JP3934539B2 - 胎盤等由来の成体又は生後組織の前駆細胞 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、様々な臓器又は組織を構成する細胞に分化する能力を有する前駆細胞(又は幹細胞)のソースとしての胎盤、臍帯又はこれらに含まれる血液に由来する細胞(以下「胎盤等由来細胞」という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】
臓器再生のために必要な技術として、幹細胞の採取、調整がある。従来用いられてきた、あるいは用いることを想定されてきた幹細胞としては、大きく分けて自己組織幹細胞(レシピエント由来の造血幹細胞、間葉系幹細胞、肝幹細胞、神経幹細胞など)、アロ組織幹細胞(アロ由来の造血幹細胞、間葉系幹細胞、肝幹細胞、神経幹細胞など)、異種組織幹細胞、胚性幹細胞又は始原生殖細胞由来細胞株(ES細胞又はEG細胞)がある。
このうち自己組織幹細胞は、ドナーとレシピエントが同一の個体であるが、ドナー(レシピエント)に対する侵襲が大きい(骨髄採取など)、十分な数の幹細胞が得られない(ドナー(レシピエント)自身は一人又は一匹しかいないので、安全に採取できる範囲内では少数しか得ることができない場合がある。また多くの幹細胞はex vivoで増幅することが技術的に難しい)、治療に時間的に間に合わない(レシピエント自身から採取するため、病気になる前から総ての幹細胞をあらかじめ準備しておくということは困難である。病気の種類によっては、病気になってから採取して培養又はex vivo増殖をしていたのでは病状の進行に間に合わない可能性がある)、一人一人のドナー(レシピエント)ごとにオーダーメイドするので手間、労力とコストが大きい、などの問題点がある。
【0003】
一方、アロ組織幹細胞は、免疫学的拒絶応答が起きるため移植した幹細胞が生着しない可能性がある、そのため免疫抑制剤を必要とし、免疫抑制剤の副作用などの問題がある。また、ドナーが生体の場合にはドナーに対する侵襲、副作用の問題があり、ドナーが心臓死や脳死者の場合にはドナー不足や倫理上の問題がある。また臓器授受、臓器売買を招くおそれがある。さらに、ドナーからレシピエントへの病原微生物の感染の可能性がある(心臓死、脳死のドナーは突然に現れることもあるが、限られた時間内にあらゆる病原微生物を検査することは非常に困難である)。
異種組織幹細胞の問題点は、免疫学的拒絶と感染の危険性である。
一方、ES細胞、EG細胞は、in vitroでほとんど無制限に増殖させることができるので、理論的にはいつでも必要な数だけ供給できるというメリットがある反面、アロ組織幹細胞と同様に、組織適合性の問題があり、さらに倫理面での問題としては、ヒト受精卵や胚から細胞を得てレシピエントに用いることが許されるかという問題等が付随する。
【0004】
また、胎盤に関して、胎盤の羊膜を手術時の創面に移植して上皮の再生を補助する方法(米国特許第6,152,142号)、胎盤由来の蛋白質を繊維芽細胞の賦活剤として用いる方法(特開平5−301896)、胎盤抽出物を皮膚等の細胞賦活剤として用いる方法(特開2001−72572)等の先行技術が開示されているが、胎盤由来の細胞を様々の臓器又は組織を構成する細胞に分化する能力を有する幹細胞として捉えたものは開示されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
胎盤は、主として栄養膜細胞由来であり、内細胞塊由来の胎児とは発生の初期(およそ胚盤胞の時期)から細胞系列が大きく分かれる。従って、従来、胎盤の細胞は、最終分化を完了し高度に専門化した細胞であると考えられており、成人又は小児の様々の臓器又は組織を構成する細胞に分化する能力を有する幹細胞(又は前駆細胞)が含まれるとは考えられていなかった。
また、胎盤由来細胞のうち、血液細胞に関してはレシピエントに移植することにより血液を再生されることが以前から知られていて、すでに臨床応用されているが(臍帯血移植)、神経、心筋、骨格筋等の臓器の細胞を再生させる技術は知られていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、従来、最終分化を完了し高度に専門化した細胞であると考えられいた胎盤又は臍帯に、成人又は小児の様々の臓器又は組織を構成する細胞に分化する能力を有する前駆細胞(又は幹細胞)が含まれるという、驚くべき発見に基づいて完成されたものである。
