JP2003263984A - 非水電解質電池および非水電解質電池の製造法。 - Google Patents

非水電解質電池および非水電解質電池の製造法。

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JP2003263984A
JP2003263984A JP2002065336A JP2002065336A JP2003263984A JP 2003263984 A JP2003263984 A JP 2003263984A JP 2002065336 A JP2002065336 A JP 2002065336A JP 2002065336 A JP2002065336 A JP 2002065336A JP 2003263984 A JP2003263984 A JP 2003263984A
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negative electrode
battery
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electrode active
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Mikio Okada
幹雄 岡田
Zenichiro Takehara
善一郎 竹原
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Japan Storage Battery Co Ltd
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    • Y02P70/50Manufacturing or production processes characterised by the final manufactured product

Abstract

(57)【要約】 【課題】正極活物質としてリチウムを可逆的に吸蔵およ
び放出する無機または有機化合物を備え、負極活物質と
して炭素材料を備え、電解質材料としてポリマー電解質
を備えた非水電解質電池において、充放電サイクル性能
にすぐれる非水電解質電池を提供する。 【解決手段】正極活物質としてリチウムを可逆的に吸蔵
および放出する無機または有機化合物を備え、負極活物
質として炭素材料を備え、電解質材料としてポリマー電
解質を備えた非水電解質電池において、前記炭素材料に
LiFの被膜が形成されていることを特徴とする非水電
解質電池。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は非水電解質電池およ
び非水電解質電池の製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯用無線電話、携帯用パソコ
ン、携帯用ビデオカメラ等の電子機器が開発され、各種
電子機器が携帯可能な程度に小型化されている。それに
伴って、内蔵される電池としても、高エネルギー密度を
有し、且つ軽量なものが採用されている。
【0003】そのような要求を満たす典型的な電池は、
金属リチウム、リチウム合金またはリチウムを可逆的に
吸蔵および放出可能な炭素を負極活物質とし、リチウム
を可逆的に吸蔵および放出可能な正極活物質を用い、L
iClO、LiPF等のリチウム塩を溶解した非プ
ロトン性の有機溶媒を電解液とする非水電解質二次電池
である。これらの非水電解質二次電池のなかでも、負極
活物質として炭素を用い、正極活物質としてLiCoO
、LiNiOまたはLiMnなどを用いたリ
チウムイオン電池は、充放電サイクル寿命に優れること
から特に実用に適している。
【0004】これらのリチウムイオン電池の安全性を更
に向上させるために、有機電解液の代わりに、化学的に
より安定なポリマー電解質を用いることが試みられてい
る。ポリマー電解質としては、ポリエチレンオキシド、
ポリプロピレンオキシドなどのポリエーテルとアルカリ
金属塩との錯体が多く研究されている。このポリエーテ
ル系ポリマー電解質のイオン伝導度を向上させるため
に、ポリエーテルを側鎖に有するくし型ポリマー、ポリ
エーテル鎖と他のモノマーの共重合体、ポリエーテルを
側鎖に有するポリシロキサンまたはポリフォスファゼン
などの開発が試みられている。さらに、ポリエーテルを
架橋体とすることなども試みられている。さらに、ポリ
マーに電解液を含浸させることによってゲル状の固体電
解質を製作し、リチウム系電池に適用することも試みら
れている。
【0005】このゲル状の固体電解質において使用され
ているポリマーには、ポリエーテル、ポリアクリロニト
リル、ポリビニリデンフルオライド、ポリ塩化ビニル、
ポリビニルサルフォン、ポリビニルピロリジノン等があ
る。ビニリデンフルオライドとヘキサフルオロプロピレ
