JP5440895B2 - 定着部材、それを用いた定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、電子写真方式の複写機、プリンタ等の画像形成装置に用いられる定着部材に関するものであり、特にオイルレス方式の定着装置で好適に用いられる定着部材に関するものである。また、そのような定着部材を用いた定着装置に関するものである。
近年、複写機やプリンタ等の画像形成装置はカラー化の傾向にあり、その割合は徐々に高まりつつあると言える。カラー画像形成装置は、少なくとも記録媒体上に形成された4色(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のトナー像を加熱する加熱手段と、トナー像を記録媒体上に定着させる定着部材と、前記定着部材と定着ニップを形成する加圧部材とを備え、トナー像が形成された記録媒体が定着ニップを通過する際に加熱および加圧されることによって定着画像が記録媒体上に形成されるものである。
しかるに、前記定着部材は溶融状態のトナー像と接触することから、トナー像の一部が定着部材の表面に転移する、いわゆるオフセットを生じ易い。また、定着時に溶融したトナーによって記録媒体が定着部材へ巻き付く現象、いわゆるジャムを起こすことがある。これらの現象は定着画像の汚染、部材や装置の故障につながることから、定着部材とトナーとの離型性および定着画像の分離性を向上させるべく、定着部材には様々な工夫が施されている。
例えば、ローラコア上にポリエチレンワックスを0〜2部含有するフッ素含有エラストマーを成型した定着ローラ(例えば特許文献1)が提案されているものの、混合後に過熱工程を経由するためエラストマーからワックスが染み出してしまい所望の配合量を保持することができないという課題が残っていた。
そこで、上記課題を解決するために、ワックスと親和性の高いフッ素ゴムからなる離型層にワックスを含浸させた定着部材を用いた画像記録装置(例えば特許文献2)が提案されているが、親和性を十分に高めるほど多量のメチルシロキサン化合物はフッ素ゴムには均一に混合できず、ワックスを吸収できるほどの親和性を得ることが困難であった。
また、例えば、オイルレス定着方式に用いられるトナーで、オフセットを起こりにくくするためにポリプロピレングリコールを混合したトナー(例えば特許文献3)が提案されているが、トナー中の離型剤が定着部材の表面にある程度付着するまでは、良好な定着機能が発揮できないという課題が残っていた。
そこで、上記課題を解決するために、回転部材の表面をフッ素樹脂で被覆し、これにシリコーンオイルを塗布して後離型剤を塗布した定着器(例えば特許文献4)が提案されているものの、前記回転部材を用いた定着器では、画像を形成した枚数が増えるにつれて回転部材表面の離型剤が減少してトナーとの離型性や定着画像の分離性が低下するという課題が残っていた。
特開昭61−192535号公報 特開2000−242115号公報 特開2003−43746号公報 特開2007−86754号公報
本発明は、長期に亘ってトナーとの離型性や定着画像の分離性に優れ、且つ均一な光沢を有する定着画像を形成できる定着部材を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究した結果、定着部材の最表層がワックスを含有する耐熱性ゴムで構成されている場合には、トナーとの離型性が優れ、定着画像が分離し易く、且つムラの無い高画質な定着画像を長期に亘って形成できるという事実を見出し、本発明を完成するに至った。
上記課題は以下の(1)〜(5)の発明(以下、本発明1〜5という)によって解決される。なお、本発明における定着部材とは、ローラ、ベルト、シート等を指し、特に明記されない限り形状は限定されない。
(1)電子写真方式の画像形成装置においてトナー像を記録媒体上に定着させる定着部材であって、基材上に少なくとも弾性層が設けられ、該弾性層は主にポリシロキサンからなるゴム組成物であるシリコーンゴムからなっていて且つ前記トナー像を形成するトナー中に含まれているワックスと同一のワックスを含浸により含有しており、トナー像に接する最表面を構成するように設けられていることを特徴とする定着部材。
(2)前記ワックスが、前記画像形成装置の使用される環境温度にて固体であることを特徴とする(1)記載の定着部材。
(3)(1)〜(2)のいずれかに記載の定着部材を有することを特徴とする定着装置。
(4)(3)に記載の定着装置を有することを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。
