JP2011077029A - 非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】グラファイト等の結晶性の高い結晶性炭素材料を活物質とし、高分子カルボン酸化合物を結着剤として製造された負極を使用した二次電池においても、小さな内部抵抗と高い電気容量を長期使用において維持することが可能な二次電池用非水電解液、及び該非水電解液を用いた非水電解液二次電池を提供すること。
【解決手段】高分子カルボン酸化合物を含有する負極を有する二次電池に使用される非水電解液において、下記一般式(1)で表される不飽和リン酸エステル化合物を含有することを特徴とする非水電解液。
Figure 2011077029

【選択図】なし

Description

本発明は、高分子カルボン酸化合物を含有する負極を有する二次電池に使用される非水電解液に関し、詳細には、特定の構造を有する不飽和リン酸エステル化合物を含有する非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池に関する。
近年の携帯用パソコン、ハンディビデオカメラ、情報端末等の携帯電子機器の普及に伴い、高電圧、高エネルギー密度を有する非水電解液二次電池が電源として広く用いられるようになった。また、環境問題の観点から、電池自動車や電力を動力の一部に利用したハイブリッド車の実用化が行われている。
非水電解液二次電池の負極や正極は、電極活物質、導電性材料、バインダー(結着剤)及び溶媒を混合してスラリー状又はペースト状の塗布液とし、この塗布液を金属集電体上に塗着することで製造される。このような正極又は負極の製造に用いられる溶媒としては、ジメチルアセトアミド、アセトン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等の有機溶媒や水が挙げられるが、有機溶媒は環境に対する負荷が大きいことから、近年では、溶媒として水を用いる場合が多い。水を溶媒にした場合のバインダー又は増粘剤としては、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロース等の高分子カルボン酸化合物や、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アミド等が用いられる。高分子カルボン酸化合物を用いた場合には、そのカルボキシル基が、金属集電体、電極活物質、導電性材料等の表面に吸着することにより、結着性に優れた良好な電極が得られることが知られている(例えば、特許文献1等を参照)。
しかしながら、高分子カルボン酸化合物を用いた負極を有する二次電池では、高温保存或いは高温での充放電の繰り返しにより電気容量の低下や内部抵抗の上昇が起りやすいという問題があり、特に、高分子カルボン酸化合物と共に、グラファイト等の結晶性炭素材料を有する負極を有する二次電池では、このような問題が起こることが多かった。これは、負極上の活性点、特に反応性の高い結晶性炭素材料の端面において、高分子カルボン酸化合物の分解が起こり、負極表面に分解物が発生し、その分解物が高温状態において更に電解液等と反応することによって、不可逆容量が大きくなるとともに多量の分解物の蓄積により負極表面でのリチウムイオンの移動の阻害が起るためと考えられる。
一方、非水電解液二次電池では、非水電解液二次電池の安定性や電気特性の向上のために、非水電解液用の種々の添加剤が提案されている。例えば、1,3−プロパンスルトン(例えば、特許文献2を参照)、ビニルエチレンカーボネート(例えば、特許文献3を参照)、ビニレンカーボネート(例えば、特許文献4を参照)、1,3−プロパンスルトン、ブタンスルトン(例えば、特許文献5を参照)、ビニレンカーボネート(例えば、特許文献6を参照)、ビニルエチレンカーボネート(例えば、特許文献7を参照)等の添加剤は、負極の表面にSEI(Solid Electrolyte Interface:固体電解質膜)と呼ばれる安定な被膜を形成し、この被膜が負極の表面を覆うことにより、電解液の還元分解を抑制するものと考えられている。これらの中でも、ビニレンカーボネートは効果が大きいことから広く使用されている。
しかしながら、これらの添加剤は、高分子カルボン酸化合物が含まれる負極では、高温状態において、高分子カルボン酸化合物の分解物との反応性が高く、厚い被膜を形成するために、高温保存或いは高温での充放電の繰り返しにより電気容量の低下や内部抵抗の上昇に対して、十分な防止効果が得られなかった。
また、トリプロパギルホスフェート、ジメチルプロパギルホスフェートを含有する非水電解液(例えば、特を許文献8及び9を参照)も提案されているが、このような非水電解液と高分子カルボン酸化合物が含まれる負極とを有する非水電解液二次電池については、何ら示唆されていない。
尚、高分子カルボン酸化合物は、水溶性の向上やpHの調整のために、アミン類やアルカリ金属で中和又は部分中和して使用される場合があるが、本発明では、このような高分子カルボン酸化合物の中和物及び部分中和物を含めて高分子カルボン酸化合物という。
特開2007−115671号公報 特開昭63−102173号公報 特開平4−87156号公報 特開平5−74486号公報 特開平10−50342号公報 特開平8−045545号公報 特開2001−6729号公報 特開2002−198092号公報 米国特許6511772号
従って、本発明の目的は、グラファイト等の結晶性の高い結晶性炭素材料を活物質とし、高分子カルボン酸化合物を結着剤として製造された負極を使用した非水電解液二次電池においても、小さな内部抵抗と高い電気容量を長期使用において維持することが可能な二次電池用非水電解液、及び該電解液を用いた非水電解液二次電池を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討を行なった結果、特定の構造を有する不飽和リン酸エステル化合物を非水電解液に添加することにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、高分子カルボン酸化合物を含有する負極を有する二次電池に使用される非水電解液において、下記一般式(1)で表される不飽和リン酸エステル化合物を含有することを特徴とする非水電解液を提供するものである。
Figure 2011077029
(式中、R1及びR2は各々独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表わし、R3は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表わす。)
また、本発明は、高分子カルボン酸化合物を含有する負極、正極及び上記非水電解液を有する非水電解液二次電池を提供するものである。
本発明の非水電解液によれば、高分子カルボン酸化合物を含有する負極を有する非水電解液二次電池の寿命を大幅に伸ばすことが可能になった。特に、該高分子カルボン酸化合物と結晶性炭素材料を含有する負極を有する非水電解液二次電池において、小さな内部抵抗と高い電気容量を長期使用において維持することが可能になり、非水電解液二次電池の寿命を大幅に伸ばすことが可能になった。
図1は、本発明の非水電解液二次電池のコイン型電池の構造の一例を概略的に示す縦断面図である。 図2は、本発明の非水電解液二次電池の円筒型電池の基本構成を示す概略図である。 図3は、本発明の非水電解液二次電池の円筒型電池の内部構造を断面として示す斜視図である。
以下、本発明について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
先ず、本発明の非水電解液について説明する。
本発明の非水電解液は、上記一般式(1)で表される不飽和リン酸エステル化合物を含有することを特徴とする。
上記一般式(1)において、R1及びR2は各々独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、2級ブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、2級ペンチル、t−ペンチル、ヘキシル、2級ヘキシル、ヘプチル、2級ヘプチル、オクチル、2級オクチル、2−メチルペンチル、2−エチルヘキシル等が挙げられる。R1及びR2としては、リチウムイオンの移動への悪影響が少なく充電特性が良好であることから、水素原子、メチル、エチル、プロピルが好ましく、水素原子、メチルが更に好ましく、水素原子が最も好ましい。
