JP2013137928A - 電極、リチウム二次電池及び電極の製造方法 - Google Patents

電極、リチウム二次電池及び電極の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充放電特性をより高める。
【解決手段】リチウム二次電池10は、正極シート13と、負極シート18と、正極シート13と負極シート18との間を満たすイオン伝導媒体20と、を備えている。このリチウム二次電池10の正極合材層12は、セパレータ19側の表層側合材層12aと、集電体11に接触する集電体側合材層12bとを含み、表層側合材層12aに比して集電体側合材層12bでは正極活物質の比表面積が大きくなるよう形成されている。また、負極合材層17は、セパレータ19側の表層側合材層17aと、集電体11に接触する集電体側合材層17bとを含み、表層側合材層17aに比して集電体側合材層17bでは負極活物質の比表面積が大きくなるよう形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電極、リチウム二次電池及び電極の製造方法に関する。
従来、電極としては、電極活物質と、導電材料とバインダーと添加物とを備えたものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この電極では、作製時の圧縮圧延条件、スラリー中の固体物質の含分、スラリー中の組成、合材層形成後の乾燥温度などの制御により、層の裏面(集電体側)から層の外面に向かう方向で、多孔率を減じることにより、容量密度及び電気化学的利用率をより高めることができるとしている。
特表2008−508672号公報
しかしながら、上述の特許文献1の電極では、活物質を含む合材層の多孔率を制御して、電池性能を高めるものであるが、まだ十分でなく、例えば、放電容量の向上や、充放電サイクルでの容量維持率など、より充放電特性を高めることが求められていた。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、充放電特性をより高めることができる電極、リチウム二次電池及び電極の製造方法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、合材層に含まれる活物質の比表面積を集電体側と表層側とで制御すると、充放電特性をより高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、電池に用いられる電極であって、集電体と、表層側に比して前記集電体側では活物質の比表面積が大きい傾向に該活物質を含んで前記集電体上に形成された合材層と、を備えた電極である。
本発明のリチウム二次電池は、正極及び負極のうち1以上である上述に記載の電極と、前記電極と接しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備えたものである。
本発明の電極の製造方法は、電池に用いられる電極の製造方法であって、表層側に比して集電体側では活物質の比表面積が大きい傾向に該集電体上に活物質を形成する合材層形成工程、を含むものである。
本発明の電極、リチウム二次電池及び電極の製造方法は、充放電特性をより高めることができる。このような効果が得られる理由は、以下のように推測される。例えば、反応しにくい電極の深部(集電体側)での反応比表面積を増加させることにより、集電体側の膜厚の深い部位に配置された活物質まで充放電に寄与するため、例えば、放電容量の向上や充放電サイクル後の放電容量維持率の向上など、充放電特性をより高めることができるものと推察される。
リチウム二次電池10の構成の概略を表す断面図である。
本発明の電極は、電池に用いられる電極であって、集電体と、表層側に比して集電体側では活物質の比表面積が大きい傾向にこの活物質を含んで集電体上に形成された合材層と、を備えている。なお、「比表面積が大きい傾向に」とは、合材層の表層面から、合材層が集電体に形成された集電体側の面へ至るまでに、比表面積が大きくなることを意味し、合材層の表層面から集電体側の面へ至るまでに、比表面積が変わらない領域や、比表面積が小さくなる領域が部分的に存在することを許容する趣旨である。本発明の電極は、蓄電デバイスの電極とすれば特に限定されないが、アルカリ二次電池の電極とすることが好ましい。このアルカリとしては、例えば、リチウム,ナトリウム,カリウムとしてもよく、このうちリチウムがより好ましい。以下では、主としてリチウム二次電池に用いられる電極及び製造方法について説明する。
