JP5791111B2 - 馴化培地、および馴化培地を作る方法 - Google Patents

馴化培地、および馴化培地を作る方法 Download PDF

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Description

開示の内容
〔関連出願への相互参照〕
本出願は、2004年6月25日出願の米国仮特許出願第10/877,012号、;2004年6月25日出願の米国仮特許出願第10/877,446号;および2007年11月13日出願の米国非特許出願第11/939,360号を参照により組み込む。これらの出願の内容は、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
〔発明の分野〕
本発明は、馴化培地、およびそれを作る方法の分野に関する。具体的には、本発明は、分娩後由来細胞および臍組織由来細胞からの血清減少馴化培地に関する。
〔発明の背景〕
様々な疾患における療法の形態として、間葉系幹細胞(MSC)使用の可能性が、広く研究されてきた。しかしながら、MSCの有益な特性がパラクリン効果を通じてもたらされ得ることを示唆する証拠が増えている。MSCが培養された培地は、細胞が分泌する栄養因子およびサイトカインで強化されていることが分かっている。これにより、心臓、肺および腎臓傷害ならびに多くのほかの傷害の様々な疾患モデルにおいて培養MSCにより馴化された培地を利用する多くの研究が行われている。
分娩後由来細胞(PPDC)、および臍帯組織由来細胞(UTC)は、MSCのように、かなりの量の栄養因子およびサイトカインを分泌することが分かった。したがって、安定した測定可能なプロセスが、PPDC−およびUTC−馴化培地の製造に必要である。
〔発明の概要〕
特定の実施形態では、馴化培地を準備する方法は、UTCを培養培地に播種すること;培養培地の血清含量を減らすこと;培養培地から無血清基本培地にUTCを移すこと;無血清基本培地でUTCを成長させること;および、無血清基本培地からUTCを単離し馴化培地を残すことを含む。
ある実施形態では、UTCは最大24時間、無血清基本培地で成長する。他の実施形態では、馴化培地は、約22μm(約22ミクロン)のフィルターを使用することなどにより、ろ過される。ある実施形態では、馴化培地は、カットオフ膜などで濃縮される。一例は、約8.3×10−21g(約5kDa)のカットオフ膜である。
他の実施形態では、血清含量を減らすことは、UTCを培養培地から離すことを含む。他の実施形態では、離すこと(weaning)は、徐々に、例えば、約5%〜約60%の増分および/または約50%の増分で、培養培地の血清含量を減らすことを含む。ある実施形態では、UTCは、各増分で約1〜3継代、または各増分で約2継代成長する。他の実施形態では、培養培地は、静置培養またはマイクロキャリアビーズ培養であってよい。ある実施形態は、標準培養培地でUTCを予備的に培養することと、播種前に標準培養培地からUTCを単離することと、を含んでよい。
方法のいくつかの実施形態では、馴化培地は、培養培地にUTCを提供すること;1つまたは複数の増分段階で培養培地の血清含量を減らすこと;血清含量が所定レベルに達したら、血清含量減少培養培地から無血清基本培地にUTCを移すこと;24時間以下で、無血清基本培地でUTCを成長させること;および、無血清基本培地からUTCを単離し馴化培地を残すことによって、準備される。
ある実施形態では、移すことは、UTCを培養培地から離すこと、または血清減少培養培地を無血清基本培地と置き換えることを含む。馴化培地は、ろ過および濃縮され得る。
他の実施形態では、馴化培地が、UTCを培養培地に播種することにより生成され、培養培地の血清含量は、UTCを無血清基本培地に移す前に減少し、UTCはその後、無血清基本培地から単離されて、馴化培地を残す。馴化培地は、ろ過および濃縮され得る。
本発明の他の特徴および利点は、以下の詳細な説明および実施例を参照することで理解されるであろう。
〔詳細な説明〕
例示的な実施形態に関する、以下の詳細な説明では、その一部を形成する添付図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本発明を実施できるよう十分詳細に説明され、他の実施形態が利用され得ること、ならびに論理的、構造的、機械的、電気的、化学的変更が、本発明の趣旨または範囲を逸脱せずに行われ得ることが、理解される。本明細書に記載する実施形態を当業者が実施するのに必要でない詳細を省くため、説明では、当業者に既知の情報は省略され得る。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で理解されるものではなく、例示的な実施形態の範囲は、請求項によってのみ定められる。
本発明をより明確にするため、以下の定義を提供する。
幹細胞は、自己再生前駆体、非再生前駆体、および最終分化細胞を含む子孫細胞を産生するため自己再生および分化する、単一の細胞の能力により定められる未分化細胞である。幹細胞は、複数の胚葉(内胚葉、中胚葉、外肺葉)から様々な細胞系統の機能細胞にin vitroで分化し、移植後に複数の胚葉の組織を生じさせ、また、胚盤胞への注射後、すべてではなくてもほとんどの組織に、実質的に貢献する能力により、特徴づけられている。
幹細胞は、それらの発生能に従って、(1)全能性;(2)多能性;(3)多分化能性;(4)寡能性(oligopotent);および(5)単能性と分類される。全能性細胞は、全ての胚細胞および胚体外細胞型を生じることができる。多能性細胞は、全ての胚細胞型を生じさせることができる。多分化能細胞は、細胞系統のサブセットではあるが、全てが特定の組織、臓器、もしくは生理系内にあるものを生じさせることができるものを含む。例えば、造血性幹細胞(HSC)が、HSC(自己再生性)、血液細胞に制限された寡能性前駆体、ならびに、血液の正常な成分である全ての細胞型および要素(例えば、血小板)を含む子孫を産生することができる。寡能性の細胞は、多分化能幹細胞よりも制限された細胞系統のサブセットを生じさせることができる。単能性の細胞は、単一の細胞系統(例えば、精子形成幹細胞)を生じさせることができる。
幹細胞はまた、幹細胞を入手する供給源に基づいて分類される。成体幹細胞は、概して、複数の分化細胞型を含む組織に見られる、多分化能未分化細胞である成体幹細胞は、それ自体で再生することができる。通常環境下では、起源を発する組織の特殊化された細胞型、および恐らくは他の組織型を生じるように分化することもできる。胚幹細胞は、胚盤胞期胚の内側細胞集団からの多能性細胞である。胎児幹細胞は、胎児組織または膜から生じるものである。分娩後幹細胞は、出生後利用可能な胚外組織、すなわち胎盤および臍帯から実質的に生じる多分化能または多能性細胞である。これらの細胞は、急速な増殖、および多くの細胞系統に分化する可能性を含む、多能性幹細胞に特有の特徴を有することが分かっている。分娩後幹細胞は、血液由来(例えば、臍帯血から得られるもの)、または非血液由来(例えば、臍帯および胎盤の非血液組織から得られるもの)であってよい。
分化は、分化していない(unspecialized)(「コミットしていない(uncommitted)」)かまたはあまり分化していない(less specialized)細胞が例えば神経細胞もしくは筋細胞などの、分化した細胞の特徴を取得するプロセスである。分化細胞は、細胞系統内で、より分化した(「コミットした」)位置についたものである。用語「コミットした(committed)」は、分化のプロセスに使用される場合、通常環境下で特定の細胞型または細胞型のサブセットに分化し続け、また、通常環境下で、異なる細胞型に分化したり、あまり分化していない細胞型に戻ったりできない時点まで、分化経路を進んできた細胞を指す。脱分化は、細胞が細胞系統内で、あまり分化していない(またはコミットした)位置に戻るプロセスを指す。本明細書で使用される、細胞系統は、細胞の遺伝形質、すなわち、どの細胞から生じたか、また、何の細胞を生じさせることができるのかを定める。細胞系統は、発生および分化の遺伝的スキームの中にその細胞を位置付ける。
広義には、前駆細胞は、それ自身よりも分化した子孫を作る能力を有するが、前駆体の集まり(pool)を補充する能力を有する、細胞である。その定義により、幹細胞自体は、最終分化細胞に対してより直接的な前駆体であるので、これも前駆細胞である。本発明の細胞について言及する場合、以下でさらに詳細に説明するように、前駆細胞の、この広義の定義を使用することができる。狭義では、前駆細胞は、分化経路における中間体である細胞としばしば定義される。すなわち、前駆細胞は、幹細胞から生じており、成熟細胞型または細胞型のサブセットの産生における中間体である。この型の前駆細胞は、概して、自己再生することができない。したがって、この型の細胞に本明細書中で言及する際、「非自己再生前駆細胞」または「中間前駆細胞」もしくは「中間前駆体細胞」と呼ぶ。
本明細書で使用される、「中胚葉、外胚葉または内胚葉系統へ分化する」という語句は、それぞれ、特異的中胚葉、外胚葉または内胚葉系統へコミットされる細胞をさす。中胚葉系統に分化するか、または特異的中胚葉細胞を生じさせる細胞の例は、脂肪生成、軟骨生成、心原性、皮膚原性、造血性、血管形成(hemangiogenic)、筋原性、腎性、尿生殖器原性(urogenitogenic)、骨原性、周心原性(pericardiogenic)、または間質性の細胞を含むがこれらに限定されない。外胚葉系統に分化する細胞の例は、上皮細胞、神経原性細胞、および神経膠原性(neurogliagenic)細胞を含むがこれらに限定されない。内胚葉系統に分化する細胞の例は、胸膜原性(pleurigenic)細胞、肝性細胞、腸の裏打ちを生じさせる細胞、ならびに膵原性(pancreogenic)および内蔵原性(splanchogenic)細胞を生じさせる細胞を含むがこれらに限定されない。
細胞は、さらに具体的には、臍由来細胞もしくは臍帯由来細胞(UDC)、または臍帯組織由来細胞(UTC)である。さらに細胞は、幹細胞または前駆細胞として説明されてよく、前駆細胞は、広い意味で使用される。用語「由来(derived)」は、細胞が、それらの生物学的供給源から得られ、in vitroで成長または別様に操作されていることを示すのに使用される(例えば、成長培地で培養され、集団を増殖させ、かつ/または細胞株を産生する)。本発明の臍幹細胞のin vitro操作、および臍由来細胞の独自の特徴は、以下で詳細に説明する。
培養中の細胞を説明するため、さまざまな用語が使用される。「細胞培養」は、概して、生物から採取され制御条件下で成長した(「培養中」または「培養された」)細胞を指す。「初代細胞培養」は、生物から直接採取された細胞、組織または臓器を、最初の二次培養前に培養することである。細胞は、細胞増殖および/または分裂を促進する条件下で成長培地に入れられると、培養中に「増殖(expanded)」し、結果として、大きな細胞集団をもたらす。細胞が培養中に増殖すると、細胞増殖速度は、時には、細胞が2倍の数になるのに必要な時間の長さで測定される。これを、「倍加時間」という。
細胞株は、初代細胞培養の1回または複数回の二次培養により形成された細胞集団である。二次培養の各ラウンドは、継代と呼ばれる。細胞が二次培養されると、それらは、継代されてきたと言われる。特定の細胞集団、または細胞株は、時には、継代されてきた回数で呼ばれるか、またはそれによって特徴付けられる。例えば、10回継代されてきた培養細胞集団は、P10培養物と呼ばれ得る。初代培養物、すなわち、組織から細胞を単離した後の最初の培養物は、P0と呼ばれる。最初の二次培養の後、細胞は、2度目の培養物(P1または1代継代)と説明される。2度目の二次培養後、細胞は、第3培養物(P2または2代継代)になる、等である。継代期間中に多くの集団倍加があり得、そのため、培養物の集団倍加数は、継代数より大きいことが、当業者には理解されるであろう。継代相互間の時間中の細胞増殖(すなわち、集団倍加数)は、播種密度、基質、培地、成長条件、および継代相互間の時間を含むがこれらに限定されない多くの要因に依存している。
馴化培地は、特定の細胞または細胞集団が培養され、その後取り除かれる培地である。細胞が培地で培養されると、細胞因子を分泌することができ、この細胞因子は、他の細胞に栄養に関する支援を与えることができる。そのような栄養因子は、ホルモン、サイトカイン、細胞外マトリックス(ECM)、タンパク質、小胞、抗体、および顆粒を含むがこれらに限定されない。細胞因子を含む培地は、馴化培地である。
概して、栄養因子は、細胞の生存、成長、増殖および/または成熟化を促進するか、または細胞の活性増大を刺激する、物質として定義される。
培養された脊髄動物細胞に言及する場合、用語「老化」(「複製老化」もしくは「細胞老化」とも)は、有限細胞培養物に起因し得る特性、すなわち、有限数の集団倍加を超えて成長できないことを指す(ヘイフリックの限界と呼ばれることもある)。細胞老化は、最初は線維芽細胞様細胞を用いて説明されたが、培養中にうまく成長できる最も正常なヒト細胞型は、細胞老化を受ける。異なる細胞型のin vitro寿命はさまざまであるが、最長寿命は、典型的には100集団倍加より少ない(100は、培養中の全細胞が老化することにより、培養物を分割できなくなる倍加数である)。老化は経時的時間に依存しないが、むしろ、培養物が受ける、細胞分裂、すなわち集団倍加により測定される。よって、必須成長因子を除去することで静止状態になった細胞は、その成長因子が再び導入されると、成長および分裂を再開でき、その後、継続して成長した同等の細胞と同じ数の倍加を行う。同様に、細胞が、さまざまな数の集団倍加後に液体窒素で凍結され、その後解凍および培養されると、培養中に凍結されなかった細胞と実質的に同じ数の倍加を受ける。老化細胞は、死んだもしくは死にかけの細胞ではなく、それらは、プログラムされた細胞死(アポトーシス)に対し実際に耐性があり、3年もの間、非分裂状態に保たれている。これらの細胞は、非常によく生きており、代謝的に活性であるが、分裂はしない。老化細胞の非分裂状態は、あらゆる生物学的、化学的、ウイルス性薬物によって可逆性であることは分かっていない。
本明細書で使用される用語「成長培地」は、概して、細胞を培養するのに十分な培地を指す。具体的には、本発明の細胞を培養する1つの現在好適な培地は、ダルベッコ変法基本培地(DMEM)を含む。特に好ましいのは、DMEM−低グルコース(DMEM−LG)(Invitrogen,Carlsbad,CA)である。DMEM−LGは、好ましくは、血清を補充され、最も好ましくは、ウシ血清またはヒト血清を補充される。典型的には、15%(v/v)のウシ胎仔血清(例えば、規定のウシ胎仔血清、Hyclone,Logan UT)が、抗生物質/抗真菌薬((好ましくは100単位/mLのペニシリン、100mg/mLストレプトマイシン、および0.25μg/mLアンホテリシンB;Invitrogen,Carlsbad,CA)、ならびに0.001%(v/v)の2−メルカプトエタノール(Sigma,St. Louis Mo)と共に加えられる。場合によっては、異なる成長培地を使用するか、または異なる補充物が提供され、これらは通常、成長培地への補充物として本文中で示される。化学的に定義されたある培地では、細胞は、血清が全く存在しない状態で成長することができる。そのような場合、細胞は、ある成長因子を必要としてよく、この成長因子は、培地に加えられて、細胞を支持および維持することができる。無血清培地での成長のため加えられるべき現在好ましい因子は、bFGF、EGF、IGF−I、およびPDGFのうち1つまたは複数を含む。さらに好適な実施形態では、これらの因子のうち2つ、3つ、または4つ全てが無血清培地または化学的に定義された培地に加えられる。他の実施形態では、LIFを無血清培地に加えて、細胞の成長を支持または改善する。
また本発明に関して、本明細書で使用される用語「標準成長条件」は、5%COを含む標準大気中、37℃で細胞を培養することを指す。相対湿度は約100%に保たれる。前述した条件は、培養に有用であるが、そのような条件は、細胞を培養するために当技術分野で利用可能なオプションを認識するであろう当業者によって変えられ得ることが理解される。
用語「有効量」は、特定の生物学的結果を達成するのに有効な、本明細書に記載する化合物、材料、または組成物の濃度または量を指す。そのような結果は、骨格組織の再生、修復、もしくは改善、血流の改善、ならびに/または末梢性虚血患者における血管新生の刺激および/もしくは支援を含むがこれらに限定されない。このような有効な活性は、例えば、本発明の細胞および/または組成物を末梢性虚血患者に投与することによって達成できる。患者にin vivoで投与される際のUTCに関して、有効量は、わずか数百以下から数百万以上の範囲であってよい。特定の実施形態では、有効量は、約10〜約1011個の細胞、さらに具体的には、少なくとも約10個の細胞の範囲でよい。投与されるべき細胞数は、医薬生物学者によく知られている要因の中でも、治療される大きさまたは総体積/表面積、および治療される領域の場所に対する投与部位の近さを含むがこれらに限定されない、治療されるべき障害の詳細によって異なることが認識されるであろう。
用語「治療する(treat)」、「治療している(treating)」または「治療(treatment)」は、症状の寛解、緩解、減弱、または傷害、病態もしくは状態が患者にとってより耐えられるものとなること、変性もしくは減退の速度が遅くなること、変性の最終地点があまり衰弱させるものでなくなる(less debilitating)こと、被験者の身体的もしくは精神的幸福の改善、または生存長さが長くなること、などの客観的または主体的なパラメータを含む、傷害、病態または状態の希薄化または回復の成功または成功の兆しを指す。症状の治療または回復は、身体検査、神経学的検査および/または精神医学的検査の結果を含む、客観的または主観的なパラメータに基づいていてよい。
用語「有効期間(または時間)」および「有効条件」は、概して、意図する結果を達成するために、薬剤または医薬組成物に必要であるかまたは好ましい、時間、または他の制御可能な条件(例えば、in vitroでの方法の温度、湿度)を指す。
用語「患者」または「被験者」は、本明細書では交換可能に使用され、これらは、医薬または治療組成物で、または本明細書に記載する方法に従って、治療される、動物、好ましくは哺乳動物、さらに好ましくはヒトを指す。
用語「医薬的に許容可能な担体または培地」は、用語「生物学的に適合性の担体または担体」と交換して使用されてよく、概して、治療的に投与されるべき細胞および他の薬剤と適合性があるだけでなく、正しい医学的判断の範囲内にあり、妥当なリスク/ベネフィット比に比例した過度の毒性、刺激、アレルギー反応、または他の合併症なしで、ヒトおよび動物の組織と接触して使用されるのに適している、試薬、細胞、化合物、材料、組成物、および/または剤形を指す。本明細書でさらに詳細に説明するように、本発明で使用するのに適した、医薬的に許容可能な担体は、液体、半固体(例えばゲル)、および固体材料(例えば、細胞足場およびマトリックス、チューブ、シート、ならびに、当技術分野で既知であり、本明細書でさらに詳細に説明される、他のそのような材料)を含む。これらの半固体および固体材料は、体内での分解に抵抗するよう設計されてよく(非生分解性)、またはそれらは、体内で分解するように設計されてもよい(生分解性、生体侵食性)。生分解性材料は、さらに、生体再吸収性(bioresorbable)または生体吸収性(bioabsorbable)であってよい。すなわち、生分解性材料は、体液中に溶解および吸収されてよく(水溶性インプラントが1例である)、または他の材料への変換、もしくは天然経路を通じた崩壊および排除によって、分解され、最終的には体から排除される。生分解速度は、いったん体内に植え込まれたら、所望の放出速度に応じて変えられてよい。マトリックスはまた、新たに成長した骨格筋、周皮細胞、血管平滑筋、または血管内皮組織で置き換えられるまで、一時的な足場として作用することが望ましい。したがって、一実施形態では、マトリックスは、細胞と関連して使用される他の薬剤の徐放を提供し、患者の体内の組織成長を促す構造体を提供することができる。他の実施形態では、マトリックスは単に、発達している組織の一時的な足場を提供するだけである。マトリックスは、粒子形態(直径が10μm(10ミクロン)超のマクロ粒子、または直径が10μm(10ミクロン)未満の微小粒子)であってよく、あるいは、構造的に安定した3次元インプラント(例えば足場)の形態であってもよい。インプラントは、例えば、立方体、円筒、チューブ、ブロック、フィルム、シート、もしくは適切な解剖学的形態であってよい。
細胞または組織の移植に関して、本明細書でいくつかの用語が使用される。用語「自家移転」、「自家移植」、「自家移植片(autograft)」などは、移植ドナーが移植レシピエントでもある移植を指す。用語「同種移転」、「同種移植」、「同種移植片」などは、移植ドナーが移植レシピエントと同じ種であるが、そのレシピエントではない移植をさす。ドナーの細胞がレシピエントと組織適合的に一致している細胞移転は、時には、「同系移転」と呼ばれる。用語「異種移転」、「異種移植」、「異種移植片」などは、移植ドナーが移植レシピエントとは異なる種である移植を指す。
細胞、細胞溶解液を含む細胞集団および製剤などが、米国特許出願公開第20050054098号および20050058631号に詳細に記載される。
培養UTCからの馴化培地をin vitroおよびin vivoで培養することができる。UTCまたは他の馴化培地の使用により、拒絶反応もしくは他の逆免疫反応の誘因となりうる無処理細胞を導入することなしに、UTCによって分泌された有利な栄養因子を同種異系的に患者で使用することができる。培養培地中で細胞を培養し、その後、培地から細胞を取り除くことによって、馴化培地を準備する。
細胞集団から準備された馴化培地は、そのまま使用されるか、例えば限外ろ過もしくは凍結乾燥によってさらに濃縮されるか、あるいは、乾燥して、部分的に精製して、当技術分野において既知の医薬的に許容可能な担体もしくは希釈剤と組み合わせるか、または、例えば医薬的に有用なタンパク質組成物といった生物製剤のような他の化合物と組み合わせることができる。馴化培地は、in vitroまたはin vivoで、単独で、または、例えば自家もしくは同系の生細胞と共に、使用されることができる。馴化培地は、in vivoで導入される場合、治療部位で局所的に導入してもよいし、あるいは、例えば、患者に必要とされる細胞成長因子または栄養因子を提供するために、遠隔的に導入してもよい。
本発明の実施形態によれば、安定で測定可能なプロセスが、血清減少UTC−馴化培地を製造するために提供される。端的には、方法は、血清減少条件下でのUTCの培養を含む。その後、UTCは洗浄され、無血清基本培地で成長する。約24時間後、馴化培地は、収集され、ろ過され、約8.3×10−21g(約5kDa)または同様の分子量の膜の使用によって濃縮される。
哺乳動物の臍組織由来細胞(UTC)は、米国特許出願公開第20050054098号および20050058631号に記載の方法に従うことで、単離され得る。単離細胞は次に、馴化培地を準備する時間まで、米国特許出願公開第20050054098号および20050058631号に記載の方法に従うことにより、静置培養で成長することができる。
馴化培地は、細胞の任意の集団倍加により準備され得る。別の実施形態では、馴化培地は、約20〜約44の集団倍加から準備される。さらに他の実施形態では、馴化培地は、約30集団倍加から準備される。
馴化培地は、まず、細胞が成長した標準培養培地から細胞を単離することにより準備される。細胞は次に、任意の播種密度で静置培養に播種される。一実施形態では、細胞は、約1,000個の細胞/cm〜約10,000個細胞/cmの密度で播種される。さらに他の実施形態では、細胞は、約5,000個の細胞/cmの密度で播種された。
約5,000個の細胞/cmでの細胞播種後、細胞は、細胞が基本培地でのみ成長するまで徐々に培地のウシ血清含量を減らすことにより、約15%のウシ血清含量を有する標準培養培地から離される。ウシ血清は、約5〜約60%の増分で減少されてよい。一実施形態では、ウシ血清は、約50%(すなわち培地において15%、7.5%、3.25%、および0%のウシ血清)の増分で減少される。細胞は、約1〜約3継代にわたり各血清減少培地で成長することができる。一実施形態では、細胞は、約2継代にわたり、各血清減少培地で成長する。最終的なウシ血清減少培地を加える前に、細胞は、約10,000個の細胞/cmで、播種される。基本培地(0%ウシ血清)が細胞に加えられると、細胞は、24時間以下にわたり、培地に維持される。
馴化培地は、次に細胞から単離され、約0.22μm(約0.22ミクロン)または同様のフィルターを用いてろ過される。フィルターは滅菌されてもされなくてもよい。ろ過された馴化培地は、次に、約5Kのカットオフフィルターまたは類似装置を用いて濃縮される。ろ液は廃棄され、フィルター上に保持された、濃縮馴化培地は収集される。
別の実施形態では、単離されたUTC細胞は、馴化培地を準備する時点まで、米国特許出願公開第20080166328号(実施例を参照)に記載のような方法に従って、マイクロキャリアビーズ培養で成長する。
馴化培地は、細胞の任意の集団倍加で準備され得る。別の実施形態では、馴化培地は、約20〜約44集団倍加から準備される。さらに他の実施形態では、馴化培地は、約30集団倍加で準備される。
マイクロキャリアビーズ培養における約10,000個の細胞/cmでの細胞播種後、標準培養培地が細胞に加えられ、約2日間培養される。その後、標準培養培地が除去され、基本培地と取り替えられる。あるいは、マイクロキャリアビーズ培養は、静置培養と東陽に、標準培養培地から離されてよい。基本培地(0%ウシ血清)が細胞に加えられると、細胞は培地で24時間以下、保たれる。
馴化培地は次に細胞から単離され、約0.22μm(約0.22ミクロン)または同様のフィルターを用いてろ過される。フィルターは滅菌されてもされなくてもよい。ろ過された馴化培地は次に、約5Kのカットオフフィルターまたは類似装置を用いて濃縮される。ろ液は廃棄され、フィルター上に保持された、濃縮馴化培地は収集される。
従来の馴化培地は、培養された細胞型からのタンパク質に富んでいるが、培地に存在するウシ血清からのタンパク質にも富んでいる。前記の方法により準備された馴化培地は、ヒトタンパク質に凝縮されている。ウシタンパク質は、SDS−PAGEおよびウエスタンブロット分析など、標準的な特徴付け方法の検出を下回る量で、存在する。馴化培地中のウシタンパク質の、検出を下回る量は、その後のウシ疾患およびウイルスの感染のリスクの減少、ならびに異物免疫反応(xenoimmune reaction)のリスクの減少のため、有利である。
本明細書に記載のとおり準備された馴化培地は、従来の馴化培地の代わりに有用である。
以下の実施例は、本発明を、より詳細に説明する。これらの実施例は、本明細書で説明した発明の態様をさらに例示することを意図しており、限定することを意図するものではない。
実施例1
静置フラスコで培養された細胞からの馴化培地の生成に影響する因子
この研究の目的は、馴化培地の生成における異なる因子(培地容量、細胞播種密度、培養期間、細胞の集団倍加、細胞の増殖状態および血清離脱)の変化が、馴化培地におけるタンパク質の量、ならびにタンパク質発現プロファイルに影響するかどうかを判断することであった。
一般的なプロトコルとして、少なくとも1つのUTC(UTCの単離および特徴付けは実施例5〜14で見ることができる)が、10,000個の細胞/cm(特に指定のない限り)で、T−225cmフラスコ(Corning Inc,Corning NY)上で、成長培地(DMEM−低グルコース(Gibco、Carlsbad, Ca)、15%(v/v)ガンマ線照射されたウシ胎仔血清(Hyclone,Logan,UT)、4mMのGlutamax(Gibco,Carlsbad,Ca)、50IU/mLペニシリン(Gibco,Carlsbad,Ca)および50μg/mLストレプトマイシン(Gibco,Carlsbad,Ca)中で、播種された。48時間後、使用済み培地が吸引され、フラスコは、毎回1OmLのD−PBS(Gibco,Carlsbad,CA)で2回洗浄された。各洗浄の間、フラスコは、血清用ピペットで2回流された。20mL(特に指定のない限り)の基本培地(DMEM−低グルコース(Gibco,Carlsbad,Ca)および4mMのGlutamax(Gibco,Carlsbad,Ca))が次に加えられ、細胞が、さらに24時間(特に指定のない限り)培養された。24時間後、馴化培地が収集され、0.22μmフィルターフラスコ(Corning,Corning NY)でろ過され、その後、遠心分離フィルターチューブ(Centricon Plus−70,Millipore,Billerica,Ma)内で、8.3×10−21g(5kDa)の分子量カットオフで、濃縮された。サンプルは、20〜25℃で、これらの遠心分離フィルターチューブ内で、3200gで30分間、回された。残余分は、913gで5分間、20〜25℃で、フィルターチューブの反転遠心分離により収集された。結果として得られた濃縮培地は、その後、最終産物とみなされた。
培地容量研究では、細胞は、3つの異なる容量の基本培地(10、25および40mL)に切り替えられる前に、48時間成長した。細胞播種密度研究では、細胞は、基本培地に切り替える前に48時間、1,000、5,000、および10,000個の細胞/cmで播種された。培養持続時間の研究では、細胞は、馴化培地を回収する前に24、48および72時間、基本培地で培養された。細胞の集団倍加研究では、細胞は、基本培地に切り替える前に異なる集団倍加まで成長した。培地収集時における最終的な細胞集団倍加は、20、35および44であった。2つの群を使用して細胞の増殖状態の影響を比較した。第1群は、5,000個の細胞/cmで播種され、基本培地に切り替える前に標準成長培地で成長した増殖細胞からのみなった。第2群は、10,000個の細胞/cmで播種され、基本培地に切り替える前に2%血清含有培地で成長した、非増殖細胞からのみなった。血清離脱研究は、2群を有した。第1群は、基本培地に切り替える48時間前に5,000個の細胞/cmの一定播種密度で(ただし、最後の継代は10,000個の細胞/cmで播種された)15%から7.5%へ、そして最終的には3.25%の血清を含有する培地で、2連続継代にわたり離脱された細胞のみからなった。第2群は、一般的なプロトコルに従った。
タンパク質評価。各濃縮培地サンプルの総タンパク質濃度が、Bradford Assayにより評価された。Quick Start Bradford Ix Dye Reagent、およびQuick Start Bovine Serum Standard SetがBio−Rad(Hercules,Ca)から入手された。サンプルは、Milli−Q水で適切に希釈され、標準曲線の線形範囲内に収められ、2回(in duplicates)実行された。サンプルとBradford染料との混合物は、端的には、分光光度計(Molecular Devices,SpectraMax 190、Softmax Pro v4.0ソフトウェア付き)上で595nmの光学密度(OD)で読み取る前に5分間暗所で、撹拌され、インキュベートされた。サンプルのOD読み取りは、BSA標準のOD読み取りから生成された標準曲線に基づいて、タンパク質濃度に変換された。タンパク質濃度は、その濃度を、濃度工程の後で収集された残余分の容量に掛け合わせることにより示された、存在するタンパク質の総量に変換された。
SDS−PAGE。5μgの各サンプルが、5%(v/v)β−メルカプトエタノールを含むNovex(登録商標)Tris−Glycine SDS Sample Buffer(2X)(Invitrogen,Carlsbad,Ca)において準備された。混合後、サンプルは、95℃で5分間加熱され、ウェルに加える前に氷上冷却された。タンパク質分離について、Novex(登録商標)Tris−Glycine プレキャスト4〜20%ゲルおよびシステム(Invitrogen,Carlsbad,Ca)が、製造業者のプロトコルに従って、Novex(登録商標)Tris−Glycine Running Buffer(Invitrogen,Carlsbad,Ca)と共に使用された。ゲルは、製造業者のプロトコルに従って、SIMPLYBLUE Safe染料で染色され、DRYEASE Mini−Gel Drying System(Invitrogen,Carlsbad,Ca)を使用して乾燥された。
Figure 0005791111
Figure 0005791111
研究した因子の中で、初期細胞播種密度および培養持続時間のみが、総タンパク質含量に影響し、細胞密度および培養持続時間の増加と共にタンパク質含量が増えた。タンパク質バンド形成パターンは、低播種密度がタンパク質バンド形成パターンの損失を生じた細胞播種密度研究のサンプルを除いて、サンプル間で非常に一致していた。
実施例2
血清減少工程後の馴化培地における血清減少タンパク質
馴化培地の産生中、最終産物にFBSタンパク質が存在するのは避けられない。われわれの発見では、かなりの量のFBSタンパク質が最終産物に存在することが示されている。最終産物中に存在するFBSタンパク質の量は、馴化培地の生成前に1段階の血清減少を通じて、実質的に減少する。
馴化培地の生成。3研究群があった。第1群では、細胞は、T−225フラスコ上に播種され、5OmLの15%FBS含有成長培地を与えられた。第2群は、T−225フラスコ上に播種され、5OmLの2%FBS含有培地を与えられた細胞からなった。最終群は、細胞が播種されていないが、5OmLの15%FBS含有成長培地で満たされたT−225フラスコからなった。48時間後、各フラスコからの培地が収集され、−80℃で保管された。フラスコはその後、2回、D−PBS(各回1OmL)で洗浄され、各洗浄物(wash)は、収集され、−80℃で保管された。2OmLの基本培地が次に各フラスコに加えられ、実施例1に詳述する正確なプロトコルに従った。
タンパク質分析。タンパク質評価が、培地および洗浄物について実行され、存在するタンパク質の量を判断した。方法は実施例1に記載される。最終馴化培地のSDS−PAGEも実行され、群間のタンパク質バンド形成パターンを比較した。方法は実施例1に記載される。ウエスタンブロットを使用して、各郡の最終馴化培地産物に存在するウシ血清アルブミン(BSA)の量を比較した。サンプルは、5%のβ−メルカプトエタノールを含む2xサンプル緩衝液(Invitrogen,Carlsbad,Ca)において準備された。混合後、サンプルは、95℃で5分間加熱され、ウェルに入れる前に氷上冷却された。タンパク質分離について、プレキャストされた4〜20%のNOVEX Miniゲルおよびシステムを使用した(Invitrogen)。ゲルは、20%メタノールおよび0.01%のSDSと共に標準Towbin’s Bufferを用いて、湿気移転システム(wet transfer system)(Bio−Rad,Hercules,CA)において、PVDF膜(Invitrogen)上に移された。移転は、100Vで2時間にわたり4℃で行われた。移転後、膜は、非タンパク質系遮断緩衝液(Pierce,Rockford,IL)で遮断され、ロッカー上で一晩4℃で、一次抗体と共にインキュベートされた。マウスモノクローナル抗−BSA(Sc−80705、Santa Cruz Biotech,Santa Cruz,CA)が、新鮮遮断緩衝液において作られた1:1000の希釈で使用された。膜は、その後、3回、各回5分間、PBST(Bio−Rad,Hercules,Ca)により洗浄され、ヤギ抗マウス二次抗体(HAF007,RnD Systems,Minneapolis,MN)でインキュベートされた。ブロットは、次に、3回、各回5分間、PBSTで洗浄され、化学発光基質(SuperSignal West Dura,Pierce、Rockford,IL)で1分間インキュベートされ、次に、デジタル画像化システム(Bio−Rad,Hercules,CA)で検出された。
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図1も参照のこと。
細胞が存在するかまたは存在しない状態で、静置培養フラスコにおいて15%FBS含有培地を使用することにより、洗浄物にかなりの量のタンパク質が残ったことを示した。これらのタンパク質がウシ由来であるかどうかという問題は、SDS−PAGEおよびウエスタンブロットにより確認され、それにより、かなりの量のBSAが馴化培地で検出された。しかしながら、成長培地における血清の量を、基本培地に切り替える直前に15%から2%へ減少させることによって、馴化培地に存在するBSAの量が実質的に減少したことが分かった。BSAは最も最も血清が豊富なタンパク質であり、他の血清タンパク質も実質的に減少したと推測することができる。
実施例3
1段階血清減少方法で静置フラスコおよび攪拌フラスコから作られた馴化培地の比較
攪拌フラスコからの馴化培地の生成。少なくとも1つのUTCが、100mLの調節攪拌フラスコ(Corning,Corning,NY)中、Hillex II マイクロキャリア(12g/L)(Solohill Engineering Inc,MI)上に5,000個の細胞/cmで播種され、成長培地(DMEM−低グルコース(Gibco,Carlsbad,Ca)、15%(v/v)のガンマ線照射されたウシ胎仔血清(Hyclone、Logan,UT)、4mMのGlutamax(Gibco,Carlsbad,Ca)、50IU/mLペニシリン(Gibco,Carlsbad,Ca)および50μg/mLストレプトマイシン(Gibco,Carlsbad,Ca)を、60rpmの一定回転で、与えられた。4日後、細胞は、細胞を含有するマイクロキャリアを、新鮮成長培地と共に1:5の分割比で新鮮なマイクロキャリアにより再構築することにより、500mL攪拌フラスコ内へ継代された。4日後、使用済み培地が吸引され、マイクロキャリアは、D−PBSで2回洗浄された。第1洗浄は、短い攪拌を伴って200mLのPBSからなった。第1洗浄の吸引後、第2洗浄は、500mLのPBS、および磁気攪拌機で10分間60rpmでの10分インキュベーションからなった。2回の洗浄後、細胞は、2%FBS含有成長培地を与えられた。24時間後、マイクロキャリアは、前記の正確な手順に従って、D−PBSで再び洗浄され、0.09mL/cmの、マイクロキャリア表面積に対する容量の割合で、基本培地を与えられた。24時間後、馴化培地が収集され、0.22μmフィルターフラスコ(Corning,Corning NY)でろ過され、その後、遠心分離フィルターチューブ(Centricon Plus−70,Millipore,Billerica,Ma)内で、8.3×10−21g(5kDa)の分子量カットオフで濃縮された。サンプルは、これらの遠心分離フィルターチューブ内で3200gで30分間、20〜25℃で回転された。残余分は、913gで5分間、20〜25℃で、フィルターチューブの反転遠心分離によって収集された。結果として得られた濃縮培地はその後、最終産物とみなされた。
静置フラスコからの馴化培地の生成。1つまたは複数のUTCが、T−225cm上に30,000個の細胞/cmで播種され、成長培地(DMEM−低グルコース(Gibco,Carlsbad,Ca)、2%(v/v)のガンマ線照射されたウシ胎仔血清(Hyclone,Logan,UT)、4mMのGlutamax(Gibco,Carlsbad,Ca)、50IU/mLペニシリン(Gibco,Carlsbad,Ca)および50μg/mLストレプトマイシン(Gibco,Carlsbad,Ca)を与えられた。48時間後、使用済み培地が吸引され、フラスコは、2回、各回10mLのD−PBS(Gibco,Carlsbad,CA)で、洗浄された。各洗浄中、フラスコは、血清用ピペットで2回流された。基本培地(DMEM−低グルコース(Gibco,Carlsbad,Ca)および4mMのGlutamax(Gibco,Carlsbad,Ca))が、次に、0.09mL/cmの、表面積に対する容量の割合で加えられ、細胞が、さらに24時間(特に指定のない限り)培養された。24時間後、馴化培地が収集され、0.22μmフィルターフラスコ(Corning,Corning NY)でろ過され、その後、遠心分離フィルターチューブ(Centricon Plus−70,Millipore,Billerica,Ma)内で、8.3×10−21g(5kDa)の分子量カットオフで濃縮された。サンプルは、これらの遠心分離フィルターチューブ内で、3200gで30分間、20〜25℃で回転された。残余分は、913gで5分間、20〜25℃での、フィルターチューブの反転遠心分離により収集された。結果として得られた濃縮培地はその後、最終産物とみなされた。
最終細胞密度の決定。馴化培地が回収された後、残りの細胞は、D−PBS(CaおよびMgなし)(Gibco,Carlsbad,Ca)で洗浄され、TrypLE Select(Gibco,Carlsbad,Ca)を用いて、トリプシン処理されてフラスコまたはマイクロキャリアから出される。分離した細胞は次に、完全成長培地で中和され、流動ベース細胞カウンター(GUAVA Technologies)で、数および生存率をカウントされた。細胞混合物のアリコートが、死細胞を染色する蛍光染料で2Ox希釈され、その後、機械の中に入れられた。最終細胞数が、計算され、最終細胞密度を得るのに利用可能な総培養表面積に対して補正された。Hillex IIマイクロキャリアの場合、1.2gのマイクロキャリアは、約515cmの総表面積を有する。
タンパク質分析。タンパク質評価が培地および洗浄物について実行され、存在するタンパク質の量を判断した。方法は実施例1に記載される。最終馴化培地のSDS−PAGEも実行され、群間のタンパク質バンド形成パターンを比較した。方法は実施例1に記載される。実施例1に記載したようにBSAのウエスタンブロットが馴化培地に対して行われた。
Figure 0005791111
* 70mLの馴化培地濃度から得た値から、静置フラスコ培養で使用される同じ量(20mL)に対して外挿。
図2も参照のこと。
攪拌フラスコで培養されると、馴化培地で回収されるタンパク質の総量は、静置フラスコの場合の約4倍であり、最終細胞密度は、静置および攪拌フラスコの双方でほぼ匹敵していた。攪拌フラスコの馴化培地中のBSAの存在は、静置フラスコと比べると、実質的に低かった。
実施例4
多重ELISAによる、馴化培地に存在する目的のタンパク質の判断
馴化培地の生成。馴化培地が、実施例3に記載の方法に従って、静置フラスコおよび攪拌フラスコから作られた。
目的のタンパク質の検出。サンプルは、シリコン処理したマイクロ遠心分離チューブ中、基本培地で100μg/mLに希釈され、付着によるタンパク質損失を低減し、SERCHLIGHT多重ELISAアッセイにより、存在する目的のヒトおよびウシタンパク質の量を判断するためにPierce Biotechnology, Inc,Woburn,MAへ凍結輸送された。目的のタンパク質は、SEARCHLIGHT Proteom Arraysを用いて測定した。プロテオームアレイは、ウェル当たり2〜16個のタンパク質を定量測定するための多重サンドイッチELISAである。アレイは、2x2、3x3または4x4パターンの4〜16個の異なる捕捉抗体を96−ウェルプレートの各ウェルにスポッティングすることにより生成される。典型的なサンドイッチELISA処理の後、プレート全体が画像化され、プレートの各ウェル内部で各スポットにおいて生成された化学発光信号をとらえる。各スポットで生成された信号の量は、元の標準またはサンプルにおける標的タンパク質の量に比例する。
Figure 0005791111
ND−検出不能
8.3×10−21g(5kDa)のカットオフ膜によるろ過での濃縮が、実行可能な方法であることが分かった。このプロセスは、ATFろ過システムの使用により測定可能である。馴化培地含量の分析は、かなりの量のヒト成長因子およびサイトカイン(BDNF、IL−8、HGF、TIMP−1、TIMP−2、VEGF、FGFb、IL−6およびMMP−7)、ならびに検出不能な量のウシタンパク質(IFN−γ、IL−1β、IL−2、IL−4、IL−6およびTNF−α)を明らかにしたが、馴化培地を作る前の初期血清成長条件に応じてさまざまな量で存在することが分かったBSAは除く。
本発明は、前記で説明し例示した実施形態に限定されるものではない。本発明は、請求項の範囲内でバリエーションおよび改変が可能である。
実施例5
細胞の単離
臍細胞単離。臍帯をNational Disease Research Interchange(NDRI,Philadelphia,PA)から入手した。組織は、正常な配達に従って入手された。細胞単離プロトコルが、層流フードで無菌で行われた。血液および残骸を除去するため、臍帯は、100単位/mLのペニシリンおよび100mg/mLのストレプトマイシン、および0.25μg/mLのアンホテリシンB(Invitrogen Carlsbad,CA)の存在下で、リン酸緩衝生理食塩水(PBS;Invitrogen,Carlsbad,CA)中で洗浄された。組織は次に、組織が細かな柔らかい塊(fine pulp)に刻まれるまで、50mLの培地(DMEM−低グルコースまたはDMEM−高グルコース;Invitrogen)の存在下で、150cm組織培養プレート中で機械的に分離された。切り刻まれた組織は、50mLの円錐チューブ(チューブ当たり約5gの組織)に移された。
組織が、次に、DMEM−低グルコース培地もしくはDMEM−高グルコース培地のいずれかで消化された。培地はそれぞれ、100単位/mL、100mg/mLのストレプトマイシン、および0.25μg/mLのアンホテリシンBおよび消化酵素を含有した。いくつかの実験では、コラゲナーゼおよびディスパーゼの酵素混合物が使用された(「C:D」)(コラゲナーゼ(Sigma,St Louis,MO)、500単位/mL;およびディスパーゼ(Invitrogen)、50単位/mL、DMEM−低グルコース培地中)。他の実験では、コラゲナーゼ、ディスパーゼ、ヒアルロニダーゼの混合物(「C:D:H」)が使用された(C:D:H=コラゲナーゼ、500単位/mL;ディスパーゼ、50単位/mL;およびヒアルロニダーゼ(Sigma)、5単位/mL、DMEM−低グルコース中)。組織、培地および消化酵素を含む円錐チューブは、オービタルシェーカー(Environ,Brooklyn,N.Y.)中、37℃で、225rpmで2時間インキュベートされた。
消化後、組織を、150xgで5分間遠心分離し、上澄みを吸引した。ペレットは、20mLの成長培地(DMEM:低グルコース(Invitrogen)、15%(v/v)ウシ胎仔血清(FBS;規定のウシ胎仔血清;ロット#AND18475;Hyclone,Logan,UT)、0.001%(v/v)2−メルカプトエタノール(Sigma)、100単位/mLのペニシリン、100μg/mLのストレプトマイシン、および0.25μg/mLのアンホテリシンB;(それぞれInvitrogen,Carlsbad,CAより))中で再懸濁された。細胞懸濁液は、70μm(70ミクロン)のナイロンBD FALCON細胞ストレーナー(BD Biosciences,San Jose,CA)を通してろ過された。成長培地を含む、5mLの追加のリンス剤を、ストレーナーに通した。細胞懸濁液を次に、40μmナイロン細胞ストレーナー(BD Biosciences,San Jose,CA)に通し、追加の5mLの成長培地のリンス剤がその後に入れられる(chased)。
ろ液は、成長培地(総容量50mL)に再懸濁され、150xgで5分間遠心分離される。上澄みを吸引し、細胞を、50mLの新鮮な成長培地に再懸濁した。このプロセスを、さらに2回繰り返した。
最終的な遠心分離の後、上澄みを吸引し、細胞ペレットを、5mLの新鮮な成長培地に再懸濁した。トリパンブルー染色を用いて、生存細胞数を判断した。細胞を、標準条件下で培養した。
臍帯組織から単離された細胞が、成長培地中、ゼラチンコートT−75フラスコ(Corning Inc.,Corning,NY)上に、5,000個の細胞/cmで播種された。2日後、使用済み培地、および未付着細胞を、フラスコから吸引した。付着細胞を、PBSで3回洗浄し、残骸および血液由来細胞を除去した。次に、細胞は、成長培地を補充され、コンフルエンスまで成長した(0代継代から1代継代まで約10日間)。次の継代では(1から2代継代まで、など)、細胞は、4〜5日でサブコンフルエンス(75〜85%コンフルエンス)に達した。続いて起こるこれらの継代では、細胞を、5,000細胞/cmで播種した。細胞は、加湿インキュベーター中、5%の二酸化炭素、37℃で成長した。
細胞が、LIBERASE(2.5mg/mL、Blendzyme3;Roche Applied Sciences,Indianapolis,IN)およびヒアルロニダーゼ(5単位/mL Sigma)により、DMEM−低グルコース培地中で組織から単離された。組織の消化、および細胞の単離は、他のプロテアーゼ消化について前述したとおりであるが、LIBERASE/ヒアルロニダーゼ混合物を、C:DもしくはC:D:H酵素混合物の代わりに使用した。LIBERASEによる組織消化は、容易に増殖した組織からの細胞集団の単離を結果としてもたらした。
異なる酵素の組み合わせを用いて、臍帯から細胞を単離する処置を比較した。消化について比較された酵素は以下を含んだ:i)コラゲナーゼ;ii)ディスパーゼ;iii)ヒアルロニダーゼ;iv)コラゲナーゼ:ディスパーゼ混合物(C:D);v)コラゲナーゼ:ヒアルロニダーゼ混合物(C:H);vi)ディスパーゼ:ヒアルロニダーゼ混合物(D:H);およびvii)コラゲナーゼ:ディスパーゼ:ヒアルロニダーゼ混合物(C:D:H)。これらの異なる酵素消化条件を使用した細胞単離の差異を観察した(表5−1)。
異なるアプローチによって臍帯から細胞の集まりを単離する、他の試みを行った。ある場合には、臍帯をスライスし、成長培地で洗浄して、血餅およびゼラチン質の材料を取り除いた。血液、ゼラチン質の材料、および成長培地の混合物を収集し、150xgで遠心分離した。ペレットを再懸濁し、成長培地において、ゼラチンコートフラスコ上に播種した。これらの実験から、容易に増殖した細胞集団を単離した。
細胞はまた、NDRIより手に入れた臍帯血サンプルからも単離された。使用した単離プロトコルは、Ho et al.による国際特許出願PCT/US2002/029971のものである。臍帯血のサンプル(それぞれ50mLおよび10.5mL)(NDRI,Philadelphia PA)が、溶解緩衝液(ろ過滅菌された(filter−sterilized)155ミリモルの塩化アンモニウム、10ミリモルの炭酸水素カリウム、0.1ミリモルのEDTA、pH7.2に緩衝化(全成分はSigma,St. Louis,MOより))と混合された。細胞は、臍帯血と溶解緩衝液が1:20の割合で溶解された。結果として得られた細胞懸濁液を5秒間ボルテックスし、周囲温度で2分間インキュベートした。可溶化液を遠心分離した(200xgで10分間)。細胞ペレットが、10%ウシ胎仔血清(Hyclone,Logan UT)、4ミリモルのグルタミン(Mediatech Herndon,VA)、100単位/mLのペニシリンおよび100μg/mLのストレプトマイシン(Gibco,Carlsbad,CA)を含有するComplete Minimal Essential培地(Gibco,Carlsbad CA)で、再懸濁された。再懸濁した細胞を遠心分離し(200xgで10分間)、上澄みを吸引し、細胞ペレットを完全培地中で洗浄した。細胞が、T75フラスコ(Corning,NY)、T75ラミニンコートフラスコ、またはT175フィブロネクチンコートフラスコ(2つともBecton Dickinson,Bedford,MA)のいずれかの中に直接播種された。
細胞集団が異なる条件下で単離し、単離直後にさまざまな条件下で増殖できるかどうかを判断するため、細胞が、0.001%(v/v)2−メルカプトエタノール(Sigma,St. Louis,MO)を含むかまたは含まない成長培地で、C:D:Hの酵素組み合わせを用いて、前記の手順に従って消化された。100単位/mLのペニシリンおよび100μg/mLのストレプトマイシンの存在下で全ての細胞が成長した。全試験条件下で、細胞は、0代継代と1代継代との間で、十分に付着し増殖した(表5−2)。5〜8および13〜16の条件での細胞は、播種後、細胞が低温保存される4回目の継代までは十分増殖したことが示された。
C:D:Hの組み合わせは、単離後、最もよい細胞の収量を提供し、他の条件よりも多くの世代にわたって培養中に増殖した細胞を生成した(表5−1)。増殖可能な細胞集団は、コラゲナーゼまたはヒアルロニダーゼ単独では、得られなかった。この結果が試験したコラゲナーゼに特異的なものであるかどうかを判断する試みは行っていない。
Figure 0005791111
略語:+=良い、++=非常に良い、+++=きわめて良い、X=成功せず
細胞は、酵素消化および成長について試験した全条件下において、0代継代と1代継代との間で十分付着および増殖した(表5−2)。実験条件5〜8および13〜16の細胞は、低温保存される4回目の継代までは、播種後十分に増殖した。全ての細胞をさらなる分析のため、低温保存した。
Figure 0005791111
有核細胞が、急速に付着および成長した。これらの細胞は、フローサイトメトリーにより分析され、酵素消化により得られた細胞と同様であった。
製剤は、赤血球および血小板を含有した。最初の3週間は、有核細胞は付着および分裂しなかった。培地は、播種後3週間で変えられ、付着および成長した細胞は観察されなかった。
細胞集団は、酵素の組み合わせ、すなわちコラゲナーゼ(メタロプロテアーゼ)、ディスパーゼ(中性プロテアーゼ)およびヒアルロニダーゼ(ヒアルロン酸を分解する粘液溶解酵素)を用いて、効果的に臍組織から単離できた。コラゲナーゼと中性プロテアーゼとのブレンドであるLIBERASEも使用することができる。コラゲナーゼ(4Wunsch単位/g)およびサーモリシン(1714カゼイン単位/g)である、Blendzyme 3もヒアルロニダーゼと共に使用されて、細胞を単離することができた。これらの細胞は、成長増殖培地においてゼラチンコートプラスチック上で培養されると、多くの継代にわたり容易に増殖した。
細胞は、臍帯中の残りの血液からも単離されたが、臍帯血からは単離されなかった。使用した条件下で付着および成長した、組織から洗浄された血餅中の細胞の存在は、切開プロセス中に放出されている細胞によるものであろう。
参考文献
Ho et al,WO2003025149 A2,”CELL POPULATIONS WHICH CO−EXPRESS CD49C AND CD90” NEURONYX,INC. 出願番号PCT/US02/29971、出願日20020920,A2 公開日20030327,A3 公開日20031218.
実施例6
細胞の成長特性
細胞の細胞増殖能力が、他の単離幹細胞集団に対して比較された。老化までの細胞増殖プロセスは、ヘイフリックの限界と呼ばれる(Hayflick,”The longevity of cultured human cells,” J. Am. Geriatr. Soc、1974;22(1);1−12、Hayflick、”The strategy of senescence,” Gerontologist、1974;14(1);37−45)。
組織培養プラスチックフラスコは、室温で、20分間、20mLの2%(w/v)ゼラチン(タイプB:225 Bloom;Sigma,St Louis,Mo)をT75フラスコ(Corning Inc.,Corning,NY)に加えることによってコートされた。ゼラチン溶液の除去後、10mLリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Invitrogen,Carlsbad,CA)が加えられ、その後吸引された。
成長増殖能力比較のため、以下の細胞集団を利用した;i)間葉系幹細胞(MSC; Cambrex,Walkersville,MD);ii)脂肪由来細胞(米国特許第6,555,374 B1;米国特許出願公開第US20040058412);iii)正常な皮膚線維芽細胞(cc−2509 ロット# 9F0844;Cambrex,Walkersville,MD);およびiv)臍由来細胞。細胞は、最初に5,000細胞/cmで、ゼラチンコートT75フラスコに成長培地において播種された。その後の継代では、細胞培養を以下のとおり処理した。トリプシン処理後、トリパンブルー染色の後で生存細胞をカウントした。細胞懸濁液(50μL)を、トリパンブルー(50μL,Sigma,St. Louis Mo)と混ぜ合わせた。生存細胞数は、血球計数器を用いて見積もった。
カウント後、細胞が、25mLの新鮮成長培地中、ゼラチンコートしたT−75フラスコ上に5,000個の細胞/cmで播種された。細胞は、37℃で、標準大気(5%(v/v)二酸化炭素)中で成長した。成長培地は、1週間に2回変えた。細胞が約85%のコンフルエンスに達すると、細胞を継代した;このプロセスは、細胞が老化に達するまで繰り返された。
各継代で、細胞をトリプシン処理してカウントした。生存細胞収量、集団倍加[ln(最終の細胞/最初の細胞)/ln2]、および倍加時間(培養中の時間/集団倍加)を計算した。最適な細胞増殖を決定する目的で、継代当たりの総細胞収量が、各継代の増殖因子に、前の継代の総収量を掛け合わせることにより、決定された(すなわち、増殖因子=最終の細胞/最初の細胞)。
10代継代で保存された(banked)の細胞の増殖能力も試験した。異なる1組の条件を使用した。正常な皮膚線維芽細胞(cc−2509 ロット# 9F0844;Cambrex,Walkersville,MD)、臍由来細胞、および胎盤由来細胞が試験された。これらの細胞集団は、その前に10代継代で保存されており、各継代5,000個の細胞/cmで、その時点まで培養されていた。10代継代での細胞解凍後の細胞集団に対する細胞密度の影響を決定した。細胞は、標準条件下で解凍され、トリパンブルー染色を用いてカウントされた。解凍された細胞は、その後、成長培地中、1,000個の細胞/cmで播種された。細胞は、37℃で、通常の大気条件下で成長した。成長培地は1週間に2回変えられた。細胞は、約85%コンフルエンスに達すると、継代された。細胞は、その後、老化まで、すなわち、それ以上増殖できなくなるまで、継代された。細胞は、各継代で、トリプシン処理されカウントされた。細胞収量、集団倍加(ln(最終的な細胞/最初の細胞/ln2)および倍加時間(培養中の時間)/集団倍加)を計算した。継代当たりの総細胞収量は、各継代の増殖因子に、その前の継代の総収量を掛け合わせることにより決定された(すなわち、増殖因子=最終的な細胞/最初の細胞)。
低細胞播種条件下での、新たに単離された臍帯組織由来細胞培養物の増殖能力を、別の実験で試験した。臍由来細胞は、実施例5に記載のとおり、単離された。細胞は、1,000個の細胞/cmで播種され、老化まで前記のように継代された。細胞は、37℃で、通常の大気条件下で成長した。成長培地は、1週間に2回変えられた。細胞は、約85%コンフルエンスに達すると、継代された。各継代で、細胞をトリプシン処理して、トリパンブルー染色によりカウントした。細胞収量、集団倍加(ln(最終の細胞/最初の細胞)ln2)および倍加時間(培養中の時間/集団倍加)が、各継代について計算された。継代当たりの総細胞収量が、各継代の増殖因子に、前の継代の総収量を掛け合わせることにより、決定された(すなわち、増殖因子=最終的な細胞/最初の細胞)。細胞は、ゼラチンコートフラスコ、および非ゼラチンコートフラスコで成長した。
低O細胞培養条件が、ある場合には、細胞増殖を改善することが証明されている(Csete、Marie;Doyle,John;Wold,Barbara J.;McKay,Ron;Studer,Lorenz. Low oxygen culturing of central nervous system progenitor cells. US20040005704)。臍由来細胞の細胞増殖が細胞培養条件を変えることで改善できるかどうかを判断するため、臍由来細胞の培養物が、低酸素条件で成長させられた。細胞を、成長培地中、ゼラチンコートフラスコ上で、5,000細胞/cmで播種した。細胞は、最初は、5代継代にわたり標準的な大気条件下で培養され、5代継代の時点で、低酸素(5% O)培養条件に移された。
他の実験では、細胞は、コート無しプレート、コラーゲンコートプレート、フィブロネクチンコートプレート、ラミニンコートプレート、およびマトリゲルコートプレート上で増殖された。培養物は、これらの異なるマトリックス上で十分増殖することが示された。
臍由来細胞は、40継代超にわたり増殖し、60日で>1E17個の細胞の細胞収量を生成した。それとは対照的に、MSCおよび線維芽細胞は、<25日後、および<60日後にそれぞれ老化した。脂肪由来細胞および網細胞は双方、ほぼ60日にわたり増殖したが、これらは、4.5E12および4.24E13の総細胞収量をそれぞれ生成した。したがって、使用した実験条件下で、5,000個細胞/cmで播種されると、臍由来細胞は、同じ条件下で成長した他の細胞型よりも、はるかによく増殖した(表6−1)。
Figure 0005791111
臍由来細胞および線維芽細胞は、10継代超にわたり増殖し、60日で>1E11個の細胞の細胞収量を生成した(表6−2)。これらの条件下で60日後、線維芽細胞は老化したが、臍由来細胞は、80日後に老化し、>50集団倍加を完了した。
Figure 0005791111
細胞は低酸素条件下で十分に増殖するが、低酸素条件下での培養は、臍帯組織由来細胞の細胞増殖に対してはあまり効果がないようである。標準的大気条件は、十分な数の細胞を成長させるのにうまくいくことが既に証明されており、低酸素培養は、臍帯組織由来細胞の成長には必要でない。
標準的な大気中酸素の下、約5,000個の細胞/cm密度で、成長培地中で、ゼラチンコートされるかまたはコートされないフラスコ上で、単離された臍帯組織由来細胞を成長させる現在の細胞増殖条件は、多数の細胞を11代継代で生成するのに十分である。さらに、データは、細胞が低密度培養条件(例えば、1,000個の細胞/cm)で容易に増殖し得ることを示唆している。低酸素条件における臍帯組織由来細胞増殖も、細胞増殖を促進するが、細胞増殖能力の漸進的改善は、これらの成長条件を使用した場合に、観察されていない。現在、標準的な大気条件下で臍帯組織由来細胞を培養することが、細胞の大きな集まりを生成するのに好ましい。しかしながら、培養条件を変えた場合、細胞増殖は同様に変えられることができる。このストラテジーを用いて、これらの細胞集団の増殖および分化能力を高めることができる。
利用した条件下で、MSCおよび脂肪由来細胞の増殖能力は限られているが、臍帯組織由来細胞は、容易に多くの数まで増殖した。
参考文献
Hayflick,”The longevity of cultured human cells,” J Am Geriatr Soc.,1974;22;1−12.
Hayflick,“The strategy of senescence,” Gerontologist,1974;14(1);37−45.
米国特許出願公開第20040058412号
米国特許出願公開第20040048372号
米国特許出願公開第20040005704号。
実施例7
D‐バリン含有培地での細胞成長
細胞療法に使用される細胞株は、好ましくは、同種であり、いかなる汚染細胞型も含まない。細胞療法に使用されるヒト細胞は、正常な構造を有する、正常な数(46個)の染色体を有していなければならない。同種であり、分娩後組織由来でない細胞を含まない、臍帯組織由来細胞株を識別するため、細胞サンプルの核型を分析した。
臍由来細胞(P5)および線維芽細胞(P9)を、5,000個細胞/cmで、ゼラチンコートT75フラスコ(Corning,Corning,NY)において播種した。24時間後、培地を取り除き、細胞を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Gibco,Carlsbad,CA)で洗浄して、残りの培地を取り除いた。培地は、修飾成長培地(D−バリンを含むDMEM(特注品 Gibco)、15%(v/v)透析ウシ胎仔血清(Hyclone,Logan,UT)、0.001%(v/v)βメルカプトエタノール(Sigma)、50単位/mLのペニシリン、および50mg/mLのストレプトマイシン(Gibco))と取り替えられた。
D−バリン含有培地に播種された臍由来細胞および線維芽細胞は、透析血清を含有する成長培地に播種された細胞と異なり、増殖しなかった。線維芽細胞は形態学的に変化し、サイズが大きくなり、形状が変わった。細胞は全て死滅し、最終的には、4週間後にフラスコ表面から離れた。したがって、臍帯組織由来細胞は、細胞成長のため、および長期間の生存を維持するために、L−バリンを必要とすると結論付けることができる。L−バリンは、好ましくは、臍帯組織由来細胞については成長培地から取り除かれない。
参考文献
Hongpaisan,”Inhibition of proliferation of contaminating fibroblasts by D−valine in cultures of smooth muscle cells from human myometrium,” Cell Biol Int.,2000;24;1−7
Sordillo et al.,”Culture of bovine mammary epithelial cells in D−valine modified medium:selective removal of contaminating fibroblasts,” Cell Biol Int Rep.,1988;12;355−64。
実施例8
細胞の核型分析
細胞療法に使用される細胞株は、好ましくは、同種であり、いかなる汚染細胞型も含まない。細胞療法に使用されるヒト細胞は、正常な構造を有する、正常な数(46個)の染色体を有していなければならない。同種であり、分娩後組織由来でない細胞を含まない、臍帯組織由来細胞株を識別するため、細胞サンプルの核型を分析した。
オスの新生仔(male neonate)の組織からの臍帯組織由来細胞を成長培地で培養した。オスの新生仔からの臍帯組織(X、Y)は、新生児由来細胞と母系由来細胞(X、X)との間で識別を行うように選択された。細胞は、1平方センチ当たり5,000個の細胞で、T25フラスコ(Corning,Corning,NY)中、成長培地において播種され、80%コンフルエンスまで増殖された。細胞を含有するT25フラスコは、ネック部分まで成長培地を入れられた。サンプルは、臨床組織遺伝学研究所までクーリエにより送達された(研究所間の輸送時間は1時間と予測される)。染色体分析は、ニュージャージー州ニューアークのNew Jersey Medical SchoolにあるCenter for Human & Molecular Geneticsにより行われた。細胞は、染色体が最もよく見える分裂中期の間に分析された。カウントされた分裂中期の20個の細胞のうち、5個が、正常な同種核型数(2)について分析された。細胞サンプルは、2つの核型が観察された場合に同種であると特徴付けられた。細胞サンプルは、3つ以上の核型が観察された場合に異種であると特徴付けられた。異種性の核型数(4)が識別されると、追加の分裂中期細胞をカウントし、分析した。
染色体分析に送られた全細胞サンプルは、細胞遺伝学研究室のスタッフによって、正常外見を呈していると解釈された。分析された16の細胞株のうち3つが、異種性の表現型(XXおよびXY)を表し、これは、新生児由来および母系由来の双方に由来する細胞が存在することを示している(表8−1)。細胞サンプルはそれぞれ、同種であると特徴付けられた(表8−1)。
Figure 0005791111
略語:N−新生児側;V−絨毛領域;M−母系側;C−クローン
染色体分析は、臨床細胞遺伝学研究室により解釈されると、核型が正常である臍由来細胞を識別した。核型分析はまた、同種核型により判断される、母系性細胞を含まない細胞株も識別した。
実施例9
細胞表面マーカーのフローサイトメトリー評価
フローサイトメトリーによる細胞表面タンパク質または「マーカー」の特徴づけを用いて、細胞株の同一性を判断することができる。発現の一貫性は、複数のドナーから、また異なる処理および培養条件にさらされた細胞において、判断され得る。臍から単離された細胞株は、フローサイトメトリーにより特徴付けられ、これらの細胞株の同定のプロファイルを与えた。
細胞は、プラズマ処理されたT75、T150、およびT225組織培養フラスコ(Corning,Corning,NY)中、成長培地で、コンフルエントまで培養された。フラスコの成長表面は、2%(w/v)ゼラチン(Sigma,St. Louis,MO)を20分間室温でインキュベートすることにより、ゼラチンによりコートされた。
フラスコ中の付着細胞を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS);(Gibco,Carlsbad,MO)で洗浄し、トリプシン/EDTA(Gibco)で分離した。細胞を回収し、遠心分離し、PBS中の3%(v/v)FBSで、1x1O/mLの細胞濃度で再懸濁した。製造業者の仕様書に従って、目的の細胞表面マーカーに対する抗体(以下参照)が、100μLの細胞懸濁液に加えられ、混合物が、30分間4℃で暗所においてインキュベートされた。インキュベーション後、細胞を、PBSで洗浄し、遠心分離して、非結合抗体を除去した。細胞を、500μLのPBS中に再懸濁して、フローサイトメトリーにより分析した。
フローサイトメトリー分析は、FACS calibur器具(Becton Dickinson,San Jose,CA)を用いて行った。
細胞表面マーカーに対する以下の抗体を使用した。
Figure 0005791111
臍帯細胞は、8代継代、15代継代、および20代継代で分析された。
ドナー間の差異を比較するため、異なるドナー由来の臍帯由来細胞を互いに比較した。
ゼラチンコートフラスコで培養された臍帯由来細胞が、非コートフラスコで培養された臍帯由来細胞と比較された。
細胞の単離および準備に使用される4つの処理を比較した。1)コラゲナーゼ;2)コラゲナーゼ/ディスパーゼ;3)コラゲナーゼ/ヒアルロニダーゼ;および4)コラゲナーゼ/ヒアルロニダーゼ/ディスパーゼでの処理による、組織由来の細胞を比較した。
フローサイトメトリーで分析した、8代継代、15代継代、および20代継代における臍帯由来細胞は全て、CD10、CD13、CD44、CD73、CD90、PDGFr−αおよびHLA−A、B、Cを発現し、これは、IgG対照に対する蛍光の増大で示される。これらの細胞は、CD31、CD34、CD45、CD117、CD141、およびHLA−DR、DP、DQに対して陰性であり、これは、IgG対照と一致する蛍光値により示される。
フローサイトメトリーにより分析された別個のドナーから単離された臍帯由来細胞はそれぞれ、CD10、CD13、CD44、CD73、CD90、PDGFr−α、およびHLA−A、B、Cの産生に対して陽性を示し、これは、IgG対照に対する蛍光値の増大に反映される。これらの細胞は、CD31、CD34、CD45、CD117、CD141、およびHLA−DR、DP、DQの産生に対して陰性であり、蛍光値はIgG対照と一致した。
フローサイトメトリーにより分析された、ゼラチンコートフラスコおよび非コートフラスコで増殖した臍帯由来細胞は全て、CD10、CD13、CD44、CD73、CD90、PDGFr−α、およびHLA−A、B、Cの産生に対して陽性であり、IgG対照に対する蛍光値は増大した。これらの細胞は、CD31、CD34、CD45、CD117、CD141、およびHLA−DR、DP、DQの産生に対しては陰性であり、蛍光値は、IgG対照と一致していた。
フローサイトメトリーによる臍帯由来細胞分析は、これらの細胞株の同一性を証明した。これらの臍帯由来細胞は、CD10、CD13、CD44、CD73、CD90、PDGFr−α、およびHLA−A、B、Cに対して陽性であり、CD31、CD34、CD45、CD117、CD141、およびHLA−DR、DP、DQに対して陰性である。この同一性は、ドナー、継代、培養容器表面コーティング、消化酵素および胎盤巣を含む変数の変動間で一致していた。個々の蛍光値のヒストグラム曲線平均および範囲におけるいくらかの変動が観察されたが、試験した全条件下での全ての正の曲線(positive curves)は、正常であり、IgG対照より大きな蛍光値を発現したため、細胞は、マーカーの陽性発現を有する同種集団を含むことが、確認される。
実施例10
オリゴヌクレオチドアレイによる細胞の分析
オリゴヌクレオチドアレイを使用して、臍由来細胞および胎盤由来細胞の遺伝子発現プロファイルを、線維芽細胞、ヒト間葉系幹細胞、およびヒト骨髄由来の別の細胞株と比較した。この分析により、細胞の特徴付けがもたらされ、これらの細胞に対する独自の分子マーカーが識別された。
組織由来細胞。ヒト臍帯および胎盤が、患者の同意を得て、正常満期分娩から、National Disease Research Interchange(NDRI,Philadelphia,PA)によって入手された。組織を受け取り、実施例5に記載するように細胞を単離した。細胞は、成長培地において、ゼラチンコート組織培養プラスチックフラスコ上で培養された。培養物は、37℃、5%のCOでインキュベートされた。
線維芽細胞。ヒトの皮膚の線維芽細胞を、Cambrex Incorporated(Walkersville,MD;ロット番号9F0844)およびATCC CRL−1501(CCD39SK)から購入した。いずれの株も、10%(v/v)ウシ胎仔血清(Hyclone)、およびペニシリン/ストレプトマイシン(Invitrogen)を含むDMEM/F12培地(Invitrogen,Carlsbad,CA)で培養した。細胞は、標準の組織処理プラスチック上で成長した。
ヒト間葉系幹細胞(hMSC)。hMSCsを、Cambrex Incorporated(Walkersville,MD;ロット番号2F1655,2F1656および2F1657)から購入し、製造業者の仕様書に従って、MSCGM培地(Cambrex)で培養した。細胞は、標準の組織培養プラスチック上で37℃、5%COで成長した。
ヒト腸骨稜骨髄細胞(ICBM)。ヒト腸骨稜骨髄は、患者の同意を得てNDRIから受け取った。骨髄を、Ho, et alにより概説された方法に従って処理した(WO03/025149)。骨髄は、溶解緩衝液(155mMのNHCl、10mMのKHCO、および0.1mMのEDTA、pH7.2)と、1部の骨髄:20部の溶解緩衝液の割合で混合された。細胞懸濁液は、ボルテックスされ、周囲温度で2分間インキュベートされ、500xgで10分間遠心分離された。上澄みを廃棄し、細胞ペレットを、10%(v/v)ウシ胎仔血清および4mMのグルタミンを補充された、Minimal Essential Medium−α(Invitrogen)中で再懸濁した。細胞をもう一度遠心分離し、細胞ペレットを、新鮮培地で再懸濁した。生存単核細胞が、トリパンブルー排除(Sigma,St. Louis,MO)を用いてカウントされた。単核細胞は、組織培養プラスチックフラスコ中、5x10個の細胞/cmで播種された。細胞は、37℃、5%COで、標準の周囲Oもしくは5%Oで、インキュベートされた。細胞は、培地を変えずに5日間培養された。培地および非付着細胞を、培養から5日後に除去した。付着細胞は、培養物中に維持された。
細胞の、活発に成長する培養物は、冷たいリン酸緩衝生理食塩水(PBS)中、細胞スクレーパーによりフラスコから除去された。細胞を、300xgで5分間遠心分離した。上澄みを除去し、細胞を新鮮なPBS中に再懸濁し、再び遠心分離した。上澄みを除去し、細胞ペレットをすぐに冷凍し、−80℃で保管した。細胞mRNAが抽出され、cDNAに転写された。cDNAは次に、cRNAに転写され、ビオチン標識された。ビオチン標識cRNAは、Affymetrix GENECHIP HG−U133A オリゴヌクレオチドアレイ(Affymetrix,Santa Clara,CA)によりハイブリダイズされた。ハイブリダイゼーションおよびデータ収集を、製造業者の仕様書に従って行った。ハイブリダイゼーションおよびデータ収集を、製造業者の仕様書に従って行った。データ分析が、「Significance Analysis of Microarrays」(SAM)バージョン1.21コンピューターソフトウェア(Tusher et al.,2001, Proc. Natl. Acad. Sci USA 98:5116−5121)を用いて行われた。
異なる細胞集団を、この研究では分析した。継代情報、培養基質、および培養培地と共に細胞を表10−1に挙げる。
Figure 0005791111
データは、前記のようにSAMソフトウェアで、主要成分分析によって評価された。分析により、試験した細胞において異なる相対量で発現した290個の遺伝子が明らかになった。この分析により、集団間の相対比較がもたらされた。
表10−2は、細胞対の比較のために計算されたユークリッド距離を示す。ユークリッド距離は、細胞型間で差次的に発現した290個の遺伝子に基づいた細胞の比較に基づいていた。ユークリッド距離は、290個の遺伝子の発現間の類似性に反比例している。
Figure 0005791111
表10−3、10−4、および10−5は、臍組織由来細胞で増加した遺伝子の発現(表10−3)、胎盤由来細胞で増加した遺伝子の発現(表10−4)、ならびに臍帯および胎盤由来細胞で減少した遺伝子の発現(表10−5)を示す。
Figure 0005791111
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表10−6、10−7、および10−8は、ヒト線維芽細胞(表10−6)、ICBM細胞(表10−7)、およびMSC(表10−8)で増加した遺伝子の発現を示す。
Figure 0005791111
Figure 0005791111
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本実施例は、臍帯および胎盤由来の細胞の分子の特徴づけをもたらすために実行された。この分析は、3つの異なる臍帯および3つの異なる胎盤由来の細胞を含んだ。研究はまた、2つの異なる皮膚線維芽細胞株、3つの間葉系幹細胞株、および3つの腸骨稜骨髄細胞株も含んだ。これらの細胞により発現されたmRNAは、オリゴヌクレオチドプローブを含むGENECHIPオリゴヌクレオチドアレイにおいて、22,000個の遺伝子について分析された。
分析により、290個の遺伝子の転写物が、これらの5つの異なる細胞型に、異なる量で存在することが明らかになった。これらの遺伝子は、臍組織由来細胞で特に増加した7個の遺伝子、および胎盤由来細胞で特に増加した10個の遺伝子を含む。54個の遺伝子が、胎盤および臍帯において特に低い発現レベルを有することが分かった。
選択された遺伝子の発現は、実施例11に示すようにPCRで確認された。一般的には、細胞、詳細には臍由来細胞は、例えば、ここで試験した骨髄由来細胞および線維芽細胞などの、他のヒト細胞と比較すると、別個の遺伝子発現プロファイルを有する。
実施例11
細胞マーカー
臍帯由来の細胞の遺伝子発現プロファイルが、Affymetrix GENECHIPを用いて、他の供給源由来の細胞のものと比較された。6つの「シグネチャー(signature)」遺伝子が識別された、すなわち、酸化LDLレセプター1(oxidized LDL receptor 1)、インターロイキン−8(interleukin-8)(IL−8)、レニン(renin)、レティキュロン(reticulon)、ケモカインレセプターリガンド3(chemokine receptor ligand 3)(CXCリガンド3(CXC ligand 3))、および顆粒球走化性タンパク質2(granulocyte chemotactic protein 2)(GCP−2)である。これらの「シグネチャー」遺伝子は、臍由来細胞において比較的高いレベルで発現した。
この実施例で説明される手順は、マイクロアレイデータを確認し、遺伝子およびタンパク質の発現についてデータを比較するため、ならびに、臍帯組織由来細胞について独自の識別子を検出する一連の確実なアッセイを確立するために、実行された。
臍由来細胞(4つの分離物(isolates))、および正常なヒトの皮膚線維芽細胞(NHDF;新生児および成体)を、ゼラチンコートT75フラスコで、成長培地において成長させた。間葉系幹細胞(MSC)が、間葉系幹細胞成長培地Bulletキット(MSCGM;Cambrex,Walkerville,MD)で成長した。
IL−8実験について、細胞が、液体窒素から解凍され、ゼラチンコートフラスコに、5,000個の細胞/cmで蒔かれ、成長培地で48時間成長し、10mLの血清飢餓培地[DMEM−低グルコース(Gibco,Carlsbad,Ca)、ペニシリン(50単位/mL)、ストレプトマイシン(50μg/mL)(Gibco)、および0.1%(w/v)ウシ血清アルブミン(BSA; Sigma,St. Louis,MO)]で8時間さらに成長した。RNAを次に抽出し、上澄みを、150xgで5分間、遠心分離して、細胞の残骸を除去した。上澄みを、ELISA分析まで−80℃で凍らせた。
臍帯、ならびに、ヒト新生児包皮由来のヒト線維芽細胞を、ゼラチンコートT75フラスコにおいて、成長培地で培養した。細胞は、液体窒素中で、11代継代において凍らせた。細胞を解凍し、15mL遠心分離チューブに移した。150xgで5分間の遠心分離の後、上澄みを捨てた。細胞を、4mLの培養培地中に再懸濁し、カウントした。細胞は、15mLの成長培地を含む75cmフラスコにおいて、375,000個の細胞/フラスコで24時間、成長した。培地は、8時間かけて血清飢餓培地に変えた。血清飢餓培地は、インキュベーションの最後に収集され、14,000xgで5分間遠心分離された(そして−20℃で保管された)。
各フラスコ内の細胞数を見積もるため、2mLのトリプシン/EDTA(Gibco,Carlsbad,CA)を各フラスコに加えた。細胞がフラスコから離れた後、トリプシン活性が、8mLの成長培地で中和された。細胞を、15mL遠心分離チューブに移し、150xgで5分間、遠心分離した。上澄みを除去し、1mLの成長培地を各チューブに加えて、細胞を再懸濁させた。細胞の数は、血球計数器により判断された。
細胞が血清飢餓培地中に分泌したIL−8の量は、ELISAアッセイ(R&D Systems,Minneapolis,MN)を使用して分析された。全てのアッセイは、製造業者が提供する説明書に従って行われた。
RNAを、コンフルエントの臍帯由来細胞および線維芽細胞から、またはIL−8発現のため、前記のとおり処理された細胞から、抽出した。細胞は、製造業者の説明書(RNeasy Mini Kit;Qiagen,Valencia,CA)に従って、βメルカプトエタノールを含有する、350μLの緩衝液RLT(Sigma,St. Louis,MO)で溶解した。RNAは、製造業者の説明書(RNeasy Mini Kit;Qiagen,Valencia,CA)に従って抽出され、デオキシリボヌクレアーゼ処置にかけられた(2.7単位/サンプル)(Sigma St. Louis,MO)。RNAは、50μLのDEPC処理水により溶出し、−80℃で保管された。RNAはまた、ヒト臍帯からも抽出された。組織(30mg)は、βメルカプトエタノールを含有する700μLの緩衝液RLT中に懸濁された。製造業者の仕様書に従って、サンプルを機械的に均質化し、RNA抽出を進めた。RNAは、50μLのDEPC処理水で抽出され、−80℃で保管された。
RNAは、TaqMan逆転写試薬(Applied Biosystems,Foster City,CA)と共にランダムヘキサマーを使用して、25℃で10分間、37℃で60分間、95℃で10分間、逆転写された。サンプルを−20℃で保管した。
CDNAマイクロアレイによって、臍帯細胞で特異的に調節されたとして識別された遺伝子(シグネチャー遺伝子‐酸化LDLレセプター、インターロイキン−8、レニン、およびレティキュロンを含む)は、リアルタイムPCRおよび従来のPCRを使用して、さらに調べられた。
PCRは、商品名Assays−on−Demand(Applied Biosystems)遺伝子発現産物として販売される遺伝子発現産物を用いて、cDNAサンプルに対して行われた。酸化LDLレセプター(Hs00234028);レニン(HsOO166915);レティキュロン(Hs00382515);CXCリガンド3(Hs00171061);GCP−2(Hs00605742);IL−8(Hs00174103);およびGAPDHが、7000配列検出システムをABI Prism 7000 SDSソフトウェア(Applied Biosystems)と共に使用して、製造業者の説明書(Applied Biosystems)に従って、cDNAおよびTaqMan Universal PCRマスターミックスと混合された。熱サイクル条件は、最初は、50℃で2分間、および95℃で10分間で、その後、95℃で15秒間、および60℃で1分間の40サイクルが続いた。PCRデータは、製造業者の仕様書(ABI Prism 7700配列検出システムについてApplied BiosystemsからのUser Bulletin #2)に従って分析された。
従来のPCRは、リアルタイムPCRからの結果を確認するため、ABI PRISM 7700(Perkin Elmer Applied Biosystems,Boston,MA)を用いて行われた。PCRは、2μLのcDNA溶液(1xTaqポリメラーゼ(商品名:AMPLITAQ GOLD)ユニバーサルミックスPCR反応緩衝液(Applied Biosystems)および初期変性を使用して、94℃で5分間行われた。増幅が、各プライマーセットについて最適化された。IL−8、CXCリガンド3、およびレティキュロン(94℃で15秒間、55℃で15秒間、および72℃で30秒を30サイクル);レニン(94℃で15秒間、53℃で15秒間、および72℃で30秒間を38サイクル);酸化LDLレセプターおよびGAPDH(94℃で15秒間、55℃で15秒間、および72℃で30秒間を33サイクル)。増幅に使用したプライマーを表11−1に挙げる。最終PCR反応におけるプライマー濃度は1マイクロモルであったが、これは、0.5マイクロモルであったGAPDHを除く。GAPDHプライマーは、製造業者のTaqManプローブが最終PCR反応に加えられなかったことを除けば、リアルタイムPCRと同じであった。サンプルは、2%(w/v)アガロースゲル上で分離され、臭化エチジウム(Sigma,St. Louis,MO)で染色された。画像が、単焦点POLAROIDカメラ(VWR International,South Plainfield,N.J.)を使用して、667フィルム(Universal Twinpack, VWR International,South Plainfield,N.J.)に取り込まれた。
Figure 0005791111
臍帯由来細胞が、4%(w/v)の冷パラホルムアルデヒド(Sigma−Aldrich,St. Louis,MO)で10分間、室温にて固定された。0代継代(PO)(単離直後)および11代継代(P11)における臍帯由来細胞のそれぞれ1つの単離物(臍帯由来細胞の2つの単離物)、ならびに線維芽細胞(P11)の単離物を使用した。免疫細胞化学は、以下のエピトープに対する抗体を用いて行った。エピトープは、ビメンチン(1:500,Sigma,St. Louis,MO)、デスミン(1:150;Sigma−ウサギに対して産生;または1:300;Chemicon,Temecula,CA−マウスに対して産生)、α平滑筋アクチン(SMA;1:400;Sigma)、サイトケラチン18(CK18;1:400;Sigma)、フォン・ヴィルブランド因子(vWF;1:200;Sigma)、およびCD34(ヒトCD34クラスIII;1:100;DAKOCytomation,Carpinteria,CA)である。さらに、以下のマーカーを、11代継代臍帯由来細胞に対して試験した:抗−ヒトGROα−PE(1:100;Becton Dickinson,Franklin Lakes,NJ)、抗−ヒトGCP−2(1:100;Santa Cruz Biotech,Santa Cruz,CA)、抗−ヒト酸化LDLレセプター1(ox−LDL R1;1:100;Santa Cruz Biotech)、および抗−ヒトNOGA−A(1:100;Santa Cruz,Biotech)。
培養物を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、PBS、4%(v/v)ヤギ血清(Chemicon,Temecula,CA)、および0.3%(v/v)トリトン(トリトンX−100;Sigma,St. Louis,MO)を含むタンパク質遮断溶液に30分間さらして、細胞内抗原にアクセスした。目的のエピトープが細胞表面(CD34, ox−LDL R1)に位置する場合、トリトンX−100は、エピトープ損失を防ぐために手順の全工程で省略した。さらに、一次抗体がヤギ(GCP−2,ox−LDL R1,NOGO−A)に対して産生される場合、3%(v/v)のロバ血清をプロセス全体にわたって、ヤギ血清の代わりに使用した。遮断溶液中で希釈された一次抗体を次に、1時間にわたり室温で培養物に加えた。一次抗体溶液を除去し、ヤギ抗マウスIgG−Texas Red(1:250;Molecular Probes,Eugene,OR)および/またはヤギ抗−ウサギIgG−Alexa 488(1:250;Molecular Probes)またはロバ抗−ヤギIgG−FITC(1:150,Santa Cruz Biotech)と共に遮断溶液(block)を含む二次抗体溶液(室温で1時間)を加える前に、培養物をPBSで洗浄した。培養物は次に洗浄され、10マイクロモルのDAPI(Molecular Probes)を10分間適用して、細胞核を可視化する。
免疫染色後、Olympus倒立落射蛍光顕微鏡(Olympus,Melville,NY)上で適切な蛍光フィルターを用いて、蛍光を可視化した。すべての場合において、陽性染色は、一次抗体溶液を適用したことを除いて前記に概説した手順全体に従った場合、対照染色を超えて蛍光信号を表した(1°対照なし)。代表的な画像が、デジタルカラービデオカメラ、およびImagePro ソフトウェア(Media Cybernetics,Carlsbad,CA)を用いて取り込まれた。三重染色(triple−stained)サンプルでは、各画像は、1回にただ1つの放出フィルターを使用して撮られた。層をなすモンタージュが次に、Adobe Photoshopソフトウェア(Adobe,San Jose,CA)を用いて準備された。
フラスコ中の付着細胞が、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Gibco,Carlsbad,CA)中で洗浄され、トリプシン/EDTA (Gibco,Carlsbad,CA)により分離された。細胞を回収し、遠心分離し、1x10/mLの細胞濃度で、PBS中3%(v/v)FBSで再懸濁させた。100μLのアリコートを円錐チューブへ送った。細胞内抗原について染色された細胞は、Perm/Wash緩衝液(BD Pharmingen,San Diego,CA)で透過処理された。製造業者の仕様書のとおり、抗体を、アリコートに加え、細胞を、暗所で30分間、4℃でインキュベートした。インキュベーション後、細胞をPBSで洗浄し、遠心分離して、余分な抗体を除去した。二次抗体を必要とする細胞を、100μLの3%FBSで再懸濁した。二次抗体を、製造業者の仕様書に従って加え、細胞を、暗所で30分間、4℃でインキュベートした。インキュベーション後、細胞をPBSで洗浄し、遠心分離して、余分な二次抗体を除去した。洗浄した細胞を、0.5mLのPBSで再懸濁し、フローサイトメトリーにより分析した。以下の抗体を使用した:酸化LDLレセプター1(sc−5813;Santa Cruz,Biotech)、GROa(555042;BD Pharmingen,Bedford、MA)、マウスIgG1κ、(P−4685およびM−5284;Sigma)、およびロバ抗ヤギIgG(sc−3743;Santa Cruz,Biotech.)。フローサイトメトリー分析が、FACScalibur(Becton Dickinson San Jose,CA)によって行われた。
ヒト臍帯由来の細胞、成体および新生児線維芽細胞、ならびに間葉系幹細胞(MSC)からのcDNAに対して行われた、選択された「シグネチャー」遺伝子に関するリアルタイムPCRの結果は、レティキュロンおよび酸化LDLレセプター双方の発現が、臍由来細胞の方が、その他の細胞に比べて高かったことを示している。リアルタイムPCRから得られたデータは、ΔΔCT方法によって分析され、対数尺度で表示された。細胞と対照との間では、CXCリガンド3およびGCP−2の発現レベルに有意な差は見られなかった。リアルタイムPCRの結果が、従来のPCRにより確認された。PCR産物の配列決定が、これらの観察をさらに確認した。表11‐1に挙げた従来のPCR CXCリガンド3プライマーを使用して、細胞と対照との間で、CXCリガンド3の発現レベルに有意差は見られなかった。
臍帯細胞におけるサイトカイン、IL−8の発現は、成長培地で培養した臍帯由来細胞、および血清が欠乏した臍帯由来細胞の双方で、上昇した。リアルタイムPCRデータ全てが、従来のPCRで、またPCR産物を配列決定することによって、有効であった。
無血清培地で成長した後、馴化培地が、IL−8の存在について調べられた。最も多い量のIL−8が、臍細胞が成長した培地で検出された(表11−2)。ヒトの皮膚線維芽細胞が成長した培地では、IL−8が検出されなかった。
Figure 0005791111
ND:不検出
0代継代でのヒト臍帯由来の細胞が、免疫細胞化学的分析によって、選択されたタンパク質の産生について調べられた。単離(0代継代)直後、細胞は、4%パラホルムアルデヒドで固定され、6個のタンパク質の抗体に曝露された。そのタンパク質は、フォン・ヴィルブランド因子、CD34、サイトケラチン18、デスミン、α−平滑筋アクチン、およびビメンチンである。臍帯由来細胞は、α−平滑筋アクチンおよびビメンチンに対して陽性であり、染色パターンは、11代継代にわたり一貫していた。
11代継代での臍帯由来細胞におけるGROα、GCP−2、酸化LDLレセプター1およびレティキュロン(NOGO−A)の産生を、免疫細胞化学により調べた。臍帯由来細胞は、GCP−2陽性であったが、GROαの産生は、この方法では検出されなかった。さらに、細胞は、NOGO−A陽性であった。
マイクロアレイおよびPCR(リアルタイムおよび従来のもの)により測定された遺伝子発現レベル間の一致が、4つの遺伝子:酸化LDLレセプター1、レニン、レティキュロン、およびIL−8について証明された。これらの遺伝子の発現は、臍帯由来細胞において、mRNAレベルで差次的に調節され、IL−8も、タンパク質レベルで差次的に調節された。GCP−2およびCXCリガンド3の差次的発現は、mRNAレベルでは確認されなかった。この結果は、マイクロアレイ実験からもともと入手されたデータを支持するものではないが、これは、方法の感受性における違いによるものであろう。
0代継代でのヒト臍帯由来の細胞が、α−平滑筋アクチンおよびビメンチンの発現について調べられ、この双方について陽性であった。染色パターンは、11代継代にわたり保存された。
結論として、完全なmRNAデータは、マイクロアレイ実験から入手したデータを、少なくとも部分的に検証した。
実施例12
細胞表現型の免疫組織化学的特徴付け
ヒト臍帯内で発見された細胞の表現型を、免疫組織化学的検査により分析した。
ヒト臍帯組織を回収し、4%(w/v)パラホルムアルデヒドで一晩、4℃で浸漬固定した。免疫組織化学的検査が、以下のエピトープに対する抗体を用いて行われた(表12−1を参照)。エピトープは、ビメンチン(1:500;Sigma,St. Louis,MO)、デスミン(1:150,ウサギに対して産生;Sigma;または1:300,マウスに対して産生;Chemicon,Temecula,CA)、α平滑筋アクチン(SMA;1:400;Sigma)、サイトケラチン18(CK18;1:400;Sigma)、フォン・ヴィルブランド因子(vWF;1:200;Sigma)、およびCD34(ヒトCD34クラスIII;1:100;DAKOCytomation,Carpinteria,CA)である。さらに以下のマーカーを試験した。そのマーカーは、抗−ヒトGROα−PE(1:100;Becton Dickinson,Franklin Lakes,NJ)、抗−ヒトGCP−2(1:100;Santa Cruz Biotech,Santa Cruz,CA)、抗−ヒト酸化LDLレセプター1(ox−LDL R1;1:100;Santa Cruz Biotech)、および抗ヒトNOGO−A(1:100;Santa Cruz Biotech)である。固定された検体は、メスで刈り込まれ、エタノールを含むドライアイス浴上で、OCT包埋化合物(Tissue−Tek OCT;Sakura,Torrance,CA)の中に置かれた。凍結ブロックは、標準のクリオスタット(Leica Microsystems)を用いて切開され(10μm(10ミクロン)厚さ)、染色のため、スライドガラスに載せられた。
免疫組織化学的検査が、先の研究と同様に行われた(例えば、Messina、et al.(2003) Exper. Neurol. 184:816−829)。組織切片を、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、PBS、4%(v/v)ヤギ血清(Chemicon,Temecula,CA)、および0.3%(v/v)トリトン(トリトンX−100;Sigma)を含むタンパク質遮断溶液に1時間さらして、細胞内抗原にアクセスした。目的のエピトープが細胞表面(CD34,ox−LDL R1)上にある場合、トリトンは、エピトープ損失を防ぐために、手順の全工程で省略された。さらに、一次抗体がヤギ(GCP−2,ox−LDL R1,NOGO−A)に対して産生される場合、3%(v/v)ロバ血清が、手順全体にわたってヤギ血清の代わりに使用された。遮断溶液で希釈された一次抗体は、次に、切片に4時間、室温で適用された。一次抗体溶液を除去し、培養物は、ヤギ抗−マウスIgG−Texas Red(1:250;Molecular Probes,Eugene,OR)および/またはヤギ抗−ウサギ IgG−Alexa 488(1:250;Molecular Probes)またはロバ抗−ヤギIgG−FITC(1:150;Santa Cruz Biotech)と共に、遮断溶液を含有する二次抗体溶液を適用する(室温で1時間)前に、PBSで洗浄された。培養物を洗浄し、10マイクロモルのDAPI(Molecular Probes)を10分間適用し、細胞核を可視化した。
免疫染色後、Olympus倒立落射蛍光顕微鏡(Olympus,Melville,NY)上で適切な蛍光フィルターを用いて蛍光を可視化した。ポジティブ染色は、対照染色を上回って、蛍光信号により表された。代表的な画像が、デジタルカラービデオカメラ、およびImageProソフトウェア(Media Cybernetics,Carlsbad,CA)を用いて取り込まれた。三重染色(triple−stained)サンプルでは、各画像は、1回にただ1つの放出フィルターを使用して撮られた。層をなすモンタージュが次に、Adobe Photoshopソフトウェア(Adobe、San Jose,CA)を用いて準備された。
Figure 0005791111
ビメンチン、デスミン、SMA、CK18、vWFおよびCD34マーカーが、臍帯内で発見された細胞の部分集団で発現した(データは不図示)。具体的には、vWFおよびCD34の発現は、臍帯に含まれる血管に制限された。CD34+細胞は、最も内側の層(管腔側)にあった。ビメンチン発現は、臍帯のマトリックスおよび血管全体で見られた。SMAは、動脈および静脈のマトリックスおよび外壁に限定されたが、血管自体には含まれなかった。CK18およびデスミンは、血管内部のみで観察され、デスミンは、中間および外側の層に限定された。
ビメンチン、デスミン、α−平滑筋アクチン、サイトケラチン18、フォン・ヴィルブランド因子、およびCD34は、ヒト臍帯内部の細胞で発現した。ビメンチンおよびα−平滑筋アクチンのみが発現したことを示す、in vitroでの特徴付けの研究に基づいて、データは、臍帯由来細胞単離の現行のプロセスにより細胞の部分集団が回収されること、または単離細胞が、マーカーの発現を変えて、ビメンチンおよびα−平滑筋アクチンを発現することを示唆している。
実施例13
栄養因子の分泌
臍由来細胞からの、選択された栄養因子の分泌を測定した。血管新生活性を有する因子が選択された(すなわち肝細胞成長因子(HGF)(Rosen et al. (1997) Ciba Found. Symp.212:215−26)、単球走化性タンパク質1(MCP−I)(Salcedo et al.(2000) Blood 96;34−40)、インターロイキン−8(IL−9)(Li et al. (2003) J. Immunol. 170:3369−76)、ケラチノサイト成長因子(KGF)、塩基性線維芽細胞成長因子(bFGF)、血管内皮成長因子(VEGF)(Hughes et al.(2004) Ann. Thorac. Surg.77:812−8)、組織マトリックスメタロプロテイナーゼ抑制物質1(TIMP1)、アンジオポエチン2(ANG2)、血小板由来成長因子(PDGFbb)、トロンボポエチン(TPO)、ヘパリン結合上皮成長因子(HB−EGF)、間質由来因子1α(SDF−1α))、神経栄養/神経保護活性(脳由来神経栄養因子(BDNF)(Cheng et al. (2003) Dev. Biol.258;319−33)、インターロイキン−6(IL−6)、顆粒球走化性タンパク質−2(GCP−2)、形質転換成長因子β2(TGFβ2))、またはケモカイン活性(マクロファージ炎症性タンパク質1α(MIP1α)、マクロファージ炎症性タンパク質1β(MIP1β)、単球走化性因子−1(MCP−1)、Rantes(活性時に調節、発現および分泌された正常なT細胞)、I309、胸腺および活性調節ケモカイン(TARC)、エオタキシン、マクロファージ由来ケモカイン(MDC)、IL−8)。
臍帯由来の細胞、ならびにヒト新生児の皮膚由来のヒト線維芽細胞が、成長培地中で、ゼラチンコートT75フラスコにおいて培養された。細胞は、11代継代で冷凍保存され、液体窒素中に保存された。解凍後、成長培地が細胞に加えられ、その後、15mL遠心分離チューブに移され、細胞の遠心分離を150xgで5分間行った。細胞ペレットが、4mLの成長培地で再懸濁され、細胞をカウントした。細胞を、5,000個の細胞/cmで、15mLの成長培地をそれぞれ含むT75フラスコに播種し、24時間培養した。培地を、無血清培地(DMEM−低グルコース(Gibco)、0.1%(w/v)ウシ血清アルブミン(Sigma)、ペニシリン(50単位/mL)およびストレプトマイシン(50mg/mL,Gibco))に8時間かけて変えた。無血清馴化培地が、14,000xgで5分間の遠心分離によるインキュベーションの終わりに収集され、‐20℃で保管された。
各フラスコ内の細胞数を見積もるため、細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)で洗浄し、2mLのトリプシン/EDTA(Gibco)を用いて分離した。8mLの成長培地を加えることにより、トリプシン活性が抑制された。細胞を150xgで5分間、遠心分離した。上澄みを除去し、細胞を、1mL成長培地で再懸濁した。細胞数は、血球計数器を用いて見積られた。
細胞は、5%二酸化炭素および大気中酸素中で、37℃で成長した。各細胞サンプルにより産生されたMCP−1、IL−6、VEGF、SDF−1α、GCP−2、IL−8、およびTGF−β2の量は、ELISA(R&D Systems,Minneapolis,MN)によって判断された。すべてのアッセイは、製造業者の説明書に従って行われた。示された値は、100万個の細胞当たりのピコグラム/mL(n=2,sem)であった。
ケモカイン(MIP1α、MIP1β、MCP−1、Rantes、I309、TARC、エオタキシン、MDC、IL8)、BDNF、および血管新生因子(HGF、KGF、bFGF、VEGF、TIMP1、ANG2、DGFbb、TPO、HB−EGFが、Searchlightプロテオームアレイ(Pierce Biotechnology Inc.)を用いて測定された。プロテオームアレイは、1つのウェル当たり2〜16個のタンパク質の定量的測定をするための、多重サンドイッチELISAである。アレイは、2x2、3x3、または4x4パターンの、4〜16個の異なる捕捉抗体を、96ウェルプレートの各ウェルにスポッティングすることにより産生される。サンドイッチELISA手順の後、プレート全体が画像化され、プレートの各ウェル内部の各スポットで生成された化学発光信号を捕捉する。各スポットで生成された信号は、元の標準またはサンプルにおける標的タンパク質の量に比例する。
MCP−1およびIL−6が、臍由来細胞および皮膚線維芽細胞から分泌された(表13−1)。SDF−1αおよびGCP−2が線維芽細胞により分泌された。GCP−2およびIL−8は、臍由来細胞により分泌された。TGF−β2は、ELISAによってはいずれの細胞型からも検出されなかった。
Figure 0005791111
略語:ND:不検出せず、=/−sem
SearchLight多重ELISAアッセイ。TIMP1、TPO、KGF、HGF、FGF、HBEGF、BDNF、MIP1β、MCP1、RANTES、I309、TARC、MDC、およびIL−8が細胞から分泌された(表13−2および13−3)。Ang2、VEGF、またはPDGFbbは検出されなかった。
Figure 0005791111
略語:hFB(ヒト線維芽細胞)、U1(臍由来(022803))、U3(臍由来(071003))
ND:不検出
Figure 0005791111
略語:hFB(ヒト線維芽細胞)、U1(臍由来(022803))、U3(臍由来(071003))
ND:不検出
臍由来細胞は、いくつかの栄養因子を分泌した。これらの栄養因子の一部、例えばHGF、bFGF、MCP−1およびIL−8、は血管新生において重要な役割を果たす。他の栄養因子、例えば、BDNFおよびIL−6は、神経再生または保護に重要な役割を有する。
実施例14
In Vitro免疫学
免疫学的反応を予測しようとして、臍帯細胞株が、それらの免疫学的特徴についてin vitroで評価され、もしあれば、これらの細胞は、in vivo移植の際に引き出すであろう。臍帯細胞株は、HLA−DR、HLA−DP、HLA−DQ、CD80、CD86、およびB7−H2の発現についてフローサイトメトリーによりアッセイされた。これらのタンパク質は、抗原提示細胞(APC)により発現され、未処理CD4T細胞の直接刺激のために必要である(Abbas & Lichtman, CELLULAR AND MOLECULAR IMMUNOLOGY, 5th Ed.(2003) Saunders, Philadelphia, p.171)。細胞株はまた、HLA−G(Abbas & Lichtman, CELLULAR AND MOLECULAR IMMUNOLOGY,5th Ed. (2003) Saunders、Philadelphia、p.171);CD178(Coumans et.al、(1999) Journal of Immunological Methods 224、185−196);およびPD−L2(Abbas & Lichtman,CELLULAR AND MOLECULAR IMMUNOLOGY,5th Ed. (2003) Saunders,Philadelphia,p.171;Brown et. al. (2003) The Journal of Immunology 170,1257−1266)の発現について、フローサイトメトリーによって分析された。胎盤組織にある細胞によるこれらのタンパク質の発現は、子宮内での胎盤組織の免疫特権状態を媒介すると考えられる。どの程度まで臍由来細胞株がin vivoで免疫反応を引き出すかを予測するため、細胞株は、一方向混合リンパ球反応(MLR)で試験された。
細胞は、2%ゼラチン(Sigma、St. Louis,MO)でコートされたT75フラスコ(Corning,Corning,NY)中で、コンフルエントになるまで、成長培地(DMEM−低グルコース(Gibco、Carlsbad,CA)、15%(v/v)ウシ胎仔血清(FBS);(Hyclone、Logan,UT)、0.001%(v/v)βメルカプトエタノール(Sigma,St. Louis,MO)、50単位/mLペニシリン、50μg/mLストレプトマイシン(Gibco,Carlsbad,CA))で培養された。
細胞をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)(Gibco,Carlsbad,CA)で洗浄し、トリプシン/EDTA(Gibco,Carlsbad,CA)で分離した。細胞を回収し、遠心分離し、PBS中の3%(v/v)FBSで、1x1O/mLの細胞濃度で再懸濁した。抗体(表14−1)が、製造業者の仕様書のとおりに、100μLの細胞懸濁液に加えられ、暗所で30分間、4℃でインキュベートされた。インキュベーション後、細胞を、PBSで洗浄し、遠心分離して、非結合抗体を除去した。細胞は、500μLのPBS中で再懸濁され、FACSCalibur器具(Becton Dickinson,San Jose,CA)を用いてフローサイトメトリーによって分析された。
Figure 0005791111
細胞株「A」と標識された、10代継代の臍帯由来細胞の冷凍保存バイアルが、ドライアイス上で、CTBR(Senneville,Quebec)に送られて、CTBR SOP no.CAC−031を用いて混合リンパ球反応を行った。末梢血液単核細胞(PBMC)が、複数の男性及び女性のボランティアドナーから収集された。刺激剤(ドナー)同種PBMC、自家PBMC、および細胞株が、マイトマイシンCで処理された。自家およびマイトマイシンCで処理した刺激細胞が、反応者(レシピエント)PBMCに加えられ、4日間培養された。インキュベーション後、[H]チミジンが各サンプルに加えられ、18時間培養された。細胞の回収後、放射標識DNAが抽出され、[H]チミジンの取り込みが、シンチレーションカウンターを用いて測定された。
同種ドナー(SIAD)の刺激指数が、レシーバー+マイトマイシンC処理同種ドナーをレシーバーのベースライン増殖で割ったものの平均増殖として、計算された。臍帯由来細胞の刺激指数が、レシーバーのベースライン増殖で割った、レシーバー+マイトマイシンC処理細胞株の平均増殖として計算された。
6個のヒトボランティア血液ドナーがスクリーニングされて、残りの5つの血液ドナーとの混合リンパ球反応で強い増殖反応を示すであろう単一の同種ドナーを識別した。このドナーは、同種陽性対照ドナーとして選択された。残りの5つの血液ドナーは、レシピエントとして選択された。同種陽性対照ドナーおよび臍帯由来細胞株は、マイトマイシンC処理され、5個の個々の同種レシーバーとの混合リンパ球反応において培養された。反応は、プレート当たり3つのレシーバーで2つの細胞培養プレートを用いて3回行われた(表14−2)。平均刺激指数は、6.5(プレート1)〜9(プレート2)の範囲であり、同種ドナー陽性対照は、42.75(プレート1)〜70(プレート2)の範囲であった(表14−3)。
Figure 0005791111
Figure 0005791111
フローサイトメトリーにより分析された臍帯由来細胞のヒストグラムは、IgG対照と一致した蛍光値により示されるように、HLA−DR、DP、DQ、CD80、CD86、およびB7−H2の陰性発現を示し、このことは、臍帯由来細胞株には、同種PBMCを直接刺激するのに必要な細胞表面分子がないこと(例えば、CD4T細胞)を示している。
フローサイトメトリーにより分析された臍帯由来細胞のヒストグラムは、IgG対照に対する蛍光値の増大に示されるように、PD−L2の陽性発現を示し、また、IgG対照と一致した蛍光値により示されるように、CD178およびHLA−Gの陰性発現を示した。
臍帯由来細胞株で実施された混合リンパ球反応では、平均刺激指数は、6.5〜9の範囲であり、同種陽性対照では、42.75〜70の範囲であった。臍帯由来細胞株は、フローサイトメトリーにより測定された場合に、刺激タンパク質HLA−DR、HLA−DP、HLA−DQ、CD80、CD86、およびB7−H2の発現について陰性であった。臍帯由来細胞株はまた、フローサイトメトリーにより測定された場合に、免疫調節タンパク質HLA−GおよびCD178の発現には陰性で、PD−L2の発現には陽性であった。同種ドナーPBMCは、HLA−DP、DR、DQ、CD80、CD86、およびB7−H2を発現する抗原提示細胞を含み、それにより、同種PBMCの刺激を可能にする(例えば未処理のCD4T細胞)。同種のPBMC(例えば未処理のCD4T細胞)の直接刺激に必要な臍帯由来細胞上の抗原提示細胞表面分子がないこと、ならびに免疫調節タンパク質PD−L2の存在は、同種対照と比較した場合に、MLR中でこれらの細胞により示される低い刺激指数の説明となる。
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〔実施の態様〕
(1) 馴化培地を準備する方法において、
哺乳動物の臍帯組織由来細胞(UTC)を培養培地に播種することと、
前記培養培地の血清含量を減らすことと、
前記培養培地から無血清基本培地に前記UTCを移すことと、
前記無血清基本培地で前記UTCを成長させることと、
前記無血清基本培地から前記UTCを単離し馴化培地を残すことと、
を含む、方法。
(2) 実施態様1に記載の方法において、
前記UTCは最大24時間、前記無血清基本培地で成長する、方法。
(3) 実施態様1に記載の方法において、
前記馴化培地は、ろ過される、方法。
(4) 実施態様3に記載の方法において、
前記馴化培地は、約22μm(約22ミクロン)のフィルターを用いてろ過される、方法。
(5) 実施態様1に記載の方法において、
前記馴化培地は、濃縮される、方法。
(6) 実施態様5に記載の方法において、
前記馴化培地は、カットオフ膜で濃縮される、方法。
(7) 実施態様6に記載の方法において、
前記カットオフ膜は、約8.3×10−21g(約5kDa)のカットオフ膜である、方法。
(8) 実施態様1に記載の方法において、
前記血清含量を減らすことは、前記UTCを前記培養培地から離すことを含む、方法。
(9) 実施態様8に記載の方法において、
前記離すことは、前記培養培地の血清含量を徐々に(in increments)減らすことを含む、方法。
(10) 実施態様9に記載の方法において、
前記血清含量は、約5%〜約60%の増分で(in increments of)減らされる、方法。
(11) 実施態様9に記載の方法において、
前記血清含量は、約50%の増分で減らされる、方法。
(12) 実施態様9に記載の方法において、
前記UTCは、約1〜3継代にわたり各増分で成長する、方法。
(13) 実施態様12に記載の方法において、
前記UTCは、約2継代にわたり各増分で成長する、方法。
(14) 実施態様1に記載の方法において、
前記培養培地は、静置培養である、方法。
(15) 実施態様1に記載の方法において、
前記培養培地は、マイクロキャリアビーズ培養である、方法。
(16) 実施態様1に記載の方法において、
標準培養培地で前記UTCを予備的に培養することと、
播種前に前記標準培養培地から前記UTCを単離することと、
をさらに含む、方法。
(17) 実施態様1に記載の方法において、
前記UTCは、ヒト臍帯組織由来細胞である、方法。
(18) 馴化培地を準備する方法において、
単離された哺乳動物の臍組織由来細胞(UTC)を培養培地に提供することと、
1つまたは複数の増分段階で、前記培養培地の血清含量を減らすことと、
前記血清含量が所定レベルに達したら、血清含量減少培地から無血清基本培地に前記UTCを移すことと、
24時間以下で前記無血清基本培地において前記UTCを成長させることと、
前記無血清基本培地から前記UTCを単離し馴化培地を残すことと、
を含む、方法。
(19) 実施態様18に記載の方法において、
前記移すことは、前記UTCを前記培養培地から離すことを含む、方法。
(20) 実施態様18に記載の方法において、
前記移すことは、前記血清減少培養培地を前記無血清基本培地と置き換えることを含む、方法。
(21) 実施態様18に記載の方法において、
前記馴化培地をろ過すること、
をさらに含む、方法。
(22) 実施態様18に記載の方法において、
前記馴化培地を濃縮すること、
をさらに含む、方法。
(23) 実施態様18に記載の方法において、
前記UTCは、ヒト臍帯組織由来細胞である、方法。
(24) ヒト臍組織由来細胞(UTC)を培養培地に播種することで生成される馴化培地において、
前記培養培地の血清含量は、前記UTCを無血清基本培地に移す前に減少し、
前記UTCはその後、前記無血清基本培地から単離されて、馴化培地を残す、馴化培地。
(25) 実施態様24に記載の馴化培地において、
前記UTCは、最大24時間、前記無血清基本培地で成長する、馴化培地。
(26) 実施態様24に記載の馴化培地において、
前記馴化培地は、ろ過される、馴化培地。
(27) 実施態様26に記載の馴化培地において、
前記馴化培地は、約22μm(約22ミクロン)のフィルターを用いてろ過される、馴化培地。
(28) 実施態様24に記載の馴化培地において、
前記馴化培地は、濃縮される、馴化培地。
(29) 実施態様28に記載の馴化培地において、
前記馴化培地は、カットオフ膜で濃縮される、馴化培地。
(30) 実施態様29に記載の馴化培地において、
前記カットオフ膜は、約8.3×10−21g(約5kDa)のカットオフ膜である、馴化培地。
(31) 実施態様24に記載の馴化培地において、
前記血清含量を減らすことは、前記UTCを前記培養培地から離すことを含む、馴化培地。
(32) 実施態様31に記載の馴化培地において、
前記離すことは、徐々に前記培養培地の血清含量を減らすことを含む、馴化培地。
(33) 実施態様32に記載の馴化培地において、
前記血清含量は、約5%〜約60%の増分で減らされる、馴化培地。
(34) 実施態様33に記載の馴化培地において、
前記血清含量は、約50%の増分で減らされる、馴化培地。
(35) 実施態様32に記載の馴化培地において、
前記UTCは、約1〜3継代にわたり各増分で成長する、馴化培地。
(36) 実施態様35に記載の馴化培地において、
前記UTCは、約2継代にわたり各増分で成長する、馴化培地。
(37) 実施態様24に記載の馴化培地において、
前記培養培地は、静置培養である、馴化培地。
(38) 実施態様24に記載の馴化培地において、
前記培養培地は、マイクロキャリアビーズ培養である、馴化培地。
(39) 実施態様24に記載の馴化培地において、
標準培養培地で前記UTCを予備的に培養することと、
播種前に前記標準培養培地から前記UTCを単離することと、
をさらに含む、馴化培地。
(40) 実施態様24に記載の馴化培地において、
前記UTCは、ヒト臍帯組織由来細胞である、馴化培地。
実施例2の結果を示す。 実施例3の結果を示す。

Claims (38)

  1. 馴化培地を準備する方法において、
    哺乳動物の臍帯組織由来細胞(UTC)を培養培地に、1以上の増分ステップで播種することと、
    前記培養培地の血清含量を減らすことと、
    前記培養培地から無血清基本培地に前記UTCを移すことと、
    前記無血清基本培地で前記UTCを、24時間以内で成長させることと、
    前記無血清基本培地から前記UTCを単離し馴化培地を残すことと、
    を含み、
    その結果、前記単離された馴化培地中の前記培養培地に由来する血清タンパク質は、標準的な特徴付け方法の検出限界を下回る量で存在するようになる
    方法。
  2. 請求項1に記載の方法において、
    前記馴化培地は、ろ過される、方法。
  3. 請求項2に記載の方法において、
    前記馴化培地は、22μm(22ミクロン)のフィルターを用いてろ過される、方法。
  4. 請求項1に記載の方法において、
    前記馴化培地は、濃縮される、方法。
  5. 請求項4に記載の方法において、
    前記馴化培地は、カットオフ膜で濃縮される、方法。
  6. 請求項5に記載の方法において、
    前記カットオフ膜は、8.3×10−21g(5kDa)のカットオフ膜である、方法。
  7. 請求項1に記載の方法において、
    前記血清含量を減らすことは、前記UTCを段階的に適応させることを含む、方法。
  8. 請求項1に記載の方法において、
    前記血清含量は、増分のそれぞれのステップで、5%〜60%の増分で減らされる、方法。
  9. 請求項1に記載の方法において、
    前記血清含量は、増分のそれぞれのステップで、50%の増分で減らされる、方法。
  10. 請求項1に記載の方法において、
    前記UTCは、増分の結果減少した血清含量を持つそれぞれの培地中、1〜3継代にわたり成長する、方法。
  11. 請求項10に記載の方法において、
    前記UTCは、増分の結果減少した血清含量を持つそれぞれの培地中、2継代にわたり成長する、方法。
  12. 請求項1に記載の方法において、
    前記培養培地は、静置培養である、方法。
  13. 請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法において、
    前記培養培地は、マイクロキャリアビーズ培養である、方法。
  14. 請求項1に記載の方法において、
    標準培養培地で前記UTCを予備的に培養することと、
    播種前に前記標準培養培地から前記UTCを単離することと、
    をさらに含む、方法。
  15. 請求項1に記載の方法において、
    前記UTCは、ヒト臍帯組織由来細胞である、方法。
  16. 馴化培地を準備する方法において、
    単離された哺乳動物の臍組織由来細胞(UTC)を培養培地に提供することと、
    1つまたは複数の増分段階で、前記培養培地の血清含量を減らすことと、
    前記血清含量が所定レベルに達したら、血清含量減少培地から無血清基本培地に前記UTCを移すことと、
    24時間以下で前記無血清基本培地において前記UTCを成長させることと、
    前記無血清基本培地から前記UTCを単離し馴化培地を残すことと、
    を含み、
    その結果、前記単離された馴化培地中の前記培養培地に由来する血清タンパク質は、標準的な特徴付け方法の検出限界を下回る量で存在するようになる
    方法。
  17. 請求項16に記載の方法において、
    前記移すことは、前記UTCを段階的に適応させることを含む、方法。
  18. 請求項16に記載の方法において、
    前記移すことは、前記血清減少培養培地を前記無血清基本培地と置き換えることを含む、方法。
  19. 請求項16に記載の方法において、
    前記馴化培地をろ過すること、
    をさらに含む、方法。
  20. 請求項16に記載の方法において、
    前記馴化培地を濃縮すること、
    をさらに含む、方法。
  21. 請求項16に記載の方法において、
    前記UTCは、ヒト臍帯組織由来細胞である、方法。
  22. ヒト臍組織由来細胞(UTC)を培養培地に播種することで生成される馴化培地において、
    前記培養培地の血清含量は、前記UTCを無血清基本培地に移す前に、1以上の増分ステップで減少し、
    前記UTCはその後、前記無血清基本培地から単離されて、馴化培地を残し、
    その結果、前記単離された馴化培地中の前記培養培地に由来する血清タンパク質は、標準的な特徴付け方法の検出限界を下回る量で存在する、
    馴化培地。
  23. 請求項22に記載の馴化培地において、
    前記UTCは、最大24時間、前記無血清基本培地で成長する、馴化培地。
  24. 請求項22に記載の馴化培地において、
    前記馴化培地は、ろ過される、馴化培地。
  25. 請求項24に記載の馴化培地において、
    前記馴化培地は、22μm(22ミクロン)のフィルターを用いてろ過される、馴化培地。
  26. 請求項22に記載の馴化培地において、
    前記馴化培地は、濃縮される、馴化培地。
  27. 請求項26に記載の馴化培地において、
    前記馴化培地は、カットオフ膜で濃縮される、馴化培地。
  28. 請求項27に記載の馴化培地において、
    前記カットオフ膜は、8.3×10−21g(5kDa)のカットオフ膜である、馴化培地。
  29. 請求項22に記載の馴化培地において、
    前記血清含量を減らすことは、前記UTCを段階的に適応させることを含む、馴化培地。
  30. 請求項22に記載の馴化培地において、
    前記血清含量は、増分のそれぞれのステップで、5%〜60%の増分で減らされる、馴化培地。
  31. 請求項30に記載の馴化培地において、
    前記血清含量は、増分のそれぞれのステップで、50%の増分で減らされる、馴化培地。
  32. 請求項22に記載の馴化培地において、
    前記UTCは、増分の結果減少した血清含量を持つそれぞれの培地中、1〜3継代にわたり成長する、馴化培地。
  33. 請求項32に記載の馴化培地において、
    前記UTCは、増分の結果減少した血清含量を持つそれぞれの培地中、2継代にわたり各増分で成長する、馴化培地。
  34. 請求項22に記載の馴化培地において、
    前記培養培地は、静置培養である、馴化培地。
  35. 請求項22〜33のいずれか1項に記載の馴化培地において、
    前記培養培地は、マイクロキャリアビーズ培養である、馴化培地。
  36. 請求項22に記載の馴化培地において、
    標準培養培地で前記UTCを予備的に培養することと、
    播種前に前記標準培養培地から前記UTCを単離することと、
    をさらに含む、馴化培地。
  37. 請求項22に記載の馴化培地において、
    前記UTCは、ヒト臍帯組織由来細胞である、馴化培地。
  38. 請求項16〜21のいずれか1項に記載の方法において、
    前記培養培地はマイクロキャリアビーズ培養である、方法。
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