JP2011113906A - 固体電解質とその製造方法及びそれを用いた二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械強度が高く、かつイオン伝導度の高い固体電解質を提供すること、さらには該固体電解質をリチウムイオン二次電池に適応することにより、サイクル特性が向上し耐久性が向上したリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】イオン液体(A)、架橋性官能基を表面に有する無機酸化物粒子(B)を含有し、前記架橋性基を重合することにより得られる固体電解質。
【選択図】なし

Description

本発明は固体電解質とその製造方法及びそれを用いた二次電池であり、さらに詳しくはイオン伝導性が高く、高強度な固体電解質であり、その固体電解質を適用したサイクル特性の優れた二次電池に関するものである。
近年、ノートパソコン、携帯電話、PDAなどの携帯端末が普及している。それらの駆動電源としてリチウムイオン二次電池が用いられているが、現在のリチウムイオン二次電池は可燃性の有機電解液を用いており、液漏れ、引火性等の安全性の面で問題が残る。
上記の課題を解決するため、特許文献1には難燃性のイオン液体及び無機微粒子を含有する電解質及び該電解質を用いたリチウムイオン二次電池が提案されており、特許文献2にはイオン液体、無機微粒子及び高分子を含有する電解質及び該電解質を用いたリチウムイオン二次電池が提案されている。
特開2003−157719号公報 特開2003−257476号公報
そこで本発明の課題は上記問題に鑑み、機械強度が高く、かつイオン伝導度の高い固体電解質を提供することにある。さらに、良好なサイクル特性及び耐久性を有したリチウムイオン二次電池を提供することにある。
上記のイオン液体及び無機微粒子を含有する電解質は、液状であるため依然として液漏れを起こす恐れがある。また、この電解質を二次電池として用いた場合には、電極の接触を防ぐセパレータが必須であり、工数もかかるという問題がある。また、該二次電池は十分なサイクル特性も得られないという問題がある。
また、イオン液体、無機微粒子及び高分子を含有する電解質は、電解質としての強度は向上するものの、電解質中でポリマードメインを形成してイオン移動の障害になるため、十分なイオン伝導度が得られないと言う課題がある。この電解質を二次電池として用いた場合には、高速の充放電が出来ず、十分なサイクル特性も得られないという問題がある。
誠意検討の結果、本願発明者らは特許文献1,2の二次電池のイオン電導度及びサイクル特性が良好でないことの原因のひとつが、電解質中の無機微粒子が固定化されておらず、流動するためであることを見出した。そこで本願発明者らはイオン液体と、表面に架橋性官能基を有する無機酸化物粒子とを混合し、架橋性官能基を重合することで得られる固体電解質は、無機酸化物粒子が固体電解質内で固定化されることにより、イオン伝導度及び強度が向上することを見出した。
また、該固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池は、充放電時や高温時の活物質の収縮変化に、固体電解質が耐える強度を有しており、サイクル特性についての課題も解決できることが分かった。
すなわち、上記課題は下記の本発明の構成により達成される。
1.イオン液体(A)、架橋性官能基を表面に有する無機酸化物粒子(B)を含有し、前記架橋性官能基を重合することにより得られることを特徴とする固体電解質。
2.前記架橋性官能基を表面に有する無機酸化物粒子が、酸性または中性の微粒子であることを特徴とする前記1に記載の固体電解質。
3.前記架橋性官能基を表面に有する無機酸化物粒子は、無機酸化物粒子100質量%に対して10質量%以上、60質量%以下の架橋性官能基を有していることを特徴とする前記1または2に記載の固体電解質。
4.前記架橋性官能基を表面に有する無機酸化物粒子がシリカ粒子であることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の固体電解質。
5.前記架橋性官能基がビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、エポキシ基、オキセタン基、イソシアネート基、水酸基、カルボキシル基から選ばれる1つであることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の固体電解質。
6.前記架橋性官能基がビニル基であることを特徴とする前記5に記載の固体電解質。
7.前記1〜6のいずれか1項に記載の固体電解質を形成する固体電解質の製造方法であって、少なくともイオン液体(A)および架橋性官能基を表面に有する無機酸化物粒子(B)を含有する固体電解質前駆体溶液を塗布することにより形成されることを特徴とする固体電解質の製造方法。
8.前記1〜7のいずれか1項に記載の固体電解質を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
9.正極活物質がLiFePOを有していることを特徴とする前記8に記載のリチウムイオン二次電池。
本発明の固体電解質において、高いイオン伝導度を有し、高強度で、またリチウムイオン二次電池に利用した場合サイクル特性に優れる。またその効果は、正極活物質にLiFePOを用いた場合に顕著である。
(イオン液体)
本発明におけるイオン液体とは、アンモニウムイオン、ホスホニウムイオン、ヨードニウムイオンから選ばれるオニウムカチオンとアニオンとで形成される化合物であり、0℃以上、200℃以下の環境下で液体状態を呈する物が用いられる。
オニウムカチオンとしてはアンモニウムイオンが好適であり脂肪族、脂環族、芳香族、複素環の4級アンモニウムカチオンから選ばれ、代表的にはイミダゾリウムイオン、ピリジニウムイオン、ピペリジニウムイオン、チアゾリウムイオン、ピロリウムイオン、ピラゾリウムイオン、ベンズイミダゾリウムイオン、インドリウムイオン、カルバゾリウムイオン、キノリニウムイオン、ピロリジニウムイオン、ピペラジニウムイオン、アルキルアンモニウムイオン等が挙げられ、これらのカチオンは置換基を有していても良い。
本発明で好ましいカチオン群としては、例えば、1−ethyl−3−methyl−imidazolium(EMI)、N,N−diethyl−N−methyl−N−(2−methoxyethyl)ammonium(DEME)、N−Methyl−N−propyl pyrrolidinium(P13)、N−Methyl−N−propylpiperidinium(PP13)、N−ethyl−N−buthyl pyrrolidinium(P24)等を単独、もしくは混合して用いてもよく、電池作動電圧範囲内で安定な構造を有するのであれば、特に構造を限定するものではない。またアニオン部はフッ素原子を含有するアニオンが好ましく、代表的なアニオンとしてはイミドアニオン、ボレートアニオン、ホスフェートアニオンが挙げられる。
