JP6301263B2 - ヒト臍帯組織由来細胞の検出 - Google Patents

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Description

(関連出願の相互参照)
本出願は、合衆国特許仮出願61/579,710(2011年12月23日出願)に基づく優先権を主張し、当該出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
(発明の分野)
本発明は、治療用細胞による治療を受けた患者からの標本において、ヒト臍帯由来細胞などの治療用同種細胞を検出する方法に関する。
同種細胞療法は、未だ満たされていない多くの医療ニーズの治療に関する有望な新技術である。しかし、細胞療法は特異な療法であり、開発プロセスでは幾つかの特異な課題が生じる。この技術の具体例の一つは、多くの臨床適応のために、ヒト臍帯組織由来細胞(「hUTC」)を開発することである。hUTCを患者に投与した後、患者の血液内に検出される細胞の存在及び/又は細胞数を測定することは、細胞治療産物としてのhUTCの薬物動態に関わる望ましい情報となる。しかし、hUTCは患者の血液から得られる細胞に類似の性質を持つことがあるため、ここに課題が生じる。したがって、hUTCを他の細胞から区別することが必要となる。
創薬中の臨床試験には、生体内における薬物の吸収、分布、代謝、及び排泄のパラメーターを分析するための薬物動態学的研究が含まれる。被験者における薬物暴露の程度を測定することは、投与薬物動態学的研究の重要な要素である。通常、これは、血液サンプル中の薬物濃度分析を通じて行われる。暴露の程度は、有効性及び安全性の結果との関連において評価される。hUTCなどの細胞治療産物の場合、臨床試験でのhUTCの生体内分布又は薬物動態を研究することには課題が生じる。なぜなら、被験者自身の細胞と、hUTC(又は他の細胞)とを区別する方法が確立されていないからである。そのため、hUTCの生物学的利用能性を測定することは困難である。
治療用同種細胞(hUTC等)が血液循環中に存在するかどうかを測定するにあたって、現在において認められているアプローチは、男性ドナーから得られた治療用同種細胞(hUTC等)を用いて、女性の被験者に静脈内輸液をすることが必要である。例えば、Bader P.ら、「How and when should we monitor chimerism after allogeneic stem cell transplantation?」Bone Marrow Transplantation,2005;35:107〜119を参照。Durnam,DMら、「Analysis of the origin of marrow cells in bone marrow transplant recipients using a Y−chromosome−specific in situ hybridization assay,」Blood,1989;74:2220〜2226も参照。被験者の血液サンプル中のY染色体を検出するためには、リアルタイムPCRが使用され、その結果は、血液サンプル中の治療用同種細胞(hUTC等)の存在又は不存在を示す相対定量又は二値信号を提供する。Bader P.et alを参照。このアプローチでは、臨床試験におけるhUTCの薬物動態分析から,女性細胞(hUTC等)ドナー及び男性被験者の排除が必要である。そのため、細胞投与後の患者において、hUTC等の同種細胞を検出する方法が未だ必要とされている。
本発明は、ヒト末梢血単核球サンプル中における治療用同種細胞の存在を検出する方法を提供する。本発明は、治療用細胞の核型(XY対XX)及び被移植者(患者)の性別による制限を受けることなく、その治療用細胞の検出を可能にする。
本発明の一実施形態は、血液中の治療用同種細胞を検出する方法であって、(a)治療用同種細胞及びヒト末梢血単核球を分析して、治療用同種細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを同定することと、(b)治療用同種細胞による治療を受けた患者から血液サンプルを提供することと、(c)患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び治療用同種細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上の特異なマーカーを検出する分析方法を使用して、そのサンプルを分析することと、(d)患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び治療用同種細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上の特異なマーカーの検出に基づき、患者の末梢血単核球と治療用同種細胞とを区別することと、を含む。一実施形態では、患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーには、CD45が含まれる。別の方法としては、血液中の治療用同種細胞を検出する方法であって、(a)治療用同種細胞及びヒト末梢血単核球を分析して、治療用同種細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを同定することと、(b)治療用同種細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーと、患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーとを比較して、治療用同種細胞と患者の末梢血単核球とを区別する特異な1つ又は2つ以上のマーカーを同定することと、(c)治療用同種細胞による治療を受けた患者から血液サンプルを提供することと、(d)治療用同種細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上の特異なマーカーを検出する分析方法を使用して、そのサンプルを分析することと、(e)1つ又は2つ以上の特異なマーカーの検出に基づき、患者の末梢血単核球と治療用同種細胞とを区別することと、を含む。
この方法は、所望の治療用同種細胞の検出に適している。例えば、治療用同種細胞は、ヒト臍帯組織由来細胞、ヒト臍帯血由来細胞、胎盤由来細胞、間葉系幹細胞由来細胞、肝細胞、膵島細胞、心筋細胞、及び不溶性コラーゲン骨基質細胞からなる群から選択することができる。この方法は、血液サンプル中の2つ以上の種類の治療用同種細胞を検出するために使用してもよい。
これらの方法には、例えばフローサイトメトリー、ELISA、免疫組織化学、核酸検出、PCR、及びそれらの組み合わせなど、多様な分析方法を用いることができる。加えて、これらの方法では、段階(a)と(b)との間に濃縮する段階を含めることができる。濃縮する段階には、磁気捕捉技術を含めることができる。区別する段階には、患者に投与した治療用同種細胞と、患者の末梢血単核球とを差別化することが含まれる。患者は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、犬又は豚であってもよい。
本発明は、血液サンプル中の治療用同種細胞を検出する方法に使用できるキットも提供する。このキットには、治療用同種細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー及び患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを有するマーカープロフィールが含まれてもよい。
本発明の他の実施形態は、血液中のヒト臍帯組織由来細胞を検出する方法であって、(a)ヒト臍帯組織由来細胞及びヒト末梢血単核球を分析して、ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及びヒト末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを同定することと、(b)ヒト臍帯組織由来細胞による治療を受けた患者から血液サンプルを提供することと、(c)患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを検出する分析方法を使用して、そのサンプルを分析することと、(d)患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーの検出に基づき、患者の末梢血単核球と治療用同種細胞とを区別することと、を含む。別の方法としては、血液中のヒト臍帯組織由来細胞を検出する方法であって、(a)ヒト臍帯組織由来細胞及びヒト末梢血単核球を分析して、ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを同定することと、(b)ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーと、ヒト末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーとを比較して、臍帯組織由来細胞と患者の末梢血単核球とを区別する1つ又は2つ以上の特異なマーカーを同定することと、(C)ヒト臍帯組織由来細胞による治療を受けた患者から血液サンプルを提供することと、(d)ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上の特異なマーカーを検出するh分析方法を用いて、そのサンプルを分析することと、(e)1つ又は2つ以上の特異なマーカーの検出に基づき、患者の末梢血単核球とヒト臍帯組織由来細胞とを区別することと、を含む方法。患者は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、犬又は豚であってもよい。
一実施形態においては、患者の末梢血単核球に対して陽性のマーカーがCD45であり、ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーがCD10である。他の実施形態においては、患者の末梢血単核球に対するマーカー及びヒト臍帯組織由来細胞に対するマーカーには、CD10、CD13、NRP1、CD45、LAMP1、DKK3、NRP1又はLAMB1のうちの1つ又は2つ以上が含まれる。この方法には、フローサイトメトリー、ELISA、免疫組織化学、核酸検出、PCR、及びそれらの組み合わせなど、多様な分析技術を用いることができる。ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上の特異なマーカーは、CD10、CD13、NRP1、LAMP1、DKK3、NRP1、LAMB1及びそれらの組み合わせであってもよい。
この方法には、段階(a)と(b)との間に濃縮する段階の実施を更に含めることができる。濃縮する段階は、磁気捕捉技術であってもよい。本発明の他の実施形態は、血液サンプル中におけるヒト臍帯組織由来細胞を検出する方法に使用するキットであって、これは、ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを有するマーカープロフィールを含むキットである。本発明は、本発明の方法とともに使用するシステムも提供する。
本発明の他の実施形態は、血液中のヒト臍帯組織由来細胞を検出する方法であって、ヒト臍帯組織由来細胞及びヒト末梢血単核球を分析して、ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及びヒト末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを同定する段階と、ヒト臍帯組織由来細胞を含む血液サンプルを提供する段階と、血液サンプルからヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分離する段階と、末梢血単核球に対して陽性のマーカーとしてのCD45、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD10又はCD13に関するフローサイトメトリーにより、ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析する段階と、ヒト末梢血単核球に対して陽性のマーカーとしてのCD45、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD10又はCD13の検出に基づき、ヒト末梢血単核球及びヒト臍帯組織由来細胞の存在を検出する段階と、を含む方法である。
分析する段階には、末梢血単核球に対して陽性のマーカーとしてのCD45、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD13に関するフローサイトメトリーにより、ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析することを含んでもよい。別の方法としては、分析する段階に、末梢血単核球に対して陽性のマーカーとしてのCD45、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD10に関するフローサイトメトリーにより、ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析することを含んでもよい。この方法には、ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析する前に、磁気捕捉技術などの濃縮する段階を実施することを更に含んでもよい。
本発明の他の実施形態は、血液中のヒト臍帯組織由来細胞を検出する方法であって、ヒト臍帯組織由来細胞を含む血液サンプルを提供する段階と、血液サンプルからヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分離する段階と、血漿を除去する段階と、末梢血単核球に対して陽性のマーカーとしてのCD45、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD13に関するフローサイトメトリーにより、ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析する段階と、ヒト末梢血単核球に対して陽性のマーカーとしてのCD45、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD13の検出に基づき、ヒト末梢血単核球及びヒト臍帯組織由来細胞の存在を検出する段階と、を含む方法である。この方法には、ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析する前に、磁気捕捉技術などの濃縮する段階を実施することを更に含んでもよい。この方法には、ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD10の検出を更に含んでもよい。
ヒト臍帯組織由来細胞は、血液が実質的に含まれないヒト臍帯組織から単離され、培養下で自己複製及び増殖が可能であり、分化する潜在能力を有する。一実施形態では、ヒト臍帯組織由来細胞が、血液が実質的に含まれないヒト臍帯組織から単離され、培養下で自己複製及び増殖が可能であり、分化する潜在能力を有し、かつ以下の特性を有する:(1)CD10、CD13、CD44、CD90及びHLA−ABCの発現、(2)CD31、CD34、CD45、HLA−DR及びCD117の不発現、並びに(3)hTERT又はテロメラーゼの不発現。別の方法としては、ヒト臍帯組織由来細胞が、血液が実質的に含まれないヒト臍帯組織から単離され、培養下で自己複製及び増殖が可能であり、分化する潜在能力を有し、かつ以下の特性を有する。(1)CD10、CD13、CD44、CD90及びHLA−ABCの発現、(2)CD31、CD34、CD45、HLA−DR及びCD117の不発現、(3)hTERT又はテロメラーゼの不発現、(4)酸化低比重リポタンパク質受容体1、レチクロン、ケモカイン受容体リガンド3、及び/又は顆粒球走化性タンパク質の発現、並びに(4)ヒト線維芽細胞、間葉系幹細胞、又は腸骨稜骨髄細胞と比較しての、インターロイキン8又はレチクロン1の濃度上昇の発現。
本発明の他の実施形態は、血液中のヒト臍帯組織由来細胞を検出する方法であって、(a)ヒト臍帯組織由来細胞による治療を受けた患者の血液サンプルを提供する段階、(b)ヒト末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを検出する分析方法を使用して、サンプルを分析する段階、(c)ヒト末梢血単核球と、ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを区別する段階を含む。一実施形態においては、ヒト末梢血単核球に対して陽性のマーカーがCD45であり、ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーがCD10である。分析する段階では、フローサイトメトリー、ELISA、免疫組織化学、核酸検出、及び/又はPCRを含んでもよい。この方法には、段階(a)と段階(h)との間に濃縮する段階の実施を更に含んでもよい。濃縮する段階は、磁気捕捉技術であってもよい。
本発明の更に他の実施形態は、血液中のヒト臍帯組織由来細胞を検出する方法であって、(a)ヒト臍帯組織由来細胞を含む血液サンプルを提供する段階と、(b)血液サンプルからヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分離する段階と、(c)末梢血単核球に対して陽性のマーカーとしてのCD45、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD10に関するフローサイトメトリーにより、ヒト末梢血単核球及びヒト臍帯組織由来細胞の分画を分析する段階と、を含む方法である。
本発明の別の実施形態は、血液中のヒト臍帯組織由来細胞を検出する方法であって、ヒト臍帯組織由来細胞を含む血液サンプルを提供する段階と、血液サンプルからヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分離する段階と、血漿を除去する段階と、末梢血単核球に対して陽性のマーカーとしてのCD45、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD13に関するフローサイトメトリーにより、ヒト臍帯組織由来細胞/ヒト末梢血単核球の分画を分析する段階と、を含む方法である。
本発明の他の特徴及び有利点は、以下の「発明を実施するための形態」及び実施例から、明らかとなるであろう。
上記の概要及び本発明の以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読むことでより深い理解がなされるであろう。本発明を説明する目的のため、図面は本発明の各実施形態を示している。しかしながら本発明は、示される正確な構成、実施例、及び手段に限定されない点は理解されるべきである。
実施例1の試験1で使用した24のサンプルと、各サンプルの細胞培養齢を示している。特に、図1Aの表は、マイクロアレイ分析に使用した24のサンプルを示し、図1Bのチャートは、これら24の各サンプルにおける細胞培養齢を示している。 ヒト臍帯組織由来細胞(hUTC)、及びヒトPBMCを構成する各種の血液細胞におけるPTPRC(CD45)遺伝子の相対的発現を示している。 hUTC、及びヒト末梢血単核球(PBMC)を構成する各種の血液細胞におけるMME(CD10)遺伝子の発現に関する比較を示している。 hUTC、及びヒトPBMCを構成する各種の血液細胞におけるANPEP(CD13)遺伝子の発現に関する比較を示している。 hUTCにおける発現がヒトPBMCにおける発現よりも多量である選択された遺伝子のRT−PCR分析を示している。 hUTCにおける細胞表面マーカーの検出のためのフローサイトメトリー分析結果を示している。図4Aに関して、枠A1、B1、C1、D1及びE1は、無染色対照を示している。枠A2は、CD13及び7AADを示している。枠B2は、CD10及び7AADを示している。枠C2は、NRP1及び7AADを示している。枠D2は、CD45及び7AADを示している。枠E2は、LAMP1及び7AADを示している。 ヒトPBMCにおける細胞表面マーカーの検出のためのフローサイトメトリー分析結果を示している。図4Bに関して、枠A1、B1、C1、D1及びE1は、無染色対照を示している。枠A2は、CD13及び7AADを示している。枠B2は、CD10及び7AADを示している。枠C2は、NRP1及び7AADを示している。枠D2は、CD45及び7AADを示している。枠E2は、LAMP1及び7AADを示している。 PBMC及びhUTCにおける内部マーカーDKK3及びLAMP1を検出するためのフローサイトメトリー分析結果を示している。 フローサイトメトリーを使用して、ヒト血清1mlの存在下で、hUTC(1,500〜1,700個/mLの範囲)及びヒトPBMC(100万個/mL)からなる混合物におけるhUTCの検出量を示している。 フローサイトメトリーを使用して、ヒト血清1mlの存在下で、hUTC(1,700〜110,000個/mLの範囲)及びヒトPBMC(100万個/mL)からなる混合物におけるhUTCの検出量を示している。