即ち、本発明は、哺乳動物の胎盤又は臍帯、好ましくは胎盤から採取された成体又は生後組織の前駆細胞(上記と同様である。)である。
更に本発明は、上記の前駆細胞が分化して形成された臓器、例えば、筋又は血管である。また本発明は、上記の前駆細胞を、他の非ヒト哺乳動物(上記胎盤等を採取した哺乳動物とは別の哺乳動物)に移植して分化させて形成させた臓器である。また更に、本発明は上記いずれかの前駆細胞が分化して形成された細胞を少なくともその一部として用いた人工臓器、例えば人工肝臓又は人工腎臓である。
また本発明は、哺乳動物の胎盤又は臍帯、好ましくは胎盤から採取された細胞を、成体又は生後組織の前駆細胞(又は幹細胞と呼んでもよく、1つ又は複数の様々な臓器又は組織を構成する細胞に分化する能力を有する細胞を意味する。)として使用する方法である。
この哺乳動物はヒトであることが好ましい。
【0007】
なお別の観点から見ると、本発明は、哺乳動物の胎盤又は臍帯、好ましくは胎盤から採取された成体又は生後組織の前駆細胞を臓器の再生に使用する方法、又は哺乳動物の胎盤又は臍帯、好ましくは胎盤から採取された成体又は生後組織の前駆細胞を用いて臓器を再生させる方法である。
本発明はまた、哺乳動物の胎盤又は臍帯、好ましくは胎盤から採取された細胞を含む培養体を準備し、該培養体をレシピエントに移植することから成る、臓器を再生させる方法である。
更に本発明は、哺乳動物の胎盤又は臍帯、好ましくは胎盤から採取された細胞を直接レシピエントに移植することから成る臓器を再生させる方法である。
また本発明は、哺乳動物の胎盤又は臍帯、好ましくは胎盤から採取された細胞を一旦インビトロで増殖、分化又は脱分化させ、これをレシピエントに移植することから成る、臓器を再生させる方法である。
更に本発明は、哺乳動物の胎盤又は臍帯、好ましくは胎盤から採取された細胞を含む培養体を準備し、一旦インビトロで該培養体を増殖、分化又は脱分化させ、これをレシピエントに移植することから成る、臓器を再生させる方法である。
また本発明は、哺乳動物の胎盤又は臍帯、好ましくは胎盤から採取された細胞を含む培養体を準備し、一旦該培養体を他の哺乳動物、好ましくは非ヒト哺乳動物、に移植して分化させ、その臓器又は組織をレシピエントに移植することから成る、臓器を再生させる方法である。
更に本発明は、哺乳動物の胎盤又は臍帯、好ましくは胎盤から採取された細胞を一旦直接他の哺乳動物、好ましくは非ヒト哺乳動物、に移植して分化させ、その臓器又は組織をレシピエントに移植することから成る、臓器を再生させる方法である。
この哺乳動物及びレシピエントはそれぞれヒトであることが好ましく、更に哺乳動物及びレシピエントが同一個体であることがより好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の胎盤等由来の成体又は生後組織の前駆細胞(PPAT)には、自己再生能と多分化能を併せ持つ細胞(狭義の幹細胞)、特定の臓器又は組織を構築する細胞を作り出すために必要な分化・増殖能を有する細胞(前駆細胞)、移植後に組織に定着しあるいは循環して機能するもとになる細胞が含まれる。
なお、胎盤には絨毛、間質、結合織、血管、羊膜等が含まれる。
また、いわゆる胎盤幹細胞(placental stem cell)は、胎盤の細胞に分化するもとになる幹細胞であり、紛らわしいが、本発明の対象である胎盤等由来の成体又は生後組織の前駆細胞を指すものではない。
本発明の胎盤等由来細胞は、ヒト又は他の哺乳動物から得ることができる。
【0009】
胎盤は、自然分娩、帝王切開、中絶又は人工妊娠中絶に伴って得られるものであり、ヒト遺伝子をもつヒト由来の臓器ではあるが、従来はほとんどが焼却又は廃棄されていたものである。従って、妊婦と父親のインフォームド・コンセントが得られれば、胎盤を医療利用することになんら倫理的問題は付随しない。現実に、様々な医薬品、化粧品などに用いられてきた経緯がある。産科の医師、看護婦、助産婦、医療施設の協力を得て採取し、あるいはバンク化して永続的、持続的に供給することが可能である。また、得られる細胞の数量が多い。さらにin vitroで培養し増幅することができる。胎盤を採取するにあたっては、妊婦と父親のインフォームド・コンセントを得て、妊娠期間中に妊婦の感染症の有無をあらかじめ検査しておき、安全な胎盤のみを用いることが可能である。さらに、胎盤は免疫学的に極めて特殊な器官である。すなわち、胎児は遺伝的に約50%が父親由来である。従って胎児、及び胎盤の胎児由来細胞は、母体にとってはアロ抗原遺伝子を有しているにも関わらず、妊娠の期間を通じて母体の免疫系による認識を逃れ、拒絶されることはない。