JP2002313418A - 非水電解質及び非水電解質二次電池 - Google Patents

非水電解質及び非水電解質二次電池

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JP2002313418A
JP2002313418A JP2001110918A JP2001110918A JP2002313418A JP 2002313418 A JP2002313418 A JP 2002313418A JP 2001110918 A JP2001110918 A JP 2001110918A JP 2001110918 A JP2001110918 A JP 2001110918A JP 2002313418 A JP2002313418 A JP 2002313418A
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aqueous electrolyte
vol
aqueous
aqueous solvent
solvent
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JP2001110918A
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Masahiro Sekino
正宏 関野
Asako Sato
麻子 佐藤
Masafumi Fujiwara
雅史 藤原
Jun Monma
旬 門馬
Hiroyuki Hasebe
裕之 長谷部
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高温で貯蔵した際のガス発生を抑制して外装
材が膨れるのを抑えることができ、かつ充放電サイクル
特性を向上することが可能な非水電解質を提供すること
を目的とする。 【解決手段】 非水電解質に含まれる非水溶媒は、エチ
レンカーボネート(EC)と、プロピレンカーボネート
(PC)と、γ−ブチロラクトン(BL)と、ジグリコ
ール酸無水物、2−スルホ安息香酸無水物及びジビニル
スルホンよりなる群から選択される1種類以上の溶媒か
らなる第4成分とを含み、前記非水溶媒全体に対するE
C、PC、BL及び前記第4成分の割合(体積%)をそ
れぞれx、y、z、pとした際、15≦x≦50、2≦
y≦35、30≦z≦85、0<p≦4を満たすことを
特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、非水電解質及び非
水電解質二次電池に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、携帯電話などの携帯機器向けの非
水電解液二次電池として、リチウムイオン二次電池が商
品化されている。この電池は、正極にリチウムコバルト
酸化物(LiCoO2)、負極に黒鉛質材料や炭素質材
料、非水電解液にリチウム塩を溶解した有機溶媒、セパ
レータに多孔質膜が用いられている。前記電解液の溶媒
としては低粘度、低沸点の非水溶媒が用いられている。
例えば特開平4−14769号公報には、プロピレンカ
ーボネートとエチレンカーボネートとγ−ブチロラクト
ンからなる混合溶媒を主体とし、γ−ブチロラクトンの
比率が溶媒全体の10〜50体積%である電解液を備え
た非水電解液二次電池が記載されている。この公報で
は、プロピレンカーボネートとエチレンカーボネートの
混合溶媒にγ−ブチロラクトンを添加することにより低
温での電解液の伝導度を上げ、円筒形非水電解液二次電
池の低温放電特性を改善している。しかしながら、前述
した特開平4−14769号公報に記載された非水電解
液を備えたリチウムイオン二次電池は、初充電時に負極
から多量のガスが発生したり、60℃以上の高温に貯蔵
した時に正極と非水電解液が反応して非水電解液の酸化
分解が生じ、ガス発生が起きる。よって、電池の厚さを
薄くするために、正極、負極、セパレータ及び非水電解
液が収納される外装材の厚さを薄くすると、発生したガ
スにより外装材が膨れ、変形するという問題点を生じ
る。外装材が変形すると、電池が電子機器に納まらなく
なったり、あるいは電子機器の誤作動を招く恐れがあ
る。さらに、このリチウムイオン二次電池は、高温環境
下で自己放電が進みやすく、そのうえサイクル寿命特性
も十分なものではない。
【0003】一方、特開平11−97062号公報に
は、γ−ブチロラクトンの比率が100体積%である溶
媒にホウフッ化リチウム(LiBF4)を溶解させたも
のを非水電解液として用いることによって、リチウムコ
バルト複合酸化物を活物質として含む正極が非水電解液
により酸化分解されるのを抑制することが開示されてい
る。また、電気化学会第67回大会講演要旨集(平成1
2年3月28日発行)の23頁には、エチレンカーボネ
ートとγ−ブチロラクトンを体積比で2:3になるよう
に混合し、得られた溶媒に電解質塩としてLiBF4
たはLiPF6を溶解した電解液と、多官能アクリレー
トモノマーの混合液とを重合し、化学架橋することで得
られたポリマーゲル電解質を備えたリチウムイオンポリ
マー二次電池が報告されている。しかしながら、γ−ブ
チロラクトンの比率が100体積%である溶媒にLiB
4を溶解させた非水電解液と、エチレンカーボネート
とγ−ブチロラクトンを体積比で2:3になるように混
合し、得られた溶媒に電解質塩としてLiBF4または
LiPF6を溶解した電解液は、負極と反応して還元分
解が生じやすい。その結果、負極において電流集中が生
じやすくなるため、負極表面にリチウム金属が析出した
り、あるいは負極界面のインピーダンスが高くなり、負
極の充放電効率が低下し、充放電サイクル特性の低下を
招く。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高温で貯蔵
した際のガス発生を抑制して外装材が膨れるのを抑える
ことができ、かつ充放電サイクル特性を向上することが
可能な非水電解質及び非水電解質二次電池を提供するこ
とを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の非水
電解質は、非水溶媒と、前記非水溶媒に溶解されるリチ
ウム塩とを具備する非水電解質において、前記非水溶媒
は、エチレンカーボネートと、プロピレンカーボネート
と、γ−ブチロラクトンと、ジグリコール酸無水物、2
−スルホ安息香酸無水物及びジビニルスルホンよりなる
群から選択される1種類以上の溶媒からなる第4成分と
を含み、前記非水溶媒全体に対するエチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン及び
前記第4成分の割合をそれぞれx(体積%)、y(体積
%)、z(体積%)、p(体積%)とした際、前記x、
前記y、前記z及び前記pはそれぞれ15≦x≦50、
2≦y≦35、30≦z≦85、0<p≦4を満たすこ
とを特徴とするものである。本発明に係る第1の非水電
解質において、前記x、前記y、前記z及び前記pは、
それぞれ、15≦x≦50、2≦y≦35、30≦z≦
85、0<p≦4を満たすことが好ましく、より好まし
い範囲は20≦x≦50、2≦y≦25、35≦z≦7
5、0<p≦3で、さらに望ましい範囲は20≦x≦4
0、2≦y≦20、55≦z≦75、0.1≦p≦2で
ある。
【0006】本発明に係る第2の非水電解質は、非水溶
媒と、前記非水溶媒に溶解されるリチウム塩とを具備す
る非水電解質において、前記非水溶媒は、エチレンカー
ボネートと、プロピレンカーボネートと、γ−ブチロラ
クトンと、ビニレンカーボネートと、ジグリコール酸無
水物、2−スルホ安息香酸無水物及びジビニルスルホン
よりなる群から選択される1種類以上の溶媒からなる第
5成分とを含み、前記非水溶媒全体に対するエチレンカ
ーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラク
トン、ビニレンカーボネート及び前記第5成分の割合を
それぞれx(体積%)、y(体積%)、z(体積%)、
w(体積%)、q(体積%)とした際、前記x、前記
y、前記z、前記w及び前記qはそれぞれ15≦x≦5
0、2≦y≦35、30≦z≦85、0<w≦5、0<
q≦4を満たすことを特徴とするものである。本発明に
係る第2の非水電解質において、前記x、前記y、前記
z、前記w及び前記qは、それぞれ、15≦x≦50、
2≦y≦30、35≦z≦85、0<w≦5、0<q≦
4を満たすことが好ましく、より好ましい範囲は20≦
x≦50、2≦y≦25、35≦z≦75、0<w≦
3、0<q≦3で、さらに望ましい範囲は20≦x≦4
0、2≦y≦20、55≦z≦75、0<w≦2、0.
