JP2011187274A - 電池用セパレータ及びリチウムイオン電池 - Google Patents

電池用セパレータ及びリチウムイオン電池 Download PDF

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Abstract

【課題】耐熱性、突刺強度が高く、非水電解液に高いイオン伝導度を付与することのできる電池用セパレータと、その電池用セパレータを適用した耐ショート性及び充放電サイクル特性に優れたリチウムイオン電池を提供する。
【解決手段】酸化物無機粒子とバインダにより形成される電池用セパレータにおいて、該バインダが、酸化物無機粒子表面と架橋しうる官能基を末端に有する含窒素芳香族ポリマーであることを特徴とする電池用セパレータ。
【選択図】なし

Description

本発明は、電池用セパレータとそれを用いたリチウムイオン電池であり、さらに詳しくは、耐熱性が高く、突刺強度が高く、非水電解液に高いイオン伝導度を付与することのできる電池用セパレータと、その電池用セパレータを適用した耐ショート性及び充放電サイクル特性に優れたリチウムイオン電池に関するものである。
近年、ノートパソコン、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistants)などの携帯端末の普及が著しい。この様な携帯端末に対しては、より快適な携帯性が求められ、小型化が急速に進んでいる。そして、かかる携帯端末の電源には、二次電池として、リチウムイオン電池が多用されている。
リチウムイオン電池においては、正極と負極の間に介在させるセパレータとして、ポリオレフィン系の微多孔性フィルムが使用されており、この微多孔性フィルムは、要求される多孔性とフィルム強度の観点から、一軸延伸あるいは二軸延伸して製造されている。
この延伸により製造されるフィルムでは歪みが生じ、これが高温に晒されると、残留応力により収縮が起きるという問題があり、異常充電等により電池が発熱し始めると、セパレータが収縮して内部短絡による発火の危険性を抱えている。
この課題を解決すべく、絶縁性無機粒子とバインダ樹脂とを含む多孔質粒子層をセパレータに適用し、高温に晒されてもセパレータの収縮を防止する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
上記各特許文献に記載されている方法では、無機粒子を使用することにより、セパレータの耐熱性を向上させることができ、加えてバインダ樹脂として含窒素芳香族ポリマーを使用することで、更に高い耐熱性を発現することができるとされている。しかしながら、無機粒子と使用しているバインダ樹脂とでは相互作用が低いため、バインダとしての機能を十分に果たしているとは言い難い。そのため、形成するセパレータは機械的強度が低く、リチウムデンドライドの発生により、セパレータが破壊され短絡を起こしてしまうという課題がある。
特開2005−276503号公報 特開2007−258160号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、耐熱性、突刺強度が高く、非水電解液に高いイオン伝導度を付与することのできる電池用セパレータと、その電池用セパレータを適用した耐ショート性及び充放電サイクル特性に優れたリチウムイオン電池を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成される。
1.少なくとも酸化物無機粒子とバインダにより形成される電池用セパレータにおいて、該バインダが、酸化物無機粒子表面と架橋しうる官能基を末端に有する含窒素芳香族ポリマーであることを特徴とする電池用セパレータ。
2.前記含窒素芳香族ポリマーが、アミドイミドポリマーであることを特徴とする前記1に記載の電池用セパレータ。
3.前記酸化物無機粒子が、アルミナまたはシリカであることを特徴とする前記1または2に記載の電池用セパレータ。
4.前記含窒素芳香族ポリマーの末端に有する酸化物無機粒子と架橋しうる官能基が、アルミニウムアルコキシド基またはアルコキシシラン基であることを特徴とする前記1から3のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
5.前記酸化物無機微粒子の平均粒径が、1.0nm以上、200nm以下であることを特徴とする前記1から4のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
6.前記1から5のいずれか1項に記載の電池用セパレータを有し、電解液にイオン液体を含有することを特徴とするリチウムイオン電池。
本発明により、耐熱性、突刺強度が高く、非水電解液に高いイオン伝導度を付与することのできる電池用セパレータと、その電池用セパレータを適用した耐ショート性及び充放電サイクル特性に優れたリチウムイオン電池を提供することができた。
以下、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明者は、上記課題に鑑み鋭意検討を行った結果、少なくとも酸化物無機粒子とバインダにより形成される電池用セパレータにおいて、該バインダが、酸化物無機粒子表面と架橋しうる官能基を末端に有する含窒素芳香族ポリマーであることを特徴とする電池用セパレータにより、耐熱性、突刺強度が高く、非水電解液に高いイオン伝導度を付与することのできる電池用セパレータを実現することができることを見出し、本発明に至った次第である。
以下、本発明の電池用セパレータ及びそれを適用したリチウムイオン電池の詳細について説明する。
