JP4136434B2 - インスリン産生細胞の誘導 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、インスリン非産生細胞からのインスリン産生細胞の作成に関し、詳しくは、肝細胞からのインスリン産生細胞の作成に関する。
【0002】
【従来の技術】
インスリンは、その発見以来、インスリンの絶対的に欠乏している糖尿病患者を治療するために、一般的に用いられてきた。しかしながら、正常な膵β細胞が血糖レベルの変動に応じて連続的にインスリン分泌を調節しているのに対し、外部からのインスリン投与では、種々の糖尿病合併症の発生を防止できる生理学的な範囲内に血糖レベルを維持することができない。絶対的なインスリン欠乏において、膵臓又は膵島の移植により正常血糖を達成することは可能であるが〔Robertson RP et al., Diabetes Care 23:112-116 (2000)〕、このアプローチは、特に、移植可能な膵臓や膵島が不足していることから、実際的でない。この理由から、幹細胞から作り出した膵β細胞又は膵島の移植が、正常血糖への愈々有望な治療的アプローチとなっている〔Soria B et al., Diabetes 49:157-162 (2000), Lumelsky N et al., Science 292:1389-1394 (2001), Assady S et al., Diabetes 50:1691-1697 (2001)〕。糖尿病の細胞療法における最初のステップは、患者に移植し得るインスリン分泌細胞を作り出すことである。
【0003】
胚性幹細胞(ES細胞)株の樹立は、種々の細胞タイプへの幹細胞分化のメカニズムを調べるための有用な系を提供している一方で、ES細胞の臨床使用には躊躇せざるを得ないほどの障害がある。すなわち、ヒトES細胞から誘導した細胞を患者に同種移植することは、通常、移植膵島や移植膵臓に対すると同様の免疫反応を引き起こす〔Odorico JS et al., Stem Cells 19:193-204 (2001)〕。加えて、ES細胞から誘導した細胞のヒトへの移植は、ES細胞由来腫瘍の形成をもたらし得る〔Odorico JS et al., Stem Cells 19:193-204 (2001)〕。倫理的問題もまた、ヒトES細胞からの誘導細胞の入手に際して持ち上がる〔McLaren A et al., Nature 414:129-131 (2001)〕。
【0004】
膵β細胞の置換への別のアプローチの一つは、患者自身の幹細胞又は多能性前駆細胞からエクスビボ(ex viso)で作り出した自家β細胞の移植である。種々の細胞タイプへと分化する能力のある成人組織の幹細胞又は多能性前駆細胞が最近報告されている〔Clarke D et al., Curr Opin Genet Dev 11:575-580 (2001)〕。ヒト及び成体マウスの膵幹細胞からインビトロで膵島様構造が形成されている〔Bonner-Weir S et al., Proc Natl Acad Sci USA 97:7999-8004 (2000), Ramiya VK et al., Nat Med 6:278-282 (2000), Zulewski H et al., Diabetes 50:521-533 (2001)〕。更にまた、膵臓の発生に必要な転写因子の一つPDX-1遺伝子の肝臓への導入がインビボでインスリン産生細胞を誘導するとの報告がある〔Ferber S et al., Nat Med 6:568-572 (2000)〕。これらの知見は、成体組織中に、インスリン産生細胞へと分化する能力のある多能前駆細胞が存在していることを示すものである。
【0005】
肝細胞は、β細胞と幾つかの特徴を共有する。例えば、肝細胞及びβ細胞は、共に、内胚葉起源であり〔Well JM et al., Annu Rev Cell Dev Biol 15:393-410 (1999)〕、そして、グルコース感知に必要なグルコース輸送体GLUT2及びグルコキナーゼは、肝細胞とβ細胞の両方に存在する。加えて、肝細胞とβ細胞の発生に重要なHNF転写ネットワークが、グルコース代謝に関与する遺伝子の発現を制御している〔Bell GI et al., Nature 414:788-791 (2001)〕。これらの知見は、肝前駆細胞から膵β細胞表現型を有する細胞を作り出すことの可能性を示唆している。