3は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表わす。炭素数1〜8のアルキル基としては、R1及びR2で例示したアルキル基が挙げられる。炭素数2〜8のアルケニル基としては、例えば、ビニル、アリル、3−ブテニル、イソブテニル、4−ペンテニル、5−ヘキセニル、6−ヘプテニル、7−オクテニル等が挙げられる。炭素数2〜8のアルキニル基としては、例えば、エチニル、2−プロピニル(プロパギルともいう)、3−ブチニル、1−メチル−2−プロピニル、1,1−ジメチル−2−プロピニル等が挙げられる。炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基としては、例えば、クロロメチル、トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2−クロロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,2−トリクロロエチル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3−フルオロプロピル、2−クロロプロピル、3−クロロプロピル、2−クロロ−2−プロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、2−クロロブチル、3−クロロブチル、4−クロロブチル、3−クロロ−2−ブチル、1−クロロ−2−ブチル、2−クロロ−1,1−ジメチルエチル、3−クロロ−2−メチルプロピル、5−クロロペンチル、3−クロロ−2−メチルプロピル、3−クロロ−2,2−ジメチル、6−クロロヘキシル等が挙げられる。R3としては、非水電解液二次電池の内部抵抗が小さくなることから、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、2−クロロブチル、2−プロピニル、3−クロロブチル、4−クロロブチルが好ましく、エチル、プロピル、ブチルが更に好ましく、エチルが最も好ましい。
上記一般式(1)で表される不飽和リン酸エステル化合物のうち、R1及びR2が水素原子である化合物としては、例えば、メチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、エチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、プロピルビス(2−プロピニル)フォスフェート、ブチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、ペンチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、アリルビス(2−プロピニル)フォスフェート、トリス(2−プロピニル)フォスフェート、2−クロロエチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、2,2,2−トリフルオロエチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、2,2,2−トリクロロエチルビス(2−プロピニル)フォスフェート等が挙げられる。
また、R1がメチルでありR2が水素原子である化合物としては、例えば、メチルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、エチルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、プロピルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、ブチルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、ペンチルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、アリルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、トリス(1−メチル−1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、2−クロロエチルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、2,2,2−トリフルオロエチルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート、2,2,2−トリクロロエチルビス(1−メチル−2−プロピニル)フォスフェート等が挙げられる。
上記一般式(1)で表される不飽和リン酸エステル化合物としては、メチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、エチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、プロピルビス(2−プロピニル)フォスフェート、ブチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、ペンチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、トリス(2−プロピニル)フォスフェート、2−クロロエチルビス(2−プロピニル)フォスフェートが好ましく、エチルビス(2−プロピニル)フォスフェート、プロピルビス(2−プロピニル)フォスフェート、ブチルビス(2−プロピニル)フォスフェートが更に好ましく、エチルビス(2−プロピニル)フォスフェートが最も好ましい。
本発明の非水電解液において、上記一般式(1)で表される不飽和リン酸エステル化合物の含有量があまりに少ない場合には十分な効果を発揮できず、またあまりに多い場合は、配合量に見合う増量効果は得られないばかりか、却って非水電解液の特性に悪影響を及ぼすことがあることから、上記一般式(1)で表される不飽和リン酸エステル化合物の含有量は、非水電解液中、0.001〜5質量%が好ましく、0.01〜4質量%が更に好ましく、0.03〜3質量%が最も好ましい。
本発明の非水電解液は、負極表面に形成する被膜の高温での安定性を高め、長期間にわたる非水電解液二次電池の電気容量を維持するために、更に下記一般式(2)で表される不飽和シラン化合物又は下記一般式(3)で表される不飽和ホウ酸エステル化合物を含有することが好ましい。
Figure 2011077029
(式中、R4及びR5は各々独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表わし、R6及びR7は各々独立して炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基又は炭素数2〜8のアルキニル基を表わす。)
Figure 2011077029
(式中、R8及びR9は各々独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表わす。)
上記一般式(2)において、R4及びR5は各々独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表わす。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、上記一般式(1)のR1及びR2で例示したアルキル基が挙げられる。R4及びR5としては、リチウムイオンの移動への悪影響が少なく充電特性が良好であることから、水素原子、メチル、エチル、プロピルが好ましく、水素原子、メチルが更に好ましく、水素原子が最も好ましい。
