JP6120701B2 - トナーの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真法、静電記録法またはトナージェット法の如き画像形成方法に用いられるトナー及びトナーの製造方法に関する。
近年、高温高湿環境下および低温低湿環境下においても良好な画像を得ることが求められている。これに対して、荷電制御剤をトナーに含有させることで、トナーの帯電安定性を向上させることが検討される。
例えば、トナー中に芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物と芳香族オキシカルボン酸を含有させることで、高湿下でのトナーの摩擦帯電量の低下、及び、低湿下でのトナーの帯電速度の低下を抑制することが知られている(特許文献1参照)。
また、トナー粒子にオキシカルボン酸及びスルホン酸基を有する重合体を含有させ、オキシカルボン酸のトナー表面での存在量を最適化することで、環境安定性や帯電特性に優れたトナーが得られることが記載されている(特許文献2参照)。
その他にも、トナーの帯電安定性を改善するために、オキシカルボン酸の金属塩をトナーに含有させることが提案されている(特許文献3〜5参照)。
特開平09−022149号公報 特開2002−182420号公報 特開平11−044970号公報 特開平08−110656号公報 特開平03−221967号公報
一方で、画像形成装置の小型化が求められており、特に、画像形成装置の小型化への対応の一つとして、画像形成装置に搭載されるトナー量を減らすことが考えられる。
しかしながら、トナーの量を少なくしてしまうと、トナーが現像器内の撹拌部材等に接触する機会が増えるため、トナーが劣化しやすくなる。そして、その結果、高温高湿環境下および低温低湿環境下におけるカブリや濃度ムラ、トナー担持体やトナー層規制部材の如き部材の汚染が生じやすくなってしまう。
これに対して、本発明の目的は、上記の如き課題を解決することができるトナー及びトナーの製造方法を提供することにある。
即ち、本発明の目的は、少量のトナーであっても十分な画像濃度が得られ、且つ、高温高湿環境下および低温低湿環境下におけるカブリや濃度ムラ、及び、トナー担持体やトナー層規制部材の如き部材の汚染を改善することが可能なトナーを提供することにある。また、本発明の目的は、該トナーの製造方法を提供することにある。
上記の目的は、以下の本発明によって達成される。
本発明は、(a)重合性単量体、着色剤、極性樹脂、及び芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して、重合性単量体組成物の液滴を形成する工程、及び、(b)該液滴中の重合性単量体を重合してトナー粒子を生成する工程を有するトナーの製造方法であって、該トナー粒子は、結着樹脂、該着色剤、該極性樹脂及び該芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物を含有し、該芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物は、下記式(1)乃至(3)からなる群より選択される少なくとも一つの構造を有する芳香族オキシカルボン酸(A)が金属原子に配位又は結合してなる化合物であり、トルエン−ヘキサン溶解性試験における該結着樹脂の溶解性が70.0体積%以上85.0体積%以下であり、トルエン−ヘキサン溶解性試験における該極性樹脂の溶解性が23.0体積%以上62.0体積%以下であり、該極性樹脂が、該トナー粒子中に、該結着樹脂100質量部に対して1.00質量部以上20.00質量部以下含有されていることを特徴とするトナーの製造方法に関する。
式(1)
式(2)
式(3)
(式(1)乃至(3)中、R〜R30は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)。
本発明は、少量のトナーであっても十分な画像濃度が得られ、且つ、高温高湿環境下および低温低湿環境下におけるカブリや濃度ムラ、及び、トナー担持体やトナー層規制部材の如き部材の汚染を改善することが可能なトナーを提供することができる。また、上記の特性を有するトナーの製造方法を提供することができる。
本発明のトナーは、
(a)重合性単量体、着色剤、極性樹脂及び芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して、該重合性単量体組成物の液滴を形成する工程、及び、
(b)該液滴中の重合性単量体を重合して得られるトナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子は、結着樹脂、該着色剤、該極性樹脂及び該芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物を含有し、
該芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物は、下記式(1)乃至(3)からなる群より選択される少なくとも一つの構造を有する芳香族オキシカルボン酸(A)が金属原子に配位又は結合してなる化合物であり、
トルエン−ヘキサン溶解性試験における該結着樹脂の溶解性が70.0体積%以上85.0体積%以下であり、
トルエン−ヘキサン溶解性試験における該極性樹脂の溶解性が23.0体積%以上62.0体積%以下であり、
該極性樹脂が、該トナー粒子中に、該結着樹脂100質量部に対して1.00質量部以上20.00質量部以下含有されていることを特徴とする。
式(1)
式(2)
式(3)
(式(1)乃至(3)中、R〜R30は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す。)
<トナー>
以下に本発明のトナーについて詳細に説明する。
トナーが上記の構成を有することによって効果が発現し得る理由は、必ずしも明確にはなっていないが、本発明者らは次のように考えている。
本発明では、トナーに優れた帯電性を持たせるために、トナー中に芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物を含有させているが、ここで、トナー中における芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の分散状態が重要となる。具体的には、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物をトナーの表面及びトナーの表面近傍に偏在させることが重要である。
しかしながら、このように芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物が偏在していたとしても、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物が凝集している場合、芳香族オキシカルボン酸の金属化合物が場所によって存在状態が異なってしまう。すなわち、トナー中に、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物が多く存在している部分とほとんど存在していない部分が存在することになる。このような場合、トナーの帯電性がトナー表面の位置によって異なってしまうため、その結果、個々のトナーの帯電性にばらつきが生じやすくなる。
そのため、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物を、トナーの表面及びトナーの表面近傍に偏在させつつ、且つ、凝集することなく、均一に分散させることが重要となる。
芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物を、トナーの表面及びトナーの表面近傍において、凝集することなく、均一に分散させるためには、トナー中で最も含有量の多い結着樹脂と芳香族オキシカルボン酸の金属化合物との親和性を高くする必要がある。
そこで、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の構造中に、結着樹脂の構造に類似する部分を持たせることで、結着樹脂との親和性が高くなり、結着樹脂中でより均一に分散しやすくなる。
一般的に、トナーの結着樹脂としては、スチレン−アクリル系樹脂及び芳香族ポリエステル系樹脂の如き芳香族系樹脂が用いられる。
芳香族オキシカルボン酸(A)の構造において、芳香環上の置換基がアルキル基の1置換体または2置換体である場合、芳香族系樹脂である結着樹脂とは該芳香族オキシカルボン酸の芳香環が類似するのみであり、結着樹脂との親和性が十分とは言えない。
それに対して、芳香族オキシカルボン酸の構造において、芳香環上に存在する置換基がアラルキル基の1置換体である場合、置換基として芳香環が加わるため、芳香族系樹脂である結着樹脂との親和性は向上するものの、更に親和性を向上させる必要がある。
本発明では、芳香族オキシカルボン酸の構造において、芳香環上に存在する置換基が置換又は無置換のメチルベンジル基の2置換体にすることで、芳香族オキシカルボン酸の金属化合物の結着樹脂中における分散性を更に向上させている。
これは、メチルベンジル基の2置換体とすることで、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の平面性が高まり、分子間におけるπ−π相互作用がより強くなるため、結着樹脂との親和性が一層向上するためであると考えられる。
また、芳香環上に存在する置換基がメチルベンジル基の2置換体であると疎水性が高くなるため、空気中の水分による帯電性への影響も小さくなる。更には2つのメチルベンジル基によるπ電子共鳴効果が強く、芳香族オキシカルボン酸の部位における帯電制御効果がより一層強いものとなると考えられる。これにより、特に低温低湿環境下においてもチャージアップを抑制できると考えられる。
更には、メチルベンジル基中のメチル基が適度な立体障害を発生させ、メチルベンジル基の熱運動を抑制することで芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物中の金属原子への配位状態が安定的に維持される。そのため、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の性質が高温環境下においても維持されるものと考えられる。
本発明では、結着樹脂が芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物に対して親和性が高いことをトルエン−ヘキサン溶解性試験によって規定している。
具体的には、トルエン−ヘキサン溶解性試験における結着樹脂の溶解性が70.0体積%以上85.0体積%以下であることによって、結着樹脂と芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物との親和性が特に良好になることを見出した。芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物は、トルエンとヘキサンとの混合溶媒において、ヘキサンの濃度が70.0体積%以上85.0体積%以下の領域において最も良く分散する。そのため、トナーに含有される結着樹脂においても、トルエン−ヘキサン溶解性試験における溶解性が上述のように70.0体積%以上85.0体積%以下であることが必要であると考えられる。
トルエン−ヘキサン溶解性試験における結着樹脂の溶解性が70.0体積%未満又は85.0体積%超であると、結着樹脂と芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物との溶媒に対する性質の差が大きいため、親和性が低下してしまうものと考えられる。
