JP2011070997A - 電解質組成物及び二次電池 - Google Patents

電解質組成物及び二次電池 Download PDF

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武 倉田
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Abstract

【課題】難燃性であり、高いイオン伝導性を示す電解質を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表されるイオン液体および無機微粒子を含む電解質組成物。
Figure 2011070997

[式中、R〜Rは、それぞれ、H原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基又はアルコキシアルキル基のいずれかを示し、それぞれ同一でも異なっていても良い。X及びYは、N原子又はP原子を示し、それぞれ同一でも異なっていても良い。Zは、S原子又はO原子を示す。Aは特定の構造式群を示す。]
【選択図】なし

Description

本発明は、電解質組成物および電池に関し、さらに詳しくは、難燃性であり、導電性に優れた電解質及び電池性能に優れた二次電池に関するものである。
非水二次電池などの電気化学電池に用いられる電解質は、目的に応じたイオンを含み、そのイオンを電極間に輸送する機能(イオン伝導という)を持つ媒体である。例えば、非水二次電池の代表であるリチウム二次電池では、リチウムイオンを電極間に輸送する機能を有する媒体を言う。二次電池においては、一般に、イオン伝導性が高い溶液系の電解質が多く用いられているが、溶液系の電解質は、電池に組み込んだ際の溶媒の揮発性が高いことに由来する枯渇や引火性、及び流動性を有することによる漏れが電池の耐久性を低下させるなどの問題があった。また、溶液を密閉するため、金属容器を用いなければならず、電池質量が重くなり、電池形状にも自由度を持たせることが困難であった。
このような課題を解決すべく中、薄型、高エネルギー密度電解質として電解質にポリマー電解質を用いたシート型二次電池の開発が進められており、それらは、液漏れがなく、形状自由で、大面積で薄型に出来るなど、今までの円筒型、角型にはない特徴を持っている。
ポリマー電解質では、塩をポリエチレンオキシドなどのポリマーに溶解しているが、イオン伝導度は未だ十分ではない。また、イオン液体を電解質に用いることも提案されており、蒸気圧が極めて低く、実質的に揮発せず難燃性であるという特徴を有し、イオン伝導度も比較的高いが、液状であるため液漏れの問題が残されていた。
また、イオン液体に無機微粒子を混合して、液を増粘、あるいはゲル化させる方法が知られているが(例えば、特許文献1、2参照)、イオン伝導度が低く、電解質としてはまだ不十分であった。
一方、特許文献3においてメチリウム型のイオン液体が開示されているが、電解質膜として用いるにはイオン伝導性が不充分であった。
特開2003−257476号公報 特開2006−310071号公報 特開2005−203363号公報
本発明の課題は、難燃性であり、高いイオン伝導性を示し、液漏れの懸念がない新規電解質を提供し、これを含み耐久性に優れた二次電池を提供することにある。
本発明者らは、前記課題に鑑み、鋭意検討した結果、イオン液体、無機微粒子、および電解質塩を含む電解質組成物、およびこれら電解質組成物を用いた二次電池により、前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.一般式(1)で表されるイオン液体および無機微粒子を含むことを特徴とする電解質組成物。
Figure 2011070997
[式中、R〜Rは、それぞれ、H原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基又はアルコキシアルキル基のいずれかを示し、それぞれ同一でも異なっていても良い。X及びYは、N原子又はP原子を示し、それぞれ同一でも異なっていても良い。Zは、S原子又はO原子を示す。
は下記構造式群1のいずれかを示す。
構造式群1
Figure 2011070997
式中Rfはパーフルオロアルキル基を示し、Wはハロゲン原子を示し、aは1〜4の整数を示す。]
2.前記無機微粒子が無機酸化物であることを特徴とする前記1に記載の電解質組成物。
3.前記無機微粒子がメソポーラス無機微粒子であることを特徴とする前記1又は2に記載の電解質組成物。
4.前記無機微粒子が2種以上の金属を含有する無機微粒子であることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の電解質組成物。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の電解質組成物を含有することを特徴とする二次電池。
本発明により、難燃性であり、導電性かつ膜強度に優れた電解質及び電池性能に優れた二次電池を提供することが可能となる。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態等について詳細な説明をする。
以下、本発明の電解質組成物の各構成成分について詳述する。
本発明の電解質中に含まれるイオン液体は、室温溶融塩であり、これら化合物は溶媒をほとんど用いず電解質として使用できることが多く、単独でも電解質として使用できる。
一般式(1)の化合物
Figure 2011070997
[式中、R〜Rは、それぞれ、H原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基又はアルコキシアルキル基のいずれかを示し、それぞれ同一でも異なっていても良い。X及びYは、N原子又はP原子を示し、それぞれ同一でも異なっていても良い。Zは、S原子又はO原子を示す。A(アニオン)は下記構造式群1のいずれかを示す。]
構造式群1
Figure 2011070997
一般式(2)において、Rfはパーフルオロアルキル基を示し、Wはハロゲン原子を示し、aは1〜4の整数を示す。]
一般式(1)のカチオン成分として、好ましくは一般式(1)のR〜Rが、それぞれ、C1〜C5の(炭素数1から5までの)直鎖或いは側鎖を有するアルキル基(R〜Rは互いに同種或いは異種であってもよい)であり、また、一般式(1)のX及びYがN原子で、ZがS原子であることが好ましい。
より好ましくは、一般式(1)のカチオン成分は、R〜Rが、それぞれ、C1〜C5の(炭素数1から5までの)直鎖或いは側鎖を有するアルキル基(R〜Rは互いに同種或いは異種であってもよい)であって、X及びYがN原子で、かつZがS原子である。
そして、更に好ましくは、一般式(1)のR1〜R4がいずれもメチル基であり、R5がエチル基又はプロピル基である。
一般式(1)に示したカチオンはC原子上に陽電荷を置いたメチルカチオン(メチリウム)として表したが、X、Y及びZで示されるヘテロ原子の種類によっては、陽電荷が分子内で非極在化しているものであってもよい。
一般式(2)に示したアニオンにおいて、Rfが示すパーフルオロアルキル基とはアルキル基の水素がフッ素によって置換された基を示す。Rfとしてはパーフルオロメチル基またはパーフルオロエチル基が好ましく、Wの表すハロゲン原子としてはフッ素原子が好ましく、aは1が好ましい。