【0006】
β細胞には、インスリンの合成に加えて、グルコース応答性、電気的興奮性及び及び調節性開口放出という、別の本質的特徴がある。膵β細胞におけるKATPチャネルは、代謝センサーとしての、グルコースによる信号を電気的活性に結合させる〔Seino S, Annu Rev Physiol 61:337-362 (1999)〕。KATPチャネルの閉鎖は、β細胞膜を脱分極させて電位依存性カルシウムチャネル(VDCC)を開き、カルシウムを流入させて開口放出を誘発する〔Wollheim CB et al., Diabetes Rev 4:276-297 (1996)〕。
【0007】
最近の研究は、ニコチンアミド含有の培地中でのマウス肝前駆細胞の長期培養で、インスリン1及び2遺伝子の両方がマウス肝前駆細胞に発現していることを示している〔Suzuki A et al., J Cell Biol 156:173-184 (2002)〕。しかしながら、β細胞における他の本質的特徴であるグルコース応答性、電気的興奮性及び調節性開口放出に関連した遺伝子の発現は報告されていない。
【0008】
肝臓及び膵臓は共に、上部原始前腸(upper primitive foregut)から生じ内胚葉性であることから〔Well JM et al., Annu Rev Cell Dev Biol 15:393-410 (1999)〕、肝臓細胞と膵臓細胞との間の相互変換が可能である〔Ferber S et al., Nat Med 6:568-572 (2000), Shen CN et al., Nat Cell Biol 2:879-887 (2000)〕。実際、アデノウイルスを介した生体マウス肝臓中へのPDX-1遺伝子の導入は、肝細胞亜集団の膵β細胞表現型への分化転換を誘導したことが報告されている〔Ferber S et al., Nat Med 6:568-572 (2000)〕。しかしながら培養系におけるマウス肝細胞から膵β細胞表現型への分化転換に関する報告はない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、非インスリン産生細胞である胎児肝細胞からインスリン産生細胞、特にインスリンの発現のみならず、β細胞に特徴的な他の遺伝子、特にSUR1(ATP感受性K+チャネルのサブユニット)遺伝子、α11.3(L型電位依存性カルシウムチャネルのサブユニット)遺伝子、更に好ましくはPC(プロホルモンコンバターゼ:prohormone convertase)1/3遺伝子をも発現する細胞を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、マウス胎児肝細胞を用い、これを原始肝前駆細胞が肝細胞又は胆管上皮細胞へと分化する条件下〔Suzuki A et al., Hepatology 32:1230-1239 (2000)〕に培養した結果、ニコチンアミドを高濃度に含有する培養系で培養することにより、インスリン1及び2遺伝子の何れもを明瞭に発現する細胞が誘導されることを見出した。また、PDX-1を胎児肝細胞中に発現させ上記培養系で培養することにより、インスリンの分泌の制御に必須なSUR1及びα11.3の発現をも有意に増加させた細胞が得られることを見出した。更には、神経分化に必要な転写因子であるNeuroD(BETA2ともいう)を胎児肝細胞中に発現させ上記培養系で培養することによって、SUR1及びα11.3の発現が増加するのみならず、神経内分泌細胞での制御された分泌における主要なプロホルモンコンバターゼであるPC1/3〔Steiner DF, Curr Opin Chem Biol 2:31-39 (1998)〕を発現する細胞を誘導できることも見出した。
【0011】