《電池用セパレータ》
本発明の電池用セパレータ(以下、単にセパレータともいう)は、酸化物無機粒子と、酸化物無機粒子表面と架橋しうる官能基を末端に持つ含窒素芳香族ポリマーで構成されることを特徴とする。
〔酸化物無機微粒子〕
本発明における酸化物無機粒子の組成は、公知の無機酸化物を用いることができるが、具体的には、例えば、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、酸化ジルコニウム(ZrO)、ゼオライト、酸化チタン(TiO)、チタン酸バリウム(BaTiO)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)、チタン酸カルシウム(CaTiO)、ホウ酸アルミニウム、酸化鉄、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、酸化鉛、酸化スズ、酸化セリウム、酸化カルシウム、四酸化三マンガン、酸化マグネシウム、酸化ニオブ、酸化タンタル、酸化タングステン、酸化アンチモン、リン酸アルミニウム、カルシウムシリケート、ジルコニウムシリケート、ITO、チタンシリケート、FSM16、MCM41、モンモリロナイト、サポナイト、バーミキュライト、ハイドロタルサイト、カオリナイト、カネマイト、アイラライト、マガディアイト、ケニアイト等を挙げることができ、更にはこれらの複合酸化物を好ましく使用できる。中でも中性〜酸性の酸化物無機粒子が、高い強度のセパレータが得られる観点で好ましく、例えば、酸化ジルコニウム、モンロリロナイト、サポナイト、バーミキュライト、ハイドロタルサイト、カオリナイト、カネマイト、酸化スズ、酸化タングステン、酸化チタン、リン酸アルミニウム、シリカ、酸化亜鉛、アルミナなどがこれに相当し、更に、本発明において特に適しているのは、アルミナ粒子またはシリカ粒子である。アルミナ粒子やシリカ粒子は、工業上も安価で容易に入手できること、表面に反応活性な水酸基を有するため、架橋性官能基を表面に修飾することが比較的容易である点から好ましい。
本発明に係る酸化物無機粒子では、多孔性を有していることが好ましい。多孔性酸化物無機粒子とは、粒子表面あるいは内部に無数の微細な穴があいている酸化物粒子であり、その比表面積は好ましくは500〜1000m/gである。比表面積が500m/g以上であれば、本発明のセパレータをリチウムイオン二次電池に適応した場合、リチウムイオン伝導度が向上する傾向にあり、また1000m/g以下であれば、セパレータの強度が向上する傾向にある。比表面積は従来ある水銀圧入法やガス吸着法(BET法)により測定することができ、本発明においてはBET法を好適に利用することができる。BET法とは、粒子表面に吸着占有面積の分かっている分子(例えば、N)を液体窒素の温度で吸着させ、その量から試料の比表面積を求める方法である。また、多孔性のもう一つの指標となる細孔径としては、メソ領域に細孔径を有することが好ましい。メソ領域とはケルビンの毛管凝縮理論が適応できる、2〜50nmの領域である。細孔径が2nm以上であれば、固体電解質のイオン伝導度が向上する傾向であり、細孔径が50nm以下であれば、固体電解質の強度が向上する傾向にある。細孔径は細孔径分布測定装置によりガス吸着法で得た吸脱着等温線のヒステリシスパターンを解析することで算出した細孔分布のメディアン径で知ることもできるし、透過型電子顕微鏡(TEM)での観察により知ることもできる。
酸化物無機粒子としては、例えば、特開平7−133105号公報に記載されているように、多孔性の酸化物無機粒子の表面をシリカ等で被覆した、低屈折率のナノメーターサイズの複合酸化物微粒子、また特開2001−233611号公報に記載されているように、シリカとシリカ以外の無機酸化物からなり、内部に空洞を有する低屈折率のナノメーターサイズのシリカ系微粒子等も適している。
本発明に係る酸化物無機粒子の平均粒径は、1.0nm以上、200nm以下であることが好ましい。平均粒径が1.0nm以上であれば、本発明のセパレータをリチウムイオン二次電池に適応した場合、リチウムイオン伝導度が向上する傾向にあり、平均粒径が200nm以下であれば、セパレータ強度が向上する傾向にある。
本発明でいう平均粒径とは、酸化物無機粒子を同体積の球に換算した時の直径(球換算粒径)の体積平均値であり、この値は電子顕微鏡観察により求めることができる。すなわち、酸化物無機粒子の電子顕微鏡観察から、一定の視野内にある酸化物無機粒子を200個以上測定し、各粒子の球換算粒径を求め、その平均値を求めることにより得られた値である。
本発明に係る酸化物無機粒子として、粒子表面をシランカップリング剤等で表面修飾したものも使用することができる。表面修飾基としては特に限定は無いが、末端に架橋官能基を有する本発明に係る含窒素芳香族ポリマーと架橋しうる架橋性官能基が好ましく用いられる。ここでいう架橋性官能基とは、例えば、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、アリル基などの炭素−炭素不飽和基、エポキシ基、オキセタン基などの環状アルコキシド基やイソシアネート基、水酸基、カルボキシル基などであり、本発明において特に好ましいのはビニル基である。
酸化物無機粒子の表面に架橋性官能基を付与する手段としては、架橋性官能基を持つシラン化合物を、酸化物無機粒子表面に反応させる方法が好ましく用いられる。架橋性官能基を有するシラン化合物とは、1〜3官能のアルコキシシラン、クロロシランに架橋性官能基を有する化合物、または、ジシラザン化合物に架橋性官能基を有する化合物等である。
