JP7147433B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関する。
電子写真方式の画像形成装置で用いられる定着装置には、加熱の立ち上がりの早い定着フィルム方式が広く用いられている。これは、薄膜の定着フィルムを介して加圧ローラをニップ形成部材に当接して定着ニップ部を形成する構成である。摺動する定着フィルムは、その内面とニップ形成部材表面に潤滑剤が介されている。また、ニップ形成部材は、板金にコーティングを施した摺動部材として用いられる。
例えば、特許文献1には、ニップ形成部材として被覆層を有する板金部材を用いる構成とし、定着ベルト(筒状部材)とニップ形成部材の摺動性を向上させる目的で、板金の圧延方向(ロール目)を記録材の搬送方向に沿うようにした定着装置が開示されている。
この特許文献1のように、定着ベルト(定着フィルム)と板金部材とが、被膜層(コーティング)を介して接触する構成では、定着ベルトの熱が板金部材に拡散し易い。定着ベルトの熱が板金部材に移動してしまうと、定着ベルト温度の立ち上がりが遅くなるという問題があった。
そのため、板金部材の板厚を極力薄くして低熱容量化し、定着ベルトの熱を奪いにくくする構成がよく用いられている。
ところで、定着装置では、加圧ローラの変形防止やジャム用紙つまりの除去などのため、定着ベルトと加圧ローラを離間/当接させて定着ニップ部を脱圧/加圧できる構成が用いられる。しかし、定着ニップ部の脱圧/加圧が繰り返されると、ニップ形成部材の板金部材は曲げ応力を繰り返し受けることになり、疲労破壊するおそれがある。また、クラックや塑性変形が生じてニップ形成部材(板金部材)が正しく機能しなくなると、その交換が必要となる。これら問題は、低熱容量化のために板金部材を薄くした場合、その強度が下がるため、より発生し易くなる。
そこで本発明は、ニップ形成部材を構成する板金部材の厚みを増やすことなく、その疲労破壊を防止し、長寿命化と早い温度上昇を両立できる定着装置の提供を目的とする。
前記課題は、回転可能な定着部材と、前記定着部材に対向して配置され、回転可能な加圧部材と、前記定着部材の内側に設けられ、前記定着部材を介して前記加圧部材との間に定着ニップ部を形成するニップ形成部材と、前記定着部材と前記加圧部材を当接又は離間し、前記定着ニップ部を加圧又は脱圧する接離機構とを備え、記録材に画像を定着させる定着装置において、前記ニップ形成部材は、前記定着部材の内面に対向する面に板金部材が設けられ、前記定着ニップ部が脱圧された際、前記板金部材の長手方向中央部が前記加圧部材側へ突出するように前記板金部材を支持すること、前記板金部材は、少なくとも前記定着部材の内側と摺動する面にコーティングが施され、前記板金部材の圧延方向は、前記定着ニップ部における記録材の搬送方向に対し、所定の角度で傾いていること、及び、前記板金部材の前記コーティングが施された面は、前記板金部材の圧延ロール目よりもランダムな表面性であることを特徴とする定着装置によって解決される。
本発明の定着装置は、ニップ形成部材を構成する板金部材の圧延方向が、定着ニップ部における記録材の搬送方向に対し、直交しているか、又は所定の角度で傾いている。そのため、板金部材の厚みを増やすことなく、曲げ応力への強度を高めることができる。したがって、疲労破壊を防止し、長寿命化と早い温度上昇を両立できる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る定着装置の概略的な断面構成図である。 ニップ形成部材の長手方向の形状を示す模式図である。 記録材の搬送方向に対する熱移動補助部材の圧延ロール方向の関係を示す模式図であり、(a)は記録材の搬送方向と平行である場合、(b)は記録材の搬送方向と直交する場合、(c)は記録材の搬送方向に対し傾いている場合である。
以下に、図1を用いて本発明の一実施形態に係る画像形成装置の構成を説明する。図1に示した画像形成装置100は、複数の色画像を形成する画像形成部がベルトの展張方向に沿って並置されたタンデム方式のカラープリンタある。ただし、本発明はこの方式に限られず、また、プリンタだけではなく複写機やファクシミリ装置などを対象とすることも可能である。
画像形成装置100は、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色に色分解された色にそれぞれ対応する像としての画像を形成可能な像担持体としての感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkを並設したタンデム構造が採用されている。