胎盤は、母体側の組織と胎児側の組織が接する境界である。胎盤内では母体血液と胎盤血液が近く接してそれぞれ循環しており、ガス、栄養、老廃物、ホルモンなどの細胞間情報伝達物質、IgG抗体などの免疫担当物質の交換、輸送を盛んに行っている。母体血液中には母体の免疫担当細胞が存在するにも関わらず、これら免疫担当細胞は通常、胎盤の胎児由来細胞をアロと認識し攻撃、排除、拒絶することはない。この免疫応答回避のメカニズムとしては、胎盤のトロフォブラストなどがクラシカルなMHCを細胞表面にほとんど発現していないこと、一部特殊なMHC様分子を発現していること、特異なトリプトファン代謝を営んでいること、FAS−L分子を発現していることなどが示唆されているが、その詳細な機構は明らかにされていない。従って、胎盤等由来細胞を移植に用いることにより、レシピエントからの拒絶免疫応答を受けにくいアロ、又は異種移植が可能である。
臍帯は、胎児と胎盤とをつなぐ柔らかな索状の器官であり、内部に動脈・静脈を有し、胎盤を介して母体の血液から酸素及び栄養物を胎児に送り、また、胎児の体内における不要物及び二酸化炭素を母体血液に移す役割をする。
本発明においては、臍帯も上記胎盤と同様に扱うことができる。
【0010】
本発明において、胎盤、臍帯又はこれらに含まれる血液から前駆細胞を採取する方法に特に制限は無く、細胞学的に一般に用いられるいかなる方法を用いてもよい。
例えば、以下の方法1により、胎盤から前駆細胞を調製することができる。
(1) 胎盤の血管(胎児側及び/又は母体側)にカニュレーションし、ヘパリン、EDTA、ACD等の抗凝固剤を含む溶液を還流することにより、血液を洗い流す。(この還流のステップは省略してもよい。また、還流する場合においても抗凝固剤の添加は省略してもよい。)
(2) 胎盤をメス、ハサミ等で切り出す。その前及び/又は後に、イソジン等の消毒剤を塗布する、又は消毒剤中で洗浄する(この消毒のステップは省略してもよい)。
(3) 胎盤組織をメス、ハサミ等でさらに細切する。(この細切のステップは省略してもよい)。
【0011】
(4) 細切した組織を、酵素処理する。酵素としては、コラゲナーゼ、ディスパーゼ、トリプシン等を用いることができる。
(5) 未消化の組織片を除くために、メッシュ等でろ過する(このろ過のステップは省略してもよい)。
(6) 胎盤由来細胞の懸濁液を、遠心にて洗浄する(この遠心のステップは省略してもよい)。
(7) 胎盤由来細胞は、大きさ、比重、浸透圧変化に対する抵抗性の差等の物理的な性質の差異、あるいは形態的な差異を利用して分離することができる。
(8) 胎盤由来細胞は、蛍光色素の取り込み又は排出能、貪食能等の生物学的活性の差異により、フローサイトメトリー等を利用して分離することができる。
(9) 胎盤由来細胞は、プラスチック、ナイロン等に対する付着性の差を利用して分離することができる。
(10) 胎盤由来細胞は、種々の抗体と反応後、補体反応、フローサイトメトリー、パンニング、又はマグネティック・ビーズ等にて分離することができる。
(11) 胎盤由来細胞は、(7)〜(10)の様々な分離法を組み合わせて分離することができる。
【0012】
(12) 分離前、又は後の胎盤由来細胞は、培養液中にて培養し、増殖、分化、脱分化等を行わせることができる。培養の際には、種々の増殖因子、サイトカイン、ホルモン、分化誘導因子、分化抑制因子、5-アザシチジン等の薬剤等を加えることができる。またコラーゲン、ファイブロネクチン、ラミニン等の細胞外マトリックス存在下で培養することができる。また、線維芽細胞、脂肪細胞、前脂肪細胞等の細胞あるいは細胞株を、フィーダー細胞として共培養、あるいはトランスウェルを隔てて共培養することができる。また適切な細胞外マトリックス、合成高分子、プラスチック、金属などで人工的な足場、またはスキャフォルドを与えてやり、3次元的な構築をもった培養を行うことができる。この培養の際、栄養要求性、増殖・分化等因子の要求性、薬剤耐性又は薬剤応答性、フィーダーとの付着性、培養容器との付着性等を指標にして、胎盤由来細胞を分離することができる。
(13) (7)〜(11)の分離前、又は後の胎盤由来細胞には、増殖、分化、脱分化、アポトーシス抑制等を促すための遺伝子を導入することができる。また免疫系による認識、拒絶から免れるための遺伝子を導入することができる。また移植した細胞が移植後に不要になった際にその細胞を殺すための遺伝子を導入しておくことができる。またSV40等のウイルスを感染することができる。この導入又は感染の、前、最中、又は後に、(12)の培養をすることができる。