本出願は、患者(例えばヒト)の血液中で循環する前駆細胞などの治療用同種細胞を検出する方法に関する。細胞治療産物の構成要素である前駆細胞又は他の改変細胞は、多数の臨床適応に向けて開発が行われている。例えばhUTCなど、これらの細胞は、静脈内投与などを通じて患者に投与されている。細胞治療産物としてのこれらの細胞の薬物動態を評価するため、及び治療の効果をより正確に判定するためには、血液中を循環するこれらの細胞の体内動態を判定することが必要である。しかしながら、ヒトの血液は複数種の血液細胞から構成されており、1つ又は2つ以上の種類の血液細胞から発現するタンパク質の幾つかは、前駆細胞又は改変細胞においても発現することがある。更に、被移植者の血液中における大過剰の細胞から、これらの少数の細胞(hUTCなど)の検出が可能となるほどに十分な感受性のあるアッセイを開発することが重要である。したがって、ヒト血液の存在下におけるこれらの細胞の検出は、課題として、十分な感受性及び特定性の獲得を必要としている。以上により、ヒト血液細胞から前駆細胞又は改変細胞の同定及び区別を可能とするアッセイに対する必要性が存在している。
I.定義
ここで使用する「サンプル」とは、所望の分析物を含む可能性のある任意の物質を意味する。サンプルは、全血又は全血構成物などの生体液であってもよい。これには、赤血球、白血球、血小板、血清、血漿、腹水、尿、脳脊髄液、及び身体の他の構成物が含まれる。
末梢血単核球を含む血液サンプル中において、本発明の方法を用いて同定可能な細胞を、一般的に、分娩後細胞又は分娩後由来細胞(PPDC)という。更に具体的には、細胞は、「臍由来細胞」、「臍帯由来細胞」(UDC)、「臍帯組織由来細胞」(UTC)又は「ヒト臍帯組織由来細胞」(hUTC)である。更には、それらの細胞は、幹細胞又は前駆細胞であるとして説明することができ、後者の用語は、広義に使用される。「由来する」という用語は、その細胞が、それらの生物学的起源から得られ、インビトロで、増殖されているか又は他の方法で操作されている(例えば、増殖培地中で培養されて、その集団を増殖させ、及び/又は細胞株を産生する)ことを示すために使用される。臍幹細胞のインビトロ操作、及び本発明の臍由来細胞の独自の特徴が、以下で詳細に説明される。
「幹細胞」は、単一細胞の、自己複製する能力、並びに自己複製前駆細胞、非複製前駆細胞、及び最終分化細胞を含めた子孫細胞を産生するために分化する能力の双方によって定義される、未分化細胞である。幹細胞はまた、インビトロで、複数の胚葉(内胚葉、中胚葉、及び外胚葉)から、様々な細胞系統の機能的細胞へと分化する能力によって、並びに、移植後に、複数の胚葉の組織を生じさせる能力、及び胚盤胞内への注射後に、全てではないが殆どの組織に、実質的に寄与する能力によって、特徴付けられる。
幹細胞は、その発達能によって、(1)全能性、(2)多能性、(3)複能性、(4)少能性、及び(5)単能性として分類される。全能性細胞は、全ての胚細胞型及び胚体外細胞型を生じさせることが可能である。多能性細胞は、全ての胚細胞型を生じさせることが可能である。「複能性」細胞には、細胞系統のサブセットで、特定の組織、臓器、又は生理系内の全てを生じさせることが可能であるものが含まれる。例えば、造血幹細胞(HSC)は、HSC(自己複製)、血球限定の少能性前駆細胞、並びに血液の正常構成要素である全ての細胞型及び成分を含む子孫を生成することができる。「少能性」細胞は、複能性幹細胞より制限された細胞系統サブセットを生じさせることができる。「単能性」細胞は、単一の細胞系統(例えば精子発生幹細胞など)を生じさせることができる。
幹細胞はまた、それらの幹細胞を得ることができる供給源に基づいても分類される。成体幹細胞は、全般的には、複数の分化細胞型を含む組織内に見出される、複能性の未分化細胞である。成体幹細胞は、自己複製することができる。通常の状況下では、成体幹細胞はまた、その細胞が起源とする組織の、特殊化した細胞型、また恐らくは他の組織型を産生するように、分化することもできる。胚幹細胞は、胚盤胞期の胚の内部細胞塊からの、多能性細胞である。胎生幹細胞は、胎児組織又は胎膜を起源とする幹細胞である。分娩後幹細胞は、出産後に入手可能な胚体外組織、すなわち、臍帯を実質的に起源とする、複能性若しくは多能性の細胞である。これらの細胞は、迅速な増殖、及び多くの細胞系統への分化に関する潜在能力を含めた、多能性幹細胞に固有の特徴を保有することが見出されている。分娩後幹細胞は、血液由来(例えば、臍帯血から得られる幹細胞のような)又は非血液由来(例えば、臍帯の非血液組織から得られるような)とすることができる。
培養中の細胞を説明するうえで様々な用語が用いられる。「細胞培養物」とは、全般的には、生体から取得され、制御条件下で増殖される(「培養下」又は「培養される」)細胞を指す。「初代細胞培養物」は、最初の継代培養の前に、生物から直接取得された細胞、組織、又は器官の培養物である。細胞は、細胞の増殖及び/又は分裂を促進する条件下で、増殖培地内に置かれると培養中で「増殖」して、より大きな細胞集団を形成する。細胞を培養中で増殖させる場合、細胞増殖の速度は、細胞の数が倍加するのに必要な時間の量によってしばしば測定される。これは「倍加時間」と呼ばれる。
「細胞系」という用語は、全般的に、初代細胞培養物の1つ又は2つ以上の継代培養物によって形成される細胞集団を意味する。継代培養の各回は、継代数と呼ばれる。細胞が継代培養される場合、細胞が「継代」されたと称する。特定の細胞の集団又は細胞株は、細胞が継代された数によってしばしば呼ばれるか又は特徴付けられる。例えば、10回継代された培養細胞集団はP10培養物と呼ばれる場合がある。初代培養、すなわち、組織から細胞を単離した後の最初の培養はP0と称される。最初の継代培養の後、細胞は2次培養(P1又は継代数1)といわれる。2回目の継代培養の後では、細胞は3次培養(P2又は継代数2)となる、といった具合である。継代の期間中には、多くの集団倍加が存在し得るため、培養物の集団倍加の数は、継代の数よりも大きいことが、当業者には理解されるであろう。それぞれの継代間の期間における細胞の増殖(すなわち、集団倍加数)は、播種密度、支持体、培地、培養条件、及び継代間の時間等を含むがこれらに限定されない多くの因子に依存する。
「分化」は、特殊化されていない(「分化決定していない」)又は比較的特殊化されていない細胞が、例えば、神経細胞又は筋細胞などの特殊化された細胞の特徴を獲得するプロセスである。「分化した」細胞は、細胞の系統の範囲内で、より特殊化した(「分化決定した」)状態を呈している細胞である。分化プロセスに適用された際の用語「確定した」は、通常の環境下で特定の細胞型又は細胞型の小集合への分化を続け、かつ通常の環境下で異なる細胞型に分化したり、又は低分化細胞型に戻ったりすることができない地点まで、分化経路において進行した細胞を指す。「脱分化」とは、細胞が、細胞系においてより専門化(又は分化決定)されていない位置にまで戻るプロセスのことを指す。ここで使用する「細胞系」は、細胞の遺伝、即ちその細胞がどの細胞から由来したか、またどの細胞を生じさせることができるかを規定する。ある細胞の系統とは、所定の発生及び分化の遺伝体系内にその細胞を位置付けるものである。
広義では、「前駆細胞」とは、それ自身よりも分化した後代を産生する能力を有し、かつ、前駆体のプールを補充する能力も保持する細胞を意味する。その定義によれば、幹細胞自体もまた、最終分化細胞へのより直接的な前駆細胞であるため、前駆細胞である。以下でより詳細に説明されるように、本発明の細胞に言及する場合、この広い意味での前駆細胞の定義を使用することができる。より狭義には、前駆細胞は、分化経路での中間体である細胞として定義される場合が多く、すなわち、前駆細胞は、幹細胞から生じるものであり、成熟細胞型又は細胞型のサブセットを産生する際の中間体である。このタイプの前駆細胞は、全般的には、自己複製が不可能である。したがって、このタイプの細胞が本明細書で言及される場合には、その細胞は、「非複製前駆細胞」又は「中間的前駆体」若しくは「中間的前駆細胞」と称される。
一般的に、「栄養因子」は、細胞の生存、成長、増殖、及び/又は成熟を促進するか、あるいは細胞の活性の増大を刺激する物質として定義される。
ここで使用する「標準成長条件」という用語は、5%のCOを含み、相対湿度が約100%で維持された標準空気中において、37℃で細胞の培養を行うことをいう。前述の条件は、培養に関して有用であるが、そのような条件は、細胞を培養するための、当該技術分野において利用可能な選択肢を認識する当業者によって、変更することが可能である点を理解されたい。
ここで使用する「分離」という用語は、全般的に、その自然な環境から単離された細胞を指す。この用語には、その自然な環境からの総体的な物理的分離、例えばドナー動物からの除去が含まれる。好ましい実施形態においては、単離細胞は組織内に存在しない。すなわち、細胞は、その細胞が通常は接触している近隣細胞からは分離又は解離されている。好ましくは、細胞は細胞懸濁液として投与される。ここで使用する「細胞懸濁液」という表現は、培地に接触していて、かつ、例えば組織片を穏やかな粉砕にかけることによって、解離されている細胞を含む。
ここで使用する末梢血単核球(PBMC)という用語は、円形の核を有する任意の血液細胞を含む。代表的な末梢血単核球には、リンパ球、単球及びマクロファージが含まれるが、これらに限定されない。
II患者の血液サンプル中の治療用同種細胞の検出方法
本出願は、治療用同種細胞が患者に投与された後に、患者の血液中の治療用同種細胞を検出する方法を提供する。これらの方法は、(a)治療用同種細胞による治療を受けた患者の血液サンプルを提供する段階、(b)患者の末梢血単核球(「PBMC」)(例えば、円形の核を有する任意の血液細胞)に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び/又は治療用細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを検出する分析方法を使用して、そのサンプルをを分析する段階、(c)ヒト末梢血単核球と、治療用同種細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーであってヒト末梢血単核性からは発現しないマーカーとの間で区別する段階を含む。ヒト末梢血単核性に対するマーカーと、治療用細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーであって末梢血単核性からは発現しないマーカーとの間で区別するためには、まず、これらのマーカーを同定する必要がある。そのため、これらの方法には、これらのマーカーを分析する段階も更に含む。本発明の方法は、治療用細胞の核型(すなわち、XY対XX)及び患者の性別による制限を受けることなく、その細胞の検出を可能にする。したがって、これらの方法は、性別による制約を受けることなく、かつ、女性患者において男性の治療用同種細胞(XX)を同定することだけに限定されることもない。
一実施形態においては、本発明は、血液サンプル中のヒト臍帯組織由来細胞を検出又は同定する方法を提供する。これらの方法は、(a)ヒト臍帯組織由来細胞による治療を受けた患者の血液サンプルを提供する段階、(b)ヒト末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを検出する分析方法を使用して、サンプルを分析する段階、(c)ヒト末梢血単核球と、ヒト臍帯組織由来細胞とを区別する段階を含む。区別を可能とするには、特異なマーカープロフィールを分析して、特徴的かつ特異なマーカープロフィールを選択できるようにする必要がある。hUTCの量を定量化する段階を、更に実施してもよい。一実施形態では、実施例3に示すマーカーを使用してもよい。
他の実施形態では、本発明は、ヒトへの静脈内投与後におけるhUTC細胞治療産物の区別及び/又は測定をする方法を記述する。これらの方法は、血液中に通常において存在する細胞、すなわち、末梢血単核球(「PBMC」)と比較したときに、hUTCにおいて著しく高いレベルで発現する分子マーカーを同定する。これらの方法は、hUTCの同定にあたって特異なマーカープロフィールに依拠するため、hUTCの核型(XY対XX)及び患者の性別による制限を受けることなく、その細胞の検出を可能にする。これらの方法は、性別の制約を受けることはなく、かつ、男性hUTCのみに限定されることもない。したがって、これらの方法は、男性と女性の両方のhUTCを、男性と女性の両方の対象者において、任意の組み合わせで分析することを可能にする。
本発明の方法は、多様な入手源から得られた患者血液中における治療用同種細胞を区別することに適している。特に、本発明の方法は、被移植者の大過剰な血液の存在下において、少量のhUTCを検出することに適している。この方法は、哺乳類系に属する任意の構成員に適用でき、ヒト由来のものに限定されない。例えば、本発明の方法は、ヒトにおいてhUTCなどの治療用同種細胞をPBMCと区別するために使用することができる。あるいは、この方法は、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、犬又は豚においてhUTCなどの治療用同種細胞をPBMCと区別するために使用することができる。
これらの方法は、hUTC及び他の治療用同種細胞をPBMCから区別することを容易にするとともに、細胞治療産物の投与を受けた対象者における薬物動態の監視を容易にすることができる。
本発明の方法は、細胞治療を受けた患者の血液サンプルにおける治療用同種細胞(hUTCなど)の検出に適している。そのため、本発明の方法は、事前に投与された可能性のある治療用同種細胞(hUTCなど)の検出に適している。本発明の方法は、例えばヒト臍帯組織由来細胞、胎盤由来細胞、間葉系幹細胞及び間葉系幹細胞由来細胞、hUTC、心筋細胞などの治療用細胞、又は特定のタンパク質若しくは所望のタンパク質を発現する標的細胞の検出に適している。これらの方法に使用する他の好適な細胞には、肝細胞、膵島細胞、線維芽細胞、及び不溶性コラーゲン骨基質由来(ICBM)細胞が含まれる。
これらの方法は、細胞治療を受けた患者の血液サンプルにおける2つ又はそれ以上の種類の治療用同種細胞(hUTCなど)の検出にも適している。例えば、これらの方法は、血液サンプル中において、ヒト臍帯組織由来細胞及び胎盤由来細胞の両方を検出するために使用できる。別の方法としては、これらの方法は、血液サンプル中において、ヒト臍帯組織由来細胞及び皮膚線維芽細胞を検出することに使用できる。これらの方法は、血液サンプル中において、ヒト臍帯組織由来細胞、胎盤由来細胞及び皮膚線維芽細胞を検出するためにも使用できる。
A.特徴的かつ特異なマーカープロフィールの同定
本発明の方法には、PBMCを含む患者血液サンプル中における治療用細胞(ヒト臍帯組織由来細胞など)の存在に基づき、特徴的かつ特異なマーカープロフィールを同定する段階が含まれる。
この特異なマーカープロフィールを導くには、遺伝子の発現、及び細胞表面マーカーの存在を、その細胞(ヒト臍帯組織由来細胞など)とPBMCとの間で比較することが必要である。ELISA及び免疫組織化学などのタンパク質を基本とする技術、並びに原位置ハイブリダイゼーションなどの核酸を基本とする技術を含む、複数の技術を、血液中のhUTCの存在を検出するために使用できる。あるいは、PCR技術を使用することもできる。以下の実施例において説明するように、PBMC及び/又は治療用同種細胞における多様な遺伝子の発現レベルは、公開済みの情報源から入手することもできる。
これら多様な遺伝子の発現レベルに基づき、一定の特異なマーカー遺伝子を同定することができる。特に迅速なスクリーニングに適した一実施形態では、マーカーは、細胞表面マーカーである。
以下の実施例において説明するように、hUTCに対する分子マーカーは、これらの細胞の発現プロフィールと、ヒト末梢血単核球(PBMC)の発現プロフィールとを比較することによって同定することができる。hUTC及びPBMCの発現プロフィールを比較することにより、血液循環中に通常の場合に存在する細胞と比較したときにhUTCにおいて非常に高いレベルで発現するマーカー、及び非常に高いレベルでは発現しないマーカーが、各患者について同定される。同定されるマーカーには、CD45、CD13、及びCD10が含まれる。hUTC及び循環する細胞の両方が動的な発現レベルを示し得るため、この方法は、hUTCと、被移植者の血液中を循環する細胞とを区別することができる複数のマーカーに依存する。
特異なマーカープロフィールは、存在が分析の対象とされている同種細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを含んでもよい。したがって、ヒト臍帯組織由来細胞を分析する場合、マーカープロフィールには、hUTCに対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーが含まれていてもよい。別の方法としては、同種細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーであって、同種細胞と末梢血単核球とを区別するために十分なマーカーのみを使用して、存在が分析の対象とされている同種細胞を同定してもよい。
PBMCにおけるhUTCの同定に特に有益な一実施形態では、特異なマーカープロフィールには、CD10、CD13、NRP1、CD45、LAMP1、DKK3、NRP1又はLAMB1のうち1つ又は2つ以上が含まれる。一実施形態では、特異なマーカープロフィールには、hUTCに対する少なくとも1つ又は2つ以上のマーカー特性(例えば陽性)、及びPBMCに対する少なくとも1つ又は2つ以上のマーカー特性(例えば陽性)(CD45など)が含まれる。
同様にPBMCにおけるhUTCの同定に特に有益な他の実施形態では、特異なマーカープロフィールには、hUTCに対して陽性の1つ又は2つ以上の特異なマーカーであって、末梢血単核球からhUTCを区別するために十分なマーカーが含まれる。これらの1つ又は2つ以上の特異なマーカーには、CD10、CD13、NRP1、LAMP1、DKK3、NRP1又はLAMB1のうち1つ又は2つ以上が含まれていてもよい。
当業者は、使用するマーカーの選択が、どの技術を使用するかによって異なり得ることを認識するであろう。例えば、マイクロアレイ分析(例えば、Affymetrix GeneChip(登録商標)HT HG−U133+PMアレイ)を使用する場合、ANPEP(CD13)、LAMP1及びLAMB1では区別をするのに不十分であって、区別をするのに十分なのは他の1つ又は2つ以上のマーカーである場合がある。同様に、RT−PCTを使用した場合、hUTCとPBMCとを区別する特異なマーカープロフィールの一部としてLAMP1は適切ではないことがあり、区別をするのに十分なのは他の1つ又は2つ以上のマーカーである場合がある。一実施形態では、細胞表面フローサイトメトリーによるhUTCのスクリーニングに使用する特異なマーカープロフィールには、DKK3及びLAMB1は含まれない。他の実施形態では、細胞内サイトメトリーにおける特異なマーカープロフィールには、LAMP1及びDKK3が含まれる。
選択された技術を使用した場合に、PBMCサンプルにおいてhUTCを同定するために好適なマーカーの例を、以下に示す。
Figure 0006301263
したがって、一実施形態では、特異なマーカープロフィールには、hUTCに対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーとしてのCD10、及びPBMCに対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーとしてのCD45が含まれる。他の実施形態では、特異なマーカープロフィールには、hUTCに対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーとしてのCD10及び/又はCD13、並びにPBMCに対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーとしてのCD45が含まれる。
分析方法としてフローサイトメトリーを使用する他の実施形態では、PBMCにおいてhUTCを同定するための特異なマーカープロフィールには、末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーとしてのCD45、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーとしてのCD10が含まれる。