上記のように、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物と結着樹脂との親和性を向上させることによって、トナー中に芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物を均一に分散させることが可能となる。
しかしながら、粉砕法で芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物を含有するトナーを製造した場合、ある一定の確率でトナー表面に芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物が露出すると考えられる。露出した芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物が、トナー層規制部材やトナー担持体といった部材に付着することがある。芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物がトナー層規制部材やトナー担持体に付着してしまうと、トナーの帯電性に影響を及ぼし、トナーに適切な帯電性を付与しにくくなる。
それに対し、本発明では、トナーを懸濁重合法で製造する際に、結着樹脂と共に極性樹脂を用いることでコア−シェル構造を形成し、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物のトナー表面への露出を抑制している。
このとき、シェルを形成する極性樹脂はどんなものでも良いというわけではない。
芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物は結着樹脂とは親和性が高いが、一方でエステル結合を有することなどから極性を有しているため、懸濁重合法でトナーを作製した場合、トナー表面やトナー表面近傍に分布しやすくなる。
しかしながら、シェルを形成する極性樹脂の性質が結着樹脂に近いと、結着樹脂との親和性が高いものはシェルを形成する極性樹脂にも分布し易くなる。その結果、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物が、トナー表面に露出する量も増加してしまい、部材を汚染しやすくなる。
そのため、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物は、トナー表面近傍に存在するものの、トナー表面への露出が少ないことが重要となる。
このような構成を有するトナーを得るために、本発明では、トルエン−ヘキサン溶解性試験における極性樹脂の溶解性が23.0体積%以上62.0体積%以下であることが必要であり、好ましくは30.0体積%以上55.0体積%である。すなわち、シェルを形成する極性樹脂の溶解性を結着樹脂の溶解性よりある程度低くすることで、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物のトナー表面への露出を抑えつつ、トナー表面近傍に均一に存在させることで、部材汚染も抑制している。
極性樹脂の溶解性が62.0体積%超であると芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物のトナー表面に露出する量が多くなるため好ましくない。更に、長期使用した場合、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物がトナー表面に露出していると、トナーの劣化によってより芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物が脱離し易く、部材汚染し易い。
また、極性樹脂の溶解性が23.0体積%未満であると、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物のトナー表面近傍に分布する量が減少し、且つ、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物が凝集して存在しやすくなる。そのため帯電性が低下し、帯電分布もブロードになるため、好ましくない。
また、極性樹脂の膜厚は薄すぎるとシェルとしての機能が弱く、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物も露出し易くなり、一方で膜厚が厚すぎると芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物のトナーの帯電性への寄与が不足するため好ましくない。
そのため、極性樹脂が、トナー粒子中に、結着樹脂100質量部に対して1.00質量部以上20.00質量部以下含有されていることが必要であり、2.00質量部以上20.00質量部以下含有されていることが好ましい。これは極性樹脂が、トナー粒子中に、結着樹脂100質量部に対して1.00質量部未満ではシェル層が薄すぎるためシェルとしての機能が弱く、20.00質量部超であるとシェルの膜厚が厚すぎるため帯電制御に対する寄与が不足するためである。
以下に、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の構造について説明する。
芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物は、上記式(1)乃至(3)からなる群より選択される少なくとも一つの構造を有する芳香族オキシカルボン酸(A)が金属原子に配位又は結合してなる化合物である。
芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の具体例としては、以下の(1−1)〜(1−3)、(2−1)〜(2−3)、(3−1)〜(3−3)で示される化合物が好適に挙げられる。
式(1−1)
(式(1−1)中、R’〜R10’、及び、R”〜R10”は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Mは、金属原子を表し、sは0、1又は2を表し、tは1又は2を表し、(At+はH;NH ;アルカリ金属に基づくカチオン;有機アミンに基づくカチオン;又は第4級アンモニウムイオンを表し、Xは0、1又は2を表す。)
式(1−2)
(式(1−2)中、R’〜R10’は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Mは、金属原子を表し、mは3以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。)
式(1−3)
(式(1−3)中、R’〜R10’は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Mは、金属原子を表し、m及びnは、それぞれ独立して、正の整数を表す。)
式(2−1)
(式(2−1)中、R11’〜R20’、及び、R11”〜R20”は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Mは、金属原子を表し、sは0、1又は2を表し、tは1又は2を表し、(At+はH;NH ;アルカリ金属に基づくカチオン;有機アミンに基づくカチオン;又は第4級アンモニウムイオンを表し、Xは0、1又は2を表す。)
式(2−2)
(式(2−2)中、R11’〜R20’は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Mは、金属原子を表し、mは3以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。)
式(2−3)
(式(2−3)中、R11’〜R20’は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Mは、金属原子を表し、m及びnは、それぞれ独立して、正の整数を表す。)
式(3−1)
(式(3−1)中、R21’〜R30’、及び、R21”〜R30”は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Mは、金属原子を表し、sは0、1又は2を表し、tは1又は2を表し、(At+はH;NH ;アルカリ金属に基づくカチオン;有機アミンに基づくカチオン;又は第4級アンモニウムイオンを表し、Xは0、1又は2を表す。)
式(3−2)
(式(1−3)中、R21’〜R30’は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Mは、金属原子を表し、mは3以上の整数を表し、nは1以上の整数を表す。)
式(3−3)
(式(3−3)中、R21’〜R30’は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、Mは、金属原子を表し、m及びnは、それぞれ独立して、1以上の整数を表す。)
また、上記式(1)乃至(3)中のRからR30は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基である。これにより、立体障害による影響を抑えることができるため、トナー表面近傍に芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物が安定して存在させやすくなるため、好ましい。また、芳香族オキシカルボン酸(A)は、下記式(4)で表される構造を有することが好ましい。芳香族オキシカルボン酸(A)が上記式(4)の構造を有することで、芳香族の置換基のメチルベンジル基はスチレンとほぼ同じ構造であり、スチレン系の結着樹脂との馴染みやすさは最適状態になるため、より好ましい。更には着色剤との作用において、RからR30が水素原子であることで立体障害が生じず、何らかの相互作用により着色剤の分散状態を良好にし、着色力に優れるため好ましい。
式(4)
芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物中の金属原子は、芳香族オキシカルボン酸(A)が配位又は結合できる金属原子であることが必要である。その中でも、Al、Zr、Cr、Si、Ca、Ba、Zn、Mg、Ti、Ni及びFeからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子であることが好ましい。また、より好ましくはAl、Zr、Cr、Si、Ti及びFeからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子である。それは、金属原子の酸化数が2以上(より好ましくは3以上)で、且つ周期番号が3以上であると帯電性が高いためである。これは、金属原子の酸化数が大きいほど電子の偏りが大きくなり、周期番号が大きくなるほど電子殻の数が増えるため帯電性向上への影響が大きくなるためと思われる。
また、トナー粒子中における、結着樹脂と極性樹脂の合計の含有量100質量部に対して芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の含有量が0.01質量部以上8.00質量部以下であることが好ましい。また、より好ましくは0.10質量部以上4.50質量部以下であり、更に好ましくは0.10質量部以上2.00質量部以下である。芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の含有量が、上記範囲を満たすことによって、トナー表面における芳香族オキシカルボン酸による存在量が適切になり、良好な帯電性の有するトナーを得ることができるためである。
トルエン−ヘキサン溶解性試験において、芳香族であるトルエンが、溶解性の点でトナーを構成する結着樹脂と類似の性質を有し、且つ極性樹脂を溶解するため、本発明の効果を発現する範囲を検討する指標として適していることを見出した。