本発明で好ましいアニオン群としては、例えばbis(fluorosulfonyl)imide(FSI)、(fluorosulfonyl)(trifluoromethylsulfonyl)imide(FTI)、bis(trifluoromethylsulfonyl)imide(TFSI)、bis(pentafluoroethylsufonyl)amide(BETI)、tetrafluoroborate(BF)、trifluoromethyltrifluoroborate(CFBF)、pentafluoroethyltrifluoroborate(CFCFBF)、hexafluorophospate(PF)等を単独、もしくは混合して用いてもよく、電池作動電圧範囲内で安定な構造を有するのであれば、特に構造を限定するものではない。
本発明のイオン液体の代表的な例は、上記カチオン群、アニオン群の組み合わせであり、任意の混合率で使用できる。
本発明のイオン液体の含有量は特に限定はないが、全固体電解質中の2質量%以上80質量%以下が好ましく、更に好ましくは3質量%以上40質量%以下である。
(架橋性官能基を有する無機酸化物粒子)
本発明においては無機酸化物粒子表面に架橋性官能基を有することを特徴とする。無機酸化物粒子の組成は、公知の材質からなる物を用いることが出来る。具体的にはシリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、ゼオライト、酸化チタン(TiO)、窒化アルミ(AlN)、炭化ケイ素(SiC)、窒化ケイ素(Si)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸カルシウム(CaTiO)、ホウ酸アルミニウム、ボロンナイト、酸化鉄、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化鉛、酸化スズ、酸化セリウム、酸化カルシウム、四酸化三マンガン、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化アンチモン、リン酸アルミニウム、セリウムジルコネイト、カルシウムシリケート、ジルコニウムシリケート、ITO、チタンシリケート、FSM16、MCM41、モンモリロナイト、サポナイト、バーミキュライト、ハイドロタルサイト、カオリナイト、カネマイト、アイラライト、マガディアイト、ケニアイトであり、これらの複合酸化物も好ましく使用できる。特に中性〜酸性の無機酸化物粒子がイオン伝導度向上の点で効果的であり、このような微粒子としては、酸化鉄、酸化ジルコニウム、モンロリロナイト、サポナイト、バーミキュライト、ハイドロタルサイト、カオリナイト、カネマイト、酸化スズ、酸化タングステン、酸化チタン、リン酸アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛、アルミナなどがこれに相当し、本発明において特に適しているのはシリカ粒子である。シリカ粒子は、工業上も安価で容易に入手できること、表面に反応活性なシラノールを有するため架橋性官能基を表面に修飾することが比較的容易であるためである。
本発明における無機酸化物粒子は多孔性を持つことも出来る。多孔性無機酸化物粒子とは粒子表面、内部に無数の微細な穴があいている酸化物粒子であり、その比表面積は好ましくは500〜1000m/gである。比表面積が500m/gより大きいと固体電解質のイオン伝導度が向上する傾向にあり、また1000m/gより小さいと固体電解質の強度が向上する傾向にある。比表面積は従来ある水銀圧入法やガス吸着法(BET法)により測定することが出来、本発明においてはBET法を好適に利用することが出来る。BET法とは粒子表面に吸着占有面積の分かった分子(例えばN)を液体窒素の温度で吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法である。また多孔性のもう一つの指標となる細孔径としては、メソ領域に細孔径を有することが好ましい。メソ領域とはケルビンの毛管凝縮理論が適応できる平均径が2〜50nmの領域である。2nmより大きいと固体電解質のイオン伝導度が向上する傾向であり、50nmより小さいと固体電解質の強度が向上する傾向にある。細孔径は細孔径分布測定装置によりガス吸着法で得た吸脱着等温線のヒステリシスパターンを解析することで算出した細孔分布のメディアン径で知ることも出来るし、透過型電子顕微鏡(TEM)での観察により知ることも出来る。
無機酸化物粒子としては、例えば特開平7−133105号公報に記載されているように、多孔性の無機酸化物微粒子の表面をシリカ等で被覆した、低屈折率のナノメーターサイズの複合酸化物微粒子、また特開2001−233611号公報に記載されているように、シリカとシリカ以外の無機酸化物からなり、内部に空洞を有する低屈折率のナノメーターサイズのシリカ系微粒子等も適している。
本発明の無機酸化物粒子の平均粒径は1nm〜20μmであることが好ましい。平均粒径が1nmより大きいと固体電解質の強度が向上する傾向にあり、平均粒径が20μmより小さいと、イオン伝導度が向上する傾向にある。
平均粒径は、各粒子を同体積の球に換算した時の直径(球換算粒径)の体積平均値であり、この値は電子顕微鏡観察により求めることが出来る。すなわち固体電解質組成物、または多孔質無機酸化物粒子の電子顕微鏡観察から、一定の視野内にある多孔質無機酸化物粒子を200個以上測定し、各粒子の球換算粒径を求め、その平均値を求めることにより得られた値である。
本発明の特徴は、前記無機酸化物粒子の表面に架橋性官能基を有することである。ここで架橋性官能基とは、ビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基などの炭素−炭素不飽和基、エポキシ基、オキセタン基などの環状アルコキシド基やイソシアネート基、水酸基、カルボキシル基などであり、本発明において特に好ましいのはビニル基である。
無機酸化物粒子の表面に架橋性官能基を付与する手段としては、前記架橋性官能基を持つシラン化合物を、無機酸化物粒子表面に反応させる方法が好ましく用いられる。架橋性官能基を有するシラン化合物とは、1〜3官能のアルコキシシラン、クロロシランに架橋性官能基を有する化合物、または、ジシラザン化合物に架橋性官能基を有する化合物等である。無機酸化物粒子が有している架橋性官能基は、少ないと固体電解質の強度が減少する傾向にあり、多いとイオン電導度が減少する傾向にある。そのため無機酸化物粒子100質量%に対して10質量%〜60質量%の架橋性官能基を有していることが好ましく、15質量%〜40質量%有していることがより好ましい。無機酸化物粒子が有している架橋性官能基の量は、表面処理前の無機酸化物粒子の質量と表面処理後の無機酸化物粒子の質量の差を計算することにより求めることができる。以下、表面処理により30質量%増えた無機酸化物粒子を、30%表面処理した無機酸化物粒子と表現する。
無機酸化物粒子の表面処理の方法としては、これら架橋性官能基を有するシラン化合物を無機酸化物粒子に直接粉体に噴霧して加熱定着させる乾式法と、溶液中に粒子を分散させておき、表面処理剤を添加して表面処理する湿式法とあるが、より均一に粒子が分散することが可能な点で湿式法が好ましい。例を挙げると特開2007−264581号公報に記載されているような手法で、湿式で処理した粒子は高い分散性を持つため本発明には好適である。また上記乾式、湿式いずれにおいても、事前に無機酸化物微粒子を熱水処理することで、シランカップリング反応を促進することも出来る。
