、CD10+、CD105+細胞はさらに、CD13+、CD29+、CD33+、CD38-、CD44+、CD45-、CD54/ICAM+、CD62E-、CD62L-、CD62P-、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80-、CD86-、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117-、CD144/VE-カドヘリンlow、CD184/CXCR4-、CD200+、CD133-、OCT-4+、SSEA3-、SSEA4-、ABC-p+、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A,B,C+、HLA-DP、DQ、DR-、HLA-G-、及びプログラム死-1リガンド(PDL1)+である。
別の具体的な実施態様では、本明細書に記載の胎盤幹胞はいずれもさらに、フローサイトメトリーで検出した場合、ABC-p+、又はRT-PCRで決定した場合、OCT-4+(POU5F1+)であり、ここで、ABC-pは、胎盤特異的ABC輸送体タンパク質(乳癌耐性タンパク質(BCRP)及びミトキサントロン耐性タンパク質(MXR)としても知られる)であり、かつOCT-4は、オクタマー-4タンパク質(POU5F1)である。別の具体的な実施態様では、本明細書に記載の胎盤細胞はいずれもさらに、フローサイトメトリーで決定した場合、SSEA3-又はSSEA4-であり、ここで、SSEA3はステージ特異的胚抗原3であり、かつSSEA4はステージ特異的胚抗原4である。別の具体的な実施態様では、本明細書に記載の胎盤細胞はいずれもさらに、SSEA3-及びSSEA4-である。
別の具体的な実施態様では、本明細書に記載の胎盤細胞はいずれもさらに、MHC-I+(例えば、HLA-A,B,C+)、MHC-II-(例えば、HLA-DP、DQ、DR-)、又はHLA-G-のうちの1つ又は複数である。別の具体的な実施態様では、本明細書に記載の胎盤細胞はいずれもさらに、MHC-I+(例えば、HLA-A,B,C+)、MHC-II-(例えば、HLA-DP、DQ、DR-)、及びHLA-G-のうちの1つ又は複数である。
本明細書に開示されている方法及び組成物において有用である、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む、例えば、単離された胎盤細胞が濃縮されている、細胞の集団、例えば、胎盤細胞の集団も本明細書で提供される。好ましい細胞の集団は、単離された胎盤細胞を含み、ここで、該細胞の集団は、例えば、少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%の単離されたCD10+、CD105+、及びCD34-胎盤細胞を含む;すなわち、該集団内の細胞の少なくとも10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、又は98%は、単離されたCD10+、CD105+、及びCD34-胎盤細胞である。具体的な実施態様では、単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞はさらに、CD200+である。別の具体的な実施態様では、単離されたCD34-、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞はさらに、フローサイトメトリーで検出した場合、CD90+又はCD45-である。別の具体的な実施態様では、単離されたCD34-、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞はさらに、フローサイトメトリーで検出した場合、CD90+及びCD45-である。別の具体的な実施態様では、上記の単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞はいずれもさらに、CD29+、CD38-、CD44+、CD54+、SH3+、又はSH4+のうちの1つ又は複数である。別の具体的な実施態様では、単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞、又は単離されたCD34-、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞はさらに、CD44+である。上記の単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞を含む細胞の集団のいずれかの具体的な実施態様では、単離された胎盤細胞はさらに、CD13+、CD29+、CD33+、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD62E-、CD62L-、CD62P-、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80-、CD86-、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117-、CD144/VE-カドヘリンlow、CD184/CXCR4-、CD200+、CD133-、OCT-4+、SSEA3-、SSEA4-、ABC-p+、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A,B,C+、HLA-DP、DQ、DR-、HLA-G-、もしくはプログラム死-1リガンド(PDL1)+のうちの1つもしくは複数、又はそれらの任意の組合せである。別の具体的な実施態様では、CD34-、CD10+、CD105+細胞はさらに、CD13+、CD29+、CD33+、CD38-、CD44+、CD45-、CD54/ICAM+、CD62E-、CD62L-、CD62P-、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80-、CD86-、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117-、CD144/VE-カドヘリンlow、CD184/CXCR4-、CD200+、CD133-、OCT-4+、SSEA3-、SSEA4-、ABC-p+、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A,B,C+、HLA-DP、DQ、DR-、HLA-G-、及びプログラム死-1リガンド(PDL1)+である。
特定の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3-、SSEA4-、OCT-4+、及びABC-p+のうちの1つもしくは複数、又は全てであり、ここで、該単離された胎盤細胞は、胎盤組織の物理的及び/又は酵素的破壊によって得られる。具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、OCT-4+及びABC-p+である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、OCT-4+及びCD34-であり、ここで、該単離された胎盤細胞は、以下の特徴のうちの少なくとも1つを有する:CD10+、CD29+、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH3+、SH4+、SSEA3-、及びSSEA4-。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、OCT-4+、CD34-、CD10+、CD29+、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH3+、SH4+、SSEA3-、及びSSEA4-である。別の実施態様では、該単離された胎盤細胞は、OCT-4+、CD34-、SSEA3-、及びSSEA4-である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、OCT-4+及びCD34-であり、かつSH2+又はSH3+のいずれかである。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、OCT-4+、CD34-、SH2+、及びSH3+である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、OCT-4+、CD34-、SSEA3-、及びSSEA4-であり、かつSH2+又はSH3+のいずれかである。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、OCT-4+及びCD34-であり、かつSH2+又はSH3+のいずれかであり、かつCD10+、CD29+、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SSEA3-、又はSSEA4-のうちの少なくとも1つである。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、OCT-4+、CD34-、CD10+、CD29+、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SSEA3-、及びSSEA4-であり、かつSH2+又はSH3+のいずれかである。
別の実施態様では、本明細書に開示されている方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、SH2+、SH3+、SH4+、及びOCT-4+である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD44+、CD54+、CD90+、CD34-、CD45-、SSEA3-、又はSSEA4-である。別の実施態様では、該単離された胎盤細胞は、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3-、及びSSEA4-である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3-、及びSSEA4-、CD10+、CD29+、CD44+、CD54+、CD90+、OCT-4+、CD34-、又はCD45-である。
別の実施態様では、本明細書に開示されている方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、及びSH4+であり;ここで、該単離された胎盤細胞はさらに、OCT-4+、SSEA3-、又はSSEA4-のうちの1つ又は複数である。
特定の実施態様では、本明細書に開示されている方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD200+又はHLA-G-である。具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、CD200+及びHLA-G-である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞はさらに、CD73+及びCD105+である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、又はCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、及びCD45-である。別の具体的な実施態様では、該幹細胞は、CD34-、CD38-、CD45-、CD73+、及びCD105+である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD200+又はHLA-G-胎盤細胞は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で、該単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞の集団内での胚様体様体の形成を促進する。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、幹細胞でも多能性細胞でもない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、これらのマーカーを示さない胎盤細胞から単離されている。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な細胞集団は、CD200+、HLA-G-幹細胞を含む、例えば、CD200+、HLA-G-幹細胞が濃縮されている、細胞の集団である。具体的な実施態様では、該集団は、胎盤細胞の集団である。様々な実施態様では、該細胞集団内の細胞の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%は、単離されたCD200+、HLA-G-胎盤細胞である。好ましくは、該細胞集団内の細胞の少なくとも約70%は、単離されたCD200+、HLA-G-胎盤細胞である。より好ましくは、該細胞の少なくとも約90%、95%、又は99%は、単離されたCD200+、HLA-G-胎盤細胞である。該細胞集団の具体的な実施態様では、該単離されたCD200+、HLA-G-胎盤細胞は、CD73+及びCD105+でもある。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD200+、HLA-G-胎盤細胞は、CD34-、CD38-、又はCD45-でもある。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD200+、HLA-G-胎盤細胞は、CD34-、CD38-、CD45-、CD73+、及びCD105+でもある。別の実施態様では、該細胞集団は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、1以上の胚様体様体を生じさせる。別の具体的な実施態様では、該細胞集団は、幹細胞ではない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD200+、HLA-G-胎盤細胞は、これらのマーカーを示さない胎盤細胞から単離されている。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD73+、CD105+、及びCD200+である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、HLA-G-である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、CD34-、CD38-、又はCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、CD34-、CD38-、及びCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、CD34-、CD38-、CD45-、及びHLA-G-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+、及びCD200+胎盤細胞は、該単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進する。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、単離された胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、これらのマーカーを示さない胎盤細胞から単離されている。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な細胞集団は、単離されたCD73+、CD105+、CD200+胎盤細胞を含む、例えば、単離されたCD73+、CD105+、CD200+胎盤細胞が濃縮されている、細胞の集団である。様々な実施態様では、該細胞集団内の細胞の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%は、単離されたCD73+、CD105+、CD200+胎盤細胞である。別の実施態様では、該細胞の集団内の該細胞の少なくとも約70%は、単離されたCD73+、CD105+、CD200+胎盤細胞である。別の実施態様では、該細胞の集団内の細胞の少なくとも約90%、95%、又は99%は、単離されたCD73+、CD105+、CD200+胎盤細胞である。該集団の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、HLA-G-である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、又はCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、及びCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、CD45-、及びHLA-G-である。別の具体的な実施態様では、該細胞の集団は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、1以上の胚様体様体を生じさせる。別の具体的な実施態様では、該胎盤細胞の集団は、幹細胞でない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該胎盤細胞の集団は、これらの特徴を示さない胎盤細胞から単離されている。
特定の他の実施態様では、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3-、SSEA4-、OCT-4+、HLA-G-、又はABC-p+のうちの1つ又は複数である。具体的な実施態様では、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3-、SSEA4-、及びOCT-4+である。別の具体的な実施態様では、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38-、CD45-、CD54+、SH2+、SH3+、及びSH4+である。別の具体的な実施態様では、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38-、CD45-、CD54+、SH2+、SH3+、SH4+、及びOCT-4+である。別の具体的な実施態様では、単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、HLA-G-、SH2+、SH3+、SH4+である。別の具体的な実施態様では、単離された胎盤細胞は、OCT-4+及びABC-p+である。別の具体的な実施態様では、単離された胎盤細胞は、SH2+、SH3+、SH4+、及びOCT-4+である。別の実施態様では、単離された胎盤細胞は、OCT-4+、CD34-、SSEA3-、及びSSEA4-である。具体的な実施態様では、該単離されたOCT-4+、CD34-、SSEA3-、及びSSEA4-胎盤細胞はさらに、CD10+、CD29+、CD34-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、及びSH4+である。別の実施態様では、単離された胎盤細胞は、OCT-4+及びCD34-であり、かつSH3+又はSH4+のいずれかである。別の実施態様では、単離された胎盤細胞は、CD34-、かつCD10+、CD29+、CD44+、CD54+、CD90+、又はOCT-4+のいずれかである。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD200+及びOCT-4+である。具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、CD73+及びCD105+である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、HLA-G-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD200+、OCT-4+胎盤細胞は、CD34-、CD38-、又はCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD200+、OCT-4+胎盤細胞は、CD34-、CD38-、及びCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD200+、OCT-4+胎盤細胞は、CD34-、CD38-、CD45-、CD73+、CD105+、及びHLA-G-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD200+、OCT-4+胎盤細胞は、該単離された細胞を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該集団による1以上の胚様体様体の産生を促進する。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD200+、OCT-4+胎盤細胞は、幹細胞ではない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD200+、OCT-4+胎盤細胞は、これらの特徴を示さない胎盤細胞から単離されている。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な細胞集団は、CD200+、OCT-4+胎盤細胞を含む、例えば、CD200+、OCT-4+胎盤細胞が濃縮されている、細胞の集団である。様々な実施態様では、該細胞集団内の細胞の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%は、単離されたCD200+、OCT-4+胎盤細胞である。別の実施態様では、該細胞の少なくとも約70%は、該単離されたCD200+、OCT-4+胎盤細胞である。別の実施態様では、該細胞集団内の細胞の少なくとも約80%、90%、95%、又は99%は、該単離されたCD200+、OCT-4+胎盤細胞である。該単離された集団の具体的な実施態様では、該単離されたCD200+、OCT-4+胎盤細胞はさらに、CD73+及びCD105+である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD200+、OCT-4+胎盤細胞はさらに、HLA-G-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD200+、OCT-4+胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、及びCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD200+、OCT-4+胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、CD45-、CD73+、CD105+、及びHLA-G-である。別の具体的な実施態様では、該細胞集団は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、1以上の胚様体様体を産生する。別の具体的な実施態様では、該細胞集団は、単離されたCD200+、OCT-4+胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該細胞集団は、これらのマーカーを示さない胎盤細胞から単離されている。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD73+、CD105+、及びHLA-G-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+、及びHLA-G-胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、又はCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、及びCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞はさらに、OCT-4+である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞はさらに、CD200+である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、CD45-、OCT-4+、及びCD200+である。別の具体的な実施態様では、単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞は、該細胞を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該集団内での胚様体様体の形成を促進する。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞は、該単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞は、これらのマーカーを示さない胎盤細胞から単離されている。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な細胞集団は、単離されたCD73+、CD105+、及びHLA-G-胎盤細胞を含む、例えば、単離されたCD73+、CD105+、及びHLA-G-胎盤細胞が濃縮されている、細胞の集団である。様々な実施態様では、該細胞の集団内の細胞の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%は、単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞である。別の実施態様では、該細胞の集団内の細胞の少なくとも約70%は、単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞である。別の実施態様では、該細胞の集団内の細胞の少なくとも約90%、95%、又は99%は、単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞である。上記の集団の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、又はCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、及びCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞はさらに、OCT-4+である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞はさらに、CD200+である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、CD45-、OCT-4+、及びCD200+である。