画像形成装置100では、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに形成された可視像が、各感光体ドラムに対峙しながら矢印A1方向に移動可能な無端ベルトである中間転写体(以下、転写ベルトという)11に対して1次転写される。この1次転写行程の実施によってそれぞれの色の画像が重畳転写され、その後、記録シートなどが用いられる記録材Sに対して2次転写行程を実施することで一括転写される。
各感光体ドラム20の周囲には、感光体ドラム20の回転に従い画像形成処理するための装置が配置されている。ブラック画像形成を行う感光体ドラム20Bkを代表として説明すると、感光体ドラム20Bkの回転方向に沿って、画像形成処理を行う帯電装置30Bk、現像装置40Bk、1次転写ローラ12Bk及びクリーニング装置50Bkが配置されている。感光体ドラム20の帯電後に行われる書き込み光Lbを用いた書き込みには、光書き込み装置8が用いられる。
転写ベルト11に対する重畳転写は、転写ベルト11がA1方向に移動する過程において、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに形成された可視像が、転写ベルト11の同じ位置に重ねて転写される。このため転写は、転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに対向して配設された1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkによる電圧印加によって、A1方向上流側から下流側に向けてタイミングをずらして行われる。
各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkは、A1方向の上流側からこの順で並んでいる。各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkは、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの画像をそれぞれ形成するための画像ステーションに備えられている。
画像形成装置100は、色毎の画像形成処理を行う4つの画像ステーションと、各感光体ドラム20の上方に対向して配設され、転写ベルト11及び1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkを備えた転写ベルトユニット10とを備える。また、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11に従動し、連れ回りする転写部材としての転写ローラである2次転写ローラ5と、転写ベルト11に対向して配設され転写ベルト11上をクリーニングするベルトクリーニング装置13とを備える。さらにまた、これら4つの画像ステーションの下方に対向して配設された光書き込み装置8を備える。
光書き込み装置8は、光源としての半導体レーザ、カップリングレンズ、fθレンズ、トロイダルレンズ、折り返しミラー及び偏光手段としての回転多面鏡などを装備している。光書き込み装置8は、各感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに対して色毎に対応した書き込み光Lbを出射して感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkに静電潜像を形成するように構成されている。図1では便宜上、ブラック画像の画像ステーションのみを対象として符号が付けてあるが、その他の画像ステーションも同様である。
画像形成装置100には、感光体ドラム20Y、20C、20M、20Bkと転写ベルト11との間に向けて搬送される記録材Sを積載した給紙カセットとしてのシート給送装置61が設けられている。また、シート給送装置61から搬送されてきた記録材Sを、画像ステーションによるトナー像の形成タイミングに合わせた所定のタイミングで、各感光体ドラム20と転写ベルト11との間の転写部に向けて繰り出すレジストローラ対4が設けられている。さらに、記録材Sの先端がレジストローラ対4に到達したことを検知する図示しないセンサが設けられている。
画像形成装置100には、トナー像が転写された記録材Sにトナー像を定着させるためのローラ定着方式の定着ユニットとしての定着装置200と、トナー像の定着済みの記録材Sを画像形成装置100の本体外部に排出する排紙ローラ7が備えられている。また、画像形成装置100の本体上部には、排紙ローラ7により画像形成装置100の本体外部に排出された記録材Sを積載する排紙トレイ17が備えられている。排紙トレイ17の下側には、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラックの各色のトナーを充填されたトナーボトル9Y、9C、9M、9Bkが備えられている。