上記一般式(2)において、R6及びR7は各々独立して炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基又は炭素数2〜8のアルキニル基を表わす。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、上記一般式(1)のR1及びR2で例示したアルキル基が挙げられる。炭素数2〜8のアルケニル基としては、例えば、上記一般式(1)のR3で例示したアルケニル基を挙げることができる。炭素数2〜8のアルキニル基としては、例えば、上記一般式(1)のR3で例示したアルキニル基を挙げることができる。R6及びR7としては、リチウムイオンの移動への悪影響が少なく充電特性が良好であることから、メチル、エチル、プロピル、ビニル、アリル、ブテニル、2−プロピニルが好ましく、メチル、エチル、プロピル、ビニル、2−プロピニルが更に好ましく、メチル、2−プロピニルが最も好ましい。
上記一般式(2)で表される不飽和シラン化合物としては、例えば、ジメチルビス(2−プロピニル)シラン、ジエチルビス(2−プロピニル)シラン、エチルメチルビス(2−プロピニル)シラン、メチルビニルビス(2−プロピニル)シラン、メチルトリス(2−プロピニル)シラン、テトラキス(2−プロピニル)シラン等が挙げられ、ジメチルビス(2−プロピニル)シラン、メチルトリス(2−プロピニル)シラン、テトラキス(2−プロピニル)シランが好ましく、メチルトリス(2−プロピニル)シラン、テトラキス(2−プロピニル)シランが更に好ましく、テトラキス(2−プロピニル)シランが最も好ましい。
上記一般式(3)において、R8及びR9は各々独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表す。炭素数1〜8のアルキル基としては、例えば、上記一般式(1)のR1及びR2で例示したアルキル基が挙げられる。R8及びR9としては、リチウムイオンの移動への悪影響が少なく充電特性が良好であることから、水素原子、メチル、エチル、プロピルが好ましく、水素原子、メチルが更に好ましく、水素原子が最も好ましい。
上記一般式(3)で表される不飽和ホウ酸エステル化合物としては、例えば、トリス(2−プロピニル)ボレート、トリス(1−メチル−2−プロピニル)ボレート、トリス(1−エチル−2−プロピニル)ボレート、トリス(1,1−ジメチル−2−プロピニル)ボレートが挙げられ、トリス(2−プロピニル)ボレートが好ましい。
上記一般式(2)で表される不飽和シラン化合物及び一般式(3)で表される不飽和ホウ酸エステル化合物は1種のみを使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。1種のみを使用する場合には、上記一般式(2)で表される不飽和シラン化合物が好ましい。
本発明の非水電解液において、上記一般式(2)で表される不飽和シラン化合物及び一般式(3)で表される不飽和ホウ酸エステル化合物の含有量が、あまりに少ない場合には十分な効果を発揮できず、またあまりに多い場合は、配合量に見合う増量効果は得られないばかりか、却って非水電解液の特性に悪影響を及ぼすことがあることから、上記一般式(2)で表される不飽和シラン化合物及び一般式(3)で表される不飽和ホウ酸エステル化合物の含有量は、非水電解液中、0.001〜5質量%が好ましく、0.003〜4質量%が更に好ましく、0.005〜3質量%が最も好ましい。
本発明の非水電解液は、電解液中の遊離酸の発生を低減し、電解液及び電極活物質の分解を抑制して、非水電解液二次電池の内部抵抗を低減する目的で、更に下記一般式(4)で表される不飽和カルボン酸シリルエステル化合物を含有することが好ましい。
Figure 2011077029
(式中、R10は炭素数2〜8のアルケニル基又は炭素数2〜8のアルキニル基を表わし、R11、R12及びR13は各々独立して、エーテル基又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基又はアルケニル基を表す。)
上記一般式(4)において、R10は炭素数2〜8のアルケニル基又は炭素数2〜8のアルキニル基を表わす。炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数2〜8のアルキニル基としては、例えば、上記一般式(1)のR3で例示したアルケニル基及び炭素数2〜8のアルキニルを挙げることができる。R10としては、リチウムイオンの移動への悪影響が少なく充電特性が良好であることから、ビニル、1−プロペニル、イソプロペニル、1−ブテニル、エチニル、1−プロピニルが好ましく、ビニル、エチニル、1−プロピニルが更に好ましい。
上記一般式(4)において、R11、R12及びR13は各々独立して、エーテル基又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基又はアルケニル基を表す。R11、R12及びR13としては、上記一般式(4)のR3で例示した炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基及び炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基に加えて、3−メトキシプロピル、3−エトキシプロピル、3−プロポキシプロピル、4−メトキシブチル、4−エトキシブチル、4−プロポキシブチル、4−ブトキシブチル、3−メトキシ−2−メチルプロピル、3−エトキシ−2−メチルプロピル、3−プロポキシ−2−メチルプロピル等のエーテル基を有するアルキル基が挙げられる。R11、R12及びR13としては、リチウムイオンの移動への悪影響が少なく充電特性が良好であることから、メチル、エチルが好ましく、メチルが更に好ましい。
上記一般式(4)で表される不飽和カルボン酸シリルエステル化合物の好ましい具体例としては、アクリル酸トリメチルシリル、メタクリル酸トリメチルシリル、クロトン酸トリメチルシリル、2−ブテン酸トリメチルシリル、2−メチル−2−ブテン酸トリメチルシリル、2−ペンテン酸トリメチルシリル、2−ヘキセン酸トリメチルシリル、2−ヘプテン酸トリメチルシリル、2−オクテン酸トリメチルシリル、2−ノネン酸トリメチルシリル、プロピン酸トリメチルシリル、2−ブチン酸トリメチルシリル、2−ペンチン酸トリメチルシリル、2−ヘキシン酸トリメチルシリル、2−ヘプチン酸トリメチルシリル、2−オクチン酸トリメチルシリル、2−ノニン酸トリメチルシリル等が挙げられ、中でも、アクリル酸トリメチルシリル、メタクリル酸トリメチルシリル、2−ペンテン酸トリメチルシリル、プロピン酸トリメチルシリル、2−ブチン酸トリメチルシリルが好ましく、アクリル酸トリメチルシリル、プロピン酸トリメチルシリル、2−ブチン酸トリメチルシリルが更に好ましい。
上記一般式(4)で表される不飽和カルボン酸シリルエステル化合物は1種のみを使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
本発明の非水電解液において、上記一般式(4)で表される不飽和カルボン酸シリルエステル化合物の含有量が、あまりに少ない場合には十分な効果を発揮できず、またあまりに多い場合は、配合量に見合う増量効果は得られないばかりか、却って非水電解液の特性に悪影響を及ぼすことがあることから、上記一般式(4)で表される不飽和カルボン酸シリルエステル化合物の含有量は、非水電解液中、0.001〜5質量%が好ましく、0.003〜4質量%が更に好ましく、0.005〜3質量%が最も好ましい。
本発明の非水電解液は、正極及び負極それぞれの活物質の特性にあった電極表面の被膜を形成するために、更に、不飽和基を有する環状カーボネート化合物、鎖状カーボネート化合物、不飽和ジエステル化合物、ハロゲン化環状カーボネート化合物、環状亜硫酸エステル化合物及び環状硫酸エステル化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を含有することが好ましい。
上記不飽和基を有する環状カーボネート化合物としては、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、プロピリデンカーボネート、エチレンエチリデンカーボネート、エチレンイソプロピリデンカーボンート等が挙げられ、ビニレンカーボネート又はビニルエチレンカーボネートが好ましい。
上記鎖状カーボネート化合物としては、ジプロパルギルカーボネート、プロパルギルメチルカーボネート、エチルプロパルギルカーボネート、ビス(1−メチルプロパルギル)カーボネート、ビス(1−ジメチルプロパルギル)カーボネート等が挙げられる。
