JP2013114789A - ナトリウム電池用負極集電体とその製造方法、ナトリウム電池用負極およびナトリウム電池 - Google Patents

ナトリウム電池用負極集電体とその製造方法、ナトリウム電池用負極およびナトリウム電池 Download PDF

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Abstract

【課題】Alを負極集電体に用いた電圧効率が充分に高く、また、均一にNaが析出するナトリウム電池を安定的に提供する。
【解決手段】アルミニウム表面に、亜鉛被膜が形成されているナトリウム電池用負極集電体。亜鉛被膜が形成されていないアルミニウム表面には、アルミニウム酸化層が形成されており、亜鉛被膜とアルミニウムとの界面には、アルミニウム酸化層が形成されていないこと、または亜鉛被膜とアルミニウムとの界面には、亜鉛被膜が形成されていない部分に形成されているアルミニウム酸化層よりも薄いアルミニウム酸化層が形成されているナトリウム電池用負極集電体。アルミニウム表面に、亜鉛被膜をジンケート処理によって形成するナトリウム電池用負極集電体の製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、ナトリウムイオン(Na)が伝導するナトリウム電池用負極集電体とその製造方法、ナトリウム電池用負極およびナトリウム電池に関する。
車載用や低炭素電力供給システム等の新エネルギー用の分野等においては、エネルギー密度に優れた蓄電デバイスが強く求められている。このような蓄電デバイスとしては、リチウムイオン電池(Liイオン電池)、ナトリウム硫黄電池(NAS電池)などのナトリウム電池などがあるが、近年、ナトリウム電池の内でも、特に、電解液に溶融塩を用いた溶融塩電解液電池に関する技術開発が種々行われている(例えば特許文献1、非特許文献1)。
即ち、Naはクラーク数が2.64とLiの0.006に比べて圧倒的に大きく、材料の調達を安定して容易に行うことができる。
そして、Liイオン電池の場合には、冷却効率を上げて熱暴走を防ぐために充分なスペース(空隙)を設けて配置する必要があるため、組電池の体積が大きくなる。また、NAS電池の場合も、安全対策上、防火砂が充填された断熱容器内に配置する必要があり、組電池の体積が大きくなる。これに対して、溶融塩電解液電池の場合には、これらの配慮が不要であるため、組電池の体積をLiイオン電池の約1/2、NAS電池の約1/4とコンパクト化することができる。
このようなナトリウム電池の負極として、従来は、金属Naと錫(Sn)等との合金からなる合金系負極が用いられていた。しかしながら、このような合金系負極は、活物質であるNaを吸蔵、脱離する際に、大きな体積変化(膨張収縮)が繰り返し起こるため、容量の劣化やサイクル特性の悪化を招く恐れがあった。
このため、Naを吸蔵、脱離する際の膨張収縮(体積変化)が小さく、容量の劣化やサイクル特性の悪化を招く恐れがないナトリウム電池用負極が望まれており、上記のNaを吸蔵、脱離する合金系負極に替わる負極の検討が行われている。
そして、そのような負極として、金属集電体の上でNaを溶解、析出させる負極が検討され、その結果、負極集電体としてアルミニウム(Al)が好適であることが分かった。
即ち、例えば、銅(Cu)は、導電性に優れ、過電圧を抑制することが期待できるが、Naと合金化するため、ナトリウム電池の負極集電体として用いることには問題がある。また、ニッケル(Ni)はNaと合金化しないが、Cuと比較して電気抵抗率が4倍以上高く、過電圧が大きくなる可能性がある。これに対し、Alは、Naと合金化することがない。また、AlはCuの1.5倍程度の電気抵抗率で、導電性に優れているためNiほど過電圧が大きくならず、高い電圧効率のナトリウム電池が期待できる。さらに、Alは軽量、低コストである。
特開2009−67644号公報
「SEI WORLD」2011年3月号(VOL.402)、住友電気工業株式会社
しかし、Alを負極集電体に用いたナトリウム電池においては、過電圧が大きくなり、期待通りの高い電圧効率を得ることができない場合があった。また、Alのみの負極集電体とし、充電時にAl上に直接Naを析出させる場合には、Naとの濡れ性(密着性)が悪く、均一にNaが析出しない場合があった。
このため、Alを負極集電体に用いた電圧効率が充分に高く、また、均一にNaが析出するナトリウム電池を安定的に提供することができる技術が望まれていた。
本発明者は、上記課題の解決について検討を行った結果、従来のAl負極集電体の場合、表面に電気抵抗が大きなAl酸化膜が形成され易く、Al酸化膜が形成されると過電圧が大きくなり、充分に高い電圧効率を得ることができないと共に、Naとの濡れ性が悪くなることが分かった。
そして、このようなAl酸化膜の形成を抑制する手段につき、さらに検討を行った結果、Al基材へのめっき密着性を得るための前処理として行われる亜鉛(Zn)被膜の形成が有効であり、Zn被膜を形成する手法としては、種々の方法を採用することができるが、ジンケート処理が特に好ましいことが分かった。
即ち、ジンケート処理によりAl表面のAl酸化膜がZn被膜に置換された場合、このZn被膜はAl酸化膜に比べ電気抵抗を小さくすることができ、小さな過電圧、及び期待通りの高い電圧効率を得ることができる。
具体的には、このジンケート処理は、図1(a)に示すように、Al酸化膜を溶かしてAl3+を形成させることにより露出したAl表面にZnを析出させて(Zn置換めっき)、Al基材へのめっき密着性を得る手法である。そして、表面の全てがZnに置換されてAlが露出した部分がなくなると反応が終了する。このとき、Alの表面にはZn薄膜が形成されているため、その後のAl酸化物の形成が抑制され、Naとの濡れ性が維持される。
次に、図2に、Al箔を負極集電体に用いて、その上に負極活物質であるNaを析出させる際(充電時)のNaと電子(e)の移動を説明する図を示し、過電圧につき説明する。
図2において、(a)はジンケート処理されていないAl箔を負極集電体とした場合を、(b)はジンケート処理されたAl箔を負極集電体とした場合を示している。そして、図2において、1はAl箔、2はジンケート処理によって形成されたZn被膜、3はAl箔1の表面に生成したAl酸化物被膜、4はZn被膜2の表面に生成したZn酸化物被膜、5は析出したNa、6は電解液である。
充電時には、電解液6からNaが、Al箔1側からeが供給されて、Na5が析出されるが、図2(a)に示すように、ジンケート処理されていないAl箔の場合には、Al箔1の表面にAl酸化物被膜3が形成されており、このAl酸化物被膜3は厚みが数nmであっても電気抵抗が大きいため、過電圧が大きくなる。この結果、充分に高い電圧効率を得ることができない。また、Al酸化物被膜3は濡れ性が悪いため、Naを均一に析出させることができない。
これに対して、図2(b)に示すように、ジンケート処理されたAl箔の場合には、表面に形成されたZn被膜2はAl酸化物被膜に比べ電気抵抗が遙かに小さい。そして、Zn被膜2の酸化(Zn酸化物被膜4の形成)は、Alの酸化に比べて遅く、一旦酸化されても生成されるZnOの密度が小さく体積が大きいため、バリア性が高く、酸化の進行を抑制する効果が大きく、表面酸素量を少なくすることができる。また、Zn酸化物被膜4の電気抵抗はAl酸化物被膜に比べ小さく、Naとの濡れ性がよい。このため、ジンケート処理されたAl箔の表面にNaを析出させる場合には、過電圧が小さくなり、充分に高い電圧効率を得ることができる。
本発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、請求項1に記載の発明は、
アルミニウム表面に、亜鉛被膜が形成されていることを特徴とするナトリウム電池用負極集電体である。
そして、請求項2に記載の発明は、
前記亜鉛被膜が形成されていないアルミニウム表面には、アルミニウム酸化層が形成されており、
前記亜鉛被膜と前記アルミニウムとの界面には、アルミニウム酸化層が形成されていないこと、または
前記亜鉛被膜と前記アルミニウムとの界面には、前記亜鉛被膜が形成されていない部分に形成されている前記アルミニウム酸化層よりも薄いアルミニウム酸化層が形成されていること
を特徴とする請求項1に記載のナトリウム電池用負極集電体である。
そして、請求項3に記載の発明は、
アルミニウム表面に、亜鉛被膜をジンケート処理によって形成することを特徴とするナトリウム電池用負極集電体の製造方法である。
ジンケート処理は、前記したように、Al酸化膜を溶かしてZn被膜を形成させるものであるため、界面に存在するアルミニウム酸化層の厚みを薄くすることができる。
本発明者は、前記ジンケート処理についてさらに検討を行い、ダブルジンケート処理を採用した場合、Zn被膜の被覆率がより向上して、一層過電圧が低減され、電圧効率がより向上することが分かった。ここで、ダブルジンケート処理とは、ジンケート処理によって一旦形成されたZn被膜を、例えば硝酸等を用いて溶解させた後、再度ジンケート処理を行う処理を指す。
請求項4に記載の発明は、上記の知見に基づいてなされたものであり、
前記亜鉛被膜の形成をジンケート処理によって行った後、形成された亜鉛被膜を溶解させ、再度ジンケート処理によって亜鉛被膜を形成することを特徴とする請求項3に記載のナトリウム電池用負極集電体の製造方法である。
そして、請求項5に記載の発明は、
請求項1または請求項2に記載のナトリウム電池用負極集電体が用いられていることを特徴とするナトリウム電池用負極である。
負極集電体として、薄く形成されたAl酸化膜を介して、あるいはAl酸化膜を介さずに直接に表面にZn被膜が形成されたAlを用いているため、前記したように、過電圧が小さいと共に、Naとの濡れ性が向上し、充分に高い電圧効率の負極を得ることができる。
そして、請求項6に記載の発明は、
請求項1または請求項2に記載のナトリウム電池用負極集電体の表面に、ナトリウムが析出されていることを特徴とするナトリウム電池用負極である。
薄く形成されたAl酸化膜を介して、あるいはAl酸化膜を介さずに直接に表面にZn被膜が形成されたAl負極集電体の表面に負極活物質であるNaを析出させて負極とすることにより、充放電に際しての体積変化が小さくなり、ナトリウム電池のサイクル特性を向上させることができる。
Naを析出させる具体的な方法としては、例えば、正極活物質にNaCrO等のNaを吸蔵脱離可能なNa化合物を用いて電池を組立てた後に充電することによりNaを析出(電析)させる方法を挙げることができる。
この方法は、反応性に富むNaを外気に触れさせることなく析出させることができる方法であるため、取り扱いが容易となり好ましい。
しかし、本請求項の発明は、上記した電池組立後のNa析出に限定されるものではなく、不活性雰囲気や真空下での電析や蒸着などにより電池組立前に予めNaを析出させる方法を用いることもできる。
また、請求項7に記載の発明は、
請求項5または請求項6に記載のナトリウム電池用負極が用いられていることを特徴とするナトリウム電池である。
負極集電体として、薄く形成されたAl酸化膜を介して、あるいはAl酸化膜を介さずに直接に表面にZn被膜が形成されたAlを用いているため、前記したように、過電圧が小さく、充分に高い電圧効率を得ることができる。そして、Zn被膜の形成により、Naとの濡れ性を充分に確保することができるため、合金系負極と異なり、Al負極集電体表面に負極活物質であるNaを充分に析出させた負極を形成することができ、充放電に際しての体積変化が小さく、サイクル特性に優れたナトリウム電池を提供することができる。
本発明によれば、Alを負極集電体に用いた電圧効率が充分に高く、また、均一にNaが析出するナトリウム電池を安定的に提供することができる。
ジンケート処理により、Al表面にZn被膜を形成する方法を説明する図である。 ジンケート処理されていないAl及びジンケート処理されたAlにNaを析出させるときのNa、eの移動を説明する図である。 ジンケート処理されたAlの表面近傍の断面を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の一実施の形態のナトリウム電池用負極の構成を模式的に示す図である。 ジンケート処理されていないAl及びジンケート処理されたAlを用いてNaを析出、溶解させたときの電圧の測定結果を示す図である。 本発明の一実施の形態のナトリウム電池の充放電曲線を示す図である。 本発明の一実施の形態のナトリウム電池の組電池の構成を模式的に示す図である。
以下、実施の形態に基づき本発明を具体的に説明する。
1.負極集電体
(1)Alのジンケート処理
本発明に係る負極集電体は、Alにジンケート処理を施すことによって作製される。具体的には、例えば、Al箔の表面をエッチング処理し、その後、Zn置換めっきを施すことにより、ジンケート処理が行われる。なお、この際、タブリードなど外部電極との接続部となる部分には、マスキングなどして、Zn被膜が形成されないようにする。
通常、Al表面には数Å〜数nm程度の酸化層が形成され、場合によりさらに厚い酸化層が形成され得るが、前記したように、ジンケート処理により、表面のAl酸化膜を含むAl層が溶出して電気抵抗が小さいZn被膜に置換され、さらにZn被膜は酸化が遅い。そして、ジンケート処理の場合には、表面のAl酸化膜を溶出するため、気相法など他の方法で形成した場合に比べて界面の酸化層の厚みを一層薄くする、あるいは無くすことができる。このため、一層小さな過電圧を得ることが可能となる。
図3に、ジンケート処理されたAl箔の表面近傍の断面を示す電子顕微鏡写真の一例を示す。図3に示すように、Al箔の表面には、厚み100nm程度の均一なZn被膜が形成されている。
(2)ダブルジンケート処理
上記のジンケート処理によって形成されたZn被膜を、例えば濃度が60%程度の濃硝酸を用いて溶出させた後、再度ジンケート処理を行った場合、Zn皮膜による被覆率が向上し、一層緻密で薄いZn被膜を形成させることができるため、より過電圧を小さくすることができ好ましい。
(3)タブリード
集電体には、必要に応じて適宜タブリードが設けられる。図4は、本発明の一実施の形態のナトリウム電池用負極の構成を模式的に示す図である。図4において、7がAl箔1に取付けられたタブリードである。なお、2はジンケート処理によって形成されたZn被膜であり、5はZn被膜上に析出させたNaである。
2.ナトリウム電池用負極
次に、上記負極集電体を用いたナトリウム電池用負極について説明する。図4に示すように、本発明のナトリウム電池用負極は、負極集電体のZn被膜2の表面にNa5を析出させて構成されている。
負極集電体表面にNa5を析出させる具体的な方法としては、前記したように、電池組立前、電池組立後のいずれの時点で析出させてもよい。
3.ナトリウム電池
次に、上記ナトリウム電池用負極を用いたナトリウム電池について説明する。ナトリウム電池は、上記のナトリウム電池用負極の他に、正極集電体上に正極活物質が設けられた正極、電解液およびセパレータを組立てることにより作製される。
(1)正極
(イ)正極集電体
正極集電体としては、Al箔が用いられる。
(ロ)正極活物質
正極活物質としては、NaCrO、NaFeO、Na2/3Fe1/3Mn2/3等を挙げることができるが、これらの内でもNaCrOが好ましく用いられる。なお、充放電サイクルによる容量低下を抑制するため、Naの脱離量、即ちNa1−xCrOで表したときのxが0≦x≦0.4を満足する範囲内において充放電が行われる。
(2)電解液
電解液としては、以下に示す電解質(支持塩)を有機溶媒に溶解させた電解液、または溶融塩(イオン液体)からなる電解液が好ましく用いられる。
(イ)電解質(支持塩)を有機溶媒に溶解させた電解液
(a)電解質(支持塩)としては、以下のものを挙げることができる。
NaFSA、NaClO、NaPF、NaAsF、NaSbF、NaBF、NaCFSO、NaN(SOCF)
(b)有機溶媒としては、以下のものを挙げることができる。
・カーボネート類:プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、イソプロピルメチルカーボネート、ビニレンカーボネート、4−トリフルオロメチル−1,3−ジオキソラン−2−オン、1,2−ジ(メトキシカルボニルオキシ)エタン等
・エーテル類:1,2−ジメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン、ペンタフルオロプロピルメチルエーテル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピルジフルオロメチルエーテル、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等
・エステル類:蟻酸メチル、酢酸メチル、γーブチロラクトン等
・ニトリル類:アセトニトリル、ブチロニトリル等
・アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等
(ロ)溶融塩(イオン液体)からなる電解液
溶融塩(イオン液体)からなる電解液としては、以下のものを挙げることができる。
・NaFSAとKFSAの例えばモル比で56:44の混合物からなるイオン液体
・NaFSAに加え、カチオンとして、4級アンモニウムイオン、イミダゾリウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、モルホリニウムイオン、フォスフォニウムイオン等の有機カチオンを含むイオン液体
4.ナトリウム電池における負極の評価
組立てられたナトリウム電池における負極の評価は、Naの析出溶解評価、および充放電評価により行うことができる。
(1)Naの析出溶解評価
Naの析出溶解評価は、組立てられたナトリウム電池の充放電時の過電圧により評価することができる。即ち、Naの析出、溶解に必要な電圧が過電圧の大きさとして示される。このため、過電圧が小さければ、電池性能が良く電圧効率も良いと判断される。
(2)充放電評価
充放電評価は、電圧効率により評価することができる。
電圧効率は、容量の50%充放電の時の放電電圧と充電電圧の比率として下式のように定義されるものであり、充電量に対してどれだけ放電できるかを示している。90%以上であると好ましく、95%以上であるとより好ましい。
電圧効率(%)=(放電電圧/充電電圧)×100%
以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明する。
1.負極集電体の作製
厚み20μmのAl箔を用意し、以下に示すエッチング処理およびZn置換めっき処理によりAl箔表面にジンケート処理を施し、負極集電体を作製した。
(1)エッチング処理:
・エッチング液 :奥野製薬社製「トップアルソフト108」
50g/L 水溶液
・エッチング条件:温度:50℃、時間:30秒
(2)Zn置換めっき
・めっき液 :奥野製薬社製「サブスターZN−1」
180cc/L 水溶液
・めっき条件 :温度:25℃、時間:30秒
2.Naの析出溶解評価
(1)ナトリウム電池の組立
上記で作製されたジンケート処理が施されたAl箔(厚み20μm)を負極集電体、金属Naを正極、厚み200μmのガラス不織布をセパレータ、ナトリウムビス(フルオロスルフォニル)アミド(NaFSA)とカリウムビス(フルオロスルフォニル)アミド(KFSA)との混合物(モル比56:44)からなる溶融塩を電解液として、ナトリウム電池を組立てた。
(2)Naの析出溶解評価
作製されたナトリウム電池に、温度90℃、電流密度0.1mA/cmで通電を行い、Al箔上でNaを析出、溶解させたときの負極側の電圧の時間経過に伴う変化を測定した。
比較のために、ジンケート処理が施されていないAl箔(厚み20μm)を負極集電体として、上記と同様の電池を組立て、同様の測定を行った。
測定結果を図5に示す。図5において、電圧0Vより上ではNaが溶解、下ではNaが析出していることを示している。そして、図5において、実線はジンケート処理が施されたAl箔、破線はジンケート処理が施されていないAl箔の場合であり、縦軸は電圧(V)、横軸は通電時間(分)を示している。
図5より、ジンケート処理を施すことにより、電圧の揺れが小さく、過電圧が低減されていることが分かる。
これは、上述したように、ジンケート処理により、Al箔の表面に電気抵抗が小さなZn被膜が形成されており、バリア層となるAl酸化膜が形成されていないために過電圧が低減されたものと考えられる。
3.充放電評価
(1)ナトリウム電池の組立
上記で作製されたジンケート処理Al箔(厚み20μm)の負極集電体と、Al箔(厚み20μm)上に正極活物質としてNaCrOを厚み50μmでコートした正極と、ガラス不織布セパレータ(厚み200μm)とを用いて、NaFSAとKFSAとの混合物(モル比56:44)からなる溶融塩を電解液として、ナトリウム電池を組立てた。
(2)充放電評価
作製されたナトリウム電池を用いて、温度90℃、充放電レート0.1Cで充放電を行い、充電および放電における負極の電圧変化を測定した。結果を図6に示す。図6において、50%放電時および50%充電時の電圧はそれぞれ3.18Vと3.22Vであり、電圧効率が99%と極めて高く、従来のナトリウム電池における電圧効率95%を大きく上回っていることが分かる。
これは、ジンケート処理により負極の過電圧が低減し、電圧効率が向上したためと考えられる。
(3)ナトリウム電池のサイクル特性
次に、充電深度65%の充放電を100サイクル行い、容量低下などの劣化を測定した。その結果、容量低下などの劣化は見られず、良好なサイクル特性を有していることが確認できた。
5.組電池の構成例
このように電圧効率が高くサイクル特性も良好なナトリウム電池は、組電池とした場合に特に優位性が発揮される。図7に組電池の一構成例を示す。なお、図7において(a)は上面図、(b)は側面図である。
図7(a)の右図に示すように、素電池単体においては、太線で示す正極及び負極がセパレータを介して交互に配置されている。
そして、図7(b)に示すように、電圧3Vの素電池単体が4個隙間を設けず直列に配置されて、12Vの電圧が得られるようになっており、Liイオン電池やNAS電池に比べてコンパクト化されていることが分かる。
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることができる。
1 Al箔
2 Zn被膜
3 Al酸化物被膜
4 Zn酸化物被膜
5 Na
6 電解液
7 タブリード

Claims (7)

  1. アルミニウム表面に、亜鉛被膜が形成されていることを特徴とするナトリウム電池用負極集電体。
  2. 前記亜鉛被膜が形成されていないアルミニウム表面には、アルミニウム酸化層が形成されており、
    前記亜鉛被膜と前記アルミニウムとの界面には、アルミニウム酸化層が形成されていないこと、または
    前記亜鉛被膜と前記アルミニウムとの界面には、前記亜鉛被膜が形成されていない部分に形成されている前記アルミニウム酸化層よりも薄いアルミニウム酸化層が形成されていること
    を特徴とする請求項1に記載のナトリウム電池用負極集電体。
  3. アルミニウム表面に、亜鉛被膜をジンケート処理によって形成することを特徴とするナトリウム電池用負極集電体の製造方法。
  4. 前記亜鉛被膜の形成をジンケート処理によって行った後、形成された亜鉛被膜を溶解させ、再度ジンケート処理によって亜鉛被膜を形成することを特徴とする請求項3に記載のナトリウム電池用負極集電体の製造方法。
  5. 請求項1または請求項2に記載のナトリウム電池用負極集電体が用いられていることを特徴とするナトリウム電池用負極。
  6. 請求項1または請求項2に記載のナトリウム電池用負極集電体の表面に、ナトリウムが析出されていることを特徴とするナトリウム電池用負極。
  7. 請求項5または請求項6に記載のナトリウム電池用負極が用いられていることを特徴とするナトリウム電池。
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