JP5228523B2 - 定着部材、それを用いた定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

定着部材、それを用いた定着装置及び画像形成装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5228523B2
JP5228523B2 JP2008039986A JP2008039986A JP5228523B2 JP 5228523 B2 JP5228523 B2 JP 5228523B2 JP 2008039986 A JP2008039986 A JP 2008039986A JP 2008039986 A JP2008039986 A JP 2008039986A JP 5228523 B2 JP5228523 B2 JP 5228523B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fixing
fixing member
image
roller
toner
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2008039986A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009198788A (ja
Inventor
潤一郎 名取
將浩 谷内
玄章 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Ricoh Co Ltd filed Critical Ricoh Co Ltd
Priority to JP2008039986A priority Critical patent/JP5228523B2/ja
Publication of JP2009198788A publication Critical patent/JP2009198788A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5228523B2 publication Critical patent/JP5228523B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、電子写真方式の複写機、レーザープリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置に用いられる定着部材、それを用いた定着装置及び画像形成装置に関する。
近年、複写機やプリンタ等の画像形成装置はカラー化の傾向にあり、その割合は徐々に高まりつつある。カラー画像形成装置は、少なくとも記録媒体上に形成された4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のトナー像を加熱する加熱手段と、トナー像を記録媒体上に定着させる定着部材と、前記定着部材と定着ニップを形成する加圧部材とを備え、トナー像が形成された記録媒体が定着ニップを通過する際に加熱および加圧されることによって定着画像が記録媒体上に形成されるものである。
かかる定着部材としては、ベルト形状又はローラ形状のものがあり、いずれも基体となる樹脂製のシームレスベルト又は金属ローラの上に耐熱性ゴムなどからなる弾性層、又は該耐熱層の上に離型層を設けたものなどが用いられている。なお、ローラ形状の定着部材には、加熱手段を内部に組み込んで一体としたもの(加熱定着ローラ)が一般に使用されており、また、ベルト形状の定着部材にもベルトが掛け回されたローラ内部には加熱手段が組み込まれているものがある。
しかるに、前記定着部材はその定着部材により加熱され溶融状態とされたトナー像と接触することから、トナー像の一部が定着部材の表面に転移する、いわゆるオフセットを生じ易い。また、定着時に溶融したトナーによって記録媒体が定着部材へ巻き付く現象、いわゆるジャムを起こすことがある。これらの現象は定着画像の汚染、部材や装置の故障につながることから、定着部材とトナーとの離型性および定着画像の分離性を向上させるべく、定着部材には様々な工夫が施されている。
例えば、十点平均粗さRzが1〜100μmで、凹凸の平均間隔が1〜100μmであるような表面を有する熱定着ローラ(例えば特許文献1)が提案されているが、トナーの粒径と凹凸の形状によっては凹部にトナーが入り込んでオフセットが生じることもあり、また定着画像の分離性は十分でないといった課題が残っている。
一方で、加熱ローラと加圧ローラによってトナー像の定着を行う定着装置において、加熱ローラの製品硬度よりも加圧ローラの製品硬度を高く設定することでジャムを防ぐ方法(例えば特許文献2)が提案されているが、最表面がフッ素樹脂であるので記録媒体表面の凹凸に対する追従性に劣り画質にムラが生じるといった課題がある。
また、前記特許文献1の定着部材の表面に凹凸を設ける考え方を押し進めるものとして、加熱定着部材の記録媒体当接面側表面の算術平均粗さRaと、平均凹凸高さRcと、局部山頂の平均間隔Sと、トナーの体積平均粒径Rtと、画素の最短径Dminとの関係が、Ra<Rc、0.1Rt≦Rc≦Rt及びS≦Dminなる関係を有することによりトナーの記録媒体への定着効率及び定着後の記録媒体の分離性能を向上させることが提案されている(特許文献3参照)。
特開平01−29882号公報 特開2003−295664号公報 特開2005−195967号公報