1<q≦2である。
【0007】本発明に係る第1の非水電解質二次電池
は、厚さが0.3mm以下の外装材と、前記外装材内に
収納される電極群と、前記電極群に保持され、非水溶媒
及び前記非水溶媒に溶解されるリチウム塩を含む非水電
解質とを具備した非水電解質二次電池において、前記非
水溶媒は、エチレンカーボネートと、プロピレンカーボ
ネートと、γ−ブチロラクトンと、ジグリコール酸無水
物、2−スルホ安息香酸無水物及びジビニルスルホンよ
りなる群から選択される1種類以上の溶媒からなる第4
成分とを含み、前記非水溶媒全体に対するエチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクト
ン及び前記第4成分の割合をそれぞれx(体積%)、y
(体積%)、z(体積%)、p(体積%)とした際、前
記x、前記y、前記z及び前記pはそれぞれ15≦x≦
50、2≦y≦35、30≦z≦85、0<p≦4を満
たすことを特徴とするものである。本発明に係る第3の
非水電解質二次電池は、厚さが0.3mm以下の外装材
と、前記外装材内に収納される正極及び負極と、前記外
装材内の前記正極及び前記負極の間に配置され、非水電
解液及び前記非水電解液をゲル化させる機能を有するポ
リマーを含有する電解質層とを具備した非水電解質二次
電池において、前記非水電解液は、非水溶媒及び前記非
水溶媒に溶解されるリチウム塩を含み、前記非水溶媒
は、エチレンカーボネートと、プロピレンカーボネート
と、γ−ブチロラクトンと、ジグリコール酸無水物、2
−スルホ安息香酸無水物及びジビニルスルホンよりなる
群から選択される1種類以上の溶媒からなる第4成分と
を含み、前記非水溶媒全体に対するエチレンカーボネー
ト、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン及び
前記第4成分の割合をそれぞれx(体積%)、y(体積
%)、z(体積%)、p(体積%)とした際、前記x、
前記y、前記z及び前記pはそれぞれ15≦x≦50、
2≦y≦35、30≦z≦85、0<p≦4を満たすこ
とを特徴とするものである。
【0008】本発明に係る第1及び第3の非水電解質二
次電池において、前記x、前記y、前記z及び前記p
は、それぞれ、15≦x≦50、2≦y≦30、35≦
z≦85、0<p≦4を満たすことが好ましく、より好
ましい範囲は20≦x≦50、2≦y≦25、35≦z
≦75、0<p≦3で、さらに望ましい範囲は20≦x
≦40、2≦y≦20、55≦z≦75、0.1≦p≦
2である。本発明に係る第2の非水電解質二次電池は、
厚さが0.3mm以下の外装材と、前記外装材内に収納
される電極群と、前記電極群に保持され、非水溶媒及び
前記非水溶媒に溶解されるリチウム塩を含む非水電解質
とを具備した非水電解質二次電池において、前記非水溶
媒は、エチレンカーボネートと、プロピレンカーボネー
トと、γ−ブチロラクトンと、ビニレンカーボネート
と、ジグリコール酸無水物、2−スルホ安息香酸無水物
及びジビニルスルホンよりなる群から選択される1種類
以上の溶媒からなる第5成分とを含み、前記非水溶媒全
体に対するエチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
ート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート及び
前記第5成分の割合をそれぞれx(体積%)、y(体積
%)、z(体積%)、w(体積%)、q(体積%)とし
た際、前記x、前記y、前記z、前記w及び前記qはそ
れぞれ15≦x≦50、2≦y≦35、30≦z≦8
5、0<w≦5、0<q≦4を満たすことを特徴とする
ものである。
【0009】本発明に係る第4の非水電解質二次電池
は、厚さが0.3mm以下の外装材と、前記外装材内に
収納される正極及び負極と、前記外装材内の前記正極及
び前記負極の間に配置され、非水電解液及び前記非水電
解液をゲル化させる機能を有するポリマーを含有する電
解質層とを具備した非水電解質二次電池において、前記
非水電解液は、非水溶媒及び前記非水溶媒に溶解される
リチウム塩を含み、前記非水溶媒は、エチレンカーボネ
ートと、プロピレンカーボネートと、γ−ブチロラクト
ンと、ビニレンカーボネートと、ジグリコール酸無水
物、2−スルホ安息香酸無水物及びジビニルスルホンよ
りなる群から選択される1種類以上の溶媒からなる第5
成分とを含み、前記非水溶媒全体に対するエチレンカー
ボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクト
ン、ビニレンカーボネート及び前記第5成分の割合をそ
れぞれx(体積%)、y(体積%)、z(体積%)、w
(体積%)、q(体積%)とした際、前記x、前記y、
前記z、前記w及び前記qはそれぞれ15≦x≦50、
2≦y≦35、30≦z≦85、0<w≦5、0<q≦
4を満たすことを特徴とする本発明に係る第2及び第4
の非水電解質二次電池において、前記x、前記y、前記
z、前記w及び前記qは、それぞれ、15≦x≦50、
2≦y≦30、35≦z≦85、0<w≦5、0<q≦
4を満たすことが好ましく、より好ましい範囲は20≦
x≦50、2≦y≦25、35≦z≦75、0<w≦
3、0<q≦3で、さらに望ましい範囲は20≦x≦4
0、2≦y≦20、55≦z≦75、0<w≦2、0.
1≦q≦2である。
【0010】本発明に係る第1〜第4の非水電解質二次
電池において、前記負極は、リチウムイオンを吸蔵・放
出する炭素質物を含むことが好ましい。また、本発明に
係る第1〜第11の非水電解質二次電池において、前記
炭素質物は、メソフェーズピッチ系炭素繊維を含むこと
が望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明に係る非水電解質二次電池
は、厚さが0.3mm以下の外装材と、前記外装材内に
収納される電極群と、前記電極群に保持され、非水溶媒
及び前記非水溶媒に溶解されるリチウム塩を含む非水電
解質とを具備する。前記非水溶媒には、例えば、以下に
説明する(A)及び(B)のうちのいずれかが使用され
る。 (A)非水溶媒A この非水溶媒Aは、エチレンカーボネートと、プロピレ
ンカーボネートと、γ−ブチロラクトンと、ジグリコー
ル酸無水物、2−スルホ安息香酸無水物及びジビニルス
ルホンよりなる群から選択される1種類以上の溶媒から
なる第4成分とを含み、前記非水溶媒全体に対するエチ
レンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチ
ロラクトン及び前記第4成分の割合をそれぞれx(体積
%)、y(体積%)、z(体積%)、p(体積%)とし
た際、前記x、前記y、前記z及び前記pはそれぞれ1
5≦x≦50、2≦y≦35、30≦z≦85、0<p
≦4を満たす。 (B)非水溶媒B この非水溶媒Bは、エチレンカーボネートと、プロピレ
ンカーボネートと、γ−ブチロラクトンと、ビニレンカ
ーボネートと、ジグリコール酸無水物、2−スルホ安息
香酸無水物及びジビニルスルホンよりなる群から選択さ
れる1種類以上の溶媒からなる第5成分とを含み、前記
非水溶媒全体に対するエチレンカーボネート、プロピレ
ンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボ
ネート及び前記第5成分の割合をそれぞれx(体積
%)、y(体積%)、z(体積%)、w(体積%)、q
(体積%)とした際、前記x、前記y、前記z、前記w
及び前記qはそれぞれ15≦x≦50、2≦y≦35、
30≦z≦85、0<w≦5、0<q≦4を満たす。
【0012】前記非水電解質には、液状またはゲル状の
形態を有するものを使用することができる。中でも、液
状非水電解質が好ましい。液状非水電解質を用いること
によって、イオン伝導度を高くすることができるため、
正極とセパレータの界面抵抗並びに負極とセパレータの
界面抵抗を小さくすることができる。前記非水電解質
は、例えば、以下の(I)〜(IV)に説明する方法で調
製される。 (I)前述した非水溶媒A及びBのうちのいずれかにリ
チウム塩を溶解させることにより非水電解質を得る(液
状非水電解質)。 (II)前述した非水溶媒A及びBのうちのいずれかとリ
チウム塩とポリマーとを混合することにより調製された
ペーストを成膜した後、乾燥させる。得られた薄膜を正
極及び負極の間に介在させて電極群を作製する。この電
極群に液状非水電解質を含浸させた後、減圧下で前記薄
膜を可塑化させる。 (III)前述した非水溶媒A及びBのうちのいずれかと
リチウム塩とゲル化剤とを含むスラリーをセパレータに
含浸させた後、前記セパレータを正極及び負極の間に介
在させ、ゲル状非水電解質を保持する電極群を得る。 (IV)前述した非水溶媒A及びBのうちのいずれかとリ
チウム塩とゲル化剤とを含むスラリーを正極又は負極に
塗布し、この正負極の間にセパレータを介在させること
によりゲル状非水電解質を保持する電極群を得る。
【0013】前記ゲル化剤としては、例えば、ポリアク
リロニトリル(PAN)を挙げることができる。以下、
本発明にかかる二次電池の具体例(非水電解質二次電池
(I)および非水電解質二次電池(II))を説明する。 1.非水電解質二次電池(I) この非水電解質二次電池は、厚さが0.3mm以下の外
