JP6120701B2 - トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
(a)重合性単量体、着色剤、極性樹脂及び芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して、該重合性単量体組成物の液滴を形成する工程、及び、
(b)該液滴中の重合性単量体を重合して得られるトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子は、結着樹脂、該着色剤、該極性樹脂及び該芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物を含有し、
該芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物は、下記式(1)乃至(3)からなる群より選択される少なくとも一つの構造を有する芳香族オキシカルボン酸(A)が金属原子に配位又は結合してなる化合物であり、
トルエン−ヘキサン溶解性試験における該結着樹脂の溶解性が70.0体積%以上85.0体積%以下であり、
トルエン−ヘキサン溶解性試験における該極性樹脂の溶解性が23.0体積%以上62.0体積%以下であり、
該極性樹脂が、該トナー粒子中に、該結着樹脂100質量部に対して1.00質量部以上20.00質量部以下含有されていることを特徴とする。
<トナー>
以下に本発明のトナーについて詳細に説明する。
また、上記式(1)乃至(3)中のR1からR30は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。これにより、立体障害による影響を抑えることができるため、トナー表面近傍に芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物が安定して存在させやすくなるため、好ましい。また、芳香族オキシカルボン酸(A)は、下記式(4)で表される構造を有することが好ましい。芳香族オキシカルボン酸(A)が上記式(4)の構造を有することで、芳香族の置換基のメチルベンジル基はスチレンとほぼ同じ構造であり、スチレン系の結着樹脂との馴染みやすさは最適状態になるため、より好ましい。更には着色剤との作用において、R1からR30が水素原子であることで立体障害が生じず、何らかの相互作用により着色剤の分散状態を良好にし、着色力に優れるため好ましい。
極性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、トナーの保存性と低温定着性の観点から60℃以上120℃以下であることが好ましく、65℃以上100℃以下であることがより好ましい。
本発明のトナーにおいてはワックスを含有しても良い。その場合、ワックスの少なくとも1つは、融点(温度20乃至200℃の範囲におけるDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークに対応する温度)が30℃以上120℃以下、好ましくは50℃以上100℃以下であるものが良い。また、室温で固体の固体ワックスが好ましく、特に融点50℃以上100℃以下の固体ワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点で良い。
ワックスの添加量が2質量部未満であるとオフセット防止効果が低下しやすく、30質量部を超える場合では耐ブロッキング効果が低下し、トナーのドラム融着、トナーの現像スリーブ融着を起こしやすい。
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。
以下に、測定方法について説明する。
トルエン−ヘキサン溶解性試験における結着樹脂及び極性樹脂の溶解性を以下のように測定する。
(式I)
ヘキサン濃度(体積%)=[ヘキサンの体積(ml)/{ヘキサンの体積(ml)+トルエンの体積(ml)}]×100
なお、上記条件では、溶解性の初期ヘキサン濃度を0体積%に設定しているが、使用する円筒型ガラス容器のサイズとの関係から、測定サンプルの析出し始めるヘキサン濃度が高濃度となる場合は、初期ヘキサン濃度を適宜選択し、溶解性を測定する。具体的には、初期ヘキサン濃度を0体積%に設定した場合と同じ濃度(測定サンプル0.4gに対し、トルエン60mL)の測定サンプルのトルエン溶液をまず作製する。そこにヘキサンを予め添加し、初期ヘキサン濃度を適宜調整したものを測定サンプルとして用いる。
(極性樹脂のガラス転移温度の測定方法)
本発明における極性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量(DSC)測定により求めることが可能である。
酸価は、試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。すなわち、試料1g中に含有されている遊離脂肪酸及び樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を酸価という。
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
(A)本試験
試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
試料を添加しない(すなわち、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
ここで、AV:酸価(mgKOH/g)、A:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、B:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
極性樹脂の水酸基価は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
(a)アセチル化試薬の調製
無水酢酸25mlをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる(場合によっては、ピリジンを追加しても良い)。アセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスおよび酸の蒸気に触れないようにし、褐色びんに保存する。
(b)フェノールフタレイン溶液の調製
フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95体積%)100mlに溶かす。