上記不飽和ジエステル化合物としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジペンチル、マレイン酸ジヘキシル、マレイン酸ジヘプチル、マレイン酸ジオクチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジペンチル、フマル酸ジヘキシル、フマル酸ジヘプチル、フマル酸ジオクチル、アセチレンジカルボン酸ジメチル、アセチレンジカルボン酸ジエチル、アセチレンジカルボン酸ジプロピル、アセチレンジカルボン酸ジブチル、アセチレンジカルボン酸ジペンチル、アセチレンジカルボン酸ジヘキシル、アセチレンジカルボン酸ジヘプチル、アセチレンジカルボン酸ジオクチル等が挙げられる。
上記ハロゲン化環状カーボネート化合物としては、クロロエチレンカーボネート、ジクロロエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネート等が挙げられ、上記亜硫酸エステル化合物としては、エチレンサルファイト等が挙げられ、上記環状硫酸エステル化合物としては、プロパンスルトン、ブタンスルトン等が挙げられる。
これら化合物の中でも、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジプロパルギルカーボネート、アセチレンジカルボン酸ジメチル、アセチレンジカルボン酸ジエチル、クロロエチレンカーボネート、ジクロロエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、エチレンサルファイト、プロパンスルトン、ブタンスルトンが好ましく、ビニレンカーボネート、ジプロパルギルカーボネート、アセチレンジカルボン酸ジメチル、クロロエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、エチレンサルファイト、プロパンスルトンが更に好ましく、ビニレンカーボネート、ジプロパルギルカーボネート、クロロエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、エチレンサルファイト、プロパンスルトンが最も好ましい。
これらの化合物は1種のみを使用してもよいし、2種以上を組合せて使用してもよい。
本発明の非水電解液において、これらの化合物の含有量が、あまりに少ない場合には十分な効果を発揮できず、またあまりに多い場合は、配合量に見合う増量効果は得られないばかりか、却って非水電解液の特性に悪影響を及ぼすことがあることから、これらの化合物の含有量は、非水電解液中、0.005〜10質量%が好ましく、0.02〜5質量%が更に好ましく、0.05〜3質量%が最も好ましい。
本発明の非水電解液に使用される有機溶媒としては、非水電解液に通常用いられているものを1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。具体的には、環状カーボネート化合物、環状エステル化合物、スルホン又はスルホキシド化合物、アマイド化合物、鎖状カーボネート化合物、鎖状エーテル化合物、環状エーテル化合物、飽和鎖状エステル化合物等が挙げられる。
上記有機溶媒のうち、環状カーボネート化合物、環状エステル化合物、スルホン又はスルホキシド化合物及びアマイド化合物は、比誘電率が高いため、電解液の誘電率を上げる役割を果たす。これらの化合物の中でも、特に環状カーボネート化合物が好ましい。
具体的には、上記環状カーボネート化合物としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2−ブチレンカーボネート、イソブチレンカーボネート等が挙げられる。上記環状エステル化合物としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。上記スルホン又はスルホキシド化合物としては、スルホラン、スルホレン、テトラメチルスルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、スルホラン、テトラメチルスルホランが好ましい。上記アマイド化合物としては、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
また、上記有機溶媒のうち、鎖状カーボネート化合物、鎖状エーテル化合物、環状エーテル化合物及び飽和鎖状エステル化合物は、非水電解液の粘度を低くすることができ、電解質イオンの移動性を高くすることができる等、出力密度等の電池特性を優れたものにすることができる。また、低粘度であるため、低温での非水電解液の性能を高くすることができる。これらの化合物の中でも、鎖状カーボネート化合物が好ましい。
具体的には、上記鎖状カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチル−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−イソプロピルカーボネート、t−ブチル−プロピルカーボネート等が挙げられる。
上記鎖状又は環状エーテル化合物としては、ジメトキシエタン(DME)、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、1,2−ビス(メトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)プロパン、エチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル、プロピレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル、エチレングリコールビス(トリフルオロメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル等が挙げられ、これらの化合物の中でもジオキソラン類が好ましい。
上記飽和鎖状エステル化合物としては、特に、分子中の炭素数の合計が2〜8であるモノエステル化合物及びジエステル化合物が好ましく、具体的な化合物としては、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、酪酸メチル、イソ酪酸メチル、トリメチル酢酸メチル、トリメチル酢酸エチル、マロン酸メチル、マロン酸エチル、コハク酸メチル、コハク酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、エチレングリコールジアセチル、プロピレングリコールジアセチル等が挙げられ、ギ酸メチル、ギ酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチルが好ましい。
本発明の非水電解液の有機溶媒としては、環状カーボネート化合物、環状エステル化合物、スルホン又はスルホキシド化合物及びアマイド化合物からなる群から選ばれる1種以上の溶媒(溶媒A)と、鎖状カーボネート化合物、鎖状エーテル化合物、環状エーテル化合物及び飽和鎖状エステル化合物からなる群から選ばれる1種以上の溶媒(溶媒B)との混合溶媒が、サイクル特性に優れるばかりでなく、非水電解液の粘度、得られる電池の電気容量・出力等のバランスのとれた非水電解液が提供できることから好ましく、特に、環状カーボネート化合物と鎖状カーボネート化合物との混合溶媒が、低温における電池特性を大幅に向上することができることから更に好ましい。また、上記溶媒Aと溶媒Bの混合割合は質量基準で1:10〜10:1が好ましく、2:10〜10:5がより好ましい。
また、有機溶媒として、上記飽和鎖状エステル化合物を含有することにより、低温における電池特性を向上させることが可能となる。上記飽和鎖状エステル化合物の含有量は、非水電解液中、0.5〜30質量%であることが好ましく、1〜10質量%であることがより好ましい。
その他、有機溶媒としてアセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタンやこれらの誘導体を用いることもできる。
また、本発明の非水電解液には、難燃性を付与するために、ハロゲン系、リン系、その他の難燃剤を適宜添加することができる。リン系難燃剤としては、例えば、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート等のリン酸エステル類が挙げられる。難燃剤の添加量が、あまりに少ない場合には十分な難燃化効果を発揮できず、またあまりに多い場合は、配合量に見合う増量効果は得られないばかりか、却って非水電解液の特性に悪影響を及ぼすことがあることから、難燃剤の添加量は、本発明の非水電解液を構成する有機溶媒に対して、5〜100質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることが更に好ましい。
本発明の非水電解液において使用される電解質塩としては、従来公知の電解質塩が用いられ、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiCF3CO2、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiB(CF3SO34、LiB(C242、LiSbF6、LiSiF5、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlF4、LiAlCl4、NaClO4、NaBF4、NaI、及びこれらの誘導体等が挙げられ、これらの中でも、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22及びLiC(CF3SO23並びにLiCF3SO3の誘導体、LiN(CF3SO22の誘導体及びLiC(CF3SO23の誘導体からなる群から選ばれる1種以上を用いるのが、電気特性に優れるので好ましい。
上記電解質塩は、本発明の非水電解液中の濃度が、0.1〜3.0mol/L、特に0.5〜2.0mol/Lとなるように、上記有機溶媒に溶解することが好ましい。該電解質塩の濃度が0.1mol/Lより小さいと、充分な電流密度を得られないことがあり、3.0mol/Lより大きいと、非水電解液の安定性を損なう恐れがある。
以上説明した本発明の非水電解液は、二次電池、好ましくはリチウムイオン二次電池、更に好ましくは高分子カルボン酸化合物を含有する負極を有するリチウムイオン二次電池を構成する非水電解液に使用されるが、一次電池の非水電解液としても使用できる。
次に、本発明の非水電解液二次電池について説明する。
本発明の非水電解液二次電池は、高分子カルボン酸化合物を含有する負極、正極、及び非水電解液を有し、該非水電解液として、本発明の非水電解液を使用したものである。
上記負極は、負極活物質とバインダー(結着剤)とを有機溶媒又は水系溶媒(例えば、水等)でスラリー化したものを金属集電体に塗布・乾燥し、必要に応じて圧延して、シート状にして製造されるが、上記高分子カルボン酸化合物は、負極を製造する際のバインダーとして、又は水系溶媒でスラリー化する場合の増粘剤として使用される。高分子カルボン酸化合物は、そのカルボキシル基が、金属集電体、電極活物質、導電材等の表面に吸着することにより、水系溶媒中では良好な分散性が得られるとともに、負極に成形した場合には優れた結着性が得られる。
上記高分子カルボン酸化合物としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリメタアクリル酸、アクリル酸/オレフィンコポリマー、アクリル酸/マレイン酸コポリマー、メタクリル酸/オレフィンコポリマー、メタクリル酸/マレイン酸コポリマー、フマル酸/スチレンコポリマー、フマル酸/C2〜5オレフィンコポリマー、マレイン酸/スチレンコポリマー、マレイン酸/C2〜5オレフィンコポリマー、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸等が挙げられる。フマル酸/C2〜5オレフィンコポリマー及びマレイン酸/C2〜5オレフィンコポリマーのC2〜5オレフィンとしては、例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン、1−プロピレン、2−プロピレン、1−プロピレン、2−プロピレン、イソプロピレン、シクロプロピレン等が挙げられる。
上記高分子カルボン酸化合物の中でも、結晶性炭素材料の分散性に優れ、耐電解液性に優れた電極が得られることから、ポリアクリル酸、カルボキシメチルセルロースが好ましく、カルボキシメチルセルロースが更に好ましい。高分子カルボン酸化合物は、水への溶解性、及び電極活物質、導電材等の水への分散性の点から、中和物又は部分中和物であることが好ましく、アルカリ金属による中和物又は部分中和物であることが更に好ましい。このようなアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられ、中でも、リチウム、ナトリウム、カリウムが好ましく、リチウム、ナトリウムが更に好ましく、リチウムが最も好ましい。
上記ポリアクリル酸を用いる場合には、その分子量があまりに小さいと結着力が低下し、分子量があまり大きいとスラリーの粘度が高くなりすぎて作業性が低下することから、質量平均分子量が30000〜1500000であるものが好ましく、50000〜300000であるものが更に好ましい。
また、上記カルボキシメチルセルロースを用いる場合には、エーテル化度(グルコール単位あたりのカルボキシメチルエーテル基の数)が0.6〜1.1であるものが好ましく、0.8〜1.0であるものが好ましく、カルボキシメチルセルロースのリチウム塩又はナトリウム塩とした場合の、1質量%水溶液の20℃における粘度が500〜5000mPa・sとなるものが好ましく、900〜3000mPa・sとなるものが更に好ましい。
上記高分子カルボン酸化合物の使用量があまりに少ないと、負極活物質の分散性が不十分となり負極内で負極活物質が偏在してしまう場合があり、使用量があまりに多いと、高分子カルボン酸が負極活物質を被覆しすぎて、リチウムイオンの移動に悪影響を及ぼし抵抗が発生する場合があることから、上記高分子カルボン酸化合物の使用量は、上記負極活物質100質量部に対して、0.001〜5質量部が好ましく、0.05〜3質量部が更に好ましく、0.01〜2質量部が最も好ましい。
上記負極活物質としては、人造グラファイト、天然グラファイト等の結晶性炭素材料のほか、リチウム、スズ、亜鉛、アルミニウム等の金属単体やこれらの金属を含む合金が使用されるが、特に、結晶性炭素材料が広く使用される。結晶性炭素の表面は反応性が高いが、負極活物質として使用する場合には、微結晶化することによって表面積が2〜5m2/g程度にまで大きくなり、結晶性炭素の表面において高分子カルボン酸化合物等の分解反応が起こりやすくなる原因となっている。本発明の非水電解液によれば、負極活物質として結晶性炭素が使用された負極においても高分子カルボン酸化合物の分解反応を低減することが可能である。
このほか、上記負極には、電極内の導電性を向上させる目的で、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、メソカーボンマイクロビーズ(MCMB)、気相成長炭素繊維(VGCF)、カーボンナノファーバー等の導電材や、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、ポリ塩化ビニル、ポリビニルピロリドン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミド、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等の上記高分子カルボン酸化合物以外のバインダー又は増粘剤を含有してもよい。尚、上記導電材の使用量は、負極活物質100質量部に対し、0.01〜10質量部が好ましく、0.1〜5質量部が更に好ましい。また、上記高分子カルボン酸以外のバインダー又は増粘剤の使用量は、負極活物質100質量部に対し、0.01〜5質量部が好ましく、0.1〜2質量部が更に好ましい。
スラリー化する溶媒としては、有機溶媒や水等の水系溶媒が使用されるが、水系溶媒が好ましく使用される。また、該有機溶媒としては、正極で使用するものと同様のものが挙げられる。尚、上記溶媒の使用量は、上記高分子カルボン酸化合物100質量部に対し、30〜400質量部が好ましく、50〜300質量部が更に好ましい。
また、上記負極の集電体には、通常、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼、アルモニウム等が使用される。
上記正極としては、正極活物質とバインダー(結着剤)と導電材とを有機溶媒又は水系溶媒(例えば、水等)でスラリー化したものを集電体に塗布・乾燥し、必要に応じて圧延してシート状にしたものが使用される。
上記正極活物質としては、電気化学的にリチウムイオンを吸蔵・放出可能なものであれば、特に制限はないが、リチウムと少なくとも1種の遷移金属とを含有する化合物が好ましく、例えば、リチウム遷移金属複合酸化物、リチウム含有遷移金属リン酸化合物等が挙げられ、これらを混合して用いてもよい。リチウム遷移金属複合酸化物の遷移金属としてはバナジウム、チタン、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅等が好ましい。リチウム遷移金属複合酸化物の具体例としては、LiCoO2等のリチウムコバルト複合酸化物、LiNiO2等のリチウムニッケル複合酸化物、LiMnO2、LiMn24、Li2MnO3等のリチウムマンガン複合酸化物、これらのリチウム遷移金属複合酸化物の主体となる遷移金属原子の一部をアルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、リチウム、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、ガリウム、ジルコニウム等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。置換されたものの具体例としては、例えば、LiNi0.5Mn0.52、LiNi0.80Co0.17Al0.032、LiNi1/3Co1/3Mn1/32、LiMn1.8Al0.24、LiMn1.5Ni0.54等が挙げられる。リチウム含有遷移金属リン酸化合物の遷移金属としては、バナジウム、チタン、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル等が好ましく、具体例としては、例えば、LiFePO4等のリン酸鉄リチウム化合物、LiCoPO4等のリン酸コバルトリチウム化合物、これらのリチウム含有遷移金属リン酸化合物の主体となる遷移金属原子の一部をアルミニウム、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、リチウム、ニッケル、銅、亜鉛、マグネシウム、ガリウム、ジルコニウム、ニオブ、等の他の金属で置換したもの等が挙げられる。
本発明の非水電解液二次電池の正極に使用される正極活物質としては、高い電圧が安定して得られることから、コバルトを含有するリチウム化合物、特にリチウムコバルト複合酸化物が好ましいが、高い電圧が得られ、原料も安価であることから、マンガン、鉄又はニッケル、特に鉄又はニッケルを含有するリチウム化合物がより好ましく、リチウムニッケル含有複合酸化物又はそのニッケル原子の一部が他の金属で置換したもの、リン酸鉄リチウム化合物又はその鉄原子の一部が他の金属で置換したものであることが更に好ましい。ニッケルや鉄を含有する正極活物質を有する正極は、非水電解液の高温劣化反応が起こりやすいという問題があるが、本発明の二次電池用非水電解液は上記一般式(1)で表される不飽和リン酸エステル化合物を含有していることにより、非水電解液の分解が少なく、高温保存を経ても小さな内部抵抗と高い電気容量が維持することが可能になった。
上記正極のバインダーとしては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、EPDM、SBR、NBR、フッ素ゴム、ポリアクリル酸等が挙げられるが、これらに限定されない。尚、上記バインダーの使用量は、正極活物質100質量部に対し、0.1〜20質量部が好ましく、0.5〜10質量部が更に好ましい。
正極の導電材としては、グラファイトの微粒子、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素の微粒子等、カーボンナノファイバー等が使用されるが、これらに限定されない。尚、上記導電材の使用量は、正極活物質100質量部に対し、0.01〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部が更に好ましい。
スラリー化する溶媒としては、バインダーを溶解する有機溶媒又は水等の水系溶媒が使用される。該有機溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、ポリエチレンオキシド、テトラヒドロフラン等が挙げられるが、これに限定されない。尚、上記溶媒の使用量は、正極活物質100質量部に対し、30〜300質量部が好ましく、50〜200質量部が更に好ましい。
上記正極の集電体には、通常、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用される。
本発明の非水電解液二次電池では、正極と負極との間にセパレータを用いるが、該セパレータとしては、通常用いられる高分子の微多孔フィルムを特に限定なく使用できる。該フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等の種々のセルロース類、ポリ(メタ)アクリル酸及びその種々のエステル類等を主体とする高分子化合物やその誘導体、これらの共重合体や混合物からなるフィルム等が挙げられる。
これらのフィルムは、単独で用いてもよいし、これらのフィルムを重ね合わせて複層フィルムとして用いてもよい。更に、これらのフィルムには、種々の添加剤を用いてもよく、その種類や含有量は特に制限されない。これらのフィルムの中でも、本発明の非水電解液二次電池には、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホンからなるフィルムが好ましく用いられる。これらのフィルムは、電解液がしみ込んでイオンが透過し易いように、微多孔化がなされている。この微多孔化の方法としては、高分子化合物と溶剤の溶液をミクロ相分離させながら製膜し、溶剤を抽出除去して多孔化する「相分離法」と、溶融した高分子化合物を高ドラフトで押し出し製膜した後に熱処理し、結晶を一方向に配列させ、更に延伸によって結晶間に間隙を形成して多孔化をはかる「延伸法」等が挙げられ、用いられるフィルムによって適宜選択される。
本発明の非水電解液二次電池において、電極材料、非水電解液及びセパレータには、より安全性を向上する目的で、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードアミン化合物等を添加してもよい。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4'−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4'−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられ、電極材料に添加する場合は、電極材料100質量部に対して、0.01〜10質量部、特に0.05〜5質量部が用いるのが好ましい。
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−t−ブチル−4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル
)−4,4'−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2'−メチレンビス(4,6−t−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−t−ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ−t−ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。
上記チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
上記ヒンダードアミン化合物としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−t−オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。
上記構成からなる本発明の非水電解液二次電池は、その形状には特に制限を受けず、コイン型、円筒型、角型等、種々の形状とすることができる。図1は、本発明の非水電解液二次電池のコイン型電池の一例を、図2及び図3は円筒型電池の一例をそれぞれ示したものである。
図1に示すコイン型の非水電解液二次電池10において、1はリチウムイオンを放出できる正極、1aは正極集電体、2は正極から放出されたリチウムイオンを吸蔵、放出できる炭素質材料よりなる負極、2aは負極集電体、3は本発明の非水電解液、4はステンレス製の正極ケース、5はステンレス製の負極ケース、6はポリプロピレン製のガスケット、7はポリエチレン製のセパレータである。
また、図2及び図3に示す円筒型の非水電解液二次電池10'において、11は負極、12は負極集合体、13は正極、14は正極集電体、15は本発明の非水電解液、16はセパレータ、17は正極端子、18は負極端子、19は負極板、20は負極リード、21は正極板、22は正極リード、23はケース、24は絶縁板、25はガスケット、26は安全弁、27はPTC素子である。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。尚、実施例中の「部」や「%」は、特にことわらないかぎり質量によるものである。
〔合成例1〕化合物A1の合成
還流器を付けた1000ml三口フラスコに、2−プロピノール(プロパルギルアルコールともいう)37.0g、トリエチルアミン72.9g、及び酢酸エチル210gを仕込み、窒素雰囲気下でオキシ塩化リン30.8gを滴下ロートから氷冷しながら滴下した。滴下後、更に室温で1時間反応させて反応を完結させた。反応後、反応溶液をよく水洗した後、減圧蒸留によって精製することによって、化合物A1[トリス(2−プロピニル)フォスフェート]28.2g(収率66%)を得た。化合物A1は、一般式(1)においてR1及びR2が水素原子、R3が2−プロピニルの化合物である。
〔合成例2〕化合物A2の合成
還流器を付けた1000ml三口フラスコに、2−プロピノール24.7g、トリエチルアミン48.6g、及び酢酸エチル210gを仕込み、窒素雰囲気下でエチルホスホロジクロリダート32.7gを滴下ロートから氷冷しながら滴下した。滴下後、更に室温で1時間反応させて反応を完結させた。反応後、反応溶液をよく水洗した後、減圧蒸留によって精製することによって、化合物A2[エチルビス(2−プロピニル)フォスフェート]27.7g(収率68%)を得た。化合物A2は、一般式(1)においてR1及びR2が水素原子、R3がエチルの化合物である。
〔合成例3〕化合物A3の合成
還流器を付けた1000ml三口フラスコに、プロパルギルアルコール(プロピノール)24.7g、トリエチルアミン48.6g、及び酢酸エチル210gを仕込み、窒素雰囲気下で2−クロロエチルホスホリルジクロリド39.6gを滴下ロートから氷冷しながら滴下した。滴下後、更に室温で1時間反応させて反応を完結させた。反応後、反応溶液をよく水洗した後、減圧蒸留によって精製することによって、化合物A3[2−クロロエチルビス(2−プロピニル)フォスフェート]30.5g(収率64%)を得た。化合物A3は、一般式(1)においてR1及びR2が水素原子、R3が2−クロロエチルの化合物である。
〔実施例1〜31及び比較例1〜16〕
実施例及び比較例において、非水電解液二次電池(リチウム二次電池)は、以下の作製手順に従って作製された。
<作製手順>
a.正極の作製
〔正極Aの作製〕
正極活物質としてLiCoO2 85質量部、導電材としてアセチレンブラック10質量部、及びバインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)5質量部を混合して、正極材料とした。この正極材料100質量部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)140質量部に分散させてスラリー状とした。このスラリーをアルミニウム製の正極集電体の両面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、正極板とした。その後、この正極板を所定の大きさにカットして円盤状正極Aを作製した。
〔正極Bの作製〕
正極活物質としてLiNiO290質量部、導電材としてアセチレンブラック5質量部、及びバインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)5質量部を混合して、正極材料とした。この正極材料100質量部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)140質量部に分散させてスラリー状とした。このスラリーをアルミニウム製の正極集電体の両面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、正極板とした。その後、この正極板を所定の大きさにカットして円盤状正極Bを作製した。
〔正極Cの作製〕
正極活物質としてLiFePO4を84質量部、導電材としてアセチレンブラック12質量部、及びバインダーとしてポリフッ化ビニリデン(PVDF)4質量部を混合して、正極材料とした。この正極材料100質量部をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)140質量部に分散させてスラリー状とした。このスラリーをアルミニウム製の正極集電体の両面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、正極板とした。その後、この正極板を所定の大きさにカットして円盤状正極Cを作製した。
b.負極の作製
〔負極Aの作製〕
負極活物質として人造グラファイト97.0質量部、バインダーとしてスチレンブタジエンゴム2.0質量部、及び増粘剤としてカルボキシメチルセルロース1.0質量部を混合して、負極材料とした。この負極材料100質量部を水120質量部に分散させてスラリー状とした。このスラリーを銅製の負極集電体の両面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、負極板とした。その後、この負極板を所定の大きさにカットし、円盤状負極Aを作製した。尚、使用したカルボキシメチルセルロースは、エーテル化度0.9、1質量%水溶液の20℃における粘度が1600となるナトリウム中和物である。
〔負極Bの作製〕
負極活物質として人造グラファイト97.0質量部、及びバインダー・増粘剤としてポリアクリル酸リチウム3.0質量部を混合して、負極材料とした。この負極材料100質量部を水120質量部に分散させてスラリー状とした。このスラリーを銅製の負極集電体の両面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、負極板とした。その後、この負極板を所定の大きさにカットし、円盤状負極Bを作製した。尚、使用したポリアクリル酸リチウムは、質量平均分子量100000のポリアクリル酸のリチウム塩である。
c.非水電解液の調製
エチレンカーボネート30体積%、エチルメチルカーボネート40体積%、ジメチルカーボネート25体積%及び酢酸プロピル5体積%からなる混合溶媒に、電解質塩としてLiPF6を1mol/Lの濃度で溶解した。この溶液に、電解液添加剤(化合物A1〜A3、B1〜B3、C1及びC2、D1、E1)を、下記〔表1〕又は〔表2〕に示すような濃度になるように配合して実施例1〜31、及び比較例1〜16の非水電解液を調製した。尚、表1中の( )内の数字は、非水電解液中における濃度(質量%)を表す。
Figure 2011077029
Figure 2011077029
上記〔表1〕及び〔表2〕において、化合物A1〜A3以外の化合物は、下記の通りである。
〔化合物A1〜A3の比較化合物〕
化合物B1:リン酸トリエチル
化合物B2:リン酸トリベンジル
化合物B3:リン酸トリアリル
〔一般式(2)の化合物〕
化合物C1:ジメチルジプロパルギルシラン
〔一般式(3)の化合物〕
化合物C2:ホウ酸トリプロパルギル
〔一般式(4)の化合物〕
化合物D1:アクリル酸トリメチルシリル
〔不飽和基を有する環状カーボネート化合物〕
化合物E1:ビニレンカーボネート
d.電池の組み立て
得られた円盤状正極A、B又はCと、円盤状負極A又は負極Bとの間に、厚さ25μmのポリエチレン製の微多孔フィルムを挟んでケース内に保持した。その後、実施例1〜31の非水電解液又は比較例1〜16の非水電解液と、正極A、B又はCと、負極A又はBとの組合せが〔表1〕又は〔表2〕となるように、それぞれの非水電解液をケース内に注入し、ケースを密閉、封止して、φ20mm、厚さ3.2mmのコイン型リチウム二次電池を製作した。
実施例1〜31又は比較例1〜16の非水電解液を含有するリチウム二次電池を用いて、下記試験法により、初期特性試験及びサイクル特性試験を行った。初期特性試験では、放電容量比(%)及び内部抵抗比(%)を求めた。またサイクル特性試験では、放電容量維持率(%)及び内部抵抗増加率(%)を求めた。これら試験結果を上記〔表1〕及び〔表2〕に示す。
<初期特性試験方法>
a.放電容量比の測定方法
リチウム二次電池を、20℃の恒温槽内に入れ、充電電流0.3mA/cm2(0.2C相当の電流値)で4.2Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.3mA/cm2(0.2C相当の電流値)で3.0Vまで定電流放電する操作を5回行った。その後、充電電流0.3mA/cm2で4.2Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.3mA/cm2で3.0Vまで定電流放電した。この6回目に測定した放電容量を、電池の初期放電容量とし、下記式に示すように、放電容量比(%)を、実施例1の初期放電容量を100とした場合の初期放電容量の割合として求めた。
放電容量比=[(初期放電容量)/(実施例1における初期放電容量)]×100
b.内部抵抗比の測定方法
6サイクル測定後のリチウム二次電池について、充電電流1.5mA/cm2(1C相当の電流値)で3.75Vまで定電流定電圧充電し、交流インピーダンス測定装置(IVIUM TECHNOLOGIES製、商品名:モバイル型ポテンショスタットCompactStat)を用いて、周波数100kHz〜0.02Hzまで走査し、縦軸に虚数部、横軸に実数部を示すコール−コールプロットを作成した。続いて、このコール−コールプロットにおいて、円弧部分を円でフィッティングして、この円の実数部分と交差する二点のうち、大きい方の値を、電池の初期内部抵抗とし、下記式に示すように、内部抵抗比(%)を、実施例1の初期内部抵抗を100とした場合の初期内部抵抗の割合として求めた。
内部抵抗比(%)=「(初期内部抵抗)/(実施例1における初期内部抵抗)]×100
<サイクル特性試験方法>
a.放電容量維持率の測定方法
初期特性試験後の電池を、60℃の恒温槽内に入れ、充電電流1.5mA/cm2(1C相当の電流値、1Cは電池容量を1時間で放電する電流値)で4.2Vまで定電流充電し、放電電流1.5mA/cm2で3.0Vまで定電流放電を行うサイクルを150回繰り返して行った。この150回目の放電容量をサイクル試験後の放電容量とし、下記式に示すように、放電容量維持率(%)を、各電池の初期放電容量を100とした場合のサイクル試験後の放電容量の割合として求めた。
放電容量維持率(%)=[(サイクル試験後の放電容量)/(初期放電容量)]×100
b.内部抵抗増加率の測定方法
サイクル試験後、雰囲気温度を20℃に戻して、20℃における内部抵抗を、上記内部抵抗比の測定方法と同様にして測定し、この時の内部抵抗を、サイクル試験後の内部抵抗とし、下記式に示すように、内部抵抗増加率(%)を、各電池の初期内部抵抗を100とした場合のサイクル試験後の内部抵抗の増加の割合として求めた。
内部抵抗増加率(%)=「(サイクル試験後の内部抵抗−初期内部抵抗)/(初期内部抵抗)]×100
上記〔表1〕及び〔表2〕の結果から明らかなように、アルキニル基が結合したリン酸エステル化合物を非水電解液に含有することを特徴とする本発明の非水電解液二次電池は、内部抵抗及び放電容量の面で優れており、60℃でのサイクル試験後においても、優れた電池特性を維持できることが確認できた。
本発明の非水電解液二次電池は、小さな内部抵抗と高い放電容量を長期使用及び温度変化の大きい場合においても維持することが出来る。かかる非水電解液二次電池は、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯音楽プレーヤー、サウンドレコーダー、ポータブルDVDプレーヤー、携帯ゲーム機、ノートパソコン、電子辞書、電子手帳、電子書籍、携帯電話、携帯テレビ、電動アシスト自転車、電池自動車、ハイブリッド車等様々な用途に用いることができ、中でも、高温状態で使用される場合がある、電池自動車、ハイブリッド車等の用途に好適に使用できる。
1 正極
1a 正極集電体
2 負極
2a 負極集電体
3 電解液
4 正極ケース
5 負極ケース
6 ガスケット
7 セパレータ
10 コイン型の非水電解液二次電池
10' 円筒型の非水電解液二次電池
11 負極
12 負極集合体
13 正極
14 正極集合体
15 電解液
16 セパレータ
17 正極端子
18 負極端子
19 負極板
20 負極リード
21 正極
22 正極リード
23 ケース
24 絶縁板
25 ガスケット
26 安全弁
27 PTC素子

Claims (8)

  1. 高分子カルボン酸化合物を含有する負極を有する二次電池に使用される非水電解液において、下記一般式(1)で表される不飽和リン酸エステル化合物を含有することを特徴とする非水電解液。
    Figure 2011077029
    (式中、R1及びR2は各々独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表わし、R3は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数2〜8のアルキニル基又は炭素数1〜8のハロゲン化アルキル基を表わす。)
  2. 更に、下記一般式(2)で表される不飽和シラン化合物又は下記一般式(3)で表される不飽和ホウ酸エステル化合物を含有する、請求項1に記載の非水電解液。
    Figure 2011077029
    (式中、R4及びR5は各々独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表わし、R6及びR7は各々独立して炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基又は炭素数2〜8のアルキニル基を表わす。)
    Figure 2011077029
    (式中、R8及びR9は各々独立して水素原子又は炭素数1〜8のアルキル基を表わす。)
  3. 更に、下記一般式(4)で表される不飽和カルボン酸シリルエステル化合物を含有する、請求項1又は2に記載の非水電解液。
    Figure 2011077029
    (式中、R10は炭素数2〜8のアルケニル基又は炭素数2〜8のアルキニル基を表わし、R11、R12及びR13は各々独立して、エーテル基又はハロゲン原子を有してもよい炭素数1〜8のアルキル基又はアルケニル基を表す。)
  4. 更に、不飽和基を有する環状カーボネート化合物、鎖状カーボネート化合物、不飽和ジエステル化合物、ハロゲン化環状カーボネート化合物、環状亜硫酸エステル化合物及び環状硫酸エステル化合物からなる群から選ばれる1種以上の化合物を含有する、請求項1〜3の何れか1項に記載の非水電解液。
  5. 上記非水電解液に使用される有機溶媒が、環状カーボネート化合物、環状エステル化合物、スルホン又はスルホキシド化合物及びアマイド化合物からなる群から選ばれる1種以上の溶媒と、鎖状カーボネート化合物、鎖状エーテル化合物、環状エーテル化合物及び飽和鎖状エステル化合物からなる群から選ばれる1種以上の溶媒との混合溶媒である、請求項1〜4の何れか1項に記載の非水電解液。
  6. 上記飽和鎖状エステル化合物を0.5〜30質量%含有する、請求項5に記載の非水電解液。
  7. 高分子カルボン酸化合物を含有する負極、正極、及び請求項1〜6の何れか1項に記載の非水電解液を有する非水電解液二次電池。
  8. 上記正極に使用される正極活物質が、鉄又はニッケルを含有するリチウム化合物であることを特徴とする及び請求項7に記載の非水電解液を有する二次電池。
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