(14) (7)〜(11)の分離前、又は後の胎盤由来細胞には、細胞の分離を目的として、特定のプロモーターにつないだ薬剤耐性遺伝子、蛍光蛋白の遺伝子、細胞表面マーカーの遺伝子等を導入し、それらの発現量の差異を指標にして、薬剤耐性、フローサイトメトリー等により胎盤由来細胞を分離することができる。この導入の、前、最中、又は後に、(12)の培養をすることができる。
【0013】
また、以下の別法2により、胎盤から前駆細胞を調製することができる。
(1) 胎盤から、メス又はハサミ等にて胎盤組織を採取する。その前及び/又は後に、イソジン等の消毒剤を塗布する、又は消毒剤中で洗浄する(この消毒のステップは、省略してもよい)。
(2) 胎盤由来組織を、メス、又はハサミでさらに細切する。
(3) 細切した組織片を、適切な容器に入った培養液中に入れ、培養する。これにより、組織片から胎盤由来細胞が滲出し培養することができる。この培養は、前記方法1の(12)と同様に、様々な因子、薬剤、細胞外マトリックス、フィーダー細胞等を用いて行うことができる。この培養の際、栄養要求性、増殖・分化等因子の要求性、薬剤耐性又は薬剤応答性、フィーダーとの付着性、培養容器との付着性等を指標にして、胎盤由来細胞を分離することができる。
(4) 培養後の細胞を、前記方法1の(7)〜(11)の方法で分離することができる。
(5) 培養中、又は後の細胞を、前記方法1の(13)と同様に遺伝子導入又はウイルス感染することができる。
(6) また培養中、又は後の細胞を、前記方法1の(14)と同様に遺伝子導入し胎盤由来細胞を分離することができる。
【0015】
また、本発明の前駆細胞の保存方法については特に制限は無く、細胞学的に一般に用いられるいかなる方法を用いてもよい。即ち、これらの細胞を凍結保存し、必要な時に解凍して用いることもできる。
更に、本発明の前駆細胞を細胞製剤として保存したり又は商業用に利用することができる。即ち、本発明の前駆細胞から成る細胞集団、この前駆細胞を培養した細胞集団、又はこの前駆細胞から分離した細胞集団のいずれかの細胞集団を、培地、等張液、又は緩衝液に懸濁し、必要に応じてアルブミン等の蛋白その他の添加剤を添加し、任意にバイアルやバッグ等の容器に入れて、細胞製剤とすることができる。これら培地、等張液、又は緩衝液は、この細胞製剤に含まれる前駆細胞に適合するよう適宜選択する。また、この細胞集団を濃縮して用いて細胞製剤としてもよい。更に、この細胞製剤にはDMSO等の保護剤を加え、凍結して細胞製剤とすることもできる。このとき、ひとつの胎盤等から得られた細胞をひとつのバイアル等に入れることができる。また、ひとつの容器あたりこの前駆細胞を含む細胞集団を1×10〜5×10個入れて細胞製剤としてもよい。
【0016】
本発明の前駆細胞は、様々な疾患に対する治療のみならず、美容用、及び身体能力増強を目的とした臓器再生治療、再生した臓器のヒトや非ヒト動物への移植、ハイブリッド型人工臓器の分野に利用することができる。
臓器再生治療においては、例えば、心疾患(虚血性疾患、伝導路障害、心筋症を含む)、血管疾患(大動脈瘤、動脈硬化症、循環不全を含む)、神経疾患(アルツハイマー病、パーキンソン病、神経変性性・虚血性・脳血管原性疾患を含む)、呼吸器疾患(嚢胞性線維症、間質性肺炎、肺線維症、肺梗塞を含む)、消化器疾患(肝硬変、肝不全、消化性潰瘍、炎症性腸疾患を含む)、血液疾患(再生不良性貧血、骨髄異形成、免疫不全症を含む)、代謝性疾患(糖尿病、高脂血症を含む)、内分泌疾患(視床下部機能不全、下垂体機能不全、甲状腺機能不全、副腎機能不全を含む)、免疫疾患(アレルギー性疾患、膠原病を含む)、腎・泌尿器疾患(腎不全、腎梗塞、神経因性膀胱、性機能不全を含む)、皮膚疾患(難治性潰瘍、難治性皮膚疾患、脱毛症、を含む)、運動器疾患(慢性関節リウマチ、変形性軟骨症、骨粗鬆症を含む)、筋疾患(筋ジストロフィー、先天性ミオパチー、重症筋無力症、炎症性、神経原性、筋原性筋疾患を含む)、感覚器疾患(白内障、網膜剥離、網膜色素変性症、視覚障害、聴覚障害を含む)、歯科口腔疾患(歯槽炎、歯折、歯欠損を含む)、外因性疾患(高温、低温、物理的な力、放射線、薬物等による臓器・組織の傷害、骨折、脊髄損傷等を含む)、先天異常(横隔膜ヘルニア、鎖肛、二分脊椎、心奇形を含む)及び悪性腫瘍(手術、化学療法、放射線療法後の組織再生、骨髄再生を含む)などにおいて、胎盤等由来細胞を用いて当該組織・臓器を再生させる治療に応用できる。
