JP7051337B2 - 固形洗浄剤及びこれを用いた硬質表面の洗浄方法並びに接着性組成物 - Google Patents

固形洗浄剤及びこれを用いた硬質表面の洗浄方法並びに接着性組成物 Download PDF

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本発明は、固形洗浄剤及びこれを用いた硬質表面の洗浄方法並びに接着性組成物に関し、更に詳しくは、硬質表面に付着させて使用する固形洗浄剤と、該固形洗浄剤を用いて硬質表面を洗浄する方法、及び硬質表面に対して固形洗浄剤を付着させるための接着性組成物に関する。
従来、トイレの便器用の洗浄剤の使用方法としては、水洗トイレの貯水タンクに投入して使用する方法(インタンク方式)や、貯水タンク上蓋の注水口に配置して使用する方法(オンタンク方式)等が知られている。
一方、近年ではタンクレストイレの普及に伴い、トイレの便器用の洗浄剤の使用方法にも変化が生じている。例えば、容器に入った洗浄剤をそのまま便器の縁に吊り下げて使用する方法(いわゆるリムブロック)や、ゲル状の洗浄剤を便器のボウル部内面に付着させて使用する方法等が挙げられる。
ゲル状の洗浄剤として、例えば、特許文献1には、硬質表面を処理するための組成物であって、(a)少なくとも一つの接着促進剤;(b)アニオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、双性界面活性剤、及びこれらの組合せからなる群から選択される少なくとも一つの界面活性剤;(c)ミネラルオイル;(d)水;(e)必要に応じて、少なくとも一つの溶媒を含有し、処理対象である表面に塗
布された際に自己接着性を示し、前記組成物及び前記表面の上を水が通過すると前記表面に湿潤膜を付与する、組成物が提案されている。また、特許文献2には、(A)一般式(1)(HO-AO)-(AO)-(AO)-(AO)-(AO)-Hで表されるポリオキシアルキレンブロックポリマー[一般式(1)中、j、k、l、m、及びnは、それぞれ付加モル数を示す。j+nは1以上であり、kは0以上であり、lは1以上であり、mは0以上である。AOは、炭素数2~4のアルキレンオキサイドを示す。AOは、炭素数は2~4であって、AOとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドを示す。AOは、炭素数は2~4であって、AOとは異なる炭素数のアルキレンオキサイドを示す。AO、AO及びAOの少なくとも1つは、エチレンオキサイドである。]、及び(B)水を含有する、ゲル状洗浄剤組成物が提案されている。
トイレの便器のボウル部内面(水洗便器において流水で洗浄される面)は湾曲面であり、このような湾曲面に付着させる洗浄剤は湾曲面に追従した形状となるよう上記特許文献1、2のように水を含んだゲル状の洗浄剤として構成されるのが一般的である。
特表2011-513510号公報 特開2015-199936号公報
洗浄剤を便器のボウル部内面に貼り付けて使用する方法において、洗浄剤は、ボウル部のような硬質表面に接着する機能と、洗浄という2つの機能を同時に発揮する必要がある。しかし、従来のゲル状の洗浄剤は、硬質表面に対する接着性を得るため水を含んで構成されていることから、洗浄のための有効成分や香料等の含有量が少なくなり、所望の洗浄力を得ることができないという問題点があった。
そこで本発明は、硬質表面に付着させて使用され、水と接触することで洗浄成分を流出させて硬質表面を洗浄する洗浄剤であって、従来よりも洗浄の有効成分を多く含有させて優れた洗浄力を発揮するとともに、硬質表面に対して優れた付着力を有し、更に運搬時や保管時の高温環境下や使用時においても十分な保形性を有する固形洗浄剤、及び該固形洗浄剤を用いて硬質表面を洗浄する方法、並びに硬質表面に対して固形洗浄剤を付着させるための接着性組成物を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、硬質表面に直接付着させて使用する洗浄剤を固形状の製剤とし、硬質表面を洗浄するための洗浄有効成分を含有し、実質的に水を含まない固形状の洗浄部と、硬質表面に対して接着性を有する接着部の少なくとも2つの機能を備えた構成とすることで上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下の(1)~(10)を特徴とする。
(1)硬質表面に付着させて用いられる固形洗浄剤であって、実質的に水を含まない固形状の洗浄部と、押圧により変形可能であって前記硬質表面に対する形状追従性を有する接着部とを有することを特徴とする固形洗浄剤。
(2)前記接着部が、前記洗浄部より低い圧縮強度で変形可能であることを特徴とする前記(1)に記載の固形洗浄剤。
(3)前記接着部の圧縮強度が3.5kgf/cm以下であることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の固形洗浄剤。
(4)前記接着部が接着成分として、非イオン性界面活性剤成分、高分子多糖類系接着成分、天然物系接着成分、合成ゴム系接着成分、樹脂系接着成分、及びポリエチレングリコール系接着成分からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することを特徴とする、前記(1)~(3)のいずれか1に記載の固形洗浄剤。
(5)前記接着部が、非イオン性界面活性剤成分Aとして、ポリオキシアルキレングリコール及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種と、非イオン性界面活性剤成分Bとして、ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテル及びポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種、を含有し、前記接着部中、前記非イオン性界面活性剤成分Aの含有量が50質量%以上90質量%未満であることを特徴とする前記(1)~(4)のいずれか1に記載の固形洗浄剤。
(6)前記洗浄部が、主剤として非イオン性界面活性剤を95質量%以下含有することを特徴とする前記(1)~(5)のいずれか1に記載の固形洗浄剤。
