JP2011210413A - 電気化学素子用セパレータおよび非水電解液二次電池 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】BET比表面積が10m2/g以上200m2/g以下である、MgO、CaO、BaOおよびハイドロタルサイト類化合物、から選択される少なくとも1種の無機粒子(A)を含むことを特徴とする電気化学素子用セパレータ。
【選択図】なし
Description
(無機粒子(A))
無機粒子(A)は、BET比表面積が5m2/g以上である、MgO、CaO、BaOおよびハイドロタルサイト類化合物、から選択される少なくとも1種であり、本発明のセパレータに用いられる。
(結着剤(セパレータ用のバインダー樹脂))
本発明のセパレータには結着剤としてバインダー樹脂を用いることができる。該バインダー樹脂(結着剤ともいう)としては、電極製造時に使用する溶媒や電解液に対して安定な材料であれば特にその種類は制限されない。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、アラミド、セルロース、スチレン−ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、エチレン−プロピレンゴム、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン−エチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体およびその水素添加物、シンジオタクチック1,2−ポリブタジエン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、プロピレン−α−オレフィン(炭素数2〜12)共重合体、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン、ポリテトラフルオロエチレン−エチレン共重合体などを用いることができる。
(無機粒子(B))
本発明のセパレータには、さらにフィラーとして無機粒子(B)を含有することができる。本発明の効果が特に優れて奏される観点から特に好ましい。本発明に適用可能な無機粒子(B)としては、特に制限は無いが、構成する金属が、Li、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Rb、Sr、Y、Nb、Zr、Mo、Ag、Cd、In、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Ta、Hf、W、Ir、Tl、Pb、Biおよび希土類金属から選ばれる1種または2種以上の金属である無機粒子(B)を用いることができ、アルカリ金属酸化物、Al2O3、SiO2、ZnO、アルカリ金属塩化物、アルカリ土類金属塩化物、ゼオライト、ハイドロタルサイト類化合物を除く粘土、Na2SO4、CaSO4、3CaO・SiO2、2CaO・SiO2、3CaO・Al2O3および4CaO・Al2O3・Fe2O3が、電解液をさらに脱水出来ることから好ましい。より好ましくは、Al2O3、SiO2、ゼオライト、ハイドロタルサイト類化合物を除く粘土、CaSO4、3CaO・SiO2、2CaO・SiO2、3CaO・Al2O3および4CaO・Al2O3・Fe2O3である。
(セパレータの製造方法)
本発明におけるセパレータの製造方法は、特に限定しないが、湿式法、乾式法、メルトブロー、スパンボンド、電荷溶融紡糸(エレクトロスピニング)といった従来公知の手法を用いることができる。均一に製造できる点から湿式法、乾式法が好ましい。
(非水電解液)
本発明の電池に適用可能な電解液としては、本発明のセパレータに浸透するものであれば特に制限は無い。有機溶媒あるいはイオン液体にLi塩(電解質塩)を溶解させた非水電解液を挙げることができる。
(電解質塩)