別の具体的な実施態様では、該細胞集団は、CD73+、CD105+、HLA-G-胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該細胞集団は、これらのマーカーを示さない胎盤細胞から単離されている。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD73+及びCD105+であり、かつ該CD73+、CD105+細胞を含む単離された胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進する。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、又はCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、及びCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞はさらに、OCT-4+である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞はさらに、OCT-4+、CD34-、CD38-、及びCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、該細胞ではない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞は、これらの特徴を示さない胎盤細胞から単離されている。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な細胞集団は、CD73+、CD105+であり、かつ該細胞を含む単離された胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進する単離された胎盤細胞を含む、例えば、該単離された胎盤細胞が濃縮されている、細胞の集団である。様々な実施態様では、該細胞の集団内の細胞の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%は、該単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞である。別の実施態様では、該細胞の集団内の細胞の少なくとも約70%は、該単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞である。別の実施態様では、該細胞の集団内の細胞の少なくとも約90%、95%、又は99%は、該単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞である。上記の集団の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、又はCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、及びCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞はさらに、OCT-4+である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞はさらに、CD200+である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、CD45-、OCT-4+、及びCD200+である。別の具体的な実施態様では、該細胞集団は、該単離されたCD73+、CD105+胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該細胞集団は、これらのマーカーを示さない胎盤細胞から単離されている。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、OCT-4+であり、かつ胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該細胞を含む単離された胎盤細胞の集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進する。具体的な実施態様では、該単離されたOCT-4+胎盤細胞はさらに、CD73+及びCD105+である。別の具体的な実施態様では、該単離されたOCT-4+胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、又はCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたOCT-4+胎盤細胞はさらに、CD200+である。別の具体的な実施態様では、該単離されたOCT-4+胎盤細胞はさらに、CD73+、CD105+、CD200+、CD34-、CD38-、及びCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたOCT-4+胎盤細胞は、OCT-4+胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該単離されたOCT-4+胎盤細胞は、これらの特徴を示さない胎盤細胞から単離されている。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な細胞集団は、OCT-4+であり、かつ該細胞を含む単離された胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進する単離された胎盤細胞を含む、例えば、該単離された胎盤細胞が濃縮されている、細胞の集団である。様々な実施態様では、該細胞の集団内の細胞の少なくとも約10%、少なくとも約20%、少なくとも約30%、少なくとも約40%、少なくとも約50%、又は少なくとも約60%は、該単離されたOCT-4+胎盤細胞である。別の実施態様では、該細胞の集団内の細胞の少なくとも約70%は、該単離されたOCT-4+胎盤細胞である。別の実施態様では、該細胞の集団内の細胞の少なくとも約80%、90%、95%、又は99%は、該単離されたOCT-4+胎盤細胞である。上記の集団の具体的な実施態様では、該単離されたOCT-4+胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、又はCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたOCT-4+胎盤細胞はさらに、CD34-、CD38-、及びCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたOCT-4+胎盤細胞はさらに、CD73+及びCD105+である。別の具体的な実施態様では、該単離されたOCT-4+胎盤細胞はさらに、CD200+である。別の具体的な実施態様では、該単離されたOCT-4+胎盤細胞はさらに、CD73+、CD105+、CD200+、CD34-、CD38-、及びCD45-である。別の具体的な実施態様では、該細胞集団は、該細胞ではない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該細胞集団は、これらのマーカーを示さない胎盤細胞から単離されている。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、単離されたHLA-A,B,C+、CD45-、CD133-、及びCD34-胎盤細胞である。別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な細胞集団は、単離された胎盤細胞を含む細胞の集団であり、ここで、該単離された細胞集団内の細胞の少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%は、単離されたHLA-A,B,C+、CD45-、CD133-、及びCD34-胎盤細胞である。具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞又は単離された胎盤細胞の集団は、HLA-A,B,C+、CD45-、CD133-、及びCD34-胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、非母親起源のものである。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞集団は、母親成分を実質的に含まず;例えば、該単離された胎盤細胞集団内の該細胞の少なくとも約40%、45%、5-0%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、非母親起源のものである。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、単離されたCD10+、CD13+、CD33+、CD45-、CD117-、及びCD133-胎盤細胞である。別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な細胞集団は、単離された胎盤細胞を含む細胞の集団であり、ここで、該細胞の集団内の細胞の少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%は、単離されたCD10+、CD13+、CD33+、CD45-、CD117-、及びCD133-胎盤細胞である。具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞又は単離された胎盤細胞の集団は、該単離された胎盤細胞ではない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD10+、CD13+、CD33+、CD45-、CD117-、及びCD133-胎盤細胞は、非母親起源のものである、すなわち、胎児の遺伝子型を有する。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞集団内の該細胞の少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、非母親起源のものである。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞又は単離された胎盤細胞の集団は、これらの特徴を示さない胎盤細胞から単離されている。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、単離されたCD10-、CD33-、CD44+、CD45-、及びCD117-胎盤細胞である。別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な細胞集団は、単離された胎盤細胞を含む、例えば、単離された胎盤細胞が濃縮されている、細胞の集団であり、ここで、該細胞の集団内の細胞の少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%は、単離されたCD10-、CD33-、CD44+、CD45-、及びCD117-胎盤細胞である。具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞又は単離された胎盤細胞の集団は、該細胞ではない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、非母親起源のものである。別の具体的な実施態様では、該細胞集団内の該細胞の少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、非母親起源のものである。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞又は単離された胎盤細胞の集団は、これらのマーカーを示さない胎盤細胞から単離されている。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、単離されたCD10-、CD13-、CD33-、CD45-、及びCD117-胎盤細胞である。別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な細胞集団は、単離されたCD10-、CD13-、CD33-、CD45-、及びCD117-胎盤細胞を含む、例えば、該胎盤細胞が濃縮されている、細胞の集団であり、ここで、該集団内の細胞の少なくとも約70%、少なくとも約80%、少なくとも約90%、少なくとも約95%、又は少なくとも約99%は、CD10-、CD13-、CD33-、CD45-、及びCD117-胎盤細胞である。具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞又は単離された胎盤細胞の集団は、該細胞ではない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、非母親起源のものである。別の具体的な実施態様では、該細胞集団内の該細胞の少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、非母親起源のものである。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞又は単離された胎盤細胞の集団は、これらの特徴を示さない胎盤細胞から単離されている。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、HLA A、B、C+、CD45-、CD34-、及びCD133-であり、かつさらに、CD10+、CD13+、CD38+、CD44+、CD90+、CD105+、CD200+、及び/もしくはHLA-G-であり、かつ/又はCD117陰性である。別の実施態様では、本明細書に記載の方法において有用な細胞集団は、単離された胎盤細胞を含む細胞の集団であり、ここで、該集団内の細胞の少なくとも約20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は約99%は、HLA A、B、C-、CD45-、CD34-、CD133-であり、かつさらにCD10、CD13、CD38、CD44、CD90、CD105、CD200が陽性であり、かつ/又はCD117及び/もしくはHLA-Gが陰性である単離された胎盤細胞である。具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞又は単離された胎盤細胞の集団は、該細胞ではない胎盤細胞から単離されている。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、非母親起源のものである。別の具体的な実施態様では、該細胞集団内の該細胞の少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、非母親起源のものである。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞又は単離された胎盤細胞の集団は、これらのマーカーを示さない胎盤細胞から単離されている。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、抗体結合によって決定した場合、CD200+及びCD10+であり、かつ抗体結合とRT-PCRの両方で決定した場合、CD117-である単離された胎盤細胞である。別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29-、CD54+、CD200+、HLA-G-、MHCクラスI+、及びβ-2-ミクログロブリン+である、単離された胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞である。別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、少なくとも1つの細胞マーカーの発現が、間葉系幹細胞(例えば、骨髄由来間葉系幹細胞)の場合よりも少なくとも2倍高い胎盤細胞である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、非母親起源のものである。別の具体的な実施態様では、該細胞集団内の該細胞の少なくとも約40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、90%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、非母親起源のものである。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD44+、CD45-、CD54/ICAM+、CD62E-、CD62L-、CD62P-、CD80-、CD86-、CD103-、CD104-、CD105+、CD106/VCAM+、CD144/VE-カドヘリンlow、CD184/CXCR4-、β2-ミクログロブリンlow、MHC-Ilow、MHC-II-、HLA-Glow、及び/又はPDL1lowのうちの1つ又は複数である、単離された胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞である。具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、少なくともCD29+及びCD54+である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、少なくともCD44+及びCD106+である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、少なくともCD29+である。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な細胞集団は、単離された胎盤細胞を含み、かつ該細胞集団内の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、又は99%は、CD10+、CD29+、CD44+、CD45-、CD54/ICAM+、CD62-E-、CD62-L-、CD62-P-、CD80-、CD86-、CD103-、CD104-、CD105+、CD106/VCAM+、CD144/VE-カドヘリンdim、CD184/CXCR4-、β2-ミクログロブリンdim、HLA-Idim、HLA-II-、HLA-Gdim、及び/又はPDL1dimのうちの1つ又は複数である単離された胎盤細胞である。別の具体的な実施態様では、該細胞集団内の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、98%、又は99%は、CD10+、CD29+、CD44+、CD45-、CD54/ICAM+、CD62-E-、CD62-L-、CD62-P-、CD80-、CD86-、CD103-、CD104-、CD105+、CD106/VCAM+、CD144/VE-カドヘリンdim、CD184/CXCR4-、β2-ミクログロブリンdim、MHC-Idim、MHC-II-、HLA-Gdim、及びPDL1dimである。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、CD10+、CD29+、CD34-、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD90+、SH2+、SH3+、SH4+、SSEA3-、SSEA4-、OCT-4+、及びABC-p+のうちの1つもしくは複数、又は全てである単離された胎盤細胞であり、ここで、ABC-pは、胎盤特異的ABC輸送体タンパク質(乳癌耐性タンパク質(BCRP)及びミトキサントロン耐性タンパク質(MXR)としても知られる)であり、ここで、該単離された胎盤細胞は、臍帯血が抜かれ、かつ残留血液を取り除くように灌流された、哺乳動物、例えば、ヒトの胎盤の灌流によって得られる。
上記の特徴のいずれかの別の具体的な実施態様では、細胞マーカー(例えば、分化抗原群又は免疫学的マーカー)の発現は、フローサイトメトリーで決定され;別の具体的な実施態様では、該マーカーの発現は、RT-PCRで決定される。
遺伝子プロファイリングによって、単離された胎盤細胞、及び単離された胎盤細胞の集団は、他の細胞、例えば、間葉系幹細胞、例えば、骨髄由来間葉系幹細胞と区別可能であることが確認されている。本明細書に記載の単離された胎盤細胞は、例えば、その発現が、骨髄由来間葉系幹細胞と比較して、単離された胎盤細胞、又は特定の単離された臍帯幹細胞で有意により高い、1種以上の遺伝子の発現に基づいて、間葉系幹細胞と区別することができる。特に、本明細書で提供される治療方法において有用な単離された胎盤細胞は、その発現が、同等数の骨髄由来間葉系幹細胞でよりも、単離された胎盤細胞で有意により高い(すなわち、少なくとも2倍高い)1種以上の遺伝子の発現に基づいて、間葉系幹細胞と区別することができ、ここで、該1種以上の遺伝子は、これらの細胞を同等の条件下で成長させたとき、ACTG2、ADARB1、AMIGO2、ARTS-1、B4GALT6、BCHE、C11orf9、CD200、COL4A1、COL4A2、CPA4、DMD、DSC3、DSG2、ELOVL2、F2RL1、FLJ10781、GATA6、GPR126、GPRC5B、HLA-G、ICAM1、IER3、IGFBP7、IL1A、IL6、IL18、KRT18、KRT8、LIPG、LRAP、MATN2、MEST、NFE2L3、NUAK1、PCDH7、PDLIM3、PKP2、RTN1、SERPINB9、ST3GAL6、ST6GALNAC5、SLC12A8、TCF21、TGFB2、VTN、ZC3H12A、又は前述のもののいずれかの組合せである。例えば、その開示が、その全体として引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許出願公開第2007/0275362号を参照されたい。特定の具体的な実施態様では、該1種以上の遺伝子の該発現は、例えば、RT-PCR、又は例えば、U133-Aマイクロアレイ(Affymetrix)を用いるマイクロアレイ解析によって決定される。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、DMEM-LG(例えば、Gibco製);2%胎仔ウシ血清(例えば、Hyclone Labs.製);1×インスリン-トランスフェリン-セレン(ITS);1×リノール酸-ウシ血清アルブミン(LA-BSA);10-9Mデキサメタゾン(例えば、Sigma製);10-4Mアスコルビン酸2-ホスフェート(例えば、Sigma製);上皮成長因子10ng/mL(例えば、R&D Systems製);及び血小板由来成長因子(PDGF-BB)10ng/mL(例えば、R&D Systems製)を含む培地中で、何回かの集団倍加、例えば、約3〜約35回の範囲の集団倍加の間、培養したときに、該1種以上の遺伝子を発現する。別の具体的な実施態様では、単離された胎盤細胞に特異的な又は単離された臍帯細胞に特異的な遺伝子は、CD200である。
これらの遺伝子に対する特異的な配列は、2008年3月現在、GenBankにおいて、アクセッション番号NM_001615(ACTG2)、BC065545(ADARB1)、(NM_181847(AMIG02)、AY358590(ARTS-1)、BC074884(B4GALT6)、BC008396(BCHE)、BC020196(C11orf9)、BC031103(CD200)、NM_001845(COL4A1)、NM_001846(COL4A2)、BC052289(CPA4)、BC094758(DMD)、AF293359(DSC3)、NM_001943(DSG2)、AF338241(ELOVL2)、AY336105(F2RL1)、NM_018215(FLJ10781)、AY416799(GATA6)、BC075798(GPR126)、NM_016235(GPRC5B)、AF340038(ICAM1)、BC000844(IER3)、BC066339(IGFBP7)、BC013142(IL1A)、BT019749(IL6)、BC007461(IL18)、(BC072017)KRT18、BC075839(KRT8)、BC060825(LIPG)、BC065240(LRAP)、BC010444(MATN2)、BC011908(MEST)、BC068455(NFE2L3)、NM_014840(NUAK1)、AB006755(PCDH7)、NM_014476(PDLIM3)、BC126199(PKP-2)、BC090862(RTN1)、BC002538(SERPINB9)、BC023312(ST3GAL6)、BC001201(ST6GALNAC5)、BC126160又はBC065328(SLC12A8)、BC025697(TCF21)、BC096235(TGFB2)、BC005046(VTN)、及びBC005001(ZC3H12A)で見出すことができる。
特定の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、これらの細胞を同等の条件下で成長させたとき、同等数の骨髄由来間葉系幹細胞よりも検出可能に高いレベルで、ACTG2、ADARB1、AMIG02、ARTS-1、B4GALT6、BCHE、C11orf9、CD200、COL4A1、COL4A2、CPA4、DMD、DSC3、DSG2、ELOVL2、F2RL1、FLJ10781、GATA6、GPR126、GPRC5B、HLA-G、ICAM1、IER3、IGFBP7、IL1A、IL6、IL18、KRT18、KRT8、LIPG、LRAP、MATN2、MEST、NFE2L3、NUAK1、PCDH7、PDLIM3、PKP2、RTN1、SERPINB9、ST3GAL6、ST6GALNAC5、SLC12A8、TCF21、TGFB2、VTN、及びZC3H12Aの各々を発現する。
