JP5564930B2 - 非水系二次電池用正極及び非水系二次電池 - Google Patents

非水系二次電池用正極及び非水系二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP5564930B2
JP5564930B2 JP2009287415A JP2009287415A JP5564930B2 JP 5564930 B2 JP5564930 B2 JP 5564930B2 JP 2009287415 A JP2009287415 A JP 2009287415A JP 2009287415 A JP2009287415 A JP 2009287415A JP 5564930 B2 JP5564930 B2 JP 5564930B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
active material
material layer
positive electrode
secondary battery
aqueous secondary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2009287415A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011129399A (ja
Inventor
正紀 三好
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2009287415A priority Critical patent/JP5564930B2/ja
Publication of JP2011129399A publication Critical patent/JP2011129399A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5564930B2 publication Critical patent/JP5564930B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

本発明は、高い放電容量を有する非水系二次電池用正極とそれを用いた非水系二次電池であり、さらに詳しくは高速充放電時でのサイクル特性が良好な非水系二次電池正極およびそれを用いた非水系二次電池に関するものである。
近年、環境的な配慮から、自動車のエネルギー源の脱石化燃料化が活発に研究されている。化石燃料の代替エネルギーの1つとしてリチウムイオン二次電池が検討されており、二次電池に対しては、小型化、軽量化、高出力化が求められている。
リチウムイオン二次電池は、主に、金属集電体に活物質層が形成された電極と、非水系電解質で構成されており、特に活物質層の構成は、リチウムイオン二次電池の特性に大きく影響するため、下記特許文献1〜3では、活物質層を改良する提案がなされている。
特許文献1では、タップ密度が異なる正極活物質を混合し、これを用いて正極活物質層を形成した正極や、これを用いた非水系二次電池が開示されている。このような正極活物質層を形成することで、急速充放電に優れた非水系二次電池を提供できるとされている。
また、特許文献2では、正極活物質の二次粒子形状を改良して、高負荷時における放電容量を向上させた非水系二次電池が開示されている。
また、特許文献3では、正極活物質層の層厚み方向に、集電体側の空隙率よりも表面側の空隙率を大きくすることで、出力を向上させた非水系二次電池が開示されている。
特開2004−182564号公報 特開2001−243951号公報 特開2007−214038号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に開示された各非水系二次電池では、活物質層を改良することにより、容量やサイクル特性を改善できることはあっても、十分に高い電池出力が得られず、特に、高速充放電時でのサイクルにおける放電容量の低下を抑えることが出来ない。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、高速充放電時のサイクルにおいても、高い放電容量が得られる非水系二次電池を構成することができる非水系二次電池用正極とそれを用いた非水系二次電池を提供することを目的とする。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.集電体箔に、リチウム元素を含む活物質層を形成した正極を具備する非水系二次電池正極であって、
前記活物質層が厚み方向でリチウム元素の濃度が異なっており、活物質層の表面側のリチウム元素の濃度D1が、集電体箔側のリチウム元素の濃度D2より高く、
前記活物質層の表面側のリチウム元素の濃度D1が、活物質層の集電体箔側のリチウム元素の濃度D2の1.1倍以上、2.0倍以下であり、
前記活物質層は導電助剤を含有し、活物質層の表面側の導電助剤濃度D3が、活物質層の集電体箔側の導電助剤濃度D4より低く、
前記活物質層の集電体箔側の導電助剤濃度D4が、活物質層の表面側の導電助剤濃度D3の1.05倍以上、1.50倍以下であることを特徴とする非水系二次電池用正極。
.前記活物質層を構成する活物質が、LiFePOであることを特徴とする前記1に記載の非水系二次電池用正極。
前記1または2に記載の非水系二次電池用正極を用いたことを特徴とする非水系二次電池。
.電解質組成物としてイオン液体を含有することを特徴とする前記3に記載の非水系二次電池。
すなわち、集電体箔に、活物質を形成した正極を具備する非水系二次電池であって、前記活物質層の厚み方向にリチウム元素の濃度が異なっており、活物質層表面側のリチウム元素濃度が、集電体箔側のリチウム元素濃度より大きくなされている非水系二次電池用正極及びそれを用いた非水系二次電池である。
本発明により、正極活物質層表面のリチウム元素濃度が高く、充放電時にリチウムイオンが正極から負極、負極から正極へ高速に移動でき、高速充放電時のサイクル性が高く、高い放電容量保持率が得られる非水系二次電池を得ることができる非水系二次電池用正極とそれを用いた非水系二次電池を提供することができた。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、集電体箔に、リチウム元素を含む活物質層を形成した正極を具備する非水系二次電池正極であって、該活物質層が厚み方向で該リチウム元素の濃度が異なっており、該活物質層の表面側のリチウム元素の濃度D1が、集電体箔側のリチウム元素の濃度D2より高いことを特徴とする非水系二次電池用正極により、充放電時にリチウムイオンが正極から負極、負極から正極へ高速に移動でき、高速充放電時のサイクル性が高く、高い放電容量保持率が得られる非水系二次電池を得ることができる非水系二次電池用正極を実現することができることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の非水系二次電池用正極の詳細について説明する。