一般式(2)で示したアニオンの例として好ましくは下記のアニオンが挙げられる。
Figure 2011070997
一般式(1)に示す化合物の特に好ましいアニオンとしては、A 、A またはA が挙げられる。
一般式(1)式に示したイオン液体は、下式に示した二段階の反応により合成することができる。先ず、(3)に示した構造を有する原料をテトラヒドロフラン等の反応溶媒に溶解させ、置換基Qを有する有機化合物RQ[Rは、C1〜C10の直鎖或いは側鎖を有するアルキル基を示し、Qは、ハロゲン原子を示す]を1〜1.5当量滴下し、20〜100℃で18〜36時間攪拌することによりRをZに付加させ、(1)のカチオンを含む塩(4)を生成させる。次に、(4)をジエチルエーテル等で洗浄し、真空乾燥した後、所望のアニオンを有する塩あるいはイオン結合性化合物ABと等量で室温下(場合によっては加熱を要す)に水中あるいは有機溶剤中で攪拌混合し、アニオン交換することにより得ることができる。
Figure 2011070997
式中R〜RはH又はF原子又はC1〜C10のアルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基、アルコキシアルキル基を示す。アルキル基としてはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等の直鎖又は側鎖を有するアルキル基等を挙げることができる。また該アルキル基はハロゲン原子を1個又は複数個有するアルキル基、アルケニル、アルキニル等不飽和結合を有するものも含む。
前記シクロアルキル基としては、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等を挙げることができる。また該シクロアルキル基はハロゲン原子を1個又は複数個有するシクロアルキル基及びシクロアルケニル、シクロアルキニル等不飽和結合を有するものも含む。
また、前記複素環基としては、ピロリジニル、ピロリニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チエニル基等を挙げることができる。また、これらの複素環基にはアルキル基、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、チオール基、アルキルチオ基、ハロゲン原子を一個又は複数個含有していてもよい。
前記アリール基としては、フェニル、クメニル、メシチル、トリル、キシリル基等を挙げることができ、また、これらのアリール基は、アルコキシ基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、チオール基、アルキルチオ基、ハロゲン原子を一個又は複数個含有していてもよい。
アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル、メトキシエチル、エトキシメチル、エトキシエチル等を挙げることができる。
イオン結合性化合物ABとしては、LiN(FSO、NaN(FSO、KN(FSO、LiN(FSO)(CFSO)、NaN(FSO)(CFSO)、K(FSO)(CFSO)、LiA、NaA、KA、LiBF(C)、NaBF(C)、KBF(C)など、Li、Na、Kなどのアルカリ金属イオンをカチオン成分とし、上述の構造式群1をアニオン成分とするものを挙げることができる。なお、Aは前記構造式群1に示したアニオンのうちの1つである。
また、エステルとのアルキル化反応により、(1)式のイオン液体を合成することも可能である。例えば、(3)に示した構造を有する原料と、置換基Vを有するエステルRVとを、反応条件0〜100℃で1〜100時間攪拌混合することにより、RをZに付加させて、(1)を含む粗の塩(5)を生成させる。次に、この粗の塩(5)をジエチルエーテル等で洗浄後、真空乾燥することにより、精製したイオン液体(5)を得ることができる。また更に、所望のアニオンを有する塩あるいはイオン結合性化合物と、この精製塩(5)とを、水中あるいは有機溶剤中で攪拌混合し、アニオン交換することにより、異なるアニオンを有するイオン液体を得ることができる。
Figure 2011070997
なお、上記式中のRVとしては、硫酸ジアルキルエステル、スルホン酸ジアルキルエステル、炭酸ジアルキルエステル、りん酸トリアルキルエステル、モノ−あるいはポリ−フルオロアルキルスルホン酸アルキルエステル、パーフルオロアルキルスルホン酸アルキルエステル、モノ−あるいはポリ−フルオロカルボン酸アルキル、パーフルオロカルボン酸アルキル等を挙げることができる。
本発明のイオン液体の融点は80℃以下であることが好ましく、より好ましくは60℃以下、さらに好ましくは30℃以下であり、更に常温(25℃)付近で液体であることが好ましい。
本発明の好ましいイオン液体のカチオン部とアニオン部の例を以下に示す。本発明の好ましいイオン液体の例としては、下記K1〜K3のカチオン部とA1〜A9のアニオン部を任意に組み合わせたイオン液体が挙げられる。
Figure 2011070997
本発明の電解質組成物は、イオン液体を少なくとも1種含有するが、2種以上併用してもよい。電解質組成物中のイオン液体の配合量は、10〜90質量%とすることが好ましく、特に、30〜80質量%とすることが好ましい。
(無機微粒子)
本発明の無機微粒子としては、電解質に不活性な物質であれば任意のものを用いることが出来る。これらの中でも無機酸化物が好ましく、無機酸化物粒子を構成する金属としては、Li、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Rb、Sr、Y、Nb、Zr、Mo、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Ta、Hf、W、Ir、Tl、Pb、Bi及び希土類金属からなる群より選ばれる。具体的には、例えば、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化インジウム、酸化錫、酸化鉛、等からなる無機酸化物微粒子が挙げられる。また、本発明において用いられる酸化物微粒子として、希土類酸化物を用いることもでき、具体的には、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム等を含有する微粒子が挙げられる。なかでも、中性、もしくは、酸性の金属無機酸化物微粒子が、イオン伝導性の向上の点で効果的である。酸化鉄、酸化ジルコニウム、クレー、酸化スズ、酸化タングステン、酸化チタン、燐酸アルミニウム、酸化ケイ素、酸化亜鉛、酸化アルミニウムなどがこれに相当する。無機酸化物の表面の水酸基は、イオン導電性化合物、または、二次電池の塩と相互作用し、高速でイオンを輸送するイオンパスを形成する。
粉体の形状は球状、平板状や針状の粒子であってもよいが、メソポーラスである粒子が好ましく用いられることができる。
(メソポーラス無機微粒子)
メソポーラス無機粒子とは、ケルビンの毛管凝縮理論が適応できる領域である細孔径2〜50nmの細孔(以下、メソ細孔と略記する)を複数有する多孔体無機粒子である。
細孔径および細孔分布は、水銀圧入法やガス吸着法等により測定することができる。本発明の細孔径は、細孔分布測定装置によりガス吸着法で得た吸脱着等温線の、ヒステリシスパターンを解析することで算出した細孔分布のメディアン径をいう。