本発明の他の実施形態では、hUTCとPBMCとを区別するマーカープロフィールには、フローサイトメトリーを使用した場合において、CD45、CD10及びCD13が含まれ、CD10及びCD13はhUTCに対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーであり、CD45はPBMCに対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーである。
PBMCサンプル中において、選択された治療用細胞を同定するために好適なマーカーの例を、以下に示す。
Figure 0006301263
特異なマーカープロフィールは、以下の手順、及び実施例に記載の方法を使用して取得することができる。以下に記載する手順は、特異なマーカープロフィールの取得と、その正確性の確認の両方を含んでもよい。確認する段階にはサンプルの分析を含んでもよい一方で、この段階を、特異なマーカー遺伝子又はタンパク質を検出する特定の手順の正確性及び試験限界を判定するために必要としてもよい。この実施形態では、マーカーを同定するためにフローサイトメトリーを使用してもよい。
特異なマーカープロフィールの取得。複数の情報源に由来するhUTCの遺伝子発現プロフィールは、Affymetrix GeneChip(登録商標)HT HG−U133+PMを使用して作成した。ヒト及びラットのPBMC、並びに他の種類の血液細胞の遺伝子発現プロフィールは、公開データベースから入手した。遺伝子発現プロフィールの結果からは、hUTCにおいて高度に発現するマーカーのセット、及びヒトPBMCにおいて高度に発現するマーカーのセットを同定することができる。このようにして、61の遺伝子が同定された。これらのサブセットについて、更に詳細な研究が行われた。この61の遺伝子リストから、hPBMCに対して陽性のマーカーとしてのCD45が、hUTCに対して陽性の2つのマーカーとしてのCD10及びCD13が同定された。
マーカープロフィールの試験方法の確認。対象者の血液中におけるhUTCの数は少量であることが予想されるため、上記にて同定したマーカーを使用して、大過剰なヒトPBMCの存在下における少量のhUTCを検出及び定量化できるかどうかを判定した。この目的のため、既知の数量のhUTCが、1mlのヒト血清における約100万のPBMCに対して添加された。次に、各サンプルのアリコートについて、hPBMCに対して陽性のマーカーとしてのCD45、及びhUTCに対して陽性のマーカーとしてのCD10又はCD13に関してフローサイトメトリー分析を行った。細胞は、遠心分離によって収集され、PBSによって1回洗浄し、次に固定及び透過処理を行った。細胞のアリコートを、以下によって培養した:(1)FITC標識抗CD45(Abeam,Cat # 27287);(2)CD10に対するマウスモノクローナル(Abeam,Cat #34175)、その後にFITC標識ヤギ抗マウスAb(Abeam,Cat #6785);及び(3)CD13に対するマウスモノクローナル(Abeam,Cat #7417)、その後にFITC標識ヤギ抗マウスAb(Abeam,Cat #6785)。生細胞のみを次の分析へと通過させる生存性監視のために、各サンプルにはよう化プロピジウム(PI)を加えた。この手順を用いて、フローサイトメトリーを使用したCD10、CD13及びCD45を含むマーカープロフィールの試験により、hUTC及びPBMCを効果的に同定できることが確認された。
一実施形態では、特異なマーカープロフィールは、特異なマーカープロフィールの検査用物質を含むキットの一部として提供してもよい。
特異なマーカープロフィールを同定する段階には、関連する規則に準拠して、特異なマーカープロフィールの正確性及び可能性ある検証内容を確認する段階が含まれてもよい。
B.患者サンプルの取得
患者サンプルを取得する段階には、患者から血液サンプルを採取する段階が含まれる。上述のとおり、一実施形態においては、患者は、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、犬又は豚であってもよい。血液サンプルは、細胞を分離させるために、更に精製又は濃縮してもよい。例えば、一実施形態では、血漿を血液から除去してもよい。血漿は、遠心分離など、当該技術分野において標準的な技術を用いて除去してもよい。
更なる分析に用いた患者サンプル(例えば、分画)には、所望の治療用同種細胞及びその患者の末梢血単核球が含まれる。一実施形態では、患者サンプルには、ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画が含まれる。
一実施形態では、患者サンプルを取得する段階には、ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を、血液サンプルから分離することが更に含まれる。この実施形態には、血漿を除去する段階が更に含まれていてもよい。
他の実施形態では、患者サンプルを取得する段階には、フィコール抽出の使用が含まれる。
C.患者サンプルの分析
一般的に、分析する段階には、患者の血液サンプルの採取、及び治療用同種細胞(例えば、hUTC)に対する特徴的かつ特異なマーカーの存在に関して当該サンプルへの試験実施が含まれる。分析する段階には、上記のとおり決定された特異なマーカーに基づき、PBMCの存在を判定することが含まれていてもよい。例えば、患者サンプルの分析する段階には、治療用同種細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーについて試験を行う分析方法の使用が含まれる。したがって、分析する段階には、上記のとおり分析された特異なマーカープロフィールに基づき、細胞の存在を検出することが含まれる。別の方法としては、患者サンプルの分析する段階には、治療用同種細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上の特異なマーカーであって、末梢血単核球からこれらの治療用同種細胞を区別するために十分なマーカーに関して、試験を行う分析方法の使用が含まれる。
一実施形態では、分析する段階には、患者の血液サンプル中において、末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを検出することが含まれる。他の実施形態では、分析する段階には、患者の血液サンプル中において、hUTCに対して陽性の1つ又は2つ以上の特異なマーカーであって、PBMCからhUTCを区別するために十分なマーカーを検出することが含まれる。患者の血液サンプルは、ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画とすることができる。
分析する段階は、多様かつ標準的な実験技術を使用して実施することができる。一実施形態では、分析する段階には、フローサイトメトリー、ELISA、免疫組織化学、核酸検出、PCR、又はそれらの組み合わせを使用してもよい。
ELISA及び免疫組織化学などのタンパク質を基本とする技術、並びに原位置ハイブリダイゼーションなどの核酸を基本とする技術を含む、複数の技術を、血液中のhUTCの存在を検出するために使用できる。あるいは、PCR技術を、血液サンプル中におけるhUTCの相対定量を容易にするために使用してもよい。
本発明の好ましい一実施形態では、本発明の方法を、ヒトhUTCとヒトPBMCとを区別するために使用する。一実施形態では、特異なマーカープロフィールには、CD10、CD13、NRP1、CD45、LAMP1、DKK3、NRP1又はLAMB1のうちの1つ又は2つ以上が含まれ、分析する段階には、フローサイトメトリー、ELISA、免疫組織化学、核酸検出、PCR、又はそれらの組み合わせを使用してもよい。他の実施形態では、分析する段階には、ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD10及び/又はCD13、並びにヒト末梢血単核球に対して陽性のマーカーとしてのCD45を試験するためのフローサイトメトリーが含まれる。他の実施形態では、本発明の方法は、PBMCとhUTCとを区別するために十分な1つ又は2つ以上の特異な陽性のマーカー(CD10、CD13、NRP1、LAMP1、DKK3、NRP1又はLAMB1など)の存在に基づき、PBMCとhUTCとを区別するために使用される。
D.任意の濃縮する段階
本発明の方法は、1つ又は2つ以上の濃縮する段階を更に含んでもよい。ここで使用する「濃縮」という用語は、処理済みの分析サンプル中において、非標的物質(PBMCなど)に対する標的バイオエンティティー(例えば、治療用同種細胞(hUTCなど))の比率を、当初の生物学的サンプルにおける比率と比較して、大幅に増加させるプロセスを意味する。
特に、治療用同種細胞(hUTCなど)の検出に高めの精度が必要となる場合、患者のサンプルを分析する前に、濃縮する段階が必要となることがある。例えば、濃縮する段階は、血液細胞の数と比較して治療用同種細胞(hUTCなど)の数が少なすぎる場合、又は治療用同種細胞の数が実験技術の検出限界を下回る場合において必要となり得る。濃縮を用いた場合、本発明の方法は、患者の血液中に治療用同種細胞が非常に低い濃度で存在するときであっても、治療用同種細胞の同定及び定量化を可能にするとともに、所与のサンプル中に存在する細胞の定量化を容易にするメカニズムを提供することができる。
1つ又は2つ以上の濃縮する段階には、多様かつ標準的な技術を用いることができる。これらの技術には、濃縮における選択的培地の使用及び特定の種類の細胞枯渇、選択的な付着方法、物理的及び生物学的な細胞分離の方法、濃度勾配電気泳動、遠心分離などが含まれるが、これらに限定されない。濃縮技術の例としては、免疫親和カラム、免疫親和ビーズ、スクロースを通じた遠心分離、又はフィコールグラジエントが挙げられる。
したがって、血液1ml中におけるhUTCの数、及びPBMC 100万個に対するhUTCの数によっては、分析の前にhUTCの分画を分離又は濃縮することが必要となり得る。この目的において、電磁ビーズと接合した抗CD45抗体を用いることができる(以下の説明を参照)。
電磁ビーズによる細胞分離
濃縮する段階には、電磁粒子/ビーズによる細胞分離が含まれていてもよい。磁性粒子は、免疫的及びその他生物特異的親和性反応において利用されるように、当該技術分野において周知である。一般には、磁気又は重力分離を容易にする任意の物質がこの目的で利用できる。電磁ビーズを使用した濃縮手順の例は、参照により本明細書に援用する米国特許第7,863,012号及び米国特許公開出願第2011/0147180号に記載している。
磁性粒子は、寸法に基づいて、大(1.5〜約50マイクロメートル)、小(約0.7〜1.5マイクロメートル)、又はコロイド状(<200nm)(ナノ粒子とも呼ばれる)に分類できる。第三の物質は、フェロフルード又はフェロフルード様物質としても知られ、古典的なフェロフルードの性質の多くを有し、本明細書においてはコロイド状超常磁性粒子と称する場合もある。
上記の種類の小磁性粒子は、生物特異的親和性反応などの解析に非常に有用であり、生体機能性ポリマー(例えば、タンパク質)でうまく覆われると、非常に大きい表面積をもたらして、適度な反応速度が得られる。約0.7〜1.5マイクロメートルの範囲の磁性粒子は、例として、米国特許第3,970,518号、同第4,018,886号、同第4,230,685号、同第4,267,234号、同第4,452,773号、同第4,554,088号、及び同第4,659,678号などの特許文献に記載されている。これらの粒子のうち、免疫学的試薬の有用な固体担体となる特定のものが開示される。
磁気分離を実施できる効率、並びに磁気標識された細胞の回収率及び純度は、多くの要因によって決定される。これらの要因には、分離される細胞数、その細胞のレセプター又はエピトープ密度、細胞当たり磁気装荷、磁性物質の非特異的結合(NSB)、封入された非標的細胞のキャリーオーバ、用いた手技、容器の性質、容器表面の性質、媒質の粘度、及び使用した磁気分離装置などが挙げられる。通常そうであるように、ある系の非特異的結合の程度が実質的に一定である場合、標的集団が減ると、純度も落ちる。
例として、元の混合物の0.25%である集団の80%が回収される、NSBが0.8%の系では、純度は25%である。一方、初期集団が0.01%(10個のバイスタンダー細胞中1個の標的細胞)であり、かつNSBが0.001%であった場合、純度は8%となる。したがって、試料混合物における標的物質が高純度であれば、標的物質をより特異的かつ効果的に収集することができる。非特異的結合が極低であることは、血液循環中に存在する上皮由来腫瘍細胞などの希少細胞の検出及び解析を容易化するために必要又は有利である。
標的細胞集団(hUTCなど)が小さければ小さいほど、磁気標識及び回収が困難になる。更に、標識化及び回収率は、用いる磁性粒子の性質に顕著に左右される。例えば、細胞をDynal(登録商標)電磁ビーズ(インビトロジェン)などの大磁性粒子とインキュベートすると、効率的に拡散するにはビーズが大きすぎるため、この系の混合によって生じる衝突によって細胞が標識される。したがって、ある細胞が、血液1mL当たり1個の細胞、又はそれ以下の頻度で集団中に存在する場合、標的細胞の標識率は、系に加えられた磁性粒子の数、及び混合時間の長さに関連する。細胞をそのような粒子と長時間混合することは有害であるため、粒子濃度をできるだけ高めることが必要になる。しかしながら、分離の際、大量の磁性粒子に混入されている希少細胞の代わりに別の血液細胞に混入されている希少細胞を用いるとき、添加できる磁性粒子の量には限界がある。この後者の条件では、対象とする細胞を数え上げる、又はこれらを検査する能力は著しく改善されない。
一実施形態では、濃縮する段階の実施に使用する磁性粒子は、コロイドとしてふるまう。このような粒子は、通常は約200ナノメートル(nm)(0.20マイクロメートル)未満であるマイクロメートル未満の粒径、及び長時間にわたる溶液からの重力分離に対する安定性を特徴とする。多くのその他利点に加え、この寸法範囲により、粒子は、細胞解析に一般的に用いられる解析手法に対して本質的に不可視になる。約90〜150nmの範囲内で、約70〜90%の磁気質量を有する粒子は、本発明での使用が意図される。好適な磁性粒子は、磁性コアに結合、例えば、物理的吸収又は共有結合され、安定的なコロイド状特性を付与する分子によって取り囲まれる、超常磁性物質の結晶性コアからなる。コーティング材料は、サンプル中にある生体高分子と磁性コアとの間の非特異的相互作用を阻止するのに有効な量で、好ましくは適用されなくてはならない。これらの生体高分子には、非標的細胞表面上のシアル酸残留物、レクチン、糖タンパク質、及び他の膜構成物などの炭水化物がふくまれ得る。加えて、この材料は、ナノ粒子ごとの磁気質量を可能な限り多く含有しなくてはならない。コアを含む磁性結晶の寸法は十分に小さく、完全な磁区を含有しない。ナノ粒子の寸法は十分に小さく、ブラウンエネルギーが磁気モーメントを超える程である。結果として、N極、S極の整列、及び続くこれらコロイド状磁性粒子の相互引力/反発力は、適度に強い磁場であっても起こらないように見え、溶液安定性に寄与している。最後に、磁性粒子は、高磁場勾配外部分離器で分離可能であるべきである。この特徴が、サンプルの取り扱いを容易にし、強電磁ビーズ又はスチールウールが含まれたより複雑な内部勾配カラムに対して、経済的利点をもたらす。上記の特性を有する磁性粒子は、それぞれ参照により本明細書に援用する米国特許第4,795,698号、同5,597,531号、及び同5,698,271号に記載する基材を変更することで生成できる。
小型のナノ粒子(30〜70nm)は拡散が容易であるため、より大型のナノ粒子に比べて、優先的に細胞を標識する。内部勾配カラムなどにおいて、高い勾配を用いたときは、これらの物質の性能には、寸法にかかわらず、大きな違いを生じない。他方で、外部勾配を用いたとき、又はマイクロビーズ若しくはスチールウールカラム上で生成できる、より小さい勾配を用いたときは、細胞上における小型ナノ粒子の占有は重大な影響をもたらす。このことは、DCナノ粒子を分級して、回復時の影響を観察することにより、確定的に示されている。これらの研究及び他の最適化実験に基づき、過度に小型又は大型のナノ粒子を有しないベースコーティングされた磁性ナノ粒子が生成可能である場合に、ナノ粒子を磁気的に又はコラム上で分級する方法が確立された。例えば、ベースコーティングされ、平均直径が100nmである粒子を生成することができ、これに含まれる80nmよりも小さい物質、又は130nmを超える物質は、微量にとどまった。同様に、約120nmの物質を生成することができ、90〜95nmよりも小さい物質及び160nmを超える物質は、検出できなかった。これらの物質は、回復に関して最適な性能を示し、60〜70nmナノ粒子が含有することで準最適な性能を示した。本発明の実施にあたって使用するために好適な粒子寸法の1つは、例えばBSAコーティングされたマグネタイトなど、ベースコーティングされた磁性粒子の場合において、90〜150nmの範囲である。
以上に基づき、所望の細胞サブセットを真核細胞の混合集団(例えば、末梢血単核球における治療用同種細胞(hUTCなど))から分離するために最適な方法は、所望のサブセットが集団全体のうちのごく一部を構成する場合には特に、高磁性、低い非特異的結合かつコロイド磁性の粒子を用いた外場装置による高勾配磁気分離である。このような物質は、その拡散特性から、血中腫瘍細胞などの希少な現象を容易に見つけ出し、磁気標識する。一実施形態では、治療用同種細胞(hUTCなど)を効果的に分析するための磁気分離にあたって、磁性粒子は、治療用同種細胞(hUTCなど)には存在しないエピトープに特異的である必要がある。
電磁ビーズを使用する濃縮する段階には、モノクローナル抗体で標識された磁性ナノ粒子(上記のものなど)の使用が含まれる。これらのモノクローナル抗体には、末梢血単核球を同定する抗体であってもよいが、治療用同種細胞であることはできない。ナノ粒子に付着するモノクローナル抗体は、末梢血単核球に結合し、その後、磁気的方法を用いて分離できる。典型的には、この分離は、高磁性勾配外場分離器の使用を通じて達成できる。磁気的方法による分離をする最適な技術の例は、その開示内容を本明細書に援用する米国特許第6,365,362号に記載されている。一実施形態では、磁性粒子と結合した抗CD45抗体が使用される。別の方法としては、濃縮する段階は、T細胞を除去するため、抗CD4及び抗CD8抗体の使用を含む。
他の実施形態では、濃縮する段階には、治療用同種細胞を同定するモノクローナル抗体が含まれる。更に他の実施形態では、治療用同種細胞はhUTCであり、抗体は抗CD10又はCD13抗体のうち1つ又は2つ以上を含む。
一実施形態では、本発明の方法には、hUTC及びPBMCの検出に最適化されたセルサーチシステム(Veridex,LLC(Raritan,NJ))の使用が含まれる。
患者サンプル中における治療用同種細胞(hUTCなど)の近似値が不明である場合があるため、本発明の方法は、追加分析を実施するために、十分な患者サンプルを保存する段階を更に含んでもよい。これは、治療用同種細胞(hUTCなど)の存在量が、使用した分析技術の検出限界を下回るために、当初の分析において治療用同種細胞を検出できない可能性がある場合に、特に有用となり得る。したがって、一実施形態では、当初において治療用同種細胞(hUTCなど)が検出されなかった場合、この方法には、患者サンプルの追加分析が更に含まれる。この追加分析には、上述した1つ又は2つ以上の濃縮する段階も含まれる。
E.患者の血液サンプル中における治療用同種細胞及び末梢血単核球の存在判定
本発明の方法は、末梢血単核球のサンプル中において、治療用同種細胞の存在を判定することを更に含む。当該細胞の存在を判定する段階には、サンプルの分析結果と、上記のとおり分析された特異なマーカーとの比較が含まれ、治療用同種細胞に対する特異なマーカーの存在は、サンプル中における治療用同種細胞の存在を示している。判定の段階には、結果と、PBMCに対して上記のとおり同定された特異なマーカーとの比較も含まれていてもよい。したがって、判定の段階には、治療用同種細胞(hUTCなど)に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー及びPBMCに対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーに関する結果と、上記のマーカープロフィールとを比較することが含まれる。
他の実施形態では、本発明の方法は、末梢血単核球(ヒト又はげっ歯類など)のサンプル中におけるヒト臍帯由来細胞の存在を判定することが含まれる。当該細胞の存在を判定する段階には、サンプルの分析結果と、上記のとおり分析された特異なマーカーとの比較が含まれ、治療用同種細胞に対する特異なマーカーの存在は、サンプル中におけるhUTC細胞の存在を示している。判定の段階には、結果と、PBMCに対して上記のとおり同定された特異なマーカーとの比較も含まれていてもよい。判定の段階には、上述のとおり、hUTCに対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー及びPBMCに対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーが含まれていてもよい。