本発明の電極に用いられる集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。これらは、正極用の集電体として用いることができる。また、負極用の集電体としては、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
本発明の電極の合材層は、活物質及び結着材を含むものとしてもよい。あるいは、本発明の電極の合材層は、活物質及び結着材を含み、更に導電材などを含むものとしてもよい。この合材層は、表層側の活物質の比表面積Aに対する集電体側の活物質の比表面積Bの比である比表面積比B/Aが1.25以上で形成されているものとしてもよい。即ち、表層側に比して集電体側では活物質の比表面積が1.25倍以上であることが好ましい。こうすれば、例えば、放電容量や充放電サイクルでの容量維持率など、充放電特性をより向上することができる。この比表面積比B/Aは、1.50以上がより好ましく、2.00以上が更に好ましく、合材層の形成強度などを考慮すると、6.00以下であることが好ましく、4.00以下であることがより好ましい。また、本発明の電極の合材層は、表層側の活物質の比表面積Aに対する集電体側の活物質の比表面積Bの比から値1を減じた比表面積比増加率(B/A−1)が0.25以上で形成されていることが好ましい。こうすれば、例えば、放電容量や充放電サイクルでの容量維持率など、充放電特性をより向上することができる。この比表面積比増加率(B/A−1)は、0.50以上であることがより好ましく、1.00以上であることが更に好ましい。また、この比表面積比増加率(B/A−1)は、合材層の形成強度などを考慮すると、5.00以下であることが好ましく、3.00以下であることがより好ましい。また、活物質の比表面積は、例えば、活物質の粉体が球であると仮定し、その平均粒径から算出してもよい。このとき、活物質の平均粒径は、原料粉体では、表層側の原料粉体と、集電体側の原料粉体とを電子顕微鏡(SEM)観察し、この観察画像に含まれる活物質粒子を300個選択し、その直径を測定して平均した値を各活物質の平均粒径とする。また、電極の合材層においては、集電体と合材層とを引き剥がした面を電子顕微鏡(SEM)観察し、この観察画像に含まれる活物質粒子を300個選択し、その直径を測定して平均した値を集電体側の活物質の平均粒径とする。また、表層面をSEM観察し、この観察画像に含まれる活物質粒子を300個選択し、その直径を測定して平均した値を表層側の活物質の平均粒径とする。このとき、観察した粒子形状、例えば表面の凹凸を考慮して比表面積を求めるものとしてもよい。あるいは、活物質の比表面積は、ガス吸着によるBET比表面積測定により、例えば窒素ガスを用いて活物質を測定した値としてもよい。この表層側の活物質の比表面積は、例えば、10m2/g以上2500m2/g以下の範囲であることが好ましい。
本発明の電極の合材層は、膜厚(合材層の厚さ)が20μm以上で形成されていることが好ましい。膜厚が20μm以上であれば、電池容量をより高めることができる。また、膜厚が20μm以上では、集電体側の活物質までイオンが到達しにくくなり、充放電反応が均一になりにくく、本発明を適用する意義が高い。即ち、充放電特性をより向上する効果がより顕著なものとなる。この膜厚は、厚い方がより好ましく、例えば、25μm以上であることが好ましく、50μm以上であることがより好ましい。また、合材層の膜厚は、集電体との結着性などを考慮すると、1000μm以下であることが好ましい。
本発明の電極の合材層は、表層側の活物質の比表面積Aに対する集電体側の活物質の比表面積Bの比から値1を減じた比表面積比増加率(B/A−1)をこの合材層の厚さT(μm)で除算した単位厚さあたりの比表面積比増加率{(B/A−1)/T}が0.010(μm-1)以上であることが好ましい。こうすれば、例えば、放電容量や充放電サイクルでの容量維持率など、充放電特性をより向上することができる。この単位厚さあたりの比表面積比増加率は、0.020(μm-1)以上であることがより好ましく、0.030(μm-1)以上であることが更に好ましい。また、この単位厚さあたりの比表面積比増加率は、合材層の形成強度などを考慮すると、0.100以下であることが好ましい。
本発明の電極の合材層は、少なくとも結着材と活物質とを含む原料(合材原料ともいう)を用いて静電塗装により集電体に形成されていることが好ましい。静電塗装とは、合材原料を静電気力によって集電体に付着させたのち、加熱により結着材を溶融して合材を集電体に固定する手法をいう。この静電塗装では、活物質の比表面積や結着材や導電材の添加量などを変化させ、第1層目、第2層目と、特性を変化させた合材粉体を逐次塗装することが可能であり、活物質の比表面積を傾斜化した電極の製造工程を簡素化することができる。また、例えば湿式で行う場合に必要な乾燥工程などを省略可能であり、電極の製造工程をより簡素化することができる。また、充放電特性をより高めることができる。