本発明の架橋性官能基を有する無機酸化物粒子の含有量は特に限定はないが、固体電解質全体に対して2質量%以上80質量%が好ましく、更に好ましくは3質量%以上40%量部以下であり、上記架橋性官能基で表面処理されていない無機酸化物粒子と併用しても良い。
(ポリマー)
本発明においては、イオン伝導度の著しい低下を招かない程度でポリマーを添加することが出来る。ポリマーは、耐酸化性、耐還元性、耐溶剤性、低吸水性、難燃性などの電気化学的、化学的安定性や、耐熱性、耐寒性などの温度特性、さらに力学特性(強伸度、柔軟性)に優れ、かつ加工性に優れたポリマーであれば特に限定はない。例えばポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系ポリマー、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレンなどのビニル系ポリマー、ポリスルフォン、ポリエーテルスルフォンなどのポリスルフォン系ポリマー、ポリエーテルケトンなどのポリエーテルケトン系ポリマー、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドなどのポリイミド系ポリマー(いずれも共重合ポリマーを含む)を挙げることが出来る。
本発明において好ましいポリマーはフッ素系ポリマーであり、特に好ましいのはポリフッ化ビニリデン及びその共重合ポリマー、その変性ポリマーである。その分子量は重量平均分子量として2000〜2000000、好ましくは10000〜1500000である。
固体電解質中のポリマーの配合量は、固体電解質全体に対して1〜80質量%とすることが好ましく、2〜40質量%とすることがより好ましい。
(支持電解質塩)
本発明において、イオン伝導度向上の観点から、支持電解質塩を使用することができる。支持電解質塩としては、任意のものを用いることができるが、好ましくは周期律表Ia族またはIIa族に属する金属イオンの塩が用いられる。周期律表Ia族またはIIa族に属する金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムのイオンが好ましい。金属イオンの塩のアニオンとしては、ハロゲン化物イオン(I、Cl、Br等)、SCN、BF 、PF 、ClO 、SbF 、(CFSO、(FSO、(CFSO)(FSO)N、(CFCFSO、Ph、(C、(CFSO、CFCOO、CFSO 、CSO 等が挙げられる。その中でもBF 、PF 、(CFSO、(FSO、(CFSO)(FSO)N、(CFCFSO、(CFSO、CFSO がより好ましい。
代表的な支持電解質塩としては、LiCFSO、LiPF、LiClO、LiI、LiBF、LiCFCO、LiSCN、LiN(CFSO、Li(FSO、Li(CFSO)(FSO)N、NaI、NaCFSO、NaClO、NaBF、NaAsF、KCFSO、KSCN、KPF、KClO、KAsFなどが挙げられる。更に好ましくは、上記Li塩である。これらは一種または二種以上を混合してもよい。
固体電解質中の支持電解質塩の配合量は、固体電解質全体に対して5〜40質量%とすることが好ましく、10〜30質量%とすることがより好ましい。
(溶媒)
本発明では、上記の固体電解質構成要素とともに最大で50質量%まで溶媒を使用することができる。しかし、保存安定性の観点からは溶媒を用いないほうがより好ましい。
本発明の電解質に使用する溶媒は、粘度が低くイオン伝導性を向上したり、または誘電率が高く有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝導性を発現できる化合物であることが望ましい。
このような溶媒としては、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等のエステル類、ジメチルスルフォキシド、スルフォランなど非プロトン極性物質などが挙げられる。
この中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、エステル類が特に好ましい。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
溶媒としては、耐揮発性による耐久性向上の観点から、常圧(1気圧)における沸点が200℃以上のものが好ましく、250℃以上のものがより好ましく、270℃以上のものが更に好ましい。
(固体電解質の製造方法)
以下に本発明の固体電解質の調製方法について、例を説明する。
イオン液体、架橋性官能基を有する無機酸化物粒子を、N−メチルピロリドンのような適切な溶媒に溶かし、この溶液をガラスやポリエステルフィルムのような基材に流延または塗布し、加熱乾燥又は紫外線の照射をすることで架橋させ、得られた塗膜を基材から剥離することで固体電解質の薄膜を得ることができる。
本発明においては架橋性基の反応の好ましい形態としては、塗布乾燥時の加熱、または紫外線の照射による架橋進行であり、これらを併用しても良い。加熱乾燥の加熱手段としては、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥温度は80〜350℃が好ましく、100〜250℃がより好ましい。また紫外線の照射手段としては、100〜450nmの波長領域で、重水素ランプ、キセノンランプ、メタルハライドランプ、エキシマランプ、水銀ランプなどの光源により得られる。ランプの出力としては400W〜30kW、照度としては100mW/cm〜100kW/cm、照射エネルギーとしては10〜5000mJ/cmが好ましく、より好ましくは100〜2000mJ/cmである。紫外線照射の際の照度としては1mW/cm〜10W/cmが好ましい。
また反応を制御するためにジルコニウム(Zr)、スズ(Sn)等の金属キレート触媒、塩酸、酢酸等の酸触媒を用いることもできる。
本発明の固体電解質の製造方法は、塗布方式、プレス方式等が好ましいが、特に塗布により製造することが好ましい。固体電解質を塗布で得るには、ガラス基材、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)等の基材上に固体電解質前駆体溶液を塗布、加熱乾燥、紫外線照射等、重合に必要なプロセスを経過後、固体電解質を単体として剥がすことが出来る基材が好ましい。
二次電池として使用する場合は、電極の上に直接塗布する方法、ガラス基板、プラスチック基材等に塗布し剥離、電極を貼り合わせる方法等で二次電池を作製することも出来る。
塗布を用いない、プレス方式の例としては、固体電解質前駆体を加熱乾燥又は紫外線の照射をし、バルク固体電解質を得る方法がある。これを二次電池として使用する場合は正極、負極で挟み込み、カレンダリング処理することで二次電池を作製することが出来る。
しかし、塗布を用いることで、固体電解質と電極との界面接着力が増し、また界面の電気抵抗も抑えられることから、塗布により製造することが好ましい。塗布で製造された固体電解質は、固体内部での空隙が無く、電気抵抗が抑えられる傾向にある。