本発明1によれば、定着部材とトナーには同一のワックスが含有されているので、定着時にトナー像や記録媒体にワックスが吸収されても、定着部材内部からのみならず後続のトナー像からも同じワックスが補充されるため、長期に亘って安定した離型性が発揮され、また均一な光沢を有する定着画像を形成することが可能となる。
本発明2によれば、前記画像形成装置の使用される環境温度にて固体であるワックスが含有されているため、ワックスが滲み出ることがなく装置周辺部の汚染を防ぐことが可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施形態を詳細に説明する。
(定着部材)
図1(a)は本発明1における一実施形態である定着部材の構成を示す断面図である。定着部材(1)は、基材(2)の上に、ここでは図示しないプライマー層を介して、シリコーンゴムとワックスから形成された弾性層(3)を設けてある。なお、図1(a)は弾性層が単独の弾性層(3)のみから構成された定着部材の一例であるが、トナー像の接する最表面がシリコーンゴムとワックスから構成されていれば、例えば図1(b)のようにワックスを含まない弾性中間層(4)が設けられていても構わない。
ここで、定着部材(1)が定着ベルトである場合には、基材(2)としては、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の樹脂、またはニッケルやステンレス等の金属からなるシームレスベルトが好ましく用いられる。また、定着部材(1)が定着ローラである場合には、基材(2)としては、アルミニウム、ステンレススチール、真鍮、銅等の金属、またはガラスやセラミックス等からなる中空パイプが好ましく用いられる。
弾性層(3)は、基材(2)上にここでは図示しないプライマー層を介して前記シリコーンゴムの溶液等を塗工して塗布層を形成し、塗布層を加熱することで硬化させる。その後、基材(2)と弾性層(3)から構成された積層体を液状のワックスに浸漬することで、弾性層(3)にワックスを含有する本発明の定着部材(1)を得る。また、塗工方法としては、有機溶剤等によって前記シリコーンゴムの溶液を調製することで、スプレーコート、ブレードコート、ディッピングコート、ダイコート等を用いることができる。なお、弾性層(3)の厚さとしては最も薄い部分で0.1〜2mmであることが好ましい。0.1mm未満の場合には、離型剤の含有量が不足してトナーとの離型性が低下したり、十分なニップ幅を形成することが出来ないためにトナーを均一に溶融して定着することが出来ないので好ましくない。一方、弾性層(3)の厚さが2mmを超えると定着部材の熱容量が大きくなりウォームアップ時間が長くなる等、省エネの観点から不利となるので好ましくない。
定着ローラの作製方法としては、例えばローラ成型用金型の内部に芯金を設置して、次いでキャビティに未硬化の耐熱性ゴム組成物を圧入し、これを硬化させる。その後、金型からゴムローラを取り出し、必要に応じて2次加硫した後に離型剤を含浸させるような方法が挙げられる。この場合、芯金の材質や寸法等は、ローラの種類に応じて適宜選定することができるが、材質としてはアルミニウム、鉄、ステンレス等が好適に用いられる。なお、これら芯金の表面は、弾性層との接着性をより強固にする目的でシランカップリング剤やシリコーン系接着剤等のプライマー処理を行うことが好ましい。その他にも、必要に応じて、例えば移送成形、射出成形、コーティング等の方法によっても成型することができる。
定着ベルトの作製方法も定着ローラの場合と同様の工法を選択可能であり、この場合、ベルト基材としては、ニッケル電鋳、SUS、アルミニウム等の金属ベルトやポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂等の有機樹脂フィルム等公知の材料を用いることができる。また、その形状、寸法等もベルトの種類に応じて適宜選定することができる。
(シリコーンゴム)
本発明におけるシリコーンゴムとは、主にポリシロキサンからなるゴム組成物のことを指しており、その中には本発明の効果を損なわない範囲であれば、目的に応じて充填剤、老化防止剤、着色剤、可塑剤等の添加剤を任意に添加することができる。なお、前記シリコーンゴムとしては、種類や製造方法等は特に制限されないが、ジメチルシリコーンゴム、メチルフェニルシリコーンゴム、フロロシリコーンゴムの群から選ばれる1種以上のエラストマーから構成されていることが好ましい。なかでも、ワックスの吸収しやすさといった観点から、ジメチルシリコーンゴムが好ましく用いられる。
シリコーンゴムの一例としては、少なくとも下記一般式(1)で表される構造を有するオルガノポリシロキサンを含む組成物であり、例えばDY35−2083(東レ・ダウコーニング社)、KE1950−30(信越化学工業社)等が挙げられる。
Figure 0005440895