(7)前記洗浄部が、主剤として非イオン性界面活性剤を含有し、前記非イオン性界面活性剤として、HLB値が16.5以下で、かつアルキル炭素数が10~18のポリオキシエチレンアルキルエーテルを0.1質量%以上10質量%未満の範囲で含有することを特徴とする前記(1)~(6)のいずれか1に記載の固形洗浄剤。
(8)硬質表面の洗浄方法であって、実質的に水を含まない固形状の洗浄部と押圧により変形可能であって前記硬質表面に対する形状追従性を有する接着部とを有する固形洗浄剤を、前記接着部を前記硬質表面に押圧により接着させることを含むことを特徴とする硬質表面の洗浄方法。
(9)固形洗浄剤を用いた硬質表面の洗浄方法であって、前記固形洗浄剤は実質的に水を含まない固形状の洗浄部と、前記洗浄部より低い圧縮強度で変形可能であり、前記硬質表面に対する形状追従性を有する接着部とを有し、前記洗浄部の圧縮強度より低くかつ前記接着部の圧縮強度より高い強度で、前記接着部を前記硬質表面に押圧することにより、前記固形洗浄剤を前記硬質表面へ接着させることを含むことを特徴とする硬質表面の洗浄方法。
(10)硬質表面に対して固形洗浄剤を付着させるための接着性組成物であって、非イオン性界面活性剤成分Aとして、ポリオキシアルキレングリコール及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種と、非イオン性界面活性剤成分Bとして、ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種、を含有し、前記非イオン性界面活性剤成分Aの含有量が50質量%以上90質量%未満であることを特徴とする接着性組成物。
本発明の洗浄剤は、固形状の洗浄部及び接着部の少なくとも2つの機能を備えた構成の固形洗浄剤とし、前記洗浄部を実質的に水を含まない固形状の洗浄部とすることにより、前記洗浄部に洗浄のための有効成分や香料等の配合を十分量とすることができ、所望の機能を発揮できる。また、含水による各成分の経時変化や劣化をも防止することができる。これらにより、製剤安定性が得られるとともに、製品設計に沿った望ましい洗浄効果を得ることができる。
また、本発明の固形洗浄剤は、押圧により変形可能な接着部を有しているので、処理対象の硬質表面が湾曲面であったり凹凸部を有していたとしても、接着部が該表面に沿った形に変形して付着する(形状追従性を有する)ので、固形洗浄剤の自己付着力が向上し、硬質表面の付着部分から固形洗浄剤が移動したり、落下したりするのを防ぐことができる。また、接着部が、洗浄部よりも低い圧縮強度で変形可能であることにより、固形洗浄剤を硬質表面へ接着させるために押圧した際、洗浄部の形状を保持したまま接着部のみが変形し、固形洗浄剤を硬質表面に付着させることができる。
また、接着部の接着成分は特に問わないものの、一態様として接着部が非イオン性界面活性剤を主剤として構成されている場合、水(具体的には流水)との接触によって溶け終わらせることができるため、硬質表面への後残りを防止することができるとともに、使用途中で固形洗浄剤を除去する必要がある場合でも容易に取り除くことができる。
また、本発明の固形洗浄剤は、固形であるが故に、運搬時や保管時の高温環境下や使用時においても十分な保形性を備えるものである。
図1は、固形状である洗浄部の圧縮強度を測定する方法を示すための模式図である。 図2は、固形洗浄剤における接着部の圧縮強度を測定する方法を示すための模式図である。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
本発明の固形洗浄剤は、硬質表面に付着させて用いられる固形洗浄剤であって、実質的に水を含まない固形状の洗浄部と、押圧により変形可能であって前記硬質表面に対する形状追従性を有する接着部とを有する。
本発明の固形洗浄剤の好ましい一形態は、前記接着部が、前記洗浄部より低い圧縮強度で変形可能である。
本発明の固形洗浄剤は、上記したように硬質表面に付着させて用いられる。該硬質表面は乾いた状態でも水等の液体が付着して濡れた状態でもよいが、硬質表面が液体で覆われ、固形洗浄剤の一部又は全部が前記液体に浸かるような状態で使用されるものではない。
(洗浄部)
本発明における洗浄部は実質的に水を含まない固形状を呈している。ここで、「実質的に水を含まない」とは、洗浄部を作製する際に水を意図的に含まないという意味であり、洗浄部を作製中又は本発明の固形洗浄剤の保管中に不可避的に混入する微量の水分を含んでいても構わない。なお、実質的に水を含まない洗浄部の水の含有量は、洗浄部中、3質量%以下であることが好ましく、より好ましくは1質量%以下であり、水を全く含有していない(0質量%)ことが最も好ましい。なお、洗浄部中の水分量は、カールフィッシャー方法により測定することができる。
洗浄部は、主剤として界面活性剤を含有する洗浄組成物から構成され、界面活性剤はイオン性界面活性剤(アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤)でも非イオン性界面活性剤のいずれも使用可能であるが、水に対する膨潤性及び硬質表面への接着性等の点から非イオン性界面活性剤が好ましい。すなわち、洗浄部の主剤は、好ましくは水溶性の非イオン性界面活性剤を含有する洗浄性組成物から構成され、主剤として非イオン性界面活性剤を95質量%以下含有することがより好ましい。なお本明細書において「主剤」とは、50質量%以上を含有する成分を言い、洗浄部における洗浄効果を発揮する洗浄有効成分である。
非イオン性界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレン(POE)・ポリオキシプロピレン(POP)共重合体、ポリオキシエチレン(POE)アルキルエーテル、ポリオキシエチレン(POE)脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン(POE)硬化ヒマシ油誘導体等が挙げられる。
POE・POP共重合体は、ポリオキシエチレン(POE)単位とポリオキシプロピレン(POP)単位とがブロックコポリマーを形成しているものを例示することができ、特にPOE単位が50~90質量%であることが好ましく、POE単位とPOP単位とのつながり方としてはプルロニック型であることが好ましい。また、POE・POP共重合体は、数平均分子量で1,000~30,000であることが好ましい。
また、POE・POP共重合体は、POE・POP共重合体の片末端又は両末端を脂肪酸によりエステル化したものであることもできる。脂肪酸としては、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等を好適に挙げることができる。また更には、ウレタン化することも可能である。
洗浄部におけるPOE・POP共重合体の含有量は、30~80質量%であることが好ましく、40~75質量%がより好ましく、50~75質量%が更に好ましい。POE・POP共重合体の含有量が上記範囲であると、洗浄部に所望の洗浄力を付与することができる。
ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、例えば、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル等が挙げられる。
中でも、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしては、洗浄効果を高めるという観点から、HLB値が16.5以下で、かつアルキル炭素数が10~18のものが好ましい。前記HLB値は、11~16であることがより好ましく、12~16が更に好ましい。また前記アルキル炭素数は、12~16であることがより好ましい。また、エチレンオキシ単位の繰り返し数は、5~25であることが好ましく、10~20がより好ましい。
好ましいポリオキシエチレンアルキルエーテルの具体例としては、例えば、POE(10)ベヘニルエーテル(HLB:11.5)、POE(20)ベヘニルエーテル(HLB:14.6)、POE(25)ベヘニルエーテル(HLB:15.6)等のポリオキシエチレンベヘニルエーテル、POE(21)ラウリルエーテル(HLB:16.4)等のポリオキシエチレンラウリルエーテル、POE(10)トリデシルエーテル(HLB:13.7)、POE(15)トリデシルエーテル(HLB:15.3)、POE(20)トリデシルエーテル(HLB:16.3)等のポリオキシエチレントリデシルエーテル等を挙げることができる。
なお、本明細書においてHLB値は、下記に示す式、いわゆる「グリフィン法」によって求めた値を採用している。
HLB値=20×(親水基の式量の総和/分子量)
洗浄部におけるポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量は、0.1~25質量%であることが好ましく、0.3~22質量%がより好ましい。ポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量が上記範囲であると、洗浄部に所望の洗浄力を付与することができる。
なお、本発明において、洗浄部には、HLB値が16.5以下で、かつアルキル炭素数が10~18のポリオキシエチレンアルキルエーテルを0.1質量%以上10質量%未満の範囲で含有することが好ましく、0.3~7質量%がより好ましく、0.5~5質量%が更に好ましい。HLB値が16.5以下で、かつアルキル炭素数が10~18のポリオキシエチレンアルキルエーテルの含有量が上記範囲であると、固形洗浄剤が洗浄のための水と接触し、洗浄部が水を含んだ後は、固形洗浄剤の硬質表面との接着性が良好に保たれるため好ましい。
ポリオキシエチレン脂肪酸エステルとしては、例えば、POEステアリン酸ジエステル、POEオレイン酸モノエステル等が挙げられる。
洗浄部におけるポリオキシエチレン脂肪酸エステルの含有量は、0.1~10質量%であることが好ましく、0.5~5質量%がより好ましい。
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体としては、例えば、市販のポリオキシエチレン硬化ヒマシ油誘導体として、NIKKOL HCO-40、HCO-50、HCO-60、HCO-80、HCO-100(いずれも日光ケミカルズ株式会社の商品名)等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤は、洗浄部中50質量%以上で含有されるが、製品設計に沿った望ましい洗浄効果を得る、洗浄部の固形状態を安定して維持する等の観点から、50~95質量%の範囲で含有することが好ましく、60~90質量%がより好ましい。
洗浄部には、必要に応じて前記以外の各種公知添加剤を配合することもできる。例えば、酸化防止剤、色素、香料、殺菌剤・防カビ剤、その他の界面活性剤、洗浄助剤等が挙げられる。
酸化防止剤としては、例えば、無水クエン酸、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、トコフェロール等が挙げられる。
色素としては、例えば、赤色2号、赤色3号、赤色102号、赤色104号、赤色105号、赤色106号、黄色4号、黄色5号、青色1号、青色2号、緑色3号、赤色201号、赤色205号、赤色213号、赤色214号、赤色219号、赤色227号、赤色230号の(1)、赤色230号の(2)、赤色231号、赤色232号、橙色207号、黄色202号の(1)、黄色202号の(2)、黄色203号、緑色205号、青色202号、青色203号、青色205号、褐色201号、赤色401号、赤色502号、赤色503号、赤色504号、赤色506号、橙色402号、黄色402号、黄色403号の(1)、黄色406号、黄色407号、緑色401号、緑色402号、紫色401号、黒色401号等が挙げられる。
香料としては、例えば、レモン、オレンジ、ベルガモット、グレープフルーツ、ラベンダー、ローズマリー、ジャスミン、ローズ、ペパーミント、ユーカリ、樟脳等から抽出した精油;リモネン、リナロール、リナロールアセテート、ボルネオール、シトラール、シトロネラール、メントール、シネオール等が挙げられる。
殺菌剤・防カビ剤としては、例えば、エニルコナゾール、イソプロピルメチルフェノール、4級アンモニウム塩、ポリ(ヘキサメチレン)ビグアナイド塩等が挙げられる。
その他の界面活性剤としては、例えば、フッ素系両親媒性物質;POE分岐アルキルエーテル、ソルビタンエステル、POEソルビタンエステル、グリセリン脂肪酸エステル、POEグリセリン脂肪酸エステル、POE硬化ヒマシ油脂肪酸エステル、POEアルキルフェニルエーテル、グリセリルエーテル、POEグリセリルエーテル、ポリグリセリン脂肪酸エステル等の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
洗浄助剤としては、例えば、EDTA塩;プロテアーゼ、リパーゼ、アミラーゼ、ペクチナーゼ、セルラーゼ、リゾチーム等の酵素等が挙げられる。
これらの添加剤は、本発明の効果を妨げない範囲において適宜所望の含有量にて含有させることができる。
洗浄部の製造方法は、従来公知の製造方法により製造することができ、例えば、溶融成形、打錠成形、押し出し成形等の公知の方法が適用できる。中でも、各配合成分を均一に混合・分散させるために、溶融成形により製造することが好ましい。
例えば、溶融成形では、各成分を融点以上に加熱し、溶融又は分散させながら混合し、その後、型に流し込む等して所望の形状に成形して、冷却・固化させることにより製造することができる。なお、加熱混合は、全ての成分を纏めて行ってもよいし、溶けやすい成分と溶けにくい成分を分けて温度を調節しながら加熱混合してもよい。
(接着部)
本発明における接着部は、押圧により変形可能であって、硬質表面に対する形状追従性を有するものである。接着部の好ましい一形態は、洗浄部よりも低い圧縮強度で変形可能である。
接着部が「押圧により変形可能」かつ「硬質表面に対して形状追従性を有する」とは、硬質表面に接着部を接触させて押圧することにより接着部の形状が硬質表面の被接触箇所の形状に倣うように変形して密接することができる性質をいう。具体的には、硬質の基板(例えば、アクリル板)上に0.1gの接着部を設置し、該接着部の上に荷重板(例えば、アクリル板)を置いて、その上方から1.5kgf(14.7N)の荷重をかけた際に、接着部の荷重板との接触部が変形し、荷重板と接触した接着部の接触面積が、荷重をかける前の基板と接着部の接触面積の例えば80%以上、好ましくは100%以上となることを意味する。なお、荷重板の重さは接着部を変形させるのに必要な力と比べて非常に小さいため、その重さは無視することができる。
また、本発明で言う「硬質」とは、予め形成した形状を保つことのできる程度の硬さを意味し、「硬質表面」とは、セラミック、金属、ガラス、プラスチック、陶磁器、石材等の可撓性をもたない材料から構成された部材の表面を意味する。
本発明の接着部は、例えば、トイレの便器、台所の水回り(シンク)、浴室、洗面台、窓ガラス等に対して接着するのに好適であり、本発明の洗浄性組成物から形成される洗浄部を、これら処理対象の硬質表面に本発明の接着部を介して良好に接着させることができる。本発明の接着部は、特に、トイレの便器に接着するのに好適である。
また、接着部又は洗浄部の圧縮強度とは、硬質の基板(例えば、アクリル板)上に任意の量の接着部及び/又は洗浄部をそれぞれ設置し、該接着部及び/又は洗浄部の上方から荷重をかけた際に、接着部又は洗浄部の荷重板との接触部が変形する又は形状が崩れる力を意味する。具体的には下記測定方法により、接着部又は洗浄部の圧縮強度をそれぞれ測定することができる。
洗浄部の圧縮強度を測定する方法を図1に示すが、洗浄部10(3.0g)を15mmの隙間を開けた2つのブロック3の上にセットし、ポリエチレン板2を荷重板としてプッシュプルゲージ1を用いて20mm/minの速度で押圧し、洗浄部が割れた際の力を洗浄部の圧縮強度とすることができる。
接着部の圧縮強度を測定する方法を図2に示すが、接着部11(0.1g)を洗浄部10(3.0g)の上面の一部に付着したものを、15mmの隙間を開けた2つのブロック3の上にセットし、ポリエチレン板2を荷重板としてプッシュプルゲージ1を用いて20mm/minの速度で押圧した際、接着部11が押し潰されてポリエチレン板2に接触している面積が、洗浄部10に付着させた接着部11の初期面積より大きくなった際の力を接着部の圧縮強度とすることができる。
接着部の圧縮強度は洗浄部の圧縮強度より低いことにより、固形洗浄剤を押圧により硬質表面に付着させる際、接着部のみが変形し、洗浄部の形状を保持したまま固形洗浄剤を使用することができる。
接着部の圧縮強度は洗浄部の圧縮強度より小さければ特に限定されないが、保形性、耐熱性や流通適性が良好であるという観点から、0.1~10kgf/cmであることが好ましく、0.2~5kgf/cmであることが更に好ましい。また、固形洗浄剤を硬質表面に押圧する際に、洗浄部の形状を保持しつつ、容易に接着可能であるという観点から、3.5kgf/cm以下がよりさらに好ましい。
洗浄部の圧縮強度は接着部の圧縮強度より高ければ良く、2kgf/cm以上が好ましく、3kgf/cm以上がより好ましい。
本発明における接着部は、水溶性を呈する接着性組成物から構成され、該接着性組成物は、主剤として接着成分を含むが、前記接着成分として非イオン性界面活性剤成分、高分子多糖類系接着成分、天然物系接着成分、合成ゴム系接着成分、樹脂系接着成分、及びポリエチレングリコール系接着成分からなる群より選ばれる少なくとも1種を含有することが好ましい。中でも非イオン性界面活性剤を含有することが、接着部がより良好な形状追従性を備える点から好ましい。
接着部における接着成分の含有量は合計で95質量%以下であることが接着保持性の点から好ましく、90質量%以下がより好ましい。また、良好な接着性を得る観点から、接着成分の含有量は合計で10質量%以上が好ましく、20質量%以上がより好ましい。
接着部における非イオン性界面活性剤としては、上述の洗浄部で例示したような各種非イオン性界面活性剤が挙げられる。接着部に含有させる非イオン性界面活性剤としては、硬質表面に対する接着性等の観点から、非イオン性界面活性剤成分Aとして、ポリオキシアルキレングリコール及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種と、非イオン性界面活性剤成分Bとして、ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテル及びポリオキシエチレン(POE)・ポリオキシプロピレン(POP)共重合体からなる群から選択される少なくとも1種、を含有することが好ましい。
前記非イオン性界面活性剤成分Aと前記非イオン性界面活性剤成分Bとを組合せて含有することで、押圧により変形可能で押圧による破壊が無く、かつ被接触箇所に対する形状追従性に優れる接着性組成物を得ることができる。よって湾曲部や凹凸部を有する硬質表面に対しても形状追従性を発揮して密着することができる。また、非イオン性界面活性剤成分Aと非イオン性界面活性剤成分Bを含有することで、接着部の保形性、耐熱性や流通適性が良好となる。
ポリオキシアルキレングリコールとしては、例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドを付加したもの、ポリプロピレングリコールにエチレンオキサイドを付加しさらに炭素数12のアルキレングリコールを付加したもの等が挙げられる。
ポリグリセリン脂肪酸エステルとしては、グリセリンの重合度が例えば1~20、好ましくは5~15、脂肪酸の炭素数が例えば9~20、好ましくは11~15のものが挙げられ、具体的には、ヘキサグリセリンモノラウリン酸エステル、ヘキサグリセリンモノオレイン酸エステル、デカグリセリンモノラウリン酸エステル、デカグリセリンモノミリスチン酸エステル、デカグリセリンモノパルミチン酸エステル、デカグリセリンモノステアリン酸エステル、デカグリセリンモノオレイン酸エステル等が挙げられる。
接着部における非イオン性界面活性剤成分A、すなわちポリオキシアルキレングリコール及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種の含有量は、50質量%以上90質量%未満であることが好ましく、50~85質量%がより好ましい。非イオン性界面活性剤成分Aの含有量が前記範囲であると、押圧により硬質表面の被接触箇所に対して優れた形状追従性を示す。なお、非イオン性界面活性剤成分Aの含有量が90質量%以上の場合は、高温(例えば50℃)での保管時に接着部の形状が崩れやすくなり、製品としての耐熱性が低下するため、90質量%未満で含有することが好ましい。
ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテルとしては、アルキル部分の炭素数が例えば10~60、好ましくは20~50、エチレンオキシ基の繰り返し数が例えば1~20、好ましくは5~15、更に好ましくは8~13であるものが挙げられ、このようなポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテルは、市販されているものを利用でき、例えばブラウノンシリーズとして青木油脂工業株式会社から入手可能である。
POE・POP共重合体としては、ポリオキシエチレン(POE)単位とポリオキシプロピレン(POP)単位とがブロックコポリマーを形成しているものを例示することができ、特にPOE単位が50~90質量%であることが好ましく、POE単位とPOP単位とのつながり方としてはプルロニック型であることが好ましい。また、POE・POP共重合体は、数平均分子量で1,000~30,000であることが好ましい。
また、POE・POP共重合体は、POE・POP共重合体の片末端又は両末端を脂肪酸によりエステル化したものであることもできる。脂肪酸としては、ステアリン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等を好適に挙げることができる。
接着部における非イオン性界面活性剤成分B、すなわちポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテル及びPOE・POP共重合体からなる群から選択される少なくとも1種の含有量は、合計で5質量%以上50質量%未満であることが好ましく、10~45質量%がより好ましい。非イオン性界面活性剤成分Bの含有量が前記範囲であると、高温での保管時に崩れにくくなり、製品としての耐熱性が向上する。
本発明において、接着部中、非イオン性界面活性剤成分Aの含有量は非イオン性界面活性剤成分Bの含有量よりも多いことが好ましい。非イオン性界面活性剤成分Aを非イオン性界面活性剤成分Bよりも多く含有させることで、保形性、形状追従性、耐熱性を全て満足できる。
接着部における高分子多糖類系接着成分としては、例えば、ヒドロキシエチルメチルセルロース(HEMC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、メチルセルロース(MC)、カルボキシメチルセルロース(CMC)及びそれらの塩等が挙げられる。
接着部における天然物系接着成分としては、例えば、天然ゴム、にかわ、カゼイン、デンプン、キサンタンガム、ジェランガム等が挙げられる。
接着部における合成ゴム系接着成分としては、例えば、クロロプレンゴム、ニトリルゴム、スチレンブタジエンゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム等が挙げられる。
接着部における樹脂系接着成分としては、例えば、メラミン樹脂、ユリア樹脂、フェノール樹脂、酢酸ビニル樹脂、エチレン・酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルアセテート樹脂等が挙げられる。
接着部におけるポリエチレングリコール系接着成分としては、例えば、ポリエチレングリコールそのものであってもよいし、ポリオキシエチレン・ポリオキシポリプロピレン共重合体等のポリエチレングリコールを構成成分とする共重合体等が挙げられる。
本発明において、接着部には、上記した接着成分の他に、水溶性高分子を含有してもよい。水溶性高分子は、接着部の保形性、耐熱性を向上させることができる。
水溶性高分子としては、例えば、ポリアクリル酸又はその塩、カルボキシメチルセルロース、カルボマー、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール等が挙げられる。
接着部における水溶性高分子の含有量は、1~30質量%が好ましく、5~20質量%がより好ましい。水溶性高分子の含有量が前記範囲であると、保形性、耐熱性、流通適性を更に向上させることができる。
また、本発明において、接着部を構成する接着成分、好ましくは非イオン性界面活性剤(混合物)成分の25℃における粘度は、10000cP(10Pa・s)以上であることが好ましい。25℃における粘度が10000cP以上の接着成分を使用することで、硬質表面に対して押圧された際に良好な押し潰しがなされ、優れた接着性を発揮することができる。
接着部には、必要に応じて前記以外の各種公知添加剤を配合することもできる。添加剤としては、洗浄部で挙げられた成分を同様に使用することができ、例えば、酸化防止剤、色素、香料、殺菌剤・防カビ剤、その他の界面活性剤、pH調整剤等が挙げられ、その具体例も同様である。
また更に、接着部には増粘剤、溶剤等を添加することができ、増粘剤としては、例えば、アラビアゴム、カラギーナン、カラヤガム、トラガカントガム、カゼイン、デキストリン、ゼラチン等が挙げられ、溶剤としては、例えば、水;メチルアルコール、エチルアルコール、1-プロピルアルコール、イソプロピルアルコール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。
接着部の製造方法は、従来公知の製造方法により製造することができ、例えば、溶融成形、押し出し成形等の公知の方法が適用できる。中でも、各配合成分を均一に混合・分散させるために、溶融成形により製造することが好ましい。
例えば、溶融成形では、各成分を融点以上に加熱し、溶融又は分散させながら混合し、その後、型に流し込む等して所望の形状に成形して、冷却させることにより製造することができる。
本発明の固形洗浄剤は、上記した洗浄部と接着部とを備えるものであり、洗浄部と接着部はそれぞれ別に作製し、両者を接着することで作製されていてもよいし、洗浄性組成物と接着性組成物とを一緒に成形して、2層を一体にして作製してもよい。なお、本発明の固形洗浄剤は、接着部と洗浄部が固形洗浄剤の表層に位置していればその構成は特に限定されず、例えば、芳香作用を有する芳香部を洗浄部と接着部との間に備えて3層構造とする、異なる洗浄作用を有する複数の洗浄性組成物を積層又は隣接させて洗浄部を作製する等、所望により固形洗浄剤の構成を設計できる。
本発明において、洗浄部と接着部の配合比としては、洗浄部を硬質表面に付着させることができる程度の量で接着部を使用すればよく、例えば、洗浄部100質量部に対し、接着部を0.5~20質量部、好ましくは1~10質量部使用することができる。
また、洗浄部と接着部とは大きさを揃える必要はなく、例えば洗浄部及び接着部のみから構成される固形洗浄剤の場合、洗浄部の接着する側の主面の少なくとも一部の領域に接着部があればよい。
本発明の硬質表面の洗浄方法は、本発明の固形洗浄剤を用い、前記固形洗浄剤は実質的に水を含まない固形状の洗浄部と、押圧により変形可能であって硬質表面に対する形状追従性を有する接着部とを有し、前記接着部を前記硬質表面に押圧することにより、前記固形洗浄剤を前記硬質表面へ接着させる工程を含む。
また、本発明の硬質表面の洗浄方法の別の態様としては、本発明の固形洗浄剤を用い、前記固形洗浄剤は実質的に水を含まない固形状の洗浄部と、前記洗浄部より低い圧縮強度で変形可能であり、硬質表面に対する形状追従性を有する接着部とを有し、前記洗浄部の圧縮強度より低くかつ前記接着部の圧縮強度より高い強度で、前記接着部を前記硬質表面に押圧することにより、固形洗浄剤を硬質表面へ接着させる工程を含む。
例えば、硬質表面としてトイレの便器のボウル部を洗浄する場合は、前記接着部をボウル部内面と接触するように配置し、固形洗浄剤をボウル部に対して洗浄部側から押圧することにより接着する。ボウル部内面に付着された固形洗浄剤は、フラッシングすることによりまずは洗浄部が徐々に溶解し、ボウル部表面を洗浄する。洗浄部及び接着部は、フラッシング毎に溶解していくが、好ましくは洗浄部及び接着部に同じ種類の非イオン性界面活性剤を、例えば5質量%以上用いることにより、接着部と洗浄部の剥離を防ぐことができる。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に説明するが、本発明は下記例に何ら制限されるものではない。
<試験例1>
(実施例1~6、比較例1~4)
表1に示す処方に従い、各成分を95℃で順次撹拌混合し、全ての成分が均一になったところで自然冷却することにより、実施例1~6、比較例1~4の接着性組成物を作製した。
(形状追従性の評価)
接着性組成物0.1gを基板(材質:アクリル)上に乗せ、接着性組成物の上方から荷重板(材質:アクリル)を15mm/分の速度で、プッシュプルゲージで荷重を測定しながら押圧降下させ、1.5kgf(14.7N)の荷重がかかった時点で押圧を止めた。荷重板と接着性組成物との接触面積(b)を測定し、荷重をかける前の基板と接着性組成物との接触面積(a)に対してどの程度増加しているかを調べた(b/a×100(%)にて算出)。測定環境温度は5℃とした。なお、接触面積が100%であるとは、荷重をかけた後の荷重板と接着性組成物との接触面積(b)が荷重をかける前の基板と接着性組成物の接触面積(a)と同一であることを意味する。
荷重をかける前の基板と接着性組成物の接触面積(a)に対する、荷重をかけた後の荷重板と接着性組成物との接触面積(b)の割合より、接着性組成物の形状追従性を下記基準にて評価した。
〔評価基準〕
○:接触面積が100%以上。押圧により変形が十分であり、且つ形状追従性が良好である。
△:接触面積が80%以上100%未満。押圧により変形が十分であり、形状追従性もある。
×:接触面積が80%未満。押圧による変形が不足している。
(耐熱性の評価)
50℃に設定した恒温槽内に接着性組成物0.1gを静置し、3時間後に接着性組成物が溶融しているか否かを下記評価基準に従って目視にて確認した。
〔評価基準〕
○:溶融していない。
△:一部溶融している。
×:完全に溶融している。
(接着強度の評価)
直径34mm、厚さ25mmの形状の矩形の金属板(材質:鋼鉄、180g)上に、溶融した接着性組成物0.1gを置き、5分間、室温で放置し、冷却固化させた。その後、円柱の形状の1kgの重り(材質:鋼鉄)を接着性組成物上に乗せ、20秒間放置して押し潰し、重りと金属板を接着させた。その後、重りを持ち上げて金属板が落下するまでの時間を測定し、以下の基準で評価した。測定環境温度は25℃とした。
〔評価基準〕
○:10分以上金属板が落下しない。
×:10分未満で金属板が落下する。
結果を併せて表1に示す。
Figure 0007051337000001
表1の結果より、ポリオキシアルキレングリコール及びポリグリセリン脂肪酸エステルのうちの少なくとも一方と、ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテル及びポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体のうちの少なくとも一方を含有し、かつポリオキシアルキレングリコール及びポリグリセリン脂肪酸エステルのうちの少なくとも一方の合計含有量が50~80質量%の範囲である実施例1~6は、押圧により変形可能であり、形状追従性が良好であるとともに、接着強度に優れ、また高温環境下でも保形性に優れていることがわかった。
<試験例2>
(実施例7~16)
1.洗浄性組成物の作製
表2、3に示す処方に従い、実施例7~16の洗浄性組成物を作製した。
香料以外の成分を80℃で順次撹拌混合し、全ての成分が溶解したところで香料を添加し、組成物全体を均一に撹拌した。
混合された組成物を型に流し込み、冷却・固化させ、直径27mm×厚み8mmの円柱形状の洗浄性組成物(3g)を作製した。
2.固形洗浄剤の作製
実施例1で作製した接着性組成物を用い、洗浄性組成物の底部に接着性組成物0.1gを付着させ、固形洗浄剤を作製した。
(耐熱性の評価)
55℃に設定した恒温槽内に固形洗浄剤を静置し、3時間後に固形洗浄剤が溶融しているか否かを下記評価基準に従って目視にて確認した。
〔評価基準〕
○:溶融していない。
△:一部溶融している。
×:完全に溶融している。
(保形性の評価)
室温25~35℃、湿度65~85%RHの条件の試験室内に設置したトイレ(TOTO株式会社製CS220B)の便器のボウル部内面に、固形洗浄剤を、接着性組成物側がボウル部内面と密着するようにして押し付け、貼り付けた。その後、午前8:00~午後10:00まで、1時間毎に1回のペースでボウル部内に水を流した(約2Lのフラッシングを15回)。フラッシング後一晩放置し、翌朝に貼り付けた固形洗浄剤の保形性を目視で確認し、以下の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
○:溶けた固形洗浄剤が垂れることなく、固形洗浄剤の形状が維持されている(液ダレがない)。
×:固形洗浄剤が溶けて液ダレが多く発生している。
(流水接着性の評価)
室温25~35℃、湿度65~85%RHの条件の試験室内に設置したトイレ(TOTO株式会社製CS220B)の便器のボウル部内面の端部付近斜面部に、固形洗浄剤を、接着性組成物側がボウル部内面と密着するようにして、プッシュプルゲージによって2kgf(19.6N)の力で貼り付けた。その後、午前8:00~午後10:00まで、1時間毎に1回のペースでボウル部内に水を流した(約2Lのフラッシングを15回)。その状態で7日間放置し、7日後に固形洗浄剤の接着の様子を観察し、以下の評価基準で評価した。
〔評価基準〕
○:製剤の位置がずれていない。
△:製剤の位置がずれている。
×:製剤が水面まで落下している。
結果を併せて表2、3に示す。
Figure 0007051337000002
Figure 0007051337000003
表2、3の結果より、本発明の洗浄部と接着部とを備えた固形洗浄剤は、いずれも保形性に優れ、流水接着試験においても、流水洗浄後7日後に形状が崩れることなく付着していた。よって、本発明の固形洗浄剤は、トイレの便器のボウル部等の硬質表面に対する接着性に優れ、高温環境下や使用時においても十分な保形性を有するものであることがわかった。
以上より、本発明の固形洗浄剤は、実質的に水を含まない固形状の洗浄部を有し、接着部による硬質表面への接着性とその保形性にも優れることから、製造設計に沿った優れた洗浄効果を得ることができる。
<試験例3>
(実施例17~22及び比較例5)
1.洗浄性組成物の作製
表4に示す処方に従い、a~cの洗浄性組成物を作製した。
香料以外の成分を80℃で順次撹拌混合し、全ての成分が溶解したところで香料を添加し、組成物全体を均一に撹拌した。
混合された組成物を型に流し込み、冷却・固化させ、直径27mm×厚み8mmの半球形状の洗浄性組成物(3.0g)を作製した。
2.固形洗浄剤の作製
表5に示す処方に従って実施例1と同様の方法で接着性組成物を作製し、上記1.で得た洗浄性組成物の底部に接着性組成物0.1gを付着させ、固形洗浄剤を作製した。
(圧縮強度の評価)
図1に示すように、洗浄部10(洗浄性組成物、3.0g)を15mmの隙間を開けた2つのブロック3の上にセットし、ポリエチレン板2を荷重板としてプッシュプルゲージ1を用いて20mm/minの速度で押圧し、5.0kgf/cm又は10.0kgf/cmの力で押し潰すことで評価を行った。なお、試験検体である洗浄部は5℃環境下に一晩静置したものを用い、測定も5℃環境下で行った。結果を表4に示す。
〔評価基準〕
○:押圧により洗浄部が割れなかった。
×:押圧により洗浄部が割れた。
図2に示すように、接着部11(0.1g)を洗浄部10(3.0g)の上面の一部に付着したものを、15mmの隙間を開けた2つのブロック3の上にセットし、ポリエチレン板2を荷重板としてプッシュプルゲージ1を用いて20mm/minの速度で押圧し、1.5kgf/cm、3.5kgf/cm又は10.0kgf/cmの力で押し潰すことで評価を行った。なお、試験検体である接着部及び洗浄部を含むは5℃環境下に一晩静置したものを用い、測定も5℃環境下で行った。結果を表5に示す。
〔評価基準〕
○:押圧により接着部11が押し潰されてポリエチレン板2に接触している面積が、洗浄部10に付着させた接着部11の初期面積より大きくなった。
×:押圧により接着部11が押し潰されてポリエチレン板2に接触している面積が、洗浄部10に付着させた接着部11の初期面積より小さかった。
Figure 0007051337000004
Figure 0007051337000005
表4より、本発明における洗浄部(洗浄性組成物)はいずれも5.0kgf/cmの力で押圧しても割れず、10.0kgf/cmの力で押圧することで割れる結果となったことから、洗浄部の圧縮強度はいずれも5.0kgf/cm超10.0kgf/cm以下であることが分かった。
一方、表5より、実施例17、19及び21における接着部(接着性組成物)はいずれも少なくとも1.5kgf/cmの力で押圧することで変形が見られ、実施例18及び20における接着部(接着性)組成物はいずれも少なくとも3.5kgf/cmの力で押圧することで変形が見られる結果となった。このことから、接着部の圧縮強度はすべて3.5kgf/cm以下であり、洗浄部よりも低い圧縮強度で変形することが分かった。なお、これらの結果は洗浄性組成物の種類(a~c)に依らず、いずれも同様の結果となった。
以上より、本発明の固形洗浄剤を硬質表面に押圧した際には、固形状の洗浄部は割れることなく形状が保持されたまま、接着部が先に押し潰されて変形することにより接着させることが可能となることが分かった。
1 プッシュプルゲージ
2 ポリエチレン板
3 ブロック
10 洗浄部
11 接着部

Claims (8)

  1. 硬質表面に付着させて用いられる固形洗浄剤であって、
    実質的に水を含まない固形状の洗浄部と、押圧により変形可能であって前記硬質表面に対する形状追従性を有する接着部とを有し、
    前記接着部の圧縮強度が3.5kgf/cm以下であり、
    前記接着部が、非イオン性界面活性剤成分Aとして、液体のポリオキシアルキレングリコール、及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種と、非イオン性界面活性剤成分Bとして、ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテル及び固体のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種、を含有し、
    前記接着部中、前記非イオン性界面活性剤成分Aの含有量が50質量%以上90質量%未満であることを特徴とする固形洗浄剤。
  2. 前記接着部が、前記洗浄部より低い圧縮強度で変形可能であることを特徴とする請求項1に記載の固形洗浄剤。
  3. 前記洗浄部の圧縮強度が5.0kgf/cm超10.0kgf/cm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載の固形洗浄剤。
  4. 前記洗浄部が、主剤として非イオン性界面活性剤を95質量%以下含有することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の固形洗浄剤。
  5. 前記洗浄部が、主剤として非イオン性界面活性剤を含有し、前記非イオン性界面活性剤として、HLB値が16.5以下で、かつアルキル炭素数が10~18のポリオキシエチレンアルキルエーテルを0.1質量%以上10質量%未満の範囲で含有することを特徴とする請求項1~のいずれか1項に記載の固形洗浄剤。
  6. 硬質表面の洗浄方法であって、
    実質的に水を含まない固形状の洗浄部と押圧により変形可能であって前記硬質表面に対する形状追従性を有する接着部とを有する固形洗浄剤を、前記接着部を前記硬質表面に押圧により接着させることを含み、
    前記接着部の圧縮強度が3.5kgf/cm以下であり、
    前記接着部が、非イオン性界面活性剤成分Aとして、液体のポリオキシアルキレングリコール、及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種と、非イオン性界面活性剤成分Bとして、ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテル及び固体のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種、を含有し、
    前記接着部中、前記非イオン性界面活性剤成分Aの含有量が50質量%以上90質量%未満であることを特徴とする硬質表面の洗浄方法。
  7. 固形洗浄剤を用いた硬質表面の洗浄方法であって、
    前記固形洗浄剤は実質的に水を含まない固形状の洗浄部と、前記洗浄部より低い圧縮強度で変形可能であり、前記硬質表面に対する形状追従性を有する接着部とを有し、
    前記洗浄部の圧縮強度より低くかつ前記接着部の圧縮強度より高い強度で、前記接着部を前記硬質表面に押圧することにより、前記固形洗浄剤を前記硬質表面へ接着させることを含み、
    前記接着部の圧縮強度が3.5kgf/cm以下であり、
    前記接着部が、非イオン性界面活性剤成分Aとして、液体のポリオキシアルキレングリコール、及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種と、非イオン性界面活性剤成分Bとして、ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテル及び固体のポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種、を含有し、
    前記接着部中、前記非イオン性界面活性剤成分Aの含有量が50質量%以上90質量%未満であることを特徴とする硬質表面の洗浄方法。
  8. 硬質表面に対して固形洗浄剤を付着させるための接着性組成物であって、
    非イオン性界面活性剤成分Aとして、液体のポリオキシアルキレングリコール、及びポリグリセリン脂肪酸エステルからなる群から選択される少なくとも1種と、非イオン性界面活性剤成分Bとして、ポリオキシエチレン長鎖アルキルエーテル及び固体のポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体からなる群から選択される少なくとも1種、を含有し、
    前記非イオン性界面活性剤成分Aの含有量が50質量%以上90質量%未満であり、
    圧縮強度が3.5kgf/cm以下であることを特徴とする接着性組成物。
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