JP5491766B2 - 非水電解液及び該電解液を有する非水電解液二次電池 - Google Patents

非水電解液及び該電解液を有する非水電解液二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5491766B2
JP5491766B2 JP2009123550A JP2009123550A JP5491766B2 JP 5491766 B2 JP5491766 B2 JP 5491766B2 JP 2009123550 A JP2009123550 A JP 2009123550A JP 2009123550 A JP2009123550 A JP 2009123550A JP 5491766 B2 JP5491766 B2 JP 5491766B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbonate
group
general formula
compound
aqueous electrolyte
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009123550A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2010272376A (ja
Inventor
久 梅本
康平 山本
恭平 宇佐美
学 山田
敬之 滝
悠々 大沼
文彦 小城戸
裕知 渡辺
献明 王
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Denso Corp
Original Assignee
Adeka Corp
Denso Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Adeka Corp, Denso Corp filed Critical Adeka Corp
Priority to JP2009123550A priority Critical patent/JP5491766B2/ja
Publication of JP2010272376A publication Critical patent/JP2010272376A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5491766B2 publication Critical patent/JP5491766B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Secondary Cells (AREA)
  • Primary Cells (AREA)

Description

本発明は、F−Si基を有するシロキサン化合物を含有する非水電解液及び該電解液を有する非水電解液二次電池に関する。
近年の携帯用パソコン、ハンディビデオカメラ、情報端末等の携帯電子機器の普及に伴い、高電圧、高エネルギー密度を有する非水電解液二次電池が電源として広く用いられるようになった。また、環境問題の観点から、電池自動車や電力を動力の一部に利用したハイブリッド車の実用化が行われており、これらに対応した電源として、大容量で高性能な二次電池が求められている。
非水電解液二次電池に使用する非水電解液には、ヘキサフルオロリン酸リチウム塩やテトラフルオロホウ酸リチウム塩が使用されることが多い。これらの塩を含有する非水電解液を使用した非水電解液二次電池では、ヘキサフルオロリン酸アニオンやテトラフルオロホウ酸アニオンから熱平衡反応によって発生するペンタフルオロリンやトリフルオロホウ素を原因物質とする高温劣化反応が起ることが避けられなかった。
この高温劣化反応は、主に、正極表面や負極表面で起こることから、非水電解液に正極や負極の表面を保護する添加剤を添加することにより反応の抑制が行われている。
非水電解液用添加剤としては、1,3−プロパンスルトン(例えば、特許文献1を参照)、ビニルエチレンカーボネート(例えば、特許文献2を参照)、ビニレンカーボネート(例えば、特許文献3を参照)、1,3−プロパンスルトンとブタンスルトン(例えば、特許文献4を参照)との混合物、ビニレンカーボネート及びビニルエチレンカーボネート(例えば、特許文献5、6を参照)等が提案されており、中でも、ビニレンカーボネートは抑制効果が高く、広く用いられている。これらの添加剤は、負極の表面にSEI(Solid Electrolyte Interface:固体電解質膜)と呼ばれる安定な被膜を形成し、この被膜が負極の表面を覆うことにより、電解液の還元分解を抑制するものと考えられている。しかしながら、負極の被膜自体は、生成したペンタフルオロリンやトリフルオロホウ素により徐々に崩壊し抑制効果が低減するという問題があった。
これに対して、正極表面に吸着することで正極を保護し、非水電解液の酸化分解を抑制することを目指し、ビニル基等不飽和基を含有するジシロキサン(例えば、特許文献7を参照)、アルケニル基が結合したフルオロシラン(例えば、特許文献8を参照)、アルキレンビスフルオロシラン(例えば、特許文献9を参照)、エーテル基が結合したフルオロシラン(例えば、特許文献10を参照)等の添加剤が提案されている。しかしながら、このような添加剤は、高温においては電極表面への吸着と脱離が繰り返されるために、高温保存における保護効果が十分なものではなかった。
特開昭63−102173号公報 特開平4−87156号公報 特開平5−74486号公報 特開平10−50342号公報 特開平8−45545号公報 特開2001−6729号公報 特開2002−134169号公報 特開2004−39510号公報 特開2007−12595号公報 特開2007−287491号公報
従って、本発明の目的は、高温保存においても、小さな内部抵抗と高い電気容量を維持することが出来る電池用非水電解液及び該非水電解液を用いた非水電解液二次電池を提供することにある。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討を行なった結果、特定の基を導入したシロキサン化合物を非水電解液に添加することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、電解質塩を有機溶媒に溶解した電池用非水電解液において、F−Si
基を有するシロキサン化合物を含有することを特徴とする電池用非水電解液であって、
上記F−Si基を有するシロキサン化合物が、下記一般式(2)
Figure 0005491766
(式中、R 5 は、ハロゲン原子又はエーテル基で置換されてもよい炭素原子数1〜8の炭
化水素基を表し、nは3〜8の数を表す。)
で表される環状シロキサン化合物である電池用非水電解液を提供するものである。
また、本発明は、非水電解液として、該非水電解液を有する非水電解液二次電池を提供するものである。
本発明で提案するF−Si基を有するシロキサン化合物を添加した非水電解液を使用することによって、高温保存を経ても高い電気容量と低い内部抵抗を維持する非水電解液二次電池を提供できる。これは、従来の添加剤では得ることができなかったものである。
図1は、本発明の非水電解液二次電池のコイン型電池の構造の一例を概略的に示す縦断面図である。 図2は、本発明の非水電解液二次電池の円筒型電池の基本構成を示す概略図である。 図3は、本発明の非水電解液二次電池の円筒型電池の内部構造を断面として示す斜視図である。
以下、本発明について好ましい実施形態に基づき詳細に説明する。
本発明の非水電解液は、該非水電解液中に、特定の基を導入したシロキサン化合物、具体的にはF−Si基を有するシロキサン化合物を含有させたことに特徴を有している。F−Si基を有するシロキサン化合物は、高温においても正極表面に強く吸着することから、Fi−Si基を有するシロキサン化合物を含有する電解液を用いた非水電解液二次電池では、高温保存を経ても高い電気容量と低い内部抵抗を維持することが可能となり得る。
以下、このF−Si基を有するシロキサン化合物について具体的に説明する。本発明において、シロキサン化合物とは、Si−O−Si基を有する化合物を言う。従って、本発明で用いられるF−Si基を有するシロキサン化合物は、F−Si基とSi−O−Si基とを有する化合物である。
上記F−Si基を有するシロキサン化合物において、F−Si基の数は、2以上であることが好ましく、2〜8であることがより好ましい。
本発明の非水電解液において、上記F−Si基を有するシロキサン化合物の含有量は、あまりに少ない場合には十分な効果を発揮できず、またあまりに多い場合は、配合量に見合う増量効果は得られないばかりか、却って非水電解液の特性に悪影響を及ぼすことがあることから、F−Si基を有するシロキサン化合物の含有量は、非水電解液中、0.05〜20質量%が好ましく、0.05〜10質量%が更に好ましく、0.1〜5質量%が最も好ましい。
上記F−Si基を有するシロキサン化合物としては、下記一般式(1)
Figure 0005491766
(式中、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、ハロゲン原子又はエーテル基で置換されてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基を表し、R4はハロゲン原子若しくはエーテル基で置換されてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基又はフッ素原子を表し、mは0〜5の数を表す。)
で表される鎖状シロキサン化合物、又は
下記一般式(2)
Figure 0005491766
(式中、R5は、ハロゲン原子又はエーテル基で置換されてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基を表し、nは3〜8の数を表す。)
で表される環状シロキサン化合物を好ましく挙げることができる。
先ず、上記一般式(1)で表わされる鎖状シロキサン化合物について説明する。上記一般式(1)において、R1、R2及びR3は、それぞれ独立に、ハロゲン原子又はエーテル基で置換されてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基を表す。ハロゲン原子又はエーテル基で置換されてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、2−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エチルヘキシル等のアルキル基、
トリフルオロメチル、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、1,1,2,2−テトラフルオロエチル、ペンタフルオロエチル、3−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、ヘプタフルオロプロピル、クロロメチル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、3−クロロプロピル等のハロゲン原子で置換されたアルキル基、
3−メトキシプロピル、3−エトキシプロピル、3−プロポキシプロピル、4−メトキシブチル、4−エトキシブチル、4−プロポキシブチル、4−ブトキシブチル、3−メトキシ−2−メチルプロピル、3−エトキシ−2−メチルプロピル、3−プロポキシ−2−メチルプロピル等のエーテル基で置換されたアルキル基、
シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メチルシクロヘプチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘキシルメチル等のシクロアルキル基、
ビニル、アリル、ブテニル、1−トリフルオロメチルビニル等のアルケニル基又はハロゲン原子で置換されたアルケニル基、
フェニル、トルイル、キシリル等のアリール基、