メソポーラス無機粒子の組成は、メソ細孔を有するものであれば特に制限はないが、金属酸化物を骨格とし、規則的に配置されたメソ細孔を有するメソポーラス無機粒子が好ましい。金属酸化物としては、SiO2、Al、Nb、Ta、TiO、ZrO、SnOや、これらの複合酸化物が好ましく使用できる。
メソポーラス無機微粒子の製造方法としては、界面活性剤や有機化合物を鋳型とする熱水合成等の、従来より知られた方法を用いることができ、例えば、特開2005−53737号明細書に記載の方法が挙げられる。メソポーラス無機粒子は、メソ細孔の内部または多孔体の表面に溶媒を保持することができる。
本発明のメソポーラス無機粒子としては、特に比表面積が300〜1000m/gのものが、安全性、充放電耐久性の面から好ましい。
本発明のメソポーラス無機粒子の比表面積は、比表面積計を用いて粒子紛体に窒素ガス等を吸着させて得た吸着等温線から、BET等温吸着式を用いてBET比表面積として算出したものをいう。
メソポーラス無機粒子の電池組成物中の含有量としては、安全性、電圧特性の面から、イオン液体に対して5〜40%が好ましい。
また、メソポーラス無機粒子の平均粒径は、安全性、電圧特性の面から、1〜50μmであることが好ましく、さらに5〜20μmであることが、好ましい。
平均粒径は、各粒子を同体積の球に換算した時の直径(球換算粒径)の体積平均値であり、この値は電子顕微鏡写真から評価することができる。すなわち、電池組成物または粒子紛体の透過型電子顕微鏡写真を撮影し、一定の視野範囲にある粒子を200個以上測定して各粒子の球換算粒径を求め、その平均値を求めることにより得られた値である。
さらに、本発明のメソポーラス無機粒子は、イオン液体との均一混合の面から、表面疎水化処理されていることが好ましい。
(2種以上の金属を含有する無機微粒子)
また本発明の無機微粒子は、二種類以上の無機酸化物が均一に混ざっていても、コアシェル型のように内部で分離していてもよい。かかる無機酸化物としては、マグネシウム、珪素、ジルコニウム、チタン等のIIA〜VA族をあげることができ、これらの無機酸化物の二種類以上が組み合わされている。
例えば、イオン伝導性向上効果の高い無機酸化物と、分散剤との相性が良い無機酸化物の複合粒子はイオン導電性向上効果と分散性を合わせ持つことができる。これらの粒子は、複数のアルコキシドやクロライドを用いた火炎法やプラズマ法を用いることができる。
また、アンモニアなどの触媒を用いて液中で造粒することもできる。さらに、これらの無機化合物の表面は、シランカップリング剤や分散剤を用いることで表面処理することが可能である。表面処理程度により、表面を親水性、疎水性に分けることができるが、いずれの場合でも用いることができる。
本発明の複合酸化物粒子は、シリカを含有することが好ましく、シリカの含有量は、10〜90%が好ましく、15〜85%がより好ましい。
本発明に係る無機微粒子は、表面が疎水化処理されているものが好ましい。
疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルシリルクロライドなどを好ましく用いることができる。表面処理方法としては、直接粉体に噴霧して、加熱定着させる乾式法、溶液中に粒子を分散させておき、表面処理剤を添加して表面処理する湿式法とあるが、より均一に粒子が分散する湿式法が望ましい。例を挙げると特許公開2007−264581に記載されているように手法で、湿式で処理した粒子は、高い分散性を持ち好ましく用いることができる。
本発明に係る無機微粒子の含有量は特に限定はないが、イオン液体100質量部に対して、5質量部以上100質量部以下が好ましく、さらに好ましくは、10質量部以上70質量部以下である。
(電解質塩)
本発明の電解質組成物は電解質塩を含有することが好ましい。
電解質塩としては、任意のものを用いることができるが、好ましくは周期律表Ia族またはIIa族に属する金属イオンの塩が用いられる。周期律表Ia族またはIIa族に属する金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムのイオンが好ましい。金属イオンの塩のアニオンとしては、ハロゲン化物イオン(I、Cl、Br等)、SCN、BF 、PF 、ClO 、SbF 、(CFSO、(CFCFSO、Ph、(C、(CFSO、CFCOO、CFSO 、CSO 、前記構造式群1のアニオン等が挙げられる。アニオンとしてはこれらの中でも、SCN、BF 、PF 、ClO 、SbF 、(CFSO、(CFCFSO、(CFSO、CFSO 、前記構造式群1のアニオンがより好ましい。
代表的な電解質塩としては、LiCFSO、LiPF、LiClO、LiI、LiBF、LiCFCO、LiSCN、LiN(SOCF、NaI、NaCFSO、NaClO、NaBF、NaAsF、KCFSO、KSCN、KPF、KClO、KAsF、LiN(SOF)、LiCBF、LiCFBFなどが挙げられる。
更に好ましくは、上記Li塩であり、より好ましくはLiN(SOF)、LiCBF、LiCFBFである。これらは一種または二種以上を混合してもよい。電解質組成物中の電解質塩の配合量は、5〜40質量%とすることが好ましく、特に、10〜30質量%とすることが好ましい。
電解質塩のアニオンが本発明の構造式群1のアニオンと異なる構造の場合、本発明の効果を妨げない為に電解質塩は本発明のイオン液体に対し、等量以下でなくてはならず、50質量%以下であることが好ましく、30質量%以下であることがより好ましい。
(溶媒)
本発明では、上記の電解質構成要素とともに、最大で50質量%まで溶媒を使用することができる。しかし、保存安定性の観点からは、溶媒を用いないほうがより好ましい。
本発明の電解質に使用する溶媒は、粘度が低くイオン易動度を向上したり、または誘電率が高く有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝導性を発現できる化合物であることが望ましい。
このような溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等のエステル類、ジメチルスルフォキシド、スルフォランなど非プロトン極性物質などが挙げられる。
この中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、エステル類が特に好ましい。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
溶媒としては、耐揮発性による耐久性向上の観点から、常圧(1気圧)における沸点が200℃以上のものが好ましく、250℃以上のものがより好ましく、270℃以上のものがさらに好ましい。
(ポリマー、オイルゲル化剤)
本発明の電解質組成物はポリマー、オイルゲル化剤等を添加させて使用することもできる。ポリマーを添加させる場合は、“Polymer Electrolyte Reviews−1および2”(J.R.MacCallumとC.A. Vincentの共編、ELSEVIER APPLIED SCIENCE)・に記載された化合物を使用することができるが、特にポリアクリロニトリル、ポリフッ化ビニリデンが好ましく使用することができる。
ポリフッ化ビニリデンはSolef1013(ソルベイソレクシス社製)、Solef5130(ソルベイソレクシス社製)等が市販されている。
オイルゲル化剤を添加させる場合はJ.Chem.Soc.Japan,Ind.Chem.Sec.,46,779(1943),J.Am.Chem.Soc.,111,5542(1989),J.Chem.Soc.,Chem.Commun.,1993,390,Angew.Chem.Int.Ed.Engl.,35,1949(1996),Chem.Lett.,1996,885,J.Chem.Soc.,Chem. Commun.,1997,545・に記載されている化合物を使用することができるが、好ましい化合物は分子構造中にアミド構造を有する化合物である。
(重合性化合物)
本発明の電解質組成物を電解質膜として用いる際、膜強度を高めるために重合性化合物を含有させてもよい。これは組成物を塗布することにより膜を製造する際の適性と、固体化後の膜強度を両立する上でも効果的である。
重合性化合物としては、重合性基として、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、スチリル基、エポキシ基、オキセタン基等を少なくとも一つ分子内に持つ化合物であり、上記重合性化合物中に2個以上の重合性基を有していると、この化合物の反応により三次元網目構造が形成されるから、より一層電解質の形状保持能力を高めることができ、好適である。
ここで、分子内に重合性基を有する化合物としては、特に限定されるものではなく、例えば、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート、メタクリル酸メトキシジエチレングリコール、メタクリル酸メトキシトリエチレングリコール、メタクリル酸メトキシポリエチレングリコール(平均分子量200〜1200)等のアクリル酸またはメタクリル酸エステル、メタクリロイルイソシアネート、2−ヒドロキシメチルメタクリル酸、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリル酸等の分子中にアクリル酸基またはメタクリル酸基を1つ有する化合物が挙げられる。
また、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルスルホン、メタクリル酸アリール、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸ジエチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、ジメタクリル酸ポリエチレングリコール(平均分子量200〜1000)、ジメタクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジメタクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジメタクリル酸ネオペンチルグリコール、ジメタクリル酸ポリプロピレングリコール(平均分子量400)、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン、2,2−ビス−[4−(メタクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス−[4−(メタクリロキシエトキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス−[4−(メタクリロキシエトキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、ジアクリル酸エチレングリコール、ジアクリル酸ジエチレングリコール、ジアクリル酸トリエチレングリコール、ジアクリル酸ポリエチレングリコール(平均分子量200〜1000)、ジアクリル酸1,3−ブチレングリコール、ジアクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジアクリル酸ネオペンチルグリコール、ジアクリル酸ポリプロピレングリコール(平均分子量400)、2−ヒドロキシ−1,3−ジアクリロキシプロパン、2,2−ビス−[4−(アクリロキシエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス−[4−(アクリロキシエトキシ・ジエトキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス−[4−(アクリロキシエトキシ・ポリエトキシ)フェニル]プロパン、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、トリシクロデカンジメタノールアクリレート、水素添加ジシクロペンタジエンジアクリレート、ポリエステルジアクリレート、ポリエステルジメタクリレート等の分子中に重合性二重結合を2個以上有する化合物が好適に用いられる。
上記重合性二重結合を含有する化合物の中でも特に好ましい重合性モノマーとしては、下記一般式(6)で示されるポリオキシアルキレン成分を含有するジエステル化合物が挙げられ、これと下記一般式(7)で示されるポリオキシアルキレン成分を含有するモノエステル化合物、およびトリエステル化合物を組み合わせて用いることが推奨される。
Figure 2011070997
(一般式(6)中、R〜Rは、水素原子、またはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜6、特に1〜4のアルキル基を示し、200≧X≧1かつ200≧Y≧0の条件を満足するものか、または200≧X≧0かつ200≧Y≧1の条件を満足するものであり、好ましくはR〜Rは、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基である。)
(一般式(7)中、R〜R11は、水素原子、またはメチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基等の炭素数1〜6、特に1〜4のアルキル基を示し、200≧A≧1かつ200≧B≧0の条件を満足するものか、または200≧A≧0かつ200≧B≧1の条件を満足するものであり、好ましくはR〜R11が、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基である。)
上記一般式(6)において、例えば、X=9、Y=0、R=R=CHである(M−1)が好ましく用いられる。一方、上記一般式(7)において、例えばA=9、B=0、R=R11=CHである(M−2)又はA=2、B=0、R=R11=CHである(M−5)が好ましく用いられる。
また、トリエステル化合物としては、トリメチロールプロパントリメタクリレートが好適である。
上記重合性化合物は、上記イオン液体との混合物中で活性光線照射又は/及び熱で重合し、硬化することによりリチウムイオン伝導性硬化被膜を形成することが出来る。取り扱い性や生産性の点からは活性光線照射により重合し、硬化する方が好ましい。
また、硬化を促進するために活性光線照射後、加熱することも好ましい。
活性光線は通常、光、紫外線、電子線、X線等により行われるが、中でも紫外線が好ましく、紫外線照射に際しては、光源として、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ等が用いられる。照射量は特に限定はないが、好ましくは100〜1000mJ/cm、さらに好ましくは200〜700mJ/cmである。
これらの活性光線照射により重合し、硬化させる場合は、光重合開始剤を電解質組成物の重合性成分100質量部に対して、0.3質量部以上、好ましくは0.5〜5質量部を含有させる。
該光重合開始剤としては、特に限定されず、公知の光重合開始剤を用いることができるが、例えば、ベンゾフェノン、P,P′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、P,P′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、P,P′−ビス(ジブチルアミノ)ベンゾフェノン、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチル、ベンジルジフェニルジスルフィド、ベンジルジメチルケタール、ジベンジル、ジアセチル、アントラキノン、ナフトキノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ジクロロアセトフェノン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジクロロ−4−フェノキシアセトフェノン、フェニルグリオキシレート、α−ヒドロキシイソブチルフェノン、ジベンゾスパロン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパノン、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノ−1−プロパノン、トリブロモフェニルスルホン、トリブロモメチルフェニルスルホン、メチルベンゾイルホルメート、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルメタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、更には2,4,6−[トリス(トリクロロメチル)]−1,3,5−トリアジン、2,4−[ビス(トリクロロメチル)]−6−(4′−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−[ビス(トリクロロメチル)]−6−(4′−メトキシナフチル)−1,3,5−トリアジン、2,4−[ビス(トリクロロメチル)]−6−(ピペロニル)−1,3,5−トリアジン、2,4−[ビス(トリクロロメチル)]−6−(4′−メトキシスチリル)−1,3,5−トリアジン等のトリアジン誘導体、アクリジン及び9−フェニルアクリジン等のアクリジン誘導体、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニル−1,2′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−クロロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニル−1,1′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−フルオロフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニル−1,1′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(o−メトキシフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニル−1,1′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(p−メトキシフェニル)−4,5,4′,5′−テトラフェニル−1,1′−ビイミダゾール、2,4,2′,4′−ビス[ビ(p−メトキシフェニル)]−5,5′−ジフェニル−1,1′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5,4′,5′−ジフェニル−1,1′−ビイミダゾール、2,2′−ビス(p−メチルチオフェニル)−4,5,4′,5′−ジフェニル−1,1′−ビイミダゾール、ビス(2,4,5−トリフェニル)−1,1′−ビイミダゾール等や特公昭45−37377号公報に開示される1,2′−、1,4′−、2,4′−で共有結合している互変異性体等のヘキサアリールビイミダゾール誘導体、トリフェニルフォスフィン、そのほかにも2−ベンゾイル−2−ジメチルアミノ−1−[4−モルフォリノフェニル]−ブタン等が挙げられ、特に取り扱いの面で2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルメタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンなどが特に好適である。
また、熱により重合し、硬化させる場合は、熱重合開始剤を電解質組成物の重合性成分100質量部に対して、0.1〜5質量部、特には0.3〜1質量部含有させることが好ましい。
該熱重合開始剤としては、特に限定されないが、例えばアゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、エチルメチルケトンペルオキシド、ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート等が挙げられる。又、光及び熱を併用して重合し、硬化させる場合は、上記の光重合開始剤と上記熱重合開始剤を併用することが好ましい。
(二次電池)
ここでは、本発明の二次電池について説明する。
<正極活物質>
正極活物質は特に限定されないが、具体例としては、二酸化マンガン(MnO)、酸化鉄、酸化銅、酸化ニッケル、リチウムマンガン複合酸化物(例えばLiMn、LiMnOまたはLiMnO)、リチウムニッケル複合酸化物(例えばLiNiO)、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO)、リチウムニッケルコバルト複合酸化物(例えばLiNi1−yCo)、リチウムマンガンコバルト複合酸化物(例えばLiMnCo1−y)、リチウムマンガンニッケル複合酸化物(例えばLiMn2−yNi)、リチウムコバルトマンガンニッケル複合酸化物(例えばLiCoNiMn1−(t+w))、リチウム鉄マンガン複合酸化物(例えばLi1+x(FeMn1−y1−x)、リチウムマンガンチタン複合酸化物(例えばLiMnTi1−y)、リチウム鉄マンガンチタン複合酸化物(例えばLi1+x(FeMnTi1−(z+w)1−x)、リチウムリン酸化物(LiFePO、LiFe1−yMnPO、LiMnPO、LiCoPO、LiFePOF、LiMnPOFなど)、リチウムケイ酸化物(LiFeSiO)、リチウムケイ酸リン酸複合酸化物(例えばLi2−xFeSi1−x、Li2−xMnSi1−x)、硫酸鉄(Fe(SO)、リチウム硫化鉄(LiFeS)、バナジウム酸化物(例えばV)、フッ化鉄(FeF)、リチウムフッ化鉄(LiFeF)、リチウムフッ化チタン(LiTiF)などから選択される少なくとも一種が挙げられる。なお、これらの化学式中、x,y、z+wは0より大きく、1より小さい範囲であることが好ましい。)
<負極活物質>
負極については、特に制限は無く、集電体に負極活物質を密着させたものが利用できる。黒鉛系やスズ合金系などの粉末を、スチレンブタジエンゴムやポリフッ化ビニリデンなどの結着材とともにペースト状として、集電体上に塗布して、乾燥後、プレス成形して作製したものが利用できる。物理蒸着(スパッタリング法や真空蒸着法など)によって3〜5ミクロンのシリコン系薄膜を、集電体上に直接形成したシリコン系薄膜負極なども利用できる。リチウム金属負極の場合は、銅箔上に10〜30ミクロンのリチウム箔を付着させたものが好適である。高容量化の観点からは、シリコン系薄膜負極やリチウム金属負極からなるものであることが好ましい。
<電極合剤>
本発明に用いる電極合剤としては、導電剤、結着剤やフィラーなどの他に、リチウム塩、非プロトン性有機溶媒等が添加されたものが挙げられる。
前記導電剤は、構成された二次電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何を用いてもよい。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−148,554号に記載)等)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20,971号に記載)などの導電性材料を1種またはこれらの混合物として含ませることができる。その中でも、黒鉛とアセチレンブラックの併用がとくに好ましい。前記導電剤の添加量としては、1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。カーボンや黒鉛の場合は、2〜15質量%が特に好ましい。
本発明では電極合剤を保持するための結着剤を用いる。このような結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂およびゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられ、その中でも、例えば、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンが好ましく、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデンが、より好ましい。
前記結着剤は、一種単独または二種以上を混合して用いることができる。結着剤の添加量が少ないと、電極合剤の保持力・凝集力が弱くなる。多すぎると電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位質量あたりの容量が減少する。このような理由で結着剤の添加量は1〜30質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
前記フィラーは、本発明の二次電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30質量%が好ましい。
<セパレーター>
本発明の電解質組成物は、セパレーターを併用して使用することも可能である。安全性確保のため併用されるセパレーターは、80℃以上で隙間を閉塞して抵抗を上げ、電流を遮断する機能を持つことが必要であり、閉塞温度が90℃以上、180℃以下であることが好ましい。
前記セパレーターの孔の形状は、通常は円形や楕円形で、大きさは0.05〜30μmであり、0.1〜20μmが好ましい。さらに延伸法、相分離法で作った場合のように、棒状や不定形の孔であってもよい。これらの隙間の占める比率すなわち気孔率は、20〜90%であり、35〜80%が好ましい。
前記セパレーターは、ポリエチレン、ポリプロピレンなどの単一の材料を用いたものでも、2種以上の複合化材料を用いたものであってもよい。孔径、気孔率や孔の閉塞温度などを変えた2種以上の微多孔フィルムを積層したものが好ましい。
<集電体>
正・負極の集電体としては、本発明の非水二次電池において化学変化を起こさない電子伝導体が用いられる。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。
負極の集電体としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、銅あるいは銅合金がより好ましい。
前記集電体の形状としては、通常フィルムシート状のものが使用されるが、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。前記集電体の厚みとしては、特に限定されないが、1〜500μmが好ましい。また、集電体表面は、表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
<非水電解質二次電池の作製>
ここでは、本発明の非水電解質二次電池の作製について説明する。本発明の非水二次電池の形状としては、シート、角、シリンダーなどいずれの形にも適用できる。正極活物質や負極活物質の合剤は、集電体の上に、塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
前記合剤の塗布方法としては、例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法およびスクイーズ法等が好適に挙げられる。その中でも、ブレード法、ナイフ法およびエクストルージョン法が好ましい。また、塗布は、0.1〜100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、合剤の溶液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布は、片面ずつ逐時でも、両面同時に行ってもよい。
さらに、前記塗布は、連続でも間欠でもストライプでもよい。その塗布層の厚み、長さおよび巾は、電池の形状や大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みは、ドライ後の圧縮された状態で、1〜2000μmが好ましい。
前記電極シート塗布物の乾燥および脱水方法としては、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線および低湿風を、単独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥温度は80〜350℃が好ましく、100〜250℃がより好ましい。含水量としては、電池全体で2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解質では、それぞれ500ppm以下にすることが好ましい。シートのプレス法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特にカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は特に限定されないが、0.2〜3t/cmが好ましい。前記カレンダープレス法のプレス速度としては、0.1〜50m/分が好ましく、プレス温度は室温〜200℃が好ましい。正極シートに対する負極シート幅の比としては、0.9〜1.1が好ましく、0.95〜1.0が特に好ましい。正極活物質と負極活物質との含有量比は、化合物種類や合剤処方により異なる。
本発明の二次電池の形態は、特に限定されないが、コイン、シート、円筒等、種々の電池セルに封入することが出来る。
本発明の二次電池の用途は、特に限定されないが、例えば、電子機器としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって、何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
(1)無機微粒子の作成
(Mg−Si粒子の作製)
ホソカワミクロン(株)製のナノクリエータを用い、原料気体流としてポリジメチルシロキサンとマグネシウム化合物をMgOが表1記載の質量比になるように調製した溶液と、酸素ガスとを高温雰囲気の反応空間に流入して反応させることにより、白色微粉末状の無機微粒子1、2を形成した。得られた粒子のTEM観察による粒径測定結果、およびIR測定によるシリカ由来の吸収ピークの有無、粒子断面のTEM/EDXによる組成分析結果、XRD測定による結晶構造解析結果を表1に示す。得られた粒子を表1に示す。この結果、無機微粒子1は、非晶質シリカ中に珪酸マグネシウム結晶が均一に分散した粒子であった。無機微粒子2は、非晶質シリカの存在が確認できず、酸化マグネシウム結晶と珪酸マグネシウム結晶が均一に混合した粒子であった。
Figure 2011070997
(メソポーラスシリカ粒子の作成)
臭化セチルトリメチルアンモニウム3.645gを純水100mlに溶解し、その中に1N塩酸4.41mlを入れた。
次いで、この溶液を室温で撹拌している中に、テトラエトキシシラン(TEOS)11gを純水44mlに溶解した溶液を5minで添加した。
その後、高圧水銀灯ランプ(100W)を照射しながら、撹拌を24時間行った。
得られた沈殿を濾過した後、イオン交換水で十分に洗浄し、減圧下に100℃で12時間乾燥して、3.2gの複合体を得た。
得られた複合体を空気中で500℃にて8時間焼成した後、200℃にしてヘキサメチルジシラザンを0.5g添加して2時間表面処理を行い、メソ細孔を有するメソポーラス無機粒子MP−1を2g得た。
メソポーラス無機粒子MP−1の細孔径は4nmであり、比表面積は800m/g、平均粒径は7μmであった。
尚、細孔径及び比表面積は、日本ベル(株)製の自動比表面積/細孔分布測定装置BELSORP−miniIIを用いて測定した。
平均粒径は、走査型電子顕微鏡により200個以上の粒子を測定し、各粒子の球換算粒径の平均値を求めることにより得た。
同様にして、臭化セチルトリメチルアンモニウムの量とTEOSの量を変化して、細孔径、比表面積、平均粒径が異なるメソポーラス無機粒子MP−2〜MP−4を作製した。
各メソポーラス無機粒子の細孔径、比表面積、平均粒径を下記表2に示す。
Figure 2011070997
(2)電解質組成物の調製
(i) 電解質組成物(1)の調製
表3に示した通り、イオン液体(K3−A3)3.2g、下記電解質塩(L−1)0.29g、をドライボックス中で混練して電解質組成物(1)を調製した。
なお、前記イオン液体は表3においても、カチオン部とアニオン部の組み合わせで指定表示されており、例えば、K3−A3はカチオン部K3とアニオン部A3の組み合わせにより構成されるイオン液体を表す。
電解質塩L−1及びL−2を以下に示す。
Figure 2011070997
Figure 2011070997
(ii) 電解質組成物(2)〜(18)の調製
表3に示した通り、イオン液体3.2g、電解質塩0.29g、無機微粒子0.96gをドライボックス中で混練した他は前記電解質組成物(1)と同様に、電解質組成物(2)〜(18)を調製した。比較例の電解質組成物(2)及び(3)で使用したイオン液体IL−1、IL−2の構造を下記に示す。
Figure 2011070997
電解質組成物(2)〜(18)の内の幾つかでは、無機微粒子は無機微粒子1、無機微粒子2及びメソポーラスシリカ粒子に代わって、下記のシリカ粒子を用いた。
RX300(シリカ粒子、平均粒子径:約7nm、日本アエロゾル製)
RX972(シリカ粒子、平均粒子径:約16nm、日本アエロゾル製)
(iii)電解質組成物(19)〜(22)の調製
表3に示した通り、イオン液体3.2g、電解質塩0.29g、無機微粒子0.96g、表3に記載のモノマー0.16gおよび重合開始剤AIBN4.8mgをドライボックス中で混練して電解質組成物(19)〜(22)を調製した。
なお、モノマーM−3はメトキシポリエチレングリコールモノアクリレートであり、モノマーM−4はポリエチレングリコールジアクリレートである。
(iv)電解質組成物(23)〜(27)の調製
表3に示した通り、イオン液体3.2g、電解質塩0.29g、無機微粒子0.96g、表3に記載のモノマー0.16gおよび重合開始剤イルガキュア184(チバ・ジャパン(株)製)4.8mgをドライボックス中で混練して電解質組成物(23)〜(27)を調製した。
(v)電解質組成物(28)〜(32)の調製
表3に示した通り、イオン液体3.2g、電解質塩0.29g、無機微粒子0.96g、をドライボックス中で混練し、PVdF(PVdFの種類は表3に示す)の実質の含量が5.0gとなるように10%PVdF/NMP溶液を加え攪拌し電解質組成物(28)〜(32)を調製した。
(vi)電解質組成物(33)の調製
表3に示した通り、イオン液体3.2g、電解質塩0.29g、無機微粒子0.96g、をドライボックス中で混練し、PVdF(PVdFの種類は表3に示す)の実質の含量が2.0gとなるように10%PVdF/NMP溶液を加え攪拌し電解質組成物(33)を調製した。
(3)イオン伝導度の測定
上記により作製した電解質組成物について、ドライボックス中で2枚の白金電極に挟み、複素インピーダンス測定法によりイオン伝導度を測定した。なお、白金電極間の実質的な電解質組成物の厚みは全て50μm程度になるように調整した。電解質組成物(1)〜(18)は白金電極上に塗布した膜をもう1つの白金電極で挟み、そのまま測定した。電解質組成物(19)〜(22)は、同様に塗布した膜を白金電極に挟んだまま80℃3時間加熱した後に測定した。電解質組成物(23)〜(27)は同様に塗布した膜を高圧水銀灯にて照射量500mJ/cmで照射し、塗膜の照射面に白金電極を密着させて挟んだ後に測定した。電解質組成物(28)〜(33)は白金電極に300μm程度の膜厚(乾燥前)になるように塗布後100℃で5分乾燥したものを白金電極で挟んだ後に、イオン伝導度を測定した。結果を表4に示す。
(4)膜強度の測定
電解質組成物(2)〜(18)をガラス板に300μm程度の膜厚になるように塗布した膜を100℃で2分乾燥し得られた膜、および前記イオン伝導度の測定で用いたものと同様の組成の電解質組成物(19)〜(33)を前記イオン伝導度の測定に記載された方法と同様の手法で固体化し得られた膜に対し、以下のような強度評価試験を行った。
膜に対し垂直になるように硬度Bの鉛筆を一定の力で押し当て、目視で傷がついているかどうかを判断する試験を5回行い、以下の基準で膜強度を評価した。
◎:5回とも傷つかなかったもの
○:5回のうち1回だけわずかに傷ついたもの
△:5回のうち1回だけ明らかに傷ついたもの、あるいは5回のうち2回だけわずかに傷ついたもの
×:5回のうち2回以上明らかに傷ついたもの、あるいは5回のうち3回以上わずかに傷ついたもの
とした場合の結果を表4に示す。
なお、無機微粒子を含まない電解質組成物(1)は極端に強度が低く膜強度が測定できなかった。
(5)燃焼性試験
膜強度の測定に用いた上記の電解質組成物(2)〜(33)を載せたガラス板をガラスの面が炎に向き合うように、ガスバーナーの炎の先端から10cm上部に設置し、10秒間で電解質が揮発して着火するかどうかで燃焼性を確認した。
電解質組成物(2)〜(33)はいずれも着火することはなかった。
それに対し、追加の比較例として、一般的に用いられている下記ポリマーゲル電解質で同様の試験を行ったところ5秒以下で着火した。
この結果から本発明の電解質が難燃性であることが確認された。
(比較例のポリマーゲル電解質)
当業界で一般的な構成であるリチウムポリマー電池用のゲル電解質を燃焼性試験の比較として用いた。
プレゲル溶液(硬化前の電解質溶液)は、以下の化合物を以下の割合で混合して作製した。
エチレンカーボネート(EC) 15質量%
ジエチルカーボネート(DEC) 29質量%
1−メチル−1−プロピルピペリジニウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド 44質量%
LiPF 12質量%
ビニレンカーボネート(VC) 0.5質量%
トリエチレングリコールジアクリレート 3.8質量%
トリメチロールプロパントリアクリレート 1質量%。
上記化合物をグローブボックス中でよく混合した後に、重合開始剤として、t−ブチルパーオキシピバレートを0.5質量%混合することでプレゲル溶液を作製した。
次に、膜強度の測定に用いた上記の電解質組成物(2)〜(33)と同様に、プレゲル溶液をガラス板に塗布し、80℃2時間加熱することにより重合を行うことで、ポリマーゲル電解質の燃焼性試験の試料を得た。
Figure 2011070997
表4より、無機微粒子を含有していない(1)、並びに本発明外のイオン液体を用いた(2)、(3)、(32)及び(33)に比較して本発明の電解質組成物は強度が大きく、液漏れしにくいことが分かる。強度的に非常に劣る電解質組成物(1)を除いた(2)〜(33)で比較すると、本発明のイオン液体を含有する電解質組成物は、従来のイオン液体を含有する電解質組成物に対して、イオン伝導度が高いことが分かる。また、無機微粒子としてメソポーラスシリカを用いた電解質組成物及び2種以上の金属を含有する無機微粒子を用いた電解質組成物は従来の無機微粒子を用いた電解質組成物に対してイオン伝導度が高いことが分かる。
(6)2次電池の作製(1)
(正極シートの作成)
正極活物質として、LiCoOを43質量部、鱗片状黒鉛2質量部、アセチレンブラック2質量部、さらに結着剤としてポリアクリロニトリル3質量部を加え、アクリロニトリル100質量部を媒体として混練して得られたスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔にエクストルージョン式塗布機を使って塗設し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形した後、端部にアルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ95μm、幅54mm×長さ49mmの正極シートを作成、露点−40℃以下の乾燥空気中、230℃で30分脱水乾燥した。
(シート電池の作成)
ドライボックス中で、幅54mm×長さ49mmの脱水乾燥済み正極シート、幅60mm×長さ60mmに裁断した厚さ30μmの東燃タピルス(株)性不織布TAPYRUS P22FW−OCSを重ね合わせ、電解質組成物(1)を不織布の上から正極に染み込ませた後、リード版を溶接した幅55mm×長さ50mmの負極シート(リチウム張り合わせ銅箔(リチウム膜厚30μm、銅箔の膜厚20μm))を積層し、減圧下にて80℃で3時間加熱した。その後、ポリエチレン(50μm)−ポリエチレンテレフタレート(50μm)のラミネートフイルムよりなる外装材を使用し4縁を真空下で熱融着して密閉し、シート型電池(D−1)を作成した。
シート型電池(D−2)〜(D−33)は不織布を用いず、正極シート上に電解質組成物の実質的な厚みが30μmとなるように塗布し、以下のように作製された。
電解質組成物(2)〜(18)を正極シート上に塗布した後、前記負極シートを積層し、(D−1)と同様に減圧・加熱し、ラミネートしてシート型電池(D−2〜D−18)を作製した。
電解質組成物(19)〜(22)は正極シート上に塗布した後、負極シートを積層したまま80℃3時間加熱した後に、(D−1)と同様に減圧・加熱し、ラミネートしてシート型電池(D−19〜D−22)を作製した。
電解質組成物(23)〜(27)は塗膜を高圧水銀灯にて照射量500mJ/cmで照射し負極シートを積層した後に、(D−1)と同様に減圧・加熱し、ラミネートしてシート型電池(D−23〜D−27)を作製した。
電解質組成物(28)〜(33)は正極シート上に300μm程度の膜厚(乾燥前)になるように塗布後100℃で5分乾燥し、負極シートを積層した後に、(D−1)と同様に減圧・加熱し、ラミネートしてシート型電池(D−28〜D−33)を作製した。
(7)電池性能の評価
上記の方法で作成したシート型電池について、0.2C、充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.6V、の条件で充放電を10回繰り返し、10サイクル目における放電容量を求めた。これを同一処方の10個の電池について調べ、その平均をその電池の容量とした。このようにして各々の電池の容量を求め、電池D−1の容量を1とした時の、電池D−2〜D−27の相対容量を求めた。また、それぞれの電池の0.5C(充電終止電圧4.2V、放電終止電圧2.6V)、200サイクル目の放電容量を求め、10サイクル目の放電容量に対する比を計算しサイクル容量として表わした。それぞれの値を表5に示した。
Figure 2011070997
表5より、本発明に係る電解質組成を有するシート型電池D−4〜D−31は200回充放電サイクルを繰り返しても、放電量の低下が少ないことがわかる。

Claims (5)

  1. 一般式(1)で表されるイオン液体および無機微粒子を含むことを特徴とする電解質組成物。
    Figure 2011070997
    [式中、R〜Rは、それぞれ、H原子、ハロゲン原子、炭素数1〜10のアルキル基、シクロアルキル基、複素環基、アリール基又はアルコキシアルキル基のいずれかを示し、それぞれ同一でも異なっていても良い。X及びYは、N原子又はP原子を示し、それぞれ同一でも異なっていても良い。Zは、S原子又はO原子を示す。
    は下記構造式群1のいずれかを示す。
    構造式群1
    Figure 2011070997
    式中Rfはパーフルオロアルキル基を示し、Wはハロゲン原子を示し、aは1〜4の整数を示す。]
  2. 前記無機微粒子が無機酸化物であることを特徴とする請求項1に記載の電解質組成物。
  3. 前記無機微粒子がメソポーラス無機微粒子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の電解質組成物。
  4. 前記無機微粒子が2種以上の金属を含有する無機微粒子であることを特徴とする1〜3のいずれか1項に記載の電解質組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解質組成物を含有することを特徴とする二次電池。
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