具体的な実施態様では、胎盤細胞は、同等数の骨髄由来間葉系幹細胞(BM-MSC)よりも検出可能に高いレベルで、CD200及びARTS1(1型腫瘍壊死因子のアミノペプチダーゼ調節因子);ARTS-1及びLRAP(白血球由来アルギニンアミノペプチダーゼ);IL6(インターロイキン-6)及びTGFB2(形質転換成長因子、β2);IL6及びKRT18(ケラチン18);IER3(即初期応答3)、MEST(中胚葉特異的転写産物ホモログ)、及びTGFB2;CD200及びIER3;CD200及びIL6;CD200及びKRT18;CD200及びLRAP;CD200及びMEST;CD200及びNFE2L3(核因子(赤血球由来2)-様3);又はCD200及びTGFB2を発現し、ここで、該骨髄由来間葉系幹細胞は、該単離された胎盤細胞が経た継代数と同等の培養継代数を経たものである。他の具体的な実施態様では、胎盤細胞は、同等数の骨髄由来間葉系幹細胞BM-MSCよりも検出可能に高いレベルで、ARTS-1、CD200、IL6、及びLRAP;ARTS-1、IL6、TGFB2、IER3、KRT18、及びMEST;CD200、IER3、IL6、KRT18、LRAP、MEST、NFE2L3、及びTGFB2;ARTS-1、CD200、IER3、IL6、KRT18、LRAP、MEST、NFE2L3、及びTGFB2;又はIER3、MEST、及びTGFB2を発現し、ここで、該骨髄由来間葉系幹細胞は、該単離された胎盤細胞が経た継代数と同等の培養継代数を経たものである。
上に言及した遺伝子の発現を標準的な技術で評価することができる。例えば、遺伝子(複数可)の配列に基づくプローブを個々に選択し、従来技術で構築することができる。該遺伝子の発現は、例えば、該遺伝子の1つ又は複数に対するプローブを含むマイクロアレイ、例えば、Affymetrix GENECHIP(登録商標)ヒトゲノムU133A 2.0アレイ、又はAffymetrix GENECHIP(登録商標)ヒトゲノムU133 Plus 2.0(Santa Clara, California)で評価することができる。これらの遺伝子の発現は、特定のGenBankアクセッション番号の配列が変更された場合でも評価することができるが、それは、変更された配列に特異的なプローブを、周知の標準的な技術を用いてすぐに作製することができるからである。
これらの遺伝子の発現のレベルを用いて、単離された胎盤細胞の集団の同一性を確認するか、細胞の集団が少なくとも複数の単離された胎盤細胞を有することを確認するか、又は同様のことをすることができる。その同一性が確認される単離された胎盤細胞の集団は、クローン性のもの、例えば、単一の単離された胎盤細胞から拡大された単離された胎盤細胞の集団、又は混合された幹細胞集団、例えば、複数の単離された胎盤細胞から拡大された単離された胎盤細胞をのみ含む細胞の集団、もしくは本明細書に記載の単離された胎盤細胞と少なくとも1種類の他の細胞とを含む細胞の集団であることができる。
これらの遺伝子の発現のレベルを用いて、単離された胎盤細胞の集団を選択することができる。例えば、上記の遺伝子のうちの1つ又は複数の発現が、間葉系幹細胞の同等の集団でよりも細胞の集団由来の試料で有意に高い場合、細胞、例えば、クローン性に拡大された細胞の集団を選択することができる。そのような選択は、複数の単離された胎盤細胞集団由来の集団、その正体が不明の複数の細胞集団由来の集団などについてのものであることができる。
単離された胎盤細胞は、例えば、間葉系幹細胞対照における該1種以上の遺伝子の発現のレベル、例えば、同等数の骨髄由来間葉系幹細胞における該1種以上の遺伝子の発現のレベルと比較したときの、1種以上のそのような遺伝子の発現のレベルに基づいて選択することができる。一実施態様では、同数の間葉系幹細胞を含む試料における該1種以上の遺伝子の発現のレベルは対照として用いられる。別の実施態様では、特定の条件下で試験される単離された胎盤細胞についての対照は、該条件下の間葉系幹細胞における該1種以上の遺伝子の発現のレベルを表す数値である。
本明細書に記載の単離された胎盤細胞は、初代培養下、又は例えば、DMEM-LG(Gibco)、2%胎仔ウシ血清(FCS)(Hyclone Laboratories)、1×インスリン-トランスフェリン-セレン(ITS)、1×レノレニック酸(lenolenic-acid)-ウシ血清アルブミン(LA-BSA)、10-9Mデキサメタゾン(Sigma)、10-4Mアスコルビン酸2-ホスフェート(Sigma)、上皮成長因子(EGF)10ng/ml(R&D Systems)、血小板由来成長因子(PDGF-BB)10ng/ml(R&D Systems)、及び100Uペニシリン/1000Uストレプトマイシンを含む培地中での増殖の間に、上記の特徴(例えば、細胞表面マーカー及び/又は遺伝子発現プロファイルの組合せ)を示す。
本明細書に開示されている胎盤細胞のいずれかの特定の実施態様では、細胞はヒトのものである。本明細書に開示されている胎盤細胞のいずれかの特定の実施態様では、細胞マーカー特性又は遺伝子発現特性は、ヒトマーカー又はヒト遺伝子である。
該単離された胎盤細胞又は該単離された胎盤細胞を含む細胞の集団の別の具体的な実施態様では、該細胞又は集団は拡大したものであり、例えば、少なくとも、約、もしくはわずか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、もしくは20回継代したものであるか、又は少なくとも、約、もしくはわずか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、もしくは40回の集団倍加の間、増殖させたものである。該単離された胎盤細胞又は該単離された胎盤細胞を含む細胞の集団の別の具体的な実施態様では、該細胞又は集団は、初代単離株である。本明細書に開示されている、単離された胎盤細胞、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団の別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、胎児起源のものである(すなわち、胎児の遺伝子型を有する)。
特定の実施態様では、該単離された胎盤細胞は、成長培地、すなわち、増殖を促進するように調合された培地中で培養する間、例えば、成長培地中での増殖の間、分化しない。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、増殖するためにフィーダー層を必要としない。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、フィーダー細胞層の欠如という理由だけで、フィーダー層の非存在下の培養では分化しない。
別の実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な細胞は、単離された胎盤細胞であり、ここで、複数の該単離された胎盤細胞は、アルデヒドデヒドロゲナーゼ活性アッセイで評価したとき、アルデヒドデヒドロゲナーゼ(ALDH)陽性である。そのようなアッセイは当技術分野で公知である(例えば、Bostian及びBettsの文献(Biochem. J., 173, 787,(1978))を参照されたい)。具体的な実施態様では、該ALDHアッセイは、ALDEFLUOR(登録商標)(Aldagen社, Ashland, Oregon)をアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性のマーカーとして用いる。具体的な実施態様では、該複数は、該細胞の集団内の細胞の約3%〜約25%である。別の実施態様では、単離された臍帯細胞、例えば、単離された多能性臍帯細胞の集団が本明細書で提供され、ここで、複数の該単離された臍帯細胞は、ALDEFLUOR(登録商標)をアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性の指標として用いるアルデヒドデヒドロゲナーゼ活性アッセイで評価したとき、アルデヒドデヒドロゲナーゼ陽性である。具体的な実施態様では、該複数は、該細胞の集団内の細胞の約3%〜約25%である。別の実施態様では、該単離された胎盤細胞又は単離された臍帯細胞の集団は、ほぼ同等数の細胞を有し、かつ同じ条件下で培養された骨髄由来間葉系幹細胞の集団よりも少なくとも3倍、又は少なくとも5倍高いALDH活性を示す。
本明細書に記載の単離された胎盤細胞を含む細胞の集団のいずれかの特定の実施態様では、該細胞の集団内の胎盤細胞は、母親の遺伝子型を有する細胞を実質的に含まず;例えば、該集団内の胎盤細胞の少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、胎児の遺伝子型を有する。本明細書に記載の単離された胎盤細胞を含む細胞の集団のいずれかの特定の他の実施態様では、該胎盤細胞を含む細胞の集団は、母親の遺伝子型を有する細胞を実質的に含まず;例えば、該集団内の細胞の少なくとも40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%は、胎児の遺伝子型を有する。
上記の単離された胎盤細胞又は単離された胎盤細胞の細胞集団のいずれかの具体的な実施態様では、該細胞、又は該集団内の細胞の少なくとも約95%もしくは約99%の核型は、正常である。上記の胎盤細胞又は細胞集団のいずれかの別の具体的な実施態様では、該細胞、又は該細胞の集団内の細胞は、非母親起源のものである。
上記のマーカーの組合せのいずれかを有する単離された胎盤細胞、又は単離された胎盤細胞の集団を任意の比で組み合わせることができる。上記の単離された胎盤細胞集団のうちのいずれか2つ又はそれより多くの集団を組み合わせて、単離された胎盤細胞集団を形成させることができる。例えば、単離された胎盤細胞の集団は、上記のマーカー組合せのうちの1つによって定義される第1の単離された胎盤細胞の集団と、上記のマーカー組合せのうちの別のものによって定義される第二の単離された胎盤細胞の集団とを含むことができ、ここで、該第1の集団と第二の集団は、約1:99、2:98、3:97、4:96、5:95、10:90、20:80、30:70、40:60、50:50、60:40、70:30、80:20、90:10、95:5、96:4、97:3、98:2、又は約99:1の比で組み合わされる。同じやり方で、上記の単離された胎盤細胞、又は単離された胎盤細胞集団のいずれか3つ、4つ、5つ、又はそれより多くを組み合わせることができる。
本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞は、例えば、酵素的破壊(第4.3.3節参照)もしくは灌流(第4.3.4節参照)を用いるか、又はこれらを用いない、胎盤組織の破壊によって得ることができる。例えば、単離された胎盤細胞の集団は、臍帯血が抜かれ、かつ残留血液を取り除くように灌流された哺乳動物の胎盤を灌流すること;該胎盤を灌流溶液で灌流すること;及び該灌流溶液を回収すること(ここで、灌流後の該灌流溶液は、単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞の集団を含む);並びに該細胞の集団から複数の該単離された胎盤細胞を単離することを含む方法によって生じさせることができる。具体的な実施態様では、該灌流溶液を臍帯静脈と臍帯動脈の両方に通し、それが胎盤から浸出した後に回収する。別の具体的な実施態様では、該灌流溶液を臍帯静脈に通して、臍帯動脈から回収するか、又は臍帯動脈に通して、臍帯静脈から回収する。
様々な実施態様では、胎盤の灌流によって得られる細胞の集団内に含まれる単離された胎盤細胞は、該胎盤細胞の集団の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又は少なくとも99.5%である。別の具体的な実施態様では、灌流によって回収される単離された胎盤細胞は、胎児の細胞と母親の細胞を含む。別の具体的な実施態様では、灌流によって回収される単離された胎盤細胞は、少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又は少なくとも99.5%胎児細胞である。
別の具体的な実施態様では、灌流によって回収される、本明細書に記載の単離された胎盤細胞の集団を含む組成物が本明細書で提供され、ここで、該組成物は、該単離された胎盤細胞を回収するために用いられた灌流溶液の少なくとも一部を含む。
本明細書に記載の単離された胎盤細胞の単離された集団は、該細胞を含む胎盤細胞の集団を得るために組織破壊酵素で胎盤組織を消化し、かつ複数の胎盤細胞を該胎盤細胞の残りの部分から単離、又は実質的に単離することによって生じさせることができる。胎盤の全体、又は任意の部分を消化して、本明細書に記載の単離された胎盤細胞を得ることができる。具体的な実施態様では、例えば、該胎盤組織は、全胎盤、羊膜、絨毛膜、羊膜と絨毛膜の組合せ、又は前述のもののいずれかの組合せであることができる。他の具体的な実施態様では、組織破壊酵素は、トリプシン又はコラゲナーゼである。様々な実施態様では、胎盤の消化によって得られる細胞の集団内に含まれる単離された胎盤細胞は、該胎盤細胞の集団の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、95%、99%、又は少なくとも99.5%である。
上記の単離された胎盤細胞集団、又は単離された胎盤細胞の集団は、通常、約、少なくとも、又は以下の個数を超えない1×105、5×105、1×106、5×106、1×107、5×107、1×108、5×108、1×109、5×109、1×1010、5×1010、1×1O11個、又はそれより多くの単離された胎盤細胞を含むことができる。本明細書に記載の治療方法において有用な単離された胎盤細胞の集団は、例えば、トリパンブルー排出などによって決定した場合、少なくとも50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、又は99%の生存している単離された胎盤細胞を含む。
(4.2.3 培養下の成長)
任意の哺乳動物細胞に関して、本明細書中の第4.4.2節に記載の単離された胎盤細胞の成長は、成長用に選択される特定の培地に一部左右される。最適な条件下では、該単離された胎盤細胞は、通常、約1日で数が2倍になる。培養中、本明細書に記載の単離された胎盤細胞は、培養液中の基材、例えば、組織培養容器(例えば、組織培養ディッシュプラスチック、フィブロネクチンコーティングしたプラスチックなど)の表面に接着し、単層を形成する。
任意の哺乳動物細胞に関して、本明細書中の第4.4.2節に記載の単離された胎盤細胞の成長は、成長用に選択される特定の培地に一部左右される。最適な条件下では、該単離された胎盤細胞は、通常、約1日で数が2倍になる。培養中、本明細書に記載の単離された胎盤細胞は、培養液中の基材、例えば、組織培養容器(例えば、組織培養ディッシュプラスチック、フィブロネクチンコーティングしたプラスチックなど)の表面に接着し、単層を形成する。
本明細書に記載の単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞の集団は、適切な条件下で培養したとき、胚様体様体を形成することができる、すなわち、3次元の細胞塊が、接着細胞層の上で成長する。胚様体様体内の細胞は、ごく初期の幹細胞と関連するマーカー、例えば、OCT-4、Nanog、SSEA3、及びSSEA4を発現することができる。胚様体様体内の細胞は、通常、本明細書に記載の単離された胎盤細胞が接着するように、培養基材に接着するのではなく、培養中、接着細胞に付着した状態であり続ける傾向にある。胚様体様体は、接着性の単離された胎盤細胞の非存在下では形成されないので、胚様体様体細胞は、生存を接着性の単離された胎盤細胞に依存している。接着性の単離された胎盤細胞は、したがって、該接着性の単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞の集団内での1以上の胚様体様体の成長を促進する。理論に束縛されることを望むものではないが、胚様体様体の細胞は、胚性幹細胞が細胞のフィーダー層上で成長するのと同じ程度に、接着性の単離された胎盤細胞上で成長すると考えられる。
(4.3 単離された胎盤細胞を得る方法)
(4.3.1 幹細胞回収組成物)
胎盤細胞、例えば、上の第4.2.2節に記載の単離された胎盤細胞を回収及び単離する方法が本明細書でさらに提供される。通常、そのような細胞は、生理的に許容し得る溶液、例えば、細胞回収組成物を用いて、哺乳動物の胎盤から得られる。例示的な細胞回収組成物は、その開示がその全体として引用により本明細書中に組み込まれている、「胎盤幹細胞の回収及び器官の保存のための改善された培地(Improved Medium for Collecting Placental Stem Cells and Preserving Organs)」という表題の関連米国特許出願公開第2007/0190042号に詳細に記載されている。
(4.3.1 幹細胞回収組成物)
胎盤細胞、例えば、上の第4.2.2節に記載の単離された胎盤細胞を回収及び単離する方法が本明細書でさらに提供される。通常、そのような細胞は、生理的に許容し得る溶液、例えば、細胞回収組成物を用いて、哺乳動物の胎盤から得られる。例示的な細胞回収組成物は、その開示がその全体として引用により本明細書中に組み込まれている、「胎盤幹細胞の回収及び器官の保存のための改善された培地(Improved Medium for Collecting Placental Stem Cells and Preserving Organs)」という表題の関連米国特許出願公開第2007/0190042号に詳細に記載されている。
細胞回収組成物は、細胞、例えば、本明細書に記載の単離された胎盤細胞の回収及び/又は培養に好適な任意の生理的に許容し得る溶液、例えば、生理食塩水溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水、クレブス溶液、改変クレブス溶液、イーグル溶液、0.9%NaClなど)、培養培地(例えば、DMEM、H.DMEMなど)などを含むことができる。
細胞回収組成物は、回収の時点から培養の時点まで、単離された胎盤細胞を保存する、すなわち、単離された胎盤細胞の死を防止するか、又は該単離された胎盤細胞の死を遅延させるか、死滅する細胞の集団内の単離された胎盤細胞の数を低下させるなどの傾向がある1種以上の成分を含むことができる。そのような成分は、例えば、アポトーシス阻害剤(例えば、カスパーゼ阻害剤もしくはJNK阻害剤);血管拡張剤(例えば、硫酸マグネシウム、抗高血圧薬、心房性ナトリウム利尿ペプチド(ANP)、副腎皮質刺激ホルモン、副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン、ニトロプルシドナトリウム、ヒドララジン、アデノシン三リン酸、アデノシン、インドメタシンもしくは硫酸マグネシウム、ホスホジエステラーゼ阻害剤など);壊死阻害剤(例えば、2-(1H-インドール-3-イル)-3-ペンチルアミノ-マレイミド、ピロリジンジチオカルバメート、もしくはクロナゼパム);TNF-α阻害剤;及び/又は酸素担持ペルフルオロカーボン(例えば、ペルフルオロオクチルブロミド、ペルフルオロデシルブロミドなど)であることができる。
細胞回収組成物は、1種以上の組織分解酵素、例えば、メタロプロテアーゼ、セリンプロテアーゼ、中性プロテアーゼ、RNアーゼ、又はDNアーゼなどを含むことができる。そのような酵素としては、コラゲナーゼ(例えば、コラゲナーゼI、II、III、又はIV、クロストリジウム・ヒストリチカム(Clostridium histolyticum)由来のコラゲナーゼなど);ディスパーゼ、サーモリシン、エラスターゼ、トリプシン、LIBERASE、ヒアルロニダーゼなどが挙げられるが、これらに限定されない。
細胞回収組成物は、殺菌又は静菌有効量の抗生物質を含むことができる。特定の非限定的な実施態様では、抗生物質は、マクロライド(例えば、例えば、トブラマイシン)、セファロスポリン(例えば、セファレキシン、セフラジン、セフロキシム、セフプロジル、セファクロール、セフィキシム、もしくはセファドロキシル)、クラリスロマイシン、エリスロマイシン、ペニシリン(例えば、ペニシリンV)、又はキノロン(例えば、オフロキサシン、シプロフロキサシン、もしくはノルフロキサシン)、テトラサイクリン、ストレプトマイシンなどである。特定の実施態様では、抗生物質は、グラム陽性細菌及び/又はグラム陰性細菌、例えば、緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)、黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)などに対して活性がある。一実施態様では、抗生物質は、例えば、培養培地中、約0.005%〜約0.01%(w/v)のゲンタマイシンである。
細胞回収組成物は、以下の化合物のうちの1つ又は複数を含むこともできる:アデノシン(約1mM〜約50mM);D-グルコース(約20mM〜約100mM);マグネシウムイオン(約1mM〜約50mM);一実施態様では、内皮の完全性及び細胞の生存能力を維持するのに十分な量で存在する、分子量20,000ダルトン超の巨大分子(例えば、合成もしくは天然のコロイド、約25g/l〜約100g/l、もしくは約40g/l〜約60g/lで存在する、デキストランもしくはポリエチレングリコールなどの多糖);酸化防止剤(例えば、約25μM〜約100μMで存在するブチル化ヒドロキシアニソール、ブチル化ヒドロキシトルエン、グルタチオン、ビタミンC、もしくはビタミンE);還元剤(例えば、約0.1mM〜約5mMで存在するN-アセチルシステイン);細胞内へのカルシウムの侵入を防止する薬剤(例えば、約2μM〜約25μMで存在するベラパミル);ニトログリセリン(例えば、約0.05g/L〜約0.2g/L);一実施態様では、残留血液の凝固の防止を助けるのに十分な量で存在する抗凝血剤(例えば、約1000ユニット/l〜約100,000ユニット/lの濃度で存在するヘパリンもしくはヒルジン);又はアミロライド含有化合物(例えば、約1.0μM〜約5μMで存在するアミロライド、エチルイソプロピルアミロライド、ヘキサメチレンアミロライド、ジメチルアミロライド、もしくはイソブチルアミロライド)。
(4.3.2 胎盤の回収及び取扱い)
通常、ヒトの胎盤を、出産後のその娩出後すぐに回収する。好ましい実施態様では、インフォームドコンセント後、及び患者の全病歴を取得して、該胎盤と関連付けた後、胎盤を患者から回収する。好ましくは、この病歴は分娩後も続く。そのような病歴を用いて、胎盤又はそれから採取される単離された胎盤細胞の後続的使用を調整することができる。例えば、単離されたヒト胎盤細胞は、その病歴を考慮して、該胎盤と関連する幼児のための、又は親、兄弟姉妹、もしくはその幼児の他の血縁者のための個人医療に用いることができる。
通常、ヒトの胎盤を、出産後のその娩出後すぐに回収する。好ましい実施態様では、インフォームドコンセント後、及び患者の全病歴を取得して、該胎盤と関連付けた後、胎盤を患者から回収する。好ましくは、この病歴は分娩後も続く。そのような病歴を用いて、胎盤又はそれから採取される単離された胎盤細胞の後続的使用を調整することができる。例えば、単離されたヒト胎盤細胞は、その病歴を考慮して、該胎盤と関連する幼児のための、又は親、兄弟姉妹、もしくはその幼児の他の血縁者のための個人医療に用いることができる。
単離された胎盤細胞の回収前に、臍帯血及び胎盤血を除去することが好ましい。特定の実施態様では、分娩後、胎盤内の臍帯血を回収する。胎盤は、従来の臍帯血の回収プロセスに供することができる。通常、針又はカニューレを用い、重力の助けを借りて、胎盤を放血させる(例えば、Andersonの米国特許第5,372,581号;Hesselらの米国特許第5,415,665号を参照されたい)。針又はカニューレを、通常、臍帯静脈内に留置し、胎盤を穏やかにマッサージして、胎盤からの臍帯血の排出を助けることができる。そのような臍帯血の回収は、商業的に、例えば、LifeBank USA, Cedar Knolls, NJにより行なわれてもよい。好ましくは、臍帯血を回収する間の組織破壊を最小限に抑えるために、胎盤を、それ以上操作することなく、重力排出させる。
通常、臍帯血の回収、及び例えば、灌流又は組織解離による幹細胞の回収のために、胎盤を、分娩室又は出産室から別の場所、例えば、実験室まで輸送する。例えば、胎盤を、近位臍帯をクランプしたまま、滅菌されたジップロック式プラスチックバッグの中に入れ、その後、このプラスチックバッグを断熱容器内に入れることによって、胎盤を(胎盤の温度を20〜28℃に維持する)滅菌された断熱輸送装置に入れて輸送することが好ましい。別の実施態様では、その開示が引用により本明細書中に組み込まれている、係属中の米国特許第7,147,626号に実質的に記載されているように、胎盤を臍帯血回収キットに入れて輸送する。好ましくは、胎盤を、分娩から4〜24時間後に、実験室に移送する。特定の実施態様では、臍帯血の回収前に、胎盤への挿入部から4〜5cm(センチメートル)以内のところで、近位臍帯をクランプする。他の実施態様では、臍帯血の回収後、しかし、それ以上の胎盤の処理前に、近位臍帯をクランプする。
胎盤は、細胞回収前に、滅菌条件下、かつ室温又は5〜25℃の温度のいずれかで保存することができる。胎盤を灌流して残留臍帯血を除去する前に、胎盤は、4〜24時間、最大48時間、又は48時間よりも長い時間、保存してもよい。一実施態様では、胎盤は、娩出後、約0時間から約2時間で採取される。胎盤は、5〜25℃の温度で、抗凝血剤溶液に入れて保存することが好ましい。好適な抗凝血剤溶液は当技術分野で周知である。例えば、ヘパリン又はワルファリンナトリウム溶液を用いることができる。好ましい実施態様では、抗凝血剤溶液は、ヘパリン溶液(例えば、1:1000溶液中で1%w/w)を含む。放血された胎盤は、胎盤細胞を回収する前に、36時間を超えない時間、保存することが好ましい。
哺乳動物の胎盤又はその一部は、一般に上記のように回収及び調製されれば、単離された胎盤細胞を得るために、任意の当技術分野で公知の方法で処理することができ、例えば、灌流するか、又は破壊する、例えば、1種以上の組織破壊酵素で消化することができる。
(4.3.3 胎盤組織の物理的破壊及び酵素的消化)
一実施態様では、幹細胞を、哺乳動物の胎盤の一部又は全ての物理的破壊によって、この臓器から回収する。例えば、胎盤、又はその一部を、例えば、圧搾するか、剪断するか、細かく切り刻むか、さいの目状に切るか、みじん切りにするか、液体に浸して柔らかくするか、又は同様に処理することができる。その後、この組織を培養して、単離された胎盤細胞の集団を得ることができる。通常、胎盤組織を、例えば、培養培地、生理食塩水溶液、又は幹細胞回収組成物を用いて破壊する(第4.5.1節及び下記を参照されたい)。
一実施態様では、幹細胞を、哺乳動物の胎盤の一部又は全ての物理的破壊によって、この臓器から回収する。例えば、胎盤、又はその一部を、例えば、圧搾するか、剪断するか、細かく切り刻むか、さいの目状に切るか、みじん切りにするか、液体に浸して柔らかくするか、又は同様に処理することができる。その後、この組織を培養して、単離された胎盤細胞の集団を得ることができる。通常、胎盤組織を、例えば、培養培地、生理食塩水溶液、又は幹細胞回収組成物を用いて破壊する(第4.5.1節及び下記を参照されたい)。