装材と、前記外装材内に収納され、リチウムイオンを吸
蔵・放出する正極及び負極の間にセパレータが介在され
た電極群と、少なくとも前記セパレータに含浸され、非
水溶媒及び前記非水溶媒に溶解されるリチウム塩を含む
液状非水電解質(非水電解液)とを具備する。前記電極
群、正極、負極、セパレータ、非水電解質及び外装材に
ついて説明する。 1)電極群 この電極群では、正極、負極及びセパレータが一体化さ
れていることが好ましい。かかる電極群は、例えば、以
下の(i)〜(ii)に説明した方法により作製される。 (i)正極及び負極をその間にセパレータを介在させて
偏平形状に捲回するか、正極及び負極をその間にセパレ
ータを介在させて渦巻き状に捲回した後、径方向に圧縮
するか、あるいは正極及び負極をその間にセパレータを
介在させて1回以上折り曲げる。得られた偏平状物の積
層方向に加熱成形を施すことにより、正極及び負極に含
まれる結着剤を熱硬化させて正極、負極及びセパレータ
を一体化させ、電極群を得る。
【0014】前記加熱成形は、偏平状物を外装材に収納
してから行っても良いし、外装材に収納する前に行って
も良い。加熱成形を行う雰囲気は、真空を含む減圧雰囲
気か、あるいは常圧雰囲気にすることが望ましい。成形
は、例えば、プレス成形、あるいは成形型への填め込み
等により行うことができる。前記加熱成形の温度は、4
0〜120℃の範囲内にすることが好ましい。より好ま
しい範囲は、60〜100℃である。前記加熱成形の成
形圧は、0.01〜20kg/cm2の範囲内にするこ
とが望ましい。さらに好ましい範囲は、8〜15kg/
cm2である。 (ii)正極及び負極をその間にセパレータを介在させて
偏平形状に捲回するか、正極及び負極をその間にセパレ
ータを介在させて渦巻き状に捲回した後、径方向に圧縮
するか、あるいは正極及び負極をその間にセパレータを
介在させて1回以上折り曲げる。得られた偏平状物に接
着性を有する高分子の溶液を含浸させた後、真空乾燥を
施すことにより前記溶液中の溶媒を蒸発させる。次い
で、加熱成形を施すことにより正極、負極及びセパレー
タを一体化させ、電極群を得る。このような電極群で
は、正極及びセパレータがこれらの内部及び境界に点在
する接着性を有する高分子により一体化されていると共
に、負極及びセパレータがこれらの内部及び境界に点在
する接着性を有する高分子により一体化されているた
め、二次電池の内部抵抗を低く抑えつつ、接着強度を高
くすることができる。
【0015】前記加熱成形は、偏平状物を外装材に収納
してから行っても良いし、外装材に収納する前に行って
も良い。前記接着性を有する高分子の溶液は、有機溶媒
に接着性高分子を溶解させることにより調製される。前
記接着性を有する高分子は、非水電解液を保持した状態
で高い接着性を維持できるものであることが望ましい。
さらに、かかる高分子は、リチウムイオン伝導性が高い
となお好ましい。具体的には、ポリアクリロニトリル
(PAN)、ポリアクリレート(PMMA)、ポリフッ
化ビニリデン(PVdF)、ポリ塩化ビニル(PV
C)、またはポリエチレンオキサイド(PEO)等を挙
げることができる。特に、ポリフッ化ビニリデンが好ま
しい。ポリフッ化ビニリデンは、非水電解液を保持する
ことができ、非水電解液を含むと一部ゲル化を生じるた
め、イオン伝導度をより向上することができる。前記溶
媒の沸点は、200℃以下であることが望ましく、さら
に好ましい範囲は180℃以下である。沸点の下限値は
50℃にすることが好ましく、さらに好ましい下限値は
100℃である。前記溶液中の接着性を有する高分子の
濃度は、0.05〜2.5重量%の範囲にすることが好
ましい。濃度のより好ましい範囲は、0.1〜1.5重
量%である。
【0016】前記溶液の注入量は、前記溶液の接着性を
有する高分子の濃度が0.05〜2.5重量%である場
合、電池容量100mAh当たり0.1〜2mlの範囲
にすることが好ましい。前記注入量のより好ましい範囲
は、電池容量100mAh当たり0.15〜1mlであ
る。前記真空乾燥は、100℃以下で行うことが好まし
い。より好ましい真空乾燥温度は、40〜100℃であ
る。前記電池に含まれる接着性を有する高分子の総量
は、電池容量100mAh当たり0.1〜6mgにする
ことが好ましい。接着性を有する高分子の総量のより好
ましい範囲は、電池容量100mAh当たり0.2〜1
mgである。 2)正極 この正極は、活物質を含む正極層が集電体の片面もしく
は両面に担持された構造を有する。前記正極層は、正極
活物質、結着剤及び導電剤を含む。前記正極活物質とし
ては、種々の酸化物、例えば二酸化マンガン、リチウム
マンガン複合酸化物、リチウム含有ニッケル酸化物、リ
チウム含有コバルト酸化物、リチウム含有ニッケルコバ
ルト酸化物、リチウム含有鉄酸化物、リチウムを含むバ
ナジウム酸化物や、二硫化チタン、二硫化モリブデンな
どのカルコゲン化合物などを挙げることができる。中で
も、リチウム含有コバルト酸化物(例えば、LiCoO
2 )、リチウム含有ニッケルコバルト酸化物(例え
ば、LiNi0.8Co0.22 )、リチウムマンガン
複合酸化物(例えば、LiMn24 、LiMnO
2 )を用いると、高電圧が得られるために好ましい。
【0017】前記導電剤としては、例えばアセチレンブ
ラック、カーボンブラック、黒鉛等を挙げることができ
る。前記結着剤は、活物質を集電体に保持させ、かつ活
物質同士をつなぐ機能を有する。前記結着剤としては、
例えばポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリ
フッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン
−ジエン共重合体(EPDM)、スチレン−ブタジエン
ゴム(SBR)等を用いることができる。前記正極活物
質、導電剤および結着剤の配合割合は、正極活物質80
〜95重量%、導電剤3〜20重量%、結着剤2〜7重
量%の範囲にすることが好ましい。前記集電体として
は、多孔質構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性
基板を用いることができる。これら導電性基板は、例え
ば、アルミニウム、ステンレス、またはニッケルから形
成することができる。中でも、直径3mm以下の孔が1
0cm2 当り1個以上の割合で存在する二次元的な多
孔質構造を有する導電性基板を用いることが好ましい。
孔の直径は、0.1〜1mmの範囲にすることがより好
ましい。また、孔の存在割合は、10cm2 当り10
〜20個の範囲にすることがより好ましい。
【0018】前述した直径3mm以下の孔が10cm2
当り1個以上の割合で存在する二次元的な多孔質構造
を有する導電性基板は、厚さを15〜100μmの範囲
にすることが好ましい。厚さのより好ましい範囲は、3
0〜80μmである。前記正極は、例えば、正極活物質
に導電剤および結着剤を適当な溶媒に懸濁し、この懸濁
物を集電体に塗布、乾燥して薄板状にすることにより作
製される。また、前記電極群を前述した(ii)に説明す
る方法で作製した場合、前記正極は接着性を有する高分
子を更に含有する。 3)負極 前記負極は、負極層が集電体の片面もしくは両面に担持
された構造を有する。前記負極層は、リチウムイオンを
吸蔵・放出する炭素質物及び結着剤を含む。前記炭素質
物としては、黒鉛、コークス、炭素繊維、球状炭素など
の黒鉛質材料もしくは炭素質材料、熱硬化性樹脂、等方
性ピッチ、メソフェーズピッチ、メソフェーズピッチ系
炭素繊維、メソフェーズ小球体など(特に、メソフェー
ズピッチ系炭素繊維が容量や充放電サイクル特性が高く
なり好ましい)に500〜3000℃で熱処理を施すこ
とにより得られる黒鉛質材料または炭素質材料等を挙げ
ることができる。中でも、前記熱処理の温度を2000
℃以上にすることにより得られ、(002)面の面間隔
d002 が0.34nm以下である黒鉛結晶を有する黒
鉛質材料を用いるのが好ましい。このような黒鉛質材料
を炭素質物として含む負極を備えた非水電解質二次電池
は、電池容量および大電流放電特性を大幅に向上するこ
とができる。前記面間隔d002 は、0.336nm以
下であることが更に好ましい。
【0019】前記結着剤としては、例えばポリテトラフ
ルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン
(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体
(EPDM)、スチレン−プタジエンゴム(SBR)、
カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いること
ができる。前記炭素質物及び前記結着剤の配合割合は、
炭素質物90〜98重量%、結着剤2〜20重量%の範
囲であることが好ましい。前記集電体としては、多孔質
構造の導電性基板か、あるいは無孔の導電性基板を用い
ることができる。これら導電性基板は、例えば、銅、ス
テンレス、またはニッケルから形成することができる。
中でも、直径3mm以下の孔が10cm2 当り1個以
上の割合で存在する二次元的な多孔質構造を有する導電
性基板を用いることが好ましい。孔の直径は、0.1〜