転写ベルトユニット10は、転写ベルト11、1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkの他に、転写ベルト11が掛け回されている駆動ローラ72及び従動ローラ73を有している。
従動ローラ73は、転写ベルト11に対する張力付勢手段としての機能も備えており、このために、従動ローラ73にはバネなどを用いた付勢手段が設けられている。このような転写ベルトユニット10と、1次転写ローラ12Y、12C、12M、12Bkと、2次転写ローラ5と、ベルトクリーニング装置13とで、転写装置71が構成されている。
シート給送装置61は、画像形成装置100の本体下部に配設されており、最上位の記録材Sの上面に当接する給紙ローラとしての給送ローラ3を有している。給送ローラ3が図中反時計回りに回転駆動されることにより、最上位の記録材Sをレジストローラ対4に向けて給送するようになっている。
転写装置71に装備されているベルトクリーニング装置13は、詳細な図示を省略するが、転写ベルト11に対向、当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードとを有している。ベルトクリーニング装置13は、転写ベルト11上の残留トナー等の異物をクリーニングブラシとクリーニングブレードとにより掻き取り、除去して、転写ベルト11をクリーニングするようになっている。
ベルトクリーニング装置13はまた、転写ベルト11から除去した残留トナーを搬出し廃棄するための図示しない排出手段を有している。
図2は、本発明の一実施形態に係る定着装置の概略的な断面構成図である。図2に示すように、定着装置200は、回転可能な定着部材としての定着ベルト201と、これに対向配置されて回転可能な加圧部材としての加圧ローラ203とを備える。また、複数の熱源としてのハロゲンヒータ202A、202Bにより、定着ベルト201が内周側から輻射熱で直接加熱される。
定着ベルト201の温度を検知するため、温度センサ230A、230Bが取り付けられ、非接触で定着ベルト201の温度を検知する。定着装置200の制御部は、その検知温度によってそれぞれハロゲンヒータ202A、202Bの点灯率を制御し、定着ベルト201の温度を所望の温度に制御している。
定着ベルト201は、ニッケルやSUSなどの金属ベルトやポリイミドなどの樹脂材料を用いた無端ベルト又はフィルムで構成される。ベルトの表層はPFA又はPTFE層などの離型層を有し、トナーが付着しないように離型性を持たせている。ベルトの基材とPFA又はPTFE層の間には、シリコーンゴム層などで形成された弾性層があるとよい。
シリコーンゴム層がない場合は熱容量が小さくなり、定着性が向上するが、未定着画像を押し潰して定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部にユズ肌状の光沢ムラ(ユズ肌画像)が残るおそれがある。これを改善するにはシリコーンゴム層を100(μm)以上設ければよい。シリコーンゴム層の変形により、微小な凹凸が吸収されユズ肌画像を改善できる。
加圧ローラ203は芯金205に弾性ゴム層204が設けられ、その表面に離型性を得るため離型層(PFA又はPTFE層)が設けられた構成である。加圧ローラ203は、画像形成装置100に設けられたモータなどの駆動源からギヤを介して駆動力が伝達され回転する。また、加圧ローラ203は、スプリングなどにより定着ベルト201側に押し付けられており、弾性ゴム層204が押し潰されて変形することにより、所定のニップ幅を有している。
加圧ローラ203は中空のローラであってもよく、加圧ローラ203内部にハロゲンヒータなどの加熱源を有してもよい。弾性ゴム層204はソリッドゴムでも良いが、加圧ローラ203内部にヒータが無い場合は、スポンジゴムを用いてもよい。スポンジゴムの場合、断熱性が高まり、定着ベルト201の熱が奪われにくくなるので、より望ましい。
定着ベルト201の内側には、加圧ローラ203に対向して配置されたニップ形成部材206と、ニップ形成部材206の定着ベルト201の内面に対向する面を覆う熱移動補助部材216とが設けられている。また、ニップ形成部材206を加圧ローラ203からの加圧力に対抗して保持するステー部材207も設けられている。
ニップ形成部材206は、定着ベルト201を介して加圧ローラ203との間で定着ニップ部Nを形成するとともに、熱移動補助部材216を介して定着ベルト201の内面と間接的に摺動する。
