JP2013159732A - 無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】 ポリエステル樹脂としての特性を失うことなく、またガラス繊維などの無機強化材を配合した組成において、高強度、高剛性でありながら良好な表面外観を維持し、かつソリ変形が少なく、バリ発生の少ないポリエステル樹脂組成物を提供することを課題とする。
【解決手段】 (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂25〜45質量%、(B)ポリブチレンテレフタレート樹脂以外の少なくとも一種以上のポリエステル樹脂15〜25質量%、(C)無機強化材35〜55質量%、(D)グリシジル基含有スチレン系共重合体0.1〜1質量%、及び(E)エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体1〜3質量%を含む無機強化熱可塑性ポリステル組成物であって、当該ポリエステル樹脂組成物の(B)成分と(E)成分の質量比率((B)/(E))が10以下であり、かつ下記(I)を満たすことを特徴とする、無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
(I)該ポリエステル樹脂組成物の示差走査型熱量計(DSC)で求められる降温結晶化温度をTC2(℃)とするとき、このTC2が175℃〜180℃の範囲にある。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱可塑性ポリエステル樹脂とガラス繊維などの無機強化材を含有する無機強化ポリエステル樹脂組成物に関する。詳しくは、高剛性、高強度でありながら成形品の無機強化材の浮き等による外観不良が少なく表面光沢が良好で、ソリ変形が少なく、かつバリの少ない成形品を得ることができる無機強化ポリエステル樹脂組成物に関する。
一般にポリエステル樹脂は、機械的特性、耐熱性、耐薬品性等に優れ、自動車部品、電気・電子部品、家庭雑貨品等に幅広く使用されている。なかでもガラス繊維などの無機強化材で強化されたポリエステル樹脂組成物は、剛性、強度および耐熱性が飛躍的に向上し、特に剛性に関しては無機強化材の添加量に応じて向上することが知られている。
しかしながら、ガラス繊維等の無機強化材の添加量が多くなると、ガラス繊維等の無機強化材が成形品の表面に浮き出し、外観、特に表面光沢が著しく低下し、商品価値が損なわれる場合がある。
そこで、成形品外観を向上させる方法として、成形時の金型温度を極端に高く、例えば120℃以上に設定して成形することが提案されている。しかし、この方法では金型温度を高くするために特別な装置が必要となり、汎用的にどの成形機でも成形することができないばかりか、金型温度を高温にあげた場合でも金型内でゲートから遠く離れている成形品の末端部分などで、ガラス繊維等の浮きが発生し、良好な成形外観が得られない場合があったり、成形品のソリが大きくなり、不具合が発生する場合があった。
また、近年、種々のガラス繊維等の無機強化材料において高光沢性の成形品が得られるように、金型を改良することが提案されている(特許文献1,2)。この金型改良は金型のキャビティー部分に断熱性の高いセラミックス、例えばジルコニヤセラミックスなどを入れ子として装入し、溶融樹脂がキャビティーに充填された直後に急冷されるのを制御し、キャビティー内の樹脂を高温で保持して、表面性の優れた成形品を得ることを目的としている。しかしながら、これらの方法は金型製造が高価になるとともに、平板などの単純な成形品形状では有効であるが、複雑な成形品の場合ではセラミックスの加工が困難で、精度の高い金型製造が出来にくいという問題があった。
そこで、金型の特別な改良や高温設定などを必要とせず、樹脂組成物の特性を改良することで、ガラス繊維等の無機強化材を配合した樹脂組成であっても成形品の外観やソリ変形を抑制させることができるポリエステル樹脂組成物が提案されている(特許文献3〜6)。
上記文献の組成物によれば、各種非晶性樹脂や共重合ポリエステル等を配合し樹脂組成物の結晶化挙動をコントロールすることによって、金型温度が100℃以下であっても、ガラス繊維などを添加した樹脂組成物において、良好な表面外観が得られ、かつソリ変形も抑制させることが可能である。
一方、上記外観やソリ変形のほか、特にポリエステル樹脂などの結晶性樹脂を成形する場合、成形品のバリが問題となる場合がある。バリが発生すると、バリ除去工程などが必要となるため、時間、コストがかかってしまう。特に近年、軽量化などの目的のため、成形品の肉厚が薄く、小さくなってくる傾向にあるため、バリの問題が比較的多くなってくる傾向にある。バリ発生は金型老朽化に伴い隙間ができることによる金型要因もあるが、一般的には樹脂要因の影響が大きい。非晶性樹脂を用いる場合は、その粘度特性によりバリは少なくなる傾向にあることは知られているが、結晶性樹脂では、非晶性樹脂と類似の挙動を示すオレフィン系樹脂以外では、バリに関する検討例はあまりない。もちろん、これまで説明してきた先行文献などには、バリに関する記載はなく、またポリエステル樹脂において、組成面でバリを抑制させようとする試みは、あまり実施されていないのが現状である。一般的に、流動性が良すぎる場合にバリが発生しやすい傾向にあるため、樹脂の粘度をあげる方法が容易に想像できるが、単に粘度を高くすると、今度は成形品全体に樹脂を充填させるために非常に高圧が必要となるため、圧力に耐え切れず金型が開いてしまってバリとなることがある。この傾向は製品の肉厚が薄いときにより顕著となる。
特許3421188号公報 特許33549341号公報 特開2008−214558号公報 特許3390539号公報 特開2008−120925号公報 特許4696476号公報
本発明は、ポリエステル樹脂としての特性を失うことなく、またガラス繊維などの無機強化材を配合した組成において高強度、高剛性でありながら良好な表面外観を維持し、かつソリ変形が少なく、バリ発生の少ないポリエステル樹脂組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するためにポリエステル系樹脂組成物の構成と特性を鋭意検討した結果、特定の樹脂を適正量配合し、ポリエステル樹脂との比率を適正に調整することにより、上記課題を達成できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下の構成を有するものである。
[1] (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂25〜45質量%、(B)ポリブチレンテレフタレート樹脂以外の少なくとも一種以上のポリエステル樹脂15〜25質量%、(C)無機強化材35〜55質量%、(D)グリシジル基含有スチレン系共重合体0.1〜1質量%、及び(E)エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体1〜3質量%を含む無機強化熱可塑性ポリステル組成物であって、当該ポリエステル樹脂組成物の(B)成分と(E)成分の質量比率((B)/(E))が10以下であり、かつ下記(I)を満たすことを特徴とする、無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
(I)該ポリエステル樹脂組成物の示差走査型熱量計(DSC)で求められる降温結晶化温度をTC2(℃)とするとき、このTC2が175℃〜180℃の範囲にある。
[2] (B)ポリブチレンテレフタレート以外のポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B1)および/または共重合ポリエステル樹脂(B2)である、[1]に記載の無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
[3] 共重合ポリエステル樹脂(B2)が、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、トリメリット酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロへキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、及び2−メチル−1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を共重合成分として含むポリエステル樹脂である、[2]に記載の無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
[4] (D)グリシジル基含有スチレン系共重合体が、グリシジル基を1分子あたり2個以上含有し重量平均分子量が1000〜10000であり、かつ99〜50質量部のスチレン系単量体、1〜30質量部のグリシジル(メタ)アクリレート、および0〜40質量部のその他のアクリル系単量体からなる共重合体であることを特徴とする、[1]〜[3]のいずれかに記載の無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
[5] [1]〜[4]のいずれかに記載の無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を用いて成形された、厚み1mmtの形状を含む成形品。
本発明によれば、無機強化材が多量に配合された樹脂組成物においても、金型内での樹脂組成物の固化(結晶化)速度を低下させることにより、成形品表面の無機強化材の浮き出しを抑制できるため、成形品の外観は大きく改善させることができ、高強度・高剛性でありながら良好な外観かつ低ソリの成形品を得ることができる。さらに、特に薄肉の成形品等においても、成形時の圧力に対してバリの発生を大きく抑制させることができるため、成形後のバリ取り工程などを削除することが可能である。また、使用する成形機の型締め力を低減させることも可能となるため、より小さいサイズの成形機を使用することができるようになる。
以下、本発明を詳細に説明する。以下に説明する各成分の配合量は、無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を100質量%とした時の量(質量%)を表す。
本発明における(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂とは、本発明の樹脂組成物中の全ポリエステル樹脂中で最も含有量の多い主要成分の樹脂である。(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂としては特に制限されないが、主としてテレフタル酸と1,4−ブタンジオールからなる単独重合体が用いられる。また、成形性、結晶性、表面光沢などを損なわない範囲内において、他の成分を5モル%程度まで共重合することができる。他の成分としては、下記で説明する共重合ポリエステル樹脂(B2)に用いられる成分を上げることができる。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の分子量としては、還元粘度(0.1gのサンプルをフェノール/テトラクロロエタン(重量比6/4)の混合溶媒25mlに溶解し、ウベローデ粘度管を用いて30℃で測定;dl/g)が、0.4〜1.2dl/gの範囲が好ましく、より好ましくは0.5〜0.8dl/gの範囲である。還元粘度が0.4dl/g未満の場合は樹脂のタフネス性の低下、および流動性が高すぎることによるバリが発生しやすくなるため好ましくなく、1.2dl/gを超えると流動性が大きく低下する影響でこちらもバリが発生しやすくなるため好ましくない。
(A)ポリブチレンテレフタレート樹脂の配合量は、25〜45質量%であり、好ましくは27〜42質量%である。この範囲内にポリブチレンテレフタレート樹脂を配合することにより、各種特性を満足させることが可能となる。
本発明における(B)ポリブチレンテレフタレート樹脂以外の少なくとも1種以上のポリエステル樹脂とは、特に限定されないが、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B1)および/または、共重合ポリエステル樹脂(B2)であることが好ましい。
(B1)ポリエチレンテレフタレート樹脂は、基本的にエチレンテレフタレート単位の単独重合体である。また、各種特性を損なわない範囲内において、他の成分を5モル%程度まで共重合することができる。他の成分としては、下記で説明する共重合ポリエステル樹脂(B2)に用いられる成分を上げることができる。
(B2)共重合ポリエステル樹脂は、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、トリメリット酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロへキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、及び2−メチル−1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を共重合成分として含むポリエステル樹脂であることが好ましい。中でも、ジカルボン酸成分としてテレフタル酸が50モル%以上、グリコール成分としてエチレングリコールが50モル%以上を構成成分とする共重合ポリエステルがより好ましい。共重合される成分としては、テレフタル酸以外の酸成分としてイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸、セバシン酸、トリメリット酸などの芳香族もしくは脂肪族多塩基酸またはそれらのエステルなどが挙げられ、エチレングリコール以外のグリコール成分としては、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロへキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオールなどが挙げられる。共重合される成分としては、入手のし易さ、各種特性の観点からイソフタル酸、ネオペンチルグリコールが好ましい。
(B1)ポリエチレンテレフタレート樹脂の分子量としては、還元粘度(0.1gのサンプルをフェノール/テトラクロロエタン(重量比6/4)の混合溶媒25mlに溶解し、ウベローデ粘度管を用いて30℃で測定;dl/g)が0.4〜1.0dL/gであることが好ましく、0.5〜0.9dl/gであることがより好ましい。還元粘度が0.4dl/g未満では樹脂の強度が低下するため好ましくなく、1.0dl/gを超えると樹脂の流動性が低下するので好ましくない。
(B2)共重合ポリエステル樹脂の分子量としては、具体的な共重合組成により若干異なるが、還元粘度が0.4〜1.5dl/gであることが好ましく、0.4〜1.3dl/gがより好ましい。0.4dl/g未満ではタフネス性が低下するため好ましくなく、1.5dl/gを超えると流動性が低下するため好ましくない
上記(B)ポリブチレンテレフタレート以外の少なくとも1種以上のポリエステル樹脂の配合量は、15〜25質量%であり、好ましくは15〜20質量%である。15質量%未満だと、ガラス繊維などの浮きによる外観不良が目立つようになり、25質量%を超えると、成形品の外観は良好であるが、成形サイクルが長くなってしまうため好ましくない。また成形品外観と成形性の両立の点から考えると、本発明のポリエステル樹脂組成物中には、(B2)成分が添加されていることが好ましい。
(B)成分としては、(B1)成分と(B2)成分の質量比((B1):(B2))が0:100〜60:40であることが好ましく、0:100〜50:50であることがより好ましい。
本発明における(C)無機強化材とは、板状晶のタルク、マイカ、未焼成クレー類、不特定あるいは球状を有する炭酸カルシウム、焼成クレー、シリカ、ガラスビーズ、一般的に使用されているワラストナイトおよび針状ワラストナイト、ガラス繊維、炭素繊維、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム等のウィスカー類、平均粒径4〜20mm程度でカット長は35〜80μm程度のガラス短繊維であるミルドファイバー、などを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。成形品外観の面ではタルクやワラストナイト、強度・剛性の面ではガラス繊維が最も優れている。これらの無機強化材は1種類を単独で使用してもよく、2種類以上を併用しても良いが、主として剛性等の面よりガラス繊維を用いることが好ましい。
(C)無機強化材の中でガラス繊維としては、繊維長1〜20mm程度に切断されたチョップドストランド状ものもが好ましく使用できる。ガラス繊維の断面形状としては、円形断面及び非円形断面のガラス繊維を用いることができる。円形断面形状のガラス繊維としては、平均繊維径が4〜20μm程度、カット長が3〜6mm程度であり、ごく一般的なものを使用することができる。非円形断面のガラス繊維としては、繊維長の長さ方向に対して垂直な断面において略楕円系、略長円系、略繭形系であるものをも含み、偏平度が1.5〜8であることが好ましい。ここで偏平度とは、ガラス繊維の長手方向に対して垂直な断面に外接する最小面積の長方形を想定し、この長方形の長辺の長さを長径とし、短辺の長さを短径としたときの、長径/短径の比である。ガラス繊維の太さは特に限定されるものではないが、短径が1〜20μm、長径2〜100μm程度のものを使用できる。
これらのガラス繊維は、有機シラン系化合物、有機チタン系化合物、有機ボラン系化合物およびエポキシ系化合物等の、従来公知のカップリング剤で予め処理をしてあるものが好ましく使用することが出来る。
本発明における(C)無機強化材の配合量は35〜55質量%であり、好ましくは40〜55質量%である。
本発明で用いられる(D)グリシジル基含有スチレン系共重合体とは、グリシジル基含有アクリル系単量体及びスチレン系単量体を含有する単量体混合物を重合して得られるもの、或いはグリシジル基含有アクリル系単量体、スチレン系単量体及びその他のアクリル系単量体を含有する単量体混合物を重合して得られるものである。
グリシジル基含有アクリル系単量体として、例えばグリシジル(メタ)アクリレートやシクロヘキセンオキシド構造を有する(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリルグリシジルエーテル等が挙げられる。グリシジル基含有アクリル系単量体として好ましいものは、反応性の高いグリシジル(メタ)アクリレートである。
スチレン系単量体としては、スチレン、α−メチルスチレン等が用いられる。
その他のアクリル系単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸メトキシエチル等の炭素数が1〜22のアルキル基(アルキル基は直鎖、分岐鎖でもよい)を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリル酸ポリアルキレングリコールエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ジアルキルアミノアルキルエステル、(メタ)アクリル酸ベンジルエステル、(メタ)アクリル酸フェノキシアルキルエステル、(メタ)アクリル酸イソボルニルエステル、(メタ)アクリル酸アルコキシシリルアルキルエステル等が挙げられる。(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリルジアルキルアミドも使用可能である。これらは、一種又は二種以上を適宜選択して用いることができる。
本発明における(D)グリシジル基含有スチレン系共重合体は、グリシジル基含有スチレン系共重合体100質量部とした時に、99〜50質量部のスチレン系単量体、1〜30質量部のグリシジル(メタ)アクリレート、及び0〜40質量部のその他のアクリル系単量体からなる共重合体であることが好ましい。各単量体の比は、順に、95〜50質量部、5〜20質量部及び0〜40質量部がより好ましく、93〜60質量部、7〜15質量部及び0〜30質量部が更に好ましい。
スチレン系単量体の含有量が50質量部未満では、ポリエステル樹脂との混和性が劣り、ゲル化しやすくなる傾向があり、組成物の剛性を低下させる恐れがある。また、グリシジル(メタ)アクリレートの含有量が30質量部を超えると、ゲル化しやすくなるので好ましくない。
(D)グリシジル基含有スチレン系共重合体の具体例として、スチレン/グリシジル(メタ)アクリレート共重合体、スチレン/グリシジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸メチル共重合体、スチレン/グリシジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸ブチル共重合体などを例示することが出来るが、これらに限定されるものではない。
本発明で用いられる(D)グリシジル基含有スチレン系共重合体は、1分子鎖当りグリシジル基を平均で2〜4個含有することが好ましい。1分子鎖当りグリシジル基数が2未満では増粘が不十分となり、1分子鎖当りグリシジル基数が4を超えると組成物のゲル化などが起こりやすくなり組成物の滞留安定性が劣るようになる。
グリシジル基の濃度をエポキシ価で示すと、300〜1,200当量/10gであることが好ましく、より好ましくは400〜1,000当量/10gであり、さらに好ましくは500〜1,000当量/10gである。
エポキシ価が300当量/10g未満であると、ポリエステル樹脂との反応性が不足して増粘効果が不十分になることがある。一方、1,200当量/10gを超えるとゲル化等が発生し、成形品外観、成形性に悪影響をおよぼすことがある。
(D)グリシジル基含有スチレン系共重合体の重量平均分子量は、1000〜10000であることが好ましく、より好ましくは3000〜10000、さらに好ましくは5000〜10000である。重量平均分子量が1000未満であると、未反応の反応基アクリル系共重合体が、成形品表面にブリードアウトし成形品表面の汚染をひきおこすことがある。一方、10000を超えるとポリエステル樹脂との相溶性が悪くなり、相分離及びゲル化等が発生し成形品外観に悪影響をおよぼすことがある。
(D)グリシジル基含有スチレン系共重合体の配合量は、0.1〜1質量%であり、0.1〜0.8質量%が好ましい。最適配合量はエポキシ価により変化し、エポキシ価が高ければ添加量は少なくてよく、エポキシ価が低ければ添加量を多くする必要がある。前記エポキシ価の範囲であれば配合量0.1質量%未満であると増粘効果が低く、1質量%を超えると樹脂組成物の粘度があがり流動性が低下するため、成形品外観、成形性に悪影響をおよぼしたりする。
本発明で用いられる(E)エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体は、グリシジル(メタ)アクリレート成分として、共重合体全体の3〜12質量%を有する共重合体を好適に使用できる。さらに好ましくは、3〜6質量%を有する共重合体である。
(E)エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体は、エチレン、グリシジル(メタ)アクリレートの他、さらに酢酸ビニルやアクリル酸エステルなどが共重合された三元共重合体も使用することができる。
(E)エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体の配合量は、1〜3質量%である。好ましくは、1.5〜3質量%である。バリに対しては、(E)成分を多く添加する方が樹脂組成物全体の粘度が向上し、保圧工程でのバリ発生を抑制できるが、逆に薄肉の成形品等ではかなりの圧力がかかることとなるため、金型が開いてバリになりやすく、また流動性が著しく低下するため成形品外観が悪化する可能性が高くなる。
本発明の無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、示差走査熱量計(DSC)で求められる降温結晶化温度をTC2とするとき、この値が175〜180℃の範囲にあることを特徴とする。なお、上記TC2とは、示差走査熱量計(DSC)を用い、窒素気流下で20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温し、その温度で5分間保持したあと、10℃/分の速度で100℃まで降温させることにより得られるサーモグラムの結晶化ピークのトップ温度である。TC2が180℃を超えてくると、ポリエステル樹脂組成物の結晶化速度が速くなり金型内での結晶化が早く起こるため、特に無機強化材を多く含む組成では射出圧力の伝播速度が低下する傾向になり、射出物と金型との密着が不十分になることや結晶化収縮の影響により、ガラス繊維等の無機強化材が成形品表面で目立つ、いわゆるガラス浮き等が発生し、成形品の外観が悪くなってしまう。一方、その場合では金型温度を120℃〜130℃と高温にして成形品の固化を遅延させる方法が考えられるが、この方法では金型内で射出圧力が高い中心部分では表面光沢、外観が改善されるが射出圧力が加わりにくい末端部分では、ガラス浮きなどの不良が発生しやすくなるため、均一に良好な外観を得られにくい。また金型から取り出された後の成形品の温度が高くなるため、成形品のソリが大きくなってしまう。逆に、TC2が175℃未満の場合では上述の理論でゆえば成形品外観は良好となるが、逆に結晶化速度が遅くなるため、特にハイサイクル性を要求される成形の場合、結晶化が遅いゆえに金型への張り付きなどによる離型不良が発生したり、突き出し時に変形が起こったりすることがある。本発明のポリエステル樹脂組成物は、これらの成形時懸念点を鑑み、最適なTC2となるよう調整を実施したものであるため、金型温度が100℃以下でも良好な外観と成形性を得ることができる。
TC2を175〜180℃の範囲にするためには、上記の通り各成分の配合量を調整すると共に、(B)成分と(E)成分の質量比率を調整し、(B)/(E)が10以下となるように配合することが重要である。この比率を超えると、樹脂組成物中の結晶化度が低下しすぎる傾向となるためにTC2の値が175℃を下回るようになり、成形性に難が生じる可能性が高くなる。また、上記の通り、(C)無機強化材として、各種の強化材を用いることができ、中でもタルク、ワラストナイト、ガラス繊維が好ましく、特にはガラス繊維が好ましく用いられる。ただし、結晶核剤として作用するタルクを配合する際には、(C)成分として併用する場合でも、樹脂組成物中、1質量%以下にすることが重要である。この配合量より多い場合、TC2の値が180℃を上回るようになってしまう。
本発明の無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物は、シリンダー温度270℃、金型温度100℃にて100×100×1mmtの平板を成形する際、充填0.4秒かつ50MPaの保圧をかけた際のバリ発生量の最大値が、0.5mm以下とすることが可能である。バリに関しては通常、保圧工程において圧力に対し樹脂が金型からはみ出て発生することがもっとも多い。保圧力を調整することで改善可能であるが、その場合他の不良(例えばヒケ、外観不良)などにつながる可能性がある。樹脂面においては、保圧時の圧力がかかっても耐えうる樹脂粘度を有するように調整することで改善が可能である。しかしながら、樹脂全体の粘度をあげる方法は保圧工程でのバリには有効であっても、今度は樹脂を充填する際に多大な圧力が必要となるため、射出時に金型が開いてバリとなってしまう。この傾向は、特に薄肉成形品において顕著に現れる。
したがって、薄肉成形品においてバリの発生のない良好な成形品を得るためには、射出時(高せん断時)は良好な流動性を有し、保圧工程(低せん断時)においては樹脂の粘度があがってくるような溶融粘度挙動を有する樹脂が理想である。このような挙動を示す樹脂としては、ポリエチレンのようなオレフィン樹脂、もしくはアクリル系樹脂のような非晶性樹脂が挙げられる。そのため、これらの樹脂をポリエステル樹脂に添加することが容易に想像できる。
しかし、単にオレフィン樹脂やアクリル系樹脂を添加する場合、理想の挙動を示すためには比較的多量の添加を必要とするため、樹脂組成物としての特性が変化したり、前述のように系全体の粘度が上昇してしまう。しかしながら、驚くべきことに、グリシジル基含有スチレン系共重合体およびエチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体を少量ずつ併用することにより、樹脂組成物としての特性を低下させることなく理想とする溶融粘度挙動を発現できることを発見し、バリ発生を抑制できることを見出した点が本発明のポイントである。
その他、本発明の無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物には、必要に応じて、本発明としての特性を損なわない範囲において、公知の各種添加剤を含有させることができる。公知の添加剤としては、例えば顔料などの着色剤、離型剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、可塑剤、変性剤、帯電防止剤、難燃剤、染料などが挙げられる。これら各種添加剤は、無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を100質量%とした時、合計で5質量%まで含有させることができる。つまり、無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物100質量%中、前記(A)、(B)、(C)、(D)、及び(E)の合計は95〜100質量%であることが好ましい。
離型剤としては、長鎖脂肪酸またはそのエステルや金属塩、アマイド系化合物、ポリエチレンワックス、シリコン、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。長鎖脂肪酸としては、特に炭素数12以上が好ましく、例えばステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などが挙げられ、部分的もしくは全カルボン酸が、モノグリコールやポリグリコールによりエステル化されていてもよく、または金属塩を形成していても良い。アマイド系化合物としては、エチレンビステレフタルアミド、メチレンビスステアリルアミドなどが挙げられる。これら離型剤は、単独であるいは混合物として用いても良い。
本発明の無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を製造する方法としては、上述した各成分および必要に応じて各種安定剤や顔料などを混合し、溶融混練することによって製造できる。溶融混練方法は当業者に周知のいずれの方法を用いることが可能であり、単軸押し出し機、2軸押出し機、加圧ニーダー、バンバリーミキサーなどを使用することができる。なかでも2軸押出し機を使用することが好ましい。一般的な溶融混練条件としては、2軸押出し機ではシリンダー温度は230〜270℃、混練時間は2〜15分である。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、実施例に記載された測定値は、以下の方法によって測定したものである。
(1)ポリエステル樹脂の還元粘度
0.1gのサンプルをフェノール/テトラクロロエタン(重量比6/4)の混合溶媒25mlに溶解し、ウベローデ粘度管を用いて30℃で測定した。(単位:dl/g)
(2)降温結晶化温度(TC2)
示差走査熱量計(DSC)を用い、窒素気流下で20℃/分の昇温速度で300℃まで昇温し、その温度で5分間保持したあと、10℃/分の速度で100℃まで降温させることにより得られるサーモグラムの結晶化ピークのトップ温度で求めた。
(3)バリ発生量
バリ発生量は、シリンダー温度270℃、金型温度100℃にて、100×100×1mmtの成形品を射出成形により成形する際、充填時間0.4秒となる射出速度で、かつ保圧を50MPaかけた際の成形品に発生するバリの最大値を顕微鏡で測定した。
(4)成形品外観
上記(3)の条件で成形した成形品の外観を、目視により観察した。
○:表面にガラス繊維等の浮きによる外観不良がなく、良好
△:特に成形品の末端部分等に、若干の外観不良が発生している
×:成形品全体に外観不良が発生している
(5)成形性
上記(3)の条件で成形を実施する際、射出工程終了後の冷却時間を5秒に設定したときの離型性で判定を実施した。(トータル成形サイクルは20秒)
○:離型も問題なく、連続成形が容易に可能である
×:毎ショットもしくは数ショットに一回離型不良が発生し、連続成形が不可能
(6)曲げ弾性率
ISO−178に準じて測定した
実施例、比較例において使用した原料は以下のようになる。
(A)ポリブチレンテレフタレート:東洋紡績(株)製 還元粘度0.7dl/g
(B1)ポリエチレンテレフタレート:東洋紡績(株)製 還元粘度0.65dl/g
(B2)共重合ポリエステル樹脂
CoPE1:TPA//EG/NPG=100//70/30モル%の組成比の共重合体、還元粘度0.83dl/g
CoPE2:TPA/IPA//EG/NPG=50/50//50/50モル%の組成比の共重合体、還元粘度0.56dl/g
(C)無機強化材
(C−1):ガラス繊維 日本電気硝子株式会社製「T−120H」
(C−2):タルク 林化成株式会社製「タルカンPK−P」平均粒子径6.5μm
(D)グリシジル基含有スチレン系共重合体
製造方法を後述する(D−1)および(D−2)を使用した。
(E)エチレン−グリシジルメタクリレート−メチルアクリレート三元共重合体
(グリシジルメタクリレート成分:6質量%)
住友化学株式会社製「ボンドファースト7M」
(F)アクリロニトリル−スチレン共重合体
日本エイアンドエル株式会社製 「ライタック230PCU」
[(B2)共重合ポリエステル樹脂:CoPE1の重合例]
攪拌機及び留出コンデンサーを有する、容積10Lのエステル化反応槽にテレフタル酸(TPA)2414質量部、エチレングリコール(EG)1497質量部、ネオペンチルグリコール(NPG)515質量部を投入し、触媒として二酸化ゲルマニウムを8g/Lの水溶液として生成ポリマーに対してゲルマニウム原子として30ppm、酢酸コバルト4水和物を50g/Lのエチレングリコール溶液として生成ポリマーに対してコバルト原子として35ppm含有するように添加した。その後、反応系内を最終的に240℃となるまで徐々に昇温し、圧力0.25MPaでエステル化反応を180分間行った。反応系内からの留出水が出なくなるのを確認後、反応系内を常圧にもどし、リン酸トリメチルを130g/Lのエチレングリコール溶液として生成ポリマーに対してリン原子として53ppm含有するように添加した。得られたオリゴマーを重縮合反応槽に移送し、徐々に昇温しながら減圧し最終的に温度が280℃で圧力が0.2MPaになるようにした。固有粘度に対する攪拌翼のトルク値が所望の数値となるまで反応させ、重縮合反応を終了した。反応時間は100分であった。得られた溶融ポリエステル樹脂を重合槽下部の抜き出し口からストランド状に抜き出し、水槽で冷却したあとチップ状に切断し、回収した。以上のようにして得られた共重合ポリエステル樹脂はNMR分析の結果、ジカルボン酸成分はテレフタル酸100モル%、ジオール成分はエチレングリコール70モル%、ネオペンチルグリコール30モル%の組成を有していた。
[(B2)共重合ポリエステル樹脂:CoPE2の重合例]
使用する原料・組成比以外は、CoPE1の重合例と同様に作製した。
[(D−1)グリシジル基含有スチレン系共重合体の作製例]
オイルジャケットを備えた容量1リットルの加圧式攪拌槽型反応器のオイルジャケット温度を、200℃に保った。一方、スチレン(以下、Stという。)89質量部、グリシジルメタクリレート(以下、GMAという。)11質量部、キシレン15質量部及び重合開始剤としてジターシャリーブチルパーオキサイド(以下、DTBPという。)0.5質量部からなる単量体混合液を原料タンクに仕込んだ。一定の供給速度(48g/分、滞留時間:12分)で原料タンクから反応器に連続供給し、反応器の内容液質量が約580gで一定になるように反応液を反応器の出口から連続的に抜き出した。その時の反応器内温は、約210℃に保たれた。反応器内部の温度が安定してから36分経過した後から、抜き出した反応液を減圧度30kPa、温度250℃に保った薄膜蒸発機により連続的に揮発成分除去処理して、揮発成分をほとんど含まない重合体(B−1)を回収した。
得られた重合体(D−1)は、GPC分析(ポリスチレン換算値)によると重量平均分子量8500、数平均分子量3300であった。エポキシ価は670当量/10g、エポキシ価数(1分子当りの平均エポキシ基の数)は2.2であった。
〔(D−2)の作製例〕
St74質量部、GMA20質量部、アクリル酸ブチル6質量部、キシレン15質量部、DTBP0.5質量部からなる単量体混合液を用いた以外は、重合体(D−1)の製造と同じ方法にて、重合体(D−2)を製造した。
得られた重合体は、GPC分析(ポリスチレン換算値)による質量平均分子量9700、数平均分子量3300であった。エポキシ価は1200当量/10g、エポキシ価数(1分子当りの平均エポキシ基の数)は3.8であった。
実施例、比較例の無機強化ポリエステル樹脂組成物は、上記原料を表1に示した配合比率(質量部)に従い計量して、35φ二軸押出し機(東芝機械社製)でシリンダー温度270℃、スクリュー回転数100rpmにて溶融混練した。ガラス繊維以外の原料はホッパーから二軸押出機へ投入し、ガラス繊維はベント口からサイドフィードで投入した。得られた無機強化ポリエステル樹脂組成物のペレットは、乾燥後、射出成形機にて各種評価用サンプルを成形した。成形条件は、シリンダー温度270℃、金型温度100℃で実施した。評価結果は表1に示した。
表1から明らかなように、実施例1〜6では(D)グリシジル基含有スチレン系共重合体と(E)エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体を少量ずつ併用することにより、成形品外観、および連続成形性を維持したまま、バリの発生量を大幅に抑制できていることがわかる。一方、比較例では、(D)成分と(E)成分を使用しない、もしくは一方のみを使用しているため、バリの抑制効果が見られていない。比較例5では、バリの抑制効果が見られるものの、TC2が特徴とする温度範囲から外れており、結晶性に劣るため、特に成形性に難がある。比較例6では(E)成分を多く添加することによりバリ発生は大きく抑制できているが、粘度上昇により外観不良が発生しているうえ、成形性も悪くなっている。また、別の非晶性アクリル系樹脂である(F)成分を用いた場合も、実施例に記載されているような効果は見られなかった。
本発明によれば、無機強化材が多量に配合された樹脂組成物においても、金型内での樹脂組成物の固化(結晶化)速度を低下させることにより成形品表面の無機強化材の浮き出しを抑制できるため、成形品の外観は大きく改善させることができ、高強度・高剛性でありながら良好な外観かつ低ソリの成形品を得ることができる。さらに、特に薄肉の成形品等においても、成形時の圧力に対してバリの発生を大きく抑制させることができるため、成形後のバリ取り工程などを削除することが可能である。また、使用する成形機の型締め力を低減させることも可能となるため、より小さいサイズの成形機を使用することができるようになる。したがって、産業界に寄与すること大である。

Claims (5)

  1. (A)ポリブチレンテレフタレート樹脂25〜45質量%、(B)ポリブチレンテレフタレート樹脂以外の少なくとも一種以上のポリエステル樹脂15〜25質量%、(C)無機強化材35〜55質量%、(D)グリシジル基含有スチレン系共重合体0.1〜1質量%、及び(E)エチレン−グリシジル(メタ)アクリレート共重合体1〜3質量%を含む無機強化熱可塑性ポリステル樹脂組成物であって、当該ポリエステル樹脂組成物の(B)成分と(E)成分の質量比率((B)/(E))が10以下であり、かつ下記(I)を満たすことを特徴とする、無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
    (I)該ポリエステル樹脂組成物の示差走査型熱量計(DSC)で求められる降温結晶化温度をTC2(℃)とするとき、このTC2が175℃〜180℃の範囲にある。
  2. (B)ポリブチレンテレフタレート以外のポリエステル樹脂が、ポリエチレンテレフタレート樹脂(B1)および/または共重合ポリエステル樹脂(B2)である、請求項1に記載の無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  3. 共重合ポリエステル樹脂(B2)が、テレフタル酸、イソフタル酸、セバシン酸、アジピン酸、トリメリット酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−シクロへキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、及び2−メチル−1,3−プロパンジオールからなる群より選ばれる少なくとも1種以上を共重合成分として含むポリエステル樹脂である、請求項2に記載の無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  4. (D)グリシジル基含有スチレン系共重合体が、グリシジル基を1分子あたり2個以上含有し重量平均分子量が1000〜10000であり、かつ99〜50質量部のスチレン系単量体、1〜30質量部のグリシジル(メタ)アクリレート、および0〜40質量部のその他のアクリル系単量体からなる共重合体であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載の無機強化熱可塑性ポリエステル樹脂組成物を用いて成形された、厚み1mmtの形状を含む成形品。
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