本発明の非水系二次電池用正極(以下、二次電池用正極あるいは単に正極ともいう)は、集電体箔に少なくともリチウム元素を含む活物質層を形成した正極である。
(集電体)
正極、負極を構成する集電体としては、本発明の二次電池において化学変化を起こさない電子伝導体が用いられる。正極の集電体としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他に、アルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。
負極の集電体としては、例えば、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、銅あるいは銅合金がより好ましい。
本発明に係る集電体の形状としては、通常はフィルムシート状のものが使用されるが、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。集電体の厚みとしては、特に限定されないが、1〜500μmが好ましい。また、集電体表面は表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
(正極の活物質層)
本発明において、正極を構成する活物質層としては、本発明で規定するリチウム元素プロファイル、すなわち、活物質層が厚み方向で該リチウム元素の濃度が異なっており、該活物質層の表面側のリチウム元素の濃度D1が、集電体箔側のリチウム元素の濃度D2より高い構成を満たすものであればよく、その組成や厚みなどの条件は適宜選択できる。また、活物質層は、金属集電体の片面にのみ形成してもよいし、両面に形成してもよい。また、活物質層の組成は、その厚み方向に見て表面側と金属集電体側とで、リチウム元素の濃度が異なる構成をとり、活物質層の表面側のリチウム元素の濃度D1が、集電体箔側のリチウム元素の濃度D2より高い構成を満たすものであれば、活物質等の種類や活物質等の形状や大きさを適宜選択することができる。
活物質層は、少なくともリチウム元素含む活物質の他に、導電助剤や結着剤、分散剤、フィラー、イオン導電剤、圧力増強剤、各種添加剤など加え、水、あるいは有機溶剤等で混練した活物質ペーストを用いて形成することができる。従って、活物質層は、活物質や導電化材料、結着剤などにより構成される。
本発明に適用する活物質は、少なくともリチウム元素を含有する化合物であり、例えば、LiMeO(Meは、Ni、Mn及びCoから選ばれる少なくとも1種の元素を表す)、LiMePO(Meは、Ni、Mn及びCoから選ばれる少なくとも1種の元素を表す)、LiMeMn(1−x)(Meは、Ni、Co、Cu、Fe及びCrから選ばれる少なくとも1種の元素を表す)が挙げられる。また、その他の金属系のものとして、例えば、MeTiO、MeCrO、MeCoO、MeNiO、MeTi(PO、MeFe(PO、Me(PO、MeFeO、MeMnO(Meは、Na、Ca及びMgから選ばれる少なくとも1種の元素を表す)が挙げられる。これらの中でもLiFePOが本発明において好適である。元来LiFePOは活物質粒径が小さいため、本発明の活物質層構成を形成しやすく、非水系二次電池として、高速充放電時の良好なサイクル特性の効果を大きく得ることが出来る。
更に、FeF、LiFeF、LiTiFなどのフッ素系化合物、LiFeS、TiS、MoS、FeS等の金属硫化物、これらの化合物とリチウムの複合酸化物が挙げられる。
有機系活物質としては、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、等の導電性高分子、有機ジスルフィド化合物、有機イオウ化合物DMcT(2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール)、ベンゾキノン化合物PDBM(ポリ2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン−3,6−メチレン)、カーボンジスルフィド、活性イオウ等のイオウ系正極材料、有機ラジカル化合物等が用いられる。
また、正極活物質の表面には、無機酸化物が被覆されていることが電池の寿命を延ばす点で好ましい。無機酸化物を被覆するに当たっては、正極活物質の表面にコーティングする方法が好ましく、コーティングする方法としては、例えば、ハイブリタイザーなどの表面改質装置を用いてコーティングする方法などが挙げられる。
かかる無機酸化物としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン等のIIA〜VA族、遷移金属、IIIB、IVBの酸化物、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸鉛、γ−LiAlO、LiTiO等が挙げられ、特に酸化ケイ素が好ましい。
活物質層は、その表面の方が金属集電体側よりもリチウム元素濃度が大きくなっていればよい。例えば活物質層が、金属集電体側から表面に向かって徐々にリチウム元素濃度が大きくなる層構成にすることでもよい。また異なる構成としては活物質層が組成の異なる2層の積層構造になっており、金属集電体側に位置する第1活物質層、表面側に位置する第2活物質層とからなり、第2活物質層の方が、第1活物質層よりもリチウム元素濃度が大きい活物質層構成とすることができる。後者の構成によれば活物質層を第1活物質層と第2活物質層とを別々に形成できるので、第1活物質層と第2活物質層のリチウム元素濃度を異ならせることが容易である。従って本発明の構成を容易に形成できる。
リチウム元素の濃度は、活物質層表面側のリチウム元素濃度が、集電体箔側のリチウム元素濃度の1.1〜2.0倍であることが好ましい。リチウムイオン元素濃度比が、1.1〜2.0の範囲で本発明の効果が十分に得られ、特に高速充放電時のサイクル特性が顕著によくなる。
(負極の活物質層)
負極については特に制限はなく、集電体に負極活物質を密着させたものが利用できる。黒鉛系やスズ合金系などの粉末を、スチレンブタジエンゴムやポリフッ化ビニリデンなどの結着材とともにペースト状として集電体上に塗布して、乾燥後、プレス成形して作製したものが利用できる。物理蒸着(スパッタリング法や真空蒸着法など)によって、3〜5ミクロンのシリコン系薄膜を集電体上に直接形成したシリコン系薄膜負極なども利用できる。
リチウム金属負極の場合、銅箔上に10〜30μmのリチウム箔を付着させたものが好適である。高容量化の観点からは、シリコン系薄膜負極やリチウム金属負極からなるものであることが好ましい。