また、メチルフェニルシリコーンゴムの一例としては、少なくとも下記一般式(2)で表される構造を有するオルガノポリシロキサンを含む組成物である。
Figure 0005440895
また、フロロシリコーンゴムの一例としては、少なくとも下記一般式(3)で表される構造を有するオルガノポリシロキサンを含む組成物であり、例えばX36−420(信越化学工業社)、FSE7540、FSL7641(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社)、SE−1541−U(東レ・ダウコーニング社)等が挙げられる。
Figure 0005440895
(ワックス)
一般的に、ワックスとは高級脂肪酸と一価または二価の高級アルコールとのエステルを指し、以下の条件を満たすものである。
(a)融点が40℃以上の固体であること。
(b)溶融粘度が低いこと。
(c)溶融時に分解しないこと。
(d)有機化合物であること。
しかし、本発明においては、これとよく似た性情を示す中性脂肪や高級脂肪酸、炭化水素なども含むものとする。なお、ワックスと有機ポリマーの違いは、多くの場合明確ではなく、例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)はワックスに分類されることもあるが、定義上は融点がないのでワックスには該当しない。
本発明におけるワックスとしては、主に公知のものが使用できる。例えば、カルナバワックス、キャンデリラワックス、木蝋、ライスワックス等の植物系ワックス;蜜蝋、鯨蝋等の動物系ワックス;モンタンワックス等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等の石油系ワックス;フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、高級脂肪酸エステル、脂肪酸アミド等の合成ワックス;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の高級脂肪酸およびその金属塩;等を挙げることができる。また、これらのワックスは単独または組み合わせて使用することができる。なかでも、融点や溶融粘度、耐熱性ゴムとの相溶性といった観点から、カルナバワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスが好ましく用いられる。
(画像形成装置)
次いで、本発明による定着ローラを備えた定着装置を組み込んだ電子写真方式の画像形成装置(例えば、複写機やプリンタ等)の一例を説明する。
図2において、画像形成装置(100)は、静電潜像が形成される像担持体(101)、像担持体(101)に接触して帯電処理を行う帯電ローラ(102)、レーザービーム等の露光装置(103)、像担持体(101)上に形成された静電潜像にトナーを付着させる現像ローラ(104)、帯電ローラ(102)にDC電圧を印加するための電源(105)、像担持体(101)上のトナー像を紙(107)に転写処理する転写ローラ(106)、転写処理後の像担持体(101)をクリーニングするためのクリーニング装置(108)、像担持体(101)の表面電位を測定する表面電位計(109)、並びに定着ローラ(111)及び加圧ローラ(112)からなる定着装置(110)によって構成されている。
この画像形成装置(100)では、回転する像担持体(101)の感光層を帯電ローラ(102)を用いて一様に帯電させた後にレーザービーム等の露光装置(103)で露光して静電潜像を形成し、この静電潜像をトナーによって現像してトナー像とし、このトナー像を転写媒体(107)上に転写する。そして、このトナー像を有する転写媒体(107)を定着ローラ(111)及び加圧ローラ(112)からなる定着装置(110)に通過させ、転写媒体(107)上に付着しているトナー像を定着ローラ(111)の熱により軟化させつつ加圧して転写媒体(107)上に定着させ、排紙部へと排紙するように構成されている。この場合、定着ローラ(111)としては、本発明の定着部材が好適に用いられる。図2の構成では、定着部材はローラ形状であるが、ベルト形状でも勿論かまわない。ベルト形状の定着装置については次に説明する。
さらに、本発明による定着ベルトを備えた定着装置を組み込んだ電子写真方式の画像形成装置の一例を説明する。図3の画像形成装置(120)において、(121)は像担持体、(122)は帯電装置、(123)はレーザー書き込みユニット、(124)は現像装置、(125)は転写ローラである。また、図中(126)は給紙ユニット、(127)は給紙ローラ、(128)はレジストローラ対、(129)は転写媒体、(130)はクリーニング装置、(131)は定着装置、(132)は排紙部を示す。なお、定着装置(131)の定着ベルトは、本発明に準じた構成の定着ベルトから構成されている。