【0017】
また美容を目的とした臓器再生、臓器構築(顔面などの美容整形、毛髪増加、皮膚の色の変更、乳房形成、性転換、歯科的形成を含む)にも用いることができる。更に、身体能力の増強にも用いることができる(筋肉増強、身長など体躯の向上、神経系・循環器系・呼吸器系などの機能向上、性機能増強、神経系・循環器系・筋骨格・内分泌系などの老化の抑制、若返りを含む)。
レシピエントに対する移植には、胎盤等由来細胞を直接に用いることができる。また胎盤等由来細胞を培養し、増殖、分化又は脱分化させたのち移植に用いてもよい。長期培養した胎盤等由来細胞、及び長期培養により株化した胎盤等由来細胞を用いることもできる。
これらの細胞にあらかじめ、増殖・分化を促進又は抑制するための遺伝子(増殖因子、分化因子、走化性因子、接着因子、転写因子等の遺伝子)を導入しておき、導入後の細胞を用いて再生させることができる。
【0018】
また細胞移植前又は後に、移植した細胞、周辺の細胞、又は遠隔臓器の細胞に遺伝子を導入して、増殖・分化を促進又は抑制することができる。また細胞移植前又は後に、増殖・分化を促進又は抑制するための因子(増殖因子、分化因子、走化性因子等)を投与することができる。また培養中に、適切なフィーダー細胞、あるいはストローマ細胞を加えて共培養し、増殖・分化を促進、又は抑制することができる。これらの場合において、増殖・分化を促進するのがよいか、抑制するのがよいかは、標的とする疾患、疾患の進展のステージ、臓器・組織の種類等によって選択すればよい。
また培養中、移植前、又は移植後に、適切な細胞外マトリックス、合成高分子、プラスチック、金属などで人工的な足場を与えてやり、臓器の3次元的な構築を助けてやることができる。
【0019】
以上の本発明の技術は、ヒトのみならず、マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコなど、すべての哺乳動物に適応可能であるため、本技術は家畜、愛玩動物等の治療、美容、身体能力増強にも用いることができる。ヒト胎盤由来の細胞をヒトに移植するのみならず、ヒト以外の動物の胎盤由来の細胞をヒトに移植することも可能である。また、ヒト以外の動物の胎盤由来の細胞をヒト以外の動物に移植することも可能である。また、ヒトの胎盤由来の細胞を他動物に移植することも可能である。
【0020】
胎盤等由来細胞を動物に移植して一旦移植用の臓器・組織を作らせたのち、その臓器・組織を用いてヒト又は他の動物に移植することもできる。また、胎盤等由来細胞をハイブリッド型人工臓器に用いることもできる。ハイブリッド型人工臓器の場合、胎盤等由来細胞を人工臓器(人工肝臓、人工腎臓など)の一部として用い、体外で働かせる。患者、病気の動物、美容・身体能力増強を目的とするヒト又は動物(このハイブリッド型人工臓器の場合も便宜上すべてをレシピエントと呼ぶ)の血液等をハイブリッド型人工臓器の中に循環させる(この目的で胎盤等由来細胞を人工臓器に用いることも、便宜上移植と呼ぶ)。
【0021】
本発明の前駆細胞を用いれば、移植する臓器、用いる増殖因子、分化因子等を適切に選ぶことにより、神経細胞、グリア細胞、心筋細胞、血管内皮細胞、平滑筋細胞、骨格筋細胞、表皮細胞、メラニン細胞、毛嚢細胞、爪母細胞、脂肪細胞、結合織細胞、気道上皮細胞、肺胞上皮細胞、肝細胞、胆管細胞、消化管上皮細胞、腺細胞、血液細胞、リンパ網内系細胞、乳腺細胞、糸球体細胞、尿細管細胞、尿路系細胞、生殖器系細胞、角膜細胞、結膜細胞、歯牙細胞、骨細胞、軟骨細胞、滑膜細胞、内分泌細胞、外分泌細胞等を再生させることができる。また、ラット、モルモット、ハムスター、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコなどの哺乳動物においても、同様に胎盤を前駆細胞ソースとして各種臓器の再生が可能である。
【0022】
【発明の効果】
胎盤から成体又は生後組織の前駆細胞を供給することによって、既存の移植医療、再生医療の問題の多くを解決することができる。すなわち、ドナーの不足及び幹細胞の数的な不足、ドナー(レシピエント自身の場合を含む)に対する侵襲、拒絶免疫応答、感染のリスク、倫理上の問題などである。本発明を生かせば再生医療がより安全、安価で容易に行うことができる。
