JP2011054519A - 固体電解質、その製造方法および二次電池 - Google Patents

固体電解質、その製造方法および二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】高いイオン伝導度を有し、高強度でありさらには製造適正に優れた効果を示す固体電解質、その製造方法および該固体電解質を用いた二次電池を提供する。
【解決手段】多孔質無機微粒子と、架橋性官能基を持つイオン液体と、架橋性官能基を持たないイオン液体と、ポリマーとを含有した固体電解質のプリカーサーを作製し、次いで該プリカーサーに含まれる該架橋性官能基を持つイオン液体を重合して作製することを特徴とする固体電解質、その製造方法および二次電池。
【選択図】なし

Description

本発明は電解質およびその製造方法とそれを用いた二次電池であり、さらに詳しくはイオン伝導性の高い、高強度、さらには製造適正の優れた電解質であり、その電解質は優れた二次電池に関するものである。
近年、ノートパソコン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)などの携帯端末の普及が著しい。かかる携帯端末は、より快適な携帯性が求められ、小型化、薄型化、軽量化、高性能化が急速に進んでいる。そして、かかる携帯端末の電源には、二次電池として、リチウム二次電池が多用されており、電池に対しても同様に小型化、薄型化、軽量化、高性能化の要求が高まっている。
このような要望の中、現在のリチウム二次電池は、高性能になっているが、可燃性の有機電解液を用いるために、液漏れ、揮発性、引火性等、安全性の面で問題が残る。さらに溶液を密封するために金属容器を用いる必要があり、電池形状の自由度を持たせることが困難であった。
このような課題を解決すべく、薄型、高エネルギー密度電解質として電解質にゲル電解質を用いた電池が実用化されてきた。それらは液漏れが無く、形状自由で大面積で薄型に出来るなど、今までの円筒型、角型には無い特徴を持っている。
しかしながら、ゲル電解質は有機溶媒をゲル化してなる物であり、液漏れがないが、引火性を持っており、安全性は本質的に解決されていない。さらに強度が低く、電極間にセパレータを使用しなければならないためコストメリットはほとんど無い。
これに対して、難燃性の電解質であるイオン液体を利用した難燃性電解質についての技術が開示されている(例えば、特許文献1参照)。この難燃性電解質はイオン液体でグラフト化されたPVDFをバインダーマトリックスとし、難燃性固体電解質を形成しているが、固体強度が低いためセパレータをフリーにするにいたらず、コスト的なメリットが無い。
また、イオン液体を無機微粒子でゲル化させることによっても難燃性のゲル状電解質とすることが知られている(例えば、特許文献2、3参照)。溶液をゲル化するためには高比表面積を有する微粒子が必要であり、これらで使用されている球状の粒子を利用するには粒子径をナノオーダーとし比表面積を高めることが必要である。しかし、従来知られているように、粒子径が小さいとゲル強度が低くなるのに対し、新たな問題として粒子径を大きくするとゲル電解質製造段階で、粒子が沈降、不均一組成になるといった、製造不適合性があった。
WO04/88671パンフレット 特開2007−280948号公報 特開2008−130229号公報
本発明の目的は、高いイオン伝導度を有し、高強度でありさらには製造適正に優れた効果を示す固体電解質、その製造方法および該固体電解質を用いた二次電池を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.多孔質無機微粒子と、架橋性官能基を持つイオン液体と、架橋性官能基を持たないイオン液体とを含有した固体電解質のプリカーサーを作製し、次いで該プリカーサーに含まれる該架橋性官能基を持つイオン液体を重合して作製することを特徴とする固体電解質。
2.前記固体電解質がポリマーを含有していることを特徴とする前記1に記載の固体電解質。
3.前記多孔質無機微粒子の平均細孔径がメソ領域にあることを特徴とする前記1又は2に記載の固体電解質。
4.前記多孔質無機微粒子の比表面積が400〜800m/gであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の固体電解質。
5.前記多孔質無機微粒子の表面が有機官能基で表面処理されていることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の固体電解質。
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の固体電解質が塗布により形成されることを特徴とする固体電解質の製造方法。
7.前記1〜5のいずれか1項に記載の固体電解質を用いることを特徴とする二次電池。
本発明によれば、高いイオン伝導度を有し、高強度でありさらには製造適正に優れた効果を示す固体電解質、その製造方法および該固体電解質を用いた二次電池を提供することができる。
以下本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記状況において発明者らが検討の結果、無機粒子を多孔質無機微粒子にすることで、少量の添加でセパレータに匹敵する強度が得られることが分かった。さらに塗布液中での粒子沈降抑制効果もあり、製造での安定品質が確保できる効果も得られた。これらは、多孔質無機微粒子が多孔性に由来し、比表面積が高いことで固体強度が上げられ、又、かさ密度が小さいことで粒子の沈降を抑制することが出来る。
(多孔質無機微粒子)
本発明における多孔質無機微粒子とは、粒子表面、内部に無数の微細な穴があいている微粒子であり、好ましくは400〜800m/gで、さらに好ましくは500〜700m/gである。比表面積が400m/gより大きいと固体電解質のイオン伝導度が向上する傾向にあり、また800m/gより小さいと固体電解質の強度が向上する傾向にある。比表面積は従来ある水銀圧入法やガス吸着法(BET法)により測定することが出来、本発明においてはBET法を好適に利用することが出来る。BET法とは粒子表面に吸着占有面積の分かった分子(例えばN)を液体窒素の温度で吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法である。
本発明の多孔質無機微粒子においては、平均細孔径がメソ領域であることが好ましい。メソ領域とはケルビンの毛管凝縮理論が適応できる、2〜50nmの領域である。好ましくは5〜40nmであり、5nmより大きいと固体電解質のイオン伝導度が向上する傾向であり、40nmより小さいと固体電解質の強度が向上する傾向にある。細孔径は細孔径分布測定装置によりガス吸着法で得た吸脱着等温線のヒステリシスパターンを解析することで算出した細孔分布のメディアン系で知ることも出来るし、透過型電子顕微鏡(TEM)での観察により知ることも出来る。