本発明の電池の電解液に適用可能な電解質塩としては、特に制限はない。Li塩が好ましく、Li塩のアニオンとしては、I−、Cl−、Br−等のハロゲン化物イオン、bis(fluorosulfonyl)amide(FSA)、(fluorosulfonyl)(trifluoromethylsulfonyl)amide(FTA)、bis(trifluoromethylsulfonyl)amide(TFSA)、bis(pentafluoroethylsufonyl)amide(BETA)、(trifluoromethanesulfonyl)trifluoroacetamide(TSAC)、dicyanamide等のアミド、tetrafluoroborate(BF4)、trifluoromethyltrifluoroborate(CF3BF3)、pentafluoroethyltrifluoroborate(CF3CF2BF3)のボレート、hexafluorophospate(PF6)等のホスフェート、ClO4 −、SbF6 −、等が挙げられる。これらは一種または二種以上を混合してもよい。
(溶媒)
本発明の電池の電解液に適用可能な溶媒としては、特に制限はない。有機溶媒は例えば、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート(VC)等の環状カーボネート類、ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、エチルメチルカーボネート(EMC)、ジプロピルカーボネート(DPC)等の鎖状カーボネート類、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステル類、γ−ブチロラクトン等のγ−ラクトン類、1,2−ジエトキシエタン、1−エトキシ−1−メトキシエタン等の鎖状エーテル類、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等の環状エーテル類、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等のグライム、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、プロピレンカーボネート誘導体、テトラヒドロフラン誘導体、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、N−メチルピロリドン、などの非プロトン性有機溶媒の一種又は二種以上を混合して使用したものが挙げられる。好ましくは環状カーボネート、鎖状カーボネートであり、さらに好ましくは、プロピレンカーボネート(PC)、エチレンカーボネート(EC)ジメチルカーボネート(DMC)、ジエチルカーボネート(DEC)、γブチロラクトン、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル等である。
(イオン液体)
本発明の電池の電解液には、水分の影響を受けやすいイオン液体を用いることができる。本発明におけるイオン液体としては、0℃以上、100℃以下の環境下で液体状態の塩が用いられる。
(正極活物質)
正極活物質としては、無機系活物質、有機系活物質、これらの複合体が例示できるが、無機系活物質あるいは無機系活物質と有機系活物質の複合体が、特にエネルギー密度が大きくなる点から好ましい。
(負極活物質)
負極については特に制限はなく、集電体に負極活物質を密着させたものが利用できる。黒鉛系やスズ合金系などの粉末を、スチレンブタジエンゴムやポリフッ化ビニリデンなどの結着材とともにペースト状として集電体上に塗布して、乾燥後、プレス成形して作製したものが利用できる。物理蒸着(スパッタリング法や真空蒸着法など)によって、3〜5ミクロンのシリコン系薄膜を集電体上に直接形成したシリコン系薄膜負極なども利用できる。
(電極合剤)
本発明に用いる電極合剤としては、導電剤、結着剤やフィラーなどの他に、リチウム塩、非プロトン性有機溶媒等が添加されたものが挙げられる。
(集電体)
正・負極の集電体としては、本発明の二次電池において化学変化を起こさない電子伝導体が用いられる。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。負極の集電体としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、銅あるいは銅合金がより好ましい。
(二次電池の作製)