すなわち本発明は、非インスリン産生細胞からインスリン産生細胞を作成するための方法であって、該非インスリン産生細胞が哺乳類胎児肝細胞であり、該哺乳類胎児肝細胞をニコチンアミド1〜50 mmol/Lの存在下に培養し、且つPDX-1遺伝子又はNeuroD遺伝子を該哺乳類胎児肝細胞中に発現させることとを特徴とする方法を提供する。この方法により、インスリン1及び2遺伝子を発現し、且つインスリンの分泌制御に必要なSUR1及びα11.3の発現を増加させた細胞を得ることができる。特にNeuroD遺伝子を導入したときは、成熟インスリンの産生に必要なPC1/3の発現をも増加させた細胞を得ることができる。
【0012】
上記方法は、哺乳類胎児肝細胞に含まれる肝前駆細胞をインスリン産生細胞へと分化転換させるものである。従って、本発明はまた、非インスリン産生細胞からインスリン産生細胞を作成するための方法であって、該非インスリン産生細胞が哺乳類肝前駆細胞であり、該哺乳類肝前駆細胞をニコチンアミド1〜50 mmol/Lの存在下に培養し、且つPDX-1遺伝子又はNeuroD遺伝子を該哺乳類肝前駆細胞中に発現させることとを特徴とする方法を提供する。
【0013】
更に本発明は、哺乳類肝前駆細胞をインスリン産生細胞へと分化転換させるための方法であって、該哺乳類肝前駆細胞をニコチンアミド1〜50 mmol/Lの存在下に培養することと、該哺乳類肝前駆細胞中にPDX-1遺伝子又はNeuroD遺伝子を発現させることとを特徴とする方法をも提供する。
【0014】
また本発明は、上記各方法を用いて作成されたインスリン産生細胞をも提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明において、「胎児肝細胞」とは、胎児肝臓を構成する細胞をいう。また、「肝前駆細胞」とは、肝臓を構成する細胞集団中に含まれ、肝細胞以外の表現型を有する細胞へも分化する能力を有する細胞をいう。
【0016】
本発明において、「胎児肝細胞」又は「肝前駆細胞」としては、ヒト及び非ヒト哺乳類動物を含む如何なる哺乳類動物のものも使用すことができる。非ヒト哺乳類動物としては、例えばマウスその他のげっ歯類、ウシ、ウマ、ブタ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ネコその他が挙げられるがこれらに限定されず、本発明により作成されるインスリン産生細胞の移植を受ける動物と同一の動物種を選ぶことができる。
【0017】
本発明の方法において培養液中におけるニコチンアミドの濃度は、約1〜50 mmol/L、より好ましくは2〜30 mmol/L、更に好ましくは5〜20 mmol/Lである。
【0018】
本発明の方法において、胎児肝細胞又は肝前駆細胞中にPDX-1遺伝子又はNeuroD遺伝子を発現させるための方法は限定されないが。例えば、これらの細胞へのPDX-1遺伝子又はNeuroD遺伝子の導入によって行なうことができる。胎児肝細胞へのPDX-1遺伝子又はNeuroD遺伝子の導入は、例えば、PDX-1組換えアデノウイルス又はNeuroD組換えアデノウイルスを体胎児肝細胞に感染させることによって作成することができるが、これに限定されず、導入されたPDX-1遺伝子又はNeuroD遺伝子が胎児肝細胞細胞中で発現する限り、如何なる手段にでPDX-1遺伝子又はNeuroD遺伝子を導入してもよい。
【0019】
【実施例】
胎児肝細胞の調製
胎児肝細胞は、ICRマウス胎児(妊娠13.5日)の肝臓を切除し、0.1%トリプシン−リン酸緩衝生理食塩水で37℃、5分間処理後、培養液を加えナイロンメンブレン(#200)でろ過し、細胞浮遊液を50gで5分間遠心した。細胞塊を1:1DMEM/F12(Sigma D6421)に10%牛胎児血清、L−グルタミン(2 mmol/L)、β−メルカプトエタノール(β−ME)(50μmol/L)、ペニシリン(100,000単位/L)、ストレプトマイシン(100mg/L)を添加した培地に浮遊させた。