ンとの共重合体を用いることによってポリマーの結晶化
度を低下させ、電解液を含浸し易くして導電率を向上さ
せることも試みられている。しかしながら、上記のよう
なポリマー電解質をもちいた場合には、電池の充放電サ
イクル性能が劣るという問題点があった。
【0006】金属リチウムを負極活物質にもちいた非水
電解質電池においては、フッ化水素処理によって金属リ
チウムにLiFの被膜を形成することで電池の充放電サ
イクル性能を改善することが試みられている(特開平7
−296851、特開平7−282848)。さらに、
電解液へのフッ化水素の添加が、充電による金属リチウ
ムの析出形態に与える影響が、詳細に報告されている
(J.Electrochem.Soc.143(19
96)p2187、J.Electrochem.So
c.146(1999)p1633,J.Appl.E
lectrochem.29(1999)p869、L
angmuir 13(1997)p3542)。いっ
ぽう、負極活物質として炭素をもちいた場合において
も、初回充電時に形成される被膜の成分について、詳細
に報告されている(Chem.Matar.9(199
7)p1797)。しかしながら、ポリマー電解質をも
ちいた場合に、炭素材料からなる負極活物質に形成され
る被膜については、ほとんど報告がされていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】正極活物質としてリチ
ウムを可逆的に吸蔵および放出する無機または有機化合
物を備え、負極活物質として炭素材料を備え、電解質材
料としてポリマー電解質を備えた非水電解質電池におい
ては、充放電サイクル性能が劣るという問題点があっ
た。本発明は上記問題を鑑みてなされたものであり、前
記炭素材料にLiFの被膜が形成されていることによっ
て、充放電サイクル性能に優れる非水電解質電池を提供
するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、正極
活物質としてリチウムを可逆的に吸蔵および放出する無
機または有機化合物を備え、負極活物質として炭素材料
を備え、電解質材料としてポリマー電解質を備えた非水
電解質電池において、前記炭素材料にLiFの被膜が形
成されていることを特徴とする。
【0009】請求項1の発明によれば、電池の安全性お
よび充放電サイクル性能にすぐれる非水電解質電池が得
られる。
【0010】請求項2の発明は、上記非水電解質電池に
おいて、前記電解質材料として、ポリマーをマトリック
スとして、このマトリックスにエーテルのオリゴマーを
含浸させたものを備えることを特徴とする。
【0011】請求項2の発明によれば、電池の安全性、
高率充放電性能、および充放電サイクル性能にすぐれる
非水電解質電池が得られる。
【0012】請求項3の発明は、上記非水電解質電池に
おいて、前記電解質材料として、多孔性ポリマー電解質
を備えることを特徴とする。
【0013】請求項3の発明によれば、電池の安全性に
すぐれ、かつ著しく充放電サイクル性能にすぐれる非水
電解質電池が得られる。
【0014】請求項4の発明は、炭素材料からなる負極
活物質を、リチウム塩およびHFを含む電解質中に浸漬
することによって、あるいは前記電解質中で充電するこ
とによって、前記負極活物質にLiFの被膜を形成した
後に、電池ケース内に電解液を注液することを特徴とす
る。
【0015】請求項4の発明によれば、高率充放電性
能、および充放電サイクル性能にすぐれる非水電解質電
池が得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は、正極活物質としてリチ
ウムを可逆的に吸蔵および放出する無機または有機化合
物を備え、負極活物質として炭素材料を備え、電解質材
料としてポリマー電解質を備えた非水電解質電池におい
て、前記炭素材料にLiFの被膜が形成されていること
によって電池の充放電サイクル性能が著しく向上するこ
とをみいだしたものである。この理由は明らかではない
が、LiFの被膜がポリマー電解質に対して安定に存在
するために、負極活物質によるポリマー電解質の分解が
抑制されるためであると考えられる。
【0017】ポリエーテルにリチウム塩を溶解したポリ
マー電解質をもちいた場合には、電解液をもちいた場合
と比較して電池の安全性が向上することは期待される
が、リチウムイオンの導電率が低く、その拡散係数も小
さくなるために、高率充放電性能に劣ることが問題とな
っていた。
【0018】この問題点を解決するために、エチレンカ
ーボネートやジエチルカーボネートなどの低分子量有機
溶媒を含む有機電解液でポリマーを膨潤させたゲル電解
質をもちいることによって、リチウムイオンの導電率お
よび拡散係数を向上させることが試みられているが、こ
の場合には、電解質が蒸気圧の高い非水溶媒を含むため
に、電池の安全性向上の程度が低くなるという問題点が
あった。
【0019】これに対して、ポリマーをマトリックスと
して、このマトリックスに液状であるエーテルのオリゴ
マーを含浸した場合には、低分子量有機溶媒をもちいた
場合よりも、安全性にすぐれることが期待される。その
理由は、エーテルのオリゴマーは、エチレンカーボネー
トやジエチルカーボネートなどの低分子量有機溶媒より
も、蒸気圧が低いからである。
【0020】本発明は、ポリマーのマトリックスにエー
テルのオリゴマーを含浸させた電解質材料を備えた非水
電解質電池において、特に著しく充放電サイクル性能を
向上することができる。この理由は明らかではないが、
LiFの被膜がエーテルのオリゴマーに対して安定に存
在するために、炭素材料からなる負極活物質によるポリ
マー電解質の分解が抑制されるためであると考えられ
る。
【0021】本発明における多孔性ポリマー電解質と
は、孔径が0.003μm以上10μm以下であって、
孔以外のポリマーの部分がリチウムイオン伝導性を示す
ものである。多孔性ポリマー電解質のポリマー材料とし
ては、非水電解液で湿潤または膨潤してゲル状となるこ
とによってリチウムイオン伝導性が得られるポリマー、
またはポリエチレンオキシドなどのように有機溶媒を使
用しない場合においてもリチウムイオンが移動可能なポ
リマーなどが用いられる。
【0022】本発明は、孔のないポリマー電解質より
も、このような多孔性ポリマー電解質を使用した場合
に、より充放電サイクル性能を向上することができる。
この理由は明らかではないが、炭素材料からなる負極活
物質が、充放電によって膨張・収縮する際に生じる負極
板内のストレスを、多孔性ポリマー電解質の孔が緩和す
るために、負極活物質からのLiF被膜の剥離が生じに
くくなったためであると考えられる。その結果として、
充放電サイクル中の新たな被膜形成に消費される容量が
少ないために、充放電サイクル性能にすぐれるものと考
えられる。
【0023】負極活物質として炭素材料をもちいるリチ
ウムイオン電池において、初回充電時に負極活物質に良
好な被膜を形成するためには、使用する電解質組成が制
約される。例えば、グラファイト負極に安定な被膜を形
成するためには、電解液が一定量以上のエチレンカーボ
ネートを含むことが必要である。
【0024】しかし、エチレンカーボネートは粘性が高
く、かつ低温で凝固しやすいために、高率や低温での充
放電性能に劣るという問題点があった。本発明のひとつ
は、炭素材料からなる負極活物質を、リチウム塩および
HFを含む電解質中に浸漬することによって、あるいは
前記電解質中で充電することによって、前記負極活物質
にLiFの被膜を形成した後に、電池ケース内に電解液
を注液することを特徴とする。したがって、電池内に備
える非水電解質の組成の制限なく、炭素材料からなる負
極活物質に良好な被膜を形成することができる。
【0025】その結果として、電池内の非水電解質中の
エチレンカーボネート量が少ない、あるいはエチレンカ
ーボネートを備えない場合においてもグラファイト負極
に良好な被膜を形成することができ、高率充放電性能と
充放電サイクル性能の両方にすぐれた電池を製造するこ
とができる。
【0026】本発明におけるポリマー電解質にもちいる
ポリマー材料の例としては、つぎのものがあげられる。
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド等のポ
リエーテル、ポリアクリロニトリル、ポリビニリデンフ
ルオライド、ポリ塩化ビニリデン、ポリメチルメタクリ
レート、ポリメチルアクリレート、ポリビニルアルコー
ル、ポリメタクリロニトリル、ポリビニルアセテート、
ポリビニルピロリドン、ポリエチレンイミン、ポリブタ
ジエン、ポリスチレン、ポリイソプレン、もしくはこれ
らの誘導体を、単独で、あるいは混合して用いてもよ
い。また、上記ポリマーを構成する各種モノマーを共重
合させたポリマーを用いてもよい。さらに、これらのポ
リマーを枝分かれ構造としたもの、または架橋したもの
をもちいてもよい。
【0027】また、本発明における非水電解質電池にお
いては、正・負極板の間に用いる短絡防止膜として、ポ
リビニリデンフルオライド、ビニリデンフルオライドと
ヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエチレンとポリプロピレンと
の積層体などを使用することができる。また、正極板ま
たは負極板の少なくとも一方に塗布したポリマー膜によ
って正・負極板の間の短絡が防止される場合には、これ
とは別に短絡防止膜を用いなくともよい。
【0028】本発明においては、ポリマー電解質を電解
液溶媒でゲル化してもよく、その電解液溶媒としては、
エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチ
レンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、メチルエチルカーボネート、γ−ブチロラ
クトン、スルホラン、ジメチルスルホキシド、アセトニ
トリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミ
ド、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエ
タン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフ
ラン、ジオキソラン、メチルアセテート等の極性溶媒を
単独で、もしくはこれらの混合物を使用してもよい。
【0029】さらに、電解質に含有させる塩としては、
LiPF、LiBF、LiAsF、LiClO
LiSCN、LiI、LiCFSO、LiCl、L
iBr、LiCFCO、LiPF(C
またはLiN(CSO などのリチウム塩、
もしくはこれらの混合物を用いてもよい。
【0030】さらに、本発明における非水電解質電池に
おいては、つぎに示す材料を正極活物質としてもちいる
ことができる。無機化合物としては、組成式LiMO
、又はLi(ただし、Mは遷移金属、0≦x
≦1、0≦y≦2)で表される、複合酸化物、トンネル
状の空孔を有する酸化物、層状構造の金属カルコゲン化
物などを用いることができる。その具体例としては、L
iCoO、LiNiO、LiMn、LiMn
、LiNi0.5Mn1.5、MnO 、Fe
、V、V13、TiO、TiS、NiO
OH、FeOOHなどが挙げられる。また、有機化合物
としては、例えばポリアニリン等の導電性ポリマー等が
挙げられる。さらに、無機化合物、有機化合物を問わ
ず、上記各種活物質を混合して用いてもよい。
【0031】さらに、本発明における非水電解質電池に
おいて負極活物質としてもちいる炭素材料としては、球
状グラファイトであるMCMB、鱗片状黒鉛、塊状黒
鉛、難黒鉛化性炭素、低結晶性炭素、低温焼成炭素など
を使用することができる。また、前記炭素材料と、つぎ
に記す負極活物質を組み合わせてもちいてもよい。A
l、Si、Pb、Sn、Zn、Cd、Ge等とリチウム
との合金、SnとCoとLiとの合金、LiFe
等の遷移金属複合酸化物、MoO、スズ酸化物等の遷
移金属酸化物、SiO、SiOなどの珪素酸化物、L
(LiN)等の窒化リチウム、もしくは金属リチウ
ム、又はこれらの混合物。
【0032】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を用いて説明す
る。
【0033】[実施例1]LiNi0.8Co0.2
を70wt%、導電材としてのアセチレンブラック6
wt%、結着材としてのポリビニリデンフルオライド
(PVdF)9wt%、および結着材を溶解する溶剤と
してのn−メチルピロリドン(NMP)15wt%を混
合したものを幅120mm、長さ500mm、厚さ20
μmのアルミニウム箔上に塗布し、150℃で乾燥して
NMPを蒸発させた。以上の操作をアルミニウム箔の両
面におこなって、公称容量3,100mAhの正極板を
製作した。球状黒鉛であるMCMB81wt%、PVd
F9wt%、NMP10wt%を混合した活物質ペース
トを幅120mm、長さ500mm、厚さ10μmの銅
箔上に塗布し、150℃で乾燥してNMPを蒸発させ
た。この作業を銅箔の両面に対しておこなって、公称容
量3,100mAhの負極板を製作した。
【0034】このようにして製作した負極板を、体積比
1:1でエチレンカーボネートとメチルエチルカーボネ
ートとを混合して、1mol/lのLiClOおよび
の1×10−3mol/lのHFを溶解した電解液中
で、金属リチウムを対極および参照極として0.2Cm
Aで0.01V vs.Li/Liの電位まで充電し
た後、0.2CmAで1.5V vs.Li/Li
電位まで放電する1サイクルの充放電をおこなった。そ
の後、この負極をジメチルカーボネートで洗浄したのち
に、60℃で乾燥してジメチルカーボネートを除去し
た。この負極板の表面をXPSで測定したところ、Li
Fの生成が確認できた。
【0035】これらの正・負極板を、枝分かれ構造を有
するポリエチレンオキシドをNMPに溶解したペースト
中に浸漬して、正・負極板の活物質粒子間の隙間にポリ
エチレンオキシドを含浸した。その後に、正・負極板を
ペーストから引き上げて、ロールの間を通すことによっ
て、電極内に浸透せず、電極上に付着している状態のペ
ーストを除去してから、乾燥によってNMPを完全に除
去した。さらに、これらの正・負極板をプレスした後
に、正極は19mm幅に、負極は20mm幅にスリット
した。
【0036】このようにして準備した正極板および負極
板を、枝分かれ構造を有するポリエチレンオキシドの膜
を間に挟んで重ねて巻き、高さ47.0mm、幅22.
2mm、厚さ6.4mmのアルミニウム容器中に挿入し
た。
【0037】つづいて、この容器に、枝分かれ構造を有
するエーテルのオリゴマーに1mol/lのLiClO
を溶解した電解液を減圧注液によって加え、ポリエー
テルのマトリックスにエーテルのオリゴマーおよびLi
ClOを含浸させた。その後、注液口を封口した。こ
のようにして、公称容量が500mAhである本発明に
よる電池(A)を作製した。
【0038】つぎに、電池の組み立て前に負極板の充放
電をおこなう代わりに、体積比1:1でエチレンカーボ
ネートとメチルエチルカーボネートとを混合して、1m
ol/lのLiClOおよびの1×10−3mol/
lのHFを溶解した電解液中への負極板の浸漬のみをお
こなったこと以外は、本発明による電池(A)と同様に
して、公称容量が500mAhの本発明による電池
(B)を製作した。このように電解液に浸漬した負極板
の表面をXPSで測定したところ、LiFの生成が確認
できた。
【0039】つぎに、電池の組み立て前に電解液中への
負極板の浸漬、および負極板の充放電をおこなう工程を
省略したこと以外は、本発明による電池(A)および
(B)と同様にして、従来から公知である、公称容量が
500mAhの比較電池(C)を製作した。
【0040】上記のようにして製作した本発明による電
池(A)および(B)、および比較電池(C)を用い
て、25℃において、0.5CmAの電流で4.2Vま
で充電し、続いて4.2Vの定電圧で5時間充電した
後、0.2CmAの電流で2.75Vまで放電すること
を1サイクルとして、50サイクルの充放電試験をおこ
なった。これらの電池の、充放電サイクル数による放電
容量の変化を図1に示す。
【0041】図1から、本発明による電池(A)および
(B)は、比較電池(C)と比較して、25℃における
充放電サイクルにおいて非常に良好な性能を示すことが
わかる。これは、本発明による電池(A)および(B)
においては、負極活物質である球状黒鉛をLiFで被覆
したために、その後の負極活物質上でのポリマー電解質
の分解が抑制されたためであると考えられる。
【0042】[実施例2]正・負極板の活物質粒子間の
隙間に含浸するポリマー材料として、ポリエチレンオキ
シドの代わりに、ビニリデンフルオライドとヘキサフル
オロプロピレンとの共重合体(P(VdF/HFP))
の多孔体をもちいたこと以外は、実施例1における本発
明による電池(A)と同様の正極板および負極板を製作
した。
【0043】正・負極板の活物質粒子間の隙間へのP
(VdF/HFP)の多孔体の充填はつぎのとおりおこ
なった。プレス前の正極板および負極板を、P(VdF
/HFP)を6Wt%の濃度でNMPに溶解したペース
ト中に浸漬して、活物質粒子間の隙間にP(VdF/H
FP)ペーストを充填した。これらの正極および負極を
ペースト中から引き上げ、ロールの間を通すことによっ
て、電極内に浸透せず、電極上に付着している状態のペ
ーストを除去した。
【0044】これらの正極および負極を、1×10−3
mol/lのリン酸水溶液に5分間浸漬して、P(Vd
F/HFP)を溶解しているNMPを水で置換するとい
う溶媒抽出法によって、活物質粒子間のP(VdF/H
FP)を連通多孔化処理し、固化した。この電極を10
0℃において30分間乾燥して水を除去した。これらの
正・負極板の表面をSEMで観察したところ、P(Vd
F/HFP)の孔径は約0.3μmであることが確認で
きた。これらの正・負極板は、プレスした後に、正極は
19mm幅に、負極は20mm幅にスリットした。
【0045】このようにして準備した正極板および負極
板を、孔径が約0.3μmのP(VdF/HFP)の多
孔膜を間に挟んで重ねて巻き、高さ47.0mm、幅2
2.2mm、厚さ6.4mmのアルミニウム容器中に挿
入した。
【0046】つづいて、この容器に、エチレンカーボネ
ートとプロピレンカーボネートとジエチルカーボネート
との混合液(体積比5:45:50)に1mol/lの
LiClOを溶解した電解液を減圧注液によって加
え、P(VdF/HFP)WO電解液で膨潤させて多孔
性ポリマー電解質とした。その後、注液口を封口した。
このようにして、公称容量が500mAhである本発明
による電池(D)を作製した。
【0047】つぎに、電池の組み立て前に、電解液中で
の負極板の充放電をおこなう工程を省略したこと以外
は、本発明による電池(D)と同様にして、従来から公
知である、公称容量500mAhの比較電池(E)を製
作した。
【0048】上記のようにして製作した本発明による電
池(D)および比較電池(E)を用いて、実施例1と同
様の50サイクルの充放電試験をおこなった。これらの
電池の、充放電サイクル数による放電容量の変化を図2
に示す。
【0049】図2から、本発明による電池(D)は、比