(c)0.2モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の調製
水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJISK 8006によって行う。
試料0.5〜20gを丸底フラスコに正しくはかりとり、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱をうけて温度の上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付け根にかぶせる。1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を行うため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後、エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬として0.2モル/リットルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。なお、本試験と並行して空試験を行う。場合によっては、指示薬としてKOH−THF溶液にしても構わない。
A={(B−C)×f×28.05/S}+D
A;水酸基価(mgKOH/g)
B;空試験の0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の使用量(ml)
C;本試験の0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の使用量(ml)
f;0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S;試料(g)
D;酸価(mgKOH/g)
(GPCによる極性樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量の測定)
本発明における極性樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、以下の手順に従って、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定する。
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
本発明における、芳香族オキシカルボン酸(A)、極性樹脂及び結着樹脂の構造解析はNMR測定による組成比の解明によって算出する。
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :1024回
測定温度 :60℃
試料 :測定試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒としてCDCl3を添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
トナー1g中から0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液によって抽出されるオキシカルボン酸量は、以下の方法によって測定される。
(トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)の測定)
トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)で、グラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
下記式(4)の化合物41.3g(0.12mol)及び水酸化ナトリウム7.2g(0.18mol)を水300mlに加え、50℃に加熱し溶解させた。一方硫酸アルミニウム10.3g(0.03mol)を水300mlに加え、50℃に加熱し溶解させた。この後者の溶液に、前者の溶液、すなわち3,5−ジ−tert−ブチルサルチル酸を溶解させた溶液を、20分間で滴下した。
・機種:Agilent 1200SL−HPLC/6130MSD(Agilent Technologies社製)
・カラム:ZORBAX Eclipse Plus C18(1.8μm、100×4.6mmI.D)(Agilent Technologies社製)
・溶離液:MeOH/H2O(0.1体積% Formic acid)=90/10
・流量:1.0mL/min
・カラム温度:30℃
〔芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例2〕
硫酸アルミニウム10.3g(0.03mol)を三塩化チタン9.3g(0.06mol)に変更した以外は芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例1と同様にし、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物2を得た。
硫酸アルミニウム10.3g(0.03mol)を二塩化ニッケル7.8g(0.06mol)に変更した以外は芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例1と同様にし、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物3を得た。
上記式(4)の化合物41.3g(0.12mol)を、3,5−ジ−tert−ブチルサルチル酸[式(5)]30g(0.12mol)に変更した以外は芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例1と同様にし、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物4を得た。
上記式(4)の化合物41.3g(0.12mol)を下記式(6)の化合物34.1g(0.12mol)にした以外は芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例1と同様にし、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物5を得た。
上記式(4)の化合物41.3g(0.12mol)を上記式(7)の化合物35.0g(0.12mol)にした以外は芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例1と同様にし、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物6を得た。
芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物1を41.5質量部と、金属原子に配位も結合もしていない式(4)の構造を有する芳香族オキシカルボン酸(A)8.5質量部を、メチルアルコール溶液50重量部と共に充分に混合した。その後、その混合液を、噴霧乾燥を行って電荷制御組成物1を得た。得られた電荷制御組成物1の組成は表1に示す。
芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物および芳香族オキシカルボン酸(A)の種類や量を表1に記載のように変更する以外は電荷制御組成物の製造例1と同様にすることで電荷制御組成物2〜12を得た。電荷制御組成物2〜12の組成は表1に示す。
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレープ中に、
・テレフタル酸:24質量部
・イソフタル酸:24質量部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物:89.5質量部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド3モル付加物:21.5質量部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.035質量部
を仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で210℃で23時間反応を行い、その後シュウ酸チタン酸カリウムを0.005質量部追加し、220℃で1.0時間反応させ、更に10〜20mmHgの減圧下で1.5時間反応させた。その後、180℃に降温し、無水トリメリット酸を0.03質量部添加して、180℃で1.5時間反応させ、ポリエステル系樹脂である極性樹脂1を得た。得られた極性樹脂1の物性を表2に示す。
無水トリメリット酸の添加量を0.15質量部に変更した以外は極性樹脂1と同様の製造方法で、ポリエステル系樹脂である極性樹脂2を得た。得られた極性樹脂2の物性を表2に示す。
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物の添加量を90.5質量部、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド3モル付加物の添加量を20.5質量部、無水トリメリット酸を0.08質量部に変更した以外は極性樹脂1と同様の製造方法で、ポリエステル系樹脂である極性樹脂3を得た。得られた極性樹脂3の物性は表2に示す。
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレープ中に、
・テレフタル酸:24質量部
・イソフタル酸:24質量部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物:7.5質量部
・ビスフェノールA−エチレンオキサイド2モル付加物:55.5質量部
・エチレングリコール:8.0質量部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.035質量部
を仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で210℃で23時間反応を行い、その後シュウ酸チタン酸カリウムを0.005質量部追加し、220℃で1.0時間反応させ、更に10〜20mmHgの減圧下で1.5時間反応させた。その後、180℃に降温し、無水トリメリット酸を0.10質量部添加して、180℃で1.5時間反応させ、ポリエステル系樹脂である極性樹脂4を得た。得られた極性樹脂4の物性は表2に示す。
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた1Lフラスコに
・トルエン:100質量部
・スチレン:91.7質量部
・メチルメタクリレート:2.50質量部
・メタクリル酸:3.30質量部
・アクリル酸−2−エチルヘキシル:2.50質量部
・ジブチルパーオキサイド:6.0質量部
を仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、イソプロピルアルコールで洗浄後、40℃で96時間減圧乾燥した。その乾燥された樹脂をハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物を更に40℃で48時間減圧乾燥し、スチレン−アクリル系樹脂である極性樹脂5を製造した。得られた極性樹脂5の物性は表2に示す。
スチレンの添加量を95.7質量部、メタクリル酸の添加量を1.65質量部に変更し、アクリル酸−2−エチルヘキシルを添加しないこと以外は極性樹脂5と同様の製造方法で、スチレン−アクリル系樹脂である極性樹脂6を製造した。得られた極性樹脂6の物性は表2に示す。
スチレンの添加量を92.5質量部、メタクリル酸の添加量を2.48質量部に変更した以外は極性樹脂5と同様の製造方法で、スチレン−アクリル系樹脂である極性樹脂7を製造した。得られた極性樹脂7の物性は表2に示す。
スチレンの添加量を95.9質量部、メタクリル酸の添加量を1.65質量部に変更し、アクリル酸−2−エチルヘキシルを添加しないこと以外は極性樹脂5と同様の製造方法で、スチレン−アクリル系樹脂である極性樹脂8を製造した。得られた極性樹脂8の物性は表2に示す。
シリカ(AEROSIL 200CF、日本アエロジル製)をヘキサメチルジシラザン10部で処理し、その後更にクロロフェニルシリコーンオイル20部で処理して疎水性シリカ1を得た。疎水性シリカ1の一次粒子の平均粒子径は12nm、疎水化度は97であった。
酸化チタン(P25、日本アエロジル製)をトルエン中でγ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン20部で処理した後濾過、乾燥して疎水性酸化チタン1を得た。疎水性酸化チタン1の一次粒子の平均粒子径は25nm、疎水化度は60であった。
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄イオンに対して1.0当量の水酸化ナトリウム溶液(Feに対しP換算で1質量%のヘキサメタリン酸ナトリウムを含有)を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液をpH9に維持しながら、空気を吹き込み、80℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