フルオロフェニル、ジフルオロフェニル等のハロゲン原子で置換されたアリール基、
ベンジル、2−フェニルエチル等のアラルキル基等が挙げられる。
これら基の中でも、リチウムイオンの移動への悪影響が少なく充電特性が良好であることから、メチル、エチル、プロピル、ブチル、2−ブチル、t−ブチル、クロロメチル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、ビニル、アリル、ブテニルが好ましく、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニルが更に好ましく、
メチル、エチルが最も好ましい。
上記一般式(1)において、R4はハロゲン原子又はエーテル基で置換されてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基又はフッ素原子を表す。ハロゲン原子又はエーテル基で置換されてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基としては、R1〜R3で例示した基が挙げられ、これら基の中でも、リチウムイオンの移動への悪影響が少なく充電特性が良好であることから、メチル、エチル、プロピル、ブチル、2−ブチル、t−ブチル、クロロメチル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、ビニル、アリル、ブテニルが好ましく、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、アリル、ブテニルが更に好ましく、
メチル、エチル、ビニルが最も好ましい。
上記一般式(1)において、mは0〜5の数を表し、0〜3の数が好ましく、0〜1が更に好ましく、0が最も好ましい。
上記一般式(1)で表される鎖状シロキサン化合物の具体例としては、1,3−ジフルオロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフルオロ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジフルオロ−1,3−ジメチル−1,3−ジプロピルジシロキサン、1,3−ジフルオロ−1,3−ジメチル−1,3−ジビニルジシロキサン、1,3−ジフルオロ−1,3−ジブチル−1,3−ジメチルジシロキサン、1,3−ジフルオロ−1,3−ジメチル−1,3−ジペンチルジシロキサン、1,3−ジフルオロ−1,3−ジシクロヘキシル−1,3−ジメチルジシロキサン、1,5−ジフルオロ−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,3,5−トリフルオロ−1,1,3,5,5−ペンタメチルトリシロキサン、1,7−ジフルオロ−1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,9−ジフルオロ−1,1,3,3,5,5,7,7,9,9−デカメチルペンタシロキサン等が挙げられ、
これら化合物の中でも、1,3−ジフルオロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフルオロ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジフルオロ−1,3−ジメチル−1,3−ジプロピルジシロキサン、1,3−ジフルオロ−1,3−ジメチル−1,3−ジビニルジシロキサン、1,3−ジフルオロ−1,3−ジブチル−1,3−ジメチルジシロキサン、1,3−ジフルオロ−1,3−ジメチル−1,3−ジペンチルジシロキサンが好ましく、
1,3−ジフルオロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフルオロ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサン、1,3−ジフルオロ−1,3−ジメチル−1,3−ジプロピルジシロキサンがより好ましく、
1,3−ジフルオロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフルオロ−1,1,3,3−テトラエチルジシロキサンが更に好ましく、
1,3−ジフルオロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサンが最も好ましい。
上記一般式(1)で表される鎖状シロキサン化合物は、対応するクロロシロキサン化合物である下記の一般式(1a)
Figure 0005491766
(式中、R1、R2、R3及びmは上記一般式(1)と同義であり、R6はハロゲン原子若しくはエーテル基で置換されてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基又は塩素原子を表す。)
で表される化合物のCl−Si基をF−Si基に変換する方法、或いは、
対応するアルコキシシロキサン化合物である下記一般式(1b)
Figure 0005491766
(式中、R1、R2、R3及びmは一般式(1)と同義であり、Xはアルコキシ基を表し、R7はハロゲン原子又はエーテル基で置換されてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基又はアルコキシ基を表す。)
で表される化合物のアルコキシシリル基(X−Si基)をF−Si基に変換する方法等により製造することができる。
上記一般式(1a)で表される化合物のCl−Si基をF−Si基に変換する場合や、上記一般式(1b)で表される化合物のアルコキシシリル基をF−Si基に変換する場合には、公知の方法、例えば、三フッ化アンチモンを用いる方法(J. Amer. Chem. Soc.,68,2655(1946年)を参照)、フッ化カルシウムを用いる方法(米国特許3646092号を参照)、フッ化水素酸水溶液を用いる(J. Amer. Chem. Soc.,73,5127(1951年)を参照)等の方法によればよい。
また、上記一般式(1)において、mが0となる鎖状シロキサン化合物の場合には、有機環状シロキサン化合物を三フッ化ホウ素で分解する方法(米国特許3646092号、J. Amer. Chem. Soc.,81,5550(1959年)を参照)等によって製造することができる。
次に、上記一般式(2)で表される環状シロキサン化合物について説明する。上記一般式(2)において、R5はハロゲン原子又はエーテル基で置換されてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基を表す。ハロゲン原子又はエーテル基で置換されてもよい炭素原子数1〜8の炭化水素基としては、上記一般式(1)のR1〜R3で例示した基が挙げられ、これら基の中でも、リチウムイオンの移動への悪影響が少なく充電特性が良好であることから、メチル、エチル、プロピル、ブチル、2−ブチル、t−ブチル、クロロメチル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、ビニル、アリル、ブテニルが好ましく、
メチル、エチル、プロピル、ブチル、ビニル、アリル、ブテニルが更に好ましく、
メチル、エチル、ビニルが最も好ましい。
上記一般式(2)において、nは3〜8の数を表し、原料の入手の容易さと安定性の点から、3〜5の数が好ましく、3〜4の数が更に好ましく、4の数が最も好ましい。
上記一般式(2)で表される環状シロキサン化合物の具体例としては、2,4,6−トリフルオロ−2,4,6−トリメチルシクロトリシロキサン、2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトラプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトライソプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトラブチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトラキス(3−メトキシプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8,10−ペンタフルオロ−2,4,6,8,10−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、2,4,6,8,10,12−ヘキサフルオロ−2,4,6,8,10,12−ヘキサメチルシクロヘキサシロキサン等が挙げられ、
これら化合物の中でも、2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトラプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトライソプロピルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンが好ましく、
2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトラエチルシクロテトラシロキサン、2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトラビニルシクロテトラシロキサンが更に好ましく、
2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサンが最も好ましい。
上記一般式(2)で表される環状シロキサン化合物は、対応するアルコキシシロキサン化合物である下記の一般式(2b)
Figure 0005491766
(式中、R5、及びnは一般式(2)と同義であり、Yはアルコキシ基を表す。)
で表される化合物のアルコキシシリル基(Y−Si基)をF−Si基に変換する方法等により製造することができる。
上記一般式(2b)で表される化合物のアルコキシシリル基のF−Si基への変換は、公知の方法、例えば、三フッ化アンチモンを用いる方法(J. Amer. Chem. Soc.,68,2655(1946年)を参照)、フッ化カルシウムを用いる方法(米国特許3646092号を参照)、フッ化水素酸水溶液を用いる(J. Amer. Chem. Soc.,73,5127(1951年)を参照)等の方法により行えばよく、また一般式(2b)で表される化合物は、特開2005−23075公報や特開2006−237562号公報に記載の方法により製造することができる。
本発明の非水電解液において、上述したF−Si基を有するシロキサン化合物は、有機溶媒に添加される。該有機溶媒としては、非水電解液に通常用いられているものを1種又は2種以上組み合わせて用いることができ、例えば、ジメチルカーボネート(DMC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチル−n−ブチルカーボネート、メチル−t−ブチルカーボネート、ジ−i−プロピルカーボネート、t−ブチル−i−プロピルカーボネート等の鎖状カーボネート化合物、
エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、1,2−ブチレンカーボネート、イソブチレンカーボネート等の環状カーボネート化合物、
ジメトキシエタン(DME)、エトキシメトキシエタン、ジエトキシエタン、テトラヒドロフラン、ジオキソラン、ジオキサン、1,2−ビス(メトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)エタン、1,2−ビス(エトキシカルボニルオキシ)プロパン、エチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル、i−プロピレングリコール(トリフルオロエチル)エーテル、エチレングリコールビス(トリフルオロメチル)エーテル、ジエチレングリコールビス(トリフルオロエチル)エーテル等の鎖状又は環状エーテル化合物、