(電極合剤)
本発明に用いる電極合剤としては、導電助剤、結着剤やフィラーなどの他に、リチウム塩、非プロトン性有機溶媒等が添加されたものが挙げられる。
前記導電剤は、構成された二次電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何を用いてもよい。通常、天然黒鉛(例えば、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(例えば、銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−148554号公報に記載)等)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(例えば、特開昭59−20971号公報に記載)などの導電性材料を1種またはこれらの混合物として含ませることができる。
その中でも、黒鉛とアセチレンブラックの併用が特に好ましい。前記導電助剤の添加量としては1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。カーボンや黒鉛の場合は、2〜15質量%が特に好ましい。
本発明の効果を十分に得るためには、活物質層において導電助剤の濃度が、活物質表面側よりも、集電体側の方が高いことが好ましい。これにより、活物質層と金属集電体との導電性を向上させることができる。
導電助剤の濃度は、活物質層表面よりも、金属集電体側の方が高ければよく、例えば、活物質層表面から金属集電体側から表面に向かって徐々に導電助剤濃度が高くなる構成にすることでも良い。また異なる構成としては、活物質層が組成の異なる2層の積層構造になっており、金属集電体側に位置する第1活物質層、表面側に位置する第2活物質層とからなり、第1活物質層の方が、第2活物質層よりもリチウム元素濃度が大きい活物質層構成とすることが出来る。後者の構成によれば活物質層を第1活物質層と第2活物質層とを別々に形成できるので、第1活物質層と第2活物質層の導電助剤濃度を異ならせることが容易である。従って本発明の構成を容易に形成できる。
導電助剤濃度は、集電体箔側の導電助剤濃度が、活物質層表面側の導電助剤濃度の1.05〜1.5倍であることが好ましい。導電助剤濃度比が、1.05〜1.5の範囲であれば、本発明の目的とする効果が十分に得られ、特に高速充放電時のサイクル特性が顕著によくなる。
本発明では、電極合剤を保持するため、結着剤を用いることができる。このような結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられ、その中でも、例えば、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンが好ましく、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデンがより好ましい。
上記結着剤は、1種単独または2種以上を混合して用いることができる。結着剤の添加量が少ないと、電極合剤の保持力、凝集力が弱くなる。多すぎると、電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位質量あたりの容量が減少する。このような理由で結着剤の添加量は1〜30質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
前記フィラーは、本発明の二次電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30質量%が好ましい。
(電解質層)
本発明の二次電池において、電解質層は、正電極と負電極との間に位置し、両極間の荷電担体輸送を行う機能を有する層であり、室温で1×10−5〜1×10−1S/cmのイオン伝導性を有している層であることが好ましい。
本発明に係る電解質層では、セパレータと電解質組成物とを含有する。
〈セパレータ〉
セパレータは、正電極と負電極とを電子的に絶縁して、ショートを防止し、イオンの移動のみを可能とする機能を有する。セパレータを構成する材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイミドなどからなる絶縁性プラスチックで形成された多孔体、あるいはシリカなどの無機微粒子などを用いることができる。
〈電解質組成物〉
電解質組成物は、電解質物質を含有し、さらに溶媒を含有することが好ましい。
溶媒としては、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジエトキシエタン、1−エトキシ−1−メトキシエタン等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、N−メチルピロリドン、などの非プロトン性有機溶媒の1種又は2種以上を混合して使用したものが挙げられる。
電解質物質としては、任意のものを用いることができるが、好ましくは周期律表Ia族またはIIa族に属する金属イオンの塩が用いられる。周期律表Ia族またはIIa族に属する金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムのイオンが好ましい。金属イオンの塩のアニオンとしては、ハロゲン化物イオン(I、Cl、Br等)、SCN、BF 、PF 、ClO 、SbF 、(CFSO、(FSO、(CFSO)(FSO)N、(CFCFSO、Ph、(C、(CFSO、CFCOO、CFSO 、CSO 等が挙げられる。その中でもBF 、PF 、(CFSO、(FSO、(CFSO)(FSO)N、(CFCFSO、(CFSO、CFSO がより好ましい。
代表的な支持電解質塩としては、LiCFSO、LiPF、LiClO、LiI、LiBF、LiCFCO、LiSCN、LiN(CFSO、Li(FSO、Li(CFSO)(FSO)N、NaI、NaCFSO、NaClO、NaBF、NaAsF、KCFSO、KSCN、KPF、KClO、KAsFなどが挙げられる。更に好ましくは、上記Li塩である。これらは1種または2種以上を混合してもよい。
電解質組成物中の電解質の配合量は、5〜40質量%とすることが好ましく、特に10〜30質量%とすることが好ましい。
電解質層の形態としては、例えば、上記の多孔体の孔中に電解質組成物が充填された形態、上記セパレータとしての無機微粒子と電解質組成物とが混合された形態が挙げられる。
電解質組成物の形態としては、上記電解質物質を含有する上記溶媒からなる液体の状態、下記のようなゲル状、固体状の形態がある。