反応容器に、イオン交換水1000質量部、分散安定剤であるリン酸三ナトリウム15.3質量部ならびに10質量%塩酸を4.9質量部投入し、N2パージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10質量部に8.5質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
・スチレン:48質量部
・カーボンブラック(Orion Engineerred Carbons社製、商品名:Printex35、一次粒径=31nm、pH=9):7質量部
・荷電制御組成物6:0.80質量部
をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、着色剤組成物を得た。
・スチレン:32質量部
・n−ブチルアクリレート:20質量部
・極性樹脂1:5質量部
・合成ワックス(シューマン・サゾール社製、商品名:「サゾールSPRAY30」、融点=98℃):12質量部
を加えた。
表3−1、3−2に記載される通りに、荷電制御組成物、極性樹脂及び着色剤の種類や添加量を変更させた以外はトナー製造例1と同様にしてトナー2〜27を得た。得られたトナー2〜27の物性等については表4に記載した。
着色剤組成物に
・スチレン:20質量部
・n−ブチルアクリレート:32質量部
・極性樹脂1:5質量部
・合成ワックス(シューマン・サゾ−ル社製、商品名:「サゾ−ルSPRAY30」、融点=98℃):12質量部
を加え、トナー製造例1で使用した重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート 1.7質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した以外はトナー製造例1と同様にしてトナー28を得た。得られたトナー28の物性等については表4に示す。
着色剤組成物に
・スチレン:42質量部
・n−ブチルアクリレート:10質量部
・極性樹脂1:5質量部
・合成ワックス(シューマン・サゾ−ル社製、商品名=「サゾ−ルSPRAY30」、融点=98℃):12質量部
を加え、トナー製造例1で使用した重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート 3.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した以外はトナー製造例1と同様にしてトナー29を得た。得られたトナー29の物性等については表4に示す。
表3−1、3−2に記載されるように、極性樹脂の種類及び添加量やワックスの種類を変更させた以外はトナー製造例1と同様にして外添剤を有するトナー30〜34を得た。得られたトナー30〜34の物性等については表4に記載した。
以下の点以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー35を得た。得られたトナー35の物性等については表4に記載した。
以下の点以外は、トナー製造例1と同様にして外添剤を有するトナー36を得た。得られたトナー36の物性等については表4に記載した。
表3−1、3−2に記載される通りに荷電制御組成物の種類を変更させた以外はトナー製造例1と同様にして外添剤を有するトナー37〜39を得た。得られたトナー37〜39の物性等については表4に記載した。
・スチレン:48質量部
・カーボンブラック(Oorion Engineerred Carbons社製、商品名:Printex35、一次粒径=31nm、pH=9):7質量部
・荷電制御組成物6:0.80質量部
続いて上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて得た、上記重合性単量体組成物に
・スチレン:16質量部
・n−ブチルアクリレート:36質量部
・極性樹脂1:5質量部
・合成ワックス(シューマン・サゾ−ル社製、商品名=「サゾ−ルSPRAY30」、融点=98℃):12質量部
を加え、トナー製造例1で使用した重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート1.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した以外はトナー製造例1と同様にして外添剤を有するトナー40を得た。得られたトナー40の物性等については表4に示す。
・スチレン:48質量部
・カーボンブラック(Oorion Engineerred Carbons社製、商品名:Printex35、一次粒径=31nm、pH=9):7質量部
・荷電制御組成物6:0.80質量部
続いて上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて得た、上記重合性単量体組成物に
・スチレン:45質量部
・n−ブチルアクリレート:7質量部
・極性樹脂1:5質量部
合成ワックス(シューマン・サゾ−ル社製、商品名=「サゾ−ルSPRAY30」、融点=98℃):12質量部
を加え、トナー製造例1で使用した重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート4.2質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した以外はトナー製造例1と同様にして外添剤を有する外添剤を有するトナー41を得た。得られたトナー41の物性等については表4に示す。
表3−1、3−2に記載される通りに、荷電制御組成物、極性樹脂及び着色剤の種類や添加量を変更させた以外はトナー製造例1と同様にして外添剤を有するトナー42〜47を得た。得られたトナー42〜47の物性等については表4に記載した。
トナー1〜36を用いて画像評価を行った。
トナー37〜47を用いて画像評価を行った。
なお、画像評価は以下のようにして行った。
カブリの評価は、以下の方法によって行われた。
(ボタ落ち)
ボタ落ちの評価は、以下の方法によって行われた。
A:画像上にボタ落ちが全く発生せず
B:画像上にボタ落ちが軽微に発生した
C:画像上にボタ落ちが発生した
(潜像担持体へのフィルミング)
潜像担持体へのフィルミングの評価は、以下の方法によって行われた。
A:画像上に潜像担持体周期のスジ状の濃度ムラが全く発生せず
