JP2011513510A - 高い自己接着性を有し残留による利益を提供する洗浄組成物 - Google Patents

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ストラッシュ、トーマス、エー.
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エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
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Abstract

硬質表面を処理するための組成物。当該組成物は、(a)少なくとも一つの接着促進剤;(b)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性界面活性剤、及びこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤;(c)ミネラルオイル;(d)水;(e)必要に応じて、少なくとも一つの溶媒、を含有し、処理対象である表面に塗布された際に自己接着性を示し、前記組成物及び表面の上を水が通過する際に、前記表面に湿潤膜を付与する。
【選択図】図1

Description

[関連出願の相互参照]
本願は、2008年2月21日に提出された米国仮出願第61/064,182号の利益を主張するものである。
[連邦支援研究又は開発に関する記載]
なし
[配列表]
なし
[技術分野]
いくつかの実施形態では、本発明は、水の層に曝された際に広範囲にわたる拡散又はコーティングに基づく残留による利益(residual benefit)を提供し得る、自己接着性組成物(self-adhering composition)に関する。加えて本組成物は、便器等の陶製表面、ガラス、窓、ドア、シャワー又は浴室の壁等の硬質表面への自己接着性が向上しているのみならず、温度及び湿度条件を種々に変えても安定性が向上している。
流水洗浄する度に衛生用薬剤を便器中に放出する適当な吊下げ装置を用いて便器縁下の容器に洗浄剤及び/又は殺菌剤及び/又は芳香剤を吊すことは公知である。
このような装置は効果的ではあるが、使用済装置を手で取り除く必要がある等の理由から使用しない消費者もいる。例えば、消費者はこれを不衛生である又は一般にやりたくないと感じ得る。更に、便器中で一度に1つの装置しか使用されないことがあり、そのような装置は組成物を局所的に放出する傾向があり、その結果、その位置及び水の流れによって効果が制限され得る。
更に、従来の便器縁下の吊下げ装置は消費者の定期的掃除の際に邪魔になり得るため、消費者はそのような装置の使用を避けることがある。便器ブラシを用いた掃除中、吊下げ装置は簡単に位置が変わり得るが、その後消費者の手で元の場所に戻す必要があり、これは不衛生である又はやりたくないものと考えられ得る。
便器中で分配される衛生用薬剤は例えば固形ブロック、液体、またはゲルの形態であり得る。
特許文献1は、長時間続く洗浄及び/又は脱臭剤放出及び/又は殺菌効果をもたらし、簡単且つ衛生的な方法で便器表面に直接塗布可能な、ペースト又はゲル形態の衛生用薬剤を開示している。特許文献2は、便器表面に直接塗布可能な自己固着性の洗浄ブロックを開示している。
米国特許第6,667,286号 米国特許出願公開第2008/0190457号
本発明は、硬質表面、特に便器等の陶製表面への、自己接着性を改善するのみならず、より高い安定性の付与、例えば使用寿命をより長くすることによって、上述のような衛生用薬剤を改善する。
いくつかの実施形態では、本発明は、便器等の硬質表面の比較的広い領域に組成物又は活性成分を運搬するという利点を消費者に提供する。別の非限定的な実施形態では、本発明は、便器等の硬質表面の比較的広い領域に組成物又は活性成分を効果的に運搬するという利益を消費者に提供する。
第1の非限定的な実施形態では、本発明は、硬質表面を処理するための組成物に関する。この組成物は、(a)少なくとも一つの接着促進剤;(b)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性界面活性剤、及びこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤;(c)ミネラルオイル;(d)水;(e)必要に応じて、少なくとも一つの溶媒、を含み、処理対象である表面に塗布された際に自己接着性を示し、前記組成物及び前記表面の上を水が通過すると前記表面に湿潤膜を付与する。
第2の非限定的な実施形態では、本発明は、硬質表面を処理するための組成物に関する。この組成物は、(a)約18〜約27重量%の少なくとも一つの接着促進剤、(b)約7.5〜約20重量%の、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性界面活性剤、及びこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤;(c)0〜約5重量%のミネラルオイル;(d)残りの部分を占める水;(e)必要に応じて0〜約5重量%の少なくとも一つの溶媒、を含み、処理対象である表面に塗布された際に自己接着性を示し、前記組成物及び表面の上を水が通過すると前記表面に湿潤膜を付与する。
第3の非限定的な実施形態では、本発明は硬質表面を処理するための組成物に関する。この組成物は、(a)エトキシ化アルコール;(b)アルキルポリグリコールエーテル;(c)ミネラルオイル;(d)アルコール;(e)ポリエチレングリコール;(f)アルキルエーテル硫酸塩;及び(g)水、を含み、表面に塗布された後にその表面に自己接着性を示し、前記組成物及び表面の上を水が通過すると前記表面に湿潤膜を付与する。
第4の非限定的な実施形態では、本発明は、硬質表面上の少なくとも一つの所定の位置に塗布される組成物に関し、この組成物は、当該組成物及び前記硬質表面の上を水が定期的に複数回流れても前記硬質表面に自己接着性であるように構成され、前記組成物は、前記定期的な水の流れのそれぞれの最中及び後に一部溶解することで、前記硬質表面上で前記組成物から全方向に広がる湿潤膜を付与し、前記組成物は少なくとも一つの界面活性剤を含み、前記界面活性剤により、前記組成物中に存在する少なくとも一つの活性薬剤が前記硬質表面上の前記所定の位置から離れた広範囲の領域に湿潤膜中で運搬されて、前記少なくとも一つの活性薬剤による即時的作用及び残留的作用が得られる。
第5の非限定的な実施形態では、本発明は、硬質表面を処理するための自己接着性の洗浄組成物に関し、この組成物は、少なくとも一つの接着促進剤、少なくとも一つのアニオン性界面活性剤、一部又は全部が前記少なくとも一つの接着促進剤を提供することもある少なくとも一つの非イオン性界面活性剤、ミネラルオイル、及び水、を含み、前記硬質表面は疎水性であるか疎水性を付与されており、前記硬質表面に前記組成物を塗布して前記組成物上を水が流れた後に前記組成物は、一部溶解し、前記硬質表面上の前記組成物から離れた広範囲の領域に、前記組成物から硬質表面に沿って全方向に広がる湿潤膜を付与して、前記広範囲の領域上に一時的に保持され、前記硬質表面で残留的洗浄処理を行う。