固体電解質の塗布方法としては、例えば、リバースロール法、バーコート法、スロットダイコート法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスクイーズ法等が好適に挙げられる。その中でも、ブレード法、ナイフ法、スロットダイコート法及びエクストルージョン法が好ましい。
また、塗布は0.1〜100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、固体電解質前駆体液の溶液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布は片面ずつ逐時でも、両面同時に行ってもよい。更に、前記塗布は連続でも間欠でもストライプでもよい。また、塗布時に基材を加熱することも出来る。例えば100〜200℃に加熱された基材に塗布し冷却することで、本発明の固体電解質が得られる。
その塗布層の厚み、長さ及び巾は、電池の形状や大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みはドライ後の状態で1〜2000μmが好ましい。
前記固体電解質塗布物の乾燥及び脱水方法としては、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥温度は80〜350℃が好ましく、100〜250℃がより好ましい。含水量としては、電池全体で2000ppm以下が好ましく、固体電解質としては500ppm以下にすることが好ましい。
プレス法での固体電解質作製は、固体電解質をガラス基板、プラスチック基材、二次電池の電極等で挟み、加圧することで得られる。加圧時に100℃〜200℃に加熱、真空下で加圧することも出来る。
本発明の固体電解質は無機酸化物微粒子が塗膜内で均質に分散した形態をとる。この均質分散により、イオンが移動できるイオン伝導パスを形成し、高い次元で安定したイオン伝導度を確保できる。
本発明の固体電解質は、例えばリチウムイオン電池、燃料電池、色素増感太陽電池などの電気化学デバイスの対向する電極間にサンドイッチされる。
本発明の固体電解質についてリチウムイオン二次電池として利用する場合の、正極活物質、負極活物質、電極合剤、集電体、二次電池の作製方法について記載する。
(正極活物質)
正極活物質としては、無機系活物質、有機系活物質、これらの複合体が例示できるが、無機系活物質あるいは無機系活物質と有機系活物質の複合体が、特にエネルギー密度が大きくなる点から好ましい。
無機系活物質として、例えば、Li0.2MnO、LiMn12、V、LiCoO、LiMn、LiNiO、LiFePO、LiCo1/2Ni1/2Mn1/2、Li1.2(Fe0.5Mn0.50.8、Li1.2(Fe0.4Mn0.4Ti0.20.8、Li1+x(Ni0.5Mn0.51−x、LiNi0.5Mn1.5、LiMnO、Li0.76Mn0.51Ti0.49、LiNi0.8Co0.15Al0.05、Fe、等の金属酸化物、LiFePO、LiCoPO、LiMnPO、LiMPOF(M=Fe、Mn)、LiMn0.875Fe0.125PO、LiFeSiO、Li2−xMSi1−x(M=Fe、Mn)、LiMBO(M=Fe、Mn)などのリン酸、ケイ酸、ホウ酸系が挙げられ、化学式中、xは0〜1の範囲であることが好ましい。これらの中でもLiFePOが本発明において好適である。元来LiFePOは活物質粒径が小さいため、充放電サイクルでの活物質の膨張、収縮による正極層構造変化に耐えるため多くのバインダが必要となる。本発明の固体電解質を用いれば、その高強度のためバインダ量を低減でき、サイクル特性が良好になる。
更に、FeF、LiFeF、LiTiFなどのフッ素系、LiFeS、TiS、MoS、FeS等の金属硫化物、これらの化合物とリチウムの複合酸化物が挙げられる。
有機系活物質としては、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、等の導電性高分子、有機ジスルフィド化合物、有機イオウ化合物DMcT(2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール)、ベンゾキノン化合物PDBM(ポリ2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン−3,6−メチレン)、カーボンジスルフィド、活性イオウ等のイオウ系正極材料、有機ラジカル化合物等が用いられる。
また、正極活物質の表面には、無機酸化物が被覆されていることが電池の寿命を延ばす点で好ましい。無機酸化物を被覆するに当たっては、正極活物質の表面にコーティングする方法が好ましく、コーティングする方法としては、例えば、ハイブリタイザーなどの表面改質装置を用いてコーティングする方法などが挙げられる。
かかる無機酸化物としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン等のIIA〜VA族、遷移金属、IIIB、IVBの酸化物、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸鉛、γ−LiAlO、LiTiO等が挙げられ、特に酸化ケイ素が好ましい。
(負極活物質)
負極については特に制限はなく、集電体に負極活物質を密着させたものが利用できる。黒鉛系やスズ合金系などの粉末を、スチレンブタジエンゴムやポリフッ化ビニリデンなどの結着材とともにペースト状として集電体上に塗布して、乾燥後、プレス成形して作製したものが利用できる。物理蒸着(スパッタリング法や真空蒸着法など)によって、3〜5μmのシリコン系薄膜を集電体上に直接形成したシリコン系薄膜負極なども利用できる。
リチウム金属負極の場合は、銅箔上に10〜30μmのリチウム箔を付着させたものが好適である。高容量化の観点からは、シリコン系薄膜負極やリチウム金属負極からなるものであることが好ましい。
(電極合剤)
本発明に用いる電極合剤としては、導電剤、結着剤やフィラーなどの他に、リチウム塩、非プロトン性有機溶媒等が添加されたものが挙げられる。
前記導電剤は、構成された二次電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何を用いてもよい。通常、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−148554号公報に記載)等)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20971号公報に記載)などの導電性材料を1種またはこれらの混合物として含ませることができる。
その中でも、黒鉛とアセチレンブラックの併用が特に好ましい。前記導電剤の添加量としては1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。カーボンや黒鉛の場合は、2〜15質量%が特に好ましい。
本発明では電極合剤を保持するための結着剤を用いることができる。このような結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられ、その中でも、例えば、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンが好ましく、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデンがより好ましい。
