JP5004495B2 - 非水電解液および該電解液を用いた二次電池 - Google Patents
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Description
非水電解液二次電池の安定性や電気特性の向上のために、種々の添加剤が提案されている。例えば、リチウム負極の二次電池において、特許文献1には1,3−プロパンスルトンを含有する電解液が提案されており、特許文献2にはビニルエチレンカーボネートを含有する電解液が提案されており、特許文献3にはビニレンカーボネートを含有する電解液が提案されている。炭素質材料の負極を使用する二次電池において、特許文献4には1,3−プロパンスルトンおよびブタンスルトンを含有する電解液が提案されており、結晶度の高い黒鉛系負極を使用する二次電池において、特許文献5および特許文献6には、ビニレンカーボネートおよびビニルエチレンカーボネートなどを含有する電解液が提案されている。
−ジフルオロフェニル、2, 3−ジフルオロフェニル、4, 5−ジフルオロフェニル、2, 4, 6−トリフルオロフェニル、2, 3, 4−トリフルオロフェニル、テトラフルオロフェニル、p−トリル、m−トリル、o−トリル、2, 4−キシリル、3, 5−キシリル等が挙げられる。R4 で表わされる炭素原子数1〜8のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、メチルエチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン、ヘプタメチレン、オクタメチレン、ジフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロトリメチレンメチレン等が挙げられる。R4 で表わされる炭素原子数2〜8のアルケニレン基としては、ビニレン、プロピニレン、ブテニレン、ペンテニレン等が挙げられる。R4 で表わされる炭素原子数2〜8のアルキニレン基としては、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン等が挙げられる。R4 で表わされる炭素原子数6〜8のアリーレン基としては、フェニレン、フルオロフェニレン、ジフルオロフェニレン等が挙げられる。
例えば、上記一般式(1)で表されるケイ素化合物である化合物No.1の場合、塩化白金酸を触媒にしたヒドロシリル化反応によって酢酸ビニルとジメチルクロルシランを付加させた後にフッ素化反応よって得ることができる。また、上記一般式(2)または(3)で表されるケイ素化合物については、白金触媒またはロジウム触媒を使用したヒドロシリル化反応によってエステル基もしくはエーテル基を導入することができる。
これらのフィルムは、電解液がしみ込んでイオンが透過し易いように、微多孔化がなされている。この微多孔化の方法としては、高分子化合物と溶剤の溶液をミクロ相分離させながら製膜し、溶剤を抽出除去して多孔化する「相分離法」と、溶融した高分子化合物を高ドラフトで押し出し製膜した後に熱処理し、結晶を一方向に配列させ、さらに延伸によって結晶間に間隙を形成して多孔化をはかる「延伸法」等が挙げられ、用いられるフィルムによって適宜選択される。
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。
(正極の作製)
LiNi0.8 Co0.17Al0.03O2 を85質量部と、アセチレンブラックを12質量部と、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)を1質量部と、ポリエチレンオキシド(PEO)を1質量部とを、水80質量部に分散させ、さらに結着材としてポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を1質量部添加し分散させ、スラリーとした。このスラリーをアルミニウム製の正極集電体両面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、正極板とした。その後、この正極板を所定の大きさにカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の電極合剤を掻き取ることでシート状正極を作製した。
負極活物質としての黒鉛炭素粉末を98質量部と、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)を1質量部とを、水98質量部に分散させ、さらに結着材としてスチレンブタジエンゴム(SBR)を1質量部添加し分散させ、スラリーとした。このスラリーを銅製の負極集電体両面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、負極板とした。その後、この負極板を所定の大きさにカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の電極合材を掻き取ることでシート状負極を作製した。
有機溶媒を後述の実施例および比較例において示す配合量で混合し、これに、LiPF6 を1モル/リットルの濃度で溶解し、さらに試料化合物(表1および表2記載)を実施例および比較例において示す配合量で添加して非水電解液とした。
得られたシート状正極およびシート状負極を、厚さ25μmのポリエチレン製の微多孔フィルムを介した状態で巻回させて、巻回型電極体を形成した。得られた巻回型電極体をケースの内部に挿入し、ケース内に保持した。このとき、シート状正極あるいはシート状負極のリードタブ溶接部に一端が溶接された集電リードを、ケースの正極端子あるいは負極端子にそれぞれ接合した。その後、非水電解液を巻回型電極体が保持されたケース内に注入し、ケースを密閉、封止して、φ18mm、軸方向の長さ65mmの円筒型リチウム二次電池を作製した。
エチレンカーボネート25体積%、エチルメチルカーボネート40体積%、ジメチルカーボネート30体積%、およびジエチルカーボネート5体積%からなる混合溶媒に、LiPF6 を1モル/リットルの濃度で溶解し、さらに試料化合物A(表1記載)を0.5質量%加え、さらに必要に応じて試料化合物Bを0.5質量%添加して非水電解液とした。上記非水電解液を用いて上記(電池の組み立て)の通りリチウム二次電池をそれぞれ作製し、該リチウム二次電池について、下記試験方法に従って、サイクル特性試験および60℃保存試験を行った。サイクル特性試験および60℃保存試験において、放電容量維持率(%)および内部抵抗比を求めた。その結果を〔表1〕に示す。尚、比較例として実施例と同様の方法で試験を行なった。但し、比較例で用いた試料化合物Aは以下に示す比較化合物である。比較例の結果は〔表2〕に示す。
リチウム二次電池を、雰囲気温度60℃の恒温槽内に入れ、充電電流2.2mA/cm2 (2C相当の電流値、1Cは電池容量を1時間で放電する電流値)で4.1Vまで定電流充電し、放電電流2.2mA/cm2 (2C相当の電流値)で3Vまで定電流放電を行うサイクルを500回繰り返して行った。その後、雰囲気温度を20℃に戻して、充電電流1.1mA/cm2 (1C相当の電流値)で4.1Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.33mA/cm2 (1/3C相当の電流値)で3.0Vまで定電流放電し、このときの放電容量と初期放電容量とから、下記式により放電容量維持率(%)を求めた。また、上記の500回のサイクルの前後に、20℃における内部抵抗を測定し、その測定結果から下記式により内部抵抗比を求めた。尚、リチウム二次電池の初期放電容量および内部抵抗は、下記測定方法により、それぞれ測定した。
内部抵抗比= [(サイクル後の内部抵抗)/(実施例1におけるサイクル前の内部抵抗)]×100
まず、充電電流0.25mA/cm2 (1/4C相当の電流値)で4.1Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.33mA/cm2 (1/3C相当の電流値)で3.0Vまで定電流放電を行った。次に、充電電流1.1mA/cm2 (1C相当の電流値)で4.1Vまで定電流定電圧充電し、放電電流1.1mA/cm2 (1C相当の電流値)で3.0Vまで定電流放電する操作を4回行った。その後、充電電流1.1mA/cm2 (1C相当の電流値)で4.1Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.33mA/cm2 (1/3C相当の電流値)で3.0Vまで定電流放電し、この時の放電容量を初期放電容量とした。なお、測定は20℃の雰囲気で行った。
まず、充電電流1.1mA/cm2 (1C相当の電流値)で3.75Vまで定電流定電圧充電し、交流インピーダンス測定装置((株)東陽テクニカ製:周波数応答アナライザsolartron1260、ポテンショ/ガルバノスタットsolartron1287)を用いて、周波数100kHz〜0.02Hzまで走査し、縦軸に虚数部、横軸に実数部を示すコール−コールプロットを作成した。続いて、このコール−コールプロットにおいて、図4に示すように、円弧部分を円でフィッティングして、この円の実数部(横軸)と交差する二点のうち、大きい方の値を抵抗値とし、電池の内部抵抗とした。
満充電したリチウム二次電池を、雰囲気温度60℃の恒温槽内に入れて保存した。その後、雰囲気温度を20℃に戻して、放電容量と内部抵抗をそれぞれ測定した。これらの測定結果から下記式により放電容量回復率(%)および内部抵抗比を求めた。
放電容量回復率(%)= [(60℃保存後の放電容量)/(初期放電容量)]×100
内部抵抗比= [(60℃保存後の内部抵抗)/(実施例1における初期内部抵抗)]×100
1a 正極集電体
2 負極
2a 負極集電体
3 電解液
4 正極ケース
5 負極ケース
6 ガスケット
7 セパレータ
10 コイン型の非水電解液二次電池
10’円筒型の非水電解液二次電池
11 負極
12 負極集合体
13 正極
14 正極集合体
15 電解液
16 セパレータ
17 正極端子
18 負極端子
19 負極板
20 負極リード
21 正極
22 正極リード
23 ケース
24 絶縁板
25 ガスケット
26 安全弁
27 PTC素子
Claims (4)
- 電解質塩を有機溶媒に溶解した非水電解液において、下記一般式(1)、(2)または(3)のいずれかで表されるケイ素化合物の中から選ばれる少なくとも1種以上を、非水電解液中0.05〜20質量%含有することを特徴とする非水電解液二次電池用非水電解液。
- さらに不飽和基を有する環状カーボネート化合物を含有する請求項1に記載の非水電解液。
- 不飽和基を有する環状カーボネート化合物の含有量が、非水電解液中0.05〜20質量%である請求項2に記載の非水電解液。
- 非水電解液として請求項1〜3のいずれか1項に記載の非水電解液を含む非水電解液二次電池。
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