一方、貧溶媒としてヘキサンを用いるのは、ヘキサンがトルエンに相溶する溶媒であること、また、極性樹脂が本発明の効果を発現するためには極性により、シェル層形成の程度が判別されなければならないためである。そのため、極性樹脂は非極性溶媒であるヘキサンへの溶解性はあまり高くないことが好ましいためである。
また、トナー粒子が、更に金属原子に配位も結合もしていない芳香族オキシカルボン酸(A)を含有することが好ましい。このとき、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物と、金属原子に配位も結合もしていない芳香族オキシカルボン酸(A)の質量比が75.0:25.0乃至99.7:0.3であることが好ましく、より好ましくは85.0:15.0乃至99.5:0.5である。なお、上記質量比は、(芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の質量):(金属原子に配位も結合もしていない芳香族オキシカルボン酸(A)の質量)のことである。
これは、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物と芳香族オキシカルボン酸(A)が双方存在すると高温高湿環境下における帯電の十分な付与と低温低湿環境下でのチャージアップをさらに抑制することが可能であるため好ましい。具体的には、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物が75.0質量%以上であると芳香族オキシカルボン酸(A)による帯電のリークが強すぎず、高温高湿環境下での帯電性の点で好ましい。また、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物が99.7質量%以下であると低温低湿環境下においてトナーのチャージアップを十分抑制する点で好ましい。
0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によって抽出される芳香族オキシカルボン酸(A)の質量が、トナー1g当たり0.100mg以下であることが好ましい。
これは、抽出される芳香族オキシカルボン酸(A)の質量が、トナー1g当たり0.100mg以下であると、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物及び芳香族オキシカルボン酸(A)のトナー表面への露出が少ないことを意味する。そのため、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物等による部材の汚染を更に抑制することができる。
(極性樹脂)
極性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、トナーの保存性と低温定着性の観点から60℃以上120℃以下であることが好ましく、65℃以上100℃以下であることがより好ましい。
また、極性樹脂の酸価は4mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることが好ましく、5mgKOH/g以上25mgKOH/g以下であることがより好ましい。極性樹脂の酸価が4mgKOH/g以上であると、水系媒体中でトナーを製造する際、トナー粒子表面に極性樹脂を分布させやすく、シェル層としての機能が効率良く発現させやすい。極性樹脂の酸価が30mgKOH/g以下であると、高温高湿環境下での使用において湿度による電荷のリークを抑制することができるため、トナーの帯電性がより向上させることができる。
また、極性樹脂の水酸基価は0mgKOH/g以上45mgKOH/g以下であることが好ましく、5mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であることがより好ましい。極性樹脂の溶解性を調整する方法としては、酸価及び水酸基価を調整する方法があるが、水酸基価の方が極性による影響が酸価よりも小さいため、酸価よりも適用範囲が広く、極性樹脂の溶解性調整が容易であるため好ましい。特に着色剤の分散状態を制御する上でも有用であり、極性樹脂の水酸基価が5mgKOH/g以上30mgKOH/g以下であると、顔料分散性を更に向上させることができる。極性樹脂の水酸基価が45mgKOH/g以下であると、高温高湿環境下での帯電安定性を更に向上させることができるため好ましい。
また、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定された極性樹脂の重量平均分子量(Mw)が6,000以上100,000以下であることが好ましい。また、より好ましくは6,500以上45,000以下であり、更に好ましくは6,500以上25,000以下である。
極性樹脂の重量平均分子量が6,000以上であると、シェルとしての強度が十分であるため長期使用において十分な耐久性を有するので好ましい。また、重量平均分子量が100,000以下であると水系媒体中でトナーを製造する場合、トナー組成物又は重合性単量体組成物の粘度が高くならず、シャープな粒度分布のトナーが得られるので好ましい。極性樹脂の重量平均分子量(Mw)が6,500以上25,000以下であると、定着性、保存性、耐久性の両立の点で優れるため好ましい。
極性樹脂はMw/Mnが1.2乃至5.0であることが好ましく、より好ましくは1.5乃至4.5、さらに好ましくは1.5乃至3.5である。Mw/Mnが1.2以上であることによって、低温定着性および耐ホットオフセット性を更に向上させることが可能である。これは、低分子量側が定着温度の低温側の定着開始点となり、高分子量側が定着温度の高温側の粘性由来の粘りによる耐オフセット性を発現する因子となるためである。Mw/Mnが5.0以下の場合には、シェルが均一に形成されるため、帯電性、耐久性を更に向上させることが可能である。
極性樹脂としては重合性単量体に溶解するものであれば使用可能であるが、非晶性芳香族ポリエステル系樹脂もしくはスチレン−アクリル系樹脂が好ましい。トルエン−ヘキサン溶解性試験における溶解性を制御することにも関連するが、より最適な状態で芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物をトナー中に分布させる点で好ましい。
それは、本発明の芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物は極性基としてはカルボキシル基や水酸基が金属に配位したものであり、特にカルボキシル基は金属に配位し、エステル結合のようになる。それらは、ポリエステル系樹脂の極性基であるエステル結合、カルボキシル基、水酸基と類似し、スチレン−アクリル系樹脂の極性基であるエステル結合、カルボキシル基、水酸基とも類似する。更に、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物のサリチル酸構造に含まれるベンゼン環やメチルベンジル基に含まれるベンゼン環は、極性樹脂の芳香族ポリエステル系樹脂のベンゼン環やスチレン−アクリル系樹脂のベンゼン環と類似する。このことによりトナー表面近傍において、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物は極性樹脂とある程度親和性があり、適度に均一分散し易くなる。
また、極性樹脂がポリエステル系樹脂である場合、構成成分のモノマーとして、全酸モノマー中50mol%以上がイソフタル酸もしくはテレフタル酸であり、全アルコールモノマー中50mol%以上がビスフェノールA系モノマーであることが好ましい。スチレン−アクリル系樹脂である場合は構成モノマーとしてアクリル系モノマーが水酸基もしくはカルボキシル基を有するモノマーを用いて作製された樹脂であることが好ましい。
このことは結着樹脂と極性樹脂の関係についても影響を及ぼすと考えられる。極性樹脂と結着樹脂との密着性と、極性樹脂によって形成されるシェル層としての機能を両立するために、極性樹脂と結着樹脂とがある程度の親和性を有していることが好ましい。更に当然、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物と結着樹脂もある程度親和性が良くなければならない。従って、結着樹脂としては構成モノマーとして、芳香族オキシカルボン酸(A)の置換基であるメチルベンジル基とほぼ構造が同じスチレンとエステル結合を有するアクリル系モノマーを少なくとも含有しているとより一層好ましい。
極性樹脂が非晶性ポリエステル系樹脂である場合の製造方法としては、例えば、カルボン酸化合物とアルコール化合物からの脱水縮合反応を利用する方法、エステル交換反応で製造される。触媒としては、エステル化反応に使う一般の酸性、アルカリ性触媒、例えば酢酸亜鉛、チタン化合物などでよい。好ましくはチタン化合物を用いるのが良い。その後、再結晶法、蒸留法などにより高純度化させてもよい。
ポリエステル系樹脂の組成について以下に説明する。
アルコール成分としては、エチルグリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、水素化ビスフェノールA、下記式(I)
(式中、Rはエチレン又はプロピレン基を示し、x,yはそれぞれ1以上の整数を示し、かつx+yの平均値は2〜10を示す。)で示されるビスフェノール誘導体、又は下記式(II)
で示されるジオールの如きジオール類が挙げられる。
2価のカルボン酸としては、以下のものが挙げられる。
フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸の如きベンゼンジカルボン酸類又はその無水物;アルキルジカルボン酸類又はその無水物;炭素数6〜18のアルキル基又はアルケニル基で置換されたこはく酸もしくはその無水物;不飽和ジカルボン酸又はその無水物。
その中でも、アルコール成分としては前記化学式(I)式で示されるビスフェノール誘導体であることが好ましい。また、酸成分としては、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸又はその無水物、こはく酸、n−ドデセニルコハク酸、又はその無水物、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸の如きジカルボン酸であることが好ましい。
ポリエステル系ユニットは、2価のジカルボン酸及び2価のジオールから合成することにより得ることが可能であるが、場合により、3価以上のポリカルボン酸又はポリオールを本発明に悪影響を与えない範囲で少量使用しても良い。
極性樹脂がスチレン−アクリル系樹脂である場合は、塊状重合、溶液重合といった公知の重合方法を用いることによって製造することが可能である。例えば、ビニル系重合性単量体の混合物に対し、重合開始剤を添加し、加熱することで得ることができる。
スチレン−アクリル系樹脂を製造する際に用いるビニル系重合性単量体としては、公知の単官能性重合性単量体或いは多官能性重合性単量体を使用することが出来る。単官能性重合性単量体としては、スチレン及びスチレン誘導体、アクリル系重合性単量体、メタクリル系重合性単量体、ビニルエステル、ビニルエーテル、ビニルケトンが挙げられる。
極性樹脂として極性を調整する際に用いるビニル系単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートや(メタ)アクリル酸等のカルボキシル基やヒドロキシル基を有するものが用いられると好ましい。これにより適当な極性を有することになり、水系媒体中でのトナー粒子製造時にトナー粒子の表面にシェル層としてきっちり分布することでトナー粒子を安定化させるためにも好ましい。
