JP5487598B2 - リチウム二次電池及びその使用方法 - Google Patents

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Description

本発明は、リチウム二次電池及びその使用方法に関する。
リチウムの吸蔵・放出現象を利用したリチウム二次電池は、高電圧・高エネルギ密度が得られ小型軽量化を図ることができるので、パソコンや携帯電話等の情報通信機器の関連分野では既に実用化されている。また資源問題や環境問題から電気自動車やハイブリッド自動車に搭載される電源への展開が期待されている。この電池では、一般に正極活物質としてリチウム化合物、負極活物質として炭素材料を用い、有機溶媒にリチウム塩を溶かした非水系電解液と組み合わせて電池を構成している。リチウム二次電池では、充電放電を繰り返した際に、電池容量が大きいものや、電池残量をより容易に把握することができるものなどが求められている。
このような観点から、従来、リチウム二次電池に用いられるリチウム化合物としては、リチウムニッケル複合酸化物やリチウムコバルト複合酸化物などが用いられている。また、近年、資源量の乏しいコバルトやニッケルに代わるリチウム化合物として、資源量が豊富で且つ安価である、リン酸鉄リチウム化合物(LiFePO4など)が注目されている。このリン酸鉄リチウム化合物は、コバルトやニッケルなどを含有するものに比して電池容量が小さく、高温でのサイクル耐久性が悪いことがあることから、様々な改良が続けられている。例えば、オリビン結晶構造を有するリン酸鉄リチウム化合物を正極活物質とし、電解質塩にリチウムビスオキサラトボレート(LiBOB)を用い、サイクル特性を向上させたものが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
Electrochemistry Communications7(2005)669−673
しかしながら、この非特許文献1に記載されたリチウム電池では、サイクル耐久性が向上するものの、十分でなく、よりサイクル耐久性を高めることが望まれていた。また、この非特許文献1に記載されたリチウム電池では、電解質塩にLiBOBを利用するため、電池出力が低下することがあった。また、この非特許文献1では、負極活物質にチタン酸リチウムを用いることも提案されているが、このような場合には、電池電圧が1.8V程度となりエネルギー密度が低下する問題があった。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、電池出力をより向上すると共にサイクル特性をより高めることができるリチウム二次電池及びその使用方法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、正極活物質として鉄リン酸リチウム化合物を用い、負極活物質としてリチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料と所定の割合の酸化物とを用いるものとすると、電池出力をより向上すると共にサイクル特性をより高めることができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のリチウム二次電池は、
リチウムを吸蔵・放出可能な鉄リン酸リチウム化合物を含む正極活物質を有する正極と、
リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料とリチウムを吸蔵・放出可能な酸化物とを含み前記炭素質材料と前記酸化物との全体に対する前記酸化物の重量割合が1重量%以上30重量%以下である負極活物質を有する負極と、
前記正極と前記負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えたものである。
また、本発明のリチウム二次電池の使用方法は、
前記負極が前記酸化物としてチタン酸リチウムを含む負極活物質を有する上述のリチウム二次電池を、放電終止電圧が2V以上となるように使用するものである。あるいは、上述したリチウム二次電池を充電終止電圧が3.4V以上となるように使用するものである。
このリチウム二次電池及びその使用方法では、電池出力をより向上すると共にサイクル特性をより高めることができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推測される。一般的に、Fe2+イオンは、Li金属基準において2.59V付近で次式(1)の反応が起きる。また、炭素質材料の負極活物質の一例である黒鉛は、Li金属基準において0.1V程度で次式(2)の反応が起きる。したがって、充電状態の負極では、電解液中にFe2+が存在すると例えば次式(3)の反応が起き、鉄が負極上に析出し、このため、負極での抵抗が上昇し、ひいては電池の高温でのサイクル特性が悪化すると考えられる。ここで、本発明のリチウム二次電池では、リチウムを吸蔵・放出可能である、炭素質材料及び酸化物を負極活物質に含んでおり、充放電を行う際に、電解液中に存在するFeイオンがこの酸化物上に析出する、あるいは、Feの負極への析出自体が抑制されるものと考えられる。このため、電池の高温でのサイクル特性が向上するものと考えられる。また、リチウムを吸蔵・放出可能である酸化物を負極活物質中に好適な割合で含むため、この酸化物の含有量の増加に伴う電池出力の低下を抑制する、あるいは、向上するものと考えられる。
Fe2++2e- → Fe …式(1)
6C+Li++e- → C6Li …式(2)
2C6Li+Fe2+ → 12C+Fe+2Li+ …式(3)
また、負極が酸化物としてチタン酸リチウムを含む負極活物質を有する上述のリチウム二次電池を、放電終止電圧が2V以上となるように使用すると、チタン酸リチウムなど、リチウムを吸蔵・放出する酸化物は、初期充電時にリチウムが取り込まれることにより導電性などが向上し、その後の充放電には関与しないものと推察される。即ち、初期充電のみ活物質として作用し、それ以降の充放電において導電性を高めると共に、負極の炭素質材料の劣化抑止剤として作用するようになるものと推察される。その結果、電池出力をより向上すると共にサイクル特性をより高めることができる。この理由は、以下のように推測される。次式(4)の反応は、Li金属基準において3.4V近傍で起きる。また、次式(5)の反応は、Li金属基準において1.5V近傍で起きる。したがって、次式(6)で示される電池反応は、1.9V近傍で起きると考えられる。このため、電池の放電終止電圧を2.0Vとすれば、式(6)の電池反応は起こらず、炭素質材料の劣化抑止剤としてこの酸化物が作用するものと推察される。また、式(4)の逆反応は、Li金属基準において3.4V近傍で起き、負極活物質からは、Li析出電位よりも貴な電位でLiの吸蔵・放出が起きる。このため、充電終止電圧が3.4V以上となるように本発明のリチウム二次電池を使用すると、電池の充電反応を十分に進めることが可能であり、ひいては、電池出力を高めることができる。
FePO4+Li++e- → LiFePO4 …式(4)
Li7Ti512 → Li4Ti512+3Li++3e- …式(5)
3FePO4+Li7Ti512 → 3LiFePO4+Li4Ti512 …式(6)
本発明のリチウム二次電池は、リチウムを吸蔵・放出可能な鉄リン酸リチウム化合物を含む正極活物質を有する正極と、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料とリチウムを吸蔵・放出可能な酸化物とを含み炭素質材料とこの酸化物との全体に対する酸化物の重量割合が1重量%以上30重量%以下である負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備えている。
本発明のリチウム二次電池の正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。正極活物質に含まれる鉄リン酸リチウム化合物は、基本組成がLiFePO4で表される化合物としてもよく、このFeサイトに他の成分、例えば、Mn,Ni,Coなどを添加したものとしてもよい。また、この鉄リン酸リチウム化合物は、オリビン型単相であることが好ましい。オリビン型構造とは、酸素の六方最密充填を基本とし、その4面体サイトにリンが、八面体サイトにリチウムとFeとがそれぞれ位置する構造であり、このような構造は安定性が高いため好ましい。このオリビン型単相構造のリチウム二次電池用活物質を正極活物質としてリチウム二次電池に用いると、酸素を放出しにくいため、安全性に優れたリチウム二次電池を作製することができる。また、Feは資源として豊富であり安価でもあるため好ましい。正極活物質は、鉄リン酸リチウム化合物以外に、遷移金属元素を含む硫化物や、リチウムと遷移金属元素とを含む酸化物などを含むものとしてもよい。具体的には、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2などの遷移金属硫化物、Li(1-x)MnO2(0<x<1など、以下同じ)、Li(1-x)Mn24などのリチウムマンガン複合酸化物、Li(1-x)CoO2などのリチウムコバルト複合酸化物、Li(1-x)NiO2などのリチウムニッケル複合酸化物、LiV23などのリチウムバナジウム複合酸化物、V25などの遷移金属酸化物などを用いることができる。
正極に含まれる導電材は、正極の電池性能に悪影響を及ぼさない電子伝導性材料であれば特に限定されず、例えば、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛)や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラック、カーボンブラック、ケッチェンブラック、カーボンウィスカ、ニードルコークス、炭素繊維、金属(銅、ニッケル、アルミニウム、銀、金など)などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。これらの中で、導電材としては、電子伝導性及び塗工性の観点より、カーボンブラック及びアセチレンブラックが好ましい。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂、エチレン−プロピレン−ジエンマー(EPDM)、スルホン化EPDM、天然ブチルゴム(NBR)等を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴム(SBR)の水分散体等を用いることもできる。正極活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。また、水に分散剤、増粘剤等を加え、SBRなどのラテックスで活物質をスラリー化してもよい。増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロースなどの多糖類を単独で、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。塗布方法としては、例えば、アプリケータロールなどのローラコーティング、スクリーンコーティング、ドクターブレイド方式、スピンコーティング、バーコータなどが挙げられ、これらのいずれかを用いて任意の厚さ・形状とすることができる。集電体としては、アルミニウム、チタン、ステンレス鋼、ニッケル、鉄、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラスなどのほか、接着性、導電性及び耐酸化性向上の目的で、アルミニウムや銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものを用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状については、箔状、フィルム状、シート状、ネット状、パンチ又はエキスパンドされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の形成体などが挙げられる。集電体の厚さは、例えば1〜500μmのものが用いられる。
本発明のリチウム二次電池の負極は、例えば負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。負極活物質は、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料とリチウムを吸蔵・放出可能な酸化物とを含んでいる。リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料としては、特に限定されるものではないが、コークス類、ガラス状炭素類、グラファイト類、難黒鉛化性炭素類、熱分解炭素類、炭素繊維などが挙げられる。このうち、黒鉛、ハードカーボン及びソフトカーボンなどが好ましい。こうすれば、金属リチウムに近い作動電位を有し、高い作動電圧での充放電が可能であり、エネルギー密度をより向上させることができる。
リチウムを吸蔵・放出可能な酸化物は、Li金属基準において2.5V以下0.2V以上の電位でリチウムを吸蔵・放出するものであってもよい。この酸化物を負極中に含有させることで炭素質材料への鉄の析出を抑制することができ、ひいては電池のサイクル特性を向上することができる。この負極活物質は、この酸化物としてチタン酸リチウム(Li4Ti512)、酸化チタン(TiO2)、酸化タングステン(WO2)、酸化モリブデン(MoO2)、酸化スズ(SnO2)のうち1以上が含まれているものとしてもよい。これらの酸化物は、リチウムを吸蔵・放出可能であり、且つLi金属基準において2.5V以下0.2V以上の電位の範囲内にある。これらの酸化物のうち、チタン酸リチウムであることがより好ましい。チタン酸リチウムは、Li金属基準で1.5V程度の電位でリチウムの吸蔵・放出反応が起きる。本発明の負極は、炭素質材料と酸化物との全体に対する酸化物の重量割合が1重量%以上30重量%以下である負極活物質を含んでいるが、この重量割合は、10重量%以下であることがより好ましい。この重量割合が1重量%以上30重量%以下では、電池出力をより向上すると共にサイクル特性をより高めることができる。特に、高温(例えば60℃)での繰り返し充放電サイクルでの特性及び低温(例えば−30℃)での出力がより良好である。また、この重量割合が1重量%以上40重量%以下では、サイクル特性をより高めることができる。
また、負極に用いられる導電材、結着材、溶剤などは、それぞれ正極で例示したものを用いることができる。負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、アルミニウム、焼成炭素、導電性高分子、導電性ガラス、Al−Cd合金などのほか、接着性、導電性及び耐還元性向上の目的で、例えば銅などの表面をカーボン、ニッケル、チタンや銀などで処理したものも用いることができる。これらについては、表面を酸化処理することも可能である。集電体の形状は、正極と同様のものを用いることができる。
本発明のリチウム二次電池のイオン伝導媒体としては、支持塩を含む非水系電解液や非水系ゲル電解液などを用いることができる。非水電解液の溶媒としては、カーボネート類、エステル類、エーテル類、ニトリル類、フラン類、スルホラン類及びジオキソラン類などが挙げられ、これらを単独又は混合して用いることができる。具体的には、カーボネート類としてエチレンカーボネートやプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネートなどの環状カーボネート類や、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチル−n−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t−ブチル−i−プロピルカーボネートなどの鎖状カーボネート類、γ−ブチルラクトン、γ−バレロラクトンなどの環状エステル類、ギ酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酪酸メチルなどの鎖状エステル類、ジメトキシエタン、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタンなどのエーテル類、アセトニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル類、
テトラヒドロフラン、メチルテトラヒドロフラン、などのフラン類、スルホラン、テトラメチルスルホランなどのスルホラン類、1,3−ジオキソラン、メチルジオキソランなどのジオキソラン類などが挙げられる。このうち、環状カーボネート類と鎖状カーボネート類との組み合わせが好ましい。この組み合わせによると、充放電の繰り返しでの電池特性を表すサイクル特性が優れているばかりでなく、電解液の粘度、得られる電池の電気容量、電池出力などをバランスの取れたものとすることができる。なお、環状カーボネート類は、電解液の導電性を高めていると考えられ、鎖状カーボネート類は、電解液の粘度を抑えていると考えられる。また、液状のイオン伝導媒体の代わりに、固体のイオン伝導性ポリマー、無機固体電解質、あるいは有機ポリマー電解質と無機固体電解質の混合材料、若しくは有機バインダーによって結着された無機固体粉末などを利用することができる。
本発明のリチウム二次電池に含まれている支持塩は、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiSbF6、LiSiF6、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlCl4などが挙げられる。このうち、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiClO4などの無機塩、及びLiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23などの有機塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上の塩を組み合わせて用いることが電気特性の点から見て好ましい。この電解質塩は、非水電解液中の濃度が0.1mol/L以上5mol/L以下であることが好ましく、0.5mol/L以上2mol/L以下であることがより好ましい。電解質塩の濃度が0.1mol/L以上では、十分な電流密度を得ることができ、5mol/L以下では、電解液をより安定させることができる。また、この非水電解液には、リン系、ハロゲン系などの難燃剤を添加してもよい。
本発明のリチウム二次電池は、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、リチウム二次電池の使用範囲に耐えうる組成であれば特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン製不織布やポリフェニレンスルフィド製不織布などの高分子不織布、ポリエチレンやポリプロピレンなどのオレフィン系樹脂の薄い微多孔膜が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。
本発明のリチウム二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。また、電気自動車等に用いる大型のものなどに適用してもよい。図1は、本発明のリチウム二次電池10の一例を示す模式図である。このリチウム二次電池10は、集電体11に正極活物質12を形成した正極シート13と、集電体14の表面に負極活物質17を形成した負極シート18と、正極シート13と負極シート18との間に設けられたセパレータ19と、正極シート13と負極シート18の間を満たす非水電解液20と、を備えたものである。このリチウム二次電池10では、正極シート13と負極シート18との間にセパレータ19を挟み、これらを捲回して円筒ケース22に挿入し、正極シート13に接続された正極端子24と負極シートに接続された負極端子26とを配設して形成されている。
本発明のリチウム二次電池の使用方法は、負極が酸化物としてチタン酸リチウムを含む負極活物質を有する上述のリチウム二次電池を、放電終止電圧が2V以上となるように使用するものである。チタン酸リチウムなど、リチウムを吸蔵・放出する酸化物は、初期充電時にリチウムが取り込まれることにより導電性などが向上し、その後の充放電には関与しないものと推察される。即ち、初期充電のみ活物質として作用し、それ以降の充放電において負極の炭素質材料の劣化抑止剤として作用するようになるものと推察される。
本発明のリチウム二次電池の使用方法は、上述のリチウム二次電池を充電終止電圧が3.4V以上となるように使用するものである。こうすれば、電池の充電反応を十分に進めることが可能であり、ひいては、電池出力を高めることができる。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば上述したリチウム二次電池では、負極活物質が炭素質材料と酸化物との全体に対する酸化物の重量割合が1重量%以上30重量%以下であるものとして説明したが、リチウムを吸蔵・放出可能な鉄リン酸リチウム化合物を含む正極活物質を有する正極と、リチウムを吸蔵・放出可能な炭素質材料とリチウムを吸蔵・放出可能な酸化物とを含む負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備えたものとしてもよい。こうしても、サイクル特性、例えば高温(60℃など)でのサイクル特性をより高めることはできる。サイクル特性を高める課題を解決するに際しては、炭素質材料と酸化物との全体に対する酸化物の重量割合が1重量%以上40重量%以下であってもよい。
以下には、リチウム二次電池を具体的に作製した例を、実験例として説明する。
[実験例1]
正極活物質としてLiFePO4のオリビン構造リン酸鉄リチウム化合物を用いた。この正極活物質を78.5重量%、導電材としてカーボンブラックを13.8重量%、結着材としてポリフッ化ビニリデンを7.7重量%混合し、分散剤としてN−メチル−2−ピロリドンを適量添加し、スラリー状の正極用合材とした。この正極用合材スラリーを20μm厚のアルミニウム箔集電体の両面に均一に塗布し、加熱乾燥して正極塗布シートを作製した。その後、この塗布シートをロールプレスで高密度化を図り、幅54mm×長さ450mmの矩形状に切り出し、シート状の正極電極とした。なお、正極活物質の付着量は、片面あたり約7mg/cm2であった。次に、負極活物質として黒鉛とチタン酸リチウム(Li4Ti512)とを重量比で99:1となるように混合し、この負極活物質を95重量%、結着材としてポリフッ化ビニリデンを5重量%混合し、正極と同様に負極用合材スラリーを作製し、これを10μm厚の銅箔集電体の両面に均一に塗布し、加熱乾燥して負極塗布シートを作製した。その後、この塗布シートをロールプレスで高密度化を図り、幅56mm×長さ500mmの矩形状に切り出し、シート状の負極電極とした。なお、負極活物質の付着量は、片面あたり約4.5mg/cm2であった。これらの正極電極と負極電極とを幅58mmで25μm厚の微多孔性ポリエチレン製フィルムからなるセパレータ(東燃タピルス製)を挟んで捲回し、ロール状の電極体とし、このロール状の電極体を18650型円筒ケースに挿入し、ケース内に保持させた。その後、エチルカーボネート(EC)とエチルメチルカーボネート(EMC)とを体積比で3:7となるように混合した混合溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度で溶解した非水電解液(イオン伝導媒体)をケース内に注入し、密閉して実験例1の円筒型リチウム二次電池とした(図1参照)。
[実験例2〜7]
負極活物質として、黒鉛とチタン酸リチウムとを重量比で95:5となるように混合した以外は、実験例1と同様の工程を経て得られたリチウム二次電池を実験例2とした。また、負極活物質として、黒鉛とチタン酸リチウムとを重量比で90:10となるように混合した以外は、実験例1と同様の工程を経て得られたリチウム二次電池を実験例3とした。また、負極活物質として、黒鉛とチタン酸リチウムとを重量比で70:30となるように混合した以外は、実験例1と同様の工程を経て得られたリチウム二次電池を実験例4とした。また、負極活物質として、黒鉛とチタン酸リチウムとを重量比で60:40となるように混合した以外は、実験例1と同様の工程を経て得られたリチウム二次電池を実験例5とした。また、負極活物質として、黒鉛とチタン酸リチウムとを重量比で100:0となるように混合した以外は、実験例1と同様の工程を経て得られたリチウム二次電池を実験例6とした。また、負極活物質として、黒鉛とチタン酸リチウムとを重量比で0:100となるように混合した以外は、実験例1と同様の工程を経て得られたリチウム二次電池を実験例7とした。
[高温サイクル特性試験]
実験例1〜7のリチウム二次電池を雰囲気温度60℃の恒温槽に入れ、2Cレート(約1A)で4.1Vまでの定電流充電し、2Cレートで2.0Vまでの定電流放電を行う充放電を1サイクルとし、このサイクルを合計500サイクル行う高温サイクル特性試験を行った。1サイクル目の放電容量をC1とし、500サイクル目の放電容量をC500として、次式(7)により容量維持率Ck(%)を求めた。
容量維持率Ck(%)=C500/C1×100 …式(7)
[低温放電可能電流値測定]
高温サイクル特性試験を行ったあとの実験例1〜7のリチウム二次電池を20℃の温度条件下で、電池容量の50%(SOC=50%)まで充電したあとに、−30℃の温度下で0.5A,1.0A,2.0A,3.0A,5.0Aの電流を流し、10秒後の電池電圧を測定した。流した電流値と電圧とを直線近似し、10秒後の電圧が2.0Vになるであろう電流値を求めた。
[実験結果]
黒鉛及びチタン酸リチウムの重量割合、60℃、500サイクル後の容量維持率、高温サイクル特性後の−30℃で出力可能な電流値を表1に示す。実験例7のように、負極活物質にチタン酸リチウムを用いた場合は、初期サイクルから放電容量を得ることができなかった。これは、放電終止電圧を2.0Vとするとチタン酸リチウムは、電池反応に関与していないためと考えられる。負極活物質の構成を、黒鉛とチタン酸リチウムの混合物とすると、チタン酸リチウムを含まない実験例6に比して60℃、500サイクルの容量維持率を向上することができた。また、−30℃での出力特性も向上させることができることがわかった。この混合割合は、黒鉛とチタン酸リチウムとの全体に対するチタン酸リチウムの重量割合が1重量%以上40重量%以下の範囲で高温での容量維持率が向上し、1重量%以上30重量%以下の範囲で−30℃での出力特性が少なくとも低下しないことがわかった。LiFePO4を正極活物質とし黒鉛を負極活物質としたリチウム二次電池の高温サイクル特性が悪い理由は、例えば繰り返し充放電する際に正極中のFeが溶出し、極の炭素側に移動し、炭素上に抵抗層を形成することが考えられる。本発明のように、チタン酸リチウムのようなリチウムを吸蔵放出する酸化物が負極中に存在することで、負極の炭素質材料での抵抗層形成を抑制する効果があることが示唆された。
Figure 0005487598
リチウム二次電池10の一例を示す模式図である。
符号の説明
10 リチウム二次電池、11 集電体、12 正極活物質、13 正極シート、14 集電体、17 負極活物質、18 負極シート、19 セパレータ、20 非水電解液、22 円筒ケース、24 正極端子、26 負極端子。

Claims (5)

  1. リチウムを吸蔵・放出可能な鉄リン酸リチウム化合物であるLiFePO 4 を含む正極活物質を有する正極と、
    リチウムを吸蔵・放出可能な黒鉛とリチウムを吸蔵・放出可能な酸化物としてのチタン酸リチウムであるLi 4 Ti 5 12 とを含み前記黒鉛と前記チタン酸リチウムとの全体に対する前記チタン酸リチウムの重量割合が1重量%以上30重量%以下である負極活物質を有する負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
    を備えたリチウム二次電池。
  2. 前記負極は、前記黒鉛と前記チタン酸リチウムとの全体に対する前記チタン酸リチウムの重量割合が5重量%以上10重量%以下である、請求項1に記載のリチウム二次電池。
  3. 前記負極は、前記酸化物がLi金属基準において2.5V以下0.2V以上の電位でリチウムを吸蔵・放出する、請求項1又は2に記載のリチウム二次電池。
  4. 前記負極が前記酸化物としてチタン酸リチウムを含む負極活物質を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池を、放電終止電圧が2V以上となるように使用する、リチウム二次電池の使用方法。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウム二次電池を充電終止電圧が3.4V以上となるように使用する、リチウム二次電池の使用方法。
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