1mmの範囲にすることがより好ましい。また、孔の存
在割合は、10cm2 当り10〜20個の範囲にする
ことがより好ましい。前述した直径3mm以下の孔が1
0cm2 当り1個以上の割合で存在する二次元的な多
孔質構造を有する導電性基板は、厚さを10〜50μm
の範囲にすることが好ましい。
【0020】前記負極は、例えば、リチウムイオンを吸
蔵・放出する炭素質物と結着剤とを溶媒の存在下で混練
し、得られた懸濁物を集電体に塗布し、乾燥した後、所
望の圧力で1回プレスもしくは2〜5回多段階プレスす
ることにより作製される。また、前記電極群を前述した
(ii)に説明する方法で作製した場合、前記負極は接着
性を有する高分子を更に含有する。前記負極層は、前述
したリチウムイオンを吸蔵・放出する炭素物質を含むも
のの他に、アルミニウム、マグネシウム、スズ、けい素
等の金属か、金属酸化物か、金属硫化物か、もしくは金
属窒化物から選ばれる金属化合物や、リチウム合金を含
むものであってもよい。前記金属酸化物としては、例え
ば、スズ酸化物、ケイ素酸化物、リチウムチタン酸化
物、ニオブ酸化物、タングステン酸化物等を挙げること
ができる。前記金属硫化物としては、例えば、スズ硫化
物、チタン硫化物等を挙げることができる。前記金属窒
化物としては、例えば、リチウムコバルト窒化物、リチ
ウム鉄窒化物、リチウムマンガン窒化物等を挙げること
ができる。前記リチウム合金としては、例えば、リチウ
ムアルミニウム合金、リチウムスズ合金、リチウム鉛合
金、リチウムケイ素合金等を挙げることができる。
【0021】4)セパレータ このセパレータは、多孔質シートから形成される。前記
多孔質シートとしては、例えば、多孔質フィルム、もし
くは不織布を用いることができる。前記多孔質シート
は、例えば、ポリオレフィン及びセルロースから選ばれ
る少なくとも1種類の材料からなることが好ましい。前
記ポリオレフィンとしては、例えば、ポリエチレン、ポ
リプロピレンを挙げることができる。中でも、ポリエチ
レンか、あるいはポリプロピレン、または両者からなる
多孔質フィルムは、二次電池の安全性を向上できるた
め、好ましい。前記多孔質シートの厚さは、30μm以
下にすることが好ましく、さらに好ましい範囲は25μ
m以下である。また、厚さの下限値は5μmにすること
が好ましく、さらに好ましい下限値は8μmである。前
記多孔質シートは、120℃、1時間での熱収縮率を2
0%以下であることが好ましい。前記熱収縮率は、15
%以下にすることがより好ましい。前記多孔質シート
は、多孔度が30〜60%の範囲であることが好まし
い。多孔度のより好ましい範囲は、35〜50%であ
る。前記多孔質シートは、空気透過率が600秒/10
0cm3 以下であることが好ましい。空気透過率は、
100cm3の空気が多孔質シートを透過するのに要し
た時間(秒)を意味する。空気透過率の上限値は500
秒/100cm3にすることがより好ましい。また、空
気透過率の下限値は50秒/100cm3にすることが
好ましく、さらに好ましい下限値は80秒/100cm
3 である。
【0022】また、前記電極群を前述した(ii)に説明
する方法で作製した場合、前記セパレータは接着性を有
する高分子を更に含有する。 5)液状非水電解質(非水電解液) この液状非水電解質は、リチウム塩が溶解された非水溶
媒から構成される。前記非水溶媒には、前述した(A)
及び(B)のうちのいずれかが使用される。まず、非水
溶媒Aについて説明する。各溶媒の非水溶媒全体に対す
る割合を前記範囲に規定する理由を説明する。 a.γ−ブチロラクトン(BL) BLの非水溶媒全体に対するγ−ブチロラクトンの割合
を30体積%以上、85体積%以下にすることによっ
て、高温条件下での貯蔵や、初充電の際に正極活物質と
非水電解液が反応して非水電解液が酸化分解するのを抑
制することができる。その結果、ガス発生量を少なくす
ることができるため、外装材が膨れるのを抑えることが
できる。BLの非水溶媒全体に対する比率(z)が30
体積%未満であると、高温時にガスが発生し易くなる。
また、他の溶媒がいずれも環状カーボネートであるた
め、BLの比率を30体積%未満にすると、環状カーボ
ネートの比率が相対的に高くなり、溶媒粘度が著しく高
くなる。その結果、非水電解液の導電率及び浸透性が大
幅に低下するため、充放電サイクル特性及び−20℃付
近の低温環境下での放電特性が低下する。一方、比率が
85体積%を越えると、負極とBLとの反応が生じるた
め、充放電サイクル特性が低下する。すなわち、負極
(例えば、リチウムイオンを吸蔵放出する炭素質物を含
むもの)とBLとが反応して非水電解液の還元分解が生
じると、負極の表面に充放電反応を阻害する被膜が形成
される。その結果、負極において電流集中が生じやすく
なるため、負極表面にリチウム金属が析出したり、ある
いは負極界面のインピーダンスが高くなり、負極の充放
電効率が低下し、充放電サイクル特性の低下を招く。
【0023】また、前記非水溶媒全体に対するエチレン
カーボネートの割合を15体積%以上、50体積%以下
にし、プロピレンカーボネートの割合を2体積%以上、
35体積%以下にし、かつ後述する第4の成分(例えば
ジグリコール酸無水物:DGLAH)の割合を4体積%
以下にすることによって、負極の表面に緻密な保護膜を
形成することができる。その結果、負極とγ−ブチロラ
クトンが反応して非水電解質の還元分解が生じるのを抑
制することができるため、負極の界面インピーダンスの
上昇を抑制することができ、充放電サイクル寿命及び低
温放電特性を向上することができる。仮に、EC及びB
Lからなる非水溶媒にPC及びDGLAHのうちのいず
れか一方のみを添加すると、負極表面に形成される保護
膜の緻密性が不十分なものとなって負極とγ−ブチロラ
クトンとの反応を十分に抑制することが困難となる。従
って、PC及びDGLAHのうちのいずれか一方と、E
Cと、BLとから構成される非水溶媒を含む非水電解質
を備えた二次電池は、長寿命を得ることができない。よ
り好ましい比率は35体積%以上、85体積%以下で、
さらに好ましい比率は35体積%以上、75体積%以下
で、最も好ましい比率は55体積%以上、75体積%以
下である。
【0024】b.エチレンカーボネート(EC) ECの非水溶媒全体に対する比率(x)を15体積%未
満にすると、負極表面を保護膜で覆うことが困難になる
恐れがあるため、負極とBLとの反応が進み、充放電サ
イクル特性を十分に改善することが困難になる。一方、
ECの比率が50体積%を超えると、非水電解液の粘度
が高くなってイオン伝導度が低下する恐れがあるため、
充放電サイクル特性及び低温放電特性を十分に改善する
ことが困難になる。ECの比率のより好ましい範囲は2
0体積%以上、50体積%以下で、さらに好ましい範囲
は20体積%以上、40体積%以下である。 c.プロピレンカーボネート(PC) PCの非水溶媒全体に対する比率(y)を2体積%未満
にすると、負極表面の保護膜を緻密化することが困難に
なり、負極とBLとの反応が進み、充放電サイクル特性
及び低温放電特性を十分に改善することが困難になる。
一方、PCの比率が35体積%を超えると、非水電解液
の粘度が高くなってイオン伝導度が低下する。また、高
温貯蔵時や初充電時のガス発生が顕著になり、充放電サ
イクル特性を十分に改善することが困難になる。PCの
比率のより好ましい範囲は2体積%以上、30体積%以
下で、さらに好ましい範囲は2体積%以上、25体積%
以下で、さらに好ましい範囲は2体積%以上、20体積
%以下である。最も好ましい範囲は3体積%以上、20
体積%以下である。
【0025】なお、PCは、初充放電工程中に前記非水
溶媒から前記負極の表面へ移動し、前記負極の表面に付
着する。従って、初充放電工程が施された二次電池に存
在する非水溶媒においては、非水溶媒全体に対するPC
の割合が二次電池組立て前より減少する。その減少率
は、PCの添加量が少なくなる程、大きくなる。 d.第4成分 第4成分の非水溶媒全体に対する比率(p)が4体積%
を超えると、高温貯蔵時や初充電時のガス発生が顕著に
なる恐れがあったり、あるいは負極表面に形成される被
膜が厚くなって負極のインピーダンスが増加し、優れた
充放電サイクル特性と低温放電特性を得ることが困難に
なる可能性がある。また、非水溶媒に前記第4成分が存
在しないと、負極表面に形成される保護膜の緻密度や厚
さが不足して充放電サイクル特性と低温放電特性を十分
に改善することが困難になったり、あるいは高温貯蔵時
の自己放電を抑制できなくなる可能性があることから、
第4成分の非水溶媒全体に対する比率は、4体積%以下
の範囲内にすることが好ましい。第4成分としてジグリ
コール酸無水物(DGLAH)を使用する場合、好まし
い範囲は4体積%以下で、さらに好ましい範囲は3体積
%以下で、最も好ましい範囲は0.1体積%以上、2体
積%以下である。
【0026】第4成分として2−スルホ安息香酸無水物
(SBAH)を使用する場合、好ましい範囲は4体積%
以下で、さらに好ましい範囲は3体積%以下で、最も好
ましい範囲は0.1体積%以上、2体積%以下である。
第4成分としてジビニルスルホン(DVSU)を使用す
る場合、好ましい範囲は4体積%以下で、さらに好まし
い範囲は3体積%以下で、最も好ましい範囲は0.1体
