JP3810062B2 - 非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池 Download PDF

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Description

【0001】
本発明は、有機錫化合物、有機ゲルマニウム化合物あるいは不飽和結合を有する有機ケイ素化合物の中から選ばれる2種以上の組み合わせを含有する非水電解液に関し、さらには該非水電解液を用いることで低温時の内部抵抗増加が抑制され、高い電気容量を維持するという低温特性に優れた非水電解液二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年の携帯用パソコン、ハンディビデオカメラ等の携帯電子機器の普及に伴い、高電圧、高エネルギー密度を有する非水電解液二次電池が電源として広く用いられるようになった。また、環境問題から電池自動車や電力を動力の一部に利用したハイブリッド車の実用化が行われている。
【0003】
しかし、非水電解液二次電池は、低温時、電気容量の低下や内部抵抗の上昇を示し、安定した電力供給源としての信頼性が不足していた。
【0004】
非水電解液二次電池の安定性や電気特性の向上のために種々の添加剤が提案されている。例えば、特開平8−171936号公報には、リチウム二次電池において非水電解液中に無機錫化合物を含有させ、錫イオンが電池特性を向上させることが記載されている。また、特開平10−69915号公報には、非水電解液に錫酸又はゲルマニウム酸エステルを添加することが記載されている。しかしながら、これらの錫化合物又はゲルマニウム化合物では、低温時の電池特性が十分に満足いくものではなかった。
【0005】
また、特開平10−326611号公報には、有機溶媒系電解質における有機溶媒にケイ酸テトラメチルを使用することが提案され、サイクル特性は向上したものの、容量が低下する欠点があった。また、特開平10−55822号公報には、難燃性有機溶媒としてオクチルトリエトキシシラン等のシラン化合物を使用することで難燃性を有する電解液が提案されているが、この場合には難燃性は向上するものの、電気特性については十分に満足のいくものではなかった。さらに特開平11−16602号公報には、Si−N結合を有する有機ケイ素化合物を添加した電解液が提案されている。水の混入に基づくハロゲン酸の発生を防止し、電池の劣化をある程度防ぐが、サイクルを繰り返すことによる電気特性については十分に満足いくものではなかった。
【0006】
従って、本発明の目的は、低温特性及びサイクル特性に優れた非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、かかる現状に鑑み種々の検討を重ねた結果、有機錫化合物、有機ゲルマニウム化合物又は不飽和結合を有する有機ケイ素化合物から選ばれる2種以上の組み合わせを含有する電解液が低温特性及びサイクル特性に優れる電解液であるとの知見を得た。
【0009】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、電解質塩を有機溶媒に溶解した電解液において、下記一般式(1)で表される不飽和結合を有するケイ素化合物、下記一般式(2)で表される有機錫化合物又は下記一般式(3)で表される有機ゲルマニウム化合物の中から選ばれる少なくとも2種以上を含有することを特徴とする非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池を提供するものである。
【化1】
Figure 0003810062
【化2】
Figure 0003810062
【化3】
Figure 0003810062
【0010】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池について詳述する。
【0011】
本発明の非水電解液に用いられるケイ素化合物は、下記一般式(1)で表される不飽和結合を有するケイ素化合物である。
【0012】
【化5】
Figure 0003810062
【0013】
上記一般式(1)において、R1〜R6で表されるアルキル基及びアルコキシ基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、イソオクチル、2−エチルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル等の炭素原子数1〜12のアルキル基又はこれらの基から誘導されるアルコキシ基が挙げられ、アルケニル基及びアルケニルオキシ基としては、ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロペニル、2−ブテニル、1,3−ブタジエニル、2−ペンテニル、2−オクテニル等の炭素原子数2〜8のアルケニル基又はこれらの基から誘導されるアルケニルオキシ基が挙げられ、アルキニル基及びアルキニルオキシ基としては、エチニル、2−プロピニル、1,1−ジメチル−2−プロピニル等の炭素原子数2〜8のアルキニル基又はこれらの基から誘導されるアルキニルオキシ基が挙げられ、アリール基又はアリールオキシ基としては、フェニル、トリル、キシリル、第三ブチルフェニル等の炭素原子数6〜12のアリール基又はこれらの基から誘導されるアリールオキシ基が挙げられる。また、Xで表されるアルキレン基又はアルキレンジオキシ基としては、メチレン、エチレン、トリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチレン等の炭素原子数1〜8のアルキレン基又はこれらの基から誘導されるアルキレンジオキシ基が挙げられ、アルケニレン基又はアルケニレンジオキシ基としては、ビニレン、プロペニレン、イソプロペニレン、ブテニレン、ペンテニレン等の炭素原子数2〜8のアルケニレン基又はこれらの基から誘導されるアルケニレンジオキシ基が挙げられ、アルキニレン基又はアルキニレンジオキシ基としては、エチニレン、プロピニレン、ブチニレン、ペンチニレン、1,1,4,4−テトラメチルブテニレン等の炭素原子数2〜8のアルキニレン基又はアルキニレンジオキシ基が挙げられ、アリーレン基又はアリーレンジオキシ基としてはフェニレン、メチルフェニレン、ジメチルフェニレン、第三ブチルフェニレン等の炭素原子数6〜12のアリーレン基又はこれらの基から誘導されるアリーレンジオキシ基が挙げられる。
【0014】
上記一般式(1)で表される化合物としては、より具体的には、以下の化合物No.1〜No.26等が挙げられる。但し、本発明は以下の例示によりなんら制限されるものではない。
【0015】
【化6】
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【0016】
【化7】
Figure 0003810062
【0017】
【化8】
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【0018】
【化9】
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【0019】
【化10】
