JP5390131B2 - 非水電解液二次電池電極用バインダー、並びに該バインダーを用いた非水電解液二次電池用電極及び非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液二次電池電極用バインダー、並びに該バインダーを用いた非水電解液二次電池用電極及び非水電解液二次電池 Download PDF

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Description

本発明は、二次電池電極用バインダー、並びに該バインダーを用いた二次電池用電極及び非水電解液二次電池に関する。
近年の携帯用パソコン、ハンディビデオカメラ等の携帯電子機器の普及に伴い、高電圧、高エネルギー密度を有する非水電解液二次電池が電源として広く用いられるようになった。また、環境問題の観点から、電池自動車や電力を動力の一部に利用したハイブリッド車の実用化が行われている。
二次電池は、リチウムイオン電池を例に取れば、正極と負極の間にセパレーターを介して作製された電極群を電解液とともに容器内に収納してなる構造を有するものであって、当該正極は、電極活物質である金属酸化物及び導電性材料であるカーボンをバインダーにより相互結着してなる層をアルミ等の金属集電体にさらに結着させたものである。一方、当該負極は、電極活物質であるグラファイト等結晶性カーボン及び導電性材料であるカーボンをバインダーにより相互結着してなる層を銅等の金属集電体にさらに結着させたものである。
ところで、正極及び負極の層を作成する工程において、従来は、電極活物質、導電性材料、及びバインダーを有機溶媒のスラリーとして集電体に塗布する方法が多用されていた。しかし、有機溶媒は環境に対する負荷が大きいため、最近は、環境に負荷のかからない水系のスラリーを集電体に塗布する方法が一般的になってきている。水系のスラリーを作成する場合、スラリーに適当な粘度を持たせるためにカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)等の増粘剤が使用され、バインダーとして高分散化したテフロン(登録商標)等が使用される。これらの方法で使用される増粘剤及びバインダーは、増粘剤及びバインダーとして機能するのであって、他の役割を担うことによって電池性能の向上に寄与するものではなかった。特許文献1には、α−オレフィンと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩を主成分とする二次電池用のバインダーが提案されているが、α−オレフィンと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩は、二次電池のバインダーとしては機能するが、電池性能の向上に寄与するものではなかった。
特許文献2、特許文献3及び特許文献4には、ニトロキシラジカル等のラジカル化合物を電極活物質として使用する非水電解液二次電池(ラジカル電池)が提案されている。ニトロキシラジカル化合物を使用した非水電解液二次電池は、出力特性の面で優れた特性を有しているものの、ニトロキシラジカル化合物が、4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシルの重合体(PTMA)等の高分子量体である場合は、ニトロキシラジカル化合物と結着剤の親和性が低く電極の作製が難しいという問題があった。即ち、ポリフッ化ビニリデンやポリテトラフルオロエチレン等の結着剤を使用して電極を作製しようとした時に電極層が一定以上の厚さになると電極層の乾燥時にヒビ割れが発生する頻度が高かった。そのために、電極層の厚い容量の大きい電極を作製することができなかった。
特開2005−10061号公報 特開2000−151084号公報 特開2007−211145号公報 特開2007−213992号公報
本発明の目的は、結着性に優れ、更に電池の出力向上に寄与することができる高性能な二次電池電極用バインダー、並びに該バインダーを用いた二次電池用電極及び非水電解液二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を行なった結果、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩が本発明の目的に合致する二次電池用バインダーたり得ることを見出した。
即ち、本発明は、上記知見に基づきなされたもので、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩を主成分とする非水電解液二次電池電極用バインダーであって、
上記中和塩を構成する金属イオンにおいて、リチウムイオンの含有量が50モル%以上であり、且つナトリウムイオンの含有量が3モル%以上である非水電解液二次電池電極用バインダーを提供するものである。
また、本発明は、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩をバインダーとして含有する非水電解液二次電池用電極であって、
上記中和塩を構成する金属イオンにおいて、リチウムイオンの含有量が50モル%以上であり、且つナトリウムイオンの含有量が3モル%以上である非水電解液二次電池用電極を提供するものである。
また、本発明は、上記電極を用いた非水電解液二次電池を提供するものである。
本発明によれば、結着性に優れ、更に電池の出力向上に寄与することができる高性能な二次電池電極用バインダーを提供できる。また該バインダーを用いた非水電解液二次電池は、特に低温特性に優れる。
本発明で提案するメチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩を用いることによって、このような優れた効果が得られる理由について、本発明者らは以下のように考えている。
メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩は、水との親和性が高く、高濃度の水溶液として安定に存在し得る。また、電極活物質及び金属集電体との親和性が高い。そのために、水溶液系で、該水溶性重合体中和塩及び電極活物質を含有する電極材のスラリーを作成し、該スラリーを金属集電体上に塗布して乾燥することによって、厚みのある電極層を形成しても、該電極層に、ひび割れ及び剥れが発生することがない。一方、上記メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩は、金属イオンとしてリチウムイオンを多く含み、そのために、該水溶性重合体中和塩を用いた非水電解液二次電池において、電極層と電解液との親和性を向上させることができる。また、該水溶性重合体中和塩中のエーテル基の存在によりリチウムイオン等のアルカリ金属イオンの特に低温での伝導性を向上させる役割を担うことができることから、非水電解液二次電池の低温特性を向上させることができる。