積%以上、2体積%以下である。また、第4成分として
使用する溶媒のうち特に好ましいのは、ジグリコール酸
無水物(DGLAH)である。次いで、非水溶媒Bにつ
いて説明する。各溶媒の非水溶媒全体に対する割合を前
記範囲に規定する理由を説明する。 a.γ−ブチロラクトン(BL) 非水溶媒中のBLの存在比率(z)を30〜85体積%
にするのは、前述した非水溶媒Aで説明したのと同様な
理由によるものである。より好ましい範囲は、35体積
%以上、85体積%以下で、さらに好ましい範囲は35
体積%以上、75体積%以下で、最も好ましい比率は5
5体積%以上、75体積%以下である。 b.エチレンカーボネート(EC) 非水溶媒中のECの存在比率(x)を15〜50体積%
にするのは、前述した非水溶媒Aで説明したのと同様な
理由によるものである。より好ましい範囲は、20体積
%以上、50体積%以下で、さらに好ましい範囲は20
体積%以上、40体積%以下である。
【0027】c.プロピレンカーボネート(PC) 非水溶媒中のPCの存在比率(y)を2〜35体積%に
するのは、前述した非水溶媒Aで説明したのと同様な理
由によるものである。より好ましい範囲は2体積%以
上、30体積%以下で、さらに好ましい範囲は2体積%
以上、25体積%以下で、さらに好ましい範囲は2体積
%以上、20体積%以下である。最も好ましい範囲は3
体積%以上、20体積%以下である。 d.ビニレンカーボネート(VC) VCは、負極表面に形成される保護膜の緻密化及び厚さ
を向上させ、充放電サイクル特性と低温放電特性を十分
に改善するために添加されるもので、高温貯蔵時の自己
放電を抑制するためにさらに添加されるものであるが、
非水溶媒中のVCの存在比率(w)が5体積%を超える
と、高温貯蔵時や初充電時のガス発生が顕著になった
り、あるいは負極表面に形成される被膜が厚くなって負
極のインピーダンスが増加し、優れた充放電サイクル特
性と低温放電特性を得ることが困難になる。VCの非水
溶媒全体に対する比率の好ましい範囲は3体積%以下
で、さらに好ましい範囲は2体積%以下である。 e.第5成分 第5成分の非水溶媒全体に対する比率(q)が4体積%
を超えると、高温貯蔵時や初充電時のガス発生が顕著に
なる恐れがあったり、あるいは負極表面に形成される被
膜が厚くなって負極のインピーダンスが増加し、優れた
充放電サイクル特性と低温放電特性を得ることが困難に
なる可能性がある。また、非水溶媒に前記第4成分が存
在しないと、負極表面に形成される保護膜の緻密度や厚
さが不足して充放電サイクル特性と低温放電特性を十分
に改善することが困難になったり、あるいは高温貯蔵時
の自己放電を抑制できなくなる可能性があることから、
第4成分の非水溶媒全体に対する比率は、4体積%以下
の範囲内にすることが好ましい。また、非水溶媒全体に
対するVCと第5成分の合計存在比率は、5体積%以下
に抑えることが望ましい。
【0028】第5成分としてジグリコール酸無水物(D
GLAH)を使用する場合、好ましい範囲は4体積%以
下で、さらに好ましい範囲は3体積%以下で、最も好ま
しい範囲は0.1体積%以上、2体積%以下である。第
5成分として2−スルホ安息香酸無水物(SBAH)を
使用する場合、好ましい範囲は4体積%以下で、さらに
好ましい範囲は3体積%以下で、最も好ましい範囲は
0.1体積%以上、2体積%以下である。第5成分とし
てジビニルスルホン(DVSU)を使用する場合、好ま
しい範囲は4体積%以下で、さらに好ましい範囲は3体
積%以下で、最も好ましい範囲は0.1体積%以上、2
体積%以下である。また、第5成分として使用する溶媒
のうち特に好ましいのは、ジグリコール酸無水物(DG
LAH)である。なお、VCは、初充放電工程中に前記
非水溶媒から前記負極の表面へ移動し、前記負極の表面
に付着する。従って、初充放電工程が施された二次電池
に存在する非水溶媒においては、非水溶媒全体に対する
VCの割合が二次電池組立て前より少ない。減少率は、
例えば、VCの添加量が1重量%である場合に70〜8
0%となる(つまり、残存率は20〜30%)。
【0029】この非水溶媒A〜Bに溶解されるリチウム
塩としては、例えば、過塩素酸リチウム(LiClO4
)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6 )、ホウ
フッ化リチウム(LiBF4 )、六フッ化砒素リチウ
ム(LiAsF6 )、トリフルオロメタスルホン酸リ
チウム(LiCF3SO3 )、ビストリフルオロメチル
スルホニルイミドリチウム[(LiN(CF3SO22
]などを挙げることができる。中でもLiPF6
あるいはLiBF4 を用いるのが好ましい。最も好ま
しいリチウム塩は、LiBF4 である。前記リチウム
塩の前記非水溶媒に対する溶解量は、0.5〜2.5モ
ル/Lとすることが望ましい。さらに好ましい範囲は、
1〜2.5モル/Lである。前記液状非水電解質には、
セパレータとの濡れ性を良くするために、トリオクチル
フォスフェート(TOP)のような界面活性剤を含有さ
せることが望ましい。界面活性剤の添加量は、3%以下
が好ましく、さらには0.1〜1%の範囲内にすること
が好ましい。前記液状非水電解質の量は、電池単位容量
100mAh当たり0.3〜0.7gにすることが好ま
しい。液状非水電解質量のより好ましい範囲は、0.3
5〜0.55g/100mAhである。
【0030】6)外装材(収納容器) 外装材の形状は、例えば、有底円筒形、有底矩形筒型、
袋状等にすることができる。この外装材は、例えば、樹
脂層を含むシート、金属板、金属フィルム等から形成す
ることができる。前記シートに含まれる樹脂層は、例え
ば、ポリエチレン、ポリプロピレン等から形成すること
ができる。前記シートとしては、金属層と、前記金属層
の両面に配置された保護層とが一体化されたシートを用
いることが望ましい。前記金属層は、水分を遮断する役
割をなす。前記金属層は、例えば、アルミニウム、ステ
ンレス、鉄、銅、ニッケル等を挙げることができる。中
でも、軽量で、水分を遮断する機能が高いアルミニウム
が好ましい。前記金属層は、1種類の金属から形成して
も良いが、2種類以上の金属層を一体化させたものから
形成しても良い。前記2つの保護層のうち、外部と接す
る保護層は前記金属層の損傷を防止する役割をなす。こ
の外部保護層は、1種類の樹脂層、もしくは2種類以上
の樹脂層から形成される。一方、内部保護層は、前記金
属層が非水電解液により腐食されるのを防止する役割を
担う。この内部保護層は、1種類の樹脂層、もしくは2
種類以上の樹脂層から形成される。また、かかる内部保
護層の表面に熱可塑性樹脂を配することができる。
【0031】前記金属板及び前記金属フィルムは、例え
ば、鉄、ステンレス、アルミニウムから形成することが
できる。外装材の厚さ(外装材の壁の厚さ)は、0.3
mm以下にする。これは次のような理由によるものであ
る。厚さが0.3mmより厚いと、高い重量エネルギー
密度及び体積エネルギー密度を得られ難くなる。外装材
の厚さの好ましい範囲は、0.25mm以下で、更に好
ましい範囲は0.15mm以下で、最も好ましい範囲は
0.12mm以下である。また、厚さが0.05mmよ
り薄いと、変形や破損し易くなることから、外装材の厚
さの下限値は0.05mmにすることが好ましい。外装
材の厚さは、以下に説明する方法で測定される。すなわ
ち、外装材の封止部を除く領域において、互いに1cm
以上離れて存在する3点を任意に選択し、各点の厚さを
測定し、平均値を算出し、この値を外装材の厚さとす
る。なお、前記外装材の表面に異物(例えば、樹脂)が
付着している場合、この異物を除去してから厚さの測定
を行う。例えば、前記外装材の表面にPVdFが付着し
ている場合、前記外装材の表面をジメチルホルムアミド
溶液で拭き取ることによりPVdFを除去した後、厚さ
の測定を行う。
【0032】前記外装材の表面の少なくとも一部に接着
層を形成し、前記接着層により前記電極群を前記外装材
の内面に接着することが望ましい。このような構成にす
ると、前記電極群の表面に前記外装材を固定することが
できるため、電解液が電極群と外装材の間に浸透するの
を抑えることができる。前記二次電池には、15〜80
℃の温度条件下で、0.05C以上、0.8C以下のレ
ートで初充電を施すことが好ましい。この条件での充電
は1サイクルのみでも良いし、2サイクル以上行っても
よい。また、初充電前に15〜80℃の温度条件下に1
時間〜20時間程度保管してもよい。ここで、1Cとは
公称容量(Ah)を1時間で放電するために必要な電流
値である。前記初充電の温度を前記範囲に規定するのは
次のような理由によるものである。初充電温度が15℃
未満であると、液状非水電解質の粘度が高いままである
ために液状非水電解質を正極、負極及びセパレータに均
一に含浸させることが困難になり、内部インピーダンス
が増加し、また活物質の利用率が低下する。一方、初充
電温度が80℃を超えると、正極及び負極に含まれる結
着剤が劣化する。好ましい充電温度の範囲は15〜60
℃であり、さらに好ましい範囲は20〜50℃である。
【0033】初充電のレートを0.05〜0.8Cの範
囲にすることによって、充電による正極と負極の膨張を
適度に遅くすることができるため、正極及び負極に液状
非水電解質を均一に浸透させることができる。好ましい