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【0020】
【化11】
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【0021】
【化12】
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【0022】
【化13】
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【0023】
【化14】
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【0024】
【化15】
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【0025】
【化16】
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【0026】
【化17】
Figure 0003810062
【0027】
【化18】
Figure 0003810062
【0028】
【化19】
Figure 0003810062
【0029】
【化20】
Figure 0003810062
【0030】
【化21】
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【0031】
【化22】
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【0032】
【化23】
Figure 0003810062
【0033】
【化24】
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【0034】
【化25】
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【0035】
【化26】
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【0036】
【化27】
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【0037】
【化28】
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【0038】
【化29】
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【0039】
【化30】
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【0040】
【化31】
Figure 0003810062
【0041】
上記の不飽和結合を有するケイ素化合物は既知の化合物であり、その合成方法は、特に限定されるものではないが、例えば水素含有ケイ素化合物と水酸基含有ケイ素化合物の脱水素カップリング反応により化合物No.1が得られる。
【0042】
本発明の非水電解液に用いられる有機錫化合物は、下記一般式(2)で表される化合物であり、有機ゲルマニウム化合物は、下記一般式(3)で表される化合物である。
【0043】
【化32】
Figure 0003810062
【0044】
【化33】
Figure 0003810062
【0045】
上記一般式(2)又は(3)において、R1 、R2 、R4 、R5 及びR6 で表されるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、アミル、ヘキシル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、シクロペンチルシクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオキチル、ベンジル等が挙げられる。
【0046】
上記R1 及びR2 で示されるアルケニル基としては、ビニル、プロペニル、ヘキセニル、ドデセニル、ヘキサデセニル、オクタデセニルが挙げられる。
【0047】
上記R1 、R2 、R4 及びR6 で示されるアリール基としては、フェニル、ナフチル、トリル、ブチルフェニル、ヘキシルフェニル、オクチルフェニル、ノニルフェニル、ドデシルフェニル等が挙げられる。R3 又はX2 で示されるアルキレン基としては、エチレン、1,2−プロピレン、1,3−プロピレン、1,2−ブチレン、1,4−ブチレン等が挙げられる。R1 で示されるアルコキシカルボニルアルキル基としては、メトキシカルボニルエチル、イソプロポキシカルボニルエチル、ブトキシカルボニルエチル、オクトキシカルボニルエチル等が挙げられる。
【0048】
また、R3 又はX2 で示されるアルキレン基としては、エチレン、プロピレン、トリメチレン、テトラメチレン等が挙げられる。R3 又はX2 で示されるアルケニレン基としては、ビニレン、プロペニレン、ブテニレン、ヘキセニレン、ドデセニレン、ヘキサデセニレン、オクタデセニレン等が挙げられる。X2 で示されるアルキニレン基としては、エテニレン、2−プロピニレン等が挙げられる。R3 で示されるアリーレン基としては、フェニレン、ナフチレン、トリルレン、ブチルフェニレン、ヘキシルフェニレン、オクチルフェニレン、ノニルフェニレン、ドデシルフェニレン等が挙げられる。また、R2 又はR3 の置換基としては、ハロゲン基、アルコキシ基、アルカノイルキシ基、アルキルメルカプト基が挙げられ、ハロゲン基としては、塩素、フッ素、臭素等が挙げられ、その他の基は、上記に挙げられたアルキル基から誘導された基が挙げられる。
【0049】
上記一般式(2)で表される有機錫化合物としては、(I)有機錫アルコキサイド、(II)有機錫−β−ジケトネート、(III)有機錫オキサイド及び/又はサルファイド、(IV)有機錫メルカプタイド又はメルカプタイドアルコキサイド、(V)有機錫メルカプトカルボキシレート、(VI)有機錫カルボキシレート、(VII)有機錫スルホネート、(VIII)テトラ有機錫等が挙げられ、具体的には下記のような化合物が例示される。但し、本発明に用いられる有機錫化合物は、下記の例示により何ら制限されるものではない。
【0050】
(I)有機錫アルコキサイドとしては、モノブチル錫トリメトキサイド、モノオクチル錫トリメトキサイド、ジブチル錫ジメトキサイド〔(C4 9 2 Sn(−OCH3 2 〕、ジブチル錫ジブトキサイド〔(C4 9 2 Sn(−O(CH2 3 CH3 2 〕、ジビニル錫ジブトキサイド、ジブチル錫ジプロポキシサイド、ジブチル錫ビス(メトキシエトキシサイド)等の有機錫の一価アルコールのアルコキサイド及びジブチル錫エチレングリコラート〔(C4 9 2 Sn(−O−CH2 CH2 −O−)〕、ジブチル錫(1−メチル)エチレングリコラート、ジビニル錫エチレングリコラート、ジアリル錫エチレングリコラート、ジブチル錫(1−ヘキシル)エチレングリコラート、ジビニル錫(1−ヘキシル)エチレングリコラート、ジブチル錫(1−ビニルオキシメチル)エチレングリコラート、ジブチル錫(1−アリロキシメチル)エチレングリコラート〔(C4 9 2 Sn(−O−CH(CH2 OCH2 CH=CH2 )CH2 −O−)〕、ジブチル錫(1−ブトキシメチル)エチレングリコラート、ジブチル錫(1−アセトキシメチル)エチレングリコラート、ジブチル錫(2,2−ジメチル)−1,3−プロピレングリコラート、ジブチル錫(1,1,3−トリメチル)−1,3−プロピレングリコラート、ジブチル錫(2−エチル−2−ブチル)−1,3−プロピレングリコラート、ジブチル錫(2,2−ジフルオロ)−1,3−プロピレングリコラート、ジブチル錫(2−ブテニレン)−1,4−グリコラート等の有機錫グリコラートが挙げられる。
