JPWO2011037060A1 - 電解質組成物、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

本発明は、電池性能の劣化及びリチウムイオン輸率を改善した難燃性の電解質組成物を提供し、該電解質組成物を用いた耐久性に優れるリチウムイオン二次電池を提供する。本発明の電解質組成物は、塩基性無機粒子、イオン液体、支持電解質塩を有することを特徴とする。

Description

本発明は電解質組成物及び二次電池に関し、更に詳しくは難燃性であり、サイクル性に優れたリチウムイオン二次電池に関するものである。
近年、電気自動車、太陽電池などの普及に伴い、高容量の蓄電デバイスへの要望が増加している。特に、リチウムイオン二次電池に代表される非水二次電池は高電圧、高容量の蓄電デバイスであり、用途の拡大が続いている。その一方で、非水二次電池の電解質は溶媒の揮発性や引火性の問題を有している。
これら揮発性や引火性の問題に対して、イオン液体を電解質として用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。イオン液体を電解質として用いることで、揮発性、引火性を低くすることができるためである。しかし、イオン液体は分解時に腐食性ガスが発生するため、電池性能の劣化が大きいという問題が残っている。
また、イオン液体はそれ自身がカチオンとアニオンからなるため、特定のイオンだけを動かすことが困難である。この結果、リチウムイオン二次電池においては、従来の有機溶媒に比べてイオン液体を用いるとリチウムイオン輸率が低く、このため、充放電における内部抵抗が極めて大きく電池性能の劣化が激しい。
また、リチウムイオン二次電池は、電解質の負極上での分解による充放電サイクルの劣化による電池性能の劣化の問題も有している。
特開2003−257476号公報
本発明は、上述した課題を解決するためのものであり、イオン液体に塩基性無機粒子を含有させることによって、電池性能の劣化及びリチウムイオン輸率を改善した難燃性の電解質組成物を提供し、該電解質組成物を用いた耐久性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題に鑑み鋭意検討した結果、イオン液体、塩基性無機粒子、及び支持電解質塩を含む電解質組成物、及びこれら電解質組成物を用いたリチウムイオン二次電池により、前記目的を達成できることを見出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.塩基性無機粒子、イオン液体、支持電解質塩を有することを特徴とする電解質組成物。
2.高分子材料を更に含有することを特徴とする前記1に記載の電解質組成物。
3.イオン液体のアニオン部がビスフルオロスルホニルイミド(FSI)であることを特徴とする前記1または2に記載の電解質組成物。
4.塩基性無機粒子が酸化マグネシウムであることを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の電解質組成物。
5.前記1〜4のいずれか1項に記載の電解質組成物を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
本発明の上記方法により、電池性能の劣化及びリチウムイオン輸率を改善した難燃性の電解質組成物を提供し、該電解質組成物を用いた耐久性に優れるリチウムイオン二次電池を提供することができた。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態等について詳細な説明をする。
本願における電解質組成物は、難燃性であるイオン液体中に塩基性無機微粒子が含有されていている。これらの塩基性無機微粒子によりイオン液体は保持されている。この電解質を利用することにより液漏れがなく、且つ難燃性の電池を作製することができる。また、本願においては、塩基性無機粒子がイオン液体の分解による腐食性ガスを保持するために、電池特性が長期間変化しない。
本発明の電解質組成物中に含まれるイオン液体は、電解質として揮発性成分を有しない非水電解質が用いられる。本発明においては、イオン液体の構造としては下記一般式1に表されるものが好ましい。
式中、ZはN、S、Pを表し、ZがN、Pの時n=4、ZがSの時n=3を表す。