本発明の具体的な応用法としては、胎盤より成体又は生後組織の前駆細胞を含む細胞集団を採取、調整し、アンプル又は適切な容器に入れた細胞製剤とする。また、胎盤等由来の細胞を含む細胞集団を培養し、培養後の細胞から細胞製剤を調整することができる。これらの細胞製剤は、医療機関等に輸送し移植目的に用いることができる。またこの細胞は、凍結保存して必要な時に解凍し使用することができる。またこの細胞製剤は、適切な施設に輸送し、培養したのちに再度細胞製剤化し、移植目的に使用、又は凍結保存することができる。凍結保存した細胞製剤は、胎盤の由来である新生児が成長後に幹細胞を必要としたときには、自家移植にも用いることができる。胎盤等由来細胞は胎盤由来細胞バンクとして保存し、自家移植、アロ移植又は異種移植に供することができる。
胎盤等由来細胞と胎盤等由来細胞製剤は、種々の抗体やマーカーで分離、濃縮、精製することができる。また胎盤由来細胞、胎盤由来細胞製剤は、種々の抗体やマーカーで認識することができる。この抗体としては、抗FcγRII、FSA、CD9、CD133、CD163、CTLA-4などが含まれる。
胎盤等由来前駆細胞又はこれらを含む細胞製剤はまた、幹細胞の増殖、分化、再生のメカニズム解明等を目的とした基礎研究に供することができる。また胎盤等の元となったヒト等哺乳動物の遺伝的疾患、遺伝的特性等を診断する目的に用いることができる。
【0023】
【実施例】
以下、実施例にて本発明を例証するが、本発明を限定することを意図するものではない。
本実施例においては、マウスにおいて胎盤由来細胞による移植実験をおこない、臓器再生可能な成体又は生後組織の前駆細胞が調整されていることを確認した。
実施例1
Green fluorescent protein(GFP)遺伝子をゲノム上に有するトランスジェニック・マウスのヘテロザイゴート(バックグラウンドはC57/BL6)のオスと、正常BALB/cのメスマウスを掛け合せた。夜間に一晩交配し、翌日膣栓を確認したメスを用いた。膣栓確認の日を胎生0日とした。
膣栓確認後18〜19日後の妊娠マウスより胎仔と胎盤を採取した。一個体ずつ胎仔を紫外線照射にて確認し、GFPを発現する(GFP陽性の)胎仔の胎盤のみを収集した。採取した胎盤を氷上のDulbecco’s Modified Eagle Medium (DMEM, Nacalai Tesque, Kyoto, Japan、組成は下記表1に示す。)中でハサミで細断後、同培地でリンスした。その後0.125% トリプシン(Gibco-BRL, Grand Island, NY, USA)、200 μg/ml コラゲナーゼ(Sigma, St Louise, MO, USA)、400 μg/ml dispase (Godo Shusei, Tokyo, Japan)、100 μg/ml DNase I (Nacalai Tesque, Kyoto, Japan)を含むDMEM培地を加え、37℃にてマグネチック・スターラーによる撹拌を10分とピペッティング10分を3回繰り返して消化した。その後ナイロンネットフィルター(ポアサイズ:30 μm)で濾過し、未消化の細胞塊を除去した後、0.83% NH4Cl、 20 mM トリス緩衝液で2分間処理し、PBSで洗浄後、濃度を調整した。
【0024】
【表1】
Figure 0003934539
【0025】
以下、実施例2〜4において、本実施例1にて胎盤から調製した細胞が、心筋、血管又は骨格筋に分化する能力のある前駆細胞であることを示す。
実施例2
レシピエントマウスに10 mg/kgのドキソルビシン(Doxorubicin)を腹腔内に投与し、これにより心筋に傷害を与えた。
3日後、0.6 μg/kgのペントバルビタール (Pentobarbital)を腹腔内投与して麻酔を行い、剣状突起直下の皮膚を横切開した。
腹膜の切開の後、肝臓を尾側に押し下げ、剣状突起を持ち上げ、横隔膜を通して、5.0 x 10/mlの濃度に調整した実施例1にて得られた胎盤由来細胞懸濁液を、31G針を装着したハミルトン・シリンジ(Hamilton syringe)を用いて30μl、経横隔膜的に心筋に注入し、その後皮膚を縫合した。
2週間後にマウスを安楽死させ、心臓を採取して凍結切片を作成し、移植部位の組織を、OCTコンパウンドにて−80℃に凍結後、Leica社製JUNG CM3000にて厚さ10μmの切片を作製した。OLYMPUS社製倒立型落射デジタル蛍光顕微鏡システムIX70/IX-FLA/U-MNIBAにて488 nmの蛍光観察を、倍率100倍で行った。画像解析はPixera 社製Studio Lite version 1.0ソフトにて行った。その画像を図1に示す。