【0051】
(II)有機錫−β−ジケトネートとしては、下記に示すジブチル錫ビス(アセチルアセトネート)、ジブチル錫ビス(ヘキサフルオロアセチルアセトネート)、ジブチル錫ビス(2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオネート)、ジブチル錫ビス(2,2−ジメチル−3,5−ヘキサンジオネート)等の有機錫アルカン−β−ジオネート及びジブチル錫ビス(ベンゾイルアセトネート)、ジブチル錫ビスジベンゾイルメタネート等の有機錫芳香族βジケトネートが挙げられる。
【0052】
【化34】
Figure 0003810062
【0053】
(III)有機錫オキサイド及び/又はサルファイドとしては、モノブチル錫オキサイド〔(C4 9 Sn(=O))2 −O〕、モノブチル錫サルファイド〔(C4 9 Sn(=S))2 −S〕、ジメチル錫オキサイド〔(CH3 2 Sn=O〕、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジメチル錫サルファイド〔(CH3 2 Sn=S〕、ジブチル錫サルファイド、ジオクチル錫サルファイド、モノブチル錫オキサイド・サルファイド等が挙げられる。
【0054】
(IV)有機錫メルカプトタイプ又はメルカプタイドアルコキサイドとしては、モノブチル錫トリオクチルメルカプタイド、ジメチル錫ジドデシルメルカプタイド(CH3 2 Sn−((CH2 11CH3 2 、ジブチル錫ジドデシルメルカプタイド、ジブチル錫−1,2−エタンジチオラート、ジブチル錫−O,S−モノチオエチレングリコラート等が挙げられる。
【0055】
(V)有機錫メルカプトカルボキシレートとしては、モノメチル錫−S,S,S−トリス(イソオクチルチオグリコレート)〔CH3 Sn(SCH2 COOC8 17−i)3 〕、モノブチル錫−S,S,S−トリス(イソオクチルチオグリコレート)、モノオクチル錫−S,S,S−トリス(イソオクチルチオグリコレート)、ジメチル錫−S,S−ビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジブチル錫−S,S−ビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジオクチル錫−S,S−ビス(イソオクチルチオグリコレート)、ジブチル錫−S,S−ビス(ブチル−3−メルカプトプロピオネート)〔(C4 9 2 Sn(SCH2 CH2 COOC4 9 2 〕、ジメチル錫−S,S−ビス(メルカプトエチルオレート)〔〔(CH3 2 Sn(SCH2 CH2 O−CO−C17352 〕、ジメチル錫−S,S−ビス(メルカプトエチルアセテート)、ジブチル錫−O,S−チオグリコレート、〔(C4 9 2 Sn(−SCH2 COO−)〕、ジビニル錫−O−S−チオグリコラート、ジブチル錫−O,S−3−メルカプトプロピオネート〔(C4 9 2 Sn(−SCH2 CH2 COO−)〕、ビス(ジブチル錫−S−イソオクチルチオグリコレート)サルファイド〔S(Sn(C4 9 2 −SCH2 COOC8 17−i)2 〕、ビス(ジブチル錫−S−メチルチオグリコレート)−O,S−チオグリコレート〔(−SCH2 COO−)(Sn(C4 9 2 −SCH2 COOCH3 2 〕が挙げられる。
【0056】
(VI)有機錫カルボキシレートとしては、トリブチル錫アクリレート〔(C4 9 3 Sn−O−CO−CH=CH2 〕、ジブチル錫ジベンゾエート〔(C4 9 2 Sn(−O−CO−C6 5 2 〕、ジメチル錫ビス(ネオデカノエート)〔(CH3 2 Sn(−O−CO−C(CH3 2 6 132 〕、モノブチル錫トリス(2−エチルヘキサノエート)〔C4 9 Sn(−O−CO−CH(C2 5 )C4 9 3 〕、ジブチル錫ビス(モノメチルマレート)〔(C4 9 2 Sn(OCOCH=CHCOOCH3 )〕、ジブチル錫ジアセテート〔(C4 9 2 Sn(−OCOCH3 2 〕、ジビニル錫ジアセテート、ジブチル錫ジドデカノエート〔(C4 9 )Sn(−OCO(CH2 10CH3 2 〕、ジブチル錫ジアクリレート〔(C4 9 2 Sn(−OCOCH=CH2 2 〕、ジブチル錫ジメタクリレート〔(C4 9 2 Sn(−OCOCCH3 =CH2 2 〕、トリフェニル錫アクリレート、ビス(ジブチル錫アセテート)オキサイド〔((C4 9 2 Sn(OCOCH3 ))2 −O〕等が挙げられる。
【0057】
(VII)有機錫スルホネートとしては、ジブチル錫ビス(ベンゼンスルホネート)、ジブチル錫ビス(トリフルオロメタンスルホネート)等が挙げられる。
【0058】
(VIII)テトラ有機錫としては、テトラブチル錫、トリメチル−アリル錫〔(CH3 3 Sn−(CH2 CH=CH2 )〕、トリブチル−アリル錫〔(C4 9 3 Sn−(CH2 CH=CH2 )〕、ジブチル−ジビニル錫〔(C4 9 2 Sn−(CH=CH2 2 〕トリフェニル−アリル錫、ビス(トリブチル錫)アセチレン等が挙げられる。
【0059】
上記の有機錫化合物は既知の化合物であり、その合成方法は、特に限定されるものではないが、例えばSnCl4 とグリニャール試薬又はトリアルキルアルミニウムを反応させてテトラアルキル錫が合成され、これにハロゲン、ハロゲン化水素やSnCl4 で開裂させて有機錫ハライドが得られる。これに水酸化ナトリウム等でアルカリ加水分解することで有機錫オキサイド得られ、さらにアルコール、β−ジケトン化合物、有機酸、メルカプタン等とリガンド交換反応で各種の誘導体が合成される。
【0060】
これらの有機錫化合物の中でも、モノ有機錫化合物及びジ有機錫化合物は毒性が極めて低いことが知られており、またモノ及びジアルキル錫化合物は合成も容易であり、化合物の安定性が大きいので好ましい。
【0061】
また、これらの有機錫誘導体の中でも、有機錫アルコキサイド化合物、特にアルキル基、アルコキシメチル基、アルケニルオキシメチル基で置換されていても良い有機錫グリコラート化合物及び有機錫β−ジケトネート化合物、特に有機錫アルカンジオネート化合物は非水溶媒への溶解性に優れ、また、非水電解液二次電池の低温特性を改善する効果が大きいので好ましい。
【0062】
また、上記一般式(3)で表される有機ゲルマニウム化合物としては、アリルトリエチルゲルマン、アリルトリメチルゲルマン、シクロペンタジェニルトリメチルゲルマン、ビニルトリエチルゲルマン、テトラエチルゲルマン、ヘキサアリルジゲルマノキサン、テトラアリルゲルマン、ジブチルゲルマニウム(1−アリロキシメチル)エチレングリコラート、モノオクチルゲルマニウムトリメトキサイド、ジブチルゲルマニウムジプロポキシサイド、ジブチルゲルマニウム(1−ヘキシル)エチレングリコラート、ジブチルゲルマニウム(1,1,3−トリメチル)1,3−プロピレングリコラート、ジブチルゲルマニウムビス(アセチルアセトネート)、ジブチルゲルマニウムビス(2,2−ジメチル−3,5−ヘキサンジオネート)、ジブチルゲルマニウムビス(ベンゾイルアセトネート)等が挙げられる。