B:画像上に潜像担持体周期のスジ状の濃度ムラが軽微に発生した
C:画像上に潜像担持体周期のスジ状の濃度ムラが発生した
(初期画像濃度)
初期画像濃度は常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)にて後述の評価機を用い、紙上のトナーの載り量が0.33(mg/cm2)となるように調整した全面ベタチャートを1枚印字し、画像濃度を測定した。画像サンプルの画像濃度については東京電色社製のREFLECT METER MODELTC−6DSを使用して濃度を測定した。
A:濃度1.30以上
B:濃度1.20以上1.29以下
C:濃度1.19以下
(画像濃度低下)
画像濃度低下は常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃、湿度60%RH)、高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃、湿度80%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて2枚印刷する度に1分休止する方式で5000枚印刷する耐久試験を行った。この耐久試験の5000枚目及び8000枚目に印刷した画像サンプルについて東京電色社製のREFLECT METER MODELTC−6DSを使用して濃度を測定し、その濃度差を評価した。
A:濃度低下が0.02以下
B:濃度低下が0.03以上0.06以下
C:濃度低下が0.07以上0.10以下
D:濃度低下が0.11以上
(トナー層規制部材へのトナーの融着や固着)
トナー層規制部材へのトナーの融着や固着は、常温常湿環境下(N/N)、高温高湿環境下(H/H)にて後述の評価機を用い、印字率1%で2枚印刷する度に1分休止する方式で8000枚印刷する耐久試験を行った。この耐久試験の8000枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。このときの常温常湿環境は温度23.5℃,湿度60%RH、高温高湿環境は温度32.5℃,湿度80%RHである。
A:画像上にスジが全く発生せず
B:画像の端部に1本以上2本以下の軽微なスジが発生
C:画像の端部に3本以上4本以下の軽微なスジが発生
D:画像の端部に5本以上のスジが発生
[評価機]
着色剤が磁性体でないトナーを用いた実施例1〜10及び12〜36、比較例1〜9においては以下のように評価した。
・Printex35:(カーボンブラック、Oorion Engineerred Carbons社製、一次粒径=31nm、pH=9)
・Printex150:(カーボンブラック、Oorion Engineerred Carbons社製、一次粒径=25nm、pH=4)
・PY74、155:C.I.Pigment Yellow 74、155
・PR122、150、269:C.I.Pigment Red 122、150、269
・PB15:3:C.I.Pigment Blue 15:3
・カルナウバ1号:株式会社 加藤洋行
Claims (6)
- (a)重合性単量体、着色剤、極性樹脂、及び芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して、重合性単量体組成物の液滴を形成する工程、及び、
(b)該液滴中の重合性単量体を重合してトナー粒子を生成する工程、
を有するトナーの製造方法であって、
該トナー粒子は、結着樹脂、該着色剤、該極性樹脂及び該芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物を含有し、
該芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物は、下記式(1)乃至(3)からなる群より選択される少なくとも一つの構造を有する芳香族オキシカルボン酸(A)が金属原子に配位又は結合してなる化合物であり、
トルエン−ヘキサン溶解性試験における該結着樹脂の溶解性が70.0体積%以上85.0体積%以下であり、
トルエン−ヘキサン溶解性試験における該極性樹脂の溶解性が23.0体積%以上62.0体積%以下であり、
該極性樹脂が、該トナー粒子中に、該結着樹脂100質量部に対して1.00質量部以上20.00質量部以下含有されていることを特徴とするトナーの製造方法。
式(1)
式(2)
式(3)
(式(1)乃至(3)中、R1〜R30は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す) - 該芳香族オキシカルボン酸(A)が、下記式(4)で表される構造を有することを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法。
式(4)
- 該芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物中の金属原子が、Al、Zr、Cr、Si、Ti及びFeからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法。
- 該トナー粒子は、更に金属原子に配位も結合もしていない芳香族オキシカルボン酸(A)を含有し、
該芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物と、金属原子に配位も結合もしていない該芳香族オキシカルボン酸(A)の質量比(芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の質量:金属原子に配位も結合もしていない芳香族オキシカルボン酸(A)の質量)が、75.0:25.0乃至99.7:0.3であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。 - 0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によって該トナーから抽出される該芳香族オキシカルボン酸(A)の抽出量が、該トナー1g当たり0.100mg以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
- トルエン−ヘキサン溶解性試験における該極性樹脂の溶解性が30.0体積%以上55.0体積%以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトナーの製造方法。
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