前記結着剤は、一種単独または二種以上を混合して用いることができる。結着剤の添加量が少ないと、電極合剤の保持力、凝集力が弱くなる。多すぎると、電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位質量あたりの容量が減少する。このような理由で結着剤の添加量は1〜30質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
前記フィラーは、本発明の二次電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30質量%が好ましい。
(集電体)
正・負極の集電体としては、本発明の二次電池において化学変化を起こさない電子伝導体が用いられる。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。負極の集電体としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、銅あるいは銅合金がより好ましい。
前記集電体の形状としては、通常フィルムシート状のものが使用されるが、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。前記集電体の厚みとしては、特に限定されないが、1〜500μmが好ましい。また、集電体表面は表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
(二次電池の作製)
ここでは、本発明の非水電解質二次電池の作製について説明する。本発明の二次電池の形状としては、シート、角、シリンダーなどいずれの形にも適用できる。正極活物質や負極活物質の電極合剤は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
前記電極合剤の塗布方法としては、例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスクイーズ法等が好適に挙げられる。その中でも、ブレード法、ナイフ法及びエクストルージョン法が好ましい。
また、塗布は0.1〜100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、電極合剤の溶液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布は片面ずつ逐時でも、両面同時に行ってもよい。更に、前記塗布は連続でも間欠でもストライプでもよい。
その塗布層の厚み、長さ及び巾は、電池の形状や大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みはドライ後の圧縮された状態で1〜2000μmが好ましい。
前記電極シート塗布物の乾燥及び脱水方法としては、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥温度は80〜350℃が好ましく、100〜250℃がより好ましい。含水量としては、電池全体で2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解質では、それぞれ500ppm以下にすることが好ましい。
シートのプレス法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特にカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は特に限定されないが、20〜300MPaが好ましい。前記カレンダープレス法のプレス速度としては、0.1〜50m/分が好ましく、プレス温度は室温〜200℃が好ましい。正極シートに対する負極シート幅の比としては、0.9〜1.1が好ましく、0.95〜1.0が特に好ましい。正極活物質と負極活物質との含有量比は、化合物種類や電極合剤処方により異なる。
本発明の二次電池の形態は特に限定されないが、コイン、シート、円筒等、種々の電池セルに封入することができる。
本発明の二次電池の用途は特に限定されないが、例えば、電子機器としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。
その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって、何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
〔イオン液体の合成〕
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルフォニル)アミド〔EMI−FSIと略す〕の合成
カリウム ビス(フルオロスルフォニル)アミド(K−FSI)21.9g(0.1mol)を100mlの水に70℃で溶解し、50℃で攪拌しながら、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド 14.6g(0.1mol)を50mlの水に溶解した溶液を15分で滴下・混合した。50℃で激しく攪拌しながら更に2時間、複分解反応を行った後、生成した油層を分離した。生成物を各50mlの水で2回洗浄した後、60℃、0.1mmHg(13.3Pa)で2時間乾燥し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルフォニル)アミド〔EMI−FSIと略す〕24.7g(収率85%)を得た。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス〔(トリフルオロメチル)スルフォニル〕アミド〔EMI−TFSIと略す〕の合成
カリウムビス〔(トリフルオロメチル)スルフォニル〕アミド(K−TFSI)31.9g(0.1mol)を100mlの水に70℃で溶解し、50℃で攪拌しながら、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド 14.6g(0.1mol)を50mlの水に溶解した溶液を15分で滴下・混合した。50℃で激しく攪拌しながら更に2時間、複分解反応を行った後、生成した油層を分離した。生成物を各50mlの水で2回洗浄した後、60℃、0.1mmHgで2時間乾燥し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス〔(トリフルオロメチル)スルフォニル〕アミド〔EMI−TFSIと略す〕33.2g(収率85%)を得た。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム パーフルオロエチルトリフルオロボレート〔EMI−CBFと略す〕の合成
