JP2013514543A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
転写効率が高く、トナー消耗量の少ないトナーが提供される。該トナーは、結着樹脂及び着色剤を含み、トナー粒子の粒度分布が下記式(1)及び(2)を満足する。
GSDα≦GSDβ≦GSDγ(1)
0.80≦GSDβ≦0.88(2)
GSDα≦GSDβ≦GSDγ(1)
0.80≦GSDβ≦0.88(2)
Description
本発明は、静電荷像現像用トナー粒子、それを含む電子写真用の画像形成用現像剤、及びそれを利用した電子写真用の画像形成方法に係り、特に粒度分布が狭く、転写効率が高く、トナー消耗量の少ないトナー粒子、それを含む電子写真用の画像形成用現像剤、及びそれを採用した電子写真用の画像形成方法に関する。
光導電性物質を使用して、多様な手段により感光体上に静電気的潜像を形成し、この静電荷像をトナーで現像して可視的像を形成した後、トナー画像を紙のような転写受容材料に転写した後、熱及び/または圧力を印加して、転写受容材料に定着された画像を形成する多数の電子写真法が知られている。
従って、最近、電子写真法を利用した画像形成装置は、プリンタ及びファクシミリを含んで多様である。かかる画像形成装置は、さらに高い解像度及び鮮明度の現像方式を必要とし、このために粒子サイズの小さいトナーが開発されている。
一方、トナー粒子の粒度分布が広い場合、感光体などの汚染やクリーニング性の低下などの問題が発生する。
最近、印刷市場で高速印刷に適したトナー、特に転写効率が高く、トナー消耗量の少ないトナーについての要求が増加している。
本発明が解決しようとする課題は、転写効率及びクリーニング性に優れ、トナー消耗量の少ないトナー粒子を提供することである。
本発明が解決しようとする他の課題は、前記トナー粒子を含む静電荷像現像剤を提供することである。
本発明が解決しようとするさらに他の課題は、前記静電荷像現像剤を使用する電子写真用の画像形成方法を提供することである。
前記課題を解決するために、本発明は、結着樹脂及び着色剤を含むトナー粒子であって、トナー粒子の粒度分布が下記式(1)及び(2)を満足する静電荷像現像用トナー粒子を提供する。
ここで、D16,Number及びD16,Volumeは、それぞれ小さい方からの累積16%個数粒径及び累積16%体積粒径を表し、D50,Number及びD50,Volumeは、それぞれ50%個数粒径及び50%体積粒径を表し、D84,Number及びD84,Volumeは、それぞれ小さい方からの累積84%個数粒径及び累積84%体積粒径を表す。
本発明の一具現例によれば、前記GSDα>0.01である。
本発明の他の具現例によれば、前記GSDγ≦1である。
前記他の課題を解決するために、本発明は、前記トナー粒子(と、キャリアと)を含む静電荷像現像剤を提供する。
前記さらに他の課題を解決するために、本発明は、静電潜像が形成された感光体の表面に前記トナーを付着させてトナー画像を形成し、前記トナー画像を転写材に転写する工程を含む電子写真用の画像形成方法を提供する。
本発明のトナー粒子は、転写効率及びクリーニング性に優れ、トナー消耗量が少ない。
以下では、本発明の望ましい具現例によるトナー粒子についてさらに詳細に説明する。
本発明の一側面によるトナー粒子は、結着樹脂及び着色剤を含み、トナー粒子の粒度分布が下記式(1)及び(2)を満足する:
GSDα≦GSDβ≦GSDγ(1)
0.80≦GSDβ≦0.88(2)
GSDα≦GSDβ≦GSDγ(1)
0.80≦GSDβ≦0.88(2)
ここで、D16,Number及びD16,Volumeは、それぞれ小さい方からの累積16%個数粒径及び累積16%体積粒径を表し、D50,Number及びD50,Volumeは、それぞれ50%個数粒径及び50%体積粒径を表し、D84,Number及びD84,Volumeは、それぞれ小さい方からの累積84%個数粒径及び累積84%体積粒径を表す。
