JP2011192474A - 電池用負極材料、電池用負極前駆体材料、及び電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】電池の動作時に表面側(活物質側)の硬度がNa負極の硬度より高く、Naのデンドライトの発生が抑制されており、高容量化することができる電池用負極材料、電池用負極前駆体材料、並びに前記電池用負極材料からなる負極を備える電池を提供する。
【解決手段】溶融塩電池1は、Al製の集電体21に活物質膜22を形成してなる正極2と、電解質としての溶融塩を含浸させたガラスクロスからなるセパレータ3と、Al製の集電体41にZn皮膜42及び活物質膜43を形成してなる負極4とを、略直方体状をなすAl製のケース5に収容してなる。活物質膜43はSn−Na合金からなる活物質を含み、活物質膜22及び活物質膜43は溶融塩のNaイオンを吸蔵及び放出する。
【選択図】図1
【解決手段】溶融塩電池1は、Al製の集電体21に活物質膜22を形成してなる正極2と、電解質としての溶融塩を含浸させたガラスクロスからなるセパレータ3と、Al製の集電体41にZn皮膜42及び活物質膜43を形成してなる負極4とを、略直方体状をなすAl製のケース5に収容してなる。活物質膜43はSn−Na合金からなる活物質を含み、活物質膜22及び活物質膜43は溶融塩のNaイオンを吸蔵及び放出する。
【選択図】図1
Description
本発明は、金属製集電体とSn−Na合金等の活物質とを含む電池用負極材料、金属製集電体とSn等の活物質とを含む電池用負極前駆体材料、及び前記電池用負極材料からなる負極を備える電池に関する。
近年、風力発電施設において発生された電気エネルギー、及び工場に設置された太陽電池モジュールにおいて発生された電気エネルギー等を受け取って充電し、放電する手段として、NaS(ナトリウム硫黄)電池、及び溶融塩電池等の電力貯蔵型電池の開発が行われている。
例えば特許文献1,特許文献2には、溶融金属Naからなる負極活物質と、溶融Sからなる正極活物質と、Naイオン伝導性を示すβ−アルミナ固体電解質とを備えるNaS電池の発明が開示されている。特許文献1においては、固体電解質内に設けた安全管の内外に流動抵抗部材を充填して安全性を高めた技術が開示されている。また、特許文献2においては、複数のNaS電池を断熱容器に着脱容易に収納する技術が開示されている。
例えば特許文献1,特許文献2には、溶融金属Naからなる負極活物質と、溶融Sからなる正極活物質と、Naイオン伝導性を示すβ−アルミナ固体電解質とを備えるNaS電池の発明が開示されている。特許文献1においては、固体電解質内に設けた安全管の内外に流動抵抗部材を充填して安全性を高めた技術が開示されている。また、特許文献2においては、複数のNaS電池を断熱容器に着脱容易に収納する技術が開示されている。
特許文献3には、溶融金属Naからなる負極活物質と、FeCl2 等からなる正極活物質と、負極活物質及び正極活物質を隔離するβ−アルミナ製の隔離板と、溶融塩としてのアルカリ金属ハロアルミン酸塩を含む電解質とを備える溶融塩電池の発明が開示されている。この溶融塩電池は、完全放電状態で400°Cで16時間均熱した後の最初の充電サイクル時に、容量低下を伴わずに正常に充電することができる。
溶融塩からなる電解質は常温ではイオン伝導性を有しないので、溶融塩電池は不活性状態にある。電解質が所定温度以上に加熱された場合には溶融状態となり、良好なイオン伝導体となって外部から電力を取り込み、又は外部へ電力を供給することができる。
溶融塩電池は、電解質が溶融しない限り、電池反応が進行しないので、前記風力発電施設等において、十数年以上の長期間使用することができる。また、溶融塩電池においては、高温下で電極反応が進行するので、水溶液電解液又は有機電解液を用いる電池と比較して、電極反応速度が速く、優れた大電流放電特性を有する。
溶融塩からなる電解質は常温ではイオン伝導性を有しないので、溶融塩電池は不活性状態にある。電解質が所定温度以上に加熱された場合には溶融状態となり、良好なイオン伝導体となって外部から電力を取り込み、又は外部へ電力を供給することができる。
溶融塩電池は、電解質が溶融しない限り、電池反応が進行しないので、前記風力発電施設等において、十数年以上の長期間使用することができる。また、溶融塩電池においては、高温下で電極反応が進行するので、水溶液電解液又は有機電解液を用いる電池と比較して、電極反応速度が速く、優れた大電流放電特性を有する。
上述の特許文献1及び2のNaS電池の場合、略350℃で使用され、特許文献3の溶融塩電池の場合、290〜400℃の高温で使用されるように構成されている。従って、これらの電池を複数用いて電力貯蔵システムを構成した場合、動作温度まで昇温するのに数日を要し、該電力貯蔵システムを駆動させるのに膨大な時間がかかるという問題があった。そして、高温で使用するため、安全性にも問題があった。
上述の問題を解決するために、溶融塩電池の動作温度の低温化が検討されており、カチオンとしてNaイオンを主として含み、90℃以下で溶融する溶融塩を備えた溶融塩電池の開発もなされている。
この溶融塩電池の中には、負極の活物質として金属Na又は炭素材料を用いたものがある。
活物質として金属Naを用いたNa負極の場合、容量密度は大きくなる。しかし、充放電の繰り返しによりNaのデンドライトが成長し、セパレータが破壊されて電極間の短絡等が生じる虞があるという問題がある。この場合、充放電サイクル効率が急激に低下し、電池の安全性が低下する。
Naの融点は98℃であり、Naのデンドライトの成長の抑制を図って電池の動作温度を例えば(Naの融点−10)℃である88℃前後に低く設定することが検討されている。しかし、この場合においても、Naが温度上昇に従い軟化し始めるので、Na負極が変形して充放電サイクル効率(容量維持率)が低下し、充放電サイクル寿命が短くなる、すなわち充放電サイクル特性が悪くなるという問題がある。
そして、負極の活物質として炭素材料を用いたカーボン負極の場合、Naイオンがカーボンの層間に取り込まれるのでNaのデンドライトがセパレータを突き破る虞はなく、安全ではあるが、容量が小さいという問題がある。
従って、カーボン電極より高容量化することが可能であり、電池の動作時の硬度がNa負極の硬度より高く、デンドライトの発生が抑制された電池用負極材料の開発が望まれている。
この溶融塩電池の中には、負極の活物質として金属Na又は炭素材料を用いたものがある。
活物質として金属Naを用いたNa負極の場合、容量密度は大きくなる。しかし、充放電の繰り返しによりNaのデンドライトが成長し、セパレータが破壊されて電極間の短絡等が生じる虞があるという問題がある。この場合、充放電サイクル効率が急激に低下し、電池の安全性が低下する。
Naの融点は98℃であり、Naのデンドライトの成長の抑制を図って電池の動作温度を例えば(Naの融点−10)℃である88℃前後に低く設定することが検討されている。しかし、この場合においても、Naが温度上昇に従い軟化し始めるので、Na負極が変形して充放電サイクル効率(容量維持率)が低下し、充放電サイクル寿命が短くなる、すなわち充放電サイクル特性が悪くなるという問題がある。