判定の段階には、ヒト末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーの検出に基づき、ヒト末梢血単核球とヒト臍帯組織由来細胞とを区別することも含まれる。判定の段階には、患者に投与されたヒト臍帯組織由来細胞と、患者の末梢血単核球とを区別することも含まれる。
細胞の存在を判定する段階には、細胞の定量化も含まれていてもよい。一実施形態では、hUTCの存在を判定する段階には、サンプル中におけるhUTCの数の定量化も含まれる。
存在を判定する段階には、特異なマーカープロフィール(例えば、hUTCに対して陽性の1つ以上のマーカー)の存在に基づき、1つ以上のヒト臍帯組織由来細胞を選択することが更に含まれていてもよい。
判定の段階には、ヒト末梢血単核球に対して陽性のマーカーとしてのCD45、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD10又はCD13の検出に基づき、ヒト末梢血単核球及びヒト臍帯組織由来細胞の存在を検出することが更に含まれていてもよい。
他の実施形態では、本明細書に記載の方法は、治療用同種細胞をラットPBMCから区別することに適する可能性があり、このことは、ラット疾患モデルにおける監視に特に有益であり得る。
一実施形態では、本発明は、血液中におけるhUTCの同定方法を記述する。この方法は、(a)ヒト臍帯組織由来細胞による治療を受けた患者の血液サンプルを提供する段階、(b)ヒト末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを検出する分析方法を使用して、サンプルを分析する段階、(c)ヒト末梢血単核球と、ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ以上のマーカーとを区別する段階を含む。hUTCの量を定量化する段階を、更に実施してもよい。一実施形態では、実施例3に示す1つ又は2つ以上のマーカーが使用される。
他の実施形態では、本発明の方法は、濃縮する段階に依存することなく、フローサイトメトリーを使用して、ヒトPBMC 100万の存在下における約1,700/ml以上のhUTCを同定することに適している。
III.血液サンプル中における治療用同種細胞の試験用キット及びシステム
本発明の他の実施形態は、本発明の方法を用いて、血液サンプル中におけるhUTCなどの治療用同種細胞の存在を試験するためのキットである。
このキットは、特徴的かつ特異なマーカープロフィール、及び1つ又は2つ以上の分析手順に従って特徴的かつ特異なマーカープロフィールを同定するために好適な構成要素を含み得る。例えば、RT−PCRを使用して特徴的かつ特異なマーカープロフィールを区別するために好適なキットには、特異なマーカープロフィール遺伝子の増幅に好適なPCRプライマーが含まれるであろう。同様に、抗体結合アッセイによる特徴的かつ特異なマーカープロフィールの区別に好適なキットには、マーカーに結合する抗体が含まれるであろう。
一実施形態では、キットは、PBMCの集団におけるhUTCを検出するよう設計されている。他の実施形態では、キットには、特異なマーカープロフィールCD10、CD13及びCD45、並びにフローサイトメトリー、ELISA、免疫組織化学、核酸検出、PCR又はそれらの組み合わせのうち1つ又は2つ以上を使用してCD10、CD13及びCD45を同定するための他の好適な構成要素が含まれる。
更に他の実施形態は、PBMCの集団における治療用同種細胞(hUTCなど)を検出するシステムである。このシステムには、本発明の方法を実施するために必要な部材が含まれる。
IV.ヒト臍帯組織由来細胞
本発明の方法は、宿主細胞から治療用細胞(例えば、前駆細胞/肝細胞)を区別し得ることが意図されているが、好ましい実施形態では、細胞は、ヒト臍帯組織由来細胞(「hUTC」又は「UTC」)とすることができる。有用なヒト臍帯組織由来細胞は、血液が実質的に含まれないヒト臍帯組織から単離され、培養下で自己複製及び増殖が可能であり、分化する潜在能力を有する。本発明の方法による同定に好適なhUTC及びUTCの集団は、本明細書において以下に詳述するとともに、米国特許第7,510,873号、同第7,524,489号、及び米国特許出願第2005/005863号にも詳述されている。
A.臍帯組織由来細胞の分離及び増殖
本明細書で説明される方法によれば、哺乳類の臍帯は、満期産若しくは早期産のいずれかの終了時に、又はその直後に、例えば、出産後の圧出の後に回収される。この分娩後組織は、出産場所から、実験室へと、フラスコ、ビーカー、培養皿、又は袋などの、滅菌容器内で移送することができる。この容器は、溶液又は培地を含み得、それらの溶液又は培地としては、例えば、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)(ダルベッコ最小必須培地とも呼ばれる)若しくはリン酸緩衝生理食塩水(PBS)などの、食塩水、又はウィスコンシン大学液若しくはペルフルオロ化合物溶液などの、移植に使用される器官の移送のために使用される、任意の溶液が挙げられるが、これらに限定されない。限定するものではないが、ペニシリン、ストレプトマイシン、アンホテリシンB、ゲンタマイシン、及びナイスタチンなどの、1種以上の抗生物質及び/又は抗真菌剤を、培地若しくは緩衝液に添加することができる。分娩後組織は、ヘパリン含有溶液などの抗凝固溶液で、すすぐことができる。この組織は、UTCの抽出の前に、約4〜10℃に保つことが好ましい。この組織は、UTCの抽出の前に凍結させないことが、更により好ましい。
UTCの単離は、好ましくは、無菌環境内で実施される。臍帯は、当該技術分野において既知の手段によって、胎盤から分離することができる。血液及び残滓は、UTCの単離前に、分娩後組織から除去することが好ましい。例えば、この分娩後組織は、緩衝溶液(リン酸緩衝生理食塩水を含むがこれに限定されない)で洗浄することができる。この洗浄緩衝液はまた、1種以上の抗真菌剤及び/又は抗生物質(例えばペニシリン、ストレプトマイシン、アンホテリシンB、ゲンタマイシン、及びナイスタチンを含むがこれらに限定されない)も含み得る。
臍帯又はその断片若しくは切片を含む分娩後組織は、機械的な力(細断力又は剪断力)によって脱凝集される。現時点で好ましい実施形態では、この単離手順はまた、酵素消化プロセスも利用する。多くの酵素が、培養下での増殖を促進するための、複合組織マトリックスからの個々の細胞の単離に関して有用であることは、当該技術分野において既知である。弱い消化性(例えば、デオキシリボヌクレアーゼ、及び中性プロテアーゼであるディスパーゼ)から、強い消化性(例えば、パパイン及びトリプシン)の範囲にわたる消化酵素が市販されている。本明細書に適合する酵素の非網羅的なリストとしては、粘液溶解酵素活性、メタロプロテアーゼ、中性プロテアーゼ、セリンプロテアーゼ(トリプシン、キモトリプシン、又はエラスターゼなど)、及びデオキシリボヌクレアーゼが挙げられる。メタロプロテアーゼ、中性プロテアーゼ、及び粘液溶解活性から選択される酵素活性が、現時点で好ましい。例えば、コラゲナーゼは、組織から様々な細胞を単離するために有用であることが既知である。デオキシリボヌクレアーゼは、一本鎖DNAを消化することができ、単離中の細胞凝集を最小限に抑えることができる。好ましい方法には、例えばコラゲナーゼ及びディスパーゼで、又はコラゲナーゼ、ディスパーゼ及びヒアルロニダーゼで、酵素処置することが含まれる。特定の実施形態において、コラゲナーゼと中性プロテアーゼディスパーゼの混合物が、この分離する段階に使用される。より具体的な実施形態では、Clostridium histolyticum由来の少なくとも1種のコラゲナーゼ、並びにプロテアーゼ活性のディスパーゼ、及びサーモリシンのいずれかの存在下での消化を採用する。更に別の実施形態では、コラゲナーゼとディスパーゼ両方の酵素活性での消化を採用する。また、コラゲナーゼ活性及びディスパーゼ活性に加えて、ヒアルロニダーゼ活性での消化を含む方法も利用される。様々な組織源から細胞を単離するための、そのような多くの酵素処理が、当該技術分野において既知であることが、当業者には理解されるであろう。例えば、商標名LIBERASE(Roche(Indianapolis,IN))として販売されている組織解離用酵素配合物が、当該方法での使用に好適である。他の酵素の供給源が既知であり、当業者はまた、そのような酵素を、それらの天然源から直接取得することもできる。当業者はまた、本発明の細胞を単離する際の有用性に関して、新たな、又は追加的な酵素若しくは酵素の組み合せを評価するための設備も、十分に備えている。好ましい酵素処理は、0.5時間、1時間、1.5時間、又は2時間以上の長さである。他の好ましい実施形態では、組織は、この解離する段階の酵素処理の間、37℃でインキュベートされる。
本発明の一部の実施形態では、分娩後組織は、例えば、胎盤の新生児、新生児/母体、及び母体の態様などの、様々な組織の態様を含む切片へと分離される。次いで、分離された切片は、本明細書で説明される方法にしたがって、機械的解離及び/又は酵素的解離によって解離される。新生児系統又は母体系統の細胞は、当該技術分野において既知の任意の手段によって、例えば、Y染色体に関する、核型分析又は原位置ハイブリダイゼーションによって、同定することができる。
分離された細胞又はUTCが由来する臍組織は、細胞培養を開始又は播種するのに使用することができる。細胞外マトリックス又はリガンド、例えば、ラミニン、コラーゲン(ネイティブ、変性、又は架橋)、ゼラチン、フィブロネクチン、及びその他の細胞外マトリックスタンパク質によりコーティングしていない又はコーティングした組織培養用滅菌容器に単離細胞を移入する。本明細書で開示する培養培地に加えて、UTCは、細胞の生育を維持することのできる任意の培養培地で培養することができ、これには例えば、DMEM(高又は低グルコース)、アドバンストDMEM、DMEM/MCDB 201、イーグル基本培地、ハムF10培地(F10)、ハムF−12培地(F12)、イスコフ改変ダルベッコ培地、間葉系幹細胞増殖培地(MSCGM)、DMEM/F12、RPMI1640、及び商標名CELL−GRO−FREE(Mediatech,Inc.(Herndon,VA))として販売されている無血清培地(serum/media free medium)などが挙げられるがこれらに限定されない。この培養培地は、例えば、好ましくは約2〜15%(v/v)のウシ胎児血清(FBS);ウマ血清(ES);ヒト血清(HS);好ましくは約0.001%(v/v)のβ−メルカプトエタノール(BME又は2−ME);1種以上の増殖因子、例えば、血小板由来増殖因子(PDGF)、上皮増殖因子(EGF)、線維芽細胞増殖因子(FGF)、血管内皮増殖因子(VEGF)、インスリン様増殖因子−1(IGF−1)、白血球阻止因子(LIF)、及びエリスロポエチン(EPO);L−バリンを含むアミノ酸;例えば、単独若しくは組み合せでの、ペニシリンG、硫酸ストレプトマイシン、アンホテリシンB、ゲンタマイシン、及びナイスタチンなどの、微生物汚染を制御するための、1種以上の抗生物質並びに/あるいは抗真菌剤を含めた、1種以上の構成成分を添加することができる。培養培地は、下記の実施例で定義される増殖培地を含んでもよい。
細胞は、細胞増殖を可能にする密度で、培養容器中に播種される。好ましい実施形態では、細胞は、CO濃度約0〜約5体積%(空気中)下で培養される。一部の好ましい実施形態では、細胞は、空気中約2〜約25パーセントのOで、好ましくは、空気中約5〜約20パーセントのOで培養される。細胞は、好ましくは、約25〜40℃の温度で培養し、更に好ましくは37℃で培養する。好ましくは、細胞は、インキュベータの中で培養する。培養容器内の培地は、静的状態とすることができ、又は例えばバイオリアクターを使用して攪拌することもできる。UTCは、好ましくは、低酸化ストレス下で(例えば、グルタチオン、ビタミンC、カタラーゼ、ビタミンE、N−アセチルシステインを添加して)増殖される。「低酸化ストレス」とは、本明細書で使用するとき、フリーラジカルが培養細胞に損傷を与えないか、又は損傷が最低限に抑えられる条件を指す。
最も適切な細胞培地、培地調製、及び細胞培養技術の選択方法は、当該技術分野において周知であり、Doyleら(編)、1995年、「Cell & Tissue Culture:Laboratory Procedures」、John Wiley & Sons(Chichester);Ho及びWang(編)、1991年、「Animal Cell Bioreactors」、Butterworth−Heinemann(Boston)を含めた、様々な出典で説明され、それらは、参照により本明細書に組み込まれる。
単離された細胞又は組織断片を、十分な期間にわたって培養した後に、分娩後組織からの遊走、若しくは細胞分裂のいずれか、又は双方の結果として、UTCが増殖することとなる。本発明の一部の実施形態では、UTCは、継代され、又は、最初に使用されたものと同じタイプ、若しくは異なるタイプの新鮮培地を収容する、別個の培養容器に取り出され、その細胞の集団は、有糸分裂的に増殖することができる。本発明の細胞は、継代数0と老化との間の任意の時点で、使用することができる。この細胞は、好ましくは、約3回〜約25回継代され、より好ましくは、約4回〜約12回継代され、好ましくは、10回又は11回継代される。クローニング及び/又はサブクローニングを実行することにより、細胞のクローン集団が単離されていることを確認することができる。
特定の実施形態では、分娩後組織に存在する多種の細胞が、亜集団に分画され、これらの亜集団からUTCを単離することができる。分画又は選択は、細胞分離のための標準的技術を使用して達成することができ、それらの標準的技術としては、分娩後組織をその構成細胞へと解離する酵素処理、その後の特定の細胞型のクローニング及び選択、例えば、形態学的マーカー及び/又は生化学的マーカーに基づく選択;所望される細胞の選択的増殖(正の選択)、不必要な細胞の選択的破壊(負の選択);例えば大豆凝集素を使用するような、混合集団中での示差的な細胞凝集能に基づく分離;凍結−解凍手順;混合集団中での示差的な細胞付着特性;濾過;従来の遠心分離法及びゾーン遠心分離法;遠心溶出法(対向流遠心分離法);単位重力分離法;向流分布法;電気泳動;及び蛍光活性化セルソーター(FACS)が挙げられるが、これらに限定されない。クローン選択及び細胞分離技術の概説に関しては、参照により本明細書に組み込まれる、Freshney,1994,Culture of Animal Cells:A Manual of Basic Techniques,3rd Ed.,Wiley−Liss,Inc.,New Yorkを参照されたい。
培養培地は、例えば、必要に応じて、例えばピペットで、皿から培地を慎重に吸引して、新鮮培地を補充することによって変更される。インキュベーションは、十分な数又は密度の細胞が、皿内に蓄積するまで継続される。標準的技術を使用して、又はセルスクレーパーを使用して、元の外移植組織の切片を取り出し、残余の細胞をトリプシン処理することができる。トリプシン処理の後、細胞を収集して、新鮮培地に取り出し、上記のようにインキュベートする。一部の実施形態では、培地は、トリプシン処理の約24時間後に、少なくとも1回交換して、あらゆる浮遊細胞を除去する。培養下に残存する細胞が、UTCであると見なされる。
UTCは、凍結保存することができる。したがって、自家移入に関する(母又は子のいずれかに関する)UTCは、子供の誕生後に適切な分娩後組織から誘導して、次いで、それらのUTCが後に移植に必要とされる事象で利用可能となるように、凍結保存することができる。
B.臍帯組織由来細胞の特性
上記のとおり、及び以下の実施例に示すとおり、hUTCはCD45、CD13及びCD10並びにその他のマーカーの存在に基づいてPBMCと区別が可能であるが、hUTCは、他の特異な特性を多様に有している。
UTCは、例えば、増殖特性(例えば、集団倍加能力、倍加時間、老化までの継代数)、核型分析(例えば、正常核型;母体系統又は新生児系統)、フローサイトメトリー(例えば、FACS分析)、免疫組織化学及び/又は免疫細胞化学(例えば、エピトープの検出に関する)、遺伝子発現プロファイリング(例えば、遺伝子チップアレイ;ポリメラーゼ連鎖反応(例えば、逆転写酵素PCR、リアルタイムPCR、及び従来のPCR))、タンパク質アレイ、タンパク質分泌(例えば、血漿凝固アッセイ又はPDC−馴化培地の分析によるもの、例えば、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によるもの)、混合リンパ球反応(例えば、PBMCの刺激の尺度として)、及び/又は当技術分野において既知の他の方法によって、特徴付けることができる。
臍組織由来の好適なUTCの例は、2004年6月10日に、American Type Culture Collection(10801 University Boulevard,Manassas,VA)に寄託されており、以下のATCCアクセッション番号が割り当てられている:(1)菌株表示UMB 022803(P7)は、アクセッション番号PTA−6067が割り当てられ;(2)菌株表示UMB 022803(P17)は、アクセッション番号PTA−6068が割り当てられている。
様々な実施形態では、UTCは、以下の増殖の特徴のうちの1つ又は2つ以上を保有する:(1)培養下での増殖のためにL−バリンを必要とする;(2)約5%〜少なくとも約20%の酸素を含有する大気中での増殖が可能である;(3)老化に到達する前に、培養下で少なくとも約40回倍加する潜在能力を有する;(4)コーティングされた、若しくはコーティングされていない組織培養容器上に付着して増殖し、このコーティングされた組織培養容器は、ゼラチン、ラミニン、コラーゲン、ポリオルニチン、ビトロネクチン、又はフィブロネクチンのコーティングを含む。
特定の実施形態では、UTCは、その細胞が継代される際に維持される、正常核型を有する。核型分析に関する方法は、当業者に利用可能であり、既知である。
他の実施形態では、UTCは、(1)組織因子、ビメンチン、及びα−平滑筋アクチンのうちの少なくとも1つの産生;(2)フローサイトメトリーによって検出されるような、CD10、CD13、CD44、CD73、CD90、PDGFr−α、PD−L2、及びHLA−A、B、C細胞表面マーカーのうちの少なくとも1つの産生を含めた、特定のタンパク質の産生によって特徴付けることができる。他の実施形態では、UTCは、フローサイトメトリーによって検出されるような、CD31、CD34、CD45、CD80、CD86、CD117、CD141、CD178、B7−H2、HLA−G、及びHLA−DR、DP、DQ細胞表面マーカーのうちの少なくとも1つの産生の欠如によって、特徴付けることができる。組織因子、ビメンチン、及びα−平滑筋アクチンのうちの少なくとも2つを産生する細胞が、特に好ましい。タンパク質組織因子、ビメンチン、及びα−平滑筋アクチンの3つ全てを産生するような細胞も、好ましい。
他の実施形態では、UTCは、線維芽細胞、間葉系幹細胞、又は腸骨稜の骨髄細胞である、ヒト細胞と比べて、インターロイキン8;レチクロン1;ケモカイン(C−X−Cモチーフ)リガンド1(黒色腫増殖刺激活性、α);ケモカイン(C−X−Cモチーフ)リガンド6(顆粒球走化性タンパク質2);ケモカイン(C−X−Cモチーフ)リガンド3;腫瘍壊死因子、及びα誘導タンパク質3のうちの、少なくとも1つをコードする遺伝子に関して増大する、遺伝子の発現によって特徴付けることができる。