以下に本発明の非水電解液二次電池電極用バインダー、並びに該バインダーを用いた非水電解液二次電池用電極及び非水電解液二次電池について、好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
先ず、本発明の非水電解液二次電池電極用バインダー(以下、二次電池電極用バインダーともいう)について説明する。
本発明の二次電池電極用バインダーは、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩を主成分とする。尚、本明細書において、「水溶性」とは、水中で濁ることなく分散することができ、長期保存しても析出や沈降が起こらないという意味で用いる。
上記水溶性重合体中和塩は、水中において、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体をアルカリ物質で中和することによって合成される。
上記共重合体は、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸を、通常1:2〜2:1、好ましくは1:1.5〜1.5:1(モル比)で、公知の重合方法により共重合させて得られるものである。また、その重量平均分子量が、通常1000〜300万であり、好ましくは2万〜200万である。重量平均分子量が1000未満の場合は、バインダーとしての結着性能が十分得られない。一方、重量平均分子量が300万を超える場合には、水溶液の粘度が大きくなり過ぎて電極の塗布の作業性が劣る傾向がある。
上記共重合体を中和するためのアルカリ物質としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属、又はベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属等の水酸化物等を使用することが好ましい。これらのアルカリ物質は、単独で用いてもよく、2種以上のアルカリ物質を併用してもよい。
上記アルカリ物質による中和は、得られる水溶性重合体中和塩のカルボン酸基及びカルボン酸塩基における水素と金属イオンの割合が、モル比率で1:99〜99:1であり、好ましくは5:95〜50:50となるように行う。特に、上記水溶性重合体中和塩を構成する金属イオンにおいて、リチウムイオンの含有量が50モル%以上であり、60〜90モル%がより好ましい。さらにナトリウムイオンの含有量が3モル%以上であり、5〜30モル%がより好ましい。
以上説明した本発明の二次電池電極用バインダーは、通常メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩の水溶液の形態をとる。この水溶性共重合体中和塩の水溶液の固形分濃度や粘度は特に限定されないが、取り扱い性等を考慮して、固形分濃度は、通常5〜20質量%程度、粘度は25℃で通常50〜1500mPa・s程度とする。また、水溶性重合体中和塩の水溶液のpHは25℃で通常4〜10程度とする。
次に、本発明の非水電解液二次電池用電極(以下、二次電池用電極ともいう)について説明する。
本発明の二次電池用電極は、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩であって、該中和塩を構成する金属イオンにおいて、リチウムイオンの含有量が50モル%以上であり、且つナトリウムイオンの含有量が3モル%以上であるものをバインダーとして含有する。
本発明の二次電池用電極において、上記水溶性重合体中和塩は、他のバインダーと併せて使用してもよい。他のバインダーとしては、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸リチウム、ポリアクリル酸ナトリウム、スチレンブタジエンゴム等が挙げられる。
これらバインダーの使用量は、電極活物質に対して、固形分換算で通常0.1〜20質量%程度、好ましくは0.5〜10質量%である。0.1質量%未満では、電極層のひび割れや剥れのおそれがあり、20質量%を超えると二次電池電極の容量密度自体が低下する傾向にある。尚、バインダーのうち、他のバインダーの使用量は、本発明の二次電池電極用バインダーに対して、固形分換算で好ましくは100質量%以下とする。
本発明の二次電池用電極においては、増粘剤を使用してもよい。増粘剤としては、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)、ポリアクリル酸塩、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレンオキシド等が挙げられる。増粘剤の使用量は、電極活物質に対して、好ましくは0.1〜5質量%である。
本発明の二次電池用電極を正極に使用する場合、正極としては、正極活物質、バインダー及び導電材を有機溶媒又は水でスラリー化したものを集電体に塗布し、乾燥してシート状にしたものが挙げられる。
上記正極活物質としては、リチウムイオン電池を例に取れば、電極反応物質であるリチウムを吸蔵及び放出することが可能な公知の正極活物質を用いることができる。リチウムを吸蔵及び放出することが可能な正極活物質としては、具体的には、TiO2、V25及びMnO2等の金属酸化物、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2等の金属硫化物、FeF3等の金属ハロゲン化物、金属層間化合物、及び金属リン酸化合物等の金属化合物が挙げられる。これらの正極活物質は、各々にLi、Mg、Alや、Co、Ti、Nb、Cr等の遷移金属を添加又は置換した材料等であってもよい。これらの中でも、リチウムと遷移金属元素を含む複合酸化物が好ましく、特に遷移金属元素として、Ni、Co、Mn、Ti、及びFeの少なくとも一つを含有するものが好ましい。
かかるリチウムと遷移金属元素を含む複合酸化物は、代表的には、次の一般式(1)
LixI2…(1)
[式(1)中のMIは1種類以上の遷移金属元素を示し、xの値は電池の充放電状態によって異なるが、通常0.05≦x≦1.10である。]で表され、(1)式の化合物は一般に層状構造を有する。