ここでは、本発明の非水電解質二次電池の作製について説明する。本発明の二次電池の形状としては、シート、角、シリンダーなどいずれの形にも適用できる。正極活物質や負極活物質の電極合剤は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
(セパレータの作製)
無機粒子(A)には、BET比表面積105m2/g、平均粒子径0.7μmのMgO粒子(協和化学製ミクロマグ3−150)を用い、300℃〜700℃の温度で加熱処理して含水量を調整し、露点−60℃の雰囲気で常温まで冷却してから使用した。ポリプロピレン(PP)(重量平均分子量100,000)を97質量%、無機粒子(A)を3質量%となるように、2軸押出し機に投入した。押出し機は口径25mm、L/D=48のものを使用し、成型温度は230℃、押出し回転数は毎分100回転として混練した。その後、溶融樹脂を幅100mm、リップ間隔0.5mmのTダイより押出し、95℃に温度調整したロールで引き取り、フィルムを得た。
(正極の作製)
正極活物質として、LiMn2O4を43質量部、鱗片状黒鉛2質量部、アセチレンブラック2質量部、更に結着剤としてPVDF(ポリフッ化ビニリデン)3質量部を加え、NMP(N−メチルピロリドン)を適宜加えて分散させ、混練して得られたペーストを厚さ20μmのアルミニウム箔に、ダイコート法で塗布、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形した後、端部にアルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ100μm、幅54mm×長さ49mmの正極シートを作製、露点−40℃以下の乾燥空気中、230℃で30分脱水乾燥した。
(負極の作製)
人造黒鉛(負極活物質)2000質量部と、スチレン−ブタジエン共重合体の変性体を40質量%含む水性分散液(日本ゼオン製、BM−400B)75質量部と、CMC(カルボキシメチルセルロース、ダイセル化学工業(株)製、CMCダイセル1220、増粘剤)を30質量部と、適量の水とを分散させ、混練して、負極ペーストを調製した。このペーストを厚さ10μmの銅箔の両面に、負極リード接続部を除いて、ダイコート法で塗布後、塗膜を乾燥させた。乾燥後の塗膜をカレンダープレス機により圧縮成形した後、負極合剤層を形成し、厚さ100μm、幅60mm×長さ55mmの負極シートを作製、露点−40℃以下の乾燥空気中、230℃で30分脱水乾燥した。
(シート型電池の作製)
露点−60℃のドライボックス中で、正極材料と負極材料の間にセパレータ1を挟み、ポリエチレン(50μm)−アルミニウム箔(80μm)−ポリエチレンテレフタレート(50μm)のラミネートフィルムよりなる外装材に入れ、3縁を熱融着した。エチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを体積比1:1の割合で混合し、これに電解質塩としてLiPF6を濃度1.0mol/lで溶解したものを電解液として使用した。前記電解液を注液したあと、残る1縁を熱融着しシート型電池を作製した。これを電池1とする。
以下に示す方法を用いて、本発明のセパレータの評価および電池の評価を行った。
(セパレータの空隙率)
セパレータ試料について、セパレータ体積V(m3)についての質量:G(kg)を測定し、バインダー樹脂の密度、無機粒子の密度、を測定し、下記式により空隙率(%)を求めた。結果を表2に示す。
(シート電池のサイクル特性)
得られたシート型リチウム二次電池について、計測器センター製の充放電測定装置を用いて、0.2Cの電流で電圧2Vから4.2Vまで充電し、10分間の休止後、0.2Cの電流で電池電圧3Vまで放電した。この充放電を300サイクル繰り返した。初期の充放電容量と、300サイクル目の充放電容量を測定し、充放電容量維持率(%)を[(300サイクル目の充放電容量)/(初期の充放電容量)]×100(%)から求め、サイクル特性の評価とした。結果を表3に示す。
(シート電池のレート特性)
得られたシート型リチウム二次電池について、計測器センター製の充放電測定装置を用いて、0.2Cの電流で電圧2Vから4.2Vまで充電し、10分間の休止後、1Cの電流で電池電圧3Vまで放電する充放電を5サイクル繰り返した後に、1Cの電流で電圧2Vから4.2Vまで充電し、10分間の休止後、1Cの電流で電池電圧3Vまで放電する充放電を5サイクル繰り返し、[(1Cでの充放電容量の5サイクル平均値)/(0.2Cでの充放電容量の5サイクル平均値)]×100(%)をレート特性の評価とした。結果を表3に示す。
(電池内の電解液の水分量)
水分量が10ppm以下である電解液を注液後、6時間静置した非水電解液電池の電解液を抽出し、水分量(ppm)をカールフィッシャー水分測定装置により測定した結果を電池内の電解液の水分量(ppm)として示す。結果を表3に示す。
無機粒子(A)をBET比表面積80m2/g、平均粒子径0.04μmのBaO粒子(日清エンジニアリング製)とした以外は、実施例1と同様にして、実施例2のセパレータを作製した。このセパレータを用いた以外は正極、負極、電池の作製、および電池の評価も実施例1と同様にした。
無機粒子(A)をBET比表面積11m2/g、平均粒子径0.6μmのハイドロタルサイト類化合物粒子Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O(協和化学製DHT−4A)とした以外は、実施例1と同様にして、実施例3のセパレータフィルムを作製した。このセパレータを用いた以外は正極、負極、電池の作製、および電池の評価も実施例1と同様にした。
無機粒子(A)にBET比表面積30m2/g、平均粒子径0.7μmのMgO粒子(協和化学製ミクロマグ3−30)を用い、無機粒子(A)とポリプロピレンの組成比を30質量%:70質量%にした以外は実施例1と同様にして、実施例4のセパレータフィルムを作製した。このセパレータを用いた以外は正極、負極、電池の作製、および電池の評価も実施例1と同様にした。
無機粒子(A)にBET比表面積105m2/g、平均粒子径0.7μmのMgO粒子(協和化学製ミクロマグ3−150)を用い、無機粒子(A)とポリプロピレンの組成比を30質量%:70質量%にした以外は実施例1と同様にして、実施例5のセパレータフィルムを作製した。このセパレータを用いた以外は正極、負極、電池の作製、および電池の評価も実施例1と同様にした。
無機粒子(A)をBET比表面積70m2/g、平均粒子径0.15μmのCaO粒子(シグマアルドリッチ製)を用い、無機粒子(A)とポリプロピレンの組成比を30質量%:70質量%にした以外は実施例1と同様にして、実施例6のセパレータを作製した。このセパレータを用いた以外は正極、負極、電池の作製、および電池の評価も実施例1と同様にした。
無機粒子(A)をBET比表面積80m2/g、平均粒子径0.04μmのBaO粒子(日清エンジニアリング製)を用い、無機粒子(A)とポリプロピレンの組成比を30質量%:70質量%にした以外は実施例1と同様にして、実施例7のセパレータを作製した。このセパレータを用いた以外は正極、負極、電池の作製、および電池の評価も実施例1と同様にした。
無機粒子(A)をBET比表面積11m2/g、平均粒子径0.6μmのハイドロタルサイト類化合物粒子Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O(協和化学製DHT−4A)を用い、無機粒子(A)とポリプロピレンの組成比を30質量%:70質量%にした以外は実施例1と同様にして、実施例8のセパレータを作製した。このセパレータを用いた以外は正極、負極、電池の作製、および電池の評価も実施例1と同様にした。
(負極上のセパレータ層の作製)
BET比表面積105m2/g、平均粒子径0.7μmのMgO粒子(協和化学製ミクロマグ3−150)を60質量部と、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)40質量部を加え、NMP(N−メチルピロリドン)を適宜加えて分散させ、混練して得られたセパレータペーストを調製した。このペーストを実施例1で作製した負極の両面に塗布し、80℃で減圧乾燥させ、厚さ20μmの多孔質絶縁層を形成した。その後、リードを接続し、負極上のセパレータ層を得た。
(電池の作製)