カリウムパーフルオロエチルトリフルオロボレート(K−CBF)22.6g(0.1mol)を100mlの水に70℃で溶解し、50℃で攪拌しながら、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド 14.6g(0.1mol)を50mlの水に溶解した溶液を15分で滴下・混合した。50℃で激しく攪拌しながら更に2時間、複分解反応を行った後、生成した油層を分離した。生成物を各50mlの水で2回洗浄した後、60℃、0.1mmHgで2時間乾燥し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム パーフルオロエチルトリフルオロボレート〔EMI−CBFと略す〕25.3g(収率85%)を得た。
N−エチル−N−ブチルピロリジニウム ビス(フルオロスルフォニル)アミド〔P24−FSIと略す〕の合成
カリウム ビス(フルオロスルフォニル)アミド(K−FSI)21.9g(0.1mol)を100mlの水に70℃で溶解し、50℃で攪拌しながら、N−エチル−N−ブチルピロリジニウムクロライド 19.1g(0.1mol)を50mlの水に溶解した溶液を15分で滴下・混合した。50℃で激しく攪拌しながら更に2時間、複分解反応を行った後、生成した油層を分離した。生成物を各50mlの水で2回洗浄した後、60℃、0.1mmHgで2時間乾燥し、N−エチル−N−ブチルピロリジニウム ビス(フルオロスルフォニル)アミド〔P24−FSIと略す〕28.6g(収率85%)を得た。
1−エチル−3−メチルイミダゾリウム (フルオロスルフォニル)(トリフルオロメチルスルフォニル)アミド〔EMI−FTIと略す〕の合成
カリウム(フルオロスルフォニル)(トリフルオロメチルスルフォニル)アミド(K−FTI)26.9g(0.1mol)を100mlの水に70℃で溶解し、50℃で攪拌しながら、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド 14.6g(0.1mol)を50mlの水に溶解した溶液を15分で滴下・混合した。50℃で激しく攪拌しながら更に2時間、複分解反応を行った後、生成した油層を分離した。生成物を各50mlの水で2回洗浄した後、60℃、0.1mmHgで2時間乾燥し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム (フルオロスルフォニル)(トリフルオロメチルスルフォニル)アミド〔EMI−FTIと略す〕29.0g(収率85%)を得た。
〔架橋性官能基を有する無機酸化物粒子の調製〕
〈無機酸化物粒子〉
無機酸化物粒子としては下記のものを用いた。
・サイリシア (富士シリシア化学社製 多孔質シリカ粒子 比表面積900m/g 細孔径4nm 平均粒径6μm)
・富士バルーン (富士シリシア化学社製 非多孔質シリカ粒子 平均粒径8.5μm)
・サンスフェア H−32 (旭硝子社製 シリカアルミナ粒子 平均粒径3μm)
・A34 (日本軽金属社製 非多孔質アルミナ粒子 平均粒径4μm)
比表面積及び細孔径は、日本ベル(株)製の自動比表面積/細孔分布測定装置BELSORP−miniIIを用いて測定した。平均粒径は、走査型電子顕微鏡により200個以上の粒子を測定し、各粒子の球換算粒径の平均値を求めることにより得た。
〈架橋性官能基をもつシラン化合物〉
・KBM−1003 (信越化学工業社製 ビニルトリメトキシシラン)
・KA−1003 (信越化学工業社製 ビニルトリクロロシラン)
・KBM−403 (信越化学工業社製 3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン)
・KBM−903 (信越化学工業社製 3−アミノプロピルトリメトキシシラン)
〈架橋性官能基を持たないシラン化合物〉(比較)
・KBM−3063 (信越化学工業社製 ヘキシルトリメトキシシラン)
〈無機酸化物粒子の表面処理〉
上記シラン化合物を、下記方法にて無機酸化物粒子の表面処理を行った。
上記無機酸化物粒子10gをトルエン中に分散し、攪拌しながら上記シラン化合物を加えて、還流を24時間行った。得られた分散液を10000rpm、10min遠心分離し、沈殿した生成物を回収し、アセトンに再分散、1時間攪拌後、再度遠心分離し沈殿物を回収、室温にて乾燥させることで、各表面処理済み無機酸化物粒子を得た。
〔固体電解質の作製〕
〈固体電解質フィルム001の作製〉
EMI−FSI 8.0gをN−メチルピロリドン100gに溶解した後、リチウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 2.0gを溶解した。さらにKBM−1003により30%表面処理したサイリシアを3.0g添加、ベンゾイルパーオキサイド 0.17g添加し強攪拌し、塗布液を得た。得られた塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で120℃、15分加熱し、乾燥と反応を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム001を得た。
〈固体電解質フィルム002の作製〉
EMI−FSI 8.0gをN−メチルピロリドン100gに溶解した後、リチウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 2.0gを溶解した。さらにKBM−903により30%表面処理したサイリシアを3.0g添加、イソホロンジイソシアネート 0.2g添加し強攪拌し、塗布液を得た。得られた塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で120℃、15分加熱し、乾燥と反応を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム002を得た。
〈固体電解質フィルム003の作製〉
EMI−FSI 8.0gをN−メチルピロリドン100gに溶解した後、リチウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 2.0gを溶解した。さらにKBM−1003により30%表面処理したサンスフェアH−32を3.0g添加、ベンゾイルパーオキサイド 0.17g添加し強攪拌し、塗布液を得た。得られた塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で120℃、15分加熱し、乾燥と反応を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム003を得た。
〈固体電解質フィルム004の作製〉
EMI−FSI 8.0gをN−メチルピロリドン100gに溶解した後、リチウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 2.0gを溶解した。さらにKBM−903により30%表面処理したサンスフェアH−32を3.0g添加、イソホロンジイソシアネート 0.2g添加し強攪拌し、塗布液を得た。得られた塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で120℃、15分加熱し、乾燥と反応を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム004を得た。
〈固体電解質フィルム005の作製〉
EMI−FSI 8.0gをN−メチルピロリドン100gに溶解した後、リチウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 2.0gを溶解した。さらにKA−1003により30%表面処理した富士バルーンを3.0g添加、ベンゾイルパーオキサイド 0.15g添加し強攪拌し、塗布液を得た。得られた塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で120℃、15分加熱し、乾燥と反応を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム005を得た。
〈固体電解質フィルム006の作製〉
EMI−TFSI 9.0gをN−メチルピロリドン100gに溶解した後、リチウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 1.8gを溶解した。さらにKBM−403により30%表面処理した富士バルーンを3.0g添加、ベンゾイルパーオキサイド 0.15g添加し強攪拌し、塗布液を得た。得られた塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で120℃、15分加熱し、乾燥と反応を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム006を得た。
〈固体電解質フィルム007の作製〉
EMI−C3F5BF3 8.5gをN−メチルピロリドン100gに溶解した後、リチウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 1.8gを溶解した。さらにKA−1003により30%表面処理したA34を3.0g添加、ベンゾイルパーオキサイド 0.15g添加し強攪拌し、塗布液を得た。得られた塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で120℃、15分加熱し、乾燥と反応を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム007を得た。
〈固体電解質フィルム008の作製〉
P24−FSI 8.5gをメチルエチルケトン100gに溶解した後、リチウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 1.8gを溶解した。さらにKBM−403により30%表面処理したサンスフェアH−32を3.0g添加、ベンゾイルパーオキサイド 0.15g添加し強攪拌し、塗布液を得た。得られた塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で100℃、15分加熱し、さらに光源400nmの高圧水銀灯ランプ(100W)で60秒間照射をおこない、乾燥と反応を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム008を得た。
〈固体電解質フィルム009の作製〉
EMI−FTI 9.0gをメチルエチルケトン100gに溶解した後、リチウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 1.8gを溶解した。さらにKBM−1003により30%表面処理した富士バルーンを3.0g添加、ベンゾイルパーオキサイド 0.15g添加し強攪拌し、塗布液を得た。得られた塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で100℃、15分加熱し、さらに光源400nmの高圧水銀灯ランプ(100W)で60秒間照射をおこない、乾燥と反応を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム009を得た。
〈固体電解質フィルム010〜014の作製〉
固体電解質塗布液001、002、003、004それぞれについて、10.0gをサンプル瓶に入れ、120℃のオーブンに20分入れ、バルク状固体電解質を得た。これをスライドガラスに適量挟み厚さ25μm厚までプレスすることで、固体電解質フィルム010、011、012、013を得た。
また固体電解質塗布液005において、N−メチルピロリドンを全く加えない組成物を作製しメノウ乳鉢で混練し、これをスライドガラスに挟み150℃で10分加熱、25μm厚にプレスすることで固体電解質フィルム014を作製した。
〈固体電解質フィルム015〜019の作製〉本発明
固体電解質塗布液001の作製において、表面処理量がそれぞれ、5%、15%、40%、60%、80%の無機酸化物粒子を用いた以外は同様の方法で、固体電解質フィルム015〜019を作製した。
〈固体電解質フィルム020の作製〉比較例
EMI−FSI 8.5gをN−メチルピロリドン100gに溶解した後、リチウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 1.8gを溶解した。さらにKA−3063により表面処理したサイリシアを3.0g添加し強攪拌し、塗布液を得た。得られた塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で120℃、15分加熱し、乾燥を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム020を作製した。
〈固体電解質フィルム021の作製〉比較例
EMI−FSI 8.5gをN−メチルピロリドン100gに溶解した後、リチウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 1.8gを溶解した。更に表面処理のないサイリシアを3.0g加え、KBM−1003も1.0g添加し、ベンゾイルパーオキサイド0.17g添加し強攪拌し、塗布液を得た。得られた塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で120℃、15分加熱し、乾燥と反応を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム021を作製した。
〈固体電解質フィルム022の作製〉比較例
EMI−FSI 8.5gをN−メチルピロリドン100gに溶解した後、リチウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 1.8gを溶解した。さらに表面処理のないサイリシアを3.0g添加、強攪拌し、塗布液を得た。得られた塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で120℃、15分加熱し、乾燥を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム022を作製した。
〈固体電解質フィルム023の作製〉比較例
EMI−FSI 8.5gをN−メチルピロリドン100gに溶解した後、リチウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 1.8gを溶解した。さらにKBM−1003を1.0g添加、ベンゾイルパーオキサイド 0.15g添加し強攪拌し、塗布液を得た。得られた塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で120℃、15分加熱し、乾燥と反応を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム023を作製した。
〈固体電解質フィルム024の作製〉比較例
EMI−FSI 8.5gをN−メチルピロリドン100gに溶解した後、リチウム ビス{(トリフルオロメチル)スルフォニル}アミド〔Li−TFSI〕 1.8gを溶解した。さらに表面処理のない富士バルーンを3.0g添加、Solvay社製のPVDF樹脂(Solef1013)を2.0g添加し強攪拌、塗布液を得た。得られた塗布液を厚さ188μmのポリエステルフィルム(帝人製メリネックスシリーズ)上にワイヤーバーで塗布し、温風乾燥機で120℃、15分加熱し、乾燥と反応を行った。出来たフィルムはポリエステルフィルムから剥がし、厚さ25μmの固体電解質フィルム024を作製した。
得られた各固体電解質フィルムの組成及び形成方法を下記表1に示す。
Figure 2011113906
(固体電解質フィルムのイオン伝導度測定)
固体電解質フィルム001〜024を1cmの円形にくりぬき、同じく円形1cmの白金電極間に試料を挟み、室温、50%Rhで交流インピーダンス法(0.1V、周波数1Hz〜10MHz)により膜抵抗を測定し、イオン伝導度を算出した。
(固体電解質フィルムの突刺試験測定)
得られた固体電解質フィルム001〜024を、圧縮試験器(カトーテック社製KES−G5)を用いて、針径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmの針を用いて突刺速度2mm/sで突刺試験を行い、最大突刺加重(g)を突刺強度とした。
《シート型リチウムイオン二次電池101〜124(正極1)及び201〜224(正極2)の作製》
〔正極の作製〕
下記により、正極を2種類作製した。
(正極1の作製)
正極活物質として、LiCoOを43質量%、鱗片状黒鉛2質量%、アセチレンブラック2質量%、更に結着剤としてPVDF樹脂 3質量%を加え、混練して得られたスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔に、エクストルージョン式塗布機を使って塗設し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形した後、端部にアルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ95μm、幅54mm×長さ49mmの正極シートを作製、露点−40℃以下の乾燥空気中、230℃で30分脱水乾燥した。
(正極2の作製)
正極活物質として、LiFePOを47質量%、鱗片状黒鉛2質量%、アセチレンブラック2質量%、更に結着剤としてPVDF樹脂 2質量%を加え、混練して得られたスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔に、エクストルージョン式塗布機を使って塗設し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形した後、端部にアルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ100μm、幅54mm×長さ49mmの正極シートを作製、露点−40℃以下の乾燥空気中、230℃で30分脱水乾燥した。
〔シート型電池の作製〕
正極1、正極2それぞれにおいて、ドライボックス中で、幅54mm×長さ49mmの乾燥済み正極シート上に上記固体電解質フィルムを作製するのと同じ要領で膜厚25μmの各固体電解質層を形成した。
更にリード板を溶接した幅55mm×長さ50mmの負極シート(リチウム張り合わせ銅箔(リチウム膜厚30μm、銅箔の膜厚20μm))を積層し、減圧下で80℃に3時間加熱した。その後、ポリエチレン(50μm)−ポリエチレンテレフタレート(50μm)のラミネートフィルムよりなる外装材を使用し、4縁を真空下で熱融着して密閉し、シート型リチウムイオン二次電池101〜124(正極1)、201〜224(正極2)を作製した。
〈シート型電池の充放電特性〉
得られたシート型リチウムイオン二次電池について、計測器センター製の充放電測定装置を用いて、0.2mA/cmの電流で電圧2Vから4.2Vまで充電し、10分間の休止後、0.2mA/cmの電流で電池電圧3Vまで放電した。この充放電を50サイクル繰り返した。初期と、50サイクル目の容量を測定し、その容量保持率(%)を計算し、充放電特性(サイクル特性)の評価とした。
Figure 2011113906
表2の結果より、本発明の固体電解質は高いイオン伝導度を有し、高強度であることが分かる。また本固体電解質を用いたリチウムイオン二次電池はサイクル特性が良好で、耐久性に優れていることが分かる。

Claims (9)

  1. イオン液体(A)、架橋性官能基を表面に有する無機酸化物粒子(B)を含有し、前記架橋性官能基を重合することにより得られることを特徴とする固体電解質。
  2. 前記架橋性官能基を表面に有する無機酸化物粒子が、酸性または中性の微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の固体電解質。
  3. 前記架橋性官能基を表面に有する無機酸化物粒子は、無機酸化物粒子100質量%に対して10質量%以上、60質量%以下の架橋性官能基を有していることを特徴とする請求項1または2に記載の固体電解質。
  4. 前記架橋性官能基を表面に有する無機酸化物粒子がシリカ粒子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の固体電解質。
  5. 前記架橋性官能基がビニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、エポキシ基、オキセタン基、イソシアネート基、水酸基、カルボキシル基から選ばれる1つであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の固体電解質。
  6. 前記架橋性官能基がビニル基であることを特徴とする請求項5に記載の固体電解質。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の固体電解質を形成する固体電解質の製造方法であって、少なくともイオン液体(A)および架橋性官能基を表面に有する無機酸化物粒子(B)を含有する固体電解質前駆体溶液を塗布することにより形成されることを特徴とする固体電解質の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の固体電解質を用いたことを特徴とするリチウムイオン二次電池。
  9. 正極活物質がLiFePOを有していることを特徴とする請求項8に記載のリチウムイオン二次電池。
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