1:1DMEM/F12(Dulbecco's Modified Eagle's Medium/Ham's Nutrient Mixture F-12: Sigma D6421)の組成は次の通りである(単位はg/L):Ca2Cl2/2H2O (0.1545), CuSO4/5H2O (0.0000013), Fe(NO3)3/9H2O (0.00005). FeSO4/7H2O (0.000417), MgCl2/6H2O (0.0612), MgSO4 (0.04884), KCl (0.3118), NaHCO3 (1.2), NaCl (6.996), Na2HPO4 (0.07102), NaH2PO4 (0.0543), ZnSO4/7H2O (0.000432), L-Alanine (0.0045), 塩酸L-アルギニン (0.1475), L-アスパラギン/H2O (0.0075), L-アスパラギン酸 (0.00665), 塩酸L-システイン/H2O (0.01756), 塩酸システイン (0.03129), L-グルタミン酸 (0.00735), グリシン (0.01875), 塩酸L-ヒスチジン/H2O (0.03148), L-イソロイシン (0.05447), L-ロイシン (0.05905), 塩酸L-リジン (0.09125), L-メチオニン (0.01724), L-フェニルアラニン (0.03578), L-プロリン (0.01725), L-セリン (0.02625), L-スレオニン (0.05345), L-トリプトファン (0.00902), L-チロシン2Na/2H2O (0.05579), L-バリン (0.05285), ビオチン (0.0000035), 塩化コリン (0.00898), 葉酸 (0.00265), ミオイノシトール (0.0126), ニコチンアミド (0.00202=0.0165 mmol), D-パントテン酸/1/2Ca (0.00224), 塩酸ピリドキシン (0.002031), リボフラビン (0.000219), 塩酸チアミン (0.00217), ビタミンB12 (0.00068), D-グルコース (3.15), HEPES (3.5745), ヒポキサンチン (0.0021), リノール酸 (0.000042), フェノールレッドナトリウム (0.00863), 塩酸プトレッシン (0.000081), ピルビンサンナトリウム (0.055), DL-チオクト酸 (0.000105), チミジン (0.000365)。
【0020】
組換えアデノウイルス感染実験には、この培地にインスリン(172 nmol/L)、デキサメサゾン(100 nmol/L)、上皮増殖因子(EGF)(20μg/L)、ニコチンアミド(10 mmol/L=1.2g/L)を補充して細胞を培養した。細胞塊を培養液に浮遊させ、6×106個の細胞をI型コラーゲンでコートした3.5cmのペトリ皿に播種し、5%CO2、95%空気で37℃にて培養した。
【0021】
〔組換えアデノウイルスの感染〕
サイトメガロウイルス(CMV)即時型初期(immediate-early)エンハンサー/プロモーター〔図5のクローニングベクターpCI-neo(GenBank受入番号U47120: PromegaカタログNo. E1841)のものを使用〕下に、マウスPDX-1又はヒトNeuroDのコード領域のDNAを有するマウスPDX-1組換えアデノウイルス(AdCMVPDX-1)及びヒトNeuroD組換えアデノウイルス(AdCMVNeuroD)を、それぞれ、アデノウイルス発現ベクターキット(製品コード6150、宝酒造)を用い、メーカーのマニュアルに従って作成した。
【0022】
PDX-1は、培養膵β細胞株(MIN6)のcDNAを鋳型とし、GenBank 受入番号 NM_008814の塩基配列を参考として、PCRによりクローニングした。用いたプライマーは、次のとおりである。
センスプライマー: CTAAGGCCTGGCTTGTAGCT(配列番号23)
アンチセンスプライマー: CGGCTATCCAACTGGCTCTC(配列番号24)
このPCRにより、PDX-1をコードするDNA(配列番号25:コード領域は塩基59〜914)を得、アデノウイルスへの組込みに使用した。
【0023】
ヒトNeuroD遺伝子配列をコードするGenBank 受入番号 AF045152として開示されている(配列番号26)(コード領域は塩基103〜1173)。このコード領域全域を含むDNA(配列番号27:コード領域は塩基13〜1083)を得、アデノウイルスへの組込みに使用した。
【0024】