露点−60℃のドライボックス中で、実施例1で作製した正極シートとセパレータ層が塗布された負極を重ね合わせ、ポリエチレン(50μm)−アルミニウム箔(80μm)−ポリエチレンテレフタレート(50μm)のラミネートフィルムよりなる外装材に入れ、3縁を熱融着した。電解液としては、エチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを体積比1:1の割合で混合したものを溶媒とし、これに電解質塩としてLiPF6を濃度1.0mol/lで溶解したものを電解液(非水電解液)として使用した。該電解液を注液したあと、残る1縁を熱融着しシート型電池を作製した。電池の評価は実施例1と同様に行った。
無機粒子(A)をBET比表面積80m2/g、平均粒子径0.04μmのBaO粒子(日清エンジニアリング製)とした以外は、実施例9と同様にして、実施例10の多孔質セパレータ層を作製した。この負極上のセパレータ層を用いた以外は、実施例9と同様に電池の作製を行った。電池の評価は実施例1と同様に行った。
無機粒子(A)をBET比表面積11m2/g、平均粒子径0.6μmのハイドロタルサイト類化合物粒子Mg4.5Al2(OH)13CO3・3.5H2O(協和化学製DHT−4A)とした以外は、実施例9と同様にして、実施例11の多孔質セパレータ層を作製した。この負極上のセパレータ層を用いた以外は、実施例9と同様に電池の作製を行った。電池の評価は実施例1と同様に行った。
前記電池の作製において、1−ethyl−3−methyl−imidazolium bis(fluorosulfonyl)amide(EMIFSA)を溶媒とし、これに電解質塩として Li bis(trifluoromethylsulfonyl)amide(LITFSA)を濃度1.0mol/lで溶解したものを電解液(非水電解液)として使用した以外は、実施例9〜実施例11と同様にして、電池の作製、および電池の評価をそれぞれ行った。
(セパレータの作製)
無機粒子(A)としてBET比表面積105m2/g、平均粒子径0.7μmのMgO粒子(協和化学製ミクロマグ3−150)、無機粒子(B)としてBET比表面積100m2/g、平均粒子径0.01μmのアルミナ(日本アエロジル製Alu−C)を用い、300℃〜700℃の温度で加熱処理して含水量を調整し、露点−60℃の雰囲気で常温まで冷却してから使用した。ポリプロピレン(重量平均分子量100,000)を70質量%、無機粒子(A)を3質量%、無機粒子(B)を27質量%となるように、2軸押出し機に投入した。押出し機は口径25mm、L/D=48のものを使用し、成型温度は230℃、押出し回転数は毎分100回転として混練した。その後、溶融樹脂を幅100mm、リップ間隔0.5mmのTダイより押出し、95℃に温度調整したロールで引き取り、フィルムを得た。得られたフィルムを130℃、2時間の条件でアニールした後、30℃でフィルム走行方向に50%寸法変化するように1軸延伸し、その後110℃でフィルム走行方向に150%寸法変化するように1軸延伸した。その後、140℃で60秒固定し、多孔質セパレータフィルムを作製した。得られたセパレータフィルムは80℃で6時間減圧乾燥後、露点−60℃のドライボックス中で6時間以上静置した。このセパレータを用いた以外は正極、負極、電池の作製、および電池の評価も実施例1と同様にした。
無機粒子(B)としてBET比表面積800m2/g、平均粒子径1μmの多孔質シリカ(AGCエスアイテック製、サンスフェアH31)を用いた以外は実施例15と同様にセパレータフィルムを作製した。このセパレータを用いた以外は実施例1と同様に正極、負極、電池の作製、および電池の評価を行った。
無機粒子(B)としてBET比表面積400m2/g、平均粒子径1.5μmのゼオライト(日本化学工業製、ゼオスター)を用いた以外は実施例15と同様にセパレータフィルムを作製した。このセパレータを用いた以外は実施例1と同様に正極、負極、電池の作製、および電池の評価を行った。
PVDF(ポリフッ化ビニリデン)40質量%および無機粒子(A)としてBET比表面積105m2/g、平均粒子径0.7μmのMgO粒子(協和化学製ミクロマグ3−150)30質量%および無機粒子(B)としてBET比表面積150m2/g、平均粒子径0.01μmの多孔質シリカ(日本エアロジル製、RX200)30質量%をNMP(N−メチルピロリドン)に溶解分散させ、セパレータペーストを得た。このペーストを実施例1で作製した負極の両面に塗布し、80℃で減圧乾燥させ、厚さ20μmの多孔質絶縁層を形成した。その後、リードを接続し、負極上のセパレータ層を得た。この負極上のセパレータ層を用いた以外は、実施例9と同様に電池の作製を行った。電池の評価は実施例1と同様に行った。