そして、負極の活物質として炭素材料を用いたカーボン負極の場合、Naイオンがカーボンの層間に取り込まれるのでNaのデンドライトがセパレータを突き破る虞はなく、安全ではあるが、容量が小さいという問題がある。
従って、カーボン電極より高容量化することが可能であり、電池の動作時の硬度がNa負極の硬度より高く、デンドライトの発生が抑制された電池用負極材料の開発が望まれている。
本発明は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、電池の動作時に表面側(活物質側)の硬度がNa負極の硬度より高く、Naのデンドライトの発生が抑制されており、高容量化することができる電池用負極材料、該電池用負極前駆体材料、並びに前記電池用負極材料からなる負極を備えた電池を提供することを目的とする。
第1発明に係る電池用負極材料は、金属からなる集電体と、Sn、Si、及びInからなる群から選択される少なくとも1種とNaとの合金からなる活物質とを含むことを特徴とする。
ここで、活物質とは、電解質との化学反応によって、電子を放出したり、取り込んだりする物質をいう。Sn、Si、及びInのうちの少なくとも1種とNaとの合金からなる活物質は、充電時にSn、Si、及びInのうちの少なくとも1種がNaイオンを吸蔵して(合金化して)得られるものであってもよく、負極の前駆体材料中に含まれていてもよい。
本発明においては、Sn、Si、及びInのうちの少なくとも1種とNaとが合金化された活物質を含むので、電池の動作時に、負極の表面の硬度が、Naのみを活物質として含むNa負極の硬度と比較して高くなる。また、Naのデンドライトの発生が抑制される。そして、カーボン負極より高容量化することが可能である。
本発明においては、Sn、Si、及びInのうちの少なくとも1種とNaとが合金化された活物質を含むので、電池の動作時に、負極の表面の硬度が、Naのみを活物質として含むNa負極の硬度と比較して高くなる。また、Naのデンドライトの発生が抑制される。そして、カーボン負極より高容量化することが可能である。
第2発明に係る電池用負極材料は、第1発明において、満充電時の前記活物質のNa量が該活物質の原子総量に対し50原子%以上99.9原子%以下であることを特徴とする。
本発明においては、活物質のNa量が50原子%以上99.9原子%以下であるので、負極の硬度の上昇効果が得られるとともに、Sn、Si、又はInによる放電電圧の低下が抑制されている。
第3発明に係る電池用負極前駆体材料は、金属からなる集電体と、Sn、Si、及びInからなる群から選択される少なくとも1種を含む活物質とを含むことを特徴とする。
本発明においては、電池の負極に用いられた場合、電池の動作時に活物質がNaイオンを吸蔵したときの負極の硬度が、Naのみを活物質として含む負極の硬度より高くなる。また、Naのデンドライトの発生が抑制される。
第4発明に係る電池は、第1又は第2発明の電池用負極材料からなる負極と、正極と、Naイオンを含むカチオンを含む溶融塩を有する電解質とを備えることを特徴とする。
本発明においては、動作時の負極の硬度が高く、負極が軟化して変形することが抑制されているので、充放電サイクル効率が低下して充放電サイクル寿命が短くなることが抑制される。そして、充放電の繰り返しによりデンドライトが成長するのが抑制されているので、セパレータが破壊されて電極間に短絡が生じるのが抑制され、安全性が良好である。
第5発明に係る電池は、第4発明において、前記溶融塩は、下記式(1)で表されるアニオンを含み、前記カチオンは、Na以外のアルカリ金属のカチオンの少なくとも1種及び/又はアルカリ土類金属のカチオンの少なくとも1種をさらに含むことを特徴とする。
(前記式(1)中、R1 及びR2 はフッ素原子又はフルオロアルキル基を示す。R1 及びR2 は同一であっても異なっていてもよい。)
本発明においては、溶融塩の融点が低く、動作温度を低くした電池において、充放電サイクル特性及び安全性を良好にすることができる。
本発明の電池用負極材料によれば、電池の動作時に硬度がNa負極の硬度より高く、Naのデンドライトの発生が抑制されており、高容量化することができる負極が得られる。そして、負極の形状が維持されるので、電池は良好な充放電サイクル特性を有し、デンドライトによるセパレータの破壊が抑制されているので良好な安全性を有する。
以下、本発明をその実施形態に基づいて具体的に説明する。なお、本発明は以下の記載に限定されるものではない。
1.電池用負極材料(以下、負極材料という)
本発明に係る負極材料は、金属からなる集電体と、Sn、Si、及びInからなる群から選択される少なくとも1種とNaとの合金からなる活物質とを含む。
活物質として、上述のようにSn、Si、及びInのうちの1種又は2種以上を用い得るが、重量容量密度及び体積容量密度が高いので高容量の負極が得られる、Naと合金化したときに扱いやすいという観点からSnを含むのが好ましい。
Sn、Si、及びInのうちの少なくとも1種とNaとの合金からなる活物質は、充電時にSn、Si、及びInのうちの少なくとも1種がNaイオンを吸蔵して得られるものであってもよく、後述する負極前駆体材料中に含まれるものであってもよい。吸蔵とは、Naと可逆的に合金(固溶体、金属間化合物等を含む)を形成したり、Naを可逆的に内包したりすることを含む。
1.電池用負極材料(以下、負極材料という)
本発明に係る負極材料は、金属からなる集電体と、Sn、Si、及びInからなる群から選択される少なくとも1種とNaとの合金からなる活物質とを含む。
活物質として、上述のようにSn、Si、及びInのうちの1種又は2種以上を用い得るが、重量容量密度及び体積容量密度が高いので高容量の負極が得られる、Naと合金化したときに扱いやすいという観点からSnを含むのが好ましい。
Sn、Si、及びInのうちの少なくとも1種とNaとの合金からなる活物質は、充電時にSn、Si、及びInのうちの少なくとも1種がNaイオンを吸蔵して得られるものであってもよく、後述する負極前駆体材料中に含まれるものであってもよい。吸蔵とは、Naと可逆的に合金(固溶体、金属間化合物等を含む)を形成したり、Naを可逆的に内包したりすることを含む。
負極材料の集電体を構成する金属としては、Naと合金化せず電気化学的にも安定なものであれば特に拘らないが、例えばAl、Cu、Ni、又はSUS等が挙げられる。
集電体は箔、又はエキスパンドメタル等の機械加工式集電体、不織布、及び発泡メタル等の三次元の多孔体の形態で使用することができる。
集電体が金属箔からなる場合、活物質のめっき等による湿式プロセスによるコーティング及び蒸着などによる気相プロセスによるコーティング、並びに活物質とバインダとの合剤の塗布のいずれの方法であっても、集電体上に容易に活物質膜を形成することができる。
集電体が金属多孔体からなる場合、めっき、蒸着により集電体上に容易に活物質膜を形成することができる。金属多孔体を用いる場合、高エネルギー密度化、高容量化を図ることができ、活物質膜が平板状の集電体上に成膜される場合と比較して、面方向のみでなく、全方位に成膜できるので、活物質膜の集電体に対する密着性が向上する。金属多孔体としては、ウレタン樹脂等の発泡体の連続気孔構造をなす表面を導電処理し、次いで電気めっきによりNi等のめっき皮膜を形成した後、必要に応じて熱処理し、樹脂発泡体を除去する等して製造される金属多孔質体〔例えば住友電気工業株式会社製のセルメット(登録商標)〕等が挙げられる。なお、Ni以外にもAl、Cu等のセルメットも好ましく用いられる。