像担持体(121)は、図示しない駆動手段により図中矢印方向に回転駆動され、帯電装置(122)によりその表面が一様に帯電され、次いでレーザー書き込みユニット(123)からの露光により表面に潜像が形成される。この潜像は、現像装置(124)によって可視像化され、給紙ユニット(126)から給紙ローラ(127)やレジストローラ対(128)等を介して供給される転写媒体(129)上に、転写ローラ(125)によって転写される。トナー像転写後に像担持体(121)表面上に残留するトナーはクリーニング装置(130)によって除去される。トナー像を転写された転写媒体(129)は、定着装置(131)へ導入され、加熱、加圧によってトナー像が転写媒体(129)上に定着され、その後排紙部(132)へと排紙される。
次に本発明における定着部材の一例として定着ベルトを組み込んだ定着装置の一例を説明する。図4のベルト定着装置(140)において、(141)は定着ベルト、(142)は加熱ローラ、(143)は定着ローラ、(144)は加圧ローラ、(145)はハロゲンヒータ、(146)は温度センサーである。なお、定着ベルト(141)は、本発明に準じた構成となっている。
金属パイプ表面に耐熱性ゴムで構成された弾性層を有する定着ローラ(143)と、金属パイプの内側に第1のハロゲンヒータ(145a)を内蔵した加熱ローラ(142)とを設け、これら2本のローラ間に、例えば、ポリイミドのシームレスベルトの表面にプライマーを介してシリコーンゴムと離型剤から構成された最表層が形成されたような定着ベルト(141)を張架する。定着ローラ(143)には、定着ベルト(141)を介して加圧ローラ(144)が圧接されている。加圧ローラ(144)は金属パイプ表面に耐熱性ゴムで構成された弾性層を設け、内側に第2のハロゲンヒータ(145b)を内蔵した構成である。
定着ベルト(141)は、加熱ローラ(142)を定着ローラ(143)から離間する方向に付勢したり、図示しないテンションローラを別途設けたりすることによって弛み無く張架される。加熱ローラ(142)や加圧ローラ(144)の表面温度はセンサー(146a)、(146b)によって検知され、所定の設定温度となるように制御されている。また、加熱ローラ(142)の表面温度検知は、加熱ローラ(142)、定着ローラ(143)間に張架した定着ベルト(141)上の温度をセンサー(146c)により検知することもある。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
[実施例1]
(定着ベルトの作製)
内径60mm、幅400mm、厚さ0.1mmのポリイミド製シームレスベルトの表面にシリコーンゴム用プライマー(東レ・ダウコーニング社製、DY39−067)を厚さが0.5μmとなるようにスプレー塗工し、常温で30分風乾後、150℃で30分加熱した。
次いで、プライマー処理したベルト基材をマンドレルに固定し、シリコーンゴム(東レ・ダウコーニング社、DY35−2083)の50%トルエン溶液をスプレー塗工し、その状態で150℃×10分間の1次加硫を行った後、200℃×4時間の2次加硫を経て厚さ0.2mmのゴム層を形成した。その後、得られたベルトを140℃に加熱したカルナバワックス(酸価0.5、融点85℃)に10分間浸漬し、引き上げ後に表面に付着したワックスを拭き取った。最終的に、弾性層の重量に対して1.0%のワックスが含有される定着ベルトを得た。
[実施例2]
前記カルナバワックスの代わりに、パラフィンワックスHNP9(日本精蝋社、融点75℃)を用いた以外は実施例1と同じ工程を経て、弾性層の重量に対して1.8%のワックスが含有される定着ベルトを得た。
[実施例3]
前記カルナバワックスの代わりに、マイクロクリスタリンワックスHi−Mic−1070(日本精蝋社、融点79℃)を用いた以外は実施例1と同じ工程を経て、弾性層の重量に対して1.5%のワックスが含有される定着ベルトを得た。
[比較例1]
実施例1で得られたゴム層の上に、フッ素系樹脂含有プライマーをスプレーコートした後、自然乾燥させて厚さ2μmのプライマー層を形成した。さらに、このプライマー層の上に、PFA(パーフルオロアルコキシアルカン)の水分散液PFA945HP−Plus(三井・デュポンフロロケミカル社)をスプレーコートして厚さ30μmの塗布層を形成し、この塗布層を340℃で30分間焼成して離型層を形成した。その後、得られたベルトを140℃に加熱したカルナバワックス(酸価0.5、融点85℃)に10分間浸漬してから引き上げ、離型層表面にワックス(1.0mg/cm)が付着した定着ベルトを得た。
[比較例2]