組換えアデノウイルスの作成には、アデノウイルス発現ベクターキット(宝酒造)に含まれるコスミドベクターpAxcwを用いた。このコスミドベクターの構造を図6に示す。このベクターは、外来遺伝子組込み用にSwa I部位を有する。
【0025】
ベクターpAxcwのクローニング部位であるSwa I部位に、サイトメガロウイルス即時型初期エンハンサー/プロモーター及び上記で得たPDX-1又はNeuroDを常法により組み込んだ。すなわち、サイトメガロウイルス即時型初期エンハンサー/プロモーター及びPDX-1又はNeuroDのコード領域を含む発現ユニット(末端は平滑化)を作成し、これを、SwaIで完全に消化したコスミドベクターpAxcwに加え、エタノール沈殿した後、ライゲーション反応に付した。得られた組換えコスミドベクターをλパッケージングし、大腸菌に感染させた。コスミドクローンをClaI消化することによってインサートを切り出して調べ、発現ユニットの挿入されているコスミドクローンを選択した。選択したコスミドクローンを環状のままλパッケージングし大腸菌に感染させ、大腸菌を培養することによりコスミドクローンを大量調製した。このコスミドDNAを、キットに付属の制限酵素処理済みDNA−TPC(末端タンパク質結合アデノウイルスゲノムDNA)と混合し、リン酸カルシウム法で培養293細胞にトランスフェクションを行なって培養し、組換えアデノウイルスを回収した。回収した組換えアデノウイルスの各サンプルを293細胞及びHeLa細胞に感染させ、293細胞を死滅させるがHeLa細胞に変性を生じないサンプルのみを選択した。組換えウイルスの構造を確認した後、これを感染させた293細胞を培養することによって、目的とする組換えアデノウイルスAdCMVPDX-1及びAdCMVNeuroDを回収した。
【0026】
キットに付属の対照コスミドpAxCAiLacZを用いて同様に組換えアデノウイルスを作成し、対照ウイルスとした。
【0027】
単離したマウス胎児肝細胞を4日間培養した後、上記の各組換えアデノウイルスAdCMVPDX-1、AdCMVNeuroD及び対照ウイルスを、1〜200感染効率(moi)の範囲で感染させ、種々の遺伝子の発現の確認のため更に2日間培養した。PDX-1及びNeuroDの発現が、ヒトPDX-1特異抗体及びマウスNeuroD特異抗体(Santa Cruz Biotechnology, Santa Cruz CA)をそれぞれ用いたイムノブロット分析により確認された。
【0028】
〔RT−PCR〕
RNeasy miniキット(Qiagen, 東京)を用いてマウス胎児肝細胞から総RNAを単離した。RNAサンプルをDNaseI (Invitrogen, Carlsbad, CA) で処理した。総RNA3μg及び25 pmolのpd(N)6プライマー(Invitrogen)を用いて、20μl溶液中でcDNAを調製した。PCRプライマーの設計は、増幅すべきDNAにつきGenBankに登録された配列を参考としつつ、タンパク質コード領域にイントロンを有しないKir6.2遺伝子の外は、増幅される領域が遺伝子のイントロをまたぐように行なった(表1)。
【0029】
【表1】
【0030】
各サンプルが等しい量のmRNAを含有していることを示すためには、α−チューブリンプライマーを用いた。PCR条件は次の通りとした:94℃にて15秒間変性、30秒間アニーリング、72℃にて45秒間伸長。アニーリング温度及び反応サイクル数は表1のとおりとした。
【0031】
〔免疫組織化学〕
胎児肝細胞を、4%パラホルムアルデヒド含有の0.1Mリン酸緩衝液中で固定し、モルモット抗ブタインスリン抗体(Zymed Laboratories, South San Francisco, CA)とペルオキシダーゼ標識ブタ抗モルモットIgG(DAKO Japan, 京都)を用いた直接免疫ペルオキシダーゼ法(direct immunoperoxidase method)で染色した。
【0032】
〔結果〕
マウス胎児肝細胞からのインスリン産生細胞の誘導