更に他の実施形態において、UTCは、線維芽細胞、間葉系幹細胞、又は腸骨稜の骨髄細胞のヒト細胞と比べて、低身長ホメオボックス2;熱ショック27kDaタンパク質2;ケモカイン(C−X−Cモチーフ)リガンド12(ストロマ細胞由来因子1);エラスチン(大動脈弁上狭窄症、ウィリアムズ−ビューレン症候群);ホモサピエンスmRNA;cDNA DKFZp586M2022(クローンDKFZp586M2022由来);間葉ホメオボックス2(増殖停止特異的ホメオボックス);sine oculisホメオボックスホモログ1(ドロソフィラ);クリスタリン、α B;形態形成のdisheveled関連アクチベータ2;DKFZP586B2420タンパク質;ニューラリン1の類似体;テトラネクチン(プラスミノーゲン結合タンパク質);src相同性3(SH3)及びシステイン豊富ドメイン;コレステロール25−ヒドロキシラーゼ;runt関連転写因子3;インターロイキン11受容体α;プロコラーゲンC−エンドペプチダーゼエンハンサー;frizzledホモログ7(ドロソフィラ);仮定的遺伝子BC008967;コラーゲン、VIII型、α1;テネイシンC(ヘキサブラキオン);iroquoisホメオボックスタンパク質5;へファエスチン;インテグリンβ8;シナプス小胞糖タンパク質2;神経芽腫、腫瘍形成抑制1;インスリン様増殖因子結合タンパク質2、36kDa;ホモサピエンスcDNA FLJ12280fis、クローンMAMMA1001744;サイトカイン受容体様因子1;カリウム中間体/低コンダクタンスカルシウム活性化チャネル、サブファミリーN、メンバー4;インテグリン、β7;PDZ結合モチーフ(TAZ)を有する転写コアクチベータ;sine oculisホメオボックスホモログ2(ドロソフィラ);KIAA1034タンパク質;小胞関連膜タンパク質5(ミオブレビン);EGF含有フィビュリン様細胞外マトリックスタンパク質1;初期成長応答3;distal−lessホメオボックス5;仮定的タンパク質FLJ20373;アルド−ケト還元酵素ファミリー1、メンバーC3(3αヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼ、II型);バイグリカン;PDZ結合モチーフ(TAZ)を有する転写コアクチベータ;フィブロネクチン1;プロエンケファリン;インテグリン、β様1(EGF様リピートドメインを有する);ホモサピエンスmRNA完全長インサートcDNAクローンEUROIMAGE 1968422;EphA3;KIAA0367タンパク質;ナトリウム利尿ペプチド受容体C/グアニル酸シクラーゼC(心房ナトリウム利尿ペプチド受容体C);仮定的タンパク質FLJ14054;ホモサピエンスmRNA;cDNA DKFZp564B222(クローンDKFZp564B222由来);BCL2/アデノウイルスE1B 19kDa相互作用タンパク質3様;AE結合タンパク質1;シトクロムcオキシダーゼサブユニットVIIaポリペプチド1(筋肉)のうちの、少なくとも1つをコードする遺伝子に関して減少する、遺伝子の発現によって特徴付けることができる。
他の実施形態では、UTCは、培養をしたときに、MCP−1、IL−6、IL−8、GCP−2、HGF、KGF、FGF、HB−EGF、BDNF、TPO、MIP1b、1309、MDC RANTES及びTIMPLのうち少なくとも1つの分泌によって特徴付けることができる。さらに、UTCは、培養をしたときに、TGF−β2、ANG2、PDGFbb、MIP1A及びVEGFのうち少なくとも1つの分泌の欠如によって特徴付けることができる。
幾つかの好ましい実施形態において、UTCは、実質的に血液を含まない臍帯組織から誘導され、培養下で自己複製及び増殖が可能であり、増殖のためにL−バリンを必要とし、少なくとも約5%の酸素中で増殖可能であり、かつ、次の特性のうち少なくとも1つを含む:培養下で少なくとも約40回倍加する潜在能力を有する;コーティングされた若しくはコーティングされていない組織培養容器(ゼラチン、ラミニン、コラーゲン、ポリオルニチン、ビトロネクチン、又はフィブロネクチンのコーティングを含む)上に付着して増殖する;ビメンチン及びα−平滑筋アクチンの産生;CD10、CD13、CD44、CD73、及びCD90の産生;並びに、遺伝子の発現が、線維芽細胞、間葉系幹細胞、又は腸骨稜の骨髄細胞であるヒト細胞と比べて、インターロイキン8及びレチクロン1をコードする遺伝子に関して増大する。幾つかの実施形態において、そのようなUTCは、CD45及びCD117を産生しない。
好ましい実施形態では、その細胞は、上記の増殖特性、タンパク質/表面マーカーの産生特性、遺伝子発現特性、又は物質分泌特性のうちの2つ以上を含む。これらの特性のうち3つ、4つ、5つ又はそれ以上を含む細胞が、より好ましい。それらの特性のうちの6つ、7つ、又は8つ又はそれ以上を含むUTCが、更により好ましい。上記特性のすべてを含む細胞が、更に好ましい。
幾つかの態様で本発明と共に使用するために、現時点で好ましい細胞は、とりわけ、上述の特性を有する分娩後細胞であり、より具体的には、それらの細胞が、正常核型を有し、継代で正常核型を維持する場合であり、更には、それらの細胞が、マーカーCD10、CD13、CD44、CD73、CD90、PDGFr−α、及びHLA−A、B、Cのそれぞれを発現する場合であり、それらの細胞が、列記されたマーカーに対応する、免疫学的に検出可能なタンパク質を産生する場合である。前述に加えて、フローサイトメトリーによって検出されるような、マーカーCD31、CD34、CD45、CD117、CD141、又はHLA−DR、DP、DQのいずれに対応するタンパク質も産生しないような細胞が、更により好ましい。
一実施形態では、UTCは、実質的に血液が含まれないヒト臍帯組織由来細胞から単離され、培養下で自己複製及び増殖が可能であり、分化をする潜在能力を有し、CD117又はCD45の産生が欠如しており、CD10及びCD13を発現し、hTERT又はテロメラーゼの発現をしない。これらのUTCは、酸化低比重リポタンパク質受容体1、レチクロン、ケモカイン受容体リガンド3、及び/又は顆粒球走化性タンパク質を任意追加的に発現し、並びに/若しくは、CD31又はCD34を発現せず、並びに/若しくは、ヒト線維芽細胞に比べて、間葉系幹細胞、又は腸骨稜骨髄細胞に対するインターロイキン8又はレチクロン1の濃度上昇を発現し、並びに/若しくはCD44、CD73及びCD90を発現する。
他の実施形態では、UTCは、血液を実質的に含まないヒト臍帯組織から単離され、培養下で自己複製及び増殖が可能であり、分化をする潜在能力を有し、CD10、CD13、CD90及びHLA−ABCを発現し、CD34、CD45、CD117及びHLA−DRを発現しない。任意追加的に、これらの細胞は、hTERT又はテロメラーゼを発現しない。一実施形態では、細胞は、CD44及びCD43を更に発現する。更に他の実施形態では、細胞は、CD31を発現しない。これらのUTCは、(i)酸化低比重リポタンパク質受容体1、レチクロン、ケモカイン受容体リガンド3、及び/又は顆粒球走化性タンパク質を任意追加的に発現し、並びに/若しくは(ii)ヒト線維芽細胞に比べて、間葉系幹細胞、又は腸骨稜骨髄細胞に対するインターロイキン8又はレチクロン1の濃度上昇を発現する。
他の実施形態では、UTCが、血液が実質的に含まれないヒト臍帯組織から単離され、培養下で自己複製及び増殖が可能であり、分化する潜在能力を有し、かつ以下の特性を有する:(1)CD10、CD13、CD44、CD90及びHLA−ABCの発現、(2)CD31、CD34、CD45、HLA−DR及びCD117の不発現、並びに(3)hTERT又はテロメラーゼの不発現。他の実施形態では、UTCが、血液が実質的に含まれないヒト臍帯組織から単離され、培養下で自己複製及び増殖が可能であり、分化する潜在能力を有し、かつ以下の特性を有する。(1)CD10、CD13、CD44、CD90及びHLA−ABCの発現、(2)CD31、CD34、CD45、HLA−DR及びCD117の不発現、(3)hTERT又はテロメラーゼの不発現、(4)酸化低比重リポタンパク質受容体1、レチクロン、ケモカイン受容体リガンド3、及び/又は顆粒球走化性タンパク質の発現、並びに(5)ヒト線維芽細胞との対比で、間葉系幹細胞、又は腸骨稜骨髄細胞に対するインターロイキン5又はレチクロン1の濃度上昇の発現。
一実施形態では、hUTCは、細胞集団として提供され、これらは同質であり得る。幾つかの実施形態では、細胞集団は、不均質であり得る。本発明の不均質な細胞集団は、少なくとも約5%、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、又は95%の、本発明のUTCを含み得る。本発明の不均質細胞集団は更に、幹細胞又はその他の前駆細胞(例えば筋芽細胞又はその他の筋肉前駆細胞、血管芽細胞、又は血管前駆細胞)を含み、あるいは更に、完全に分化した骨格筋細胞、平滑筋細胞、周細胞、又は血管内皮細胞を含み得る。幾つかの実施形態では、集団は実質的に。
更に、以下の実施例、及びあらゆる仕様において用いられる場合、スクリーニング方法を使用して同定できるhUTCは、米国特許第7,510,873号、同第7,524,489号、及び米国特許出願第2005/005863号(それらがhUTCの説明、単離及び特徴付けに関連する限りにおいて、参照により本明細書に援用する)の開示内容に従って、単離及び特徴付けをすることができる。さらに、電磁ビーズを使用した濃縮する段階は、米国特許第7,863,012号及び米国特許出願第2011/0147180号(それらが濃縮する段階及び電磁ビーズに関連する限りにおいて、参照により本明細書に援用する)に記述されている。
更なる説明を行わずとも、当業者であれば、上記の説明及び以下の例示的な実施例を利用することで、本発明を行い及び使用し、特許請求される方法を実施することが可能であるものと考えられる。したがって、以下の実施例は、本発明の好ましい実施形態を具体的に指摘するものであって、本開示の残りの記載をいかなる意味においても限定するものとして解釈されるべきではない。
(実施例1)
hUTCの単離、維持及び増殖
ヒト臍帯組織由来細胞は、4人のドナーから単離され、米国特許第7,510,873号、同7,524,4894号、及び米国特許出願第2005/005863号、並びに以下の実施例に記述するとおり、15%のウシ胎児血清を補充した増殖培地下で増殖された。初期継代培養は、凍結保存され、それぞれDCB及びWCBと名付けられた開発セルバンク及びワーキングセルバンクを作成した。生きたhUTCの培養は、以下の方法のうち1つを使用して維持された。1)組織培養フラスコ中での懸垂培養、並びに2)スピナーフラスコ及び撹拌タンクバイオリアクター中での浮遊培養。細胞は、まず、後者の方法に関して、マイクロキャリア上に播種された。
これら3セットのサンプルに対して、以下のとおりマイクロアレイ分析を行った:(1)試験1(ドナーマイクロアレイ試験);(2)試験2(温度逸脱試験);及び(3)試験3(バイオマーカー試験)。
試験1(ドナーマイクロアレイ試験)
このサンプルセットでは、細胞は、スピナーフラスコ内で培養され、初期継代細胞系の集団倍加PDL5から開始し、PDL44で終了した。
典型的な培養は、新鮮な増殖培地に、約5×10細胞/mlを播種し、4日間平静にした。このとき、ピーク生存細胞密度(VCD約3−4×10細胞/mL)が達成された。培養物のアリコートを定期的に採取し、全32のサンプルを得た。下表1−1は、試験のサンプルを列挙している。
Figure 0006301263
細胞の採取は、図1(右側)に示す4日間の増殖日数のうち、任意の日において実施した。32サンプルのリストから、マイクロアレイ分析に24を選択した。図1は、集団倍加レベル(PDL)及び特定のサンプルが採取されたときの増殖曲線の領域を示している。
試験2(温度逸脱試験)
このサンプルセットでは、細胞は、採取前に、最長18時間、25℃〜42℃の温度範囲で維持された。この試験で使用したサンプルを、下表1−2に示す。
Figure 0006301263
試験3(バイオマーカー試験)
この試験では、8つのサンプルのセットを使用した。細胞は、撹拌タンクバイオリアクターで増殖され、PDL30で採取された。この試験で使用したサンプルを、下表1−3に示す。
Figure 0006301263
データ分析
マイクロアレイデータ生成には、Affymetrix GeneChip(登録商標)HT HG−U133+PMアレイを使用した。データは、2段階で分析された。第1段階では、温度逸脱試験(試験2,表1−2)からマイクロアレイデータが生成され、hUTCの発現プロフィールと、ヒトPBMCの発現プロフィールが比較された。PBMCにおける多様な遺伝子の発現レベルは、国立衛生研究所が管理する国立生物工学情報センター(NCBI)データベースを含む公的な情報源から取得された。第2段階では、試験1から生成されたマイクロアレイデータ、及び試験3(表1−1及び1−3を参照)において生成された8つのサンプルからの保存データを使用した。hUTCの発現プロフィールと、(1)ヒトPBMC及び(2)ラットPBMCの発現プロフィールを比較した。ヒトPBMCの発現プロフィールは健康なヒト被験者から取得され(NCBIデータベース試験GSE14642)、ラットPBMCの発現プロフィールはNCBIデータベース試験GSE11083及びGSE19537から取得された。ヒト血液細胞(B細胞、NK細胞、樹状細胞、リンパT細胞、骨髄系単核細胞、及び好中球)のサブタイプにおける発現プロフィールは、NCBIデータベース(試験GSE22886及び試験GSE3982)からも取得された。更に、遺伝子オントロジー及びEntrezデータベースを検索して、3976ヒトプラズマ細胞膜タンパク質遺伝子(GO:0005886)、355細胞表面タンパク質遺伝子(GO:0009986)及び349 CD抗原遺伝子を同定した。2614ヒト及びラットのプラズマ細胞膜タンパク質遺伝子並びに288細胞表面タンパク質遺伝子のサブセットを、ヒト及びラットのマイクロアレイ上の遺伝子と適合させるとともに、315 CD抗原遺伝子を、ヒトマイクロアレイと適合させた上で、本試験に含められた。
発現シグナル(すなわち、全データセットにおける高度な発現シグナルの閾値として10以上のlog2(強度))の動態に基づき、両種類のサンプルにおいて高度に発現した200を超える遺伝子から、314のプローブセットのリストが同定された。いずれの場合においても、hUTCにおける発現がヒトPBMCにおける発現よりも劇的に異なっている遺伝子が、選択された上でランク付けされた。表1−4は、試験2で産生した遺伝子であって、hUTCにおける発現がヒトPBMCにおける発現よりも劇的に異なっている遺伝子のリストを示している。これらには、細胞表面及びプラズマ細胞膜タンパク質、並びに細胞内タンパク質が含まれる。
表1−4では、3つのサンプルセットすべてにおいて同定された遺伝子には、下線が引かれている。より詳細な検査を行った遺伝子は、太字で表示している(これらには、DKK3、LAMB1、ANPEP(CD13)、LAMP1(CD107a)、PTPRC(CD45)、MME(CD10)及びNRP1が含まれる)。
Figure 0006301263
表1−5は、hUTCにおける発現レベルがヒトPBMCにおける発現レベルよりも大きく異なっている遺伝子(試験1及び試験2において産生)のリストを示している。表1−5では、下線は3つのサンプルセット全て(すなわち、試験1、2及び3)において同定された遺伝子を示している(これらは、LAMB1、DKK3及びCAP2を含む)。より詳細な検査を行った遺伝子は、太字で表示している(これらには、ANPEP(CD13)、LAMP1(CD107a)、PTPRC(CD45)、MME(CD10)及びNRP1が含まれる)。
Figure 0006301263
表1−5に示されるとおり、試験2及び3を構成するサンプルセットの分析により、11の遺伝子が同定された。このうち3つの遺伝子は、全サンプルセットにおいて同定された。これらの11の遺伝子のうち、7つの遺伝子(NRP1、DKK3、LAMP1、LAMB1,MME(CD10)、PTPRC(CD45)及びANPEP(CD13))について、更に詳細な検討を行った。
これらの7つの遺伝子のうち、NRP1、DKK3、LAMP1、LAMB1及びMME(CD10)は細胞表面マーカーであり、発現したタンパク質であるPTPRC(CD45)及びANPEP(CD13)は細胞内に局在していた。3つの遺伝子、すなわちPTPRC(CD45)(遺伝子ID #207238)、MME(CD10)(遺伝子ID #203434)及びANPEP(CD13)(遺伝子ID #202888)について、hUTCにおける発現レベルと、PBMCである多様なヒト血液細胞における発現レベルが比較された。細胞表面タンパク質遺伝子であるPTPRC(CD45)、MME(CD10)及びANPEP(CD13)の、hUTCにおける発現と、PBMCである多様なヒト血液細胞における発現との比較は、図2A、B及びCにそれぞれ示されている。
(実施例2)
同定されたマーカーのRT−PCRによる確認
hUTC及びヒトPBMCにおける選択された遺伝子であって、実施例1で同定された遺伝子の転写レベルが、RT−PCRによって確認された。選択された遺伝子であって、そのhUTCにおける発現とヒトPBMCにおける発現とが比較された遺伝子のRT−PCR結果は、図3に示されている。
これらの結果を得るために、各hUTC調製物からの全RNAが単離され、その後、これからcDNAが調製された。次に、cDNAをテンプレートとして使用して、各遺伝子に特異的な蛍光プローブを、RT−PCR反応を実施するために使用した。
図3は、hUTC及びPBMCにおけるMME(CD10)、ANPEP(CD13)、PTPRC(CD45)、DKK3、LAMB1、NRP1、GAPPD及びHPRT1に関するRT−PCRの結果を示している。ハウスキーピング遺伝子、GAPDH及びHPRTを例外として、試験対象としたすべての遺伝子が、ヒトPBMCと比較して、hUTCにおいて豊富に存在することが示された。陰性対照として使用され、ヒトPBMCにおいて高度に発現することが知られているPTPRC(CD45)の発現のみが、PBMCの場合と比較して、hUTCにおいて豊富ではなかった。図3に関して、CT値が高いことは、転写量が少ないことを示している。
PBMCは多種の血液細胞によって構成されているため、これら多様な各細胞において発現した遺伝子のうち、選択した遺伝子の遺伝子発現プロフィールについて、hUTCにおける遺伝子発現プロフィールと比較をした。図2Bに示されるとおり、PBMCにおけるMME(CD10)の相対的発現は、hUTCにおける場合と比較して低かったが、好中球におけるその相対的発現は高かった。同様に、hUTCにおけるANPEP(CD13)の発現はPBMCにおける場合と同等であったが、T細胞及びマクロファージにおけるその相対的発現は、hUTCにおける場合よりも高かった。
(実施例3)
PBMCにおけるhUTCのフローサイトメトリーによる検出
hUTC及びヒトPBMCにおいて示差的発現を示した遺伝子のリスト(表1−4及び1−5を参照)からは、細胞表面及び/又はプラズマ細胞膜上で遺伝子産物を発現する5つの遺伝子サブセットが選択された。更に、細胞内で対応するタンパク質産物を発現する2つの遺伝子が選択された。これらのマーカーには、NRP1、DKK3、LAMB、LAMP1、MME(CD10)、PTPRC(CD45)及びANPEP(CD13)が含まれていた。
フローサイトメトリー分析に関して、細胞は、指数増殖期において採取され、その後、BD Bioscienceから購入したキットを使用して固定及び透過処理が行われた。hUTCの表面上に存在するとして同定された選択済みマーカー(すなわち、CD10、CD13、CD45、NRP1及びLAMP1)に対する抗体をもって、この調製物のアリコートを培養した。過剰な抗体を除去した後、細胞を、蛍光標識された二次抗体をもって培養した。次に、細胞を、フローサイトメーターによって分析した。
細胞表面、プラズマ細胞膜及び細胞内マーカーの検出のためのフローサイトメトリー分析結果は、図4Aから4Cに示されている。図4Aは、上部パネルを対照として、hUTCを使用して試験をした細胞表面マーカーを示している。図4Bは、上部パネルを対照として、PBMCを使用して試験をした細胞表面マーカーを示している。図4Cは、PBMC及びhUTCにおける内部マーカーDKK3及びLAMP1を検出するためのフローサイトメトリー分析結果を示している。
図4Aに関して、hUTC集団の90%がCD13に対して陽性(CD13)であると観察され、hUTC集団の75%がCD10に対して陽性(CD10)であると観察され、hUTC集団の17%がNRP1に対して陽性(NRP1)であると観察された。hUTC集団のいずれも、CD45又はLAMP1に対して陽性であるとは観察されなかった。
図4Bに関して、PBMC集団の6%がCD13に対して陽性(CD13)であると観察され、PBMC集団の2%がCD10に対して陽性(CD10)であると観察され、PBMC集団の4%がNRP1に対して陽性(NRP1)であると観察され、PBMC集団の72%がCD45に対して陽性(CD45)であると観察された。PBMC集団のいずれも、LAMP1に対して陽性であるとは観察されなかった。
図4Cは、細胞内マーカーDKK3及びLAMP1に関するフローサイトメトリーデータを示している。hUTC集団の52%が、DKK3陽性であると観察された。PBMC集団の23%が、DKK3陽性であると観察された。図4Cは、LAMP1がhUTCの内部マーカーとして有効であることを示している。
NRP1を例外として、細胞表面タンパク質遺伝子マーカーは、血清中にPBMCを含む混合サンプルにおいて、完全かつ生存するhUTCの検出に使用することができた(図4A及び4Bを参照)。NRP1は、ヒトPBMCにおける転写レベルに比較して、hUTCにおいて高い転写レベルを示したが(図3)、NRP1はフローサイトメトリーによってはhUTCにおいて検出できなかった(図4Aを参照)。CD45に関して、予期されたとおり、ヒトPBMCの表面においてのみ高レベルのCD45が発現した(図4Bを参照)。更に、ヒトPBMCにおける場合と比較してhUTCにおいて高い発現を示す2つの細胞内マーカーである、LAMP1及びDKK3(特異的に発現した遺伝子のリストから、表1−4)も分析された(図4Cを参照)。これらのマーカーは、hUTCの同一性を追加確認するために使用することができる。