初充電のレートは、0.05〜0.5Cである。このよ
うな工程を具備することによって、電極やセパレータの
空隙に液状非水電解質を均一に含浸させることができる
ため、二次電池の内部インピーダンスを小さくすること
ができる。その結果、活物質の利用率を増大させること
ができるため、実質的な電池の容量を大きくすることが
できる。また、電池の充放電サイクル特性及び大電流放
電特性を向上させることができる。本発明に係る非水電
解質二次電池(I)の一例である薄型リチウムイオン二
次電池を図1及び図2を参照して詳細に説明する。図1
は、本発明に係わる非水電解質二次電池(I)の一例で
ある薄型リチウムイオン二次電池を示す断面図、図2は
図1のA部を示す拡大断面図である。図1に示すよう
に、厚さXが0.3mm以下である外装材1内には、電
極群2が収納されている。前記電極群2は、正極、セパ
レータおよび負極からなる積層物が偏平形状に捲回され
た構造を有する。前記積層物は、図2に示すように、
(図の下側から)セパレータ3、正極層4と正極集電体
5と正極層4を備えた正極6、セパレータ3、負極層7
と負極集電体8と負極層7を備えた負極9、セパレータ
3、正極層4と正極集電体5と正極層4を備えた正極
6、セパレータ3、負極層7と負極集電体8を備えた負
極9がこの順番に積層されたものからなる。前記電極群
2は、最外層に前記負極集電体8が位置している。帯状
の正極リード10は、一端が前記電極群2の前記正極集
電体5に接続され、かつ他端が前記外装材1から延出さ
れている。一方、帯状の負極リード11は、一端が前記
電極群2の前記負極集電体8に接続され、かつ他端が前
記外装材1から延出されている。
【0034】2.非水電解質二次電池(II) 次いで、本発明に係る非水電解質二次電池(II)を説明
する。この非水電解質二次電池は、厚さが0.3mm以
下の外装材と、前記外装材内に収納される電極群とを具
備する。前記電極群は、リチウムイオンを吸蔵・放出す
る正極と、リチウムイオンを吸蔵・放出する負極と、前
記正極及び前記負極の間に配置され、非水電解液および
この非水電解液をゲル化させる機能を持つポリマーを含
む電解質層とを含む。外装材、正極、負極および非水電
解液には、前述した非水電解質二次電池(I)において
説明したのと同様なものが用いられる。前記電解質層
は、例えば、以下に説明する方法で作製される。まず、
非水電解液をゲル化させる機能を持つポリマー及び非水
電解液を混合することにより調製されたペーストを成膜
した後、乾燥させる。得られた薄膜を正極及び負極の間
に介在させて電極群を作製する。この電極群に非水電解
液を含浸させた後、減圧下で前記薄膜を可塑化させるこ
とにより前記電解質層を得る。前記ポリマーは、熱可塑
性を有することが好ましい。かかるポリマーとしては、
例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリアク
リロニトリル(PAN)、ポリエチレンオキサイド(P
EO)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリアクリレート
(PMMA)及びポリビニリデンフルオライドヘキサフ
ルオロプロピレン(PVdF−HFP)から選ばれる少
なくとも1種類を用いることができる。
【0035】前記二次電池には、15℃〜80℃の温度
条件下で、0.05C以上、0.8C以下のレートで初
充電を施すことが好ましい。この条件での充電は1サイ
クルのみでも良いし、2サイクル以上行ってもよい。ま
た、初充電前に15℃〜80℃の温度条件下に1時間〜
20時間程度保管してもよい。以上説明したように、本
発明によれば、重量エネルギー密度及び体積エネルギー
密度の向上を図ることが可能で、高温貯蔵時及び初充電
時のガス発生が抑制され、かつ充放電サイクル寿命及び
低温放電特性に優れる非水電解質二次電池を実現するこ
とができる。
【0036】
【実施例】以下、本発明の実施例を前述した図面を参照
して詳細に説明する。 (実施例1) <正極の作製>まず、リチウムコバルト酸化物(Lix
CoO2 ;但し、Xは0<X≦1である)粉末91
重量%をアセチレンブラック3重量%、グラファイト3
重量%及び結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVd
F)3重量%と溶媒としてN−メチル−2−ピロリドン
(NMP)を加えて混合し、スラリーを調製した。前記
スラリーを厚さが15μmのアルミニウム箔からなる集
電体の両面に塗布した後、乾燥し、プレスすることによ
り電極密度が3g/cm3 で、正極層が集電体の両面
に担持された構造の正極を作製した。 <負極の作製>炭素質材料として3000℃で熱処理し
たメソフェーズピッチ系炭素繊維(繊維径が8μm、平
均繊維長が20μm、平均面間隔(d002 )が0.3
360nm)の粉末を93重量%と、結着剤としてポリ
フッ化ビニリデン(PVdF)7重量%とを混合し、ス
ラリーを調製した。前記スラリーを厚さが12μmの銅
箔からなる集電体の両面に塗布し、乾燥し、プレスする
ことにより電極密度が1.4g/cm3 で、負極層が
集電体に担持された構造の負極を作製した。
【0037】<セパレータ>厚さが25μm、120
℃、1時間での熱収縮が20%で、多孔度が50%のポ
リエチレン製多孔質フィルムからなるセパレータを用意
した。 <非水電解液の調製>エチレンカーボネート(EC)、
プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン
(BL)及びジグリコール酸無水物(DGLAH)を体
積比率(EC:PC:BL:DGLAH)が25:2:
72:1になるように混合して非水溶媒を調製した。得
られた非水溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4
)をその濃度が1.5モル/Lになるように溶解させ
て、非水電解液を調製した。 <電極群の作製>前記正極の集電体に帯状の正極リード
を溶接し、前記負極の集電体に帯状の負極リードを溶接
した後、前記正極及び前記負極をその間に前記セパレー
タを介して渦巻き状に捲回した後、偏平状に成形し、電
極群を作製した。この電極群を90℃に加熱しながら1
3kg/cm2の圧力で25秒間プレス成形を施し、前
記正極、前記負極及び前記セパレータを一体化させた。
アルミニウム箔の両面をポリプロピレンで覆った厚さ1
00μmのラミネートフィルムを袋状に成形し、これに
前記電極群を収納した。
【0038】次いで、前記ラミネートフィルム内の電極
群に80℃で真空乾燥を12時間施すことにより前記電
極群及び前記ラミネートフィルムに含まれる水分を除去
した。前記ラミネートフィルム内の電極群に前記非水電
解液を電池容量1Ah当たりの量が4.8gとなるよう
に注入し、前述した図1、2に示す構造を有し、厚さが
3.6mm、幅が35mm、高さが62mmの薄型非水
電解質二次電池を組み立てた。この非水電解質二次電池
に対し、初充放電工程として以下の処置を施した。ま
ず、45℃の高温環境下に2h放置した後、その環境下
で0.2C(104mA)で4.2Vまで定電流・定電
圧充電を15時間行った。その後、7日間に亘り20℃
で放置した。さらに20℃の環境下で0.2Cで3.0
Vまで放電し、非水電解質二次電池を製造した。 (実施例2〜21)非水溶媒の組成を下記表1に示すよ
うに変更すること以外は、前述した実施例1と同様にし
て薄型非水電解質二次電池を製造した。 (比較例1〜14)非水溶媒の組成及びリチウム塩を下
記表2に示すように変更すること以外は、前述した実施
例1と同様にして薄型非水電解質二次電池を製造した。
【0039】得られた実施例1〜21及び比較例1〜1
4の二次電池について、以下に説明する方法で電池特性
を評価した。 1)20℃環境下での400サイクル後の容量維持率 20℃の環境下で1Cレートでの4.2V定電流・定電
圧の3時間充電と、1Cレートの3.0V放電のサイク
ルを繰り返し、400サイクル後の容量維持率と、40
0サイクル中の最大放電容量を測定した。その結果を下
記表1,2に併記する。 2)45℃環境下での200サイクル後の容量維持率 45℃の環境下で1Cの電流での4.2V定電流・定電
圧の3時間充電と1Cの電流での3.0V放電のサイク
ルを繰り返し200サイクル後の容量維持率を測定し、
その結果を下記表1,2に併記する。 3)85℃環境下に貯蔵した際の膨れ 高温環境下かつ充電状態での貯蔵による電池膨れを調べ
るために、20℃の環境下で1Cの電流での4.2V定
電流・定電圧の3時間充電後、85℃の恒温槽に24時
間電池を放置した。その後、電池を恒温槽から取り出
し、20℃の環境下に電池を2時間放置してから膨れを
測定し、その結果を下記表1、2に併記する。
【0040】
【表1】
【0041】
【表2】
【0042】表1及び表2から明らかなように、EC、
PC、BL及びDGLAHの割合が15≦x≦50、2
≦y≦35、30≦z≦85、0<p≦4を満たす非水
溶媒を含む液状非水電解質を備える実施例1〜21の二
次電池は、高い放電容量が得られ、室温並びに高温での
容量維持率が高く、かつ高温貯蔵時の膨れが小さいこと
がわかる。特に、実施例1〜10,12,16〜20の
二次電池は、20℃環境下での400サイクル後の容量
維持率が80%以上であることがわかる。これに対し、
比較例1〜14の二次電池は、いずれも室温及び/又は
高温での容量維持率が実施例1〜21に比べて低くなる
ことがわかる。 (実施例22) <非水電解液の調製>エチレンカーボネート(EC)、
プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン
(BL)及びジグリコール酸無水物(DGLAH)を体
積比率(EC:PC:BL:DGLAH)が30:9:
60:1になるように混合して非水溶媒を調製した。得
られた非水溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4
)をその濃度が1.5モル/Lになるように溶解させ
て、非水電解液を調製した。
【0043】<電極群の作製>前述した実施例1で説明
したのと同様にして偏平状の電極群を作製した。この電
極群に前述した実施例1で説明したのと同様な条件で加
熱プレスを施し、前記正極、前記負極及び前記セパレー
タを一体化させた。厚さが300μmのアルミニウムシ
ートを厚さが4mm、幅が34mm、高さが58mmの
直方体の缶に成形し、これに前記電極群を収納した。次
いで、前記アルミニウム缶内の電極群に前述した実施例
1で説明したのと同様な条件で真空乾燥を施すことによ
り前記電極群及び前記ラミネートフィルムに含まれる水
分を除去した。前記アルミニウム缶内の電極群に前記非
水電解液を電池容量1Ah当たりの量が4.8gとなる
ように注入し、薄型非水電解質二次電池を組み立てた。
この非水電解質二次電池に対し、前述した実施例1で説
明したのと同様な条件で初充放電工程を施し、非水電解
質二次電池を製造した。 (実施例23〜26)非水溶媒の組成を下記表3に示す
ように変更すること以外は、前述した実施例22と同様
にして薄型非水電解質二次電池を製造した。 (比較例15〜22)非水溶媒の組成及びリチウム塩を
下記表3に示すように変更すること以外は、前述した実
施例23と同様にして薄型非水電解質二次電池を製造し
た。
【0044】得られた実施例22〜26及び比較例15
〜22の二次電池について、前述した実施例1で説明し
たのと同様な条件で、室温並びに45℃での容量維持
率、最大放電容量、および85℃での膨れを測定し、そ
の結果を下記表3に併記する。
【0045】
【表3】
【0046】表3から明らかなように、EC、PC、B
L及びDGLAHの割合が15≦x≦50、2≦y≦3
0、35≦z≦85、0<p≦4を満たす非水溶媒を含
む液状非水電解質を備える実施例22〜26の二次電池
は、高い放電容量が得られ、室温並びに高温環境下での
容量維持率が高く、かつ高温貯蔵時の膨れが小さいこと
がわかる。これに対し、比較例15〜22の二次電池
は、いずれも室温並びに高温での容量維持率が実施例2
2〜26に比べて低くなることがわかる。 (実施例27) <非水電解質の調製>エチレンカーボネート(EC)、
プロピレンカーボネート(PC)、γ−ブチロラクトン
(BL)及びジグリコール酸無水物(DGLAH)を体
積比率(EC:PC:BL:DGLAH)が30:9:
60:1になるように混合して非水溶媒を調製した。得
られた非水溶媒に四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4
)をその濃度が1.5モル/Lになるように溶解させ
て、非水電解液を調製した。この非水電解液と、ポリビ
ニリデンフルオライドヘキサフルオロプロピレン(PV
dF−HEP)をテトラヒドロキシフラン(THF)に
溶解して得た溶液とを混合させてペーストを調製した。
得られたペーストを基板に塗布した後、乾燥させること
により薄膜を得た。
【0047】<電極群の作製>前述した実施例1で説明
したのと同様な正極の集電体に帯状の正極リードを溶接
し、前述した実施例1で説明したのと同様な負極の集電
体に帯状の負極リードを溶接した後、前記正極及び前記
負極をその間に前記薄膜を介して渦巻き状に捲回した
後、偏平状に成形し、電極群を作製した。この電極群を
前述した非水電解液に浸漬させ、減圧下で薄膜を可塑化
させることにより正極と負極の間に電解質層が介在され
た電極群を得た。アルミニウム箔の両面をポリプロピレ
ンで覆った厚さ100μmのラミネートフィルムを袋状
に成形し、これに前記電極群を収納し、厚さが3.6m
m、幅が35mm、高さが62mmの薄型非水電解質二
次電池を組み立てた。この非水電解質二次電池に対し、
初充放電工程として以下の処置を施した。まず、45℃
の高温環境下に2h放置した後、その環境下で0.2C
(84mA)で4.2Vまで定電流・定電圧充電を15
時間行った。その後、7日間に亘り20℃で放置した。
さらに20℃の環境下で0.2Cで3.0Vまで放電
し、非水電解質二次電池を製造した。 (実施例28〜31)非水溶媒の組成を下記表4に示す
ように変更すること以外は、前述した実施例27と同様
にして薄型非水電解質二次電池を製造した。
【0048】(比較例23〜31)非水溶媒の組成及び
リチウム塩を下記表4に示すように変更すること以外
は、前述した実施例27と同様にして薄型非水電解質二
次電池を製造した。得られた実施例27〜31及び比較
例23〜31の二次電池について、前述した実施例1で
説明したのと同様な条件で、室温並びに45℃での容量
維持率、最大放電容量、および85℃での膨れを測定
し、その結果を下記表4に併記する。
【0049】
【表4】
【0050】表4から明らかなように、EC、PC、B
L及びDGLAHの割合が15≦x≦50、2≦y≦3
5、30≦z≦85、0<p≦4を満たす非水溶媒を含
むゲル状非水電解質を備える実施例27〜31の二次電
池は、高い放電容量が得られ、室温並びに高温での容量
維持率が高く、かつ高温貯蔵時の膨れを小さくできるこ
とがわかる。これに対し、比較例23〜31の二次電池
は、いずれも室温並びに高温での容量維持率が実施例2
7〜31に比べて低くなることがわかる。 (実施例32〜実施例81)下記表5〜表7に示す組成
を有する非水溶媒に下記表5〜表7に示す種類の電解質
を下記表5〜表7に示す濃度溶解させることにより、非
水電解液を調製した。この非水電解液を用いること以外
は、前述した実施例1と同様にして薄型非水電解質二次
電池を製造した。なお、表5〜表7において、DGLA
Hはジグリコール酸無水物、SBAHは2−スルホ安息
香酸無水物、DVSUはジビニルスルホンを示す。得ら
れた実施例32〜81の二次電池について、前述した実
施例1で説明したのと同様な条件で、室温並びに45℃
での容量維持率、最大放電容量および85℃での膨れを
測定し、その結果を下記表5〜表7に併記する。
【0051】
【表5】
【0052】
【表6】
【0053】
【表7】
【0054】上記表5〜表7の結果を前述した表2の比
較例1〜14と比較することによって、非水溶媒Aまた
は非水溶媒Bを含む液状非水電解質を備える実施例32
〜81の二次電池は、高い放電容量が得られ、室温並び
に高温環境下での容量維持率が高く、かつ高温貯蔵時の
膨れを小さいことがわかる。これに対し、比較例1〜1
4の二次電池は、いずれも室温並びに高温での容量維持
率が実施例32〜81に比べて低くなることがわかる。 (実施例82〜91)下記表8に示す組成を有する非水
溶媒に下記表8に示す種類の電解質を下記表8に示す濃
度溶解させることにより、非水電解液を調製した。この
非水電解液を用いること以外は、前述した実施例22と
同様にして薄型非水電解質二次電池を製造した。なお、
表8において、DGLAHはジグリコール酸無水物、S
BAHは2−スルホ安息香酸無水物、DVSUはジビニ
ルスルホンを示す。得られた実施例82〜91の二次電
池について、前述した実施例1で説明したのと同様な条
件で、室温並びに45℃での容量維持率、最大放電容
量、65℃環境下での貯蔵特性および85℃での膨れを
測定し、その結果を下記表8に併記する。
【0055】
【表8】
【0056】上記表8の結果を前述した表3の比較例1
5〜22と比較することによって、非水溶媒Aまたは非
水溶媒Cを含む液状非水電解質を備える実施例82〜9
1の二次電池は、高い放電容量が得られ、室温並びに高
温環境下での容量維持率が高く、かつ高温貯蔵時の膨れ
を小さくできることがわかる。これに対し、比較例15
〜22の二次電池は、いずれも室温並びに高温での容量
維持率が実施例82〜91に比べて低くなることがわか
る。 (実施例92〜101)下記表9に示す組成を有する非
水溶媒に下記表9に示す種類の電解質を下記表9に示す
濃度溶解させることにより、非水電解液を調製した。こ
の非水電解液を用いること以外は、前述した実施例27
と同様にして薄型非水電解質二次電池を製造した。な
お、表9において、DGLAHはジグリコール酸無水
物、SBAHは2−スルホ安息香酸無水物、DVSUは
ジビニルスルホンを示す。得られた実施例92〜101
の二次電池について、前述した実施例27で説明したの
と同様な条件で、室温並びに45℃での容量維持率、最
大放電容量および85℃での膨れを測定し、その結果を
下記表9に併記する。
【0057】
【表9】
【0058】上記表9の結果を前述した表4の比較例2
3〜31と比較することによって、非水溶媒Aまたは非
水溶媒Bを含むゲル状非水電解質を備える実施例92〜