蟻酸メチル、蟻酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸第二ブチル、酢酸ブチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の鎖状環状エステル化合物、
γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状エステル化合物、
スルホラン、スルホレン、テトラメチルスルホラン、ジフェニルスルホン、ジメチルスルホン、ジメチルスルホキシド、プロパンスルトン、ブチレンスルトン等のスルホン又はスルホキシド化合物、
N−メチルピロリドン、ジメチルフォルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアマイド化合物、
アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル化合物、
ニトロメタン等のニトロアルキル化合物等が挙げられる。
非水電解液の粘度が低ければ、電解質イオンの移動性が高くなり、出力密度等の電池特性を優れたものにすることができる。このような観点から、上記有機溶媒の中でも、上記の鎖状カーボネート化合物、鎖状又は環状エーテル化合物及び鎖状エステル化合物は、低温でも低粘度であり、低温での電池特性の点から好ましい。また、上記の環状カーボネート化合物、環状エステル化合物、スルホン又はスルホキシド化合物及びアマイド化合物は、比誘電率が高く、非水電解液の誘電率を上げる役割を果たす。これらの有機溶媒は1種のみを使用してもよいし、2種以上の組合せでもよいが、特に、環状カーボネート化合物と鎖状カーボネート化合物とを併用することにより、サイクル特性に優れるばかりでなく、非水電解液の粘度、得られる電池の電気容量・出力等のバランスのとれた非水電解液が提供できる。斯かる環状カーボネート化合物としては、エチレンカーボネート及びプロピレンカーボネートが好ましく、また鎖状カーボネート化合物としては、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート及びジエチルカーボネートが好ましい。
本発明の非水電解液において用いられる電解質塩としては、従来公知の電解質塩が用いられ、例えば、LiPF6、LiBF4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22、LiC(CF3SO23、LiSbF6、LiSiF5、LiAlF4、LiSCN、LiClO4、LiCl、LiF、LiBr、LiI、LiAlCl4、NaClO4、NaBF4、及びNaI等、並びにこれらの誘導体等のリチウム電解質塩が挙げられ、
これら電解質塩の中でも、電気特性に優れることから、LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiAsF6、LiCF3SO3、LiN(CF3SO22及びLiC(CF3S23並びにLiCF3SO3の誘導体、LiN(CF3SO22の誘導体及びLiC(CF3SO23が好ましく、
LiPF6、LiBF4、LiClO4、LiN(CF3SO22が更に好ましく、
LiPF6及びLiBF4が最も好ましい。
これらの電解質塩は1種のみを使用してもよいし、2種以上の組合せでもよい。本発明の非水電解液において、上記電解質塩の濃度は、あまりに低い場合には電流密度を得られず、またあまりに高い場合には、非水電解液の安定性を損なう恐れがあることから、0.1〜3.0mol/Lであることが好ましく、0.5〜2.0mol/Lであることが更に好ましい。
本発明の非水電解液には、更に、下記一般式(3)
Figure 0005491766
〔式中、R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基又はフェニル基を表す。〕
で表されるビニレンカーボネート化合物、及び/又は、
下記一般式(4)
Figure 0005491766
〔式中、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表し、R10はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基、又は
下記一般式(5)
Figure 0005491766
(式中、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。)
で表されるアルキニル基を表す。〕
で表されるアルキンカーボネート化合物を含有することが好ましい。上記一般式(3)で表されるビニレンカーボネート化合物、及び/又は、上記一般式(4)で表されるアルキンカーボネート化合物を含有することにより、負極表面が被膜で被われて負極表面で起る電解液の還元分解を抑えられ、本発明の非水電解液の安定性が向上する。
上記一般式(3)で表されるビニレンカーボネート化合物と上記一般式(4)で表されるアルキンカーボネート化合物は、どちらか一方のみを使用してもよいし、両方を組合せて使用してもよいが、どちらか一方のみを使用する場合には、負極表面における電解液の還元分解の抑制効果が大きいことから、一般式(4)で表されるアルキンカーボネート化合物を使用することが好ましい。
上記一般式(3)において、R6及びR7は、それぞれ独立に、水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基又はフェニル基を表す。炭素原子数1〜3のアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピルが挙げられる。上記一般式(3)で表されるビニレンカーボネートとしては、例えば、ビニレンカーボネート(VC)、4−メチルビニレンカーボネート、4,5−ジメチルビニレンカーボネート、4−エチルビニレンカーボネート、4,5−ジエチルビニレンカーボネート、4−プロピルビニレンカーボネート、4,5−ジプロピルビニレンカーボネート、4−フェニルビニレンカーボネート、4,5−ジフェニルビニレンカーボネート等が挙げられ、これら化合物の中でも、ビニレンカーボネート、4−メチルビニレンカーボネート、4−フェニルビニレンカーボネートが好ましく、ビニレンカーボネートが更に好ましい。
上記一般式(3)で表されるビニレンカーボネート化合物は単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
上記一般式(4)において、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。炭素原子数1〜8のアルキル基としては、一般式(1)のR1〜R3で例示したアルキル基が挙げられる。R8及びR9で表わされる基としては、メチル、エチル、プロピル、ブチル、2−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシルが好ましく、メチル、エチル、プロピルが更に好ましく、メチルが最も好ましい。
上記一般式(4)において、R10はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基又は上記一般式(5)で表されるアルキニル基を表す。ハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基としては、上記一般式(1)のR1〜R3で例示したアルキル基又はハロゲン原子で置換されたアルキル基が挙げられ、これら基の中でも、2−フルオロエチル、2,2,2−トリフルオロエチル、3−フルオロプロピル、3,3,3−トリフルオロプロピル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、クロロメチル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、3−クロロプロピルが好ましく、2,2,2−トリフルオロエチル、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル、クロロメチル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、3−クロロプロピルが更に好ましく、クロロメチル、1−クロロエチル、2−クロロエチル、3−クロロプロピルが最も好ましい。
上記一般式(5)において、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。炭素原子数1〜8のアルキル基としては、上記一般式(1)のR1〜R3で例示したアルキル基が挙げられる。R11はR8と同一でも異なってもよいが、同一であることが好ましい。同様に、R12はR8と同一でも異なってもよいが、同一であることが好ましい。
上記一般式(4)で表されるアルキンカーボネート化合物のうち、R10が上記一般式(5)で表されるアルキニル基である化合物の具体例としては、ビス(2−プロピニル)カーボネート(ジプロパルギルカーボネートともいう)、ビス(1−メチル−2−プロピニル)カーボネート、ビス(1,1−ジメチル−2−プロピニル)カーボネート、ビス(1−エチル−2−プロピニル)カーボネート、ビス(1−プロピル−2−プロピニル)カーボネート、ビス(1−プロピル−2−プロピニル)カーボネート、ビス(1−エチル−1−メチル−2−プロピニル)カーボネート、ビス(1−イソブチル−1−メチル−2−プロピニル)カーボネート等が挙げられる。
また、上記一般式(4)で表されるアルキンカーボネート化合物のうち、R10がハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基である化合物の具体例としては、メチル−2−プロピニルカーボネート、エチル−2−プロピニルカーボネート、プロピル−2−プロピニルカーボネート、イソプロピル−2−プロピニルカーボネート、ブチル−2−プロピニルカーボネート、イソブチル−2−プロピニルカーボネート、2−エチルヘキシル−2−プロピニルカーボネート、クロロメチル−2−プロピニルカーボネート、1−クロロエチル−2−プロピニルカーボネート、2−クロロエチル−2−プロピニルカーボネート、3−クロロプロピル−2−プロピニルカーボネート、2−フルオロエチル−2−プロピニルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチル−2−プロピニルカーボネート、3−フルオロプロピル−2−プロピニルカーボネート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル−2−プロピニルカーボネート等の2−プロピニルカーボネート化合物、
メチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、エチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、プロピル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、イソプロピル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、ブチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、イソブチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、2−エチルヘキシル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、クロロメチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、1−クロロエチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、2−クロロエチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、3−クロロプロピル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、2−フルオロエチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、2,2,2−トリフルオロエチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、3−フルオロプロピル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート等の1−メチル−2−プロピニルカーボネート化合物が挙げられる。