RT−PCR分析での判定によると、用いた条件の下でインスリン1及び2の遺伝子は共に明瞭に発現されていた。培地への何らかの補充物質(ニコチンアミド、EGF、インスリン又はデキサメサゾン)が、肝細胞におけるインスリン遺伝子の発現を引き起こしているものと仮定した。10%FBS含有DMEM/F12に、これらの補充物質と個々に添加し、種々の培地中におけるそのインスリン遺伝子の発現への影響を評価した。マウスの胎児肝細胞をニコチンアミドを補充しない培地(ニコチンアミド0.0165 mmol/Lを含有)で培養したとき、インスリン1及び2遺伝子は、全く発現しないか、又は非常に僅かしか発現しなかった(図1)。対照的に、胎児肝細胞をニコチンアミド10 mmol/Lを補充した培地で培養すると、インスリン1及び2遺伝子の発現は顕著に誘導された(図1)。陰性対照として、マウス胚性繊維芽細胞(MEF)を胎児四肢から調製し(ED13.5)、同じ条件下に培養した。インスリン1及び2遺伝子の双方とも、ニコチンアミド補充培地で培養したMEF中に発現した(図1)。他の補充物質(すなわちEGF、インスリン及びデキサメサゾン)は、インスリン1及び2の遺伝子発現の誘導に全く効果がないか又は非常に僅かしか効果かなかった。マウス胎児肝細胞をインスリン産生細胞へと分化させるのに高濃度のニコチンアミドが必要であることを確認するために、抗インスリン抗体による免疫組織化学を用いた。ニコチンアミド補充下での培養により、インスリン陽性細胞が出現した(図2=ニコチンアミド無補充、図3=ニコチンアミド補充)。これらの結果は、インスリン産生細胞へと分化する能力を有する前駆細胞をマウス胎児肝細胞が含んでいることを、及び分化の誘導には高濃度のニコチンアミドの存在が非常に重要であることを示している。
【0033】
〔β細胞の表現型に関連する遺伝子のPDX-1による誘導〕
アデノウイルスを介した遺伝子導入系を用いてPDX-1をマウス胎児肝細胞に導入し、感染の48時間後に、種々の遺伝子の発現を調べた(図4)。胎児肝細胞を肝前駆細胞用の培養系の培地で培養したとき、偽(LacZ)感染胎児肝細胞(対照胎児肝細胞)において、インスリン1及び2遺伝子が発現した。しかしながら、PDX-1は、これらのインスリン遺伝子の発現レベルを有意に増加させなかった。
【0034】
主としてグルコース輸送体の特定のアイソフォームであるGLUT2〔Thorens B, Mol Membr Biol 18:265-273 (2001)〕及びIV型ヘキソキナーゼ、グルコキナーゼ(GK)〔Matschinsky FM et al., Diabetes 47:307-315 (1998)〕よりなるグルコース感知装置は、膵β細胞及び肝細胞に共通である。GLUT2及びI型ヘキソキナーゼ(HKI)は、対照胎児幹細胞中に発現され、PDX-1の過剰発現は、発現に影響を及ぼさなかった(図4)。グルコキナーゼは、用いた培養条件において胎児肝細胞中に明瞭に発現した。
【0035】
KATPチャネル及びVDCCは、共にグルコース応答性、電気的活性及び制御されたエキソサイトーシスにおける決定的な分子であり、これら全てが、膵β細胞の表現型を特徴づけるものであることから〔Seino S, Annu Rev Physiol 61:337-362 (1999), Ashcroft FM et al., Prog Biophys Mol Biol 54:87-143 (1989)〕、本発明者らはイオンチャネルサブユニットの発現を評価した(図4)。β細胞KATPチャネルは、2つの異なったサブユニットよりなる。即ち、内向き整流K+チャネルファミリーに属しポアを形成するKir6.2サブユニット、及び、2型糖尿病の治療において広く用いられているスルホニルウレア類の受容体であって制御に関わるSUR1サブユニット〔Seino S, Annu Rev Physiol 61:337-362 (1999)〕である。Kir6.2遺伝子及びSUR1遺伝子は共に、対照胎児肝細胞中に発現された。Kir6.2遺伝子の発現レベルはPDX-1による影響を受けなかったが、SUR1の発現は、PDX-1の過剰発現によって有意に増加した(図4)。膵β細胞におけるL−型VDCCのポア形成サブユニットであるα11.3サブユニット遺伝子の発現が対照胎児肝細胞中に検出され、その発現はPDX-1の過剰発現によって増加した(図4)。これらの結果は、PDX-1がKATPチャネル及びVDCCの発現に関与していることを示している。