無機粒子(B)としてBET比表面積100m2/g、平均粒子径0.01μmのアルミナ(日本アエロジル製、Alu−C)を用いた以外は実施例18と同様に負極上のセパレータ層を作製した。この負極上のセパレータ層を用いた以外は、実施例9と同様に電池の作製を行った。電池の評価は実施例1と同様に行った。
無機粒子(B)としてBET比表面積800m2/g、平均粒子径1μmの多孔質シリカ(AGCエスアイテック製、サンスフェアH31)を用いた以外は実施例18と同様に負極上のセパレータ層を作製した。この負極上のセパレータ層を用いた以外は、実施例9と同様に電池の作製を行った。電池の評価は実施例1と同様に行った。
無機粒子(B)としてBET比表面積260m2/g、平均粒子径11μmの活性アルミナ(DK Fine製、AA100)を用いた以外は実施例18と同様に負極上のセパレータ層を作製した。この負極上のセパレータ層を用いた以外は、実施例9と同様に電池の作製を行った。電池の評価は実施例1と同様に行った。
無機粒子(B)としてBET比表面積400m2/g、平均粒子径1.5μmのゼオライト(日本化学工業製、ゼオスター)を用いた以外は実施例18と同様にセパレータフィルムを作製した。この負極上のセパレータ層を用いた以外は、実施例9と同様に電池の作製を行った。電池の評価は実施例1と同様に行った。
(正極の作製)
LiMn2O4 99.5質量部と、MgO 0.5質量部とを、十分に混合した後、ボールミルを用いて、室温でメカニカルアロイングすることにより、MgOにより粒子表面が被覆されたLiMn2O4正極活物質を得た。LiMn2O4の代わりに、MgOにより粒子表面が被覆されたLiMn2O4を正極活物質とした以外は、実施例1と同様にして、正極シートを作製した。
溶媒としてエチレンカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを体積比1:1の割合で混合し、これに電解質塩としてLiPF6を濃度1.0mol/lで溶解した電解液100質量部に、更にBET比表面積105m2/g、平均粒子径0.7μmのMgO粒子(協和化学製ミクロマグ3−150)を1質量部加えて分散させたものを電解液として使用し、且つ、セパレータとしては厚さ25μmの微多孔性ポリエチレンフィルム(Celgard 2400)を用いた以外は、実施例1と同様に正極、負極、電池の作製、および電池の評価を行った。
溶媒としてのEMIFSAに電解質塩としてLiTFSAを濃度1.0mol/lで溶解した電解液100質量部に、更にBET比表面積105m2/g、平均粒子径0.7μmのMgO粒子(協和化学製ミクロマグ3−150)を1質量部加えて分散させたものを電解液として使用し、且つ、セパレータとしては厚さ25μmの微多孔性ポリエチレンフィルム(Celgard 2400)を用いた以外は、実施例1と同様に正極、負極、電池の作製、および電池の評価を行った。
無機粒子(A)としてのBET比表面積105m2/g、平均粒子径0.7μmのMgO粒子(協和化学製ミクロマグ3−150)3質量%の代わりに無機粒子(B)としてのBET比表面積800m2/g、平均粒子径1μmの多孔質シリカ(AGCエスアイテック製、サンスフェアH31)33質量%、ポリプロピレン(重量平均分子量100,000)40質量%、を用いた以外は実施例16と同様にセパレータフィルムを作製した。このセパレータを用いた以外は実施例1と同様に正極、負極、電池の作製、および電池の評価を行った。
無機粒子(A)としてのBET比表面積105m2/g、平均粒子径0.7μmのMgO粒子(協和化学製ミクロマグ3−150)3質量%の代わりに無機粒子(B)としてのBET比表面積400m2/g、平均粒子径1.5μmのゼオライト(日本化学工業製、ゼオスター)33質量%、ポリプロピレン(重量平均分子量100,000)40質量%、を用いた以外は実施例17と同様にセパレータフィルムを作製した。このセパレータを用いた以外は実施例1と同様に正極、負極、電池の作製、および電池の評価を行った。