上記一般式(4)で表されるアルキンカーボネート化合物の中でも、ビス(2−プロピニル)カーボネート、ビス(1−メチル−2−プロピニル)カーボネート、ビス(1,1−ジメチル−2−プロピニル)カーボネート、メチル−2−プロピニルカーボネート、エチル−2−プロピニルカーボネート、プロピル−2−プロピニルカーボネート、イソプロピル−2−プロピニルカーボネート、ブチル−2−プロピニルカーボネート、イソブチル−2−プロピニルカーボネート、2−エチルヘキシル−2−プロピニルカーボネート、クロロメチル−2−プロピニルカーボネート、1−クロロエチル−2−プロピニルカーボネート、2−クロロエチル−2−プロピニルカーボネート、3−クロロプロピル−2−プロピニルカーボネート、メチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、エチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、プロピル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、イソプロピル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、ブチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、イソブチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、2−エチルヘキシル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、クロロメチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、1−クロロエチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、2−クロロエチル−1−メチル−2−プロピニルカーボネート、3−クロロプロピル−1−メチル−2−プロピニルカーボネートが好ましく、
ビス(2−プロピニル)カーボネート、ビス(1−メチル−2−プロピニル)カーボネート、ブチル−2−プロピニルカーボネート、3−クロロプロピル−2−プロピニルカーボネートが更に好ましい。
上記一般式(4)で表されるアルキンカーボネート化合物は、何れか1種のみを使用してもよいし、2種以上の組合せでもよい。
本発明の非水電解液において、上記一般式(3)で表されるビニレンカーボネート化合物及び/又は上記一般式(4)で表されるアルキンカーボネート化合物の含有量は、あまりに少ない場合には十分な効果を発揮できず、またあまりに多い場合は、配合量に見合う増量効果は得られないばかりか、却って非水電解液の特性に悪影響を及ぼすことがあることから、非水電解液中、0.01〜5質量%であることが好ましく、0.03〜4質量%であることが更に好ましく、0.05〜3質量%であることが最も好ましい。
本発明の非水電解液には、難燃性を付与するために、ハロゲン系、リン系、その他の難燃剤を適宜添加することができる。例えば、リン系難燃剤としては、トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート等のリン酸エステル類が挙げられる。難燃剤の添加量は、あまりに少ない場合には十分な難燃化効果を発揮できず、またあまりに多い場合は、配合量に見合う増量効果は得られないばかりか、却って非水電解液の特性に悪影響を及ぼすことがあることから、これらの添加量は、本発明の非水電解液を構成する有機溶媒に対して、5〜100質量%であることが好ましく、10〜50質量%であることが更に好ましい。
本発明の非水電解液には、さらに必要に応じて、フルオロシラン化合物、不飽和基を有する他の環状カーボネート化合物、不飽和ジエステル化合物、ハロゲン化環状カーボネート化合物、環状亜硫酸エステル、鎖状亜硫酸エステル又は環状硫酸エステル等を添加してもよい。
上記フルオロシラン化合物としては、1,2−ビス(フルオロジメチルシリル)エタン、1,3−ビス(フルオロジメチルシリル)プロパン、1,4−ビス(フルオロジメチルシリル)ブタン、1,6−ビス(フルオロジメチルシリル)ヘキサン、1,4−ビス(フルオロジメチルシリル)−2−メチルブタン、フルオロ(3−メトキシプロピル)ジメチルシラン、3−エトキシプロピルフルオロジメチルシラン、フルオロ(3−プロポキシプロピル)ジメチルシラン等が挙げられる。
上記不飽和基を有する他の環状カーボネート化合物としては、ビニルエチレンカーボネート、フェニルエチレンカーボネート、エチレンエチリデンカーボネート、エチレンイソプロピリデンカーボンート等が挙げられる。
上記不飽和ジエステル化合物としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジプロピル、マレイン酸ジブチル、マレイン酸ジペンチル、マレイン酸ジヘキシル、マレイン酸ジヘプチル、マレイン酸ジオクチル、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、フマル酸ジプロピル、フマル酸ジブチル、フマル酸ジペンチル、フマル酸ジヘキシル、フマル酸ジヘプチル、フマル酸ジオクチル、アセチレンジカルボン酸ジメチル、アセチレンジカルボン酸ジエチル、アセチレンジカルボン酸ジプロピル、アセチレンジカルボン酸ジブチル、アセチレンジカルボン酸ジペンチル、アセチレンジカルボン酸ジヘキシル、アセチレンジカルボン酸ジヘプチル、アセチレンジカルボン酸ジオクチル等が挙げられる。
上記ハロゲン化環状カーボネート化合物としては、クロロエチレンカーボネート、ジクロロエチレンカーボネート、フルオロエチレンカーボネート、ジフルオロエチレンカーボネート等が挙げられる。
上記環状亜硫酸エステルとしては、エチレンサルファイト等が挙げられる。鎖状亜硫酸エステルとしては、亜硫酸ジメチル、亜硫酸ジエチル、亜硫酸ジプロピル、亜硫酸ジブテニル、亜硫酸ジアリル、亜硫酸ジ−3−ブテニル、亜硫酸ジプロパルギル、亜硫酸ジ−1−メチル−2−プロピニル、亜硫酸ジ−1,1−ジメチル−2−プロピニル、
上記環状硫酸エステルとしては、プロパンスルトン、ブタンスルトン等が挙げられる。
上記のフルオロシラン化合物、不飽和基を有する環状カーボネート化合物、不飽和ジエステル化合物、ハロゲン化環状カーボネート化合物、環状亜硫酸エステル、又は環状硫酸エステルの添加量は、あまりに少ない場合には十分な効果を発揮できず、またあまりに多い場合は、添加量に見合う増量効果は得られないばかりか、却って非水電解液の特性に悪影響を及ぼすことがあることから、これらの添加量はそれぞれ、非水電解液に対して、0.005〜10質量%であることが好ましく、0.01〜5質量%であることが更に好ましく、0.02〜3質量%であることが最も好ましい。
以上説明した本発明の非水電解液は、一次電池又は二次電池のどちらの電池の非水電解液としても使用できるが、二次電池、特にリチウムイオン二次電池を構成する非水電解液として好適に使用できる。
次に、本発明の非水電解液二次電池について説明する。
本発明の非水電解液二次電池は、非水電解液として、上記本発明の非水電解液を用いる以外、従来の非水電解液二次電池と同様に構成される。
本発明の非水電解液二次電池を構成する電極材料としては、正極及び負極があり、正極としては、正極活物質と結着剤と導電材とを有機溶媒又は水でスラリー化したものを集電体に塗布し、乾燥してシート状にしたものが使用される。
上記正極活物質としては、リチウムイオン二次電池を例に取れば、電極反応物質であるリチウムを吸蔵及び放出することが可能な公知の正極活物質を用いることができる。リチウムを吸蔵及び放出することが可能な正極活物質としては、具体的にはTiO2、V25及びMnO2等の金属酸化物、TiS2、TiS3、MoS3、FeS2等の金属硫化物、FeF3等の金属ハロゲン化物、金属層間化合物、及び金属リン酸化合物等の金属化合物が挙げられる。これらの正極活物質は、リチウム、マグネシウム、アルミニウムやコバルト、チタン、ニオブ、クロム等の遷移金属を添加又は置換した材料等であってもよい。これらの中でも、リチウムと遷移金属元素を含む複合酸化物が好ましく、特に遷移金属元素として、ニッケル、コバルト、マンガン、チタン及び鉄のうち少なくとも1つを含有するものが好ましい。
このようなリチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物は、代表的には、次の一般式(6)
Lix12 (6)
(式中、M1は1種類以上の遷移金属元素を表し、xの値は電池の充放電状態によって異なるが、通常0.05≦x≦1.10となる数を表す。)
で表され、この一般式(6)で表わされる化合物は、一般に層状構造を有する。
リチウムと遷移金属元素とを含む複合酸化物としては、例えば、リチウムコバルト複合酸化物(LixCoO2)、リチウムニッケル複合酸化物(LixNiO2)、又はリチウムニッケルコバルト複合酸化物(LixNi1zCoz2(z<1))や、リチウムニッケルコバルトマンガン複合酸化物(LixNi1-v-wCovMnw2(v+w<1))等に代表されるニッケル酸リチウム構造ベースの異種添加元素を含有する複合酸化物、層状構造又はスピネル型構造を有するリチウムマンガン複合酸化物(LiMn24)やリチウムマンガン複合酸化物構造ベースの異種添加元素を含有する複合酸化物等が挙げられる。
また、リチウムと遷移金属元素とを含むリン酸化物としては、例えば、オリビン構造を有するリチウム鉄リン酸化合部(LiFePO4)や、リチウム鉄マンガンリン酸化合物(LiFe1-uMnuPO4(u<1))等に代表されるリチウム鉄リン酸構造ベースの異種添加元素を含有する化合物が挙げられる。
上記正極活物質は、必要に応じ後述する導電材で表面が被覆されていてもよい。
上記結着剤としては、例えば、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン、EPDM、SBR、NBR、フッ素ゴム、ポリアクリル酸等が挙げられる。上記結着剤の使用量は、正極活物質に対して、通常0.1〜20質量%程度、好ましくは0.5〜10質量%である。
上記導電材としては、例えば、黒鉛の微粒子、アセチレンブラック、ケッチェンブラック等のカーボンブラック、ニードルコークス等の無定形炭素の微粒子等、カーボンナノファイバー等が挙げられる。上記導電材の使用量は、正極活物質に対して、通常5〜60質量%程度、好ましくは10〜50質量%である。
スラリー化する溶媒としては、結着剤を溶解する有機溶媒若しくは水が使用される。該有機溶剤としては、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N−N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフラン等が挙げられる。上記溶媒の使用量は、正極活物質に対して、通常25〜400質量%程度、好ましくは50〜200質量%である。
正極の集電体には、通常、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼等が使用される。
負極としては、通常、負極活物質と結着剤とを有機溶媒又は水でスラリー化したものを集電体に塗布し、乾燥してシート状にしたものが使用される。