ゲル状または固体状の形態としては、例えば高分子物質または、有機物と無機物の有機−無機複合物質に、リチウム塩あるいはリチウム塩を溶解した溶媒を含ませて形成したゲル状あるいは固体状の形態、重合性モノマー、重合開始剤およびリチウム塩を含有する混合物を重合して形成したゲル状あるいは固体状の形態が挙げられる。
上記高分子物質としては、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−エチレン共重合体、フッ化ビニリデン−モノフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン三元共重合体等のフッ化ビニリデン系重合体や、アクリロニトリル−メチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−メチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルメタクリレート共重合体、アクリロニトリル−エチルアクリレート共重合体、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、アクリロニトリル−アクリル酸共重合体、アクリロニトリル−ビニルアセテート共重合体等のアクリロニトリル系重合体、さらにポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体、これらのアクリレート体やメタクリレート体の重合体などが挙げられる。
上記有機−無機複合物質とは、有機物と無機物が物理的に混合、または、化学的に結合により形成されている物質であり、無機物としては無機酸化物微粒子が好ましい。
具体的には、酸化ケイ素、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、酸化ハフニウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ストロンチウム、酸化バリウム、酸化インジウム、酸化鉛、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム、酸化鉄、酸化ジルコニウム、クレー、酸化スズ、酸化タングステン、燐酸アルミニウム、などが挙げられる。
有機物としては、前記高分子物質の他に、上記無機酸化物微粒子の表面を化学結合により修飾することのできるアルコキシシリル基、アルコキシチタネート基、アルコキシアルミネート基、アルコキシジルコネート基を有するポリエチレンオキサイド、エチレンオキサイド−プロピレンオキサイド共重合体が挙げられる。
上記重合性モノマーとしては、例えば、アクリロイル基、メタクリロイル基、ビニル基、アリル基などの不飽和二重結合を有するモノマーが挙げられる。
その具体例としては、アクリル酸、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、エトキシエチルアクリレート、メトキシエチルアクリレート、エトキシエトキシエチルアクリレート、ポリエチレングリコールモノアクリレート、エトキシエチルメタクリレート、メトキシエチルメタクリレート、エトキシエトキシエチルメタクリレート、ポリエチレングリコールモノメタクリレート、N,Nジエチルアミノエチルアクリレート、N,Nジメチルアミノエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート、アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ポリアルキレングリコールジアクリレート、ポリアルキレングリコールジメタクリレートの他、トリメチロールプロパンアルコキシレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールアルコキシレートトリアクリレート等の3官能モノマー、ペンタエリスリトールアルコキシレートテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンアルコキシレートテトラアクリレート等の4官能以上のモノマーが挙げられる。
前記ゲル状の形態、固体状の形態を有する電解質組成物は、加熱で流動化し、常温で非流動化する熱可逆性、または、常温であっても、せん断力で流動化し、静置で非流動化するチキソトロピー性を有するものであることが好ましい。
重合性モノマーを用いて、ゲル状、固体状の形態とする非流動化は、熱、紫外線、電子線などによって上記のモノマーを重合させることより行われる。
この場合、効果的に重合を進行させるために重合開始剤を使用することが好ましい。
重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンジル、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ビアセチル、ベンゾイルパーオキザイドの他、t−ブチルパ−オキシネオデカノエート、α−クミルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオデカノエート、t−アミルパーオキシネオデカノエート等のパーオキシネオデカノエート類、t−ブチルパーオキシネオヘプタノエート、α−クミルパーオキシネオヘプタノエート、t−ヘキシルパーオキシネオヘプタノエート、1−シクロヘキシル−1−メチルエチルパーオキシネオヘプタノエート、t−アミルパーオキシヘプタノエート等のパーオキシネオヘプタノエート類が挙げられる。
重合性モノマーとしては、上記の他、ポリエステル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリイミド等の重縮合によって生成される高分子、ポリウレタン、ポリウレア等の重付加によって生成される高分子を生成するモノマーを使用することもできる。
(イオン液体)
本発明において、電解質成分にイオン液体を含有すると、その効果は顕著に得られる。理由は定かではないがイオン液体を電解質成分に適用すると、電極と電解液界面でのリチウムイオンの移動抵抗が低下することによると考えられる。
本発明に適用可能なイオン液体は、アンモニウム、ホスホニウム、ヨードニウムから選ばれるオニウムカチオンとアニオンとで形成される化合物であり、0℃以上、200以下の環境下で液体状態を呈する物が用いられる。
オニウムカチオンとしてはアンモニウムが好適であり、脂肪族、脂環族、芳香族、複素環の4級アンモニウムカチオンから選ばれ、代表的には、イミダゾリウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、チアゾリウム、ピロリウム、ピラゾリウム、ベンズイミダゾリウム、インドリウム、カルバゾリウム、キノリニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、アルキルアンモニウム等が挙げられる。それぞれに置換基がついていてもかまわない。