また、極性樹脂が(メタ)アクリル酸との共重合体であると(メタ)アクリル酸の持つカルボキシル基による水素結合により、トナー表面が強固になり耐久性に優れるため好ましい。ただし、極性樹脂の酸価が30(mgKOH/g)を越えると高温高湿環境下において吸湿性が高まり、トナーの帯電性が低下しやすくなるため好ましくない。
極性樹脂を製造する際に上記した重合性単量体を重合するために用いられる重合開始剤としては、本発明の効果を阻害しない範囲であれば公知の油溶性開始剤及び/又は水溶性開始剤が適宜用いることが可能である。例えば、油溶性開始剤としては、アゾ化合物、過酸化物などが挙げられる。
水溶性開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、2,2’−アゾビス(N,N’−ジメチレンイソブチロアミジン)塩酸塩、2,2’−アゾビスイソブチロニトリルスルホン酸ナトリウム、塩酸塩硫酸第一鉄又は過酸化水素が挙げられる。
(その他)
本発明のトナーにおいてはワックスを含有しても良い。その場合、ワックスの少なくとも1つは、融点(温度20乃至200℃の範囲におけるDSC吸熱曲線の最大吸熱ピークに対応する温度)が30℃以上120℃以下、好ましくは50℃以上100℃以下であるものが良い。また、室温で固体の固体ワックスが好ましく、特に融点50℃以上100℃以下の固体ワックスがトナーの耐ブロッキング性、多数枚耐久性、低温定着性、耐オフセット性の点で良い。
ワックスとしては、公知のワックスを用いることが可能である。具体的には、パラフィンワックス、ポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックスの如きポリメチレンワックス;アミドワックス、ペトロラタム等の石油系ワックスおよびその誘導体;モンタンワックスおよびその誘導体;カルナバワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックスおよびそれらの誘導体;硬化ヒマシ油およびその誘導体;植物ワックス、動物ワックス、高級脂肪酸、長鎖アルコール、エステルワックス、ケトンワックスが挙げられる。
これらのワックスは単独、もしくは併せて用いることができる。
ワックスが炭化水素ワックスであると本発明の効果を顕著に発揮するため好ましい。
これは、トルエンーヘキサン溶解性試験において貧溶媒として用いているヘキサンは炭化水素であり、溶解性の点で炭化水素ワックスと類似の性質を有している。そのため、極性樹脂やトナーを構成する結着樹脂のヘキサンとの相溶性は、極性樹脂やトナーを構成する結着樹脂の炭化水素ワックスとの相溶性を示すことになる。そのため、極性樹脂とトナーを構成する結着樹脂のトルエン−ヘキサンに対する溶解性の差は、トナー中における炭化水素ワックスの状態の指標とすることが可能である。
従って、極性樹脂および結着樹脂のトルエンーヘキサン溶解性における溶解性が本発明の範囲であると、ヘキサンと同じ炭化水素である炭化水素ワックスの、トナーの結着樹脂や極性樹脂に対する相溶性が適切なものとなる。その結果、炭化水素ワックスがトナーのシェル層である極性樹脂中に分布する確率が非常に小さいため炭化水素ワックスがトナー表面に露出したり、極性樹脂に相溶して可塑化することによるシェル層の弱体化する確率がかなり低下する。そのため、トナー担持体やトナー層規制部材等の部材を汚染することが抑制されるため好ましい。また、トナーの結着樹脂中への炭化水素ワックスの相溶部分および非相溶のワックスの分散状態が良好であるため定着性にも優れるため好ましい。
特に、トルエン−ヘキサン溶解性における極性樹脂の溶解性が30.0体積%以上55.0体積%以下で、かつ、ワックスが炭化水素ワックスであることが好ましい。これにより、ワックスのトナー中での分布状態、特にトナーのコア−シェル構造中での分布が最適であり、定着時のワックスの染み出しによる離型層の形成が十分迅速に行われ、特に耐オフセット性に優れる。
本発明のトナー中のワックスの含有量は、2質量部以上30質量部以下が好ましく、5質量部以上20質量部以下がより好ましく、8質量部以上15質量部以下が更に好ましい。
ワックスの添加量が2質量部未満であるとオフセット防止効果が低下しやすく、30質量部を超える場合では耐ブロッキング効果が低下し、トナーのドラム融着、トナーの現像スリーブ融着を起こしやすい。
なお、上記の如き物性を求めるにあたって、ワックスのトナーからの抽出を必要とする場合には、抽出方法は特に制限されるものではなく、任意の方法が扱える。
一例を挙げると、所定量のトナーをトルエンにてソックスレー抽出し、得られたトルエン可溶分から溶剤を除去した後、クロロホルム不溶分を得る。その後、IR法などにより同定分析をする。また、定量に関しては、DSCなどにより定量分析を行う。
本発明ではTAインスツルメンツジャパン社製DSC−2920を用いて測定を行う。
測定方法は、極性樹脂のガラス転移温度(Tg)の算出と同様である。測定時の比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点をガラス転移点とする。また、得られた昇温時のDSC曲線からワックス成分の最大吸熱ピーク温度を得る。
本発明のトナーは、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物以外に本発明の効果を阻害しない限りにおいて、公知の荷電制御剤を使用しても良い。
本発明のトナーは、上述の顔料以外に本発明の効果を阻害しない限りにおいて公知の着色剤を用いることが可能である。
イエロー着色剤としては、顔料系としては、縮合アゾ化合物、イソインドリノン化合物、アンスラキノン化合物、アゾ金属錯体メチン化合物、アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。イエロー着色剤として公知の染料を用いても構わない。
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物、ジケトピロロピロール化合物、アントラキノン、キナクリドン化合物、塩基染料レーキ化合物、ナフトール化合物、ベンズイミダゾロン化合物、チオインジゴ化合物、ペリレン化合物が用いられる。
シアン着色剤としては、C.I.Pigment Blue 15:3などの銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物、塩基染料レーキ化合物等が利用できる。
ブラック着色剤としては、カーボンブラック、磁性体が利用でき、公知の染料を用いても構わない。
更に、磁性体としては、表面改質された磁性体であることが好ましい。特に、重合法によりトナーを製造する場合には重合阻害のない表面改質剤により疎水化処理を施したものを用いることが好ましい。このような表面改質剤としては、例えばシランカップリング剤、チタンカップリング剤等を挙げることができる。更に、磁性体は、平均粒径が1μm以下、好ましくは0.1〜1μmのものを用いるとよい。また、磁性体は、795.8kA/m(10kエスルテッド)印加での磁気特性として、保磁力(Hc)が1.59〜23.9Am/g(20乃至300エルステッド)、飽和磁化(σS)が50〜200Am/g、残留磁化(σr)が2〜20Am/gであることが好ましい。
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。
着色剤の添加量は顔料の場合は結着樹脂100質量部に対し1質量部以上20質量部以下となる様に添加して用いられる。着色剤が磁性体の場合は結着樹脂100質量部に対し30質量部以上160質量部以下となる様に添加して用いられる。
また、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物中の芳香族オキシカルボン酸(A)が上記式(4)で示される構造である場合、着色剤が、カーボンブラック、C.I.Pigment Yellow 74,93,155,180,185,C.I.Pigment Red 122,150,238,269、C.I.Pigment Violet 19、またはC.I.Pigment Blue 15:3であると顔料分散においても優れ、トナーの着色力に優れるため好ましい。これは、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の顔料との親和性が特に高いためと推測される。その中でも、一次粒径が14nm以上80nm以下、pHが7.0以上11.0以下のカーボンブラック、P.Y.155、180、P.R.122、150、238、269、P.V.19、P.B. 15:3であることがより好ましい。
本発明のトナーにおいては、本発明の効果を阻害しない範囲で各種特性付与を目的として公知の様々な無機、有機の外添剤を用いることが可能である。用いる外添剤としては、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の重量平均粒径の3/10以下の粒径であることが好ましい。この外添剤の粒径とは、走査型電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を意味する。
外添剤の添加量は、トナー100質量部に対し、0.01質量部以上5質量部以下であることが好ましく、より好ましくは0.02質量部以上3質量部以下である。これらの外添剤は単独で用いても、複数併用しても良い。
また、これらの外添剤は疎水化処理されていても良い。
疎水化処理の方法としては、シランカップリング剤、チタンカップリング剤の如き公知のカップリング剤を用いることが可能である。その中でもシリコーンオイルで疎水化度を高くすることで、高湿下での無機微粉体の水分吸着を抑制し、更には規制部材や帯電部材などの汚染が抑制されるため高品位の画像が得られるためより好ましい。
また、本発明のトナーにおいて、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の分布において、トナーの表面積の影響も存在する。その観点から、本発明のトナーは、重量平均粒径(D4)が3.0μm以上9.0μm以下であることが、本発明の効果をより顕著に発揮できるため好ましい。トナーの重量平均粒径(D4)が3.0μm以上であるとトナーの比表面積が大きすぎないため、本発明のトナーのチャージアップ抑制効果が特に有効に働くため好ましい。また、トナーの重量平均粒径(D4)が9.0μm以下であるとトナーの比表面積が小さすぎないため、本発明のトナーの芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物による帯電付与能が特に有効に働くため好ましい。
<トナーの製造方法>
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーを製造する方法としては、懸濁重合法、有機溶剤中に原材料を溶解・分散させたものを水系媒体中において造粒を行いトナー化する懸濁造粒法といったトナーを得る方法が挙げられる。
中でも、懸濁重合法によるトナーの製造が好ましい。これは、製造工程が単純であるため容易に目的のトナーを得られるためである。特に、懸濁造粒法と比較して、有機溶剤を用いることによる脱溶剤工程時の溶剤のトナー表面への染み出しによる本発明の効果の阻害が無い点が好ましい。つまり、脱溶剤工程時の溶剤のトナー表面への染み出しの際、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物のトナー中における分布を乱すことが無いため、結果として帯電性に優れたトナーが得られることとなる。帯電の立ち上がりに優れ、初期画像濃度に優れる。
また、懸濁重合法においては重合性単量体の割合が高く、重合反応初期は芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の分散媒として機能する重合性単量体は多い。しかし、反応が進行するにつれ重合性単量体は減少する。このような状況でも芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物が均一に分散した状態を維持できるのは、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の構造が安定であり、かつ周囲に存在する物質との親和性が良好であることが起因していると考えられる。
<測定方法>
以下に、測定方法について説明する。
(トルエン−ヘキサン溶解性試験における結着樹脂及び極性樹脂の溶解性の測定方法)
トルエン−ヘキサン溶解性試験における結着樹脂及び極性樹脂の溶解性を以下のように測定する。
トルエン60mLを、直径5cm、厚さ1.75mmの円筒型ガラス容器中に入れる。
結着樹脂を0.4g精秤して、上記トルエンが入れられた容器の中に添加し、超音波分散器で5分間混合し、トルエンに結着樹脂を溶解させた測定用サンプル液を調製する。
測定用サンプル液を、粉体濡れ性試験機「WET−101P」(レスカ社製)にセットする。測定用サンプル液を、マグネティックスターラーを用いて、5.0s−1(300rpm)の速度で撹拌する。なお、マグネティックスターラーの回転子として、フッ素樹脂コーティングされた、長さ25mm、最大胴径8mmの紡錘型回転子を用いる。
測定用サンプル液中に、上記粉体濡れ性試験機を通して、ヘキサンを0.8ml/minの滴下速度で連続的に添加しながら波長780nmの光で透過率を測定する。ヘキサン滴下透過率曲線を作成し、透過率が最小となった点でのヘキサン濃度を算出する。
トルエン/ヘキサン混合溶媒におけるヘキサン濃度(体積%)の定義は、下記式Iに従う。
(式I)
ヘキサン濃度(体積%)=[ヘキサンの体積(ml)/{ヘキサンの体積(ml)+トルエンの体積(ml)}]×100
なお、上記条件では、溶解性の初期ヘキサン濃度を0体積%に設定しているが、使用する円筒型ガラス容器のサイズとの関係から、測定サンプルの析出し始めるヘキサン濃度が高濃度となる場合は、初期ヘキサン濃度を適宜選択し、溶解性を測定する。具体的には、初期ヘキサン濃度を0体積%に設定した場合と同じ濃度(測定サンプル0.4gに対し、トルエン60mL)の測定サンプルのトルエン溶液をまず作製する。そこにヘキサンを予め添加し、初期ヘキサン濃度を適宜調整したものを測定サンプルとして用いる。
また、極性樹脂の溶解性については、上記結着樹脂を極性樹脂に変更する以外は同様の方法で測定する。
結着樹脂や極性樹脂の溶解性については、通常、トナーから抽出、分離及び精製して結着樹脂や極性樹脂を得、その測定結果から算出する。もしくは、用いた結着樹脂や極性樹脂が分析などにより判明している場合は、同じ構造、組成および物性の結着樹脂や極性樹脂を作製、もしくは入手して測定し、その結果から算出してもよい。
(極性樹脂のガラス転移温度の測定方法)
本発明における極性樹脂のガラス転移温度(Tg)は、示差走査熱量(DSC)測定により求めることが可能である。
DSC測定では、測定原理から、高精度の内熱式入力補償型の示差走査熱量計で測定することが好ましい。例えば、パーキンエルマー社製のDSC−7やTAインスツルメンツジャパン製のDSC−2920が利用できる。本発明においては、TAインスツルメンツジャパン社製DSC−2920を用いて測定を行う。
測定は、ASTM D3418−82に準じて行う。測定試料を10mg精秤し、アルミパン中に入れ、リファレンスとしてからのアルミパンを用いて、測定範囲30〜200℃で、昇温速度10℃/minで測定を行う。昇温過程で温度40℃〜100℃の範囲において比熱変化が得られる。この時の比熱変化が出る前と出た後のベースラインの中間点の線と示差熱曲線との交点の温度を、ガラス転移温度とする。
(酸価の測定方法)
酸価は、試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。すなわち、試料1g中に含有されている遊離脂肪酸及び樹脂酸などを中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を酸価という。
本発明において酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定する。具体的には以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mlに溶かし、イオン交換水を加えて100mlとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mlの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/l塩酸25mlを三角フラスコに取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
試料2.0gを200mlの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mlを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が約30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を添加しない(すなわち、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)酸価の算出
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
AV=[(B−A)×f×5.61]/S
ここで、AV:酸価(mgKOH/g)、A:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、B:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。
(水酸基価の測定方法)
極性樹脂の水酸基価は以下のように求められる。基本操作は、JIS−K0070に準ずる。
試料1gを規定の方法によってアセチル化するとき水酸基と結合した酢酸を中和するのに要する水酸化カリウムのmg数を水酸基価といい、つぎの試薬、操作および計算式によって試験を行う。
(1)試薬
(a)アセチル化試薬の調製
無水酢酸25mlをメスフラスコ100mlに入れ、ピリジンを加えて全量を100mlにし、十分に振りまぜる(場合によっては、ピリジンを追加しても良い)。アセチル化試薬は、湿気、炭酸ガスおよび酸の蒸気に触れないようにし、褐色びんに保存する。
(b)フェノールフタレイン溶液の調製
フェノールフタレイン1gをエチルアルコール(95体積%)100mlに溶かす。
(c)0.2モル/リットルの水酸化カリウム−エチルアルコール溶液の調製
水酸化カリウム35gをできるだけ少量の水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1リットルとし、2〜3日放置後ろ過する。標定はJISK 8006によって行う。
(2)操作
試料0.5〜20gを丸底フラスコに正しくはかりとり、これにアセチル化試薬5mlを正しく加える。フラスコの口に小さな漏斗をかけ、95〜100℃のグリセリン浴中に底部約1cmを浸して加熱する。このときフラスコの首が浴の熱をうけて温度の上がるのを防ぐために、中に丸い穴をあけた厚紙の円盤をフラスコの首の付け根にかぶせる。1時間後フラスコを浴から取り出し、放冷後漏斗から水1mlを加えて振り動かして無水酢酸を分解する。さらに分解を行うため、再びフラスコをグリセリン浴中で10分間加熱し、放冷後、エチルアルコール5mlで漏斗およびフラスコの壁を洗い、フェノールフタレイン溶液を指示薬として0.2モル/リットルの水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定する。なお、本試験と並行して空試験を行う。場合によっては、指示薬としてKOH−THF溶液にしても構わない。
(3)計算式 つぎの式によって水酸基価を算出する。
A={(B−C)×f×28.05/S}+D
A;水酸基価(mgKOH/g)
B;空試験の0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の使用量(ml)
C;本試験の0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液の使用量(ml)
f;0.5mol/L水酸化カリウムエタノール溶液のファクター
S;試料(g)
D;酸価(mgKOH/g)
(GPCによる極性樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量の測定)
本発明における極性樹脂の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)は、以下の手順に従って、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定する。
室温で24時間かけて、試料をテトラヒドロフラン(THF)に溶解する。得られた溶液を、ポア径が0.2μmの耐溶剤性メンブランフィルター「マイショリディスク」(東ソー社製)で濾過して試料溶液を得る。試料溶液は、THFに可溶な成分の濃度が約0.8質量%となるように調製する。この試料溶液を用いて、以下の条件で測定する。
装置:HLC8120 GPC(検出器:RI)(東ソー社製)
カラム:Shodex KF−801、802、803、804、805、806、807の7連(昭和電工社製)
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
流速:1.0ml/min
オーブン温度:40.0℃
試料注入量:0.10ml
試料の分子量の算出にあたっては、標準ポリスチレン樹脂(例えば、商品名「TSKスタンダード ポリスチレン F−850、F−450、F−288、F−128、F−80、F−40、F−20、F−10、F−4、F−2、F−1、A−5000、A−2500、A−1000、A−500」、東ソ−社製)を用いて作成した分子量校正曲線を使用する。
(芳香族オキシカルボン酸(A)、極性樹脂及び結着樹脂の構造解析)
本発明における、芳香族オキシカルボン酸(A)、極性樹脂及び結着樹脂の構造解析はNMR測定による組成比の解明によって算出する。
芳香族オキシカルボン酸(A)、極性樹脂及び結着樹脂の構造解析は、まず、H−NMRスペクトルや13C−NMRスペクトルを確認することによって極性樹脂及び結着樹脂の組成比を算出した。
H−NMR(核磁気共鳴)スペクトルの測定)
測定装置 :FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数 :1024回
測定温度 :60℃
試料 :測定試料50mgを内径5mmのサンプルチューブに入れ、溶媒としてCDClを添加し、これを40℃の恒温槽内で溶解させて調製する。
<トナーから抽出される芳香族オキシカルボン酸の抽出量の測定方法>
トナー1g中から0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液によって抽出されるオキシカルボン酸量は、以下の方法によって測定される。
即ち、分散剤としてコンタミノン0.04gを加えた0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を容器に50ml用意し、その中にトナー1gを秤量して加え、スターラーを用いて50rpmで撹拌し、均一に分散させる。3時間分散処理を行った後、メンブランフィルター(ポアサイズ:0.45μm)を用いて濾過し、得られた濾液の吸光度を測定する。得られた結果から所定の検量線を用いることによって、トナー1g中から0.1mol/リットルの水酸化ナトリウム水溶液によって抽出されるオキシカルボン酸の質量(mg)を求めることができる。