上記負極活物質としては、リチウム、リチウム合金、スズ・ケイ素化合物等の無機化合物、チタン酸化物、炭素質材料、導電性ポリマー等が挙げられる。特に、安全性の高いリチウムイオンを吸蔵、放出できる炭素質材料が好ましい。斯かる炭素質材料としては、特に限定されないが、天然黒鉛、人造、フラーレン、黒鉛繊維チョップ、カーボンナノチューブ、黒鉛ウイスカー、高配向性熱分解黒鉛、キッシュ黒鉛等の結晶性炭素、及び石油系コークス、石炭系コークス、石油系ピッチの炭化物、石炭系ピッチの炭化物、フェノール樹脂・結晶セルロース等樹脂の炭化物等、及びこれらを一部炭化した炭素材、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維等が挙げられる。
上記結着剤及びスラリー化する溶媒としては、正極と同様のものが挙げられる。上記結着剤の使用量は、負極活物質に対して、通常0.1〜20質量%程度、好ましくは0.5〜10質量%程度である。また上記溶媒の使用量は、負極活物質に対して、通常50〜200質量%程度、好ましくは60〜150質量%である。
負極の集電体には、通常、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼、アルモニウム等が使用される。
本発明の非水電解液二次電池では、正極と負極との間にセパレータが用いられる。該セパレータとしては、通常用いられる高分子の微多孔フィルムを特に制限なく使用できる。該フィルムとしては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンオキシドやポリプロピレンオキシド等のポリエーテル類、カルボキシメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロース等の種々のセルロース類、ポリ(メタ)アクリル酸及びその種々のエステル類等を主体とする高分子化合物やその誘導体、これらの共重合体や混合物からなるフィルム等が挙げられる。これらのフィルムは、単独で用いてもよいし、これらのフィルムを重ね合わせて複層フィルムとして用いてもよい。更に、これらのフィルムには、種々の添加剤を用いてもよく、その種類や含有量は特に制限されない。これらのフィルムの中でも、本発明の非水電解液二次電池には、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホンからなるフィルムが好ましく用いられる。
これらのフィルムは、電解液がしみ込んでイオンが透過し易いように、微多孔化がなされている。この微多孔化の方法としては、高分子化合物と溶剤の溶液をミクロ相分離させながら製膜し、溶剤を抽出除去して多孔化する「相分離法」と、溶融した高分子化合物を高ドラフトで押し出し製膜した後に熱処理し、結晶を一方向に配列させ、さらに延伸によって結晶間に間隙を形成して多孔化をはかる「延伸法」等が挙げられ、用いられるフィルムによって適宜選択される。
本発明の非水電解液二次電池において、電極材料、非水電解液及びセパレータには、より安全性を向上させる目的で、フェノール系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、ヒンダードアミン化合物等を添加してもよい。
上記フェノール系酸化防止剤としては、例えば、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アミド〕、4,4'−チオビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、4,4'−ブチリデンビス(6−t−ブチル−m−クレゾール)、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,5−トリス(2,6−ジメチル−3−ヒドロキシ−4−t−ブチルベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)イソシアヌレート、1,3,5−トリス(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−2,4,6−トリメチルベンゼン、テトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸メチル〕メタン、チオジエチレングリコールビス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、1,6−ヘキサメチレンビス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕、ビス〔3,3−ビス(4−ヒドロキシ−3−t−ブチルフェニル)ブチリックアシッド〕グリコールエステル、ビス〔2−t−ブチル−4−メチル−6−(2−ヒドロキシ−3−t−ブチル−5−メチルベンジル)フェニル〕テレフタレート、1,3,5−トリス〔(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシエチル〕イソシアヌレート、3,9−ビス〔1,1−ジメチル−2−{(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニルオキシ}エチル〕−2,4,8,10−テトラオキサスピロ〔5,5〕ウンデカン、トリエチレングリコールビス〔(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオネート〕等が挙げられ、電極材料に添加する場合は、電極材料100質量部に対して、0.01〜10質量部、特に0.05〜5質量部が用いるのが好ましい。
上記リン系酸化防止剤としては、例えば、トリスノニルフェニルホスファイト、トリス〔2−t−ブチル−4−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニルチオ)−5−メチルフェニル〕ホスファイト、トリデシルホスファイト、オクチルジフェニルホスファイト、ジ(デシル)モノフェニルホスファイト、ジ(トリデシル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジ(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4,6−トリ−t−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、テトラ(トリデシル)イソプロピリデンジフェノールジホスファイト、テトラ(トリデシル)−4,4'−n−ブチリデンビス(2−t−ブチル−5−メチルフェノール)ジホスファイト、ヘキサ(トリデシル)−1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタントリホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ビフェニレンジホスホナイト、9,10−ジハイドロ−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、2,2'−メチレンビス(4,6−t−ブチルフェニル)−2−エチルヘキシルホスファイト、2,2'−メチレンビス(4,6−t−ブチルフェニル)−オクタデシルホスファイト、2,2'−エチリデンビス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)フルオロホスファイト、トリス(2−〔(2,4,8,10−テトラキス−t−ブチルジベンゾ〔d,f〕〔1,3,2〕ジオキサホスフェピン−6−イル)オキシ〕エチル)アミン、2−エチル−2−ブチルプロピレングリコールと2,4,6−トリ−t−ブチルフェノールのホスファイト等が挙げられる。
上記チオエーテル系酸化防止剤としては、例えば、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジミリスチル、チオジプロピオン酸ジステアリル等のジアルキルチオジプロピオネート類及びペンタエリスリトールテトラ(β−アルキルメルカプトプロピオン酸エステル類が挙げられる。
上記ヒンダードアミン化合物としては、例えば、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルステアレート、1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルステアレート、2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルベンゾエート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、テトラキス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、テトラキス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)・ジ(トリデシル)−1,2,3,4−ブタンテトラカルボキシレート、ビス(1,2,2,4,4−ペンタメチル−4−ピペリジル)−2−ブチル−2−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)マロネート、1−(2−ヒドロキシエチル)−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジノ−ル/コハク酸ジエチル重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−モルホリノ−s−トリアジン重縮合物、1,6−ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジルアミノ)ヘキサン/2,4−ジクロロ−6−t−オクチルアミノ−s−トリアジン重縮合物、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8,12−テトラアザドデカン、1,5,8,12−テトラキス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕−1,5,8−12−テトラアザドデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン、1,6,11−トリス〔2,4−ビス(N−ブチル−N−(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)アミノ)−s−トリアジン−6−イル〕アミノウンデカン等のヒンダードアミン化合物が挙げられる。
上記構成からなる本発明の非水電解液二次電池は、その形状には特に制限を受けず、コイン型、円筒型、角型等、種々の形状とすることができる。図1は、本発明の非水電解液二次電池の実施形態の一例であるコイン型電池を、図2及び図3は、本発明の非水電解液二次電池の別の実施形態の一例である円筒型電池をそれぞれ示したものである。
図1に示すコイン型の非水電解液二次電池10において、1はリチウムイオンを放出できる正極、1aは正極集電体、2は正極から放出されたリチウムイオンを吸蔵、放出できる炭素質材料よりなる負極、2aは負極集電体、3は本発明の非水電解液、4はステンレス製の正極ケース、5はステンレス製の負極ケース、6はポリプロピレン製のガスケット、7はポリエチレン製のセパレータである。
また、図2及び図3に示す円筒型の非水電解液二次電池10'において、11は負極、12は負極集合体、13は正極、14は正極集電体、15は本発明の非水電解液、16はセパレータ、17は正極端子、18は負極端子、19は負極板、20は負極リード、21は正極板、22は正極リード、23はケース、24は絶縁板、25はガスケット、26は安全弁、27はPTC素子である。
以下に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明する。但し、以下の実施例等により本発明はなんら制限されるものではない。尚、以下の実施例において、実施例1〜5は参考例である。



