JP2017062365A - 現像方法及び現像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】高速、高画質、高耐久および高環境安定性を満足する現像方法または現像装置を提供すること。【解決手段】トナー担持体25上のトナー層厚をトナー規制部材35により規制し、静電潜像担持体1上に形成された静電潜像を前記トナー担持体上のトナーで現像する現像方法であって、前記トナー規制部材は、体積抵抗率が105Ω・cm以上1010Ω・cm以下の被膜で被覆されており、前記トナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有するトナー母粒子の表面に樹脂微粒子が固着したトナー粒子を有するトナーであり、前記樹脂微粒子が、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下であるイオン性官能基を有する樹脂を含有することを特徴とする。【選択図】図2

Description

本発明は、電子写真、静電荷像を顕像化するための画像形成方法に用いられる現像方法、現像装置に関するものである。
最近の複写機やプリンターには、小型化、軽量化、高信頼性といった要求が強まり、性能に対する要求も厳しいものとなってきている。
例えば、複写機、プリンター、ファクシミリの受信装置などに用いられる電子写真技術は装置の発展とともに利用者からの要求も年々厳しくなっている。近年の動向では、多数枚印刷が可能であること、また、市場の拡大により使用される環境が広がったことから環境に依存しない安定した画像品質を提供する事が強く求められるようになっている。
上記要求を満足させるためには、環境に依存せずに高耐久且つ高画質である現像装置が従来以上に必要とされている。特に、通常の環境のみならず、高温高湿環境下においてもトナーの耐久性が高く、環境差による帯電性能の安定性が高い現像装置が必要とされている。
これまでトナーの帯電均一化、高耐久性を目的として数多く改良が行われている。
現像装置では、例えば特許文献1は、帯電均一化部材、トナー、担持体の摩擦係数を規定した発明が開示されており、トナーを均一に帯電する効果を挙げている。
トナーにおいては、従来から帯電制御剤をトナーに添加することで帯電の安定化を図り、高画質化や、多数枚の印刷後における画質を維持するための検討がなされている。中でも帯電制御樹脂を用いているトナーが有効である。例えば、特許文献2では、ベンジルオキシサリチル酸構造を有する帯電制御樹脂を含有したトナーが提案されている。これによると、良好な帯電性を有し、高温高湿下で保管した場合でも流動性の低下を抑制することができ、帯電性能の安定化を図ることができる。また、特許文献3では、トナー内部に発電機能を有する樹脂を有し、トナー表面に帯電の散逸機能を有する樹脂粒子が固着されたトナーが提案されている。これによると、トナー表面の電荷密度が適度に低く保たれ、多数枚印字後に外添剤が埋め込まれても静電凝集を抑制し、画像不良が起こりにくく、通常の環境においては耐久性が向上している。
しかしながら、これらの方法においては、苛酷な環境下における帯電性能の安定性や耐久性が十分とはいえなかった。特に、プロセススピードを速めた場合、高温高湿環境下では多数枚印刷後の耐久性が不十分で、画像安定性が満足のいくものではなかった。
特開2000−275964号公報 特開2012−256044号公報 特開2011−137967号公報
本発明は、上記状況を鑑み、高速、高画質、高耐久および高環境安定性を満足する現像方法または現像装置を提供することを目的とする。
本発明は、トナー担持体上のトナー層厚をトナー規制部材により規制し、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を前記トナー担持体上のトナーで現像する現像方法であって、
前記トナー規制部材は、体積抵抗率が105Ω・cm以上1010Ω・cm以下の被膜で被覆されており、前記トナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有するトナー母粒子の表面に、樹脂微粒子が固着したトナー粒子を有するトナーであり、
前記樹脂微粒子が、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下であるイオン性官能基を有する樹脂を含有することを特徴とする現像方法に関する。
また、本発明は、静電潜像担持体、トナー担持体、及び、前記トナー担持体に当接し、トナーを規制するトナー規制部材を備えた現像装置において、
前記トナー規制部材は、体積抵抗率が105Ω・cm以上1010Ω・cm以下の被膜で被覆された規制部材であり、
前記トナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有するトナー母粒子の表面に、樹脂微粒子が固着したトナー粒子を有するトナーであり、
前記樹脂微粒子が、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下であるイオン性官能基を有する樹脂を含有することを特徴とする現像装置に関する。
本発明によれば、高速化したプリンタにおいて、通常の環境のみならず苛酷な環境下においてもトナーの帯電性が安定しており、高画質、耐久性が十分な現像方法または現像装置が得られる。
実施例に係るプロセスカートリッジを装着した電子写真画像形成装置の構成を説明する図である。 実施例に係る現像装置を含んだプロセスカートリッジを説明する図である。 実施例に係るトナー規制部材を拡大し説明する図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明は、トナー規制部材表面の体積抵抗値を適正なものとし、かつトナー母粒子の表面に、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下であるイオン性官能基を有する樹脂を含有する樹脂微粒子を固着させたトナーを使用することで、トナーとトナーを帯電付与する現像構成部材の両面からトナーの帯電均一性を高めることができる。一成分現像方法においては、ブレードへ電荷を印加する場合にトナーに電荷注入することで帯電性を付与する。また、トナー担持体とトナー規制ブレードの間で摺擦をうけることでもトナーに帯電性が付与される。
トナー自体に均一に帯電する特性を持たせることも重要であるが、トナー規制部材の様にトナーの帯電に関与する現像構成部材においてもトナーを均一に帯電させる特性を持たせることも重要である。トナー規制部材の様な現像構成部材の帯電付与性能が不十分であると、トナーが優れた帯電特性をもっていたとしても、その性能を十分に発揮できない場合がある。
(トナー規制部材)
本発明においては、まずトナー規制部材の表面が体積抵抗率が105Ω・cm以上1010Ω・cm以下の被膜で覆われていることが必要である。この範囲に有るとブレードへ電荷を印加する場合に効率良く電荷が注入され、トナーへの余分な電荷蓄積(チャージアップ)が抑制される。結果として、トナーが均一に帯電するため、画像弊害が起きにくい。
体積抵抗率が105Ω・cm未満であると、ブレードへ電荷を印加する場合に効率良く電荷が注入されトナーを効率良く帯電させることができる。一方で、トナーからの電荷放出(リーク)が置きやすく、帯電量が低下する部分も発生し、トナーの帯電の均一性が損なわれ、白地部へのカブリの現象が起きる場合がある。特に、高温高湿環境下においては、より悪化することがある。
逆に体積抵抗率が1010Ω・cmを超えると、ブレードへ電荷を印加する場合に電荷が注入されずらく、トナーを十分に帯電させることができなくなる。
本発明においては、トナー規制部材表面の被膜の動摩擦係数μが0.10以上0.40以下であることが好ましい。現像工程において、トナーに加わるストレスは、トナーと規制手段の摩擦力が大きく関与し、この摩擦を制御することが重要であると考えられる。
トナー規制部材表面の被膜の動摩擦係数μが0.40を超えると、トナー規制手段上にトナーが固定化し、相対するトナー担持体へトナーをこすりつける形になり、担持体上にスジ状の融着が発生し画像の均一性が悪化する場合がある。0.10未満であると、トナーのストレスは軽減するが、高温環境下等では接触面積が多くトナーや外添剤との付着力が高まり溜め込みやすくなるため、汚れによる画像の悪化が起こる場合がある。また、トナーとトナー規制部材の摩擦によるトナー帯電付与性が低下し、転写不良やカブリ等の画像弊害が起きやすい場合がある。
本発明のトナー規制部材は、トナー担持体との当接面から先端部に亘って樹脂を主成分とする被膜で被覆されていることが好ましい。被膜がトナー担持体との当接面から先端部に亘って被覆されていることで、トナー担持体との間に一定のトナー取込み口を確保し、トナー担持体上のトナー量を適正且つ均一にすることができる。結果としてトナー担持体上のトナーの帯電性も均一にすることができる。更に、被膜は、トナー規制部材の基材の角(エッジ)を覆うように被覆されるため、トナーの取り込みを容易とし、トナー担持体上に均一な厚さのトナー層を形成することができるため好ましい。
本発明のトナー規制部材の基材は、規制部材を支持可能な強度を有するものであれば、特に限定されるものではない。トナー規制部材の基材は、例えば、現像容器の開口縁部に固定され、開口縁との接線を支点(線)として現像容器の開口に配置されるトナー担持体にトナー規制部材が所望の圧接力Fを持って当接するように、トナー規制部材を支持するものが好ましい。このような構成により、トナー担持体との間で、トナーを均一な電荷に帯電することが容易となる。
トナー規制部材の基材の材質としては、金属、樹脂などいずれであってもよく、具体的には、ステンレススチール、りん青銅、アルミ等の金属や、ポリエチレンテレフタレート、アクリル、ポリエチレン、ポリエステル等の樹脂を挙げることができる。基材はトナー規制部材の電極として作用するように、所望の導電性を有することが好ましく、樹脂製の場合は、導電剤を含有することが好ましい。
トナー規制部材の基材の形状は、トナー規制部材をトナー担持体と所望の圧接力で当接可能な形状であれば、いずれの形状であってもよいが、平板状又はこれを湾曲した板状であることが好ましい。
トナー規制部材の基材に被覆する被膜の主成分は、樹脂を主成分とするものであることが好ましい。樹脂を使用する理由は、被膜の成形が容易であるだけでなく、本発明に必要な体積抵抗率に被膜をコントロールすることが可能となる為である。
樹脂の導電性が十分でない場合は、樹脂に導電剤を含有させることが好ましい。
上記被膜に用いる樹脂として導電剤と共に使用することが好ましいものとしては、例えば、以下のものを挙げることができる。ポリエステル、ポリエステルエラストマー、ポリエチレンテレフタレート、ポリウレタン、シリコンゴム、シリコン樹脂、ポリアミド、ポリアミドエラストマー、メラミン樹脂等があげられる。
この中でも、本発明においては、エラストマーを使用することがさらに好ましい。エラストマーはゴム弾性を持つ材料であり、画像形成時や現像装置の輸送時にトナー担持体やトナーへのダメージを軽減することができる。また、適切な動摩擦係数にコントロールすることが可能となる為、好ましい。