この心筋繊維がGFP陽性であることは、ドナー由来細胞であることを示している。またこのマーカー遺伝子は、オスは有していたがメスは有していなかったので、GFP陽性細胞は明らかに胎盤内の受精卵由来細胞を起源としている。また注入部位から離れた部位には陽性細胞は見られない。即ち、ドナー由来の心筋細胞が生着していることが分かる。
以上から、実施例1にて胎盤から調製した細胞が、心筋に分化する能力のある前駆細胞であること、及び、この細胞を移植すると、心筋傷害という病態において生着、分化、増殖、機能することがわかる。
【0026】
実施例3
レシピエントマウスに0.6 μg/kgのペントバルビタールを腹腔内投与して麻酔した後、後肢の大腿動脈(femoral artery)の近位側と 伏在静脈(saphenous artery)の遠位側を結紮、切除し、皮膚の縫合を行った。これにより下肢の虚血モデルを作成した。
麻酔から覚醒した後、5.0 x 107/mlの濃度に調整した実施例1にて得られた胎盤由来細胞を、26G針を用いて尾静脈より300 μl静注した。2週間後に虚血部の筋組織を採取し、OCTコンパウンドにて−80℃に凍結後、Leica社製JUNG CM3000にて厚さ10μmの切片を作製した。OLYMPUS社製倒立型落射デジタル蛍光顕微鏡システムIX70/IX-FLA/U-MNIBAにて488 nmの蛍光観察を、倍率100倍で行った。画像解析はPixera 社製Studio Lite version 1.0ソフトにて行った。その画像を図2に示す。
その結果、虚血領域内の注入部位にGFP陽性の新生血管(内皮、及び平滑筋)が認められ、ドナー由来の血管内皮細胞および平滑筋細胞が生着し、血管の構造を構築していることがわかる。免疫組織化学的解析により、この内皮及び平滑筋細胞は、父マウス由来のMHCクラスIアロタイプを発現していることが分かる。
以上から、実施例1にて胎盤から調製した細胞が、血管に分化する能力のある前駆細胞であること、及び、この細胞を移植すると、虚血という病態において生着、分化、増殖、機能することがわかる。
【0027】
実施例4
レシピエントマウスに0.6 μg/kgのペントバルビタールを腹腔内投与して麻酔した後、前脛骨筋に沿って皮膚を切開した。前脛骨筋に0.5% ブピバカイン(Bupivacaine) 60 μlを筋注し、皮膚の縫合を行った。これにより骨格筋の変性モデルを作製した。
3日後、同様に麻酔し、同部位の皮膚を切開した。3.0 × 10/mlの濃度に調整し、マーカーとしてカーボン粒子を加えた実施例1にて得られた胎盤由来細胞懸濁液を、31G針を装着したハミルトン・シリンジを用いて50〜100μl、前脛骨筋に注入した。
3週間後に変性部筋組織を採取し、OCTコンパウンドにて−80℃に凍結後、Leica社製JUNG CM3000にて厚さ10μmの切片を作製した。OLYMPUS社製倒立型落射デジタル蛍光顕微鏡システムIX70/IX-FLA/U-MNIBAにて488 nmの蛍光観察を、倍率200倍で行った。画像解析はPixera 社製Studio Lite version 1.0ソフトにて行った。その画像を図3に示す。ドナー由来の骨格筋細胞の生着が認められる。
以上から、実施例1にて胎盤から調製した細胞が、骨格筋に分化する能力のある前駆細胞であること、及び、この細胞を移植すると、骨格筋傷害という病態において生着、分化、増殖、機能することがわかる。
【0028】
実施例5
インフォームドコンセントを得た妊婦より帝王切開後の胎盤の提供を受けた。
滅菌PBSで胎盤全体を洗浄後、ヘパリン加PBS(ヘパリン6単位/ml)1リットルを臍帯動脈から注入し還流洗浄した。還流後の胎盤を滅菌PBSで洗浄し、ブロック状に細切、羊膜を除去し、ブレンダーでミンチ状にした。0.25% Trypsin、100μg/ml DnaseIを含むRPMI1640倍地を胎盤1gあたり5ml加えてスピナーフラスコを用いて60分間消化した。DnaseI溶液を加えた後、セルストレーナーを用いて未消化の組織を除去した。さらにフィコールによる比重遠心法で細胞成分と繊維性組織成分を分離し、細胞を回収した。
【0029】