較電池(E)と比較して、25℃における充放電サイク
ルにおいて非常に良好な性能を示すことがわかる。これ
は、本発明による電池(D)は、負極活物質である球状
黒鉛をLiFで被覆したために、その後の負極活物質上
での電解液の分解が抑制されたためであると考えられ
る。
【0050】[実施例3]球状黒鉛であるMCMBの粉
末を、エチレンカーボネートとメチルエチルカーボネー
トとの混合液(体積比1:1)に、1mol/lのLi
ClOおよび1×10−3mol/lのHFを溶解し
た電解液中に浸漬した。つぎに、ろ過によってMCMB
粉末を電解液から分離した。さらにこれをジメチルカー
ボネートで洗浄したのちに、60℃で乾燥してジメチル
カーボネートを除去した。このMCMB粉末の表面をX
PSで測定したところ、LiFの生成が確認できた。こ
のような処理をおこなったMCMB粉末をもちいたこと
以外は、実施例1における比較電池(C)と同様にし
て、本発明による、公称容量が500mAhの電池
(F)を製作した。
【0051】つぎに、負極板の製作の前における、MC
MB粉末の電解液中への浸漬の工程を省略したこと以外
は、本発明による電池(F)と同様にして、従来から公
知である、公称容量が500mAhの比較電池(G)を
製作した。
【0052】上記のようにして製作した本発明による電
池(F)および比較電池(G)を用いて、実施例1と同
様の50サイクルの充放電試験をおこなった。これらの
電池の、充放電サイクル数による放電容量の変化を図3
に示す。
【0053】図3から、本発明による電池(F)は、比
較電池(G)と比較して、25℃における充放電サイク
ルにおいて非常に良好な性能を示すことがわかる。これ
は、本発明による電池(F)は、負極活物質である球状
黒鉛をLiFで被覆したために、その後の負極活物質上
でのポリマー電解質の分解が抑制されたためであると考
えられる。
【0054】
【発明の効果】以上述べたように、本発明は、正極活物
質としてリチウムを可逆的に吸蔵および放出する無機ま
たは有機化合物を備え、負極活物質として炭素材料を備
え、電解質材料としてポリマー電解質を備えた非水電解
質電池において、前記炭素材料にLiFの被膜が形成さ
れていることによって、充放電サイクル性能にすぐれた
非水電解質電池を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】電池(A)、(B)および(C)の、充放電サ
イクル数による放電容量の変化を示す図。
【図2】電池(D)および(E)の、充放電サイクル数
による放電容量の変化を示す図。
【図3】電池(F)および(G)の、充放電サイクル数
による放電容量の変化を示す図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 竹原 善一郎 京都市西京区御陵大枝山町6−9−1 Fターム(参考) 5H029 AJ05 AK02 AK03 AK05 AK16 AK18 AL01 AL02 AL03 AL06 AL07 AL12 AL18 AM16 CJ13 CJ16 CJ22 CJ23 DJ16 HJ12 5H050 AA07 BA18 CA02 CA07 CA08 CA09 CA11 CA20 CA29 CB01 CB02 CB03 CB07 CB08 CB12 CB29 FA17 FA18 FA19 GA10 GA13 GA18 GA22 GA23

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極活物質としてリチウムを可逆的に吸
    蔵および放出する無機または有機化合物を備え、負極活
    物質として炭素材料を備え、電解質材料としてポリマー
    電解質を備えた非水電解質電池において、前記炭素材料
    にLiFの被膜が形成されていることを特徴とする非水
    電解質電池。
  2. 【請求項2】 前記電解質材料として、ポリマーをマト
    リックスとして、このマトリックスにエーテルのオリゴ
    マーを含浸させたものを備えることを特徴とする請求項
    1記載の非水電解質電池。
  3. 【請求項3】 前記電解質材料として、多孔性ポリマー
    電解質を備えることを特徴とする請求項1または2記載
    の非水電解質電池。
  4. 【請求項4】 炭素材料からなる負極活物質を、リチウ
    ム塩およびHFを含む電解質中に浸漬することによっ
    て、あるいは前記電解質中で充電することによって、前
    記負極活物質にLiFの被膜を形成した後に、電池ケー
    ス内に電解液を注液することを特徴とする非水電解質電
    池の製造法。
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