〔合成例1〕化合物A1の合成
還流器を付けた100mlナスフラスコに、三フッ化アンチモン15.4g及びo−キシレン30mlを仕込み、攪拌し、窒素雰囲気下で1,3−ジクロロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン25.0gを滴下ロートから水冷しながら滴下した。滴下後、更に室温で2時間撹拌し反応を完結させた。20kPaで減圧蒸留を行い、30〜50℃の留分を採取し、その留分をさらに常圧蒸留により精製して、化合物A1(1,3−ジフルオロ−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン)28.0gを得た。化合物A1のGC分析による純度は99.5%であり、収量及び純度から算出した収率は67%であった。尚、化合物A1は上記一般式(1)で表される鎖状シロキサン化合物である。
〔合成例2〕化合物A2の合成
還流器を付けた300mlナスフラスコにメチルトリメトキシシラン55g、トルエン60ml及びイソプロパノール60mlを仕込み、攪拌し、窒素雰囲気下で、滴下濾斗より純水5.5gを80℃にて10分間で滴下した。滴下終了後、還流条件下で、更に4時間撹拌し反応を続けた。この後、減圧蒸留により、目的物である2,4,6,8−テトラメチル−2,4,6,8−テトラメトキシシクロテトラシロキサン15.2gを得た。GC分析による純度は99.5%であり、収量及び純度から算出した収率は42%であった。
還流器を付けた100mlナスフラスコに2,4,6,8−テトラメトキシ−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン12.5gとトルエン50mlを仕込み、窒素雰囲気下でトリフルオロボロン−ジエチルエーテル錯体13.3gを滴下ロートから水冷しながら滴下した。滴下後、さらに室温で2時間反応させて反応を完結させた。減圧蒸留を行い、化合物A2(2,4,6,8−テトラフルオロ−2,4,6,8−テトラメチルシクロテトラシロキサン)を4.6g得た。GC分析の結果、純度は99.2%。収率は42%であった。尚、化合物A2は上記一般式(2)で表される環状シロキサン化合物である。
〔実施例1〜10及び比較例1〜14〕
実施例及び比較例では、以下の手順に従って、非水電解液二次電池(リチウム二次電池)を作製し、これを評価した。
<作製手順>
1.正極の作製
正極活物質としてのLiNi0.8Co0.17Al0.032を85質量部と、導電材としてのアセチレンブラックを12質量部と、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)を1質量部と、ポリエチレンオキシド(PEO)を1質量部とを、水80質量部に分散させ、更に結着材としてのポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を1質量部追加し分散させ、スラリーとした。このスラリーをアルミニウム製の正極集電体両面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、正極板とした。その後、この正極板を所定の大きさにカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の電極合剤を掻き取ることでシート状正極を作製した。
2.負極の作製
負極活物質としての黒鉛炭素材料粉末を98質量部と、カルボキシメチルセルロースナトリウム塩(CMC)を1質量部とを、水98質量部に分散させ、さらに結着材としてのスチレンブタジエンゴム(SBR)を1質量部追加し分散させ、スラリーとした。このスラリーを銅製の負極集電体両面に塗布し、乾燥後、プレス成型して、負極板とした。その後、この負極板を所定の大きさにカットし、電流取り出し用のリードタブ溶接部となる部分の電極合材を掻き取ることでシート状負極を作製した。
3.非水電解液の調製
エチレンカーボネート25体積%、エチルメチルカーボネート40体積%、ジメチルカーボネート30体積%、及びジエチルカーボネート5体積%からなる混合有機溶媒に、LiPF6を1mol/Lの濃度になるよう溶解した。この溶液に、試験化合物(A1、A2、B1〜B6、C1〜C3及びD1)を、下記表1に記載の濃度になるように配合して実施例1〜10及び比較例1〜14の非水電解液を調製した。尚、表1中の( )内の数字は、非水電解液における濃度(質量%)を表す。
Figure 0005491766
上記表1において、化合物A1及びA2以外の試験化合物は、次の通りである。
<化合物A1及びA2の比較化合物>
化合物B1:1,1,1,3,3,3−ヘキサメチルジシロキサン
化合物B2:1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン
化合物B3:1,3−エチニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン
化合物B4:1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジフェニルジシロキサン
化合物B5:2,2,4,4,6,6,8,8−オクタメチルシクロテトラシロキサン
化合物B6:1,2−ジフルオロ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン
化合物B7:1,2−ジ(フルオロジメチルシリル)エチレン
化合物B8:フルオロ−(3−メトキシプロピル)ジメチルシラン
化合物B9:フルオロジメチルビニルシラン
<一般式(3)の化合物>
化合物C1:ビニレンカーボネート
<一般式(4)の化合物>
化合物C2:ビス(2−プロピニル)カーボネート
化合物C3:イソブチル−2−プロピニルカーボネート
<フルオロシラン化合物>
化合物D1:1,2−ビス(フルオロジメチルシリル)エタン
4.電池の組み立て
上記1又は2で作製したシート状正極及びシート状負極を、厚さ25μmのポリエチレン製の微多孔フィルムを介した状態で巻回させて、巻回型電極体を形成した。得られた巻回型電極体をケースの内部に挿入し、ケース内に保持した。このとき、シート状正極あるいはシート状負極のリードタブ溶接部に一端が溶接された集電リードを、ケースの正極端子あるいは負極端子にそれぞれ接合した。その後、上記3で調製した非水電解液を巻回型電極体が保持されたケース内に注入し、ケースを密閉、封止して、φ18mm、軸方向の長さ65mmの円筒型リチウム二次電池を製作した。
作製した各リチウム二次電池について、下記試験方法に従って、初期特性試験及び高温保存試験を行った。これらの試験結果を表2に示す。初期特性試験においては、放電容量比(%)及び内部抵抗比(%)を求めた。高温保存試験においては、放電容量維持率(%)及び内部抵抗増加率(%)を求めた。初期特性試験及び高温保存試験の試験方法は、それぞれ以下の通りである。
<初期特性試験方法>
1.放電容量比の測定方法
リチウム二次電池を、20℃の恒温槽に入れ、充電電流0.3mA/cm2(0.2C相当の電流値)で4.2Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.3mA/cm2(0.2C相当の電流値)で3.0Vまで定電流放電する操作を5サイクル行った。その後、6サイクル目として、充電電流0.3mA/cm2(0.2C相当の電流値)で4.1Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.3mA/cm2(0.2C相当の電流値)で3.0Vまで定電流放電した。この6サイクル目に測定した放電容量を電池初期容量とし、下記式に示すように、放電容量比(%)を、実施例1の電池初期容量を100とした場合の電池初期容量の相対値として求めた。
放電容量比(%)=[(電池初期容量))/(実施例1における電池初期容量)]×100
2.内部抵抗比の測定方法
6サイクル終了後のリチウム二次電池について、先ず、充電電流1.5mA/cm2(1C相当の電流値)で3.75Vまで定電流定電圧充電し、交流インピーダンス測定装置(モバイル計測ステーションCompactStat)を用いて、周波数100kHz〜0.02Hzまで走査し、縦軸に虚数部、横軸に実数部を示すコール−コールプロットを作成した。続いて、このコール−コールプロットにおいて、円弧部分を円でフィッティングして、この円の実数部分と交差する二点のうち、大きい方の値を、初期内部抵抗とし、下記式に示すように、内部抵抗比(%)を、実施例1の初期内部抵抗を100とした場合の初期内部抵抗の相対値として求めた。
内部抵抗比(%)=[(初期内部抵抗)/(実施例1における初期内部抵抗)]×100
<高温保存試験方法>
1.放電容量維持率の測定方法
20℃において4.2Vまで充電したリチウム二次電池を、80℃の恒温槽に入れて30日間保存した。この後、20℃の恒温槽に移動し、充電電流0.3mA/cm2(0.2C相当の電流値)で4.1Vまで定電流定電圧充電し、放電電流0.3mA/cm2(0.2C相当の電流値)で3.0Vまで定電流放電し、この時の放電容量を高温保存試験後の放電容量とし、下記式に示すように、放電容量維持率(%)を、各電池の初期放電容量を100とした場合の高温(80℃)保存試験後の放電容量の割合として求めた。
放電容量維持率(%)=[(高温保存試験後の放電容量)/(初期放電容量)]×100
2.内部抵抗増加率の測定方法
高温(80℃)保存試験後のリチウム二次電池の内部抵抗を、上記内部抵抗比の測定方法と同様にして測定し、この時の内部抵抗を、高温保存試験後の内部抵抗とし、下記式に示すように、内部抵抗増加率(%)を、各電池の初期内部抵抗を100とした場合の高温(80℃)で保存後の電池の内部抵抗の増加の割合として求めた。
内部抵抗増加率(%)=[(高温保存試験後の内部抵抗−初期内部抵抗)/(初期内部抵抗)]×100
Figure 0005491766
表2の結果から明らかなように、F−Si基を有するシロキサン化合物を含有する本発明の二次電池用非水電解液を用いた非水電解液二次電池は、高温保存試験後の内部抵抗及び放電容量の面で優れていることが確認できた。これに対し、他の添加剤を添加した非水電解液を用いた非水電解液二次電池では、高温保存試験後の内部抵抗及び放電容量の面で本発明の二次電池用非水電解液を用いた非水電解液二次電池に比べると劣っていた。
産業上の利用の可能性
Fi−Si基を有するシロキサン化合物を添加した本発明の二次電池用非水電解液を用いることで、小さな内部抵抗と高い放電容量を長期使用において維持することが出来る非水電解液二次電池を提供できる。斯かる非水電解液二次電池は、ビデオカメラ、デジタルカメラ、携帯音楽プレーヤー、サウンドレコーダー、ポータブルDVDプレーヤー、携帯ゲーム機、ノートパソコン、電子辞書、電子手帳、電子書籍、携帯電話、携帯テレビ、電動アシスト自転車、電池自動車、ハイブリッド車等様々な用途に用いることができ、中でも、高温状態で使用される場合がある、電池自動車、ハイブリッド車等の用途に好適に使用できる。
1 正極
1a 正極集電体
2 負極
2a 負極集電体
3 非水電解液
4 正極ケース
5 負極ケース
6 ガスケット
7 セパレータ
10 コイン型の非水電解液二次電池
10' 円筒型の非水電解液二次電池
11 負極
12 負極集合体
13 正極
14 正極集合体
15 非水電解液
16 セパレータ
17 正極端子
18 負極端子
19 負極板
20 負極リード
21 正極
22 正極リード
23 ケース
24 絶縁板
25 ガスケット
26 安全弁
27 PTC素子

Claims (4)

  1. 電解質塩を有機溶媒に溶解した電池用非水電解液において、F−Si基を有するシロキサン化合物を含有することを特徴とする電池用非水電解液であって、
    上記F−Si基を有するシロキサン化合物が、下記一般式(2)
    Figure 0005491766
    (式中、R5は、ハロゲン原子又はエーテル基で置換されてもよい炭素原子数1〜8の炭
    化水素基を表し、nは3〜8の数を表す。)
    で表される環状シロキサン化合物である電池用非水電解液。
  2. 上記F−Si基を有するシロキサン化合物の含有量が、非水電解液中、0.05〜10
    質量%である、請求項1に記載の電池用非水電解液。
  3. 更に、下記一般式(3)
    Figure 0005491766
    〔式中、R6及びR7は、それぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜3のアルキル基又はフェニル基を表す。〕
    で表されるビニレンカーボネート化合物、及び/又は、
    下記一般式(4)
    Figure 0005491766
    〔式中、R8及びR9は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を
    表し、R10はハロゲン原子で置換されてもよい炭素原子数1〜8のアルキル基又は下記一
    般式(5)
    Figure 0005491766
    (式中、R11及びR12は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基を表す。)
    で表されるアルキニル基を表す。〕
    で表されるアルキンカーボネート化合物を含有する、請求項1又2に記載の電池用非水電解液。
  4. 非水電解液として、請求項1〜3の何れか1項に記載の非水電解液を有する非水電解液二次電池。
JP2009123550A 2009-05-21 2009-05-21 非水電解液及び該電解液を有する非水電解液二次電池 Expired - Fee Related JP5491766B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009123550A JP5491766B2 (ja) 2009-05-21 2009-05-21 非水電解液及び該電解液を有する非水電解液二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009123550A JP5491766B2 (ja) 2009-05-21 2009-05-21 非水電解液及び該電解液を有する非水電解液二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2010272376A JP2010272376A (ja) 2010-12-02
JP5491766B2 true JP5491766B2 (ja) 2014-05-14

Family

ID=43420237

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009123550A Expired - Fee Related JP5491766B2 (ja) 2009-05-21 2009-05-21 非水電解液及び該電解液を有する非水電解液二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5491766B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103608962B (zh) 2011-01-31 2016-10-26 三菱化学株式会社 非水系电解液和使用该非水系电解液的非水系电解液二次电池
JP5906762B2 (ja) * 2011-02-08 2016-04-20 三菱化学株式会社 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液二次電池
JP5709574B2 (ja) * 2011-02-21 2015-04-30 株式会社Adeka 二次電池用非水電解液及び該電解液を有する非水電解液二次電池
JP5552077B2 (ja) * 2011-02-25 2014-07-16 三井化学株式会社 リン誘導体を含有する非水電解液及びリチウム二次電池
CN103339783B (zh) * 2011-03-04 2016-12-07 株式会社电装 电池用非水电解液及使用了该电解液的非水电解液二次电池
JP2012204307A (ja) * 2011-03-28 2012-10-22 Kyushu Univ 正極活物質およびその製造方法
JP5946361B2 (ja) * 2011-11-30 2016-07-06 株式会社Adeka 1,3−ジフルオロジシロキサン化合物の製造方法
CN103130825B (zh) * 2011-11-30 2016-12-21 株式会社艾迪科 1,3‑二氟二硅氧烷化合物的制造方法
JP6019663B2 (ja) * 2012-03-28 2016-11-02 三菱化学株式会社 非水系電解液及びそれを用いた非水系電解液電池
JP6255722B2 (ja) * 2012-06-13 2018-01-10 セントラル硝子株式会社 非水電解液電池用電解液、及びこれを用いた非水電解液電池
JP5676733B1 (ja) * 2013-09-02 2015-02-25 財團法人工業技術研究院 電解質溶液、リチウム電池および電気化学キャリア構造
JP2017075128A (ja) * 2015-10-16 2017-04-20 国立大学法人群馬大学 異なる置換基を対面に4つずつ有するかご型シルセスキオキサン

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5073167B2 (ja) * 2004-12-27 2012-11-14 三星エスディアイ株式会社 リチウム二次電池
JP4070793B2 (ja) * 2005-05-30 2008-04-02 株式会社デンソー 非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池
JP5222538B2 (ja) * 2007-05-22 2013-06-26 株式会社デンソー 非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2010272376A (ja) 2010-12-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5491766B2 (ja) 非水電解液及び該電解液を有する非水電解液二次電池
JP5004495B2 (ja) 非水電解液および該電解液を用いた二次電池
JP3497812B2 (ja) 非水電解液を用いた非水電解液二次電池
JP5222538B2 (ja) 非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池
JP4070793B2 (ja) 非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池
JP5631111B2 (ja) 非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池
EP2683011B1 (en) Nonaqueous electrolyte solution for batteries, and nonaqueous electrolyte secondary battery using same
JP5072379B2 (ja) 非水電解液及び該電解液を用いた二次電池
JP5270308B2 (ja) 新規重合体及び該重合体を用いた非水電解液二次電池
JP4931489B2 (ja) 非水電解液および該電解液を用いた二次電池
JP5230341B2 (ja) 二次電池用非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池
JP2011124039A (ja) 電池用非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池
JP5121127B2 (ja) 非水電解液組成物及び該組成物を用いた非水電解液二次電池
JP5180612B2 (ja) 非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池
WO2005109561A1 (ja) 非水電解液組成物及び該組成物を用いた非水電解液二次電池
JP5350880B2 (ja) 非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池
JP3810062B2 (ja) 非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池
JP2001210314A (ja) 非水電解液二次電池
EP2779299B1 (en) Nonaqueous electrolyte solution, and nonaqueous electrolyte secondary battery using said electrolyte solution
JP4854316B2 (ja) 非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池
JP2010027361A (ja) 二次電池用非水電解液及び該電解液を用いた非水電解液二次電池
JP5614786B2 (ja) 新規重合体及び該重合体を用いた非水電解液二次電池
JP2007123171A (ja) 非水電解液組成物及び該組成物を用いた非水電解液二次電池

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120312

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130517

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130611

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130726

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130827

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131002

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140204

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140228

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5491766

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees