JP2003235549A - 胎盤等由来の成体又は生後組織の前駆細胞 - Google Patents

胎盤等由来の成体又は生後組織の前駆細胞

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Shin Nakamori
診 中森
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綱郎 岸田
Yohei Oda
洋平 小田
Jiro Imanishi
二郎 今西
Yoko Kuriyama
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 様々な臓器を構成する細胞に分化する能力
を有する幹細胞のソースとしての胎盤、臍帯又はこれら
に含まれる血液に由来する細胞に関する。 【解決手段】 従来、最終分化を完了し高度に専門化
した細胞であると考えられいた胎盤、臍帯又はこれらに
含まれる血液に、成人又は小児の様々の臓器を構成する
細胞に分化する能力を有する幹細胞が含まれるという、
驚くべき発見に基づく。本発明は、哺乳動物の胎盤、臍
帯又はこれらに含まれる血液から採取された成体又は生
後組織の前駆細胞(様々な臓器を構成する細胞に分化す
る能力を有する細胞)である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、様々な臓器又は
組織を構成する細胞に分化する能力を有する前駆細胞
(又は幹細胞)のソースとしての胎盤、臍帯又はこれら
に含まれる血液に由来する細胞(以下「胎盤等由来細
胞」という。)に関する。
【0002】
【従来の技術】臓器再生のために必要な技術として、幹
細胞の採取、調整がある。従来用いられてきた、あるい
は用いることを想定されてきた幹細胞としては、大きく
分けて自己組織幹細胞(レシピエント由来の造血幹細
胞、間葉系幹細胞、肝幹細胞、神経幹細胞など)、アロ
組織幹細胞(アロ由来の造血幹細胞、間葉系幹細胞、肝
幹細胞、神経幹細胞など)、異種組織幹細胞、胚性幹細
胞又は始原生殖細胞由来細胞株(ES細胞又はEG細
胞)がある。このうち自己組織幹細胞は、ドナーとレシ
ピエントが同一の個体であるが、ドナー(レシピエン
ト)に対する侵襲が大きい(骨髄採取など)、十分な数
の幹細胞が得られない(ドナー(レシピエント)自身は
一人又は一匹しかいないので、安全に採取できる範囲内
では少数しか得ることができない場合がある。また多く
の幹細胞はex vivoで増幅することが技術的に難し
い)、治療に時間的に間に合わない(レシピエント自身
から採取するため、病気になる前から総ての幹細胞をあ
らかじめ準備しておくということは困難である。病気の
種類によっては、病気になってから採取して培養又はex
vivo増殖をしていたのでは病状の進行に間に合わない
可能性がある)、一人一人のドナー(レシピエント)ご
とにオーダーメイドするので手間、労力とコストが大き
い、などの問題点がある。
【0003】一方、アロ組織幹細胞は、免疫学的拒絶応
答が起きるため移植した幹細胞が生着しない可能性があ
る、そのため免疫抑制剤を必要とし、免疫抑制剤の副作
用などの問題がある。また、ドナーが生体の場合にはド
ナーに対する侵襲、副作用の問題があり、ドナーが心臓
死や脳死者の場合にはドナー不足や倫理上の問題があ
る。また臓器授受、臓器売買を招くおそれがある。さら
に、ドナーからレシピエントへの病原微生物の感染の可
能性がある(心臓死、脳死のドナーは突然に現れること
もあるが、限られた時間内にあらゆる病原微生物を検査
することは非常に困難である)。異種組織幹細胞の問題
点は、免疫学的拒絶と感染の危険性である。一方、ES
細胞、EG細胞は、in vitroでほとんど無制限に増殖さ
せることができるので、理論的にはいつでも必要な数だ
け供給できるというメリットがある反面、アロ組織幹細
胞と同様に、組織適合性の問題があり、さらに倫理面で
の問題としては、ヒト受精卵や胚から細胞を得てレシピ
エントに用いることが許されるかという問題等が付随す
る。
【0004】また、胎盤に関して、胎盤の羊膜を手術時
の創面に移植して上皮の再生を補助する方法(米国特許
第6,152,142号)、胎盤由来の蛋白質を繊維芽
細胞の賦活剤として用いる方法(特開平5−30189
6)、胎盤抽出物を皮膚等の細胞賦活剤として用いる方
法(特開2001−72572)等の先行技術が開示さ
れているが、胎盤由来の細胞を様々の臓器又は組織を構
成する細胞に分化する能力を有する幹細胞として捉えた
ものは開示されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】胎盤は、主として栄養
膜細胞由来であり、内細胞塊由来の胎児とは発生の初期
(およそ胚盤胞の時期)から細胞系列が大きく分かれ
る。従って、従来、胎盤の細胞は、最終分化を完了し高
度に専門化した細胞であると考えられており、成人又は
小児の様々の臓器又は組織を構成する細胞に分化する能
力を有する幹細胞(又は前駆細胞)が含まれるとは考え
られていなかった。また、胎盤由来細胞のうち、血液細
胞に関してはレシピエントに移植することにより血液を
再生されることが以前から知られていて、すでに臨床応
用されているが(臍帯血移植)、神経、心筋、骨格筋等
の臓器の細胞を再生させる技術は知られていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、従来、最終分
化を完了し高度に専門化した細胞であると考えられいた
胎盤、臍帯又はこれらに含まれる血液に、成人又は小児
の様々の臓器又は組織を構成する細胞に分化する能力を
有する前駆細胞(又は幹細胞)が含まれるという、驚く
べき発見に基づいて完成されたものである。即ち、本発
明は、哺乳動物の胎盤、臍帯若しくはこれらに含まれる
血液、好ましくは胎盤若しくはこれに含まれる血液、又
は胎盤若しくは臍帯、より好ましくは胎盤、から採取さ
れた成体又は生後組織の前駆細胞(上記と同様であ
る。)である。更に本発明は、上記の前駆細胞が分化し
て形成された臓器、例えば、筋又は血管である。また本
発明は、上記の前駆細胞を、他の非ヒト哺乳動物(上記
胎盤等を採取した哺乳動物とは別の哺乳動物)に移植し
て分化させて形成させた臓器である。また更に、本発明
は上記いずれかの前駆細胞が分化して形成された細胞を
少なくともその一部として用いた人工臓器、例えば人工
肝臓又は人工腎臓である。また本発明は、哺乳動物の胎
盤、臍帯若しくはこれらに含まれる血液、好ましくは胎
盤若しくはこれに含まれる血液、又は胎盤若しくは臍
帯、より好ましくは胎盤、から採取された細胞を、成体
又は生後組織の前駆細胞(又は幹細胞と呼んでもよく、
1つ又は複数の様々な臓器又は組織を構成する細胞に分
化する能力を有する細胞を意味する。)として使用する
方法である。この哺乳動物はヒトであることが好まし
い。
【0007】なお別の観点から見ると、本発明は、哺乳
動物の胎盤、臍帯又はこれらに含まれる血液から採取さ
れた成体又は生後組織の前駆細胞を臓器の再生に使用す
る方法、又は哺乳動物の胎盤、臍帯又はこれらに含まれ
る血液から採取された成体又は生後組織の前駆細胞を用
いて臓器を再生させる方法である。本発明はまた、哺乳
動物の胎盤、臍帯又はこれらに含まれる血液から採取さ
れた細胞を含む培養体を準備し、該培養体をレシピエン
トに移植することから成る、臓器を再生させる方法であ
る。更に本発明は、哺乳動物の胎盤、臍帯又はこれらに
含まれる血液から採取された細胞を直接レシピエントに
移植することから成る臓器を再生させる方法である。ま
た本発明は、哺乳動物の胎盤、臍帯又はこれらに含まれ
る血液から採取された細胞を一旦インビトロで増殖、分
化又は脱分化させ、これをレシピエントに移植すること
から成る、臓器を再生させる方法である。更に本発明
は、哺乳動物の胎盤、臍帯又はこれらに含まれる血液か
ら採取された細胞を含む培養体を準備し、一旦インビト
ロで該培養体を増殖、分化又は脱分化させ、これをレシ
ピエントに移植することから成る、臓器を再生させる方
法である。また本発明は、哺乳動物の胎盤、臍帯又はこ
れらに含まれる血液から採取された細胞を含む培養体を
準備し、一旦該培養体を他の哺乳動物、好ましくは非ヒ
ト哺乳動物、に移植して分化させ、その臓器又は組織を
レシピエントに移植することから成る、臓器を再生させ
る方法である。更に本発明は、哺乳動物の胎盤、臍帯又
はこれらに含まれる血液から採取された細胞を一旦直接
他の哺乳動物、好ましくは非ヒト哺乳動物、に移植して
分化させ、その臓器又は組織をレシピエントに移植する
ことから成る、臓器を再生させる方法である。この哺乳
動物及びレシピエントはそれぞれヒトであることが好ま
しく、更に哺乳動物及びレシピエントが同一個体である
ことがより好ましい。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の胎盤等由来の成体又は生
後組織の前駆細胞(PPAT)には、自己再生能と多分
化能を併せ持つ細胞(狭義の幹細胞)、特定の臓器又は
組織を構築する細胞を作り出すために必要な分化・増殖
能を有する細胞(前駆細胞)、移植後に組織に定着しあ
るいは循環して機能するもとになる細胞が含まれる。な
お、胎盤には絨毛、間質、結合織、血管、羊膜等が含ま
れる。また、いわゆる胎盤幹細胞(placental stem cel
l)は、胎盤の細胞に分化するもとになる幹細胞であり、
紛らわしいが、本発明の対象である胎盤等由来の成体又
は生後組織の前駆細胞を指すものではない。本発明の胎
盤等由来細胞は、ヒト又は他の哺乳動物から得ることが
できる。
【0009】胎盤は、自然分娩、帝王切開、中絶又は人
工妊娠中絶に伴って得られるものであり、ヒト遺伝子を
もつヒト由来の臓器ではあるが、従来はほとんどが焼却
又は廃棄されていたものである。従って、妊婦と父親の
インフォームド・コンセントが得られれば、胎盤を医療
利用することになんら倫理的問題は付随しない。現実
に、様々な医薬品、化粧品などに用いられてきた経緯が
ある。産科の医師、看護婦、助産婦、医療施設の協力を
得て採取し、あるいはバンク化して永続的、持続的に供
給することが可能である。また、得られる細胞の数量が
多い。さらにin vitroで培養し増幅することができる。
胎盤を採取するにあたっては、妊婦と父親のインフォー
ムド・コンセントを得て、妊娠期間中に妊婦の感染症の
有無をあらかじめ検査しておき、安全な胎盤のみを用い
ることが可能である。さらに、胎盤は免疫学的に極めて
特殊な器官である。すなわち、胎児は遺伝的に約50%が
父親由来である。従って胎児、及び胎盤の胎児由来細胞
は、母体にとってはアロ抗原遺伝子を有しているにも関
わらず、妊娠の期間を通じて母体の免疫系による認識を
逃れ、拒絶されることはない。胎盤は、母体側の組織と
胎児側の組織が接する境界である。胎盤内では母体血液
と胎盤血液が近く接してそれぞれ循環しており、ガス、
栄養、老廃物、ホルモンなどの細胞間情報伝達物質、I
gG抗体などの免疫担当物質の交換、輸送を盛んに行っ
ている。母体血液中には母体の免疫担当細胞が存在する
にも関わらず、これら免疫担当細胞は通常、胎盤の胎児
由来細胞をアロと認識し攻撃、排除、拒絶することはな
い。この免疫応答回避のメカニズムとしては、胎盤のト
ロフォブラストなどがクラシカルなMHCを細胞表面に
ほとんど発現していないこと、一部特殊なMHC様分子
を発現していること、特異なトリプトファン代謝を営ん
でいること、FAS−L分子を発現していることなどが
示唆されているが、その詳細な機構は明らかにされてい
ない。従って、胎盤等由来細胞を移植に用いることによ
り、レシピエントからの拒絶免疫応答を受けにくいア
ロ、又は異種移植が可能である。臍帯は、胎児と胎盤と
をつなぐ柔らかな索状の器官であり、内部に動脈・静脈
を有し、胎盤を介して母体の血液から酸素及び栄養物を
胎児に送り、また、胎児の体内における不要物及び二酸
化炭素を母体血液に移す役割をする。本発明において
は、臍帯及び、胎盤や臍帯に含まれる血液も上記胎盤と
同様に扱うことができる。
【0010】本発明において、胎盤、臍帯又はこれらに
含まれる血液から前駆細胞を採取する方法に特に制限は
無く、細胞学的に一般に用いられるいかなる方法を用い
てもよい。例えば、以下の方法1により、胎盤から前駆
細胞を調製することができる。 (1) 胎盤の血管(胎児側及び/又は母体側)にカニ
ュレーションし、ヘパリン、EDTA、ACD等の抗凝
固剤を含む溶液を還流することにより、血液を洗い流
す。(この還流のステップは省略してもよい。また、還
流する場合においても抗凝固剤の添加は省略してもよ
い。) (2) 胎盤をメス、ハサミ等で切り出す。その前及び
/又は後に、イソジン等の消毒剤を塗布する、又は消毒
剤中で洗浄する(この消毒のステップは省略してもよ
い)。 (3) 胎盤組織をメス、ハサミ等でさらに細切する。
(この細切のステップは省略してもよい)。
【0011】(4) 細切した組織を、酵素処理する。
酵素としては、コラゲナーゼ、ディスパーゼ、トリプシ
ン等を用いることができる。 (5) 未消化の組織片を除くために、メッシュ等でろ
過する(このろ過のステップは省略してもよい)。 (6) 胎盤由来細胞の懸濁液を、遠心にて洗浄する
(この遠心のステップは省略してもよい)。 (7) 胎盤由来細胞は、大きさ、比重、浸透圧変化に
対する抵抗性の差等の物理的な性質の差異、あるいは形
態的な差異を利用して分離することができる。 (8) 胎盤由来細胞は、蛍光色素の取り込み又は排出
能、貪食能等の生物学的活性の差異により、フローサイ
トメトリー等を利用して分離することができる。 (9) 胎盤由来細胞は、プラスチック、ナイロン等に
対する付着性の差を利用して分離することができる。 (10) 胎盤由来細胞は、種々の抗体と反応後、補体
反応、フローサイトメトリー、パンニング、又はマグネ
ティック・ビーズ等にて分離することができる。 (11) 胎盤由来細胞は、(7)〜(10)の様々な
分離法を組み合わせて分離することができる。
【0012】(12) 分離前、又は後の胎盤由来細胞
は、培養液中にて培養し、増殖、分化、脱分化等を行わ
せることができる。培養の際には、種々の増殖因子、サ
イトカイン、ホルモン、分化誘導因子、分化抑制因子、
5-アザシチジン等の薬剤等を加えることができる。また
コラーゲン、ファイブロネクチン、ラミニン等の細胞外
マトリックス存在下で培養することができる。また、線
維芽細胞、脂肪細胞、前脂肪細胞等の細胞あるいは細胞
株を、フィーダー細胞として共培養、あるいはトランス
ウェルを隔てて共培養することができる。また適切な細
胞外マトリックス、合成高分子、プラスチック、金属な
どで人工的な足場、またはスキャフォルドを与えてや
り、3次元的な構築をもった培養を行うことができる。
この培養の際、栄養要求性、増殖・分化等因子の要求
性、薬剤耐性又は薬剤応答性、フィーダーとの付着性、
培養容器との付着性等を指標にして、胎盤由来細胞を分
離することができる。 (13) (7)〜(11)の分離前、又は後の胎盤由
来細胞には、増殖、分化、脱分化、アポトーシス抑制等
を促すための遺伝子を導入することができる。また免疫
系による認識、拒絶から免れるための遺伝子を導入する
ことができる。また移植した細胞が移植後に不要になっ
た際にその細胞を殺すための遺伝子を導入しておくこと
ができる。またSV40等のウイルスを感染することができ
る。この導入又は感染の、前、最中、又は後に、(1
2)の培養をすることができる。 (14) (7)〜(11)の分離前、又は後の胎盤由
来細胞には、細胞の分離を目的として、特定のプロモー
ターにつないだ薬剤耐性遺伝子、蛍光蛋白の遺伝子、細
胞表面マーカーの遺伝子等を導入し、それらの発現量の
差異を指標にして、薬剤耐性、フローサイトメトリー等
により胎盤由来細胞を分離することができる。この導入
の、前、最中、又は後に、(12)の培養をすることが
できる。
【0013】また、以下の別法2により、胎盤から前駆
細胞を調製することができる。 (1) 胎盤から、メス又はハサミ等にて胎盤組織を採
取する。その前及び/又は後に、イソジン等の消毒剤を
塗布する、又は消毒剤中で洗浄する(この消毒のステッ
プは、省略してもよい)。 (2) 胎盤由来組織を、メス、又はハサミでさらに細
切する。 (3) 細切した組織片を、適切な容器に入った培養液
中に入れ、培養する。これにより、組織片から胎盤由来
細胞が滲出し培養することができる。この培養は、前記
方法1の(12)と同様に、様々な因子、薬剤、細胞外
マトリックス、フィーダー細胞等を用いて行うことがで
きる。この培養の際、栄養要求性、増殖・分化等因子の
要求性、薬剤耐性又は薬剤応答性、フィーダーとの付着
性、培養容器との付着性等を指標にして、胎盤由来細胞
を分離することができる。 (4) 培養後の細胞を、前記方法1の(7)〜(1
1)の方法で分離することができる。 (5) 培養中、又は後の細胞を、前記方法1の(1
3)と同様に遺伝子導入又はウイルス感染することがで
きる。 (6) また培養中、又は後の細胞を、前記方法1の
(14)と同様に遺伝子導入し胎盤由来細胞を分離する
ことができる。
【0014】更に、以下の別法3により、胎盤から前駆
細胞を調製することができる。 (1) 胎盤からヘパリン、EDTA、ACD等の抗凝
固剤を用いて血液を採取する。 (2) 前記方法1の(6)〜(12)の方法で前駆細
胞を分離または調整することができる。 (3) 培養中又は後の細胞を、前記方法1の(13)
と同様に遺伝子導入またはウイルス感染することができ
る。 (4) また培養中又は後の細胞を、前記方法1の(1
4)と同様に遺伝子導入し前駆細胞を分離することがで
きる。
【0015】また、本発明の前駆細胞の保存方法につい
ては特に制限は無く、細胞学的に一般に用いられるいか
なる方法を用いてもよい。即ち、これらの細胞を凍結保
存し、必要な時に解凍して用いることもできる。更に、
本発明の前駆細胞を細胞製剤として保存したり又は商業
用に利用することができる。即ち、本発明の前駆細胞か
ら成る細胞集団、この前駆細胞を培養した細胞集団、又
はこの前駆細胞から分離した細胞集団のいずれかの細胞
集団を、培地、等張液、又は緩衝液に懸濁し、必要に応
じてアルブミン等の蛋白その他の添加剤を添加し、任意
にバイアルやバッグ等の容器に入れて、細胞製剤とする
ことができる。これら培地、等張液、又は緩衝液は、こ
の細胞製剤に含まれる前駆細胞に適合するよう適宜選択
する。また、この細胞集団を濃縮して用いて細胞製剤と
してもよい。更に、この細胞製剤にはDMSO等の保護
剤を加え、凍結して細胞製剤とすることもできる。この
とき、ひとつの胎盤等から得られた細胞をひとつのバイ
アル等に入れることができる。また、ひとつの容器あた
りこの前駆細胞を含む細胞集団を1×10〜5×10
個入れて細胞製剤としてもよい。
【0016】本発明の前駆細胞は、様々な疾患に対する
治療のみならず、美容用、及び身体能力増強を目的とし
た臓器再生治療、再生した臓器のヒトや非ヒト動物への
移植、ハイブリッド型人工臓器の分野に利用することが
できる。臓器再生治療においては、例えば、心疾患(虚
血性疾患、伝導路障害、心筋症を含む)、血管疾患(大
動脈瘤、動脈硬化症、循環不全を含む)、神経疾患(ア
ルツハイマー病、パーキンソン病、神経変性性・虚血性
・脳血管原性疾患を含む)、呼吸器疾患(嚢胞性線維
症、間質性肺炎、肺線維症、肺梗塞を含む)、消化器疾
患(肝硬変、肝不全、消化性潰瘍、炎症性腸疾患を含
む)、血液疾患(再生不良性貧血、骨髄異形成、免疫不
全症を含む)、代謝性疾患(糖尿病、高脂血症を含
む)、内分泌疾患(視床下部機能不全、下垂体機能不
全、甲状腺機能不全、副腎機能不全を含む)、免疫疾患
(アレルギー性疾患、膠原病を含む)、腎・泌尿器疾患
(腎不全、腎梗塞、神経因性膀胱、性機能不全を含
む)、皮膚疾患(難治性潰瘍、難治性皮膚疾患、脱毛
症、を含む)、運動器疾患(慢性関節リウマチ、変形性
軟骨症、骨粗鬆症を含む)、筋疾患(筋ジストロフィ
ー、先天性ミオパチー、重症筋無力症、炎症性、神経原
性、筋原性筋疾患を含む)、感覚器疾患(白内障、網膜
剥離、網膜色素変性症、視覚障害、聴覚障害を含む)、
歯科口腔疾患(歯槽炎、歯折、歯欠損を含む)、外因性
疾患(高温、低温、物理的な力、放射線、薬物等による
臓器・組織の傷害、骨折、脊髄損傷等を含む)、先天異
常(横隔膜ヘルニア、鎖肛、二分脊椎、心奇形を含む)
及び悪性腫瘍(手術、化学療法、放射線療法後の組織再
生、骨髄再生を含む)などにおいて、胎盤等由来細胞を
用いて当該組織・臓器を再生させる治療に応用できる。
【0017】また美容を目的とした臓器再生、臓器構築
(顔面などの美容整形、毛髪増加、皮膚の色の変更、乳
房形成、性転換、歯科的形成を含む)にも用いることが
できる。更に、身体能力の増強にも用いることができる
(筋肉増強、身長など体躯の向上、神経系・循環器系・
呼吸器系などの機能向上、性機能増強、神経系・循環器
系・筋骨格・内分泌系などの老化の抑制、若返りを含
む)。レシピエントに対する移植には、胎盤等由来細胞
を直接に用いることができる。また胎盤等由来細胞を培
養し、増殖、分化又は脱分化させたのち移植に用いても
よい。長期培養した胎盤等由来細胞、及び長期培養によ
り株化した胎盤等由来細胞を用いることもできる。これ
らの細胞にあらかじめ、増殖・分化を促進又は抑制する
ための遺伝子(増殖因子、分化因子、走化性因子、接着
因子、転写因子等の遺伝子)を導入しておき、導入後の
細胞を用いて再生させることができる。
【0018】また細胞移植前又は後に、移植した細胞、
周辺の細胞、又は遠隔臓器の細胞に遺伝子を導入して、
増殖・分化を促進又は抑制することができる。また細胞
移植前又は後に、増殖・分化を促進又は抑制するための
因子(増殖因子、分化因子、走化性因子等)を投与する
ことができる。また培養中に、適切なフィーダー細胞、
あるいはストローマ細胞を加えて共培養し、増殖・分化
を促進、又は抑制することができる。これらの場合にお
いて、増殖・分化を促進するのがよいか、抑制するのが
よいかは、標的とする疾患、疾患の進展のステージ、臓
器・組織の種類等によって選択すればよい。また培養
中、移植前、又は移植後に、適切な細胞外マトリック
ス、合成高分子、プラスチック、金属などで人工的な足
場を与えてやり、臓器の3次元的な構築を助けてやるこ
とができる。
【0019】以上の本発明の技術は、ヒトのみならず、
マウス、ラット、モルモット、ハムスター、ヒツジ、ヤ
ギ、ブタ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコなど、すべての哺乳
動物に適応可能であるため、本技術は家畜、愛玩動物等
の治療、美容、身体能力増強にも用いることができる。
ヒト胎盤由来の細胞をヒトに移植するのみならず、ヒト
以外の動物の胎盤由来の細胞をヒトに移植することも可
能である。また、ヒト以外の動物の胎盤由来の細胞をヒ
ト以外の動物に移植することも可能である。また、ヒト
の胎盤由来の細胞を他動物に移植することも可能であ
る。
【0020】胎盤等由来細胞を動物に移植して一旦移植
用の臓器・組織を作らせたのち、その臓器・組織を用い
てヒト又は他の動物に移植することもできる。また、胎
盤等由来細胞をハイブリッド型人工臓器に用いることも
できる。ハイブリッド型人工臓器の場合、胎盤等由来細
胞を人工臓器(人工肝臓、人工腎臓など)の一部として
用い、体外で働かせる。患者、病気の動物、美容・身体
能力増強を目的とするヒト又は動物(このハイブリッド
型人工臓器の場合も便宜上すべてをレシピエントと呼
ぶ)の血液等をハイブリッド型人工臓器の中に循環させ
る(この目的で胎盤等由来細胞を人工臓器に用いること
も、便宜上移植と呼ぶ)。
【0021】本発明の前駆細胞を用いれば、移植する臓
器、用いる増殖因子、分化因子等を適切に選ぶことによ
り、神経細胞、グリア細胞、心筋細胞、血管内皮細胞、
平滑筋細胞、骨格筋細胞、表皮細胞、メラニン細胞、毛
嚢細胞、爪母細胞、脂肪細胞、結合織細胞、気道上皮細
胞、肺胞上皮細胞、肝細胞、胆管細胞、消化管上皮細
胞、腺細胞、血液細胞、リンパ網内系細胞、乳腺細胞、
糸球体細胞、尿細管細胞、尿路系細胞、生殖器系細胞、
角膜細胞、結膜細胞、歯牙細胞、骨細胞、軟骨細胞、滑
膜細胞、内分泌細胞、外分泌細胞等を再生させることが
できる。また、ラット、モルモット、ハムスター、ヒツ
ジ、ヤギ、ブタ、ウシ、ウマ、イヌ、ネコなどの哺乳動
物においても、同様に胎盤を前駆細胞ソースとして各種
臓器の再生が可能である。
【0022】
【発明の効果】胎盤から成体又は生後組織の前駆細胞を
供給することによって、既存の移植医療、再生医療の問
題の多くを解決することができる。すなわち、ドナーの
不足及び幹細胞の数的な不足、ドナー(レシピエント自
身の場合を含む)に対する侵襲、拒絶免疫応答、感染の
リスク、倫理上の問題などである。本発明を生かせば再
生医療がより安全、安価で容易に行うことができる。本
発明の具体的な応用法としては、胎盤より成体又は生後
組織の前駆細胞を含む細胞集団を採取、調整し、アンプ
ル又は適切な容器に入れた細胞製剤とする。また、胎盤
等由来の細胞を含む細胞集団を培養し、培養後の細胞か
ら細胞製剤を調整することができる。これらの細胞製剤
は、医療機関等に輸送し移植目的に用いることができ
る。またこの細胞は、凍結保存して必要な時に解凍し使
用することができる。またこの細胞製剤は、適切な施設
に輸送し、培養したのちに再度細胞製剤化し、移植目的
に使用、又は凍結保存することができる。凍結保存した
細胞製剤は、胎盤の由来である新生児が成長後に幹細胞
を必要としたときには、自家移植にも用いることができ
る。胎盤等由来細胞は胎盤由来細胞バンクとして保存
し、自家移植、アロ移植又は異種移植に供することがで
きる。胎盤等由来細胞と胎盤等由来細胞製剤は、種々の
抗体やマーカーで分離、濃縮、精製することができる。
また胎盤由来細胞、胎盤由来細胞製剤は、種々の抗体や
マーカーで認識することができる。この抗体としては、
抗FcγRII、FSA、CD9、CD133、CD163、CTLA-4などが含
まれる。胎盤等由来前駆細胞又はこれらを含む細胞製剤
はまた、幹細胞の増殖、分化、再生のメカニズム解明等
を目的とした基礎研究に供することができる。また胎盤
等の元となったヒト等哺乳動物の遺伝的疾患、遺伝的特
性等を診断する目的に用いることができる。
【0023】
【実施例】以下、実施例にて本発明を例証するが、本発
明を限定することを意図するものではない。本実施例に
おいては、マウスにおいて胎盤由来細胞による移植実験
をおこない、臓器再生可能な成体又は生後組織の前駆細
胞が調整されていることを確認した。実施例1 Green fluorescent protein(GFP)遺伝子をゲノム上に
有するトランスジェニック・マウスのヘテロザイゴート
(バックグラウンドはC57/BL6)のオスと、正常BALB/c
のメスマウスを掛け合せた。夜間に一晩交配し、翌日膣
栓を確認したメスを用いた。膣栓確認の日を胎生0日と
した。膣栓確認後18〜19日後の妊娠マウスより胎仔と胎
盤を採取した。一個体ずつ胎仔を紫外線照射にて確認
し、GFPを発現する(GFP陽性の)胎仔の胎盤のみを収集
した。採取した胎盤を氷上のDulbecco’s Modified Eag
le Medium (DMEM,Nacalai Tesque, Kyoto, Japa
n、組成は下記表1に示す。)中でハサミで細断後、同培
地でリンスした。その後0.125% トリプシン(Gibco-BR
L, Grand Island,NY, USA)、200 μg/ml コラゲナーゼ
(Sigma, St Louise, MO, USA)、400 μg/ml dispase
(Godo Shusei, Tokyo, Japan)、100 μg/ml DNase I
(NacalaiTesque, Kyoto, Japan)を含むDMEM培地
を加え、37℃にてマグネチック・スターラーによる撹
拌を10分とピペッティング10分を3回繰り返して消
化した。その後ナイロンネットフィルター(ポアサイ
ズ:30 μm)で濾過し、未消化の細胞塊を除去した後、
0.83% NH4Cl、 20 mM トリス緩衝液で2分間処理し、P
BSで洗浄後、濃度を調整した。
【0024】
【表1】
【0025】以下、実施例2〜4において、本実施例1
にて胎盤から調製した細胞が、心筋、血管又は骨格筋に
分化する能力のある前駆細胞であることを示す。実施例2 レシピエントマウスに10 mg/kgのドキソルビシン(Doxor
ubicin)を腹腔内に投与し、これにより心筋に傷害を与
えた。3日後、0.6 μg/kgのペントバルビタール (Pent
obarbital)を腹腔内投与して麻酔を行い、剣状突起直下
の皮膚を横切開した。腹膜の切開の後、肝臓を尾側に押
し下げ、剣状突起を持ち上げ、横隔膜を通して、5.0 x
10/mlの濃度に調整した実施例1にて得られた胎盤由
来細胞懸濁液を、31G針を装着したハミルトン・シリン
ジ(Hamilton syringe)を用いて30μl、経横隔膜的に心
筋に注入し、その後皮膚を縫合した。2週間後にマウス
を安楽死させ、心臓を採取して凍結切片を作成し、移植
部位の組織を、OCTコンパウンドにて−80℃に凍結
後、Leica社製JUNG CM3000にて厚さ10μmの切片を作
製した。OLYMPUS社製倒立型落射デジタル蛍光顕微鏡シ
ステムIX70/IX-FLA/U-MNIBAにて488 nmの蛍光観察を、
倍率100倍で行った。画像解析はPixera 社製Studio
Lite version 1.0ソフトにて行った。その画像を図1に
示す。この心筋繊維がGFP陽性であることは、ドナー由
来細胞であることを示している。またこのマーカー遺伝
子は、オスは有していたがメスは有していなかったの
で、GFP陽性細胞は明らかに胎盤内の受精卵由来細胞を
起源としている。また注入部位から離れた部位には陽性
細胞は見られない。即ち、ドナー由来の心筋細胞が生着
していることが分かる。以上から、実施例1にて胎盤か
ら調製した細胞が、心筋に分化する能力のある前駆細胞
であること、及び、この細胞を移植すると、心筋傷害と
いう病態において生着、分化、増殖、機能することがわ
かる。
【0026】実施例3 レシピエントマウスに0.6 μg/kgのペントバルビタール
を腹腔内投与して麻酔した後、後肢の大腿動脈(femoral
artery)の近位側と 伏在静脈(saphenous artery)の遠
位側を結紮、切除し、皮膚の縫合を行った。これにより
下肢の虚血モデルを作成した。麻酔から覚醒した後、5.
0 x 107/mlの濃度に調整した実施例1にて得られた胎盤
由来細胞を、26G針を用いて尾静脈より300 μl静注し
た。2週間後に虚血部の筋組織を採取し、OCTコンパウ
ンドにて−80℃に凍結後、Leica社製JUNG CM3000に
て厚さ10μmの切片を作製した。OLYMPUS社製倒立型落
射デジタル蛍光顕微鏡システムIX70/IX-FLA/U-MNIBAに
て488 nmの蛍光観察を、倍率100倍で行った。画像解
析はPixera 社製Studio Lite version 1.0ソフトにて行
った。その画像を図2に示す。その結果、虚血領域内の
注入部位にGFP陽性の新生血管(内皮、及び平滑筋)が
認められ、ドナー由来の血管内皮細胞および平滑筋細胞
が生着し、血管の構造を構築していることがわかる。免
疫組織化学的解析により、この内皮及び平滑筋細胞は、
父マウス由来のMHCクラスIアロタイプを発現してい
ることが分かる。以上から、実施例1にて胎盤から調製
した細胞が、血管に分化する能力のある前駆細胞である
こと、及び、この細胞を移植すると、虚血という病態に
おいて生着、分化、増殖、機能することがわかる。
【0027】実施例4 レシピエントマウスに0.6 μg/kgのペントバルビタール
を腹腔内投与して麻酔した後、前脛骨筋に沿って皮膚を
切開した。前脛骨筋に0.5% ブピバカイン(Bupivacaine)
60 μlを筋注し、皮膚の縫合を行った。これにより骨
格筋の変性モデルを作製した。3日後、同様に麻酔し、
同部位の皮膚を切開した。3.0 × 10/mlの濃度に調整
し、マーカーとしてカーボン粒子を加えた実施例1にて
得られた胎盤由来細胞懸濁液を、31G針を装着したハミ
ルトン・シリンジを用いて50〜100μl、前脛骨筋に注入
した。3週間後に変性部筋組織を採取し、OCTコンパウ
ンドにて−80℃に凍結後、Leica社製JUNG CM3000に
て厚さ10μmの切片を作製した。OLYMPUS社製倒立型落
射デジタル蛍光顕微鏡システムIX70/IX-FLA/U-MNIBAに
て488 nmの蛍光観察を、倍率200倍で行った。画像解
析はPixera 社製Studio Lite version 1.0ソフトにて行
った。その画像を図3に示す。ドナー由来の骨格筋細胞
の生着が認められる。以上から、実施例1にて胎盤から
調製した細胞が、骨格筋に分化する能力のある前駆細胞
であること、及び、この細胞を移植すると、骨格筋傷害
という病態において生着、分化、増殖、機能することが
わかる。
【0028】実施例5 インフォームドコンセントを得た妊婦より帝王切開後の
胎盤の提供を受けた。滅菌PBSで胎盤全体を洗浄後、
ヘパリン加PBS(ヘパリン6単位/ml)1リットルを臍
帯動脈から注入し還流洗浄した。還流後の胎盤を滅菌P
BSで洗浄し、ブロック状に細切、羊膜を除去し、ブレ
ンダーでミンチ状にした。0.25% Trypsin、100μ
g/ml DnaseIを含むRPMI1640倍地を胎盤1g
あたり5ml加えてスピナーフラスコを用いて60分間
消化した。DnaseI溶液を加えた後、セルストレーナー
を用いて未消化の組織を除去した。さらにフィコールに
よる比重遠心法で細胞成分と繊維性組織成分を分離し、
細胞を回収した。
【0029】分離したヒト胎盤細胞を低接着性コーティ
ングしたp100-Dish (poly-2-hydroxy-ethyl-methacryla
te 1.6mg/cm2でコート) に2〜3×10/dishでまい
た。培地はDMEM/F12 (Gibco-BRL) に N2 supplement
(×100)、 20ng/ml EGF(Sigma)、20ng/ml bFGF(Roch
e)、10ng/ml LIF、 100U/ml penicilline、100μg/ml s
treptomycin(Gibco)を添加したものを用いた。3〜4日
置きにフレッシュな培地を追加しつつ2週間培養したの
ち、Poly-L-ornithineでコーティングしたチェンバース
ライド上にまき、成長因子をのぞいた培地(DMEM/F12 (G
ibco-BRL) with N2supplement (×100) 100U/ml penici
lline、100μg/ml streptomycin)でさらに5日間培養し
分化誘導を行った。
【0030】分化誘導後の細胞を、on ice にて4%パ
ラフォルムアルデハイドで1時間固定し、PBS(-)にて2
回洗浄後、免疫染色に供した。一次抗体は抗Nestin抗体
(chemicon)(1:200)、抗MAP2抗体(Sigma)(1:500)、
または抗GFAP抗体(DAKO) (1:500)を用いた。二次抗体
と酵素抗体法は、Vectorstain ABC system (Vector)
を用いた。それぞれの光学顕微鏡写真を示す(図4、
5、6)。図4では神経幹細胞のマーカーであるNestin
陽性細胞が、図5では神経前駆細胞のマーカーであるMA
P2陽性細胞が、図6ではグリア細胞のマーカーであるGF
AP陽性細胞が認められた。即ち、ヒト胎盤から調整した
細胞が、神経及びグリア細胞に分化したことがわかる。
【0031】実施例6 実施例5と同様の方法により分離したヒト胎盤細胞を、
20%FCSを含むRPMI1640倍地で培養した。
培養後40日目の細胞をoil-O-Red染色法で染色した。
図7に光学顕微鏡写真を示す。oil-O-Red陽性の脂肪細
胞が認められた。即ち、ヒト胎盤から調整した細胞が脂
肪細胞に分化したことがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2の心筋障害モデルにおいて心筋が再生
した様子を示す蛍光顕微鏡写真である(写真のサイズ
は、縦約480μm、横約630μm)。写真中の白(カラー
写真では緑)部分に、ドナー由来の心筋細胞が生着して
いることが認められる。
【図2】実施例3の下肢虚血モデルにおいて血管が再生
した様子を示す蛍光顕微鏡写真である(写真のサイズ
は、縦約480μm、横約630μm)。写真中の白(カラー
写真では緑)部分に、ドナー由来の血管内皮細胞および
平滑筋細胞が生着し、血管の構造を構築していることが
認められる。
【図3】実施例4の骨格筋障害モデルにおいて骨格筋が
再生した様子を示す蛍光顕微鏡写真である(写真のサイ
ズは、縦約240μm、横約310μm)。写真中の白(カラ
ー写真では緑)部分に、ドナー由来の骨格筋細胞が生着
していることが認められる。
【図4】実施例5のヒト胎盤由来細胞の光学顕微鏡写真
である(写真のサイズは、縦約290μm、横約350
μm)。写真中の黒(カラー写真では茶)の細胞が、神
経幹細胞のマーカーである抗Nestin抗体で染色されてい
る。
【図5】実施例5のヒト胎盤由来細胞の光学顕微鏡写真
である(写真のサイズは、縦約280μm、横約340
μm)。写真中の黒(カラー写真では茶)の細胞が、神
経前駆細胞のマーカーである抗MAP2抗体で染色されてい
る。
【図6】実施例5のヒト胎盤由来細胞の光学顕微鏡写真
である(写真のサイズは、縦約260μm、横約360
μm)。写真中の黒(カラー写真では茶)の細胞が、グ
リア細胞のマーカーである抗GFAP抗体で染色されてい
る。
【図7】実施例6のヒト胎盤由来細胞の光学顕微鏡写真
である(写真のサイズは、縦約150μm、横約300μ
m)。写真中央の細胞が、脂肪細胞のマーカーであるoi
l-O-Redで黒(カラー写真では赤)に染色されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61L 27/00 C12N 5/00 E (72)発明者 中森 診 京都府京都市上京区寺町今出川上る4丁目 西入毘沙門町459−1 グレイキャッスル 京都202号 (72)発明者 岸田 綱郎 京都府京都市右京区竜安寺衣笠下町35 (72)発明者 小田 洋平 京都府京都市北区上賀茂豊田町64−8 (72)発明者 今西 二郎 京都府京都市左京区鹿ヶ谷法然院西町38− 2 (72)発明者 栗山 洋子 京都府京都市北区上賀茂岩ケ垣内町65−1 Fターム(参考) 4B065 AA91X AA93X BA24 BB02 BB12 BB20 CA44 4C081 AB13 AB18 AB31 BA02 BA17 BC02 CD34 EA01 EA13 4C087 AA01 AA02 AA03 BB34 BB58 BB59 CA04 MA67 NA14

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 哺乳動物の胎盤、臍帯又はこれらに含ま
    れる血液から採取された成体又は生後組織の前駆細胞。
  2. 【請求項2】 哺乳動物の胎盤から採取された成体又は
    生後組織の前駆細胞。
  3. 【請求項3】 前記哺乳動物がヒトである請求項1又は
    2に記載の前駆細胞。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の前
    駆細胞から成る細胞集団、該前駆細胞を培養した細胞集
    団、又は該前駆細胞から分離した細胞集団のいずれかの
    細胞集団を、培地、等張液又は緩衝液に懸濁することに
    より成る細胞製剤。
  5. 【請求項5】 前記細胞集団が濃縮された請求項4に記
    載の細胞製剤。
  6. 【請求項6】 前記細胞製剤に、任意に保護剤を加え、
    凍結された請求項4又は5に記載の細胞製剤。
  7. 【請求項7】 ひとつの容器あたり前記前駆細胞を含む
    細胞集団を1×10 〜5×10個入れてなる請求項
    4〜6のいずれか一項に記載の細胞製剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜3のいずれか一項に記載の前
    駆細胞が分化して形成された臓器。
  9. 【請求項9】 前記前駆細胞を、他の非ヒト哺乳動物に
    移植して分化させて形成させた請求項8に記載の臓器。
  10. 【請求項10】 前記臓器が筋又は血管である請求項8
    又は9に記載の臓器。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10のいずれか一項に記載
    の前駆細胞が分化して形成された細胞を少なくともその
    一部として用いた人工臓器。
  12. 【請求項12】 哺乳動物の胎盤、臍帯又はこれらに含
    まれる血液から採取された細胞を、成体又は生後組織の
    前駆細胞として使用する方法。
  13. 【請求項13】 哺乳動物の胎盤から採取された細胞
    を、成体又は生後組織の前駆細胞として使用する方法。
  14. 【請求項14】 前記哺乳動物がヒトである請求項12
    又は13に記載の方法。
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