分離したヒト胎盤細胞を低接着性コーティングしたp100-Dish (poly-2-hydroxy-ethyl-methacrylate 1.6mg/cm2でコート) に2〜3×10/dishでまいた。培地はDMEM/F12 (Gibco-BRL) に N2 supplement (×100)、 20ng/ml EGF(Sigma)、20ng/ml bFGF(Roche)、10ng/ml LIF、 100U/ml penicilline、100μg/ml streptomycin(Gibco)を添加したものを用いた。3〜4日置きにフレッシュな培地を追加しつつ2週間培養したのち、Poly-L-ornithineでコーティングしたチェンバースライド上にまき、成長因子をのぞいた培地(DMEM/F12 (Gibco-BRL) with N2 supplement (×100) 100U/ml penicilline、100μg/ml streptomycin)でさらに5日間培養し分化誘導を行った。
【0030】
分化誘導後の細胞を、on ice にて4%パラフォルムアルデハイドで1時間固定し、PBS(-)にて2回洗浄後、免疫染色に供した。一次抗体は抗Nestin抗体(chemicon)(1:200)、抗MAP2抗体(Sigma)(1:500)、または抗GFAP抗体(DAKO) (1:500)を用いた。二次抗体と酵素抗体法は、Vectorstain ABC system (Vector)を用いた。それぞれの光学顕微鏡写真を示す(図4、5、6)。図4では神経幹細胞のマーカーであるNestin陽性細胞が、図5では神経前駆細胞のマーカーであるMAP2陽性細胞が、図6ではグリア細胞のマーカーであるGFAP陽性細胞が認められた。
即ち、ヒト胎盤から調整した細胞が、神経及びグリア細胞に分化したことがわかる。
【0031】
実施例6
実施例5と同様の方法により分離したヒト胎盤細胞を、20%FCSを含むRPMI1640倍地で培養した。培養後40日目の細胞をoil-O-Red染色法で染色した。図7に光学顕微鏡写真を示す。oil-O-Red陽性の脂肪細胞が認められた。
即ち、ヒト胎盤から調整した細胞が脂肪細胞に分化したことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2の心筋障害モデルにおいて心筋が再生した様子を示す蛍光顕微鏡写真である(写真のサイズは、縦約480μm、横約630μm)。写真中の白(カラー写真では緑)部分に、ドナー由来の心筋細胞が生着していることが認められる。
【図2】実施例3の下肢虚血モデルにおいて血管が再生した様子を示す蛍光顕微鏡写真である(写真のサイズは、縦約480μm、横約630μm)。写真中の白(カラー写真では緑)部分に、ドナー由来の血管内皮細胞および平滑筋細胞が生着し、血管の構造を構築していることが認められる。
【図3】実施例4の骨格筋障害モデルにおいて骨格筋が再生した様子を示す蛍光顕微鏡写真である(写真のサイズは、縦約240μm、横約310μm)。写真中の白(カラー写真では緑)部分に、ドナー由来の骨格筋細胞が生着していることが認められる。
【図4】実施例5のヒト胎盤由来細胞の光学顕微鏡写真である(写真のサイズは、縦約290μm、横約350μm)。写真中の黒(カラー写真では茶)の細胞が、神経幹細胞のマーカーである抗Nestin抗体で染色されている。
【図5】実施例5のヒト胎盤由来細胞の光学顕微鏡写真である(写真のサイズは、縦約280μm、横約340μm)。写真中の黒(カラー写真では茶)の細胞が、神経前駆細胞のマーカーである抗MAP2抗体で染色されている。
【図6】実施例5のヒト胎盤由来細胞の光学顕微鏡写真である(写真のサイズは、縦約260μm、横約360μm)。写真中の黒(カラー写真では茶)の細胞が、グリア細胞のマーカーである抗GFAP抗体で染色されている。
【図7】実施例6のヒト胎盤由来細胞の光学顕微鏡写真である(写真のサイズは、縦約150μm、横約300μm)。写真中央の細胞が、脂肪細胞のマーカーであるoil-O-Redで黒(カラー写真では赤)に染色されている。

Claims (6)

  1. 哺乳動物の胎盤又は細切されたその断片を採取し、血液を洗い流し、酵素処理を行って消化し、未消化の細胞塊を除去することにより得られた、成体又は生後組織の前駆細胞を含む細胞の懸濁液。
  2. 前記酵素処理が、コラゲナーゼ、ディスパーゼ又はトリプシンを用いた酵素処理である請求項1に記載の懸濁液
  3. 前記哺乳動物がヒトである請求項1又は2に記載の懸濁液。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載の懸濁液からなる細胞製剤。
  5. 前記懸濁液に、保護剤を加え、凍結された請求項4に記載の細胞製剤。
  6. ひとつの容器あたり前記前駆細胞を含む細胞集団を1×10〜5×10個入れてなる請求項5に記載の細胞製剤。
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