また、アニオン部はフッ素原子を含有するアニオンが好ましく、代表的なアニオンとしては、イミドアニオン、ボレートアニオン、ホスフェートアニオンが挙げられる。
本発明で好ましいカチオン群としては、例えば、1−ethyl−3−methyl−imidazolium(EMI)、N,N−diethyl−N−methyl−N−(2−methoxyethyl)ammonium(DEME)、N−Methyl−N−propyl pyrrolidinium(P13)、N−Methyl−N−propylpiperidinium(PP13)、N−ethyl−N−buthyl pyrrolidinium(P24)等を単独、もしくは混合して用いてもよく、電池作動電圧範囲内で安定な構造を有するのであれば、特に構造を限定するものではない。
本発明に好ましく適用できるアニオン群としては、例えば、bis(fluorosulfonyl)amide(FSA)、(fluorosulfonyl)(trifluoromethylsulfonyl)amide(FTA)、bis(trifluoromethylsulfonyl)amide(TFSA)、bis(pentafluoroethylsufonyl)amide(BETA)、tetrafluoroborate(BF)、trifluoromethyltrifluoroborate(CFBF)、pentafluoroethyltrifluoroborate(CFCFBF)、hexafluorophospate(PF)等を単独、もしくは混合して用いてもよく、電池作動電圧範囲内で安定な構造を有するのであれば、特に構造を限定するものではない。
本発明に適用可能なイオン液体の代表的な例は、上記カチオン群、アニオン群の組み合わせであり、任意の混合率で使用できる。
本発明に適用可能なイオン液体の含有量は、特に限定はないが、電解液に対し、2.0質量%以上、80質量%以下が好ましく、更に好ましくは3.0質量%以上、40質量%以下である。
(二次電池の作製)
次いで、本発明の非水電解質二次電池の作製について説明する。
本発明の二次電池の形状としては、シート、角、シリンダーなどいずれの形にも適用できる。正極活物質や負極活物質の電極合剤は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
上記説明した電極合剤の塗布方法としては、例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスクイーズ法等が好適に挙げられる。その中でも、ブレード法、ナイフ法及びエクストルージョン法が好ましい。
また、塗布は0.1〜100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、電極合剤の溶液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布は片面ずつ逐時でも、両面同時に行ってもよい。更に、前記塗布は連続でも間欠でもストライプでもよい。
その塗布層の厚み、長さ及び巾は、電池の形状や大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みは、ドライ後の圧縮された状態で1〜2000μmが好ましい。
前記電極シート塗布物の乾燥及び脱水方法としては、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、水蒸気、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥温度は80〜350℃が好ましく、100〜250℃がより好ましい。含水量としては、電池全体で2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解質では、それぞれ500ppm以下にすることが好ましい。
シートのプレス法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特に、カレンダープレス法が好ましい。プレス圧は特に限定されないが、20〜294MPaが好ましい。前記カレンダープレス法のプレス速度としては、0.1〜50m/分が好ましく、プレス温度は室温〜200℃が好ましい。負極シートに対する正極シート幅の比としては、0.9〜1.1が好ましく、0.95〜1.0が特に好ましい。正極活物質と負極活物質との含有量比は、化合物種類や電極合剤処方により異なる。
上記により作製された正極、負極をセパレータフィルムで挟み、電解液を充填させることで非水系二次電池が構成される。電解液を充填させる際、真空下で充填させることで、電解液の浸透性が向上する点から好ましい。
本発明の非水系二次電池の形態は特に限定されないが、コイン、シート、円筒等、種々の電池セルに封入することができる。
本発明の非水系二次電池の用途は特に限定されないが、例えば、電子機器としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。
その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
〔正極材料の作製〕
正極の活物質としてLiCoOを、導電助剤としてアセチレンブラックを、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(ポリビニリデンジフルオリド、PVDF)を、それぞれ表1に記載の量混合し、更に、溶剤としてN−メチルピロリドンの100質量部を混練してスラリーを得た。
(正極材料1〜10の作製)
正極材料1〜10については、はじめに下層として表1に記載の組成からなるスラリーを用いて、20μm厚のアルミニウム箔上に下層を塗設し、150℃で5分乾燥することで、乾燥膜厚50μmの下層活物質層を形成した。
次いで、上記形成した下層活物質層上に、上層として表1に記載の組成からなるスラリーを用いて上層を塗設し、150℃で5分乾燥することで、下層、上層合わせて100μmの活物質層を形成した。その後、正極1〜10のそれぞれをロールプレス機により、活物質層を70μmに圧縮成形した。
(正極材料11、12の作製)
正極材料11、12については、テフロン(登録商標)基板上に、表1に記載の組成からなる下層を塗設し、150℃で5分乾燥することで、乾燥膜厚50μmの下層活物質層を得た後、ロールプレス機により25μmに圧縮成形した。