物理的破壊及び/又は酵素的消化並びに幹細胞回収の前に、胎盤を構成要素に解剖することができる。単離された胎盤細胞は、全胎盤を含む、羊膜、絨毛膜、臍帯、胎盤葉、又はそれらの任意の組合せの全て又は一部から得ることができる。好ましくは、単離された胎盤細胞は、羊膜及び絨毛膜を含む胎盤組織から得られる。通常、単離された胎盤細胞は、胎盤組織の小さなブロック、例えば、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、20、30、40、50、60、70、80、90、100、200、300、400、500、600、700、800、900、又は約1000立方ミリメートルの体積の胎盤組織のブロックの破壊によって得ることができる。破壊方法が、例えば、トリパンブルー排出によって決定した場合、該臓器内の細胞の複数、より好ましくは大部分、及びより好ましくは、少なくとも60%、70%、80%、90%、95%、98%、又は99%を生きた状態にとどめるという条件で、任意の物理的破壊方法を用いることができる。
単離された接着性胎盤細胞を、通常、娩出後の最初の約3日以内の任意の時点で、しかし、好ましくは、娩出後、約8時間〜約18時間で、胎盤、又はその一部から回収することができる。
具体的な実施態様では、破壊された組織を、単離された胎盤細胞の増殖に好適な組織培養培地中で培養する(例えば、胎盤細胞、例えば、PDACの培養を記載している、下の第4.6節を参照されたい)。
別の具体的な実施態様では、単離された胎盤細胞を、胎盤組織の物理的破壊によって回収し、ここで、該物理的破壊は、1種以上の組織消化酵素の使用によって達成することができる酵素的破壊を含む。胎盤、又はその一部を、1種以上の酵素で物理的に破壊及び消化し、その後、得られた材料を細胞回収組成物に浸漬させるか、又は細胞回収組成物中に混合することもできる。
好ましい細胞回収組成物は、1種以上の組織破壊酵素を含む。胎盤組織を破壊するために用いることができる酵素としては、パパイン、デオキシリボヌクレアーゼ、セリンプロテアーゼ、例えば、トリプシン、キモトリプシン、コラゲナーゼ、ディスパーゼ、又はエラスターゼが挙げられる。セリンプロテアーゼは、血清中のα2ミクログロブリンによって阻害されることがあり、そのため、消化に用いられる培地は、通常、無血清のものである。EDTA及びDNアーゼは、細胞回収効率を増加させるために、酵素的消化手順において一般的に用いられる。粘性のある消化液内に細胞が捕捉されることを避けるために、消化物を希釈することが好ましい。
組織消化酵素の任意の組合せを用いることができる。トリプシンを用いる消化のための典型的な濃度は、0.1%〜約2%トリプシン、例えば、約0.25%トリプシンを含む。胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞及び胎盤多能性細胞を遊離させるために、プロテアーゼを組み合わせて、すなわち、2種以上のプロテアーゼを同じ消化反応で用いることができるか、又はプロテアーゼを順次用いることができる。例えば、一実施態様では、胎盤、又はその一部を、まず、約1〜約2mg/mlの適量のコラゲナーゼIで、例えば、30分間消化し、その後、約0.25%の濃度のトリプシンで、例えば、37℃で10分間消化する。セリンプロテアーゼを、他の酵素の使用後に連続して用いることが好ましい。
別の実施態様では、キレート剤、例えば、エチレングリコールビス(2-アミノエチルエーテル)-N,N,N'N'-四酢酸(EGTA)又はエチレンジアミン四酢酸(EDTA)を、幹細胞を含む幹細胞回収組成物に、又は幹細胞回収組成物で幹細胞を単離する前に、その中で組織を破壊及び/もしくは消化する溶液に添加することにより、組織をさらに破壊することができる。
消化後、消化物を、例えば、培養培地で3回洗浄し、洗浄した細胞を培養フラスコ中に播種する。その後、細胞を示差的接着により単離し、例えば、生存能力、細胞表面マーカー、分化などについて特徴付ける。
胎盤全体、又は胎盤の一部が、胎児細胞と母親細胞の両方を含む場合(例えば、胎盤の一部が、絨毛膜又は胎盤葉を含む場合)、単離された胎盤細胞は、胎児起源と母親起源の両方に由来する胎盤細胞の混合物を含むことができることが理解されるであろう。胎盤の一部が、母親細胞(例えば、羊膜)を全く、又はごくわずかな数しか含まない場合、それから単離される胎盤細胞は、ほとんど胎児性の胎盤細胞(すなわち、胎児の遺伝子型を有する胎盤細胞)しか含まないことになる。
胎盤細胞、例えば、上の第4.2.2節に記載の胎盤細胞を、示差的トリプシン処理(下の第4.3.5節参照)、その後の、1以上の新しい培養容器における、新鮮な増殖培地中での培養、任意でその後の、第二の示差的トリプシン処理工程によって、破壊された胎盤組織から単離することができる。
(4.3.4 胎盤灌流)
胎盤細胞、例えば、上の第4.2.2節に記載の胎盤細胞を、哺乳動物の胎盤の灌流によって得ることもできる。哺乳動物の胎盤を灌流して胎盤細胞を得る方法は、例えば、その各々の開示が、その全体として引用により本明細書中に組み込まれている、Haririの米国特許第7,045,148号及び第7,255,729号、並びに米国特許出願公開第2007/0275362号及び第2007/0190042号に開示されている。
胎盤細胞、例えば、上の第4.2.2節に記載の胎盤細胞を、哺乳動物の胎盤の灌流によって得ることもできる。哺乳動物の胎盤を灌流して胎盤細胞を得る方法は、例えば、その各々の開示が、その全体として引用により本明細書中に組み込まれている、Haririの米国特許第7,045,148号及び第7,255,729号、並びに米国特許出願公開第2007/0275362号及び第2007/0190042号に開示されている。
胎盤細胞を、例えば、細胞回収組成物を灌流溶液として用いる、例えば、胎盤血管系を通した灌流によって、回収することができる。一実施態様では、哺乳動物の胎盤を、灌流溶液を臍帯動脈と臍帯静脈のどちらか又は両方に通すことによって灌流する。胎盤を通る灌流溶液の流れを、例えば、胎盤の中への重力流を用いて達成することができる。好ましくは、灌流溶液を、ポンプ、例えば、蠕動ポンプを用いて、胎盤に強制的に通す。臍帯静脈に、例えば、滅菌チューブなどの滅菌された接続装置に接続されている、カニューレ、例えば、TEFLON(登録商標)又はプラスチックカニューレを挿入することができる。この滅菌された接続装置は、灌流マニフォールドに接続されている。
灌流に備えて、臍帯動脈及び臍帯静脈が胎盤の最も高い位置に配置されるような形で、胎盤を配向させる(例えば、ぶら下げる)ことが好ましい。灌流液を胎盤血管系及び周囲組織に通すことによって、胎盤を灌流することができる。灌流液を臍帯静脈に通し、臍帯動脈から回収するか、又は灌流液を臍帯動脈に通し、臍帯静脈から回収することによって、胎盤を灌流することもできる。
一実施態様では、例えば、臍帯動脈及び臍帯静脈を、例えば、柔軟なコネクタを介して灌流溶液のリザーバに接続されたピペットに同時に接続する。灌流溶液を、臍帯静脈及び臍帯動脈に通す。灌流溶液は、血管壁から滲出し、かつ/又は血管壁を通って、胎盤の周囲組織中に入り、妊娠中、母親の子宮に付着していた胎盤表面から好適な開放容器中に回収される。灌流溶液を臍帯の開放部に通して導入し、母親の子宮壁と接続している胎盤壁の開口部から流出又は浸出させることもできる。「受け皿(pan)」法と呼ぶことができるこの方法で回収される胎盤細胞は、通常、胎児細胞と母親細胞の混合物である。
別の実施態様では、灌流溶液を臍帯静脈に通し、臍帯動脈から回収するか、又は臍帯動脈に通し、臍帯静脈から回収する。「閉回路」法と呼ぶことができるこの方法で回収される胎盤細胞は、通常、ほとんど胎児のものしかない。
灌流液が胎盤の母親側から滲出した後に灌流液が回収される、受け皿法を用いる灌流は、胎児細胞と母親細胞の混合物をもたらすことが理解されるだろう。結果として、この方法で回収された細胞は、胎児起源と母親起源の両方の、胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞の混合集団を含むことができる。対照的に、灌流液が1つ又は2つの胎盤血管に通され、もっぱら残りの血管(複数可)を通して回収される、もっぱら胎盤血管系を通した閉回路法での灌流は、ほぼ胎児起源のものしかない胎盤細胞の集団の回収をもたらす。
閉回路灌流法を、一実施態様では、次のように実施することができる。出産後胎盤を、出産後、約48時間以内に得る。臍帯をクランプし、クランプの上方で切断する。臍帯は、廃棄することができるか、又は例えば、臍帯幹細胞を回収するために、及び/もしくは生体材料の産生用に臍帯膜を処理するために、処理することができる。羊膜を灌流中保持することができるか、又は例えば、指を用いる鈍的剥離を用いて絨毛膜から分離することができる。羊膜を灌流前に絨毛膜から分離する場合、それを、例えば、廃棄するか、又は例えば、酵素的消化によって幹細胞を得るために、もしくは例えば、羊膜生体材料、例えば、その開示が、その全体として引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許出願公開第2004/0048796号に記載されている生体材料を産生するために、処理することができる。例えば、滅菌ガーゼを用いて、全ての目に見える血の塊及び残留血液を胎盤から除去した後、例えば、臍帯膜を一部切断して、臍帯の断面を露出させることにより、臍帯血管を露出させる。血管を確認し、それを、例えば、閉じたアリゲータークランプを各々の血管の切断端に通して前進させることによって広げる。その後、装置、例えば、灌流装置又は蠕動ポンプに接続されたプラスチックチューブを胎盤動脈の各々に挿入する。ポンプは、この目的に好適な任意のポンプ、例えば、蠕動ポンプであることができる。その後、滅菌された回収リザーバ、例えば、250mL回収バッグなどの血液バッグに接続されたプラスチックチューブを胎盤静脈に挿入する。或いは、ポンプに接続されたチューブを胎盤静脈に挿入し、回収リザーバ(複数可)に接続されたチューブを胎盤動脈の一方又は両方に挿入する。その後、胎盤を、ある容量の灌流溶液、例えば、約750mlの灌流溶液で灌流する。その後、灌流液中の細胞を、例えば、遠心分離によって回収する。特定の実施態様では、灌流して、胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞及び/又は胎盤多能性細胞を回収する前に残留血液を除去するために、胎盤を、灌流溶液、例えば、100〜300mLの灌流溶液で灌流する。別の実施態様では、灌流して胎盤細胞を回収する前に残留血液を除去するために、胎盤を灌流溶液で灌流することはない。
一実施態様では、灌流中、近位臍帯をクランプし、より好ましくは、胎盤への臍帯挿入部から4〜5cm(センチメートル)以内のところで、近位臍帯をクランプする。
放血プロセスの間の哺乳動物の胎盤からの灌流液の最初の回収物は、通常、臍帯血及び/又は胎盤血の残留赤血球のために色が付いている。該灌流液は、灌流が進み、残留臍帯血細胞が胎盤から洗い流されるにつれて、より無色になっていく。通常、最初に胎盤を放血するためには、30〜100ml(ミリリットル)の灌流液で十分であるが、観察された結果次第で、より多くの又はより少ない灌流液を用いることができる。
胎盤細胞を単離するために用いられる灌流液の容量は、回収しようとする細胞の数、胎盤の大きさ、単一の胎盤から行なわれる回収の回数などによって異なり得る。様々な実施態様では、灌流液の容量は、50mL〜5000mL、50mL〜4000mL、50mL〜3000mL、100mL〜2000mL、250mL〜2000mL、500mL〜2000mL、又は750mL〜2000mLであることができる。通常、放血後、胎盤を700〜800mLの灌流液で灌流する。
胎盤を、数時間から数日間かけて、複数回灌流することができる。胎盤を複数回灌流しようとする場合、それを、容器(container)又は他の好適な容器(vessel)中、無菌条件下で維持又は培養し、細胞回収組成物、又は抗凝血剤(例えば、ヘパリン、ワルファリンナトリウム、クマリン、ビスヒドロキシクマリン)を含むかもしくは含まない、及び/又は抗微生物剤(例えば、β-メルカプトエタノール(0.1mM);ストレプトマイシン(例えば、40〜100μg/ml)、ペニシリン(例えば、40U/ml)、アンフォテリシンB(例えば、0.5μg/ml)などの抗生物質を含むかもしくは含まない、標準的な灌流溶液(例えば、リン酸緩衝生理食塩水(「PBS」)などの生理食塩水溶液)で灌流することができる。一実施態様では、胎盤を、灌流及び灌流液の回収前に、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、もしくは24時間、又は2もしくは3日間もしくはそれより長い間、維持又は培養するように、単離された胎盤を、灌流液を回収しないで、しばらくの間、維持又は培養する。灌流された胎盤を、さらにもう1回以上、例えば、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24時間、又はそれより長い時間、維持し、例えば、700〜800mLの灌流液で再び灌流することができる。胎盤を、1、2、3、4、5回、又はそれより多く、例えば、1、2、3、4、5、又は6時間に1回、灌流することができる。好ましい実施態様では、回収された有核細胞の数が100細胞/mlを下回るまで、胎盤の灌流、及び灌流溶液、例えば、細胞回収組成物の回収を繰り返す。異なる時点の灌流液をさらに個別に処理して、時間依存的な細胞、例えば、幹細胞の集団を回収することができる。異なる時点からの灌流液をプールすることもできる。好ましい実施態様では、娩出後、約8時間〜約18時間の間に、1回又は複数回で、胎盤細胞を回収する。
灌流は、好ましくは、該溶液で灌流していないし、胎盤細胞を得るために他の方法で(例えば、組織破壊、例えば、酵素的消化によって)処理してもいない、哺乳動物の胎盤から得ることができる数よりも有意に多い胎盤細胞の回収をもたらす。この文脈において、「有意により多い」とは、少なくとも10%より多いことを意味する。灌流によって、例えば、胎盤、又はその一部が培養された培養培地から単離することができる胎盤細胞の数よりも有意に多い胎盤細胞が得られる。
胎盤細胞を、1種以上のプロテアーゼ又は他の組織破壊酵素を含む溶液での灌流によって、胎盤から単離することができる。具体的な実施態様では、胎盤又はその部分(例えば、羊膜、羊膜と絨毛膜、胎盤小葉もしくは胎盤葉、臍帯、又は前述のもののいずれかの組合せ)を25〜37℃に置き、1種以上の組織破壊酵素とともに、200mLの培養培地中、30分間インキュベートする。灌流液由来の細胞を回収し、4℃に置き、5mM EDTA、2mMジチオスレイトール、及び2mMβ-メルカプトエタノールを含む冷たい阻害剤混合物で洗浄する。数分後、胎盤細胞を冷たい(例えば、4℃の)幹細胞回収組成物で洗浄する。
(4.3.5 胎盤細胞の単離、選別、及び特徴付け)
灌流で得られたものであれ、物理的破壊、例えば、酵素的消化によって得られたものであれ、単離された胎盤細胞、例えば、上の第4.2.2節に記載の細胞を、最初に、Ficoll勾配遠心分離によって、他の細胞から純化(すなわち、単離)することができる。そのような遠心分離は、遠心分離速度などについての任意の標準的なプロトコルに従うことができる。一実施態様では、例えば、胎盤から回収された細胞を、室温で15分間、5000×gでの遠心分離によって灌流液から回収し、これにより、細胞は、例えば、夾雑している破片及び血小板から分離される。別の実施態様では、胎盤灌流液を、約200mlに濃縮し、Ficoll上で穏やかに層を形成させ、22℃で20分間、約1100×gで遠心分離し、該細胞の低密度界面層をさらなる処理のために回収する。
灌流で得られたものであれ、物理的破壊、例えば、酵素的消化によって得られたものであれ、単離された胎盤細胞、例えば、上の第4.2.2節に記載の細胞を、最初に、Ficoll勾配遠心分離によって、他の細胞から純化(すなわち、単離)することができる。そのような遠心分離は、遠心分離速度などについての任意の標準的なプロトコルに従うことができる。一実施態様では、例えば、胎盤から回収された細胞を、室温で15分間、5000×gでの遠心分離によって灌流液から回収し、これにより、細胞は、例えば、夾雑している破片及び血小板から分離される。別の実施態様では、胎盤灌流液を、約200mlに濃縮し、Ficoll上で穏やかに層を形成させ、22℃で20分間、約1100×gで遠心分離し、該細胞の低密度界面層をさらなる処理のために回収する。
細胞ペレットを、新鮮な幹細胞回収組成物、又は細胞維持、例えば、幹細胞維持に好適な培地、例えば、2U/mlヘパリン及び2mM EDTA(GibcoBRL,NY)を含むIMDM無血清培地に再懸濁することができる。全単核細胞画分を、例えば、製造者の推奨手順に従って、Lymphoprep(Nycomed Pharma, Oslo, Norway)を用いて単離することができる。
灌流又は消化によって得られた胎盤細胞を、例えば、0.2%EDTA(Sigma, St. Louis MO)を含む0.05%トリプシン溶液を用いる示差的トリプシン処理によって、例えば、さらに、又は最初に単離することができる。組織培養プラスチック接着性である単離された胎盤細胞は、通常、約5分以内にプラスチック表面から剥がれるが、他の接着性の集団は、通常、20〜30分間を超えるインキュベーションを必要とするので、示差的トリプシン処理が可能である。トリプシン処理、及び例えば、トリプシン中和溶液(TNS、Cambrex)を用いるトリプシン中和後、剥がれた胎盤細胞を回収することができる。接着細胞の単離の一実施態様では、一定分量の、例えば、約5〜10×106個の細胞を、いくつかのT-75フラスコ、好ましくは、フィブロネクチンコーティングしたT75フラスコの各々に入れる。そのような実施態様では、該細胞を、市販の間葉系幹細胞成長培地(MSCGM)(Cambrex)を用いて培養し、組織培養インキュベーター(37℃、5%CO2)内に置くことができる。10〜15日後、PBSで洗浄することにより、接着していない細胞をフラスコから除去する。その後、PBSをMSCGMに交換する。フラスコを、様々な接着細胞型の存在について、特に、線維芽細胞様細胞の塊の同定及び拡大のために、毎日調べることが好ましい。
哺乳動物の胎盤から回収された細胞の数と種類を、例えば、フローサイトメトリー、細胞選別、免疫細胞化学(例えば、組織特異的もしくは細胞マーカー特異的抗体による染色)、蛍光活性化細胞選別(FACS)、磁気活性化細胞選別(MACS)などの標準的な細胞検出技術を用いて形態及び細胞表面マーカーの変化を測定することにより、光学顕微鏡もしくは共焦点顕微鏡法を用いて細胞の形態を調べることにより、並びに/又はPCR及び遺伝子発現プロファイリングなどの当技術分野で周知の技術を用いて遺伝子発現の変化を測定することにより、モニタリングすることができる。これらの技術を、同様に、1種以上の特定のマーカーが陽性である細胞を同定するためにも用いることができる。例えば、CD34に対する抗体を用いて、上記の技術を用いて、細胞が検出可能な量のCD34を含むかどうかを決定することができ;もしそうであるならば、細胞はCD34+である。同様に、細胞がRT-PCRで検出されるのに十分なOCT-4 RNA、又は成体細胞よりも有意に多くのOCT-4 RNAを産生するならば、該細胞は、OCT-4+である。細胞表面マーカー(例えば、CD34などのCDマーカー)に対する抗体及びOCT-4などの幹細胞特異的遺伝子の配列は、当技術分野で周知である。
胎盤細胞、特に、Ficoll分離、示差的接着、又は両方の組合せによって単離された細胞を、蛍光活性化細胞選別機(FACS)を用いて選別することができる。蛍光活性化細胞選別(FACS)は、粒子の蛍光特性に基づいて、細胞を含む粒子を分離する周知の方法である(Kamarchの文献(1987, Methods Enzymol, 151:150-165))。個々の粒子中の蛍光部分のレーザーによる励起によって、わずかな電荷が生じ、混合物からの陽性粒子及び陰性粒子の電磁分離が可能になる。一実施態様では、細胞表面マーカー特異的抗体又はリガンドを個別の蛍光標識で標識する。細胞をセルソーターに通して処理し、使用された抗体に結合するその能力に基づく細胞の分離を可能にする。FACSで選別された粒子を96ウェル又は384ウェルプレートの個々のウェルに直接に堆積させて、分離及びクローニングをしやすくすることができる。
1つの選別スキームでは、胎盤由来の細胞、例えば、PDACを、マーカーCD34、CD38、CD44、CD45、CD73、CD105、OCT-4、及び/又はHLA-Gのうちの1つ又は複数の発現に基づいて選別する。これは、そのような細胞を培養下のその接着特性に基づいて選択する手順との関連で達成することができる。例えば、組織培養プラスチック接着の選択を、マーカー発現に基づく選別の前又は後に達成することができる。一実施態様では、例えば、細胞を、まず、そのCD34発現に基づいて選別し;CD34-細胞を保持し、さらにCD200+及びHLA-G-であるCD34-細胞を、他の全てのCD34-細胞から分離する。別の実施態様では、胎盤由来の細胞をそのマーカーCD200及び/又はHLA-Gの発現に基づいて選別し;例えば、CD200を提示し、かつHLA-Gを欠く細胞をさらなる使用のために単離する。例えば、CD200を発現し、かつ/又は例えば、HLA-Gを欠く細胞を、具体的な実施態様では、そのCD73及び/もしくはCD105、又は抗体SH2、SH3、もしくはSH4によって認識されるエピトープの発現、或いはCD34、CD38、又はCD45の発現の欠如に基づいてさらに選別することができる。例えば、別の実施態様では、胎盤細胞を、CD200、HLA-G、CD73、CD105、CD34、CD38、及びCD45の発現、又はその欠如によって選別し、かつCD200+、HLA-G-、CD73+、CD105+、CD34-、CD38-、及びCD45-である胎盤細胞を、さらなる使用のために他の胎盤細胞から単離する。
選別された胎盤細胞の上記の実施態様のいずれかの具体的な実施態様では、選別後に残存する細胞集団内の細胞の少なくとも50%、60%、70%、80%、90%、又は95%は、該単離された胎盤細胞である。胎盤細胞を、上の第4.2.2節に記載のマーカーのいずれかの1つ又は複数によって選別することができる。
具体的な実施態様では、例えば、(1)組織培養プラスチックに接着性であり、かつ(2)CD10+、CD34-、及びCD105+である胎盤細胞を他の胎盤細胞から選別する(すなわち、単離する)。別の具体的な実施態様では、(1)組織培養プラスチックに接着性であり、かつ(2)CD10+、CD34-、CD105+、及びCD200+である胎盤細胞を他の胎盤細胞から選別する(すなわち、単離する)。別の具体的な実施態様では、(1)組織培養プラスチックに接着性であり、かつ(2)CD10+、CD34-、CD45-、CD90+、CD105+、及びCD200+である胎盤細胞を他の胎盤細胞から選別する(すなわち、単離する)。
胎盤細胞のヌクレオチド配列ベースの検出に関して、本明細書に記載のマーカーの配列は、GenBank又はEMBLなどの公的に利用可能なデータベースで容易に入手可能である。
胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞の抗体による検出及び選別に関して、特定のマーカーに特異的な任意の抗体を、細胞の検出及び選別(例えば、蛍光活性化細胞選別)に好適な任意のフルオロフォア又は他の標識と組み合わせて用いることができる。特異的マーカーに対する抗体/フルオロフォアの組合せとしては、HLA-Gに対するフルオレセインイソチオシアネート(FITC)コンジュゲートモノクローナル抗体(Serotec, Raleigh, North Carolinaから入手可能)、CD10に対するフルオレセインイソチオシアネート(FITC)コンジュゲートモノクローナル抗体(BD Immunocytometry Systems, San Jose, Californiaから入手可能)、CD44に対するフルオレセインイソチオシアネート(FITC)コンジュゲートモノクローナル抗体(BD Biosciences Pharmingen, San Jose, Californiaから入手可能)、及びCD105に対するフルオレセインイソチオシアネート(FITC)コンジュゲートモノクローナル抗体(R&D Systems社, Minneapolis, Minnesotaから入手可能);CD44、CD200、CD117、及びCD13に対するフィコエリスリン(PE)コンジュゲートモノクローナル抗体(BD Biosciences Pharmingen);CD33及びCD10に対するフィコエリスリン-Cy7(PE Cy7)コンジュゲートモノクローナル抗体(BD Biosciences Pharmingen);アロフィコシアニン(APC)コンジュゲートストレプトアビジン及びCD38に対するアロフィコシアニン(APC)コンジュゲートモノクローナル抗体(BD Biosciences Pharmingen);並びにビオチン化CD90(BD Biosciences Pharmingen)が挙げられるが、これらに限定されない。使用することができる他の抗体としては、CD133-APC(Miltenyi)、KDR-ビオチン(CD309、Abcam)、サイトケラチンK-Fitc(Sigma又はDako)、HLA ABC-Fitc(BD)、HLA DR、DQ、DP-PE(BD)、β2-ミクログロブリン-PE(BD)、CD80-PE(BD)、及びCD86-APC(BD)が挙げられるが、これらに限定されない。使用することができる他の抗体/標識の組合せとしては、CD45-PerCP(ペリジンクロロフィルタンパク質);CD44-PE;CD19-PE;CD10-F(フルオレセイン);HLA-G-F及び7-アミノ-アクチノマイシン-D(7-AAD);HLA-ABC-F;などが挙げられるが、これらに限定されない。このリストは網羅的なものではなく、他の供給業者からの他の抗体も市販されている。
本明細書で提供される単離された胎盤細胞を、例えば、フィコエリスリン-Cy5(PE Cy5)コンジュゲートストレプトアビジンと、CD117又はCD133に対するビオチンコンジュゲートモノクローナル抗体とを用いてCD117又はCD133についてアッセイすることができる;しかしながら、このシステムを用いると、バックグラウンドが比較的高いために、該細胞は、それぞれ、CD117又はCD133陽性であるように見えることがある。
単離された胎盤細胞を単一のマーカーに対する抗体で標識し、検出及び/選別することができる。胎盤細胞を異なるマーカーに対する複数の抗体で同時に標識することもできる。
別の実施態様では、磁気ビーズを用いて細胞を分離することができる。磁気ビーズ(直径0.5〜100μm)に結合するその能力に基づいて粒子を分離する方法である、磁気活性化細胞選別(MACS)技術を用いて、該細胞を選別してもよい。特定の細胞表面分子又はハプテンを特異的に認識する抗体の共有結合的付加を含む、種々の有用な修飾を磁気マイクロスフェアに対して行なうことができる。その後、該ビーズを細胞と混合し、結合させておく。その後、細胞を磁場に通して、特異的細胞表面マーカーを有する細胞を分離する。一実施態様では、その後、これらの細胞を単離し、さらなる細胞表面マーカーに対する抗体と結合した磁気ビーズと再び混合することができる。該細胞を再び磁場に通して、両方の抗体に結合した細胞を単離する。その後、そのような細胞を希釈して、別々のディッシュ、例えば、クローン単離用のマイクロタイターディッシュに入れることができる。
単離された胎盤細胞を、形態及び成長特性に基づいて特徴付け、かつ/又は選別することもできる。例えば、単離された胎盤細胞を、例えば、培養下で線維芽細胞様の外観を有するものとして特徴付け、かつ/又は培養下での線維芽細胞様の外観に基づいて選択することができる。単離された胎盤細胞を、胚様体様体を形成するその能力を有するものとして特徴付け、かつ/又は胚様体様体を形成するその能力に基づいて選択することもできる。一実施態様では、例えば、線維芽細胞様の形状であり、CD73及びCD105を発現し、かつ培養下で1以上の胚様体様体を生じさせる胎盤細胞を他の胎盤細胞から単離する。別の実施態様では、培養下で1以上の胚様体様体を生じさせるOCT-4+胎盤細胞を他の胎盤細胞から単離する。
別の実施態様では、単離された胎盤細胞は、コロニー形成単位アッセイによって同定し、特徴付けることができる。MESENCULT(商標)培地(Stem Cell Technologies社, Vancouver British Columbia)などの、コロニー形成単位アッセイは、当技術分野で一般に公知である。
単離された胎盤細胞を、(生存を評価するための)トリパンブルー排出アッセイ、フルオレセインジアセテート取込みアッセイ、ヨウ化プロピジウム取込みアッセイ;及び(増殖を評価するための)チミジン取込みアッセイ、MTT(3-(4,5-ジメチルチアゾール-2-イル)-2,5-ジフェニルテトラゾリウムブロミド)細胞増殖アッセイなどの、当技術分野で公知の標準的技術を用いて、生存能力、増殖能力、及び寿命について評価することができる。寿命は、延長された培養下での集団倍加の最大数を決定することなどの、当技術分野で周知の方法によって測定してもよい。
単離された胎盤細胞、例えば、上の第4.2.2節に記載の単離された胎盤細胞を、当技術分野で公知の他の技術、例えば、所望の細胞の選択的成長(陽性選択)、望ましくない細胞の選択的破壊(陰性選択);例えば、ダイズ凝集素を用いる、混合集団における示差的細胞凝集力に基づく分離;凍結-解凍処置;濾過;従来のゾーン遠心分離;遠心洗浄(向流遠心分離);単位重力分離;向流分配;電気泳動法;などを用いて他の胎盤細胞から分離することもできる。
(4.4 単離された胎盤細胞の培養)
(4.4.1 培養培地)
単離された胎盤細胞、又は単離された胎盤細胞の集団、又は胎盤細胞が生じる細胞もしくは胎盤組織を用いて、細胞培養物をイニシエートするか、又はそれを播種することができる。通常、細胞を、コーティングされていないか、或いはラミニン、コラーゲン(例えば、天然物もしくは変性物)、ゼラチン、フィブロネクチン、オルニチン、ビトロネクチン、及び細胞外膜タンパク質(例えば、MATRIGEL(登録商標)(BD Discovery Labware, Bedford, Mass.))などの細胞外マトリックスもしくはリガンドでコーティングされているかのいずれかの滅菌組織培養容器に移す。
(4.4.1 培養培地)
単離された胎盤細胞、又は単離された胎盤細胞の集団、又は胎盤細胞が生じる細胞もしくは胎盤組織を用いて、細胞培養物をイニシエートするか、又はそれを播種することができる。通常、細胞を、コーティングされていないか、或いはラミニン、コラーゲン(例えば、天然物もしくは変性物)、ゼラチン、フィブロネクチン、オルニチン、ビトロネクチン、及び細胞外膜タンパク質(例えば、MATRIGEL(登録商標)(BD Discovery Labware, Bedford, Mass.))などの細胞外マトリックスもしくはリガンドでコーティングされているかのいずれかの滅菌組織培養容器に移す。
単離された胎盤細胞を、細胞、例えば、幹細胞の培養に許容し得るものとして当技術分野で認識されている任意の培地中及び任意の条件下で培養することができる。好ましくは、培養培地は、血清を含む。単離された胎盤細胞を、例えば、ITS(インスリン-トランスフェリン-セレン)、LA+BSA(リノール酸-ウシ血清アルブミン)、デキサメタゾン、L-アスコルビン酸、PDGF、EGF、IGF-1、及びペニシリン/ストレプトマイシンを含むDMEM-LG(ダルベッコの改変必須培地、低グルコース)/MCDB 201(ニワトリ線維芽細胞基本培地);10%胎仔ウシ血清(FBS)を含むDMEM-HG(高グルコース);15%FBSを含むDMEM-HG;10%FBS、10%ウマ血清、及びヒドロコルチゾンを含むIMDM(イスコフの改変ダルベッコ培地);1%〜20%FBS、EGF、及びヘパリンを含むM199;10%FBS、GLUTAMAX(商標)、及びゲンタマイシンを含むα-MEM(最小必須培地);10%FBS、GLUTAMAX(商標)、及びゲンタマイシンを含むDMEMなどの中で培養することができる。
胎盤細胞を培養するために用いることができる他の培地としては、DMEM(高グルコース又は低グルコース)、イーグルの基本培地、ハムのF10培地(F10)、ハムのF-12培地(F12)、イスコフの改変ダルベッコ培地、間葉系幹細胞成長培地(MSCGM)、ライボヴィッツのL-15培地、MCDB、DMEM/F12、RPMI 1640、改良DMEM(Gibco)、DMEM/MCDB201(Sigma)、及びCELL-GRO FREEが挙げられる。
培養培地には、例えば、血清(例えば、ウシ胎仔血清(FBS)、好ましくは、約2〜15%(v/v);ウマ(equine)(ウマ(horse))血清(ES);ヒト血清(HS));β-メルカプトエタノール(BME)、好ましくは、約0.001%(v/v);1種以上の成長因子、例えば、血小板由来成長因子(PDGF)、上皮成長因子(EGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、インスリン様成長因子-1(IGF-1)、白血病抑制因子(LIF)、血管内皮成長因子(VEGF)、及びエリスロポエチン(EPO);L-バリンを含むアミノ酸;並びに例えば、単独の又は組み合わせた、ペニシリンG、硫酸ストレプトマイシン、アンフォテリシンB、ゲンタマイシン、及びナイスタチンなどの、微生物汚染を防除するための1種以上の抗生物質及び/又は抗真菌剤を含む1種以上の成分を補充することができる。
単離された胎盤細胞を、標準的な組織培養条件で、例えば、組織培養ディッシュ又はマルチウェルプレート中で培養することができる。単離された胎盤細胞を、ハンギングドロップ法を用いて培養することもできる。この方法では、単離された胎盤細胞を約5mLの培地に1mL当たり約1×104細胞で懸濁し、この培地の1以上の滴を組織培養容器、例えば、100mLペトリ皿の蓋の内側に置く。この滴は、例えば、単一の滴、又は例えば、マルチチャネルピペッターからの複数の滴であることができる。蓋を慎重にひっくり返し、ある容量の液体、例えば、皿の雰囲気内の水分含量を維持するのに十分な滅菌PBSを含む皿底の上部に置き、幹細胞を培養する。
一実施態様では、単離された胎盤細胞を、該単離された胎盤細胞における未分化な表現型を維持するように作用する化合物の存在下で培養する。具体的な実施態様では、該化合物は、置換3,4-ジヒドロピリジモル[4,5-d]ピリミジンである。別の具体的な実施態様では、該化合物は、以下の化学構造を有する化合物である:
該化合物を、例えば、約1μM〜約10μMの濃度で、単離された胎盤細胞、又は単離された胎盤細胞の集団と接触させることができる。
(4.4.2 胎盤細胞の拡大及び増殖)
単離された胎盤細胞、又は単離された胎盤細胞の集団が分離されれば(例えば、胎盤細胞又は胎盤細胞の集団が、該幹細胞又は幹細胞の集団が通常インビボで関連している胎盤細胞の少なくとも50%から分離されれば)、該細胞又は細胞の集団をインビトロで増殖させ、拡大することができる。例えば、単離された胎盤細胞の集団を、組織培養容器、例えば、ディッシュ、フラスコ、マルチウェルプレートなどの中で、70〜90%コンフルエンスになるまで、すなわち、該細胞及びその子孫が、組織培養容器の培養表面積の70〜90%を占めるまで、該細胞が増殖するのに十分な時間、培養することができる。
単離された胎盤細胞、又は単離された胎盤細胞の集団が分離されれば(例えば、胎盤細胞又は胎盤細胞の集団が、該幹細胞又は幹細胞の集団が通常インビボで関連している胎盤細胞の少なくとも50%から分離されれば)、該細胞又は細胞の集団をインビトロで増殖させ、拡大することができる。例えば、単離された胎盤細胞の集団を、組織培養容器、例えば、ディッシュ、フラスコ、マルチウェルプレートなどの中で、70〜90%コンフルエンスになるまで、すなわち、該細胞及びその子孫が、組織培養容器の培養表面積の70〜90%を占めるまで、該細胞が増殖するのに十分な時間、培養することができる。
単離された胎盤細胞を、細胞成長を可能にする密度で培養容器中に播種することができる。例えば、該細胞を、低密度(約1000〜約5000細胞/cm2)から高密度(例えば、約50,000以上の細胞/cm2)で播種してもよい。好ましい実施態様では、該細胞を、大気中、約0〜約5容積%のCO2の存在下で培養する。いくつかの好ましい実施態様では、該細胞を、大気中、約2〜約25%のO2、好ましくは、大気中、約5〜約20%のO2で培養する。該細胞を、約25℃〜約40℃、好ましくは37℃で培養することが好ましい。該細胞をインキュベーター内で培養することが好ましい。培養培地は、静止状態とするか、又は例えば、バイオリアクターを用いて撹拌することができる。胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞を(例えば、グルタチオン、アスコルビン酸、カタラーゼ、トコフェロール、N-アセチルシステインなどの添加により)低酸化ストレス下で成長させることが好ましい。
100%未満、例えば、70〜90%のコンフルエンスが得られれば、細胞を継代してもよい。例えば、該細胞を、当技術分野で周知の技術を用いて酵素的に処理し、例えば、トリプシン処理し、それらを組織培養表面から分離することができる。該細胞をピペッティングで取り除き、該細胞を計数した後、約10,000〜100,000細胞/cm2を、新鮮な培養培地を含む新しい培養容器に継代する。通常、新しい培地は、単離された胎盤細胞が取り除かれた培地と同じ種類である。該単離された胎盤細胞を、約、少なくとも、又はわずか1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、もしくは20回、又はそれより多くの回数継代することができる。
(4.4.3 単離された胎盤細胞の集団)
本明細書に記載の方法及び組成物において有用な、単離された胎盤細胞、例えば、上の第4.2.2節に記載の単離された胎盤細胞の集団も本明細書で提供される。単離された胎盤細胞の集団を1以上の胎盤から直接単離することができる;すなわち、該細胞集団は、単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞の集団であることができ、ここで、該単離された胎盤細胞は、灌流液から得られるか、又はその中に含まれるか、或いは破壊された胎盤組織、例えば、胎盤組織消化物(すなわち、胎盤もしくはその部分の酵素的消化によって得られる細胞の集合体)から得られるか、又はその中に含まれる。本明細書に記載の単離された胎盤細胞を培養及び拡大して、単離された胎盤細胞の集団を生じさせることもできる。該単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞の集団を培養及び拡大して、胎盤細胞集団を生じさせることもできる。
本明細書に記載の方法及び組成物において有用な、単離された胎盤細胞、例えば、上の第4.2.2節に記載の単離された胎盤細胞の集団も本明細書で提供される。単離された胎盤細胞の集団を1以上の胎盤から直接単離することができる;すなわち、該細胞集団は、単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞の集団であることができ、ここで、該単離された胎盤細胞は、灌流液から得られるか、又はその中に含まれるか、或いは破壊された胎盤組織、例えば、胎盤組織消化物(すなわち、胎盤もしくはその部分の酵素的消化によって得られる細胞の集合体)から得られるか、又はその中に含まれる。本明細書に記載の単離された胎盤細胞を培養及び拡大して、単離された胎盤細胞の集団を生じさせることもできる。該単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞の集団を培養及び拡大して、胎盤細胞集団を生じさせることもできる。
本明細書で提供される治療方法において有用な胎盤細胞集団は、単離された胎盤細胞、例えば、本明細書中の第4.4.2節に記載された単離された胎盤細胞を含む。様々な実施態様では、胎盤細胞集団内の細胞の少なくとも10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、95%、又は99%は、単離された胎盤細胞である。すなわち、単離された胎盤細胞の集団は、例えば、該単離された胎盤細胞ではない1%、5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%と同程度の量の細胞を含むことができる。
本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞集団を、例えば、酵素的消化によって得られたものであれ、灌流によって得られたものであれ、特定のマーカー及び/又は特定の培養特性もしくは形態特性を発現する単離された胎盤細胞を選択することによって生じさせることができる。一実施態様では、例えば、(a)基材に接着し、かつ(b)CD200を発現し、HLA-Gの発現を欠く胎盤細胞を選択し;かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって、細胞集団を生じさせる方法が本明細書で提供される。別の実施態様では、細胞集団を、CD200を発現し、HLA-Gの発現を欠く胎盤細胞を選択し、かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。別の実施態様では、細胞集団を、(a)基材に接着し、かつ(b)CD73、CD105、及びCD200を発現する胎盤細胞を選択し;かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。別の実施態様では、細胞集団を、CD73、CD105、及びCD200を発現する胎盤細胞を同定し、かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。別の実施態様では、細胞集団を、(a)基材に接着し、かつ(b)CD200及びOCT-4を発現する胎盤細胞を選択し;かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。別の実施態様では、細胞集団を、CD200及びOCT-4を発現する胎盤細胞を選択し、かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。別の実施態様では、細胞集団を、(a)基材に接着し、(b)CD73及びCD105を発現し、かつ(c)該幹細胞を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進する胎盤細胞を選択し;かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。別の実施態様では、細胞集団を、CD73及びCD105を発現し、かつ該幹細胞を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進する胎盤細胞を選択し、かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。別の実施態様では、細胞集団を、(a)基材に接着し、かつ(b)CD73及びCD105を発現し、HLA-Gの発現を欠く胎盤細胞を選択し;かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。別の実施態様では、細胞集団を、CD73及びCD105を発現し、HLA-Gの発現を欠く胎盤細胞を選択し、かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。別の実施態様では、細胞集団を生じさせる方法は、(a)基材に接着し、(b)OCT-4を発現し、かつ(c)該幹細胞を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進する胎盤細胞を選択すること;及び該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることを含む。別の実施態様では、細胞集団を、OCT-4を発現し、かつ該幹細胞を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進する胎盤細胞を選択し、かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。
別の実施態様では、細胞集団を、(a)基材に接着し、かつ(b)CD10及びCD105を発現し、CD34を発現しない胎盤細胞を選択し;かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。別の実施態様では、細胞集団を、CD10及びCD105を発現し、CD34を発現しない胎盤細胞を選択し、かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。別の実施態様では、細胞集団を、(a)基材に接着し、かつ(b)CD10、CD105、及びCD200を発現し、CD34を発現しない胎盤細胞を選択し;かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。別の実施態様では、細胞集団を、CD10、CD105、及びCD200を発現し、CD34を発現しない胎盤細胞を選択し、かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。別の具体的な実施態様では、細胞集団を、(a)基材に接着し、かつ(b)CD10、CD90、CD105、及びCD200を発現し、CD34及びCD45を発現しない胎盤細胞を選択し;かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。別の具体的な実施態様では、細胞集団を、CD10、CD90、CD105、及びCD200を発現し、CD34及びCD45を発現しない胎盤細胞を選択し、かつ該細胞を他の細胞から単離して細胞集団を形成させることによって生じさせる。
上の第4.2.2節に記載のマーカー組合せのいずれかを有する胎盤細胞を含む細胞集団の選択物を同様のやり方で単離するか、又は得ることができる。
上記の実施態様のいずれにおいても、単離された細胞集団の選択はさらに、ABC-p(胎盤特異的ABC輸送体タンパク質;例えば、Allikmetsらの文献(Cancer Res. 58(23):5337-9(1998))を参照されたい)を発現する胎盤細胞を選択することを含むことができる。該方法は、例えば、間葉系幹細胞に特異的な少なくとも1つの特徴、例えば、CD44の発現、CD90の発現、又は前述のものの組合せの発現を示す細胞を選択することを含むこともできる。
上記の実施態様では、基材は、細胞、例えば、単離された胎盤細胞の培養及び/又は選択を達成することができる任意の表面であることができる。通常、該基材は、プラスチック、例えば、組織培養ディッシュ又はマルチウェルプレートプラスチックである。組織培養プラスチックは、生体分子、例えば、ラミニン又はフィブロネクチンでコーティングすることができる。
細胞、例えば、単離された胎盤細胞を、細胞選択の技術分野で公知の任意の手段によって、胎盤細胞集団について選択することができる。例えば、細胞を、例えば、フローサイトメトリー又はFACSにおいて1つ又は複数の細胞表面マーカーに対する1つ又は複数の抗体を用いて選択することができる。抗体を磁気ビーズと組み合わせて用いて、選択を達成することができる。特定の幹細胞関連マーカーに特異的である抗体は当技術分野で公知である。例えば、OCT-4に対する抗体(Abcam, Cambridge, MA)、CD200に対する抗体(Abcam)、HLA-Gに対する抗体(Abcam)、CD73に対する抗体(BD Biosciences Pharmingen, San Diego, CA)、CD105に対する抗体(Abcam;BioDesign International, Saco, ME)など。他のマーカーに対する抗体も市販されており、例えば、CD34、CD38、及びCD45に対する抗体が、例えば、StemCell Technologies又はBioDesign Internationalから入手可能である。
単離された胎盤細胞集団は、幹細胞ではない胎盤細胞、又は胎盤細胞ではない細胞を含むことができる。
本明細書で提供される単離された胎盤細胞集団は、1以上の非幹細胞又は非胎盤細胞集団と組み合わせることができる。例えば、単離された胎盤細胞の集団は、血液(例えば、胎盤血又は臍帯血)、血液由来幹細胞(例えば、胎盤血又は臍帯血に由来する幹細胞)、臍帯幹細胞、血液由来有核細胞の集団、骨髄由来間葉系細胞、骨髄由来幹細胞集団、粗骨髄、成体(体性)幹細胞、組織内に含まれる幹細胞の集団、培養された幹細胞、完全に分化した細胞(例えば、軟骨細胞、線維芽細胞、羊膜細胞、骨芽細胞、筋肉細胞、心臓細胞など)の集団などと組み合わせることができる。具体的な実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な細胞の集団は、単離された胎盤細胞及び単離された臍帯細胞を含む。単離された胎盤細胞集団内の細胞を、各々の集団内の全有核細胞の数と比べて、約100,000,000:1、50,000,000:1、20,000,000:1、10,000,000:1、5,000,000:1、2,000,000:1、1,000,000:1、500,000:1、200,000:1、100,000:1,50,000:1、20,000:1、10,000:1、5,000:1、2,000:1、1,000:1、500:1、200:1、100:1、50:1、20:1、10:1、5:1、2:1、1:1;1:2;1:5;1:10;1:100;1:200;1:500;1:1,000;1:2,000;1:5,000;1:10,000;1:20,000;1:50,000;1:100,000;1:500,000;1:1,000,000;1:2,000,000;1:5,000,000;1:10,000,000;1:20,000,000;1:50,000,000;又は約1:100,000,000の比で、別のタイプの複数の細胞と組み合わせることができる。単離された胎盤細胞集団内の細胞を複数の細胞型の複数の細胞と組み合わせることもできる。
一実施態様では、単離された胎盤細胞集団は、複数の造血幹細胞と組み合わせることができる。そのような造血幹細胞は、例えば、未処理の胎盤血、臍帯血、又は末梢血;胎盤血、臍帯血、又は末梢血由来の全有核細胞;胎盤血、臍帯血、又は末梢血由来の単離されたCD34+細胞集団;未処理の骨髄;骨髄由来の全有核細胞;骨髄由来の単離されたCD34+細胞集団などに含まれることができる。
他の実施態様では、本明細書に記載の胎盤細胞、例えば、上の第4.2節に記載のPDACの集団を、骨形成性胎盤接着細胞(OPAC)、例えば、その開示がその全体として引用により本明細書中に組み込まれている、2009年8月24日に出願された、「胎盤幹細胞を用いた骨欠損の治療のための方法及び組成物(Methods and Compositions for Treatment of Bone Defects With Placental Stem Cells)」という表題の米国特許出願第12/546,556号に記載されているOPACと組み合わせる。
(4.5 胎盤細胞バンクの作製)
分娩後の胎盤由来の単離された細胞、例えば、上の第4.2.2節に記載の単離された胎盤細胞をいくつかの異なる方法で培養して、単離された胎盤細胞のロットの組を生じさせることができ、例えば、ここで、ロットは、個別投与可能な用量の組である。そのようなロットは、例えば、胎盤灌流液由来の細胞又は酵素的消化した胎盤組織由来の細胞から得ることができる。複数の胎盤から得られた胎盤細胞のロットの組を、例えば、長期保存用の単離された胎盤細胞のバンクに準備しておくことできる。通常、組織培養プラスチック接着性胎盤細胞を胎盤材料の初期培養物から得て、シード培養物を形成させ、これを制御された条件下で拡大して、ほぼ同等数の倍加から細胞の集団を形成させる。ロットは、単一の胎盤の組織に由来することが好ましいが、複数の胎盤の組織に由来することもできる。
分娩後の胎盤由来の単離された細胞、例えば、上の第4.2.2節に記載の単離された胎盤細胞をいくつかの異なる方法で培養して、単離された胎盤細胞のロットの組を生じさせることができ、例えば、ここで、ロットは、個別投与可能な用量の組である。そのようなロットは、例えば、胎盤灌流液由来の細胞又は酵素的消化した胎盤組織由来の細胞から得ることができる。複数の胎盤から得られた胎盤細胞のロットの組を、例えば、長期保存用の単離された胎盤細胞のバンクに準備しておくことできる。通常、組織培養プラスチック接着性胎盤細胞を胎盤材料の初期培養物から得て、シード培養物を形成させ、これを制御された条件下で拡大して、ほぼ同等数の倍加から細胞の集団を形成させる。ロットは、単一の胎盤の組織に由来することが好ましいが、複数の胎盤の組織に由来することもできる。
一実施態様では、胎盤細胞ロットは、次のように得られる。胎盤組織をまず、例えば、細かく刻むことによって破壊し、好適な酵素、例えば、トリプシン又はコラゲナーゼで消化する(上の第4.3.3節を参照されたい)。胎盤組織は、例えば、単一の胎盤由来の羊膜全体、絨毛膜全体、又は両方を含むことが好ましいが、羊膜又は絨毛膜のいずれかの一部のみを含むことができる。消化した組織を、例えば、約1〜3週間、好ましくは、約2週間培養する。接着していない細胞を除去した後、形成される高密度コロニーを、例えば、トリプシン処理によって回収する。これらの細胞を回収し、好都合な容量の培養培地に再懸濁し、その後、それを用いて、拡大培養物を播種する。拡大培養物は、別々の細胞培養装置、例えば、NUNC(商標)製のCell Factoryに配置したものであることができる。拡大培養物を、例えば、1×103、2×103、3×103、4×103、5×103、6×103、7×103、8×103、9×103、1×104、1×104、2×104、3×104、4×104、5×104、6×104、7×104、8×104、9×104、又は10×104細胞/cm2で播種するために、細胞を任意の程度に細分することができる。好ましくは、約1×103〜約1×104細胞/cm2を用いて、各々の拡大培養物を播種する。拡大培養物の数は、該細胞が得られる特定の胎盤(複数可)によって、数がより多いことも、より少ないこともあり得る。
培養下の細胞の密度が、一定のレベル、例えば、約1×105細胞/cm2に達するまで、拡大培養物を成長させる。細胞をこの時点で回収して凍結保存するか、又は上記のような新しい拡大培養物へと継代することができる。使用前に、細胞を、例えば、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、又は20回継代することができる。拡大培養(複数可)中、集団倍加の累積数の記録を保持することが好ましい。培養物由来の細胞は、2、3、4、5、6、7、8、9、10、12、14、16、18、20、22、24、26、28、30、32、34、36、38、もしくは40回の倍加、又は最大60回の倍加の間、拡大することができる。しかしながら、細胞の集団を個々の用量に分割する前の集団倍加の数は、約15〜約30回であることが好ましい。細胞は、拡大過程を通して連続的に培養することができるか、又は拡大の間の1以上の時点で凍結させることができる。
個々の用量のために使用すべき細胞は、凍結させる、例えば、後続的使用のために凍結保存することができる。個々の用量は、例えば、1ml当たり約1,000,000〜約50,000,000個の細胞を含むことができ、かつ全体で約106〜約1010個の細胞を含むことができる。
一実施態様では、それゆえ、胎盤細胞バンクは、第一の複数の集団倍加の間、ヒトの分娩後の胎盤から初代培養胎盤細胞を拡大し;該胎盤細胞を凍結保存して、マスター細胞バンクを形成させ;第二の複数の集団倍加の間、該マスター細胞バンクから複数の胎盤細胞を拡大し;該胎盤細胞を凍結保存して、ワーキング細胞バンクを形成させ;第三の複数の集団倍加の間、該ワーキング細胞バンクから複数の胎盤細胞を拡大し;かつ該胎盤細胞を個々の用量で凍結保存すること:を含む方法によって作製することができ、ここで、該個々の用量は、胎盤細胞バンクを集合的に構成する。任意で、該第三の複数の集団倍加からの複数の胎盤細胞を第四の複数の集団倍加の間、拡大して、個々の用量で凍結保存することができ、ここで、該個々の用量は、胎盤細胞バンクを集合的に構成する。
別の具体的な実施態様では、該初代培養胎盤細胞は、胎盤灌流液由来の胎盤細胞を含む。別の具体的な実施態様では、該初代培養胎盤細胞は、消化した胎盤組織由来の胎盤細胞を含む。別の具体的な実施態様では、該初代培養胎盤細胞は、胎盤灌流液由来及び消化した胎盤組織由来の胎盤細胞を含む。別の具体的な実施態様では、該胎盤細胞初代培養物中の該胎盤細胞は全て、同じ胎盤由来のものである。別の具体的な実施態様では、本方法はさらに、該ワーキング細胞バンク由来の該複数の該胎盤細胞からCD200+又はHLA-G-胎盤細胞を選択して、個々の用量を形成させる工程を含む。別の具体的な実施態様では、該個々の用量は、約104〜約105個の胎盤細胞を含む。別の具体的な実施態様では、該個々の用量は、約105〜約106個の胎盤細胞を含む。別の具体的な実施態様では、該個々の用量は、約106〜約107個の胎盤細胞を含む。別の具体的な実施態様では、該個々の用量は、約107〜約108個の胎盤細胞を含む。別の具体的な実施態様では、該個々の用量は、約108〜約109個の胎盤細胞を含む。別の具体的な実施態様では、該個々の用量は、約109〜約1010個の胎盤細胞を含む。
好ましい実施態様では、胎盤が得られるドナー(例えば、母親)を少なくとも1つの病原体について検査する。母親が、検査した病原体について陽性反応を示す場合、該胎盤由来の全ロットを廃棄する。そのような検査は、胎盤細胞ロットの産生中、例えば、拡大培養中のいつでも実施することができる。その存在を検査する病原体としては、限定するものではないが、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、D型肝炎、E型肝炎、ヒト免疫不全ウイルス(I型及びII型)、サイトメガロウイルス、ヘルペスウイルスなどを挙げることができる。
(4.6 胎盤細胞の保存)
単離された胎盤細胞、例えば、上の第4.3.2節に記載の単離された胎盤細胞を、保存する、すなわち、長期保存を可能にする条件下、又は例えば、アポトーシスもしくは壊死による細胞死を阻害する条件下に置くことができる。
単離された胎盤細胞、例えば、上の第4.3.2節に記載の単離された胎盤細胞を、保存する、すなわち、長期保存を可能にする条件下、又は例えば、アポトーシスもしくは壊死による細胞死を阻害する条件下に置くことができる。
胎盤細胞を、例えば、その開示が、その全体として引用により本明細書中に組み込まれている、関連米国特許出願公開第2007/0190042号に記載されているアポトーシス阻害剤、壊死阻害剤、及び/又は酸素担持ペルフルオロカーボンを含む組成物を用いて保存することができる。一実施態様では、本明細書に記載の方法及び組成物において有用な細胞の集団を保存する方法は、該細胞の集団を、アポトーシスの阻害剤及び酸素担持ペルフルオロカーボンを含む細胞回収組成物と接触させることを含み、ここで、該アポトーシスの阻害剤は、該アポトーシスの阻害剤と接触していない細胞の集団と比較したとき、該細胞の集団のアポトーシスを低下させるか又は防止するのに十分な量で、かつ該細胞の集団のアポトーシスを低下させるか又は防止するのに十分な時間、存在する。具体的な実施態様では、該アポトーシスの阻害剤は、カスパーゼ阻害剤である。別の具体的な実施態様では、該アポトーシスの阻害剤はJNK阻害剤である。別の具体的な実施態様では、該JNK阻害剤は、該細胞の分化又は増殖を調節しない。別の実施態様では、該細胞回収組成物は、分離相中に該アポトーシスの阻害剤及び該酸素担持ペルフルオロカーボンを含む。別の実施態様では、該細胞回収組成物は、エマルジョン中に該アポトーシスの阻害剤及び該酸素担持ペルフルオロカーボンを含む。別の実施態様では、該細胞回収組成物はさらに、乳化剤、例えば、レシチンを含む。別の実施態様では、該アポトーシス阻害剤及び該ペルフルオロカーボンは、該細胞と接触させるときに、約0℃〜約25℃である。別の具体的な実施態様では、該アポトーシス阻害剤及び該ペルフルオロカーボンは、該細胞と接触させるときに、約2℃〜10℃、又は約2℃〜約5℃である。別の具体的な実施態様では、該接触させることは、該細胞の集団の輸送の間に行なわれる。別の具体的な実施態様では、該接触させることは、該細胞の集団の凍結及び解凍の間に行なわれる。
胎盤細胞の集団を、例えば、該細胞の集団をアポトーシスの阻害剤及び臓器保存化合物と接触させる方法によって保存することができ、ここで、該アポトーシスの阻害剤は、該アポトーシスの阻害剤と接触していない細胞の集団と比較したとき、該細胞の集団のアポトーシスを低下させるか又は防止するのに十分な量で、かつ該細胞の集団のアポトーシスを低下させるか又は防止するのに十分な時間、存在する。具体的な実施態様では、臓器保存化合物は、UW溶液(米国特許第4,798,824号に記載されており;ViaSpanとしても知られているもの;Southardらの文献(Transplantation 49(2):251-257(1990))も参照されたい)、又はSternらの米国特許第5,552,267号に記載されている溶液であり、これらの文献の開示は、その全体が引用により本明細書中に組み込まれる。別の実施態様では、該臓器保存化合物は、ヒドロキシエチルスターチ、ラクトビオン酸、ラフィノース、又はそれらの組合せである。別の実施態様では、細胞回収組成物はさらに、2相状態にあるか又はエマルジョンとしてかのいずれかの酸素担持ペルフルオロカーボンを含む。
本方法の別の実施態様では、胎盤細胞を、灌流の間に、アポトーシス阻害剤及び酸素担持ペルフルオロカーボン、臓器保存化合物、又はそれらの組合せを含む細胞回収組成物と接触させる。別の実施態様では、該細胞を、組織破壊、例えば、酵素的消化のプロセスの間に、接触させる。別の実施態様では、胎盤細胞を、灌流による回収の後に、又は組織破壊、例えば、酵素的消化による回収の後に、該細胞回収化合物と接触させる。
通常、胎盤細胞の回収、濃縮、及び単離時に、低酸素及び機械的ストレスによる細胞ストレスを最小限に抑えるか、又はそれらを排除することが好ましい。本方法の別の実施態様では、それゆえ、細胞、又は細胞の集団は、回収、濃縮、又は単離時に、該保存時に6時間未満の間、低酸素状態に曝され、ここで、低酸素状態は、正常な血中酸素濃度を下回る酸素濃度である。別の具体的な実施態様では、該細胞の集団は、該保存時に2時間未満の間、該低酸素状態に曝される。別の具体的な実施態様では、該細胞の集団は、回収、濃縮、又は単離時に、1時間未満、もしくは30分未満の間、該低酸素状態に曝されるか、又は低酸素状態に曝されない。別の具体的な実施態様では、該細胞の集団は、回収、濃縮、又は単離時に、剪断ストレスに曝されない。
胎盤細胞を、例えば、小型の容器、例えば、アンプル中の凍結保存培地に入れて凍結保存することができる。好適な凍結保存培地としては、例えば、成長培地、又は細胞凍結培地、例えば、市販の細胞凍結培地、例えば、C2695、C2639、もしくはC6039(Sigma)をはじめとする培養培地が挙げられるが、これらに限定されない。凍結保存培地は、約2%〜約15%(v/v)、例えば、約10%(v/v)の濃度のDMSO(ジメチルスルホキシド)を含むことが好ましい。凍結保存培地は、さらなる作用物質、例えば、メチルセルロース及び/又はグリセロールを含んでいてもよい。胎盤細胞を、凍結保存時に、約1℃/分で冷却することが好ましい。好ましい凍結保存温度は、約-80℃〜約-180℃、好ましくは約-125℃〜約-140℃である。凍結保存された細胞を液体窒素に移した後、使用のために解凍することができる。いくつかの実施態様では、例えば、アンプルが約-90℃に達したら、それを液体窒素保存領域に移す。速度制御フリーザーを用いて凍結保存を行なうこともできる。凍結保存された細胞は、約25℃〜約40℃、好ましくは約37℃の温度で解凍することが好ましい。
(4.7 単離された胎盤細胞を含む組成物)
本明細書中、例えば、第4.4.2節に記載の胎盤細胞を、本明細書に記載の方法及び組成物で用いるための任意の生理的に許容し得る又は医学的に許容し得る化合物、組成物、又は装置と組み合わせることができる。本明細書で提供される治療方法において有用な組成物は、本明細書に記載の胎盤細胞のいずれか1つ又は複数を含むことができる(上の第4.4.2節を参照されたい)。特定の実施態様では、該組成物は、医薬として許容し得る組成物、例えば、医薬として許容し得る担体中に胎盤細胞を含む組成物である。下の第4.9.2節を参照されたい。
本明細書中、例えば、第4.4.2節に記載の胎盤細胞を、本明細書に記載の方法及び組成物で用いるための任意の生理的に許容し得る又は医学的に許容し得る化合物、組成物、又は装置と組み合わせることができる。本明細書で提供される治療方法において有用な組成物は、本明細書に記載の胎盤細胞のいずれか1つ又は複数を含むことができる(上の第4.4.2節を参照されたい)。特定の実施態様では、該組成物は、医薬として許容し得る組成物、例えば、医薬として許容し得る担体中に胎盤細胞を含む組成物である。下の第4.9.2節を参照されたい。
特定の実施態様では、単離された胎盤細胞を含む組成物はさらに、マトリックス、例えば、脱細胞化マトリックス又は合成マトリックスを含む。別の具体的な実施態様では、該マトリックスは、3次元スキャフォールドである。別の具体的な実施態様では、該マトリックスは、コラーゲン、ゼラチン、ラミニン、フィブロネクチン、ペクチン、オルニチン、又はビトロネクチンを含む。別のより具体的な実施態様では、該マトリックスは、羊膜又は羊膜由来生体材料である。別の具体的な実施態様では、該マトリックスは、細胞外膜タンパク質を含む。別の具体的な実施態様では、該マトリックスは、合成化合物を含む。別の具体的な実施態様では、該マトリックスは、生体活性化合物を含む。別の具体的な実施態様では、該生体活性化合物は、5,000ダルトン未満の成長因子、サイトカイン、抗体、又は有機分子である。
別の実施態様では、本明細書で提供される治療方法において有用な組成物は、前述の胎盤細胞のいずれか、又は前述の胎盤細胞集団のいずれかによって馴化された培地を含む。
(4.7.1 凍結保存された単離された胎盤細胞)
本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞集団を、後で使用するために保存する、例えば、凍結保存することができる。幹細胞などの細胞の凍結保存方法は当技術分野で周知である。単離された胎盤細胞集団を、個体に容易に投与することができる形態、例えば、医療用途に好適な容器中に含まれる単離された胎盤細胞集団として調製することができる。そのような容器は、例えば、注射器、滅菌プラスチックバッグ、フラスコ、瓶、又は単離された胎盤細胞集団を容易に分注することができる他の容器であることができる。例えば、該容器は、血液バッグ又はレシピエントへの液体の静脈内投与に好適な他のプラスチック製の、医療用に許容し得るバッグであることができる。該容器は、組み合わされた細胞集団の凍結保存を可能にする容器であることが好ましい。
本明細書に記載の方法及び組成物において有用な単離された胎盤細胞集団を、後で使用するために保存する、例えば、凍結保存することができる。幹細胞などの細胞の凍結保存方法は当技術分野で周知である。単離された胎盤細胞集団を、個体に容易に投与することができる形態、例えば、医療用途に好適な容器中に含まれる単離された胎盤細胞集団として調製することができる。そのような容器は、例えば、注射器、滅菌プラスチックバッグ、フラスコ、瓶、又は単離された胎盤細胞集団を容易に分注することができる他の容器であることができる。例えば、該容器は、血液バッグ又はレシピエントへの液体の静脈内投与に好適な他のプラスチック製の、医療用に許容し得るバッグであることができる。該容器は、組み合わされた細胞集団の凍結保存を可能にする容器であることが好ましい。
凍結保存された単離された胎盤細胞集団は、単一のドナー、又は複数のドナーに由来する単離された胎盤細胞を含むことができる。単離された胎盤細胞集団は、意図されるレシピエントと完全にHLAが一致するものであることができるか、又は一部もしくは完全にHLAが一致しないものであることができる。
したがって、一実施態様では、単離された胎盤細胞を、本明細書に記載の方法において、容器中に組織培養プラスチック接着性胎盤細胞集団を含む組成物の形態で用いることができる。具体的な実施態様では、単離された胎盤細胞は凍結保存されている。別の具体的な実施態様では、容器は、バッグ、フラスコ、又は瓶である。別の具体的な実施態様では、該バッグは、滅菌プラスチックバッグである。別の具体的な実施態様では、該バッグは、例えば、静脈内注入による該単離された胎盤細胞集団の静脈内投与に好適であるか、該静脈内投与を可能にするか、又は該静脈内投与を容易にする。該バッグは、投与の前又は投与の間に、単離された胎盤細胞と1種以上の他の溶液、例えば、薬物との混合を可能にするために相互接続されている複数の内腔又は区画を含むことができる。別の具体的な実施態様では、該組成物は、組み合わされた細胞集団の凍結保存を容易にする1種以上の化合物を含む。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞集団は、生理的に許容し得る水溶液に含まれている。別の具体的な実施態様では、該生理的に許容し得る水溶液は、0.9%NaCl溶液である。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞集団は、該細胞集団のレシピエントとHLAが一致する胎盤細胞を含む。別の具体的な実施態様では、該組み合わされた細胞集団は、該細胞集団のレシピエントと少なくとも一部HLAが一致しない胎盤細胞を含む。別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、複数のドナーに由来する。
特定の実施態様では、容器中の単離された胎盤細胞は、単離されたCD10+、CD34-、CD105+胎盤細胞であり、ここで、該細胞は、凍結保存されたものであり、かつ容器に収容されている。具体的な実施態様では、該CD10+、CD34-、CD105+胎盤細胞は、CD200+でもある。別の具体的な実施態様では、該CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤細胞は、CD45-又はCD90+でもある。別の具体的な実施態様では、該CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤細胞は、CD45-及びCD90+でもある。別の具体的な実施態様では、該CD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞はさらに、CD13+、CD29+、CD33+、CD38-、CD44+、CD45-、CD54+、CD62E-、CD62L-、CD62P-、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80-、CD86-、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117-、CD144/VE-カドヘリンdim、CD184/CXCR4-、CD200+、CD133-、OCT-4+、SSEA3-、SSEA4-、ABC-p+、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A,B,C+、HLA-DP、DQ、DR-、HLA-G-、もしくはプログラム死-1リガンド(PDL1)+のうちの1つもしくは複数、又はそれらの任意の組合せである。別の具体的な実施態様では、該CD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞はさらに、CD13+、CD29+、CD33+、CD38-、CD44+、CD45-、CD54/ICAM+、CD62E-、CD62L-、CD62P-、SH3+(CD73+)、SH4+(CD73+)、CD80-、CD86-、CD90+、SH2+(CD105+)、CD106/VCAM+、CD117-、CD144/VE-カドヘリンdim、CD184/CXCR4-、CD200+、CD133-、OCT-4+、SSEA3-、SSEA4-、ABC-p+、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A,B,C+、HLA-DP、DQ、DR-、HLA-G-、及びプログラム死-1リガンド(PDL1)+である。
特定の他の実施態様では、上で言及した単離された胎盤細胞は、単離されたCD200+、HLA-G-胎盤細胞であり、ここで、該細胞は、凍結保存されたものであり、かつ容器に収容されている。別の実施態様では、該単離された胎盤細胞は、凍結保存されたものであり、かつ容器に収容されている、CD73+、CD105+、CD200+細胞である。別の実施態様では、該単離された胎盤細胞は、凍結保存されたものであり、かつ容器に収容されている、CD200+、OCT-4+幹細胞である。別の実施態様では、該単離された胎盤細胞は、凍結保存されたものであり、かつ容器に収容されている、CD73+、CD105+細胞であり、ここで、該単離された胎盤細胞は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で胎盤細胞の集団とともに培養したとき、1以上の胚様体様体の形成を促進する。別の実施態様では、該単離された胎盤細胞は、凍結保存されたものであり、かつ容器に収容されている、CD73+、CD105+、HLA-G-細胞である。別の実施態様では、該単離された胎盤細胞は、凍結保存されたものであり、かつ容器に収容されている、OCT-4+胎盤細胞であり、ここで、該細胞は、胚様体様体の形成を可能にする条件下で胎盤細胞の集団とともに培養したとき、1以上の胚様体様体の形成を促進する。
別の具体的な実施態様では、上で言及した単離された胎盤細胞は、フローサイトメトリーで検出した場合、CD34-、CD10+、及びCD105+である胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞(例えば、PDAC)である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞は、神経表現型の細胞、骨形成表現型の細胞、又は軟骨形成表現型の細胞に分化する潜在能力を有する。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞はさらに、CD200+である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞はさらに、フローサイトメトリーで検出した場合、CD90+又はCD45-である。別の具体的な実施態様では、該単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞はさらに、フローサイトメトリーで検出した場合、CD90+又はCD45-である。別の具体的な実施態様では、該CD34-、CD10+、CD105+、CD200+胎盤細胞はさらに、フローサイトメトリーで検出した場合、CD90+又はCD45-である。別の具体的な実施態様では、該CD34-、CD10+、CD105+、CD200+細胞はさらに、フローサイトメトリーで検出した場合、CD90+及びCD45-である。別の具体的な実施態様では、該CD34-、CD10+、CD105+、CD200+、CD90+、CD45-細胞はさらに、フローサイトメトリーで検出した場合、CD80-及びCD86-である。別の具体的な実施態様では、該CD34-、CD10+、CD105+細胞はさらに、CD29+、CD38-、CD44+、CD54+、CD80-、CD86-、SH3+、又はSH4+のうちの1つ又は複数である。別の具体的な実施態様では、該細胞はさらに、CD44+である。上記の単離されたCD34-、CD10+、CD105+胎盤細胞のいずれかの具体的な実施態様では、該細胞はさらに、CD117-、CD133-、KDR-(VEGFR2-)、HLA-A,B,C+、HLA-DP、DQ、DR-、及び/又はPDL1+のうちの1つ又は複数である。
前述の凍結保存された単離された胎盤細胞のいずれかの具体的な実施態様では、該容器はバッグである。様々な具体的な実施態様では、該容器は、約、少なくとも、又は多くとも1×106個の該単離された胎盤細胞、5×106個の該単離された胎盤細胞、1×107個の該単離された胎盤細胞、5×107個の該単離された胎盤細胞、1×108個の該単離された胎盤細胞、5×108個の該単離された胎盤細胞、1×109個の該単離された胎盤細胞、5×109個の該単離された胎盤細胞、1×1010個の該単離された胎盤細胞、又は1×1010個の該単離された胎盤細胞を含む。前述の凍結保存された集団のいずれかの他の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、約、少なくとも、又はわずか5回、わずか10回、わずか15回、又はわずか20回、継代されたものである。前述の凍結保存された単離された胎盤細胞のいずれかの別の具体的な実施態様では、該単離された胎盤細胞は、該容器内で拡大されたものである。
(4.7.2 遺伝子操作された胎盤細胞)
胎盤細胞、例えば、上の第4.2.2節に記載の胎盤多能性細胞もしくは胎盤細胞のいずれか、又はそのような胎盤細胞を含む医薬組成物が本明細書でさらに提供され、ここで、該胎盤細胞は、血管形成と関連するか、又はそれを促進する組換え又は外因性サイトカインを産生するように遺伝子操作されている。
胎盤細胞、例えば、上の第4.2.2節に記載の胎盤多能性細胞もしくは胎盤細胞のいずれか、又はそのような胎盤細胞を含む医薬組成物が本明細書でさらに提供され、ここで、該胎盤細胞は、血管形成と関連するか、又はそれを促進する組換え又は外因性サイトカインを産生するように遺伝子操作されている。
例えば、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクター、ポリエチレングリコール、又は当業者に公知の他の方法によって、細胞を遺伝子操作する方法を用いることができる。これらは、細胞内に核酸分子を運び、細胞内で核酸分子を発現させる発現ベクターを用いることを含む。(Geoddelの文献;遺伝子発現技術(Gene Expression Technology)(Methods in Enzymology 185, Academic Press, San Diego, Calif.(1990))を参照されたい)。ベクターDNAを、従来の形質転換又はトランスフェクション技術によって、原核生物又は真核生物細胞に導入することができる。宿主細胞を形質転換又はトランスフェクトするための好適な方法は、Sambrookらの文献、分子クローニング:実験室マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)(第2版, Cold Spring Harbor Laboratory press(1989))、及び他の実験用教科書に見出すことができる。
例えば、レトロウイルス(レンチウイルスを含む)、サルウイルス40(SV40)、アデノウイルス、シンドビスウイルス、及びウシパピローマウイルスなどのDNAもしくはRNAウイルスベクターの使用を含むウイルスによる転移;リン酸カルシウムトランスフェクション及びDEAEデキストラントランスフェクション法を含む、化学的転移;例えば、リポソーム、赤血球ゴースト、及びプロトプラストなどのDNAをローディングする膜小胞を用いる、膜融合転移;又はマイクロインジェクション、エレクトロポレーション、もしくは裸のDNAの転移などの物理的転移技術をはじめとする方法によって、細胞にDNA又はRNA、例えば、目的のタンパク質をコードするDNA又はRNAを導入することにより、胎盤細胞、例えば、上の第4.2節に記載のPDACを遺伝子修飾することができる。外因性DNAの挿入によるか、又は細胞ゲノムのセグメントと外因性DNAとの置換によって、胎盤細胞を遺伝子改変することができる。例えば、相同組換えによるか、又は宿主細胞ゲノムへのウイルスの組込みによるか、又はプラスミド発現ベクター及び核局在化配列を用いて、細胞、特に、その核にDNAを取り込ませることによって、外因性DNA配列(複数可)の挿入を達成することができる。DNAは、特定の化学物質/薬物、例えば、テトラサイクリンを用いて、目的のタンパク質の正又は負の発現誘導を可能にする、1以上のプロモーターを含むことができ;該プロモーターは、他の実施態様では、構成的であることができる。