Raは任意の有機基を表し、特に限定はなく、例えば、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、ヒドロキシエチル、ステアリル、ドデシル、エイコシル、ドコシル、オレイル等)、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロヘキシル等)、アリール基(フェニル、p−テトラデカニルオキシフェニル、o−オクタデカニルアミノフェニル、ナフチル、ヒドロキシフェニル等)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アミド基(アセトアミド、ベンズアミド等)、カルバモイル基(メチルカルバモイル、ブチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等)、エステル基(エチルオキシカルボニル、i−プロピルオキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル等)、カルボニルオキシ基(メチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ等)、シアノ基、ハロゲン原子(塩素、臭素、沃素、フッ素)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アリールオキシ基(フェノキシ、ナフチルオキシ等)、スルホニル基(メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ等)、アリールチオ(フェニルチオ等)、スルホンアミド基(メタンスルホンアミド、ドデシルスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド等)、スルファモイル基(メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等)、アミノ基、アルキルアミノ基(エチルアミノ、ジメチルアミノ、ヒドロキシアミノ等)、アリールアミノ基(フェニルアミノ、ナフチルアミノ等)が挙げられる。
また、ZがRaと共に環として形成する場合としては、ピロリジン環、ピペリジン環、モルホリン環、テトラヒドロチオフェン環、1−メチルホスホラン環、イミダゾール環等が挙げられ、それらは置換基を有してもよい。
置換基としては特に限定はなく、例えば、アルキル基(メチル、エチル、i−プロピル、ヒドロキシエチル、ステアリル、ドデシル、エイコシル、ドコシル、オレイル等)、シクロアルキル基(シクロプロピル、シクロヘキシル等)、アリール基(フェニル、p−テトラデカニルオキシフェニル、o−オクタデカニルアミノフェニル、ナフチル、ヒドロキシフェニル等)、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ニトロ基、トリフルオロメチル基、アミド基(アセトアミド、ベンズアミド等)、カルバモイル基(メチルカルバモイル、ブチルカルバモイル、フェニルカルバモイル等)、エステル基(エチルオキシカルボニル、i−プロピルオキシカルボニル、フェニルオキシカルボニル等)、カルボニルオキシ基(メチルカルボニルオキシ、プロピルカルボニルオキシ、フェニルカルボニルオキシ等)、シアノ基、ハロゲン原子(塩素、臭素、沃素、フッ素)、アルコキシ基(メトキシ、エトキシ、ブトキシ等)、アリールオキシ基(フェノキシ、ナフチルオキシ等)、スルホニル基(メタンスルホニル、p−トルエンスルホニル等)、アルキルチオ基(メチルチオ、エチルチオ、ブチルチオ等)、アリールチオ(フェニルチオ等)、スルホンアミド基(メタンスルホンアミド、ドデシルスルホンアミド、p−トルエンスルホンアミド等)、スルファモイル基(メチルスルファモイル、フェニルスルファモイル等)、アミノ基、アルキルアミノ基(エチルアミノ、ジメチルアミノ、ヒドロキシアミノ等)、アリールアミノ基(フェニルアミノ、ナフチルアミノ等)が挙げられる。
Xとしては、N(SOCF、N(SOF)、N(CN)、BFYを表し、Yはアルキル基またはパーフルオロアルキル基を表し、アルキル基としてはメチル、エチル、i−プロピル、ヒドロキシエチル、ステアリル、ドデシル、エイコシル、ドコシル、オレイル等が挙げられ、パーフルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル、ノナフルオロブチル等を表す。Xとして、好ましくはN(SOF)である。
このようなイオン液体としては、カチオン部が1−エチル−3−メチルイミダゾリウム(EMI)、N,N−ジエチル−N−メチル−N−(2−メトキシエチル)アンモニウム(DEME)、N−メチル−N−プロピルピロリジニウム(P13)、N−メチル−N−プロピルピペリジニウム(PP13)等が挙げられる。
また、アニオン部がビス(フルオロスルホニル)イミド(FSI)、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(TFSI)、ビス(ペンタフルオロエチルスルホニル)アミド(BETI)、テトラフルオロホウ酸(BF)、ヘキサフルオロホスファート(PF)からなるイオン液体が挙げられるが、電池作動電圧範囲内で安定な構造を有するのであれば特に構造を限定するものではない。特に、アニオン部がビスフルオロスルホニルイミド(FSI)であると好ましい。
本発明におけるイオン液体は、常温(25℃)付近で液体であることが好ましい。
電解質組成物中のイオン液体の配合量は30〜95質量%とすることが好ましく、特に60〜90質量%とすることが好ましい。
本発明において、イオン液体中のリチウムイオン伝導性を向上させるために、電解質組成物中にリチウム塩を支持電解質塩として加える。
支持電解質塩としては、任意のリチウム塩を用いることができるが、リチウム塩のアニオンとしては、ハロゲン化物イオン(I、Cl、Br等)、SCN、BF 、PF 、ClO 、SbF 、(CFSO、(CFCFSO、Ph、(C、(CFSO、CFCOO、CFSO 、CSO 等が挙げられる。アニオンとしては、SCN、BF 、PF 、ClO 、SbF 、(CFSO、(CFCFSO、(CFSO、CFSO がより好ましい。
代表的な支持電解質塩としては、LiN(CFSO、LiCFSO、LiN(SO、LiCFSO、LiPF、LiClO、LiI、LiBF、LiCFCO、LiSCN、LiN(SOCFなどが挙げられる。これらは一種または二種以上を混合してもよい。電解質組成物中の支持電解質塩の配合量は3〜40質量%とすることが好ましく、特に5〜30質量%とすることが好ましい。
本発明における塩基性無機粒子は、ブレンステッド塩基点、ルイス塩基点またはそれら両方を有するいずれのものであってもよい。ブレンステッド塩基点とはHを受け取る点であり、ルイス塩基点とは電子対を供与する点である。
ルイス塩基性を表す指標としては、電子対供与能を表すドナー数を用いることができる。ドナー数とはD+SbCl⇔D−SbCl の反応熱を測定し決定する。Dは本願における塩基性無機粒子である。本願においては、ルイス塩基性であるとはドナー数が10以上であることを指し、塩基性無機粒子とはこのような無機粒子をいう。
そのような粒子としては、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化ランタン、酸化セリウム、酸化亜鉛、酸化ストロンチウム、酸化バナジウム、酸化アルミニウム、SiO−MgO、SiO−CaO、Al−MgO、ゼオライト(アルカリ金属、アルカリ土類金属イオン交換)、ハイドロタルサイト、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸ランタン、炭酸セリウム、炭酸亜鉛などを単独、または複合して用いることができる。中でも、イオン液体中での安定性が高い酸化マグネシウムが好ましい。これらの塩基性無機粒子は固体塩基であり、イオン液体に溶解しないものである。
また、これらの塩基性無機粒子は、第一の効果として電池内部においてイオン液体の分解によって生ずる腐食性ガスをトラップし、電池の寿命を向上させる。第二の効果としては、酸化マグネシウムのようなルイス塩基性の強い無機酸化物はイオン液体中でのリチウムイオン輸率の改善効果が期待できる。これは、塩基性無機粒子表面の塩基にイオン液体中に存在する有機カチオンが優先的にトラップされるため、リチウムイオン輸率が上がると考えられる。
これら塩基性無機粒子の平均粒子径は100nm〜1μmがイオン液体中での分散安定性が高いことから望ましい。平均粒子径は一次粒子またはその凝集体を同体積の球に換算した時の直径(球換算粒径)の平均値であり、この値は電子顕微鏡写真から評価することができる。
具体的には、日本電子製透過型電子顕微鏡(JEM2010F)に備えられた画像処理プログラムを使用し、球換算粒径の平均値を算出することができる。即ち、粒子紛体の透過型電子顕微鏡写真を撮影し、一定の視野範囲にある粒子を200個以上測定して各粒子の球換算粒径を求め、その平均値を求めることにより得られた値である。塩基性無機粒子のイオン液体への添加量としては、1%以上30%以下が望ましい。前記範囲内の量で塩基性無機粒子を添加することにより、電池の寿命を向上させる効果が得られるからである。これらの無機微粒子によりイオン液体はゲル化されており、電池を作製した場合、液漏れを防ぐことができる。
これらの塩基性無機粒子の表面は疎水化処理されていてもよい。疎水化処理剤としては、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリメチルシリルクロライドなどを用いることが好ましい。表面処理方法としては、直接粉体に噴霧して加熱定着させる乾式法、溶液中に粒子を分散させておき、表面処理剤を添加して表面処理する湿式法とあるが、より均一に粒子が分散する湿式法が望ましい。例えば、特開2007−264581号公報に記載されているように、湿式処理における分散手法により得た分散液に疎水化処理剤を加えて表面処理する方法がある。このように湿式で処理した粒子は高い分散性を持つため、好ましく用いることができる。
(高分子材料)
本発明における高分子材料の数平均分子量は100,000以上が好ましく、300,000以上がより好ましい。
また、高分子材料は、例えば、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイド、ポリアクリロニトリル、またはポリメタクリロニトリル、ポリビニルブチラール、ポリビニルフォルマール、ポリビニルピロリドン、スチレンブタジエンゴム、ニトリルブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョン、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフロロエチレン及びこれらを組み合わせたものを使用することができる。
これらの高分子材料を用いることによって、電解質にセパレーターとしての機能を付与することができる。中でも、ポリフッ化ビニリデンは耐久性にすぐれ好ましく用いることができる。また、これらの本特許における高分子材料の含有量としては、3質量%以上30質量%以下が望ましい。高分子材料の含有量を3質量%以上とすることにより、電解質組成物に必要な強度が十分に得られ、30質量%以下とすることにより、リチウムイオン輸率が上昇するからである。
ここでは、本発明のリチウムイオン二次電池について説明する。本発明のリチウムイオン二次電池は、正極活物質と電極合剤を集電体上に固定化した正極、負極活物質と電極合剤を集電体上に固定化した負極、及び電解質組成物からなる。
(正極活物質)
正極活物質としては、無機系活物質、有機系活物質、及びこれらの複合体が挙げられるが、無機系活物質あるいは無機系活物質と有機系活物質の複合体が特にエネルギー密度が大きくなる点から好ましい。
無機系活物質としては、例えば、Li0.3MnO、LiMn12、V、LiCoO、LiMn、LiNiO、LiFePO、LiCo1/3Ni1/3Mn1/3、Li1.2(Fe0.5Mn0.50.8、Li1.2(Fe0.4Mn0.4Ti0.20.8、Li1+x(Ni0.5Mn0.51−x、LiNi0.5Mn1.5、LiMnO、Li0.76Mn0.51Ti0.49、LiNi0.8Co0.15Al0.05、Fe等の金属酸化物、LiFePO、LiCoPO、LiMnPO、LiMPOF(M=Fe、Mn)、LiMn0.875Fe0.125PO、LiFeSiO、Li2−xMSi1−x(M=Fe、Mn)、LiMBO(M=Fe、Mn)などのリン酸、ケイ酸、ホウ酸系が挙げられる。なお、これらの化学式中、Xは0〜1の範囲であることが好ましい。
更に、無機系活物質として、FeF、LiFeF、LiTiFなどのフッ素系、LiFeS、TiS、MoS、FeS等の金属硫化物、これらの化合物とリチウムの複合酸化物等が挙げられる。
有機系活物質としては、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン等の導電性高分子、有機ジスルフィド化合物、有機イオウ化合物DMcT(2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール)、ベンゾキノン化合物PDBM(ポリ2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン−3,6−メチレン)、カーボンジスルフィド、活性硫黄等の硫黄系正極材料、有機ラジカル化合物等が用いられる。
また、正極活物質の表面には、無機酸化物が被覆されていることが電池の寿命を延ばす点で好ましい。無機酸化物を被覆するに当たっては、正極活物質の表面にコーティングする方法が好ましく、コーティングする方法としては、例えばハイブリタイザーなどの表面改質装置を用いてコーティングする方法などが挙げられる。
かかる無機酸化物としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン等のIIA〜VA族、遷移金属、IIIB、IVBの酸化物、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸鉛、γ−LiAlO、LiTiO等が挙げられ、特に酸化ケイ素が好ましい。
(負極活物質)
負極については特に制限はなく、集電体に負極活物質を密着させたものを利用することができる。例えば、黒鉛系やスズ合金系などの粉末を、スチレンブタジエンゴムやポリフッ化ビニリデンなどの結着材とともにペースト状として、集電体上に塗布して、乾燥後、プレス成形して作製したものを利用することができる。
他にも物理蒸着(スパッタリング法や真空蒸着法など)によって3〜5μmのシリコン系薄膜を、集電体上に直接形成したシリコン系薄膜負極などを利用することができる。リチウム金属負極の場合は、銅箔上に10〜30μmのリチウム箔を付着させたものが好ましく、また高容量化の観点から、シリコン系薄膜負極やリチウム金属負極からなるものであることが好ましい。
(電極合剤)
本発明に用いる電極合剤としては、導電剤、結着剤やフィラーなどの他に、リチウム塩、非プロトン性有機溶媒等が添加されたものが挙げられる。
前記導電剤は、構成された二次電池において、天然黒鉛(鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−148554号公報に記載)等)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(特開昭59−20971号公報に記載)などの導電性材料を1種またはこれらの混合物として含ませることができる。
その中でも、黒鉛とアセチレンブラックの併用が特に好ましい。前記導電剤の添加量としては1〜50質量%が好ましく、2〜30質量%がより好ましい。カーボンや黒鉛の場合は2〜15質量%が特に好ましい。
本発明では電極合剤を保持するための結着剤を用いる。このような結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられ、その中でも、例えば、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンが好ましく、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデンがより好ましい。
前記結着剤は、一種単独または二種以上を混合して用いることができる。結着剤の添加量は1〜30質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。結着剤の添加量を上記範囲に調整することにより、電極合剤の保持力・凝集力を十分に確保することができる。
前記フィラーは、本発明の二次電池において、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30質量%が好ましい。
(集電体)
正・負極の集電体としては、本発明のリチウムイオン二次電池において電子伝導体が用いられる。正極の集電体としては、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。
負極の集電体としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、銅あるいは銅合金がより好ましい。
また、前記集電体の形状としては、通常フィルムシート状のものが使用されるが、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。前記集電体の厚みは特に限定されないが、1〜500μmであることが好ましい。また、集電体表面は表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
(電極の作製)
ここでは、本発明のリチウムイオン二次電池の電極作製について説明する。本発明のリチウムイオン二次電池の形状は、シート、角、シリンダーなどいずれの形としても適用できる。正極活物質や負極活物質の合剤は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
前記合剤の塗布方法として、例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスクイーズ法等が挙げられる。その中でも、ブレード法、ナイフ法及びエクストルージョン法が好ましい。また、塗布は0.1〜100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、合剤の溶液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布は片面ずつ逐時または両面同時に行ってもよい。
更に、前記塗布は連続、間欠、またはストライプにより行うことができる。その塗布層の厚み、長さ及び巾は電池の形状や大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みは、ドライ後の圧縮された状態で1〜2000μmであることが好ましい。
前記電極シート塗布物の乾燥及び脱水方法としては、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせた方法を用いることができる。乾燥温度は80〜350℃であることが好ましく、100〜250℃であることがより好ましい。
また、含水量は電池全体で2000ppm以下であることが好ましく、正極合剤、負極合剤や電解質では、それぞれ500ppm以下にすることが好ましい。シートのプレス法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特にカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は特に限定されないが、19.6〜294MPaであることが好ましい。前記カレンダープレス法のプレス速度は0.1〜50m/分であることが好ましく、プレス温度は室温〜200℃であることが好ましい。正極シートに対する負極シート幅の比は、0.9〜1.1であることが好ましく、0.95〜1.0であることが特に好ましい。正極活物質と負極活物質との含有量比は、化合物種類や合剤処方により異なる。
本発明のリチウムイオン二次電池の形態は特に限定されないが、コイン、シート、円筒等、種々の電池セルに封入することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の用途は特に限定されないが、例えば、電子機器としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。
その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に、各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることも可能である。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって、何ら限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
〔電解質組成物の調製〕
(i)電解質組成物1〜3の調製
使用する粒子は予め乾燥機に入れ、減圧ポンプで13.3Paまで減圧し、100℃4時間の乾燥を行った。次に、イオン液体として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビスフルオロスルホニルイミド(EMIFSI)3.2g、支持電解質塩としてLiN(CFSO0.29gをアルゴングローブボックス中において、乳鉢で混合した。
更に、塩基性無機粒子として酸化マグネシウム(平均粒子径15nm)を表1に記載の分量で加えて混合した。得られた電解質組成物を電解質組成物1とした。同様に塩基性無機粒子としてSiO−MgO(平均粒子径26nm)、炭酸カルシウム(平均粒子径50nm)を表1に記載の分量で加えて混合し、それぞれ電解質組成物2、電解質組成物3とした。
(ii)電解質組成物4、5、9、10、12、13の調製
使用する粒子は予め乾燥機に入れ、減圧ポンプで13.3Paまで減圧し、100℃4時間の乾燥を行った。次にイオン液体として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビスフルオロスルフォニルイミド(EMIFSI)3.2g、支持電解質塩としてLiN(CFSO0.29gをアルゴングローブボックス中において、乳鉢で混合した。ここに、予め調製した高分子材料PVDFの6%N−メチル−ピロリドン(NMP)溶液を固形分、及び塩基性無機粒子として酸化マグネシウム(平均粒子径15nm)が表1に記載の分量になるように混合し、それぞれ電解質組成物4、5、9及び10とした。
同様に塩基性無機粒子としてSiO−MgO(平均粒子径26nm)、炭酸カルシウム(平均粒子径50nm)を表1に記載の分量を加え混合し、それぞれ電解質組成物12、電解質組成物13とした。
(iii)電解質組成物6〜8の調製
使用する粒子は予め乾燥機に入れ、減圧ポンプで13.3Paまで減圧し、100℃4時間の乾燥を行った。次にイオン液体としてN−メチル−N−プロピルピロリジニウムビス(フルオロスルホニル)イミド(P13FSI)3.2g、LiN(CFSO0.29gをアルゴングローブボックス中において、乳鉢で混合した。ここに、予め調製したPVDFの6%N−メチル−ピロリドン(NMP)溶液を固形分、及び酸化マグネシウム(平均粒子径15nm)が表1に記載の分量になるように混合し、電解質組成物6とした。
同様に支持電解質塩としてLiN(CFSOの代わりに、LiCFSO、LiN(SOを加えたものをそれぞれ電解質組成物7、8とした。
(iv)電解質組成物11の調製
使用する粒子は予め乾燥機に入れ、減圧ポンプで13.3Paまで減圧し、100℃4時間の乾燥を行った。次にイオン液体として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビスフルオロスルフォニルイミド(EMIFSI)3.2g、支持電解質塩としてLiN(CFSO0.29gをアルゴングローブボックス中において、乳鉢で混合した。ここに、高分子材料スチレンブタジエンラテックス(SBR)水分散液(日本ゼオン(株)製、BM400B)を固形分、及び塩基性無機粒子として酸化マグネシウム(平均粒子径12nm)が表1に記載の分量になるように混合し、電解質組成物11とした。
(v)電解質組成物14〜16の調製
使用する粒子は予め乾燥機に入れ、減圧ポンプで13.3Paまで減圧し、100℃4時間の乾燥を行った。次にイオン液体として1−エチル−3−メチルイミダゾリウムビスフルオロスルホニルイミド(EMIFSI)3.2g、支持電解質塩としてLiN(CFSO0.29gをアルゴングローブボックス中において、乳鉢で混合した。ここで得られた電解質組成物を電解質組成物14とした。
ここに、予め調製したPVDFの6%NMP溶液を固形分が表1に記載の分量になるように混合し、得られた電解質組成物を電解質組成物15とした。
更に、電解質組成物15において、塩基性無機粒子ではないSiO(平均粒子径12nm)を表1に記載の分量で加えて混合し、得られた電解質組成物を電解質組成物16とした。
〔電解質組成物評価〕