次いで、表1に記載の組成からなる上層塗布液を塗設し、150℃で5分間乾燥し、上層としての乾燥膜厚が50μmの活物質層を得た。ついで、上層上に20μmのアルミニウム箔を貼合し、ロールプレス機により、上層下層合わせて70μmに圧縮成形した。その後、テフロン(登録商標)基板を剥がし、正極材料11、12を得た。正極材料11、12は貼合剥離をすることで、上下層が入れ違うが、正極材料としての上層にプレス厚が大きくかかっており、上層は下層より活物質密度が高くなっている。活物質層の断面を電子顕微鏡により観察することで上層、下層膜厚を求めたところ、正極材料としての上層は25μm、下層は45μmであった。
上記作製した正極材料1〜12について、端部にアルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ90μm、幅54mm×長さ49mmの正極シートを作製、露点−40℃以下の乾燥空気中、230℃で30分脱水乾燥した。
上記作製した正極材料の主な構成を、表1に示す。
Figure 0005564930
〔イオン液体の調製〕
1)1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルフォニル)アミド(以下、EMI−FSAと略す)の合成
カリウム ビス(フルオロスルフォニル)アミド(K−FSA)の21.9g(0.1mol)を、100mlの水に70℃で溶解し、50℃で攪拌しながら、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドの14.6g(0.1mol)を50mlの水に溶解した溶液を15分で滴下、混合した。50℃で激しく攪拌しながら更に2時間、複分解反応を行った後、生成した油層を分離した。生成物を各50mlの水で2回洗浄した後、60℃、13.3Paで2時間乾燥し、EMI−FSA 24.7g(収率85%)を得た。
2)N−エチル−N−ブチルピロリジニウム ビス(フルオロスルフォニル)アミド(P24−FSAと略す)の合成
カリウム ビス(フルオロスルフォニル)アミド(K−FSA)の21.9g(0.1mol)を100mlの水に70℃で溶解し、50℃で攪拌しながら、N−エチル−N−ブチルピロリジニウムクロライドの19.1g(0.1mol)を50mlの水に溶解した溶液を、15分で滴下、混合した。50℃で激しく攪拌しながら更に2時間、複分解反応を行った後、生成した油層を分離した。生成物を各50mlの水で2回洗浄した後、60℃、13.3Paで2時間乾燥し、P24−FSA 28.6g(収率85%)得た。
3)1−エチル−3−メチルイミダゾリウム (フルオロスルフォニル)(トリフルオロメチルスルフォニル)アミド(EMI−FTAと略す)の合成
カリウム(フルオロスルフォニル)(トリフルオロメチルスルフォニル)アミド(K−FTA)の26.9g(0.1mol)を100mlの水に70℃で溶解し、50℃で攪拌しながら、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライド 14.6g(0.1mol)を50mlの水に溶解した溶液を15分で滴下、混合した。次いで、50℃で激しく攪拌しながら更に2時間、複分解反応を行った後、生成した油層を分離した。生成物を各50mlの水で2回洗浄した後、60℃、13.3Paで2時間乾燥し、EMI−FTA 29.0g(収率85%)を得た。
〔シート型リチウム二次電池の作製〕
シート型リチウム二次電池の作製は、負極材料としてリード板を溶接した幅55mm×長さ50mmのリチウム貼り合わせ銅箔(リチウム膜厚30μm、銅箔膜厚20μm)を使用、セパレータは幅60mm×長さ55mmにカットしたCelgard社製の3501を使用した。電解液としてはキシダ化学社製のLBG−94923(EC:DEC=3:7、LiPO 1.3mol/L)を使用し、上記作製した正極材料1、2、4〜9、11を使用して、シート型リチウム二次電池101〜102、104〜109、111を作製した。なお、ECはエチレンカーボネート、DECはジエチルカーボネートである。
また、正極材料3を使用したシート型リチウム二次電池103では、電解液として上記合成したEMI−FSAにLiN(CFSOを1mol/L溶解したものを使用し、正極材料10を使用したシート型リチウム二次電池110では、電解液として上記で合成したP24−FSAにLiN(CFSOを1mol/L溶解したものを使用、また、正極材料12を使用したシート型リチウム二次電池112では、電解液として上記で合成したEMI−FTAにLiN(CFSOを1mol/L溶解したものを使用した。
上記各リチウム二次電池の作製においては、正極材料と負極材料の間にセパレータを挟み、ポリエチレン(50μm)−ポリエチレンテレフタレート(50μm)−80μmのアルミニルム箔のラミネートフィルムよりなる外装材に入れ、3縁を熱融着した。その後、真空下で各電解液を注液したあと、残る1縁を熱融着して、シート型リチウム二次電池101〜112を作製した。
〔シート型リチウム二次電池の評価〕
上記作製したシート型リチウム二次電池について、計測器センター社製の充放電測定装置を用いて、6mAの電流で、電圧を2Vから4.2Vまで充電し、10分間の休止後、6mAの電流で電池電圧3Vまで放電した。この充放電を50回繰り返し、初期の放電容量を基準(100%)としたときの50サイクル目の放電容量保持率(%)を計算した。
次いで、充電、放電電流を、それぞれ30mA、90mAに変更し、上記と同様の方法で高速充電放電における放電容量保持率を計算し、得られた結果を、表2に示す。
Figure 0005564930
表2に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる非水系二次電池用正極を用いたシート型リチウム二次電池は、比較例に対し高い放電容量を有し、特に、高速充放電時に優れた効果を発現することが分かる。
実施例2
〔正極材料201〜212の作製〕
実施例1に記載の正極材料1〜12において、正極活物質をLiCoOからLiFePOに変更した以外は同様にして、正極材料201〜212を作製した。
〔シート型リチウム二次電池の作製〕
実施例1に記載のシート型リチウム二次電池101〜112の作製において、正極材料1〜12に代えて、上記作製した正極材料201〜212を用いた以外は同様にして、シート型リチウム二次電池301〜312を作製した。
〔シート型リチウム二次電池の評価〕
上記作製したシート型リチウム二次電池301〜312について、実施例1に記載の充電電圧4.2Vを、4.0Vに変更した以外は同様の方法で、放電容量保持率を測定し、得られた結果を、表3に示す。
Figure 0005564930
表3に記載の結果より明らかなように、本発明で規定する構成からなる非水系二次電池用正極を用いたシート型リチウム二次電池は、比較例に対し高い放電容量を有し、特に、高速充放電時に優れた効果を発現することが分かる。