リン酸カルシウムトランスフェクションを用いて、例えば、目的のタンパク質をコードするポリヌクレオチド配列を含むプラスミドDNAを細胞に導入することができる。特定の実施態様では、DNAを塩化カルシウム溶液と組み合わせ、その後、リン酸緩衝溶液に添加する。沈殿が形成されたら、この溶液を培養細胞に直接添加する。DMSO又はグリセロールによる処理を用いて、トランスフェクション効率を向上させることができ、ビス-ヒドロキシエチルアミノエタンスルホネート(BES)を用いて、安定なトランスフェクタントのレベルを向上させることができる。リン酸カルシウムトランスフェクションシステムは、市販されている(例えば、PROFECTION(登録商標), Promega社, Madison, Wis.)。DEAE-デキストラントランスフェクションを用いることもできる。
単離された胎盤細胞を、マイクロインジェクションによって遺伝子操作することもできる。特定の実施態様では、ガラスマイクロピペットを光学顕微鏡下で細胞の核に導いて、DNA又はRNAを注入する。
胎盤細胞を、エレクトロポレーションを用いて遺伝子改変することもできる。特定の実施態様では、DNA又はRNAを培養細胞の懸濁液に添加し、DNA/RNA-細胞懸濁液を2本の電極の間に配置し、電気パルスにかけて、膜を横断する孔の出現により明らかになる細胞外膜における一過性の透過性を生じさせる。
細胞を遺伝子改変するためのDNA又はRNAのリポソーム送達を、任意にジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(DOPE)又はジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)を含むカチオン性リポソーム、例えば、LIPOFECTIN(登録商標)(Life Technologies社)を用いて行なうことができる。他の市販の送達系としては、EFFECTENE(商標)(Qiagen)、DOTAP(Roche Molecular Biochemicals)、FUGENE 6(商標)(Roche Molecular Biochemicals)、及びTRANSFECTAM(登録商標)(Promega)が挙げられる。
ウイルスベクターを用いて、例えば、標的遺伝子、ポリヌクレオチド、アンチセンス分子、又はリボザイム配列の細胞への送達により、胎盤細胞を遺伝子改変することができる。レトロウイルスベクターは、迅速に分裂する細胞に形質導入するのに効果的であるが、DNAを非分裂細胞にも同じく効果的に転移するように、いくつかのレトロウイルスベクターが開発されている。レトロウイルスベクター用のパッケージング細胞株は当業者に公知である。特定の実施態様では、レトロウイルスDNAベクターは、第1のLTRが、マルチクローニング部位にクローニングされた標的遺伝子配列に機能的に連結されるSV40プロモーターの5'に位置し、マルチクローニング部位の後に3'の第二のLTRが位置するように、2つのレトロウイルスLTRを含む。形成されたら、先に記載したようなリン酸カルシウムを介するトランスフェクションを用いて、レトロウイルスDNAベクターをパッケージング細胞株に転移する。ウイルス産生の約48時間後、その時にはもう標的遺伝子配列を含んでいるウイルスベクターを回収する。レンチウイルスベクター、組換えヘルペスウイルス、アデノウイルスベクター、又はアルファウイルスベクターを用いて細胞をトランスフェクトする方法は、当技術分野で公知である。
標的細胞のトランスフェクション又は形質導入の成功を、当業者に公知の技術において、遺伝子マーカーを用いて示すことができる。例えば、オワンクラゲ(Aequorea victoria)の緑色蛍光タンパク質は、遺伝子改変された造血細胞の同定及び追跡のための効果的なマーカーであることが示されている。別の選択マーカーとしては、β-Gal遺伝子、切断型の神経成長因子受容体、又は薬物選択マーカー(限定するものではないが、NEO、MTX、もしくはハイグロマイシンを含む)を挙げることができる。
(4.7.3 医薬組成物)
単離された胎盤細胞、例えば、PDACの集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を、例えば、本明細書で提供される治療方法においてインビボで用いるための医薬組成物へと製剤化することができる。そのような医薬組成物は、医薬として許容し得る担体、例えば、生理食塩水溶液又はインビボ投与のための他の認可された生理的に許容し得る溶液中に、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を含む。本明細書に記載の単離された胎盤細胞を含む医薬組成物は、本明細書の別所に記載されている、単離された胎盤細胞集団、もしくは単離された胎盤細胞のいずれか、又は単離された胎盤細胞集団、もしくは単離された胎盤細胞の任意の組合せを含むことができる。医薬組成物は、胎児の、母親の、又は胎児と母親の両方の単離された胎盤細胞を含むことができる。本明細書で提供される医薬組成物はさらに、単一の個体もしくは胎盤から、又は複数の個体もしくは胎盤から得られた単離された胎盤細胞を含むことができる。
単離された胎盤細胞、例えば、PDACの集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を、例えば、本明細書で提供される治療方法においてインビボで用いるための医薬組成物へと製剤化することができる。そのような医薬組成物は、医薬として許容し得る担体、例えば、生理食塩水溶液又はインビボ投与のための他の認可された生理的に許容し得る溶液中に、単離された胎盤細胞の集団、又は単離された胎盤細胞を含む細胞の集団を含む。本明細書に記載の単離された胎盤細胞を含む医薬組成物は、本明細書の別所に記載されている、単離された胎盤細胞集団、もしくは単離された胎盤細胞のいずれか、又は単離された胎盤細胞集団、もしくは単離された胎盤細胞の任意の組合せを含むことができる。医薬組成物は、胎児の、母親の、又は胎児と母親の両方の単離された胎盤細胞を含むことができる。本明細書で提供される医薬組成物はさらに、単一の個体もしくは胎盤から、又は複数の個体もしくは胎盤から得られた単離された胎盤細胞を含むことができる。
本明細書で提供される医薬組成物は、任意の数の単離された胎盤細胞を含むことができる。例えば、単離された胎盤細胞の単一の単位用量は、様々な実施態様では、約、少なくとも、又は以下の個数を超えない1×105、5×105、1×106、5×106、1×107、5×107、1×108、5×108、1×109、5×109、1×1010、5×1010、1×1011個、又はそれより多くの単離された胎盤細胞を含むことができる。
本明細書で提供される医薬組成物は、50%以上の生存細胞を含む細胞の集団を含む(すなわち、該集団内の細胞の少なくとも50%は機能的であるか、又は生存している)。好ましくは、該集団内の細胞の少なくとも60%が生存している。より好ましくは、該医薬組成物中の該集団内の細胞の少なくとも70%、80%、90%、95%、又は99%が生存している。
本明細書で提供される医薬組成物は、例えば、生着を促進する1種以上の化合物(例えば、抗T細胞受容体抗体、免疫抑制剤など);アルブミン、デキストラン40、ゼラチン、ヒドロキシエチルスターチ、プラズマライトなどの安定化剤などを含むことができる。
注射用溶液として製剤化される場合、一実施態様では、医薬組成物は、約1%〜1.5%のHSA及び約2.5%のデキストランを含む。好ましい実施態様では、医薬組成物は、5%HSA及び10%デキストラン、任意で、例えば、10mg/kgのシクロスポリンAのような、免疫抑制剤を含む溶液中に、1ミリリットル当たり約5×106細胞〜1ミリリットル当たり約2×107細胞を含む。
他の実施態様では、医薬組成物、例えば、溶液は、複数の細胞、例えば、単離された胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞を含み、ここで、該医薬組成物は、1ミリリットル当たり約1.0±0.3×106細胞〜1ミリリットル当たり約5.0±1.5×106細胞を含む。他の実施態様では、医薬組成物は、1ミリリットル当たり約1.5×106細胞〜1ミリリットル当たり約3.75×106細胞を含む。他の実施態様では、医薬組成物は、約1×106細胞/mL〜約50×106細胞/mL、約1×106細胞/mL〜約40×106細胞/mL、約1×106細胞/mL〜約30×106細胞/mL、約1×106細胞/mL〜約20×106細胞/mL、約1×106細胞/mL〜約15×106細胞/mL、又は約1×106細胞/mL〜約10×106細胞/mLを含む。特定の実施態様では、医薬組成物は、目に見える細胞塊を含まない(すなわち、巨大な細胞塊を含まない)か、又はそのような目に見える細胞塊を実質的に含まない。本明細書で使用されるように、「巨大な細胞塊」は、拡大しなくても目に見える、例えば、裸眼で見える、細胞の凝集体を意味し、かつ通常、約150ミクロンよりも大きい細胞凝集体を指す。いくつかの実施態様では、医薬組成物は、約2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、8.5%、9.0%、9.5%、又は10%のデキストラン、例えば、デキストラン-40を含む。具体的な実施態様では、該組成物は、約7.5%〜約9%のデキストラン-40を含む。具体的な実施態様では、該組成物は、約5.5%のデキストラン-40を含む。特定の実施態様では、医薬組成物は、約1%〜約15%のヒト血清アルブミン(HSA)を含む。具体的な実施態様では、医薬組成物は、約1%、2%、3%、4%、5%、65、75、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、又は15%のHSAを含む。具体的な実施態様では、該細胞は、凍結保存され、解凍されたものである。別の具体的な実施態様では、該細胞は、70μM〜100μMのフィルターに通して濾過されたものである。別の具体的な実施態様では、該組成物は、目に見える細胞塊を含まない。別の具体的な実施態様では、該組成物は、106細胞当たり約200個未満の細胞塊を含み、ここで、該細胞塊は、顕微鏡、例えば、光学顕微鏡下でしか目に見えない。別の具体的な実施態様では、該組成物は、106細胞当たり約150個未満の細胞塊を含み、ここで、該細胞塊は、顕微鏡、例えば、光学顕微鏡下でしか目に見えない。別の具体的な実施態様では、該組成物は、106細胞当たり約100個未満の細胞塊を含み、ここで、該細胞塊は、顕微鏡、例えば、光学顕微鏡下でしか目に見えない。
具体的な実施態様では、医薬組成物は、1ミリリットル当たり約1.0±0.3×106細胞、約5.5%デキストラン-40(w/v)、約10%HSA(w/v)、及び約5%DMSO(v/v)を含む。
他の実施態様では、医薬組成物は、10%デキストラン-40を含む溶液中に複数の細胞、例えば、複数の単離された胎盤細胞を含み、ここで、該医薬組成物は、1ミリリットル当たり約1.0±0.3×106細胞〜1ミリリットル当たり約5.0±1.5×106細胞を含み、かつ該組成物は、肉眼で見える細胞塊を含まない(すなわち、巨大な細胞塊を含まない)。いくつかの実施態様では、医薬組成物は、1ミリリットル当たり約1.5×106細胞〜1ミリリットル当たり約3.75×106細胞を含む。具体的な実施態様では、該細胞は、凍結保存され、解凍されたものである。別の具体的な実施態様では、該細胞は、70μM〜100μMのフィルターに通して濾過されたものである。別の具体的な実施態様では、該組成物は、106細胞当たり約200個未満の微小な細胞塊(すなわち、拡大したときにだけ目に見える細胞塊)を含む。別の具体的な実施態様では、医薬組成物は、106細胞当たり約150個未満の微小な細胞塊を含む。別の具体的な実施態様では、医薬組成物は、106細胞当たり約100個未満の微小な細胞塊を含む。別の具体的な実施態様では、医薬組成物は、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、もしくは2%未満のDMSO、又は1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、もしくは0.1%未満のDMSOを含む。
細胞を含む組成物が本明細書でさらに提供され、ここで、該組成物は、本明細書に開示されている方法のうちの1つによって産生される。例えば、一実施態様では、医薬組成物は細胞を含み、ここで、該医薬組成物は、胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞を含む溶液を濾過して、濾過された細胞含有溶液を形成させること;該濾過された細胞含有溶液を、例えば、凍結保存前に、第1の溶液で1ミリリットル当たり約1〜50×106、1〜40×106、1〜30×106、1〜20×106、1〜15×106、又は1〜10×106細胞に希釈すること;及び得られた濾過された細胞含有溶液を、デキストランを含むが、ヒト血清アルブミン(HSA)を含まない第二の溶液で希釈して、該組成物を産生することを含む方法によって産生される。特定の実施態様では、該希釈することは、1ミリリットル当たり約15×106細胞以下までとする。特定の実施態様では、該希釈することは、1ミリリットル当たり約10±3×106細胞以下までとする。特定の実施態様では、該希釈することは、1ミリリットル当たり約7.5×106細胞以下までとする。他の特定の実施態様では、希釈前の、該濾過された細胞含有溶液が、1ミリリットル当たり約15×106未満の細胞を含む場合、濾過は任意である。他の特定の実施態様では、希釈前の、該濾過された細胞含有溶液が、1ミリリットル当たり約10±3×106未満の細胞を含む場合、濾過は任意である。他の特定の実施態様では、希釈前の、該濾過された細胞含有溶液が、1ミリリットル当たり約7.5×106未満の細胞を含む場合、濾過は任意である。
具体的な実施態様では、細胞は、該第一の希釈溶液による希釈と該第二の希釈溶液による希釈の間に凍結保存される。別の具体的な実施態様では、第一の希釈溶液は、デキストラン及びHSAを含む。第一の希釈溶液又は第二の希釈溶液中のデキストランは、任意の分子量のデキストラン、例えば、約10kDa〜約150kDaの分子量を有するデキストランであることができる。いくつかの実施態様では、該第一の希釈溶液又は該第二の溶液中の該デキストランは、約2.5%、3.0%、3.5%、4.0%、4.5%、5.0%、5.5%、6.0%、6.5%、7.0%、7.5%、8.0%、8.5%、9.0%、9.5%、又は10%デキストランである。別の具体的な実施態様では、該第一の希釈溶液又は該第二の希釈溶液中のデキストランはデキストラン-40である。別の具体的な実施態様では、該第一の希釈溶液及び該第二の希釈溶液中のデキストランはデキストラン-40である。別の具体的な実施態様では、該第一の希釈溶液中の該デキストラン-40は5.0%デキストラン-40である。別の具体的な実施態様では、該第一の希釈溶液中の該デキストラン-40は5.5%デキストラン-40である。別の具体的な実施態様では、該第二の希釈溶液中の該デキストラン-40は10%デキストラン-40である。別の具体的な実施態様では、該HSAを含む溶液中の該HSAは1〜15%HSAである。別の具体的な実施態様では、該HSAを含む溶液中の該HSAは、約1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、11%、12%、13%、14%、又は15%HSAである。別の具体的な実施態様では、該HSAを含む溶液中の該HSAは10%HSAである。別の具体的な実施態様では、該第一の希釈溶液はHSAを含む。別の具体的な実施態様では、該第一の希釈溶液中の該HSAは10%HSAである。別の具体的な実施態様では、該第一の希釈溶液は凍結保存剤を含む。別の具体的な実施態様では、該凍結保存剤はDMSOである。別の具体的な実施態様では、該第二の希釈溶液中の該デキストラン-40は約10%デキストラン-40である。別の具体的な実施態様では、該細胞を含む組成物は、約7.5%〜約9%デキストランを含む。別の具体的な実施態様では、医薬組成物は、1ミリリットル当たり約1.0±0.3×106細胞〜1ミリリットル当たり約5.0±1.5×106細胞を含む。別の具体的な実施態様では、医薬組成物は、1ミリリットル当たり約1.5×106細胞〜1ミリリットル当たり約3.75×106細胞を含む。
別の実施態様では、医薬組成物を、(a)凍結保存前に、胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞を含む細胞含有溶液を濾過して、濾過された細胞含有溶液を産生すること;(b)該濾過された細胞含有溶液中の細胞を、1ミリリットル当たり約1〜50×106、1〜40×106、1〜30×106、1〜20×106、1〜15×106、又は1〜10×106細胞で凍結保存すること;(c)該細胞を解凍すること;及び(d)該濾過された細胞含有溶液をデキストラン-40溶液で約1:1〜約1:11(v/v)に希釈することを含む方法によって作製する。特定の実施態様では、細胞の数が、工程(a)の前に、1ミリリットル当たり約10±3×106細胞未満である場合、濾過は任意である。別の具体的な実施態様では、工程(b)の細胞を1ミリリットル当たり約10±3×106細胞で凍結保存する。別の具体的な実施態様では、工程(b)の細胞を約5%〜約10%デキストラン-40とHSAとを含む溶液中で凍結保存する。特定の実施態様では、該工程(b)の希釈は、1ミリリットル当たり約15×106細胞以下までとする。
別の実施態様では、医薬組成物を、(a)10%HSAを含む5.5%デキストラン-40溶液に胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞を懸濁して、細胞含有溶液を形成させること;(b)該細胞含有溶液を70μMフィルターに通して濾過すること;(c)該細胞含有溶液を、5.5%デキストラン-40、10%HSA、及び5%DMSOを含む溶液で、1ミリリットル当たり約1〜50×106、1〜40×106、1〜30×106、1〜20×106、1〜15×106、又は1〜10×106細胞に希釈すること;(d)該細胞を凍結保存すること;(e)該細胞を解凍すること;並びに(f)該細胞含有溶液を10%デキストラン-40で1:1〜1:11(v/v)に希釈することを含む方法によって作製する。特定の実施態様では、該工程(c)の希釈は、1ミリリットル当たり約15×106細胞以下までとする。特定の実施態様では、該工程(c)の希釈は、約10±3×106細胞/mL以下までとする。特定の実施態様では、該工程(c)の希釈は、約7.5×106細胞/mL以下までとする。
別の実施態様では、細胞を含む組成物を、(a)複数の細胞を遠心分離して、該細胞を回収すること;(b)該細胞を5.5%デキストラン-40に再懸濁すること;(c)該細胞を遠心分離して、該細胞を回収すること;(d)該細胞を、10%HSAを含む5.5%デキストラン-40溶液に再懸濁すること;(e)該細胞を70μMフィルターに通して濾過すること;(f)該細胞を、1ミリリットル当たり約1〜50×106、1〜40×106、1〜30×106、1〜20×106、1〜15×106、又は1〜10×106細胞になるまで5.5%デキストラン-40、10%HSA、及び5%DMSOに希釈すること;(g)該細胞を凍結保存すること;(h)該細胞を解凍すること;並びに(i)該細胞を10%デキストラン-40で1:1〜1:11(v/v)に希釈することを含む方法によって作製する。特定の実施態様では、該工程(f)の希釈は、1ミリリットル当たり約15×106細胞までとする。特定の実施態様では、該工程(f)の希釈は、約10±3×106細胞/mL以下までとする。特定の実施態様では、該工程(f)の希釈は、約7.5×106細胞/mL以下までとする。他の特定の実施態様では、細胞の数が、1ミリリットル当たり約10±3×106細胞未満である場合、濾過は任意である。
本明細書に記載の組成物、例えば、単離された胎盤細胞を含む医薬組成物は、本明細書に記載の単離された胎盤細胞のいずれかを含むことができる。
細胞産物の投与に好適な他の注射用製剤を用いてもよい。
一実施態様では、医薬組成物は、実質的に、又は完全に非母親起源のものである、すなわち、胎児の遺伝子型を有する単離された胎盤細胞を含み;例えば、少なくとも約90%、95%、98%、99%、又は約100%は、非母親起源のものである。例えば、一実施態様では、医薬組成物は、CD200+及びHLA-G-;CD73+、CD105+、及びCD200+;CD200+及びOCT-4+;CD73+、CD105+、及びHLA-G-;CD73+及びCD105+であり、かつ該単離された胎盤細胞の集団を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該胎盤細胞の集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進するか;又はOCT-4+であり、かつ該単離された胎盤細胞の集団を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該胎盤細胞の集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進するか;又は前述のものの組合せである単離された胎盤細胞の集団を含み、ここで、該単離された胎盤細胞の少なくとも70%、80%、90%、95%、又は99%は、非母親起源のものである。別の実施態様では、医薬組成物は、CD10+、CD105+、及びCD34-;CD10+、CD105+、CD200+、及びCD34-;CD10+、CD105+、CD200+、CD34-、かつCD90+もしくはCD45-のうちの少なくとも1つ;CD10+、CD90+、CD105+、CD200+、CD34-、及びCD45-;CD10+、CD90+、CD105+、CD200+、CD34-、及びCD45-;CD200+及びHLA-G-;CD73+、CD105+、及びCD200+;CD200+及びOCT-4+;CD73+、CD105+、及びHLA-G-;CD73+及びCD105+であり、かつ該単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該胎盤細胞の集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進するか;OCT-4+であり、かつ該単離された胎盤細胞を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該胎盤細胞の集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進するか;又はCD117-、CD133-、KDR-、CD80-、CD86-、HLA-A,B,C+、HLA-DP、DQ、DR-、及び/又はPDL1+のうちの1つもしくは複数であるか;又は前述のものの組合せである単離された胎盤細胞の集団を含み、ここで、該単離された胎盤細胞の少なくとも70%、80%、90%、95%、又は99%は、非母親起源のものである。具体的な実施態様では、医薬組成物はさらに、胎盤から得られない幹細胞を含む。
本明細書で提供される、組成物、例えば、医薬組成物中の単離された胎盤細胞は、単一のドナーに由来するか、又は複数のドナーに由来する胎盤細胞を含むことができる。単離された胎盤細胞は、意図されるレシピエントと完全にHLAが一致するものであることができるか、又は一部もしくは完全にHLAが一致しないものであることができる。
(4.7.4 単離された胎盤細胞を含むマトリックス)
胎盤細胞、又は単離された胎盤細胞の集団を含むマトリックス、ハイドロゲル、スキャフォールドなどを含む組成物が本明細書でさらに提供される。そのような組成物を、液体懸濁液中の細胞の代わりに、又はそれに加えて用いることができる。
胎盤細胞、又は単離された胎盤細胞の集団を含むマトリックス、ハイドロゲル、スキャフォールドなどを含む組成物が本明細書でさらに提供される。そのような組成物を、液体懸濁液中の細胞の代わりに、又はそれに加えて用いることができる。
本明細書に記載の単離された胎盤細胞を、天然マトリックス、例えば、羊膜材料などの胎盤生体材料に播種することができる。そのような羊膜材料は、例えば、哺乳動物の胎盤から直接解剖された羊膜;固定又は熱処理された羊膜、実質的に乾燥している(すなわち、<20%H2Oの)羊膜、絨毛膜、実質的に乾燥している絨毛膜、実質的に乾燥している羊膜と絨毛膜などであることができる。単離された胎盤細胞を播種することができる好ましい胎盤生体材料は、その開示が、その全体として引用により本明細書中に組み込まれている、Haririの米国特許出願公開第2004/0048796号に記載されている。
本明細書に記載の単離された胎盤細胞を、例えば、注射に好適なハイドロゲル溶液に懸濁することができる。そのような組成物のための好適なハイドロゲルは、RAD16などの自己集合ペプチドを含む。一実施態様では、細胞を含むハイドロゲル溶液を、例えば、鋳型中で硬化させて、その中に分散した細胞を有する埋め込み用のマトリックスを形成させることができる。そのようなマトリックス中の単離された胎盤細胞を、該細胞が埋め込み前に有糸分裂で拡大されるように培養することもできる。ハイドロゲルは、例えば、共有結合、イオン結合、又は水素結合によって架橋されて、3次元開放格子構造を生成する有機ポリマー(天然物又は合成物)であり、この3次元開放格子構造は、水分子を捕捉してゲルを形成する。ハイドロゲル形成材料としては、イオンによって架橋される、アルギネートなどの多糖類及びその塩、ペプチド、ポリホスファジン、並びにポリアクリレート、又はそれぞれ、温度もしくはpHによって架橋される、ポリエチレンオキシド-ポリプロピレングリコールブロックコポリマーなどのブロックポリマーが挙げられる。いくつかの実施態様では、ハイドロゲル又はマトリックスは生体分解性である。
いくつかの実施態様では、製剤は、インサイチュで重合可能なゲルを含む(例えば、その開示が、その全体として引用により本明細書中に組み込まれている、米国特許出願公開第2002/0022676号;Ansethらの文献(J. Control Release, 78(1-3):199-209(2002));Wangらの文献(Biomaterials, 24(22):3969-80(2003))を参照されたい)。
いくつかの実施態様では、ポリマーは、荷電側基、又はその一価イオン塩を有する水、緩衝塩溶液、又は水性アルコール溶液などの水溶液に少なくとも一部溶ける。カチオンと反応させることができる酸性側基を有するポリマーの例は、ポリ(ホスファゼン)、ポリ(アクリル酸)、ポリ(メタクリル酸)、アクリル酸とメタクリル酸のコポリマー、ポリ(酢酸ビニル)、及びスルホン化ポリスチレンなどのスルホン化ポリマーである。アクリル酸又はメタクリル酸とビニルエーテルモノマー又はビニルエーテルポリマーの反応によって形成される酸性側基を有するコポリマーを用いることもできる。酸性基の例は、カルボン酸基、スルホン酸基、ハロゲン化(好ましくは、フッ素化)アルコール基、フェノール性OH基、及び酸性OH基である。
本明細書に記載の単離された胎盤細胞又はその共培養物を3次元フレームワーク又はスキャフォールドに播種し、インビボで埋め込むことができる。そのようなフレームワークを、任意の1種以上の成長因子、細胞、薬物、又は例えば、組織形成を刺激する他の成分と組み合わせて埋め込むことができる。
使用することができるスキャフォールドの例としては、不織マット、多孔性発泡体、又は自己集合ペプチドが挙げられる。不織マットは、グリコール酸と乳酸の吸収性合成コポリマー(例えば、PGA/PLA)(VICRYL, Ethicon社, Somerville, N.J.)から構成される繊維を用いて形成させることができる。フリーズドライ、又は凍結乾燥などのプロセスによって形成される、例えば、ポリ(ε-カプロラクトン)/ポリ(グリコール酸)(PCL/PGA)コポリマーから構成される発泡体(例えば、米国特許第6,355,699号参照)をスキャフォールドとして用いることもできる。
別の実施態様では、単離された胎盤細胞を、例えば、PGA、PLA、PCLコポリマーもしくはブレンド、又はヒアルロン酸などの生体吸収性材料でできたマルチフィラメント糸から構成されることができるフェルトに播種するか、或いはそれと接触させることができる。
本明細書で提供される単離された胎盤細胞を、別の実施態様では、複合構造物であり得る発泡体スキャフォールドに播種することができる。そのような発泡体スキャフォールドを、有用な形状、例えば、修復、置換、又は強化すべき体内の特定の構造物の一部の形状に成形することができる。いくつかの実施態様では、フレームワークを、例えば、0.1M酢酸で処理し、その後、細胞接着を強化するために、細胞の接種前に、ポリリジン、PBS、及び/又はコラーゲン中でインキュベートする。例えば、マトリックスのプラズマ被覆、又は1種以上のタンパク質(例えば、コラーゲン、弾性繊維、細網繊維)、糖タンパク質、グリコサミノグリカン(例えば、ヘパリン硫酸(heparin sulfate)、コンドロイチン-4-硫酸、コンドロイチン-6-硫酸、デルマタン硫酸、ケラチン硫酸(keratin sulfate)など)、細胞マトリックス、並びに/もしくは限定するものではないが、ゼラチン、アルギネート、寒天、アガロース、及び植物ゴムなどのような他の材料の付加によって、マトリックスの外部表面を修飾し、細胞の接着又は成長、及び組織の分化を改善することができる。
いくつかの実施態様では、スキャフォールドは、それを抗血栓性にする材料を含むか、又は該材料で処理される。これらの処理及び材料は、内皮成長、移動、及び細胞外マトリックス沈着を促進し、かつ持続させることもできる。これらの材料及び処理の例としては、天然材料、例えば、ラミニン及びIV型コラーゲンなどの基底膜タンパク質、合成材料、例えば、EPTFE、並びにセグメント化ポリウレタン尿素シリコーン、例えば、PURSPAN(商標)(The Polymer Technology Group社, Berkeley, Calif)が挙げられるが、これらに限定されない。スキャフォールドは、ヘパリンなどの抗血栓剤を含むこともでき;単離された胎盤細胞の播種の前に、スキャフォールドを、表面電荷を変化させるように処理する(例えば、プラズマで被覆する)こともできる。
本明細書で提供される胎盤細胞(例えば、PDAC)を、限定するものではないが、モノリン酸カルシウム、ジリン酸カルシウム、トリリン酸カルシウム、α-トリリン酸カルシウム、β-トリリン酸カルシウム、及びテトラリン酸カルシウム、ハイドロキシアパタイト、フルオロアパタイト、硫酸カルシウム、フッ化カルシウム、酸化カルシウム、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムマグネシウム、BIOGLASS(登録商標)などの生体活性ガラス、並びにそれらの混合物をはじめとする、生理的に許容し得るセラミック材料に播種するか、又はそれと接触させることもできる。現在市販されている多孔性の生体適合性セラミック材料としては、SURGIBONE(登録商標)(CanMedica社, Canada)、ENDOBON(登録商標)(Merck Biomaterial France, France)、CEROS(登録商標)(Mathys, AG, Bettlach, Switzerland)、並びにHEALOS(商標)(DePuy社, Raynham, MA)、並びにVITOSS(登録商標)、RHAKOSS(商標)、及びCORTOSS(登録商標)(Orthovita, Malvern, Pa.)などの石灰化コラーゲンの骨移植用製品が挙げられる。フレームワークは、天然材料及び/又は合成材料の混合物、ブレンド、又は複合物であることができる。
一実施態様では、単離された胎盤細胞を、約0.5×106〜約8×106細胞/mLで、好適なスキャフォールドに播種するか、又はそれと接触させる。
(4.8 不死化胎盤細胞株)
成長促進タンパク質の産生及び/又は活性が外部因子によって調節可能であるように、哺乳動物の胎盤細胞、例えば、PDACを、成長促進遺伝子、すなわち、適切な条件下で、トランスフェクトされた細胞の成長を促進するタンパク質をコードする遺伝子を含む任意の好適なベクターによるトランスフェクションによって、条件付きで不死化することができる。好ましい実施態様では、成長促進遺伝子は、限定するものではないが、v-myc、N-myc、c-myc、p53、SV40ラージT抗原、ポリオーマラージT抗原、E1aアデノウイルス、又はヒトパピローマウイルスのE7タンパク質などのオンコジーンである。
成長促進タンパク質の産生及び/又は活性が外部因子によって調節可能であるように、哺乳動物の胎盤細胞、例えば、PDACを、成長促進遺伝子、すなわち、適切な条件下で、トランスフェクトされた細胞の成長を促進するタンパク質をコードする遺伝子を含む任意の好適なベクターによるトランスフェクションによって、条件付きで不死化することができる。好ましい実施態様では、成長促進遺伝子は、限定するものではないが、v-myc、N-myc、c-myc、p53、SV40ラージT抗原、ポリオーマラージT抗原、E1aアデノウイルス、又はヒトパピローマウイルスのE7タンパク質などのオンコジーンである。
成長促進タンパク質の外部調節は、外部調節可能なプロモーター、例えば、その活性を、例えば、トランスフェクトされた細胞の温度又は該細胞と接触する培地の組成を変更することによって制御することができるプロモーターの制御下に成長促進遺伝子を配置することによって達成することができる。一実施態様では、テトラサイクリン(tet)制御遺伝子発現系を利用することができる(Gossenらの文献(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5547-5551, 1992);Hoshimaruらの文献(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:1518-1523, 1996)を参照されたい)。tetの非存在下で、このベクター中のtet制御性トランス活性化因子(tTA)は、tetオペレーター配列に融合したヒトサイトメガロウイルス由来の最小プロモーターであるphCMV*-1からの転写を強く活性化する。tTAは、大腸菌のトランスポゾン-10由来のtet耐性オペロンのリプレッサー(tetR)と単純ヘルペスウイルスのVP16の酸性ドメインの融合タンパク質である。tetの低い、非毒性濃度(例えば、0.01〜1.0μg/mL)は、tTAによるトランス活性化をほぼ完全に消失させる。
一実施態様では、ベクターは、選択マーカー、例えば、薬物耐性を付与するタンパク質をコードする遺伝子をさらに含む。細菌のネオマイシン耐性遺伝子(neoR)は、本方法において利用し得るそのようなマーカーの1つである。neoRを有する細胞は、成長培地への、例えば、100〜200μg/mLのG418の添加などの、当業者に公知の手段によって選択することができる。
トランスフェクションは、限定するものではないが、レトロウイルス感染を含む、当業者に公知の種々の手段のいずれかによって達成することができる。一般に、細胞培養物を、ベクターのプロデューサー細胞株から回収される馴化培地とN2補給剤含有DMEM/F12の混合物とのインキュベーションによってトランスフェクトすることができる。例えば、上記のように調製された胎盤細胞培養物を、例えば、5日後にインビトロで、1容量の馴化培地と2容量のN2補給剤含有DMEM/F12中での約20時間のインキュベーションによって感染させることができる。その後、選択マーカーを有するトランスフェクトされた細胞を、上記のように選択することができる。
トランスフェクション後、培養物を、増殖を可能にする、例えば、24時間の間に細胞の少なくとも約30%を倍加させる表面に継代する。好ましくは、基材は、ポリオルニチン(10μg/mL)及び/もしくはラミニン(10μg/mL)でコーティングされた組織培養プラスチックからなるポリオルニチン/ラミニン基材、ポリリジン/ラミニン基材、又はフィブロネクチンで処理された表面である。その後、培養物に、3〜4日ごとに成長培地を供給する。この成長培地には、1種以上の増殖増強因子が補充されていてもよいし、補充されていなくてもよい。増殖増強因子は、培養物が50%未満のコンフルエントである場合に、成長培地に添加してもよい。
80〜95%コンフルエントになったとき、条件的に不死化された胎盤細胞株を、標準的な技術を用いて、例えば、トリプシン処理によって継代することができる。約20回目の継代までは、いくつかの実施態様では、選択(例えば、ネオマイシン耐性遺伝子を含む細胞の場合、G418の添加による)を維持することが有益である。細胞は、長期保存のために液体窒素で凍結することもできる。
クローン細胞株を、上記のように調製された条件的に不死化されたヒト胎盤細胞株から単離することができる。一般に、そのようなクローン細胞株を、標準的な技術を用いて、例えば、限定希釈によるか、又はクローニングリングを用いて単離し、拡大することができる。通常、クローン細胞株に、上記のように栄養を与え、それを継代することができる。
クローンであってもよいが、その必要はない、条件的に不死化されたヒト胎盤細胞株は、通常、分化を促進する培養条件下で成長促進タンパク質の産生及び/又は活性を抑制することによって、分化するように誘導することができる。例えば、成長促進タンパク質をコードする遺伝子が外部調節可能なプロモーターの制御下にある場合、条件、例えば、培地の温度又は組成を変更して、成長促進遺伝子の転写を抑制することができる。上で論じられているテトラサイクリンで制御される遺伝子発現系については、成長促進遺伝子の転写を抑制するためのテトラサイクリンの添加によって、分化を達成することができる。一般に、分化を開始するのに、4〜5日間の1μg/mLのテトラサイクリンで十分である。さらなる分化を促進するために、追加の薬剤を成長培地に含めてもよい。
(4.9 キット)
別の態様では、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害を有する個体の治療に好適なキットであって、残りのキット内容物とは別の容器中に、組織培養プラスチック接着性多能性胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞、例えば、上の第4.2節に記載の細胞(PDAC)と、使用説明書とを含む、キットが本明細書で提供される。理想的には、該キットは、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害を有すると診断された患者に適用されるために、現場、例えば、診療室で、又は救急医療提供者によって用いられることができる。好ましくは、該胎盤細胞は、医薬として許容し得る溶液、例えば、病変内投与に好適な溶液又は静脈内投与に好適な溶液に入れて提供される。特定の実施態様では、該胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞は、本明細書に記載のCD10+、CD34-、CD105+胎盤細胞のいずれか、例えば、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤細胞又はCD10+、CD34-、CD45-、CD90+、CD105+、CD200+胎盤細胞である。
別の態様では、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害を有する個体の治療に好適なキットであって、残りのキット内容物とは別の容器中に、組織培養プラスチック接着性多能性胎盤細胞、例えば、胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞、例えば、上の第4.2節に記載の細胞(PDAC)と、使用説明書とを含む、キットが本明細書で提供される。理想的には、該キットは、サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害を有すると診断された患者に適用されるために、現場、例えば、診療室で、又は救急医療提供者によって用いられることができる。好ましくは、該胎盤細胞は、医薬として許容し得る溶液、例えば、病変内投与に好適な溶液又は静脈内投与に好適な溶液に入れて提供される。特定の実施態様では、該胎盤幹細胞又は胎盤多能性細胞は、本明細書に記載のCD10+、CD34-、CD105+胎盤細胞のいずれか、例えば、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤細胞又はCD10+、CD34-、CD45-、CD90+、CD105+、CD200+胎盤細胞である。
特定の実施態様では、キットは、個体への胎盤細胞の送達を容易にする1種以上の構成要素を含む。例えば、特定の実施態様では、キットは、個体への胎盤細胞の病変内送達を容易にする構成要素を含む。そのような実施態様では、キットは、例えば、個体への細胞の送達に好適な注射器及び針などを含むことができる。そのような実施態様では、胎盤細胞は、バッグに、又は1以上のバイアルに入れて、キットに含まれていてもよい。特定の他の実施態様では、キットは、個体への胎盤細胞の静脈内又は動脈内送達を容易にする構成要素を含む。そのような実施態様では、胎盤細胞は、例えば、ボトル又はバッグ(例えば、血液バッグもしくは細胞を含む最大約1.5Lの溶液を含むことができる同様のバッグ)に含まれていてもよく、かつキットは、個体への細胞の送達に好適なチューブ及び針をさらに含む。
さらに、キットは、個体の疼痛又は炎症を軽減する1種以上の化合物(例えば、鎮痛薬、ステロイド性又は非ステロイド性抗炎症化合物など)を含むことができる。キットは、抗菌化合物又は抗ウイルス化合物(例えば、1種以上の抗生物質)、個体の不安を軽減する化合物(例えば、アラプラゾラム(alaprazolam))、個体の免疫応答を低下させる化合物(例えば、シクロスポリンA)、抗ヒスタミン薬(ジフェンヒドラミン、ロラタジン、デスロラタジン、クエチアピン、フェキソフェナジン、セチリジン、プロメタジン、クロレフェニラミン(chlorepheniramine)、レボセチリジン、シメチジン、ファモチジン、ラニチジン、ニザチジン、ロキサチジン、ラフチジンなど)を含むこともできる。
さらに、キットは、個体の送達への準備を促進するか、又は胎盤細胞の投与の結果としての個体の感染の可能性を低下させる、使い捨て品、例えば、滅菌ワイプ、使い捨て紙製品、手袋などを含むことができる。
(5.実施例)
(5.1 実施例1:胎盤幹細胞を用いる全身性サルコイドーシスの治療)
40代半ばの男性患者が、脱力、息切れ、労作時呼吸困難、胸痛、中等度の発熱、並びにくるぶし及び膝の不快感の症状を報告しており、身体検査を受ける。胸部X線及びCTスキャンにより、両側肺門及び縦隔リンパ節腫脹、右肺の実質病変、並びにいくつかの結節が明らかにされる。全身性サルコイドーシス及び感染性関節炎が診断される。該個体に、1×109〜5×109個のCD10+、CD34-、CD105+、CD200+ PDACを450mLの0.9%生理食塩水に入れて静脈内投与し、次の3カ月間、週に2回モニタリングする。上記の症状のいずれかがモニタリング期間中に改善する場合、治療の有効性が立証される。
(5.1 実施例1:胎盤幹細胞を用いる全身性サルコイドーシスの治療)
40代半ばの男性患者が、脱力、息切れ、労作時呼吸困難、胸痛、中等度の発熱、並びにくるぶし及び膝の不快感の症状を報告しており、身体検査を受ける。胸部X線及びCTスキャンにより、両側肺門及び縦隔リンパ節腫脹、右肺の実質病変、並びにいくつかの結節が明らかにされる。全身性サルコイドーシス及び感染性関節炎が診断される。該個体に、1×109〜5×109個のCD10+、CD34-、CD105+、CD200+ PDACを450mLの0.9%生理食塩水に入れて静脈内投与し、次の3カ月間、週に2回モニタリングする。上記の症状のいずれかがモニタリング期間中に改善する場合、治療の有効性が立証される。
(5.2 実施例2:胎盤幹細胞を用いる心サルコイドーシスの治療)
個体が、息切れ、脚及びくるぶしの腫脹、並びに不規則心拍を提示している。他の原因を除外した後、確認的心電図により、心サルコイドーシスの診断がなされる。ニトログリセリン及びストレプトキナーゼによる個体の安定化後、該個体に、0.9%生理食塩水中1×108〜5×108個のCD10+、CD34-、CD105+、CD200+ PDACを局所麻酔下で心臓用注射器を用いて罹患部位に直接投与する。該個体を救急体制で次の72時間モニタリングする。該個体を心電図及び/又は色素による可視化技術によって治療後の次の3カ月間にわたってさらにモニタリングする。上記の症状のいずれかがモニタリング期間中に改善する場合、治療の有効性が立証される。
個体が、息切れ、脚及びくるぶしの腫脹、並びに不規則心拍を提示している。他の原因を除外した後、確認的心電図により、心サルコイドーシスの診断がなされる。ニトログリセリン及びストレプトキナーゼによる個体の安定化後、該個体に、0.9%生理食塩水中1×108〜5×108個のCD10+、CD34-、CD105+、CD200+ PDACを局所麻酔下で心臓用注射器を用いて罹患部位に直接投与する。該個体を救急体制で次の72時間モニタリングする。該個体を心電図及び/又は色素による可視化技術によって治療後の次の3カ月間にわたってさらにモニタリングする。上記の症状のいずれかがモニタリング期間中に改善する場合、治療の有効性が立証される。
(5.3 実施例3:胎盤幹細胞を用いる皮膚サルコイドーシスの治療)
個体が、下肢に発生する結節の病状を提示している。薄片生検が行なわれ、組織学的検査により、分極性の異物を伴う肉芽腫性炎症が明らかにされる。他の原因を除外した後、皮膚サルコイドーシスの診断がなされる。該個体に、0.9%生理食塩水中1×108〜5×108個のCD10+、CD34-、CD105+、CD200+ PDACを皮膚病変に直接投与する。該個体を、皮膚結節の変化について、次の3カ月間にわたってモニタリングする。これらの兆候のいずれかがモニタリング期間中に改善を示す場合、治療の有効性が立証される。
個体が、下肢に発生する結節の病状を提示している。薄片生検が行なわれ、組織学的検査により、分極性の異物を伴う肉芽腫性炎症が明らかにされる。他の原因を除外した後、皮膚サルコイドーシスの診断がなされる。該個体に、0.9%生理食塩水中1×108〜5×108個のCD10+、CD34-、CD105+、CD200+ PDACを皮膚病変に直接投与する。該個体を、皮膚結節の変化について、次の3カ月間にわたってモニタリングする。これらの兆候のいずれかがモニタリング期間中に改善を示す場合、治療の有効性が立証される。
(5.4 実施例4:胎盤幹細胞を用いる神経サルコイドーシスの治療)
50歳の個体が、脚の無感覚及び筋脱力の症状を示している。画像診断法により、脊髄内の不規則な外形及び塊状の病変が示される。生検により、脊髄内の線維化及び非乾酪性肉芽腫が明らかにされる。神経サルコイドーシスの診断がなされる。該個体に、1×109〜5×109個のCD10+、CD34-、CD105+、CD200+ PDACを450mLの0.9%生理食塩水に入れて髄腔内投与し、次の3カ月間、週に2回モニタリングする。上記の症状のいずれかがモニタリング期間中に改善する場合、治療の有効性が立証される。
50歳の個体が、脚の無感覚及び筋脱力の症状を示している。画像診断法により、脊髄内の不規則な外形及び塊状の病変が示される。生検により、脊髄内の線維化及び非乾酪性肉芽腫が明らかにされる。神経サルコイドーシスの診断がなされる。該個体に、1×109〜5×109個のCD10+、CD34-、CD105+、CD200+ PDACを450mLの0.9%生理食塩水に入れて髄腔内投与し、次の3カ月間、週に2回モニタリングする。上記の症状のいずれかがモニタリング期間中に改善する場合、治療の有効性が立証される。
等価物:
本開示は、本明細書に記載の具体的な実施態様によって範囲が限定されるべきではない。実際、記載されたものに加えて、本明細書で提供される対象の様々な変更が、前述の説明及び添付の図面から当業者には明らかになるであろう。そのような変更は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
本開示は、本明細書に記載の具体的な実施態様によって範囲が限定されるべきではない。実際、記載されたものに加えて、本明細書で提供される対象の様々な変更が、前述の説明及び添付の図面から当業者には明らかになるであろう。そのような変更は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図される。
様々な刊行物、特許、及び特許出願が本明細書で引用されており、その開示は、その全体が引用により本明細書中に組み込まれている。
Claims (25)
- サルコイドーシス、又はサルコイドーシス関連の疾患もしくは障害を有する個体を治療する方法であって、該個体に、胎盤幹細胞、又は胎盤幹細胞によって馴化された培養培地の治療有効量を投与することを含み、ここで、該治療有効量は、該サルコイドーシス又は該疾患もしくは障害の1以上の症状の検出可能な改善を生じさせるのに十分な量である、前記方法。
- 前記胎盤幹細胞が、CD10+、CD34-、CD105+、CD200+胎盤幹細胞である、請求項1記載の方法。
- 前記胎盤幹細胞がさらに、CD45-又はCD90+である、請求項2記載の方法。
- 前記胎盤幹細胞がさらに、CD38-、CD45-、CD80-、CD86-、CD133-、HLA-DR,DP,DQ-、SSEA3-、SSEA4-、CD29+、CD44+、CD73+、CD90+、CD105+、HLA-A,B,C+、PDL1+、ABC-p+、又はOCT-4+のうちの1つ又は複数である、請求項2記載の方法。
- 前記胎盤幹細胞がさらに、CD29+、CD38-、CD44+、CD54+、SH3+、又はSH4+のうちの1つ又は複数である、請求項2記載の方法。
- 前記胎盤幹細胞がさらにCD44+である、請求項2記載の方法。
- 前記胎盤幹細胞が、CD200を発現し、かつHLA-Gを発現しないか、又はCD73、CD105、及びCD200を発現するか、又はCD200及びOCT-4を発現するか、又はCD73及びCD105を発現し、かつHLA-Gを発現しないか、又はCD73及びCD105を発現し、かつ該幹細胞を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進するか、又はOCT-4を発現し、かつ該幹細胞を含む胎盤細胞の集団を、胚様体様体の形成を可能にする条件下で培養したとき、該集団内での1以上の胚様体様体の形成を促進する、請求項1記載の方法。
- 前記サルコイドーシスが全身性サルコイドーシスである、請求項1記載の方法。
- 前記症状が、肉芽腫の形成、疲労、体重減少、発熱、うずき、疼痛、関節炎、ドライアイ、膝の腫れ、かすみ目、息切れ、咳、及び皮膚病変のうちの1つ又は複数である、請求項8記載の方法。
- 前記サルコイドーシスが皮膚サルコイドーシスである、請求項1記載の方法。
- 前記皮膚サルコイドーシスが、環状サルコイドーシス、紅皮症性サルコイドーシス、魚鱗癬様サルコイドーシス、低色素性サルコイドーシス、斑状強皮症型サルコイドーシス、粘膜サルコイドーシス、丘疹性サルコイド、瘢痕サルコイド、皮下サルコイドーシス、又は潰瘍性サルコイドーシスを含む、請求項10記載の方法。
- 前記症状が皮膚病変である、請求項11記載の方法。
- 前記皮膚病変が、結節性紅斑、貨幣状湿疹、多形性紅斑、皮膚石灰沈着症及び掻痒症、凍傷状狼瘡、皮膚プラーク、斑丘疹性発疹、皮膚のより深部の結節性病変、又は古い瘢痕の浸潤のうちの1つ又は複数である、請求項12記載の方法。
- 前記サルコイドーシスがレフグレン症候群である、請求項1記載の方法。
- 前記症状が、結節性紅斑、両側肺門アデノパシー(bilateral hilar denopathy)、関節炎、関節痛、又は発熱のうちの1つ又は複数である、請求項14記載の方法。
- 前記サルコイドーシスが神経サルコイドーシスである、請求項1記載の方法。
- 前記症状が、神経系における肉芽腫の形成、頭痛、錯乱、倦怠感、又は顔面麻痺のうちの1つ又は複数である、請求項16記載の方法。
- 前記サルコイドーシスが肺サルコイドーシスである、請求項1記載の方法。
- 前記症状が、咳、息切れ、胸痛、胸部圧迫感、嗄声、鼻閉塞、及び再発性又は持続性副鼻腔炎のうちの1つ又は複数である、請求項18記載の方法。
- 前記サルコイドーシスが心サルコイドーシスである、請求項1記載の方法。
- 前記症状が、胸痛、動悸、鬱血性心不全、心膜炎もしくは乳頭筋機能不全、息切れ、くるぶし腫脹、不規則な心拍、又は突然死のうちの1つ又は複数である、請求項20記載の方法。
- 前記サルコイドーシスが眼サルコイドーシスである、請求項1記載の方法。
- 前記症状が、充血した目もしくは涙目、肉芽腫性ブドウ膜炎(granulomatous uvetis)、虹彩結節、脈絡網膜炎、結膜炎、涙腺病変、又は眼球突出のうちの1つ又は複数である、請求項22記載の方法。
- 第二の治療剤を前記個体に投与することを含む、請求項1〜23のいずれか一項記載の方法。
- 前記第二の治療剤が、抗炎症剤、ステロイド、免疫抑制化合物、又は抗生物質である、請求項24記載の方法。
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