本発明の様な多孔質無機微粒子を使用することの効果は製造適正の向上に現れている。本発明の比表面積の範囲より小さい非多孔質無機微粒子の場合、例えば固体電解質の塗布製造時において、塗布液内で非多孔質無機微粒子が沈降し、ハードケーキを作製し粒子成分が減少、安定した品質を確保した製造ができない。対して本発明の様な多孔質無機微粒子では低いかさ密度であることから沈降がおきにくく、また高い比表面積から塗布液の成分との馴染みが向上し沈降しにくい。本発明によって得られる優れた効果である。
多孔質無機微粒子の組成は、多孔質を有する物であれば特に制限無く、公知の材質からなる物を用いることが出来るが、具体的には、例えばシリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、ゼオライト、酸化チタン(TiO)、窒化アルミ(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸カルシウム(CaTiO)、ホウ酸アルミニウム、ボロンナイト、酸化鉄、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化鉛、酸化スズ、酸化セリウム、酸化カルシウム、四酸化三マンガン、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化アンチモン、リン酸アルミニウム、セリウムジルコネイト、カルシウムシリケート、ジルコニウムシリケート、ITO、チタンシリケート、FSM16、MCM41、モンモリロナイト、サポナイト、バーミキュライト、ハイドロタルサイト、カオリナイト、カネマイト、アイラライト、マガディアイト、ケニアイトであり、これらの複合酸化物も好ましく使用できる。中でも中性〜酸性の多孔質無機微粒子がイオン伝導度向上の点で効果的であり、酸化鉄、酸化ジルコニウム、モンロリロナイト、サポナイト、バーミキュライト、ハイドロタルサイト、カオリナイト、カネマイト、酸化スズ、酸化タングステン、酸化チタン、リン酸アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、アルミナなどがこれに相当し、この中で特に適しているのは、シリカ、アルミナ、酸化ジルコニウムである。
多孔質シリカ粒子としては、例えば特開平7−133105号公報に記載されているように、多孔性の無機酸化物微粒子の表面をシリカ等で被覆した、低屈折率のナノメーターサイズの複合酸化物微粒子、また特開2001−233611号公報に記載されているように、シリカとシリカ以外の無機酸化物からなり、内部に空洞を有する低屈折率のナノメーターサイズのシリカ系微粒子等も適している。
多孔質無機微粒子の表面の水酸基はイオン液体、二次電池の塩と相互作用し、高速でイオンを輸送するイオンパスとして作用する。
本発明の多孔質無機微粒子の平均粒径は1〜50μmであることが好ましい。平均粒径が1μmより大きいと固体電解質の強度が向上する傾向にあり、平均粒径が50μmより小さいと、固体電解質塗布液中での粒子沈降が軽減される傾向にある。
平均粒径は、各粒子を同体積の球に換算した時の直径(球換算粒径)の体積平均値であり、この値は電子顕微鏡観察により求めることが出来る。すなわち固体電解質組成物、または多孔質無機微粒子の電子顕微鏡観察から、一定の視野内にある多孔質無機微粒子を200個以上測定し、各粒子の球換算粒径を求め、その平均値を求めることにより得られた値である。
さらに本発明の多孔質無機微粒子は有機官能基で表面処理されていることが好ましい。表面処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルクロロシランなどの、公知のシランカップリング剤を用いることが出来る。
表面処理方法としては、直接粉体に噴霧して加熱定着させる乾式法、溶液中に粒子を分散させておき、表面処理剤を添加して表面処理する湿式法とあるが、より均一に粒子が分散する湿式法が好ましい。例を挙げると特開2007−264581号公報に記載されているような手法で、湿式で処理した粒子は高い分散性を持ち、好ましく用いることが出来る。
本発明の多孔質無機微粒子の含有量は特に限定はないが、全固体電解質中の、2質量部以上80質量部が好ましく、更に好ましくは3質量部以上40質量部以下である。
(架橋性基を持つイオン液体)
本発明における架橋性官能基を持つイオン液体とは、アンモニウム、ホスホニウム、ヨードニウムから選ばれるオニウムカチオンとアニオンとで形成される化合物であり、0℃以上、200以下の環境下で液体状態を呈する物が用いられる。
オニウムカチオンとしてはアンモニウムが好適であり脂肪族、脂環族、芳香族、複素環の4級アンモニウムカチオンから選ばれ、代表的にはイミダゾリウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、チアゾリウム、ピロリウム、ピラゾリウム、ベンズイミダゾリウム、インドリウム、カルバゾリウム、キノリニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、アルキルアンモニウム等が挙げられる。
またアニオン部はフッ素原子を含有するアニオンが好ましく、代表的なアニオンとしてはイミドアニオン、ボレートアニオン、ホスフェートアニオンが挙げられる。
本発明の架橋性官能基とはカチオン群、アイオン群どちらか、または両方に置換していてもかまわなく、好適にはビニル基、アクリル基、メタクリル基、アリル基などの炭素−炭素不飽和基、エポキシ基、オキセタン基などの環状アルコキシド基やイソシアネート基、水酸基、カルボキシル基などである。
特に好ましい架橋性官能基を持つイオン液体のカチオン部は、1−ビニル−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、4−ビニル−1−アルキルピリジニウムカチオン、1−アルキル−3−アリルイミダゾリウムカチオン、1−(4−ビニルベンジル)−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、1−(ビニルオキシエチル)−3−アルキルイミダゾリウムカチオン、1−ビニルイミダゾリウムカチオン、1−アリルイミダゾリウムカチオン、N−アリルベンズイミダゾリウムカチオン、ジアリル−ジアルキルアンモニウムカチオンなどを挙げることが出来る。但し、アルキルは炭素数1〜10のアルキル基である。
好ましい架橋性官能基を持つイオン液体のアニオン部は例えばbis(fluorosulfonyl)imide(FSI)、bis(fluorosulfonyl)imide(FSI)、bis(trifluoromethylsulfonyl)imide(TFSI)、bis(pentafluoroethylsufonyl)amide(BETI)、tetrafluoroborate(BF)、trifluoromethyltrifluoroborate(CFBF)、pentafluoroethyltrifluoroborate(CFCFBF)、hexafluorophospate(PF)等である。