ろ液の吸光度の測定において測定装置としては例えばUV−3100PC((株)島津製作所製)などの分光光度計を用いた。
(トナーの重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)の測定)
トナーの重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が約1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOM)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液約200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液約30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で約3質量倍に希釈した希釈液を約0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetora150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に所定量のイオン交換水を入れ、この水槽中に前記コンタミノンNを約2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー約10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が約5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)、個数平均粒径(D1)を算出する。尚、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)で、グラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するものではない。なお、以下の実施例等における「部」は「質量部」である。
まず、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物及び極性樹脂の製造例について述べる。
〔芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例1〕
下記式(4)の化合物41.3g(0.12mol)及び水酸化ナトリウム7.2g(0.18mol)を水300mlに加え、50℃に加熱し溶解させた。一方硫酸アルミニウム10.3g(0.03mol)を水300mlに加え、50℃に加熱し溶解させた。この後者の溶液に、前者の溶液、すなわち3,5−ジ−tert−ブチルサルチル酸を溶解させた溶液を、20分間で滴下した。
式(4)
滴下終了後、その混合液を50℃下で3時間撹拌反応させ、その後、70℃に昇温させて、2時間撹拌反応させ、更に90℃に昇温し、更に1時間撹拌反応させた。その後、沈殿物を濾取し、300mlの蒸留水で洗浄し、100乃至120℃で乾燥させることにより、白色粉体を得た。得られた白色粉体50gをクロロホルム100mlに溶解させた。この溶液にメチルアルコール500mlを滴下し、結晶を折出させてそれを濾取した。この操作を3回繰返し、得られた結晶を100乃至120℃で乾燥することにより、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物1を得た。
3回目の濾取の際、ろ液を採取し、以下の分析条件でLC/MSを用いてろ液に上記式(4)の化合物が存在しないことを確認した。
<LC/MS分析条件>
・機種:Agilent 1200SL−HPLC/6130MSD(Agilent Technologies社製)
・カラム:ZORBAX Eclipse Plus C18(1.8μm、100×4.6mmI.D)(Agilent Technologies社製)
・溶離液:MeOH/HO(0.1体積% Formic acid)=90/10
・流量:1.0mL/min
・カラム温度:30℃
〔芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例2〕
硫酸アルミニウム10.3g(0.03mol)を三塩化チタン9.3g(0.06mol)に変更した以外は芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例1と同様にし、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物2を得た。
〔芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例3〕
硫酸アルミニウム10.3g(0.03mol)を二塩化ニッケル7.8g(0.06mol)に変更した以外は芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例1と同様にし、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物3を得た。
〔芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例4〕
上記式(4)の化合物41.3g(0.12mol)を、3,5−ジ−tert−ブチルサルチル酸[式(5)]30g(0.12mol)に変更した以外は芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例1と同様にし、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物4を得た。
式(5)
〔芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例5〕
上記式(4)の化合物41.3g(0.12mol)を下記式(6)の化合物34.1g(0.12mol)にした以外は芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例1と同様にし、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物5を得た。
式(6)
〔芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例6〕
上記式(4)の化合物41.3g(0.12mol)を上記式(7)の化合物35.0g(0.12mol)にした以外は芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の製造例1と同様にし、芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物6を得た。
式(7)
[電荷制御組成物の製造例1]
芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物1を41.5質量部と、金属原子に配位も結合もしていない式(4)の構造を有する芳香族オキシカルボン酸(A)8.5質量部を、メチルアルコール溶液50重量部と共に充分に混合した。その後、その混合液を、噴霧乾燥を行って電荷制御組成物1を得た。得られた電荷制御組成物1の組成は表1に示す。
[電荷制御組成物の製造例2〜12]
芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物および芳香族オキシカルボン酸(A)の種類や量を表1に記載のように変更する以外は電荷制御組成物の製造例1と同様にすることで電荷制御組成物2〜12を得た。電荷制御組成物2〜12の組成は表1に示す。
〔極性樹脂の製造例1〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレープ中に、
・テレフタル酸:24質量部
・イソフタル酸:24質量部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物:89.5質量部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド3モル付加物:21.5質量部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.035質量部
を仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で210℃で23時間反応を行い、その後シュウ酸チタン酸カリウムを0.005質量部追加し、220℃で1.0時間反応させ、更に10〜20mmHgの減圧下で1.5時間反応させた。その後、180℃に降温し、無水トリメリット酸を0.03質量部添加して、180℃で1.5時間反応させ、ポリエステル系樹脂である極性樹脂1を得た。得られた極性樹脂1の物性を表2に示す。
〔極性樹脂の製造例2〕
無水トリメリット酸の添加量を0.15質量部に変更した以外は極性樹脂1と同様の製造方法で、ポリエステル系樹脂である極性樹脂2を得た。得られた極性樹脂2の物性を表2に示す。
〔極性樹脂の製造例3〕
ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物の添加量を90.5質量部、ビスフェノールA−プロピレンオキサイド3モル付加物の添加量を20.5質量部、無水トリメリット酸を0.08質量部に変更した以外は極性樹脂1と同様の製造方法で、ポリエステル系樹脂である極性樹脂3を得た。得られた極性樹脂3の物性は表2に示す。
〔極性樹脂の製造例4〕
減圧装置、水分離装置、窒素ガス導入装置、温度測定装置、撹拌装置を備えたオートクレープ中に、
・テレフタル酸:24質量部
・イソフタル酸:24質量部
・ビスフェノールA−プロピレンオキサイド2モル付加物:7.5質量部
・ビスフェノールA−エチレンオキサイド2モル付加物:55.5質量部
・エチレングリコール:8.0質量部
・シュウ酸チタン酸カリウム:0.035質量部
を仕込み、窒素雰囲気下、常圧下で210℃で23時間反応を行い、その後シュウ酸チタン酸カリウムを0.005質量部追加し、220℃で1.0時間反応させ、更に10〜20mmHgの減圧下で1.5時間反応させた。その後、180℃に降温し、無水トリメリット酸を0.10質量部添加して、180℃で1.5時間反応させ、ポリエステル系樹脂である極性樹脂4を得た。得られた極性樹脂4の物性は表2に示す。
〔極性樹脂の製造例5〕
攪拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管の付いた1Lフラスコに
・トルエン:100質量部
・スチレン:91.7質量部
・メチルメタクリレート:2.50質量部
・メタクリル酸:3.30質量部
・アクリル酸−2−エチルヘキシル:2.50質量部
・ジブチルパーオキサイド:6.0質量部
を仕込み、攪拌、窒素導入下65℃で10時間溶液重合し、内容物をフラスコから取り出し、イソプロピルアルコールで洗浄後、40℃で96時間減圧乾燥した。その乾燥された樹脂をハンマーミルにて粗砕し、該粗砕物を更に40℃で48時間減圧乾燥し、スチレン−アクリル系樹脂である極性樹脂5を製造した。得られた極性樹脂5の物性は表2に示す。
〔極性樹脂の製造例6〕
スチレンの添加量を95.7質量部、メタクリル酸の添加量を1.65質量部に変更し、アクリル酸−2−エチルヘキシルを添加しないこと以外は極性樹脂5と同様の製造方法で、スチレン−アクリル系樹脂である極性樹脂6を製造した。得られた極性樹脂6の物性は表2に示す。
〔極性樹脂の製造例7〕
スチレンの添加量を92.5質量部、メタクリル酸の添加量を2.48質量部に変更した以外は極性樹脂5と同様の製造方法で、スチレン−アクリル系樹脂である極性樹脂7を製造した。得られた極性樹脂7の物性は表2に示す。
〔極性樹脂の製造例8〕
スチレンの添加量を95.9質量部、メタクリル酸の添加量を1.65質量部に変更し、アクリル酸−2−エチルヘキシルを添加しないこと以外は極性樹脂5と同様の製造方法で、スチレン−アクリル系樹脂である極性樹脂8を製造した。得られた極性樹脂8の物性は表2に示す。
〔疎水性シリカ1の製造〕
シリカ(AEROSIL 200CF、日本アエロジル製)をヘキサメチルジシラザン10部で処理し、その後更にクロロフェニルシリコーンオイル20部で処理して疎水性シリカ1を得た。疎水性シリカ1の一次粒子の平均粒子径は12nm、疎水化度は97であった。
〔疎水性酸化チタン1の製造〕
酸化チタン(P25、日本アエロジル製)をトルエン中でγ―メルカプトプロピルトリメトキシシラン20部で処理した後濾過、乾燥して疎水性酸化チタン1を得た。疎水性酸化チタン1の一次粒子の平均粒子径は25nm、疎水化度は60であった。
<磁性酸化鉄1の製造>
硫酸第一鉄水溶液中に、鉄イオンに対して1.0当量の水酸化ナトリウム溶液(Feに対しP換算で1質量%のヘキサメタリン酸ナトリウムを含有)を混合し、水酸化第一鉄を含む水溶液を調製した。水溶液をpH9に維持しながら、空気を吹き込み、80℃で酸化反応を行い、種晶を生成させるスラリー液を調製した。
次いで、このスラリー液に当初のアルカリ量(水酸化ナトリウムのナトリウム成分)に対し1.0当量となるよう硫酸第一鉄水溶液を加えた。スラリー液をpH8に維持して、空気を吹込みながら酸化反応を進め、酸化反応の終期にpHを約6に調整した。シランカップリング剤として、n−C13Si(OCHを磁性酸化鉄100部に対し1.5部添加し、十分撹拌した。生成した疎水性酸化鉄粒子を常法により洗浄、濾過、乾燥した。凝集している粒子を解砕処理した後、温度70℃で5時間熱処理を行って、磁性酸化鉄1を得た。磁性酸化鉄1の平均粒径は0.25μm、磁場79.6kA/m(1000エルステッド)における飽和磁化が67.3Am/kg(emu/g)、残留磁化が4.0Am/kg(emu/g)であった。
(トナー製造例1)
反応容器に、イオン交換水1000質量部、分散安定剤であるリン酸三ナトリウム15.3質量部ならびに10質量%塩酸を4.9質量部投入し、Nパージしながら65℃で60分保温した。TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、12000rpmにて攪拌しながら、イオン交換水10質量部に8.5質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。
続いて、下記材料
・スチレン:48質量部
・カーボンブラック(Orion Engineerred Carbons社製、商品名:Printex35、一次粒径=31nm、pH=9):7質量部
・荷電制御組成物6:0.80質量部
をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて、着色剤組成物を得た。
上記着色剤組成物に
・スチレン:32質量部
・n−ブチルアクリレート:20質量部
・極性樹脂1:5質量部
・合成ワックス(シューマン・サゾール社製、商品名:「サゾールSPRAY30」、融点=98℃):12質量部
を加えた。
別容器中で上記材料を69℃に保温し、TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を用いて、500rpmにて均一に溶解、分散した。これに、重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)2.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
反応容器中の上記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、65℃、Nパージ下において、TK式ホモミキサーにて10000rpmで5分間攪拌し、pH5.5で造粒した。その後、パドル攪拌翼で攪拌しつつ65℃で6時間、さらに90℃に昇温し、6時間反応させた。重合反応終了後、反応容器を冷却した。その後、イオン交換水で洗浄し、乾燥および風力分級し、ブラック着色粒子を得た。
得られたブラック着色粒子100質量部に、まず疎水性酸化チタン1を0.3質量部加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、次に疎水性シリカ1を1.5質量部加え、ヘンシェルミキサー(三井三池社製)で混合し、トナー1を得た。得られたトナー1の物性等については表4に示す。
トルエン−ヘキサン溶解性試験における結着樹脂の溶解性については、まず得られたトナー1をテトラヒドロフランに溶解させ、GPCで分子量及び分子量分布を測定し、NMRで組成を測定する。そして、別途同じ組成及び物性を有するスチレンとn−ブチルアクリレートの共重合体を作製し、それのトルエン−ヘキサン溶解性試験における溶解性をトナー1のトルエン−ヘキサン溶解性試験における結着樹脂の溶解性とした。
具体的には、トナー1のTHF可溶分を分取し、GPCにより分子量を測定し、トナーの結着樹脂であるスチレンとn−ブチルアクリレートの共重合体に相当する分子量、分子量分布を算出した。また、分取した結着樹脂サンプルをH−NMRにより組成分析した。トナー1の場合はMp=25000、Mw=35000、Mn=15000、かつスチレン:n−ブチルアクリレート=80:20(質量比)であった。そこで、スチレン:n−ブチルアクリレート=80:20(質量比)でトルエン中で溶液重合し、トナー1の結着樹脂と同じ分子量および分子量分布を有するポリマーを作製して、トナーの結着樹脂の溶解性試験用サンプルとした。サンプル作製の時に用いた重合開始剤はトナー1と同様にt−ヘキシルパーオキシピバレート(日本油脂社製、商品名「パーヘキシルPV」、分子量:202、10時間半減期温度:53.2℃)とした。
トナー1の物性については表4に記載した。
(トナー製造例2〜27)
表3−1、3−2に記載される通りに、荷電制御組成物、極性樹脂及び着色剤の種類や添加量を変更させた以外はトナー製造例1と同様にしてトナー2〜27を得た。得られたトナー2〜27の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例28)
着色剤組成物に
・スチレン:20質量部
・n−ブチルアクリレート:32質量部
・極性樹脂1:5質量部
・合成ワックス(シューマン・サゾ−ル社製、商品名:「サゾ−ルSPRAY30」、融点=98℃):12質量部
を加え、トナー製造例1で使用した重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート 1.7質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した以外はトナー製造例1と同様にしてトナー28を得た。得られたトナー28の物性等については表4に示す。
(トナー製造例29)
着色剤組成物に
・スチレン:42質量部
・n−ブチルアクリレート:10質量部
・極性樹脂1:5質量部
・合成ワックス(シューマン・サゾ−ル社製、商品名=「サゾ−ルSPRAY30」、融点=98℃):12質量部
を加え、トナー製造例1で使用した重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート 3.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した以外はトナー製造例1と同様にしてトナー29を得た。得られたトナー29の物性等については表4に示す。
(トナー製造例30〜34)
表3−1、3−2に記載されるように、極性樹脂の種類及び添加量やワックスの種類を変更させた以外はトナー製造例1と同様にして外添剤を有するトナー30〜34を得た。得られたトナー30〜34の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例35)
以下の点以外は、トナー製造例1と同様にしてトナー35を得た。得られたトナー35の物性等については表4に記載した。
反応容器に投入するリン酸ナトリウムの添加量を18.4質量部、10質量%塩酸の添加量を5.9質量部に変更した。さらに、イオン交換水10質量部に8.5質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入していたのを、イオン交換水10質量部に10.2質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入することに変更した。
(トナー製造例36)
以下の点以外は、トナー製造例1と同様にして外添剤を有するトナー36を得た。得られたトナー36の物性等については表4に記載した。
反応容器に投入するリン酸ナトリウムの添加量を12.2質量部、10質量%塩酸の添加量を3.9質量部を投入するように変更した。さらに、イオン交換水10質量部に8.5質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入していたのを、イオン交換水10質量部に6.8質量部の塩化カルシウムを溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入することに変更した。
(トナー製造例37〜39)
表3−1、3−2に記載される通りに荷電制御組成物の種類を変更させた以外はトナー製造例1と同様にして外添剤を有するトナー37〜39を得た。得られたトナー37〜39の物性等については表4に記載した。
(トナー製造例40)
・スチレン:48質量部
・カーボンブラック(Oorion Engineerred Carbons社製、商品名:Printex35、一次粒径=31nm、pH=9):7質量部
・荷電制御組成物6:0.80質量部
続いて上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて得た、上記重合性単量体組成物に
・スチレン:16質量部
・n−ブチルアクリレート:36質量部
・極性樹脂1:5質量部
・合成ワックス(シューマン・サゾ−ル社製、商品名=「サゾ−ルSPRAY30」、融点=98℃):12質量部
を加え、トナー製造例1で使用した重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート1.5質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した以外はトナー製造例1と同様にして外添剤を有するトナー40を得た。得られたトナー40の物性等については表4に示す。
(トナー製造例41)
・スチレン:48質量部
・カーボンブラック(Oorion Engineerred Carbons社製、商品名:Printex35、一次粒径=31nm、pH=9):7質量部
・荷電制御組成物6:0.80質量部
続いて上記材料をアトライター分散機(三井三池化工機株式会社)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5時間分散させて得た、上記重合性単量体組成物に
・スチレン:45質量部
・n−ブチルアクリレート:7質量部
・極性樹脂1:5質量部
合成ワックス(シューマン・サゾ−ル社製、商品名=「サゾ−ルSPRAY30」、融点=98℃):12質量部
を加え、トナー製造例1で使用した重合開始剤t−ヘキシルパーオキシピバレート4.2質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した以外はトナー製造例1と同様にして外添剤を有する外添剤を有するトナー41を得た。得られたトナー41の物性等については表4に示す。
(トナー製造例42〜47)