前記カルナバワックスの代わりに、ジメチルシリコーンオイルKF−96−100cs(信越化学工業社)を用いた以外は比較例1と同じ工程を経て、離型層表面にオイル(1.0mg/cm)が付着した定着ベルトを得た。
(トナーとの離型性および紙の分離性評価)
評価条件は以下の通りである。
複写機:RICOH imagio MP C2500改造機(オイル塗布機構なし)
印刷原稿:ハーフトーン(400dpi、50%)
印刷モード:フルカラー、片面
記録媒体:上質紙、タイプ6200、A4サイズ(リコー)
評価間隔:印刷枚数が最初の1000枚までは200枚ごとに、その後5000枚までは1000枚ごと。
トナー:imagioスポットトナーC3000
以上の条件のもと、実施例1〜3および比較例1〜2で得られた定着ベルトを組み込んで印刷を行い、所定の印刷枚数に達した時点で、定着部材表面を観察してトナーオフセットの有無を確認した。さらに、白紙を通紙して定着部材表面から紙に転写されたトナーの有無を目視により確認した。なお、定着装置におけるジャム発生の有無も確認した。
評価基準は次の通りとした。
○:トナーのオフセットもジャムも起こらなかった
×:トナーのオフセットまたはジャムが起こった
(画質の評価)
上記の条件で印刷した1枚目および1000枚目の画像について、光沢ムラの有無を目視によって確認した。
○:画像に光沢ムラは見られなかった
×:画像に光沢ムラが見られた
評価結果は、次の表1の通りであった。
Figure 0005440895
実施例1〜3については、5000枚の印刷を終えてもトナーのオフセットやジャムは見られなかった。一方、比較例1、2とも、1000枚の印刷を終える前にジャムが発生した。
また画質に関しても、実施例1〜3については出力した画像にムラが見られなかった。一方、比較例1、2については1000枚の印刷を終える前にジャムが発生したので、直前の画像にて画質を確認したところ、いずれもオフセットに起因する画像の乱れからムラが生じていた。
実験結果である表1から分かるように、本発明の定着部材は比較例に比べてトナーとの離型性、定着画像の分離性に優れており、且つムラの無い高画質な定着画像が得られることが確認された。
本発明の定着部材は、長期に亘ってトナーとの離型性や定着画像の分離性に優れ、且つ均一な光沢を有する定着画像を形成することができるので、電子写真方式の複写機、プリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置、特にオイルレス方式の定着装置の定着部材として好適に用いることができる。
本発明の実施形態の1つである定着部材の構成を示す断面図である。 本発明による定着ローラを備えた定着装置を組み込んだ画像形成装置の一例を説明するための概略構成図である。 本発明による定着ベルトを備えた定着装置を組み込んだ画像形成装置の一例を説明するための概略構成図である。 ベルト定着装置の構成図である。
符号の説明
(図1について)
1 定着部材
2 基材
3 弾性層
4 弾性中間層
(図2について)
100 画像形成装置
101 像担持体
102 帯電ローラ
103 露光装置
104 現像ローラ
105 電源
106 転写ローラ
107 転写媒体
108 クリーニング装置
109 表面電位計
110 定着装置
111 定着ローラ
112 加圧ローラ
(図3について)
120 画像形成装置
121 像担持体
122 帯電装置
123 レーザー書き込みユニット
124 現像装置
125 転写ローラ
126 給紙ユニット
127 給紙ローラ
128 レジストローラ対
129 転写媒体
130 クリーニング装置
131 定着装置
132 排紙部
(図4について)
140 ベルト定着装置
141 定着ベルト
142 加熱ローラ
143 定着ローラ
144 加圧ローラ
145 ハロゲンヒータ
146 温度センサー

Claims (4)

  1. 電子写真方式の画像形成装置においてトナー像を記録媒体上に定着させる定着部材であって、基材上に少なくとも弾性層が設けられ、該弾性層は主にポリシロキサンからなるゴム組成物であるシリコーンゴムからなっていて且つ前記トナー像を形成するトナー中に含まれているワックスと同一のワックスを含浸により含有しており、トナー像に接する最表面を構成するように設けられていることを特徴とする定着部材。
  2. 前記ワックスが、前記画像形成装置の使用される環境温度にて固体であることを特徴とする請求項1に記載の定着部材。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載の定着部材を有することを特徴とする定着装置。
  4. 請求項3に記載の定着装置を有することを特徴とする電子写真方式の画像形成装置。
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