101の二次電池は、高い放電容量が得られ、室温並び
に高温環境下での容量維持率が高く、かつ高温貯蔵時の
膨れが小さいことがわかる。これに対し、比較例23〜
31の二次電池は、いずれも室温並びに高温での容量維
持率が実施例92〜101に比べて低くなることがわか
る。
【0059】
【発明の効果】以上詳述したように本発明に係る非水電
解質及び非水電解質二次電池によれば、高温貯蔵時及び
初充放電工程時のガス発生を抑制して外装材が膨れるの
を抑えることができ、高温環境下での自己放電を抑制す
ることができ、かつ常温並びに高温でのサイクル寿命を
向上することができる等の顕著な効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる非水電解質二次電池の一例であ
る薄型リチウムイオン二次電池を示す断面図。
【図2】図1のA部を示す拡大断面図。
【符号の説明】
1…外装材、 2…電極群、 3…セパレータ、 4…正極層、 5…正極集電体、 6…正極、 7…負極層、 8…負極集電体、 9…負極、 10…正極端子、 11…負極端子。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤原 雅史 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 門馬 旬 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 (72)発明者 長谷部 裕之 神奈川県横浜市磯子区新杉田町8番地 株 式会社東芝横浜事業所内 Fターム(参考) 5H011 AA01 CC02 CC10 KK01 5H029 AJ05 AJ11 AK02 AK03 AK05 AL01 AL02 AL04 AL06 AL07 AL12 AM02 AM03 AM07 AM11 BJ04 BJ14 DJ02 EJ01 EJ04 EJ12 HJ04 HJ07

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 非水溶媒と、前記非水溶媒に溶解される
    リチウム塩とを具備する非水電解質において、前記非水
    溶媒は、エチレンカーボネートと、プロピレンカーボネ
    ートと、γ−ブチロラクトンと、ジグリコール酸無水
    物、2−スルホ安息香酸無水物及びジビニルスルホンよ
    りなる群から選択される1種類以上の溶媒からなる第4
    成分とを含み、前記非水溶媒全体に対するエチレンカー
    ボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクト
    ン及び前記第4成分の割合をそれぞれx(体積%)、y
    (体積%)、z(体積%)、p(体積%)とした際、前
    記x、前記y、前記z及び前記pはそれぞれ15≦x≦
    50、2≦y≦35、30≦z≦85、0<p≦4を満
    たすことを特徴とする非水電解質。
  2. 【請求項2】 非水溶媒と、前記非水溶媒に溶解される
    リチウム塩とを具備する非水電解質において、前記非水
    溶媒は、エチレンカーボネートと、プロピレンカーボネ
    ートと、γ−ブチロラクトンと、ビニレンカーボネート
    と、ジグリコール酸無水物、2−スルホ安息香酸無水物
    及びジビニルスルホンよりなる群から選択される1種類
    以上の溶媒からなる第5成分とを含み、前記非水溶媒全
    体に対するエチレンカーボネート、プロピレンカーボネ
    ート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカーボネート及び
    前記第5成分の割合をそれぞれx(体積%)、y(体積
    %)、z(体積%)、w(体積%)、q(体積%)とし
    た際、前記x、前記y、前記z、前記w及び前記qはそ
    れぞれ15≦x≦50、2≦y≦35、30≦z≦8
    5、0<w≦5、0<q≦4を満たすことを特徴とする
    非水電解質。
  3. 【請求項3】 厚さが0.3mm以下の外装材と、前記
    外装材内に収納される電極群と、前記電極群に保持さ
    れ、非水溶媒及び前記非水溶媒に溶解されるリチウム塩
    を含む非水電解質とを具備した非水電解質二次電池にお
    いて、前記非水溶媒は、エチレンカーボネートと、プロ
    ピレンカーボネートと、γ−ブチロラクトンと、ジグリ
    コール酸無水物、2−スルホ安息香酸無水物及びジビニ
    ルスルホンよりなる群から選択される1種類以上の溶媒
    からなる第4成分とを含み、前記非水溶媒全体に対する
    エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−
    ブチロラクトン及び前記第4成分の割合をそれぞれx
    (体積%)、y(体積%)、z(体積%)、p(体積
    %)とした際、前記x、前記y、前記z及び前記pはそ
    れぞれ15≦x≦50、2≦y≦35、30≦z≦8
    5、0<p≦4を満たすことを特徴とする非水電解質二
    次電池。
  4. 【請求項4】 厚さが0.3mm以下の外装材と、前記
    外装材内に収納される電極群と、前記電極群に保持さ
    れ、非水溶媒及び前記非水溶媒に溶解されるリチウム塩
    を含む非水電解質とを具備した非水電解質二次電池にお
    いて、前記非水溶媒は、エチレンカーボネートと、プロ
    ピレンカーボネートと、γ−ブチロラクトンと、ビニレ
    ンカーボネートと、ジグリコール酸無水物、2−スルホ
    安息香酸無水物及びジビニルスルホンよりなる群から選
    択される1種類以上の溶媒からなる第5成分とを含み、
    前記非水溶媒全体に対するエチレンカーボネート、プロ
    ピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ビニレンカ
    ーボネート及び前記第5成分の割合をそれぞれx(体積
    %)、y(体積%)、z(体積%)、w(体積%)、q
    (体積%)とした際、前記x、前記y、前記z、前記w
    及び前記qはそれぞれ15≦x≦50、2≦y≦35、
    30≦z≦85、0<w≦5、0<q≦4を満たすこと
    を特徴とする非水電解質二次電池。
  5. 【請求項5】 前記非水電解質は、液状か、もしくはゲ
    ル状の形態を有することを特徴とする請求項3〜4いず
    れか1項記載の非水電解質二次電池。
  6. 【請求項6】 厚さが0.3mm以下の外装材と、前記
    外装材内に収納される正極及び負極と、前記外装材内の
    前記正極及び前記負極の間に配置され、非水電解液及び
    前記非水電解液をゲル化させる機能を有するポリマーを
    含有する電解質層とを具備した非水電解質二次電池にお
    いて、前記非水電解液は、非水溶媒及び前記非水溶媒に
    溶解されるリチウム塩を含み、前記非水溶媒は、エチレ
    ンカーボネートと、プロピレンカーボネートと、γ−ブ
    チロラクトンと、ジグリコール酸無水物、2−スルホ安
    息香酸無水物及びジビニルスルホンよりなる群から選択
    される1種類以上の溶媒からなる第4成分とを含み、前
    記非水溶媒全体に対するエチレンカーボネート、プロピ
    レンカーボネート、γ−ブチロラクトン及び前記第4成
    分の割合をそれぞれx(体積%)、y(体積%)、z
    (体積%)、p(体積%)とした際、前記x、前記y、
    前記z及び前記pはそれぞれ15≦x≦50、2≦y≦
    35、30≦z≦85、0<p≦4を満たすことを特徴
    とする非水電解質二次電池。
  7. 【請求項7】 厚さが0.3mm以下の外装材と、前記
    外装材内に収納される正極及び負極と、前記外装材内の
    前記正極及び前記負極の間に配置され、非水電解液及び
    前記非水電解液をゲル化させる機能を有するポリマーを
    含有する電解質層とを具備した非水電解質二次電池にお
    いて、前記非水電解液は、非水溶媒及び前記非水溶媒に
    溶解されるリチウム塩を含み、前記非水溶媒は、エチレ
    ンカーボネートと、プロピレンカーボネートと、γ−ブ
    チロラクトンと、ビニレンカーボネートと、ジグリコー
    ル酸無水物、2−スルホ安息香酸無水物及びジビニルス
    ルホンよりなる群から選択される1種類以上の溶媒から
    なる第5成分とを含み、前記非水溶媒全体に対するエチ
    レンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチ
    ロラクトン、ビニレンカーボネート及び前記第5成分の
    割合をそれぞれx(体積%)、y(体積%)、z(体積
    %)、w(体積%)、q(体積%)とした際、前記x、
    前記y、前記z、前記w及び前記qはそれぞれ15≦x
    ≦50、2≦y≦35、30≦z≦85、0<w≦5、
    0<q≦4を満たすことを特徴とする非水電解質二次電
    池。
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