表3−1、3−2に記載される通りに、荷電制御組成物、極性樹脂及び着色剤の種類や添加量を変更させた以外はトナー製造例1と同様にして外添剤を有するトナー42〜47を得た。得られたトナー42〜47の物性等については表4に記載した。
(実施例1〜36)
トナー1〜36を用いて画像評価を行った。
評価結果は表5〜8に示す。
(比較例1〜11)
トナー37〜47を用いて画像評価を行った。
評価結果は表5〜8に示す。
<評価方法>
なお、画像評価は以下のようにして行った。
(カブリ)
カブリの評価は、以下の方法によって行われた。
まず、画像形成装置として後述の評価機を用い、常温常湿環境下(N/N)、高温高湿環境下(H/H)、および、低温低湿環境下(L/L)のそれぞれの環境下にて、印字率1%で2枚印刷する度に1分休止する方式で13000枚印刷する耐久試験を行った。このときの常温常湿環境は温度25.0℃,湿度60%RH、高温高湿環境は温度32.5℃,湿度85%RH、低温低湿環境は温度10℃、湿度10%RHである。この耐久試験後に、該評価機を各環境下において6日間放置した。放置後の1枚目に印刷した画像サンプルのカブリ量を東京電色社製のREFLECT METER MODELTC−6DSを使用して測定し、下記式より算出した。
評価に用いたトナーサンプルは、500mlのポリカップに300gのトナーを入れ、苛酷環境下(温度40℃、湿度95%RH)で30日放置したトナーと未放置の通常トナーの2種類である。
耐久試験に用いた転写材としてはA4サイズの普通紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、GF−C081A4)を用いた。
カブリ量(%)=(プリントアウト前の白色度)−(プリント後の記録材の非画像形成部(白地部)の白色度)
(ボタ落ち)
ボタ落ちの評価は、以下の方法によって行われた。
まず、常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃、湿度60%RH)、高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃,湿度80%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%で2枚印刷する度に1分休止する方式で13000枚印刷する耐久試験を行った。この耐久試験後に、該評価機を各環境下において6日間放置した。放置後の1枚目に印刷した画像サンプルを目視にて評価した。
評価に用いたトナーサンプルは、500mlのポリカップに300gのトナーを入れ、苛酷環境下(温度:40℃、湿度:95%RH)で30日放置したトナーと未放置の通常トナーの2種類である。
転写材としてはA4サイズの用紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、CS−814)を用いた。
A:画像上にボタ落ちが全く発生せず
B:画像上にボタ落ちが軽微に発生した
C:画像上にボタ落ちが発生した
(潜像担持体へのフィルミング)
潜像担持体へのフィルミングの評価は、以下の方法によって行われた。
まず、常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)、低温低湿環境下(L/L:温度15℃、湿度10%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて連続印字にて2000枚印刷する耐久試験を行った。この耐久試験の2000枚目に印刷した画像サンプルを目視にて評価した。
転写材としてはA4サイズの普通紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、GF−C081A4)を用いた。
A:画像上に潜像担持体周期のスジ状の濃度ムラが全く発生せず
B:画像上に潜像担持体周期のスジ状の濃度ムラが軽微に発生した
C:画像上に潜像担持体周期のスジ状の濃度ムラが発生した
(初期画像濃度)
初期画像濃度は常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃,湿度60%RH)にて後述の評価機を用い、紙上のトナーの載り量が0.33(mg/cm)となるように調整した全面ベタチャートを1枚印字し、画像濃度を測定した。画像サンプルの画像濃度については東京電色社製のREFLECT METER MODELTC−6DSを使用して濃度を測定した。
評価に用いたトナーサンプルは、500mlのポリカップに300gのトナーを入れ、苛酷環境下(40℃95%RH)で30日放置したトナーと未放置の通常トナーの2種類である。
転写材としてはA4サイズの普通紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、GF−C081A4)を用いた。
A:濃度1.30以上
B:濃度1.20以上1.29以下
C:濃度1.19以下
(画像濃度低下)
画像濃度低下は常温常湿環境下(N/N:温度23.5℃、湿度60%RH)、高温高湿環境下(H/H:温度32.5℃、湿度80%RH)にて後述の評価機を用い、印字率1%にて2枚印刷する度に1分休止する方式で5000枚印刷する耐久試験を行った。この耐久試験の5000枚目及び8000枚目に印刷した画像サンプルについて東京電色社製のREFLECT METER MODELTC−6DSを使用して濃度を測定し、その濃度差を評価した。
転写材としてはA4サイズの用紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、CS−814)を用いた。
A:濃度低下が0.02以下
B:濃度低下が0.03以上0.06以下
C:濃度低下が0.07以上0.10以下
D:濃度低下が0.11以上
(トナー層規制部材へのトナーの融着や固着)
トナー層規制部材へのトナーの融着や固着は、常温常湿環境下(N/N)、高温高湿環境下(H/H)にて後述の評価機を用い、印字率1%で2枚印刷する度に1分休止する方式で8000枚印刷する耐久試験を行った。この耐久試験の8000枚目の画像サンプルについて目視にて評価した。このときの常温常湿環境は温度23.5℃,湿度60%RH、高温高湿環境は温度32.5℃,湿度80%RHである。
評価に用いたトナーサンプルは、500mlのポリカップに300gのトナーを入れ、苛酷環境下(40℃95%RH)で30日放置したトナーと未放置の通常トナーの2種類である。
転写材としてはA4サイズの普通紙(キヤノンマーケティングジャパン社製、GF−C081A4)を用いた。
A:画像上にスジが全く発生せず
B:画像の端部に1本以上2本以下の軽微なスジが発生
C:画像の端部に3本以上4本以下の軽微なスジが発生
D:画像の端部に5本以上のスジが発生
[評価機]
着色剤が磁性体でないトナーを用いた実施例1〜10及び12〜36、比較例1〜9においては以下のように評価した。
市販のLBP−2710(キヤノン株式会社製)のプロセススピードを220mm/sに改造したものを用い、市販のマゼンタカートリッジからトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、トナーを220g充填した。また、その他のシアン、イエロー、ブラックのカートリッジはトナーを抜いて各ステーションに挿入して、評価を行った。
着色剤が磁性体であるトナーを用いた実施例11、比較例10及び11においては以下のように評価した。
市販のLBP−3410(キヤノン株式会社製)を用い、市販のカートリッジからトナーを抜き取り、エアーブローにて内部を清掃した後、トナー200gを充填し、評価を行った。
なお、表3−1、3−2中における略語は下記のとおりである。
・Printex35:(カーボンブラック、Oorion Engineerred Carbons社製、一次粒径=31nm、pH=9)
・Printex150:(カーボンブラック、Oorion Engineerred Carbons社製、一次粒径=25nm、pH=4)
・PY74、155:C.I.Pigment Yellow 74、155
・PR122、150、269:C.I.Pigment Red 122、150、269
・PB15:3:C.I.Pigment Blue 15:3
・カルナウバ1号:株式会社 加藤洋行

Claims (6)

  1. (a)重合性単量体、着色剤、極性樹脂、及び芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に分散して、重合性単量体組成物の液滴を形成する工程、及び、
    (b)該液滴中の重合性単量体を重合してトナー粒子を生成する工程、
    を有するトナーの製造方法であって、
    該トナー粒子は、結着樹脂、該着色剤、該極性樹脂及び該芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物を含有し、
    該芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物は、下記式(1)乃至(3)からなる群より選択される少なくとも一つの構造を有する芳香族オキシカルボン酸(A)が金属原子に配位又は結合してなる化合物であり、
    トルエン−ヘキサン溶解性試験における該結着樹脂の溶解性が70.0体積%以上85.0体積%以下であり、
    トルエン−ヘキサン溶解性試験における該極性樹脂の溶解性が23.0体積%以上62.0体積%以下であり、
    該極性樹脂が、該トナー粒子中に、該結着樹脂100質量部に対して1.00質量部以上20.00質量部以下含有されていることを特徴とするトナーの製造方法
    式(1)

    式(2)

    式(3)

    (式(1)乃至(3)中、R〜R30は、それぞれ独立して、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表す)
  2. 該芳香族オキシカルボン酸(A)が、下記式(4)で表される構造を有することを特徴とする請求項1に記載のトナーの製造方法
    式(4)
  3. 該芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物中の金属原子が、Al、Zr、Cr、Si、Ti及びFeからなる群より選ばれる少なくとも一つの金属原子であることを特徴とする請求項1又は2に記載のトナーの製造方法
  4. 該トナー粒子は、更に金属原子に配位も結合もしていない芳香族オキシカルボン酸(A)を含有し、
    該芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物と、金属原子に配位も結合もしていない該芳香族オキシカルボン酸(A)の質量比(芳香族オキシカルボン酸(A)の金属化合物の質量:金属原子に配位も結合もしていない芳香族オキシカルボン酸(A)の質量)が、75.0:25.0乃至99.7:0.3であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のトナーの製造方法
  5. 0.1mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液によって該トナーから抽出される該芳香族オキシカルボン酸(A)の抽出量が、該トナー1g当たり0.100mg以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のトナーの製造方法
  6. トルエン−ヘキサン溶解性試験における該極性樹脂の溶解性が30.0体積%以上55.0体積%以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のトナーの製造方法
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