本発明によるトナー粒子は、前記式(1)及び(2)を満足することで、粒度分布が狭く、転写効率が高く、トナー消耗量が少ない。
本発明の一具現例によれば、前記GSDα>0.5である。
本発明の他の具現例によれば、前記GSDγ≦1である。
本発明のトナー粒子に含まれる結着樹脂は、ビニル系単量体、カルボキシ基を有する極性単量体、不飽和エステル基を有する単量体、及び脂肪酸基を有する単量体のうち選択された一つまたは二つ以上の重合性単量体を重合して製造される。前記重合性単量体の具体的な例としては、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等の(メタ)アクリル酸誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、メチルイソプロフェニルケトン等のビニルケトン;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等の窒素含有ビニル化合物などがあり、必ずしもこれらに限定されるものではない。
前記重合を行うためには、一般的に重合開始剤が使われ、かかる重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド系及びアゾ系の重合開始剤がある。
前記結着樹脂のうち一部を選別して、架橋剤とさらに反応させるが、かかる架橋剤としては、イソシアネート化合物及びエポキシ化合物などが使われる。
前記トナー粒子に含まれる着色剤は、顔料それ自体として使われてもよく、顔料が樹脂内に分散された顔料マスターバッチ形態に使われてもよい。
前記顔料は、商業的によく使われる顔料であるブラック顔料、シアン顔料、マゼンタ顔料、イエロー顔料及びそれらの混合物のうち適切に選択されて使われる。
前記着色剤の含量は、トナーを着色して現像により可視画像を形成するのに十分な程度であればよいが、例えば、前記結着樹脂100重量部を基準として、1ないし20重量部であることが望ましい。
一方、前記トナー粒子は、結着樹脂及び着色剤以外に添加剤をさらに含んでもよい。トナー粒子に含まれる添加剤としては、ワックスのような離形剤、帯電制御剤などが使われる。
ワックスは、トナー画像の定着性を向上させるものであって、低分子量のポリプロピレン、低分子量のポリエチレンなどのポリアルキレンワックス、エステルワックス、カルナウバ(carnauba)ワックス、パラフィンワックスなどが使われる。トナーに含まれるワックスの含量は、一般的に全体のトナー組成物の100重量部に対して、0.1重量部ないし30重量部の範囲以内である。前記ワックスの含量が0.1重量部未満である場合には、オイルを使用せずにトナー粒子を定着させるオイルレス(oilless)定着を実現しがたいので望ましくなく、30重量部を超える場合には、保管時にトナーのかたまり現象が誘発されるので望ましくない。
また、前記添加剤は、外添剤をさらに含む。外添剤は、トナーの流動性を向上させるか、または帯電特性を調節するためのものであって、大粒径シリカ、小粒径シリカ、及びポリマービーズを含む。
本発明の具現例によるトナー粒子は、多様な方法で製造される。すなわち、当該技術分野で使用する方法として、前記物性を有するトナー粒子を製造できる方法であれば、特に限定されない。
例えば、トナー粒子は次のような方法で製造される。ラテックス分散液、着色剤分散液、及びワックス分散液の混合物に凝集剤を添加して均質化した後、凝集ステップを経ることで、トナー粒子を製造する。すなわち、ラテックス分散液、着色剤分散液、及びワックス分散液を反応器に投入して混合した後、凝集剤を投入して、10ないし100分間pH1.5ないし2.3及び20ないし30℃で、1.0ないし2.0m/sの攪拌線速度で均質化する。その後、反応器を48ないし53℃に昇温させて、1.0ないし2.5m/sの攪拌線速度で攪拌して凝集を行う。
前記凝集されたトナー粒子は、融合ステップを経た後、冷却及び乾燥ステップを経て、所望のトナー粒子を得る。乾燥されたトナー粒子は、シリカなどを使用して外添剤による処理を行い、帯電電荷量などを調節して、最終のレーザープリンタ用トナーを製造できる。
本発明のトナー粒子は、コア・シェル構造を有してもよい。コア・シェル構造のトナーを製造する場合には、コア用ラテックス分散液、着色剤分散液、及びワックス分散液の混合物に凝集剤を添加して均質化した後、凝集ステップを経ることで、1次凝集トナーを製造し、得られた1次凝集トナーにシェル用ラテックス分散液を添加して、シェル層を形成した後、融合ステップを経る。
本発明の他の側面によれば、前記トナー粒子を含む静電荷像現像剤が提供される。前記静電荷像現像剤は、表面が絶縁物質で被覆されたフェライト、絶縁物質で被覆されたマグネタイト、及び絶縁物質で被覆された鉄粉末からなる群から選択された一つ以上をキャリアとしてさらに含む。
本発明のさらに他の側面によれば、前記トナー粒子を使用する電子写真用の画像形成方法が提供される。
具体的には、静電潜像が形成された感光体の表面に、前記トナーまたは前記静電荷像現像剤を付着させてトナー画像を形成し、前記トナー画像を転写材に転写する工程を含む画像形成方法が提供される。
本発明によるトナーまたは静電荷像現像剤は、電子写真用の画像形成装置に使われる。ここで、電子写真方式の画像形成装置とは、レーザープリンタ、コピー機、ファクシミリなどを意味する。
以下、望ましい実施例を挙げて、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれらの実施例に限定されるものではない。
平均粒径の測定
トナーの平均粒径は、マルチサイザー3コールターカウンターで測定した。マルチサイザー3コールターカウンターにおいて、アパチャーは100μmを利用し、電解液であるISOTON-II(Beckman Coulter社製)50〜100mlに界面活性剤を適正量添加し、これに測定試料10〜15mgを添加した後、超音波分散器で5分間分散処理することで試料を製造した。
トナーの平均粒径は、マルチサイザー3コールターカウンターで測定した。マルチサイザー3コールターカウンターにおいて、アパチャーは100μmを利用し、電解液であるISOTON-II(Beckman Coulter社製)50〜100mlに界面活性剤を適正量添加し、これに測定試料10〜15mgを添加した後、超音波分散器で5分間分散処理することで試料を製造した。
ガラス転移温度(Tg,℃)の測定
試料のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC, Netzsch社製)を使用して、試料を10℃/分の加熱速度で20℃から200℃まで昇温させた後、20℃/分の冷却速度で10℃まで急冷させた後、再び10℃/分の加熱速度で昇温させて測定した。
試料のガラス転移温度は、示差走査熱量計(DSC, Netzsch社製)を使用して、試料を10℃/分の加熱速度で20℃から200℃まで昇温させた後、20℃/分の冷却速度で10℃まで急冷させた後、再び10℃/分の加熱速度で昇温させて測定した。
酸価の測定
酸価(mgKOH/g)は、樹脂をジクロロメタンに溶解させた後で冷却させて、0.1N KOHメチルアルコール溶液で滴定して測定した。
酸価(mgKOH/g)は、樹脂をジクロロメタンに溶解させた後で冷却させて、0.1N KOHメチルアルコール溶液で滴定して測定した。
分子量の測定
分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(Waters Alliance GPC 2000 systems)で測定した。使われた溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)であり、標準ポリスチレンで分子量の検定線を作成して測定した。
分子量は、ゲル浸透クロマトグラフィ(Waters Alliance GPC 2000 systems)で測定した。使われた溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)であり、標準ポリスチレンで分子量の検定線を作成して測定した。
〔実施例1〕
(コア及びシェル用のラテックスの製造)
体積が30リットルであり、攪拌器、温度計及びコンデンサが設置された反応器を、オイルが熱伝逹媒体であるオイル槽内に設置した。このように設置された反応器内に6,600gの蒸溜水及び32gの界面活性剤(Dowfax 2A1)を投入して、反応器の温度を70℃まで上昇させ、100rpmの速度で攪拌させた。以後、モノマー、すなわち、スチレン8,380g、ブチルアクリレート3,220g、2−カルボキシエチルアクリレート370g、及び1,10−デカンジオールジアクリレート226g、蒸溜水5,075g、界面活性剤(Dowfax 2A1)226g、ポリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート530g、鎖移動剤として1−ドデカンチオール188gの乳化混合物を、ディスクタイプのインペラで400〜500rpmで30分間攪拌した。その後、この乳化混合物を前記反応器に1時間徐々に投入した。以後、約8時間反応を行った後、常温まで徐々に冷却させつつ反応を完了した。
(コア及びシェル用のラテックスの製造)
体積が30リットルであり、攪拌器、温度計及びコンデンサが設置された反応器を、オイルが熱伝逹媒体であるオイル槽内に設置した。このように設置された反応器内に6,600gの蒸溜水及び32gの界面活性剤(Dowfax 2A1)を投入して、反応器の温度を70℃まで上昇させ、100rpmの速度で攪拌させた。以後、モノマー、すなわち、スチレン8,380g、ブチルアクリレート3,220g、2−カルボキシエチルアクリレート370g、及び1,10−デカンジオールジアクリレート226g、蒸溜水5,075g、界面活性剤(Dowfax 2A1)226g、ポリエチレングリコールエチルエーテルメタクリレート530g、鎖移動剤として1−ドデカンチオール188gの乳化混合物を、ディスクタイプのインペラで400〜500rpmで30分間攪拌した。その後、この乳化混合物を前記反応器に1時間徐々に投入した。以後、約8時間反応を行った後、常温まで徐々に冷却させつつ反応を完了した。
反応完了後、示差走査熱量計(DSC)を利用して結着樹脂のガラス転移温度(Tg)を測定した結果、前記温度は、62℃であった。基準試料としてポリスチレンを使用してGPCにより結着樹脂の数平均分子量を測定し、その結果、前記数平均分子量は、50,000であった。
(顔料分散液の製造)
体積が3リットルであり、攪拌器、温度計及びコンデンサが設置された反応器に、シアン顔料(大日精化工業株式会社製、ECB303)540g、界面活性剤(Dowfax 2A1)27g、蒸溜水2,450gを入れた後、約10時間徐々に攪拌しつつ予備分散を行った。10時間の予備分散を行った後、ビーズミル(ドイツのNetzsch社製、Zeta RS)を利用して4時間分散させた。結果として、シアン顔料分散液を得た。
体積が3リットルであり、攪拌器、温度計及びコンデンサが設置された反応器に、シアン顔料(大日精化工業株式会社製、ECB303)540g、界面活性剤(Dowfax 2A1)27g、蒸溜水2,450gを入れた後、約10時間徐々に攪拌しつつ予備分散を行った。10時間の予備分散を行った後、ビーズミル(ドイツのNetzsch社製、Zeta RS)を利用して4時間分散させた。結果として、シアン顔料分散液を得た。
分散完了後、マルチサイザー2000(Malvern社製)を使用して、シアン顔料粒子の粒度を測定した結果、D50(v)が170nmであった。ここで、D50(v)は、体積平均粒径を基準として50%に該当する粒径、すなわち、粒径を測定して、小さい粒子から体積を累積する場合、総体積の50%に該当する粒径を意味する。
(ワックス分散液の製造)
体積が5リットルであり、攪拌器、温度計及びコンデンサが設置された反応器に、界面活性剤(Dowfax 2A1)65g及び蒸溜水1,935gを投入した後、前記混合液を高温で約2時間徐々に攪拌しつつ、ワックス(NOF社製、WE−5)1,000gを前記反応器に投入した。前記混合液を、ホモジナイザー(IKA社製、T−45)を使用して30分間分散させた。結果として、ワックス分散液を得た。
体積が5リットルであり、攪拌器、温度計及びコンデンサが設置された反応器に、界面活性剤(Dowfax 2A1)65g及び蒸溜水1,935gを投入した後、前記混合液を高温で約2時間徐々に攪拌しつつ、ワックス(NOF社製、WE−5)1,000gを前記反応器に投入した。前記混合液を、ホモジナイザー(IKA社製、T−45)を使用して30分間分散させた。結果として、ワックス分散液を得た。
分散完了後、マルチサイザー2000(Malvern社製)を使用して、分散された粒子の粒度を測定した結果、D50(v)が320nmであった。
(トナー粒子の製造)
70リットルである反応器に、前記で製造したコア用ラテックス分散液13,881g、着色剤分散液2,238g、及びワックス分散液2,873gを投入した後、常温で約15分間1.21m/sで混合した。凝集剤としてPSI(Poly Silicato Iron)と硝酸との混合溶液(PSI/1.88%HNO3=1/2)を5,760g投入した後、25℃で50rpm(攪拌線速度1.79m/sec)で30分間pH1.3〜2.3で混合しつつ、ホモジナイザー(IKA社製、T−45)を使用して分散させた。30分間分散後、反応器の温度を51℃に昇温した後、2.42m/sで攪拌して(Pitched paddle-typeのインペラの寸法:直径=0.30m、高さ=0.07m)、D50,vが6.2ないし6.4μmとなるまで凝集し続けた後、シェル用ラテックス分散液5,398gを約20分にわたって投入した。平均粒径が6.7〜6.9μmとなるまで攪拌し続けた後、4%水酸化ナトリウム水溶液を反応器に投入して、pH4となるまでは1.90m/sで、pH7となるまで1.55m/秒で攪拌した。攪拌速度を維持しつつ、反応器の温度を96℃に昇温させて、トナー粒子を融合した。FPIA−3000(Sysmex社製)を利用して円形度を測定した時、0.980であれば、反応器の温度を40℃に冷却し、pHを9.0に調整して、SUSシーブ(孔径:16μm)を使用してトナーを分離させた後、分離されたトナーを蒸溜水で4回洗浄した。その後、1.88%硝酸水溶液でpH1.5に調整して洗浄し、蒸溜水で4回再洗浄して、界面活性剤などをいずれも除去した。以後、洗浄が完了したトナー粒子を流動層乾燥器で40℃の温度で5時間乾燥して、乾燥されたトナー粒子を得た。
70リットルである反応器に、前記で製造したコア用ラテックス分散液13,881g、着色剤分散液2,238g、及びワックス分散液2,873gを投入した後、常温で約15分間1.21m/sで混合した。凝集剤としてPSI(Poly Silicato Iron)と硝酸との混合溶液(PSI/1.88%HNO3=1/2)を5,760g投入した後、25℃で50rpm(攪拌線速度1.79m/sec)で30分間pH1.3〜2.3で混合しつつ、ホモジナイザー(IKA社製、T−45)を使用して分散させた。30分間分散後、反応器の温度を51℃に昇温した後、2.42m/sで攪拌して(Pitched paddle-typeのインペラの寸法:直径=0.30m、高さ=0.07m)、D50,vが6.2ないし6.4μmとなるまで凝集し続けた後、シェル用ラテックス分散液5,398gを約20分にわたって投入した。平均粒径が6.7〜6.9μmとなるまで攪拌し続けた後、4%水酸化ナトリウム水溶液を反応器に投入して、pH4となるまでは1.90m/sで、pH7となるまで1.55m/秒で攪拌した。攪拌速度を維持しつつ、反応器の温度を96℃に昇温させて、トナー粒子を融合した。FPIA−3000(Sysmex社製)を利用して円形度を測定した時、0.980であれば、反応器の温度を40℃に冷却し、pHを9.0に調整して、SUSシーブ(孔径:16μm)を使用してトナーを分離させた後、分離されたトナーを蒸溜水で4回洗浄した。その後、1.88%硝酸水溶液でpH1.5に調整して洗浄し、蒸溜水で4回再洗浄して、界面活性剤などをいずれも除去した。以後、洗浄が完了したトナー粒子を流動層乾燥器で40℃の温度で5時間乾燥して、乾燥されたトナー粒子を得た。