フローサイトメトリーによって分析されたhUTCとヒトPBMCとの差異は、下表3−1に示されている。
Figure 0006301263
下表3−2は、上記実施例2におけるRT−PCR及び本実施例におけるフローサイトメトリーにより分析したhUTCとPBMCとの差異を要約している。表3−2において、NDは「判定せず」を意味する。
Figure 0006301263
(実施例4)
hUTC及びヒトPBMCの混合物におけるhUTCの検出
血液中のhUTCの検出を実証するため、様々な濃度を100万のヒトPBMCと混合した。この混合物を、CD45(PBMCに対して陽性のマーカー)、CD10及びCD13(hUTCに対して陽性のマーカー)を使用してフローサイトメトリーにより分析した。特に、hUTC(1,500細胞/mlから110,000細胞/mLまでの範囲)及びヒトPBMC(100万細胞/mL)を含む混合物中におけるhUTCの検出は、図5A及び5Bに示されている。
2種類の細胞は、室温にて、ヒト血清1ml中で混合された。その後、すみやかに、hUTCに対して陽性のマーカーとしてのCD10、及びPBMCに対して陽性のマーカーとしてのCD45を使用して、フローサイトメトリーによって混合物のアリコートを分析した。図5Aでは、hUTCの濃度は1,500から1,700細胞/mlの範囲内にあり、ヒトPBMCの濃度は100万細胞/mlの範囲内にあった。図5Bでは、hUTCの濃度は1,700から110,000細胞/mlの範囲内にあり、ヒトPBMCの濃度は100万細胞/mlの範囲内にあった。
図5Aに示されるとおり、サンプル中、100万のヒトPBMCの存在下において1,700/ml以上のhUTCが含まれる場合、フローサイトメトリーを使用した判定の精度は高い(R=0.94)。図5Aに示されるとおり、サンプル中、100万のヒトPBMCの存在下において、1,500から1,700/ml以上のhUTCが含まれる場合(図5B)、フローサイトメトリーを使用した判定の精度は低くなる(R=0.51)。
(実施例5)
hUTCの単離
臍細胞の単離。臍帯は、National Disease Research Interchange(NDRI,Philadelphia,PA)から得た。それらの組織は、正常分娩の後に得たものであった。細胞単離プロトコルを、層流フード内で、無菌的に実行した。血液及び残滓を除去するため、ペニシリン100単位/lm、ストレプトマイシン100mg/ml、及びアンホテリシンB 0.25μg/mL(Invitrogen Carlsbad,CA)の存在下において、臍帯をリン酸緩衝生理食塩水(PBS;Invitrogen,Carlsbad,CA)で洗浄した。
次いで、それらの組織を、150cmの組織培養プレート内で、50mLの培地(DMEM−低グルコース又はDMEM−高グルコース;Invitrogen)の存在下で、組織が微細なパルプ状に細断されるまで機械的に解離させた。細断した組織を、50mLのコニカルチューブに移した(チューブ1本当り組織約5グラム)。
次に、DMEM−低グルコース培地又はDMEM−高グルコース培地(それぞれペニシリン100単位/ml、ストレプトマイシン100mg/ml、及びアンホテリシンB 0.25μg/mLを含む)、及び消化酵素にて、細胞を消化した。一部の実験では、コラゲナーゼとディスパーゼとの酵素混合物を使用した(「C:D」)(DMEM−低グルコース培地において、コラゲナーゼ(Sigma(St Louis,MO)、500単位/ml;及びディスパーゼ(Invitrogen)、50単位/mL)。他の実験では、コラゲナーゼ、ディスパーゼ及びヒアルロニダーゼの混合物(「C:D:H」)を使用した(DMEM−低グルコースにおいて、C:D:H=コラゲナーゼ、500単位/ml;ディスパーゼ、50単位/ml;及びhyalurヒアルロニダーゼ(Sigma)、5単位/ml)。これらの組織、培地、及び消化酵素を入れたコニカルチューブを、225rpmの軌道振盪器(Environ,Brooklyn,NY)内で、37℃で2時間インキュベートした。
消化の後、150xgで5分間、組織を遠心分離して、上清を吸引した。ペレットは20mlの増殖培地において再懸濁された(DMEM:低グルコース(Invitrogen)、15%(v/v)ウシ胎児血清(FBS;既定のウシ胎児血清;ロット番号AND18475;Hyclone,Logan,UT)、0.001%(v/v)2−メルカプトエタノール(Sigma)、ペニシリン100単位/ml、ストレプトマイシン100μg/ml、及びアンホテリシンB 0.25μg/ml(それぞれInvitrogen,Carlsbad,CAから))。細胞懸濁液を70μmのナイロン製BD FALCON Cell Strainer(BD Biosciences,San Jose,CA)に通して濾過した。増殖培地を含む、追加の5mLの洗液を、濾過器に通過させた。次いで、その細胞懸濁液を、孔径40μmのナイロン製細胞濾過器(BD Biosciences,San Jose,CA)に通過させ、続いて、増殖培地の洗液を追加で5mL通過させた。
この濾液を、増殖培地(総容積50ml)中に再懸濁させ、150xgで5分間、遠心分離した。上清を吸引して、50mlの新鮮増殖培地中に、細胞を再懸濁させた。この過程を更に2回繰り返した。
最終的な遠心分離の後に、上清を吸引して、5mlの新鮮増殖培地中に、細胞ペレットを再懸濁させた。トリパンブルー染色を使用して、生存細胞の数を判定した。次いで、標準条件下で、細胞を培養した。
臍帯から単離した細胞を、上述のような抗生物質/抗真菌剤添加した増殖培地中で、ゼラチンコーティングT−75cmフラスコ(Corning Inc.,Corning,NY)上に、5,000個/cmで播種した。2日後、消費した培地及び未付着の細胞を、フラスコから吸引した。PBSで付着細胞を3回洗浄して、残渣及び血液由来細胞を除去した。次いで、細胞に、増殖培地を補充して、コンフルエンスまで増殖させ(継代数0から約10日)、継代数1とした。その後の継代(継代数1から継代数2へ、など)の際には、細胞は、4、5日でサブコンフルエンス(75〜85%コンフルエンス)に到達した。これらの後続の継代に関しては、細胞を、5,000細胞/cmで播種した。細胞は、37℃、二酸化炭素5%、かつ、加湿した培養器内で増殖された。
幾つかの実験では、細胞は、LIBERASE(2.5mg/ml、Blendzyme 3;Roche Applied Sciences,Indianapolis,.IN)及びヒアルロニダーゼ(5単位/ml,Sigma)による消化後、DMEM−低グルコース培地において、分娩後組織から単離された。組織の消化、及び細胞の単離は、上記の他のプロテアーゼ消化に関する説明と同様であるが、C:D又はC:D:H酵素混合物の代わりに、LIBERASE/ヒアルロニダーゼ混合物を使用した。LIBERASEを使用する組織の消化は、分娩後組織から、容易に増殖する細胞集団の単離をもたらした。
種々の酵素の組み合せを使用して、臍帯から細胞を単離するための手順を比較した。消化に関して比較する酵素には、i)コラゲナーゼ;ii)ディスパーゼ;iii)ヒアルロニダーゼ;iv)コラゲナーゼ:ディスパーゼ混合物(C:D);v)コラゲナーゼ:ヒアルロニダーゼ混合物(C:H);vi)ディスパーゼ:ヒアルロニダーゼ混合物(D:H);vii)コラゲナーゼ:ディスパーゼ:ヒアルロニダーゼ混合物(C:D:H)を含めた。これらの種々の酵素消化条件を使用して、細胞単離の差異を観察した(表5−1を参照)。
種々の手法によって臍帯から細胞のプールを単離するために、他の試みを行なった。一例では、臍帯を薄切りにして、増殖培地で洗浄し、血餅及びゼラチン状物質を取り除いた。血液、ゼラチン状物質、及び増殖培地の混合物を収集して、150xgで遠心分離した。ペレットを再懸濁させ、ゼラチンコーティングされたフラスコ上に、増殖培地中で播種した。これらの実験から、容易に増殖する細胞集団が単離された。
細胞はまた、NDRIから入手した臍帯血サンプルからも単離されている。単離プロトコルは、Hoらの国際特許出願PCT/US第2002/029971号に記載するものを使用した。臍帯血(NDRI,Philadelphia PA)のサンプル(それぞれ50ml及び10.5ml)は、溶解用緩衝液(フィルター殺菌済み155mMの塩化アンモニウム、10ミリモルの重炭酸カリウム、pH 7.2に緩衝された0.1mMのEDTA(全要素はSigma,St.Louis,MOから))と混合された。1:20の、臍帯血と溶解緩衝液との比率で、細胞を溶解させた。得られた細胞懸濁液を、5秒間ボルテックス攪拌して、周囲温度で2分間インキュベートした。この溶解液を、遠心分離した(200xgで10分間)。細胞ペレットは、10%のウシ胎児血清(Hyclone,Logan UT)、4mMのグルタミン(Mediatech Herndon,VA)、100単位/mlのペニシリン、及び100μg/mlのストレプトマイシン(Gibco,Carlsbad,CA)を含む完全最小必須培地(Gibco,Carlsbad CA)において再懸濁された。再懸濁した細胞を、遠心分離して(200xgで10分間)、上清を吸引し、完全培地中で細胞ペレットを洗浄した。T75フラスコ(Corning(NY))、T75ラミニンコーティングフラスコ、又はT175フィブロネクチンコーティングフラスコ(双方ともBecton Dickinson(Bedford,MA))内に、細胞を直接播種した。
細胞集団が種々の条件下で単離され、単離の直後に様々な条件下で増殖することが可能か否かを判定するために、上記の手順に従って、0.001%(v/v)の2−メルカプトエタノール(Sigma(St.Louis,MO))を有する増殖培地中、又は有さない増殖培地中で、C:D:Hの酵素の組み合せを使用して、細胞を消化させた。全細胞は、100単位/mlのペニシリン及び100μg/mlのストレプトマイシンの存在下において増殖された。全ての試験条件下で、細胞は、継代数0〜1の間でにおいて、良好に付着して増殖した(表4−2)。条件5〜8及び条件13〜16の細胞は、播種の後、継代数4まで良好に増殖することが実証され、その時点で、それらの細胞を凍結保存した。
C:D:Hの組み合せが、単離の後の、最良の細胞収量をもたらし、他の条件よりも、多くの世代にわたって培養下で増殖する細胞を生じさせた(表5−1)。コラゲナーゼ又はヒアルロニダーゼを単独で使用しても、増殖可能な細胞集団は得られなかった。この結果が、試験したコラゲナーゼに特異的なものであるか否かを判定する試みは、行なわなかった。
Figure 0006301263
細胞は、酵素消化及び増殖に関して試験した全ての条件下で、継代数0〜1の間に、良好に付着して増殖した(表5−2)。実験条件5〜8及び実験条件13〜16の細胞は、播種の後、継代数4まで良好に増殖し、その時点で、それらの細胞を凍結保存した。全細胞は、更なる分析のために凍結保存された。
Figure 0006301263
有核細胞が付着し、急速に増殖した。これらの細胞は、フローサイトメトリーによって分析したところ、酵素消化によって得られた細胞と同様であった。
これらの調製物は、赤血球及び血小板を含有するものであった。最初の3週間は、有核細胞が付着及び分裂することはなかった。播種の3週間後に、培地を交換したが、細胞の付着及び増殖は観察されなかった。
酵素併用コラゲナーゼ(メタロプロテアーゼ)、ディスパーゼ(中性プロテアーゼ)及びヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸を破壊する粘液溶解酵素)を効果的に使用して、臍組織から細胞集団を単離することができた。コラゲナーゼと中性プロテアーゼとの配合物であるLIBERASEも使用することができる。コラゲナーゼ(4 Wunsch単位/g)及びサーモリシン(1714カゼイン単位/g)である、Blendzyme 3もまた、細胞を単離するために、ヒアルロニダーゼと共に使用した。これらの細胞は、ゼラチンコーティングされたプラスチック上の増殖培地中で培養した場合、多数回の継代にわたって、容易に増殖した。
細胞はまた、臍帯内の残留血液からも単離されたが、臍帯血からは単離されなかった。使用した条件下で付着及び増殖する、この組織から洗い流された血餅中の細胞の存在は、解剖プロセス中に細胞が遊離することによるものである可能性がある。
(実施例6)
細胞の核型分析
細胞療法に使用される細胞株は、好ましくは、均質であり、いずれの汚染性の細胞型も含まない。細胞治療に使用されるヒト細胞は、通常の構造を有する染色体を通常数46において有していなければならない。均質であり、かつ、非分娩後組織起源の細胞を含まない、臍由来細胞株を同定するために、細胞サンプルの核型を分析した。
新生男児の分娩後組織由来のUTCを、増殖培地中で培養した。新生男児由来の分娩後組織(X,Y)を選択することにより、新生児由来細胞と母体由来細胞(X,X)との識別が可能となった。細胞を、T25フラスコ(Corning(Corning,NY))内の増殖培地中に、5,000細胞/平方センチメートルで播種し、80%の集密度まで増殖させた。細胞を収容するT25フラスコは、首部分まで増殖培地で充填した。臨床細胞遺伝学研究所に、急送便でサンプルを配送した(研究所間の推定輸送時間は、1時間である)。染色体分析は、New Jersey Medical School,Newark,NJに所在するCenter for Human & Molecular Geneticsが実施した。細胞は、染色体が最も良好に可視化される、分裂中期の間に分析した。計数した分裂中期の20個の細胞のうち、5個の細胞を、正常の均質な核型の数(2)に関して分析した。細胞サンプルは、2つの核型が観察された場合には、均質として特徴付けられた。細胞サンプルは、3つ以上の核型が観察された場合には、不均質として特徴付けられた。不均質な核型の数(4)が識別された場合、更なる分裂中期細胞を計数して、分析した。
染色体分析に送付した全細胞サンプルは、細胞遺伝学研究所のスタッフによって、通常の外観を有していると解釈された。分析された16の細胞株のうちの3つは、新生児起源及び母体起源の双方に由来する細胞の存在を示す、不均質な表現型(XX及びXY)を呈した(表6−1)。各細胞サンプルは、均質であると特徴付けられた。(表6−1)。
Figure 0006301263
染色体分析は、臨床細胞遺伝学研究所によって解釈されるように、核型が正常を表す臍由来細胞を同定した。核型分析はまた、均質な核型によって判定されるように、母体細胞を含まない細胞株も同定した。
(実施例7)
細胞表面マーカーのフローサイトメトリー評価
フローサイトメトリーによる、細胞表面タンパク質又は「マーカー」の特性評価を使用して、細胞株の同一性を判定することができる。この発現の一貫性は、複数のドナーから、並びに種々の処理及び培養条件に曝された細胞内で、判定することができる。臍から単離された分娩後細胞株を、フローサイトメトリーによって特徴付けることにより、これらの細胞株の同定に関するプロファイルが提供された。
血漿処理されたT75、T150、及びT225組織培養フラスコ(Corning,Corning,NY)内で、細胞をコンフルエンスまで培養した。2%(w/v)のゼラチン(Sigma(St.Louis,MO))を、室温で20分間インキュベートすることによって、これらのフラスコの増殖表面をゼラチンでコーティングした。
フラスコ内の付着細胞を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Gibco,Carlsbad,MO)中で洗浄し、トリプシン/EDTA(Gibco)を使用して剥離させた。細胞を回収して遠心分離し、1×10個細胞/mLの濃度で、3%(v/v)FBS/PBSに再懸濁した。製造元の仕様書に従って、100μLの細胞懸濁液に、目的の細胞表面マーカーに対する抗体(下記参照)を添加し、その混合物を、暗所で30分間、4℃でインキュベートした。インキュベーション後、細胞をPBSで洗浄し、遠心分離することにより、非結合の抗体を除去した。500μLのPBS中に、細胞を再懸濁させ、フローサイトメトリーによって分析した。フローサイトメトリー分析は、FACS calibur計器(Becton Dickinson,San Jose,CA)を使用して実行した。
細胞表面マーカーに対する以下の抗体を使用した。
Figure 0006301263
臍由来細胞を、継代数8、15、及び継代数20で分析した。
ドナー間の差異を比較するため。異なるドナーから得られた臍帯由来細胞を比較した。更に、ゼラチンコーティングフラスコ上で培養した臍由来細胞を、非コーティングフラスコ上で培養した臍由来細胞と比較した。
細胞の単離及び調製に関して使用される、4つの処理を比較した。1)コラゲナーゼ;2)コラゲナーゼ/ディスパーゼ;3)コラゲナーゼ/ヒアルロニダーゼ;4)コラゲナーゼ/ヒアルロニダーゼ/ディスパーゼを使用する処理によって、分娩後組織から得られた細胞を比較した。
フローサイトメトリーによって分析された、継代数8、15、及び20での臍帯由来細胞は、全て、CD10、CD13、CD44、CD73、CD90、PDGFr−α、及びHLA−A、B、Cを発現し、このことは、IgG対照と比較しての蛍光の増大によって示された。これらの細胞は、CD31、CD34、CD45、CD117、CD141、及びHLA−DR、DP、DQに関しては陰性であり、このことは、IgG対照と一致する蛍光値によって示された。
フローサイトメトリーによって分析された、別個のドナーから単離された臍帯由来細胞のそれぞれは、IgG対照と比較しての蛍光値の増大に反映される、CD10、CD13、CD44、CD73、CD90、PDGFr−α、及びHLA−A、B、Cの産生について陽性を示した。これらの細胞は、CD31、CD34、CD45、CD117、CD141、及びHLA−DR、DP、DQの産生に関しては陰性であり、IgG対照と一致する蛍光値を有していた。
ゼラチンコーティングフラスコ及び非ゼラチンコーティングフラスコ上で増殖して、フローサイトメトリーにより分析された臍帯由来細胞は、すべてCD10、CD13、CD44、CD73、CD90、PDGFr−α、及びHLA−A、B、Cの産生に関して陽性であり、IgG対照と比較して増加した蛍光値を有していた。これらの細胞は、CD31、CD34、CD45、CD117、CD141、及びHLA−DR、DP、DQの産生に関しては陰性であり、IgG対照と一致する蛍光値を有していた。
フローサイトメトリーによる臍帯由来細胞の分析を通じて、これらの細胞株の同一性が実証された。これらの臍帯由来細胞は、CD10、CD13、CD44、CD73、CD90、PDGFr−α、及びHLA−A、B、Cに関しては陽性であり、CD31、CD34、CD117、CD141及びHLA−DR、DP、DQに関しては陰性であった。この同一性は、ドナー、継代数、培養容器の表面コーティング、消化酵素、及び胎盤の層を含めた変数が変動しても、一貫していた。個々の蛍光値ヒストグラム曲線の平均及び範囲には、ある程度の変動が観察されたが、全ての試験条件下での、全ての陽性曲線は正常であり、発現した蛍光値は、IgG対照よりも大きく、それゆえ、これらの細胞が、マーカーの陽性発現を有する均質な集団を含むことが確認された。
(実施例8)
オリゴヌクレオチドアレイによる細胞分析
オリゴヌクレオオチドアレイを使用して、臍由来細胞及び胎盤由来細胞の遺伝子発現プロファイルを、繊維芽細胞、ヒト間葉系幹細胞、及びヒト骨髄由来の別の細胞株と比較した。この解析により、分娩後に誘導された細胞の特性評価が提供され、これらの細胞に関係する固有の分子マーカーが特定された。
分娩後組織由来細胞。ヒト臍帯及びヒト胎盤は、National Disease Research Interchange(NDRI(Philadelphia,PA))より、患者の同意を得て、正常な満期分娩から得た。C:D:Hの混合物による消化後、実施例5に記述されるとおり、組織の受領及び細胞の単離が行われた。細胞は、ゼラチンコーティングされたプラスチック製組織培養フラスコ上の増殖培地において増殖された。この培養物を、5%のCOを使用して、37℃でインキュベートした。
線維芽細胞ヒト皮膚繊維芽細胞は、Cambrex Incorporated(Walkersville,MD;ロット番号9F0844)及びATCC CRL−1501(CCD39SK)より購入した。双方の株を、10%(v/v)ウシ胎児血清(Hyclone)及びペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogen)を有する、DMEM/F12培地(Invitrogen,Carlsbad,CA)中で培養した。細胞は、標準の組織培養処理済みプラスチック上で増殖された。