合材層に含まれる活物質は、例えば、リチウム二次電池に用いられる正極活物質や負極活物質などとしてもよい。例えば、活物質は、正極活物質としての、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを用いることができる。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、Li(1-x)MnO2(0≦x≦1、以下同じ)、Li(1-x)Mn24などのリチウムマンガン複合酸化物、Li(1-x)CoO2などのリチウムコバルト複合酸化物、Li(1-x)NiO2などのリチウムニッケル複合酸化物、LiV23などのリチウムバナジウム複合酸化物、V25などの遷移金属酸化物などを用いることができる。これらのうち、リチウムの遷移金属複合酸化物、例えば、LiCoO2、LiNiO2、LiMnO2、LiV23などが好ましい。また、活物質粒子は、負極活物質としての、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素質材料、Li4Ti512などのチタン複合酸化物、導電性ポリマーなどを用いることができる。このうち炭素質材料が安全性の面から見て好ましい。この炭素質材料は、特に限定されるものではないが、コークス類、ガラス状炭素類、グラファイト類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維などが挙げられる。このうち、人造黒鉛、天然黒鉛などのグラファイト類が、金属リチウムに近い作動電位を有し、高い作動電圧での充放電が可能であり、支持塩としてリチウム塩を使用した場合に自己放電を抑え、且つ充電時おける不可逆容量を少なくできるため、好ましい。この活物質粒子は、平均粒径が0.5μm以上20μm以下であることが、集電体上に形成する処理が行いやすいため好ましく、1μm以上10μm以下であることがより好ましい。なお、原料粉体の平均粒径は、原料粉体をSEM観察し、この観察画像に含まれる活物質粒子を300個選択し、その直径を測定して平均した値とする。
合材層に含まれる結着材は、活物質や導電材を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンマー(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。合材層に含まれる導電材としては、電極の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。
本発明の電極は、例えば、リチウム二次電池に用いることができる。本発明のリチウム二次電池は、集電体と、表層側に比して前記集電体側では活物質の比表面積が大きい傾向に該活物質を含んで前記集電体上に形成された合材層と、を備えた電極と、電極と接しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備えているものとしてもよい。本発明のリチウム二次電池は、正極及び負極の少なくとも一方が、上述した本発明の電極であるものとしてもよく、正極及び負極の両方が本発明の電極であるものとしてもよい。負極活物質としては、リチウム、リチウム合金、スズ化合物などの無機化合物を用いるものとしてもよい。
本発明のリチウム二次電池のイオン伝導媒体としては、支持塩を含む非水系電解液や非水系ゲル電解液などを用いることができる。非水電解液の溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、フラン類、スルホラン類及びジオキソラン類などが挙げられ、これらを単独又は混合して用いることができる。具体的には、カーボネート類としてエチレンカーボネートやプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル−n−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t−ブチル−i−プロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類、γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状エステル類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酪酸メチルなどの鎖状エステル類、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、などのフラン類、スルホラン、テトラメチルスルホランなどのスルホラン類、1,3−ジオキソラン、メチルジオキソランなどのジオキソラン類などが挙げられる。このうち、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組み合わせが好ましい。この組み合わせによると、充放電の繰り返しでの電池特性を表すサイクル特性が優れているばかりでなく、電解液の粘度、得られる電池の電気容量、電池出力などをバランスの取れたものとすることができる。なお、環状カーボネート類は、比誘電率が比較的高く、電解液の誘電率を高めていると考えられ、鎖状カーボネート類は、電解液の粘度を抑えていると考えられる。
本発明のリチウム二次電池に含まれている支持塩は、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiSbF6、LiSiF6、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlCl4などが挙げられる。このうち、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4などの無機塩、及びLiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23などの有機塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上の塩を組み合わせて用いることが電気特性の点から見て好ましい。この支持塩は、非水電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。支持塩の濃度が0.1mol/L以上では、十分な電流密度を得ることができ、5mol/L以下では、電解液をより安定させることができる。また、この非水電解液には、リン系、ハロゲン系などの難燃剤を添加してもよい。
また、液状のイオン伝導媒体の代わりに、固体のイオン伝導性ポリマーをイオン伝導媒体として用いることもできる。イオン伝導性ポリマーとしては、例えば、アクリロニトリル、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、メチルメタクリレート、ビニルアセテート、ビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデンなどのポリマーと支持塩とで構成されるポリマーゲルを用いることができる。更に、イオン伝導性ポリマーと非水系電解液とを組み合わせて用いることもできる。また、イオン伝導媒体としては、イオン伝導性ポリマーのほか、無機固体電解質あるいは有機ポリマー電解質と無機固体電解質の混合材料、若しくは有機バインダーによって結着された無機固体粉末などを利用することができる。
本発明のリチウム二次電池は、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、リチウム二次電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の薄い微多孔膜が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明のリチウム二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。図1は、本発明のリチウム二次電池10の一例を示す模式図である。このリチウム二次電池10は、集電体11に正極合材層12を形成した正極シート13と、集電体14の表面に負極合材層17を形成した負極シート18と、正極シート13と負極シート18との間に設けられたセパレータ19と、正極シート13と負極シート18との間を満たすイオン伝導媒体20(非水電解液)と、を備えたものである。このリチウム二次電池10では、正極シート13と負極シート18との間にセパレータ19を挟み、これらを捲回して円筒ケース22に挿入し、正極シート13に接続された正極端子24と負極シート18に接続された負極端子26とを配設して形成されている。また、このリチウム二次電池10の正極合材層12は、セパレータ19側の表層側合材層12aと、集電体11に接触する集電体側合材層12bとを含み、表層側合材層12aに比して集電体側合材層12bでは正極活物質の比表面積が大きくなるよう形成されている。また、このリチウム二次電池10の負極合材層17は、セパレータ19側の表層側合材層17aと、集電体11に接触する集電体側合材層17bとを含み、表層側合材層17aに比して集電体側合材層17bでは負極活物質の比表面積が大きくなるよう形成されている。
次に、本発明の電極の製造方法について説明する。本発明の電極の製造方法は、少なくとも結着材と活物質とを混合して粉末状の合材粉体を作製する合材作製工程と、表層側に比して集電体側では活物質の比表面積が大きい傾向に集電体上に活物質を形成する合材層形成工程と、を含むものとしてもよい。本発明の電極の製造方法は、活物質として正極活物質を用い、正極を製造する方法としてもよいし、活物質粒子として負極活物質を用い、負極を製造する方法としてもよい。この製造方法において、電極は、アルカリ二次電池の電極とすることが好ましい。アルカリ二次電池のアルカリとしては、例えば、リチウム,ナトリウム,カリウムとしてもよく、このうちリチウムがより好ましい。以下では、主としてリチウム二次電池の製造方法について説明する。
[合材作製工程]
この工程では、少なくとも結着材と活物質粒子とを混合して粉末状の合材粉体を作製する処理を行う。また、合材粉体は、更に導電材を含むものとしてもよい。例えば、活物質が導電性を有する場合には、合材粉体は結着材のみからなるものとし、活物質の導電性が低いか導電性がない場合には、合材粉体は結着材と導電材とを含むものとしてもよい。合材粉体のうち、活物質は、全体の30体積%以上90体積%以下としてもよい。また、合材粉体のうち、結着材は、全体の1体積%以上20体積%以下としてもよい。また、合材粉体のうち、導電材は、全体の5体積%以上60体積%以下としてもよい。
合材作製工程において、活物質、結着材及び導電材としては、本発明の電極で説明したリチウム二次電池に用いられる正極活物質や負極活物質、結着材及び導電材などを用いることができる。合材作製工程では、活物質粒子、結着材、更には導電材を溶剤に分散させ、混合したのち、乾燥、解砕し、合材粉体を作製するものとしてもよい。こうすれば、活物質粒子と副次材とをより均一に混合することができる。溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質粒子をスラリー化して混合してもよい。
[合材層形成工程]
この工程では、表層側に比して集電体側では活物質の比表面積が大きい傾向に集電体上に活物質を形成する処理を行う。表層側に比して集電体側では活物質の比表面積を大きくする方法としては、例えば、複数の比表面積を有する活物質を用意し、集電体上に大きな比表面積を有する活物質を第1層として形成し、次に第1層上にこれより小さい比表面積を有する活物質を第2層として形成する処理を2層以上行うものとすればよい。活物質の比表面積の調整は、例えば、活物質の粒径によって行うものとしてもよいし、活物質粒子の表面特性の変化、例えば、粒子表面をディンプル状にしたり、粒子表面にクラックを設けたりするものとしてもよい。この合材層形成工程は、電着塗装など合材粉体に溶媒を加えた湿式処理で行ってもよいし、静電塗装など合材粉体をそのまま用いる乾式処理で行ってもよい。このうち、乾式処理が、乾燥工程などを簡略化することができ、且つ製造エネルギーの観点からも好ましい。例えば、合材層形成工程では、合材原料を用いて静電塗装により集電体上に活物質を形成するものとしてもよい。この静電塗装では、集電体側の合材層の比表面積を大きくし、より表面側の合材層の比表面積をより大きくするなど、合材層の制御が容易であり、より好ましい。また、静電塗装では、乾燥工程の省略や、原料成分の偏析などを抑制することができる。この合材層の比表面積制御は、例えば、活物質粒子の比表面積や粒径、結着材や導電材の添加量などを変化させ、第1層目、第2層目と、特性を変化させた合材粉体を塗装することにより実現することができる。静電塗装を行う場合、合材粉体を霧状にするための方式には、帯電した合材粉体自身の反発を利用し合材粉体を霧状に噴霧する方式や、噴霧した合材粉体に外部電極からコロナ放電で電荷を付与する方式などが挙げられる。なお、電着塗装とは、電解液の中に集電体を浸漬しこれを陰極又は陽極とし、直流電気を通じて合材粉体を集電体上に電着、形成させる方法をいう。
合材層形成工程では、合材粉体を集電体上に形成したのち、必要に応じて電極密度を高めるべくプレスなどにより圧縮する圧縮処理や、合材粉体を固着させるべく加熱処理を行ってもよい。例えば、加熱したロールプレスで圧縮処理及び加熱処理を同時に行うものとしてもよい。圧縮処理や加熱処理では、結着材に内部応力(歪)が残存しないように行うことが好ましい。また、適度な空隙が存在するように圧縮処理を行うことが好ましい。合材粉体を固着する際の加熱処理は、例えば、結着材のガラス転移点Tg以上の温度で行うことが好ましく、結着材の軟化点以上の温度で行うことがより好ましい。ガラス転移点Tg以上の温度で加熱処理を行うと、結着材に内部応力(歪)が残存しにくく、活物質粒子をより強固に集電体上に固着することができ、好ましい。
合材層形成工程では、表層側の活物質の比表面積Aに対する集電体側の活物質の比表面積Bの比から値1を減じた比表面積比増加率(B/A−1)が0.25以上となるように合材層を形成することが好ましい。この比表面積比増加率は、上述したように、0.50以上とすることが好ましく、1.00以上とすることがより好ましい。また、この比表面積比増加率(B/A−1)は、5.00以下とすることが好ましく、3.00以下とすることがより好ましい。また、合材層形成工程では、表層側の活物質の比表面積Aに対する集電体側の活物質の比表面積Bの比から値1を減じた比表面積比増加率(B/A−1)をこの合材層の厚さT(μm)で除算した単位厚さあたりの比表面積比増加率{(B/A−1)/T}が0.010以上となるように合材層を形成することが好ましい。この単位厚さあたりの比表面積比増加率は、上述したように、0.020(μm-1)以上であることがより好ましく、0.030(μm-1)以上であることが更に好ましい。また、この単位厚さあたりの比表面積比増加率は、0.100以下であることが好ましい。また、合材層形成工程では、膜厚(合材層の厚さ)が20μm以上となるように合材層を形成することが好ましい。この膜厚は、厚い方がより好ましく、例えば、25μm以上とすることが好ましく、50μm以上とすることがより好ましい。また、合材層の膜厚は、1000μm以下とすることが好ましい。
以上詳述した、本発明の電極、リチウム二次電池及び電極の製造方法では、反応しにくい電極の深部(集電体側)での反応比表面積を増加させることにより、集電体側の膜厚の深い部位に配置された活物質まで充放電に寄与するため、例えば、放電容量の向上や充放電サイクル後の放電容量維持率の向上など、充放電特性をより高めることができる。また、静電塗装により合材層を集電体上に形成するため、例えばペーストを用いて集電体に塗布して電極を作製する場合に比して、溶媒を多量に必要とせず、溶媒の乾燥工程や、ペーストの性状維持に関する処理などを省略することができ、より簡素的な工程で電極の製造を行うことができる。また、電極合材の組成ムラを抑制して充放電特性をより高めることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、本発明のリチウム二次電池を具体的に作製した例を実験例として説明する。なお、実験例1〜6,9〜11が実施例に相当し、実験例7,8が比較例に相当する。
[粉体状の正極合材の作製]
結着材のポリフッ化ビニリデンに対して、導電材のカーボンブラックを体積比で5%で混合した。この混合物を、平均粒子径が2〜10μmのLiNi0.8Co0.15Al0.052の層状構造リチウムニッケル複合酸化物に対して、体積比で35%混合したものを、N−メチル−2−ピロリドンで分散させた。これを減圧乾燥して解砕し、正極活物質であるリチウムニッケル複合酸化物粒子の表面にカーボンブラックとポリフッ化ビニリデンの混合物である導電性結着材が薄膜状あるいは島状に密着した粉体塗布用正極活物質(正極合材)を得た。なお、平均粒径は、原料粒子を電子顕微鏡(SEM)観察し、この観察画像に含まれる活物質粒子を300個選択し、その直径を測定して平均した値とした。
[粉体状の負極合材の作製]
結着材のポリフッ化ビニリデンを、平均粒子径が2〜10μmの天然黒鉛に対して、体積比で35%で混合したものを、N−メチル−2−ピロリドンで分散させた。これを減圧乾燥させて解砕し、負極活物質である天然黒鉛粒子の表面にポリフッ化ビニリデンが薄膜状あるいは島状に密着した粉体塗布用負極活物質(負極合材)を得た。
[電極作製]
粉体塗布用正極活物質(正極合材)、粉体塗布用負極活物質(負極合材)はそれぞれ、粉体塗布用の静電塗布装置を用いて、集電体の表面に静電塗装した。正極合材は、静電塗布装置を用いて集電体としての厚さ20μmのAl箔の両面に塗布された。負極合材は、静電塗布装置を用いて集電体としての厚さ10μmのCu箔の両面に塗布された。合材の塗布は、片面当り2〜3回に分けて行い、塗布ごとの活物質粒子径を変化させることで、集電体側と表層側の活物質の比表面積を制御した。また、塗布量も適宜変化させてプレス後の電極膜厚を変化させた。静電塗布装置には、−60kVを印加して活物質に帯電させ、Al、Cuの集電箔は接地させることによりこれらの間に電位差を発生させ、いわゆる粉体静電塗布を行った。静電塗布後の正極電極及び負極電極は、それぞれロールプレスで高密度化した。この際にロールプレスの温度を120℃に制御して、活物質表面の結着材同士が内部歪のない状態で密着させて、いずれも活物質密度2.0g/cm3の正極電極および活物質密度1.2g/cm3の負極電極を得た。
[電池作製]
上記の正極電極と負極電極を適宜組合わせて、厚さ25μmの多孔質ポリエチレン製セパレータを挟んで捲回しロール状電極体を作製した。このロール状電極体を18650型円筒ケースに挿入し、非水電解液を含侵させた後に密閉して円筒型リチウムイオン二次電池を作製した。非水電解液には、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートを30:70体積%で混合した混合溶媒に、LiPF6を1Mの濃度で溶解したものを用いた。
(高電流密度充放電サイクル試験)
充放電サイクル試験は、20℃の温度条件下で、電流密度10mA/cm2の定電流で充電上限電圧4.1Vまで充電を行い、次いで電流密度10mA/cm2の定電流で放電下限電圧3.0Vまで放電を行う充放電を1サイクルとし、このサイクルを合計100サイクル行うものとした。そして、充放電サイクル試験前の放電容量を初期放電容量として、{100サイクル後の放電容量/初期放電容量×100%}という式を用いて、100サイクル後の容量維持率(%)を計算した。初期の放電容量が高いほど高出力で、100サイクル後の容量維持率が高いほど均一反応性が高いと判断した。
[実験例1]
電極の合材層全体の膜厚を20μmとし、片面塗布回数を2回、集電体側の活物質の平均粒径を4μm、表層側の活物質の平均粒径を5μmとして上記説明した方法により正極電極及び負極電極を同じ条件で作製し、作製した正極電極及び負極電極を組合わせて捲回し、得られた電池を実験例1とした。静電粉体塗装では、集電体上への1回目の合材層の形成に平均粒径4μmの活物質を用い、2回目の合材層の形成に平均粒径5μmの活物質を用いた。実験例1及び後述する実験例2〜11の作製条件及び評価結果を表1に示す。
Figure 2013137928
[実験例2〜5]
電極の合材層全体の膜厚を40μm、集電体側の活物質の平均粒径を2.5μmとした以外は実験例1と同様の工程を行い得られた電池を実験例2とした。また、電極の合材層全体の膜厚を40μm、集電体側の活物質の平均粒径を2μmとした以外は実験例1と同様の工程を行い得られた電池を実験例3とした。また、電極の合材層全体の膜厚を100μm、集電体側の活物質の平均粒径を5μm、表層側の活物質の平均粒径を10μmとした以外は実験例1と同様の工程を行い得られた電池を実験例4とした。また、電極の合材層全体の膜厚を100μm、片面塗布回数を3回、集電体側の活物質の平均粒径を3μm、中層の活物質の平均粒径を5.5μm、表層側の活物質の平均粒径を10μmとした以外は実験例1と同様の工程を行い得られた電池を実験例5とした。
[実験例6,7]
電極の合材層全体の膜厚を15μm、集電体側の活物質の平均粒径を2μm、表層側の活物質の平均粒径を3μmとした以外は実験例1と同様の工程を行い得られた電池を実験例6とした。また、電極の合材層全体の膜厚を15μm、集電体側及び表層側の活物質の平均粒径を3μmとした以外は実験例1と同様の工程を行い得られた電池を実験例7とした。
[実験例8〜11]
集電体側及び表層側の活物質の平均粒径を5μmとした以外は実験例1と同様の工程を行い得られた電池を実験例8とした。また、集電体側の活物質の平均粒径を4.5μmとした以外は実験例1と同様の工程を行い得られた電池を実験例9とした。また、電極の合材層全体の膜厚を40μm、集電体側の活物質の平均粒径を8μm、表層側の活物質の平均粒径を10μmとした以外は実験例1と同様の工程を行い得られた電池を実験例10とした。また、電極の合材層全体の膜厚を100μm、集電体側の活物質の平均粒径を8μm、表層側の活物質の平均粒径を10μmとした以外は実験例1と同様の工程を行い得られた電池を実験例11とした。
なお、実験例1〜4,6〜11では、集電体側の合材層及び表層の合材層の各層の厚さは、電極膜厚全体のおおよそ1/2ずつであった。また、実験例5では、集電体側の合材層、中層の合材層及び表層の合材層の各層の厚さは、電極膜厚全体のおおよそ1/3ずつであった。
(結果と考察)
表1には、測定結果として、片面の電極膜厚(μm)、片面あたりの塗布回数、集電体側、中層及び表層側の活物質の平均粒径(μm)、活物質の比表面積比増加率、比表面積比増加率を電極膜厚で除算した値、正極活物質の単位重量あたりの放電容量(mAh/g)、100サイクルでの容量維持率(%)をまとめて示した。比表面積比増加率は、活物質を球と仮定して平均粒径から表層側及び集電体側の活物質の比表面積を算出し、表層側の活物質の比表面積に対する集電体側の活物質の比表面積の比から1を減じて求めた値である。なお、比表面積S(m2/g)は、活物質の平均粒径D(m)と密度ρ(g/m3)とを用い、S=6/(D×ρ)の式から算出することができる。
表1に示すように、同じ膜厚で比較したとき、表層側に比して集電体側の活物質の比表面積が大きいと初期放電容量及び容量維持率が向上した。また、合材層の膜厚が20μm以上の場合や、比表面積比増加率が、0.25以上、比表面積比増加率/膜厚の値が0.010以上になると、初期放電容量が顕著に大きくなるとともに、容量維持率が極めて大きく向上した。特に、膜厚が20μm以上100μm以下の範囲や、比表面積比増加率が0.25以上3.0以下の範囲、比表面積比増加率/膜厚が0.010以上0.040以下の範囲が好ましかった。膜厚がより厚い方が、単位体積あたりの電池出力が大きくなることから、膜厚は、20μm以上、あるいは50μm以上の範囲がより好ましいと考えられる。この充放電特性の向上は、集電体側の膜厚の深い部位に配置された活物質まで充放電に大きく寄与するためであると推察された。これは反応しにくい電極の深部での反応比表面積を増加させたことが主因であるといえる。本実施例では、活物質の平均粒径を変化させることにより、表層及び集電体側の比表面積を変化させるものとしたが、活物質の表面形状を例えばディンプル状にしたり、活物質表面にクラックを形成するなどして、平均粒径が同じでも比表面積を異なるものとすれば、同じ効果を得ることが出来るものと推察された。
また、電極の作製方法としては、粉体静電塗装法ではなく、ペーストを複数回塗り重ねる方法も考えられるが、乾燥工程が必要であるなど、電極の作製コストが大きくなり、現実的ではない。更に、乾燥した合材層に次の層のペーストを塗布すると、活物質の流動のみでなく、結着材、導電材も流動偏析することにより、上記ほどの効果は得られないことを確認した。本実施例から考察すると、イオン伝導媒体の流動しにくい、より集電体側の合材層(活物質)では、比表面積を向上させて反応性をより高めることによって、更に高出力・長寿命の電極が作製できることがわかった。また、静電粉体塗装法による電極作製がより好適であることがわかった。
10 リチウム二次電池、11,14 集電体、12 正極合材層、12a 表層側合材層、12b 集電体側合材層、13 正極シート、17 負極合材層、17a 表層側合材層、17b 集電体側合材層、18 負極シート、19 セパレータ、20 イオン伝導媒体、22 円筒ケース、24 正極端子、26 負極端子。

Claims (8)

  1. 電池に用いられる電極であって、
    集電体と、
    表層側に比して前記集電体側では活物質の比表面積が大きい傾向に該活物質を含んで前記集電体上に形成された合材層と、
    を備えた電極。
  2. 前記合材層は、前記表層側の活物質の比表面積Aに対する前記集電体側の活物質の比表面積Bの比から値1を減じた比表面積比増加率(B/A−1)が0.25以上で形成されている、請求項1に記載の電極。
  3. 前記合材層は、膜厚が20μm以上で形成されている、請求項1又は2に記載の電極。
  4. 前記合材層は、前記表層側の活物質の比表面積Aに対する前記集電体側の活物質の比表面積Bの比から値1を減じた比表面積比増加率(B/A−1)を該合材層の厚さT(μm)で除算した単位厚さあたりの比表面積比増加率{(B/A−1)/T}が0.010以上である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の電極。
  5. 前記合材層は、少なくとも結着材と前記活物質とを含む原料を用いて静電塗装により前記集電体に形成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の電極。
  6. 正極及び負極のうち1以上である請求項1〜5のいずれか1項に記載の電極と、
    前記電極と接しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
    を備えたリチウム二次電池。
  7. 電池に用いられる電極の製造方法であって、
    表層側に比して集電体側では活物質の比表面積が大きい傾向に該集電体上に活物質を形成する合材層形成工程、
    を含む電極の製造方法。
  8. 前記合材層形成工程では、少なくとも結着材と前記活物質とを含む原料を用いて静電塗装により前記集電体上に活物質を形成する、請求項7に記載の電極の製造方法。
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