【0063】
上記有機錫化合物、有機ゲルマニウム化合物又は不飽和結合含有有機ケイ素化合物が効果を発現する機構は明らかではないが、サイクル初期に電極界面において重合もしくは反応することにより、低温時においても高いリチウムイオン導伝性を維持した被膜を形成すると考えられる。また、この効果を発現するためには、0.05〜5質量%の添加量で上記化合物を含有させることが望ましく、0.1〜3質量%がより望ましい。0.05質量%未満ではその効果がほとんど認められず、また、5質量%を超えて含有させても効果はそれ以上発現しなくなるので無駄であるばかりでなく、却って電解液の特性に悪影響を及ぼすことがあるので好ましくない。
【0064】
本発明は、電解質塩を有機溶媒に溶解した電解液において、有機錫化合物又は有機ゲルマニウム化合物を各々単独で含有させてもよく、また、有機錫化合物、有機ゲルマニウム化合物又は不飽和結合を有する有機ケイ素化合物の中から選ばれる2種以上を組み合わせて含有させてもよい。
【0065】
本発明に用いられる有機錫化合物、有機ゲルマニウム化合物又は不飽和結合を有する有機ケイ素化合物は、通常非水電解液として用いられている1種又は2種以上の非水溶媒の組み合わせに含有させることによって非水電解液として用いられる。特に、鎖状カーボネート及び環状カーボネートの組み合わせに含有させることが好ましく、この組み合わせを用いることでサイクル特性に優れるばかりでなく、電解液の粘度、得られる電池の電気容量・出力等のバランスのとれた電解液が提供できる。
【0066】
本発明の非水電解液に用いられる非水溶媒の例を以下に列挙する。しかしながら、本発明に用いられる非水溶媒は、以下の例示によって限定されるものではない。
【0067】
環状カーボネート化合物、環状エステル化合物、スルホン又はスルホキシド化合物、アマイド化合物は、比誘電率が高いため、電解液の誘電率を上げる役割を果たしており、具体的には、環状カーボネート化合物としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ビニレンカーボネート、ブチレンカーボネート等が挙げられ、環状エステル化合物としては、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等が挙げられ、スルホン又はスルホキシド化合物としては、スルホラン、スルホレン、テトラメチルスルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド等が挙げられ、アマイド化合物としては、N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド等が挙げられる。
【0068】
鎖状カーボネート化合物、鎖状又は環状エーテル化合物、鎖状エステル化合物等は、電解液の粘度を低くすることができる。そのため、電解質イオンの移動性を高くすることができる等、出力密度等の電池特性を優れたものにすることができる。また、低粘度であるため、低温での電解液の性能を高くすることができる。具体的には、鎖状カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチル−n−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t−ブチル−i−プロピルカーボネート等が挙げられ、鎖状又は環状エーテル化合物としては、ジメトキシエタン(DME)、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン等が挙げられる。
【0069】
さらに鎖状エステル化合物としては、下記一般式(4)で示すカルボン酸エステル化合物が挙げられ、下記一般式(4)における炭素数1〜4のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、第二ブチル、第三ブチルが挙げられ、具体的には蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸第二ブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等が挙げられる。これらのカルボン酸エステル化合物は凝固点が低く、環状又は鎖状のカーボネート化合物にさらに添加することにより、低温においても電池特性を向上させることができる。カルボン酸エステル化合物の添加量は非水溶媒中に1〜50体積%用いることが好ましい。その他、アセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタンやこれらの誘導体を用いることもできる。
【0070】
【化35】
Figure 0003810062
【0071】
また、下記一般式(5)で表される鎖状カーボネート化合物に分類されるアルキレンビスカーボネート化合物は、電解液の揮発性を低くすることができ、また、高温での保存特性に優れるため高温での電池特性を高いものにすることができる。
【0072】
【化36】
Figure 0003810062
【0073】
上記一般式(5)において、R9 及びR11で表されるアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル等が挙げられ、R10で表されるアルキレン基としては、エチレン、プロピレン、ジメチルプロピレン等が挙げられる。上記アルキレンビスカーボネート化合物としては、具体的には、1,2−ビス(メトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)プロパン等が例示される。
【0074】
鎖状エーテル化合物に分類される下記一般式(6)で表されるグリコールジエーテル化合物は、末端基がフッ素原子で置換されているために電極界面において、界面活性剤のような作用を発揮して、非水電解液の電極への親和性を高めることができ、初期の電池内部抵抗の低減やリチウムイオンの移動性を高めることができる。
【0075】
【化37】
Figure 0003810062
【0076】
上記一般式(6)において、R12及びR14で表されるアルキル基としては、メチル、トリフルオロメチル、エチル、トリフルオロエチル、プロピル、ペンタフルオロプロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、へプチル、オクチル等が挙げられ、R13で表されるアルキレン基としては、エチレン、プロピレン、ジフルオロプロピレン、ブチレン等が挙げられる。上記グリコールジエーテル化合物としては、具体的には、エチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル、i−プロピレングリコール(トリフルオロエチル)エーテル、エチレングリコールビス(トリフルオロメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル等が挙げられる。
【0077】