ニップ形成部材206の長手方向両端部には、主たる熱源(定着熱源)とは別の端部熱源としての端部ヒータ226が一体に取り付けられている。端部ヒータ226としては、一般的に、セラミックセータのような抵抗発熱体である接触伝熱型熱源が用いられる。
熱移動補助部材216は、端部ヒータ226の熱が局所的に留まることを防止し、積極的に長手方向に熱を移動させて長手方向の温度不均一性を低減する。このため、熱移動補助部材216は短時間で熱移動が可能な材料であることが望ましく、熱伝導率の高い銅やアルミニウム、銀といった部材であることが望ましい。コスト、入手性、熱伝導率特性、加工性を総合的に考慮すると、アルミニウム、銅を用いることが最も望ましい。
本実施形態において、熱移動補助部材216の定着ベルト201の内面に対向する面は、定着ベルト201に直接接触する面であり、ニップ形成面となる。熱移動補助部材216の表面、すなわち、定着ベルト201の内面と接触する側の面には、低摩擦で、摩耗しにくい、摺動コーティングが施されている。摺動コーティングとしては、低摩擦であるフッ素コーティングや耐摩耗性が高いDLCなどの材料が使われる。
図2では、熱移動補助部材216の形状が平坦状であるが、凹形状やその他の形状としてもよい。凹形状である場合、記録材Sの先端の排出方向が加圧ローラ203寄りになり、分離性が向上するのでジャムの発生が抑制される。
ステー部材207は、ニップ形成部材206と定着ニップ部Nを支持するための支持部材である。ステー部材207は、加圧ローラ203から圧力を受けるニップ形成部材206の撓みを防止するため、軸方向で均一なニップ幅を得ることができる。このステー部材207は、両端部で側板に保持固定され位置決めされている。
ステー部材207は定着ニップ部N側と反対側が起立した起立部207a、207bを有した形状となっており、起立部207a、207bを隔て、定着熱源としてのハロゲンヒータ202A、202Bが配置されている。したがって、定着ベルト201は、ハロゲンヒータ202A、202Bにより内面側から輻射熱で直接加熱される。
また、ハロゲンヒータ202とステー部材207の間に反射部材209を備え、ハロゲンヒータ202からの輻射熱などによりステー部材207が加熱されてしまうことによる無駄なエネルギー消費を抑制している。ここで反射部材209を備える代わりに、ステー部材207の表面に断熱もしくは鏡面処理を施しても同様の効果を得ることができる。
本実施形態では、図2に示すように、ハロゲンヒータ202A、202Bの間に反射部材209を設けている。互いのヒータが相手のガラス管を加熱しないようにすることで、効率的に定着ベルト201を加熱することができる。
本実施形態の定着装置200は、定着ベルト201と加圧ローラ203を当接又は離間し、定着ニップ部Nを加圧又は脱圧する接離機構65を備える。この接離機構65は、回転軸66を中心に回動する加圧アーム67と、その加圧アーム67を矢印B1方向に移動するカム68などを備える。接離機構65による定着ベルト201と加圧ローラ203の接近時には、両者の圧接部で定着ニップ部Nが形成され、両者の離間時には定着ニップ部Nが解消される。
加圧ローラ203は定着ベルト201に長い間押し付けられていると、弾性ゴム層204が変形したまま硬直してしまい、次のプリント時に異音や光沢スジを発生させるおそれがある。そのため、定着実施後、所定時間(例えば1分後)が経過した後、接離機構65を作動し、定着ニップ部Nを脱圧する。これにより、加圧ローラ203を変形していない状態、又は変形量が少ない状態とし、弾性ゴム層204の変形を防止する。
また、用紙ジャムなどが発生した場合にも、接離機構65を作動し、定着ニップ部Nを脱圧することで、ユーザが詰まった用紙を除去し易くする。
本実施形態の定着装置200では、定着ベルト201が加圧ローラ203により連れ回り回転する。具体的に、加圧ローラ203が駆動源により回転し、定着ニップ部Nでベルトに駆動力が伝達されることにより定着ベルト201が回転する。定着ベルト201は定着ニップ部Nで挟み込まれて回転し、定着ニップ部N以外では両端部でフランジ(不図示)にガイドされ、走行する。記録材S上のトナー像は、定着ニップ部Nにおいて加熱・加圧され、定着される。
上記のような構成により安価で、ウォームアップが速い定着装置を実現できる。
図3は、ニップ形成部材の長手方向の形状を示す模式図である。なお、説明の都合上、ニップ形成部材206をステー部材207から離間して図示している。実際は、ステー部材207に当接し、保持される構成である。
図3に示すように、ニップ形成部材206は、熱移動補助部材216を介して加圧ローラ203から加圧力をうけ、ステー部材207に押し付けられる。ステー部材207は、両端部で側板210に支持されており、加圧ローラ203からの加圧力によりたわみが生じる。そのたわみ量は、長手方向中央部で最大(たわみ量L2)となる。
ステー部材207がたわむと、ニップ形成部材206(熱移動補助部材216)も、その長手方向中央部を最大として、加圧ローラ203から離れる方向にたわむ。そのため、定着ニップ部Nと加圧ローラ203の当接面は減少することとなる。
この当接面の減少を相殺するため、本実施形態のニップ形成部材206は、その長手方向中央部が加圧ローラ203側へ突き出した凸形状としている。また、ニップ形成部材206の突出量は、その長手方向中央部において最大(突出量L1)とする。
なお、図3では、ニップ形成部材206の長手方向中央部がステー部材207側へ突き出した凸形状としている。実際では、ニップ形成部材206は、加圧ローラ203側へ突き出した凸形状である。
ここで、突出量L1は、ステー部材207のたわみ量L2に比べ小さくする(L1<L2)ことが望ましい。これは、定着ニップ部Nの長手方向中央よりも、長手方向両端部において定着ニップ圧力を大きくするためである。定着しわなどが起こりにくくなり、記録材の搬送性が安定する効果がある。
このように、ニップ形成部材206、及びそれに倣って取り付けられる熱移動補助部材216は、プリント時(定着時)に長手方向中央部が加圧ローラ203に向かって凹形状に弾性変形することになる。
一方、加圧ローラ203がニップ退避し、定着ニップ部Nが脱圧した場合、ステー部材207のたわみ量L2’は、先のたわみ量L2よりも小さくなる(L2’<L2)。このたわみ量L2’は、突出量L1に比べ小さい(L2’<L1)ため、ニップ形成部材206及び熱移動補助部材216は、長手方向中央部が加圧ローラ203に向かって凸形状に弾性変形することになる。
すなわち、熱移動補助部材216は、定着ニップ部Nが加圧又は脱圧される際、それぞれ逆方向に曲げ応力を受け、凹形状(加圧時)又は凸形状(脱圧時)に変形することになる。
続いて、本発明の特徴的構成について説明する。
一般に、薄い金属の板はロールを使用して圧延することで大量生産が可能であり、また、機械的な性質を向上させることができる。薄い板金部材である熱移動補助部材216も、圧延ロール加工にて製造される。
図4は記録材の搬送方向に対する熱移動補助部材の圧延方向の関係を示す模式図であり、(a)は記録材の搬送方向と平行である場合、(b)は記録材の搬送方向と直交する場合、(c)は記録材の搬送方向に対し傾いている場合である。
熱移動補助部材216は、加圧ローラ203の加圧時に加圧ローラ203に向けて凹形状となる一方、加圧ローラ203の脱圧時に加圧ローラ203に向けて凸形状になる。したがって、正負の繰り返し曲げ応力を受ける。
一般に、圧延方向と平行な曲げ(圧延方向と曲げ線が平行)では、曲げ部に割れが発生し易くなる。図4(a)に示す熱移動補助部材216aは、繰り返し曲げによって疲労破壊が早く発生し、表面クラックなどの異常が発生するおそれがある。
そこで、本実施形態では、図4(b)に示すように、熱移動補助部材216bの圧延方向が、搬送方向と直交する方向となるように形成する。この場合、曲げ方向が圧延方向と垂直になるため、最も強度が高くなり、繰り返し曲げによる疲労破壊を防止できる。
また、図4(c)に示すように、熱移動補助部材216cの圧延方向を、搬送方向に対して傾いた方向(曲げ線と圧延方向が所定の角度で交わる関係)としてもよい。ここで、板金部材である熱移動補助部材216cに作用する曲げ応力の方向は決まっているため、板金部材の圧延方向は、搬送方向に対し、45度以上90度(=直交する方向)以下にすることが望ましい。
この場合、図4(a)と図4(b)の間の中間的な強度となり、加圧時と脱圧時に生じる曲げ応力の大きさによっては、定着装置のユニット寿命まで疲労破壊を防止できる。
このように、本実施形態の定着装置は、板金部材である熱移動補助部材216の圧延方向が、定着ニップ部における記録材の搬送方向に対し、直交、又は所定の角度で傾いていることを特徴とする。これにより、曲げ応力への強度を高めることができ、したがって、疲労破壊を防止できる。
また、定着装置は、ウォームアップ時間を短縮すること、すなわち、定着ベルト201を早く所望の温度に到達させることが求められる。そのため、熱移動補助部材216は、低熱容量な部材(薄板)であることが望ましい。
本発明者らは、熱移動補助部材216cをアルミニウム板金(板厚0.4~0.6mm)で形成し、定着装置に実装したところ、定着ベルト201から熱移動補助部材216c逃げる熱量を減らし、ウォームアップ時間を短縮できた。また、この定着装置であっても、定着装置のユニット寿命まで疲労破壊を防止することができた。
このことより、本実施形態の定着装置は、疲労破壊を防止し、長寿命化と早い温度上昇を両立できるといえる。
なお、別の材料として、黄銅(C2801P)や、鉄鋼材である冷間圧延鍛造鋼板(SPCC)、ステンレス鋼板(SUS)などを用いた場合でも、同様に有効であることが確認できた。
ところで、熱移動補助部材216b、cのように、圧延方向が搬送方向に対し傾いている(直交している)場合、圧延ロール目が定着ベルトの摩擦抵抗になり、摺動抵抗が大きくなることが考えられる。これに対し、コーティング表面を圧延ロール目よりも十分にランダムな表面性とすることで、摺動抵抗への影響をなくすことができる。
以上、実施形態を用いて本発明を詳細に説明した。この実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して使用できる。
例えば、本発明に係る定着装置は、図1に示すカラーレーザープリンタに限らず、モノクロ画像形成装置や、その他のプリンタ、複写機、ファクシミリ、あるいはこれらの複合機に搭載できる。これにより、省エネ性に優れた画像形成装置を提供できる。
3 給送ローラ
4 レジストローラ対
5 2次転写ローラ
7 排紙ローラ
8 光書き込み装置
9Y、9M、9C、9Bk トナーボトル
10 転写ベルトユニット
11 転写ベルト
12Y、12M、12C、12Bk 1次転写ローラ
13 ベルトクリーニング装置
17 排紙トレイ
20Y、20M、20C、20Bk 感光体ドラム
30Y、30M、30C、30Bk 帯電装置
40Y、40M、40C、40Bk 現像装置
50Y、50M、50C、50Bk クリーニング装置
61 シート給送装置
65 接離機構
66 回転軸
67 加圧アーム
68 カム
71 転写装置
72 駆動ローラ
73 従動ローラ
100 画像形成装置
200 定着装置
201 定着ベルト
202A、202B ハロゲンヒータ
203 加圧ローラ
204 弾性ゴム層
205 芯金
206 ニップ形成部材
207 ステー部材
207a、207b 起立部
209 反射部材
210 側板
216、216a、216b、216c 熱移動補助部材
226 端部ヒータ
230A、230B 温度センサ
L1 突出量
L2、L2’ たわみ量
Lb 書き込み光
N 定着ニップ部
S 記録材
t コーティング厚み
特許5895417号明細書

Claims (5)

  1. 回転可能な定着部材と、
    前記定着部材に対向して配置され、回転可能な加圧部材と、
    前記定着部材の内側に設けられ、前記定着部材を介して前記加圧部材との間に定着ニップ部を形成するニップ形成部材と、
    前記定着部材と前記加圧部材を当接又は離間し、前記定着ニップ部を加圧又は脱圧する接離機構とを備え、
    記録材に画像を定着させる定着装置において、
    前記ニップ形成部材は、前記定着部材の内面に対向する面に板金部材が設けられ、前記定着ニップ部が脱圧された際、前記板金部材の長手方向中央部が前記加圧部材側へ突出するように前記板金部材を支持すること、
    前記板金部材は、少なくとも前記定着部材の内側と摺動する面にコーティングが施され、前記板金部材の圧延方向は、前記定着ニップ部における記録材の搬送方向に対し、所定の角度で傾いていること、及び、
    前記板金部材の前記コーティングが施された面は、前記板金部材の圧延ロール目よりもランダムな表面性であることを特徴とする定着装置。
  2. 前記板金部材の圧延方向は、前記定着ニップ部における記録材の搬送方向に対し、45度以上90度以下の角度で傾いていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記板金部材は、アルミニウム、又は銅で形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 前記接離機構は、定着実施後、所定の時間が経過すると、前記ニップ形成部材と前記加圧部材の間の加圧力を定着実施時よりも小さくすることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の定着装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の定着装置を備える画像形成装置。
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