本発明は、上記従来技術に鑑みてなされたもので、トナーとの離型性、定着画像の分離性に優れ、且つムラの無い高画質な定着画像を形成可能な定着部材、それを用いた定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、定着部材が耐熱性ゴムから構成された最表層を有し、該最表層に前記耐熱性ゴムからなる特定の形状の凹凸が形成されている場合には、定着部材に対するトナーとの離型性が優れ、定着画像が分離し易く、且つムラの無い高画質な定着画像を形成できるという事実を見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、請求項1に記載の発明は、トナー像を記録媒体上に定着させる定着部材であって、該定着部材のトナー像の接する面がシリコーンゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、フロロシリコーンゴムの群から選ばれる1種以上のゴムから形成されていると共に凹凸を有し、該凹凸の形状が波状であり、且つ該凹凸の凹部と凸部が千鳥格子状に並んでいることを特徴とする。
なお、本発明における定着部材とは、ローラ、ベルト、シート等を指し、特に明記されない限り形状は限定されない。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の定着部材を有する定着装置であることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の定着装置を有する画像形成装置であることを特徴とする。
本発明によれば、トナーとの離型性、定着画像の分離性に優れ、且つムラの無い高画質な定着画像を形成可能な定着部材を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、上述のように、トナー像を記録媒体上に定着させる定着部材であって、該定着部材のトナー像の接する面がシリコーンゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、フロロシリコーンゴムの群から選ばれる1種以上のゴムから形成されていると共に凹凸を有し、該凹凸の形状が波状であり、且つ該凹凸の凹部と凸部が千鳥格子状に並ばせることによって、トナーとの離型性、定着画像の分離性に優れ、且つムラの無い高画質な定着画像を形成可能な定着部材を得たものである。
すなわち、定着部材において、トナー像の接する面が凹凸を有する耐熱性ゴムで形成されているので、トナーが定着部材から剥離される際に垂直抗力が緩和されて見かけ上の剥離力が小さくなるためトナーのオフセットが起こりにくく、且つ凸部が弾性的に回復するため定着画像が定着部材から自然に剥がれ易くジャムが起こりにくい定着部材を提供することが可能となる。また、トナー像の接する面が耐熱性ゴムで形成されているため、記録媒体表面の凹凸に対して柔軟に追従してムラの無い高画質な定着画像を提供することが可能となる。
特に凹凸の形状が波状であるので、トナー像を定着する際に凸部が潰れても座屈しないため、より均一で高画質な画像を形成することができる。また、座屈を防ぐことで、空隙にトナーが入り込んでオフセットが起こることも無いので、離型性にも優れることとなる。
さらに、凹凸の凹部と凸部が千鳥格子状に並んでいるので、トナー像を定着する際に凸部が潰れても隣接する凹部によって圧力が分散されるので、さらに均一で高画質な定着画像を形成することができる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
図1(a)は本発明1における一実施形態である定着部材の構成を示す断面図である。定着部材(1)は、基材(2)の上に、ここでは図示しないプライマー層を介して、耐熱性ゴムで構成された弾性層(3)を順次設けてある。
なお、図1(a)は単独の弾性層(3)のみから構成された定着部材の一例だが、トナー像の接する面が前記耐熱性ゴムで構成されていれば、例えば図1(b)のように異なる材料からなる中間層(4)が設けられていても構わない。
ここで、定着部材最表面の凹凸について、詳しく説明する。
図2(a)及び(b)は、請求項1における一実施形態である定着部材の構成を示し、(a)は定着部材の軸方向に凹凸の形状が波状を有することを示す断面図であり、(b)は凹凸の凹部(52)と凸部(51)が千鳥格子状に並んでいる定着部材のことを示す斜視説明図である。
なお、本発明において凹凸の形状が波状であるというのは、図2(a)に示したように、凹凸の表面に稜線や平面を有さず、また、凸部(51)の水平方向の断面形状が円形であり、その断面積が頂部に向かうほど小さくなる形状を意味する。したがって、凸部(51)の最も高いところ(頂点)は尖っておらず椀状を呈しており、同様に、凹部(凸部間にある空間52)の最も低いところ(底)も椀状を呈している。
また、凹凸の凹部(52)と凸部(51)が千鳥格子状に並んでいるというのは、図2(b)のように、前記定着部材の凹部(52)と凸部(51)が交互に位置している形状の繰り返しであることを意味する。
ここで、凸部(51)及び凹部(52)は耐熱性ゴムで弾性層(3)を成型するときに所期の形状を象った金型、例えば表面に図2に示す凹凸が千鳥格子状に並んでいる金型を用いることにより、弾性層(3)及び凸部(51)、凹部(52)を同時に形成してもよいし、又はローラ状やベルト状に成型した定着部材(1)の弾性層(3)を切削して凸部(51)及び凹部(52)を形成してもよいし、又は所期の形状に成型した凸部(51)及び凹部(52)を有する部材を弾性層(3)の表面に接着させてもよい。なお、この凸部(51)及び凹部(52)を有する部材を接着する場合には、この部材を構成する耐熱性ゴムは接着性を考慮して弾性層(3)と同様の組成であることがより好ましい。
また、凸部(51)のゴム硬度は、画質を重視する場合には、弾性層(3)よりも低く設定することが好ましい。なぜなら、定着ニップ内で凸部(5)が優先的に潰れて均一に加圧できるため、定着画像にムラが生じにくいからである。一方、定着画像の分離性を重視する場合には、凸部(51)のゴム硬度は弾性層(3)と同等以上に設定することが好ましい。なぜなら、定着ニップ内で潰れた凸部がより早く復元するため、定着画像の分離性が向上するからである。
なお、前記凹凸は、間隔が広く、高低差が少ない方が画質には有利であるため、凹部を介して隣接する凸部の頂点の間隔は100μm以上であることが好ましく、200μm以上であるのがより好ましい。また、凸部の頂点と凹部の底との高低差は10μm以下であることが好ましく、5μm以下であるのがより好ましい。
次に本発明の定着部材を作製する方法について述べる。
定着部材(1)が定着ベルトである場合には、基材(2)としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の樹脂、またはニッケルやステンレス等の金属からなるシームレスベルトが好ましく用いられる。
定着ベルトの弾性層(3)及び凸部(51)、凹部(52)を、同時に成型する場合は、例えば、ここでは図示しないプライマー層を塗工したベルト基材(2)をマンドレルに固定し、図2に準じた形状の凹凸が、図2(b)のように千鳥格子状に配列された内面形状を有する金型に挿入して同軸上に設置し、キャビティに耐熱性ゴムを注入し、その状態で1次加硫を行った後、ベルトを脱型し、2次加硫を行い、定着ベルトとする。
また、定着部材(1)が定着ローラである場合には、基材(2)としては、アルミニウム、ステンレススチール、真鍮、銅等の金属、またはガラスやセラミックス等からなる中空パイプが好ましく用いられる。
定着ローラの弾性層(3)及び凸部(5)、凹部(52)を、同時に成型する場合は、例えば、図2(a)に準じた形状の凹凸が、図2(b)のように千鳥格子状に配列された内面形状を有するローラ成型用金型の内部に、弾性層(3)との接着性をより強固にするためにシランカップリング剤やシリコーン系接着剤等のプライマー処理を行った芯金(2)を設置して、次いでキャビティに耐熱性ゴムを圧入し、これを硬化させる。その後、金型からゴムローラを取り出し、必要に応じて2次加硫するような金型加圧成型法が挙げられる。
弾性層(3)と、凸部(5)及び凹部(52)とを別々に成型する場合は、基材(2)上にここでは図示しないプライマー層を介して耐熱性ゴムの溶液等を塗工することによって塗布層を形成し、その後耐熱性ゴムを硬化させて形成することができる。また、塗工方法としては、有機溶剤等によって前記耐熱性ゴムの溶液を調製することで、スプレーコート、ブレードコート、ディッピングコート、インジェクション等、あるいはプレス成型等を用いることができる。なお、弾性層(3)の厚さとしては最も薄い部分で0.1〜2mmであることが好ましい。0.1mm以下の場合には、定着時に記録媒体表面の凹凸に対する追従性が低下したり、十分なニップ幅を形成することが出来なくなり、トナーを均一に溶融して定着することが出来ないので好ましくない。一方、弾性層(3)の厚さが2mmを超えると定着部材の熱容量が大きくなりウォームアップ時間が長くなる等、省エネの観点から不利となるので好ましくない。
本発明における耐熱性ゴムとは、主にエラストマーからなる組成物のことを指しており、その中には本発明の効果を損なわない範囲であれば、目的に応じて充填剤、老化防止剤、着色剤、可塑剤、ワックス、オイル等の添加剤を任意に添加することができる。また、前記耐熱性ゴムとしては、前述した形状を保持できるものであれば、エラストマーの種類や、その製造方法等は特に制限されないが、耐熱性やトナーに対する離型性の観点からシリコーンゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、フロロシリコーンゴムの群から選ばれる1種以上のエラストマーから構成されていることが好ましい。
シリコーンゴムの一例としては、少なくとも下記化1の一般式で表される構造を有するオルガノポリシロキサンを含む組成物であり、例えばKE1950−30(信越化学工業社製)、DY35−2083(東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられる。
Figure 0005228523
また、フルオロカーボンシロキサンゴムの一例としては、少なくとも下記化2の一般式[式中、R1は非置換または置換の一価炭化水素基、xは1以上の整数、a、eはそれぞれ0または1、b、dはそれぞれ1〜4の整数、c=0〜8の整数]で表される構造を有するポリオルガノシロキサンを含む組成物であり、例えばSIFEL3400(信越化学工業社製)等が挙げられる。
Figure 0005228523
また、フロロシリコーンゴムの一例としては、少なくとも下記化3の一般式で表される構造を有するオルガノポリシロキサンを含む組成物であり、例えばX36−420(信越化学工業社製)、FSE7540、FSL7641(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製)、SE−1541−U(東レ・ダウコーニング社製)等が挙げられる。
Figure 0005228523
図4は本発明による定着ローラを備えた定着装置を組み込んだ画像形成装置(例えば、複写機やレーザープリンタ等)の一例を説明するための概略構成図である。
図4において、画像形成装置(100)は、静電潜像が形成される像担持体(101)、像担持体(101)に接触して帯電処理を行う帯電ローラ(102)、レーザービーム等の露光装置(103)、像担持体(101)上に形成された静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ(104)、帯電ローラ(102)にDC電圧を印加するためのパワーパック(105)、像担持体(101)上のトナー像を紙(107)に転写処理する転写ローラ(106)、転写処理後の像担持体(101)をクリーニングするためのクリーニング装置(108)、像担持体(101)の表面電位を測定する表面電位計(109)、並びに定着ローラ(111)及び加圧ローラ(112)からなる定着装置(110)によって構成されている。
この画像形成装置(100)では、回転する像担持体(101)の感光層を帯電ローラ(102)を用いて一様に帯電させた後にレーザービーム等の露光装置(103)で露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーによって現像してトナー像とし、このトナー像を転写媒体(107)上に転写する。そして、このトナー像を有する転写媒体(107)を定着ローラ(111)及び加圧ローラ(112)からなる定着装置(110)に通過させ、転写媒体(107)上に付着しているトナー像を定着ローラ(111)の熱により軟化させつつ加圧して転写媒体(107)上に定着させ、排紙部へと排紙するように構成されている。この場合、定着ローラ(111)としては、本発明の定着部材が好適に用いられる。図3の構成では、定着部材はローラ形状であるが、ベルト形状でも勿論かまわない。ベルト形状の定着装置については次に説明する。
図5は本発明による定着ベルトを備えた定着装置を組み込んだ画像形成装置の一例を説明するための概略構成図である。
図5の画像形成装置(120)において、(121)は像担持体、(122)は帯電装置、(123)はレーザー書き込みユニット、(124)は現像装置、(125)は転写ローラである。また、図中(126)は給紙ユニット、(127)は給紙ローラ、(128)はレジストローラ対、(129)は転写媒体、(130)はクリーニング装置、(131)は定着装置、(132)は排紙部を示す。なお、定着装置(131)の定着ベルトは、例えば、ポリイミドのシームレスベルトの表面にプライマーを介してシリコーンゴムからなる弾性層と図2(a)で示される波状の凹凸を有するベルトから構成されている。
像担持体(121)は、図示しない駆動手段により図中矢印方向に回転駆動され、帯電装置(122)によりその表面が一様に帯電され、次いでレーザー書き込みユニット(123)からの露光により表面に潜像が形成される。この潜像は、現像装置(124)によって可視像化され、給紙ユニット(126)から給紙ローラ(127)やレジストローラ対(128)等を介して供給される転写媒体(129)上に、転写ローラ(125)によって転写される。トナー像転写後に像担持体(121)表面上に残留するトナーはクリーニング装置(130)によって除去される。トナー像を転写された転写媒体(129)は、定着装置(131)へ導入され、加熱、加圧によってトナー像が転写媒体(129)上に定着され、その後排紙部(132)へと排紙される。
次に本発明における定着部材の一例として定着ベルトを組み込んだ定着装置の例を、図6により説明する。図6に示すように、金属パイプ表面に耐熱性ゴムで構成された弾性層を有する定着ローラ(8)と、金属パイプの内側に第1のハロゲンヒータ(10a)を内蔵した加熱ローラ(7)とを設け、これら2本のローラ間に、例えば、ポリイミドのシームレスベルトの表面にプライマーを介してシリコーンゴムからなる弾性層が形成され、その表面が図2に示すような表面形状を有する定着ベルト(6)を張架する。定着ローラ(8)には、定着ベルト(6)を介して加圧ローラ(9)が圧接されている。加圧ローラ(9)は金属パイプ表面に耐熱性ゴムで構成された弾性層を設け、内側に第2のハロゲンヒータ(10b)を内蔵した構成である。
定着ベルト(6)は、加熱ローラ(7)を定着ローラ(8)から離間する方向に付勢したり、図示しないテンションローラを別途設けたりすることによって弛み無く張架される。加熱ローラ(7)や加圧ローラ(9)の表面温度はセンサー(11a)、(11b)によって検知され、所定の設定温度となるように制御されている。また、加熱ローラ(7)の表面温度検知は、加熱ローラ(7)、定着ローラ(8)間に張架した定着ベルト(6)上の温度をセンサー(11c)により検知することもある。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
〔実施例1〕
(定着ベルトの作製)内径60mm、幅400mm、厚さ0.1mmのポリイミド製シームレスベルトの表面にシリコーンゴム用プライマー(東レ・ダウコーニング社製、DY39−067)を厚さが0.5μmとなるように塗工し、常温で30分風乾後、150℃で30分加熱した。次いで、プライマー処理したベルト基材をマンドレルに固定し、次のカッコ内で示す仕様で作製した金型(すなわち、図3はこの実施例で用いた金型の凸部の配列を示す。隣接する凸部の頂点(図3における黒丸)を通る断面(図3における点線)の形状が正弦波状であり、凸部頂点間の距離(L)が100μm、凸部の頂点と凹部の底との高低差が5μmである。なお、角度Aは60度である。)に挿入して同軸上に設置し、キャビティにシリコーンゴム(東レ・ダウコーニング社製、DY35−2083)を注入した。その状態で150℃×10分間の1次加硫を行った後でベルトを脱型し、200℃×4時間の2次加硫を経て定着ベルトを得た。
〔実施例2〕
前記シリコーンゴム用プライマーの代わりに、含フッ素系樹脂プライマー(信越化学工業社製、プライマーZ)を、また前記シリコーンゴムの代わりに、フルオロカーボンシロキサンゴム(信越化学工業社製、SIFEL3400)を用いた以外は実施例1と同じ工程を経て定着ベルトを得た。
〔実施例3〕
前記フルオロカーボンシロキサンゴムの代わりに、フロロシリコーンゴム(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社、FSL7641)を用いた以外は実施例2と同じ工程を経て定着ベルトを得た。
〔比較例1〕
前記金型の代わりに、図7に示す凸部が正四角錐形状で千鳥格子状に配列された内面形状を有する金型(ただし、凹部は平坦であり、この平坦部と凸部の頂点との高低差が5μmであり、かつ平坦部を介して隣接する凸部の頂点の間隔が100μmである。)を用いた以外は実施例1と同じ工程を経て定着ベルトを得た。
〔比較例2〕
前記金型の代わりに内面に凹凸のない金型を用いた以外は実施例1と同じ工程を経て得られた定着ベルトの上に、フッ素系樹脂含有プライマーをスプレーコートした後、自然乾燥させて厚さ2μmのプライマー層を形成した。さらに、このプライマー層の上に、PFAの水分散液(三井・デュポンフロロケミカル社製、PFA945HP−Plus)をスプレーコートして厚さ30μmの塗布層を形成し、この塗布層を340℃で30分間焼成して定着ベルトを得た。
(トナーとの離型性および紙の分離性の評価)
上記により得られた実施例及び比較例の定着ベルトについてトナーとの離型性及び紙の分離性の評価を行った。
評価条件は以下の通りである。
複写機:PICOH imagio MP C2500 改造機(クリーニング装置なし)
複写原稿:ベタ画像(シアン、600dpi、100%)
複写モード:フルカラー、片面
記録媒体:再生紙、マイリサイクルペーパー100、A4サイズ(リコー社製)
評価間隔:複写枚数が最初の1000枚までは200枚ごとに、その後5000枚までは1000枚ごと。
トナー:imagioスポットトナーC3000(シアン、リコー社製)
以上の条件のもと、実施例1〜3および比較例1〜2で得られた定着ベルトを組み込んで複写を行い、前記評価条件の複写枚数に達した時点で、定着部材表面を目視で観察してトナーオフセットの有無を確認した。さらに、白紙を通紙して定着部材表面から紙に転写されたトナーの有無を目視により確認した。なお、定着部におけるジャム発生の有無も確認した。
評価基準は次の通りとした。
○:トナーのオフセットもジャムも起こらなかった
×:トナーのオフセットまたはジャムが起こった
(画質の評価)上記の条件で出力した200枚目の画像について、画質のムラを目視によって確認した。
○:画像に画質のムラは見られなかった
×:画像に画質のムラが見られた
評価結果は、次の表1の通りであった。
Figure 0005228523
実施例1〜3については、5000枚の複写を終えてもトナーのオフセットやジャムは見られなかった。一方、比較例1については、ジャムは発生しなかったが、200枚の複写後には凸部の周辺にトナーオフセットが確認された。また、比較例2についてもジャムは発生しなかったが、複写枚数が3000枚を超えたあたりからトナーオフセットが確認された。
また、実施例1〜3については出力した画像にムラが見られなかったが、比較例1については、画質のムラが確認された。光学顕微鏡で定着画像を観察したところ、凸部の形状に沿って光沢の異なる部分が存在することが確認された。比較例2については、再生紙の凹凸に沿った画質のムラが確認された。
実験結果である表1から分かるように、本発明の定着部材は比較例に比べてトナーとの離型性、定着画像の分離性に優れており、且つムラの無い高画質な定着画像が得られることが確認された。
本発明の実施形態の1つである定着部材の構成を示す断面図である。 (a)、(b)はいずれも本発明の実施形態の1つである定着部材最表面の軸方向の拡大断面図、拡大斜視断面図であり、(a)は凹凸が波状、(b)は凹凸の凹部と凸部が千鳥格子状に並んでいることを示す。 実施例で使用した金型の凸部の配列を示す説明図である。 本発明におけるローラ定着装置を組み込んだ電子写真方式の画像形成装置の一例を説明するための概略構成図である。 本発明におけるベルト定着装置を組み込んだ電子写真方式の画像形成装置の一例を説明するための概略構成図である。 本発明における定着ベルトを組み込んだベルト定着装置の概略構成図である。 比較例で用いた定着部材最表面の軸方向の拡大断面図である。
符号の説明
(図1、図2について)
1 定着部材
2 基材
3 弾性層
4 中間層
51 凸部
52 凹部
(図4について)
100 画像形成装置
101 像担持体
102 帯電ローラ
103 露光装置
104 現像ローラ
105 パワーパック
106 転写ローラ
107 転写媒体
108 クリーニング装置
109 表面電位計
110 定着装置
111 定着ローラ
112 加圧ローラ
(図5について)
120 画像形成装置
121 像担持体
122 帯電装置
123 レーザー書き込みユニット
124 現像装置
125 転写ローラ
126 給紙ユニット
127 給紙ローラ
128 レジストローラ対
129 転写媒体
130 クリーニング装置
131 定着装置
132 排紙部
(図6について)
6 定着ベルト
7 加熱ローラ
8 定着ローラ
9 加圧ローラ
10a、10b ハロゲンヒータ
11a、11b、11c 温度センサー
(図7について)
2 基材
3 弾性層
51 凸部
52 凹部

Claims (3)

  1. トナー像を記録媒体上に定着させる定着部材であって、該定着部材のトナー像の接する面がシリコーンゴム、フルオロカーボンシロキサンゴム、フロロシリコーンゴムの群から選ばれる1種以上のゴムから形成されていると共に凹凸を有し、該凹凸の形状が波状であり、且つ該凹凸の凹部と凸部が千鳥格子状に並んでいることを特徴とする定着部材。
  2. 請求項1に記載の定着部材を有することを特徴とする定着装置。
  3. 請求項2に記載の定着装置を有することを特徴とする画像形成装置。
JP2008039986A 2008-02-21 2008-02-21 定着部材、それを用いた定着装置及び画像形成装置 Active JP5228523B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008039986A JP5228523B2 (ja) 2008-02-21 2008-02-21 定着部材、それを用いた定着装置及び画像形成装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008039986A JP5228523B2 (ja) 2008-02-21 2008-02-21 定着部材、それを用いた定着装置及び画像形成装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009198788A JP2009198788A (ja) 2009-09-03
JP5228523B2 true JP5228523B2 (ja) 2013-07-03

Family

ID=41142339

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008039986A Active JP5228523B2 (ja) 2008-02-21 2008-02-21 定着部材、それを用いた定着装置及び画像形成装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5228523B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5440895B2 (ja) * 2008-06-10 2014-03-12 株式会社リコー 定着部材、それを用いた定着装置及び画像形成装置
JP6249585B2 (ja) * 2011-06-20 2017-12-20 株式会社リコー 定着部材、定着装置及び画像形成装置
JP5962150B2 (ja) 2012-04-02 2016-08-03 株式会社リコー 画像形成装置に用いられる弾性部材、並びに定着部材、定着装置、及び画像形成装置

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3185583B2 (ja) * 1995-01-18 2001-07-11 信越化学工業株式会社 定着ロール表層材用加熱硬化型シリコーンエラストマー組成物及び定着ロール
JP3385133B2 (ja) * 1995-06-30 2003-03-10 信越化学工業株式会社 熱定着ローラー用付加硬化型シリコーンゴム組成物及びそれを用いた熱定着用ローラー
JP2001134128A (ja) * 1999-11-10 2001-05-18 Matsushita Electric Ind Co Ltd 定着部材及び定着部材表層材料及び定着装置並びに製造方法
JP2001342319A (ja) * 2000-06-01 2001-12-14 Matsushita Electric Ind Co Ltd フッ素ゴム組成物、定着部材、定着方法、及び定着装置
JP2002062751A (ja) * 2000-08-21 2002-02-28 Nitto Denko Corp 定着装置及び定着用エンドレスベルト
JP2003076190A (ja) * 2001-09-03 2003-03-14 Canon Inc 定着装置及び画像形成装置
JP2004133129A (ja) * 2002-10-09 2004-04-30 Ricoh Co Ltd 加熱定着ローラ、その製造方法及びそれを有する定着装置、並びに、その製造に用いられる圧接ローラ
JP2005249992A (ja) * 2004-03-03 2005-09-15 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置および画像形成装置
JP2006084651A (ja) * 2004-09-15 2006-03-30 Nitto Kogyo Co Ltd 定着用回転体の製造方法
JP2007316529A (ja) * 2006-05-29 2007-12-06 Ricoh Co Ltd 定着装置、画像形成装置および定着方法
JP2008134353A (ja) * 2006-11-27 2008-06-12 Fuji Xerox Co Ltd 定着部材、その製造方法、定着装置および画像形成装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009198788A (ja) 2009-09-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8050607B2 (en) Image forming apparatus, fixing unit, and image forming method with a cleaning mechanism that contacts a tension mechanism
JP6268979B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5407158B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP4528258B2 (ja) 画像形成装置
JP5228523B2 (ja) 定着部材、それを用いた定着装置及び画像形成装置
JP3735991B2 (ja) 定着用ベルト
JP2008122431A (ja) 定着ベルト、該定着ベルトを有する定着装置及び画像形成装置
US7917070B2 (en) Intermediate transfer device and image forming apparatus using same
JP2009223291A (ja) 定着装置およびそれを備える画像形成装置
JP2008139775A (ja) 定着装置および画像形成装置
JP2002278338A (ja) 定着装置及びその定着装置を有する画像形成装置
JP7163220B2 (ja) 定着部材及び加圧部材の製造方法
JP6004893B2 (ja) 基材へのチューブ被覆方法
JP2010223417A (ja) 定着部材、定着装置、及び画像形成装置
JP6071424B2 (ja) 基材へのチューブ被覆方法
JP7009901B2 (ja) 定着ベルト、定着装置および画像形成装置
JP2006091182A (ja) 定着装置、ベルト管状体および画像形成装置
JP4600227B2 (ja) 無端ベルト、定着装置、画像形成装置、画像形成方法、および無端ベルトの製造方法
JP2005049382A (ja) 定着部材及びその製造方法並びにそれを有する画像形成装置
JP5440895B2 (ja) 定着部材、それを用いた定着装置及び画像形成装置
JP6349968B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP7326874B2 (ja) 定着装置及び定着方法
JP7147433B2 (ja) 定着装置及び画像形成装置
JP5447155B2 (ja) 定着部材、定着装置及び画像形成装置
JP2009139389A (ja) 定着装置、画像形成装置、及び定着装置の使用方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Effective date: 20101111

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Effective date: 20101130

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

A977 Report on retrieval

Effective date: 20130207

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20130219

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20130304

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160329

Year of fee payment: 3