集電体は箔、又はエキスパンドメタル等の機械加工式集電体、不織布、及び発泡メタル等の三次元の多孔体の形態で使用することができる。
集電体が金属箔からなる場合、活物質のめっき等による湿式プロセスによるコーティング及び蒸着などによる気相プロセスによるコーティング、並びに活物質とバインダとの合剤の塗布のいずれの方法であっても、集電体上に容易に活物質膜を形成することができる。
集電体が金属多孔体からなる場合、めっき、蒸着により集電体上に容易に活物質膜を形成することができる。金属多孔体を用いる場合、高エネルギー密度化、高容量化を図ることができ、活物質膜が平板状の集電体上に成膜される場合と比較して、面方向のみでなく、全方位に成膜できるので、活物質膜の集電体に対する密着性が向上する。金属多孔体としては、ウレタン樹脂等の発泡体の連続気孔構造をなす表面を導電処理し、次いで電気めっきによりNi等のめっき皮膜を形成した後、必要に応じて熱処理し、樹脂発泡体を除去する等して製造される金属多孔質体〔例えば住友電気工業株式会社製のセルメット(登録商標)〕等が挙げられる。なお、Ni以外にもAl、Cu等のセルメットも好ましく用いられる。
本発明の負極材料は、Sn、Si、及びInのうちの少なくとも1種とNaとが合金化された活物質を含むので、該負極材料からなる負極を備える電池においては、動作時に、負極の表面側(活物質側)の硬度が、Naのみを活物質として含むNa負極の硬度と比較して高くなっている。すなわち、Naの融点98℃以下であっても、温度の上昇に従い、Naは軟化し始めて硬度が低下するが、Sn、Si、及びInのうちの少なくとも1種と合金化されることにより同一温度での硬度が上昇し、電池の動作温度において、負極の軟化による変形が抑制されることになる。また、Naのデンドライトの発生も抑制されている。従来、電池の動作温度を(Naの融点−10)℃に設定していたことがあったが、動作温度をNaの融点前後に設定して、電極反応速度を高めることも可能である。
本発明の負極材料の満充電時の前記活物質のNa量は該活物質の原子総量に対し50原子%以上99.9原子%以下であるのが好ましい。
前記Na量が50原子%以上99.9原子%以下である場合、負極の硬度の上昇効果が得られるとともに、Sn等による放電電圧の低下が抑制されている。すなわち、Na量が50原子%未満である場合、負極表面がSnリッチ等であるので、放電時に正極との電位差が小さくなり、Na量が99.9原子%を超える場合、負極の硬度の上昇効果が期待できないことになる。
本発明に係る負極材料を溶融塩電池に用いる場合、溶融塩のアニオン及びカチオンの構成により溶融塩の融点を略60℃にしたり略150℃にしたりすることができ、電池の動作温度は溶融塩の融点に対応して設定される。前記Na量は電池の動作温度に対応させ、負極容量、負極の活物質膜(活物質を含む膜)の膜厚、負極の表面積、溶融塩の量等を設定して上述の数値範囲内に入るように調整される。動作温度が高い場合、負極の硬度上昇効果が得られるように前記Na量を少なくする。
前記Na量が50原子%以上99.9原子%以下である場合、負極の硬度の上昇効果が得られるとともに、Sn等による放電電圧の低下が抑制されている。すなわち、Na量が50原子%未満である場合、負極表面がSnリッチ等であるので、放電時に正極との電位差が小さくなり、Na量が99.9原子%を超える場合、負極の硬度の上昇効果が期待できないことになる。
本発明に係る負極材料を溶融塩電池に用いる場合、溶融塩のアニオン及びカチオンの構成により溶融塩の融点を略60℃にしたり略150℃にしたりすることができ、電池の動作温度は溶融塩の融点に対応して設定される。前記Na量は電池の動作温度に対応させ、負極容量、負極の活物質膜(活物質を含む膜)の膜厚、負極の表面積、溶融塩の量等を設定して上述の数値範囲内に入るように調整される。動作温度が高い場合、負極の硬度上昇効果が得られるように前記Na量を少なくする。
2.電池用負極前駆体材料(以下、負極前駆体材料という)
本発明に係る負極前駆体材料は、金属からなる集電体と、Sn、Si、及びInからなる群から選択される少なくとも1種を含む活物質とを含む。
活物質として、上述のようにSn、Si、及びInうちの1種又は2種以上を用い得るが、重量容量密度及び体積容量密度が高いので高容量の負極が得られる、Naと合金化したときに扱いやすいという観点からSnを含むのが好ましい。
負極前駆体材料は、活物質としてNaを含んでもよい。
負極前駆体材料の集電体を構成する金属としては、電池内で安定であれば特に拘らないが、例えばAl、Cu、Ni、又はSUS等が挙げられる。集電体は箔、又はエキスパンドメタル及び不織布等の三次元の多孔体の形態で使用することができる。
本発明に係る負極前駆体材料は、金属からなる集電体と、Sn、Si、及びInからなる群から選択される少なくとも1種を含む活物質とを含む。
活物質として、上述のようにSn、Si、及びInうちの1種又は2種以上を用い得るが、重量容量密度及び体積容量密度が高いので高容量の負極が得られる、Naと合金化したときに扱いやすいという観点からSnを含むのが好ましい。
負極前駆体材料は、活物質としてNaを含んでもよい。
負極前駆体材料の集電体を構成する金属としては、電池内で安定であれば特に拘らないが、例えばAl、Cu、Ni、又はSUS等が挙げられる。集電体は箔、又はエキスパンドメタル及び不織布等の三次元の多孔体の形態で使用することができる。
本発明の負極前駆体材料においては、電池の負極に用いられ、電池の動作時に活物質がNaイオンを吸蔵した場合の負極の硬度が、Naのみを活物質として含む負極の硬度より高くなる。また、Naのデンドライトの発生が抑制される。
本発明に係る負極前駆体材料においては、集電体の表面に活物質を含む活物質膜が形成されている。
活物質膜は、上述の活物質のめっき皮膜として構成することができる。活物質膜をめっきにより形成する場合、集電体が箔、多孔体のいずれであっても、集電体との密着性が良好であり、薄膜化が可能であり、膜厚を均一にすることができる。また、蒸着により成膜する場合と比較して、成膜量(膜厚)に限度がない。
活物質膜は、上述の活物質のめっき皮膜として構成することができる。活物質膜をめっきにより形成する場合、集電体が箔、多孔体のいずれであっても、集電体との密着性が良好であり、薄膜化が可能であり、膜厚を均一にすることができる。また、蒸着により成膜する場合と比較して、成膜量(膜厚)に限度がない。
めっきは、集電体にSn等の活物質を電気化学的に析出させる電気めっき、又は活物質を化学的に還元析出させる無電解めっき、高温溶融状態の金属にディッピングして形成させる溶融めっきにより行うことができる。
前処理として、まず、集電体が有する酸化膜を、集電体に応じてアルカリ性又は酸性のエッチング処理液により除去するソフトエッチング処理を行う。例えば集電体がNi、Cuからなる場合、酸性の処理液により処理を行い、集電体がAlからなる場合、アルカリ性の処理液により処理を行う。
次に、酸又はアルカリを用いてデスマット[スマット(溶解残渣)除去]処理を行う。