カチオン部、アニオン部電池作動電圧範囲内で安定な構造を有するのであれば、特に構造を限定するものではなく、上記カチオン群、アニオン群のいずれの組み合わせでもかまわない。
架橋性官能基を持つイオン液体の重合反応は、熱重合開始剤や硬化剤を加え、通常40℃〜200℃に加熱して行なう。重合性官能基が炭素−炭素不飽和基である場合、熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、キュメンハイドロパーオキサイドなどのパーオキサイド類、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾビス化合物、過硫酸アンモニウムなどの無機系開始剤などを挙げることが出来る。
本発明の架橋性官能基を持つイオン液体の含有量は特に限定はないが、全固体電解質中の、2質量部以上80質量部が好ましく、更に好ましくは3質量部以上40質量部以下である。
(架橋性官能基を持たないイオン液体)
本発明における架橋性官能基を持たないイオン液体とは、アンモニウム、ホスホニウム、ヨードニウムから選ばれるオニウムカチオンとアニオンとで形成される化合物であり、0℃以上、200以下の環境下で液体状態を呈する物が用いられる。
オニウムカチオンとしてはアンモニウムが好適であり脂肪族、脂環族、芳香族、複素環の4級アンモニウムカチオンから選ばれ、代表的にはイミダゾリウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、チアゾリウム、ピロリウム、ピラゾリウム、ベンズイミダゾリウム、インドリウム、カルバゾリウム、キノリニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、アルキルアンモニウム等が挙げられる。
またアニオン部はフッ素原子を含有するアニオンが好ましく、代表的なアニオンとしてはイミドアニオン、ボレートアニオン、ホスフェートアニオンが挙げられる。
本発明で好ましいカチオン群としては、例えば、1−ethyl−3−methyl−imidazolium(EMI)、N,N−diethyl−N−methyl−N−(2−methoxyethyl)ammonium(DEME)、N−Methyl−N−propyl pyrrolidinium(P13)、N−Methyl−N−propylpiperidinium(PP13)等を単独、もしくは混合して用いてもよく、電池作動電圧範囲内で安定な構造を有するのであれば、特に構造を限定するものではない。
本発明で好ましいアニオン群としては、例えばbis(fluorosulfonyl)imide(FSI)、bis(fluorosulfonyl)imide(FSI)、bis(trifluoromethylsulfonyl)imide(TFSI)、bis(pentafluoroethylsufonyl)amide(BETI)、tetrafluoroborate(BF)、trifluoromethyltrifluoroborate(CFBF)、pentafluoroethyltrifluoroborate(CFCFBF)、hexafluorophospate(PF)等を単独、もしくは混合して用いてもよく、電池作動電圧範囲内で安定な構造を有するのであれば、特に構造を限定するものではない。
本発明の架橋性官能基を持たないイオン液体の代表的な例は、上記カチオン群、アニオン群の組み合わせである。
本発明の架橋性官能基を持たないイオン液体の含有量は特に限定はないが、全固体電解質中の、2質量部以上80質量部が好ましく、更に好ましくは3質量部以上40質量部以下である。
(支持電解質塩)
本発明に係る支持電解質塩としては、任意のものを用いることができるが、好ましくは周期律表Ia族またはIIa族に属する金属イオンの塩が用いられる。周期律表Ia族またはIIa族に属する金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムのイオンが好ましい。金属イオンの塩のアニオンとしては、ハロゲン化物イオン(I、Cl、Br等)、SCN、BF 、PF 、ClO 、SbF 、(CFSO、(CFCFSO、Ph、(C、(CFSO、CFCOO、CFSO 、CSO 等が挙げられる。アニオンとしては、SCN、BF 、PF 、ClO 、SbF 、(CFSO、(CFCFSO、(CFSO、CFSO がより好ましい。
代表的な支持電解質塩としては、LiCFSO、LiPF、LiClO、LiI、LiBF、LiCFCO、LiSCN、LiN(CFSO、NaI、NaCFSO、NaClO、NaBF、NaAsF、KCFSO、KSCN、KPF、KClO、KAsFなどが挙げられる。更に好ましくは、上記Li塩である。これらは一種または二種以上を混合してもよい。
固体電解質中の支持電解質塩の配合量は、5〜40質量%とすることが好ましく、特に10〜30質量%とすることが好ましい。
(ポリマー)
ポリマーは、耐酸化性、耐還元性、耐溶剤性、低吸水性、難燃性などの電気化学的、化学的安定性や、耐熱性、耐寒性などの温度特性、さらに力学特性(強伸度、柔軟性)に優れ、かつ加工性に優れたポリマーであれば特に限定はない。例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンなどのビニル系ポリマー、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォンなどのポリスルフォン系ポリマー、ポリエーテルケトンなどのポリエーテルケトン系ポリマー、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどのポリイミド系ポリマー(いずれも共重合ポリマーを含む)を挙げることが出来る。
好ましいポリマーはフッ素系ポリマーであり、特に好ましいのはポリフッ化ビニリデン及びその共重合ポリマー、その変性ポリマーである。その分子量は重量平均分子量として2000〜2000000、好ましくは10000〜1500000である。
固体電解質中のポリマーの配合量は、2〜80質量%とすることが好ましく、特に3〜50質量%とすることが好ましい。
(溶媒)
本発明では、上記の固体電解質構成要素とともに最大で50質量%まで溶媒を使用することができる。しかし、保存安定性の観点からは溶媒を用いないほうがより好ましい。
本発明の電解質に使用する溶媒は、粘度が低くイオン伝導性を向上したり、または誘電率が高く有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝導性を発現できる化合物であることが望ましい。
このような溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等のエステル類、ジメチルスルフォキシド、スルフォランなど非プロトン極性物質などが挙げられる。
この中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、エステル類が特に好ましい。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
溶媒としては、耐揮発性による耐久性向上の観点から、常圧(1気圧)における沸点が200℃以上のものが好ましく、250℃以上のものがより好ましく、270℃以上のものが更に好ましい。
(固体電解質の製造方法)
以下にリチウム二次電池に使用される固体電解質の調製方法について、例を説明する。無機多孔性微粒子、架橋性官能基を持つイオン液体、架橋性官能基を持たないイオン液体、ポリマー、リチウム塩をN−メチルピロリドンのような適切な溶媒に溶かし、この溶液をガラスやポリエステルフィルムのような基材に流延または塗布し、乾燥、重合後剥離して複合化した固体電解質の薄膜を得ることができる。ポリマーの種類によっては溶剤を使用することなく溶融によって上記組成物を複合化することもできる。
架橋性官能基を持つイオン液体は単独重合、またはこれらと共重合し得る組成物と共重合させることができる。
好ましい態様の1つは、架橋性官能基を持つイオン液体と反応する官能基を有するポリマーを用いたグラフト架橋ポリマーの形成である。共重合するポリマーは架橋基を複数種もつ多種、多官能性ポリマーであってもよい。
本重合反応は、熱重合開始剤や硬化剤を加え、通常40℃〜200℃に加熱して行なう。重合性官能基が炭素−炭素不飽和基である場合、熱重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、キュメンハイドロパーオキサイドなどのパーオキサイド類、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾビス化合物、過硫酸アンモニウムなどの無機系開始剤などを挙げることが出来る。
重合開始剤の使用量は、通常重合性単量体の総質量対して0.1〜10%、好ましくは、1〜5%である。
ポリマーが持つ重合性官能基がエポキシ基である場合、硬化剤としてアミン類や酸無水物、カルボン酸、反応触媒としてアルキルイミダゾール誘導体を用いることが出来る。
重合させるために紫外線(光重合開始剤を使用)や電子線などの放射線を照射することも出来る。電子線重合は、架橋性基を有するイオン液体の架橋反応やポリマーへのグラフト反応も期待でき好ましい態様である。照射量は0.1〜50Mrad、好ましくは1〜20Mradである。
本発明では架橋性基を持つイオン液体と共重合可能な、重合性官能基を2個以上含む多官能単量体を含有することが出来る。多官能単量体の例としては、ジビニルベンゼン、ジアリルフタレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルシアヌレート、ジアリル−ジメチルアンモニウムビス−{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド、ジアリル−ジメチルアンモニウムテトラフルオロボレート、2,2−ビス(グリシジルオキシ)フェニルプロパンなどがある。これらの多官能モノマーは架橋性官能基を有するイオン液体の0.5〜10モル%の量で使用し得る。
本発明の固体電解質の製造方法は、塗布方式、プレス方式等が好ましいが、特に塗布により製造することが好ましい。固体電解質を塗布で得るには、ガラス基材、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等の基材上に塗布乾燥後、固体電解質を単体として剥がすことが出来る基材が好ましい。二次電池として使用する場合は、電極の上に直接塗布する方法、ガラス基板、プラスチック基材等に塗布し剥離、電極を貼り合わせる方法等で二次電池を作製することも出来る。塗布を用いない、プレス方式の例としては、固体電解質プリカーサ−を加熱し、バルク固体電解質を得る方法がある。これを二次電池として使用する場合は正極、負極で挟み込み、カレンダリング処理することで二次電池を作製することが出来る。しかし、塗布を用いることで、固体電解質と電極との界面接着力が増し、また界面の電気抵抗も抑えられることから、塗布により製造することが好ましい。塗布で製造された固体電解質は、固体内部での空隙が無く、電気抵抗が抑えられ傾向にある。
固体電解質の塗布方法としては、例えば、リバースロール法、バーコート法、スロットダイコート法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスクイーズ法等が好適に挙げられる。その中でも、ブレード法、ナイフ法、スロットダイコート法及びエクストルージョン法が好ましい。
また、塗布は0.1〜100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、固体電解質プリカーサ液の溶液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布は片面ずつ逐時でも、両面同時に行ってもよい。更に、前記塗布は連続でも間欠でもストライプでもよい。また、塗布時に基材を加熱することも出来る。例えば100〜200℃に加熱された基材に塗布し冷却することで、本発明の固体電解質が得られる。
その塗布層の厚み、長さ及び巾は、電池の形状や大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みはドライ後の状態で1〜2000μmが好ましい。
前記電極シート塗布物の乾燥及び脱水方法としては、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥温度は80〜350℃が好ましく、100〜250℃がより好ましい。含水量としては、電池全体で2000ppm以下が好ましく、固体電解質としては500ppm以下にすることが好ましい。
プレス法での固体電解質作製は、固体電解質をガラス基板、プラスチック基材、二次電池の電極等で挟み、加圧することで得られる。加圧時に100℃〜200℃に加熱、真空下で加圧することも出来る。
本発明の固体電解質はイオン液体群とポリマーがミクロに相分離している場合もある。イオン移動を担うイオン液多の連続層は、多孔質無機微粒子内部に形成され、さらにミクロに相分離したイオン液体連続相がイオン伝導パスを担っている。
本発明の固体電解質は、例えばリチウムイオン電池、燃料電池、色素増感太陽電池、電解キャパシタなどの電気化学デバイスの対向する電極間にサンドイッチされる。
本発明の固体電解質をリチウムイオン二次電池をして利用する場合の、正極活物質、負極活物質、電極合剤、集電体、二次電池の作製方法について記載する。
(正極活物質)
正極活物質としては、無機系活物質、有機系活物質、これらの複合体が例示できるが、無機系活物質あるいは無機系活物質と有機系活物質の複合体が、特にエネルギー密度が大きくなる点から好ましい。
無機系活物質として、例えば、Li0.2MnO、LiMn12、V、LiCoO、LiMn、LiNiO、LiFePO、LiCo1/2Ni1/2Mn1/2、Li1.2(Fe0.5Mn0.50.8、Li1.2(Fe0.4Mn0.4Ti0.20.8、Li1+x(Ni0.5Mn0.51−x、LiNi0.5Mn1.5、LiMnO、Li0.76Mn0.51Ti0.49、LiNi0.8Co0.15Al0.05、Fe、等の金属酸化物、LiFePO、LiCoPO、LiMnPO、LiMPOF(M=Fe、Mn)、LiMn0.875Fe0.125PO、LiFeSiO、Li2−xMSi1−x(M=Fe、Mn)、LiMBO(M=Fe、Mn)などのリン酸、ケイ酸、ホウ酸系が挙げられる。なお、これらの化学式中、xは0〜1の範囲であることが好ましい。
更に、FeF、LiFeF、LiTiFなどのフッ素系、LiFeS、TiS、MoS、FeS等の金属硫化物、これらの化合物とリチウムの複合酸化物が挙げられる。
有機系活物質としては、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、等の導電性高分子、有機ジスルフィド化合物、有機イオウ化合物DMcT(2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール)、ベンゾキノン化合物PDBM(ポリ2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン−3,6−メチレン)、カーボンジスルフィド、活性イオウ等のイオウ系正極材料、有機ラジカル化合物等が用いられる。
また、正極活物質の表面には、無機酸化物が被覆されていることが電池の寿命を延ばす点で好ましい。無機酸化物を被覆するに当たっては、正極活物質の表面にコーティングする方法が好ましく、コーティングする方法としては、例えば、ハイブリタイザーなどの表面改質装置を用いてコーティングする方法などが挙げられる。
かかる無機酸化物としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン等のIIA〜VA族、遷移金属、IIIB、IVBの酸化物、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸鉛、γ−LiAlO、LiTiO等が挙げられ、特に酸化ケイ素が好ましい。
(負極活物質)
負極については特に制限はなく、集電体に負極活物質を密着させたものが利用できる。黒鉛系やスズ合金系などの粉末を、スチレンブタジエンゴムやポリフッ化ビニリデンなどの結着材とともにペースト状として集電体上に塗布して、乾燥後、プレス成形して作製したものが利用できる。物理蒸着(スパッタリング法や真空蒸着法など)によって、3〜5ミクロンのシリコン系薄膜を集電体上に直接形成したシリコン系薄膜負極なども利用できる。
リチウム金属負極の場合は、銅箔上に10〜30ミクロンのリチウム箔を付着させたものが好適である。高容量化の観点からは、シリコン系薄膜負極やリチウム金属負極からなるものであることが好ましい。
(電極合剤)
本発明に用いる電極合剤としては、導電剤、結着剤やフィラーなどの他に、リチウム塩、非プロトン性有機溶媒等が添加されたものが挙げられる。
前記導電剤は、構成された二次電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何を用いてもよい。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−148554号公報に記載)等)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20971号公報に記載)などの導電性材料を1種またはこれらの混合物として含ませることができる。
その中でも、黒鉛とアセチレンブラックの併用が特に好ましい。前記導電剤の添加量としては1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。カーボンや黒鉛の場合は、2〜15質量%が特に好ましい。
本発明では電極合剤を保持するための結着剤を用いる。このような結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられ、その中でも、例えば、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエン−ターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンが好ましく、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデンがより好ましい。
前記結着剤は、一種単独または二種以上を混合して用いることができる。結着剤の添加量が少ないと、電極合剤の保持力、凝集力が弱くなる。多すぎると、電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位質量あたりの容量が減少する。このような理由で結着剤の添加量は1〜30質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
前記フィラーは、本発明の二次電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30質量%が好ましい。
(集電体)
正・負極の集電体としては、本発明の二次電池において化学変化を起こさない電子伝導体が用いられる。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。負極の集電体としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、銅あるいは銅合金がより好ましい。
前記集電体の形状としては、通常フィルムシート状のものが使用されるが、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。前記集電体の厚みとしては、特に限定されないが、1〜500μmが好ましい。また、集電体表面は表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
(二次電池の作製)
ここでは、本発明の非水電解質二次電池の作製について説明する。本発明の二次電池の形状としては、シート、角、シリンダーなどいずれの形にも適用できる。正極活物質や負極活物質の電極合剤は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
前記電極合剤の塗布方法としては、例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスクイーズ法等が好適に挙げられる。その中でも、ブレード法、ナイフ法及びエクストルージョン法が好ましい。
また、塗布は0.1〜100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、電極合剤の溶液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布は片面ずつ逐時でも、両面同時に行ってもよい。更に、前記塗布は連続でも間欠でもストライプでもよい。
その塗布層の厚み、長さ及び巾は、電池の形状や大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みはドライ後の圧縮された状態で1〜2000μmが好ましい。
前記電極シート塗布物の乾燥及び脱水方法としては、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥温度は80〜350℃が好ましく、100〜250℃がより好ましい。含水量としては、電池全体で2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解質では、それぞれ500ppm以下にすることが好ましい。
シートのプレス法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特にカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は特に限定されないが、0.2〜3t/cmが好ましい。前記カレンダープレス法のプレス速度としては、0.1〜50m/分が好ましく、プレス温度は室温〜200℃が好ましい。正極シートに対する負極シート幅の比としては、0.9〜1.1が好ましく、0.95〜1.0が特に好ましい。正極活物質と負極活物質との含有量比は、化合物種類や電極合剤処方により異なる。
本発明の二次電池の形態は特に限定されないが、コイン、シート、円筒等、種々の電池セルに封入することができる。
本発明の二次電池の用途は特に限定されないが、例えば、電子機器としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。
その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって、何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
多孔質無機微粒子の作製
ヘキシルトリメチルアンモニウムクロライド3.645gを純水100mlに溶解し、その中に1モル/lの塩酸溶液4.41mlを入れた。次いで、この溶液を室温で撹拌している中に、テトラエトキシシラン(TEOS)20gを純水44mlに溶解した溶液を5minで添加した。その後、高圧水銀灯ランプ(100W)を約2.5×1016/sec/cmの光量で照射下に、撹拌を24時間行った。
得られた沈殿を濾過した後、イオン交換水で十分に洗浄し、減圧下に100℃で12時間乾燥して、3.2gの複合体を得た。得られた複合体を空気中で500℃にて8時間焼成し有機分を除去することにより細孔径をもつ多孔質無機微粒子Aを得た。
上記、ヘキシルトリメチルアンモニウムクロライドの代わりに、オクチルトリメチルアンモニウムクロライド(多孔質無機微粒子B)、ドデシルトリメチルアンモニウムクロライド(多孔質無機微粒子C)、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロライド(多孔質無機微粒子D)、オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド(多孔質無機微粒子E)をそれぞれ使用し、同様の操作で多孔質無機微粒子B〜Eを得た。
また上記オクタデシルトリメチルアンモニウムクロライド(多孔質無機微粒子E)について、TEOSの添加量を10gとした以外は同様の操作で多孔質無機微粒子Fを得た。
さらに、多孔質無機微粒子A、多孔質無機微粒子Dそれぞれについて、200℃にしヘキサメチルジシラザンを0.5g添加して2時間表面処理を行うことで、多孔質無機微粒子表面をトリメチルシリル化した多孔質無機微粒子G、Hを得た。
表1に多孔質無機微粒子A〜Hの比表面積、細孔径を示す。また多孔質無機微粒子A〜Hの平均粒径は10μmであった。
比較例として、日本エアロジル社製AEROSIL90(比較微粒子A)、AEROSIL300(比較微粒子B)を使用し、AEROSIL300については上記と同様の方法でトリメチルシリル化した(比較微粒子C)を作製した。比較微粒子A〜Cの比表面積を表1に示すが、これらは非多孔質無機微粒子であった。
なお、比表面積及び細孔径は、日本ベル(株)製の自動比表面積/細孔分布測定装置BELSORP−mini IIを用いて測定した。平均粒径は、走査型電子顕微鏡により200個以上の粒子を測定し、各粒子の球換算粒径の平均値を求めることにより得た。
Figure 2011054519
ジアリリル−ジメチルアンモニウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔DAA−TFSIと略す〕の合成
カリウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(K−TFSI)31.9g(0.1mol)を100mlの水に70℃で溶解し、50℃で攪拌しながら、ジアリル−ジメチルアンモニウムクロライド 13.4g(0.1mol)を50mlの水に溶解した溶液を15分で滴下・混合した。50℃で激しく攪拌しながら更に2時間、複分解反応を行った後、生成した油層を分離した。生成物を各50mlの水で2回洗浄した後、60℃、0.1mmHg(1mmHgは1.33322×10Paである。)で2時間乾燥し、ジアリリル−ジメチルアンモニウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔DAA−TFSIと略す〕32.1g(収率85%)を得た。
炭素−炭素間二重結合を含有するポリフッ化ビニリデン変性ポリマー〔DBFと略す〕の合成
Solvay社製ポリフッ化ビニリデン(Solef1013)15gとN−メチルピロリドン−〔NMP〕85gを撹拌機付きの300ml三口フラスコに入れ、90℃で溶解した。同温度で撹拌しながらトリエチルアミン2.37gを約10分で滴下・添加した。更に同温度で撹拌しながら30分間反応させた。冷却後、300mlの水に撹拌下で添加し、再沈殿させた。沈殿したポリマーを各500mlの水で2回浸漬洗浄・濾過し、60℃で10時間、真空乾燥した。
回収したポリマーはNMRスペクトル分析より、約8モル%の二重結合が導入されていることが分かった。
固体電解質の作製
DAA−TFSI 8.0g、DBF 12.0g、ベンゾイルパーオキサイド 0.17gをN−メチルピロリドン100gに溶解した後、更に1−ethyl−3−methyl−imidazolium bis(fluorosulfonyl)imide〔EMI−FSI〕 8.0g、リチウム ビス{(トリフロオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 2.0gを溶解した。さらに上記多孔質無機微粒子Aを3.0g添加し強攪拌し固体電解質プリカーサ−塗布液001を作製した。多孔質無機微粒子Aを多孔質無機微粒子B〜H、比較微粒子A〜Cにそれぞれ変えた以外は同様の操作で固体電解質プリカーサ−塗布液002〜011を作製した。
また上記固体電解質プリカーサ−塗布液004から多孔質無機微粒子を除去した固体電解質プリカーサ塗布液012、固体電解質プリカーサ−塗布液004からDAA−TFSIを除去した固体電解質プリカーサ−塗布液013を作製した。
これら塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で120℃、15分加熱し、乾燥と同時に重合反応を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム001〜013を得た。
また、固体電解質プリカーサ−塗布液004 10.0gをサンプル瓶に入れ、120℃のオーブンに20分入れ、バルク状固体電解質を得た。これをスライドガラスに適量挟み厚さ25μm厚までプレスすることで、固体電解質フィルム014を得た。
さらに、上記固体電解質プリカーサ−塗布液008について、N−メチルピロリドンを全く加えない組成物を作製し、メノウ乳鉢で混練し、これをスライドガラスに挟み150℃で10分加熱、25μm厚にプレスすることで固体電解質フィルム015を得た。
(塗布液沈降性評価)
上記組成の固体電解質プリカーサ−塗布液001〜013それぞれ5kgスケールで作製、小型ダイアフラムポンプを使用し流量500ml/minで内径1cmの塩化ビニルホースの中を60分循環させた。60分後、塩化ビニルホースを裂き開きホース内に沈殿している無機微粒子の沈降具合をランク1〜ランク5で評価した。ランク4以上が実用的に連続塗布生産に適している。
ランク5 全く沈殿無し
ランク4 若干の沈殿物が見られる
ランク3 ホース底1mm程度の沈殿が見られる。
ランク2 ホースの半分が沈降物でうまっている
ランク1 循環中ホース詰まり発生し、60分循環できなかった
(固体電解質フィルムのイオン伝導度測定)
得られた固体電解質フィルム001〜015を1cmの円形にくりぬき、同じく円形1cmの白金電極間に試料を挟み、室温、50%Rhで交流インピーダンス法(0.1V、周波数1Hz〜10MHz)により膜抵抗を測定し、イオン伝導度を算出した。
(固体電解質フィルムの突刺試験測定)
得られた固体電解質フィルム001〜015を、圧縮試験器(カトーテック社製KES−G5)を用いて、針径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmの針を用いて突刺速度2mm/sで突刺試験を行い、最大突刺加重(g)を突刺強度とした。
正極の作製
正極活物質として、LiCoOを43質量部、鱗片状黒鉛2質量部、アセチレンブラック2質量部、更に結着剤としてポリアクリロニトリル3質量部を加え、アクリロニトリル100質量部を媒体として混練して得られたスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔に、エクストルージョン式塗布機を使って塗設し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形した後、端部にアルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ95μm、幅54mm×長さ49mmの正極シートを作製、露点−40℃以下の乾燥空気中、230℃で30分脱水乾燥した。
シート電池の作製
ドライボックス中で、幅54mm×長さ49mmの脱水乾燥済み正極シート上に、上記固体電解質プリカーサ−塗布液001〜013をワイヤーバーで塗布し、熱風乾燥機で120℃、15分加熱し、乾燥と重合をおこなうことで膜厚25μmの層を形成した。(シート型電池001〜013用)。
また固体電解質プリカーサ−塗布液004 10.0gをサンプル瓶に入れ、120℃のオーブンに20分入れ、バルク状固体電解質を得た。これを上記正極とスライドガラスに挟み厚さ25μm厚までプレスし、スライドガラスを剥がした(シート型電池014用)。
さらに固体電解質プリカーサ−塗布液008をについて、N−メチルピロリドンを全く加えない組成物を作製し、メノウ乳鉢で混練し、これを上記正極とスライドガラス挟み150℃で10分加熱、25μm厚にプレスし、スライドガラスを剥がした(シート型電池15用)。
更に上記のリード版を溶接した幅55mm×長さ50mmの負極シート(リチウム張り合わせ銅箔(リチウム膜厚30μm、銅箔の膜厚20μm))を積層し、減圧下で80℃に3時間加熱した。その後、ポリエチレン(50μm)−ポリエチレンテレフタレート(50μm)のラミネートフイルムよりなる外装材を使用し、4縁を真空下で熱融着して密閉し、シート型電池001〜015を作製した。
シート電池の充放電特性
得られたシート型リチウム二次電池について、計測器センター製の充放電測定装置を用いて、0.2mA/cmの電流で電圧2Vから4.2Vまで充電し、10分間の休止後、0.2mA/cmの電流で電池電圧3Vまで放電した。この充放電を50サイクル繰り返した。初期と、50サイクル目の容量保持率(%)を測定し、充放電特性の評価とした。
Figure 2011054519
表2の結果より、本発明の固体電解質は製造適正に優れており、高いイオン伝導度、高強度があることが分かる。また本固体電解質を用いた二次電池はサイクル特性が良好で、耐久性に優れていることが分かる。
実施例2
1−メチル−3−(4−ビニルベンジル)イミダゾリウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔MVBI−TFSIと略す〕の合成
1−メチルイミダゾール 37.0g(0.45mol)を200mlの1,1,1−トリクロロエタンに溶解し、室温で攪拌しながら、p−クロルメチルスチレン 68.7g(0.45mol)を100mlの1,1,1−トリクロロエタンに溶解した溶液を1時間かけて滴下後、更に10時間、65℃で撹拌を続けて反応を行った。生成物を分離し、各100mlの1,1,1−トリクロロエタンで2回洗浄後、65℃、0.1mmで2時間乾燥し、淡黄色の固体1−メチル−3−(4−ビニルベンジル)イミダゾリウム クロライド〔MVBI−Cl〕52.8g(50%)を得た。
次にカリウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(K−TFSI)31.9g(0.1mol)を100mlの水に70℃で溶解し、50℃で攪拌しながら、上で得たMVBI−Cl 23.4g(0.1mol)を50mlの水に溶解した溶液を15分で滴下・混合した。50℃で激しく攪拌しながら更に2時間、複分解反応を行った後、生成した油層を分離した。生成物を各50mlの水で2回洗浄した後、60℃、0.1mmHgで2時間乾燥し、1−メチル−3−(4−ビニルベンジル)イミダゾリウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔MVBI−TFSIと略す〕40.8g(収率85%)を得た。
固体電解質の作製
MVBI−TFSI 10.0g、Solvay社製ポリフッ化ビニリデン(Solef6020) 10.0g、ベンゾイルパーオキサイド 0.17gをN−メチルピロリドン100gに溶解した後、更に1−ethyl−3−methyl−imidazolium bis(fluorosulfonyl)imide〔EMI−FSI〕 8.0g、リチウム ビス{(トリフロオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 1.8gを溶解した。さらに上記多孔質無機微粒子Aを2.5g添加し強攪拌し固体電解質プリカーサ−塗布液101を作製した。多孔質無機微粒子Aを多孔質無機微粒子B〜H、比較微粒子A〜Cにそれぞれ変えた以外は同様の操作で固体電解質プリカーサ−塗布液102〜111を作製した。
また上記固体電解質プリカーサ−塗布液104から多孔質無機微粒子を除去した固体電解質プリカーサ塗布液112、固体電解質プリカーサ−塗布液104からMVBI−TFSIを除去した固体電解質プリカーサ−塗布液113を作製した。
これら塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で120℃、15分加熱し、乾燥と同時に重合反応を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム101〜113を得た。
また、固体電解質プリカーサ−塗布液104 10.0gをサンプル瓶に入れ、120℃のオーブンに20分入れ、バルク状固体電解質を得た。これをスライドガラスに適量挟み厚さ25μm厚までプレスすることで、固体電解質フィルム114を得た。
さらに、上記固体電解質プリカーサ−塗布液108について、N−メチルピロリドンを全く加えない組成物を作製し、メノウ乳鉢で混練し、これをスライドガラスに挟み150℃で10分加熱、25μm厚にプレスすることで固体電解質フィルム115を得た。
シート電池の作製
実施例1と同様の操作でシート電池101〜115を得た。
得られた固体電解質プリカーサ−塗布液101〜113、固体電解質フィルム101〜115、シート電池101〜115について、実施例1と同様の評価を行った。
Figure 2011054519
表3の結果より、本発明の固体電解質は製造適正に優れており、高いイオン伝導度、高強度があることが分かる。また本固体電解質を用いた二次電池はサイクル特性が良好で、耐久性に優れていることが分かる。
実施例3
1,3−ジアリルイミダゾリウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔DAI−TFSIと略す〕の合成
イミダゾール 37.0g(0.45mol)を200mlの1,1,1−トリクロロエタンに溶解し、室温で攪拌しながら、3−クロロ−1−プロピレン 68.4g(0.90mol)を100mlの1,1,1−トリクロロエタンに溶解した溶液を1時間かけて滴下後、更に10時間、65℃で撹拌を続けて反応を行った。生成物を分離し、各100mlの1,1,1−トリクロロエタンで2回洗浄後、65℃、0.1mmで2時間乾燥し、淡黄色の固体1,3−ジアリルイミダゾリウム クロライド〔DAI−Cl〕41.4g(50%)を得た。
次にカリウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド(K−TFSI)31.9g(0.1mol)を100mlの水に70℃で溶解し、50℃で攪拌しながら、上で得たDAI−Cl 18.4g(0.1mol)を50mlの水に溶解した溶液を15分で滴下・混合した。50℃で激しく攪拌しながら更に2時間、複分解反応を行った後、生成した油層を分離した。生成物を各50mlの水で2回洗浄した後、60℃、0.1mmHgで2時間乾燥し、1,3−ジアリルイミダゾリウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔DAI−TFSIと略す〕39.4g(収率85%)を得た。
固体電解質の作製
上記固体電解質プリカーサ−塗布液108において、架橋性官能基を持つイオン液体、架橋性官能基を持たないイオン液体を表4に示す化合物に変えた以外は同様の操作で、固体電解質プリカーサ−塗布液201〜206を得た。また実施例1の固体電解質フィルム001、シート型電池001同様の方法で固体電解質フィルム201〜206、シート型電池201〜206を得た。
得られた固体電解質プリカーサ−塗布液201〜206、固体電解質フィルム201〜206、シート電池206〜206について、実施例1と同様の評価を行った。
Figure 2011054519
表4の結果より、本発明の固体電解質は製造適正に優れており、高いイオン伝導度、高強度があることが分かる。また本固体電解質を用いた二次電池はサイクル特性が良好で、耐久性に優れていることが分かる。

Claims (7)

  1. 多孔質無機微粒子と、架橋性官能基を持つイオン液体と、架橋性官能基を持たないイオン液体とを含有した固体電解質のプリカーサーを作製し、次いで該プリカーサーに含まれる該架橋性官能基を持つイオン液体を重合して作製することを特徴とする固体電解質。
  2. 前記固体電解質がポリマーを含有していることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
  3. 前記多孔質無機微粒子の平均細孔径がメソ領域にあることを特徴とする請求項1又は2に記載の固体電解質。
  4. 前記多孔質無機微粒子の比表面積が400〜800m/gであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解質。
  5. 前記多孔質無機微粒子の表面が有機官能基で表面処理されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解質。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体電解質が塗布により形成されることを特徴とする固体電解質の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の固体電解質を用いることを特徴とする二次電池。
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