また、本発明の非水電解液は、難燃性を付与するために難燃剤としてハロゲン系、リン系その他の難燃剤を適宜添加することができる。
【0078】
上記リン系難燃剤としては、リン酸エステル化合物が効果が大きく好ましい。リン酸エステル化合物としては、例えば式(7)、(8)又は(9)で表されるものがありこれらの1種以上を添加することができる。
【0079】
【化38】
Figure 0003810062
【0080】
上記一般式(7)及び(8)におけるR15、R16、R17及びR19で表されるアルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル及びヘキシル等が、フッ素置換アルキル基としては、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル等が挙げられる。
【0081】
上記一般式(8)におけるR18で表されるアルキレン基としては、例えば、エチレン、プロピレン、トリメチレン、2,2−ジメチルトリメチレン等が、アルケニレン基としては、ビニレン、ブテニレン等が、アルキニレン基としては、エチニレン、プロピニレン、2−ブチニレン、1,1,4,4−テトラメチル−2−ブチニレン、1,4−ジメチル−1,4−ジエチル−2−ブチニレン、1,4−ジメチル−1,4−ジイソブチル−2−ブチニレン等が挙げられる。
【0082】
上記一般式(9)におけるR20で表される3価のアルコール残基を与える3価のアルコールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、1,2,4−トリヒドロキシブタン等が挙げられる。
【0083】
上記一般式(7)〜(9)で表される化合物としては、より具体的には、以下の化合物No.A〜Iが挙げられる。但し、本発明に用いられるリン酸エステル化合物は、以下の化合物により何ら制限されるものではない。
【0084】
【化39】
Figure 0003810062
【0085】
【化40】
Figure 0003810062
【0086】
【化41】
Figure 0003810062
【0087】
【化42】
Figure 0003810062
【0088】
【化43】
Figure 0003810062
【0089】
【化44】
Figure 0003810062
【0090】
【化45】
Figure 0003810062
【0091】
【化46】
Figure 0003810062
【0092】
【化47】
Figure 0003810062
【0093】
上記一般式(7)〜(9)で表されるリン酸エステル化合物の使用量は、電解液を構成する有機溶媒に対して5〜100質量%が好ましく、10〜50質量%が特に好ましい。使用量が5質量%未満では十分な難燃化効果が得られない。
【0094】
また、上記一般式(7)〜(9)で表される化合物の合成方法は特に限定されるものではないが、例えば、オキシ塩化リンと対応するアルコールの反応により容易に合成できる。
【0095】
電解質としては、従来公知の電解質が用いられ、例えば、LiPF6 、LiBF4 、LiAsF6 、LiCF3 SO3 、LiN(CF3 SO2 2 、LiC(CF3 SO2 3 、LiSbF6 、LiSiF5 、LiAlF4 、LiSCN、LiClO4 、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlF4 、LiAlCl4 、NaClO4 、NaBF4 、NaI等が挙げられ、これらの中でも、LiPF6 、LiBF4 、LiClO4 、LiAsF6 等の無機塩、並びに、CF3 SO3 Li、N(CF3 SO2 2 Li、C(CF3 SO2 3 Li等の有機塩からなる群より選ばれる1種又は2種以上の塩の組合せが電気特性に優れるので好ましい。
【0096】
上記電解質は、電解液中の濃度が、0.1〜3.0モル/リットル、特に0.5〜2.0モル/リットルとなるように上記有機溶媒に溶解することが好ましい。該電解液の濃度が0.1モル/リットルより小さいと充分な電流密度を得られないことがあり、3.0モル/リットルより大きいと電解液の安定性を損なう恐れがある。
【0097】
本発明の非水電解液は、一次又は二次電池、特に後述する非水電解液二次電池を構成する非水電解液として好適に使用できる。
【0098】
電極材料としては、正極及び負極があり、正極としては、正極活物質と結着剤と導電材とをスラリー化したものを集電体に塗布し、乾燥してシート状にしたものが使用される。正極活物質としては、TiS2 、TiS3 、MoS3 、FeS2 、Li(1-x) MnO2 、Li(1-x) Mn2 4 、Li(1-x) CoO2 、Li(1-x) NiO2 、LiV2 3 、V2 5 等が挙げられる。なお、該正極活物質の例示におけるxは0〜1の数を示す。これら正極活物質のうち、リチウムと遷移金属の複合酸化物が好ましく、LiCoO2 、LiNiO2 、LiMn2 4 、LiMnO2 、LiV2 3 等が好ましい。負極及び正極活物質の結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、EPDM、SBR、NBR、フッ素ゴム等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0099】
負極としては、通常、負極活物質と結着剤とを溶媒でスラリー化したものを集電体に塗布し、乾燥してシート状にしたものが使用される。負極活物質としては、リチウム、リチウム合金、スズ化合物等の無機化合物、炭素質材料、導電性ポリマー等が挙げられる。特に、安全性の高いリチウムイオンを吸蔵、放出できる炭素質材料が好ましい。この炭素質材料は特に限定されないが、黒鉛及び石油系コークス、石炭系コークス、石油系ピッチの炭化物、石炭系ピッチの炭化物、フェノール樹脂、結晶セルロース等の樹脂の炭化物等及びこれらを一部炭化した炭素材、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維等が挙げられる。
【0100】
正極の導電材としては、黒鉛の微粒子、アセチレンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素の微粒子等が使用されるが、これらに限定されない。スラリー化する溶媒としては、通常は結着剤を溶解する有機溶剤が使用される。例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等を挙げることができるがこれに限定されない。また、水に分散剤、増粘剤等を加えてSBR等のラテックスで活物質をスラリー化する場合もある。
【0101】
負極の集電体には、通常、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用され、正極集電体には、通常、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用される。
【0102】
本発明の非水電解液二次電池では正極と負極の間にセパレータを用いるが、通常用いられる高分子の微多孔フィルムを特に限定なく使用できる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等の種々のセルロース類、ポリ(メタ)アクリル酸及びその種々のエステル類等を主体とする高分子化合物やその誘導体、これらの共重合体や混合物からなるフィルム等が挙げられる。また、このようなフィルムを単独で用いてもよいし、これらのフィルムを重ね合わせた複層フィルムでもよい。さらにこれらのフィルムには種々の添加剤を用いてもよく、その種類や含有量は特に制限されない。これらの微多孔フィルムの中で、本発明の非水電解液二次電池にはポリエチレンやポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホンが好ましく用いられる。
【0103】
これらのセパレータフィルムは、電解液がしみ込んでイオンが透過し易いように、微多孔化がなされている。この微多孔化の方法としては、高分子化合物と溶剤の溶液をミクロ相分離させながら製膜し、溶剤を抽出除去して多孔化する「相分離法」と、溶融した高分子化合物を高ドラフトで押し出し製膜した後に熱処理し、結晶を一方向に配列させ、さらに延伸によって結晶間に間隙を形成して多孔化をはかる「延伸法」等が挙げられ、用いられる高分子フィルムによって適宜選択される。特に、本発明に好ましく用いられるポリエチレンやポリフッ化ビニリデンに対しては、相分離法が好ましく用いられる。
【0104】
本発明の電解液には、上記有機錫化合物又は有機ゲルマニウム化合物、上記一般式(I)で表される不飽和結合を有するケイ素化合物以外の低温特性を改善するための添加剤を添加することができ、また電極材料、電解液及びセパレータには、より安全性を向上する目的でフェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードアミン系光安定剤を添加してもよい。
【0105】
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3−第三ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4’−チオビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、4,4’−ブチリデンビス(6−第三ブチル−m−クレゾール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−第三ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、テトラキス〔3−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−第三ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2−第三ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−第三ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられ、電極材料100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.05〜5質量部が用いられる。
【0106】
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−第三ブチル−4−(3−第三ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ第三ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ第三ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4’−n−ブチリデンビス(2−第三ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−第三ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2’−メチレンビス(4,6−第三ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2’−エチリデンビス(4,6−ジ第三ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス第三ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ第三ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。
【0107】
上記チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
【0108】
上記ヒンダードアミン系光安定剤としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−第三オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。
【0109】
上記構成からなる本発明の非水電解液二次電池は、その形状には特に制限を受けず、コイン型、円筒型、角型等、種々の形状の電池として使用できる。図1は、本発明の非水電解液二次電池のコイン型電池の例を、図2及び図3に、本発明の非水電解液二次電池の円筒型電池の一例をそれぞれ示す。
【0110】
図1に示すコイン型の非水電解液二次電池10において、1はリチウムイオンを放出できる正極、1aは正極集電体、2は正極から放出されたリチウムイオンを吸蔵、放出できる炭素室材料よりな負極、2aは負極集電体、3は本発明の非水電解液、4はステンレス製の正極ケース、5はステンレス製の負極ケース、6はポリプロピレン製のガスケット、7はポリエチレン製のセパレータである。
【0111】
また、図2及び図3に示す円筒型の非水電解液二次電池10’において、11は負極、12は負極集合体、13は正極、14は正極集電体、15は本発明の非水電解液、16はセパレータ、17は正極端子、18は負極端子、19は負極板、20は負極リード、21は正極板、22は正極リード、23はケース、24は絶縁板、25はガスケット、26は安全弁、27はPTC素子である。
【0112】
本発明の作用機構については明確ではないが、本発明に用いられる上記有機錫化合物、上記有機ゲルマニウム化合物又は上記一般式(I)で表される不飽和結合を有するケイ素化合物が、電極界面において、低温時にも高いリチウムイオン導伝性を維持した被膜を形成し、界面抵抗の増加を抑制すると考えられる。このために、無添加に比べてこの被膜の抵抗が低温時において小さいため、高い放電容量を維持できると考えられる。
【0113】
【実施例】
以下に、実施例により本発明を詳細に説明する。但し、以下の実施例により本発明はなんら制限されるものではない。尚、下記の実施例中、実施例3−5、実施例3−6、実施例3−7及び実施例3−8が本発明の実施例であり、その他の実施例は参考例である。
【0114】
実施例のリチウム二次電池は以下の手順で作製された。
〔正極の作製〕
正極活物質LiNiO2 85質量部、導電剤としてアセチレンブラック10質量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)5質量部を混合して、正極材料とした。この正極材料をN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に分散させ、スラリー状とした。このスラリーをアルミニウム製の正極集電体両面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、正極板とした。
その後、この正極板は、所定の大きさにカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の電極合剤を掻き取ることでシート状正極を作製した。
【0115】
〔負極の作製〕
炭素材料粉末92.5質量部にPVDF7.5質量部を混合して、負極材料とした。この負極材料をNMPに分散させてスラリー状とした。このスラリーを正極と同様に銅製の負極集電体両面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、負極板とした。その後、この負極板は、所定の大きさにカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の電極合剤を掻き取ることでシート状負極を作製した。
【0116】
〔電解液の調製〕
有機溶媒を下記に示す体積%で混合し、さらに、LiPF6 を1モル/リットルの濃度で溶解し、試験化合物(表1記載)を表1記載の配合量(質量%)で添加して非水電解液とした。
【0117】
〔電池の組み立て〕
以上で得られたシート状正極及びシート状負極を、厚さ25μmの微孔ポリエチレン製のフィルムを介した状態で巻回させて、巻回型電極体を形成した。得られた巻回型電極体はケースの内部に挿入され、ケース内に保持された。このときシート状正極及びシート状負極のリードタブ溶接部に一端が溶接された集電リードは、ケースの正極端子あるいは負極端子に接合した。その後、電解液が巻回型電極体が保持されたケース内に注入され、ケースを密閉、封止した。
以上の手順により、φ18mm、軸方向の長さ65mmの円筒型リチウム二次電池を製作した。
【0118】
実施例においてリチウム二次電池の各種特性は、以下の測定方法により測定された。
【0119】
<初期放電容量>
まず、充電電流0.25mA/cm2 で4.1Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.33mA/cm2 で3.0Vまで定電流放電を行った。次に充電電流1.1mA/cm2 で4.1Vまで定電流定電圧充電、放電電流1.1mA/cm2 で3.0Vまで定電流放電を4回行った後、充電電流1.1mA/cm2 で4.1Vまで定電流定電圧充電、放電電流0.33mA/cm2 で3.0Vまで定電流放電し、この時の放電容量を電池初期容量とした。なお、測定は20℃の雰囲気で行った。
【0120】
<内部抵抗の測定>
電池の内部抵抗の測定は、まず、20℃あるいは−30℃で充電電流が1.1mA/cm2 で3.75Vまで定電流定電圧充電し、交流インピーダンス測定装置((株)東陽テクニカ製:周波数応答アナライザsolartron1260、ポテンショ/ガルバノスタットsolartron1287)を用いて、周波数100kHz〜0.02Hzまで走査し、縦軸に虚数部、横軸に実数部を示すコール−コールプロットを作成した。続いて、このコール−コールプロットにおいて、円弧部分を円でフィッティングして、この円の実数部分と交差する二点のうち、大きい方の値を抵抗値とし、電池の内部抵抗とした。
【0121】
<低温特性評価試験>
評価は−30℃における放電容量率、内部抵抗率を測定した。
放電容量率=[(試料化合物添加の放電容量)/(試料化合物未添加の放電容量)]×100
内部抵抗率=[(試料化合物添加の内部抵抗)/(試料化合物未添加の内部抵抗)]×100
【0122】
〔実施例1及び比較例1〕
エチレンカーボネートを30体積%、ジエチルカーボネートを70体積%の混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解した電解液に、試験化合物(表1参照)を加えて電解液とした。試験結果を表1に示す。
なお、比較例1における電池初期容量を100とした場合、他の実施例及び比較例の電池初期容量も同等以上の値を示した。
【0123】
【表1】
Figure 0003810062
【0124】
〔実施例2及び比較例2〕
エチレンカーボネートを30体積%、ジエチルカーボネートを60体積%、トリエチルホスフェートを10体積%の混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解した電解液に、試験化合物(表2参照)を0.5質量%加えて電解液とした。実施例1と同様の方法で低温特性評価試験として放電容量率(%)及び内部抵抗率(%)を測定した。さらに、下記に示す方法で難燃性試験も行った。結果を表2に示す。
【0125】
<難燃性試験>
上記実施例2及び比較例2の電解液に幅15mm、長さ320mmに裁断した厚さ0.04mmのセパレータ用のマニラ紙を浸漬し、その後3分間垂直に吊り下げて余分な電解液を除いた。このようにして電解液を含浸させたマニラ紙を25mm間隔で支持針を有するサンプル台の支持針に刺して水平に固定した。このサンプル台を250mm×250mm×500mmの金属製の箱に入れ、その一端にライターで着火し、セパレータ紙の燃えた長さを測定し、燃焼長が10mm未満の場合を自己消火性があると評価し、自己消火性があるものを○、ないものを×とした。
【0126】
【表2】
Figure 0003810062
【0127】
〔実施例3及び比較例3〕
エチレンカーボネートを30体積%、エチルメチルカーボネートを40体積%及びジメチルカーボネート30体積%の混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解した電解液に、試験化合物(表3参照)を加えて電解液とした。実施例1と同様の方法で初期低温特性評価試験として放電容量率(%)、内部抵抗率(%)を測定した。さらに60℃におけるサイクル試験を行った。サイクル試験は下記の通りである。
【0128】
<サイクル試験>
円筒型リチウム二次電池を雰囲気温度60℃の高温槽内に入れ、充電電流2.2mA/cm2で4.1Vまで定電流充電し、放電電流2.2mA/cm2で3Vまで定電流放電を行うサイクルを500回繰り返して行った。その後、雰囲気温度を20℃に戻して、充電電流1.1mA/cm2で4.1Vまで定電流定電圧充電、放電電流0.33mA/cm2で3.0Vまで定電流放電し、このときの放電容量と電池初期容量との比率を放電容量維持率(%)とした。同様に内部抵抗についても500回サイクル後と初期内部抵抗との比率を内部抵抗増加率(%)とした。さらに500回サイクル後の放電容量を−30℃にて測定した。但し、500回サイクル後の放電容量と初期放電容量との比率を放電容量維持率(%)としてカッコ内に数値を標記した。試験結果を表3に示す。
なお、比較例3−1における電池初期容量を100とした場合、他の実施例及び比較例の電池初期容量も同等以上の値を示した。
【0129】
【表3】
Figure 0003810062
【0130】
〔実施例4及び比較例4〕
下記表4に示す割合で配合した混合溶媒に、LiPF6を1モル/リットルの濃度で溶解した電解液に、その他添加剤として、表4に示す化合物添加し、さらに試験化合物としてジブチル錫(1−アリロキシメチル)エチレングリコラートを1.0質量%加えて電解液とした。実施例1と同様の方法で低温特性評価試験として放電容量率(%)を測定した。試験結果を表4に示す。
【0131】
【表4】
Figure 0003810062
【0132】
上記の表1〜表3の結果から明らかなように、本発明の有機錫化合物又は有機ゲルマニウム化合物、さらには有機錫化合物、有機ゲルマニウム化合物、特定の有機ケイ素化合物から選ばれる2種以上を含有した非水電解液を用いた非水電解液二次電池は、低温時において放電容量を向上させると共に、内部抵抗を低減できることが確認できた。またサイクル特性についても優れていることが確認できた。
さらに、上記の表4においては、低温電解液の溶媒として低凝固点のエステル化合物、スルホレン又は不飽和結合含有ケイ素化合物を配合することにより、上記実施例の非水電解液(低凝固点のエステル化合物を配合しない電解液)に比べて低温時の放電容量をさらに向上させることが確認できた。
【0133】
【発明の効果】
有機錫化合物、有機ゲルマニウム化合物もしくは特定の有機ケイ素化合物から選ばれる2種以上の組み合わせで含有した本発明の非水電解液を用いることで、低温特性及びサイクル特性に優れた非水電解液二次電池を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の非水電解液二次電池のコイン型電池の構造の一例を概略的に示す縦断面図である。
【図2】図2は、本発明の非水電解液二次電池の円筒型電池の基本構成を示す概略図である。
【図3】図3は、本発明の非水電解液二次電池の円筒型電池の内部構造を断面として示す斜視図である。
【符号の説明】
1 正極
1a 正極集電体
2 負極
2a 負極集電体
3 電解液
4 正極ケース
5 負極ケース
6 ガスケット
7 セパレータ
10 コイン型の非水電解液二次電池
11 負極
12 負極集合体
13 正極
14 正極集合体
15 電解液
16 セパレータ
17 正極端子
18 負極端子
19 負極板
20 負極リード
21 正極
22 正極リード
23 ケース
24 絶縁板
25 ガスケット
26 安全弁
27 PTC素子

Claims (24)

  1. 電解質塩を有機溶媒に溶解した電解液において、下記一般式(1)で表される不飽和結合を有するケイ素化合物、下記一般式(2)で表される有機錫化合物又は下記一般式(3)で表される有機ゲルマニウム化合物の中から選ばれる少なくとも2種以上を含有することを特徴とする非水電解液。
    Figure 0003810062
    Figure 0003810062
    Figure 0003810062
  2. 上記一般式(1)で表される不飽和結合を有するケイ素化合物、上記一般式(2)で表される有機錫化合物又は上記一般式(3)で表される有機ゲルマニウム化合物の中から選ばれる少なくとも2種以上の化合物を0.05〜5質量%含有する請求項記載の非水電解液。
  3. 上記一般式(1)で表される不飽和結合を有するケイ素化合物及び上記一般式(2)で表される有機錫化合物を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の非水電解液。
  4. 上記一般式(1)で表される不飽和結合を有するケイ素化合物において、nが1である請求項1〜3のいずれかに記載の非水電解液。
  5. 上記一般式(1)で表される不飽和結合を有するケイ素化合物において、R1 〜R6 の少なくとも一つがビニル基である請求項1〜4のいずれかに記載の非水電解液。
  6. 上記一般式(1)で表される不飽和結合を有するケイ素化合物において、Xが酸素原子である請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解液。
  7. 上記一般式(1)で表される不飽和結合を有するケイ素化合物において、Xがエチニレン基である請求項1〜5のいずれかに記載の非水電解液。
  8. 上記一般式(1)で表される不飽和結合を有するケイ素化合物において、R1 〜R6 のうち一つがビニル基であり、残りがすべてメチル基であり、Xが酸素原子である請求項記載の非水電解液。
  9. 上記一般式(1)で表される不飽和結合を有するケイ素化合物において、R1 及びR4 がビニル基であり、他のR2 、R3 、R5 、R6 がすべてメチル基であり、Xが酸素原子である請求項記載の非水電解液。
  10. 上記一般式(2)で表される有機錫化合物において、l(エル)が1又は2である請求項1〜9のいずれかに記載の非水電解液。
  11. 上記一般式(2)で表される有機錫化合物が、有機錫アルコキサイドである請求項1〜10のいずれかに記載の非水電解液。
  12. 上記有機錫アルコキサイドが、有機錫グリコラートである請求項11記載の非水電解液。
  13. 上記有機錫グリコラートが、有機錫(1−アルコキシメチル)エチレングリコラートである請求項12記載の非水電解液。
  14. 上記有機錫グリコラートが、有機錫(1−アルケニルオキシ)メチルエチレングリコラートである請求項12記載の非水電解液。
  15. 上記有機錫グリコラートが、有機錫(1−アルキル)エチレングリコラートである請求項12記載の非水電解液。
  16. 上記一般式(2)で表される有機錫化合物が、有機錫−β−ジケトネートである請求項1〜10のいずれかに記載の非水電解液。
  17. 上記有機錫−β−ジケトネートが、有機錫アルカン−β−ジオートである請求項16記載の非水電解液。
  18. 上記一般式(1)で表される不飽和結合を有するケイ素化合物及び上記一般式(3)で表される有機ゲルマニウム化合物を含有する請求項1又は2記載の非水電解液。
  19. 上記一般式(3)で表される有機ゲルマニウム化合物が、アリルトリエチルゲルマンである請求項18記載の非水電解液。
  20. 上記有機溶媒が、カーボネート類、ラクトン類、エーテル類、スルホラン類及びジオキソラン類からなる非水溶媒の群から選ばれた種以上を含む請求項1〜19のいずれかに記載の非水電解液。
  21. 上記電解液が、環状カーボネート化合物と鎖状カーボネート化合物をそれぞれ少なくとも1種以上含有している請求項1〜20のいずれかに記載の非水電解液。
  22. 下記一般式(4)で表されるカルボン酸エステル化合物をさらに配合する請求項21記載の非水電解液。
    Figure 0003810062
  23. 上記電解質塩が、リチウムイオンとPF6 、BF4 、ClO4 及びAsF6 の中から選ばれたアニオンとから構成される無機塩並びにリチウムイオンとSO3 CF3 、N(CF3 SO22 、C(CF3 SO23 及びこれらの誘導体の中から構成される有機塩の群より選ばれる少なくとも1種又は2種以上の塩との組み合わせからなる請求項1〜22のいずれかに記載の非水電解液。
  24. 電解液として請求項1〜23のいずれかに記載の非水電解液を含む非水電解液二次電池。
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