JP2011137967A - トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】結着樹脂、着色剤および離型剤を含有する母粒子Aの表面に、樹脂微粒子bを含有する微粒子を固着してなるトナー粒子を有するトナーであって、該樹脂微粒子bを含有する微粒子が母粒子Aの質量に対して0.50質量%以上10.00質量%以下であり、該樹脂微粒子bはサリチル酸系置換基を有するユニットLを含有し、該樹脂微粒子b中に含有されるユニットLの含有量が0.070mmol/g以上1.000mmol/g以下であり、該母粒子Aは、特定のユニットMを含有する重合体又は共重合体を含有することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
(1)少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含有する母粒子Aの表面に、少なくとも樹脂微粒子bを含有する微粒子を固着してなるトナー粒子を有するトナーであって、該樹脂微粒子bを含有する微粒子が母粒子Aの質量に対して0.50質量%以上10.00質量%以下であり、該樹脂微粒子bは少なくとも式1で表されるサリチル酸系置換基を有するユニットLを含有し、該樹脂微粒子b中に含有されるユニットLの含有量が0.070mmol/g以上1.000mmol/g以下であり、該母粒子Aは、式2に示されるユニットMを含有する重合体又は共重合体を少なくとも含有することを特徴とするトナー。
(2)該トナー粒子が水系媒体中で生成されたことを特徴とする(1)に記載のトナー。
(3)前記ユニットMが式3であることを特徴とする(1)または(2)に記載のトナー。
撹拌機、温度計、窒素導入管を付した反応容器に、2−アミノ−5−メトキシベンゼンスルホン酸788g、トリエチルアミン642g、テトラヒドロフラン4Lを仕込み、5℃以下でメタクリル酸クロライド352gを15分かけて滴下した。5℃以下に保持したまま6時間撹拌させた。5℃以下に保持しながら反応混合物に濃塩酸800ml、水12.8Lを注加して分液し、有機層を2%塩酸6.4Lで洗浄した後に、水6.4Lで3回洗浄した。得られた溶液を減圧濃縮し、結晶を得た。得られた結晶を撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した反応容器に仕込み、トリメチルオルトフォルメート1680g、p−ベンゾキノン1.5gを仕込み、80℃で10時間反応させた。反応混合物を冷却し、減圧濃縮を行った。析出した結晶をろ過後、水5Lに加え、分散洗浄後、ろ過し、水2.5Lで2回洗浄を行った。得られた結晶を30℃で順風乾燥させた後、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル5kg、移動相ヘキサン/酢酸エチル=1/1)にて精製し、383gの式(4A)で示される単量体4Mを得た。
撹拌機、温度計、窒素導入管を付した反応容器に、2−ニトロベンゼンスルフォニルクロライド856g、メタノール7Lを仕込み、28%ナトリウムメチラート745g、メタノール600mlの混合溶液を10℃以下で45分かけて滴下した。その後、10℃に保持して50分撹拌させた。反応混合物に0.1N塩酸1.6kgを加えて酸性にし、さらに水3Lを加えて結晶を析出させた。結晶をろ過し、水2Lで洗浄後、30℃で10時間減圧乾燥させて702gの2−ニトロベンゼンスルホン酸メチルエステルを得た。
単量体5Aの製造において、2−アミノ−5−メトキシベンゼンスルホン酸の代わりにp−トルイジン−2−スルホン酸を726g用いる以外は同様の方法で、式(4C)で示される単量体4Cを352g得た。
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した反応容器に、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸1500g、トリメチルオルトフォルメート2060g、p−ベンゾキノン1.5gを仕込み、80℃で5時間反応させた。反応混合物を冷却し、減圧濃縮を行った。析出した結晶をろ過後、水5Lに加え、分散洗浄後、ろ過し、水2.5Lで2回洗浄を行った。得られた結晶を30℃で順風乾燥させた後、ヘキサン4Lで分散洗浄し、ろ過した。得られた結晶を30℃で減圧乾燥させて、式(4D)で示される単量体4Dを1063gを得た。
単量体4Eとして式(4E)で示される2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸を用いた。
単量体4Fとして式(4F)で示される2−メタクリルアミド−5−メトキシベンゼンスルホン酸を用いた。
単量体4Gとして式(4G)で示される2−アクリルアミドベンゼンスルホン酸を用いた。
式(5A)で示す単量体5Aは、特開昭63−270060号公報、Journal of Polymer Science:Polymer Chemistry Edition 18,2755(1980)に記載の方法を用いて製造した。
式(5B)で示す単量体5Bは、特開昭62−187429号公報に記載の方法を用いて製造した。
式(5C)で示す単量体5Cは、前述の特開昭63−270060号公報、Journal of Polymer Science:Polymer Chemistry Edition 18,2755(1980)に記載の方法を用いて製造した。
式(5D)で示す単量体5Dは、Bioorganic&Medicinal Chemistry,15(15),5207(2007)に記載の方法を用いて製造した。
本発明の帯電制御樹脂の分子量及び分子量分布はゲルパーミュエーションクロマトグラフィー(GPC)によって、ポリスチレン換算で算出されるものである。本発明の樹脂の中でもスルホン酸基を含有するものにおいては、カラム溶出速度がスルホン酸基の量にも依存してしまうため、正確な分子量及び分子量分布を測定したことにはならない。そのため、予めスルホン酸基をキャッピングした資料を用意する必要がある。キャッピングにはメチルエステル化が好ましく、市販のメチルエステル化剤が使用できる。具体的には、トリメチルシリルジアゾメタンで処理する方法が挙げられる。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフランあるいは、樹脂が溶解しにくい場合はDMFなど
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
尚、本発明における樹脂の酸価は以下の方法により求められる。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95vol%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、「フェノールフタレイン溶液」を得る。
(A)本試験
粉砕した結着樹脂の試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。尚、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
A=[(B−C)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
作製した樹脂の構造決定は以下の装置を用いて行った。
〔FT−IRスペクトル〕
Nicolet社製 AVATAR360FT−IR
〔1H−NMR、13C−NMR〕
日本電子製FT−NMR JNM−EX400(使用溶媒 重クロロホルム)
〔元素分析〕
カルロエルバ社製元素分析装置EA−1108(C量、O量、S量及びN量を算出)
本発明の粒径はゼータサイザーNano−ZS(MALVERN社製)を用いて、下記の測定条件で測定した。
・セル:石英ガラスセル
・Dispersant:Water(Dispersant RI:1.330)
・Temperature:25℃
・Material RI:1.60
・Result Calculation:General Purpose
サンプルは測定対象の樹脂微粒子の水分散液を固液比が0.20乃至0.30質量%となるように希釈して調整した。
トナーの重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に約3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平 均径」が重量平均粒径(D4)であり、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した反応容器にキシレン200部を仕込み、窒素気流下で還流した。
・2−メタクリルアミド−5−メトキシベンゼンスルホン酸メチル 13.0部
・スチレン 71.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート 16.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.0部
を混合し、前記反応容器に撹拌しながら滴下し10時間保持した。その後、蒸留を行って溶剤を留去し、減圧下40℃で乾燥し樹脂PA−1を得た。得られた樹脂PA−1は元素分析による硫黄原子の定量の結果、0.432mmol/gのスルホン酸に由来したユニットMを含有していることが確認された。以降、作製した樹脂の構成とユニット含有量および分子量は表1に記載した。
下記材料を用いる以外は合成例1と同様に樹脂PAの合成を行い、樹脂PA−2を得た。
・2−メタクリルアミド−5−メチルベンゼンスルホン酸 13.0部
・スチレン 71.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート 16.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.0部
下記材料を用いる以外は合成例1と同様に樹脂PAの合成を行い、樹脂PA−3を得た。
・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 10.0部
・スチレン 74.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート 16.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.0部
下記材料を用いる以外は合成例1と同様に樹脂PAの合成を行い、樹脂PA−4を得た。
・2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸メチル 11.0部
・スチレン 73.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート 16.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.0部
下記材料を用いる以外は合成例1と同様に樹脂PAの合成を行い、樹脂PA−5を得た。
・2−メタクリルアミド−5−メトキシベンゼンスルホン酸メチル 13.0部
・スチレン 77.0部
・n−ブチルアクリレート 10.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.0部
ポリエステルP−1の作製:
・ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2.2モル付加物 67.8部
・テレフタル酸 23.2部
・無水トリメリット酸 9.0部
・酸化ジブチル錫 0.005部
を4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー、及び窒素導入管を取りつけ窒素雰囲気下、220℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂P−1を得た。
ポリエステルP−2の作製:
・ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2.2モル付加物 70.0部
・テレフタル酸 28.0部
・フマル酸 3.0部
・酸化ジブチル錫 0.005部
を4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー、及び窒素導入管を取りつけ窒素雰囲気下、220℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂P−2を得た。
・2−メタクリルアミド−5−メトキシベンゼンスルホン酸メチル 11.1部
・スチレン 18.9部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 1.5部
を混合し、前記反応容器に撹拌しながら滴下し10時間保持した。その後、蒸留を行って溶剤を留去し、減圧下40℃で乾燥し樹脂PA−7を得た。
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した反応容器にキシレン200部を仕込み、窒素気流下で還流した。
・5−ビニルサリチル酸 9.0部
・スチレン 75.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート 16.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.0部
を混合し、前記反応容器に撹拌しながら滴下し10時間保持した。その後、蒸留を行って溶剤を留去し、減圧下40℃で乾燥し樹脂PB−1を得た。
下記材料を用いる以外は合成例1と同様に樹脂PBの合成を行い、樹脂PB−2およびその微粒子分散液を得た。
・5−ビニルサリチル酸 2.0部
・スチレン 82.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート 16.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.0部
下記材料を用いる以外は合成例1と同様に樹脂PBの合成を行い、樹脂PB−3およびその微粒子分散液を得た。
・5−ビニルサリチル酸 17.0部
・スチレン 67.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート 16.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.0部
下記材料を用いる以外は合成例1と同様に樹脂PBの合成を行い、樹脂PB−4およびその微粒子分散液を得た。
・3−ターシャリーブチル−5−ビニルサリチル酸 13.0部
・スチレン 71.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート 16.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.0部
冷却管、撹拌機、温度計および窒素導入管の付いた反応槽中に、ポリエステル樹脂P−1を88部、4−アミノサリチル酸12部を入れ、ピリジン270部を加えて撹拌した後、亜リン酸トリフェニル96部を加え、120℃で6時間加熱した。反応終了後、エタノール360部に再沈殿して回収した。得られたポリマーを1N塩酸140部を用いて2回洗浄を行った後、水140部で2回洗浄を行い、減圧乾燥させた。得られた樹脂PB−5を合成例1と同様に微粒子化をおこない樹脂微粒子bの分散液を作製した。得られた樹脂微粒子の粒子径は66nmであった。
ポリエステルP−3の作製:
・ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2.2モル付加物 70.0部
・テレフタル酸 26.0部
・フマル酸 4.0部
・酸化ジブチル錫 0.005部
を4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー、及び窒素導入管を取りつけ窒素雰囲気下、220℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂P−3を得た。
・5−ビニルサリチル酸 8.1部
・スチレン 18.9部
・n−ブチルアクリレート 3.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 1.5部
を混合し、前記反応容器に撹拌しながら滴下し10時間保持した。その後、蒸留を行って溶剤を留去し、減圧下40℃で乾燥し樹脂PB−6を得た。
下記材料を用いる以外は合成例1と同様に樹脂PBの合成を行い、樹脂PB−7およびその微粒子分散液を得た。
・3−ターシャリーブチル−5−ビニルサリチル酸 2.0部
・スチレン 82.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート 16.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.0部
下記材料を用いる以外は合成例1と同様に樹脂PBの合成を行い、樹脂PB−8およびその微粒子分散液を得た。
・3−ターシャリーブチル−5−ビニルサリチル酸 27.0部
・スチレン 57.0部
・2−エチルヘキシルアクリレート 16.0部
・ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.0部
顔料分散ペーストの作製:
・スチレンモノマー 80.0部
・Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3) 13.0部
・樹脂PA−1 4.0部
上記材料を容器中でよくプレミックスした後に、それを20℃以下に保ったままビーズミルで約4時間分散し、顔料分散ペーストを作製した。
イオン交換水1150部に0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液390部を投入し、60℃に加温した後、クレアミクス(エム・テクニック社製)を用いて13,000rpmにて撹拌した。これに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液58部を添加し、Ca3(PO4)2を含む分散媒体を得た。
・上記顔料分散ペースト 46.5部
・スチレンモノマー 42.0部
・n−ブチルアクリレート 18.0部
・エステルワックス 13.0部
(主成分C19H39COOC20H41、融点68.6℃)
・飽和ポリエステル樹脂 5.0部
(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA共重合体、酸価13mgKOH/g、Mw14500)
これらを60℃に加温し、溶解・分散して単量体混合物とした。さらに60℃に保持しながら、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.0部を加えて溶解し、単量体組成物を調製した。上記分散媒体に、上記単量体組成物を投入した。60℃で、窒素雰囲気とし、クレアミックスを用いて13000rpmで15分間撹拌し、単量体組成物を造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ60℃で5時間反応させた後、80℃で5時間撹拌し、重合を終了させた。
本発明のトナー帯電量の立ち上がり特性評価は以下のようにして行った。キヤノン製レーザービームプリンターLBP5500のプロセスカートリッジのドラムユニットを取り外し、得られたトナー50gを充填する。現像ローラーが回転するように作られた空回転冶具にカートリッジをセットし、現像ローラー上に表面電位プローブを配置させる。表面電位をモニターしながら、現像ローラーの回転速度が250rpmとなるよう回転させる。表面電位は現像ローラー上のトナー量と帯電量に比例してトナーのコート状態の変化をモニターすることができる。得られるデータは例えば図1に示される。トナー帯電量の立ち上がり特性の評価は以下のように行った。すなわち10秒後の表面電位(V10)に対する30秒後の電位(V30)の絶対値の比(V10/V30)をとり、以下のような基準によりランク付けを行った。
Aランク:0.75≦V10/V30
Bランク:0.65≦V10/V30<0.75
Cランク:0.55≦V10/V30<0.65
Dランク: V10/V30<0.55
本発明のトナー帯電量を多数枚複写後における画質の評価は以下のようにして行った。帯電量立ち上がりの評価に用いたカートリッジをそのまま空回転を続け、初期から2分間で一旦止める。このときの画質を評価するために、取り外したドラムユニットを再び取り付け、LBP5500に装着し、ベタ黒およびベタ白の画像を出力する。ベタ黒画像ではスジの有無の確認および、初期の濃度を測定、ベタ白画像はかぶりを測定する。続いて、再びドラムユニットをはずし、現像ローラー部の空回転を1時間ごとに同様の画出し評価を行い4時間続ける。このときの画像を初期と同様に評価を行い、下記の基準によりランク付けを行った。
かぶり(%)=(未使用転写紙の反射率)−(転写紙上のかぶり部の反射率)
Aランク:4時間時が1.0%以下の場合
Bランク:3時間時は1.0%以下、4時間時に1.0%以上となった場合
Cランク:1時間時は1.0%以下、3時間時に1.0%以上となった場合
Dランク:1時間時に1.0%以上となった場合
Aランク:4時間時にスジが発生していない場合
Bランク:3時間時は発生せず、4時間時に発生している場合
Cランク:1時間時は発生せず、3時間時に発生している場合
Dランク:1時間時に発生している場合
実施例1において固着する樹脂微粒子分散液をPB−1とし、固着量を0.55部(固形分)とした以外は実施例1と同様にトナーを作製しトナーBを得た。
実施例1において固着する樹脂微粒子分散液をPB−1とし、固着量を9.50部(固形分)とした以外は実施例1と同様にトナーを作製しトナーCを得た。
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更した以外は実施例1と同様にトナーを作製しトナーDを得た。
・スチレンモノマー 80.0部
・Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3) 13.0部
・樹脂PA−2 2.0部
実施例4において固着する樹脂微粒子分散液をPB−2とし、固着量を2.50部(固形分)とした以外は実施例4と同様にトナーを作製しトナーEを得た。
実施例4において固着する樹脂微粒子分散液をPB−3とし、固着量を2.50部(固形分)とした以外は実施例4と同様にトナーを作製しトナーFを得た。
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更した。さらに単量体混合物中に添加する顔料ペーストの量を47.5部とし、固着する樹脂微粒子分散液をPB−1とし、その固着量を2.50部(固形分)とした以外は実施例1と同様にトナーを作製しトナーGを得た。
・スチレンモノマー 80.0部
・Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3) 13.0部
・樹脂PA−3 1.0部
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更した。さらに単量体混合物中に添加する顔料ペーストの量を47.5部とし、固着する樹脂微粒子分散液をPB−1とし、その固着量を2.50部(固形分)とした以外は実施例1と同様にトナーを作製しトナーHを得た。
・スチレンモノマー 80.0部
・カーボンブラック 15.0部
・樹脂PA−4 1.0部
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、固着する樹脂微粒子分散液をPB−4とし、固着量を2.50部(固形分)とした以外は実施例1と同様にトナーを作製しトナーIを得た。
・スチレンモノマー 80.0部
・キナクリドン(Pigment Violet 19) 13.0部
・樹脂PA−2 2.0部
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、固着する樹脂微粒子分散液をPB−5とし、固着量を2.50部(固形分)とした以外は実施例1と同様にトナーを作製しトナーJを得た。
・スチレンモノマー 80.0部
・Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3) 13.0部
・樹脂PA−5 2.0部
実施例1において固着する樹脂微粒子分散液をPB−6とし、固着量を2.50部(固形分)とした以外は実施例1と同様にトナーを作製しトナーKを得た。
<結着樹脂の製造例>
・ビスフェノールA・プロピレンオキサイド2.2モル付加物 50.0部
・ビスフェノールA・エチレンオキサイド2.2モル付加物 20.0部
・テレフタル酸 10.0部
・無水トリメリット酸 8.0部
・フマル酸 12.0部
・酸化ジブチル錫 0.005部
を4つ口フラスコに入れ、温度計、撹拌棒、コンデンサー、及び窒素導入管を取りつけ、窒素雰囲気下で、220℃で5時間反応させ、ポリエステル樹脂P−4を得た。得られた樹脂の分子量はMw=22500、Mn=3600であった。
・樹脂P−4 100.0部
・樹脂PA−6 2.0部
・Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3) 5.0部
・パラフィンワックス(HNP−7:日本精鑞社製) 3.0部
上記トナー材料をヘンシェルミキサー(三井三池化工機(株)により十分予備混合を行った後、二軸式押出機で溶融混練し、冷却後、ハンマーミルを用いて粒径約1から2mm程度に粗粉砕した。次いでエアージェット方式による微粉砕機で微粉砕した。さらに、得られた微粉砕物を多分割分級装置で分級して母粒子を得た。
実施例12のPA樹脂をPA−7、4.0部に変更し、固着する樹脂微粒子分散液をPB−6、3.00部(固形分)とした以外は実施例12と同様にトナーを作製しトナーMを得た。
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、固着する樹脂微粒子分散液をPB−7とし、固着量を2.50部(固形分)とした以外は実施例1と同様にトナーを作製しトナーNを得た。
・スチレンモノマー 80.0部
・Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3) 13.0部
・樹脂PA−2 2.0部
比較例1において固着する樹脂微粒子分散液をPB−8とし、固着量を2.50部(固形分)とした以外は比較例1と同様にトナーを作製しトナーOを得た。
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、固着する樹脂微粒子分散液をPB−4とし、固着量を0.42部(固形分)とした以外は実施例1と同様にトナーを作製しトナーPを得た。
・スチレンモノマー 80.0部
・Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3) 13.0部
・樹脂PA−4 2.0部
比較例3において固着する樹脂微粒子分散液PB−4の固着量を11.20部(固形分)とした以外は比較例3と同様にトナーを作製しトナーQを得た。
実施例1の顔料分散ペーストの作製に用いた材料を下記に変更し、固着する樹脂微粒子分散液をPB−4とし、固着量を2.50部(固形分)とした以外は実施例1と同様にトナーを作製しトナーRを得た。
・スチレンモノマー 80.0部
・Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3) 13.0部
実施例1の顔料分散ペーストの作製において材料を下記に変更し顔料ペーストを得た。
・スチレンモノマー 80.0部
・Cuフタロシアニン(Pigment Blue 15:3) 13.0部
・樹脂PA−3 2.0部
上記材料を容器中でよくプレミックスした後に、それを20℃以下に保ったままビーズミルで約4時間分散し、顔料分散ペーストを作製した。
イオン交換水1150部に0.1モル/リットル−Na3PO4水溶液390部を投入し、60℃に加温した後、クレアミクス(エム・テクニック社製)を用いて13,000rpmにて撹拌した。これに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液58部を添加し、Ca3(PO4)2を含む分散媒体を得た。
・スチレンモノマー 42.0部
・n−ブチルアクリレート 18.0部
・エステルワックス 13.0部
(主成分C19H39COOC20H41、融点68.6℃)
・飽和ポリエステル樹脂 5.0部
(テレフタル酸−プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA共重合体、酸価13mgKOH/g、Mw14500)
これらを60℃に加温し、溶解・分散して単量体混合物とした。さらに60℃に保持しながら、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3.0部を加えて溶解し、単量体組成物を調製した。上記分散媒体に、上記単量体組成物を投入した。60℃で、窒素雰囲気とし、クレアミックスを用いて13000rpmで15分間撹拌し、単量体組成物を造粒した。その後パドル撹拌翼で撹拌しつつ60℃で5時間反応させた後、80℃で5時間撹拌し、重合を終了させた。
Claims (3)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含有する母粒子Aの表面に、少なくとも樹脂微粒子bを含有する微粒子を固着してなるトナー粒子を有するトナーであって、該樹脂微粒子bを含有する微粒子が母粒子Aの質量に対して0.50質量%以上10.00質量%以下であり、該樹脂微粒子bは少なくとも式1で表されるサリチル酸系置換基を有するユニットLを含有し、該樹脂微粒子b中に含有されるユニットLの含有量が0.070mmol/g以上1.000mmol/g以下であり、該母粒子Aは、式2に示されるユニットMを含有する重合体又は共重合体を少なくとも含有することを特徴とするトナー。
- 該トナー粒子が水系媒体中で生成されたことを特徴とする請求項1に記載のトナー。
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