無機粒子(A)としてのBET比表面積105m2/g、平均粒子径0.7μmのMgO粒子(協和化学製ミクロマグ3−150)3質量%の代わりに無機粒子(B)としてのBET比表面積100m2/g、平均粒子径0.01μmのアルミナ(日本アエロジル製、Alu−C)33質量%、ポリプロピレン(重量平均分子量100,000)40質量%、を用いた以外は実施例15と同様にセパレータフィルムを作製した。このセパレータを用いた以外は実施例1と同様に正極、負極、電池の作製、および電池の評価を行った。
無機粒子(A)としてBET比表面積105m2/g、平均粒子径0.7μmのMgO粒子(協和化学製ミクロマグ3−150)3質量%の代わりに、BET比表面積4.8m2/g、平均粒子径1.3μmのMgO粒子(協和化学製、パイロキスマ5Q)3質量%を用いた以外は実施例1と同様にセパレータフィルムを作製した。このセパレータを用いた以外は実施例1と同様に正極、負極、電池の作製、および電池の評価を行った。
無機粒子(A)としてBET比表面積105m2/g、平均粒子径0.7μmのMgO粒子(協和化学製ミクロマグ3−150)3質量%の代わりに、BET比表面積8.9m2/g、平均粒子径0.5μmのMgO粒子(タテホ化学工業製、ピュアマグ FNM−G)3質量%を用いた以外は実施例1と同様にセパレータフィルムを作製した。このセパレータを用いた以外は実施例1と同様に正極、負極、電池の作製、および電池の評価を行った。
無機粒子(A)として、BET比表面積105m2/g、平均粒子径0.7μmのMgO粒子(協和化学製ミクロマグ3−150)3質量%の代わりに、BET比表面積160m2/g、平均粒子径0.23μmのMgO粒子(岩谷化学工業製、MTK−30)を3質量%用いた以外は実施例1と同様にセパレータフィルムを作製した。このセパレータを用いた以外は実施例1と同様に正極、負極、電池の作製、および電池の評価を行った。
<無機粒子(A)>
MgO(3−30):MgO(協和化学製、ミクロマグ3−30)
MgO(3−150):MgO(協和化学製、ミクロマグ3−150)
BaO(日清エンジニアリング製):BaO(日清エンジニアリング製)
ハイドロタルサイト(DHT−4A):ハイドロタルサイト類化合物(協和化学製、DHT−4A)
CaO(シグマアルドリッチ製):CaO(シグマアルドリッチ製)
MgO(パイロキスマ5Q):MgO(協和化学製、パイロキスマ5Q)
MgO(ピュアマグ FNM−G):(タテホ化学工業製、ピュアマグ FNM−G)
MgO(MTK−30):MgO(岩谷化学工業製、MTK−30)
<バインダー樹脂、結着剤>
PP:ポリプロピレン(重量平均分子量100,000)
PVDF:ポリフッ化ビニリデン
<無機粒子(B)>
アルミナ(Alu−C):アルミナ(日本アエロジル製Alu−C)
多孔質シリカ(サンスフェアH31):多孔質シリカ(AGCエスアイテック製、サンスフェアH31)
ゼオライト(ゼオスター):ゼオライト(日本化学工業製、ゼオスター)
シリカ(RX200):シリカ(日本エアロジル製、RX200)
活性アルミナ(AA100):活性アルミナ(DK Fine製、AA100)
<電解液の溶媒>
EC:エチレンカーボネート
DEC:ジエチルカーボネート
Claims (4)
- BET比表面積が10m2/g以上200m2/g以下である、MgO、CaO、BaOおよびハイドロタルサイト類化合物、から選択される少なくとも1種の無機粒子(A)を含むことを特徴とする電気化学素子用セパレータ。
- 前記電気化学素子用セパレータの全構成成分中、前記無機粒子(A)の含有量が5〜80質量%であることを特徴とする請求項1に記載の電気化学素子用セパレータ。
- 前記電気化学素子用セパレータが、さらに、無機粒子(B)の少なくとも1種を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の電気化学素子用セパレータ。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の電気化学素子用セパレータを有することを特徴とする非水電解液二次電池。
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