【0036】
〔β細胞表現型に関連した遺伝子の発現のNeuroDによる誘導〕
本発明等は、NeuroDを、アデノウイルス系によってマウス胎児肝細胞に導入した(図4)。NeoruDの過剰発現はインスリン遺伝子の発現レベルを有意に増加させることはなかった。Kir6.2遺伝子の発現は、NeuroDによって影響を受けず、SUR1遺伝子のそれは、NeuroDの過剰発現により有意に増加した(図4)。α11.3サブユニット遺伝子の発現もまたNeuroDの過剰発現により増加した(図4)。これらの結果は、NeuroDが、KATPチャネル遺伝子及びVDCC遺伝子の発現にの何れにも関与していることを示している。
【0037】
PC2及びPC1/3の双方が、脳、神経内分泌細胞及び内分泌細胞に発現している〔Steiner DF, Curr Opin Chem Biol 2:31-39 (1998)〕。従ってこれらのコンバターゼの発現は、神経細胞、内分泌細胞及び神経内分泌細胞の特徴を反映している。PC2及びPC1/3の双方は、対照肝細胞では非常に低いレベルであったが、NeuroDの過剰発現はPC1/3遺伝子の発現を劇的に増加させた(図4)。
【0038】
ニコチンアミドは、ポリ(ADP−リボース)シンセターゼ/ポリメラーゼ(PARP)によるβ細胞損傷を防止するのみならず〔Yamamoto H et al., Nature 294:284-286(1981)〕、培養ヒト胎児膵島細胞における内分泌性の分化及びインスリン遺伝子発現の増加を誘導する〔Otonkoski T et al., J Clin Invest 92:1459-1466 (1993)〕。本実施例に示した結果は、高濃度のニコチンアミドが、マウス胎児肝細胞のインスリン産生細胞への分化において極めて重要であることを示している。
【0039】
本発明者等は、前駆細胞を豊富に含む〔Dabeva MD et al., Am J Pathol 156:2017-2031 (2000)〕マウスの胎児肝細胞から膵β細胞の表現型を有する細胞を作り出すことを試みた。本発明者等は、インスリン産生細胞が、原始肝前駆細胞〔Suzuki A et al., Hepatology 32:1230-1239 (2000)〕のインビトロ培養系で、高濃度のニコチンアミドを必須の因子として用いて誘導できることを見出した。加えて、使用した条件の下で膵β細胞の表現型に関連付けられている数個の遺伝子が胎児肝細胞中に発現されること、及び、それらの発現が、アデノウイルスを介した遺伝子導入系によるPDX-1又はNeuroDの過剰発現によって誘導されることを見出した。これらの発見は、肝前駆細胞が移植可能なインスリン分泌細胞の源となり得ることを示している。これらの結果は、マウス胎児肝細胞がインビトロでβ細胞様表現型の細胞へと分化できる前駆細胞を含んでいることを示している。従って、肝前駆細胞は、移植可能なインスリン分泌細胞を作成するための源となり得る。
【0040】
膵臓の発生に必要なホメオドメイン(homeodomain)転写因子PDX-1は、グルコース応答性に関与する遺伝子並びにインスリン遺伝子の発現を制御している〔Edlund H, Diabetes 47:1817-1823 (1998), Watada H et al., Diabetes 45:1478-1488 (1996)〕。しかしながら、インスリン、GLUT2及びグルコキナーゼの何れも偽感染胎児肝細胞において発現されたが、PDX-1の過剰発現は、用いた培養条件の下でインスリン、GLUT2又はグルコキナーゼの発現を有意に増加させることはなかった。胎児肝細胞における高レベルのGLUT2遺伝子発現に関する上記発見は、従前の報告〔Postic C et al., Am J Physiol 266:E548-559 (1994)〕を確認するものである。グルコキナーゼが主として成人の肝臓に発現しているのに対し、I型ヘキソキナーゼは胎児肝臓に発現している〔Postic C et al., Am J Physiol 266:E548-559 (1994)〕。グルコキナーゼ遺伝子の発現が原始肝前駆細胞培養系において誘導されることを本発明者等は明らかにしたが、そのメカニズムは明らかでない。