Claims (4)

  1. 集電体箔に、リチウム元素を含む活物質層を形成した正極を具備する非水系二次電池正極であって、
    前記活物質層が厚み方向でリチウム元素の濃度が異なっており、活物質層の表面側のリチウム元素の濃度D1が、集電体箔側のリチウム元素の濃度D2より高く、
    前記活物質層の表面側のリチウム元素の濃度D1が、活物質層の集電体箔側のリチウム元素の濃度D2の1.1倍以上、2.0倍以下であり、
    前記活物質層は導電助剤を含有し、活物質層の表面側の導電助剤濃度D3が、活物質層の集電体箔側の導電助剤濃度D4より低く、
    前記活物質層の集電体箔側の導電助剤濃度D4が、活物質層の表面側の導電助剤濃度D3の1.05倍以上、1.50倍以下であることを特徴とする非水系二次電池用正極。
  2. 前記活物質層を構成する活物質が、LiFePOであることを特徴とする請求項1に記載の非水系二次電池用正極。
  3. 請求項1または2に記載の非水系二次電池用正極を用いたことを特徴とする非水系二次電池。
  4. 電解質組成物としてイオン液体を含有することを特徴とする請求項3に記載の非水系二次電池。
JP2009287415A 2009-12-18 2009-12-18 非水系二次電池用正極及び非水系二次電池 Expired - Fee Related JP5564930B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009287415A JP5564930B2 (ja) 2009-12-18 2009-12-18 非水系二次電池用正極及び非水系二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2009287415A JP5564930B2 (ja) 2009-12-18 2009-12-18 非水系二次電池用正極及び非水系二次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011129399A JP2011129399A (ja) 2011-06-30
JP5564930B2 true JP5564930B2 (ja) 2014-08-06