前処理として、まず、集電体が有する酸化膜を、集電体に応じてアルカリ性又は酸性のエッチング処理液により除去するソフトエッチング処理を行う。例えば集電体がNi、Cuからなる場合、酸性の処理液により処理を行い、集電体がAlからなる場合、アルカリ性の処理液により処理を行う。
次に、酸又はアルカリを用いてデスマット[スマット(溶解残渣)除去]処理を行う。
集電体がAlからなる場合、密着性向上のために、酸化膜が除去されたAl材の表面に対し、ジンケート処理液を用いてジンケート処理(亜鉛置換めっき)を行ってZn皮膜を形成する。ここで、一度Zn皮膜の剥離処理を行い、ジンケート処理を再度行うことにしてもよい。この場合、より緻密で薄いZn皮膜を形成することができ、Al材との密着性がより向上し、Znの溶出を抑制することができる。
そして、集電体をめっき液が注入されためっき浴に浸漬してめっきを行い、めっき皮膜を形成する。
以下に、Alからなる集電体に電気めっきによりSnめっき皮膜を形成する場合のめっき条件の一例を示す。
・めっき液の組成
SnSO4 :40g/dm3
H2SO4 :100g/dm3
クレゾールスルホン酸:50g/dm3
ホルムアルデヒド(37%):5ml/dm3
光沢剤
・pH:4.8
・温度:20〜30℃
・電流密度:2A/dm2
・アノード:Sn
・処理時間:600秒(Snめっき皮膜の膜厚が略10μmの場合)
以下に、Alからなる集電体に電気めっきによりSnめっき皮膜を形成する場合のめっき条件の一例を示す。
・めっき液の組成
SnSO4 :40g/dm3
H2SO4 :100g/dm3
クレゾールスルホン酸:50g/dm3
ホルムアルデヒド(37%):5ml/dm3
光沢剤
・pH:4.8
・温度:20〜30℃
・電流密度:2A/dm2
・アノード:Sn
・処理時間:600秒(Snめっき皮膜の膜厚が略10μmの場合)
最後の処理として、温度300℃以上400℃以下で30秒乃至5分、熱処理を行うのが好ましい。
この熱処理工程は省略することにしてもよいが、熱処理を行った場合、Naイオンと反応する際の活物質の膨張収縮量が低減し、活物質膜と集電体との密着性が向上する。また、集電体がAl製の場合、Znを集電体側へ拡散させることができるので、Znに基づく充放電を抑制し、デンドライトの発生を抑制することができる。この場合、負極前駆体材料の集電体側と表面側とに電位差を与えてZnを集電体側へ拡散させることにしてもよい。
以上の工程により、集電体にめっき皮膜が形成された負極前駆体材料が得られる。
する。
この熱処理工程は省略することにしてもよいが、熱処理を行った場合、Naイオンと反応する際の活物質の膨張収縮量が低減し、活物質膜と集電体との密着性が向上する。また、集電体がAl製の場合、Znを集電体側へ拡散させることができるので、Znに基づく充放電を抑制し、デンドライトの発生を抑制することができる。この場合、負極前駆体材料の集電体側と表面側とに電位差を与えてZnを集電体側へ拡散させることにしてもよい。
以上の工程により、集電体にめっき皮膜が形成された負極前駆体材料が得られる。
する。
また、活物質膜は、通常のCVD(Chemical Vapor Deposition)又はPVD(Physical Vapor Deposition)により形成された上述の活物質の蒸着膜として構成することができる。この場合、集電体が箔、多孔体のいずれであっても、集電体との密着性が良好であり、薄膜化が可能であり、膜厚を均一にすることができる。
そして、活物質膜は、上述の活物質の粉体と結着剤とを含む合剤、若しくは該合剤をペースト状にしたものを集電体に塗布し、又は含浸させて固着することにより構成することもできる。この場合、容易に集電体上に活物質膜を形成することができる。ペーストは所定の溶媒により合剤を分散させて調製することにしてもよく、該ペーストを集電体に塗布し、又は含浸させた後に乾燥させて、活物質膜を形成する。
粉末状の活物質を用いて活物質膜を形成した場合、Naイオン吸蔵時の膨張により活物質膜が破断するのが抑制され、短絡するのが防止される。
粉末状の活物質を用いて活物質膜を形成した場合、Naイオン吸蔵時の膨張により活物質膜が破断するのが抑制され、短絡するのが防止される。
集電体の形態(箔、多孔体等)、成膜方法を適宜選択することにより、所望の容量、膜厚を有する負極前駆体材料を得ることができる。
3.電池
本発明に係る電池は、本発明の電池用負極材料からなる負極と、正極と、Naイオンを含むカチオンを含む溶融塩を有する電解質とを備える。
本発明の電池においては、上述の負極を備えるので、動作時の負極の硬度が高く、負極が軟化して変形することが抑制されており、充放電サイクル効率が低下して充放電サイクル寿命が短くなることが抑制されている。そして、充放電の繰り返しによりデンドライトが成長するのが抑制されているので、セパレータが破壊されて電極間に短絡が生じるのが抑制され、安全性が良好である。
本発明に係る電池は、本発明の電池用負極材料からなる負極と、正極と、Naイオンを含むカチオンを含む溶融塩を有する電解質とを備える。
本発明の電池においては、上述の負極を備えるので、動作時の負極の硬度が高く、負極が軟化して変形することが抑制されており、充放電サイクル効率が低下して充放電サイクル寿命が短くなることが抑制されている。そして、充放電の繰り返しによりデンドライトが成長するのが抑制されているので、セパレータが破壊されて電極間に短絡が生じるのが抑制され、安全性が良好である。
本発明に係る電池は、溶融塩が下記式(1)で表されるアニオンを含み、カチオンが、Na以外のアルカリ金属のカチオンの少なくとも1種及び/又はアルカリ土類金属のカチオンの少なくとも1種をさらに含むのが好ましい。
(前記式(1)中、R1 及びR2 はフッ素原子又はフルオロアルキル基を示す。R1 及びR2 は同一であっても異なっていてもよい。)
アニオンとしては、R1 及びR2 がFであるビスフルオロスルフォニルアミドイオン(以下、FSAイオンという)、及び/又はR1 及びR2 がCF3 であるビストリフルオロメチルスルフォニルアミドイオン(以下、TFSAイオンという)であるのが好ましい。
この溶融塩を電池の電解質に用いた場合、エネルギー密度が高く、動作温度が低い電池が得られ、この電池において、充放電サイクル特性及び安全性を良好にすることができる。
この溶融塩を電池の電解質に用いた場合、エネルギー密度が高く、動作温度が低い電池が得られ、この電池において、充放電サイクル特性及び安全性を良好にすることができる。
溶融塩としては、FSAイオン又はTFSAイオンをアニオンとして含み、アルカリ金属又はアルカリ土類金属であるMのイオンをカチオンとして含む溶融塩MFSAの単塩、及びMTFSAの単塩を1種又は2種以上用いることができる。
溶融塩の単塩を2種以上含む場合、単塩の融点に比較して著しく融点が低下し、電池の動作温度を著しく低下させることができるので、単塩を2種以上含むのが好ましい。
溶融塩の単塩を2種以上含む場合、単塩の融点に比較して著しく融点が低下し、電池の動作温度を著しく低下させることができるので、単塩を2種以上含むのが好ましい。
アルカリ金属としては、Naに加え、K、Li、Rb、及びCsからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。アルカリ土類金属としては、Ca、Be、Mg、Sr及びBaからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
溶融塩MFSAの単塩としては、NaFSAに加え、KFSA、LiFSA、RbFSA、CsFSA、Ca(FSA)2 、Be(FSA)2 、Mg(FSA)2 、Sr(FSA)2 、Ba(FSA)2 からなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
溶融塩MTFSAの単塩としては、NaTFSAに加え、KTFSA、LiTFSA、RbTFSA、CsTFSA、Ca(TFSA)2 、Be(TFSA)2 、Mg(TFSA)2 、Sr(TFSA)2 、Ba(TFSA)2 からなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
電池の動作温度を低下させるという観点から、溶融塩は、NaFSAとKFSAとの混合物からなる二元系の溶融塩(以下、NaFSA−KFSA溶融塩という)であるのが好ましい。NaFSA−NaTFSA(1:1)等も好ましく用いられる。
NaFSA−KFSA溶融塩のKカチオンとNaカチオンとのモル比[(Kカチオンのモル数)/(Kカチオンのモル数+Naカチオンのモル数)]は0.4以上0.7以下であるのが好ましく、0.5以上0.6以下であるのがより好ましい。前記モル比が0.4以上0.7以下である場合、特に0.5以上0.6以下である場合、電池の動作温度を90℃以下の低温にすることができる。
そして、電池の動作温度をより低下させるという観点から、溶融塩の組成は、2種以上の溶融塩が共晶を示す組成(共晶組成)の近傍であるのが好ましく、共晶組成であるのがより好ましい。
NaFSA−KFSA溶融塩のKカチオンとNaカチオンとのモル比[(Kカチオンのモル数)/(Kカチオンのモル数+Naカチオンのモル数)]は0.4以上0.7以下であるのが好ましく、0.5以上0.6以下であるのがより好ましい。前記モル比が0.4以上0.7以下である場合、特に0.5以上0.6以下である場合、電池の動作温度を90℃以下の低温にすることができる。
そして、電池の動作温度をより低下させるという観点から、溶融塩の組成は、2種以上の溶融塩が共晶を示す組成(共晶組成)の近傍であるのが好ましく、共晶組成であるのがより好ましい。
電解質には上述の溶融塩に加えて、有機カチオンが含まれていてもよい。この場合、電解質の導電率を高くすることができ、動作温度を低下することができる。
有機カチオンとしては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン等のアルキルイミダゾール系カチオン、N−エチル−N−メチルピロリジニウムカチオン等のアルキルピロリジニウム系カチオン、1−メチル−ピリジニウムカチオン等のアルキルピリジニウム系カチオン、トリメチルヘキシルアンモニウムカチオン等の4級アンモニウム系カチオン等が挙げられる。
有機カチオンとしては、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムカチオン等のアルキルイミダゾール系カチオン、N−エチル−N−メチルピロリジニウムカチオン等のアルキルピロリジニウム系カチオン、1−メチル−ピリジニウムカチオン等のアルキルピリジニウム系カチオン、トリメチルヘキシルアンモニウムカチオン等の4級アンモニウム系カチオン等が挙げられる。
正極としては、例えば金属又は金属化合物と、導電助剤とがバインダ(結着剤)によって固着された構成の電極が挙げられる。
金属又は金属化合物としては、例えば溶融塩のMをインターカレートすることができるもの、または負極より高電位で合金化できるものであればよく、中でも下記式(2)で表される金属又は金属化合物が好ましい。この場合、充放電のサイクル特性に優れ、高エネルギー密度の電池が得られる。
金属又は金属化合物としては、例えば溶融塩のMをインターカレートすることができるもの、または負極より高電位で合金化できるものであればよく、中でも下記式(2)で表される金属又は金属化合物が好ましい。この場合、充放電のサイクル特性に優れ、高エネルギー密度の電池が得られる。
Nax M1y M2z M3w ・・・(2)
(M1はFe、Ti、Cr、Ni、Co又はMnのうちのいずれか1種を表し、M2はPO4 又はS、M3はF又はOを表す。0≦x≦2、0≦y≦1、0≦z≦2、0≦w≦3であってx+y>0、かつz+w>0。)
(M1はFe、Ti、Cr、Ni、Co又はMnのうちのいずれか1種を表し、M2はPO4 又はS、M3はF又はOを表す。0≦x≦2、0≦y≦1、0≦z≦2、0≦w≦3であってx+y>0、かつz+w>0。)
前記式(2)で表される金属化合物としては、NaCrO2、TiS2 、NaMnF3 、Na2 FePO4 F、NaVPO4 F、Na0.44MnO2 、NaCoPO4 、NaNiPO4 、NaMnPO4 、NaMn1.5 Ni0.5 O4 等からなる群から選択される少なくとも1種が挙げられる。
中でも、NaCrO2 を用いるのが好ましい。この場合、充放電のサイクル特性に優れ、高エネルギー密度の電池を得ることができる。
導電助剤は導電性を有する材質であればよく、中でもアセチレンブラックが好ましい。この場合、充放電サイクル特性に優れ、高エネルギー密度の電池を得ることができる。
中でも、NaCrO2 を用いるのが好ましい。この場合、充放電のサイクル特性に優れ、高エネルギー密度の電池を得ることができる。
導電助剤は導電性を有する材質であればよく、中でもアセチレンブラックが好ましい。この場合、充放電サイクル特性に優れ、高エネルギー密度の電池を得ることができる。
正極における導電助剤の含有率は正極の40質量%以下であるのが好ましく、5質量%以上20質量%以下であるのがより好ましい。前記含有率が40質量%以下、特に5質量%以上20質量%以下である場合、より充放電サイクル特性に優れ、高エネルギー密度の電池を得ることができる。正極が導電性を有する場合は、正極に導電助剤が含まれなくてもよい。
バインダとしては、金属又は金属化合物と導電助剤とを集電体に固着することができるものであればよく、中でもポリテトラフルオロエチレン(PTFE)が好ましい。金属化合物がNaCrO2 であり、導電助剤がアセチレンブラックである場合、PTFEはこれらをより強固に固着することができる。
正極におけるバインダの含有率は40質量%以下であるのが好ましく、1質量%以上10質量%以下であるのがより好ましい。前記含有率が40質量%以下、特に1質量%以上10質量%以下である場合、正極の導電性が良好であり、かつ金属又は金属化合物と導電助剤とをより強固に固着することができる。バインダは必ずしも正極に含まれる必要はない。
以上の構成を有する電池は、下記の式(3)及び(4)の電極反応により充放電される。電池を充電させた場合、Naイオンが正極から引き抜かれ、セパレータ内を移動して負極に吸蔵されて合金化され、電池を放電させた場合、Naイオンが負極から引き抜かれ、セパレータ内を移動して正極に吸蔵される。
負極:Na⇔Na+ +e- ・・・(3)
正極:NaCrO2 ⇔xNa+ +xe- +Na1-x CrO2 ・・・(4)
(0<x≦0.4)
ここで、xが0.4を超えた場合、Naの吸蔵及び放出の可逆性が低下する。
負極:Na⇔Na+ +e- ・・・(3)
正極:NaCrO2 ⇔xNa+ +xe- +Na1-x CrO2 ・・・(4)
(0<x≦0.4)
ここで、xが0.4を超えた場合、Naの吸蔵及び放出の可逆性が低下する。
従来の溶融塩電池においては、正極容量1に対し負極容量を1.2程度に設計し、負極のサイズを大きくしたり、厚みを厚くしたりすることが多いが、本発明の電池においては、例えば負極がSn−Na合金からなる活物質を含む場合、活物質膜の膜厚を例えば0.5μmと小さくしたときにおいても良好に動作することが確認されている。従って、設計の自由度が高く、負極容量に対する正極容量の比率を高くすることができる。
以下、本発明を好適な実施例を用いて説明するが、本発明は、本実施例により、何ら限定されるものではなく、その主旨を変更しない範囲において、適宜変更して実施することができる。本実施例においては、Alからなる集電体にSnめっき皮膜を形成してなる負極前駆体材料を負極として溶融塩電池に用いた場合につき説明する。
1.負極材料
以下に、本発明の実施例に係る負極材料について説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1に係る負極材料の前駆体材料は、以下のようにして作製した。
まず、厚みが20μmである集電体用Al板(Al箔)の表面に対し、アルカリ性のエッチング液(商品名:「トップアルソフト108」、奥野製薬株式会社製)を用いてエッチング処理を行い、酸化皮膜を除去した。この処理は、「トップアルソフト108」を濃度が50g/Lになるように水で希釈し、この水溶液に温度50℃、時間30秒の条件でAl板を浸漬することにより行われる。
以下に、本発明の実施例に係る負極材料について説明する。
[実施例1]
本発明の実施例1に係る負極材料の前駆体材料は、以下のようにして作製した。
まず、厚みが20μmである集電体用Al板(Al箔)の表面に対し、アルカリ性のエッチング液(商品名:「トップアルソフト108」、奥野製薬株式会社製)を用いてエッチング処理を行い、酸化皮膜を除去した。この処理は、「トップアルソフト108」を濃度が50g/Lになるように水で希釈し、この水溶液に温度50℃、時間30秒の条件でAl板を浸漬することにより行われる。
次に、Al板の表面に対し、濃度40%の硝酸を用いてデスマット処理を行った。この処理は、温度25℃、時間50秒の条件で行った。なお、デスマットは、デスマット液(商品名:「トップデスマットN−20」、奥野製薬株式会社製)を濃度が70〜150ml/Lになるように水で希釈し、温度10〜30℃、時間10〜60秒の条件でAl板を浸漬することにより行うことにしてもよい。
水洗した後、Al板の表面につき、ジンケート処理液(商品名:「サブスターZN−1」、奥野製薬株式会社製)を用いてジンケート処理(亜鉛置換めっき)を行い、Zn皮膜を形成した。この処理は、「サブスターZN−1」を濃度が180ml/Lになるように水で希釈し、温度20℃、時間30秒の条件でAl板を浸漬することにより行なわれ得る。これにより膜厚50nmのZn皮膜が得られた。
さらに、Zn皮膜が形成されたAl板を以下の組成のめっき液が注入されためっき浴に浸漬してSnめっきを行った。めっきは電気めっきにより行った。
めっきの条件は以下の通りである。
・めっき液
「UTB NV-Tin15」(石原薬品株式会社製):100g/L
「UTB NB−CD」(石原薬品株式会社製):150g/L
「UTB NB−RZ」(石原薬品株式会社製):30ml/L
「UTB NB−TR」(石原薬品株式会社製):200g/L
アンモニアを用いてpH4.8に調製した。
・温度:25℃
・電流密度:2A/dm2
・アノード:Sn
・処理時間:600秒
めっきの条件は以下の通りである。
・めっき液
「UTB NV-Tin15」(石原薬品株式会社製):100g/L
「UTB NB−CD」(石原薬品株式会社製):150g/L
「UTB NB−RZ」(石原薬品株式会社製):30ml/L
「UTB NB−TR」(石原薬品株式会社製):200g/L
アンモニアを用いてpH4.8に調製した。
・温度:25℃
・電流密度:2A/dm2
・アノード:Sn
・処理時間:600秒
最後に、温度35℃で2分間、熱処理を行った。
以上の工程により、厚み20μmのAl集電体に厚み10μmのSnめっき皮膜が形成された負極前駆体材料が得られた。
この負極前駆体材料を後述する溶融塩電池に用いた場合、Snめっき皮膜がNaと合金化してなる活物質膜を含む実施例1の負極材料が得られる。
以上の工程により、厚み20μmのAl集電体に厚み10μmのSnめっき皮膜が形成された負極前駆体材料が得られた。
この負極前駆体材料を後述する溶融塩電池に用いた場合、Snめっき皮膜がNaと合金化してなる活物質膜を含む実施例1の負極材料が得られる。
[実施例2]
Snめっき皮膜の厚みが1μmであること以外は、実施例1と同様にして(めっきの処理時間は調整して)、実施例2の負極材料用の前駆体材料を作製した。
[実施例3]
Snめっき皮膜の厚みが4μmであること以外は、実施例1と同様にして実施例3の負極材料用の前駆体材料を作製した。
Snめっき皮膜の厚みが1μmであること以外は、実施例1と同様にして(めっきの処理時間は調整して)、実施例2の負極材料用の前駆体材料を作製した。
[実施例3]
Snめっき皮膜の厚みが4μmであること以外は、実施例1と同様にして実施例3の負極材料用の前駆体材料を作製した。
[実施例4]
Snめっき皮膜の厚みが100μmであること以外は、実施例1と同様にして実施例4の負極材料用の前駆体材料を作製した。
[実施例5]
Snめっき皮膜の厚みが400μmであること以外は、実施例1と同様にして実施例5の負極材料用の前駆体材料を作製した。
[実施例6]
Snめっき皮膜の厚みが600μmであること以外は、実施例1と同様にして実施例6の負極材料用の前駆体材料を作製した。
Snめっき皮膜の厚みが100μmであること以外は、実施例1と同様にして実施例4の負極材料用の前駆体材料を作製した。
[実施例5]
Snめっき皮膜の厚みが400μmであること以外は、実施例1と同様にして実施例5の負極材料用の前駆体材料を作製した。
[実施例6]
Snめっき皮膜の厚みが600μmであること以外は、実施例1と同様にして実施例6の負極材料用の前駆体材料を作製した。
[比較例1〜3]
従来品であり、厚みが20μmであるAl板からなる集電体上に、厚みが10μm、1μm、5μmであるNa皮膜を形成してある比較例1〜3の負極材料を用意した。
従来品であり、厚みが20μmであるAl板からなる集電体上に、厚みが10μm、1μm、5μmであるNa皮膜を形成してある比較例1〜3の負極材料を用意した。
2.溶融塩電池
次に、本発明の実施例に係る電池としての溶融塩電池について説明する。
[実施例7]
図1は、本発明の実施例7に係る溶融塩電池1を示す縦断面図である。
溶融塩電池1は、Al製の集電体21に活物質膜22を形成してなる正極2と、溶融塩からなる電解質を含浸させたガラスクロスからなるセパレータ3と、Al製の集電体41上にZn皮膜42及び活物質膜43を有する負極4とを、略直方体状をなすAl製のケース5に収容してなる。負極4は、負極前駆体材料のSnめっき皮膜がNaと合金化されてなる活物質膜43を含む実施例1の負極材料からなる。正極2、セパレータ3、及び負極4により発電要素が構成される。
ケース5の上面53と負極4との間には、波板状の金属からなる押圧部材6のバネ6aが配されている。バネ6aが、アルミ合金からなり非可撓性を有する平板状の押え板6bを付勢して負極4を下方に押圧し、その反作用で正極2がケース5の底面52から上方に押圧されるように構成されている。
次に、本発明の実施例に係る電池としての溶融塩電池について説明する。
[実施例7]
図1は、本発明の実施例7に係る溶融塩電池1を示す縦断面図である。
溶融塩電池1は、Al製の集電体21に活物質膜22を形成してなる正極2と、溶融塩からなる電解質を含浸させたガラスクロスからなるセパレータ3と、Al製の集電体41上にZn皮膜42及び活物質膜43を有する負極4とを、略直方体状をなすAl製のケース5に収容してなる。負極4は、負極前駆体材料のSnめっき皮膜がNaと合金化されてなる活物質膜43を含む実施例1の負極材料からなる。正極2、セパレータ3、及び負極4により発電要素が構成される。
ケース5の上面53と負極4との間には、波板状の金属からなる押圧部材6のバネ6aが配されている。バネ6aが、アルミ合金からなり非可撓性を有する平板状の押え板6bを付勢して負極4を下方に押圧し、その反作用で正極2がケース5の底面52から上方に押圧されるように構成されている。
集電体21及び集電体41夫々の一端部は、ケース5の一側面の外側に突設された正極端子11,負極端子12に、リード線7,8で接続されている。前記リード線7,8は、前記一側面を貫通するように設けられた中空の絶縁部材9,10に挿通されている。
この溶融塩電池1においては、負極4側に設けたバネによる押圧力、及びケース5の底面52からの反発力により発電要素を上下から押圧するため、正極2及び負極4が充放電によって上下方向に伸縮した場合に、セパレータ3に対する正極2及び負極4からの押圧力が略一定に保持される。従って、正極2及び負極4によるNaイオンの吸蔵及び放出が安定して充放電が安定し、使用時の発電要素の膨れも抑制される。
溶融塩電池1に押圧部材6を必ずしも備える必要はないが、上述の理由から備えるのが好ましい。そして、押圧部材6はバネ6aを備えるものには限定されない。
溶融塩電池1に押圧部材6を必ずしも備える必要はないが、上述の理由から備えるのが好ましい。そして、押圧部材6はバネ6aを備えるものには限定されない。
上述の溶融塩電池1を構成する負極4以外の発電要素は、以下のようにして作製した。
(1)電解質
セパレータ3に含浸させる電解質としての溶融塩は以下のようにして調製した。
KFSA(第一工業製薬(株)製)は市販のものを真空乾燥した後、使用した。
NaFSAは以下のようにして作製した。
まず、アルゴン雰囲気のグローブボックス中でKFSA(第一工業製薬(株)製)とNaClO4 (Aldrich社製:純度98%)とをそれぞれ同モルになるように秤量した後、KFSAとNaClO4 とをアセトニトリルに溶解し、30分攪拌して混合し、下記式(5)により反応させた。
KFSA+NaClO4 →NaFSA+KCl4 ・・・(5)
(1)電解質
セパレータ3に含浸させる電解質としての溶融塩は以下のようにして調製した。
KFSA(第一工業製薬(株)製)は市販のものを真空乾燥した後、使用した。
NaFSAは以下のようにして作製した。
まず、アルゴン雰囲気のグローブボックス中でKFSA(第一工業製薬(株)製)とNaClO4 (Aldrich社製:純度98%)とをそれぞれ同モルになるように秤量した後、KFSAとNaClO4 とをアセトニトリルに溶解し、30分攪拌して混合し、下記式(5)により反応させた。
KFSA+NaClO4 →NaFSA+KCl4 ・・・(5)
次に、沈殿したKClO4 を減圧濾過により除去した。その後、残った溶液をパイレックス(登録商標)製の真空容器に入れ、真空ポンプによって333Kで2日間真空引きし、アセトニトリルを除去した。
次に、残った物質に塩化チオニルを加えて3時間攪拌し、下記式(6)の反応によって水分を除去した。
H2 O+SOCl2 +SO2 →2HCl+SO2 ・・・(6)
次に、残った物質に塩化チオニルを加えて3時間攪拌し、下記式(6)の反応によって水分を除去した。
H2 O+SOCl2 +SO2 →2HCl+SO2 ・・・(6)
その後、ジクロロメタンによる洗浄を3回行って塩化チオニルを除去した後、残った物質をPFAチューブに入れ、真空ポンプによって323Kで2日間真空引きし、ジクロロメタンを除去した。その結果、それぞれ白色の粉末のNaFSAを得た。
そして、アルゴン雰囲気のグローブボックス内で、上述のようにして得たNaFSAの粉末と、前記KFSAの粉末とをモル比0.45:0.55となるように秤量し、混合して混合粉末を作製した後、混合粉末の融点57℃以上に加熱して、NaFSA−KFSAの溶融塩を作製した。
(2)正極
正極2の活物質として、Na2 CO3 (和光純薬工業(株)製)とCr2 O3 (和光純薬工業(株)製)とをモル比1:1で混合した後にペレット状に成形し、アルゴン気流中で1223Kの温度で5時間焼成することによって、NaCrO2 を得た。
以上のようにして得られたNaCrO2 、アセチレンブラック及びPTFEを質量比80:15:5で混練した後、厚みの20μm集電体21にロールプレスで圧縮成形することにより正極2を得た。プレス後の活物質膜22の厚みは50μmであった。NaCrO2 の付着量は略0.1g/cm2 である。
正極2の活物質として、Na2 CO3 (和光純薬工業(株)製)とCr2 O3 (和光純薬工業(株)製)とをモル比1:1で混合した後にペレット状に成形し、アルゴン気流中で1223Kの温度で5時間焼成することによって、NaCrO2 を得た。
以上のようにして得られたNaCrO2 、アセチレンブラック及びPTFEを質量比80:15:5で混練した後、厚みの20μm集電体21にロールプレスで圧縮成形することにより正極2を得た。プレス後の活物質膜22の厚みは50μmであった。NaCrO2 の付着量は略0.1g/cm2 である。
(3)セパレータ
アルゴン雰囲気のグローブボックス内で、上述のようにして作製したNaFSA−KFSAの溶融塩中にガラスクロスを浸漬することにより、NaFSA−KFSAの溶融塩が含浸されたセパレータ3を得た。
アルゴン雰囲気のグローブボックス内で、上述のようにして作製したNaFSA−KFSAの溶融塩中にガラスクロスを浸漬することにより、NaFSA−KFSAの溶融塩が含浸されたセパレータ3を得た。
[実施例8〜12]
実施例7の溶融塩電池1と同様に、負極材料用の前駆体材料を用いて、実施例2〜6の負極材料からなる負極を備える実施例8〜12の溶融塩電池をそれぞれ作製した。
[比較例4〜6]
実施例7の溶融塩電池1と同様に、比較例1〜3の負極材料を用いて、比較例4〜6の溶融塩電池を作製した。
実施例7の溶融塩電池1と同様に、負極材料用の前駆体材料を用いて、実施例2〜6の負極材料からなる負極を備える実施例8〜12の溶融塩電池をそれぞれ作製した。
[比較例4〜6]
実施例7の溶融塩電池1と同様に、比較例1〜3の負極材料を用いて、比較例4〜6の溶融塩電池を作製した。
3.性能評価
以下に、本実施例の溶融塩電池の性能評価について説明する。
[充放電サイクル試験(1)]
実施例1の負極4を用いた実施例7の溶融塩電池1、及び比較例4の溶融塩電池につき、充放電サイクル試験(1)を行った。試験は、温度90℃、充放電レート0.5Cの条件で、溶融塩電池の充放電を繰り返し、サイクル数と容量維持率との関係を求めた。容量維持率(%)は、[(各サイクルの放電容量)/(初期容量)×100]により算出される。
図2は、実施例7及び比較例4の溶融塩電池のサイクル数と容量維持率との関係を示すグラフである。横軸はサイクル数、縦軸は容量維持率(%)である。
図2より、Sn−Na合金からなる活物質膜43を有する実施例7の溶融塩電池1は、100サイクル目においても高い容量維持率を有するのに対し、比較例4の溶融塩電池は容量維持率の低下の度合が大きく、50サイクル目で容量維持率がゼロになり、使用できなくなることが分かる。
以下に、本実施例の溶融塩電池の性能評価について説明する。
[充放電サイクル試験(1)]
実施例1の負極4を用いた実施例7の溶融塩電池1、及び比較例4の溶融塩電池につき、充放電サイクル試験(1)を行った。試験は、温度90℃、充放電レート0.5Cの条件で、溶融塩電池の充放電を繰り返し、サイクル数と容量維持率との関係を求めた。容量維持率(%)は、[(各サイクルの放電容量)/(初期容量)×100]により算出される。
図2は、実施例7及び比較例4の溶融塩電池のサイクル数と容量維持率との関係を示すグラフである。横軸はサイクル数、縦軸は容量維持率(%)である。
図2より、Sn−Na合金からなる活物質膜43を有する実施例7の溶融塩電池1は、100サイクル目においても高い容量維持率を有するのに対し、比較例4の溶融塩電池は容量維持率の低下の度合が大きく、50サイクル目で容量維持率がゼロになり、使用できなくなることが分かる。
[充放電サイクル試験(2)]
活物質膜の厚みを変えた実施例7〜12,比較例4〜6の溶融塩電池につき、充放電を50回繰り返したときの容量維持率を求める充放電サイクル試験(2)を行った。試験は、温度90℃、充放電レート0.5Cの条件で行った。
図3は、各実施例及び各比較例の溶融塩電池の活物質膜の膜厚と容量維持率との関係を示すグラフである。横軸は膜厚(μm)、縦軸は容量維持率(%)である。
図3より、Sn−Na合金からなる活物質膜を有する実施例の溶融塩電池は、活物質膜の厚みを600μmにした場合においても十分に高い容量維持率を有するのに対し、Na皮膜を活物質膜として有する比較例の溶融塩電池は、厚みを大きくするのに従い、容量維持率が大きく低下し、10μmにした場合、容量維持率がゼロになって使用できなくなることが分かる。従って、本実施例の溶融塩電池は、厚みを厚くした場合においても良好な充放電サイクル特性を有することが確認された。
活物質膜の厚みを変えた実施例7〜12,比較例4〜6の溶融塩電池につき、充放電を50回繰り返したときの容量維持率を求める充放電サイクル試験(2)を行った。試験は、温度90℃、充放電レート0.5Cの条件で行った。
図3は、各実施例及び各比較例の溶融塩電池の活物質膜の膜厚と容量維持率との関係を示すグラフである。横軸は膜厚(μm)、縦軸は容量維持率(%)である。
図3より、Sn−Na合金からなる活物質膜を有する実施例の溶融塩電池は、活物質膜の厚みを600μmにした場合においても十分に高い容量維持率を有するのに対し、Na皮膜を活物質膜として有する比較例の溶融塩電池は、厚みを大きくするのに従い、容量維持率が大きく低下し、10μmにした場合、容量維持率がゼロになって使用できなくなることが分かる。従って、本実施例の溶融塩電池は、厚みを厚くした場合においても良好な充放電サイクル特性を有することが確認された。
以上より、本発明に係る負極前駆体材料を負極として用いた場合、電池の動作時に、負極の形状が維持されるとともに、Naのデンドライトの発生が抑制されるので、充放電サイクル特性が良好であり、安全性が良好である電池が得られることが確認された。そして、電池の使用条件(所望する容量、充放電レート)等に対応させて負極の活物質膜の厚みを決定することができ、本発明に係る電池は設計の自由度が高く、高容量、薄型化を実現することができることが確認された。
従って、本発明に係る電池を複数用いて電力貯蔵システムを構成した場合、低温での動作が可能であり、短時間で駆動させることができ、良好な充放電サイクル特性及び安全性を有する電力貯蔵システムが得られる。
従って、本発明に係る電池を複数用いて電力貯蔵システムを構成した場合、低温での動作が可能であり、短時間で駆動させることができ、良好な充放電サイクル特性及び安全性を有する電力貯蔵システムが得られる。
なお、本実施例においてはAl板にSnめっき皮膜を形成してなる負極前駆体材料を負極として溶融塩電池に用いた場合につき説明しているが、めっきではなく、蒸着によりSn皮膜を形成し、又は粉末状のSnをバインダにより固着してSn皮膜を形成する場合も同様の効果が得られることが推察される。また、集電体がAl製ではなく、Ni、Cu、SUS等製である場合も同様である。さらに、活物質がSnではなく、Si、Inである場合においても、Naイオン等を良好に吸蔵及び放出することができ、合金化された活物質からなる活物質膜の硬度を動作時に十分に高くすることができるので、Snの場合と同様の効果が得られることが推察される。
そして、実施例1においては、1組の正極2、セパレータ3及び負極4からなる発電要素をケース5に収容して溶融塩電池を構成しているが、発電要素を積層し、これをケース5に収容することにしてもよい。
また、正極2を下方に配しているが、正極2を上方に配し、天地を逆にしてケース5に収容することにしてもよい。さらに、発電要素は横置きではなく、縦置きにすることにしてもよい。
1 溶融塩電池
2 正極
21、41 集電体
22 活物質膜
3 セパレータ
4 負極
41 集電体
42 Zn皮膜
43 活物質膜
5 ケース
52 底面
53 上面
6 押圧部材
6a バネ
6b 押え板
7、8 リード
9、10 絶縁部材
11 正極端子
12 負極端子
2 正極
21、41 集電体
22 活物質膜
3 セパレータ
4 負極
41 集電体
42 Zn皮膜
43 活物質膜
5 ケース
52 底面
53 上面
6 押圧部材
6a バネ
6b 押え板
7、8 リード
9、10 絶縁部材
11 正極端子
12 負極端子
Claims (5)
- 金属からなる集電体と、
Sn、Si、及びInからなる群から選択される少なくとも1種とNaとの合金からなる活物質と
を含むことを特徴とする電池用負極材料。 - 満充電時の前記活物質のNa量が該活物質の原子総量に対し50原子%以上99.9原子%以下であることを特徴とする請求項1に記載の電池用負極材料。
- 金属からなる集電体と、
Sn、Si、及びInからなる群から選択される少なくとも1種を含む活物質と
を含むことを特徴とする電池用負極前駆体材料。 - 請求項1又は2に記載の電池用負極材料からなる負極と、
正極と、
Naイオンを含むカチオンを含む溶融塩を有する電解質と
を備えることを特徴とする電池。
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