それぞれの電解質組成物を用いて、以下のようにリチウムイオン輸率測定用セルを作製し、リチウムイオン輸率を測定した。
ステンレス製の容器に0.5mm厚み、13mmφリチウム箔、0.3mm厚みのPP製スペーサーと共に電解質を封入する。更に、13mmφのリチウム箔を用いて電解質組成物を挟み込む。このようにして作製した測定セルの上下から電流導入端子を取った。このセルに対して、交流インピーダンス測定、更にクロノアンペロメトリーを行い、リチウムイオン輸率を計算した。
(測定)
即ち、このセルに対して、交流インピーダンス測定を0.1kHz〜0.1Hzの範囲で測定し解質抵抗Rと電荷移動抵抗RLiを求める。さらにセル間に50μAの直流電流を電圧が安定するまで流し、その間セルクロノアンペロメトリーを行い、セルの抵抗Rtを求めた。リチウムイオン輸率は下記の式により算出される。
リチウムイオン輸率t(Li+)=R/(Rt−RLi)×100
〔リチウムイオン二次電池の作製〕
(正極シートの作製)
正極活物質として、LiCoOを43部、鱗片状黒鉛2部、アセチレンブラック2部、更に結着剤としてポリアクリロニトリル3部を加え、アクリロニトリル100部を媒体として混練して得られたスラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔にエクストルージョン式塗布機を使って塗設し、乾燥後カレンダープレス機により圧縮成形した後、端部にアルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ95μm、幅54mm×長さ49mmの正極シートを作製、露点−40℃以下の乾燥空気中、230℃で30分脱水乾燥した。
(シート電池の作製:電池4〜13、15、16)
ドライボックス中で、幅54mm×長さ49mmの脱水乾燥済み正極シート状に、上記表1に記載された電解質組成物にNMPを加え、該電解質組成物をワイヤーバーで塗布した。該電解質組成物を80℃で減圧乾燥することによって膜厚40μmの層を形成した。
更に、上記のリード版を溶接した幅55mm×長さ50mmの負極シート(リチウム張り合わせ銅箔(リチウム膜厚30μm、銅箔の膜厚20μm))を積層し、減圧下で80℃に3時間加熱した。その後、ポリエチレン(50μm)−ポリエチレンテレフタレート(50μm)のラミネートフィルムよりなる外装材を使用し、4縁を真空下で熱融着して密閉し、シート型電池を作製した。
(シート電池の作製:電池1〜3、14)
ドライボックス中で、幅54mm×長さ49mmの脱水乾燥済み正極シート状に、上記表1に記載された電解質組成物にNMPを加える。該電解質組成物をワイヤーバーで塗布し、80℃で減圧乾燥することによって膜厚20μmの層を形成した。ここに、セパレーターとしてCelgard2400(厚み25μm、気孔率37%)を重ね、更に電解質に対してNMPを加えた後、粘度を落としたゲルをワイヤーバーで塗布し、80℃で減圧乾燥することによって膜厚20μmの層を形成した。更に上記のリード版を溶接した幅55mm×長さ50mmの負極シート(リチウム張り合わせ銅箔(リチウム膜厚30μm、銅箔の膜厚20μm))を積層し、減圧下で80℃に3時間加熱した。その後、ポリエチレン(50μm)−ポリエチレンテレフタレート(50μm)のラミネートフィルムよりなる外装材を使用し、4縁を真空下で熱融着して密閉し、シート型電池を作製した。
〔耐久性試験〕
得られた各二次電池を0.2Cの定電流で4.2Vになるまで充電し、引き続き4.2Vの定電圧で充電を行った。定電流充電開始から、定電圧終了までの総時間は7時間とした。充電後の各二次電池について、4.2Vから3.0Vになるまで、0.2Cで放電させて初期化を行った。更に50℃のオーブンに入れ、上記の条件での初期化後の各二次電池について、0.2Cでの充放電を行った。初期化後の充電容量の80%を下回った時点での充放電回数を耐久試験のサイクル数とし、測定結果を表2にまとめた。
表1、表2より本発明の電解質組成物及び該電解質組成物を用いたリチウムイオン二次電池は、リチウムイオン輸率の向上、電池性能の耐久性の向上が見られる。

Claims (5)

  1. 塩基性無機粒子、イオン液体、支持電解質塩を有することを特徴とする電解質組成物。
  2. 高分子材料を更に含有することを特徴とする請求項1に記載の電解質組成物。
  3. イオン液体のアニオン部がビスフルオロスルホニルイミド(FSI)であることを特徴とする請求項1または2に記載の電解質組成物。
  4. 塩基性無機粒子が酸化マグネシウムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の電解質組成物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の電解質組成物を有することを特徴とするリチウムイオン二次電池。
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