第6の非限定的な実施形態では、本発明は、硬質表面を処理するための組成物に関する。この組成物は、(a)前記組成物で処理される硬質表面への自己接着性を組成物に付与する、少なくとも一つの非イオン性界面活性剤を含む一つ又は複数の成分;(b)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性界面活性剤、及びこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤;(c)ミネラルオイル;(d)水;及び(e)必要に応じて、少なくとも一つの活性薬剤、を含み、前記少なくとも一つのアニオン性界面活性剤及び前記少なくとも一つの非イオン性界面活性剤を合わせた量は、硬質表面に接着した前記組成物の上を水が流れた後に、前記硬質表面上に前記組成物から広がる湿潤膜を付与する量であり、前記湿潤膜は前記硬質表面の即時的及び残留的処理を達成するための前記組成物成分用の運搬媒体を提供する。
以下の本発明の具体的且つ非限定的な実施形態の詳細の記述は、添付の図面と一緒に読むことで最も良く理解することができる。図面中、同様な構造は同様な参照番号で示す。
本発明に係る例示的なゲル分配装置の斜視図である。 後述する試験条件下の、種々の時点における、種々のミネラルオイル組成物を含むゲル組成物を示す図である。
定義
本明細書において、「組成物」とは、2以上の成分を含むあらゆる固体、ゲル、及び/又はペースト状の物質を意味する。
本明細書において、「自己接着性(self adhesive)」とは、別の接着剤又はその他の支持装置を用いずに硬質表面に組成物が固着する能力を意味する。ある実施形態では、自己接着性組成物は、当該組成物が使い切られた後に残渣等の物質(すなわち、別の接着剤)を何ら残さない。
本明細書において、「ゲル」とは、降伏応力がゼロでない、相互作用する粒子又はポリマーのネットワークを有する液体からなる不規則な固体を意味する。
本明細書において、「芳香剤」とは、任意の香料、消臭剤、芳香マスキング剤等、及びその組合せを意味する。いくつかの実施形態では、芳香剤は、消費者又は使用者の嗅覚に影響を与え得る任意の物質である。
本明細書において、「重量%(wt.%)」とは、全配合中の実際の活性成分の重量百分率を意味する。例えば、式Xで表される既製の組成物は、活性成分Xを70%のみ含み得る。すなわち、10gの既製組成物はXを7gだけ含む。既製組成物10gをその他の成分90gに添加した場合、最終的な配合中のXの重量%は7%にしかならない。
本明細書において、「硬質表面」とは、あらゆる多孔性及び/又は非多孔性表面を意味する。ある実施形態では、硬質表面は、陶器、ガラス、金属、ポリマー、石、及びこれらの組合せからなる群から選択され得る。別の実施形態では、硬質表面はシリコンウェーハ及び/又はその他の半導体材料を含まない。陶製表面の非限定的な例としては、便器、シンク、シャワー、タイル等、及びその組合せが含まれる。ガラス表面の非限定的な例としては窓等が含まれる。金属表面の非限定的な例としては、排水管、シンク、自動車等、及びその組合せが含まれる。ポリマー表面の非限定的な例としては、PVC管、ガラス繊維、アクリル、Corian(登録商標)等、及びその組合せが含まれる。石の硬質表面の非限定的な例としては、花崗岩、大理石等が含まれる。
硬質表面は所望の目的に適した任意の形状、サイズであってよく、任意の配向をしていてよい。非限定的な一例では、硬質表面は、垂直方向に配置され得る窓であり得る。別の非限定的な例では、硬質表面は、陶製便器等の湾曲した表面の表面であり得る。更に別の非限定的な例では、硬質表面は、垂直部分及び水平部分を有し且つ湾曲した部分も有し得るパイプの内側であり得る。本発明の組成物は後述する条件下において予期されなかった強力な輸送特性を有するため、硬質表面の形状、サイズ、及び/又は配向は本発明の組成物に影響を与えないと考えられる。
本明細書において、「界面活性剤」とは、液体、例えば水、の表面張力を低下させる任意の薬剤を意味する。本発明と共に用いるのに適した例示的な界面活性剤は後述する。ある実施形態では、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性界面活性剤、及びこれらの組合せからなる群から選択され得る。ある実施形態では、本発明は、カチオン性界面活性剤を含まない。別の非限定的な実施形態では、界面活性剤は超湿潤剤(superwetter)であり得る。当業者であれば、いくつかの実施形態において、接着促進剤として用いられ得る物質が界面活性剤でもあり得ると理解するであろう。
使用において、本発明の組成物は、洗浄等の処理を施す、便器、シャワー又は浴室、排水口、窓等の硬質表面に直接塗布され得、自己接着性組成物及び表面の上を水流が複数回通過しても、例えば流水洗浄、シャワー、すすぎ等があっても、硬質表面に自己接着し得る。組成物の上を水が流れる度、組成物の上を流れる水中に組成物の一部が放出される。水で覆われた表面に放出された組成物の一部は、表面に連続的な湿潤膜を付与し、それにより、組成物中に存在する活性薬剤に応じて、即時的且つ長期にわたる洗浄及び/又は殺菌及び/又は芳香等の表面処理が実現される。組成物、したがって組成物の活性薬剤は、表面に直接接触する最初の組成物位置から拡散又は運搬され、表面上の広範囲の領域を連続的に被覆し得ると考えられる。湿潤膜は、コーティングとして働き、自己接着性組成物から全方向、すなわち組成物から360°に広がり、これには、すすぎ水の流れに逆らう方向も含まれる。液体表面の動きは表面下の流体又は液体の動きと連動し、液体の動きは通常表面に応力を生じ、逆も同様である。ゲル及び/又は活性成分の動きのメカニズムは以下に詳細に説明する。
驚くべきことに、本発明の非限定的な例示的組成物は、より速く、より広範囲にわたる自己拡散を提供することが観察された。理論により限定されることを意図せず述べれば、この自己拡散効果は、組成物に特定の界面活性剤を添加することで変更することができると考えられる。自己拡散の速度及び距離に影響を与えると考えられる因子の非限定的な例としては、存在する界面活性剤の量、存在する界面活性剤の種類、存在する界面活性剤の組合せ、水流で拡散する界面活性剤の量、液−気界面での界面活性剤の吸着能、及び、処理対象である表面の表面エネルギーが挙げられる。本組成物の界面活性剤は、他の分子、例えば化合物を周りに押し出して、これらの化合物を表面の他の部分に運搬する役割をすると考えられる。処理対象である表面上での広範囲の運搬が望ましい化合物は活性薬剤、例えば、不活性又は静的でない、活性を発揮することができる薬剤である。使用され得る活性薬剤又は活性成分の非限定的な例としては、洗浄化合物、殺菌剤、抗微生物剤、漂白剤、芳香剤、表面修飾剤、防汚剤(例えばキレート化剤)等、及びその組合せが挙げられる。この組成物は、所望の活性薬剤を便器の水位より下だけでなく水位より上の表面へも運搬及び保持することを可能にするため、便器表面の処理に特に有用である。
いくつかの実施形態では、組成物は、ポンプ又はシリンジタイプの装置、手動式、圧縮式、若しくは機械式のエアロゾル、又は噴霧器等の、任意の好適なアプリケータ装置を用いて表面に直接塗布することができる。消費者は、表面に触らずとも、アプリケータを作動させて表面に組成物を直接塗布することができる。便器表面の場合、これにより、衛生的で容易に利用可能な塗布方法が実現される。組成物の量及び位置は使用者により選択され得る(例えば、1若しくは複数の塊若しくは滴状である組成物、又は、1若しくは複数の線状である組成物)。組成物は、便器又はシャワー室の陶製側壁等の、それが塗布される硬質表面に自己接着する。従来の装置では提供されなかった驚くべき独特な特徴は、組成物を塗布した表面の部位より上に位置する表面に組成物が運搬されることである。
組成物
ある実施形態では、前記組成物はゲル又はゲル様のコンシステンシー(consistency)を有する。したがって、記載した実施形態では、前記組成物は硬い(firm)が、固体のように剛直(rigid)ではない。別の実施形態では、前記組成物は固体である。更に別の実施形態では、前記組成物は展性のある固体である。
本発明の組成物で得られる接着性の向上により、複数回すすぎ水が流れても剥がれることなく垂直な表面に塗布することが可能になり、時間をかけて組成物の一部が徐々に洗い流されることで所望の洗浄及び/又は殺菌及び/又は芳香等の処理作用を提供することが可能になる。組成物が完全に洗い流された後には、除去すべきものは残っておらず、更に組成物を塗布するだけでよい。
いくつかの実施形態では、前記組成物は、水と一緒に結合を生じさせて、すすぎ水の作用下でも組成物の寸法を安定化する、接着促進剤;(全部又は一部が接着促進剤として働き得る)少なくとも一つの非イオン性界面活性剤、好ましくはエトキシ化アルコール;少なくとも一つのアニオン性界面活性剤、好ましくはアルカリ金属のアルキルエーテルスルフェート又はスルホナート;ミネラルオイル;水;及び、必要に応じて少なくとも一つの溶媒、を含み得る。より具体的には、親水性ポリマーが組成物を表面に保持して維持性を高め、それによって拡散時間が延び、したがって、表面及び/又は周囲環境を処理する活性薬剤の運搬時間が長くなる。いくつかの実施形態では、組成物は、湿潤膜の拡散を促進するための超湿潤剤化合物を含んでもよい。この組成物は、長期の耐久性を示し、外部の吊下げ装置又は保持器が必要ないため、長時間経過した後に、何らの装置の除去をも要さず、表面に組成物を新たに塗布するだけでよい。
いくつかの非限定的な例では、硬質表面処理に適した本発明の組成物の成分が複数ある。ある実施形態では、前記組成物は約20〜約80重量%の量で存在する接着促進剤を含有する。別の実施形態では、前記組成物は約20〜約60重量%の量の接着促進剤を含有する。別の実施形態では、前記組成物は約40〜約60重量%の量の接着促進剤を含有する。別の実施形態では、前記組成物は約20〜約30重量%の量の接着促進剤を含有する。
別の実施形態では、前記組成物は、7.5重量%超の量の少なくとも一つの界面活性剤を含有する。別の実施形態では、前記組成物は約7.5〜約20重量%の量の少なくとも一つの界面活性剤を含有する。驚くべきことに、最適量の界面活性剤、特にアニオン性界面活性剤を用いると、消費者を大いに満足させる特に強力な「発泡性」特性を有する製品が得られることが見出された。
ある実施形態では、前記組成物は、約5重量%未満の量のミネラルオイル等の非極性炭化水素を含有する。別の実施形態では、前記組成物は、0重量%超〜約5重量%の量のミネラルオイルを含有する。別の実施形態では、前記組成物は0.5〜約3重量%の量のミネラルオイルを含有する。
いくつかの実施形態では、組成物は、意図した用途に適した任意の材料を用いて100重量%にされ得る。限定されるものではないが、残りの部分を占める水、表面修飾剤、殺菌剤、漂白剤、洗浄剤、発泡剤等、及びその組合せがこれに含まれることが、当業者には理解されよう。
本発明の組成物は、0〜約15重量%の量の少なくとも一つの溶媒を更に含んでもよく、組成物は、0〜約15重量%の量の少なくとも一つの芳香剤を更に含んでもよい。更に、組成物は、組成物の輸送効果を高めるために0〜約5重量%の量の親水性ポリマーを含んでもよい。ある実施形態では、「溶媒」は水を含まない。
更なる必要に応じて用いる成分は超湿潤剤である。理論により限定されるものではないが、超湿潤剤は、組成物の使用中に形成される湿潤膜を改善し得ると考えられる。本発明の組成物中で用いられ得る超湿潤剤については、以下に詳細に説明する。別の非限定的な実施形態では、更なる必要に応じて用いる成分として、有効量で存在する保存剤、着色剤、発泡剤安定化剤、抗微生物剤、殺菌剤等の、従来のアジュバントが含まれる。
接着促進剤としての使用に適した例示的な成分は、長い分子又は長鎖分子(大部分は直鎖)を有し得、これは少なくとも一部が親水性であり、したがって少なくとも親水性残基又は親水性基を含み、水分子との相互作用を提供する。好ましくは、接着促進剤は非分岐分子を含み、所望のネットワーク様構造を形成して接着促進分子を形成する。接着促進剤は完全に親水性であってもよく、一部が親水性で一部が疎水性であってもよい。
本発明での使用に適した例示的な純粋な親水性接着促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール、セルロース(特にカルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース)、又は多糖(キサンタンガム、寒天、ジェランガム、アカシアガム、イナゴマメ粉、グアーガム、若しくはでんぷん等)が挙げられる。多糖は、0重量%〜約10重量%、0重量%〜約5重量%、又は約1重量%〜約2重量%の濃度で、必要な固形性及び十分な固着性を有するネットワークを形成することができる。
接着促進分子は、合成又は天然のポリマー、例えばポリアクリレート、多糖、ポリビニルアルコール、又はポリビニルピロリドンであってよい。アルギナート、ジウレタン、ゼラチン、ペクチン、オレイルアミン、アルキルジメチルアミンオキシド、又は硫酸アルキルエーテルを用いることもできる。
親水性末端及び疎水性末端を有する有機分子も接着促進剤として用いることができる。親水性残基として、例えばポリアルコキシ基(好ましくはポリエトキシ基、ポリプロポキシ基、又はポリブトキシ基)、又は混合ポリアルコキシ基(例えばポリ(エトキシプロポキシ)基等)を用いることができる。親水性末端としての使用に特に好ましいものは、例えば、15〜55個のエトキシ基、好ましくは25〜45個、より好ましくは30〜40個のエトキシ基を含むポリエトキシ残基である。
いくつかの実施形態では、アニオン性基、例えばスルホナート、カルボナート、またはサルフェートを、親水性末端として用いることができる。別の実施形態では、ステアラート、特にステアリン酸ナトリウム又はステアリン酸カリウムが、接着促進剤として好ましい。
接着促進分子が疎水性末端も有する実施形態では、疎水性残基には直鎖アルキル残基が好ましく、生物学的分解性が良いことから特に偶数のアルキル残基が好ましい。理論により限定されるものではないが、接着促進分子の所望のネットワーク形成を得るためには、分子は非分岐であるべきと考えられる。
疎水性残基としてアルキル残基を選択する場合、炭素数が少なくとも12のアルキル残基が好ましい。アルキル鎖の長さは炭素数16〜30がより好ましく、炭素数20〜22が最も好ましい。
接着促進剤としてはポリアルコキシアルカンが挙げられ、好ましくは、18〜50個のエチレンオキシド基(EO)(好ましくは約25〜約35個のEO)を有するC20〜C22のアルキルエトキシラートの混合物、及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムが挙げられる。アルコキシ基の数が少なくなると、接着促進剤はより親油性になり、それにより、例えば香料の溶解性を上げることができ、したがって芳香剤の強さを上げることができる。
水溶液系中で一般的に増粘剤のように作用する分子、例えば親水性物質も、接着促進剤として用いることができる。
理論により限定されるものではないが、使用される接着促進剤の濃度は、その親水性及びネットワーク形成能に依存するものと考えられる。例えば多糖を用いる場合、接着促進剤の濃度は約1〜約2重量%で十分であり得、一方、ポリアルコキシアルカンを含む実施形態では、濃度は約10〜約40重量%、別の実施形態では約15〜約35重量%、更に別の実施形態では約20〜約30重量%であり得る。
これも理論により限定されるものではないが、接着促進分子が水を吸収して所望の数の接着部位を形成するためには、組成物は少なくとも約25重量%の水及び必要に応じて更なる溶媒を含み得ると考えられる。ある実施形態では、組成物は、約40〜約65重量%の水を含む。当業者には、使用される水の量が、とりわけ、配合中のアジュバントの量及び使用される接着促進剤に依存することが理解されよう。
使用に適した例示的なアニオン性界面活性剤としては、アルカリ金属のC〜C18アルキルエーテルサルフェート、例えばラウリルエーテル硫酸ナトリウム;α−オレフィンスルホナート、又はメチルタウリドが挙げられる。その他の好適なアニオン性界面活性剤としては、アルキル、アルケニル、及びアルキルアリールのスルフェート及びスルホナートのアルカリ金属塩が含まれる。そのようなアニオン性界面活性剤のいくつかは、一般式RSOM又はRSOMで表される(式中、Rは炭素数約8〜約20のアルキル又はアルケニル基、又はアルキルアリール基であり得、ここでアルキルアリール基のアルキル部分は炭素数約9〜約15の直鎖又は分岐鎖アルキル基であり得、アルキルアリール基のアリール部分はフェニル又はその誘導体であり得、Mはアルカリ金属(例えばアンモニウム、ナトリウム、カリウム、又はリチウム)を表し得る)。
使用に適した例示的な非イオン性界面活性剤としては、18〜50個のエチレンオキシド基(EO)を有するC20〜C22アルキルエトキシラートが含まれる。別の実施形態では、C20〜C22アルキルエトキシラートは、25〜35個のエチレンオキシド基を好ましくは接着促進剤及び非イオン性界面活性剤として含む。
使用に適したその他の非イオン性界面活性剤の更なる非限定的な例としては、米国オハイオ州シンシナティのヘンケル社(Henkel)からGLUCOPONの商標で利用可能なもの等の、アルキルポリグリコシドが挙げられる。アルキルポリグリコシドは式:RO−(R’O)−Zで表される(式中、Rは、炭素数8〜20の一価アルキルラジカル(アルキル基は直鎖又は分岐鎖、飽和又は不飽和であり得る。)であり、Oは酸素原子であり、R’は、炭素数2〜4の二価のアルキルラジカル(好ましくはエチレン又はプロピレン)であり、xは平均値が0〜12の数であり、Zは、炭素数が5又は6の還元糖部分(好ましくはグルコース、ガラクトース、グルコシル、又はガラクトシル残基)であり、nは、平均値が約1〜10の数である)。種々のアルキルグリコシドの詳細な説明については、参照により本明細書に援用する米国法定発明登録H468及び米国特許第4,565,647号を参照されたい。いくつかの例示的なGLUCOPONは下記の表Aに示す通りである(表中、Zはグルコース部分であり、x=0である)。
Figure 2011513510
使用に適した非イオン性界面活性剤のその他の非限定的な例としては、ドイツ、ルートウィヒスハーフェンのBASF社からLUTENSOLの商標で利用可能なもの等のアルコールエトキシラートが含まれる。これらの界面活性剤は一般式C1325/C1527−OC−OH(ここでアルキル基はC13/C15の混合物である)で表される。LUTENSOL AO3(n=3)、AO8(n−8)、及びAO10(n=10)が特に好ましい。その他のアルコールエトキシラートとしては、TERGITOL15−S−12等の(OC)と縮合された第2級アルカノール、で利用可能な12(OC)と縮合されたC11〜C15第2級アルカノール(ダウ・サーファクタンツ社製)が含まれる。使用に適した非イオン性界面活性剤のその他の例としては、ポリオキシエチレン(4)ラウリルエーテルが挙げられる。アミンオキシドも好適である。
界面活性剤とその他の液体を配合し易くするために、少なくとも一つの溶媒が組成物中に存在し得る。溶媒は、約0〜約15重量%、好ましくは約1〜約12重量%、より好ましくは約5〜約10重量%の量で存在する。使用に適した溶媒の例としては、炭素数8までの脂肪族アルコール;炭素数6までのアルキレングリコール;アルキレン基1個当たり炭素数6までのポリアルキレングリコール;グリコール基1個当たり炭素原子6個まで及び各アルキル基中に炭素原子6個までの、アルキレングリコール又はポリアルキレングリコールのモノ−又はジアルキルエーテル;及びグリコール基1個当たり炭素原子6個まで及び各エステル基中に炭素原子6個までの、アルキレングリコール又はポリアルキレングリコールのモノ−又はジエステルが挙げられる。溶媒の具体例としては、t−ブタノール、t−ペンチルアルコール;2,3−ジメチル−2−ブタノール、ベンジルアルコール、又は2−フェニルエタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、グリセリン、エタノール、イソプロパノール、及びジプロピレングリコールモノアセテートが含まれる。好ましい溶媒の1つはポリエチレングリコールである。
ミネラルオイル等の非極性炭化水素を含有させることは、安定性及び硬質表面、特に陶製表面への、自己接着性の向上に役立ち得ると考えられる。ミネラルオイルは、組成物の全重量を基準にして0超〜約5重量%の量で存在する。ある実施形態では、ミネラルオイルは約0.5〜約3.5重量%の量で存在する。別の実施形態では、ミネラルオイルは約0.5〜約2重量%の量で存在する。含有させるミネラルオイルの量は、配合中の残りの部分の接着性能により変わる。理論により限定されるものではないが、ミネラルオイルの量が増えると接着性も増加すると考えられる。
ミネラルオイルを組成物中で用いることで利点が得られるが、界面活性剤及び/又は増粘剤及び/又は接着促進剤の量を減らさずにミネラルオイルを多量に含有させると、組成物の粘度が上がり、この組成物の堅さが加工を困難にするため、製造及び使用中に組成物を加工することが困難になるとも考えられる。製造における当該加工を高温下で実施してもよいが、それにより、製造費用が上昇し、また高温によって他の困難が生じる。
本発明で有用な親水性ポリマーの非限定的な例としては、例えば、米国特許第6,593,288号、同第6,767,410号、同第6,703,358号、及び同第6,569,261号に記載されているようなアクリル酸及びアクリレートをベースとするものが含まれる。好適なポリマーは、ロディア社(Rhodia)からMIRAPOL SURF Sの商標で販売されている。好ましいポリマーはMIRAPOL SURF S−500である。
形成される湿潤膜の維持性を高めるために、組成物に超湿潤剤を含有させてもよい。超湿潤剤は、拡散時間の短縮に資し得る。組成物に含有させるのに適した超湿潤剤の例としては、ダウコーニングQ2−5211(ミシガン州ミッドランド、ダウコーニング社製)等のヒドロキシル化ジメチルシロキサンが含まれる。超湿潤剤は、(組成物中の任意のその他の界面活性剤に加えて)0〜約5重量%、好ましくは約0.01〜約2重量%、最も好ましくは約0.1〜約1重量%の量で存在し得る。
周囲の外気を良くするために、芳香剤及び芳香物質を組成物に含有させてもよい。
ある実施形態では、ゲル組成物に6重量%未満の芳香剤が含まれる。別の実施形態では、ゲル組成物は0〜6重量%の芳香剤を含む。更に別の実施形態では、ゲル組成物は0〜約5重量%の芳香剤を含む。更に別の実施形態では、ゲル組成物は約2〜約5重量%の芳香剤を含む。
ある実施形態では、固形組成物中に10重量%未満の芳香剤が含まれる。別の実施形態では、固形組成物は0〜10重量%の芳香剤を含む。更に別の実施形態では、固形組成物は2〜約8重量%の芳香剤を含む。更に別の実施形態では、ゲル組成物は約4〜約7重量%の芳香剤を含む。
本発明に係る組成物は自己接着により硬質表面に固着する。固形、ゲル、及びゲル様の材料は寸法が安定しており、その上を流れる複数回の水流によって「流れる」又は「滴る」ことがない。複数回水ですすいでも組成物の接着性及び形状が変わらないため、消費者はこのような組成物を好むと考えられる。ミネラルオイルを含む例示的な組成物を以下の表Bに示す。
Figure 2011513510
活性成分の輸送
前述の通り、本発明の組成物は、便器、シャワー又は浴室等の、洗浄対象である衛生物の表面に、直接塗布され得、この自己接着性組成物の上を水流、例えば流水洗浄又はシャワーが、複数回流れても、表面に自己接着している。水が組成物の上を流れる度に、組成物が接着する表面及び水中に組成物の一部が放出され、長期間にわたる洗浄、殺菌、芳香、防汚、表面修飾、UV保護、ホワイトニング、漂白等を提供する。硬質表面に沿って組成物が元々付着されていない領域まで組成物が拡散及び/又は輸送されるようにする前述の成分を含有させることで、組成物から何かしらの残留による利益を得ることができると考えられる。より具体的には、組成物、したがって組成物の活性薬剤は、表面に直接接触する最初の組成物の位置から拡散又は運搬され、表面上の隣接する広範囲の領域をコーティングする。液体表面の動きは表面下の流体の動きと連動し、液体の動きは通常表面に応力を生じさせ、逆も同様である。表面張力の勾配により生じる表面及びそれに伴う流体の動きはマランゴニ効果と呼ばれる(IUPAC Compendium of Chemical Terminology, 2nd Edition, 1994)。したがって、本発明の組成物は、表面張力の低い領域から表面張力の高い領域へと液−気界面に沿って液体が流れることを想定している。マランゴニ流はマクロ対流(macroconvection)である。すなわち、時間と共に増幅される乱れ(不安定性)により流れが生じるマイクロ対流と異なり、界面張力の勾配がシステムに非対称に生じる。したがって、本発明の組成物の上を水が流れると、組成物は外側に拡散して、組成物に覆われているかすぐ隣接する局所的な領域だけでなく、広範囲の隣接する表面を覆う。
より具体的には、この効果は、液体層上の表面張力の差による該液体層の上又は中の物質移動によって観察されると考えられる。理論により限定されるものではないが、表面張力の比較的高い液体は表面張力の比較的低い液体と比べて周囲の液体をより強く引きつけるため、表面張力勾配により表面張力の比較的低い領域から表面張力の比較的高い領域へと液体が流れると考えられる。そのような特性(マランゴニ効果)は、ハイテク半導体ウェーハの加工で利用されている。非限定的な例としては、米国特許第7,343,922号、同第7,383,843同、及び同第7,417,016号が挙げられる。
当業者には、物質のマランゴニ効果及びその他の輸送特性を推定するために、しばしばマランゴニ数と呼ばれる無次元の単位が用いられ得ることが理解されよう。物質のマランゴニ効果を推定するために使用され得る因子の1つであるマランゴニ数は式1で表すことができる。当業者には、マランゴニ数が、粘性力に対する表面張力勾配による力を測定する無次元の変数を提供することが理解されよう。
マランゴニ数 M=−Γ(dσ/dc)/Dμ
式中、
はマランゴニ数
Γは界面活性剤の表面過剰濃度(mol/m
σは表面張力(N/m)
cはバルク界面活性剤濃度(mol/m
μはバルク動粘度(パスカル秒)
Dはバルク界面活性剤拡散係数(m/s)
である。
前述のように、表面周辺に活性成分を輸送するために使用される複数の組成物が存在する。しかし、前述の組成物のほとんどは、表面周辺に組成物を輸送する唯一の機構として重力又は液体の接着−凝集に頼っている。同様に、従来の液体の浴室用洗浄剤又は浴室洗浄分野における同様な組成物は、例えば表面周辺に組成物を手作業で広げるために、しばしば使用者がブラシ等の道具を使う必要がある。
驚くべきことに、輸送現象に関連する複雑さにも関わらず、特定の界面活性剤及びその他の成分を組成物に添加することで、該組成物の輸送特性を高めることができることが見出された。更に驚くべきことに、組成物が液体層の存在下にある場合、組成物を活性成分の媒体として用いることができる。
便器等の硬質表面に関して、本発明に係る組成物を提供することで、消費者と便器の接触又はその他の相互作用が限定されるという、更なる利益を消費者に提供することができると考えられる。そのような最小限の相互作用は、界面活性剤により誘導され得る表面張力の勾配によってトイレ(又はその他の硬質表面)の1つの領域から動くという本組成物の能力を利用することで達成され得る。したがって、使用者がトイレを流水洗浄すると、液体層(流水洗浄に由来する)と組成物の相互作用により、ゲル組成物が表面張力勾配に沿って移動し、組成物がトイレ周辺を移動すると考えられる。
当業者には、前述の輸送メカニズムが、液体層が提供される任意の硬質表面に用いられ得、必ずしも便器での使用に限定されないことが理解されよう。例えば、使用者は、シンク、窓、排水口の表面、又は、水等の液体が提供され得る任意のその他の硬質表面に、組成物を提供することが可能と考えられる。更なる例示的な表面は本明細書中に記載されている。
硬質表面の処理についての考察
活性処理薬剤からコーティング効果及び残留による利益を得るための組成物の自己拡散は、組成物中に存在する界面活性剤に基づくものである。組成物と処理対象である表面の直接的接触並びに組成物の上及び周辺の水流という必須の要件に加えて、自己拡散の速度及び距離に影響を与えるであろう非限定的な因子は、水流中に溶解する界面活性剤の量及び速度に加えて、存在する界面活性剤の量及び種類である。
驚くべきことに、界面活性剤の量及び溶解を前述のように制御した時に、この製品は最初に製品を塗布した領域から外側360°の広範囲の領域を覆うことができることが見出された。更に、これも前述の、活性成分を含む実施形態では、組成物は、表面の初期及び/又は更なる残留的処理を実現し得る。連続膜の形成には水が必須の要素であり、表面の水が乾燥する前に所望する全範囲に拡散しなければならないため、拡散の速さは重要である。
使用方法
前述のように、表面エネルギーの勾配を生み出す層を提供する水等の液体に曝される硬質表面に塗布して、硬質表面に即時的利益及び/又は残留による利益を提供するために、本発明の組成物を用いることができる。
ある実施形態では、本発明の組成物は以下の工程群に包含され得る。(1)1回又は複数回処方分の組成物を硬質表面に塗布する工程;(2)前記硬質表面、次いで前記1回又は複数回処方分の組成物を、液体層に曝し、拡散及び放散された組成物層を提供する工程。本製品の使用方法は更に、以下の必要に応じて行う工程を含み得る。(3)前記硬質表面、次いで前記拡散及び放散された組成物層を液体層に曝し、更に拡散及び放散された組成物層を提供する工程。当業者には、組成物が完全に放散されるまで(3)が不定回数反復され得ることが理解されよう。いくつかの実施形態では、前記液体層は水である。
前述のように、硬質表面は、陶器、ガラス、金属、ポリマー、ガラス繊維、アクリル、石等、及びその組合せからなる群から選択され得る。
液体層は、意図する機能に適した任意の手段により提供され得る。例えば、便器中では、1回処方分の組成物を便器の内側表面(陶製硬質表面)に塗布して、トイレを流水洗浄することで、便器周辺での組成物の輸送を容易化するために必要な液体層を提供することができる。別の例では、1回処方分の組成物を窓の外側表面に塗布してもよい。その窓の外側表面に、使用者がホース又はパワー・ウォッシャーを用いて水を噴霧してもよく、もしくは雨により窓に水の層が形成されてもよい。更に別の例では、1回処方分の組成物をシンク又は排水管の内側に塗布してもよい。シンク又は配水管に水の層を提供するために、使用者は単に蛇口を開けるだけでよい。更に別の例では、1回処方分の組成物をシャワー室の壁に塗布してもよい。表面に液体層を提供するために、使用者はシャワーを出せばよい。更に別の例では、液体層は蒸気又は比較的高い湿度と共に提供されてもよいと考えられる。
当業者には、所望の用途に応じて変わり得る異なる活性成分又は有益な薬剤を用いることで、本発明の組成物の異なる応用及び実施形態を提供し得ることが理解されよう。
使用方法:分配(Dispensing)についての考察
ゲル様物質用のアプリケータが存在する。例えば、PCT国際特許出願公開03/043906号及び同第2004/043825号には、例示的な分配装置が開示されている。しかし、前述のディスペンサーを用いれば接着性ゲル様物質を表面に塗布できる一方で、一定の塗布量が得られないことに苛立つ使用者もいるであろう。具体的には、消費者は、製品の塗布が過剰であると無駄であり、補充品の不必要な購入につながり、一方で製品の塗布が少なすぎると組成物の有効性が最小化し得ると考える。
本発明の組成物と適合性のあり得る、組成物を計量された処方量で提供可能なディスペンサーの非限定的な例は、米国特許出願第2007/0007302(A1)号に記載されている。理論により限定されるものではないが、消費者は、本発明の組成物が、複数回処方分を一単位とした状態で提供されることを好むであろう。なぜなら、そのような装置は、消費者が使用サイズを調節する装置と比べて使用が比較的容易であるからである。
更に、当業者には、定量的ディスペンサーと共に用いると、このディスペンサーは、意図する用途に適した任意の体積及び/又はサイズ及び/又は使用量で複数回分の組成物を提供できることが理解されよう。同様に、ディスペンサーの形状は所望の任意の形状であってよい。例えば、本発明に係るゲル組成物20を分配するために用いられ得るディスペンサー10の例示的な実施形態を図1に示す。ディスペンサー10は、円筒形本体11及びその中に含まれるゲル組成物20を含む。ディスペンサー10は更に、適合する抵抗性の押しボタン13を備え、使用者は、ガイドホール14中にこの押しボタンを押した後、ガイド部材15をY軸の負の方向に滑らせ、ゲル組成物20をディスペンサーの開口部12へと押し出す。ガイド部材15を所定の距離動かすと、押しボタン13は次のガイドホール14から「飛び」出し、正確な1回処方量の組成物20を分配することが可能になる。ディスペンサー10の横断面17−17は、意図する目的に望ましい任意の形状であってよい。ある実施形態では、横断面17−17は環状であり得る。横断面の形状の非限定的な例は、四角、円、三角、長円形、星形等、及びその組合せから選択され得る。
ある実施形態では、本発明に係る組成物は、単位化された使用量(unitized dose)を提供するディスペンサー中に提供され得る。ある特定の実施形態では、単位化された使用量は、約4〜約10g/1回処方量である。別の実施形態では、単位化された使用量は約5〜約9g/1回処方量である。更に別の実施形態では、ディスペンサーは、約6〜約8g/1回処方量の単位化された使用量を提供し得る。更に別の実施形態では、ディスペンサーは、約3〜約12の単位化された使用量を提供し得る。いくつかの実施形態では、ディスペンサーに追加の組成物が補充されてもよい。
組成物が固体又は展性のある固体である実施形態における、分配のための例示的な方法及び装置は、米国特許出願第2008/0190457号に記載されている。
実験結果及びデータ
サンプル
サンプル1〜13は、界面活性剤に加えて基本成分セットを含む。基本成分セット中の脱イオン水の量はサンプル1〜13中の追加的な界面活性剤に合わせて調整されることに留意されたい。Scrubbing Bubblesサンプルは、現行の製品(Scrubbing Bubbles Toilet Gel "Citrus Scent"、ウィスコンシン州ラシーンのS.C. Johnson & Son社製)の実施形態を表す。「6,667,286サンプル」は、米国特許第6,667,286号の実施例1に由来する。’286(1)は、Rhodipol成分を含む。’286(2)は、記載されている範囲の中央の値で成分を用いて作製したサンプルである。サンプルの種々の特性を測定した。驚くべきことに、界面活性剤を含むサンプル及び本発明に係るその他の成分のサンプルで、以下に詳細に記載するような種々の特性の理想的な組合せが実現された。
Figure 2011513510
Figure 2011513510
表面拡散
前述のように、本発明の組成物は既存の組成物にはない予期されない利益、とりわけ移動性及び輸送性の向上を呈する。詳細な説明の項の記載に従って例示的な組成物を作製し、後述する「表面拡散方法」を用いて表面における拡散を試験する。
驚くべきことに、界面活性剤を添加すると、組成物の輸送性が大きく向上することが見出された。ある実施形態では、本発明の組成物の輸送速度因子(transport rate factor)は、55秒未満である。別の実施形態では、本発明の組成物の輸送速度因子は約50秒未満である。更に別の実施形態では、本発明の組成物の輸送速度因子は約0〜約55秒である。別の実施形態では、本発明の組成物の輸送速度因子は約30〜約55秒である。更に別の実施形態では、本発明の組成物の輸送速度因子は約30〜約50秒である。更に別の実施形態では、本発明の組成物の輸送速度因子は約30〜約40秒である。
製品の表面拡散(輸送速度因子)の結果を以下の表Cに示す。
製品の表面拡散は、後述する表面拡散試験により測定する。
Figure 2011513510
組成物の接着
組成物の移動性に加え、驚くべきことに、組成物が硬質表面に接着する能力により、使用中の製品の寿命が長い等の、更なる予期されない利益がもたらされることが見出された。製品は、後述する接着試験による測定で、表面に少なくとも5時間接着することができなくてはならない。ある実施形態では、製品は最低でも約8時間超接着する。別の実施形態では、製品は、最低でも約8〜約70時間接着する。
製品が最低限でどれだけの時間接着するかについての結果を以下の表Dに示す。
製品が最低限でどれだけ接着するかは、後述する接着試験により測定する。
Figure 2011513510
組成物のゲル化温度
組成物に重要な特性としては更に、比較的高い温度に曝されてもその形態を維持する能力があると考えられる。接着性と同様に、その形態を維持する能力、及び溶融に対する抵抗性の特性がある。具体的には、この測定項目は、組成物が冷えて100cps超の粘度へと組成物が転移する温度を測定する。更に、組成物のゲル化温度が比較的高いと、製造者には加工、製造、輸送、及び包装に関する利点がある。
ある実施形態では、組成物のゲル化温度は50℃超である。別の実施形態では、組成物のゲル化温度は約50〜約80℃である。更に別の実施形態では、組成物のゲル化温度は約50〜約70℃である。
組成物のゲル化温度は、後述するゲル化温度試験により測定する。
製品の組成物のゲル化温度の結果を以下の表Eに示す。
製品が最低でもどれだけ接着するかは、後述するゲル化温度試験により測定する。
Figure 2011513510
組成物の粘度
いくつかの非限定的な実施形態では、本発明の組成物は、硬質表面を処理するための自己接着性のゲル又はゲル様組成物の形態をしている。組成物が自己接着性ゲルである実施形態では、組成物の粘度は約15,000〜約100,000cpsである。別の実施形態では、粘度は約25,000〜約80,000cpsである。更に別の実施形態では、粘度は約30,000〜約60,000cpsである。
組成物のゲル化温度は後述する粘度試験により測定する。
Figure 2011513510
試験方法
表面拡散方法
「輸送速度因子」を下記に従って測定する。
12インチ×12インチのつや消し又はエッチングされたガラス板を、該ガラス板を支持するのに十分な大きさの平底のたらい(basin)中に取り付ける。たらいは排水手段を備えており、周囲条件下、約22℃の室温で実験を行っている間にガラス板の表面に水が溜まらないようになっている。ガラス板は、4インチ×4インチの陶製タイルを、ガラス板の底縁の各側に1つずつ用いることで、水のたらいの底部の上に支持される。ガラス板の真ん中の4インチは底部に接触しておらず、水はガラス板を流れ落ちて排水される。ガラス板は、ガラス板がたらいの底部と約39°の角度になるように並べられる。
ガラス板には、第1の縁から対向する縁にかけて、0.5インチ単位で測定マーカーが付けられている。
ガラス漏斗(長さ40mm、出口ID15mm、容量100ml超)を、ガラス板の9インチのマークより3.5インチ上に備え付ける。
ガラス板を室温の水で洗浄し、痕跡量の表面活性剤を除去する。洗浄したガラス板を、ガラス板上に広がる波が観察されなくなるまですすぐ。
約7g(ゲルの場合は直径約1.5インチの円)の組成物サンプルをガラス板の0マークの位置に塗布する。ビーカー4個分(それぞれ約200ml)の水をゆっくりとガラス板の上の高さ9インチの点に注いで、ガラス板に水を流すことで、組成物の状態を整える。
約1分後、漏斗に栓をし、約100mlの水を入れる。更に100mlの水をガラス板のほぼ9インチマーカーの位置にゆっくりと注ぐ。約10秒後、栓を外し、漏斗中の水がガラス板上に落ちたらタイマーをスタートさせる。
組成物より上を流れる水の膜の表面上の波がガラスを上昇する様子を観察し、組成物が5インチマーカーに到達する時間を記録する。
この試験を10回繰り返し、秒で表した時間を平均化し、「輸送速度因子」(秒で表した時間)として記載する。
接着試験
例示的な硬質表面に組成物が接着する能力を以下のようにして測定する。
温度が約86〜約90°Fの作業場所を用意する。作業場所の相対湿度を約40〜約60%に設定する。
4.25インチ×4.25インチの標準グレードの光沢のある陶製タイル12個からなる板を用意する。前記タイルはプレキシガラス背面上に3個(Y軸方向)×4個(X軸方向)で配置(つなげてグラウトを注入)されている。
この板を、セルローススポンジを用いて温かい(約75〜約85°F)水道水ですすぐ。次いで、温かい水道水で再度板を十分にすすぐ。イソプロパノールを染みこませた糸くずの付いていない布(例えば、ウィスコンシン州ニーナのキンバリークラーク・ワールドワイド社(Kimberly Clark Worldwide, Inc.,)のキムワイプ(登録商標))を用いてタイル板全体をしっかりと拭く。
板を水平位置(すなわち、板の面が床又は実験台上で水平になるように)に並べる。
直径約1.5インチ、重さ約5.5〜約8.0gのサンプルを、サンプルの底が板の最上部の水平方向(すなわちX軸方向)のグラウトラインに接触するように、板の表面に塗布する。サンプルは互いに約2インチ離して配置される。消えないマーカーを用いて最上部のグラウトラインから約0.75インチ下に直線(X軸に平行)を引く。
次いで、板を垂直位置(すなわち、板の面が床又は実験台に垂直になるように)に並べる。板を垂直位置に移動させたらタイマーをスタートさせる。サンプルがタイルをサンプル直径の約1.5倍の距離滑り落ちるのにかかる時間を測定し、「サンプル接着時間」として記録する。
粘度試験
温度制御型のブルックフィールド・コーン/プレート粘度計(マサチューセッツ州ミドルバラのブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ社(Brookfield Engineering Laboratories, Inc.,)製)をメーカーの仕様書に従って用いる。この装置で用いる具体的なパラメータは、剪断速度が10、コーンがC−25−1、及び温度80℃から25℃へのランプダウンが240秒、である。この装置はセンチポアズ(cps)単位で粘度測定する。
ゲル化温度試験
温度制御型のブルックフィールド・コーン/プレート粘度計(マサチューセッツ州ミドルバラのブルックフィールド・エンジニアリング・ラボラトリーズ社製)をメーカーの仕様書に従って用いる。この装置で用いる具体的なパラメータは、剪断速度が10、コーンがC−25−1、及び温度80℃から25℃へのランプダウンが240秒、である。ゲル化温度として、組成物が冷えて100cps超の粘度に組成物が転移する温度を報告する。
実施例1:水の膜に沿った輸送
本発明の組成物で達成されるマランゴニ効果の驚くべき範囲及び速度を説明するために、実験を以下に記載する。
従来の白い便器(ウィスコンシン州コーラーのコーラー社(Kohler Co.)製)を従来の洗浄剤(「The Works」トイレ浴室用洗浄剤(20%HCl))及びブラシを用いて2回洗浄し、便器の陶製表面に何の材料も存在しない状態にする。青色染料の5%水溶液を便器表面に噴霧し、水位より上の便器全体にほぼ均一な青いコーティングを施す。約1分間の目視観察で、染料は実質的に一様な青色のままであり、実質的に静止しており、非移動性である。トイレを流水洗浄し、染料を洗い落とす。
上記で「サンプル2」として記載した組成物サンプルを約7g、便器の水位より上の上側一カ所に1塊塗布する。トイレを流水洗浄し、トイレ内側表面に沿って組成物の上に水を流す。その後、便器表面に青色染料溶液を再度噴霧して、水位より上の全領域が青色で示されるように覆う。約2分間の目視観察で、組成物から広がる材料により、塗布された組成物から全方向に青色染料が離れていくことが観察され、これはボウル表面が視覚的に白くなることから明白に分かる。2分間の観察の最後には、組成物は便器表面のほぼ半分を覆っていた。これは表面に青色染料がほとんどなくなることから明白に分かる。理論により限定されるものではないが、組成物の拡散はマランゴニ効果により起こったと考えられる。
組成物が便器上を拡散するので、組成物中に存在する活性薬剤の目指す所望の作用(例えば洗浄、殺菌、及び/又は芳香付加)が、広範囲の領域で達成され、且つ表面で残留による利益をもたらし、その後の使用による堆積を予防し水垢を予防する。
実施例2:ゲル組成物の接着に対するミネラルオイルの効果
0、0.1、0.5、及び1重量%の含有量である本発明に係る組成物サンプル(約7g)(それぞれサンプルE〜H)を、本明細書に記載する接着試験方法に従って試験する。以下の接着試験方法に従って、タイル板にサンプルE〜Hをそれぞれ2箇所ずつ塗布する。図2A〜Eはそれぞれ8.5時間、9.5時間、11時間、12.5時間、及び15時間の時点におけるタイル板の写真である。驚くべきことに、ミネラルオイルの重量%が比較的少ない組成物は、ミネラルオイルの重量%が比較的多いサンプルよりも、接着時間が短くなる傾向があることが見出された。
本明細書に開示する例示的な実施形態は、排他的であること又は本発明の範囲を不必要に限定することを意図するものではない。これらの例示的な実施形態は、他の当業者が本発明を実施することができるように本発明の原理を説明するために選択され及び記載されている。当業者に明らかであるように、前述の記載の範囲内で種々の変更が可能である。当業者に想定できるそのような変更も本発明の一部である。
「具体的に」、「好ましくは」、「通常」、「一般的に」、「しばしば」等の用語は本明細書で、特許請求する発明の範囲を限定したり、特許請求する発明の構造又は機能にとって特定の構成が決定的、必須、又は重要であるということを示唆するために用いられるものではない。これらの用語は単に、本発明の特定の実施形態において用いても用いなくてもよい代替的又は追加的な構成を強調するために用いている。「実質的」、「ほぼ」、「約」等の用語も、本明細書において、任意の量的比較、値、測定、又はその他の記述に起因し得る本質的な不確実性の程度を表すために用いられている。
本明細書に開示されている寸法及び値は記載されている正確な数値に厳密に限定されると理解されるべきではなく、特に断りのない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載されている値及び機能的に同等なその値周辺の範囲の両方を意味することが意図される。例えば、「50mm」と開示されている寸法は「約50mm」を意味することが意図される。
本発明の詳細な説明で引用されている全ての文書を、関連する部分について、参照により本明細書に援用する。如何なる文書の引用も、本発明の先行技術であることを認めるものと解釈されるべきではない。本文書中の用語の意味又は定義が、参照により援用した文書中における用語の意味又は定義と矛盾する場合、本文書中で用語に当てた意味又は定義が優先されるものとする。

Claims (22)

  1. 硬質表面を処理するための組成物であって、
    (a)少なくとも一つの接着促進剤;
    (b)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性界面活性剤、及びこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤;
    (c)ミネラルオイル;
    (d)水;
    (e)必要に応じて、少なくとも一つの溶媒
    を含有し、処理対象である表面に塗布された際に自己接着性を示し、前記組成物及び前記表面の上を水が通過すると前記表面に湿潤膜を付与する、組成物。
  2. 前記組成物が、一部又は全部が場合によっては(a)としても働き得る少なくとも一つの非イオン性界面活性剤を更に含有する、請求項1に記載の組成物。
  3. 硬質表面を処理するための組成物であって、
    (a)約18〜約27重量%の、少なくとも一つの接着促進剤;
    (b)約7.5〜約20重量%の、アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性界面活性剤、及びこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤;
    (c)0〜約5重量%のミネラルオイル;
    (d)残りの部分を占める水;
    (e)必要に応じて、0〜約5重量%の少なくとも一つの溶媒
    を含有し、処理対象である表面に塗布された際に自己接着性を示し、前記組成物及び前記表面の上を水が通過すると前記表面に湿潤膜を付与する、組成物。
  4. 前記組成物が、一部又は全部が場合によっては(a)としても働き得る約7.5〜約20重量%の少なくとも一つの非イオン性界面活性剤を更に含有する、請求項2に記載の組成物。
  5. 親水性ポリマーを更に含有する、請求項1に記載の組成物。
  6. 更に親水性ポリマーを約1〜約10重量%含有する、請求項3に記載の組成物。
  7. 超湿潤剤化合物を更に含有する、請求項1に記載の組成物。
  8. 0〜約5重量%の量で存在する超湿潤剤化合物を更に含有する、請求項3に記載の組成物。
  9. 前記ミネラルオイルが約0.5〜3.5重量%の量で存在する、請求項1に記載の組成物。
  10. 前記ミネラルオイルが約0.5〜3.5重量%の量で存在する、請求項3に記載の組成物。
  11. 少なくとも一つの活性薬剤を更に含有し、前記活性薬剤が芳香剤、殺菌剤、抗微生物剤、漂白剤、又は脱臭剤のうちの一つ又は複数である、請求項1に記載の組成物。
  12. 少なくとも一つの活性薬剤を更に含有し、前記活性薬剤が芳香剤、殺菌剤、抗微生物剤、漂白剤、又は脱臭剤のうちの一つ又は複数である、請求項3に記載の組成物。
  13. 硬質表面を処理するための組成物であって、
    (a)エトキシ化アルコール;
    (b)アルキルポリグリコールエーテル;
    (c)ミネラルオイル;
    (d)アルコール;
    (e)ポリエチレングリコール
    (f)アルキルエーテル硫酸塩;及び
    (g)水
    を含有し、表面に塗布された後に前記表面に自己接着性を示し、前記組成物及び前記表面の上を水が通過すると前記表面に湿潤膜を付与する、組成物。
  14. 硬質表面上の少なくとも一つの所定の位置に塗布するための組成物であって、前記組成物及び前記硬質表面の上を水が複数回定期的に流れても前記硬質表面に自己接着性であるように構成されており、前記組成物が、前記定期的な水の流れのそれぞれの最中又は後に一部溶解し、それにより前記硬質表面上で前記組成物から全方向に広がる湿潤膜を付与し、前記組成物が少なくとも一つの界面活性剤を含有し、前記界面活性剤により、前記組成物中に存在する少なくとも一つの活性薬剤が、前記硬質表面上で前記所定の位置から離れた広範囲の領域に前記湿潤膜中で運搬されて、前記少なくとも一つの活性薬剤による即時的作用及び残留的作用が得られる、組成物。
  15. 前記少なくとも一つの活性薬剤が、洗浄剤、芳香剤、抗微生物剤、殺菌剤、漂白剤、及び脱臭剤のうちの一つ又は複数である、請求項14に記載の組成物。
  16. 硬質表面を処理するための自己接着性洗浄組成物であって、少なくとも一つの接着促進剤、少なくとも一つのアニオン性界面活性剤、一部又は全部が場合によっては前記少なくとも一つの接着促進剤を提供し得る少なくとも一つの非イオン性界面活性剤、ミネラルオイル、及び水、を含有し、前記硬質表面が疎水性であるか疎水性を付与されており、前記組成物を前記硬質表面に塗布して前記組成物上を水が流れると、前記組成物が、一部溶解して、前記硬質表面上の前記組成物から離れた広範囲の領域に前記硬質表面に沿って前記組成物から全方向に広がる湿潤膜を付与して、前記広範囲の領域に一時的に保持され、前記硬質表面に残留による洗浄処理を提供する、組成物。
  17. 硬質表面を処理するための組成物であって、
    (a)前記組成物により処理される硬質表面への自己接着性を前記組成物に付与する、少なくとも一つの非イオン性界面活性剤を含有する一つ又は複数の成分;
    (b)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性界面活性剤、及びその組合せからなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤;
    (c)ミネラルオイル;
    (d)水;及び
    (e)必要に応じて、少なくとも一つの活性薬剤
    を含有し、前記少なくとも一つのアニオン性界面活性剤及び前記少なくとも一つの非イオン性界面活性剤を合わせた量が、硬質表面に接着した前記組成物の上を水が流れた後に、前記硬質表面上に前記組成物から広がる湿潤膜が提供される量であり、前記湿潤膜が前記硬質表面の即時的処理及び残留による処理のための前記組成物成分用の運搬媒体を提供する、組成物。
  18. 親水性ポリマーを更に含有する、請求項17に記載の組成物。
  19. 超湿潤剤化合物を更に含有する、請求項17に記載の組成物。
  20. 前記少なくとも一つの界面活性剤が、約7.5〜約20重量%の量で存在し、前記ミネラルオイルが0重量%超〜5重量%の量で存在する、請求項17に記載の組成物。
  21. 更に親水性ポリマーを約1〜約10重量%含有する、請求項17に記載の組成物。
  22. 0〜約5重量%の量で存在する超湿潤剤化合物を更に含有する、請求項17に記載の組成物。
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