【0041】
塩基性のヘリックス−ループ−ヘリックス(bHLH)転写因子であるNeuroDは、神経の分化並びに膵臓の発生に重要である〔Edlund H, Diabetes 47:1817-1823 (1998)〕。膵β細胞と神経細胞とは、電気的興奮性及び制御されたエキソサイトーシス等の特徴を共有することから、本発明者等はNeuroDも、そのような機能に関与する遺伝子の発現を誘導するであろうと仮定した。実際、神経細胞と膵β細胞の双方で発現している遺伝子であるKATPチャネルSUR1サブユニット遺伝子及びVDCCサブユニットα11.3遺伝子〔Miki T et al., Nat Neurosci 4:507-512 (2001), Seino S et al., Proc Natl Acad Sci USA 89:584-588 (1992)〕の発現レベルは、胎児肝細胞において、NeuroDの過剰発現によって増加した。PC2及びPC1/3は、神経内分泌細胞での制御された分泌における主要なコンバターゼである〔Steiner DF, Curr Opin Chem Biol 2:31-39 (1998)〕。本発明者等は、NeuroDが、プロインスリンを切断してインスリンを生成することができるPC1/3の発現を顕著に誘導することを見出した。このことはNeuroDの発現がプロインスリンのプロセシングに必要であることを示すものである。
【0042】
【発明の効果】
本発明は、膵β細胞以外の細胞を用いてインスリン産生細胞を作成するための一手段を提供する。特に本発明は、成体肝中に存在し得る体性幹細胞/前駆細胞(somatic stem/progenitor cells)を用いて膵β細胞表現型の細胞を作成することを可能にする。また本発明はES細胞を使用しないため、ES細胞の使用がもたらし得る腫瘍発生の問題を回避することができるという利点がある。
【0043】
【配列表】
【図面の簡単な説明】
【図1】 ニコチンアミド補充の有無によるインスリン遺伝子の発現比較
【図2】 ニコチンアミド無補充培養細胞でのでのインスリンの検出反応結果
【図3】 ニコチンアミド補充培養細胞でのインスリンの検出反応結果
【図4】 培養細胞における各遺伝子の発現の比較。「no cDNA」=PCR反応時の鋳型なし。「MIN6」=膵β細胞株
【図5】 pCl-neoベクターのマップ
【図6】 コスミドベクターpAxcwのマップ
Claims (10)
- 非インスリン産生細胞からインスリン産生細胞を作成するための方法であって、該非インスリン産生細胞が哺乳類胎児肝細胞であり、該哺乳類胎児肝細胞をニコチンアミド1〜50 mmol/Lの存在下に培養し、且つNeuroD遺伝子を該哺乳類胎児肝細胞中に発現させることを特徴とする方法。
- 該遺伝子の発現が、該遺伝子を該哺乳類胎児肝細胞に導入することによるものである、請求項1の方法。
- 該哺乳類胎児肝細胞が非ヒト哺乳類胎児肝細胞である、請求項1又は2の方法。
- 非インスリン産生細胞からインスリン産生細胞を作成するための方法であって、該非インスリン産生細胞が哺乳類肝前駆細胞であり、該哺乳類肝前駆細胞をニコチンアミド1〜50 mmol/Lの存在下に培養し、且つNeuroD遺伝子を該哺乳類肝前駆細胞中に発現させることとを特徴とする方法。
- 該遺伝子の発現が、該遺伝子を該哺乳類肝前駆細胞に導入することによるものである、請求項4の方法
- 該哺乳類肝前駆細胞が非ヒト哺乳類肝前駆細胞である、請求項4又は5の方法。
- 哺乳類肝前駆細胞をインスリン産生細胞へと分化転換させるための方法であって、該哺乳類肝前駆細胞をニコチンアミド1〜50 mmol/Lの存在下に培養することと、該哺乳類肝前駆細胞中にNeuroD遺伝子を発現させることとを特徴とする方法。
- 該遺伝子の発現が、該遺伝子を該哺乳類肝前駆細胞に導入することによるものである、請求項7の方法。
- 該哺乳類肝前駆細胞が非ヒト哺乳類肝前駆細胞である、請求項7又は8の方法。
- 請求項1ないし9の何れかの方法によって作成したインスリン産生細胞。
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