Family

ID=44291771

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2009287415A Expired - Fee Related JP5564930B2 (ja) 2009-12-18 2009-12-18 非水系二次電池用正極及び非水系二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5564930B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5728720B2 (ja) * 2011-03-25 2015-06-03 国立研究開発法人産業技術総合研究所 炭素質負極を有する非水電解質リチウムイオン電池
US10833313B2 (en) 2015-10-22 2020-11-10 Maxell Holdings, Ltd. Positive electrode for nonaqeous electrolyte secondary battery and a nonaqueous electrolyte secondary battery
JP6726584B2 (ja) 2015-10-22 2020-07-22 マクセルホールディングス株式会社 非水電解質二次電池用正極および非水電解質二次電池
CN112701248A (zh) * 2020-12-29 2021-04-23 蜂巢能源科技有限公司 一种正极极片及其制备方法和用途

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3652769B2 (ja) * 1995-12-28 2005-05-25 大日本印刷株式会社 非水電解液二次電池用電極板
JP3482443B2 (ja) * 1997-03-27 2003-12-22 日本電池株式会社 非水電解質二次電池用電極及びその製造方法
CA2535064A1 (fr) * 2006-02-01 2007-08-01 Hydro Quebec Materiau multi-couches, procede de fabrication et utilisation comme electrode
JP2007280687A (ja) * 2006-04-04 2007-10-25 Nissan Motor Co Ltd 電池用電極
JP5348730B2 (ja) * 2006-08-31 2013-11-20 日立マクセル株式会社 リチウムイオン二次電池
JP5151329B2 (ja) * 2007-09-07 2013-02-27 トヨタ自動車株式会社 正極体およびそれを用いたリチウム二次電池

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011129399A (ja) 2011-06-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100714135B1 (ko) 전해액용 재료 및 이의 용도
JP5359440B2 (ja) 電解質及び二次電池
JP5381636B2 (ja) 電池用固体電解質およびリチウムイオン二次電池
WO2018168505A1 (ja) 固体電解質組成物、固体電解質含有シートおよび全固体二次電池、並びに、固体電解質組成物、固体電解質含有シートおよび全固体二次電池の製造方法
JP5391940B2 (ja) 固体電解質、その製造方法および二次電池
JP2012099385A (ja) 耐熱性多孔質層付き電極とその製造方法及び二次電池
JP2011210413A (ja) 電気化学素子用セパレータおよび非水電解液二次電池
JPWO2011077939A1 (ja) イオン液体を含有する二次電池
JPWO2011037060A1 (ja) 電解質組成物、及びリチウムイオン二次電池
JP2011113906A (ja) 固体電解質とその製造方法及びそれを用いた二次電池
JP4797577B2 (ja) 電池
JP5564930B2 (ja) 非水系二次電池用正極及び非水系二次電池
JP5177211B2 (ja) 負極活物質、負極および電池
JP2012089399A (ja) リチウムイオン二次電池用電極板及びリチウムイオン二次電池
JP2012018860A (ja) 電解質組成物、二次電池および二次電池の製造方法
JP5533871B2 (ja) 固体電解質および固体電解質を有するリチウム二次電池
JP2011192568A (ja) 電解質組成物、および二次電池
JP4249495B2 (ja) イオン伝導性材料
JP5397140B2 (ja) 固体電解質及び二次電池
JP2012048935A (ja) 多孔質セパレーター、リチウムイオン二次電池及び多孔質セパレーターの製造方法
JP2010225510A (ja) 電解質組成物、および二次電池
JP2011124121A (ja) 電解質組成物及び二次電池
JP4214691B2 (ja) 電極材料、該電極材料の製造方法、該電極材料を用いた電池用電極及び該電極を用いた電池
JP5673039B2 (ja) リチウムイオン二次電池用負極材、及びそれを用いたリチウムイオン二次電池
WO2021193203A1 (ja) 電解質及び蓄電デバイス

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120515

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20120803

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130910

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130911

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140520

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140602

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5564930

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees