JP2013213904A - 画像形成装置に用いられる弾性部材、並びに定着部材、定着装置、及び画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置に用いられる弾性部材、並びに定着部材、定着装置、及び画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ゴムの耐久性を損なわず、更に、記録媒体表面の凹凸に対する追従性が向上することで、長期に亘ってムラの少ない高画質な画像を出力することが可能な弾性部材を提供すること。
【解決手段】画像形成装置に用いられる弾性部材であって、基材と、前記基材上に弾性層とを有し、前記弾性層が、テルペンに由来する構造と主鎖にケイ素原子を含む構造とを有するポリマーを含有する弾性部材である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、画像形成装置に用いられる弾性部材、並びに定着部材、定着装置、及び画像形成装置に関する。
複写機、プリンタなどの電子写真方式のカラー画像形成装置は、記録媒体上に4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のトナーからなるカラー画像を形成する画像形成手段と、形成されたカラー画像を記録媒体上に定着させる定着手段(定着装置)とを備えている。前記定着装置は、記録媒体上のトナーを加熱して定着させる定着部材と、前記定着部材と接してニップ部を形成する加圧部材とを有している。前記記録媒体が、前記ニップ部を通過する際に、前記トナーを加熱及び加圧して、前記記録媒体上に前記トナーを定着させ、前記カラー画像を形成する。
前記定着部材は、一般的に、金属製乃至樹脂製の基材上にシリコーンゴムで弾性層が形成された定着ローラ乃至定着ベルトとして使用されている。
しかし、シリコーンゴムのみからなる弾性層は、離型性が不十分であるため、前記ニップ部において前記トナーが定着された記録媒体が定着部材から剥離しにくくなり、前記記録媒体の詰まりが起こりやすいという問題があった。
そこで、定着部材の表面をフッ素樹脂で被覆し、これに離型剤を塗布乃至含浸することで離型性を向上させた定着装置が提案されている(特許文献1参照)。しかし、前記定着装置は、トナー像が接触する加熱ローラの最表面がフッ素樹脂で構成されているので前記記録媒体の表面にある凹凸に対する追従性が劣り、画質にムラが生じるという問題があった。
また、追従性を向上させるために硬度の低いゴムを使えば、凹凸に対する追従性は向上するが、柔らかいゴムほど耐久性が劣ってしまうという問題があった。
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、ゴムの耐久性を損なわず、更に、記録媒体表面の凹凸に対する追従性が向上することで、長期に亘ってムラの少ない高画質な画像を出力することが可能な弾性部材を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、下記の通りである。即ち、
本発明の弾性部材は、画像形成装置に用いられる弾性部材であって、基材と、前記基材上に弾性層とを有し、前記弾性層が、テルペンに由来する構造と主鎖にケイ素原子を含む構造とを有するポリマーを含有することを特徴とする。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、
ゴムの耐久性を損なわず、更に、記録媒体表面の凹凸に対する追従性が向上することで、長期に亘ってムラの少ない高画質な画像を出力することが可能な弾性部材を提供することができる。
図1は、本発明における弾性部材の一種である定着ローラの一例を説明するための断面図である。 図2は、本発明における弾性部材の一種である定着ベルトの一例を説明するための断面図である。 図3は、本発明における定着装置の一例を説明するための断面図である。 図4は、本発明における画像形成装置の一例を説明するための概略図である。
(弾性部材)
本発明の弾性部材は、画像形成装置に用いられる弾性部材であって、少なくとも、基材と、前記基材上に弾性層とを有し、更に、必要に応じて、その他の層を有する。
前記弾性部材の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シート状、フィルム状、ロール状、ベルト状などが挙げられる。
前記弾性部材の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、回転体などが挙げられる。
前記回転体としては、特に特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、定着ローラ、定着ベルトなどが挙げられる。
前記弾性部材のマルテンス硬度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1N/mm〜1.0N/mmが好ましい。
前記硬度の測定方法としては、例えば、微小硬度計を用いた方法が挙げられる。
前記弾性部材の弾性仕事率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80%以上が好ましい。
前記弾性仕事率の測定方法としては、例えば、微小硬度計を用いた方法が挙げられる。
なお、弾性仕事率は、一般的に、物質に加えられた応力に対して、その応力を取り除いた時にどれだけ緩和できるかを表しており、値が大きいほど応力を緩和する能力が高くなる。つまり、弾性仕事率が大きいほど、物質が受ける機械的ストレスに対してそれが永久歪として残りにくいため、耐キズ性、耐摩耗性の優れた材料であるといえる。
<弾性層>
前記弾性層は、テルペンに由来する構造と主鎖にケイ素原子を含む構造とを有するポリマーを含有し、更に、必要に応じて、その他の成分を含有する。
前記弾性層の平均厚みとしては、特に制限なく、目的に応じて適宜選択することができるが、100μm〜5mmが好ましく、100μm〜3mmがより好ましく、150μm〜2mmが特に好ましい。前記平均厚みが、100μm未満であると、耐久性が低下したり、記録媒体表面の凹凸に対する追従性が低下したりすることがあり、5mmを超えると、熱の伝わりが悪くなり定着性能が低下することがある。
前記弾性層の弾性仕事率としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、80%以上が好ましい。
前記平均厚みの測定方法としては、例えば、弾性層10cmに対して任意の10点を選択し、前記10点の厚みの平均を算出することにより求める方法などが挙げられる。
前記平均厚みの測定機器としては、例えば、マイクロメータなどが挙げられる。
<<テルペンに由来する構造と主鎖にケイ素原子を含む構造とを有するポリマー>>
前記テルペンに由来する構造と主鎖にケイ素原子を含む構造とを有するポリマーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記テルペンに由来する構造と主鎖にケイ素原子を含む構造とを有するポリマーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、主鎖にケイ素原子を含む構造を有するポリマーとテルペンとを混合させる方法などが挙げられる。
前記テルペンに由来する構造と主鎖にケイ素原子を含む構造とを有するポリマーの分析方法としては、例えば、H−NMRなどが挙げられる。
前記テルペンに由来する構造の、前記テルペンに由来する構造と主鎖にケイ素原子を含む構造とを有するポリマーに対する含有量の測定方法としては、例えば、H-NMRが挙げられる。
−主鎖にケイ素原子を含む構造を有するポリマー−
前記主鎖にケイ素原子を含む構造を有するポリマーは、一般的に、ポリシロキサン乃至ポリシランのようなポリマーを指すが、本発明における弾性部材として用いるにはポリシロキサンが好適に用いられる。また、ポリシロキサンは、一般的に、ジエン系ゴム及びウレタンゴムより優れた耐熱性を有する耐熱性ゴムである。
−−耐熱性ゴム−−
前記耐熱性ゴムは、一般的に、200℃程度までの加熱によって変性しないゴムを意味する。
前記耐熱性ゴムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリコーンゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、フロロシリコーンゴムなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。なお、耐熱性ゴムには、必要に応じて、例えば、充填剤、補強材、導電性制御剤、老化防止剤、着色剤、可塑剤、ワックス、オイルなどを添加してもよい。
−−−シリコーンゴム−−−
前記シリコーンゴムとしては、シロキサン構造を有するゴムであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(1)で表される構成単位を有するシリコーンゴムなどが挙げられる。
ただし、前記一般式(1)中、R及びRは、非置換乃至置換の一価炭化水素基であり、互いに同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、R及びRの炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数1〜8が好ましい。前記炭素数1〜8のR及びRとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基などが挙げられる。これらの中でも、メチル基、エチル基及びフェニル基が好ましい。
また、前記シリコーンゴムは、ビニル基を有していてもよい。
前記ビニル基は、前記シリコーンゴムの分子末端に結合していてもよいし、前記シリコーンゴム分子の側鎖に結合していてもよい。なお、前記ビニル基が、前記シリコーンゴム分子の側鎖に結合している場合には、前記一般式(1)以外の構成単位の側鎖に結合していてもよい。
前記ビニル基の前記シリコーンゴム1分子に対する数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2つ以上が好ましい。
前記ビニル基の数の分析方法としては、例えば、H−NMRが挙げられる。
前記シリコーンゴムの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000〜1,000,000が好ましい。
前記シリコーンゴムの市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、KE1950−40(信越化学工業社製)、DY35−2083(東レ・ダウコーニング社製)などが挙げられる。
−−−フルオロカーボンシロキサンゴム−−−
前記フルオロカーボンシロキサンゴムとしては、フルオロカーボンシロキサン構造を有するゴムであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(2)で表される構成単位を有するフルオロカーボンシロキサンゴムなどが挙げられる。
ただし、前記一般式(2)中、R〜Rは、非置換乃至置換の一価炭化水素基であり、互いに同一の基であってもよいし、異なる基であってもよい。また、R〜Rの炭素数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数1〜8が好ましい。炭素数1〜8のR及びRとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基などが挙げられる。a及びeは、それぞれ独立に0乃至1の整数であり、b及びdは、それぞれ独立に1〜4の整数であり、cは、0〜8の整数である。
また、前記フルオロカーボンシロキサンゴムは、ビニル基を有していてもよい。
前記ビニル基は、前記フルオロカーボンシロキサンゴムの分子末端に結合していてもよいし、前記フルオロカーボンシロキサンゴム分子の側鎖に結合していてもよい。なお、前記ビニル基が、前記フルオロカーボンシロキサンゴム分子の側鎖に結合している場合には、前記一般式(2)の側鎖以外の構成単位の側鎖に結合していてもよい。
前記ビニル基の前記フルオロカーボンシロキサンゴム1分子に対する数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2つ以上がより好ましい。
前記ビニル基の数の分析方法としては、例えば、H−NMRが挙げられる。
前記フルオロカーボンシロキサンゴムの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000〜100,000が好ましい。
前記フルオロカーボンシロキサンゴムの市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、SIFEL3400(信越化学工業社製)などが挙げられる。
−−−フロロシリコーンゴム−−−
前記フロロシリコーンゴムとしては、下記一般式(3)で表される構成単位を有するフロロシリコーンゴムであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
ただし、前記一般式(3)中、nは、0〜20の整数である。
また、前記フロロシリコーンゴムは、ビニル基を有していてもよい。
前記ビニル基は、前記フロロシリコーンゴムの分子末端に結合していてもよいし、前記フロロシリコーンゴム分子の側鎖に結合していてもよい。なお、前記ビニル基が、前記フロロシリコーンゴム分子の側鎖に結合している場合には、前記一般式(3)の側鎖以外の構成単位の側鎖に結合していてもよい。
前記ビニル基の前記フロロシリコーンゴム1分子に対する数としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2つ以上がより好ましい。
前記ビニル基の数の分析方法としては、例えば、H−NMRが挙げられる。
前記フロロシリコーンゴムの重量平均分子量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1,000〜1,000,000が好ましい。
前記フロロシリコーンゴムの市販品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、X36−420(信越化学工業社製)、FSE7540(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、FSL7641(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、SE−1541−U(東レ・ダウコーティング社製)などが挙げられる。
−テルペン−
前記テルペンは、一般的に、イソプレンを構成単位とする炭化水素で、植物、昆虫、菌類などによって作り出される生体物質である。もともと精油の中から大量に見つかった一群の炭素10個の化合物に与えられた名称であり、そのため炭素10個を基準として体系化されている。分類によってはテルペン類のうち、カルボニル基、ヒドロキシ基などの官能基を持つ誘導体はテルペノイドと呼ばれる。
また、テルペンは、天然に広く存在しているが、工業原料として安定、かつ大量に得られるものとしては、松の木の油(テレピン油)、オレンジ等の柑橘類の皮に含まれる油(オレンジ油)などが挙げられる。工業的には、香料の原料、ゴム・プラスチックの改質剤、塗料への添加剤、建材などに応用されている。テルペンの構造としては、天然ゴム(ポリイソプレン)乃至スチレンモノマーとよく似ており、高い親和性をもっている。テルペンの用途としては、前記親和性の高さから、ゴムの軟化剤、スチロール樹脂の溶剤などとして広く活用されている。
前記テルペンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2つ以上の炭素不飽和結合を有するテルペンが好ましい。
前記2つ以上の炭素不飽和結合を有するテルペンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、リモネン、ミルセン、スクアレン、リコペンなどが挙げられる。これらの中でも、軟化剤としての効果及び耐久性の向上効果の点で、リモネンが好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。前記複数の化合物の混合比も、効果に支障がなければ、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、前記リモネンは、イソプレン2分子が結合した6員環構造をしており、2つの炭素不飽和結合を有している。
前記テルペンの、前記主鎖にケイ素原子を含む構造を有するポリマー100質量部に対する添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1質量部〜10質量部が好ましく、0.5質量部〜5質量部がより好ましく、1.0質量部〜4質量部が特に好ましい。前記添加量が0.1質量部未満であると、軟化の効果が得られないことがあり、10質量部を超えると、硬度が下がりすぎて耐久性が劣ってしまうことがある。
前記弾性層の製造方法としては、例えば、前記主鎖にケイ素原子を含む構造を有するポリマーと前記テルペンとを混合し混合液を作製し、前記混合液を塗布乃至含浸する方法などが挙げられる。
<基材>
前記基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、耐熱性をもつ基材が好ましい。
前記耐熱性を有する基材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、樹脂、金属、セラミックス、ガラスなどが挙げられる。
−樹脂−
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリイミド、ポリアミドイミド、PEEK、PES、PPS、フッ素樹脂などが挙げられる。
また、前記樹脂に磁性導電性粒子を分散したものを用いることもできる。具体的には、ワニス状態の樹脂材料中に、ロールミル、サンドミル、遠心脱泡装置などの分散装置を用いて前記磁性導電性粒子を分散する。これを溶剤により適当な粘度に調整して、金型により所望の厚みに成形する。
−金属−
前記金属としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニッケル、鉄、クロム、アルミニウム、銅、ニッケル、亜鉛などが挙げられる。また、前記金属の合金であってもよい。更に、前記金属は、前記金属自体が発熱作用を有していてもよい。
前記合金としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ステンレス、真鍮などが挙げられる。
−基材の形状等−
前記基材の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて選択することができ、例えば、平板状、ベルト状、円筒状などが挙げられる。
前記基材の構造としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、単層構造であってもよいし、積層構造であってもよい。
前記基材の平均厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、熱容量及び強度の点で、30μm〜500μmが好ましく、50μm〜150μmがより好ましい。なお、前記基材が前記金属の場合には、ベルトの撓みの点で、前記厚みは100μm以下であることが好ましい。
前記基材が前記金属の場合には、各材料の添加量と加工条件とを調整することで所望のキューリー点を得ることができ、前記キューリー点が、定着ベルトの定着温度近傍となる磁性導電性材料にて発熱層を形成することで、発熱層は電磁誘導によって過昇温されることなく加熱できる。
<その他の層>
前記その他の層としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プライマー層などが挙げられる。
−プライマー層−
前記プライマー層としては、前記弾性層と前記基材との接着強度を高めるものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シランカップリング剤、シリコーン系接着剤などが挙げられる。
(定着部材)
本発明の定着部材は、本発明の前記弾性部材を有し、更に必要に応じてその他の部材を有する。
前記定着部材の用途としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、記録媒体上に担持されているトナー像を定着する定着ベルト、定着ローラが挙げられる。
図1は、本発明における弾性部材の一種である定着ローラの一例を説明するための断面図である。
図1に記載の定着ローラ1は、芯金2の上に、テルペンに由来する構造と主鎖にケイ素原子を含む構造とを有するポリマーを含有する弾性層3が形成されている。なお、芯金2に弾性層3を形成する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、プライマー層が形成された芯金2を金型の内部に設置し、耐熱性ゴムとテルペンとを含む液体を注入した後、加熱する方法などが挙げられる。
図2は、本発明における弾性部材の一種である定着ベルトの一例を説明するための断面図である。
図2に記載の定着ベルト1’は、剛体である前記芯金2の代わりに、前記柔軟性をもつ基材2’が用いられている以外は、定着ローラ1と同様の構成である。なお、柔軟性をもつ基材2’上に弾性層3を形成する方法としては特に限定されないが、プライマー層が形成された基材2’の上に、耐熱性ゴムとテルペンとを含む液体をダイコートにより塗布した後、加熱する方法などが挙げられる。
なお、ここでは弾性部材の一例として定着ローラと定着ベルトとを挙げたが、シート状、フィルム状などの他の形状でも用いることができる。
(定着装置)
本発明の定着装置は、本発明の前記定着部材を有し、更に必要に応じてその他の部材を有する。
前記その他の部材としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、加熱ローラ、加圧ローラ、ハロゲンヒータ、テンションローラ、サーミスタなどが挙げられる。
図3は、本発明における定着装置の一例を説明するための断面図である。
図3に記載のベルト定着装置10は、前記芯金である金属パイプ表面に耐熱性ゴムとテルペンで構成された弾性層を有する定着ローラ4と、金属パイプの内側に第1のハロゲンヒータ8aを内蔵した加熱ローラ5とを設け、これら2本のローラを、例えば、基材上に、プライマーを介して弾性層が形成された定着ベルト6を張架してなり、前記定着ローラ4が前記定着ベルト6を介して加圧ローラ7が圧接されている構造である。前記加圧ローラ7は金属パイプ表面に耐熱性ゴムで構成された弾性層を設け、内側に第2のハロゲンヒータ8bを内蔵した構成である。
前記定着ベルト6は、加熱ローラ5を前記定着ローラ4から離間する方向に付勢したり、テンションローラ(図示せず)を別途設けたりすることによって弛み無く張架される。前記加熱ローラ4及び前記加圧ローラ7の表面温度はサーミスタ9a及び9bによって検知され、所定の設定温度となるように制御されている。また、定着ローラ4と加熱ローラ5との間に張架した定着ベルト6上の温度をサーミスタ9cによっても検知することができる。
前記ベルト定着装置10を用いて、記録媒体Pに転写されたトナーTを定着させる。
(画像形成装置)
本発明の画像形成装置は、感光体と、帯電手段と、露光手段と、現像手段と、転写手段と、定着手段とを少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
なお、前記定着手段が、本発明の前記定着装置である。
<感光体>
前記感光体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、無機感光体、有機感光体などが挙げられる。なお、前記静電現像担持体の形状、構造、大きさなどについて特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記形状としては、ドラム状が好ましい。
−無機感光体−
前記無機感光体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アモルファスシリコン、セレンなどが挙げられる。これらの中でも、長寿命の点で、アモルファスシリコンが好ましい。
−有機感光体−
前記有機感光体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリシラン、フタロポリメチンなどが挙げられる。
<帯電手段>
前記帯電手段としては、前記感光体の表面を帯電させる手段であれば、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、帯電器が好ましい。
−帯電器−
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、接触帯電器、非接触帯電器などが挙げられる。
前記接触帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性乃至半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレードなどが挙げられる。
前記非接触帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用したものなどが挙げられる。
<露光手段>
前記露光手段としては、前記帯電した感光体を露光させて静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、露光器が好ましい。
−露光器−
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記感光体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系などが挙げられる。
なお、本発明においては、前記感光体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
<現像手段>
前記現像手段は、前記感光体上に形成された前記静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー乃至前記現像剤を収容し、前記静電潜像に前記トナー乃至前記現像剤を接触乃至非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好ましい。
−現像器−
前記現像器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー乃至前記現像剤を摩擦攪拌させて帯電させる攪拌器と、回転可能なマグネットローラとを有するものが好ましい。なお、前記現像器は、乾式現像方式のものであってもよいし、湿式現像方式のものであってもよい。また、前記現像器は、単色用現像器であってもよいし、多色用現像器であってもよい。
前記現像器内は、一般的に、前記トナーとキャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により前記トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。前記マグネットローラは、前記感光体近傍に配置されているため、前記マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって前記感光体の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が前記トナーにより現像されて前記感光体の表面に前記トナーによる可視像が形成される。
前記現像器に収容させる現像剤は、前記トナーを含む現像剤であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。なお、前記現像剤としては、一成分現像剤であってもよいし、二成分現像剤であってもよい。
<転写手段>
前記転写手段としては、前記感光体上に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、前記複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルトなどが挙げられる。
前記転写手段(前記第一次転写手段、前記第二次転写手段)としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができるが、前記感光体上に形成された前記トナー像を前記記録媒体側へ剥離帯電させる転写器を少なくとも有するのが好ましい。前記転写手段は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
−転写器−
前記転写器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コロナ転写器、転写ベルト、(圧力)転写ローラ、粘着転写器などが挙げられる。
前記記録媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の記録媒体などが挙げられる。
<定着手段>
前記定着手段は、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる手段であって、前記定着手段が本発明の定着装置であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、各色のトナーに対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色のトナーに対し、これを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
<その他の手段>
前記その他の手段としては、適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
−除電手段−
前記除電手段としては、前記感光体に対し除電バイアスを印加することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の除電器の中から適宜選択することができる。
−クリーニング手段−
前記クリーニング手段としては、前記感光体上に残留する前記トナーを除去することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナなどが挙げられる。
−リサイクル手段−
前記リサイクル手段としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の搬送手段などが挙げられる。
−制御手段−
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータなどの機器が挙げられる。
図4は、本発明における画像形成装置の一例を説明するための概略図である。
なお、図4において、図3と同一の構成については、同一の符号を付して、説明を省略する。
図4に記載の画像形成装置20は、ベルト定着装置10と、感光体ドラム11と、前記感光体ドラム11に接触して帯電させる帯電ローラ12と、帯電した感光体ドラム11にレーザー光Lを照射して静電潜像を形成する露光装置(不図示)と、前記感光体ドラム11に形成された静電潜像にトナーで現像してトナー像を形成する現像ローラ13と、前記感光体ドラム11に形成されたトナー像を記録媒体Pに転写する転写ローラ14と、トナー像が転写された感光体ドラム11をクリーニングするクリーニング装置15とを有する。また、前記画像形成装置20は、前記帯電ローラ12にDC電圧を印加する電源16、前記感光体ドラム11の表面電位を測定する表面電位計17を有する。
次に、前記画像形成装置20を用いて画像を形成する方法について説明する。第1に、前記感光体ドラム11を回転させながら、前記帯電ローラ12を用いて、前記感光体ドラム11に形成されている感光層(図示せず)を一様に帯電させる。第2に、前記露光装置を用いて、前記帯電した感光層にレーザー光Lを照射して静電潜像を形成する。第3に、前記現像ローラ13を用いて、前記感光層に形成された静電潜像にトナーを付着させて現像してトナー像を形成する。第4に、前記転写ローラ14を用いて、前記感光層に形成されたトナー像を記録媒体に転写する。第5に、前記ベルト定着装置10を用いて、前記記録媒体に転写されたトナー像を、前記記録媒体に定着させる。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
(実施例1)
内径が60mm、幅が400mm、平均厚みが0.1mmのポリイミド製のシームレスベルトの表面に、シリコーンゴム用プライマー(製品名:DY39−067、東レ・ダウコーニング社製)を塗布した後、常温で30分間風乾し、150℃で30分間加熱した。得られたシームレスベルトをマンドレルに固定した状態で、シリコーンゴムコンパウンド(製品名:DY35−2083、東レ・ダウコーニング社製)100質量部にリモネンを3質量部添加した混合液中に浸漬し、ディッピングにより塗工液層を形成した。次いで、150℃で10分間加熱した後、シームレスベルトを脱型し、200℃で4時間加熱して、定着ベルト10cmあたりの10点平均厚みが200μmである弾性層を形成して定着ベルトを作製した。なお、前記10点平均厚みの測定は、マイクロメータ(製品名:ソフトタッチマイクロCLM、ミツトヨ社製)を用いて測定した。
(実施例2)
実施例1において、リモネンの添加量を0.1質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例2の定着ベルトを得た。なお、実施例2の弾性層の定着ベルト10cmあたりの10点平均厚みは、210μmであった。
(実施例3)
実施例1において、リモネンの添加量を5質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例3の定着ベルトを得た。なお、実施例3の弾性層の定着ベルト10cmあたりの10点平均厚みは、205μmであった。
(実施例4)
実施例1において、リモネンの添加量を10質量部に変えた以外は、実施例1と同様にして実施例4の定着ベルトを得た。なお、実施例4の弾性層の定着ベルト10cmあたりの10点平均厚みは、190μmであった。
(実施例5)
実施例1において、リモネンの代わりにβ−ミルセンを3質量部添加した以外は、実施例1と同様にして実施例5の定着ベルトを得た。なお、実施例5の弾性層の定着ベルト10cmあたりの10点平均厚みは、200μmであった。
(実施例6)
実施例1において、リモネンの代わりにスクアレンを3質量部添加した以外は、実施例1と同様にして実施例6の定着ベルトを得た。なお、実施例6の弾性層の定着ベルト10cmあたりの10点平均厚みは、200μmであった。
(実施例7)
実施例1において、シリコーンゴム用プライマー及びシリコーンゴムコンパウンドの代わりに、それぞれ含フッ素系樹脂プライマー(製品名:プライマーZ、信越化学工業社製)及びフルオロカーボンシロキサンゴムコンパウンド(製品名:SIFEL3400、信越化学工業社製)を用いた以外は、実施例1と同様にして、実施例7の定着ベルトを作製した。なお、実施例7の弾性層の定着ベルト10cmあたりの10点平均厚みは、195μmであった。
(比較例1)
実施例1において、リモネンを添加しない以外は、実施例1と同様にして、比較例1の定着ベルトを作製した。なお、比較例1の弾性層の定着ベルト10cmあたりの10点平均厚みは、200μmであった。
(比較例2)
実施例1において、リモネンの代わりに、シリコーンオイル(製品名:KF−96−100cs、信越化学工業社製)を5質量部、シリコーンゴムコンパウンド(製品名:KE−1950−40、信越化学工業社製)100質量部に対して添加した以外は、実施例1と同様にして、比較例2の定着ベルトを作製した。なお、比較例2の弾性層の定着ベルト10cmあたりの10点平均厚みは、200μmであった。
<定着部材の表面硬度>
得られた定着ベルトを用いて、微小硬度計(製品名:フィッシャースコープH100、ヘルムートフィッシャー社製)にてマルテンス硬度と弾性仕事率とを測定した。なお、測定条件は、以下の通りである。
<<測定条件>>
温度:25℃(室温)
圧子:ビッカース圧子(対面角度136度の四角錐形状)
荷重:最大50mN
押し込み深さ:最大20μm
荷重プロファイル:10秒間かけて0mNから50mNまで増大(押込み)、10秒間保持した後、10秒間かけて50mNから0mNまで減少(引上げ)。
前記測定の結果を表1に示す。
実施例1〜7の定着ベルトは、比較例1の定着ベルトに比べて、いずれもマルテンス硬度が小さかった。また、テルペン類の添加で硬度は下がったが、弾性仕事率は、ほとんど下がらないことが分かった。一方、比較例2は、硬度が著しく低くなったが、弾性仕事率も著しく低下した。これらの現象の原因は明確ではないが、テルペン類の不飽和結合の一部がポリマーのビニル基と同様に架橋されることで、低分子の軟化剤として振る舞いつつも、見かけ上の架橋密度が増大することで弾性仕事率を保持することができたと予想される。
<定着部材の評価方法>
評価条件は以下の通りである。
<<評価条件>>
複写機:RICOH imagio MP C2500
複写原稿:ベタ画像(シアン、600dpi、画像面積率100%)
複写モード:フルカラー、片面
記録媒体:フルカラーPPC用紙 TYPE6000 サイズ:A4T目(リコー社 製)
トナー:imagioスポットトナーC3000(シアン、リコー社製)
以上の条件のもと、実施例1〜8及び比較例1〜2で得られた定着ベルトを、RICOH imagio MP C2500(リコー社製)の定着ベルトと交換して複写を行った。
<定着画像の画質評価>
前記評価条件で出力した1,000枚目の画像において、光沢ムラの有無を目視により確認した。光沢ムラがほとんど発生しなかったレベルを○、若干の光沢ムラは発生したが実用には支障がないレベルを△、光沢ムラが発生し実用に支障が出るほどのレベルを×として判定した。
以上の評価結果を表2に示す。
<ベルトの耐久性評価>
前記定着画像の画質評価後のベルト表面におけるキズや摩耗の発生といった異常を目視にて確認し、異常がほとんど発生しなかったレベルを○、若干の異常は発生したが実用には支障がないレベルを△、異常が発生し実用に支障が出るほどのレベルを×として判定した。
以上の評価結果を表2に示す。
比較例1の定着ベルトでは定着画像の表面に実用に支障が出るほどの光沢ムラがあったが、定着ベルトの表面には、キズや摩耗といった異常は見られなかった。これは、マルテンス硬度も弾性仕事率も実施例より大きいため、耐久性には優れるものの凹凸追従性が不足していることが原因であると考えられる。
また、比較例2の定着ベルトでは光沢ムラのない均一な画像が得られたものの、紙の端部が当たる部分の周方向に実用に支障が出るほどのキズが付いていた。これは、添加剤によってゴム硬度が低下し凹凸追従性が向上したものの、ゴムの弾性仕事率が低下したことで耐久性が悪化し、出力枚数の増加に伴って定着ベルトの表面にキズ及び摩耗が発生したことが原因であると考えられる。
一方、実施例1〜7の定着ベルトを用いると、1,000枚出力しても光沢ムラが少なく、均一な画像が得られた。また、定着ベルトの表面には、キズ及び摩耗の異常が少なかった。実施例2は、テルペンの添加量が0.1質量部であり、テルペンの添加量が少ないため、若干光沢ムラにおいて実施例1に比べると若干劣るが、実用に問題ない程度であった。実施例3及び4は、テルペンの添加量が5質量部及び10質量部であり、テルペンの添加量が多いため、実施例1に比べて、若干定着ベルトの表面にキズ及び摩耗が発生したが、実用に問題ない程度であった。
以上の結果より、弾性層にテルペン類に由来する構造と主鎖にケイ素原子を含む構造とを有するポリマーを含有させると、ゴムの耐久性を損なわずに弾性層を軟化させられるため、記録媒体表面の凹凸に対する追従性が向上し、長期に亘ってムラのない高画質な定着画像を出力する弾性部材を提供できることがわかった。
本発明の態様は、例えば、以下のとおりである。
<1> 画像形成装置に用いられる弾性部材であって、基材と、前記基材上に弾性層とを有し、前記弾性層が、テルペンに由来する構造と主鎖にケイ素原子を含む構造とを有するポリマーを含有することを特徴とする弾性部材である。
<2> テルペンに由来する構造と主鎖にケイ素原子を含む構造とを有するポリマーが、主鎖にケイ素原子を含む構造を有するポリマーとテルペンとを混合して得られる前記<1>に記載の弾性部材である。
<3> 混合におけるテルペンの添加量が、主鎖にケイ素原子を含む構造を有するポリマー100質量部に対して0.1質量部〜10質量部である前記<2>に記載の弾性部材である。
<4> テルペンが、2つ以上の炭素不飽和結合を有する前記<1>から<3>のいずれかに記載の弾性部材である。
<5> テルペンが、リモネンである前記<1>から<4>のいずれかに記載の弾性部材である。
<6> 前記<1>から<5>のいずれかに記載の弾性部材を有し、記録媒体上に担持されているトナー像を定着可能であることを特徴とする定着部材である。
<7> 定着ローラ及び定着ベルトの少なくともいずれかである前記<6>に記載の定着部材である。
<8> 前記<6>から<7>のいずれかに記載の定着部材を有することを特徴とする定着装置である。
<9> 感光体と、前記感光体を帯電させる帯電手段と、前記帯電した感光体を露光させて静電潜像を形成する露光手段と、前記感光体上に形成された前記静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段と、前記感光体上に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記定着手段が、前記<8>に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置である。
1 定着ローラ
1’ 定着ベルト
2 芯金
2’ 基材
3 弾性層
4 定着ローラ
5 加熱ローラ
6 定着ベルト
7 加圧ローラ
8a、8b ハロゲンヒータ
9a、9b、9c サーミスタ
10 ベルト定着装置
11 感光体ドラム
12 帯電ローラ
13 現像ローラ
14 転写ローラ
15 クリーニング装置
16 電源
17 表面電位計
20 画像形成装置
L レーザー光
T トナー像
P 記録媒体
特開2007−86754号公報

Claims (9)

  1. 画像形成装置に用いられる弾性部材であって、
    基材と、前記基材上に弾性層とを有し、
    前記弾性層が、テルペンに由来する構造と主鎖にケイ素原子を含む構造とを有するポリマーを含有することを特徴とする弾性部材。
  2. テルペンに由来する構造と主鎖にケイ素原子を含む構造とを有するポリマーが、主鎖にケイ素原子を含む構造を有するポリマーとテルペンとを混合して得られる請求項1に記載の弾性部材。
  3. 混合におけるテルペンの添加量が、主鎖にケイ素原子を含む構造を有するポリマー100質量部に対して0.1質量部〜10質量部である請求項2に記載の弾性部材。
  4. テルペンが、2つ以上の炭素不飽和結合を有する請求項1から3のいずれかに記載の弾性部材。
  5. テルペンが、リモネンである請求項1から4のいずれかに記載の弾性部材。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載の弾性部材を有し、記録媒体上に担持されているトナー像を定着可能であることを特徴とする定着部材。
  7. 定着ローラ及び定着ベルトの少なくともいずれかである請求項6に記載の定着部材。
  8. 請求項6から7のいずれかに記載の定着部材を有することを特徴とする定着装置。
  9. 感光体と、
    前記感光体を帯電させる帯電手段と、
    前記帯電した感光体を露光させて静電潜像を形成する露光手段と、
    前記感光体上に形成された前記静電潜像をトナーで現像してトナー像を形成する現像手段と、
    前記感光体上に形成された前記トナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
    前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、前記定着手段が、請求項8に記載の定着装置であることを特徴とする画像形成装置。
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