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物の具体例としては、例えば、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)、又はリチウムニッケルコバルト複合酸化物(LixNi1-zCoz2(z<1))や、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LixNi1-v-wCovMnw2(v+w<1))等に代表されるニッケル酸リチウム構造ベースの異種添加元素を含有する複合酸化物、更にはスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn24)やリチウムマンガン複合酸化物構造ベースの異種添加元素を含有する複合酸化物等が挙げられる。また、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化合物として、例えばオリビン構造を有するリチウム鉄リン酸化合物(LiFePO4)や、リチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1-uMnuPO4(u<1))等に代表されるリチウム鉄リン酸構造ベースの異種添加元素を含有する化合物が挙げられる。
リチウムを吸蔵及び放出することが可能な正極活物質としては、高分子材料を用いてもよい。高分子材料としては、ニトロキシラジカル基含有高分子量重合体を挙げることができる。ニトロキシラジカル基含有高分子量重合体としては、例えば、特開2007−211145号公報の請求項1に記載されているピペリジル基含有高分子量重合体や共重合体、具体的には、同公報の段落〔0015〕〜〔0023〕に記載されている化合物や、特開2007−213992号公報の請求項5に記載されているピペリジル基含有高分子量重合体や共重合体、具体的には同公報の段落〔0028〕〜〔0036〕に記載されている化合物等が挙げられる。
上述した金属化合物や高分子材料は、各々単独で用いてもよく、複数の金属化合物を混合して用いたり、複数の高分子材料を混合して用いたりしてもよい。また金属化合物と高分子材料を混合して用いることもできる。
上記導電材としては、正極活物質に適量混合して導電性を付与できるものであれば特に制限されるものではないが、例えば、黒鉛の微粒子、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素の微粒子等、カーボンナノファイバー等の炭素材料が挙げられる。これらは、1種又は2種以上が混合して用いられる。また、炭素材料の他にも、導電性を有する材料であれば、金属材料又は導電性高分子材料等を用いるようにしてもよい。上記導電材の使用量は、正極活物質に対して、通常
5〜60質量%程度、好ましくは10〜50質量%である。
スラリー化する溶媒としては、バインダーを溶解する有機溶媒又は水が使用される。該有機溶媒としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等が挙げられるがこれに限定されない。上記溶媒の使用量は、正極活物質に対して、通常25〜400質量%程度、好ましくは50〜200質量%である。
正極の集電体としては、通常、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用される。
本発明の二次電池用電極を負極に使用する場合、負極としては、通常、負極活物質及びバインダー、並びに必要に応じて導電材を有機溶媒又は水でスラリー化したものを集電体に塗布し、乾燥してシート状にしたものが挙げられる。
上記負極活物質としては、リチウム、リチウム合金、スズ・ケイ素化合物等の無機化合物、チタン酸化物、炭素質材料、導電性ポリマー等が挙げられる。特に、安全性の高いリチウムイオンを吸蔵、放出できる炭素質材料が好ましい。この炭素質材料は、特に限定されないが、天然黒鉛、人造黒鉛、フラーレン、黒鉛繊維チョップ、カーボンナノチューブ、黒鉛ウイスカー、高配向性熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛等の結晶性炭素、及び石油系コークス、石炭系コークス、石油系ピッチの炭化物、石炭系ピッチの炭化物、フェノール樹脂・結晶セルロース等樹脂の炭化物等、及びこれらを一部炭化した炭素材、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維等が挙げられる。
上記導電材及びスラリー化する溶媒としては、正極と同様のものが挙げられる。また、負極の集電体には、通常、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼、アルミニウム等が使用される。上記導電材の使用量は、負極活物質に対して、通常0〜10質量%程度、好ましくは0〜5質量%である。また、上記溶媒の使用量は、負極活物質に対して、通常50〜200質量%程度、好ましくは60〜150質量%である。

次に、本発明の非水電解液二次電池について説明する。
本発明の非水電解液二次電池は、正極及び/又は負極として、本発明の二次電池用電極を用いる以外は、従来の非水電解液二次電池と同様に構成される。
本発明の非水電解液二次電池に用いられる非水電解液としては、非水電解液に通常用いられている有機溶媒を1種又は2種以上組み合わせて用いることができる。具体的には、環状カーボネート化合物、環状エステル化合物、スルホン又はスルホキシド化合物、アマイド化合物、鎖状カーボネート化合物、鎖状又は環状エーテル化合物、及び鎖状エステル化合物からなる群から選ばれる1種以上を含有することが好ましい。特に、環状カーボネート化合物及び鎖状カーボネート化合物をそれぞれ1種以上含有することが好ましく、この組み合わせを用いることで、サイクル特性に優れるばかりでなく、電解液の粘度、得られる電池の電気容量・出力等のバランスのとれた非水電解液が提供できる。
上記有機溶媒を、さらに具体的に以下に列挙する。しかしながら、本発明に用いられる有機溶媒は、以下の例示によって限定されるものではない。
環状カーボネート化合物、環状エステル化合物、スルホン又はスルホキシド化合物及びアマイド化合物は、比誘電率が高いため、電解液の誘電率を上げる役割を果たす。具体的には、環状カーボネート化合物としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2−ブチレンカーボネート、イソブチレンカーボネート等が挙げられる。環状エステル化合物としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられる。スルホン又はスルホキシド化合物としては、スルホラン、スルホレン、テトラメチルスルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、プロパンスルトン、ブチレンスルトン等が挙げられ、これらの中でもスルホラン類が好ましい。アマイド化合物としては、N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
鎖状カーボネート化合物、鎖状又は環状エーテル化合物及び鎖状エステル化合物は、非水電解液の粘度を低くすることができる。そのため、電解質イオンの移動性を高くすることができる等、出力密度等の電池特性を優れたものにすることができる。また、低粘度であるため、低温での非水電解液の性能を高くすることができる。具体的には、鎖状カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチル−n−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t−ブチル−i−プロピルカーボネート等が挙げられる。鎖状又は環状エーテル化合物としては、ジメトキシエタン(DME)、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、1,2−ビス(メトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)プロパン、エチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル、i−プロピレングリコール(トリフルオロエチル)エーテル、エチレングリコールビス(トリフルオロメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル等が挙げられ、これらの中でもジオキソラン類が好ましい。鎖状エステル化合物としては、下記一般式(1)で表されるカルボン酸エステル化合物等が挙げられる。
Figure 0005390131
上記一般式(1)において、nは1〜4の整数を示し、Rは炭素原子数1〜4のアルキル基(メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル)を示す。具体的には、蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸第二ブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等が挙げられる。上記一般式(1)で表されるカルボン酸エステル化合物は、凝固点が低く、有機溶媒、特に環状カーボネート化合物及び鎖状カーボネート化合物をそれぞれ少なくとも1種以上含有する有機溶媒にさらに添加すると、低温においても電池特性を向上させることができるため好ましい。上記一般式(1)で表されるカルボン酸エステル化合物の添加量は、有機溶媒中において1〜50体積%好ましい。
その他、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタンやこれらの誘導体を用いることもできる。
上記非水電解液には、難燃性を付与するために、ハロゲン系、リン系、その他の難燃剤を適宜添加することができる。リン系難燃剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート等のリン酸エステル類が挙げられる。
上記難燃剤の添加量は、上記非水電解液を構成する有機溶媒に対して5〜100質量%が好ましく、10〜50質量%が特に好ましい。5質量%未満では十分な難燃化効果が得られない。
上記非水電解液に用いられる電解質塩としては、従来公知の電解質塩が用いられ、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiB(CF3CO24、LiSbF6、LiSiF5、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlF4、LiAlCl4、NaClO4、NaBF4、NaI、これらの誘導体等が挙げられ、これらの中でも、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiB(CF3CO24、並びにLiCF3SO3の誘導体、LiN(CF3SO22の誘導体及びLiC(CF3SO23の誘導体からなる群から選ばれる1種以上を用いるのが、電気特性に優れるので好ましい。
上記電解質塩は、上記非水電解液中の濃度が、0.1〜3.0モル/リットル、特に0.5〜2.0モル/リットルとなるように、上記有機溶媒に溶解することが好ましい。該電解質塩の濃度が0.1モル/リットルより小さいと、充分な電流密度を得られないことがあり、3.0モル/リットルより大きいと、非水電解液の安定性を損なう恐れがある。
また、上記非水電解液には、負極での不可逆容量の低減及び負極での電解液の分解反応を抑制する目的で、各種添加剤を適宜添加することができる。それらは、主に負極表面に被膜(SEI)を形成するために添加するものであり、ビニレンカーボネート、ビニルエチレンカーボネート、ジアリルカーボネート、アリルエチルカーボネート、アリルメチルカーボネート、ジプロパルギルカーボネート、等の不飽和炭酸エステル類、プロパンスルトン、ブタンスルトン、スルホレン等のイオウ化合物、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、アセチレンジカルボン酸ジメチル、アセチレンジカルボン酸ジエチル等の不飽和エステル類、フルオロエチレンカーボネート、クロロエチレンカーボネート、4−トリフルオロメチル−エチレンカーボネート、等の含ハロゲン炭酸エステル類、テトラビニルシラン、メチルトリビニルシラン、ジメチルジビニルシラン、ジエチルジビニルシラン、トリメチルビニルシラン、テトラアリルシラン、トリアリルメチルシラン、ジアリルジメチルシラン、ジアリルジエチルシラン、アリルトリメチルシラン等の不飽和シラン化合物、ヘキサメチルジシラン、1,2−ジビニルテトラメチルジシラン等のジシラン類等が挙げられる。
また、上記非水電解液には、正極での電解液の分解反応を抑制する目的で、各種添加剤を適宜添加することができる。それらは、主に正極表面を変質させて保護層を形成するものであり、1,2−ビス(フルオロジメチルシリル)エタン、1,4−ビス(フルオロジメチルシリル)−2−メチルブタン、1,6−ビス(フルオロジメチルシリル)ヘキサン、1,4−ビス(フルオロジメチルシリル)シクロヘキサン、フルオロ−3−メトキシプロピルジメチルシラン、フルオロ−3−エトキシプロピルジメチルシラン、フルオロ−3−プロポキシプロピルジメチルシラン、フルオロジメチルビニルシラン、アリルフルオロジメチルシラン、クロチルフルオロジメチルシラン、3−ブテニルフルオロジメチルシラン、等の非芳香族系のフルオロシラン化合物、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルシロキサン、1,3−ジメチル−1,3−ジプロピル−1,3−ジビニルシロキサン等の不飽和シロキサン化合物等が挙げられる。
本発明の非水電解液二次電池では、正極と負極との間にセパレーターを用いるが、該セパレーターとしては、通常用いられる高分子の微多孔フィルムを特に限定なく使用できる。該フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等の種々のセルロース類、ポリ(メタ)アクリル酸及びその種々のエステル類等を主体とする高分子化合物やその誘導体、これらの共重合体や混合物からなるフィルム等が挙げられる。これらのフィルムは、単独で用いてもよいし、これらのフィルムを重ね合わせて複層フィルムとして用いてもよい。さらに、これらのフィルムには、種々の添加剤を用いてもよく、その種類や含有量は特に制限されない。これらのフィルムの中でも、本発明の非水電解液二次電池には、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホンからなるフィルムが好ましく用いられる。
これらのフィルムには、電解液がしみ込んでイオンが透過し易いように、微多孔化がなされている。この微多孔化の方法としては、高分子化合物と溶剤の溶液をミクロ相分離させながら製膜し、溶剤を抽出除去して多孔化する「相分離法」と、溶融した高分子化合物を高ドラフトで押し出し製膜した後に熱処理し、結晶を一方向に配列させ、さらに延伸によって結晶間に間隙を形成して多孔化をはかる「延伸法」等が挙げられ、用いられるフィルムによって適宜選択される。
本発明の非水電解液二次電池において、電極材、非水電解液及びセパレーターには、より安全性を向上する目的で、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードアミン化合物等を添加してもよい。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3−第三ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、テトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられ、電極材に添加する場合は、電極材100質量部に対して、0.01〜10質量部、特に0.05〜5質量部が用いるのが好ましい。
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル
)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。
上記チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
上記ヒンダードアミン化合物としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。
上記構成からなる本発明の非水電解液二次電池は、その形状には特に制限を受けず、コイン型、円筒型、角型等、種々の形状とすることができる。図1は、本発明の非水電解液二次電池のコイン型電池の一例を、図2及び図3は円筒型電池の一例をそれぞれ示したものである。
図1に示すコイン型の非水電解液二次電池10において、1は正極、1aは正極集電体、2は正極から放出されたリチウムイオンを吸蔵、放出できる炭素質材料よりなる負極、2aは負極集電体、3は非水電解液、4はステンレス製の正極ケース、5はステンレス製の負極ケース、6はポリプロピレン製のガスケット、7はポリエチレン製のセパレーターである。
図2及び図3に示す円筒型の非水電解液二次電池10’において、11は負極、12は負極集合体、13は正極、14は正極集電体、15は非水電解液、16はセパレーター、17は正極端子、18は負極端子、19は負極板、20は負極リード、21は正極板、22は正極リード、23はケース、24は絶縁板、25はガスケット、26は安全弁、27はPTC素子である。
以下に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明する。但し、以下の実施例等により本発明はなんら制限されるものではない。
以下の実施例及び比較例において、リチウムイオン電池(実施例1〜4、比較例1〜5)、ラジカル電池(実施例5〜8、比較例6〜10)は、以下の作製手順に従って作製された。尚、実施例1〜3及び5〜7は参考例である。
参考例1
<作製手順>
1.メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の水溶液の作製)
重量平均分子量108万のメチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体(VEMA)80.0g、水酸化リチウムの1水和物38.7g、及びイオン交換水562gをビーカー中でマグネチックスターラーを用いて攪拌する。均一の水溶液になった時点で、グラスフィルターでろ過を行い、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の水溶液を得た。得られた水溶性重合体中和塩(VEMALi)のカルボン酸基及びカルボン酸塩基における水素と金属イオンの割合(モル比)は、H/Li/Na=1/9/0であった。また、得られた水溶液は、固形分濃度が15質量%であり、pHは8.1、粘度は466mPa・sであった。
2.正極の作製
正極活物質としてLiNi0.8Co0.17Al0.032 85質量部と、導電材としてアセチレンブラック12質量部と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)1質量部とを、水70質量部に分散させ、さらにバインダーとして上記メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の15質量%水溶液14質量部を追加し分散させ、スラリーとした。このスラリーをアルミニウム製の正極集電体両面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、正極板とした。その後、この正極板を所定の大きさにカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の電極合材を掻き取ることでシート状正極を作製した。
3.負極の作製
負極活物質として黒鉛炭素粉末98質量部と、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)1質量部とを、水94質量部に分散させ、さらにバインダーとして上記メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の15質量%水溶液7質量部を追加し分散させ、スラリーとした。このスラリーを銅製の負極集電体両面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、負極板とした。その後、この負極板を所定の大きさにカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の電極合材を掻き取ることでシート状負極を作製した。
4.非水電解液の調製
エチレンカーボネート25体積%、ジエチルカーボネート5体積%、エチルメチルカーボネート40体積%、及びジメチルカーボネート30体積%からなる混合溶媒に、LiPF6を1.0モル/リットルの濃度で溶解し、添加剤として、1,2−ビス(フルオロジメチルシリル)エタン0.40重量部、ビニレンカーボネート0.40重量部及びジメチルジビニルシラン0.05重量部を添加して非水電解液とした。
5.円筒型リチウムイオン電池の組み立て
得られたシート状正極及びシート状負極を、厚さ25μmのポリエチレン製の微多孔フィルムを介した状態で巻回させて、巻回型電極体を形成した。得られた巻回型電極体をケースの内部に挿入し、ケース内に保持した。このとき、シート状正極或いはシート状負極のリードタブ溶接部に一端が溶接された集電リードを、ケースの正極端子或いは負極端子にそれぞれ接合した。その後、非水電解液を巻回型電極体が保持されたケース内に注入し、ケースを密閉、封止して、φ18mm、軸方向の長さ65mmの円筒型リチウムイオン電池を作製した。
参考例2
メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の合成において、カルボン酸基及びカルボン酸塩基における水素と金属イオンの割合をH/Li/Na=2/8/0となるように調製した以外はすべて参考例1と同様にして、円筒型リチウムイオン電池を作製した。
参考例3
メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の合成において、カルボン酸基及びカルボン酸塩基における水素と金属イオンの割合をH/Li/Na=4/6/0となるように調製した以外はすべて参考例1と同様にして、円筒型リチウムイオン電池を作製した。
実施例4
メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の合成において、カルボン酸基及びカルボン酸塩基における水素と金属イオンの割合をH/Li/Na=1/8/1となるように調製した以外はすべて参考例1と同様にして、円筒型リチウムイオン電池を作製した。
比較例1
正極の作製において、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の代わりにテフロン(登録商標)(PTFE)の水性分散液を使用した以外はすべて参考例1と同様にして、円筒型リチウムイオン電池を作製した。
比較例2
正極の作製において、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の代わりにポリアクリル酸(PAA)の水溶液を使用した以外はすべて参考例1と同様にして、円筒型リチウムイオン電池を作製した。
比較例3
正極の作製において、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の代わりにポリアクリル酸リチウム(PAALi)の水溶液を使用した以外はすべて参考例1と同様にして、円筒型リチウムイオン電池を作製した。
比較例4
正極の作製において、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の代わりにポリアクリル酸ナトリウム(PAANa)の水溶液を使用した以外はすべて参考例1と同様にして、円筒型リチウムイオン電池を作製した。
比較例5
正極の作製において、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の代わりにイソブチレンと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(ISOBAMLi)の水溶液を使用した以外はすべて参考例1と同様にして、円筒型リチウムイオン電池を作製した。
上記参考例1〜3、実施例4及び比較例1〜5で得られた円筒型リチウムイオン電池について、初期特性試験及びサイクル特性試験を行った。初期特性試験では、放電容量率(%)及び低温放電容量率(%)を測定した。サイクル特性試験では、放電容量維持率(%)及びサイクル試験後の低温放電容量率(%)を測定した。尚、測定方法は、それぞれ以下の通りである。
<初期特性試験>
1.放電容量率の測定方法
先ず、充電電流0.25mA/cm2(1/4C相当の電流値)で4.1Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.33mA/cm2(1/3C相当の電流値)で3.0Vまで定電流放電を行った。次に、充電電流1.1mA/cm2(1C相当の電流値)で4.1Vまで定電流定電圧充電し、放電電流1.1mA/cm2(1C相当の電流値)で3.0Vまで定電流放電する操作を4回行った。その後、充電電流1.1mA/cm2(1C相当の電流値)で4.1Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.33mA/cm2(1/3C相当の電流値)で3.0Vまで定電流放電し、この時の放電容量を初期放電容量とした。この初期放電容量から、下記式に従い、放電容量率(%)を求めた。尚、測定は20℃の雰囲気で行った。
放電容量率(%)=[(初期放電容量)/(参考例1における初期放電容量)]×100
2.低温放電容量率の測定方法
測定温度を−30℃とした以外は、上記放電容量率の測定方法と同様にして、−30℃での放電容量を測定した。この−30℃での放電容量から、下記式に従い、低温放電容量率(%)を求めた。
低温放電容量率(%)=[(−30℃での放電容量)/(参考例1における−30℃での放電容量)]×100
<サイクル特性試験>
1.放電容量維持率の測定方法
リチウムイオン電池を、雰囲気温度60℃の恒温槽内に入れ、充電電流2.2mA/cm2(2C相当の電流値、1Cは電池容量を1時間で放電する電流値)で4.1Vまで定電流充電し、放電電流2.2mA/cm2(2C相当の電流値)で3Vまで定電流放電を行うサイクルを500回繰り返して行った。その後、雰囲気温度を20℃に戻して、充電電流1.1mA/cm2(1C相当の電流値)で4.1Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.33mA/cm2(1/3C相当の電流値)で3.0Vまで定電流放電し、このときの放電容量をサイクル後の放電容量とした。このサイクル後の放電容量と初期放電容量とから、下記式に従い、放電容量維持率(%)を求めた。
放電容量維持率(%)=[(サイクル後の放電容量)/(初期放電容量)]×100
2.低温放電容量率の測定方法
上記放電容量維持率の測定方法において、サイクルを500回繰り返し行った後のリチウムイオン電池を、上記低温放電容量率の測定方法と同様にして、サイクル後の−30℃における放電容量を測定した。このサイクル後の−30℃における放電容量から、下記式に従い、サイクル後の低温放電容量率(%)を求めた。
低温放電容量率(%)=[(サイクル後の−30℃での放電容量)/(参考例1における−30℃での初期放電容量)]×100
Figure 0005390131
参考例5
<作製手順>
1.正極の作製
正極活物質として、ニトロキシラジカル基含有高分子量重合体である4−メタクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル(TMA)とドデシルジメタクリレートの97:3の質量比の共重合体(PTMA)にケッチェンブラックを2:1の質量比で複合化した組成物(PTMA/C)を使用した。このニトロキシラジカル基含有高分子量重合体炭素複合化組成物(PTMA/C)25質量部と、バインダーとして参考例1のメチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の15質量%水溶液8.3質量部、増粘剤としてカルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)2質量%水溶液63質量部、及び水3.7質量部をミキサーにて混合して、スラリーとした。このスラリーをアルミニウム製の正極集電体片面に乾燥後の電極材の厚みが100ミクロンになるように塗布し、乾燥後、円盤状に成型して、正極板とした。
2.負極の作製
負極活物質として、Li4Ti512 85質量部と、導電材としてアセチレンブラック12質量部と、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)1質量部とを、水70質量部に分散させ、さらにバインダーとして参考例1のメチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩の15質量%水溶液14質量部を追加し分散させ、スラリーとした。このスラリーを銅製の負極集電体両面に塗布し、乾燥後、円盤状に成型して、負極板とした。
3.電解液の調製
エチレンカーボネート25体積%、ジエチルカーボネート5体積%、エチルメチルカーボネート40体積%、及びジメチルカーボネート30体積%からなる混合溶媒に、LiPF6を1.2モル/リットルの濃度で溶解して非水電解液とした。
4.コイン型ラジカル電池の組立
上記の正極板及び負極板を、その間に厚さ25μmのポリエチレン製の微多孔フィルムを挟んだ状態で重ね合わせて、コインセルにセットして、所定量の非水電解液を滴下した後にカシメ機で密閉することによってコイン型ラジカル電池を作製した。
参考例6
参考例1のメチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の合成において、カルボン酸基及びカルボン酸塩基における水素と金属イオンの割合をH/Li/Na=2/8/0となるように調製して得られる水溶性重合体中和塩(VEMALi)を、バインダーとして用いた以外はすべて参考例5と同様にして、コイン型ラジカル電池を作製した。
参考例7
参考例1のメチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の合成において、カルボン酸基及びカルボン酸塩基における水素と金属イオンの割合をH/Li/Na=4/6/0となるように調製して得られる水溶性重合体中和塩(VEMALi)を、バインダーとして用いた以外はすべて参考例5と同様にして、コイン型ラジカル電池を作製した。
実施例8
実施例1のメチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の合成において、カルボン酸基及びカルボン酸塩基における水素と金属イオンの割合をH/Li/Na=1/8/1となるように調製して得られる水溶性重合体中和塩(VEMALi)を、バインダーとして用いた以外はすべて実施例5と同様にして、コイン型ラジカル電池を作製した。
比較例6
参考例5の正極の作製において、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の代わりにテフロン(登録商標)(PTFE)の水性分散液を使用したところ、乾燥時に電極層のひび割れが発生したため、電池を作製できなかった。
比較例7
正極の作製において、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の代わりにポリアクリル酸(PAA)の水溶液を使用した以外はすべて参考例5と同様にして、コイン型ラジカル電池を作製した。
比較例8
正極の作製において、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の代わりにポリアクリル酸リチウム(PAALi)の水溶液を使用した以外はすべて参考例5と同様にして、コイン型ラジカル電池を作製した。
比較例9
正極の作製において、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の代わりにポリアクリル酸ナトリウム(PAANa)の水溶液を使用した以外はすべて参考例5と同様にして、コイン型ラジカル電池を作製した。
比較例10
正極の作製において、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(VEMALi)の代わりにイソブチレンと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩(ISOBAMLi)の水溶液を使用した以外はすべて参考例5と同様にして、コイン型ラジカル電池を作製した。
上記参考例5〜7、実施例8及び比較例7〜10で得られたコイン型ラジカル電池について、初期特性試験及びサイクル特性試験を行った。初期特性試験では、放電容量発現率(%)及び出力(%)を測定した。サイクル特性試験では、放電容量維持率(%)及びサイクル試験後の出力(%)を測定した。尚、測定方法は、それぞれ以下の通りである。
<初期特性試験>
1.放電容量発現率の測定方法
先ず、充電電流0.25mA/cm2(1/4C相当の電流値)で2.5Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.33mA/cm2(1/3C相当の電流値)で1.0Vまで定電流放電を行った。次に、充電電流1.1mA/cm2(1C相当の電流値)で2.5Vまで定電流定電圧充電し、放電電流1.1mA/cm2(1C相当の電流値)で1.0Vまで定電流放電する操作を4回行った。その後、充電電流1.1mA/cm2(1C相当の電流値)で2.5Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.33mA/cm2(1/3C相当の電流値)で1.0Vまで定電流放電し、この時の放電容量を初期放電容量とした。尚、測定は20℃の雰囲気で行った。使用している正極活物質(ニトロキシラジカル基含有高分子量重合体)当たりの理論容量を計算して、その数値と測定した初期放電容量から、下記式に従い、放電容量発現率(%)を算出した。
放電容量発現率(%)=[(初期放電容量)/(理論容量)]×100
2.出力の測定方法
充電電流1.1mA/cm2(1C相当の電流値)で2.5Vまで定電流定電圧充電し、放電電流22mA/cm2(20C相当の電流値)で1.0Vまで定電流放電し、この時の放電容量を出力値とした。この出力値と上記放電容量発現率の測定方法で計算した理論容量から、下記式に従い、出力(%)を算出した。尚、測定は20℃の雰囲気で行った。
出力(%)=[(出力値)/(理論容量)]×100
<サイクル特性試験方法>
1.放電容量維持率の測定方法
ラジカル電池を、雰囲気温度35℃の恒温槽内に入れ、充電電流2.2mA/cm2(2C相当の電流値、1Cは電池容量を1時間で放電する電流値)で2.5Vまで定電流充電し、放電電流2.2mA/cm2(2C相当の電流値)で1.0Vまで定電流放電を行うサイクルを500回繰り返して行った。その後、雰囲気温度を20℃に戻して、充電電流1.1mA/cm2(1C相当の電流値)で2.5Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.33mA/cm2(1/3C相当の電流値)で1.0Vまで定電流放電し、このときの放電容量をサイクル後の放電容量とした。このサイクル後の放電容量と初期放電容量とから、下記式に従い、放電容量維持率(%)を求めた。
放電容量維持率(%)=[(サイクル後の放電容量)/(初期放電容量)]×100
2.出力の測定方法
上記放電容量維持率の測定方法において、サイクルを500回繰り返し行った後のコイン型ラジカル電池を、上記出力の測定方法と同様にして、サイクル後の出力値を測定した。このサイクル後の出力値と上記放電容量発現率の測定方法で算出した理論容量とから、下記式に従い、サイクル後の出力(%)を求めた。
出力(%)=[(出力値)/(理論容量)]×100
Figure 0005390131
表1と表2の結果から明らかなように、メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩をバインダーに用いた本発明の非水電解液二次電池は、初期特性及びサイクル特性において、放電容量維持率に優れ、特に低温特性に優れていることが確認できた。これに対し、本発明とは異なるバインダーを使用した非水電解液二次電池では、初期特性及びサイクル特性における低温特性及び放電容量維持率が本発明のバインダーを使用した非水電解液二次電池に比べると劣っていた。
図1は、本発明の非水電解液二次電池のコイン型電池の構造の一例を概略的に示す縦断面図である。 図2は、本発明の非水電解液二次電池の円筒型電池の基本構成を示す概略図である。 図3は、本発明の非水電解液二次電池の円筒型電池の内部構造を断面として示す斜視図である。
符号の説明
1 正極
1a 正極集電体
2 負極
2a 負極集電体
3 電解液
4 正極ケース
5 負極ケース
6 ガスケット
7 セパレータ
10 コイン型の非水電解液二次電池
10’ 円筒型の非水電解液二次電池
11 負極
12 負極集合体
13 正極
14 正極集合体
15 電解液
16 セパレータ
17 正極端子
18 負極端子
19 負極板
20 負極リード
21 正極
22 正極リード
23 ケース
24 絶縁板
25 ガスケット
26 安全弁
27 PTC素子

Claims (6)

  1. メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩を主成分とする非水電解液二次電池電極用バインダーであって、
    上記中和塩を構成する金属イオンにおいて、リチウムイオンの含有量が50モル%以上であり、且つナトリウムイオンの含有量が3モル%以上である非水電解液二次電池電極用バインダー。
  2. メチルビニルエーテルと無水マレイン酸の共重合体の水溶性重合体中和塩をバインダーとして含有する非水電解液二次電池用電極であって、
    上記中和塩を構成する金属イオンにおいて、リチウムイオンの含有量が50モル%以上であり、且つナトリウムイオンの含有量が3モル%以上である非水電解液二次電池用電極。
  3. ニトロキシラジカル基含有高分子量重合体を電極活物質として含有する請求項2記載の非水電解液二次電池用電極。
  4. Ni、Co、Mn、Ti及びFeの少なくとも一つを含有する金属酸化物を電極活物質として含有する請求項2記載の非水電解液二次電池用電極。
  5. 結晶性炭素を電極活物質として含有する請求項2記載の非水電解液二次電池用電極。
  6. 請求項2〜5の何れか1項に記載の電極を用いた非水電解液二次電池。
    解液二次電池。
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