ヒト間葉系幹細胞(hMSC)。ヒト間葉系幹細胞(hMSC)は、Cambrex Incorporated(Walkersville,MD;ロット番号2F1655、2F1656、及び2F1657)より購入し、製造元の仕様書に従って、MSCGM培地(Cambrex)中で培養した。これらの細胞は、5%のCOを使用して、37℃で、標準的な組織培養プラスチック上で増殖させた。
ヒト腸骨稜骨髄細胞(ICBM)。ヒト腸骨稜の骨髄は、患者の同意を得て、NDRIより受け取った。この骨髄を、Hoらによって概説される方法(国際公開第03/025149号)にしたがって処理した。この骨髄を、溶解緩衝液(155mMのNHCl、10mMのKHCO、及び0.1mMのEDTA、pH 7.2)と、骨髄1部対溶解緩衝液20部の比率で混合した。この細胞懸濁液を、ボルテックス攪拌して、周囲温度で2分間インキュベートし、500xgで10分間、遠心分離した。上清を廃棄して、10%(v/v)ウシ胎児血清及び4mMグルタミンを添加した最小必須培地−α(Invitrogen)中に、細胞ペレットを再懸濁させた。これらの細胞を、再び遠心分離して、新鮮培地中に細胞ペレットを再懸濁させた。トリパンブルー色素排除(Sigma,St.Louis,MO)を使用して、生存単核細胞を計数した。単核細胞は、5×10細胞/cmにて、プラスチック製細胞培養フラスコにおいて播種された。細胞を、37℃で、5%のCO、標準大気のO又は5%のOによって培養した。培地を交換することなく、細胞を5日間培養した。5日間の培養の後、培地及び非付着細胞を除去した。付着細胞は、培養下に維持した。
活発に増殖する細胞培養物を、低温のリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中で、細胞スクレーパによってフラスコから除去した。これらの細胞を、300xgで5分間、遠心分離した。上清を除去して、新鮮なPBS中に細胞を再懸濁させ、再び遠心分離した。上清を除去して、細胞ペレットを速やかに凍結して−80℃で保存した。細胞mRNAを抽出して、cDNAに転写した。次に、cDNAをcRNAに転写して、ビオチンで標識した。ビオチン標識済みcRNAについて、Affymetrix GENECHIP HG−U133Aオリゴヌクレオチドアレイ(Affymetrix,Santa Clara,CA)によってハイブリダイゼーションを行った。ハイブリダイゼーション及びデータ収集は、製造元の仕様に従って実施した。データ分析は、「Significance Analysis of Microarrays」(SAM)バージョン1.21コンピューターソフトウェア(Tusher,V.G.ら、2001,Proc.Natl.Acad.Sci.USA 98:5116〜5121)を使用して、分析を実行した。分析ソフトウェアのライセンスは、Office of Technology Licensing,Stanford Universityを通じて入手可能であり、詳細情報はDep’t of Statistics,Stanford UniversityにおけるProfessor Tibshiraniのウェブサイトにおいて、World Wide Web上から入手可能である。
14の異なる細胞集団を、この試験において分析した。これらの細胞を、継代情報、培養基質、及び培養培地と共に、表8−1に列記する。細胞株については、分析時の継代を伴う識別コード、細胞増殖基質、及び増殖培地を列記した。
Figure 0006301263
データは、上述したSAMソフトウェアによる主成分分析で評価した。分析により、試験対象の細胞において、異なる相対量で発現した290の遺伝子が明らかとなった。この分析は。集団間の相対的比較を提供した。
表8−2は、細胞対の比較のために算出された、ユークリッド距離を示す。これらのユークリッド距離は、細胞型間で示差的に発現した290の遺伝子に基づく、細胞の比較に基づいたものである。ユークリッド距離は、290の遺伝子の発現における類似性と反比例している。ユークリッド距離は、細胞の種類ごとに異なる発現をした290の遺伝子を仕様して、各種類の細胞について計算した。細胞間の類似性は、ユークリッド距離に反比例している。
Figure 0006301263
表8−3、8−4、及び表8−5は、胎盤由来細胞内で増大した遺伝子の発現(表8−3)、臍帯由来細胞内で増大した遺伝子の発現(表8−4)、並びに臍帯由来細胞及び胎盤由来細胞内で低減した遺伝子の発現(表8−5)を示す。
Figure 0006301263
Figure 0006301263
Figure 0006301263
Figure 0006301263
表8−6、8−7、及び表8−8は、ヒト繊維芽細胞(表8−6)、ICBM細胞(表8−7)、及びMSC(表8−8)内で増大した遺伝子の発現を示す。
Figure 0006301263
Figure 0006301263
Figure 0006301263
本実施例は、臍帯由来細胞及び胎盤由来細胞の分子の特性評価を提供するために実行された。この分析には、3つの異なる臍帯及び3つの異なる胎盤に由来する細胞を含めた。この試験にはまた、皮膚繊維芽細胞の2つの異なる株、間葉系幹細胞の3つの株、及び腸骨稜の骨髄細胞の3つの株も含めた。これらの細胞が発現したmRNAを、22,000遺伝子に関するオリゴヌクレオチドプローブを含有するGENECHIPオリゴヌクレオチドアレイ上で分析した。
分析により、これら5つの異なる種類の細胞には、290の遺伝子の転写産物が異なる量で存在していることが明らかとなった。これらの遺伝子には、胎盤由来細胞内で特異的に増大している10の遺伝子、及び臍帯由来細胞内で特異的に増大している7の遺伝子が含まれる。54の遺伝子が、胎盤由来細胞及び臍帯由来細胞において、特異的に低い発現レベルを示した。
(実施例9)
細胞の表現型の免疫組織化学的評価
ヒト臍帯組織に見出される細胞の表現型を、免疫組織化学によって分析した。
ヒト臍帯組織を採取し、4%(w/v)パラホルムアルデヒドにより4℃で一晩浸漬固定した。免疫組織化学は、以下のエピトープに対する抗体を使用して実行した(表8−1を参照):ビメンチン(1:500;Sigma,St.Louis,MO)、デスミン(1:150、抗ウサギ;Sigma;又は1:300、抗マウス;Chemicon,Temecula,CA)、α−平滑筋アクチン(SMA;1:400;Sigma)、サイトケラチン18(CK18;1:400;Sigma)、ヴォン・ヴィレブランド因子(vWF;1:200;Sigma)、及びCD34(ヒトCD34クラスIII;1:100;DAKOCytomation,Carpinteria,CA)。更には、以下のマーカーを試験した:抗ヒトGROα−PE(1:100;Becton Dickinson(Franklin Lakes,NJ))、抗ヒトGCP−2(1:100;Santa Cruz Biotech(Santa Cruz,CA))、抗ヒト酸化LDL受容体1(ox−LDL R1;1:100;Santa Cruz Biotech)、及び抗ヒトNOGO−A(1:100;Santa Cruz Biotech)。外科用メスを使用して、固定標本をトリミングし、エタノールを含有するドライアイス浴上の、OCT包理化合物(Tissue−Tek OCT;Sakura(Torrance,CA))内部に定置した。次いで、凍結ブロックを、標準的なクリオスタット(Leica Microsystems)を使用して切片(厚さ10μm)とし、染色のためにスライドグラス上に載置した。
以前に行われた試験に類似した免疫組織化学を実施した。(例えば、Messinaら、Exper.Neural.,2003;184:816−829)。組織切片を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、細胞内抗原にアクセスするために、PBS、4%(v/v)ヤギ血清(Chemicon(Temecula,CA))、及び0.3%(v/v)Triton(Triton X100;Sigma)を含有するタンパク質ブロッキング溶液に、1時間曝した。目的のエピトープが、細胞表面上に位置している場合には(CD34、ox−LDL R1)、エピトープの損失を防ぐために、この手順の全ての段階で、Tritonを省略した。更には、一次抗体がヤギに対して産生された場合には(GCP−2、ox−LDL R1、NOGO−A)、手順全体を通して、ヤギ血清の代わりに、3%(v/v)ロバ血清を使用した。次いで、ブロッキング溶液中に希釈した一次抗体を、室温で4時間にわたって、これらの切片に適用した。一次抗体溶液を除去し、培養物をPBSで洗浄した後、ヤギ抗マウスIgG−Texas Red(1:250;Molecular Probes(Eugene,OR))及び/又はヤギ抗ウサギIgG−Alexa 488(1:250;Molecular Probes)若しくはロバ抗ヤギIgG−FITC(1:150;Santa Cruz Biotech)と共にブロックを含有する、二次抗体溶液を適用した(室温で1時間)。培養物を洗浄し、10マイクロモルのDAPI(Molecular Probes)を10分間適用して、細胞核を可視化した。
免疫染色の後に、Olympus倒立エピ蛍光顕微鏡(Olympus(Melville,NY))上で、適切な蛍光フィルターを使用して、蛍光を可視化した。陽性染色は、対照染色を上回る蛍光シグナルによって表された。代表的な画像を、デジタルカラービデオカメラ及びImageProソフトウェア(Media Cybernetics,Carlsbad,CA)を使用して取り込んだ。3重染色サンプルに関しては、1回に1つのみの発光フィルターを使用して、各画像を撮影した。次いで、Adobe Photoshopソフトウェア(Adobe(San Jose,CA))を使用して、階層モンタージュを調製した。
Figure 0006301263
ビメンチン、デスミン、SMA、CK18、vWF、及びCD34マーカーは、臍帯内部に見出される細胞のサブセットで発現した(データ示さず)。具体的には、vWF及びCD34の発現は、臍帯内部に含まれる血管に限定されていた。CD34に対して陽性(CD34)の細胞は、最深層に存在した(ルーメン側)。ビメンチンの発現は、臍帯のマトリックス及び血管の全域に見出された。SMAは、動脈並びに静脈の、マトリックス及び外壁に限定されたが、血管自体には含まれなかった。CK18及びデスミンは、血管内部のみに観察され、デスミンは、中層及び外層に限定された。
これらのマーカーのいずれも、臍帯内部では観察されなかった(データ示さず)。
ビメンチン、デスミン、α−平滑筋アクチン、サイトケラチン18、ヴォン・ヴィレブランド因子、及びCD34は、ヒト臍帯内部の細胞内で発現する。ビメンチン及びα−平滑筋アクチンのみが発現することを示したインビトロ特性分析に基づくと、データは、臍帯由来細胞を単離する本プロセスが細胞の亜集団を採取するものであること、又は単離した細胞がマーカーの発現を変化させてビメンチン及びα−平滑筋アクチンを発現することを示唆している。
(実施例10)
栄養因子の分泌
選択された栄養因子のUTCからの分泌を測定した。血管由来活性を有する因子が選択された。例えば、肝細胞増殖因子(HGF)(Rosenら、Ciba Found.Symp.,1997;212:215〜26);単核走化性タンパク質1(MCP−1)(Salcedoら、Blood,2000;96;34〜40);インターロイキン−8(IL−8)(Liら、J.Immunol.,2003;170:3369〜76);ケラチノサイト増殖因子(KGF);塩基性線維芽細胞増殖因子(bFGF);血管内皮増殖因子(VEGF)(Hughesら、Ann.Thorac.Surg.2004;77:812〜8);マトリックスメタロプロテアーゼの組織阻害剤1(TIMP1);アンジオポチエン2(ANG2);血小板由来増殖因子(PDGFbb);トロンボポエチン(TPO);ヘパリン結合表皮成長因子(HB−EGF);間質由来因子1α(SDF−1alpha),神経栄養/神経保護活性(脳由来神経栄養因子(BDNF)(Chengら、Dev.Biol.,2003;258;319〜33);インターロイキン−6(IL−6);顆粒球走化性タンパク質−2(GCP−2);トランスフォーミング成長因子β2(TGFbeta2));又はケモカイン活性(マクロファージ炎症性タンパク質1α(MIP1α);マクロファージ炎症性タンパク質1β(MIP1beta);単核ケモアトラクタント−1(MCP−1);Rantes(活性化における制御、通常T細胞の発現及び分泌);I309;胸腺及び活性化制御ケモカイン(TARC);エオタキシン;マクロファージ由来ケモカイン(MDC);並びに(IL−8)。
臍帯、並びにヒト新生児包皮由来のヒト繊維芽細胞を、ゼラチンコートT75フラスコ上の増殖培地により培養した。継代数11で、細胞を凍結保存し、液体窒素中で保存した。細胞の解凍後、それらの細胞に増殖培地を添加し、その後、15mL遠心管に移して、150xgで5分間、それらの細胞を遠心分離した。4mLの増殖培地中に、細胞ペレットを再懸濁させ、細胞を計数した。細胞は、それぞれ15mlの増殖培地を含むT75フラスコ内において、5,000細胞/cmで播種し、24時間の培養を行った。培地を、無血清培地(DMEM−低グルコース(Gibco)、0.1%(w/v)ウシ血清アルブミン(Sigma)、ペニシリン(50単位/ml)及びストレプトマイシン(50μg/mL、Gibco))に変えて、8時間培養した。インキュベーションの終了時に、14,000xgで5分間遠心分離を行い無血清馴化培地を回収し、−20℃で保存した。
各フラスコ内の細胞数を推算するため、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、2mlのトリプシン/EDTA(Gibco)を使用して分離した。8ミリリットルの増殖培地の添加によって、トリプシン活性を抑制した。これらの細胞を、150xgで5分間、遠心分離した。上清を除去し、1mlの増殖培地中に、細胞を再懸濁させた。細胞数は、血球計によって推算した。
細胞を、5%二酸化炭素及び大気酸素下で、37℃で増殖させた。各細胞サンプルによって産生された、MCP−1、IL−6、VEGF、SDF−1α、GCP−2、IL−8、及びTGF−β2の量を、ELISA(R&D Systems,Minneapolis,Mn.)によって判定した。全てのアッセイは、製造元の使用説明書に従って実行した。提示された値は、1mlごと、細胞100万個ごとのピクトグラムである(n=2,sem)。
ケモカイン(MIP1α、MIP1β、MCP−1、Rantes、I309、TARC、エオタキシン、MDC、IL8)、BDNF、及び血管新生因子(HGF、KGF、bFGF、VEGF、TIMP1、ANG2、PDGFbb、TPO、HB−EGF)を、SearchLightプロテオームアレイ(Pierce Biotechnology Inc.)を使用して測定した。このプロテオームアレイは、ウェル当り2〜16のタンパク質を定量測定するための、多重サンドイッチELISAである。これらのアレイは、96ウェルプレートの各ウェル内に、2×2、3×3、又は4×4パターンの、4〜16の種々の捕捉抗体をスポットすることによって作製される。サンドイッチELISA手順の後に、プレート全体を画像化して、プレートの各ウェル内部の各スポットで生成された、化学発光シグナルを捕捉する。各スポット内で生成されるシグナルの量は、元の標準又はサンプル中の、標的タンパク質の量に比例する。
MCP−1及びIL−6は、臍由来PPDC並びに皮膚繊維芽細胞によって分泌された(表10−1)。SDF−1α及びGCP−2は、線維芽細胞によって分泌された。GCP−2及びIL−8は、臍由来PPDCによって分泌された。TGF−β2は、いずれの種類の細胞においても、ELISAによって検出されなかった。
Figure 0006301263
SearchLight(商標)多重ELISAアッセイ。TIMP1、TPO、KGF、HGF、FGF、HBEGF、BDNF、MIP1b、MCP1、RANTES、I309、TARC、MDC、及びIL−8は、臍由来PPDCから分泌された(表10−2及び表10−3)。Ang2、VEGF又はPDGFbbは、検出されなかった。
Figure 0006301263
Figure 0006301263
臍由来細胞は、多数の栄養因子を分泌した。HGF、bFGF、MCP−1、及びIL−8などの、これらの栄養因子のうちの一部は、血管新生に重要な役割を果たす。BDNF及びIL−6などの他の栄養因子は、神経再生又は保護に重要な役割を果たす。
(実施例11)
テロメラーゼ活性の分析
テロメラーゼは、染色体の完全性を保護し、また細胞の複製寿命を延長するために役立つ、テロメア繰り返し体を合成するように機能する(Liu,Kら、PNAS,1999年:96:5147〜5152)。テロメラーゼは、テロメラーゼRNAテンプレート(hTER)、及びテロメラーゼ逆転写酵素(hTERT)の、2つの成分からなる。テロメラーゼの調節は、hTERではなく、hTERTの転写によって決定される。hTERTmRNAに関するリアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、それゆえ、細胞のテロメラーゼ活性を判定するための、公認された方法である。
細胞単離
リアルタイムPCR実験を実行して、ヒト臍帯組織由来細胞のテロメラーゼ産生を判定した。ヒト臍帯組織由来細胞は、上記実施例及び米国特許第7,510,873号に定める例に従って調製した。全般的には、正常な分娩後の、National Disease Research Interchange(Philadelphia,Pa.)から得た臍帯を洗浄して、血液及び残渣を除去し、機械的に解離させた。次いで、その組織を、培養培地中、コラゲナーゼ、ディスパーゼ、及びヒアルロニダーゼを含む消化酵素と共に、37℃でインキュベートした。ヒト臍帯組織由来細胞は、‘012出願の実施例に定める方法に従って培養した。間葉系幹細胞及び通常の皮膚線維芽細胞(cc−2509ロット番号9F0844)は、Cambrex,Walkersville,Md.から取得した。多能性ヒト精巣胎児性癌(テラトーマ)細胞株nTera−2細胞(NTERA−2 cl.D1)(Plaiaら,Stem Cells,2006;24(3):531〜546を参照)は、ATCC(Manassas,Va.)から購入し、米国特許第7,510,873号に定める方法に従って培養した。
総RNAの隔離
RNeasy(登録商標)kit(Qiagen(Valencia,Ca.))を使用して、RNAを細胞から抽出した。RNAは、50μlのDEPC処理水により溶離させ、−80℃で保存した。RNAは、25℃で10分間、37℃で60分間、95℃で10分間、TaqMane逆転写試薬(Applied Biosystems,Foster City,Ca.)を併用したランダムへキサマーを使用して、逆転者した。各試料を−20℃で保存した。
リアルタイムPCR
Applied Biosystems Assays−On−Demand(商標)(TaqMan(登録商標)遺伝子発現アッセイとしても既知)を、製造元の仕様(Applied Biosystems)に従って使用して、cDNAサンプルに対してPCRを実行した。この市販のキットは、ヒト細胞内のテロメラーゼに関してアッセイするために、広く使用される。簡潔には、hTERT(ヒトテロメラーゼ遺伝子)(Hs00162669)及びヒトGAPDH(内部対照)を、ABI prism 7000 SDSソフトウェア(Applied Biosystems)と共に7000配列検出システムを使用して、cDNA及びTaqMan(登録商標)Universal PCRマスターミックスと混合した。熱サイクル条件は、最初に50℃で2分間及び95℃で10分間とし、その後に、95℃で15秒間及び60℃で1分間の40サイクルとした。PCRデータは、製造元の仕様書に従って分析した。
ヒト臍帯由来細胞(ATCC受入番号PTA−6067)、線維芽細胞、及び間葉系幹細胞を、hTert及び18S RNAに関してアッセイした。表11−1に示すように、hTERT、よってテロメラーゼは、ヒト臍帯組織由来細胞内では検出されなかった。
Figure 0006301263
ヒト臍帯組織由来細胞(単離株022803、ATCC受託番号PTA−6067)及びnTera−2細胞のアッセイを行ったところ、それらの結果は、ヒト臍帯組織由来細胞の2つのロットでは、テロメラーゼの発現を示さなかったが、一方で、テラトーマ細胞株は、高レベルの発現を表した(表11−2)。
Figure 0006301263
それゆえ、ここに開示するヒト臍帯由来細胞は、テロメラーゼを発現しないということを、結論付けることができる。
以上、本発明を、様々な特定の材料、手順及び実施例を参照しながら本明細書に説明及び例示したが、本発明は、その目的のために選択された特定の材料及び手順の組み合わせに限定されない点は理解されるであろう。当業者には認識されるように、このような細部には多くの変更を行い得ることが示唆される。本明細書及び実施例はあくまで例示的なものとしてみなされるべきものであり、発明の真の範囲及び趣旨は以下の「特許請求の範囲」によって示されるものである。本出願において引用される参照文献、特許及び特許出願は、いずれもそれらの全容を本明細書に援用するものとする。
〔実施の態様〕
(1) 血液中の治療用同種細胞を検出する方法であって、
a.治療用同種細胞及びヒト末梢血単核球を分析して、治療用同種細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを同定することと、
b.前記治療用同種細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び前記患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを比較して、前記治療用同種細胞と前記患者の末梢血単核球とを区別する1つ又は2つ以上の特異なマーカーを同定することと、
c.治療用同種細胞による治療を受けた患者から血液サンプルを提供することと、
d.前記治療用同種細胞に対して陽性の前記1つ又は2つ以上の特異なマーカーを検出する分析方法を使用して、前記サンプルを分析することと、
e.前記1つ又は2つ以上の特異なマーカーの検出に基づき、前記患者の末梢血単核球と治療用同種細胞とを区別することと、
を含む、方法。
(2) 実施態様1に記載の方法であって、前記患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーにCD45が含まれる、方法。
(3) 実施態様1に記載の方法であって、段階bの分析方法が、フローサイトメトリー、ELISA、免疫組織化学、核酸検出、PCR、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
(4) 実施態様1に記載の方法であって、段階(a)と段階(b)との間に濃縮する段階を実施することを更に含む、方法。
(5) 実施態様4に記載の方法であって、前記濃縮する段階が、磁気捕捉技術である、方法。
(6) 実施態様1に記載の方法であって、前記区別する段階が、前記患者に投与した治療用同種細胞と、前記患者の末梢血単核球と、を差別化することを含む、方法。
(7) 実施態様1に記載の方法であって、前記患者が、ヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、犬、又は豚である、方法。
(8) 血液サンプル中における治療用同種細胞を検出する実施態様1に記載の方法に使用するキットであって、治療用同種細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを有するマーカープロフィールを含む、キット。
(9) 実施態様1に記載の方法であって、前記治療用同種細胞が、ヒト臍帯組織由来細胞、ヒト臍帯血由来細胞、胎盤由来細胞、間葉系幹細胞由来細胞、肝細胞、膵島細胞、心筋細胞、及び不溶性コラーゲン骨基質細胞からなる群から選択される、方法。
(10) 血液中のヒト臍帯組織由来細胞を検出する方法であって、
a.ヒト臍帯組織由来細胞及びヒト末梢血単核球を分析して、ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを同定することと、
b.前記ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーと、前記ヒト末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーと、を比較して、前記臍帯組織由来細胞と前記患者の末梢血単核球とを区別する、1つ又は2つ以上の特異なマーカーを同定することと、
c.ヒト臍帯組織由来細胞による治療を受けた患者から血液サンプルを提供することと、
d.ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上の特異なマーカーを検出する分析方法を使用して、前記サンプルを分析することと、
e.前記1つ又は2つ以上の特異なマーカーの検出に基づき、前記患者の末梢血単核球とヒト臍帯組織由来細胞とを区別することと、
を含む、方法。
(11) 実施態様10に記載の方法であって、前記ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーが、CD10、CD13、NRP1、CD45、LAMP1、DKK3、NRP1又はLAMB1のうちの1つ又は2つ以上を含む、方法。
(12) 実施態様10に記載の方法であって、前記ヒト臍帯組織由来細胞に対する1つ又は2つ以上の特異なマーカーが、CD10、CD13、NRP1、LAMP1、DKK3、NRP1又はLAMB1を含む、方法。
(13) 実施態様10に記載の方法であって、前記患者の末梢血単核球に対する陽性のマーカーが、CD45であり、前記ヒト臍帯組織由来細胞に対する陽性のマーカーが、CD10である、方法。
(14) 実施態様13に記載の方法であって、前記ヒト臍帯組織由来細胞に対する陽性のマーカーとしてCD13を更に含む、方法。
(15) 実施態様13に記載の方法であって、前記ヒト臍帯組織由来細胞に対する陽性のマーカーとしてNRP1、DKK3及びLAMP1のうち1つ又は2つ以上を更に含む、方法。
(16) 実施態様10に記載の方法であって、段階bの分析方法が、フローサイトメトリー、ELISA、免疫組織化学、核酸検出、PCR、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
(17) 実施態様10に記載の方法であって、段階(c)と段階(d)との間に濃縮する段階を実施することを更に含む、方法。
(18) 実施態様17に記載の方法であって、前記濃縮する段階が、磁気捕捉技術である、方法。
(19) 実施態様10に記載の方法であって、前記区別する段階が、前記患者に投与したヒト臍帯組織由来細胞と、前記患者の末梢血単核球と、を差別化することを含む、方法。
(20) 実施態様10に記載の方法であって、前記患者がヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、犬、又は豚である、方法。
(21) 血液サンプル中におけるヒト臍帯組織由来細胞を検出する実施態様10に記載の方法に使用するキットであって、ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを有するマーカープロフィールを含む、キット。
(22) 実施態様10に記載の方法であって、前記ヒト臍帯組織由来細胞が、血液が実質的に含まれないヒト臍帯組織から単離され、培養下で自己複製及び増殖が可能であり、分化する潜在能力を有し、かつ以下の特性:(1)CD10、CD13、CD44、CD90及びHLA−ABCの発現、(2)CD31、CD34、CD45、HLA−DR及びCD117の不発現、並びに(3)hTERT又はテロメラーゼの不発現、を有する、方法。
(23) 血液中のヒト臍帯組織由来細胞を検出する方法であって、
a.ヒト臍帯組織由来細胞及びヒト末梢血単核球を分析して、ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及びヒト末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを同定することと、
b.ヒト臍帯組織由来細胞を含む血液サンプルを提供することと、
c.前記血液サンプルから前記ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分離することと、
d.末梢血単核球に対する陽性のマーカーとしてのCD45と、ヒト臍帯組織由来細胞に対する陽性のマーカーとしてのCD10又はCD13と、に関するフローサイトメトリーにより、前記ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析することと、
e.ヒト末梢血単核球に対して陽性のマーカーとしてのCD45と、ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD10又はCD13と、の検出に基づき、前記ヒト末梢血単核球及び前記ヒト臍帯組織由来細胞の存在を検出することと、
を含む、方法。
(24) 実施態様23に記載の方法であって、前記分析する段階が、末梢血単核球に対する陽性のマーカーとしてのCD45と、ヒト臍帯組織由来細胞に対する陽性の特異なマーカーとしてのCD10と、に関するフローサイトメトリーにより、前記ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析することを含む、方法。
(25) 実施態様23に記載の方法であって、前記分析する段階が、末梢血単核球に対する陽性のマーカーとしてのCD45と、ヒト臍帯組織由来細胞に対する陽性の特異なマーカーとしてのCD13と、に関するフローサイトメトリーにより、前記ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析することを含む、方法。
(26) 実施態様23に記載の方法であって、前記ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析する前に、濃縮する段階を実施することを更に含む、方法。
(27) 実施態様26に記載の方法であって、前記濃縮する段階が磁気捕捉技術である、方法。
(28) 実施態様23に記載の方法であって、前記検出する段階が、前記患者に投与したヒト臍帯組織由来細胞と、前記患者のヒト末梢血単核球と、を差別化することを含む、方法。
(29) 血液中のヒト臍帯組織由来細胞を検出する方法であって、
a.ヒト臍帯組織由来細胞を含む血液サンプルを提供することと、
b.前記血液サンプルから前記ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分離することと、
c.血漿を除去することと、
d.末梢血単核球に対する陽性のマーカーとしてのCD45、及びヒト臍帯組織由来細胞に対する陽性のマーカーとしてのCD13に関するフローサイトメトリーにより、前記ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析することと、
e.ヒト末梢血単核球に対して陽性のマーカーとしてのCD45、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD13の検出に基づき、前記ヒト末梢血単核球及び前記ヒト臍帯組織由来細胞の存在を検出することと、
を含む、方法。
(30) 実施態様29に記載の方法であって、ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD10に関する分析を更に含む、方法。
(31) 実施態様29に記載の方法であって、前記ヒト臍帯組織由来細胞が、血液が実質的に含まれないヒト臍帯組織から単離され、培養下で自己複製及び増殖が可能であり、分化する潜在能力を有し、かつ以下の特性:(1)CD10、CD13、CD44、CD90及びHLA−ABCの発現、(2)CD31、CD34、CD45、HLA−DR及びCD117の不発現、(3)hTERT又はテロメラーゼの不発現、(4)酸化低比重リポタンパク質受容体1、レチクロン(reticulon)、ケモカイン受容体リガンド3、及び/又は顆粒球走化性タンパク質の発現、並びに(5)ヒト線維芽細胞、間葉系幹細胞、又は腸骨稜骨髄細胞と比較しての、インターロイキン8又はレチクロン1の濃度上昇の発現、を有する、方法。
(32) 実施態様29に記載の方法であって、前記ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析する前に、濃縮する段階を実施することを更に含む、方法。
(33) 実施態様32に記載の方法であって、前記濃縮する段階が、磁気捕捉技術である、方法。
(34) 実施態様29に記載の方法であって、前記検出する段階が、前記患者に投与したヒト臍帯組織由来細胞と、前記患者のヒト末梢血単核球と、を差別化することを含む、方法。

Claims (23)

  1. 血液中の循環ヒト臍帯組織由来細胞を検出する方法であって、
    a.ヒト臍帯組織由来細胞及びヒト末梢血単核球を分析して、循環ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及び患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを同定することと、
    b.循環ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の前記1つ又は2つ以上のマーカーと、ヒト末梢血単核球に対して陽性の前記1つ又は2つ以上のマーカーと、を比較して、前記循環臍帯組織由来細胞と前記患者の末梢血単核球とを区別する、1つ又は2つ以上の特異なマーカーを同定することと、
    .循環ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上の特異なマーカーを検出する分析方法を使用して、ヒト臍帯組織由来細胞による治療を受けた患者からの血液サンプルを分析することと、
    .前記1つ又は2つ以上の特異なマーカーの検出に基づき、前記患者の末梢血単核球と循環ヒト臍帯組織由来細胞とを区別することであって、循環ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の前記1つ又は2つ以上のマーカー、及び患者の末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーが、CD10、CD13、NRP1、CD45、LAMP1、DKK3、NRP1又はLAMB1のうちの1つ又は2つ以上を含むことと、
    を含む、方法。
  2. 請求項に記載の方法であって、循環ヒト臍帯組織由来細胞に対する前記1つ又は2つ以上の特異なマーカーが、CD10、CD13、NRP1、LAMP1、DKK3、NRP1又はLAMB1を含む、方法。
  3. 請求項に記載の方法であって、患者の末梢血単核球に対する前記陽性のマーカーが、CD45であり、循環ヒト臍帯組織由来細胞に対する前記陽性のマーカーが、CD10である、方法。
  4. 請求項に記載の方法であって、循環ヒト臍帯組織由来細胞に対する前記陽性のマーカーとしてCD13を更に含む、方法。
  5. 請求項に記載の方法であって、循環ヒト臍帯組織由来細胞に対する前記陽性のマーカーとしてNRP1、DKK3及びLAMP1のうち1つ又は2つ以上を更に含む、方法。
  6. 請求項に記載の方法であって、段階bの分析方法が、フローサイトメトリー、ELISA、免疫組織化学、核酸検出、PCR、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、方法。
  7. 請求項に記載の方法であって、前記血液サンプルを分析する前に濃縮する段階を実施することを更に含む、方法。
  8. 請求項に記載の方法であって、前記濃縮する段階が、磁気捕捉技術である、方法。
  9. 請求項に記載の方法であって、前記区別する段階が、前記患者に投与した循環ヒト臍帯組織由来細胞と、前記患者の末梢血単核球と、を差別化することを含む、方法。
  10. 請求項に記載の方法であって、前記患者がヒト、非ヒト霊長類、マウス、ラット、ハムスター、モルモット、犬、又は豚である、方法。
  11. 請求項に記載の方法であって、前記ヒト臍帯組織由来細胞が、血液が実質的に含まれないヒト臍帯組織から単離され、培養下で自己複製及び増殖が可能であり、分化する潜在能力を有し、かつ以下の特性:(1)CD10、CD13、CD44、CD90及びHLA−ABCの発現、(2)CD31、CD34、CD45、HLA−DR及びCD117の不発現、並びに(3)hTERT又はテロメラーゼの不発現、を有する、方法。
  12. 血液中の循環ヒト臍帯組織由来細胞を検出する方法であって、
    a.ヒト臍帯組織由来細胞及びヒト末梢血単核球を分析して、循環ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカー、及びヒト末梢血単核球に対して陽性の1つ又は2つ以上のマーカーを同定することと、
    循環ヒト臍帯組織由来細胞を含む血液サンプルから前記循環ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分離することと、
    .末梢血単核球に対する陽性のマーカーとしてのCD45と、循環ヒト臍帯組織由来細胞に対する陽性のマーカーとしてのCD10又はCD13と、に関するフローサイトメトリーにより、前記循環ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析することと、
    .ヒト末梢血単核球に対して陽性のマーカーとしてのCD45と、循環ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD10又はCD13と、の検出に基づき、前記ヒト末梢血単核球及び前記循環ヒト臍帯組織由来細胞の存在を検出することと、
    を含む、方法。
  13. 請求項12に記載の方法であって、前記分析する段階が、末梢血単核球に対する陽性のマーカーとしてのCD45と、ヒト臍帯組織由来細胞に対する陽性の特異なマーカーとしてのCD10と、に関するフローサイトメトリーにより、前記循環ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析することを含む、方法。
  14. 請求項12に記載の方法であって、前記分析する段階が、末梢血単核球に対する陽性のマーカーとしてのCD45と、循環ヒト臍帯組織由来細胞に対する陽性の特異なマーカーとしてのCD13と、に関するフローサイトメトリーにより、前記循環ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析することを含む、方法。
  15. 請求項12に記載の方法であって、前記循環ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析する前に、濃縮する段階を実施することを更に含む、方法。
  16. 請求項15に記載の方法であって、前記濃縮する段階が磁気捕捉技術である、方法。
  17. 請求項12に記載の方法であって、前記検出する段階が、前記患者に投与した循環ヒト臍帯組織由来細胞と、前記患者のヒト末梢血単核球と、を差別化することを含む、方法。
  18. 血液中の循環ヒト臍帯組織由来細胞を検出する方法であって、
    循環ヒト臍帯組織由来細胞を含む血液サンプルから前記循環ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分離することと、
    .血漿を除去することと、
    .末梢血単核球に対する陽性のマーカーとしてのCD45、及び循環ヒト臍帯組織由来細胞に対する陽性のマーカーとしてのCD13に関するフローサイトメトリーにより、前記循環ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析することと、
    .ヒト末梢血単核球に対して陽性のマーカーとしてのCD45、及びヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD13の検出に基づき、前記ヒト末梢血単核球及び前記循環ヒト臍帯組織由来細胞の存在を検出することと、
    を含む、方法。
  19. 請求項18に記載の方法であって、循環ヒト臍帯組織由来細胞に対して陽性のマーカーとしてのCD10に関する分析を更に含む、方法。
  20. 請求項18に記載の方法であって、前記ヒト臍帯組織由来細胞が、血液が実質的に含まれないヒト臍帯組織から単離され、培養下で自己複製及び増殖が可能であり、分化する潜在能力を有し、かつ以下の特性:(1)CD10、CD13、CD44、CD90及びHLA−ABCの発現、(2)CD31、CD34、CD45、HLA−DR及びCD117の不発現、(3)hTERT又はテロメラーゼの不発現、(4)酸化低比重リポタンパク質受容体1、レチクロン、ケモカイン受容体リガンド3、及び/又は顆粒球走化性タンパク質の発現、並びに(5)ヒト線維芽細胞、間葉系幹細胞、又は腸骨稜骨髄細胞と比較しての、インターロイキン8又はレチクロン1の濃度上昇の発現、を有する、方法。
  21. 請求項18に記載の方法であって、前記循環ヒト臍帯組織由来細胞/末梢血単核球の分画を分析する前に、濃縮する段階を実施することを更に含む、方法。
  22. 請求項21に記載の方法であって、前記濃縮する段階が、磁気捕捉技術である、方法。
  23. 請求項18に記載の方法であって、前記検出する段階が、前記患者に投与した循環ヒト臍帯組織由来細胞と、前記患者のヒト末梢血単核球と、を差別化することを含む、方法。
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