また、導電性を備え、導電剤の使用を不要とする樹脂としては、例えば、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリン等を挙げることができる。
上記樹脂は導電性の有無を問わず、2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記樹脂として、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンのいずれかを使用する場合、樹脂全体を100質量部としたとき、50質量部以上含有することが、被膜に良好な導電性を付与することができ好ましい。
上記樹脂に含有させる導電剤としては、電子導電系、イオン導電系いずれも使用することができる。具体的には、電子導電系導電剤としては、カーボンブラック、グラファイト、導電性酸化チタン等の金属酸化物、金属粉等を挙げることができる。
イオン導電系導電剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド等の陽イオン性界面活性剤、ラウリルベタイン等の両性イオン界面活性剤、過塩素酸テトラエチルアンモニウム等の第四級アンモニウム塩、過塩素酸リチウム、イミドリチウム塩等のスルホン酸塩等の有機酸リチウム塩、有機ホウ素錯体リチウム塩等を挙げることができる。これらは1種又は2種以上を組み合わせて、使用することができる。
これらの導電剤は、トナー規制部材の被膜が105Ω・cm以上1010Ω・cm以下、より好ましくは、106Ω・cm以上109Ω・cm以下の体積抵抗率を有するように、その使用量を調整することができる。導電剤の使用量としては、使用する樹脂や導電剤の種類により適量を選択することが好ましい。
(トナー)
本発明で使用するトナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有するトナー母粒子の表面に、樹脂微粒子を固着させることにより得られたトナー粒子を有するトナーで、前記樹脂微粒子が、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下であるイオン性官能基を有する樹脂を含有することが必要である。
トナーの帯電は、トナー規制部材のような現像構成部材からの注入帯電や摩擦帯電によって生じる。本発明のように帯電制御剤として機能する樹脂微粒子をトナー母粒子の表面に固着させ存在させることが、トナー粒子の内部に存在させるよりも、トナーを均一且つ効率的に帯電させることが可能である。特に、本発明のトナー規制部材が持つトナーを均一に帯電させる特性を発揮しやすい。
帯電制御剤として機能する樹脂微粒子としては、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下であるイオン性官能基を有する樹脂を含有する樹脂微粒子であることが必要である。
この範囲内であれば、環境に依らず、トナーを均一且つ効率的に帯電させることが可能である。特に、高湿環境で優れた帯電性能を発揮する。
一般的にイオン性官能基を有する樹脂としては、スルホン酸やカルボン酸などの官能基を有したものが多く用いられている。しかしこのような樹脂は水分を吸着し易く、高温高湿下ではその影響で帯電量が低下する場合がある。しかしpKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下であれば、樹脂の吸湿性を低減し、高湿環境での帯電量の低下を抑制できる。
pKa(酸解離定数)が6.0未満の場合、水分吸着量が増え、高湿下で帯電性低下してしまう。pKa(酸解離定数)が9.0を超える場合、帯電能力低く、本発明のトナー規制部材を使用したとしても十分な帯電量を発現することができない。
pKa(酸解離定数)の求め方は後述するが、中和滴定結果から求めることができる。
イオン性官能基を有する樹脂としては、上記pKa(酸解離定数)を満たすものであればどのようなものでも構わない。例えば、芳香環に結合した水酸基や、芳香環に結合したカルボキシル基を有する樹脂がpKa(酸解離定数)を上記範囲することができる。
pKaが6.0以上9.0以下の樹脂の中でも、分子構造として下記構造式(1)で示される1価の基aを有する重合体Aを含むことがより好ましい。
Figure 2017062365
(式(1)中、R1は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、R2は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、gは1以上3以下の整数を表し、hは0以上3以下の整数を表す。hが2または3である場合、h個のR1は、同一であっても異なっていてもよい。)
1及びR2におけるアルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられ、アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
式(1)で示される1価の基aのより好ましい構造は、R1が、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、R2は、水素原子を表し、gは、1以上3以下の整数を表し、hは0以上3以下の整数を表し、hが2または3の場合、h個のR1は、同一であっても異なっていてもよい。
重合体Aの主鎖構造としては、特に制限はない。例えば、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、ポリアミド系重合体、ポリウレタン系重合体、ポリエーテル系重合体などが挙げられる。また、これらが2種以上組み合わさったハイブリッド型の重合体も挙げられる。ここに挙げた中でも、トナー母粒子との密着性を考慮すると、ポリエステル系重合体、または、ビニル系重合体であることが好ましい。より好ましくは、構造式(1)で示される1価の基aを、下記構造式(2)の部分構造として有するビニル系重合体である。
Figure 2017062365
(式中、R3は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、
4は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、
5は、水素原子またはメチル基を表し、
iは、1以上3以下の整数を表し、jは0以上3以下の整数を表し、jが2または3の場合、R3はそれぞれ独立して選択できる。)
3,R4における、アルキル基の例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられ、アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等が挙げられる。
重合体Aの分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により算出した重量平均分子量が1000以上100000以下であることが好ましい。この範囲にあれば、樹脂粒子の強度と帯電性がバランス良く保たれる。重量平均分子量を上記範囲とするためには、重合体Aを製造する際の試薬量、反応温度、溶媒濃度などの条件を変えることにより制御可能である。また、GPCにより分離、分取することによって、所望の分子量の重合体Aを得ることができる。
また、重合体Aの全質量に対する構造式(1)で示される1価の基aの含有量は、50μmol/g以上1000μmol/g以下であることが好ましい。50μmol/g以上とすることで、良好な帯電性と耐久性が発揮できる。また、1000μmol/g以下にすることで、チャージアップを抑制することができる。
一般的に帯電制御樹脂としては、スルホン酸やカルボン酸などの酸性の極性基を有したものが多く用いられている。このような樹脂は水分を吸着し易く、高温高湿下ではその影響で帯電性能が発揮されない場合がある。
本発明のトナーによれば、このような不具合が発生しにくく、帯電性能の環境差を少なくすることが可能になった。詳細は明らかではないが、以下のように考察している。構造式(1)で示される1価の基aを有する重合体Aを含有する樹脂微粒子が帯電性能を発揮する。この重合体Aは、極性基にあたる部分が構造式(1)で示される1価の基aにより構成されている。この構造式(1)で示される1価の基aは、通常の帯電制御樹脂に用いられている極性部分の構造と比較するとpKa(酸解離定数)が大きい。そのため、重合体AのpKaも大きくなり、水分吸着の影響が小さくなることが効いているものと考えている。
重合体AのpKaは、7.0以上8.5以下であることがさらに好ましい。7.0以上であれば水分吸着による帯電性の環境差を少なくする効果が高くなる。8.5以下とすることで、良好な帯電量を発揮することができる。pKaの求め方は後述するが、中和滴定結果から求めることができる。
重合体Aの製造方法としては特に限定されず、公知の手法により製造することができる。ビニル系重合体の場合には、例えば、一例として、構造式(1)で示される1価の基aを有する重合性単量体A(下記構造式(3))と、ビニル系単量体とを重合開始剤を用いて共重合させる方法である。
Figure 2017062365
(式中、R6は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、
7は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、
8は、水素原子またはメチル基を表し、
kは1以上3以下の整数を表し、lは0以上3以下の整数を表し、lが2または3の場合、R6はそれぞれ独立して選択できる。)
また、重合性単量体Aと共重合させるビニル系単量体としては、特に制限されない。具体的には、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレンの如きスチレン及びその誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレンの如きエチレン不飽和モノオレフィン類;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、弗化ビニルの如きハロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルの如きビニルエステル酸;アクリル酸−n−ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシルの如きアクリル酸エステル類;前記アクリル酸エステル類のアクリルをメタクリルに変えたメタクリル酸エステル類;メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルの如きメタクリル酸アミノエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルの如きビニルエーテル類;ビニルメチルケトンの如きビニルケトン類;N−ビニルピロールの如きN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドの如きアクリル酸若しくはメタクリル酸誘導体、アクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。なお、ビニル系単量体は、必要に応じて2種以上を組み合わせて用いても良い。
上記した重合性単量体成分を共重合させる際に用いることのできる重合開始剤としては、過酸化物系重合開始剤、アゾ系重合開始剤など様々なものが使用できる。使用できる過酸化物系重合開始剤としては、有機系としては、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネート、ジアルキルパーオキサイド、パーオキシケタール、ケトンパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ジアシルパーオキサイドが挙げられる。無機系としては、過硫酸塩、過酸化水素などが挙げられる。具体的には、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ヘキシルパーオキシアセテート、t−ヘキシルパーオキシピバレート、t−ヘキシルパーオキシイソブチレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネートなどのパーオキシエステル;ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド;ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーオキシジカーボネート;1,1−ジ−t−ヘキシルパーオキシシクロヘキサンなどのパーオキシケタール;ジ−t−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド;その他としてt−ブチルパーオキシアリルモノカーボネート等が挙げられる。また、使用できるアゾ系重合開始剤としては、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等が例示される。
なお、必要に応じてこれら重合開始剤を2種以上同時に用いることもできる。この際使用される重合開始剤の使用量は、重合性単量体100質量部に対し0.100質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。また、その重合法としては、溶液重合、懸濁重合、乳化重合、分散重合、沈殿重合、塊状重合等いずれの方法を用いることも可能であり、特に限定するものではない。
一方、本発明の構造式(1)で示される1価の基aを有する重合体Aがポリエステル樹脂である場合には、種々の公知の製造方法が利用可能である。例えば、
I)ポリエステル構造に含まれるカルボキシ基やヒドロキシ基の反応残基を利用して、有機反応により、構造式(1)で示される1価の基aに変換する方法;
II)構造式(1)で示される1価の基aを置換基として有する多価アルコールまたは多価カルボン酸を用いてポリエステルを作製する方法;
III)多価アルコールまたは多価カルボン酸に、構造式(1)で示される1価の基aを置換基として導入させやすい官能基をあらかじめ導入しておく方法;
等が挙げられる。
また、ハイブリッド樹脂である場合には、
IV)構造式(1)で示される1価の基aを置換基として含有するポリエステル樹脂をビニル単量体によりハイブリッド化する方法;
V)ビニル単量体としてアクリル酸、メタクリル酸等のカルボキシ基を有するものを用いて重合した後に、そのカルボキシ基を有機反応により、構造式(1)で示される構造に変換する方法;
VI)構造式(3)で示される構造aを有する重合性単量体Aを用いてポリエステル樹脂をハイブリッド化する方法;
等が挙げられる。
ポリエステル樹脂をビニル単量体によってハイブリッド化する方法としては公知の方法が利用可能であり、IV)の方法として有効である。具体的には過酸化物系の開始剤によりポリエステルのビニル変性を行う方法、不飽和基を有するポリエステル樹脂をグラフト変性してハイブリッド樹脂を作製する方法等が挙げられる。
またはV)の具体的方法としては、構造式(1)で示される1価の基aを導入する場合、樹脂中に存在するカルボキシ基を構造式(1)で示される1価の基aにアミノ基を導入した化合物を用いてアミド化する方法等を挙げることができる。
また、VI)の具体的方法としては、前述の構造式(3)で示される重合性単量体Aを用いることができる。
本発明において、重合体の重量平均分子量の調整方法としては公知の方法が使用可能である。具体的には、ポリエステル樹脂の場合には、酸成分とアルコール成分の仕込み比や重合時間を調整することにより任意に調整可能である。またハイブリッド樹脂においてはポリエステル成分の分子量調整に加えて、ビニル変性ユニットの分子量の調整によっても重合体の重量平均分子量の調整が可能となる。具体的には、ビニル変性の反応工程においてラジカル開始剤量や重合温度等を調整することにより任意に調整可能である。本発明でポリエステル樹脂のハイブリッド化に用いることのできるビニル単量体としては、前述したビニル系単量体を用いることができる。
重合体Aの全質量に対する構造式(1)で示される1価の基aの含有量は、後述の方法により求めることができる。まず、重合体Aを後述の方法により滴定することにより、重合体Aの酸価を定量し、重合体Aが有する構造式(1)で示される1価の基aに由来するカルボキシ基の量を算出する。そして、これを基に重合体Aの全質量に対する構造式(1)で示される1価の基aの含有量(μmol/g)を算出することができる。なお、重合体Bが構造式(1)で示される1価の基a以外の部位にカルボキシ基を有している場合は、重合体Aを作製する際に構造式(1)で示される1価の基aを付加反応させる直前の化合物(例えばポリエステル樹脂)の酸価をあらかじめ測定しておく。構造式(1)で示される1価の基aの付加量は、付加反応後の重合体Aの酸価との差で算出することができる。
また、NMRを測定し、各単量体成分の特徴的な化学シフト値から導出した積分値より各成分のmol比を算出し、それを基に含有量(μmol/g)を算出することができる。
本発明のトナーは、構造式(1)で示される1価の基aを有する重合体Aを含有する樹脂粒子を固着させたトナーである。本発明において、樹脂粒子は如何なる方法で製造されていても良く、粉体であっても何らかの媒体に分散された状態でも良いが、水系媒体に分散されたものが好適に用いられる。例えば、乳化重合法やソープフリー乳化重合法、転相乳化法の如き公知の方法によって製造されたものを用いることができる。これらの製法の中でも、転相乳化法は、乳化剤や分散安定剤を必要とせず、より小粒径の樹脂粒子が容易に得られるため、特に好ましい。
転相乳化法では、自己分散性を有する樹脂、あるいは中和によって自己分散性を発現し得る樹脂を使用する。ここで、水系媒体中での自己分散性は、分子内に親水性基を有している樹脂において発揮される。具体的には、ポリエーテル基やイオン性基を有する樹脂において良好な自己分散性が発揮される。重合体Aにおいては、構造aにカルボキシ基が存在するため、これにより自己分散性が発現される。このカルボキシ基を中和することによって親水性が増大し、水系媒体中での自己分散が可能となる。
重合体Aを有機溶剤に溶解し、中和剤を加え、撹拌しながら水系媒体と混合すると、重合体Aの溶解液が転相乳化を起こして微小な粒子を生成する。該有機溶剤は、転相乳化後に加熱、減圧の如き方法を用いて除去するこのように、転相乳化法によれば、実質的に乳化剤や分散安定剤を用いることなく、安定した樹脂粒子の水系分散体を得ることが出来る。
さらに、樹脂粒子を水系分散体として得る方法で製造し、トナー母粒子の表面に固着させた場合、多数枚印刷後の画像安定性が特に優れていることが明らかとなった。一成分現像システムにおいて多数枚の印刷を行うと、トナーはトナー担持体とトナー規制ブレード間や、トナー担持体と感光体ドラム間にかかる応力により、外添剤の埋め込みが起こる。これにより、多数枚印刷後は、画像品質が損なわれていた。特に、高温高湿環境下においてプロセススピードが速くなった場合、顕著になっていた。
本発明のトナーによれば、高温高湿環境下においても外添剤の埋め込みを抑制できるため、多数枚印刷後でも外添剤の埋込みによる転写ボソ(転写不良に起因)等の画像弊害を抑制することが可能となり、画像安定性が保たれるようになった(以下、多数枚印刷後の画像安定性を耐久性と記述する場合もある。)。その理由は、以下のように考察している。
本発明のトナーは、構造式(1)で示される1価の基aを有する重合体Aを含有する樹脂微粒子を最表面に固着させている。構造式(1)で示される1価の基aは、サリチル酸部位がベンジルオキシ基を介して結合しているため、柔軟性が高く、重合体Aの主鎖部から飛び出た構造である。重合体Aを含有する樹脂微粒子を水系分散体として得る場合、このサリチル酸のカルボキシ基は、極性が高いため最表面に配向するものと考えられる。そのため、重合体Aを含有する樹脂粒子はサリチル酸部位が最表面で、かつ、近接して配置されるため、水素結合のネットワークが形成され、樹脂微粒子の表面強度が増すためであると考えている。あらかじめトナー母粒子の成分として重合体Aを添加した場合よりも高濃度となるため、緻密な水素結合が形成され、より高い効果を発現するものと考えている。
樹脂微粒子の固着量としては、トナー母粒子100質量部に対して0.1質量部以上5.0質量部未満であることが好ましい。0.1質量部以上とすることで、トナー粒子間での固着均一性による良好な帯電性と、十分な耐久性が発揮される。また、5.0質量部未満とすることで、良好な耐久性を確保しつつ、余剰な樹脂微粒子に起因する画像弊害を抑制することができる。
樹脂微粒子は、トナー母粒子表面に付着させた後、十分に固着させるために、機械的衝撃力によりトナー母粒子に埋め込ませても良い。また、樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)以上に加熱して、平滑化することで固着させても良い。
本発明のトナーにおいて使用される結着樹脂としては特に制限はない。例えば以下のようなものを例示することができる。スチレン樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−メタクリル系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエチレン−酢酸ビニル系樹脂、酢酸ビニル樹脂、ポリブタジエン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、また、それらの樹脂を任意に結合させたハイブリッド樹脂。中でも以下のものがトナー特性の上で望ましく用いられる。スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、スチレン−メタクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂又はスチレン−メタクリル樹脂とポリエステル樹脂とを結合させたハイブリッド樹脂。
前記ポリエステル樹脂としては、多価アルコールとカルボン酸、若しくはカルボン酸無水物、カルボン酸エステルを原料モノマーとして通常製造されるポリエステル樹脂を使用することができる。具体的には、前述したポリエステル樹脂と同様の多価アルコール成分、多価カルボン酸成分が利用可能である。それらの中でも、特に、以下に挙げる成分を縮重合したポリエステル樹脂が好ましい。ジオール成分としてはビスフェノール誘導体。酸成分としては、二価以上のカルボン酸又はその酸無水物;フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フタル酸、テレフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸の如き低級アルキルエステルとからなるカルボン酸成分。
本発明のトナーは、磁性トナーとして用いることも可能であり、その場合には、以下に挙げられる磁性体が用いられる。マグネタイト、マグヘマイト、フェライトの如き酸化鉄、または他の金属酸化物を含む酸化鉄;Fe、Co、Niの如き金属、あるいは、これらの金属とAl、Co、Cu、Pb、Mg、Ni、Sn、Zn、Sb、Ca、Mn、Se、Tiのような金属との合金、およびこれらの混合物。四三酸化鉄(Fe34)、三二酸化鉄(γ−Fe23)、酸化鉄亜鉛(ZnFe24)、酸化鉄銅(CuFe24)、酸化鉄ネオジウム(NdFe23)、酸化鉄バリウム(BaFe1219)、酸化鉄マグネシウム(MgFe24)、酸化鉄マンガン(MnFe24)。上述した磁性材料を単独で或いは2種類以上を組合せて使用する。特に好適な磁性材料は、四三酸化鉄又はγ−三二酸化鉄の微粉末である。
これらの磁性体は、平均粒径が0.1μm以上2μm以下であることが好ましく、0.1μm以上0.3μm以下であることがさらに好ましい。795.8kA/m(10kエルステッド)印加での磁気特性は、抗磁力(Hc)が1.6kA/m以上12kA/m以下(20エルステッド以上150エルステッド以下)、飽和磁化(σs)が5Am2/kg以上200Am2/kg以下である。好ましくは50Am2/kg以上100Am2/kg以下である。残留磁化(σr)は、2Am2/kg以上20Am2/kg以下のものが好ましい。
結着樹脂100質量部に対して、磁性体10.0質量部以上200質量部以下、好ましくは20.0質量部以上150質量部以下使用するのが良い。
一方、非磁性トナーとして用いる場合の着色剤としては、従来から知られている種々の染料や顔料等、公知の着色剤を用いることができる。
マゼンタ用着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49、50、51、52、53、54、55、57:1、58、60、63、64、68、81:1、81:2、81:3、81:4、81:5、83、87、88、89、90、112、114、122、123、146、147、150、163、184、185、202、206、207、209、238、269、282;C.I.ピグメントバイオレット19;C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29、35が挙げられる。かかる顔料を単独で使用しても、染料と顔料を併用しても良い。
シアン用着色顔料としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アントラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が挙げられる。
イエロー用着色顔料としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が挙げられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、62、65、73、74、83、93、94、95、97、109、110、111、120、127、128、129、147、151、154、155、168、174、175、176、180、181、185;C.I.バットイエロー1、3、20が挙げられる。
黒色着色剤としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アセチレンブラック、チタンブラック及び上記に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤を用い黒色に調色されたものが利用できる。
本発明のトナーは、離型剤を含有しても良い。離型剤としては、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、マイクロクリスタリンワックス、パラフィンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックス;酸化ポリエチレンワックスの如き脂肪族炭化水素系ワックスの酸化物;脂肪族炭化水素系ワックスのブロック共重合物;カルナバワックス、サゾールワックス、モンタン酸エステルワックスの如き脂肪酸エステルを主成分とするワックス;及び脱酸カルナバワックスの如き脂肪酸エステルを一部又は全部を脱酸化したもの、ベヘニン酸モノグリセリドの如き脂肪酸と多価アルコールの部分エステル化物;植物性油脂を水素添加することによって得られるヒドロキシ基を有するメチルエステル化合物が挙げられる。
離型剤の分子量分布としては、メインピークが分子量400以上2400以下の領域にあることが好ましく、430以上2000以下の領域にあることがより好ましい。これによって、トナーに好ましい熱特性を付与することができる。離型剤の添加量は、結着樹脂100質量部に対して総量で2.50質量部以上40.0質量部以下であることが好ましく、3.00質量部以上15.0質量部以下であることがより好ましい。
本発明におけるトナー粒子は、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有するトナー母粒子の表面に樹脂粒子を固着させることにより得られたものであれば、如何なる方法で製造しても良いが、懸濁重合法によって製造する方法であることが好ましい。
本発明において好ましい懸濁重合法を利用したトナー粒子は、次の(i)〜(iv)の工程を経て製造される。
(i)重合性単量体および着色剤を含有する重合性単量体組成物の粒子を水系媒体中で形成する工程と、
(ii)該重合性単量体組成物の該粒子に含有される該重合性単量体を重合させて、該トナー母粒子を含有する分散液Cを得る工程と、
(iii)該分散液Cに該樹脂粒子を添加して、分散液Dを得る工程と、
(iv)該分散液Dを該トナー母粒子のガラス転移温度(Tg)以上に加熱して、該トナー母粒子の表面に該樹脂粒子を固着させて、トナー粒子を得る工程と
をこの順に有し、
該樹脂粒子が、イオン性官能基を有するpKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下である樹脂を含有することを特徴とする。
以下、この製造方法について(i)〜(iv)を順に説明する。
(i)の工程では、重合性単量体および着色剤を含有する重合性単量体組成物を水系媒体中に加えて、前記水系媒体中で前記重合性単量体組成物の粒子を形成する。より具体的には、まず、トナー粒子の主構成材料となる重合性単量体に着色剤を加え、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、超音波分散機の如き分散機を用いてこれらを均一に溶解あるいは分散させた重合性単量体組成物を調製する。このとき、上記重合性単量体組成物中には、必要に応じて多官能性単量体や連鎖移動剤、また、離型剤としてのワックスや荷電制御剤、可塑剤、さらに分散剤の如き添加剤を適宜加えることができる。
次いで、上記重合性単量体組成物を予め用意しておいた水系媒体中に投入し、高速撹拌機もしくは超音波分散機の如き高速分散機を用いて懸濁させ、造粒を行う。
ここで、水系媒体は分散安定剤を含有していることが樹脂微粒子を均一に付着させ、トナー母粒子と樹脂微粒子との密着性を高める観点から好ましい。
分散安定剤としては、リン酸カルシウム化合物、リン酸アルミニウム化合物、リン酸マグネシウム化合物、水酸化カルシウム化合物、水酸化アルミニウム化合物、水酸化マグネシウム化合物、炭酸カルシウム化合物、炭酸アルミニウム化合物、および炭酸マグネシウム化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが特に好ましい。これらの分散安定剤であれば、トナー母粒子の粒径コントロールが可能である。また、トナー母粒子表面に分散安定剤由来の金属元素が存在するため、トナー母粒子と樹脂粒子とが金属元素を介して結合し、トナー母粒子と樹脂粒子との固着強度が増すものと考えられる。
重合開始剤は、重合性単量体組成物を調製する際に他の添加剤とともに混合しても良く、水系媒体中に懸濁させる直前に重合性単量体組成物中に混合してもよい。また、造粒中や造粒完了後、すなわち重合反応を開始する直前に、必要に応じて重合性単量体や他の溶媒に溶解した状態で加えることもできる。
このようにして、水系媒体中で重合性単量体組成物の粒子を形成する。
次に、(ii)の工程では、工程(i)を終えた懸濁液を50℃以上90℃以下に加熱し、懸濁液中の重合性単量体組成物の粒子が粒子状態を維持し、且つ粒子の浮遊や沈降が生じることのないよう、撹拌しながら重合反応を行う。
上記重合開始剤は、加熱によって容易に分解し、遊離基(ラジカル)を生成する。生成したラジカルは重合性単量体の不飽和結合に付加し、付加体のラジカルを新たに生成する。そして、生成した付加体のラジカルはさらに重合性単量体の不飽和結合に付加する。このような付加反応を連鎖的に繰り返すことによって重合反応が進行し、前記重合性単量体を主構成材料とするトナー母粒子が形成され、トナー母粒子を含有する分散液Cが得られる。必要に応じて、この後蒸留工程を行い、残留している重合性単量体を除いても良い。
(iii)の工程では、前記分散液Cに樹脂微粒子を添加して、トナー母粒子の表面に前記樹脂微粒子を付与して分散液Cを得る工程である。
トナー母粒子表面に樹脂微粒子を付着させる方法としては、両者の電位差を利用する方法が好ましい。樹脂微粒子は、ネガ性を示す。そのため、トナー母粒子表面がポジ性を示す状態にすると、トナー母粒子表面に樹脂微粒子を付与することが可能である。トナー母粒子表面をポジ性にする方法としては、トナー母粒子中にカチオン性界面活性剤を含有させる方法や、トナー母粒子表面に金属塩の分散安定剤を吸着させる方法等が好適に用いられる。
これらの中でも、トナー母粒子表面に分散安定剤を吸着させたものを用いる方法が特に好ましい。分散液Cを撹拌しながら、前記分散安定剤に対する極性がトナー母粒子と同じである樹脂粒子を水系媒体に分散させた状態で、分散液Cに添加する。このようにすると、表面に前記分散安定剤を吸着した状態のトナー母粒子に、樹脂粒子を緻密かつ均一に付着させることが可能となる。
前記樹脂粒子の単独凝集を防止し、より均一に付着させるため、該樹脂粒子の水系分散体の添加はゆっくり行うことが好ましい。好適な添加速度はトナー母粒子を含有する分散液Bの固形分100質量部に対し、樹脂微粒子の固形分として0.1質量部/分以上5.0質量部/分以下である。
樹脂微粒子を分散液Cに添加する際の温度は、樹脂微粒子が単独凝集を起こさない温度であれば良い。あらかじめ分散液Bをトナー母粒子のTg以上の温度で保温した状態で樹脂微粒子を添加しても良い。
その後、(iv)の工程において前記分散液Cをトナー母粒子のガラス転移温度(Tg)以上に加熱して、トナー粒子を得る。
樹脂微粒子は、トナー母粒子に吸着している分散安定剤に付着する。その後、撹拌エネルギーを受けて分散安定剤が吸着していないトナー母粒子表面に移行し、接触する。この時、トナー母粒子のTg以上で加熱を行うと、トナー母粒子表面が軟化しているため、接触した樹脂微粒子は、トナー母粒子表面に固着される。トナー母粒子のTg以上で加熱する時間を長くすると、固着が強固となり、トナー母粒子と樹脂粒子との密着性を高めることができる。樹脂粒子がトナー母粒子表面が露出している部分を埋め尽くし、それ以上に存在する場合は、樹脂微粒子のTg以上で加熱することで、分散安定剤上に付着したまま樹脂粒子同士の融合と平滑化を進行させ、密着性を高めることができる。この密着性を十分高めることで、良好な耐久性が実現可能となる。凝集を抑制し、より製造安定性を高めるために分散安定剤を別途追加して添加してもよい。また、少量の界面活性剤を添加することもできる。
工程(iv)の後は、前記樹脂微粒子のTgよりも低い温度で前記分散安定剤を除去する。その後、公知の方法でろ過、洗浄、乾燥してトナー粒子を得る。
本発明において、樹脂微粒子の平均粒子径は、レーザー散乱法による粒度分布測定によって求められるメジアン径の値で、5nm以上200nm以下の範囲であることが好ましい。より好ましくは20nm以上130nm以下の範囲で用いられる。
平均粒子径が5nm未満であると、十分な耐久性が得られない場合がある。また、平均粒子径が200nmを超える場合、不均一な固着になってしまう場合がある。
樹脂微粒子の体積基準のメジアン径(D50)と、体積分布における累積粒子数が10%となる粒子径(D10)との比(D50/D10)が1.0以上3.0以下にあることが好ましい。さらに、樹脂微粒子の体積基準のメジアン径(D50)と、体積分布における累積粒子数が90%となる粒子径(D90)との比(D90/D50)が1.0以上3.0以下にあることが好ましい。これらの範囲にあることは樹脂微粒子の粒度分布が均一である事を意味し、その結果、固着される樹脂微粒子がトナー間においてばらつきが少なく、安定した性能を得ることができる。
トナー粒子は、外添剤として流動性向上剤が添加されていても良い。流動性向上剤としては、フッ化ビニリデン微粉末、ポリテトラフルオロエチレン微粉末の如きフッ素系樹脂粉末;湿式製法によるシリカ微粉末、乾式製法によるシリカ微粉末の如きシリカ微粉末、それらシリカ微粉末をシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルの如き処理剤により表面処理を施した処理シリカ微粉末;酸化チタン微粉末;アルミナ微粉末、処理酸化チタン微粉末、処理酸化アルミナ微粉末が挙げられる。流動性向上剤は、窒素吸着によるBET法で測定した比表面積が30.0m2/g以上、好ましくは50.0m2/g以上のものが良好な結果を与える。流動性向上剤の添加量は、トナー粒子100質量部に対して、0.010質量部以上8.0質量部以下が好ましく、より好ましくは0.10質量部以上4.0質量部以下である。
トナーは、より微小な潜像ドットを忠実に現像するために、重量平均粒径(D4)が3.0μm以上15.0μm以下であることが好ましく、4.0μm以上12.0μm以下であることがより好ましい。また、個数平均粒子径(D1)に対する重量平均粒子径(D4)の比(D4/D1)が1.40未満であることが好ましい。
(測定方法)
以下に本発明で用いられる測定方法について示す。
<ガラス転移温度>
トナー及び樹脂微粒子のガラス転移温度(Tg)は、例えば、TAインスツルメント社製の示差走査熱量計(Q1000)を用い、以下のようにして求めることができる。
まず、試料6mgをアルミパンに精秤し、空のアルミパンをリファレンスパンとして用意し、窒素雰囲気下、測定温度範囲20℃以上150℃以下で、昇温速度2℃/分、モジュレーション振幅±0.6℃、周波数1回/分の条件で測定を行う。
測定によって得られた昇温時のリバーシングヒートフロー曲線から、吸熱を示す曲線と前後のベースラインとの接線を描き、それぞれの接線の交点を結ぶ直線の中点を求めて、これをガラス転移温度とする。
<トナー粒子の粒径>
トナー粒子の重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター社製)を用いる。測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター社製)を用いる。尚、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行なう。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1質量%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター社製)が使用できる。
尚、測定、解析を行なう前に、以下のように前記専用ソフトの設定を行なった。
前記専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター社製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
前記専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下の通りである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250ml丸底ビーカーに前記電解水溶液200mlを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行なう。そして、専用ソフトの「アパーチャーのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100ml平底ビーカーに前記電解水溶液30mlを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業社製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3ml加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispension System Tetra150」(日科機バイオス社製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2ml添加する。
(4)前記(2)のビーカーを前記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)前記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナー10mgを少量ずつ前記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。尚、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した前記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーを分散した前記(5)の電解質水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50000個になるまで測定を行なう。
(7)測定データを装置付属の前記専用ソフトにて解析を行ない、重量平均粒径(D4)および個数平均粒径(D1)を算出する。尚、前記専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。また、前記専用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
<樹脂微粒子の体積基準のD50>
樹脂微粒子の体積基準のメジアン径(D50)は、ゼータサイザーNano−ZS(MALVERN社製)を用い、動的光散乱法(DLS:Dynamic Light Scattering)で粒子径を測定することにより算出する。
まず、装置の電源を入れ、レーザーを安定するまで30分待つ。その後、Zetasizerソフトウェアを起動する。
MeasureメニューからManualを選択し、測定の詳細を以下に示すように入力する。
測定モード:粒子径
Material:Polystyrene latex(RI:1.59、Absorption:0.01)
Dispersant:Water(Temperature:25℃、Viscosity:0.8872cP、RI:1.330)
Temperature:25.0℃
Cell:Clear disposable zeta cell
Measurement duration:Automatic
試料は0.50質量%となるように、水で希釈して調製し、ディスポーザブルキャピラリーセル(DTS1060)に充填し、セルを装置のセルホルダに装入する。
以上の準備が終わったら測定表示画面のStartボタンを押し、測定する。
DLS測定から得られる光強度分布をミー理論により変換した体積基準の粒度分布のデータを元に、D50を算出する。
<酸価>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。本発明における酸価は、JIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を用いて滴定を行う。前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液のファクターは、電位差滴定装置(京都電子工業株式会社製 電位差滴定測定装置AT−510)を用いて求めることができる。0.100モル/l塩酸100mlを250mlトールビーカーに取り、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液の量から求める。前記0.100モル/l塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作成されたものを用いる。
下記に酸価測定の際の測定条件を示す。
滴定装置:電位差滴定装置AT−510(京都電子工業株式会社製)
電極:複合ガラス電極ダブルジャンクション型(京都電子工業株式会社製)
滴定装置用制御ソフトウエア:AT−WIN
滴定解析ソフト:Tview
滴定時における滴定パラメーター並びに制御パラメーターは下記のように行う。
滴定パラメーター
滴定モード:ブランク滴定
滴定様式:全量滴定
最大滴定量:20ml
滴定前の待ち時間:30秒
滴定方向:自動
制御パラメーラー
終点判断電位:30dE
終点判断電位値:50dE/dmL
終点検出判断:設定しない
制御速度モード:標準
ゲイン:1
データ採取電位:4mV
データ採取滴定量:0.1ml
本試験;
測定サンプル0.100gを250mlのトールビーカーに精秤し、トルエン/エタノール(3:1)の混合溶液150mlを加え、1時間かけて溶解する。前記電位差滴定装置を用い、前記水酸化カリウムエチルアルコール溶液を用いて滴定する。
空試験;
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(3:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.611]/S
(式中、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、C:本試験の水酸化カリウムエチルアルコール溶液の添加量(ml)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料(g)である。)
<酸価、pKa>
測定サンプル0.100gを250mlのトールビーカーに精秤し、THF150mlを加え、30分かけて溶解する。この溶液にpH電極を入れ、サンプルのTHF溶液のpHを読み取る。その後、0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液(キシダ化学社製)を10μlずつ添加し、その都度pHを読み取り滴定を行う。pHが10以上となり、30μl添加してもpHの変化がなくなるまで0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液を加える。得られた結果から0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液添加量に対するpHをプロットし、滴定曲線を得る。得られた滴定曲線からpH変化の傾きが一番大きいところを中和点とし、添加した水酸化カリウム量から酸価(mgKOH/g)を算出する。pKaは次のようにして求める。中和点までに必要とした0.1モル/l水酸化カリウムエチルアルコール溶液量の半分量でのpHを滴定曲線から読み取り、読み取ったpHの値をpKaとする。
<NMR>
重合体Aに含まれる構造aの含有量は核磁気共鳴分光分析(1H−NMR)[400MHz、CDCl3、室温(25℃)]を用いて行う。
測定装置:FT NMR装置 JNM−EX400(日本電子社製)
測定周波数:400MHz
パルス条件:5.0μs
周波数範囲:10500Hz
積算回数:64回
得られたスペクトルの積分値から各単量体成分のmol比を求め、これを基に重合体Aに含まれる構造aのmol%を算出する。
<トナー規制部材の被膜の体積抵抗率の測定方法>
トナー規制部材の被膜の体積抵抗率は、JIS K6911に準じた測定方法による測定値を採用することができる。例えば、体積抵抗測定装置(ヒュ−レットパッカ−ド社製4140B pA MATER)にて、23℃、65%の環境で測定を行った。
<トナー規制部材の被膜の摩擦係数の測定方法>
トナー規制部材の被膜の動摩擦係数μは、新東科学製表面性測定機HEIDON−14DRのサンプル移動装置を用いることにより測定を行う。端子は径10mmのアルミナ球状端子(ASTM D−1894で規定)を用いた。トナー規制ブレードは、端子の移動測定方向と同方向になるように、さらに測定面が水平になるように固定されている。
測定時には、受皿の上に任意の重さの分銅Wを載せることにより荷重をかけられる構成となっている。上記アルミナ球状端子とトナー規制部材の被膜部を接触させ、測定条件としては50mm/min.の速度で、100mmの測定を行った。尚、受皿の上へ500gの分銅を載せて測定を行った。
ロードセルで測定された力F[N]と測定荷重である0.98[N]から摩擦係数Aを計算する。測定値としては100mm測定間の最低値を使用する。
計算式を以下に示す。
(摩擦係数A)=F/0.98
測定雰囲気は23±1℃、60±5%Rhとし、測定サンプルは予め同雰囲気下に8時間以上放置した。
<現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置>
次に、本発明の現像装置及び現像方法を実施する画像形成装置ならびにプロセスカートリッジに関して図面に則して説明する。
1.画像形成装置の全体構成(非磁性一成分画像形成装置)
まず電子写真画像形成装置(以下、画像形成装置)100の全体構成について、図1を用いて説明する。図1に示すように、着脱可能な4個のプロセスカートリッジ70(70a,70b,70c,70d)が装着部材(不図示)によって装着されている。またプロセスカートリッジ70の画像形成装置100の装着方向上流側を前側面側、装着方向下流側を奥側面側と定義する。図1において、プロセスカートリッジ70は、装置本体100内に水平方向に対して傾斜して併設されている。
各プロセスカートリッジ70には、静電潜像担持体である電子写真感光体ドラム(以下、感光体ドラム)1(1a,1b,1c,1d)と、感光体ドラム1の周囲に帯電ローラ2(2a,2b,2c,2d)と、トナー担持体25(25a,25b,25c,25d)と、クリーニング部材6(6a,6b,6c,6d)等のプロセス手段が一体的に配置されている。帯電ローラ2は、感光体ドラム1の表面を一様に帯電させるものであり、トナー担持体25は、感光体ドラム1に形成した潜像をトナーによって現像して可視像化するものである。そして、クリーニング部材6は、感光体ドラム1に形成したトナー像を記録媒体に転写した後に、感光体ドラム1に残留したトナーを除去するものである。
また、プロセスカートリッジ70の下方には画像情報に基づいて感光体ドラム1に選択的な露光を行い、感光体ドラム1に潜像を形成するためのスキャナユニット3が設けられている。
装置本体100の下部には記録媒体Sを収納したカセット17が装着されている。そして、記録媒体Sが2次転写ローラ69、定着部74を通過して装置本体100の上方へ搬送されるように記録媒体搬送手段が設けられている。すなわち、カセット17内の記録媒体Sを1枚ずつ分離給送する給送ローラ54、給送された記録媒体Sを搬送する搬送ローラ対76、感光体ドラム1に形成される潜像と記録媒体Sとの同期を取るためのレジストローラ対55が設けられている。また、プロセスカートリッジ70(70a,70b,70c,70d)の上方には各感光体ドラム1(1a、1b、1c、1d)上に形成したトナー画像を転写させるための中間転写手段としての中間転写ユニット5が設けられている。中間転写ユニット5には駆動ローラ56、従動ローラ57、各色の感光体ドラム1に対向する位置に1次転写ローラ58(58a、58b、58c、58d)、2次転写ローラ69に対向する位置に対向ローラ59を有し、転写ベルト9が掛け渡されている。そして、転写ベルト9はすべての感光体ドラム1に対向し、且つ接するように循環移動し、1次転写ローラ58(58a、58b、58c、58d)に電圧を印加することにより、感光体ドラム1から転写ベルト9上に一次転写を行う。そして、転写ベルト9内に配置された対向ローラ59と2次転写ローラ69への電圧印加により、転写ベルト9のトナーを記録媒体Sに転写する。
画像形成に際しては、各感光体ドラム1を回転させ、帯電ローラ2によって一様に帯電させた感光体ドラム1にスキャナユニット3から選択的な露光を行う。これによって、感光体ドラム1に静電潜像を形成する。その潜像をトナー担持体25によって現像する。これによって、各感光体ドラム1に各色トナー像を形成する。この画像形成と同期して、レジストローラ対55が、記録媒体Sを対向ローラ59と2次転写ローラ69とが転写ベルト9を介在させて当接している2次転写位置に搬送する。そして、2次転写ローラ69へ転写バイアス電圧を印加することで、転写ベルト上の各色トナー像を記録媒体Sに2次転写する。これによって、記録媒体Sにカラー画像を形成する。カラー画像が形成された記録媒体Sは、定着部74によって加熱、加圧されてトナー像が定着される。その後、記録媒体Sは、排出ローラ72によって排出部75に排出される。尚、定着部74は、装置本体100の上部に配置されている。
2.プロセスカートリッジ
次に本発明を実施したプロセスカートリッジ70について、図2を用いて説明する。図2はトナーを収納したプロセスカートリッジ70の主断面である。尚、イエロートナーを収納したカートリッジ70a、マゼンタトナーを収納したカートリッジ70b、シアントナーを収納したカートリッジ70c、ブラックトナーを収納したカートリッジ70dは同一構成である。
プロセスカートリッジ70(70a,70b,70c,70d)は、クリーニング装置26(26a,26b,26c,26d)と、現像装置4(4a,4b,4c,4d)と、を有する。クリーニング装置26は、感光体ドラム1(1a,1b,1c,1d)と、帯電ローラ2(2a,2b,2c,2d)、及びクリーニング部材6(6a,6b,6c,6d)を備えている。そして、現像装置4は、トナー規制部材35、トナー担持体25を備えている。
感光体ドラム1の周上には、前述した通り帯電ローラ2、クリーニング部材6が配置されている。クリーニング部材6はゴムブレードで形成された弾性部材7とクリーニング支持部材8から構成されている。弾性部材7の先端部7aは感光体ドラム1の回転方向に対してカウンター方向に当接させて配設してある。そしてクリーニング部材6によって感光体ドラム1表面から除去された残留トナーは除去トナー室27aに落下する。また除去トナー室27aの除去トナーが漏れることを防止するスクイシート21が感光体ドラム1に当接している。そしてクリーニング装置26に駆動源である本体駆動モータ(不図示)の駆動力を伝達することにより、感光体ドラム1を画像形成動作に応じて回転駆動させる。帯電ローラ2は、帯電ローラ軸受28を介し、クリーニング装置26に回転可能に取り付けられており、帯電ローラ加圧部材46により感光体ドラム1に向かって加圧され、感光体ドラム1に従動回転する。
3.現像装置
プロセスカートリッジの中で現像装置について更に詳細に説明する。図2に示すように、現像装置4は、感光体ドラム1と接触して矢印B方向に回転するトナー担持体25と、トナー担持体25を支持する現像枠体31とから構成される。トナー担持体25は、現像枠体31の両側にそれぞれ取り付けられた現像前軸受12、現像奥軸受13を介して、回転自在に現像枠体31に支持されている(図2参照)。またトナー担持体25の周上には、トナー担持体25に接触して矢印C方向に回転するトナー供給ローラ34とトナー担持体25上のトナー層を規制するためのトナー規制部材35がそれぞれ配置されている。またトナー担持体25に当接した現像枠体31からトナーがもれることを防止するための現像当接シートとしての吹き出し防止シート20が配置されている。さらに現像枠体31のトナー収納室31aには、収納されたトナーを撹拌するとともに前記トナー供給ローラ34へトナーを搬送するためのトナー搬送部材36が設けられている。
上述のとおり、本発明においては、トナー規制部材35は、体積抵抗率が105Ω・cm以上1010Ω・cm以下の被膜で被覆されていることが必要である。
また、トナー規制部材35の被膜の動摩擦係数μが0.1以上0.4以下であることが好ましい。これらの範囲内であることで、トナー規制部材35に電荷を印加した際に、トナーに効率良く注入帯電されるだけでなく、トナー規制部材35とトナーの摩擦により、均一且つ効率良くトナーを帯電することが可能となる。
更に、本発明におけるトナー規制部材35は、図3に示すとおり、トナー担持体25との当接面から先端部に亘って樹脂を含有する被膜、好ましくはエラストマーを含有する被膜により被覆されていることが好ましい。これにより、トナー担持体25上のトナー量を適正且つ均一にすることができる。結果としてトナー担持体25上のトナーの帯電性も均一にすることが可能となる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に制限されるものではない。なお、「部」は「質量部」を意味する。
<重合性単量体1の合成例>
2,4−ジヒドロキシ安息香酸18gをメタノール150mLに溶解させ、炭酸カリウム36.9gを加えて65℃に加熱した。この反応液に4−(クロロメチル)スチレン18.7gとメタノール100mLの混合液を滴下し、65℃にて3時間反応させた。反応液を冷却後、濾過し、濾液を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をpH=2の水1.5Lに分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。析出物をヘキサン洗浄後、トルエンと酢酸エチルにて再結晶することで精製し、下記構造式(4)に示す重合性単量体1を20.1g得た。
Figure 2017062365
<重合性単量体2の合成例>
2,4−ジヒドロキシ安息香酸18gを2,3−ジヒドロキシ安息香酸18gに変更すること以外は、重合性単量体1の合成と同じ方法で、下記構造式(5)の重合性単量体2を得た。
Figure 2017062365
<重合性単量体3の合成例>
2,4−ジヒドロキシ安息香酸18gを2,6−ジヒドロキシ安息香酸18gに変更すること以外は、重合性単量体1の合成と同じ方法で、下記構造式(6)の重合性単量体3を得た。
Figure 2017062365
<重合性単量体4の合成例>
(工程1)
2,5−ジヒドロキシ安息香酸100gと80%硫酸1441gとを50℃に加熱混合した。この分散液にtert−ブチルアルコール144gを加えて50℃で30分間撹拌した。その後、この分散液にtert−ブチルアルコール144gを加え30分間撹拌する操作を3回行った。反応液を室温まで冷却し、氷水1kgにゆっくり注いだ。析出物を濾過、水洗し、その後、ヘキサン洗浄した。この析出物をメタノール200mLに溶解させ、水3.6Lに再沈殿させた。濾過後、80℃にて乾燥することで下記構造式(7)に示すサリチル酸中間体74.9gを得た。
Figure 2017062365
(工程2)
得られたサリチル酸中間体25.0gをメタノール150mLに溶解させ、炭酸カリウム36.9gを加えて65℃に加熱した。この反応液に4−(クロロメチル)スチレン18.7gとメタノール100mLの混合液を滴下し、65℃にて3時間反応させた。反応液を冷却後、濾過し、濾液を濃縮して粗生成物を得た。粗生成物をpH=2の水1.5Lに分散させ、酢酸エチルを加えて抽出した。その後、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、減圧下、酢酸エチルを留去して析出物を得た。析出物をヘキサン洗浄後、トルエンと酢酸エチルにて再結晶することで精製し、下記構造式(8)に示す重合性単量体4を20.1g得た。
Figure 2017062365
<重合体1の合成例>
構造式(4)に示す重合性単量体1 7.6g、2−エチルヘキシルアクリレート15.5g、スチレン46.9gをDMF42.0mlに溶解させ、窒素バブリングをしながら1時間撹拌した後、110℃まで加熱した。この反応液に、開始剤としてtert−ブチルパーオキシイソプロピルモノカルボネート(日本油脂株式会社製、商品名パーブチルI)2.1gとトルエン42mlの混合液を滴下した。更に110℃にて4時間反応した。その後、冷却しメタノール1Lに滴下し、析出物を得た。得られた析出物をTHF120mlに溶解後、メタノール1.80Lに滴下し、白色析出物を析出させ、濾過し、減圧下90℃にて乾燥させることで、重合体1を57.6g得た。得られた重合体1のNMRと酸価を測定し、重合体単量体1に由来する成分の含有量を確認した。
<重合体2〜重合体7の合成例>
原料の仕込み量を表1のように変更する以外は重合体1の合成例と同様にして重合体2〜重合体7を得た。
<重合体8の合成例>
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した反応容器にキシレン200部を仕込み、窒素気流下で還流した。
次に、
5−ビニルサリチル酸 9.0部
スチレン 75.0部
2−エチルヘキシルアクリレート 16.0部
ジメチル−2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート) 5.0部
を混合し、前記反応容器に撹拌しながら滴下し10時間保持した。その後、蒸留を行って溶剤を留去し、減圧下40℃で乾燥し重合体8を得た。得られた重合体8のNMRと酸価を測定し、構造式(1)で示される1価の基aの含有量に由来する成分の含有量を確認した。
<重合体9の合成例>
重合体8の合成例のうち、下記変更以外は同様に合成を行った。
5−ビニルサリチル酸9.0部を1−ビニルナフタレン−2−カルボン酸10.9部に変更し、重合体9を得た。得られた重合体9のNMRと酸価を測定し、構造式(1)で示される1価の基aの含有量に由来する成分の含有量を確認した。
<重合体10の合成例>
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を付した反応容器にキシレン200部を仕込み、窒素気流下で還流した。単量体として、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸 6.0部
スチレン 72.0部
2−エチルヘキシルアクリレート 18.0部
を混合し、前記反応容器に撹拌しながら滴下し10時間保持した。その後、蒸留を行って溶剤を留去し、減圧下40℃で乾燥し重合体10を得た。得られた重合体10のNMRと酸価を測定し、構造式(1)で示される1価の基aの含有量を確認した。
<重合体11の合成例>
窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を取り付けた反応容器に、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 500部
テレフタル酸 154部
フマル酸 45部
オクチル酸スズ 2部
を投入し、温度230℃で8時間の重縮合反応を行い、さらに、8kPaで1時間にわたって重縮合反応を継続した後、160℃に冷却することにより、ポリエステル樹脂を形成した。次いで、温度160℃の状態でアクリル酸10部を投入し、混合させて15分間保持した後、
スチレン 142部
n−ブチルアクリレート 35部
重合開始剤(ジ−t−ブチルペルオキサイド) 10部
の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下した後、温度160℃を維持した状態で1時間にわたって付加重合反応を行った。その後、200℃に昇温させ、10kPaで1時間保持することにより、重合体11を得た。得られた重合体10のNMRと酸価を測定し、構造式(1)で示される1価の基aの含有量を確認した。
得られた重合体1〜重合体11の物性を表1に記載する。
Figure 2017062365
<樹脂微粒子1の水分散体の製造例>
撹拌機、コンデンサー、温度計、窒素導入管を備えた反応容器に、メチルエチルケトン200.0部を仕込み、重合体1を100.0部加えて溶解した。次いで、1.0N水酸化カリウム水溶液をゆっくり加え、10分間撹拌を行った後、イオン交換水500.0部をゆっくり滴下し、乳化させた。得られた乳化物を減圧蒸留して脱溶剤し、イオン交換水を加えて樹脂濃度が20%になるように調製することで、樹脂微粒子1の水分散体を得た。得られた樹脂微粒子1の水分散体の物性値を表2に示す。
<樹脂微粒子2〜樹脂粒子11の水分散体の製造例>
重合体1と、1.0N水酸化カリウム水溶液の量を表2に示すように変更した以外は、樹脂粒子1の製造例と同様にして樹脂粒子2〜樹脂粒子11の水分散体を得た。得られた樹脂粒子2〜樹脂粒子11の水分散体の物性値を表2に示す。
Figure 2017062365
<トナーの製造例>
(着色剤分散液の作製方法)
分散機として、アトライタ(日本コークス工業社製)を用いた。
・スチレン単量体 365部
・C.I.ピグメントブルー15:3 40部
・ボントロンE88(オリエント化学社製) 2.5部
上記処方を5mmのジルコニアビーズで5hr分散を行い着色剤分散液を得た。
(トナー母粒子の作製)
イオン交換水500部にNa3PO4・12H2Oを10部を投入し60℃に加温した後、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて3,500回転/分にて撹拌した。これに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液50部を添加し、30分撹拌した後に、pH5.4に調整し、Ca3(PO42を含む水系媒体を得た。
その後、分散質系として、
・スチレン単量体 30部
・n−ブチルアクリレート 30部
・飽和ポリエステル樹脂 5部
[プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)とテレフタル酸との重縮合物(重合モル比10:12)、Tg=68℃、Mw=10000、Mw/Mn=5.12]
・低分子スチレン樹脂(Mw:3200、Mw/Mn:1.25、Tg:53℃)
10部
・フィッシャートロプシュワックスHNP−51:最大吸熱ピーク=78.0℃
12部
・着色剤分散液 100部
上記処方を、60℃に加温し30分間溶解混合した。これに、重合開始剤である1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液 13部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,N2雰囲気下において、クレアミックスにて4500rpmで15分間撹拌し、重合性単量体混合物を造粒した。
その後、フルゾーン撹拌翼(神鋼パンテック社製)で撹拌しつつ、70℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、フルゾーン撹拌翼で撹拌を続けながら飽和水蒸気(ピュアスチーム/スチーム圧力205kPa/温度120℃)を導入した。飽和水蒸気の導入を開始から20分後、容器内の内容物の温度は100℃に達し、蒸留留分が出始めた。所定量の留分を得ることで残存モノマーを留去し、冷却して重合体粒子分散液を得た。イオン交換水を加えて分散液中の重合体粒子濃度が20%になるように調整し、トナー母粒子の分散液を得た。
(樹脂微粒子の固着〜トナーの作製)
還流冷却管、撹拌機、温度計を備えた反応容器に上記トナー母粒子の分散液500.0部(固形分100.0部)を入れ、撹拌しながら、炭酸ナトリウム水溶液を加え、pHを8.5に調整した(固着pH)。ここに、樹脂微粒子1の水分散体15.0部(固形分3.0部)を22℃で(添加温度)緩やかに添加し、200回転/分で15分間撹拌を行った。次いで、加熱用オイルバスを用いて樹脂微粒子が付着したトナー母粒子の分散液の温度を80℃(加熱温度)に保持し、1時間撹拌を続けた。その後分散液を20℃まで冷却した後(酸処理温度)、10%塩酸を加えてpHを1.0に調整して2時間撹拌し、ろ過し、イオン交換水で洗浄した(酸処理)。得られたろ物をイオン交換水で再分散し、10%塩酸を加えてpHを1.0に調整し、2時間撹拌してろ過した。ろ物を再分散し、酸処理する操作を3回繰り返した。その後、乾燥および分級してトナー粒子1を得た。
上記トナー粒子1 100.0部に対して、疎水性シリカ微粉体1.5部をFMミキサ(日本コークス工業社製)で3000rpmで15分間混合してトナー1を得た。なお、疎水性シリカ微粉体は、流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、個数平均1次粒子径:7nm、BET比表面積:130m2/gのものを用いた。
<トナーの製造例2〜11>
トナーの製造例1に対して、トナーの製造例9で固着pH11、トナーの製造例11で固着pH7.5に変更し、樹脂微粒子の水分散体の種類を表3に示すように変更した以外は、トナーの製造例1と同様にしてトナー2〜11を得た。
<トナーの製造例12>
(着色剤分散液の作製方法)
分散機として、アトライタ(日本コークス工業社製)を用いた。
・スチレン単量体 365部
・C.I.ピグメントブルー15:3 40部
上記処方を5mmのジルコニアビーズで5hr分散を行い着色剤分散液を得た。
(トナーの作製)
イオン交換水500部にNa3PO4・12H2Oを10部を投入し60℃に加温した後、クレアミックス(エム・テクニック社製)を用いて3,500回転/分にて撹拌した。これに1.0モル/リットル−CaCl2水溶液50部を添加し、30分撹拌した後に、pH5.4に調製し、Ca3(PO42を含む水系媒体を得た。
その後、分散質系として、
・スチレン単量体 30部
・n−ブチルアクリレート 30部
・重合体4 4.8部
・飽和ポリエステル樹脂 5部
[プロピレンオキサイド変性ビスフェノールA(2モル付加物)とテレフタル酸との重縮合物(重合モル比10:12)、Tg=68℃、Mw=10000、Mw/Mn=5.12]
・低分子スチレン樹脂(Mw:3200、Mw/Mn:1.25、Tg:53℃)
10部
・フィッシャートロプシュワックスHNP−51:最大吸熱ピーク=78.0℃
12部
・着色剤分散液 100部
上記処方を、60℃に加温し30分間溶解混合した。これに、重合開始剤である1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエートの70%トルエン溶液13部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,N2雰囲気下において、クレアミックスにて4500rpmで15分間撹拌し、重合性単量体混合物を造粒した。
その後、フルゾーン撹拌翼(神鋼パンテック社製)で撹拌しつつ、70℃に昇温し、10時間反応させた。重合反応終了後、フルゾーン撹拌翼で撹拌を続けながら飽和水蒸気(ピュアスチーム/スチーム圧力205kPa/温度120℃)を導入した。飽和水蒸気の導入を開始から20分後、容器内の内容物の温度は100℃に達し、蒸留留分が出始めた。所定量の留分を得ることで残存モノマーを留去し、冷却して重合体粒子分散液を得た。
得られた重合体粒子分散液に10%塩酸を加えてpHを1.0に調整して2時間撹拌し、ろ過し、イオン交換水で洗浄した(酸処理)。得られたろ物をイオン交換水で再分散し、10%塩酸を加えてpHを1.0に調整し、2時間撹拌してろ過した。ろ物を再分散し、酸処理する操作を3回繰り返した。その後、乾燥および分級してトナー粒子12を得た。
上記トナー粒子12 100.0部に対して、疎水性シリカ微粉体1.5部をFMミキサ(日本コークス工業社製)で3000rpmで15分間混合してトナー12を得た。なお、疎水性シリカ微粉体は、流動性向上剤として、ジメチルシリコーンオイル(20質量%)で処理され、個数平均1次粒子径:7nm、BET比表面積:130m2/gのものを用いた。
〔実施例1〕
(画像評価)
画像形成装置としては、図1に概略を示す市販のLBP7700C(キヤノン社製)のプロセススピードを330mm/秒に変えた改造機を用いた。
カートリッジは、図2に示す構成のLBP7700C用のシアンカートリッジの現像装置を改造し、使用した。現像装置の改良は、トナーを上述したトナー1に詰め替え、下記に製造方法を示すトナー規制部材1に付け替えて評価を行った。
評価内容としては、2種類の評価を行った。
(カブリの評価)
一つ目は、トナーの帯電均一性の観点からカブリの評価を行った。高温高湿環境下(30℃,80%RH)、常温常湿環境下(25℃、50%RH)それぞれにおいて、2%の印字比率の画像を出力し、1,000、20,000枚印字した時点のカブリの評価を行った。評価紙にはA4サイズのOffice70(キヤノン社製、坪量70g/m2)を用いた。
カブリの測定は、REFLECTOMETER MODEL TC−6DS(東京電色社製)を用い測定し、下記式により算出した。
カブリ(反射率;%)=(標準紙の反射率;%)−(サンプルの白べた部の反射率;%)
A;1.5%以下
B:1.5%を超え2.0%以下
C:2.0%を超え2.5%以下
D:2.5%を超える
評価結果を表4に示す。
(転写効率)
二つ目は、トナー耐久性の観点から、転写効率の評価を行った。まず、高温高湿環境下(30℃,80%RH)で2%の印字比率の画像を20,000枚印字した。その後、ベタ画像を出力する際、ドラム上のトナー量と転写紙上のトナー量の質量変化から転写効率を求めた(ドラム上トナー量が全量転写紙上に転写された場合を転写効率100%とする)。
A:転写効率が95%以上(良好)
B:転写効率が90%以上95%未満(実用上問題なし)
C:転写効率が80%以上90%未満(実用限度)
D:転写効率が80%未満(実用上問題あり)
評価結果を表4に示す。
(トナー規制部材1の製造方法)
トナー規制部材の基材として、厚さ0.1mmのリン青銅シート(原田伸銅所社製)を、押出成形機(プラ技研社製)に挿入した。被膜の原料として、主材にポリエステルエラストマ−を用い、ポリエステルエラストマー100質量部にホウ素錯体リチウムのスルホン酸塩1.0質量部を添加した。その後200〜270℃で溶融し、溶融物を押出成形機内のトナー規制部材の基材を走行させつつ成形キャビティに順次注入した。ポリエステルエラストマーを固化し、トナー規制部材の基材に被覆させることで、図3に示すトナー規制部材用シートを得た。樹脂の押出し量とトナー規制部材の基材の送り速度、金型の大きさを変えることにより、被膜の大きさの調整を行った。得られたトナー規制部材用シートをLBP7700C用のシアンカートリッジの現像装置に装着できるような寸法にプレス切断し、トナー規制部材1を得た。このトナー規制部材1の被膜の体積抵抗率は、2.3×107Ω・cmであった。また、被膜の動摩擦係数μが0.19であった。
〔実施例2〜13、比較例1〜5〕
トナー、トナー規制部材を表3に示す構成に変更した以外は、実施例1と同様の方法で評価を行った。
尚、トナー規制部材に関しては、トナー規制部材1の製造方法に対して、製造方法、処方を変更し、表3に示す物性値のトナー規制部材2〜7を作製し、実施例、比較例に使用した。
Figure 2017062365
Figure 2017062365
S…記録媒体、1(1a〜1d)…感光体ドラム(静電潜像担持体)、2(2a〜2d)…帯電ローラ、3…スキャナユニット、4(4a〜4d)…現像装置、5…中間転写ユニット、6(6a〜6d)…クリーニング部材、7…弾性部材、8…クリーニング支持部材、9…転写ベルト、12…現像前軸受、13…現像奥軸受、14…前支持ピン、15…奥支持ピン、17…カセット、20…吹き出し防止シート、21…スクイシート、25(25a〜25d)…トナー担持体、26(26a〜26d)…クリーニング装置、27…クリーニング枠体、27a…除去トナー室、28…帯電ローラ軸受、31…現像枠体、31a…トナー収納室、34…トナー供給ローラ、35…トナー規制部材、36…トナー搬送部材、36a…撹拌軸、36b…シート部材、40…シール部材、46…帯電ローラ加圧部材、54…給送ローラ、55…レジストローラ対、56…駆動ローラ、57…従動ローラ、58(58a〜58d)…1次転写ローラ、59…対向ローラ、69…2次転写ローラ、70(70a〜70d)…プロセスカートリッジ、72…排出ローラ、74…定着部、75…排出部、76…搬送ローラ対、77…トナー規制部材の基材、78…被膜、79…当接側面、80…エッジ、100…電子写真画像形成装置

Claims (8)

  1. トナー担持体上のトナー層厚をトナー規制部材により規制し、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を前記トナー担持体上のトナーで現像する現像方法であって、
    前記トナー規制部材は、体積抵抗率が105Ω・cm以上1010Ω・cm以下の被膜で被覆されており、
    前記トナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有するトナー母粒子の表面に樹脂微粒子が固着したトナー粒子を有するトナーであり、
    前記樹脂微粒子が、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下であるイオン性官能基を有する樹脂を含有することを特徴とする現像方法。
  2. 前記被膜の動摩擦係数μが0.10以上0.40以下であることを特徴とする請求項1に記載の現像方法。
  3. 前記被膜の主成分が樹脂であり、
    前記トナー規制部材が、前記トナー担持体との当接面から先端部に亘って前記被膜により被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の現像方法。
  4. 前記被膜の主成分がエラストマーであることを特徴とする請求項3に記載の現像方法。
  5. 前記イオン性官能基を有する樹脂のpKaが、7.0以上8.5以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の現像方法。
  6. 前記イオン性官能基を有する樹脂が、下記式(1)で示される部分構造を有する樹脂であることを特徴とする請求項1乃至5の何れか1項に記載の現像方法。
    Figure 2017062365
    (式(1)中、R1は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、R2は、水素原子、ヒドロキシ基、炭素数1以上18以下のアルキル基、または、炭素数1以上18以下のアルコキシ基を表し、gは1以上3以下の整数を表し、hは、0以上3以下の整数を表す。hが2または3である場合、h個のR1は、同一であっても異なっていてもよい。)
  7. 前記イオン性官能基を有する樹脂が、50μmol/g以上1000μmol/g以下の前記部分構造を含有することを特徴とする請求項6に記載の現像方法。
  8. 静電潜像担持体、トナー担持体、及び、前記トナー担持体に当接し、トナーを規制するトナー規制部材を備えた現像装置において、
    前記トナー規制部材は、体積抵抗率が105Ω・cm以上1010Ω・cm以下の被膜で被覆された規制部材であり、
    前記トナーは、結着樹脂、及び着色剤を含有するトナー母粒子の表面に、樹脂微粒子が固着したトナー粒子を有するトナーであり、
    前記樹脂微粒子が、pKa(酸解離定数)が6.0以上9.0以下であるイオン性官能基を有する樹脂を含有することを特徴とする現像装置。
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