〔実施例2,3〕
インペラの寸法及び攪拌速度を下記表1のように異ならせる点を除いては、前記実施例1と同じ方法でトナー粒子を製造した。下記表1で、d値は、インペラの直径を表し、b値は、インペラの高さを表す。下記表1で、攪拌速度は、前記実施例1の攪拌速度を基準として上向きまたは下向き調整した程度を百分率で表したものである。
インペラの寸法及び攪拌速度を下記表1のように異ならせる点を除いては、前記実施例1と同じ方法でトナー粒子を製造した。下記表1で、d値は、インペラの直径を表し、b値は、インペラの高さを表す。下記表1で、攪拌速度は、前記実施例1の攪拌速度を基準として上向きまたは下向き調整した程度を百分率で表したものである。
〔比較例1〜3〕
インペラのタイプを異ならせる点を除いては、前記実施例1と同じ方法でトナー粒子を製造した。
インペラのタイプを異ならせる点を除いては、前記実施例1と同じ方法でトナー粒子を製造した。
前記実施例及び比較例で製造したトナー粒子のGSDα、GSDβ及びGSDγ値は、下記表2に示した。
前記表2から、本発明の実施例によるトナー粒子は、式(1)及び式(2)の条件をいずれも満足しており、比較例によるトナー粒子は、式(1)及び/または式(2)を満足していないということが分かる。
前記実施例及び比較例で製造したトナー粒子についての評価は、次のように実施した。
帯電性の評価
前記実施例及び比較例で製造したトナー粒子9.75g、シリカ(TG810G;Cabot社製)0.2g、及びシリカ(RX50;Degussa社製)0.05gを混合して製造したトナー粒子を使用して、帯電性測定装置q/mメーター(EPPING社製、ドイツ)を利用して帯電性を測定した。キャリア(100μm、日本画像学会)9.3g及び前記シリカと混合したトナー0.7gを、ターブラーミキサー(WAB社製、スイス)を利用して混合した。そのうち1gを取って、常温常湿条件でq/mメーターに入れて90秒間帯電量を測定し、その結果を下記表3に示した。
前記実施例及び比較例で製造したトナー粒子9.75g、シリカ(TG810G;Cabot社製)0.2g、及びシリカ(RX50;Degussa社製)0.05gを混合して製造したトナー粒子を使用して、帯電性測定装置q/mメーター(EPPING社製、ドイツ)を利用して帯電性を測定した。キャリア(100μm、日本画像学会)9.3g及び前記シリカと混合したトナー0.7gを、ターブラーミキサー(WAB社製、スイス)を利用して混合した。そのうち1gを取って、常温常湿条件でq/mメーターに入れて90秒間帯電量を測定し、その結果を下記表3に示した。
トナー消耗量の評価
前記実施例及び比較例で製造したトナー粒子9.75g、シリカ(TG810G;Cabot社製)0.2g、及びシリカ(RX50;Degussa社製)0.05gを混合してトナー粒子を製造した。このトナー粒子を使用して、三星CLP−510プリンタで印刷字比率5%の画像でA4用紙1,000枚を出力した後、現像器及び廃トナーの重量を測定し、初期現像器の重量と比較して1,000枚当たりトナー消耗量を算出した。
前記実施例及び比較例で製造したトナー粒子9.75g、シリカ(TG810G;Cabot社製)0.2g、及びシリカ(RX50;Degussa社製)0.05gを混合してトナー粒子を製造した。このトナー粒子を使用して、三星CLP−510プリンタで印刷字比率5%の画像でA4用紙1,000枚を出力した後、現像器及び廃トナーの重量を測定し、初期現像器の重量と比較して1,000枚当たりトナー消耗量を算出した。
1,000枚当たりトナー消耗量=(初期の現像器の重量)−[(出力後の現像器の重量)−(出力後の廃トナーの重量)]
転写効率の評価
前記実施例及び比較例で製造したトナー粒子9.75g、シリカ(TG810G;Cabot社製)0.2g、及びシリカ(RX50;Degussa社製)0.05gを混合してトナー粒子を製造した。このトナー粒子を使用して、三星CLP−510プリンタで2cm×2cmのソリッドパターンを利用して転写した後、OPC、中間ベルト、用紙のトナーを吸入して重量を測定した。測定した各重量値により、下記式によって転写効率を算出した。
前記実施例及び比較例で製造したトナー粒子9.75g、シリカ(TG810G;Cabot社製)0.2g、及びシリカ(RX50;Degussa社製)0.05gを混合してトナー粒子を製造した。このトナー粒子を使用して、三星CLP−510プリンタで2cm×2cmのソリッドパターンを利用して転写した後、OPC、中間ベルト、用紙のトナーを吸入して重量を測定した。測定した各重量値により、下記式によって転写効率を算出した。
1次転写効率(%)=[(中間転写体上のトナー量)/(感光体上の転写前のトナー量)]*100
2次転写効率(%)=[(用紙上のトナー量)/(中間転写体上の転写前のトナー量)]*100
2次転写効率(%)=[(用紙上のトナー量)/(中間転写体上の転写前のトナー量)]*100
画像品質の評価
前記実施例及び比較例で製造したトナー粒子9.75g、シリカ(TG810G;Cabot社製)0.2g、及びシリカ(RX50;Degussa社製)0.05gを混合してトナー粒子を製造した。このトナー粒子を使用して、三星CLP−510プリンタでJIS−JIS−SCIDのN2画像を出力して、下記基準でもって評価した。
前記実施例及び比較例で製造したトナー粒子9.75g、シリカ(TG810G;Cabot社製)0.2g、及びシリカ(RX50;Degussa社製)0.05gを混合してトナー粒子を製造した。このトナー粒子を使用して、三星CLP−510プリンタでJIS−JIS−SCIDのN2画像を出力して、下記基準でもって評価した。
○:画像の細部まで明らかに見える
Δ:若干落ちる
×:画像の細部が崩れる
Δ:若干落ちる
×:画像の細部が崩れる
前記評価結果を下記表3に示した。
前記表3に示すように、本発明の一具現例による実施例1ないし3のトナー粒子は、粒度分布が狭く、帯電性に優れ、トナー消耗量が少なく、転写効率及び画像品質に優れるということが分かる。
Claims (6)
- 結着樹脂及び着色剤を含むトナー粒子であって、トナー粒子の粒度分布が下記式(1)及び(2)を満足するトナー粒子。
GSDα≦GSDβ≦GSDγ(1)
0.80≦GSDβ≦0.88(2)
(前記式で、GSDα、GSDβ、GSDγはそれぞれ以下のとおりである。
〔GSDα〕
〔GSDβ〕
〔GSDγ〕
ここで、D16,Number及びD16,Volumeは、それぞれ小さい方からの累積16%個数粒径及び累積16%体積粒径を表し、
D50,Number及びD50,Volumeは、それぞれ50%個数粒径及び50%体積粒径を表し、
D84,Number及びD84,Volumeは、それぞれ小さい方からの累積84%個数粒径及び累積84%体積粒径を表す。) - 前記GSDα>0.5である請求項1に記載のトナー粒子。
- 前記GSDγ≦1である請求項1に記載のトナー粒子。
- 請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のトナー粒子を含む静電荷像現像剤。
- 絶縁物質で被覆されたフェライト、絶縁物質で被覆されたマグネタイト、及び絶縁物質で被覆された鉄粉末からなる群から選択される一つ以上をキャリアとしてさらに含む請求項4に記載の静電荷像現像剤。
- 静電潜像が形成された感光体の表面にトナーを付着させてトナー画像を形成し、前記トナー画像を転写材に転写する工程を含む電子写真用の画像形成方法において、前記トナーが請求項1ないし3のうちいずれか一項に記載のトナー粒子である電子写真用の画像形成方法。
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