JP2018516869A - 上皮細胞の増殖および上皮間葉転換を防ぐための組成物および方法 - Google Patents

上皮細胞の増殖および上皮間葉転換を防ぐための組成物および方法 Download PDF

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Abstract

上皮細胞の増殖および上皮間葉転換(EMT)を防ぐ又は減少させる胎児支持組織の組成物および調製物が提供され、ここで上皮細胞はヒト上皮細胞であり得、ヒト上皮細胞は、結膜、網膜、角膜、角膜縁、または腎臓の上皮細胞であり得る。必要としている個体において上皮細胞の増殖、細胞移動、およびEMTを防ぐ又は減少させるための方法が提供され、ここで上皮細胞はヒト上皮細胞であり得、ヒト上皮細胞は、結膜、網膜、角膜、角膜縁、または腎臓の上皮細胞であり得る。必要としている個体において増殖性硝子体網膜症を予防または処置するための方法が提供される。【選択図】図1

Description

<相互参照>
本出願は、2015年5月20日に出願の米国仮特許出願第62/164,281号の利益および優先権を主張し、これは引用によってその全体が本明細書に組み込まれる。
本明細書には、特定の実施形態において、必要としている個体において上皮細胞の増殖、細胞移動、または上皮間葉転換(EMT)を防ぐ又は減少させるための方法が開示され、該方法は、治療上有効な量の(a)胎児支持組織(fetal support tissue)の調製物;および(b)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体を含む、組成物を個体に投与する工程を含み、それによって、上皮細胞の増殖、細胞移動、またはEMTを防ぐまたは減少させ、ここで上皮細胞は網膜色素上皮細胞ではない。幾つかの実施形態では、EMTは、増殖性硝子体網膜症(PVR)以外の疾患または障害に関係する。幾つかの実施形態では、EMTは、癌、増殖性糖尿病性網膜症、線維化病変、および角膜後膜から選択される疾患または障害に関係する。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、胎盤、胎盤羊膜、臍帯、臍帯羊膜、絨毛膜、羊膜−絨毛膜、羊膜間質、羊膜ゼリー、羊水、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、凍結されるか、または事前に凍結されている。幾つかの実施形態では、上皮細胞は、結膜上皮細胞、角膜上皮細胞、角膜縁上皮細胞、および腎臓上皮細胞から選択される。幾つかの実施形態では、上皮細胞は、ヒト上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は網膜色素上皮細胞(RPE)である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は結膜上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は角膜上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は角膜縁上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は腎臓上皮細胞である。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、胎児支持組織の抽出物、ホモジネート、粉末、細分化された(morselized)胎児支持組織、微粉砕された胎児支持組織、粉砕された胎児支持組織、精製されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、組成物は、ゲル、溶液、または懸濁液である。幾つかの実施形態では、組成物は注入可能な形態である。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、実質的に分離されたHC−HA/PTX3を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、実質的に分離されたHC−HA/PTX3から成る。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、再構成されたHC−HA/PTX3を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、インター−α−トリプシン阻害剤(IαI)の重鎖への共有結合によって架橋される高分子量ヒアルロナン(HA)を含み、高分子量HAは、1000kDaを超える分子量を有する。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、ペントラキシン3(PTX−3)を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、腫瘍壊死因子刺激遺伝子6タンパク質(TSG−6)を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、トロンボスポンジン−1(TSP−1)を含む。幾つかの実施形態では、組成物における全タンパク質対HAの比率は、500部のタンパク質:1部のHAと500部のHA:1部のタンパク質の間である。幾つかの実施形態では、組成物は、増殖因子とサイトカインの作用を対抗させることによって上皮細胞の増殖およびEMTを防ぐ。幾つかの実施形態では、増殖因子とサイトカインは、EGF、FGF−2、PDGF−A、PDGF−AB、PDGF−B、PDGF−C、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、CTGF、HGF、IGF−1、G−CSF、IL−6、MCP−1、TNF−α、VEGF、およびIFN−γから成る群から選択される。幾つかの実施形態では、組成物はさらに水性アジュバントを含む。幾つかの実施形態では、組成物は局所投与のためのものである。幾つかの実施形態では、組成物は注入のため製剤される。幾つかの実施形態では、組成物は、眼内注射、網膜下注射、硝子体内注射、眼周囲注射、結膜下注射、球後注射、前房内注射、またはテノン嚢下注射のために製剤される。
本明細書には、特定の実施形態において、必要としている個体において増殖性硝子体網膜症(PVR)を処置または予防するための方法が開示され、該方法は、(a)実質的に分離されたHC−HA/PTX3、再構成されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせ;および(b)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体から本質的に成る、治療上有効な量の注入可能な組成物を個体に投与する工程を含み、それによって、PVRを処置または予防する。幾つかの実施形態では、組成物は、(a)実質的に分離されたHC−HA/PTX3、再構成されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせ;および(b)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体から成る。幾つかの実施形態では、組成物は、再構成されたHC−HA/PTX3、および薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクルまたは担体から成る。幾つかの実施形態では、組成物は、実質的に分離されたHC−HA/PTX3、および薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクルまたは担体から成る。幾つかの実施形態では、実質的に分離されたHC−HA/PTX3は、胎盤、胎盤羊膜、臍帯、臍帯羊膜、絨毛膜、羊膜絨−毛膜、羊膜間質、羊膜ゼリー、羊水、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、胎児支持組織から分離される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、凍結されるか、または事前に凍結されている。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、ヒト、ヒト以外の霊長類、ウシ、またはブタである。幾つかの実施形態では、胎児支持組織はヒトである。幾つかの実施形態では、実質的に分離されたHC−HA/PTX3は、超遠心分離によって胎児支持組織から分離される。幾つかの実施形態では、治療上有効な量は、上皮細胞の増殖、細胞移動またはEMTを防ぐ又は減少させるのに有効である。幾つかの実施形態では、上皮細胞は網膜色素上皮細胞(RPE)である。幾つかの実施形態では、上皮細胞はヒト上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は網膜上皮細胞である。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、ゲル、溶液、または懸濁液である。幾つかの実施形態では、組成物は、インター−α−トリプシン阻害剤(IαI)の重鎖への共有結合によって架橋される高分子量ヒアルロナン(HA)を含み、高分子量HAは、1000kDaを超える分子量を有する。幾つかの実施形態では、組成物は、ペントラキシン3(PTX−3)を含む。幾つかの実施形態では、組成物は、腫瘍壊死因子刺激遺伝子6タンパク質(TSG−6)を含む。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物における全タンパク質対HAの比率は、500部のタンパク質:1部のHAと500部のHA:1部のタンパク質の間である。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、1つ以上の増殖因子またはサイトカインの活性を阻害または抑制することによって上皮細胞の増殖およびEMTを防ぐ。幾つかの実施形態では、増殖因子とサイトカインは、EGF、FGF−2、PDGF−A、PDGF−AB、PDGF−B、PDGF−C、TGFβ1、TGF−β2、TGF−β3、CTGF、HGF、IGF−1、G−CSF、IL−6、MCP−1、TNF−α、VEGF、およびIFN−γから成る群から選択される。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物はさらに水性アジュバントを含む。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は局所投与のためのものである。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、眼内注射、網膜下注射、硝子体内注射、眼周囲注射、結膜下注射、球後注射、前房内注射、またはテノン嚢下注射のために製剤される。幾つかの実施形態では、組成物は硝子体内注射のために製剤される。
本明細書には、特定の実施形態において、必要としている個体において増殖性硝子体網膜症(PVR)を処置または予防するための方法が開示され、該方法は、(a)実質的に分離されたHC−HA/PTX3、再構成されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせ;(b)追加の治療薬;および(c)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体から本質的に成る、治療上有効な量の注入可能な組成物を個体に投与する工程を含み、それによって、PVRを処置または予防する。幾つかの実施形態では、組成物は、(a)実質的に分離されたHC−HA/PTX3、再構成されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせ;(b)追加の治療薬;および(c)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体から成る。幾つかの実施形態では、追加の治療薬は、PVRを処置するための追加の薬剤である。幾つかの実施形態では、追加の治療薬は、経口用のアキュテイン、硝子体内トリアムシノロンアセトニド、ラニビズマブ、ベバシズマブ、ダサチニブ、ペガプタニブナトリウム、N−アセチル−システイン(NAC)、ピオグリタゾン、グルコサミン、ゲニスチン、ゲルダナマイシン、ファスジル(fausdil)、レスベラトロル、肝細胞増殖因子(HGF)、BMP−7、LY−364947、ジオスゲニン、エモジン、ペントキシフィリン(pentoxyfilline)、ジピリダモール、ペルオキシソーム増殖活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニスト、雌性ホルモン、および抗酸化剤から成る群から選択される。幾つかの実施形態では、雌性ホルモンは、エストラジオールまたはプロゲステロンを含む。幾つかの実施形態では、抗酸化剤は、ベータカロチン、ビタミンC、ビタミンE、ルテイン、ゼアキサンチン、およびオメガ−3脂肪酸を含む。幾つかの実施形態では、追加の治療薬は、炎症を処置するための追加の薬剤である。幾つかの実施形態では、組成物は、(a)実質的に分離されたHC−HA/PTX3、再構成されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせ;(b)追加の治療薬;および(c)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体から成る。幾つかの実施形態では、組成物は、再構成されたHC−HA/PTX3、追加の治療薬、および薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクルまたは担体から成る。幾つかの実施形態では、組成物は、実質的に分離されたHC−HA/PTX3、追加の治療薬、および薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクルまたは担体から成る。幾つかの実施形態では、実質的に分離されたHC−HA/PTX3は、胎盤、胎盤羊膜、臍帯、臍帯羊膜、絨毛膜、羊膜絨−毛膜、羊膜間質、羊膜ゼリー、羊水、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、胎児支持組織から分離される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、凍結されるか、または事前に凍結されている。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、ヒト、ヒト以外の霊長類、ウシ、またはブタである。幾つかの実施形態では、胎児支持組織はヒトである。幾つかの実施形態では、実質的に分離されたHC−HA/PTX3は、超遠心分離によって胎児支持組織から分離される。幾つかの実施形態では、組成物はさらに追加の治療薬を含む。幾つかの実施形態では、治療上有効な量は、上皮細胞の増殖、細胞移動またはEMTを防ぐ又は減少させるのに有効である。幾つかの実施形態では、上皮細胞は網膜色素上皮細胞(RPE)である。幾つかの実施形態では、上皮細胞はヒト上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は網膜上皮細胞である。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、ゲル、溶液、または懸濁液である。幾つかの実施形態では、組成物は、インター−α−トリプシン阻害剤(IαI)の重鎖への共有結合によって架橋される高分子量ヒアルロナン(HA)を含み、高分子量HAは、1000kDaを超える分子量を有する。実施形態では、組成物は、ペントラキシン3(PTX−3)を含む。幾つかの実施形態では、組成物は、腫瘍壊死因子刺激遺伝子6タンパク質(TSG−6)を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、トロンボスポンジン−1(TSP−1)を含む。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物における全タンパク質対HAの比率は、500部のタンパク質:1部のHAと500部のHA:1部のタンパク質の間である。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、1つ以上の増殖因子またはサイトカインの活性を阻害または抑制することによって上皮細胞の増殖およびEMTを防ぐ。幾つかの実施形態では、増殖因子とサイトカインは、EGF、FGF−2、PDGF−A、PDGF−AB、PDGF−B、PDGF−C、TGFβ1、TGF−β2、TGF−β3、CTGF、HGF、IGF−1、G−CSF、IL−6、MCP−1、TNF−α、VEGF、およびIFN−γから成る群から選択される。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物はさらに水性アジュバントを含む。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は局所投与のためのものである。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、眼内注射、網膜下注射、硝子体内注射、眼周囲注射、結膜下注射、球後注射、前房内注射、またはテノン嚢下注射のために製剤される。幾つかの実施形態では、組成物は硝子体内注射のために製剤される。
本明細書には、特定の実施形態において、必要としている個体において増殖性硝子体網膜症(PVR)を処置または予防するための方法が開示され、該方法は、HC−HA/PTX3および胎児支持組織の少なくとも1つの他の成分を含む、胎児支持組織の調製物;および薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体を含む、治療上有効な量の注入可能な組成物を個体に投与する工程を含み、それによって、それによって、PVRを処置または予防する。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、胎盤、胎盤羊膜、臍帯、臍帯羊膜、絨毛膜、羊膜−絨毛膜、羊膜間質、羊膜ゼリー、羊水、またはそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、凍結されるか、または事前に凍結されている。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、ヒト、ヒト以外の霊長類、ウシ、またはブタである。幾つかの実施形態では、胎児支持組織はヒトである。幾つかの実施形態では、治療上有効な量は、上皮細胞の増殖、細胞移動またはEMTを防ぐ又は減少させるのに有効な量である。幾つかの実施形態では、上皮細胞は網膜色素上皮(RPE)細胞である。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、胎児支持組織の抽出物、微粒子化された胎児支持組織、ホモジネート、粉末、細分化された胎児支持組織、微粉砕された胎児支持組織、粉砕された胎児支持組織、精製されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、組成物は、ゲル、溶液、または懸濁液である。幾つかの実施形態では、組成物は、眼内注入、網膜下注入、硝子体内注射、眼周囲注射、結膜下注射、球後注射、前房内注射またはテノン嚢下注射のために製剤される。
本明細書には、特定の実施形態において、上皮細胞の増殖、細胞移動、及び/又は上皮間葉転換(EMT)防ぐ又は減少させるための組成物が開示され、該組成物は、(a)胎児支持組織の調製物;および(b)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体を含み、ここで上皮細胞は網膜色素上皮細胞ではない。幾つかの実施形態では、EMTは、増殖性硝子体網膜症以外の疾患または障害に関係する。幾つかの実施形態では、EMTは、癌、増殖性糖尿病性網膜症、線維化病変、および角膜後膜から選択される疾患または障害に関係する。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、胎盤、胎盤羊膜、臍帯、臍帯羊膜、絨毛膜、羊膜絨−毛膜、羊膜間質、羊膜ゼリー、羊水、およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、凍結されるか、または事前に凍結されている。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、ヒト、ヒト以外の霊長類、ウシ、またはブタである。幾つかの実施形態では、胎児支持組織はヒトである。幾つかの実施形態では、組成物は、上皮細胞の増殖、細胞移動またはEMTを防ぐ又は減少させるための治療上有効な量である。幾つかの実施形態では、上皮細胞は、結膜上皮細胞、角膜上皮細胞、角膜縁上皮細胞、および腎臓上皮細胞から選択される。幾つかの実施形態では、上皮細胞はヒト上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は網膜色素上皮細胞(RPE)である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は結膜上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は角膜上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は角膜縁上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は腎臓上皮細胞である。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、胎児支持組織の抽出物、微粒子化された胎児支持組織、ホモジネート、粉末、細分化された胎児支持組織、微粉砕された胎児支持組織、粉砕された胎児支持組織、または精製されたHC−HA/PTX3である。幾つかの実施形態では、組成物は、ゲル、溶液、または懸濁液である。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、HC−HA/PTX3を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、実質的に分離されたHC−HA/PTX3を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、実質的に分離されたHC−HA/PTX3から成る。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、再構成されたHC−HA/PTX3を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、インター−α−トリプシン阻害剤(IαI)の重鎖への共有結合によって架橋される高分子量ヒアルロナン(HA)を含み、高分子量HAは、1000kDaを超える分子量を有する。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、ペントラキシン3(PTX−3)を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、腫瘍壊死因子刺激遺伝子6タンパク質(TSG−6)を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、トロンボスポンジン−1(TSP−1)を含む。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物における全タンパク質対HAの比率は、500部のタンパク質:1部のHAと500部のHA:1部のタンパク質の間である。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、増殖因子とサイトカインの作用を阻害することによって上皮細胞の増殖およびEMTを防ぐ。幾つかの実施形態では、増殖因子とサイトカインは、EGF、FGF−2、PDGF−A、PDGF−AB、PDGF−B、PDGF−C、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、CTGF、HGF、IGF−1、G−CSF、IL−6、MCP−1、TNF−α、VEGFおよびIFN−γから成る群から選択される。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物はさらに水性アジュバントを含む。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は局所投与のためのものである。幾つかの実施形態では、組成物は、注入のために製剤される。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、眼内注射、網膜下注射、硝子体内注射、眼周囲注射、結膜下注射、球後注射、前房内注射、またはテノン嚢下注射のために製剤される。
本明細書には、特定の実施形態において、増殖性硝子体網膜症(PVR)を処置または予防するための注入可能な組成物が開示され、該組成物は、(a)実質的に分離されたHC−HA/PTX3、再構成されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせ;および(b)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクルまたは担体を含む。幾つかの実施形態では、組成物は、(a)実質的に分離されたHC−HA/PTX3、再構成されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせ;および(b)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクルまたは担体から成る。幾つかの実施形態では、組成物は、再構成されたHC−HA/PTX3、および薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクルまたは担体から成る。幾つかの実施形態では、組成物は、実質的に分離されたHC−HA/PTX3、および薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクルまたは担体から成る。幾つかの実施形態では、実質的に分離されたHC−HA/PTX3は、胎盤、胎盤の羊膜、臍帯、臍帯羊膜、絨毛膜、羊膜−絨毛膜および羊膜の間質、羊膜ゼリー、羊水およびそれらの組み合わせから成る群から選択される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、凍結されるか、または事前に凍結されている。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、ヒト、ヒト以外の霊長類、ウシ、またはブタである。幾つかの実施形態では、胎児支持組織はヒトである。幾つかの実施形態では、実質的に分離されたHC−HA/PTX3は、超遠心分離によって胎児支持組織から分離される。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、上皮細胞の増殖、細胞移動またはEMTを防ぐ又は減少させるための治療上有効な量である。幾つかの実施形態では、上皮細胞は網膜色素上皮細胞(RPE)である。幾つかの実施形態では、上皮細胞はヒト上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は網膜上皮細胞である。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、ゲル、溶液または懸濁液である。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、インター−α−トリプシン阻害剤(IαI)の重鎖への共有結合によって架橋される高分子量ヒアルロナン(HA)を含み、高分子量HAは、1000kDaを超える分子量を有する。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、ペントラキシン3(PTX−3)を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、腫瘍壊死因子刺激遺伝子6タンパク質(TSG−6)を含む。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物における全タンパク質対HAの比率は、500部のタンパク質:1部のHAと500部のHA:1部のタンパク質の間である。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、増殖因子及び/又はサイトカインの活性を阻害または抑制することによって上皮細胞の増殖およびEMTを防ぐ。幾つかの実施形態では、増殖因子とサイトカインは、EGF、FGF−2、PDGF−A、PDGF−AB、PDGF−B、PDGF−C、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、CTGF、HGF、IGF−1、G−CSF、IL−6、MCP−1、TNF−α、VEGFおよびIFN−γから成る群から選択される。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物はさらに水性アジュバントを含む。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は局所投与のためのものである。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、眼内注射、網膜下注射、硝子体内注射、眼周囲注射、結膜下注射、球後注射、前房内注射、またはテノン嚢下注射のために製剤される。
本明細書には、特定の実施形態において、増殖性硝子体網膜症(PVR)を処置または予防するための注入可能な組成物が開示され、該組成物は、(a)実質的に分離されたHC−HA/PTX3、再構成されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせ;(b)追加の治療薬;および(c)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクルまたは担体から本質的に成る。幾つかの実施形態では、組成物は、(a)実質的に分離されたHC−HA/PTX3、再構成されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせ;(b)追加の治療薬;および(c)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクルまたは担体から成る。幾つかの実施形態では、組成物は、再構成されたHC−HA/PTX3、追加の治療薬、および薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクルまたは担体から成る。幾つかの実施形態では、組成物は、実質的に分離されたHC−HA/PTX3、追加の治療薬、および薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクルまたは担体から成る。幾つかの実施形態では、実質的に分離されたHC−HA/PTX3は、胎盤、胎盤の羊膜、臍帯、臍帯羊膜、絨毛膜、羊膜−絨毛膜および羊膜の間質、羊膜ゼリー、羊水およびそれらの組み合わせから成る群から選択される、胎児支持組織から分離される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、凍結されるか、または事前に凍結されている。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、ヒト、ヒト以外の霊長類、ウシ、またはブタである。幾つかの実施形態では、胎児支持組織はヒトである。幾つかの実施形態では、実質的に分離されたHC−HA/PTX3は、超遠心分離によって胎児支持組織から分離される。幾つかの実施形態では、追加の治療薬は、経口用のアキュテイン、硝子体内トリアムシノロンアセトニド、ラニビズマブ、ベバシズマブ、ダサチニブ、ペガプタニブナトリウム、N−アセチル−システイン(NAC)、ピオグリタゾン、グルコサミン、ゲニスチン、ゲルダナマイシン、ファスジル、レスベラトロル、肝細胞増殖因子(HGF)、BMP−7、LY−364947、ジオスゲニン、エモジン、ペントキシフィリン、ジピリダモール、ペルオキシソーム増殖活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニスト、雌性ホルモン、および抗酸化剤から成る群から選択される。幾つかの実施形態では、雌性ホルモンは、エストラジオールまたはプロゲステロンを含む。幾つかの実施形態では、抗酸化剤は、ベータカロチン、ビタミンC、ビタミンE、ルテイン、ゼアキサンチン、およびオメガ−3脂肪酸を含む。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、上皮細胞の増殖、細胞移動またはEMTを防ぐ又は減少させるための治療上有効な量である。幾つかの実施形態では、上皮細胞は網膜色素上皮細胞(RPE)である。幾つかの実施形態では、上皮細胞はヒト上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は網膜上皮細胞である。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、ゲル、溶液または懸濁液である。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、インター−α−トリプシン阻害剤(IαI)の重鎖への共有結合によって架橋される高分子量ヒアルロナン(HA)を含み、高分子量HAは、1000kDaを超える分子量を有する。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、ペントラキシン3(PTX−3)を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、腫瘍壊死因子刺激遺伝子6タンパク質(TSG−6)を含む。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物における全タンパク質対HAの比率は、500部のタンパク質:1部のHAと500部のHA:1部のタンパク質の間である。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、増殖因子及び/又はサイトカインの活性を阻害または抑制することによって上皮細胞の増殖およびEMTを防ぐ。幾つかの実施形態では、増殖因子とサイトカインは、EGF、FGF−2、PDGF−A、PDGF−AB、PDGF−B、PDGF−C、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、CTGF、HGF、IGF−1、G−CSF、IL−6、MCP−1、TNF−α、VEGFおよびIFN−γから成る群から選択される。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物はさらに水性アジュバントを含む。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は局所投与のためのものである。幾つかの実施形態では、注入可能な組成物は、眼内注射、網膜下注射、硝子体内注射、眼周囲注射、結膜下注射、球後注射、前房内注射、またはテノン嚢下注射のために製剤される。
本明細書には、特定の実施形態において、増殖性硝子体網膜症(PVR)を処置または予防するための注入可能な組成物が開示され、該組成物は、HC−HA/PTX3および胎児支持組織の少なくとも1つの他の成分を含む、胎児支持組織の調製物;および薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクルまたは担体を含み、ここで組成物は注入に適している。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、胎盤、胎盤羊膜、臍帯、臍帯羊膜、絨毛膜、羊膜−絨毛膜、羊膜間質、羊膜ゼリー、羊水、またはそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、凍結されるか、または事前に凍結されている。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、ヒト、ヒト以外の霊長類、ウシ、またはブタである。幾つかの実施形態では、胎児支持組織はヒトである。幾つかの実施形態では、組成物は、上皮細胞の増殖、細胞移動またはEMTを防ぐ又は減少させるのに有効な量である。幾つかの実施形態では、上皮細胞は網膜色素上皮の(RPE)細胞である。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、胎児支持組織の抽出物、微粒子化された胎児支持組織、ホモジネート、粉末、細分化された胎児支持組織、微粉砕された胎児支持組織、粉砕された胎児支持組織、精製されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、組成物は、ゲル、溶液、または懸濁液である。幾つかの実施形態では、組成物は、眼内注射、網膜下注射、硝子体内注射、眼周囲注射、結膜下注射、球後注射、前房内注射、またはテノン嚢下注射のために製剤される。
図1は、増殖因子による増殖を有する又は有さないEMTの調節におけるシグナル伝達経路を示す。 図2Aは、HC−HA/PTX3形成およびヒトAMEから精製されたHC−HA/PTX3の特徴づけを例証する。図2Aは、HC−HA/PTX3形成の概略的実例を提供する。 図2Bは、HC−HA/PTX3形成およびヒトAMEから精製されたHC−HA/PTX3の特徴づけを例証する。図2Bは、ヒトAMEから精製されたHC−HA/PTX3を例証する。 図2Cは、HC−HA/PTX3形成およびヒトAMEから精製されたHC−HA/PTX3の特徴づけを例証する。図2Cは、AMEから精製されたHC−HA/PTX3がHC1を含むことを例証する。 図2Dは、HC−HA/PTX3形成およびヒトAMEから精製されたHC−HA/PTX3の特徴づけを例証する。図2Dは、AMEから精製されたHC−HA/PTX3がPTX3を含むことを例証する。 図3Aは、古典的であるが非古典的でないWntシグナル伝達が、LEPC/LNCにおける固定されたHC−HA/PTX3によって抑制されることを例証する。図3Aは、HC−HA/PTX3が、ヒトの角膜縁上皮始原細胞(LEPC)およびニッチ細胞(LNC)において古典的Wntシグナル伝達をダウンレギュレートすることを例証する。 図3Bは、古典的であるが非古典的でないWntシグナル伝達が、LEPC/LNCにおける固定されたHC−HA/PTX3によって抑制されることを例証する。図3Bは、Matrigelまたは固定されたHC−HA/PTX3いずれかの上に播種されたβ−カテニンおよびC−JUNの免疫染色を例証する。 図4Aは、ヒト角膜線維芽細胞(HCF)におけるTGF−βおよびTGF−β受容体の発現を例証する。図4Aは、外因性TGF−β1を追加した及び追加しなかった、プラスチック、HA、またはHC−HA/PTX3上で播種されたヒト角膜線維芽細胞(HCF)におけるTGF−β1発現を例証する。 図4Bは、ヒト角膜線維芽細胞(HCF)におけるTGF−βおよびTGF−β受容体の発現を例証する。図4Bは、外因性TGF−β1を追加した及び追加しなかった、プラスチック、HA、またはHC−HA/PTX3上で播種されたHCFにおけるTGF−β2発現を例証する。 図4Cは、ヒト角膜線維芽細胞(HCF)におけるTGF−βおよびTGF−β受容体の発現を例証する。図4Cは、外因性TGF−β1を追加した及び追加しなかった、プラスチック、HA、またはHC−HA/PTX3上で播種されたHCFにおけるTGF−β3発現を例証する。 図4Dは、ヒト角膜線維芽細胞(HCF)におけるTGF−βおよびTGF−β受容体の発現を例証する。図4Dは、外因性TGF−β1を追加した及び追加しなかった、プラスチック、HA、またはHC−HA/PTX3上で播種された、HCFにおけるTGF−βRI、TGF−βRII、およびTGF−βIIIの発現を示すノーザンブロットを例示する。 図4Eは、外因性TGF−β1の追加によって引き起こされたpSmad2/3の核移行を例示する。 図4Fは、外因性TGF−1の追加によって引き起こされたα−SMAの陽性細胞質発現を例示する。 図5Aは、HC−HA/PTX3が、EGF+FGF−2で刺激されたときにARPE−19細胞における増殖を阻害することを例証する。図5Aは、HC−HA/PTX3が、正常なARPE−19細胞の生存度に影響を与えないことを例証する。 図5Bは、HC−HA/PTX3が、EGF+FGF−2で刺激されたときにARPE−19細胞における増殖を阻害することを例証する。図5Bは、免疫染色を使用するARPE−19細胞の増殖を例証する。 図5Cは、HC−HA/PTX3が、EGF+FGF−2で刺激されたときにARPE−19細胞における増殖を阻害することを例証する。図5Cは、ARE−19細胞の増殖を例証する。 図6Aは、HC−HA/PTX3が、APRE−19細胞におけるpSmad2/3の核移行を阻害することを例証する。図6Aは、免疫染色を使用する、リン酸化されたSmad2/3の核局在化を例証する。 図6Bは、HC−HA/PTX3が、APRE−19細胞におけるpSmad2/3の核移行を阻害することを例証する。図6Bは、リン酸化されたSmad2/3の核局在化を例証する。 図7Aは、ウサギにおけるPVRの発達を例証する。図7Aは、PVRのない正常なウサギの眼底写真を例示する。 図7Bは、ウサギにおけるPVRの発達を例証する。図7Bは、RPE細胞のガス硝子体切除術(gas vitrectomy)および硝子体内注射の4週間後の牽引性のPVRを有するウサギを例示する。 図7Cは、ウサギにおけるPVRの発達を例証する。図7Cは、除核後のPVRのない正常なウサギの眼の断面を例示する。 図7Dは、ウサギにおけるPVRの発達を例証する。図7Dは、除核後の網膜剥離を有する牽引性のPVRを有するウサギの眼の断面を例示する。 図8は、TGF−βプロモーター活性の抑制に対する、コラーゲンゲル(Col)、AM抽出物(AME)、またはAM抽出物と混合されたコラーゲンゲル(Col+AME)の追加の効果を例示する。BSAは対照として使用された。 図9は、TGF−β活性の抑制に対する、BSA単独での対照アッセイと比較した、AME、HA、またはHA+AMEでの処置の効果を例証する。プロモーター活性は、相対的ルシフェラーゼ単位(RLU)として表示される。 図10は、アガロースゲル電気泳動法によって分離されたAM抽出物におけるヒアルロナンの分子量範囲を例証する。緩衝液A、B、Cによって抽出された羊膜は、ヒアルロニダーゼで又はそれなしで処理され、0.5%のアガロースゲルによって電気泳動的に分離された。 図11は、アガロースゲル電気泳動法によって分離されたAM抽出物におけるヒアルロナンの分子量範囲を例証する。緩衝液PBSによって抽出された羊膜は、37℃で2時間、ヒアルロニダーゼで又はそれなしで処理され(Tris−HCl中に10units/ml、pH7.5、150mMのNaCl)、0.5%のアガロースゲルに流された。HA:陽性ヒアルロン酸対照;L:低速遠心分離後のAM抽出物;H:高速遠心分離後のAM抽出物。 図12は、インター−α−トリプシン阻害剤(IαI)が、AM抽出物に存在することを実証するウエスタンブロットを例証する。ビクニンのシグナルは非常に弱かったが(約39kDa)、IαIはAM抽出物AおよびCに存在した。ウエスタンブロットへと移る前に、抽出物は、4−15%の変性アクリルアミドゲル上で分離された。 図13は、インター−α−トリプシン阻害剤(IαI)が、低速(LS)または高速(HS)の遠心分離後でさえAM抽出物に存在することを実証するイムノブロットを例証する。 図14は、ヒアルロニダーゼ処理による(+)またはそれなしでの(−)TSG−6(腫瘍壊死因子刺激遺伝子6)のイムノブロットを例証する。サンプルは、実施例2に詳述されるような、等張低塩緩衝液(緩衝液A);高塩緩衝液(B); または4MのグアニジンHCl(C)における抽出後のAM抽出物である、遠心分離(T)なしでの合計のAM抽出物を含んだ。TSG−6は、合計の抽出物、緩衝液A抽出物、および緩衝液C抽出物に存在した。ヒアルロニダーゼの追加は、抽出物におけるTSG−6レベルを変更するようには見えなかった。 図15は、AMにおけるTSG−6の脱グリコシル化のイムノブロット解析を例証する。AM抽出物A、B、およびCは、3時間37℃で20units/mlのPNGase Fによって(+)またはそれなしで処理された。AMにおけるTSG−6のグリコシル化は、その後、ウエスタンブロットによって分析された。ヒト角膜線維芽細胞(HCF)の細胞溶解物は、陽性対照として使用された。 図16は、コンドロイチン硫酸塩ABCリアーゼでの消化によるAMにおける潜在的なTSG−6複合体のイムノブロット解析を例証する。AM抽出物A、B、およびCは、2時間37℃で1unit/mlのABCリアーゼなしで(−)またはそれによって(+)処理された。TSG−6複合体の起こり得る破壊は、その後、抗TSG−6抗体RAH−1:1:1000を使用するウエスタンブロットによって分析された。 図17は、コンドロイチン硫酸塩ABCリアーゼでの消化によるAMにおける潜在的なTSG−6複合体のイムノブロットを例証する。これは、異なるTSG−6抗体が使用されたという点を除いて、図16に示される実験と同じ実験である。ここで、抗TSG−6抗体は、R & D Systems (cat# MAB2104)から得られた。 図18は、Alexis Biochemicalsから得られたラットのモノクローナル抗PTX3抗体を使用する、AMにおけるペントラキシン(PTX3)の存在を実証するイムノブロットを例証する。HCF:ヒト角膜線維芽細胞、T、A、B、C:それぞれ、合計のAM抽出物、A、B、C;HAse:ヒアルロニダーゼ。 図19は、AMにおけるTSP−1の存在を実証するイムノブロットを例証する。単量体TSP−1(180kDa)および推定上の三量体TSP−1(540kDa)が示される。陽性対照、TSP−1は、ヒト血小板(Calbiochem, Cat# 605225)から精製され、100ng/laneとして充填された。 図20は、AMにおけるSmad 7の存在を実証するイムノブロットを例証する。AMは、PBSまたは尿素で抽出された(50mMのTris−HCl中に2Mの尿素、pH7.5)。20μgの全タンパク質が各抽出物のために充填された。Smad 7は、ヤギ抗ヒトSmad 7で検出された(AF2029、1:1000、R & D Systems)。Smad 7は、〜51kDaのバンドとして移動した。 図21は、6つのランダムな顕微鏡視野からカウントされた移動細胞の数を例証する(n=4、は、PBS+EGF+FGF−2+TGF−β1と比較したときのp<0.05を示す)。 図22は、群間で比較されたゲル収縮のパーセンテージを例証する(n=4、は、PBS+TGF−β1と比較したp<0.05を示す)。
本出願は、上皮細胞の増殖、細胞移動、及び/又は上皮間葉転換(EMT)を防ぐ又は減少させるための組成物および方法を記載し、ここで上皮細胞はヒト上皮細胞であり、ヒト上皮細胞は、網膜色素上皮、結膜、網膜、角膜、角膜縁、または腎臓の上皮細胞から選択される。さらに、本出願は、必要としている個体における増殖性硝子体網膜症の予防および処置のための組成物および方法を記載する。
例えば、網膜色素上皮、ヒトの結膜、網膜、角膜、角膜縁、腎臓の上皮細胞などの、上皮細胞が、インビトロまたはインビボのいずれかで、例えば、EGF、FGF−2、PDGF−A、PDGF−AB、PDGF−B、PDGF−C、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、CTGF、HGF、IGF−1、G−CSF、IL−6、MCP−1、TNF−α、VEGFまたはIFN−γおよびエチレングリコール四酢酸(EGTA)などの、増殖因子およびサイトカインに暴露されるときに、増殖、細胞移動およびEMTが生じることが知られている。
さらに、眼表面上への凍結保存された羊膜(AM)組織の移植が、創傷治癒を促進するために、角膜および角膜縁の上皮細胞の両方において抗増殖、抗炎症、抗瘢痕化、および抗血管新生の作用をもたらすことが知られている。
外科的移植の必要なしで投与され得る、および例えば網膜および腎臓の上皮細胞などの非表面上皮細胞に追加で投与され得る、上皮細胞の増殖、細胞移動およびEMTを防ぐ又は減少させる組成物が必要とされている。
特定の実施形態の記載が続く。本出願の特定の実施形態が、例示によって及び本出願を限定しないものとして示されることが理解される。
<特定の用語>
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、請求される主題が属する技術分野における当業者によって一般に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書の全開示にわたって参照される、特許出願、公開された出願および公報、GENBANK配列、ウェブサイトおよび他の出版物はすべて、他の言及されない限り、引用によってそれら全体が組み込まれる。本明細書の用語に複数の定義がある場合、このセクションの定義が優先される。URLまたは他のそのような識別子あるいはアドレスが言及される場合、そのような識別子は変更することができるが、インターネットについての特定の情報が現れたり消えたりし得るが、同等な情報が知られ、インターネット及び/又は適切なデータベースなどの検索によって容易にアクセスされ得ることが理解される。そのようなものについての言及は、そのような情報の利用可能性と公的普及を証拠づけるものである。
本明細書で使用されるように、範囲および量は、「およそ」の特定の値または範囲として表わされ得る。「およそ」はまた、正確な量を含む。したがって、「約5μg」は、「約5μg」および「5μg」も意味する。一般に、用語「約」は、実験誤差内にあると予測される量を含む。
本明細書で使用されるように、用語「被験体」、「個体」、および「患者」は、交換可能に使用される。これらの用語はいずれも、医療専門家(例えば、医者、看護師、医師助手、看護助手、ホスピス職員)の監督を必要とするものと解釈されないものとする。本明細書で使用されるように、被験体は、哺乳動物(例えば、ヒトまたはヒト以外の動物)および非哺乳動物を含む動物である。本明細書で提供される方法および組成物の一実施形態において、哺乳動物はヒトである。
本明細書で使用されるように、用語「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」または「処置(treatment)」、および他の文法上の同等物は、疾患または疾病の1つ以上の症状を緩和、軽減、または改善することを含む。幾つかの実施形態では、処置することは、上皮間葉転換の1つ以上の症状を緩和、軽減、または改善することである。幾つかの実施形態では、処置することは、増殖性硝子体網膜症の1つ以上の症状を緩和、軽減、または改善することである。幾つかの実施形態では、処置することは、炎症の1つ以上の症状を緩和、軽減、または改善することである。幾つかの実施形態では、処置することは、疾患または疾病の1つ以上の追加の症状の様子、重要度または頻度を防ぐ又は減少させることである。幾つかの実施形態では、方法は、上皮間葉転換の1つ以上の追加の症状の様子、重要度または頻度を防ぐ又は減少させる工程を含む。幾つかの実施形態では、方法は、増殖性硝子体網膜症の1つ以上の追加の症状の様子、重要度または頻度を防ぐ又は減少させる工程を含む。幾つかの実施形態では、方法は、炎症の1つ以上の追加の症状の様子、重要度または頻度を防ぐ又は減少させる工程を含む。幾つかの実施形態では、方法は、疾患または疾病の1つ以上の症状の根底にある代謝原因を改善または予防する工程、例えば、疾患または疾病の進行を阻止するなどの、疾患または疾病を阻害する工程、疾患または疾病を軽減する工程、疾患または疾病を退行させる工程、疾患または疾病によって引き起こされた状態を軽減する工程、あるいは予防的及び/又は治療的に疾患または疾病の症状を阻害する工程を含む。
本明細書で使用されるように、「胎児支持組織」は、胎児の発達を支持するために使用される組織を意味する。胎児支持組織の例は、限定されないが、(i)胎盤羊膜(PAM)または実質的に分離されたPAM、(ii)臍帯羊膜(UCAM)または実質的に分離されたUCAM、(iii)絨毛膜または実質的に分離された絨毛膜、(iv)羊膜−絨毛膜または実質的に分離された羊膜−絨毛膜、(v)羊膜間質または実質的に分離された羊膜間質、(vi)胎盤または実質的に分離された胎盤、(vii)臍帯または実質的に分離された臍帯、(viii)羊水、あるいは(ix)それらの任意の組み合わせを含む。胎児支持組織はまた、「妊娠組織」と交換可能に使用される。幾つかの実施形態では、妊娠組織は、「哺乳動物の妊娠組織」または「ヒト妊娠組織(「HGT」)」である。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は哺乳動物から得られる。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、ヒト、ヒト以外の霊長類、雌ウシ、またはブタからのものである。幾つかの実施形態では、胎児支持組織はヒトからのものである。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、粉砕された胎児支持組織、微粉砕された胎児支持組織、細分化された胎児支持組織、移植片、粉末、ゲル、ホモジネート、または抽出物である。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は無菌処理される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は最終滅菌される。
本明細書で使用されるように、「胎盤」は、発育している胎児を母体子宮壁に結合し、母体血液供給によって、養分吸収、老廃物除去、およびガス交換を可能にする臓器を意味する。胎盤は三層からなる。胎児を囲む最も内側の胎盤層は羊膜と呼ばれる。尿膜は、(胚後腸(embryonic hindgut)に由来する)胎盤の中間の層である;臍から生じる血管は、この膜を通過する。胎盤(絨毛膜)の最外層は、子宮内膜と接触する。絨毛膜および尿膜は融合して、絨毛尿膜を形成する。
本明細書で使用されるように、「絨毛膜」は、胚外中胚葉によって形成された膜および二層の栄養膜を意味する。絨毛膜絨毛は、絨毛膜から出現し、子宮内膜に侵入し、母体血から胎児血への栄養素の移動を可能にする。絨毛膜は、栄養膜によって形成された外層および壁側中胚葉によって形成された内層の二層から成り、羊膜は後者と接触している。栄養膜は、立方体またはプリズム状の細胞(cubical or prismatic cells)の内層、Langhansの栄養膜細胞層または層、および細胞境界のない豊富に核形成された原形質の外層、合胞体栄養細胞(syncytiotrophobast)から作られる。無血管の羊膜(avascular amnion)は、絨毛膜の内層に付着している。
本明細書で使用されるように、「羊膜−絨毛膜」は、羊膜および絨毛膜を含む産物を意味する。幾つかの実施形態では、羊膜および絨毛膜は分離されない(即ち、羊膜は、絨毛膜の内層に自然に付着している)。幾つかの実施形態では、羊膜は、最初に絨毛膜から分離され、後に処理中に絨毛膜と組み合わされる。
本明細書で使用されるように、「臍帯」は、発育している胎児を胎盤に結合する臓器を意味する。臍帯は、ムコ多糖から主に作られる膠様質である、ホウォートンゼリーから構成されている。これは、酸素を含ませた、栄養豊富な血液を胎児に運ぶ1本の静脈、および脱酸素化された、栄養不足の血液を運ぶ2本の動脈を含んでいる。幾つかの実施形態では、血管は、臍帯組織から実質的に除去されている。幾つかの実施形態では、ホウォートンゼリーの一部は除去されている。幾つかの実施形態では、血管およびホウォートンゼリーの一部は除去されている。
本明細書で使用されるように、「胎盤羊膜」(PAM)は、胎盤に由来する羊膜を意味する。幾つかの実施形態では、PAMは実質的に分離される。
本明細書で使用されるように、「臍帯羊膜」(UCAM)は、臍帯に由来する羊膜を意味する。UCAMは半透膜である。UCAMは、複数の層:上皮層;基底膜;緻密層;線維芽細胞層理;および海綿層、を有する。それは、血管または直接的な血液供給を欠いている。幾つかの実施形態では、UCAMは実質的に分離される。幾つかの実施形態では、UCAMはホウォートンゼリーをすべて含む。幾つかの実施形態では、UCAMはホウォートンゼリーの一部を含む。幾つかの実施形態では、UCAMは、血管及び/又は動脈を含む。幾つかの実施形態では、UCAMは、ホウォートンゼリーおよび血管及び/又は動脈をすべて含む。幾つかの実施形態では、UCAMは、ホウォートンゼリーおよび血管及び/又は動脈の一部を含む。
本明細書で使用されるように、「実質的に分離された」または「分離された」は、胎児支持組織の産物が、供給元の有機体に由来する望まれない物質(例えば、赤血球、血管、および動脈)と分離されていることを意味する。純度、または「分離」は、標準方法によって分析され得、通常少なくとも約10%純粋、より通常では少なくとも約20%純粋、一般に少なくとも約30%純粋、およびより一般には少なくとも約40%、純粋となり;さらなる実施形態では、少なくとも約50%純粋、またはより頻繁には少なくとも約60%しばしば純粋となり;さらに他の実施形態では、少なくとも約95%純粋となる。
本明細書で使用されるように、「生物活性」は、ポリペプチドおよび多糖の活性を意味する。幾つかの実施形態では、ポリペプチドおよび多糖の活性は、臍帯(および実質的に分離された臍帯)、UCAM(および実質的に分離されたUCAM)、胎盤(および実質的に分離された胎盤)、PAM(および実質的に分離されたPAM)、絨毛膜(および実質的に分離された絨毛膜)または羊膜−絨毛膜(および実質的に分離された羊膜−絨毛膜)において見られる。幾つかの実施形態では、生物活性は、抗瘢痕化活性、抗炎症活性、抗血管新生活性、および創傷治癒である。幾つかの実施形態では、生物活性は抗炎症活性である。幾つかの実施形態では、生物活性は、胎児支持組織の調製物または組成物の生物活性を含む。幾つかの実施形態では、生物活性は、HC−HA/PTX3の生物活性を含む。
本明細書で使用されるように、生物活性または構造的完全性の実質的な保存は、未処理組織の生物活性および構造的完全性と比較したときに、胎児支持組織の産物の生物活性および構造的完全性が、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約50%、または約60%だけ低下したことを意味する。
本明細書で使用されるように、「凍結(freezing)」は、約1時間、2時間、3時間、4時間、5時間、6時間、7時間、8時間、9時間、10時間、11時間、12時間、18時間、24時間、またはそれ以上の時間の間、胎児支持組織の産物を、約0℃、−5℃、−10℃、−20℃、−40℃、−50℃、−60℃、−70℃、−80℃、−90℃、または−100℃未満、あるいは0℃、−5℃、−10℃、−20℃、−40℃、−50℃、−60℃、−70℃、−80℃、−90℃、または−100℃未満の温度にさらすことを指す。
本明細書で使用されるように、「粉末」は、微細な乾燥粒子またはマトリックスの形態にある物質を意味する。幾つかの実施形態では、粒子はサイズが均一ではない。幾つかの実施形態では、粒子はサイズが実質的に均一である。
本明細書で使用されるように、「粉砕(grinding)」は、胎児支持組織を小さな粒子または粉末にする方法を意味する。用語、粉砕は、微粒子化、微粉砕、ホモジナイズすること、やすりかけ、製粉、すりつぶし、つき砕き、および破砕を含む。
用語「有効な量」または「治療上有効な量」は、本明細書で使用されるように、処置されている疾患または疾病の症状の1つ以上をある程度緩和する、投与されている薬剤または化合物の十分な量を指す。その結果、疾患の徴候、症状、または原因が減少及び/又は軽減され得るか、あるいは生物系の他の望ましい変更がもたらされ得る。例えば、治療用途での「有効な量」は、過度の有害な副作用なしで疾患症状を臨床的に有意に減少させるのに必要な、本明細書に開示されるような化合物を含む組成物の量である。個々の場合における適切な「有効な量」は、用量漸増試験などの技術を使用して判定され得る。用語「治療上有効な量」は、例えば、予防上有効な量を含む。本明細書に開示される化合物の「有効な量」は、過度の有害な副作用なしで望ましい効果または治療上の改善を達成するのに有効な量である。「有効な量」または「治療上有効な量」は、注入可能な組成物の代謝の変動、個体の年齢、体重、全身状態、処置されている疾病、処置されている疾病の重症度、および主治医の判断によって、個体間で変わり得ることが理解される。幾つかの実施形態では、有効な量は、PVRの症状を予防する又は減少させる量である。幾つかの実施形態では、有効な量は、上皮細胞の細胞移動、細胞増殖及び/又はEMTを減少させる、阻害する、または防ぐ量である。
上皮間葉転換(EMT)は、上皮細胞が、それらの細胞極性および細胞間接着を失い、移動特性および浸潤特性を獲得するプロセスである。EMTは、中胚葉形成、神経管形成、創傷治癒の他に、癌進行に関する転移の開始などのプロセスにおいて生じる。EMTは、TGF−β、FGF、EGF、HGF、Wnt/ベータ−カテニンおよびノッチ(Notch)を含む、幾つかのシグナルのシグナル伝達経路を通って誘発され得る。
増殖性硝子体網膜症(PVR)は、裂孔原性網膜剥離の合併症として進行する疾患である。硝子体液からの流体が、網膜の孔に入り、網膜下腔に蓄積するときに、網膜上の硝子体の牽引力は、裂孔原性網膜剥離に帰着するものである。このプロセスの間に、網膜細胞層は硝子体サイトカインに接触し、これによって、網膜色素上皮(RPE)は増殖且つ移動し得る。RPE細胞は、上皮間葉転換(EMT)を受け、移動して硝子体へと出る能力を発達させる。RPEの移動の間に、これらの細胞は、網膜で収縮する及び引く(pull)線維性膜を下に置き(lay down)、一次的な網膜剥離手術後に二次的な網膜剥離につながり得る。
<組成物>
本明細書には、特定の実施形態において、上皮細胞の増殖、細胞移動、及び/又は上皮間葉転換(EMT)を防ぐ又は減少させるための組成物が開示され、該組成物は、胎児支持組織の調製物;および薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体を含む。本明細書にはさらに、特定の実施形態において、必要としている個体において増殖性静脈網膜症(proliferative venous retinopathy)(PVR)を予防する又は減少させるための注入可能な組成物が開示され、該組成物は、胎児支持組織の調製物;および薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体を含む。本明細書にはさらに、特定の実施形態において、必要としている個体において増殖性静脈網膜症(PVR)を予防する又は減少させるための注入可能な組成物が開示され、該組成物は、実質的に分離されたHC−HA/PTX3、再構成されたHC−HA/PTX3(rcHC−HA/PTX3);および薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体から本質的に成る。本明細書にはさらに、特定の実施形態において、必要としている個体において増殖性静脈網膜症(PVR)を予防する又は減少させるための注入可能な組成物が開示され、該組成物は、実質的に分離されたHC−HA/PTX3、再構成されたHC−HA/PTX3(rcHC−HA/PTX3);追加の治療薬;および薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体から本質的に成る。
幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、HC−HA/PTX3を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、インター−α−トリプシン阻害剤(IαI)の重鎖への共有結合によって架橋される高分子量ヒアルロナン(HA)を含み、高分子量HAは、1000kDaを超える分子量を有する。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、ペントラキシン3(PTX−3、PTX3)を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、腫瘍壊死因子刺激遺伝子6タンパク質(TSG−6)を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、トロンボスポンジン−1(TSP−1)を含む。幾つかの実施形態では、組成物における全タンパク質対HAの比率は、500部のタンパク質:1部のHA未満である。幾つかの実施形態では、組成物における全タンパク質対HAの比率は、500部のHA:1部のタンパク質未満である。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、HC−HA/PTX3複合体を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、実質的に精製されたHC−HA/PTX3複合体を含む。
幾つかの実施形態では、上皮細胞はヒト上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は網膜色素上皮細胞(RPE)である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は角膜上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は角膜縁上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は結膜上皮細胞である。幾つかの実施形態では、ヒト上皮細胞は腎臓上皮細胞である。
幾つかの実施形態では、組成物は、増殖因子とサイトカインの活性を抑制することによって上皮細胞の増殖およびEMTを防ぐ。幾つかの実施形態では、増殖因子とサイトカインは、EGF、FGF−2、PDGF−A、PDGF−AB、PDGF−B、PDGF−C、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、CTGF、HGF、IGF−1、G−CSF、IL−6、MCP−1、TNF−α、VEGFおよびIFN−γから成る群から選択される。幾つかの実施形態では、組成物は、増殖およびEMTを阻害するために上皮細胞においてシグナル伝達経路を阻害する。幾つかの実施形態では、シグナル伝達経路は、古典的Wntシグナル伝達およびTGF−β誘発性のSmad/ZEBシグナル伝達である。
幾つかの実施形態では、組成物は、胎児支持組織の調製物および薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、または担体を含む。幾つかの実施形態では、組成物はさらに水性アジュバントを含む。幾つかの実施形態では、組成物は局所投与のためのものである。幾つかの実施形態では、医薬組成物は、注入のために製剤される。幾つかの実施形態では、組成物は、眼内注射、網膜下注射、硝子体内注射、眼周囲注射、結膜下注射、球後注射、前房内注射、またはテノン嚢下注射のために製剤される。
<胎児支持組織の調製物>
幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、臍帯組織、胎盤羊膜組織、絨毛膜組織、羊膜間質、羊膜−絨毛膜組織、UCAM組織、羊水、またはそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、胎児支持組織の抽出物、微粒子化された胎児支持組織、胎児支持組織のホモジネート、胎児支持組織の粉末、細分化された胎児支持組織、微粉砕された胎児支持組織、粉砕された胎児支持組織、精製されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせである。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、新鮮な胎児支持組織、凍結される胎児支持組織、または事前に凍結された胎児支持組織から調製される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、凍結される胎児支持組織、または事前に凍結された胎児支持組織から調製される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、HA、IαI、TSG−6、PTX−3、TSP−1、またはそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、HC−HA/PTX3複合体を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、精製されたHC−HA/PTX3を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、超遠心分離にかけられたHC−HA/PTX3を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、精製されたHC−HA/PTX3から成る。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、再構成されたHC−HA/PTX3を含む。
幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、TGF−βプロモーター活性を抑制し;マクロファージにおいてアポトーシスを増加させ;増殖を減少させ、移動を減少させ、およびヒト血管内皮細胞のアポトーシスを増加させ;ヒト線維芽細胞の生存度を低下させ;炎症を減少させ;および保存および損傷にさらされた上皮細胞のアポトーシスを防ぐ。幾つかの実施形態では、本明細書に記載される胎児支持組織の調製物および注入可能な組成物は、血管新生、創傷治癒、および組織炎症などの、TGF−βアップレギュレーションに関連する疾患を処置するために使用される。
TGF−βは、創傷治癒および瘢痕形成に加えて、組織炎症に関係する原型(prototypic)サイトカインである。哺乳動物細胞は、3つの異なるTGF−β:TGF−β1、TGF−β2、およびTGFβ3を発現する。TGF−βは、線維芽細胞を含む多くの細胞タイプにおいて、α−SMA、インテグリンα5β1、およびEDAドメイン含有フィブロネクチン(Fn)の発現をアップレギュレートすることによって、筋線維芽細胞の分化を促進する、最も強力なサイトカインである。TGF−βはまた、コラーゲンおよびプロテオグリカンなどのマトリックス成分の発現をアップレギュレートし、プロテイナーゼおよびマトリックスメタロプロテイナーゼをダウンレギュレートし、およびそれらの阻害剤をアップレギュレートする。まとめると、これらの作用は、細胞マトリックスの相互作用および接着性の他に、瘢痕組織の沈着および形成を結果としてもたらす。
TGF−βは、細胞膜上のTGF−β受容体(TGF−βR)との結合によって、それらの作用を働かせる。ヒト細胞では、3つのTGF−βR、即ち、TGF−βRタイプI(TGF−βRI)、タイプII(TGF−βRII)、およびタイプIII(TGF−βRIII)が存在する。リガンドとして機能するTGF−βは、TGF−βRIおよびTGF−βRIIで作られた、セリン−トレオニンキナーゼ受容体複合体と結合し、そのような結合は、セリン−トレオニンキナーゼ受容体ではないTGF−βRIIIによって促進される。TGF−βRIIとの結合は、TGF−βRIを活性化し、これは、瘢痕形成に関与する、本明細書に記載される標的遺伝子を含む、多くの標的遺伝子の転写を調節する、Smadとして知られるエフェクタータンパク質のファミリーの直接的なリン酸化の原因である。
TGF−βの抑制は、TGF−βおよびデコリンなどのTGF−βによって媒介されたシグナル伝達に介入する(intercede)薬剤へと抗体を中和することによって達成することができる。文献のほとんどは、TGF−β活性化、その受容体との結合、またはそのシグナル伝達を調節するレベルで達成されるTGF−βの抑制を示している。羊膜が、転写のレベルでのそのような阻害、即ち、TGF−β1遺伝子の転写を遮断することを達成することができることが示されている。特に、羊膜は、ヒトの角膜および角膜縁の線維芽細胞およびヒトの結膜および翼状体の線維芽細胞においてTGFPシグナル伝達を抑制することが示されている。
ヒアルロン酸(HA)は、滑膜関節液、眼の硝子体液、軟骨、血管、細胞外マトリックス、皮膚、および臍帯に見られる天然糖である。幾つかの実施形態では、HAの橋架が、タンパク質などの別の分子への共有結合を介する。幾つかの実施形態では、HAは、インター−α−トリプシン阻害剤(IαI)の重鎖に共有結合的に結合される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物おけるタンパク質対HAの比率は、約500:1未満、約200:1未満、約100:1未満、約50:1未満、または約10:1未満のタンパク質:HAである。幾つかの実施形態では、500:1に関して未満で、胎児支持組織の調製物におけるHA対タンパク質の比率は、約500:1未満、約200:1未満、約100:1未満、約50:1未満、または約10:1未満のHA:タンパク質である。
TSG−6は、細胞外マトリックスのリモデリング、細胞増殖、および白血球移動において役割を果たすヒアルロナン結合タンパク質である。TSG−6は、セリンプロテアーゼ阻害剤とインター−α−阻害剤(IαI)の複合体を形成し、IαIからHAへの重鎖の移動を触媒することができる。PTX−3は、五量体の円板状構造を有し、血漿中に存在する、Ca2+依存性リガンド結合タンパク質である。TSP−1(トロンボスポンジン1)は、強力な抗血管新生および他の生物活性を有するホモ三量体糖タンパク質である。TSP−1は、様々な細胞タイプによって細胞外マトリックスへと分泌される。
幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、HA、IαI、TSG−6、PTX−3、TSP−1、HC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせから選択される、精製された成分を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、再構成されたHC−HA/PTX3を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、精製されたHC−HA/PTX3を含む。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、HC−HA/PTX3から成る。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、高濃度で精製されたHC−HA/PTX3を含む。幾つかの実施形態では、HC−HA/PTX3は、25〜750μg/ml、50〜500μg/ml、50〜250μg/ml、また約250μg/ml、約500μg/ml、または約750μg/mlの濃度である。幾つかの実施形態では、精製された成分は、あらゆる適切なソースから得られる。幾つかの実施形態では、精製された成分は、胎児支持組織から得られる。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の精製された成分は、商用源から得られる。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の精製された成分は、形質転換体から分離される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の精製された成分のタンパク質配列は、ヒトのタンパク質配列に対して少なくとも90%、93%、95%、97%、99%または99.5%の類似性を有している。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の精製された成分は、精製されるか、実質的に精製されるか、部分的に精製されるか、または粗抽出物中に存在する。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の精製された成分は、HC−HA/PTX3である。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の精製された成分は、プロセスの間のいかなる時でも胎児支持組織の調製物から分離される。
幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、Smad7を含む。幾つかの実施形態では、Smad7は、羊膜、商用源など、あらゆる適切なソースから得られるか、または形質転換体から分離される。幾つかの実施形態では、Smad7は、精製されるか、実質的に精製されるか、部分的に精製されるか、または粗抽出物中に存在する。
幾つかの実施形態では、HA、IαI、TSG−6、PTX−3、TSP−1、および随意にSmad7は、胎児支持組織の調製物から得られる。幾つかの実施形態では、HA、IαI、TSG−6、PTX−3、TSP−1、および随意にSmad7の組み合わせを含有している胎児支持組織の調製物は調製される。
幾つかの実施形態では、胎児支持組織の均質化後に、胎児支持組織は遠心分離にかけられて、不溶性物質が除去される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の均質化後、不溶性物質は、胎児支持組織の調製物中に残される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、乾燥される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、実施例1に記載される方法に従って調製される。
幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、(IRB承認下で)Bio−Tissue, Inc.(Miami, FL)およびBaptist Hospital(Miami, FL)などのソースから得られる。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、新鮮な、凍結される、または事前に凍結された状態のいずれかで得られる。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、過剰な保存緩衝液、血液、または汚染物質を除去するために洗浄される。幾つかの実施形態では、過剰液は、簡易な遠心分離工程を使用して、または他の手段によって除去される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織は、続く均質化を促進するために液体窒素または他の冷却手段を使用して凍結される。幾つかの実施形態では、胎児支持組織のソースは、哺乳動物である。幾つかの実施形態では、胎児支持組織のソースは、ヒトである。幾つかの実施形態では、ヒト以外の霊長類、ウシまたはブタなどの、胎児支持組織の他のソースが使用される。
幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、AMゼリーから得られる。幾つかの実施形態では、AMゼリーは、新鮮なAM組織から得られる。幾つかの実施形態では、AMゼリーは、新鮮なAM組織を凍結する前に得られる。幾つかの実施形態では、AMゼリーは、新鮮なAM組織を凍結した後に得られる。幾つかの実施形態では、AMゼリーは、凍結される、または事前に凍結されたAM組織から得られる。幾つかの実施形態では、AMゼリーは凍結される。幾つかの実施形態では、AMゼリーは、本明細書に記載されるようなAM調製物のための手順に従って凍結粉砕される。幾つかの実施形態では、AMゼリーは遠心分離にかけられる。幾つかの実施形態では、AMゼリーは凍結乾燥される。
幾つかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、AMの間質から作られる。幾つかの実施形態では、間質は、新鮮な、凍結された、解凍された、またはそうでなければ処理されたAM膜の層から分離される。幾つかの実施形態では、間質の除去は、酵素法、機械的方法、または他の適切な手段によって行われる。幾つかの実施形態では、間質は、新鮮であるか、凍結されるか、または事前に凍結されている。幾つかの実施形態では、間質は、本明細書に記載されるようなAMからの胎児支持組織の調製物を生成させるための手順に従って粉砕または凍結粉砕される。幾つかの実施形態では、間質は遠心分離にかけられる。幾つかの実施形態では、間質は凍結乾燥される。
幾つかの実施形態において、調製物は、粉砕された胎児支持組織である。幾つかの実施形態において、胎児支持組織は、粉砕プロセス前に冷凍される。幾つかの実施形態において、冷凍する工程は、任意の適切な冷却プロセスにより行われる。幾つかの実施形態において、胎児支持組織は液体窒素を使用して瞬間冷凍される。幾つかの実施形態において、胎児支持組織は、イソプロパノール/ドライアイスの槽に入れられ、又は他の冷却剤中で瞬間冷凍される。幾つかの実施形態において、市販で入手可能な瞬間冷凍プロセスが使用される。幾つかの実施形態において、胎児支持組織は、冷凍庫に入れられ、急速冷凍されるのではなく、更にゆっくりと保存温度にまで平衡化することが可能となる。幾つかの実施形態において、胎児支持組織は、任意の所望の温度で保存される。幾つかの実施形態において、胎児支持組織は、−20℃又は−80℃で保存される。
幾つかの実施形態において、調製物は、微粉砕された胎児支持組織である。幾つかの実施形態において、胎児支持組織は冷凍中に微粉砕される。幾つかの実施形態において、新鮮な、部分的に解凍された、又は解凍された胎児支持組織が、粉砕する工程に使用される。幾つかの実施形態において、胎児支持組織(新鮮な、冷凍の、又は解凍された)は、メスなどの適切なデバイスにより所望の大きさの片に切られ、その後、BioPulverizer(Biospec Products, Inc., Bartlesville, OK)又は他の適切な装置を使用して微粒子に粉砕して、適切な溶液中でTissue Tearor(Biospec Products, Inc., Dremel, WI)などの均質化デバイスにより均質化して、ホモジネートを形成する。溶液の限定されない例は、限定されないが、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、DMEM、NaCl溶液、及び水を含む。幾つかの実施形態において、溶液のpHは必要に応じて調整される。幾つかの実施形態において、pH範囲は、約5.5又は6.0〜約8.5である。幾つかの実施形態において、凍結組織は、約6.3〜約7.8のpHを持つ溶液中で粉砕される。
幾つかの実施形態において、調製物は、胎児支持組織のホモジネートである。幾つかの実施形態において、ホモジネートは、任意の適切な速度、温度、又は他のパラメータで混合される。幾つかの実施形態において、混合は、約1℃又は3℃〜約6℃、10℃、15℃、又は20℃の温度範囲で行われる。幾つかの実施形態において、混合は約4℃で行われる。幾つかの実施形態において、ホモジネートは例えば、約1分、10分、又は20分未満から、約1、2、3時間以上までにわたり混合される。
幾つかの実施形態において、ホモジネートは、任意の残存する不溶性物質及び/又は細胞破片を除去するために遠心分離される。幾つかの実施形態において、遠心分離は、時間、温度、タンパク質濃度、緩衝液、及び速度の任意の適切な範囲を使用して行われる。幾つかの実施形態において、遠心分離は、約1,000、5,000、又は10,000xg〜約20,000xgの範囲で行われる。幾つかの実施形態において、遠心分離は約15,000xgで行われる。幾つかの実施形態において、遠心分離は、1分、5分、10分、又は20分未満〜約40分、60分、1.5時間、又はそれ以上までの期間にわたり行われる。幾つかの実施形態において、上清が集められ、−80℃でアリコートに保存される。幾つかの実施形態において、合計のタンパク質は、BCAアッセイ(Pierce, Rockford, IL)などの任意の適切な商用のタンパク質分析キットを使用して定量化される。実施例2、表1、及び図13は、低速又は高速遠心分離後のAM調製物の分析を記載している。
幾つかの実施形態において、生化学的特徴化及び精製のために、上述の溶液はプロテアーゼ阻害剤で補足される。プロテアーゼ阻害剤の典型的な混合物は、次の通りである:1μg/mlのアプロチニン、1μg/mlのロイペプチン、1μg/mlのペプスタチンA、及び1mMのPMSF。幾つかの実施形態において、胎児支持組織の調製物が生細胞又は生組織に加えられる場合、プロテアーゼ阻害剤は胎児支持組織の調製物に加えられない。
幾つかの実施形態において、調製物は、抽出胎児支持組織である。幾つかの実施形態において、胎児支持組織の抽出物を調製するために、任意の適切な緩衝液又は液体が使用される。実施例2は、胎児支持組織の抽出物における合計のタンパク質含有量及びHAに対する、様々な抽出緩衝液(高塩濃度、低塩濃度、PBSなど)の使用を調べている(表1)。実施例2では、様々な抽出法を使用して、特異タンパク質TSG−6(図14)、PTX−3(図18)、TSP−1(図19)、及びSmad7(図20)のレベルが調べられた。
幾つかの実施形態において、胎児支持組織の調製物は、特定の成分又はタンパク質の存在を確認するために試験される。幾つかの実施形態において、胎児支持組織の調製物は、HA、IαI、TSG−6、PTX−3、TSP−1、及びSmad7を含むがこれらに限定されない分子の存在について試験される。幾つかの実施形態において、胎児支持組織の調製物は、調製プロセス中のあらゆる時点で病原体の不在を確認するために試験される。
幾つかの実施形態において、胎児支持組織の調製物は乾燥粉末である。幾つかの実施形態において、乾燥粉末は、経時的な劣化を妨げるための保存中には冷蔵又は冷凍を必要としない。幾つかの実施形態において、乾燥粉末は使用前に保存され且つ再構成される。幾つかの実施形態において、乾燥粉末は、本明細書に記載されるように凍結粉砕された胎児支持組織を調製し、その後、胎児支持組織の調製物中の水の一部を除去することにより、調製される。幾つかの実施形態において、過剰な水は、任意の適切な手段により胎児支持組織の調製物から除去される。幾つかの実施形態において、過剰な水は、凍結乾燥の使用により除去される。幾つかの実施形態において、胎児支持組織の調製物の凍結乾燥は、市販で入手可能な凍結乾燥器又は凍結乾燥装置を使用することを含む。幾つかの実施形態において、適切な装置は、例えばVirtis (Gardiner, NY); FTS Systems (Stone Ridge, NY); 及びSpeedVac (Savant Instruments Inc., Farmingdale, NY)の全体にわたって見出される。幾つかの実施形態において、除去される水の量は、約5%、10%、20%、又は30%〜約60、70、80、90、95、又は99%以上までである。幾つかの実施形態において、過剰な水の略全てが、胎児支持組織の調製物から除去される。幾つかの実施形態において、乾燥粉末が保存される。幾つかの実施形態において、保存温度は、−196℃、−80℃、−50℃、又は−20℃未満〜約23℃より上まで変動する。幾つかの実施形態において、乾燥粉末は保存前に特徴化される(重量、タンパク質含有量など)。
幾つかの実施形態において、乾燥粉末は、使用前に適切な溶液又は緩衝液中で再構成される。溶液の限定されない例は、限定されないが、PBS、DMEM、及びBSSを含む。幾つかの実施形態において、溶液のpHは必要に応じて調整される。幾つかの実施形態において、胎児支持組織で再構成された高濃度の組成物を生成するために、乾燥粉末は十分な体積の溶液で再構成される。幾つかの実施形態において、胎児支持組織で再構成された低濃度の組成物を生成するために、乾燥粉末は十分な体積の溶液で再構成される。
幾つかの実施形態において、乾燥粉末は、クリーム、軟膏、ゲル、フォーム、又はローション中で再構成される。
幾つかの実施形態において、筋線維芽細胞から繊維芽細胞へのAMSCの表現型の逆転をもたらすために、胎児支持組織の調製物が使用される。幾つかの実施形態において、様々な細胞型の分化を妨げる又は遅くするために、胎児支持組織の調製物が使用される。幾つかの実施形態において、細胞の多くの型が、胎児支持組織の調製物で処理される。
<分離されたnHC−HA/PTX3複合体>
幾つかの実施形態において、組成物は、分離された天然のHC−HA/PTX3複合体(nHC−HA/PTX3)を含む。
幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、分離された細胞から分離される。幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、培養細胞から分離される。幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、幹細胞から分離される。幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、臍帯又は羊膜などの組織から調製された抽出物の水溶性画分から分離される。幾つかの実施形態において、水溶性画分は、等張性の食塩水で抽出される。幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、臍帯又は羊膜などの組織から調製された抽出物の水不溶性画分から分離される。幾つかの実施形態において、不溶性画分はGnHClで抽出される。
幾つかの実施形態において、分離されたnHC−HA/PTX3複合体は、羊膜組織から分離される。幾つかの実施形態において、分離されたnHC−HA/PTX3複合体は、羊膜又は臍帯から分離される。幾つかの実施形態において、分離されたnHC−HA/PTX3複合体は、新鮮な、冷凍された、又は以前に冷凍された胎盤羊膜(PAM)、新鮮な、冷凍された、又は以前に冷凍された臍帯羊膜(UCAM)、新鮮な、冷凍された、又は以前に冷凍された胎盤、新鮮な、冷凍された、又は以前に冷凍された臍帯、新鮮な、冷凍された、又は以前に冷凍された絨毛膜、新鮮な、冷凍された、又は以前に冷凍された羊膜−絨毛膜、或いはそれらの任意の組み合わせから分離される。そのような組織は、例えば限定されないが、ヒト、非ヒト霊長類、カウ、又はブタなどの任意の哺乳動物から得ることができる。
幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3は、任意の適切な方法により精製される。幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、遠心分離(例えば、超遠心分離、勾配遠心分離)、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、サイズ排除、及びヒドロキシアパタイトのクロマトグラフィー)、ゲル濾過、又は差動的な溶解度、エタノール沈澱、或いは、タンパク質の精製に関する他の利用可能な技術(例えば、全てが引用により本明細書に組み込まれる、Scopes, Protein Purification Principles and Practice 2nd Edition, Springer−Verlag, New York, 1987; Higgins, S. J. and Hames, B. D. (eds.), Protein Expression: A Practical Approach, Oxford Univ Press, 1999; and Deutscher, M. P., Simon, M. I., Abelson, J. N. (eds.), Guide to Protein Purification: Methods in Enzymology (Methods in Enzymology Series, Vol 182), Academic Press, 1997を参照)により、精製される。
幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3は抽出物から分離される。幾つかの実施形態において、抽出物は羊膜抽出物から調製される。幾つかの実施形態において、抽出物は臍帯抽出物から調製される。幾つかの実施形態において、臍帯抽出物が臍帯間質及び/又はホウォートンゼリーを含む。幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、超遠心分離により調製された抽出物に含まれる。幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、CsCl/4−6MグアニジンHCl勾配を使用した超遠心分離により調製された抽出物に含まれる。幾つかの実施形態において、抽出物は、少なくとも2回の超遠心分離により調製される。幾つかの実施形態において、抽出物は、2回より多くの超遠心分離(即ち、nHC−HA/PTX3 2nd)により調製される。幾つかの実施形態において、抽出物は、少なくとも4回の超遠心分離(即ち、nHC−HA/PTX3、4th)により調製される。幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、小分子ロイシンリッチプロテオグリカンを含む。幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、HC1、HA、PTX3、及び/又は小分子ロイシンリッチプロテオグリカンを含む。
幾つかの実施形態において、超遠心分離は、等張液の抽出により調製された抽出物上で実行される。幾つかの実施形態において、等張液はPBSである。例えば、幾つかの実施形態において、均質化されたサンプルを生成するために、組織はPBS中で均質化される。その後、均質化されたサンプルは、遠心分離により可溶性部分と不溶性部分に分離される。幾つかの実施形態において、超遠心分離は、PBSを抽出した組織の可溶性部分上で実行される。そのような実施形態において、PBSを抽出した組織の超遠心分離により精製されたnHC−HA/PTX3は、nHC−HA/PTX3可溶性複合体と称される。幾つかの実施形態において、nHC−HA可溶性複合体は、小分子ロイシンリッチプロテオグリカンを含む。幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3可溶性複合体は、HC1、HA、PTX3、及び/又は小分子ロイシンリッチプロテオグリカンを含む。
幾つかの実施形態において、超遠心分離は、羊膜及び/又は臍帯組織の直接的なグアニジンHCl抽出(例えば、4−6MのGnHCl)により調製された抽出物上で実行される。幾つかの実施形態において、GnHCl抽出組織はその後、GnHCl可溶性部分とGnHCl不溶性部分を生成するために遠心分離される。幾つかの実施形態において、超遠心分離は、GnHCl可溶性部分上で実行される。そのような実施形態において、グアニジンHClを抽出した組織の超遠心分離により精製されたnHC−HA/PTX3は、nHC−HA/PTX3不溶性複合体と称される。幾つかの実施形態において、nHC−HA不溶性複合体は、小分子ロイシンリッチプロテオグリカンを含む。幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3不溶性複合体は、HC1、HA、PTX3、及び/又は小分子ロイシンリッチプロテオグリカンを含む。
幾つかの実施形態において、超遠心分離は、PBSを抽出した組織の不溶性部分の更なるグアニジンHCl抽出により調製された抽出物上で実行される。例えば、幾つかの実施形態において、均質化されたサンプルを生成するために、組織はPBS中で均質化される。その後、均質化されたサンプルは、遠心分離により可溶性部分と不溶性部分に分離される。不要性部分はその後、グアニジンHCl(例えば、4−6MのGnHCl)において更に抽出され、グアニジンHClの可溶性部分と不溶性部分を生成するために遠心分離される。幾つかの実施形態において、超遠心分離は、グアニジンHCl可溶性部分上で実行される。そのような実施形態において、グアニジンHClを抽出した組織の超遠心分離により精製されたnHC−HA/PTX3は、nHC−HA/PTX3不溶性複合体と称される。幾つかの実施形態において、nHC−HA不溶性複合体は、小分子ロイシンリッチプロテオグリカンを含む。幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3不溶性複合体は、HC1、HA、PTX3、及び/又は小分子ロイシンリッチプロテオグリカンを含む。
幾つかの実施形態において、分離されたnHC−HA/PTX3抽出物を精製する方法は、次を含む:(a)CsCl混合物を生成するために、1.35g/mlの初期密度でCsCl/4−6MグアニジンHCl中で分離された抽出物(例えば、本明細書に記載される可溶性又は不溶性の方法により調製される)を溶解する工程、(b)第1の精製された抽出物を生成するために、15℃で48時間、125,000xgでCsCl混合物を遠心分離する工程、(c)透析物を生成するために、第1の精製された抽出物を抽出して、CsClとグアニジンHClを除去するためにこれを蒸留水に対して透析する工程。幾つかの実施形態において、分離された抽出物を精製する方法は更に、(d)第1の透析物/エタノール混合物を生成するために、0℃で1時間、透析物を、1.3%(w/v)の酢酸カリウムを含む95%(v/v)のエタノールの3体積(3 volumes)と混合する工程、(e)第2の精製された抽出物を生成するために、15,000xgで第1の透析物/エタノール混合物を遠心分離する工程、及び(f)第2の精製された抽出物を抽出する工程を含む。幾つかの実施形態において、分離された抽出物を精製する方法は更に次を含む:(g)第2の精製された抽出物/エタノール混合物を生成するために、エタノール(例えば70%のエタノール)で第2の精製された抽出物を洗浄する工程;(h)第3の精製された抽出物を生成するために、第2の精製された抽出物/エタノール混合物を遠心分離する工程;及び(i)第3の精製された抽出物を抽出する工程。幾つかの実施形態において、分離された抽出物を精製する方法は更に次を含む:(j)第3の精製された抽出物/エタノール混合物を生成するために、エタノール(例えば70%のエタノール)で第3の精製された抽出物を洗浄する工程;(k)第4の精製された抽出物を生成するために、第3の精製された抽出物/エタノール混合物を遠心分離する工程;及び(l)第4の精製された抽出物を抽出する工程。幾つかの実施形態において、精製された抽出物は、nHC−HA/PTX3複合体を含む。
幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は免疫親和性クロマトグラフィーによって精製される。幾つかの実施形態において、抗HC1抗体、抗HC2抗体、又はその両方が生成され、定常的な支持体に付けられる。幾つかの実施形態において、未精製のHC−HA複合体(即ち、移動相)は、支持体の上を通過される。特定の例においては、HC−HAの複合体は、(例えば、(a)抗HC1抗体とHC1、(b)抗HC2抗体とHC2、(c)抗PTX抗体とPTX3、(d)抗SLRP抗体とSLRP、又は(e)それらの任意の組み合わせの相互作用を介して)抗体と結合する。幾つかの実施形態において、支持体は、任意の結合していない、又は緩く結合した分子を取り除くために(例えばPBSで)洗浄される。幾つかの実施形態において、支持体は、支持体(例えば、1%のSDS、6Mのグアニジン−HCl、又は、8Mの尿素)からのnHC−HA/PTX3複合体の溶離を可能にする溶液で洗浄される。
幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は親和性クロマトグラフィーによって精製される。幾つかの実施形態において、HABPが生成され、定常的な支持体に付けられる。幾つの実施形態において、未精製のnHC−HA/PTX3複合体(即ち、移動相)は、支持体の上を通過する。特定の例において、nHC−HA/PTX3複合体は、HABPに結合する。幾つかの実施形態において、支持体は、任意の結合していない、又は緩く結合した分子を取り除くために(例えばPBSで)洗浄される。幾つかの実施形態において、支持体はその後、支持体からのHC−HA複合体の溶離を可能にする溶液で洗浄される。
幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、HABP親和性クロマトグラフィーの組み合わせ、及び、抗HC1抗体、抗HC2抗体、抗PTX3抗体、SLRP又はSLRPの組み合わせ、或いはそれら抗体の任意の組み合わせを使用する免疫親和性のクロマトグラフィーによって精製される。
幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、1以上の抗体を使用して本明細書に記載されるような不溶性画分から精製される。幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、抗SLRP抗体を使用して、本明細書に記載されるような不溶性画分から精製される。
幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、本明細書に記載されるような可溶性画分から精製される。幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、抗PTX3抗体を使用して、本明細書に記載されるような可溶性画分から精製される。
幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、小分子ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)を含む。幾つかの実施形態において、nHC−HA/PTX3複合体は、I型、II型、III型のSLRPを含む。幾つかの実施形態において、小分子ロイシンリッチプロテオグリカンは、デコリン及びバイグリカンなどのI型SLRPの中から選択される。幾つかの実施形態において、小分子ロイシンリッチプロテオグリカンは、フィブロモジュリン、ルミカン、PRELP(プロリンアルギニンリッチ末端ロイシンリッチタンパク質)、ケラトカン、及びオステオアドへリンなどのII型のSLRPの中から選択される。幾つかの実施形態において、小分子ロイシンリッチプロテオグリカンは、エピピカンとオステオグリシンなどのIII型のSLRPの中から選択される。幾つかの実施形態において、小分子ロイシンリッチプロテオグリカンは、ビクニン、デコリン、バイグリカン、及びオステオアドへリンの中から選択される。幾つかの実施形態において、小分子ロイシンリッチタンパク質はグリコサミノグリカンを含む。幾つかの実施形態において、小分子ロイシンリッチプロテオグリカンは硫酸ケラタンを含む。
<rcHC−HA/PTX3複合体>
幾つかの実施形態において、組成物は、SLRPと共に、又はSLRP無しで再構成されたHC−HA/PTX3複合体(rcHC−HA/PTX3)を含む。
幾つかの実施形態において、再構成されたHC−HA/PTX3複合体を生成する方法は、(a)PTX3/HA複合体を形成するために適切な条件下で、固定された高分子量ヒアルロナン(HMW HA)をペントラキシン3(PTX3)と接触させる工程、及び(b)PTX3/HA複合体をIαI及び腫瘍壊死因子で刺激した遺伝子−6(TSG−6)と接触させる工程を含む。そのような方法によって生成されたrcHC−HA/PTX3複合体が、本明細書で提供される。幾つかの実施形態において、TSG−6は、HAに対するインターα−阻害剤(IαI)の重鎖1(HC1)の伝達を触媒する。幾つかの実施形態において、IαIのHC1は、HAとの共有結合を形成する。幾つかの実施形態において、前記方法の工程(a)と(b)は順番に連続して行われる。
幾つかの実施形態において、再構成されたHC−HA/PTX3複合体を生成する方法は、PTX3/HA複合体をIαI及びTSG−6と接触させる工程を含む。幾つかの実施形態において、TSG−6は、HAに対するインターα−阻害剤(IαI)の重鎖1(HC1)の伝達を触媒する。そのような方法によって生成されたrcHC−HA/PTX3複合体が、本明細書で提供される。幾つかの実施形態において、IαIのHC1は、HAとの共有結合を形成する。
幾つかの実施形態において、PTX3に結合するHAの複合体を生成する方法は、PTX3/HA複合体を形成するために適切な条件下で、固定された高分子量のヒアルロナン(HMW HA)をペントラキシン3(PTX3)と接触させる工程を含む。そのような方法によって生成されたPTX3/HA複合体が、本明細書で提供される。
幾つかの実施形態において、再構成されたHC−HA/PTX3複合体を生成する方法は、(a)TSG−6に予め結合したHC−HA複合体を形成するために、IαIとTSG−6を含む固定された高分子量のヒアルロナン(HMW HA)を、HAに接触させる工程、及び(b)rcHC−HA/PTX3複合体を形成するために適切な条件下でHC−HA複合体をペントラキシン3(PTX3)と接触させる工程を含む。そのような方法によって生成されたrcHC−HA/PTX3複合体が、本明細書で提供される。幾つかの実施形態において、IαIのHC1は、HAとの共有結合を形成する。幾つかの実施形態において、前記方法の工程(a)と(b)は順番に連続して行われる。幾つかの実施形態において、前記方法は、TSG−6に予め結合したHC−HA複合体をPTX3と接触させる工程を含む。
幾つかの実施形態において、前記方法は、PTX3/HA複合体を形成するために適切な条件下で、高分子量のヒアルロナン(HMW HA)をペントラキシン3(PTX3)と最初に接触させる工程、その後PTX3/HA複合体をIαI及びTSG−6と接触させる工程を含む。
幾つかの実施形態において、IαIタンパク質とTSG−6タンパク質は、約1:1、2:1、3:1、4:1、5:1、6:1、7:1、8:1、9:1、10:1、15:1、又は20:1(IαI:TSG−6)のモル比で複合体に接触される。幾つかの実施形態において、IαI:TSG−6の比率は、約1:1〜約10:1、約1:1〜約5:1、約1:1〜約3:1などの、約1:1〜約20:1の範囲に及ぶ。幾つかの実施形態において、IαI:TSG−6の比率は3:1以上である。幾つかの実施形態において、IαI:TSG−6の比率は3:1である。
幾つかの実施形態において、前記方法の工程(a)と(b)は順番に連続して行われる。幾つかの実施形態において、前記方法は、PTX3/HA複合体をIαI及びTSG−6と接触させる工程を含む。
特定の例において、TSG−6はIαIと相互に作用し、IαIのHC1及びHC2との共有結合複合体(即ち、HC1・TSG−6とHC2・TSG−6)を形成する。特定の例において、HAの存在下で、HCはrcHC−HAを形成するためにHAへと移される。幾つかの実施形態において、TSG−6・HC1複合体は、HAへのHC1の移動を触媒するために、予め結合されたPTX3/HA複合体に加えられる。幾つかの実施形態において、前記方法は、PTX3/HA複合体を形成するために適切な条件下で、固定された高分子量のヒアルロナン(HMW HA)をペントラキシン3(PTX3)と最初に接触させる工程、その後PTX3/HA複合体をHC1・TSG−6複合体と接触させる工程を含む。幾つかの実施形態において、HC1・TSG−6複合体とHC2・TSG−6複合体の組み合わせが、PTX3/HA複合体に加えられる。
幾つかの実施形態において、PTX3を、固定されたHMW HAに接触させる工程は、少なくとも10分、少なくとも30分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、又は少なくとも24時間以上にわたり行われる。幾つかの実施形態において、PTX3を固定されたHMW HAに接触させる工程は、少なくとも2時間以上にわたり行われる。幾つかの実施形態において、PTX3を固定されたHMW HAに接触させる工程は、少なくとも2時間にわたり行われる。幾つかの実施形態において、PTX3を固定されたHMW HAに接触させる工程は、37℃で行われる。幾つかの実施形態において、PTX3を固定されたHMW HAに接触させる工程は、PBS中の5mMのMgClにおいて行われる。
幾つかの実施形態において、IαI及びTSG−6を含むPTX3/HA複合体をHAに接触させる工程は、少なくとも10分、少なくとも30分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、又は少なくとも24時間以上にわたり行われる。幾つかの実施形態において、PTX3/HA複合体をHC1・TSG−6複合体及び/又はHC2・TSG−6複合体と接触させる工程は、少なくとも10分間、少なくとも30分間、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、又は少なくとも24時間以上にわたり行われる。幾つかの実施形態において、PTX3/HA複合体をHC1・TSG−6複合体及び/又はHC2・TSG−6複合体と接触させる工程は、少なくとも2時間以上にわたり行われる。幾つかの実施形態において、PTX3/HA複合体をHC1・TSG−6複合体及び/又はHC2・TSG−6複合体に接触させる工程は、少なくとも2時間にわたり行われる。幾つかの実施形態において、PTX3/HA複合体をHC1・TSG−6複合体及び/又はHC1・TSG−6複合体に接触させる工程は、37℃で行われる。幾つかの実施形態において、PTX3/HA複合体をHC1・TSG−6複合体及び/又はHC1・TSG−6複合体に接触させる工程は、PBS中の5mMのMgClにおいて行われる。
幾つかの実施形態において、前記方法は、HC−HA/PTX3複合体を形成するために適切な条件下で、高分子量のヒアルロナン(HMW HA)を、ペントラキシン3(PTX3)タンパク質、重鎖1(HC1)を含むインターα−阻害剤(IαI)タンパク質、及び腫瘍壊死因子α−刺激遺伝子6(TSG−6)と同時に接触させる工程を含む。
幾つかの実施形態において、HMW HAを、PTX3、IαI及びTSG6と接触させる工程は、少なくとも10分、少なくとも30分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、又は少なくとも24時間以上にわたり行われる。幾つかの実施形態において、HMW HA、PTX3、IαI、及びTSG−6を接触させる工程は、37℃で行われる。幾つかの実施形態において、HMW HA、PTX3、IαI、及びTSG−6を接触させる工程は、PBS中の5mMのMgClにおいて行われる。
幾つかの実施形態において、前記方法は、HC−HA/PTX3複合体を形成するために適切な条件下で、高分子量のヒアルロナン(HMW HA)を、ペントラキシン3(PTX3)タンパク質、重鎖1(HC1)を含むインターα−阻害剤(IαI)タンパク質、及び腫瘍壊死因子αで刺激された遺伝子6(TSG−6)と、任意の順で連続的に接触させる工程を含む。幾つかの実施形態において、HMW HAを、PTX3、IαI及びTSG6と接触させる工程は、少なくとも10分、少なくとも30分、少なくとも1時間、少なくとも2時間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも12時間、又は少なくとも24時間以上にわたり行われる。幾つかの実施形態において、HMW HA、PTX3、IαI、及びTSG−6を接触させる工程は、37℃で行われる。幾つかの実施形態において、HMW HA、PTX3、IαI、及びTSG−6を接触させる工程は、PBS中の5mMのMgClにおいて行われる。
幾つかの実施形態において、rcHC−HA/PTX3複合体の生成のための方法は、1以上の小分子ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)の追加を更に含む。幾つかの実施形態では、再構成されたHC−HA/PTX3複合体を生成する方法は、(a)PTX3/HA複合体を形成するために適切な条件下で、固定化した高分子量ヒアルロナン(HMW HA)をペントラキシン3(PTX3)に接触させる工程、(b)PTX3/HA複合体を、IαI及び腫瘍壊死因子で刺激された遺伝子−6(TSG−6)に接触させる工程、(c)PTX3/HA複合体を1以上のSLRPSに接触させる工程を含む。そのような方法によって生成されたrcHC−HA/PTX3複合体が、本明細書で提供される。幾つかの実施形態において、TSG−6は、HAに対するインターα−阻害剤(IαI)の重鎖1(HC1)の伝達を触媒する。幾つかの実施形態において、IαIのHC1は、HAとの共有結合を形成する。幾つかの実施形態において、前記方法の工程(a)、(b)、及び(c)は、順番に連続して行われる。幾つかの実施形態において、該方法の工程(a)、(b)、及び(c)は、同時に行われる。幾つかの実施形態において、該方法の工程(a)が行われ、その後、前記方法の工程(b)と(c)が順番に連続して行われる。幾つかの実施形態において、該方法の工程(a)が行われ、その後、前記方法の工程(b)と(c)が同時に行われる。
幾つかの実施形態において、再構成されたHC−HA/PTX3複合体を生成する方法は、(a)TSG−6に予め結合したHC−HA複合体を形成するために、IαIとTSG−6を含む固定された高分子量のヒアルロナン(HMW HA)を、HAに接触させる工程、(b)HC−HA複合体をペントラキシン3(PTX3)と接触させる工程、及び(c)rcHC−HA/PTX3複合体を形成するために適切な条件下でHC−HA複合体を1以上のSLRPSと接触させる工程を含む。そのような方法によって生成されたrcHC−HA/PTX3複合体が、本明細書で提供される。幾つかの実施形態において、IαIのHC1は、HAとの共有結合を形成する。幾つかの実施形態において、前記方法は、TSG−6に予め結合したHC−HA複合体をPTX3と接触させる工程を含む。幾つかの実施形態において、前記方法の工程(a)、(b)、及び(c)は、順番に連続して行われる。幾つかの実施形態において、該方法の工程(a)、(b)、及び(c)は、同時に行われる。幾つかの実施形態において、該方法の工程(a)が行われ、その後、前記方法の工程(b)と(c)が順番に連続して行われる。幾つかの実施形態において、該方法の工程(a)が行われ、その後、前記方法の工程(b)と(c)が同時に行われる。
幾つかの実施形態において、SLRPは、I型、II型、又はIII型のSLRPの中から選択される。幾つかの実施形態において、SLRPは、デコリン及びバイグリカンなどのI型SLRPの中から選択される。幾つかの実施形態において、小分子ロイシンリッチプロテオグリカンは、フィブロモジュリン、ルミカン、PRELP(プロリンアルギニンリッチ末端ロイシンリッチタンパク質)、ケラトカン、及びオステオアドへリンなどのII型のSLRPの中から選択される。幾つかの実施形態において、小分子ロイシンリッチプロテオグリカンは、エピピカンとオステオグリシンなどのIII型のSLRPの中から選択される。幾つかの実施形態において、小分子ロイシンリッチプロテオグリカンは、ビクニン、デコリン、バイグリカン、及びオステオアドへリンの中から選択される。幾つかの実施形態において、小分子ロイシンリッチタンパク質はグリコサミノグリカンを含む。幾つかの実施形態において、小分子ロイシンリッチプロテオグリカンは硫酸ケラタンを含む。
PTX3
幾つかの実施形態において、前記方法に使用されるPTX3は、細胞又は複数の細胞(例えば、組織抽出物)から分離される。PTX3の発現に適している典型的な細胞は、限定されないが、動物細胞(限定されないが、哺乳動物の細胞、霊長類の細胞、ヒトの細胞、げっ歯類の細胞、昆虫の細胞、細菌、及び酵母菌を含む)、及び植物細胞(限定されないが、藻類、被子植物、裸子植物、シダ植物、及びコケ植物を含む)を含む。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるPTX3は、ヒト細胞から分離される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるPTX3は、PTX3発現をアップレギュレートするために、1つ以上の炎症性サイトカインで刺激される細胞から分離される。幾つかの実施形態において、炎症性サイトカインはIL−1又はTNF−αである。
幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるPTX3は羊膜細胞から分離される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるPTX3は臍帯からの羊膜細胞から分離される。幾つかの実施形態において、羊膜細胞は、PTX3発現をアップレギュレートするために、より多くの炎症性サイトカインで刺激される。幾つかの実施形態において、炎症性サイトカインはIL−1又はTNF−αである。
幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるPTX3は臍帯細胞から分離される。幾つかの実施形態において、臍帯細胞は、PTX3発現をアップレギュレートするために、より多くの炎症性サイトカインで刺激される。幾つかの実施形態において、炎症性サイトカインはIL−1又はTNF−αである。
幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるPTX3は羊膜上皮細胞から分離される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるPTX3は、臍帯上皮細胞から分離される。幾つかの実施形態において、羊膜上皮細胞又は臍帯上皮細胞は、PTX3発現をアップレギュレートするために、より多くの炎症性サイトカインで刺激される。幾つかの実施形態において、炎症性サイトカインはIL−1又はTNF−αである。
幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるPTX3は羊膜間質細胞から分離される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるPTX3は、臍帯間質細胞から分離される。幾つかの実施形態において、羊膜間質細胞又は臍帯間質細胞は、PTX3発現をアップレギュレートするために、より多くの炎症性サイトカインで刺激される。幾つかの実施形態において、炎症性サイトカインはIL−1又はTNF−αである。
幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるPTX3は、細胞から分離された自然のPTX3タンパク質である。幾つかの実施形態において、細胞は、PTX3発現をアップレギュレートするために、より多くの炎症性サイトカインで刺激される。幾つかの実施形態において、炎症性サイトカインはIL−1又はTNF−αである。
幾つかの実施形態において、PTX3は、組み換え技術により調製される。幾つかの実施形態において、PTX3は組み換え発現ベクターから発現される。幾つかの実施形態において、PTX3をコードする核酸は、構成的プロモーターに動作可能に結合する。幾つかの実施形態において、PTX3をコードする核酸は、誘導性プロモーターに動作可能に結合する。幾つかの実施形態において、PTX3は形質転換動物において発現される。幾つかの実施形態においてPTX3は組み換え型タンパク質である。幾つかの実施形態において、PTX3は、細胞から分離された組換え型タンパク質である。幾つかの実施形態において、PTX3は、無細胞抽出物において生成された組み換え型タンパク質である。
幾つかの実施形態において、PTX3は、羊膜、臍帯、臍帯羊膜、柔毛膜、羊水、又はそれらの組み合わせから精製される。幾つかの実施形態において、PTX3は羊膜細胞から精製される。幾つかの実施形態において、羊膜細胞は羊膜上皮細胞である。幾つかの実施形態において、羊膜細胞は臍帯上皮細胞である。幾つかの実施形態において、羊膜細胞は羊膜間質細胞である。幾つかの実施形態において、羊膜細胞は臍帯間質細胞である。幾つかの実施形態において、羊膜細胞は、PTX3発現をアップレギュレートするために、より多くの炎症性サイトカインで刺激される。幾つかの実施形態において、炎症性サイトカインはIL−1又はTNF−αである。
幾つかの実施形態において、PTX3は、細胞又は複数の細胞(例えば、組織抽出物)から分離されない。
幾つかの実施形態において、PTX3は、SEQ ID NO:33に明記される配列を持つポリペプチド、又は、SEQ ID NO:33に明記される配列を持つポリペプチドに対して少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列アミノ酸同一性を持つその変異体を含む。典型的な変異体は、例えば、種変異体、対立遺伝子変異体、及び、保存的及び非保存的アミノ酸変異を含む変異体を含んでいる。幾つかの実施形態において、PTX3は、HAに結合するとともに、rcHC−HA/PTX3複合体の形成を促進するのに十分なPTX3のフラグメントを含む。幾つかの実施形態において、PTX3は、ヒトPTX3のGlu18からSer277を含む。提供される方法で使用されるPTX3の変異体は、アミノ酸の置き換え(置換)、欠失、又は挿入である、アミノ酸修飾を含む変異体を含んでいる。幾つかの実施形態において、そのような修飾は、rcHC−HA/PTX3複合体の1以上の治療特性(例えば、抗炎症、抗免疫、抗血管新生、抗瘢痕、抗接着、再生、又は本明細書に記載されるような他の治療活性)を改善するなどといった、PTX3ポリペプチドの1つ以上の特性を改善する。
幾つかの実施形態では、PTX3タンパク質は商用源から得られる。PTX3のための典型的な商用源は、限定されないが、PTX3(Catalog No.1826−TS;R&D Systems, Minneapolis, MN)である。
幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるPTX3タンパク質は多重結合タンパク質である。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるPTX3タンパク質はホモ多量体である。幾つかの実施形態において、ホモ多量体は、二量体、三量体、四量体、六量体、五量体、又は八量体である。幾つかの実施形態において、PTX3ホモ多量体は、三量体、四量体、又は八量体である。特定の実施形態において、PTX3ホモ多量体は、八量体である。幾つかの実施形態において、PTX3タンパク質の多量体化を改善するために、多量体化ドメインが修飾される。幾つかの実施形態において、多量体化ドメインは、PTX3に融合するとPTX3の多量体化を改善する、不均一な多量体化ドメイン(例えば、Fc多量体化ドメイン又はロイシンジッパー)と取り替えられる。
TSG−6
幾つかの実施形態において、前記方法に使用されるTSG−6は、細胞又は複数の細胞(例えば、組織抽出物)から分離される。TSG−6の発現に適している典型的な細胞は、限定されないが、動物細胞(限定されないが、哺乳動物の細胞、霊長類の細胞、ヒトの細胞、げっ歯類の細胞、昆虫の細胞、細菌、及び酵母菌を含む)、及び植物細胞(限定されないが、藻類、被子植物、裸子植物、シダ植物、及びコケ植物を含む)を含む。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるTSG−6は、ヒト細胞から分離される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるTSG−6は、TSG−6発現をアップレギュレートするために、1つ以上の炎症性サイトカインで刺激される細胞から分離される。幾つかの実施形態において、炎症性サイトカインはIL−1又はTNF−αである。
幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるTSG−6は羊膜細胞から分離される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるTSG−6は臍帯からの羊膜細胞から分離される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるTSG−6は、TSG−6発現をアップレギュレートするために、1つ以上の炎症性サイトカインで刺激される羊膜細胞から分離される。幾つかの実施形態において、炎症性サイトカインはIL−1又はTNF−αである。
幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるTSG−6は臍帯細胞から分離される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるTSG−6は、TSG−6発現をアップレギュレートするために、1つ以上の炎症性サイトカインで刺激される臍帯細胞から分離される。幾つかの実施形態において、炎症性サイトカインはIL−1又はTNF−αである。
幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるTSG−6は羊膜上皮細胞から分離される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるTSG−6は、臍帯上皮細胞から分離される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるTSG−6は、TSG−6発現をアップレギュレートするために、1つ以上の炎症性サイトカインで刺激される、羊膜上皮細胞又は臍帯上皮細胞から分離される。幾つかの実施形態において、炎症性サイトカインはIL−1又はTNF−αである。
幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるTSG−6は羊膜間質細胞から分離される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるTSG−6は、臍帯間質細胞から分離される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるTSG−6は、TSG−6発現をアップレギュレートするために、1つ以上の炎症性サイトカインで刺激される、羊膜間質細胞又は臍帯間質細胞から分離される。幾つかの実施形態において、炎症性サイトカインはIL−1又はTNF−αである。
幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるTSG−6は、細胞から分離された自然のTSG−6タンパク質である。幾つかの実施形態において、細胞は、TSG−6発現をアップレギュレートするために、より多くの炎症性サイトカインで刺激される。幾つかの実施形態において、炎症性サイトカインはIL−1又はTNF−αである。
幾つかの実施形態において、TSG−6は、組み換え技術により調製される。幾つかの実施形態において、TSG−6は組み換え発現ベクターから発現される。幾つかの実施形態において、核酸符号化TSG−6は、構成的プロモーターに動作可能に結合する。幾つかの実施形態において、核酸符号化TSG−6は、誘導性プロモーターに動作可能に結合する。幾つかの実施形態において、TSG−6は形質転換動物において発現される。幾つかの実施形態において、TSG−6は組み換え型タンパク質である。幾つかの実施形態において、TSG−6は、細胞から分離された組換え型タンパク質である。幾つかの実施形態において、TSG−6は、無細胞抽出物において生成された組み換え型タンパク質である。
幾つかの実施形態において、TSG−6は、羊膜、羊膜、柔毛膜、羊水、又はそれらの組み合わせがから精製される。幾つかの実施形態において、PTX3は羊膜細胞から精製される。幾つかの実施形態において、羊膜細胞は羊膜上皮細胞である。幾つかの実施形態において、羊膜上皮細胞は臍帯上皮細胞である。幾つかの実施形態において、羊膜細胞は羊膜間質細胞である。幾つかの実施形態において、羊膜細胞は臍帯間質細胞である。幾つかの実施形態において、羊膜細胞は、TSG−6発現をアップレギュレートするために、より多くの炎症性サイトカインで刺激される。幾つかの実施形態において、炎症性サイトカインはIL−1又はTNF−αである。
幾つかの実施形態において、TSG−6は、細胞又は複数の細胞(例えば、組織抽出物)から分離されない。
幾つかの実施形態において、TSG−6は、HAへのIαIの転移HClを促進又は触媒するのに十分なTSG−6のフラグメントを含む。幾つかの実施形態において、TSG−6はTSG−6のリンクモジュールを含む。幾つかの実施形態において、TSG−6はTSG−6のLeu277によってアミノ酸Trp18を含む。幾つかの実施形態において、TSG−6は、SEQ ID NO:2に明記される配列を持つポリペプチド、又は、SEQ ID NO:2に明記される配列を持つポリペプチドに対して少なくとも65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列アミノ酸同一性を持つその変異体を含む。典型的な変異体は、例えば、種変異体、対立遺伝子変異体、及び、保存的及び非保存的アミノ酸変異を含む変異体を含んでいる。ヒトTSG−6の自然の対立遺伝子変異体は、例えば、アミノ酸置換Q144Rを含むTSG−6を含んでいる。提供される方法で使用されるTSG−6の変異体、又はそのHA結合フラグメントは、アミノ酸の置き換え(置換)、欠失、又は挿入である、アミノ酸修飾を含む変異体を含んでいる。幾つかの実施形態において、このような修飾は、TSG−6ポリペプチドの1つ以上の特性を改善する(例えば、HAに対するIαIのHC1の伝達の改善、または、HAに対するIαIのHC1の伝達後のrcHC−HA/PTX3からのTSG−6ポリペプチドの放出の改善)。
幾つかの実施形態において、TSG−6は、親和性タグによりされる。典型的な親和性タグは、限定されないが、ヘマグルチニンタグ、ポリ−ヒスチジン・タグ、mycタグ、FLAGタグ、グルタチオン−S−転移酵素(GST)タグを含む。そのような親和性タグは、精製に使用される技術では周知である。幾つかの実施形態において、そのような親和性タグは、融合タンパク質として、又は化学的リンカーを介して、TSG−6ポリペプチドに組み込まれる。幾つかの実施形態において、TSG−6は親和性タグを含み、結合していないTSG−6は、親和性精製によって、rcHC−HA/PTX3複合体から取り除かれる。
幾つかの実施形態において、TSG−6タンパク質は商用源から得られる。TSG−6のための典型的な商用源は、限定されないが、TSG−6(Catalog No.2104−TS R&D Systems, Minneapolis, MN)である。
IαI
幾つかの実施形態において、IαIはHC1鎖を含む。幾つかの実施形態において、IαIはHC1とHC2の鎖を含む。幾つかの実施形態において、IαIはHC1とビクニンを含む。幾つかの実施形態において、IαIは、HC1とHC2の鎖、及びビクニンを含む。幾つかの実施形態において、IαIは、コンドロイチン硫酸鎖によって結合した、HC1とHC2の鎖、及びビクニンを含む。
幾つかの実施形態において、IαIは生体サンプルから分離される。幾つかの実施形態において、生体サンプルは、哺乳動物からの生体サンプルである。幾つかの実施形態において、哺乳動物は、ヒトである。幾つかの実施形態において、生体サンプルは、血液、血清、血漿、肝臓、羊膜、絨毛膜、又は羊水のサンプルである。幾つかの実施形態において、生体サンプルは、血液、血清、又は血漿のサンプルである。幾つかの実施形態において、生体サンプルは血液サンプルである。幾つかの実施形態において、生体サンプルは、血清サンプルである。幾つかの実施形態において、生体サンプルは、血漿サンプルである。幾つかの実施形態において、IαIはヒトの血液、血漿、又は血清から精製される。幾つかの実施形態において、IαIはヒトの血清から分離される。幾つかの実施形態において、IαIは血清からは分離されない。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるIαIは、羊膜細胞中で生成される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるIαIは、臍帯細胞中で生成される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるIαIは、臍帯からの羊膜細胞中で生成される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるIαIは、羊膜上皮細胞中で生成される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるIαIは、臍帯上皮細胞中で生成される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるIαIは、羊膜間質細胞中で生成される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるIαIは、臍帯間質細胞中で生成される。幾つかの実施形態において、前記方法で使用されるIαIは、肝細胞中で生成される。幾つかの実施形態において、IαIは、組み換え技術により調製される。
幾つかの実施形態において、IαIのHC1は生体サンプルから分離される。幾つかの実施形態において、生体サンプルは、哺乳動物からの生体サンプルである。幾つかの実施形態において、哺乳動物は、ヒトである。幾つかの実施形態において、生体サンプルは、血液、血清、血漿、肝臓、羊膜、絨毛膜、又は羊水のサンプルである。幾つかの実施形態において、生体サンプルは、血液、血清、又は血漿のサンプルである。幾つかの実施形態において、生体サンプルは血液サンプルである。幾つかの実施形態において、生体サンプルは、血清サンプルである。幾つかの実施形態において、生体サンプルは、血漿サンプルである。幾つかの実施形態において、IαIのHC1はヒトの血液、血漿、又は血清から精製される。幾つかの実施形態において、IαIはヒトの血清から分離される。幾つかの実施形態において、IαIのHC1は血清から精製されない。幾つかの実施形態において、IαIのHC1は、組み換え技術により調製される。幾つかの実施形態において、IαIのHC1は肝細胞から精製される。幾つかの実施形態において、IαIのHC1は羊膜細胞から精製される。幾つかの実施形態において、IαIのHC1は、羊膜上皮細胞又は臍帯上皮細胞から精製される。幾つかの実施形態において、IαIのHC1は、羊膜間質細胞又は臍帯間質細胞から精製される。
幾つかの実施形態において、HC1は、SEQ ID NO:47に明記される配列を持つポリペプチド、又は、SEQ ID NO:47に明記される配列を持つポリペプチドに対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列アミノ酸同一性を持つポリペプチドを含む。
幾つかの実施形態において、IαIのHC2は生体サンプルから分離される。幾つかの実施形態において、生体サンプルは、哺乳動物からの生体サンプルである。幾つかの実施形態において、哺乳動物は、ヒトである。幾つかの実施形態において、生体サンプルは、血液、血清、血漿、肝臓、羊膜、絨毛膜、又は羊水のサンプルである。幾つかの実施形態において、生体サンプルは、血液、血清、又は血漿のサンプルである。幾つかの実施形態において、生体サンプルは血液サンプルである。幾つかの実施形態において、生体サンプルは、血清サンプルである。幾つかの実施形態において、生体サンプルは、血漿サンプルである。幾つかの実施形態において、IαIのHC2はヒトの血液、血漿、又は血清から精製される。幾つかの実施形態において、IαIのHC2はヒトの血清から分離される。幾つかの実施形態において、IαIのHC2はヒトの血清から分離される。幾つかの実施形態において、IαIのHC2は血清から分離されない。幾つかの実施形態において、IαIのHC2は、組み換え技術により調製される。幾つかの実施形態において、IαIのHC2は肝細胞から精製される。幾つかの実施形態において、IαIのHC2は羊膜細胞から精製される。幾つかの実施形態において、IαIのHC2は、羊膜上皮細胞又は臍帯上皮細胞から精製される。幾つかの実施形態において、IαIのHC2は、羊膜間質細胞又は臍帯間質細胞から精製される。
幾つかの実施形態において、HC2は、SEQ ID NO:49に明記される配列を持つポリペプチド、又は、SEQ ID NO:49に明記される配列を持つポリペプチドに対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列アミノ酸同一性を持つポリペプチドを含む。
幾つかの実施形態において、IαIはビクニンを含む。幾つかの実施形態において、ビクニンは、SEQ ID NO:53に明記される配列を持つポリペプチド、又は、SEQ ID NO:53に明記される配列を持つポリペプチドに対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列アミノ酸同一性を持つポリペプチドを含む。幾つかの実施形態において、IαIはコンドロイチン硫酸鎖を含む。
HA
幾つかの実施形態において、HAは、細胞、組織、又は流体のサンプルから精製される。幾つかの実施形態において、HAは、市販の供給元(例えば、Sigma Aldrich or Advanced Medical Optics, Irvine, CA(e.g., Healon))から得られる。幾つかの実施形態において、HAは粉末として市販の供給元から得られる。幾つかの実施形態において、HAは細胞中で発現する。HAの発現に適している典型的な細胞は、限定されないが、動物細胞(限定されないが、哺乳動物の細胞、霊長類の細胞、ヒトの細胞、げっ歯類の細胞、昆虫の細胞、細菌、及び酵母菌を含む)、及び植物細胞(限定されないが、藻類、被子植物、裸子植物、シダ植物、及びコケ植物を含む)を含む。幾つかの実施形態において、HAはヒトの細胞で発現する。幾つかの実施形態において、HAは遺伝子導入動物で発現する。幾つかの実施形態において、HAは、ヒアルロナン・シンターゼ(例えば、HAS1、HAS2、及びHAS3)を発現する細胞から得られる。幾つかの実施形態において、細胞は、HAシンターゼを発現する組み換え発現ベクターを包含している。特定の例において、HAシンターゼは、それが細胞膜を介して細胞外空間に押し出される際に、発生期の多糖類にグルクロン酸とN−アセチルグルコサミンを繰り返し加えることによって、ヒアルロナンを延ばす。
前記方法で使用されるHAは典型的に高分子量(HMW)HAである。幾つかの実施形態において、HMW HAの重量平均分子量は、約500キロダルトン(kDa)よりも大きく、例えば、約500kDaと約10,000kDaの間、約800kDaと約8,500kDaの間、約1100kDaと約5,000kDaの間、又は約1400kDaと約3,500kDaの間である。幾つかの実施形態において、HMW HAの重量平均分子量は、約3000kDaである。
追加成分
幾つかの実施形態において、1つ以上の追加の成分がrcHC−HA/PTX3複合体を生成するために添加される。幾つかの実施形態において、小分子ロイシンリッチプロテオグリカン(SLRP)は、rcHC−HA/PTX3複合体を生成するために加えられる。幾つかの実施形態において、SLRPは、I型、II型、又はIII型のSLRPである。幾つかの実施形態において、SLRPは、デコリン及びバイグリカンなどの、I型のSLRPの中から選択される。幾つかの実施形態において、SLRPは、フィブロモジュリン、ルミカン、PRELP(プロリンアルギニンリッチ末端ロイシンリッチタンパク質)、ケラトカン、及びオステオアドへリンなどのII型のSLRPの中から選択される。幾つかの実施形態において、SLRPは、エピピカン及びオステオグリカンなどの、III型のSLRPの中から選択される。幾つかの実施形態において、SLRPは、ビクニン、デコリン、バイグリカン、及びオステオアドへリンの中から選択される。幾つかの実施形態において、SLRPはグリコサミノグリカンを含む。幾つかの実施形態において、SLRPは硫酸ケラタンを含む。
HA
幾つかの実施形態において、HMW HAは、任意の適切な方法により固定される。幾つかの実施形態において、HMW HAは、固形の支持体、例えば、培養皿、ビーズ、カラム、又は、例えば移植可能な医療装置或いはその一部の表面といった他の適切な表面に、又は、本明細書に記載されるような移植可能な医療装置と実質的に結合させた或いは組み合わせた表面上に、固定される。幾つかの実施形態において、HMW HAは、化学結合などによって、固形の支持体に直接固定される。幾つかの実施形態において、HMW HAは、リンカー又は中間タンパク質によって、固形の支持体に間接的に付けられる。アミノ基とチオール基の間で共有結合を形成し、且つ、チオール基をタンパク質に導入するために使用される多数のヘテロ二官能性の架橋試薬が、当業者に知られている。幾つかの実施形態において、HMW HAは、固形の支持体に架橋することによって固形の支持体に直接固定される。幾つかの実施形態において、HMW HAは、固形の支持体に架橋せずに、固形の支持体に直接固定される。幾つかの実施形態において、HMW HAは、被覆剤として固形の支持体に直接固定される。幾つかの実施形態において、HMW HAは、Covalink(商標)−NH表面に固定される。幾つかの実施形態において、HMW HAは、被覆剤として固形の支持体に直接固定される。幾つかの実施形態において、HMW HAは4℃で約16時間、Covalink(商標)−NH表面に固定される。
幾つかの実施形態において、前記方法は、固形の支持体への直接の結合(即ち、中間タンパク質無し)によって固体表面へとHMW HAを固定する工程を含む。幾つかの実施形態において、固形の支持体は、固定化したHAをPTX3に接触させる前に、結合していないHMW HAを取り除くために洗浄される。幾つかの実施形態において、固定化したHAをPTX3に接触させる前に、結合していないHMW HAを取り除くために、固形の支持体は8MのGnHClとPBSの洗浄液で洗浄される。
幾つかの実施形態において、前記方法は、中間タンパク質又はリンカーによって固体表面にHAを固定する工程を含む。幾つかの実施形態において、リンカーはペプチドリンカーである。幾つかの実施形態において、中間タンパク質はHA結合タンパク質(HABP)である。幾つかの実施形態において、HABPは、(例えば、架橋、化学結合、又は化学的リンカーによって)固形の支持体に最初に結合される。幾つかの実施形態において、HABPを含む固形の支持体は、その後、HAに対するHABPの結合によって、固形の支持体にHAを固定するために、HA(例えばHMW HA)に接触される。幾つかの実施形態において、固形の支持体は、固定化したHMW HAをPTX3に接触させる前に、結合していないHMW HAを取り除くために洗浄される。幾つかの実施形態において、固定化したHAをPTX3に接触させる前に、結合していないHMW HAを取り除くために、固形の支持体は8MのGnHClとPBSの洗浄液で洗浄される。
幾つかの実施形態において、前記方法は、固形の支持体へのペプチドリンカーの結合、及びペプチドリンカーへのHAの結合によって固体表面にHAを固定する工程を含む。幾つかの実施形態において、ペプチドリンカーは、プロテアーゼ切断部位を含む。
幾つかの実施形態において、前記方法は、ジスルフィド化学的リンカーなどであるがこれに限定されない切断可能な化学的リンカーの結合により、固体表面にHAを固定する工程を含む。
幾つかの実施形態において、前記方法で使用するために選択されたHABPは、rcHC−HA/PTX3複合体の形成後にHAから解離されるHABPである。幾つかの実施形態において、HABPは非特異的にHAに結合する。幾つかの実施形態において、前記方法は、1つ以上の解離剤を用いて、rcHC−HA/PTX3複合体をHABPから解離する工程を更に含む。非共有結合の相互作用を破壊するための解離剤(例えば、塩酸グアニジン、尿素、及び様々な洗剤(例えば、SDS))が、当該技術分野で知られている。幾つかの実施形態において、解離剤は尿素である。幾つかの実施形態において、解離剤は塩酸グアニジンである。幾つかの実施形態において、解離剤は、約4M〜約8Mのグアニジン−HClである。幾つかの実施形態において、解離剤は、約4M、約5M、約6M、約7M、約8Mのグアニジン−HClである。幾つかの実施形態において、解離剤は、pH7.5のPBS中の、約4M〜約8Mのグアニジン−HClである。
幾つかの実施形態において、そのような解離剤は、中間HABPからrcHC−HA/PTX3複合体を解離するために利用される。前記方法で使用されるHABPは典型的に、HAの結合親和性が、rcHC−HA/PTX3複合体の構築を可能にするほど十分に強力なものであるが、適切な解離剤によりrcHC−HA/PTX3複合体から解離されるように、選択される。幾つかの実施形態において、解離剤は塩酸グアニジンである。
本明細書で提供される方法に使用される典型的なHABPは、限定されないが、HAPLN1、HAPLN2、HAPLN3、HAPLN4、アグリカン、バーシカン、ニューロカン、ブレビカン、ホスファカン、TSG−6、CD44、スタビリン−1、スタビリン−2、或いは、HAに結合するのに十分なそれらの一部(例えば、それらのリンクモジュール)を含む。幾つかの実施形態において、HABPは、SEQ ID NO:54−99の何れかに明記される配列を持つポリペプチド、又は、SEQ ID NO:54−99の何れかに明記される配列を持つポリペプチドに対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列アミノ酸同一性を持つポリペプチドを含む。幾つかの実施形態において、HABPはバーシカンである。幾つかの実施形態において、HABPは組み換えタンパク質である。幾つかの実施形態において、HABPは、組み換え哺乳動物タンパク質である。幾つかの実施形態において、HABPは、組み換えヒトタンパク質である。幾つかの実施形態において、HABPは、組み換え型のバーシカンタンパク質、又はHAに結合するのに十分なその一部である。幾つかの実施形態において、HABPは、組み換え型のアグリカンタンパク質、又はHAに結合するのに十分なその一部である。幾つかの実施形態において、HABPは、天然のHABP、又はHAに結合するのに十分なその一部である。幾つかの実施形態において、天然のHABPは、哺乳動物の組織又は細胞から分離される。幾つかの実施形態において、HABPは、ウシの鼻軟骨(例えば、アグリカンとリンクタンパク質のHA結合領域を含む、SeikagakuからのHABP)から分離される。
幾つかの実施形態において、HABPは、HAPLN1、HAPLN2、HAPLN3、HAPLN4、アグリカン、バーシカン、ニューロカン、ブレビカン、ホスファカン、TSG−6、CD44、スタビリン−1、又はスタビリン−2のリンクモジュールを含む。幾つかの実施形態において、HABPは、SEQ ID NO:54−99の何れかに明記される配列を持つポリペプチド、又は、SEQ ID NO:54−99のリンクドメインの何れかに明記される配列を持つポリペプチドに対して少なくとも75%、80%、85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列アミノ酸同一性を持つポリペプチドを含む、リンクモジュールを含んでいる。幾つかの実施形態において、HABPは、バーシカンのリンクモジュールを含む。幾つかの実施形態において、リンクモジュールを含むHABPは、組み換えタンパク質である。幾つかの実施形態において、バーシカンのリンクモジュールを含むHABPは、組み換えタンパク質である。
幾つかの実施形態において、HABPなどの中間タンパク質は、フリン、3Cプロテアーゼ、カスパーゼ、マトリクスメタロプロテイナーゼ、又はTEVプロテアーゼなどの部位特異的プロテアーゼにより認識され且つ加水分解される、タンパク質分解性切断配列を含んでいる。そのような実施形態において、組み立てられたrcHC−HA/PTX3複合体は、固定化した複合体を、特定の切断配列を切断するプロテアーゼに接触させることにより、固形の支持体から解放される。
幾つかの実施形態において、rcHC−HA/PTX3複合体が精製される。幾つかの実施形態において、rcHC−HA/PTX3複合体は、任意の適切な方法又は方法の組み合わせによって精製される。下記の実施形態は、排他的になるように意図されたものではなく、単なる典型的なものである。
幾つかの実施形態において、rcHC−HA/PTX3複合体は、クロマトグラフィー(例えば、イオン交換、親和性、サイズ排除、及びヒドロキシアパタイトのクロマトグラフィー)、ゲル濾過、遠心分離(例えば、勾配遠心分離)、又は差動的な溶解度、エタノール沈澱、或いはタンパク質の精製のための他の利用可能な技術により、精製される。
幾つかの実施形態において、rcHC−HA/PTX3複合体は免疫親和性クロマトグラフィーによって精製される。幾つかの実施形態において、抗体は、rcHC−HA/PTX3複合体の成分に対して生成され(例えば、抗HC1、抗PTX、rcHC−HA/PTX3複合体の1つ以上のSLRPに対する抗体、例えば、抗ビクニン、抗デコリン、抗バイグリカン、又は抗オステオアドへリン)、固形の支持体に結合される。幾つかの実施形態において、精製されていないrcHC−HA/PTX3複合体(即ち移動相)は、支持体を通過する。特定の例において、rcHC−HA/PTX3複合体は抗体に結合する。幾つかの実施形態において、支持体は、任意の結合していない分子又は緩く結合した分子を取り除くために、(例えばPBSで)洗浄される。幾つかの実施形態において、支持体は、支持体からのrcHC−HA/PTX3複合体の溶離を可能にする溶液で洗浄される(例えば、1%のSDS、6Mのグアニジン−HCl、又は8Mの尿素)。幾つかの実施形態において、解離剤は、解離したrcHC−HA/PTX3複合体から取り除かれる。幾つかの実施形態において、解離剤は、限定されないが、イオン交換クロマトグラフィー、透析、ゲル濾過クロマトグラフィー、限外濾過、又はダイアフィルトレーションを含む方法によって、解離したrcHC−HA/PTX3複合体から取り除かれる。
幾つかの実施形態において、rcHC−HA/PTX3複合体は、親和性クロマトグラフィーによって精製される。幾つかの実施形態において、HABPは、複合体の精製のためにrcHC−HA/PTX3複合体に結合するように利用され、定常的な支持体に結合される。幾つかの実施形態において、精製されていないrcHC−HA/PTX3複合体(即ち移動相)は、支持体を通過する。特定の例において、rcHC−HA/PTX3複合体はHABPに結合する。幾つかの実施形態において、支持体は、任意の結合していない、又は緩く結合した分子を取り除くために(例えばPBSで)洗浄される。幾つかの実施形態において、支持体はその後、支持体からのrcHC−HA/PTX3複合体の溶離を可能にする溶液(例えば、解離剤)で洗浄される。幾つかの実施形態において、解離剤は、限定されないが、イオン交換クロマトグラフィー、透析、ゲル濾過クロマトグラフィー、限外濾過、又はダイアフィルトレーションを含む方法によって、解離したrcHC−HA/PTX3複合体から取り除かれる。
幾つかの実施形態において、rcHC−HA/PTX3複合体は、HABP親和性クロマトグラフィーと、rcHC−HA/PTX3複合体の1以上の成分に対する抗体を使用する免疫親和性のクロマトグラフィーとの組み合わせにより精製される。
幾つかの実施形態において、本明細書に開示されるrcHC−HA/PTX3複合体の1以上の成分は、親和性タグを含む(例えば、親和性タグを持つPTX3又はHC1の融合タンパク質)。幾つかの実施形態においてrcHC−HA/PTX3複合体の1つ以上の成分に組み込まれる典型的な親和性タグは、限定されないが、ヘマグルチニンタグ、ポリ・ヒスチジン、mycタグ、FLAGタグ、又はグルタチオン−S−転移酵素配列を含んでいる。幾つかの実施形態において、親和性タグのリガンドは、固形の支持体に付着する。幾つかの実施形態において、未精製のrcHC−HA/PTX3複合体は、支持体を通過する。特定の例において、rcHC−HA/PTX3複合体は、リガンドに結合する。幾つかの実施形態において、支持体は、任意の結合していない又は緩く結合した分子を取り除くために、(例えばPBSで)洗浄される。幾つかの実施形態において、支持体はその後、支持体からの本明細書で開示されたrcHC−HA/PTX3複合体の溶離を可能にする溶液で洗浄される。幾つかの実施形態において、溶離剤は、限定されないが、イオン交換クロマトグラフィー、分離、ゲル濾過クロマトグラフィー、限外濾過、又はダイアフィルトレーションを含む方法によって、解離したrcHC−HA/PTX3複合体から取り除かれる。
幾つかの実施形態の中で、PTX3、TSG−6、及び/又はHC1は標識に共役される。「標識」とは、標識したポリペプチドを生成するために、ポリペプチドと直接的又は間接的に共役する、検知可能な化合物又は組成物を指す。幾つかの実施形態において、標識はそれ自体で検知可能(例えば、放射性同位元素標識又は蛍光標識)であるか、又は、酵素標識の場合には、検知可能な基質化合物組成物の化学変化を触媒する。非限定的な標識の例は、蛍光発生部分、色素、蛍光タグ、緑色蛍光タンパク質、又はルシフェラーゼを含んでいる。
<賦形剤>
幾つかの実施形態において、組成物は賦形剤を含む。幾つかの実施形態において、賦形剤は、pH調節剤、緩衝液、コラーゲン、HA、抗生物質、界面活性剤、安定剤、タンパク質、及びそれらの組み合わせを含む群から選択される。幾つかの実施形態において、賦形剤は細胞外マトリックス(ECM)成分を含む。幾つかの実施形態において、ECM成分は、コラーゲン、フィブリン、HA、又はそれらの組み合わせを含む。
コラーゲンは、身体に見出される主要な構造タンパク質である。コラーゲンは、組織に支持体を提供し、骨に組織を繋ぎ、身体の構造を提供するものである。身体が治癒プロセス中である時、コラーゲンは、細胞構造の構築を支援する役割を果たす。ヒアルロン酸は、滑膜性関節流体、目の硝子体液、軟骨、血管、細胞外マトリックス、皮膚、及び臍帯に見出される天然糖である。フィブリンは血液凝固に関与するタンパク質である。
幾つかの実施形態において、胎児支持組織の調製物は、コラーゲン、フィブリン、又はHAと混合される。コラーゲン、フィブリン、及びHAは、コラーゲン又はHAと混合したAM調製物がTGF 13プロモーター作用に抑制効果を及ぼすと示されると、適切な伝達手段となり得る。胎児支持組織の調製物は、本明細書に記載される実験においてコラーゲンゲル及びHAゲルと混合されたが、幾つかの実施形態において、コラーゲン、HA、又は他のECM成分(例えばフィブリン)の任意の可溶形態(例えば液体)が使用される。幾つかの実施形態において、コラーゲン、フィブリン、又はHAは任意の適切な源に由来する。幾つかの実施形態において、コラーゲン、フィブリン、又はHAに対するAMの比率は、変動する。幾つかの実施形態において、コラーゲン、フィブリン、又はHAに対するAMの比率は、約0.001:1、0.01:1、0.05:1、又は0.1:1未満から、約1:1、1.5:1、2:1、5:1、10:1、100:1、又は1000:1以上までである。
幾つかの実施形態において、コラーゲンゲルは、実施例1に記載されるように、0.1Nの酢酸で保存溶液(4mg/ml)を希釈することにより、及びそれを、適切な体積比の20倍のDMEM又は適切な緩衝液、及び1NのNaOHと混合することにより、調製される。幾つかの実施形態において、組成物中のコラーゲンは、約2mg/m1未満〜約4mg/ml以上までの範囲で存在する。
幾つかの実施形態において、HAは高分子量(MW)HAである。幾つかの実施形態において、高MW HAの様々な希釈は、DMEM又は適切な緩衝液において商用に調製したHA(Healon(商標)(10 mg HA/nil) (Pharmacia, LaJolla, CA)を希釈することにより、調製される。幾つかの実施形態において、胎児支持組織の調製物の乾燥粉末及び水溶性形態は、所望のコラーゲン濃度へと、PBS、DMEM、又は他の溶液などの溶液中で希釈される。幾つかの実施形態において、胎児支持組織の調製物中のHAは、約2μg/ml未満〜約129μg/ml以上までの範囲で存在する。
<例示的な調製物>
実施例8〜15は、本明細書で記載且つ使用される胎児支持組織の調製物を調製する例示的方法を表す。
<組成物>
幾つかの実施形態において、胎児支持組織の調製物を含む組成物は、非固形剤形としての投与目的のために製剤される。幾つかの実施形態において、非固形剤形は、溶液、滴剤、懸濁液、ペースト、噴霧、軟膏剤、油、エマルジョン、エアロゾル、被覆を施した包帯、パッチ、クリーム、ローション、ゲルなどの組成物を作るために、調製物を送達ビヒクルと組み合わせることを含む。使用した製剤は特定用途に依存する。ゲルは組成物の投与に有用なものであり、これはゲルによって、導入部位での有効成分のより優れた保持が可能となり、有効成分が完全に除去される前に長期間にわたり有効成分の効果を及ぼすことが可能となるためである。幾つかの実施形態において、組成物は、持続放出の固形形態(経口投薬形態を含む)として製剤される。
幾つかの実施形態において、組成物は、胎児支持組織の調製物を医薬的に使用され得る組成物へと処理するのを促進する賦形剤及び助剤を含む、1以上の生理学的に許容可能な担体を使用して、従来の方法で製剤される。適切な製剤は、選択される投与の経路に依存する。周知の技術、担体、及び賦形剤の何れかは、適切な、及び当該技術分野において理解されるものとして使用され得る。
幾つかの実施形態において、胎児支持組織の組成物は、液体、懸濁液、又はゲル、凍結乾燥粉末剤、或いは他の形態である。幾つかの実施形態において、組成物は注入可能である。幾つかの実施形態において、胎児支持組織の組成物は抗菌剤を含む。幾つかの実施形態において、抗菌剤は、抗生物質又は抗真菌剤である。幾つかの実施形態において、胎児支持組織の組成物は、胎児支持組織の組成物を安定させる及び/又は保存するための追加の物質を含む。幾つかの実施形態において、胎児支持組織の組成物は包装され、使用前に室温、−20℃又は−80℃で保存される。
特定の実施形態において、組成物は、薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、又は担体を含む。幾つかの実施形態において、組成物は更に、併用療法などにおいて他の有効成分を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、他の医療薬剤又は医薬品、担体、アジュバント、例えば、防腐剤、安定化剤、湿潤剤又は乳化剤、溶解促進剤、及び浸透圧を調節するための塩、緩衝液、或いはそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、組成物は追加の治療薬を含む。
幾つかの実施形態において、組成物は更に、担体、安定剤、希釈剤、分散剤、懸濁化剤、増粘剤、賦形剤、又はそれらの組み合わせなどの化学成分を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、個体への調製物の投与を容易にする。幾つかの実施形態において、治療上有効な量の胎児支持組織の組成物は、処置される疾患、障害、又は疾病を持つ個体に注入可能な組成物として投与される。幾つかの実施形態において、個体は哺乳動物である。幾つかの実施形態において、哺乳動物は、ヒトである。幾つかの実施形態において、治療上有効な量は、個体の疾患の重症度、年齢、及び相対的な健康状態、使用される組成物の効力、及び他の要因に依存して変動する。幾つかの実施形態において、組成物は、単独で、又は混合物の成分として1以上の治療薬と組み合わせて、使用され得る。
<眼用組成物>
幾つかの実施形態において、眼用組成物は、胎児支持組織の調製物;及び薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、又は担体を含む。幾つかの実施形態において、眼用組成物は、実質的に分離されたHC−HA/PTX3、再構成されたHC−HA/PTX3、或いはそれらの組み合わせ;及び薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、又は担体から実質的に成る。幾つかの実施形態において、組成物は、目への局所送達のために調製される。幾つかの実施形態において、組成物は、静脈内など全身的に投与される。幾つかの実施形態において、組成物は、目に局所的に投与される。幾つかの実施形態において、組成物は、様々な局所投与可能な眼用組成物へと製剤される。幾つかの実施形態において、局所投与可能な眼用組成物は、溶液、懸濁液、ゲル、又は軟膏を含む。幾つかの実施形態において、組成物は、目への注入のために製剤される。幾つかの実施形態において、組成物は、目への硝子体内注射により投与される。幾つかの実施形態において、組成物は、眼内注射、網膜下注射、硝子体内注射、眼周囲注射、結膜下注射、球後注射、前房内注射(前眼房方又は硝子体腔への注射を含む)、或いはテノン嚢下注射により投与される。幾つかの実施形態において、組成物は、インプラント、眼科用液剤、眼科用懸濁液剤、眼軟膏剤、眼のインプラント及び眼の挿入物、眼内溶液、電気泳動法の使用、外科的灌流液への組み込み、及びパック(ほんの一例として、円蓋に挿入される飽和された綿ガーゼ))により投与される。
幾つかの実施形態において、組成物は、胎児支持組織の調製物が溶液、懸濁液、又はその両方で溶液に存在する、液体組成物である。幾つかの実施形態において、組成物はゲル製剤を含む。他の実施形態において、液体組成物は水性である。幾つかの実施形態において、組成物は軟膏である。
幾つかの実施形態において、組成物は水性組成物である。幾つかの実施形態において、水性組成物は、水溶液、懸濁液、又は溶液/懸濁液である。幾つかの実施形態において、水性組成物は点眼液の形態で提供される。幾つかの実施形態において、所望の投与量が、既知数の点眼を介して投与される。例えば、25μlの滴下量について、1−6の滴剤の投与は、25−150μlの組成物を送達する。幾つかの実施形態において、水性組成物は、約0.01%〜約50%の重量/体積の胎児支持組織の調製物又は精製成分を含む。幾つかの実施形態において、水性組成物は、約0.1%〜約20%の重量/体積の胎児支持組織の調製物又は精製成分を含む。幾つかの実施形態において、水性組成物は、約0.2%〜約10%の重量/体積の胎児支持組織の調製物又は精製成分を含む。幾つかの実施形態において、水性組成物は、約0.5%〜約5%の重量/体積の胎児支持組織の調製物又は精製成分を含む。幾つかの実施形態において、水性組成物は、眼に許容可能なpH及び重量モル浸透圧濃度を有している。製剤、組成物、又は成分に関して「眼に許容可能な」は典型的に、処置された目又はその機能、或いは、処置される被験体の健康状態に対して持続的な悪影響がないことを意味する。小規模の刺激又は「刺痛感」の感覚などの一時的な影響は、薬剤の局所的な点眼投与によく見られ、「眼に許容可能な」問題において、製剤、組成物、又は成分と調和している。
幾つかの実施形態において、組成物は水性組成物であり、懸濁化剤としてポリマーを含む。幾つかの実施形態において、水性組成物は、懸濁化剤として1より多くのポリマーを含む。幾つかの実施形態において、ポリマーは、水溶性ポリマー、不水溶性ポリマー、又はそれらの組み合わせを含む。幾つかの実施形態において、水溶性ポリマーはセルロースポリマーを含む。幾つかの実施形態において、セルロースポリマーは、ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。幾つかの実施形態において、不水溶性ポリマーは、架橋されたカルボキシ含有ポリマーを含む。幾つかの実施形態において、水性組成物は、眼に許容可能な粘膜付着性ポリマーを含む。幾つかの実施形態において、粘膜付着性ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、カルボマー(アクリル酸ポリマー)、ポリ(メタクリル酸メチル)、ポリアクリルアミド、ポリカルボフィル、アクリル酸/アクリル酸ブチルのコポリマー、アルギン酸ナトリウム、デキストラン、又はそれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物中の胎児支持組織の調製物の溶解性を支援するために眼に許容可能な可溶化剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、組成物中の精製されたHC−HA/PTX3の溶解性を支援するために眼に許容可能な可溶化剤を含む。「可溶化剤」という用語は、一般的に、薬剤のミセル溶液または真性溶液をもたらす薬剤を含む。いくつかの実施形態では、眼に許容可能な可溶化剤は、非イオン性界面活性剤である。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は、ポリソルベート80、グリコール、ポリグリコール、ポリエチレングリコール400、グリコールエーテル、これらの誘導体、あるいは任意の組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の眼に許容可能なpH調整剤または緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、pH調整剤は酸を含む。いくつかの実施形態では、酸は以下を含むリストから選択される:酢酸、ホウ酸、クエン酸、乳酸、リン酸、および塩酸。いくつかの実施形態では、pH調整剤は塩基を含む。いくつかの実施形態では、塩基は以下を含むリストから選択される:水酸化ナトリウム、リン酸ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、およびトリス−ヒドロキシメチルアミノメタン。いくつかの実施形態では、緩衝剤は以下を含むリストから選択される:クエン酸塩/デキストロース、重炭酸ナトリウム、および塩化アンモニウム。いくつかの実施形態では、酸、塩基、あるいは緩衝液は、眼に許容可能な範囲で組成物のpHを維持するのに必要な量で含まれている。
いくつかの実施形態では、組成物は、組成物の浸透圧を眼に許容可能な範囲にするために必要とされる量で眼に許容可能な塩を含む。いくつかの実施形態では、塩は、ナトリウム、カリウム、あるいはアンモニウムのカチオンと、塩素、クエン酸塩、アスコルビン酸塩、ホウ酸塩、リン酸塩、重炭酸塩、硫酸塩、チオ硫酸塩、あるいは重亜硫酸塩のアニオンとを含む。いくつかの実施形態では、塩は以下を含むリストから選択される:塩化ナトリウム、塩化カリウム、チオ硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム、硫酸アンモニウム、あるいはこれらの組み合わせ。
いくつかの実施形態では、組成物は、微生物活性を阻害するために眼に許容可能な防腐剤を含む。いくつかの実施形態では、防腐剤は、水銀含有物質、安定した二酸化塩素、四級アンモニウム化合物、あるいはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、水銀含有物質は、メルフェン(merfen)、チメロサール、あるいはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、四級アンモニウム化合物は、塩化ベンザルコニウム、セチルトリメチルアンモニウム臭化物、塩化セチルピリジウム、あるいはこれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、物理安定度を増強するために、あるいはそれ以外の目的のために、1つ以上の眼に許容可能な界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、界面活性剤は非イオン性界面活性剤を含む。いくつかの実施形態では、非イオン性界面活性剤は以下を含むリストから選択される:ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリドと植物油、例えば、ポリオキシエチレン(60)硬化ヒマシ油;)および、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとアルキルフェニルエーテル、例えば、オクトキシノール10、オクトキシノール40。
いくつかの実施形態では、組成物は、必要に応じて、化学的安定性を増強するために1つ以上の抗酸化剤を含む。いくつかの実施形態では、抗酸化剤はアスコルビン酸、メタ重亜硫酸ナトリウム、あるいはこれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、組成物は単回用量の再密閉不可能な容器で包まれる。いくつかの実施形態では、組成物は、複数回用量の再密閉可能な容器で包まれる。いくつかの実施形態では、組成物は、複数回用量の再密閉可能な容器で包まれる際、防腐剤をさらに含む。
いくつかの実施形態では、組成物は、目と眼瞼の間に、あるいは結膜嚢に挿入される固体製品の形態をしており、それは調製物を放出する。いくつかの実施形態では、調製物は、角膜の表面を浸す涙液に、あるいは直接角膜自体に放出され、固体製品は一般にそれと密接に接触している。いくつかの実施形態では、目への移植に適した固体製品はポリマーを含む。いくつかの実施形態では、目への移植に適した固体製品は生物分解性であるか、あるいは非生物分解性である。
注入可能な組成物:
いくつかの実施形態では、組成物は注入可能な組成物である。いくつかの実施形態では、注入可能な組成物は、胎児支持組織の調製物と、その薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、あるいは担体を含む。いくつかの実施形態では、注入可能な組成物は、実質的に単離されたHC−HA/PTX3、再構成されたHC−HA/PTX3、あるいはこれらの組み合わせと、その薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、あるいは担体から本質的になる。いくつかの実施形態では、注入可能な組成物は、眼内、筋肉内、皮下、または静脈内の注入に適している。いくつかの実施形態では、注入可能な組成物は、生理学的に許容可能な無菌の水性あるいは非水性の溶液、分散液、懸濁液、あるいはエマルジョン、および無菌の注入可能な溶液あるいは分散液へと再構成される無菌の粉末を含む。適切な水性および非水性の担体、希釈剤、溶媒和物、あるいは水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセロール、クレモフォールなどを含む)ビヒクル、その適切な混合物、植物油(オリーブオイルなど)、およびオレイン酸エチルなどの注入可能な有機酸エステル。いくつかの実施形態では、適切な流動性は、コーティング、界面活性剤、あるいはこれらの組み合わせの使用によって維持される。いくつかの実施形態では、コーティングはレシチンを含む。いくつかの実施形態では、注入可能な組成物は添加剤を含む。いくつかの実施形態では、添加剤は以下を含むリストから選択される:防腐剤、湿潤剤、乳化剤、分注剤、あるいはこれらの組み合わせ。いくつかの実施形態では、注入可能な組成物は抗菌剤あるいは抗真菌剤を含む。いくつかの実施形態では、抗菌剤あるいは抗真菌剤は、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、あるいはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、注入可能な組成物は等張剤を含む。いくつかの実施形態では、等張剤は糖、塩化ナトリウム、あるいはこれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、注入可能な組成物は吸収遅延剤を含む。いくつかの実施形態では、吸収遅延剤はモノステアリン酸アルミニウム、ゼラチン、あるいはこれらの組み合わせを含む。
いくつかの実施形態では、注入可能な組成物は静脈内に投与される。いくつかの実施形態では、注入可能な組成物は、水溶液中で、ハンク溶液、リンゲル溶液、生理食塩水緩衝液、あるいは別の適切な溶液などの生理学的に適合する緩衝液中で製剤される。いくつかの実施形態では、口腔粘膜な投与について、浸透される障壁に適切な浸透剤は製剤中で使用される。こうした浸透剤は一般に当該技術分野で知られている。いくつかの実施形態では、非経口注入については、適切な製剤は、好ましくは生理学的に適合する緩衝液あるいは賦形剤と共に、水性または非水性の溶液を含む。こうした賦形剤は一般に当該技術分野で知られている。
いくつかの実施形態では、非経口注入はボーラス注入または持続点滴を含んでいる。いくつかの実施形態では、組成物は、追加の防腐剤とともに、単位剤形で、例えば、アンプルあるいは複数回投与容器中で提示される。いくつかの実施形態では、注入可能な組成物は、油性または水性のビヒクル中の無菌の懸濁液、溶液、またはエマルジョンとして、非経口注入に適した製剤である。いくつかの実施形態では、注入可能な組成物は処方薬を含む。いくつかの実施形態では、処方薬は、懸濁化剤、安定化剤、分散剤、あるいはこれらの組み合わせである。いくつかの実施形態では、非経口投与のための注入可能な組成物は、水溶性の形態の胎児支持組織の調製物の水溶液を含む。いくつかの実施形態では、活性化合物の懸濁液は油性の注射懸濁液として調製される。いくつかの実施形態では、注入可能な組成物は親油性の溶媒和物あるいはビヒクルを含む。親油性の溶媒和物あるいはビヒクルの非限定的な例としては、限定されないが、ごま油などの脂肪油、あるいはオレイン酸エチルまたはトリグリセリドなどの合成の脂肪酸エステル、あるいはリポソームが挙げられる。いくつかの実施形態では、注入可能な注射組成物は、カルボキシルメチルセルロースナトリウム、ソルビトール、あるいはデキストランなどの懸濁液の粘性を増加させる物質を含む。いくつかの実施形態では、注入可能な組成物は、高濃縮溶液の調製を可能にするために化合物の溶解性を増加させる適切な安定化剤あるいは薬剤を含んでいる。いくつかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、使用前の適切なビヒクル(例えば無菌の発熱性物質を含まない水)とともに構成される粉末形態である。
投薬と処置レジメンの方法:
いくつかの実施形態では、組成物は任意の適切な技術によって投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、標的部位(例えば、目の表面、硝子体など)に直接投与される。いくつかの実施形態では、組成物は局所的に投与される。いくつかの実施形態では、組成物は非経口的に(例えば、皮下)投与される。いくつかの実施形態では、組成物は眼内で投与される。
いくつかの実施形態では、組成物は予防的および/または治療的な用途のために投与される。いくつかの実施形態では、組成物は、疾患または疾病の症状を治癒するか部分的に阻止するのに十分な量で疾患または疾病に既に苦しんでいる個体に投与される。いくつかの実施形態では、この使用に有効な量は、疾患または疾病の重症度および経過、以前の治療、個体の健康状態、体重、および医薬品に対する反応、および処置する医師の判断によって変わる。
いくつかの実施形態では、組成物は、特定の疾患、障害、あるいは疾病にかかりやすい、または特定の疾患、障害、あるいは疾病のリスクがある個体に投与される。こうした量は「予防的に有効な量または投与量」であると定義される。この使用において、正確な量はさらに個体の容態、体重などに依存する。いくつかの実施形態では、予防的に有効な量を決定するために用量漸増試験が使用される。いくつかの実施形態では、予防的に有効な量を決定するために任意の適切な方法が用いられる。いくつかの実施形態では、予防的に有効な量は、疾患、障害、あるいは疾病の重症度および経過、以前の治療、個体の健康状態および医薬品に対する反応、ならびに処置する医師の判断に依存する。
個体の状態が改善しない場合、医者の裁量次第で、組成物は慢性的に、すなわち、個体の疾患または疾病の症状を改善させるか、さもなければ制御または制限するために、個体の寿命を含む長い期間にわたって投与される。
個体の状態が改善する場合、医者の裁量次第で、組成物は継続的に与えられるか、あるいは、投与されている薬物の投与量は一時的に減らされるか、あるいは特定の期間にわたって一時的に停止される(つまり「休薬日」)。いくつかの実施形態では、休薬期間の長さは、ほんの一例ではあるが、2日、3日、4日、5日、6日、7日、10日、12日、15日、20日、28日、35日、50日、70日、100日、120日、150日、180日、200日、250日、280日、300日、320日、350日、および、365日を含む、2日から1年までの間である。いくつかの実施形態では、休薬期間の投与量減少は、ほんの一例として、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、あるいは100%を含む、10%−100%である。
いったん個体の状態の改善が生じると、必要に応じて維持量は投与される。次に、症状に応じて、改善された疾患、不調又は疾病が維持される水準になるまで、連続的に、投与量もしくは投与頻度又はこれら両方が減少される。いくつかの実施形態では、個体は症状の任意の再発時に長期間にわたって断続的な治療を必要とする。
いくつかの実施形態では、個体に投与される組成物の量は、疾患または疾病、およびその重症度、治療を必要としている個体の同一性(例えば、体重、性別、年齢、全体的な健康)などの因子に依存して変わる。いくつかの実施形態では、投与される組成物の量は、例えば、特定の調製物、組成物、投与されている製剤、投与経路、処置されている疾患、処置されている個体を含む、周囲の特定の状況に応じて当該技術分野で知られている手法で決定される。いくつかの実施形態では、成人のヒトの処置のために使用される量または投与量は、1日当たり0.02−5000mg、好ましくは1日当たり1−1500mgの範囲である。いくつかの実施形態では、所望の投与量は、単回用量で、あるいは例えば、1日当たり2、3、あるいは4回以上の下位用量として同時に(または短期間にわたって)あるいは適切な間隔を置いて投与された分割量として提示される。
いくつかの実施形態では、組成物は、正確な量あるいは投与量の単一の投与に適した単位剤形である。単位剤形では、組成物は、組成物の適切な量あるいは投与量を含む単位用量に分割される。いくつかの実施形態では、単位用量は、組成物の離散量を含む包装の形態をしている。非限定的な例はバイアルまたはアンプルで包まれた粉末である。いくつかの実施形態では、組成物は単回用量の再密閉不可能な容器で包まれる。いくつかの実施形態では、複数回用量用の再密閉可能な容器が使用され、この場合、組成物中に防腐剤を含めることが一般的である。いくつかの実施形態では、非経口注入用の組成物は単位剤形の形態で提示され、これは、限定されないが、追加の防腐剤と共に、アンプル、あるいは複数回用量の容器を含む。
いくつかの実施形態では、組成物に適切な毎日の投与量は体重1kg当たり約0.01〜2.5mgである。示された毎日の投与量は、約0.5mgから約100mgまでの範囲であり、限定されないが、一日最大4回までを含む分割された用量で、あるいは徐放用形態で都合よく投与される。個々の処置レジメンに関する変数が大きいため、前述の範囲は単に示唆的なものでしかなく、これらの推奨値からのある程度の逸脱は珍しいわけではない。いくつかの実施形態では、投与量は、多くの変数、限定されないが、組成物の活性、処置される疾患または疾病、投与の方法、個体の要件、処置されている疾患または疾病の重症度、および、医師に依存して変えられる。
いくつかの実施形態では、こうした治療レジメンの毒性と治療の有効性は、限定されないが、LD50(母集団の50%に対する致死投与量)とED50(母集団の50%に治療上有効な投与量)の測定を含む、細胞培養または実験動物中の標準的な製薬手順によって決定される。いくつかの実施形態では、毒性と治療効果の間の用量比は治療指数であり、LD50とED50との間の比率として表される。高い治療指数を示す組成物が好ましい。いくつかの実施形態では、細胞培養アッセイまたは動物研究から得られたデータは、個体で使用される様々な投与量を処方するのに使用される。いくつかの実施形態では、組成物の投与量は、最小限の毒性のED50を含む様々な循環濃度内である。いくつかの実施形態では、用量は、採用される剤形と利用される投与経路に依存して、この範囲内で変化する。
併用療法:
いくつかの実施形態では、組成物は追加の治療用化合物と同時投与される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は同じ組成物で投与されない。いくつかの実施形態では、追加の治療薬は組成物とは異なる経路によって投与される。可能であれば同じ組成物における投与の方法と投与の妥当性の判定は十分に、熟練した臨床医の知識内の範囲である。いくつかの実施形態では、当初の投与は、当該技術分野で知られている確立されたプロトコルによってなされ、その後、観察された効果、投与量、投与の方法、および投与の回数に基づいて、当業者によって修正される。
いくつかの実施形態では、使用される追加の治療用化合物の特定の選択は、主治医の診断と、主治医の個体の状態および適切な処置プロトコルに関する判断に依存する。いくつかの実施形態では、追加の治療用化合物は、疾患、障害、あるいは疾病の性質、個体の状態、および使用される化合物の実際の選択に依存して、同時に(例えば、同時に、本質的に同時に、あるいは同じ処置プロトコル内で)、あるいは連続して投与される。投与の順序と、処置プロトコル中の各治療薬の投与の繰り返し数の決定は十分に、処置されている疾患と個体の状態の評価後の熟練した医師の知識内である。
いくつかの実施形態では、組成物が併用療法で使用される場合、治療上有効な量は変わる。いくつかの実施形態では、任意の適切な方法を用いて、併用療法レジメンで使用される薬物と他の薬剤の治療上有効な量を決定する。いくつかの実施形態では、メトロノミック投与(つまり、毒性の副作用を最小限に抑えるために、より頻繁かつより低投与量を提供する)は、併用療法で使用される薬物と他の薬剤の治療上有効な量を決定するために使用される。いくつかの実施形態では、併用療法は、個体の臨床管理を支援するために様々な回数で開始・終了する周期的な処置を含む。
いくつかの実施形態では、追加の治療薬の投与量は、使用された共薬のタイプ、使用される特定の薬物、処置されている疾患または疾病に依存して変化する。いくつかの実施形態では、1つ以上の追加の治療薬と同時投与されるとき、組成物は追加の治療薬と同時に、あるいは連続して投与される。連続して投与される場合、主治医は追加の治療薬と組み合わせて組成物を投与する適切な順序を決める。
いくつかの実施形態では、複数の追加の治療薬は組成物と組み合わせて投与される。いくつかの実施形態では、複数の追加の治療薬は任意の順序で、あるいは同時でも投与される。同時の場合、複数の追加の治療薬は、単回用の統一された形態で、あるいは複数回用の形態(ほんの一例として、単一の丸剤あるいは2つの別個の丸剤として)で提供される。いくつかの実施形態では、追加の治療薬の1つは複数回投与で与えられるが、両方が複数回投与として与えられてもよい。いくつかの実施形態では、投与が同時ではない場合、複数回投与間のタイミングは0週以上から4週未満まで変わる。
いくつかの実施形態では、救済が求められている疾病を処置、予防、あるいは改善する投与レジメンは、様々な因子に合わせて修正される。いくつかの実施形態では、因子は以下を含む:個体が苦しんでいる障害、同様に、個体の年齢、体重、性別、食事、および病状、あるいはこれらの組み合わせ。いくつかの実施形態では、投与レジメンは広く変わり、本明細書で説明される投与レジメンから逸脱する。
いくつかの実施形態では、併用療法を構成する組成物と追加の治療薬は、統合された剤形であるか、あるいは実質的に同時投与を意図した別々の剤形である。いくつかの実施形態では、併用療法を構成する組成物と追加の治療薬は連続して投与され、組成物あるいは追加の治療薬は2段階投与を要求するレジメンによって投与される。いくつかの実施形態では、2段階投与レジメンは、組成物と追加の治療薬の連続投与、あるいは組成物と追加の治療薬の間隔をあけた投与を必要とする。いくつかの実施形態では、複数の投与工程の間の時間は、組成物または追加の治療薬の効能、溶解性、バイオアベイラビリティ、血漿半減期、および動態プロファイルなどの各医薬品の特性に依存して、数分から数時間まで変動する。いくつかの実施形態では、組成物または治療薬濃度の日内変動が最適な投与間隔を決定する。
いくつかの実施形態では、組成物は、個体に追加的あるいは相乗的な利点を与えることもある手順と組み合わせて使用される。ほんの一例として、個体は、本明細書に記載される方法の予防的および/または治療的な利点を見出すものと予想され、ここで、組成物あるいは組成物は、追加の治療薬と組み合わせて、その個体が特定の疾患あるいは疾病と相関することが知られている突然変異遺伝子のキャリアであるかどうかを判断するために、遺伝子検査と組み合わされる。
いくつかの実施形態では、組成物と併用療法は、疾患または疾病の発生の前、その最中、あるいはその後に施され、化合物を含む組成物を投与するタイミングは変わる。いくつかの実施形態では、組成物は予防薬として使用され、疾患あるいは疾病の発生を防ぐために、疾患あるいは疾病を発症させる傾向のある個体に継続的に投与される。いくつかの実施形態では、組成物は症状の発症中、あるいは発症後可能な限り早く個体に投与される。いくつかの実施形態では、組成物の投与は、症状の発症の最初の48時間以内に、好ましくは症状の発症の最初の48時間以内に、より好ましくは症状の発症の最初の6時間以内に、および最も好ましくは症状の発症の3時間以内に、始められる。いくつかの実施形態では、初期の投与は、実用的な任意の経路、例えば、静脈内注射、ボーラス注入、5分から約5時間にわたる点滴など、あるいはこれらの組み合わせによる。いくつかの実施形態では、組成物は、疾患あるいは疾病の発症後に実行可能になるや否やすぐに、あるいは、例えば、約1か月から約3か月までなどの疾患の処置に必要な期間、投与される。いくつかの実施形態では、処置の長さは各個体で変動し、その長さは既知の基準を使用して決定される。いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも2週間、好ましくは約1か月−約5年、およびより好ましくは約1か月−約3年間投与される。
処置の方法:
本明細書において、ある実施形態では、個体における上皮細胞の増殖、細胞移動、および/またはEMTを防ぐか減らす方法が開示され、該方法は、(a)胎児支持組織の調製物;および、(b)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、あるいは担体を含む、治療上有効な量の注入可能な組成物を個体に投与する工程を含み、それによって、上皮細胞の増殖、細胞移動、および/またはEMTを防ぐか減らす。いくつかの実施形態では、EMTはPVR以外に疾患に関連している。
本明細書において、ある実施形態では、個体における増殖性硝子体網膜症(PVR)を処置するか、あるいは防ぐ方法が開示され、該方法は、(a)胎児支持組織の調製物;および、(b)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、あるいは担体を含む治療上有効な量の注入可能な組成物を個体に投与する工程を含み、それによって、PVRを処置するか、あるいは防ぐ。
いくつかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、HC−HA/PTX3を含む。いくつかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、精製されたHC−HA/PTX3を含む。いくつかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、超遠心分離機にかけられたHC−HA/PTX3を含む。いくつかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、精製されたHC−HA/PTX3からなる。いくつかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、再構成されたHC−HA/PTX3を含む。いくつかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は、以下を含む:インター−α−トリプシン阻害剤(IαI)の重鎖への共有結合によって架橋される高分子量ヒアルロナン(HA)であって、1000kDa以上の分子量を有する高分子量HA。いくつかの実施形態では、調製は以下を含む:ペントラキシン3(PTX−3)。いくつかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は以下を含む:腫瘍壊死因子刺激遺伝子6タンパク質(TSG−6)。いくつかの実施形態では、胎児支持組織の調製物は以下を含む:トロンボスポンジン−1(TSP−1)。いくつかの実施形態では、組成物中のHAに対する総タンパク質の比率は、500部のタンパク質:1部のHA未満である。いくつかの実施形態では、組成物中の総タンパク質に対するHAの比率は、500部のHA:1部のタンパク質未満である。
いくつかの実施形態では、上皮細胞はヒト上皮細胞である。いくつかの実施形態では、ヒト上皮細胞は網膜色素上皮細胞(RPE)である。いくつかの実施形態では、ヒト上皮細胞は腎上皮細胞である。いくつかの実施形態では、ヒト上皮細胞は角膜上皮細胞である。いくつかの実施形態では、ヒト上皮細胞は角膜縁上皮細胞である。いくつかの実施形態では、ヒト上皮細胞は結膜上皮細胞である。
いくつかの実施形態では、組成物は、成長因子またはサイトカインの活性を阻害するか抑えることによって、上皮細胞の増殖とEMTを防ぐ。いくつかの実施形態では、成長因子とサイトカインは以下からなる群から選択される:EGF、FGF−2、PDGF−A、PDGF−AB、PDGF−B、PDGF−C、TGF−β1、TGF−β2、TGF−β3、CTGF、HGF、IGF−1、G−CSF、IL−6、MCP−1、TNF−α、VEGF、およびIFN−γ。いくつかの実施形態では、組成物は、増殖とEMTを阻害するために上皮細胞中のシグナル伝達経路を阻害する。いくつかの実施形態では、シグナル伝達経路は、古典的Wntシグナル伝達とTGF−β誘発性のSmad/ZEBシグナル伝達である。
いくつかの実施形態では、組成物は、胎盤組織、臍帯組織、臍帯羊膜組織、胎盤の羊膜組織、羊膜間質組織、羊膜−絨毛膜組織、絨毛膜組織、羊水、あるいはこれらの組み合わせから調製された胎児支持組織を含む。いくつかの実施形態では、胎盤組織、臍帯組織、羊膜組織、絨毛膜組織、あるいはこれらの組み合わせは均質化されるか、微粉砕されるか、粉砕される。いくつかの実施形態では、胎盤組織、臍帯組織、羊膜組織、絨毛膜組織、あるいはこれらの組み合わせは新鮮であるか、冷凍されるか、あるいは前もって冷凍される。いくつかの実施形態では、組成物は、胎児支持組織の調製物と、薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、あるいは担体を含む。いくつかの実施形態では、組成物は水性のアジュバントをさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は局所投与向けである。いくつかの実施形態では、組成物は注入向けである。いくつかの実施形態では、組成物は、眼内注射、網膜下注射、硝子体内注射、眼周囲注射、結膜下注射、眼球後注射、前房内注射、あるいは テノン嚢下注射のために製剤される。
本明細書に開示された方法には研究と臨床応用を含む多くの用途がある。いくつかの実施形態では、生理学の所望の調節を達成するために、方法は組織または細胞に適用される。いくつかの実施形態では、方法は所望の効果を達成するために、細胞培養または組織培養で使用される。
いくつかの実施形態では、方法は組織中のアポプトーシスを防ぐか、減少させるか、あるいは処置するために使用される。いくつかの実施形態では、方法は、損傷を受けた組織中のアポプトーシスを減少させるか、あるいは防ぐために使用される。いくつかの実施形態では、方法は移植の前に保存されている臓器の寿命を長くするために使用される。いくつかの実施形態では、方法は外科手術処置の間または後に、損傷を処置するか防ぐために使用される。
いくつかの実施形態では、方法は移植の前に組織(例えば角膜)を保護するのに役立つ。いくつかの実施形態では、方法は保存プロセスにより細胞の損傷を減少させる。いくつかの実施形態では、方法は移植または外科手術処置の前に保存されている組織で生じる分解の量を減少させるために使用される。いくつかの実施形態では、調製物または組成物は、コラーゲンおよび/またはHAとともに、あるいは伴わずに、保存媒体に加えられる。目、臓器、皮膚などの保存された組織は、組成物が加えられるときに生じる細胞のアポプトーシスの減少から利益を得ることがある。
いくつかの実施形態では、方法はドナー組織が収集された後に移植まで保存媒体にドナー組織を保存する工程をさらに含む。いくつかの実施形態では、組成物は細胞のアポプトーシスを防ぐために保存媒体に加えられる。いくつかの実施形態では、組成物は角膜縁上皮幹細胞を保護するために保存媒体に加えられる。いくつかの実施形態では、組成物は細胞(例えば角膜実質細胞)のアポプトーシスを防ぐために細胞培養培地または消化媒体に加えられる。本明細書に記載される研究が、ディスパーゼ消化(PRKと再発性角膜びらん中のエキシマー剥離などの手術によるおよび病的な発作をそれぞれ模倣する処置)の間の組成物のインキュベーションにより、上皮細胞と角膜実質細胞の両方のアポプトーシスが著しく減少したことを示すからである。いくつかの実施形態では、組成物は、角膜実質細胞のアポプトーシスを減少させ、従って、角膜薄濁を減少させようとするべく機械的な掻取またはエキシマレーザー光切除を受ける目に投与される。いくつかの実施形態では、基底膜が角膜実質細胞アポプトーシスを減少させるために溶かされる場合に、方法は、再発性角膜びらんまたは円錐角膜などの外科的な状態または疾患で使用される。
いくつかの実施形態では、方法は、筋線維芽細胞から繊維芽細胞までAMSCの表現型の逆転をもたらすために使用される。いくつかの実施形態では、方法は様々な細胞タイプの分化を防ぐか遅らせるために使用される。いくつかの実施形態では、多くのタイプの細胞は方法で処置される。この方法は、培養物を望ましくない細胞タイプに分化させることなく、細胞培養を拡張するのに特に有用である。
キット/製造品:
本明細書に記載された方法で使用するために、キットと製品も本明細書に記載されている。いくつかの実施形態では、キットは、バイアル、チューブなどの1つ以上の容器を受け取るために仕切られる担体、包装、あるいは容器を含み、容器の各々は本明細書に記載される方法で使用される別々の要素の1つを含む。いくつかの実施形態では、容器は瓶、バイアル、シリンジ、あるいは試験管である。いくつかの実施形態では、容器はガラスまたはプラスチックなどの様々な材料から形成される。いくつかの実施形態、キットは、本明細書で開示される組成物を含む1以上のあらかじめ充填されたシリンジを含む。
いくつかの実施形態では、製品は包装材料を含んでいる。医薬品を包装する際に使用される包装材料は当業者に周知である。医薬包装材料の非限定的な例としては、限定されないが、ブリスターパック、瓶、チューブ、吸入器、ポンプ、バッグ、バイアル、容器、シリンジ、瓶、および選択された製剤や投与と処置の意図した形態に適している任意の包装材料が挙げられる。本明細書で提供される多くの調製物と組成物は、任意の疾患、障害、あるいは疾病のための様々な処置と同様に企図される。
いくつかの実施形態では、容器は、随意に組成物中で、あるいは本明細書で開示されるような別の薬剤と組み合わせて、胎児支持組織の1つ以上の調製物を含む。いくつかの実施形態では、容器は無菌のアクセスポートを含む。いくつかの実施形態では、容器は静脈用注射液バッグあるいはバイアルである。いくつかの実施形態では、無菌のアクセスポートは皮下注射針によって貫通可能な栓である。いくつかの実施形態では、キットは、特定する記載またはラベル、あるいは本明細書に記載された方法でのその使用に関する説明書を備えた組成物を含む。
いくつかの実施形態では、キットは1つ以上の追加の容器を含み、容器の各々は、胎児支持組織を含む組成物の使用について、商業的検知とユーザーの見地から望ましい様々な材料(随意に濃縮された形態の試薬、および/またはデバイスなど)の1つ以上と共にある。こうした材料の非限定的な例としては、限定されないが、緩衝液、賦形剤、フィルタ、針、シリンジ;担体、包装、容器、バイアルおよび/または、内容物および/または使用の説明書を列挙したチューブラベルが挙げられる。いくつかの実施形態では、説明書のセットが含まれている。
いくつかの実施形態では、ラベルは容器上にあるか、あるいは容器に付属している。いくつかの実施形態では、ラベルを形成する文字、数、あるいは他の特徴が容器自体に付けられるか、成型されるか、エッチングされる場合、ラベルは容器上にある。いくつかの実施形態では、ラベルが容器を保持する入れ物または担体内に例えば添付文書として存在する場合、ラベルは容器に付属している。いくつかの実施形態では、ラベルは、内容物が特定の治療適用のために使用されることになっていることを示すために使用される。いくつかの実施形態では、ラベルは、本明細書に記載される方法でのように、内容物の使用説明書を示す。
ある実施形態では、注入可能な組成物は、本明細書で提供される注入可能な組成物を含む1以上の単位剤形を含んでいるパックまたはディスペンサデバイスで提示される。いくつかの実施形態では、パックは、ブリスターパックなどの金属あるいはプラスチックホイルを含む。いくつかの実施形態では、パックまたはディスペンサデバイスには投与のための説明書が添えられる。いくつかの実施形態では、パックまたはディスペンサデバイスには、医薬品の製造、使用、または販売を規制する政府機関によって規定された形態の容器に関連する通知が添えられ、当該通知は、ヒトまたは動物の投与に関する薬物の形態の政府機関による承認を反映している。いくつかの実施形態では、通知は、処方薬あるいは承認された製品の挿入物に関する米国食品医薬品局によって承認されたラベリングである。いくつかの実施形態では、注入可能な組成物は調製されるか、適切な容器に入れられるか、あるいは示された疾患の処置のためにラベルが付される。
本明細書に記載された組成物と方法は、以下の実施例でさらに詳細に提供される。これらの実施例は一例として提供され、いかなる方法でも本発明を制限するようには意図されていない。
実施例1:実施例の調製
注入可能な組成物は、それぞれ商業的供給源から得られるHA、TSG−6、PTX−3、およびTSP−1それぞれ10mgを、胎盤組織、臍帯組織、羊膜組織、絨毛膜組織、あるいはこれらの組み合わせを含む100mgの調製物と混合することにより調製され、その後、0.9%の無菌の食塩水10mLと混合される。混合物を、注入による投与に適した投与量単位の形態に組み込む。
実施例2:羊膜成分の特性付け材料と方法
各抽出物中のタンパク質の濃度はBCAタンパク質アッセイキット(Pierce, Rockford, IL)によって定量化された。各抽出物中のヒアルロン酸(HA)の濃度は、HAの階段希釈によって調製されたメーカーによって提供される標準曲線を使用して、ELISAに基づいてヒアルロン酸(HA)の定量試験キット(Corgenix、Westminster、CO)で分析された。
ヒアルロニダーゼ消化によるHA分子量範囲解析
抽出物のHA分子量範囲は、Lee and Cowman (Lee H. G. and Cowman, M. K. An Agarose Gel Electrophoretic Method for Analysis of Hyaluronan Molecular Weight Distribution. Analytical Biochemistry, 1994, 219, 278−287)に記載された方法に従ってアガロースゲル電気泳動によって分析された。サンプルは0.5%のアガロースゲル電気泳動にさらされ、その後、50%のエタノール中で0.005%のStains−All(Sigma、cat# 23096−0)を使用して染色した。ゲルを室温で光保護カバーの下で夜通し染色した(3−4時間のより短い染色時間でも許容可能な結果を得ることができる)。ゲルをHOに移すことによって汚れを除いた後にHAをブルーバンドとして可視化し、およそ6時間間、室内照明に晒した。分子量基準は、MWで0.9から5.7×10までの範囲の、λDNA−BstE II消化制限酵素断片(cat# D9793、Sigma)を含んでいた。HAの確実性は、ヒト臍帯から精製された高MW HA(cat# H1876、Sigma)の陽性対照を使用して、37°Cで2時間、反応緩衝液(50mMのトリス−HCl、pH7.5、0.1MのNaCl、1%のトリトンX−100、上記のプロテアーゼで補われた0.1%のBSA、およびホスファターゼ阻害剤)中で10単位/mlのヒアルロニダーゼ(Sigma#H1136)を用いるまたは用いない抽出物のインキュベーションによってさらに証明された。
ウエスタンブロット解析
上記の抽出物は、4−15%の変性されたアクリルアミドゲル上で電気泳動にかけられ、およびニトロセルロース膜に移され、その後、ウサギ抗ヒトインターαトリプシン阻害剤(ウサギポリクローナル抗体(cat# A0301,1:1000のDAKO)、ウサギ抗ヒトTSG−6ポリクローナル抗体(1:1000の希釈でDr.Tonyによって提供された)、ラットモノクローナル抗PTX3抗体(Alexis Biochemicals, ALX−804−464、1μg/ml)、Calbiochem(Cat# BA24)から得られた抗トロンボスポンジン−1抗体と、ヤギ抗ヒトSmad7抗体(AF2029、1:1000、R & D Systems)を用いて免疫ブロットされた。免疫反応性タンパク質バンドはWestern LightingTM Chemiluminesence Reagent (PerkinElmer)によって検知された。
結果
実験は、水溶性のAM抽出物を10分間90°Cであらかじめ加熱した時に、TGFβ1プロモーター活性に対する観察された抑制効果が止まったことを示しており、原因となる成分が立体構造が重要なタンパク質を十中八九含んでいることを示唆した。
AM抽出物中のHAとタンパク質の定量化
結果が表1に要約され、AMとゼリーのすべての抽出物がHAとタンパク質の両方を含んでいることを示した。一般に、タンパク質とHAの間の重量比は、AMのための遠心分離後に上清(例えば、PBSのLとH、緩衝液AのA)よりも、全抽出物において高く、ほとんどのタンパク質含有材料が遠心分離によって除去されたことを示唆している。しかしながら、この傾向はAMゼリー中では顕著ではなく、このことはAM抽出物がゼリーよりも多くのタンパク質を含んでいることを示唆していた(PBS下のTとA/B/Cの下のTを参照)。タンパク質とHAの間の比率も、AMとAMゼリーの両方に関して抽出物AからBおよびCまでで増加しており、HAが多くは溶解可能な形態で存在することをさらに裏付けており、逆に、タンパク質が不水溶性の成分中でより多く見つかった。さらに、HAは、A/B/C中の遠心分離の後にAMゼリーから大部分が取り除かれた。
様々なAM抽出物中のHAは100万ダルトンを超える分子量を有する。
高分子量(>10ダルトン)のHAは全抽出物と抽出物A中に存在した(図10)。しかしながら、さらに高いMWのHAが抽出物B中に存在したが、その一方でHAは、抽出物C中のさらに高いMWの狭い帯域で見られた(図10)。HAを含む成分はヒアルロニダーゼ消化後に消え、このことはそれらが確かにHAを含んでいたことを確認するものである。Sigma(cat# H1136)から得られたHAの陽性対照と比較して、同じ高分子量(>10ダルトン)のHAも、低速および高速の遠心分離の後に得られた両方の上清中で見られた(図11)。再度、こうしたHAを含むバンドはヒアルロニダーゼ消化後に消えた。AMゼリーについても同様の結果が得られた。インター−α−トリプシン阻害剤(IαI)は様々なAM抽出物中に存在しており、その重鎖(HC)はHAと共有結合していた。
図12は、ヒアルロニダーゼによる消化の前に、遊離重鎖が様々な複合体中で見られ、少量の軽鎖も存在したことを示した(UTIあるいはビクニン)。しかしながら、すべての抽出物において、つまり、総抽出物と抽出物A、B、およびCにおいて、ヒアルロニダーゼ消化の後にだけIαIの重鎖が放出されたので、IαIのHAと重鎖の間に共有結合された複合体もあった。2つの異なる速度の遠心分離(図13)によって得られた抽出物HとLでも同じ結果が得られた。腫瘍壊死因子刺激遺伝子6(TSG−6)もAM中に存在した。
図14は、TSG−6(約38kDa)が総抽出物、抽出物AとC中に存在したことを示した。抽出物Aでは、約38kDaのバンドは、精製されたTSG−6のバンド(35kD)に近づいた。約45kDaと55kDaの他のバンドの同一性は不明であった。総AM抽出物(遠心分離せず)「T」は2本のバンド(両方とも35kDを超える)を示し、高い方(55kD)は抽出物Aで(遠心分離後に)見られ、低い方(45kD)は抽出物Cで見られた。サンプルがヒアルロニダーゼ(図14)あるいはF−グリコシダーゼ(図15)で処置されたとき、上記のバンドのすべては有意には変化しなかった。しかしながら、コンドロイチン硫酸ABCリアーゼで消化すると、抗体RAH−1(図16)を使用してより顕著な38kDバンドが見られたが、抗体MAB2104(図17)を使用すると見られなかった。ペントラキシン−3(PTX−3)はほとんど水溶性のAM抽出物中に存在したが、HAを備えた複合体を形成した。
図18は、PTX3がAM抽出物中にも存在し、水溶性抽出物Aの中でのみHAと複合化したことを示した。トロンボスポンジン−1(TSP−1)は様々なAM抽出物中に存在した。
図19は、すべてのAM抽出物がTSP−1の高分子量バンドを有していたが、一方で、総抽出物(T)と抽出物Cがさらに、35−120kDaの間の複数のバンドを有していたことを示した。ヒアルロニダーゼ消化は、複数のバンドが若干強くなったか弱くなったことを除けば、反応的なパターンを変更しなかった。Smad7はほとんどが不水溶性のAM抽出物中に存在していた。
Smad 7は、AMのPBS抽出物と尿素抽出物の両方で見られた(図20)。
実施例3:シグナル伝達経路は、上皮細胞の増殖とEMTを制御する。
機能障害の上皮細胞による増殖とEMTは2つの主要な病的なプロセスである。裂孔原性網膜剥離(RRD)の間に、網膜色素上皮(RPE)細胞は硝子体へと分散し、硝子体は近年になって識別されたような増殖性硝子体網膜症(PVR)の生物活性に必要な多くの成長因子とサイトカイン(例えば、EGF、FGF、PDGF、TGF−β、VEGF、およびIFN−γ)を含んでいる。成長因子が分散したRPE細胞の増殖とEMTにどのように貢献するのかを理解するために、コンフルエンス後7日間、接触阻止を呈するARPE−19細胞のインビトロ培養モデルを使用した。
EGTAによる接触阻止の摂動後、細胞の増殖(BrdU標識)およびEMT(N−カドヘリン、ZO−1 Na、K−ATPアーゼ、およびRPE65の正常なRPE表現型マーカーの喪失と、ビメンチン、S100A4、およびα−SMAの間葉系表現型マーカーの発現)は、EGFおよび/またはFGF−2の存在下でのみ誘発された。この病的なプロセスは、TCF/LEF転写活性化のアップレギュレーションと同様に、β−カテニンとLEFの核準位と相互作用の増大によって証拠づけられるように、古典的Wntシグナル伝達の活性化を必要とした。古典的Wntシグナル伝達の活性化は、Wnt阻害剤XAV939と、ブロック実験とレスキュー実験における構成的な活性なβ−カテニン(S33Y)の過剰発現とを用いて確認された。TGF−β1の添加はSmad/ZEB1/2シグナル伝達の活性化によってEMTをさらにもたらし、これは古典的Wntシグナル伝達の増殖と活性化を抑制した。さらに、EGF+FGF−2が引き金となって起きた古典的Wntシグナル伝達は十分なものであり、TGF−β1と協同してEMTを引き起こした(図1)。こうした発見により、PVRを防ぐためにこれらの2つのシグナル伝達経路を標的とする機械論的洞察が得られた。ARPE−19細胞株を使用するインビトロモデルは、PVRをより良く模倣するために増殖を開始させるべく、コンフルエントなセルにEGTAを加える代わりに、低細胞密度に基づいてさらに最適化された。その結果は、HC−HA/PTX3が非刺激ARPE−19細胞を傷つけなかったが(図5A)、EGF+FGF−2とEGF+FGF−2+TGF−β1それぞれによる刺激の後に、増殖(図5Bと5C)とリン酸化されたSmad2/3(図6Aと6B)の核局在化を有意に抑制したことを示した。インビトロモデルなどの確立により、本明細書に記載されるウサギPVR動物モデルにおけるインビトロ試験で使用されるHC−HA/PTX3の最適な投与量の測定が可能となる(図7A−D)。
実施例4:PVRの動物モデルの開発
PVRは、ヒトPVRを模倣するために、ガス圧縮硝子体切除による硝子体剥離と、その後のウサギRPE細胞の硝子体内注射によってウサギにおいて成功裡に再生された(図7A−7Dを参照)。ウサギが選ばれたのは、ヒトにおける網膜剥離をシミュレートし、PVRのような特徴を示す骨髄翼剥離を発症させることができるからである。
NZWウサギ(メス、生後3−7か月、体重1.5〜5.0kg)は、眼内圧を低下させて、かつ圧力の急激な上昇によって目が損傷を受ける可能性を減らすために行われた前房穿刺後に、間接検眼法を使用して直接可視化しながら角強膜縁よりも3mm後方で32ゲージ1/2インチの針を使って硝子体腔に0.3mlの100%C3F8ガスを注入することによる硝子体内へのガス注入によって硝子体切除を受けた。間接検眼法は正常血流が網膜にあることを保証するために行われた。眼内圧は、20mmHg未満になるまでパーキンス眼圧計を使用してチェックされた。PVRは、組織培養された合計して0.1mlの量の相同性の原発性ウサギRPE細胞から調製されていた2.0×10のウサギRPE細胞を、ベベル部を上方に向けた32ゲージ1/2インチの針を用いて、硝子体内に注射することによって作成され、(網膜障害を防ぐために、ゆっくりと)視神経乳頭の真正面の硝子体腔へ注入された。RPE細胞を用いるHC−HA/PTX3の処置が同時である場合には、PBSあるいは2回の異なる用量のHC−HA/PTX3を、同様に対照ウサギあるいは処置されたウサギの硝子体腔にそれぞれ注入した。RPE細胞を用いるHC−HA/PTX3の処置がその後に続く場合、PBSとHC−HA/PTX3は1週間後に硝子体腔に注入された。各条件において、ウサギをすぐに仰向けにして1時間寝かせ、細胞と試薬を網膜の血管翼に行き渡らせた。
硝子体内へのHC−HA/PTX3あるいは生理食塩水の注射の4週間後、ウサギを、Euthasol(390mg/mL/kg、静脈内)を用いた麻酔の過剰投与によって安楽死させた。眼球をすべての結膜の組織とともに摘出し、10%のホルマリンで固定した。目の検視を行い、その後、頭頂部を取り除いて解剖を行った。摘出された目の肉眼による解剖検査は、Nikon D600カメラを使用して撮影された(図7Cと図7D)。
実施例5:HC−HA/PTX3はAMの治療効果の原因となる特有のマトリックス成分である。
排卵された卵母細胞を囲む卵丘卵母細胞複合体で最初に見られるHC−HA/PTX3複合体は、受精において重大な役割を果たす。HC−HA/PTX3はヒトAM中に十分に存在し、この発見が以下の複数の面白い発見につながった:(1)AMの上皮細胞と間質細胞は、HC−HA/PTX3生合成に必要な成分(HA、HC1、HC2、ビクニン、TSG−6、およびPTX3)をすべて発現する(図2A);(2)AM抽出物(AME)から精製されたHC−HA/PTX3は、IαIの共有結合したHC1と、密接に結合したPTX3(図2B−2D)とを含むが、HC2、ビクニン、あるいはTSG−6を含まないHMW HA(>3000kDa)からなる;(3)HC−HA/PTX3は、以下に簡潔に要約される、AMの治療効果の原因となる。
AMドナーの各ロットから調製されたHC−HA/PTX3が確実に生化学的かつ機能的に一貫するように、GMP設備下で最適化されたSOPを使用する製造プロセスを確立した。異なるAMドナーからのHC−HA/PTX3の収率は変動したが、破骨細胞中の酒石酸塩抵抗性の酸性ホスファターゼ活性の阻害とIFN−γ/LPSで刺激されたマクロファージでのマクロファージM2極性化の促進とに基づいて開発された効力検定では、有意差は観察されなかった。結果として、インビトロとインビボでの研究で使用されるHC−HA/PTX3の各ロットの放出を有効にする基準材料が確立された。
好中球とマクロファージを関与させる炎症は、PVRの発症に重要な役割を果たす。ウサギの硝子体へのマクロファージの注入が網膜上膜、後部硝子体剥離、および網膜剥離を誘発した。マクロファージは、繊維芽細胞様細胞へ分化形質転換し、成長因子(例えばPDGF)を分泌し、これらがPVRの原因における2つの重要な事象であるRPE細胞の増殖とEMTの原因である。HAではなく溶解可能なHC−HA/PTX3は、著しく活性化された(fMLPまたはLPSによって)好中球だが休止しない好中球のアポプトーシスを促進した。同様に、HAではなく溶解可能なHC−HA/PTX3が、活性化された(IFN−γ、LPS、あるいは、IFN−γ/LPS)が静止していないマクロファージのアポプトーシスを用量依存的に促進した。加えて、HAではなく溶解可能で固定化されたHC−HA/PTX3が、マクロファージによるアポトーシスの好中球の食作用を促進した。固定化されたHC−HA/PTX3は、LPS−あるいはIFN−γ/LPS活性化マクロファージの抗炎症性のM2極性化を促進した。加えて、そうしたM2極性化は、Th17細胞を活性化するために活性化マクロファージと樹状細胞によって産生されたIL−23の顕著なダウンレギュレーションと結び付けられた。結果的に、HC−HA/PTX3の結膜下注射は、マウス中の同種異型の角膜移植の生存時間を延ばした。これらのデータは、HC−HA/PTX3が好中球とマクロファージの両方を媒介とした炎症を抑えることができる新規な複合体であるという概念を裏付けるものである。
実施例6:HC−HA/PTX3は、ヒト角膜縁上皮前駆体とニッチ細胞中での古典的Wntシグナル伝達をダウンレギュレートした。
AMは、β−カテニンの発現、リン酸化、および各移行のダウンレギュレートにより、ヒトの結膜上皮扁平上皮化生を阻害した。さらに、HC−HA/PTX3は、ヒト角膜縁上皮前駆細胞(LEPC)とニッチ細胞(LNC)における古典的Wntシグナル伝達をダウンレギュレートした。特に、固定化されたHC−HA/PTX3は、Wnt Signaling Pathway RT Profiler PCR Array Plateによって測定されるように、古典的ではないが非古典的なWntリガンド(例えば、Wnt2B、Wnt3A、Wnt5A、Wnt5B、Wnt7A)、Wnt負の制御因子、および平面内細胞極性(PCP)因子の転写物発現をアップレギュレートした(図3A)。免疫染色データは、固定化されたHC−HA/PTX3が、3Dマトリゲルにおいて播種された陽性対照細胞で示されるようにβ−カテニンの各移行を防ぐことをさらに確認した。対照的に、転写物発現(図3A)と、非古典的Wnt(PCP)シグナル伝達の中心的存在であるC−JUNの各移行(図3B)とは、3Dマトリゲルではなく固定されたHC−HA/PTX3上で播種されたときに、LNCで顕著であった(図3A)。非古典的Wnt(PCP)シグナル伝達の活性化は古典的Wntシグナル伝達の活性化を抑えることが知られていることに注意する。
実施例7:HC−HA/PTX3はヒトの角膜繊維芽細胞(HCF)において古典的TGF−β1/Smadシグナル伝達をダウンレギュレートする。
TGF−β1、2、3、およびTGF−βRII転写物の発現(ノーザン法を使用する)は、AM間質上で培養されたHCFとヒトの角膜縁と結膜の繊維芽細胞中でダウンレギュレートされる。AMEは細胞集合を引き起こし、筋線維芽細胞によるα−SMAの発現を防ぐ。AM間質上で播種されたヒトとマウスの角膜実質細胞は、血清またはTGF−β1にさらされてもpSmad2/3の各移行を誘発することなく、その正常な表現型を維持した。溶解可能なHC−HA/PTX3は、HCFのTGF−β1プロモーター活性を抑制した(図4A)。外因性のTGF−β1は、プラスチックと固定されたHAの両方に播種されたHCFにおいて、期待通りにTGF−β1をアップレギュレートするが、TGF−β2はアップレギュレートしない(図4B)。しかしながら、TGF−β1のアップレギュレーションは固定されたHC−HA/PTX3では観察されなかった。驚くことに、抗瘢痕アイソフォームであるTGF−β3は、TGF−β1−を用いて、あるいは用いずに、HC−HA/PTX3によってのみアップレギュレートされた(図4C)。TGF−βRIIの発現は、TGF−β1負荷後にHC−HA/PTX3上でほぼ皆無になるまで減らされた(図4D)。予想通りに、外因性のTGF−β1は、プラスチックとHAでのHCFにおいてpSmad2/3の各移行(図4E)とα−SMAの正の細胞質の発現(図4F)を引き起こした。しかしながら、HC−HA/PTX3は、HCFにおいてこれらのTGF−β1により引き起こされた変化を有効にブロックした。まとめると、HC−HA/PTX3は、古典的TGF−β1シグナル伝達をダウンレギュレートし、HCF中の外因性のTGF−β1が引き金となって起きた筋線維芽細胞分化を抑えた。
実施例8:保存されたヒト胎児支持組織の調製物
ヒトの胎盤は選択的な帝王切開による出産で集められた。胎盤を、上皮表面を上にして、ニトロセルロース紙(Hybond N+、Amersham、England)上で平らにした。胎児支持組織サンプルを、使用するまでDMEM/グリセロール1:2(v/v)で−80°Cで保存した。
実施例9:羊膜抽出物の調製物
新鮮な凍らせたヒト胎盤をBio−tissue,Inc.(Miami、FL)から入手した。ヒトの総AM抽出物(AME)の調製のための全手順は、その後の細胞培養に基づく実験に使用されるように無菌的に行われた。AMを小片にスライスして、BioPulverizer(BiospecProducts,Inc.,Bartlesville、OK)の樽に入れ、液体窒素で凍らせて、微粉砕して細粉にし、重さを計った。プロテアーゼ阻害剤(プロテアーゼ阻害剤カクテル、P8340(Sigma)、1mMのPMSFで補足)とホスファターゼ阻害剤(50mMのフッ化ナトリウムと0.2mMのバナジン酸ナトリウム)を含む冷たい1xPBS緩衝液、pH7.4を1:1(ml/g)で粉末に加えた。その混合物を氷上で維持し、Tissue Tearor(Biospec Products,Inc.,Dremel、WI)で5回(各回1分)、2分間の冷却間隔時間を空けて均質化した。これらの水溶性抽出物を「総」AM抽出物(AME)として指定した。
総AM抽出物を2つの50mlの円錐形の遠心分離管に分けた。1つは高速度(HS、48,000xg)で遠心分離機にかけられ、もう一方は4°Cにおいて低速度(LS、15,000xg)で遠心分離機にかけた。HSとLSの上清のアリコートを無菌の1.5mlのエッペンドルフチューブに移し、それぞれAM/HSおよびAM/LSとして指定した。所望のAM/HSサンプルを凍結乾燥の前に1時間−20C°Cで凍らせた。その後、サンプルを、キャップに穴を開けてFreeZone(Labconco、Kansas City、MO)のチャンバーに置いた。サンプルを5時間0.85mBarの真空で−50°Cで凍結乾燥させた。使用前に、サンプルを無菌の蒸留したHOで同じ量になるまで再構成させた。同じ方法を用いて、AMゼリーから抽出物を調製した。これはAM間質上の接着材料から容易にこすり落とされた。
実施例10:すべての溶解可能なヒト羊膜と羊膜ゼリー抽出調製物
冷凍のヒト胎盤材料をBio−tissue、Inc.(Miami、FL)から入手した。ヒトの総AM抽出物(AME)の調製のための全手順は、その後の細胞培養に基づく実験に使用されるように無菌的に行われた。AMを小片にスライスして、BioPulverizer(BiospecProducts,Inc.,Bartlesville、OK)の樽に入れ、液体窒素で凍らせて、微粉砕して細粉にし、重さを計った。プロテアーゼ阻害剤(プロテアーゼ阻害剤カクテル、P8340(Sigma)、1mMのPMSFで補充)とホスファターゼ阻害剤(50mMのフッ化ナトリウムと0.2mMのバナジン酸ナトリウム)を含む冷たい1xPBS緩衝液、pH7.4を1:1(ml/g)で粉末に加えた。その混合物を氷上で維持し、Tissue Tearor(Biospec Products,Inc.,Dremel、WI)で5回(各回1分)、2分間の冷却間隔時間を空けて均質化した。これらの水溶性抽出物を「総」AM抽出物(AME)として指定した。
総水溶性抽出物は4C°で1時間混合され、その後、30分間4°Cで2つの異なる速度での遠心分離(つまり、15000xg、48000xg)にかけられ、結果として生じた上清をそれぞれLとHとして指定した。上清をそれぞれアリコートに分割して、−80°Cで保存した。この方法を用いてAMゼリーから抽出物を調製した。これはAM間質上の接着材料から容易にこすり落とされた。
実施例11:様々な緩衝液と分画方法によるすべての溶解可能なヒト羊膜と羊膜ゼリー抽出物
様々な抽出緩衝液中で調製物を調べる際に、上記から調製されるような粉末の重さを計り、1時間4°Cで撹拌しながら、1:1比率でAM:緩衝液(m1)のAMの湿重量(g)で、これを緩衝液A(等張性の低塩):100mMのトリス−HCl、pH7.6、150mMのNaCl、4mMのEDTA、1%のトリトンX−100と混合した。48000xgでの遠心分離後に、結果として生じたペレットをその後、1時間4°Cで撹拌することによって、緩衝液B(高塩):100mMのトリス−HCl、pH7.6、1MのNaCl、4mMのEDTA、1%のトリトンX−100によって抽出した。再び、48000xgでの遠心分離後に、ペレットを、24時間間4°Cで撹拌しながら、緩衝液C(4Mの塩酸グアニジン):100mMの酢酸ナトリウム、pH5.8、4Mの塩酸グアニジン、4mMのEDTA、1%のトリトンX−100によって最後に抽出した。上記の3つの緩衝液をすべて、以下のプロテアーゼとホスファターゼの阻害剤:1μg/mlのアプロチニン、1μg/mlのロイペプチン、1μg/mlのペプスタチンA、0.5mMのPMSF、50μMのフッ化ナトリウム、および0.2μMのバナジン酸ナトリウムで補充した。抽出物A、B、およびCとして指定された結果として生じた上清を、6時間4°Cで0.5mMのPMSFで補充した透析緩衝液(50mMのトリス−HCl、pH7.5、0.15MのNaCl)に対して透析した。透析緩衝液は、各々500x(透析緩衝液:サンプルの容積比)で2回変更した。透析後、各サンプルの量を測定し、透析緩衝液と同じ量に調節した。同じ方法を用いてAMゼリーから抽出物を調製した。これは容易にこすり取ることができるAM間質上の接着材料であった。
実施例12:PBS中のすべての溶解可能なヒト羊膜抽出物の調製物
すべての溶解可能なヒトAM抽出物(T)の調製のための全手順は、その後の細胞培養に基づく実験に使用されるように無菌的に行われた。凍らせたヒト胎盤をBio−Tissue,Inc.(Miami、FL)から入手し、それからAMを回収した。AMを小片にスライスして、BioPulverizer(BiospecProducts,Inc.,Bartlesville、OK)の樽に入れ、液体窒素で凍らせて、微粉砕して細粉にした。粉末の重さを計り、1:1(ml/g)でプロテアーゼ阻害剤(プロテアーゼ阻害剤カクテル、P8340(Sigma)、1mMのPMSFで補充)とホスファターゼ阻害剤(50mMのフッ化ナトリウムと0.2mMのバナジン酸ナトリウム)を含む冷たいPBS緩衝液(10xPBS、cat# 70011−044、Invitrogen、Carlsbad、CAから、1xPBS pH7.4に蒸留したHOを加えることにより調製された)と混合した。その混合物を氷上で維持し、Tissue Tearor(Biospec Products,Inc.,Dremel、WI)で5回(各回1分)、2分間の冷却間隔時間を空けて均質化した。この水溶性抽出物を「総」(T)として指定した。総水溶性抽出物を4°Cにおいて1時間で混合し、48000xgで30分間4°Cで遠心分離機にかけた。上清をアリコートに分割して、−80°Cで保存した。
実施例13:水溶性のAMの間質抽出物の調製物
無菌技術を駆使して、Bio−Tissue,Inc.(Miami、FL)から入手した冷凍のヒトAMを元々の保存媒体を取り除くためにHBSSで簡単に2−3回洗った。AM間質をへらでこすり、液体窒素の空気相で冷凍し、BioPulverizer(Biospec Products,Inc.,Bartlesville、OK)によって微粒子に粉砕し、その後、1分間PBS、pH7.4中でTissue Tearor(Biospec Products,Inc.,Dremel、WI)を用いて氷の上で均質化した。ホモジネートを1時間回転により混合し、4°Cで30分間14,000xgで遠心分離機にかけた。その後、PBS中の上清を集めて、−80°Cのアリコートで保存した。タンパク濃度をBCAアッセイによって判定した。羊膜内の間質抽出物(ASE)として指定されたこの水溶性のタンパク質抽出物を、本明細書に記載された実験に使用した。
実施例14:AMの間質抽出物調製物
タンパク質抽出物の調製のための完全な手順は無菌的に行われた。Bio−Tissue,Inc.(Miami、FL)から入手した冷凍のヒトAMを、保存媒体を取り除くために、HBSS(Invitrogen、Carlsbad、CA)で簡単に2−3回洗った。AM間質をAM間質抽出物調製用のへらによってAMの間質側からこすり落とした。Baptist Hospital(Miami、FL)から入手した絨毛膜と同様に、ヒト胎盤も、血液を取り除くためにHBSSで3回すすいだ。水溶性タンパク質抽出物を調製するために、総AM、こすり落とされたAM間質、間質を除去したAM、胎盤、および絨毛膜をそれぞれ液体窒素の空気相で凍らせ、BioPulverizer(Biospec Products,Inc.,Bartlesville、OK)を用いてそれぞれ微粒子に粉砕して、その後、1分間PBS(pH7.4)中でTissue Tearor(Biospec Products,Inc.,Dremel、WI)を用いて氷の上で均質化した。ホモジネートをそれぞれ1時間混合し、4°Cにおいて30分間14,000gで遠心分離機にかけた。その後、(PBS中の)上清をそれぞれ−80°Cで集めて、アリコート(0.5ml)で保存した。BCAアッセイ(Pierce,Rockford、IL)を用いて様々な抽出物中の総タンパク質を定量化した。
実施例15:ヒトAM抽出物の水溶性および凍結乾燥させた粉末形態の調製
ヒトAM抽出物を調製するために、全手順は無菌的に行われた。別段の定めのない限り、手順の工程の間、AM抽出物を室温で扱った。まず、新鮮なあるいは冷凍のヒトAMを、好ましくはBio−Tissue,Inc.(Miami、FL)から入手した。冷凍のAMを、保存媒体を取り除くために、HBSS(Invitrogen、Carlsbad、CA)で簡単に2−3回洗った。新鮮なヒト胎盤あるいは絨毛膜を、血液を取り除くために、HBSSで3回すすいだ。
AM抽出物の水溶性の形態を調製するために、AM(例えば、AM間質、間質を取り除いたAM、胎盤、絨毛膜)を無菌の50mlの遠心分離管に移し、5000xgで5分間の4°Cで遠心分離機にかけることによって、過剰な流体を取り除いた。AMの重さを計り、100mmあるいは150mmの無菌のペトリ皿に移し、そして液体窒素容器の空気相で20分間冷凍することで、その後の均質化を促した。その後、冷凍のAMを使い捨てのメスで小片にスライスするか、BioPulverizer(Biospec Products,Inc.,Bartlesville、OK)あるいは他の適切なデバイスを使用して微粒子に粉砕して、リン酸緩衝食塩水(PBS)あるいは中性のpHのフェノールレッド(Invitrogen、Carlsbad、CA)を含まないDMEM中で、Tissue Tearor(Biospec Products,Inc.,Dremel、WI)あるいはの他の適切なデバイスを用いて均質化した。生化学的な特性付けと精製について、上記の溶液を以下のプロテイナーゼ阻害剤で補充した:1μg/mlのアプロチニン、1μg/mlのロイペプチン、1μg/mlのペプスタチンA、および1mMのPMSF。しかしながら、抽出物が細胞培養物に直接加えられることになっていた場合、プロテアーゼ阻害剤は加えられなかった。ホモジネートを30分間で4°Cで混合し、15,000xgで30分間、遠心分離機にかけた。上清(つまりAM抽出物)を−80°Cで集めて、アリコート(0.5ml)で保存した。BCAアッセイ(Pierce,Rockford、IL)を用いて各AM抽出物中の総タンパク質を定量化した。
AM抽出物の凍結乾燥させた粉末形態を調製するために、BioPulverizer(Biospec Products,Inc.,Bartlesville、OK)あるいは他の適切なデバイスを用いて冷凍のAMを粉砕して微粒子にし、本明細書に記載されるようにさらに均質化した。約0.5mlのアリコートを、4時間4°CでSpeedVac(Savant Instruments Inc.,Farmingdale、NY)によって凍結乾燥させることで、280mgから32mgまで重量を減少させた(約89%の減少)。凍結乾燥させた粉末の重さを計り、−80°Cで保存した。使用前に、凍結乾燥させた粉末を適切な緩衝液中で再構成させた。
AM間質抽出物を調製するために、基底膜と羊膜上皮を無傷にしたままAM間質を無傷の総AMの間質の表面からこすり落とし、冷凍のAM間質を本明細書に記載されるようにBioPulverizerを使用して粉砕した。間質を30分間4°Cで中性のpHを有するPBSで抽出し、30分間15,000xgで遠心分離機にかけた。上清を−80°Cで集めて、アリコート(0.5ml)で保存した。BCAアッセイ(Pierce,Rockford、IL)を用いて、AM間質の抽出物中の総タンパク質を定量化した。
実施例16:TGF−β1プロモーター活性の抑制
本明細書に記載された胎児の支持調製物と組成物は、本明細書に示されるようにTGF−β1プロモーター活性を抑える;したがって、本明細書に記載される胎児の支持調製物と組成物は、抗瘢痕、抗炎症、および抗抗血管新生の治療に使用することができる。冷凍の羊膜の胎児部分は新鮮な羊膜よりも著しく高い抗瘢痕効果を有し、冷凍の羊膜の胎盤部分も新鮮な羊膜よりも著しく高い抗瘢痕効果を有する。したがって、冷凍の胎児支持組織は、胎盤でも胎児部分でも、TGF−βにおいて新鮮な胎児支持組織よりも強力な抑制効果を示した。凍った胎児支持組織から得られた完全な胎児支持組織抽出物を媒介としたこの抑制効果は、0.4〜125μg/mlの範囲にわたって用量依存的であった(図8)。さらに、こうした抑制効果は、高いMW HA単独で(同等のAM抽出物の100xを超える)は置換することができず、ヒアルロニダーゼによる消化の後に失われ(図9)、このことは抑制効果がHA−IαIの間の複合体を媒介していたことを示唆している。低速または高速の遠心分離は抑制効果には著しい影響を与えなかった。しかしながら、その後の凍結乾燥と再構成はより強力な抑制効果をもたらした。さらに、AMの総抑制効果はAMゼリーよりも強力であった。
実施例17:細胞を培養するために用いられる胎児支持組織調製物と精製された組成物。
細胞分化プロセスに対する胎児支持組織の効果を調べるために、通路2でAMSCから分化した筋線維芽細胞は、AMの間質マトリックス上で二次培養され、対照としてコラーゲンIでコーティングされた皿の上で二次培養されたものと比較された。10%のFBSを用いてDMEM中で7日間の培養後、コラーゲンI上のAMSCは筋線維芽形状を維持した。対照的に、胎児支持組織間質マトリックス上に播種された細胞は、混合物を示した、丸状、紡錘状、細長い形状、および樹状の混合を呈した。したがって、いくつかの実施形態では、胎児支持組織調製物は脱分化能力を有しており、細胞分化を遅らせるために使用される。
実施例18:細胞移動とコラーゲンゲル収縮細胞培養と処置に対するHC−HA/PTX3の効果
ヒト二倍体RPE細胞株であるARPE−19は、5%のCOを含む湿った空気中において37°Cで10%のFBS、50units/mlのペニシリン、および50μg/mlのストレプトマイシンで補充された、HEPES緩衝化DMEMとHamのF−12(1:1)中で培養された。コンフルエンス後の実験について、細胞を、試験する前に100%のコンフルエンスで7日間継続的に培養した。低細胞密度アッセイについては、細胞を1x104/cmあるいは他の密度で一晩(20−24時間)播種し、その後、24−120時間または48時間(最適化後)成長因子とサイトカインを用いて処理した。血清飢餓の場合には、細胞を24時間、血清を含まない(SF)培地で培養し、その後、24−120時間、成長因子とサイトカインを用いて処理した。BrdU(10μM)標識は、成長因子/サイトカイン処置の停止反応の前に4時間行われた。
ヒトAMからのHC−HA/PTX3の精製
HC−HA/PTX3は、Bio−Tissue,Inc.(Miami、FL)によって提供される凍結保存されたヒト胎盤から調製された。同じドナーからのAMをPBS(pH7.4)によって抽出することで、報告したようなPBS抽出物が生成された。その後、抽出物を、15°Cで48時間35,000rpmで4MのGnHCl中で1.35g/mlの初期密度においてCsCl勾配で超遠心分離によって分画した(LM8モデル、SW41回転子、Beckman Coulter、Indianapolis、IN)。合計で12の画分(1ml/画分)を各超遠心管から集めた。各画分の重量を測定して密度を計算した。生化学分析(HA ELISA、BCAタンパク質アッセイ、およびウエスタンブロット、以下を参照)後に、HAを含むがタンパク質をほとんどまたはまったく含まない画分をプールし、1.40g/mlの当初の密度においてCsCl勾配で2回目の超遠心分離にかけた。選択的な画分(HAを含むがBCAアッセイによって測定され、HC−HA/PTX3と指定された検出不可能なタンパク質を含む)をプールし、蒸留水に対して透析し、凍結乾燥し、−80°Cで保存した。したがって、HC−HA/PTX3の量は、複合体中に存在するHA量に基づいて発現された。
細胞移動
EGF(10ng/ml)、FGF−2(20ngml)、およびTGF−β1(10ng/ml)を含むあるいは含まない0.5mlのDMEM/F12(1:1)を下方の区画に加え、その一方で、PBS(ビヒクル対照)、HA(25μg/ml)、あるいはHC−HA/PTX3(25μg/ml)で処置されたDMEM/F12(2×10/ml)中で再懸濁された0.1mlのARPE−19細胞を上方の区画に加えたときに、移動アッセイを24−ウェルのトランズウェルプレート(8μmの孔径、Costar、Kennebunk、ME)で行った。4時間の37°Cでのインキュベーション後、細孔を通らない細胞を綿交換(cotton swap)によって取り除き、一方、下方の区画に面するフィルタ上の細胞を5%のグルタルアルデヒドで固定し、1%のクリスタルバイオレットで染色し、各対照または処置の群につき6回の無作為の顕微鏡視野から数えた。
コラーゲンゲル収縮
冷たいDMEM/F12(2.5mg/ml)中の0.25mlのI型コラーゲン溶液(Corning,Bedford、MA)を24ウェルプレートの各ウェルに加え、その後、TGF−β1を含まないまたは含む(10ng/ml)0.5mlのARPE−19細胞あるいは原発性のヒトRPE細胞(各々5×10/ml)を加える前に、および、コラーゲンゲルの頂部でPBS(対照ビヒクル)、HA(25μg/ml)、あるいはHC−HA/PTX3(25μg/ml)を処置する前に、1時間37°Cでインキュベートした。24時間後、小さなへらを用いてゲルを培養ウェルの壁から取り除いた。コラーゲンゲルの画像をデジタル化し、その領域をNIH ImageJ 1.45ソフトウェアで測定した。ゲル収縮の割合は、当初のサイズ(0時間)と比較し、かつ群の中で比較する際に、72時間でゲルサイズを測定することにより決定された。
結果
HA(25μg/ml)と同様にHC−HA/PTX3(25μg/ml)も、EGF(10ng/ml)、FGF−2(20ng/ml)、およびTGF−β1(10ng/ml)の刺激下でARPE−19細胞の移動を完全に抑制した(図21)。対照的に、HAではなくHC−HA/PTX3は、ARPE−19細胞と原発性のヒトRPE細胞の両方において、TGF−β1で誘発されたコラーゲンゲル収縮を著しく減少させた(図22)。
好ましい実施形態が本明細書に示され記載されてきたが、こうした実施形態がほんの一例として提供されていることは当業者には明らかである。多くの変動、変化、および置換が生じることもある。上記の方法を実行する際に、本明細書に記載される実施形態の様々な代替物を採用することができるということを理解されたい。以下の請求項が実施形態の範囲を規定していること、およびこれらの請求項とその同等物の範囲内の方法と構造はそれによって含められるように意図されている。

Claims (29)

  1. 上皮細胞の増殖、細胞移動、または上皮間葉転換(EMT)を防ぐ又は減少させるための組成物であって、該組成物は、
    (a)胎児支持組織の調製物;および
    (b)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体を含む、組成物。
  2. 胎児支持組織が、胎盤、胎盤羊膜、臍帯、臍帯羊膜、絨毛膜、羊膜−絨毛膜、羊膜間質、羊膜ゼリー、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項1に記載の組成物。
  3. 胎児支持組織が、凍結されるか、または事前に凍結されている、請求項1に記載の組成物。
  4. 上皮細胞が、網膜色素上皮細胞(RPE)、結膜上皮細胞、角膜上皮細胞、角膜縁上皮細胞、および腎臓上皮細胞から選択される、請求項1に記載の組成物。
  5. 上皮細胞がヒト上皮細胞である、請求項1に記載の組成物。
  6. 胎児支持組織の調製物が、胎児支持組織の抽出物、ホモジネート、粉末、細分化された胎児支持組織、微粉砕された胎児支持組織、粉砕された胎児支持組織、精製されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせである、請求項1に記載の組成物。
  7. 組成物が、ゲル、溶液、または懸濁液である、請求項1に記載の組成物。
  8. 調製物がHC−HA/PTX3を含む、請求項1に記載の組成物。
  9. 組成物が局所投与のためのものである、請求項1に記載の組成物。
  10. 組成物が、眼内注射、網膜下注射、硝子体内注射、眼周囲注射、結膜下注射、球後注射、前房内注射、またはテノン嚢下注射のために製剤される、請求項1に記載の組成物。
  11. 増殖性硝子体網膜症(PVR)を処置または予防するための注入可能な組成物であって、該注入可能な組成物は、
    (a)実質的に分離されたHC−HA/PTX3、再構成されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせ;および
    (b)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体から本質的に成り、
    ここで組成物は注入に適している、組成物。
  12. HC−HA/PTX3が胎児支持組織から分離され、胎児支持組織が、胎盤、胎盤羊膜、臍帯、臍帯羊膜、絨毛膜、羊膜−絨毛膜、羊膜間質、羊膜ゼリー、またはそれらの組み合わせである、請求項11に記載の注入可能な組成物。
  13. 胎児支持組織が、凍結されるか、または事前に凍結されている、請求項12に記載の注入可能な組成物。
  14. 注入可能な組成物が、上皮細胞の増殖、細胞移動またはEMTを防ぐ又は減少させるのに有効な量である、請求項11に記載の注入可能な組成物。
  15. 上皮細胞が網膜色素上皮細胞(RPE)である、請求項14に記載の注入可能な組成物。
  16. 上皮細胞がヒト上皮細胞である、請求項14に記載の注入可能な組成物。
  17. 実質的に分離されたHC−HA/PTX3が、超遠心分離によって胎児支持組織から分離される、請求項11に記載の注入可能な組成物。
  18. 注入可能な組成物が、ゲル、溶液、または懸濁液である、請求項11に記載の注入可能な組成物。
  19. 注入可能な組成物が、眼内注射、網膜下注射、硝子体内注射、眼周囲注射、結膜下注射、球後注射、前房内注射、またはテノン嚢下注射のために製剤される、請求項11に記載の注入可能な組成物。
  20. 増殖性硝子体網膜症(PVR)を処置または予防するための注入可能な組成物であって、該注入可能な組成物は、
    (a)実質的に分離されたHC−HA/PTX3、再構成されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせ;
    (b)追加の治療薬;および
    (c)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体から本質的に成り、
    ここで注入可能な組成物は注入に適している、注入可能な組成物。
  21. 増殖性硝子体網膜症(PVR)を処置または予防するための注入可能な組成物であって、該注入可能な組成物は、
    (a)HC−HA/PTX3および胎児支持組織の少なくとも1つの他の成分を含む、胎児支持組織の調製物;および
    (b)薬学的に許容可能な希釈剤、賦形剤、ビヒクル、または担体を含み、
    ここで注入可能な組成物は注入に適している、注入可能な組成物。
  22. 胎児支持組織が、胎盤、胎盤羊膜、臍帯、臍帯羊膜、絨毛膜、羊膜−絨毛膜、羊膜間質、羊膜ゼリー、羊水、またはそれらの組み合わせである、請求項21に記載の注入可能な組成物。
  23. 胎児支持組織が、凍結されるか、または事前に凍結されている、請求項21に記載の注入可能な組成物。
  24. 注入可能な組成物が、上皮細胞の増殖、細胞移動またはEMTを防ぐ又は減少させるのに有効な量である、請求項21に記載の注入可能な組成物。
  25. 上皮細胞が網膜色素上皮(RPE)細胞である、請求項24に記載の注入可能な組成物。
  26. 胎児支持組織の調製物が、胎児支持組織の抽出物、微粒子化された胎児支持組織、ホモジネート、粉末、細分化された胎児支持組織、微粉砕された胎児支持組織、粉砕された胎児支持組織、精製されたHC−HA/PTX3、またはそれらの組み合わせである、請求項21に記載の注入可能な組成物。
  27. 注入可能な組成物が、ゲル、溶液、または懸濁液である、請求項21に記載の注入可能な組成物。
  28. 胎児支持組織が、ヒト、ヒト以外の霊長類、ウシ、またはブタである、請求項21に記載の注入可能な組成物。
  29. 注入可能な組成物が、眼内注射、網膜下注射、硝子体内注射、眼周囲注射、結膜下注射、球後注射、前房内注射、またはテノン嚢下注射のために製剤される、請求項21に記載の注入可能な組成物。
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