表面修飾の方法としては、これら架橋性官能基を有するシラン化合物を酸化物無機粒子に直接粉体として噴霧して加熱定着させる乾式法、溶液中に粒子を分散させておき、表面処理剤を添加して表面処理する湿式法とあるが、より均一に粒子が分散する湿式法が好ましい。表面修飾の具体的方法としては、例えば、特開2007−264581号公報に記載されているような方法で、この様な湿式で処理した粒子は、高い分散性を持つため好適である。また、上記乾式、湿式いずれにおいても、事前に酸化物無機粒子を熱水処理することで、シランカップリング反応を促進することもできる。
本発明に係る酸化物無機粒子の含有量は特に限定はないが、全セパレータ質量の、10質量%以上、95質量%以下が好ましく、更に好ましくは50質量%以上、90質量%以下である。含有量が10質量%以上であれば、リチウムイオン伝導度が高くなる傾向にあり、95質量%以下であると、セパレータの機械的強度が高い傾向にある。
〔含窒素芳香族ポリマー〕
本発明に係る含窒素芳香族ポリマーは、酸化物無機粒子表面と架橋しうる官能基を末端に有することを特徴とする。
本発明に係る含窒素芳香族ポリマーとは、主鎖に窒素原子と芳香族環を含む重合体であり、例えば、芳香族ポリアミド、(以下、アラミドともいう)、芳香族ポリイミド(以下、ポリイミドともいう)、芳香族ポリアミドイミド(以下、ポリアミドイミドともいう)などがあり、その中でも、本発明においては、柔軟性に富み伸張率が高い芳香族ポリアミドイミドが好ましい。
これらアラミド、ポリイミド、ポリアミドイミドの分子末端に架橋性基を置換するためには、アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミドの分子末端にカルボキシル基または酸無水物基が存在するように調整する必要がある。その様なアラミド、ポリイミド、ポリアミドイミドの合成法に特に制限はないが、アラミドはジカルボン酸類とジイソシアネート類を縮合物、またはジカルボン酸類とジアミン類を反応させてアミド結合を導入することで得ることができる。また、ポリイミドは、トリカルボン酸類とジイソシアネート類を縮合物、またはトリカルボン酸類とジアミン類を反応させてイミド結合を導入することで得られる。また、ポリアミドイミドは、トリカルボン酸類とジイソシアネート類を縮合物、またはトリカルボン酸類とジアミン類を反応させて、まずイミド結合を導入したものに、ジイソシアネート類を反応させてアミド化することにより合成できる。
上記反応に用いられるジカルボン酸類としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ジフェニルメタン−4,4′−ジカルボン酸、及びこれらの酸無水物、並びにこれらの混合物が挙げられる。
トリカルボン酸類としては、トリメリット酸無水物、ブタン−1,2,4−トリカルボン酸、ナフタレン−1,2,4−トリカルボン酸及びこれらの酸無水物、並びにこれらの混合物が挙げられる。これらのジカルボン酸及びトリカルボン酸の中でも、芳香環を有するカルボン酸を用いることが好ましい。
ジイソシアネート類としては、ジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、ジフェニルエーテル−4,4′−ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、キシレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート類を使用することができる。
ジアミン類としては、これらジイソシアネート類に対応するジアミン類を使用することができる。
これらアラミド、ポリイミド、ポリアミドイミドを得るに際しては、さらにモノカルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、テトラカルボン酸を混合しても良く、特にモノカルボン酸、テトラカルボン酸の量はカルボン酸類全体の10モル%以下とするのが好ましい。
これらのモノカルボン酸類、テトラカルボン酸類、特に限定無いが、モノカルボン酸としては、ギ酸、脂肪族カルボン酸、脂環族カルボン酸、芳香族カルボン酸及びこれらの酸無水物、並びにこれらの混合物が挙げられ、テトラカルボン酸類としては、ジフェニルエーテル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸、ブタン−1,2,3,4−テトラカルボン酸、ベンゼン−1,2,4,5−テトラカルボン酸、ビフェニル−3,3′,4,4′−テトラカルボン酸、ナフタレン−1,2,4,5−テトラカルボン酸及びこれらの酸無水物、並びにこれらの混合物が挙げられる。
アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミドを合成する際に上記原料の配合割合は、実質的にカルボキシル基または酸無水物が分子末端に存在する割合であれば特に限定されない。ジイソシアネート類が空気中や溶剤中の水分によって失活することを考慮して、カルボキシル基または酸無水物基のモル数に対するイソシアネート基のモル数、またはカルボキシル基または酸無水物基のモル数に対するアミノ基のモル数が0.85以上であって、1.05未満の範囲とすることが好ましい。
〔酸化物無機粒子表面と架橋しうる官能基を有する含窒素芳香族ポリマー〕
本発明に係る含窒素芳香族ポリマーは、酸化物無機粒子表面と架橋しうる官能基を末端に有することを特徴とする。
酸化物無機粒子と架橋しうる官能基としては、例えば、アルコキシ基、ビニル基、アクリル基、メタクリル基、アリル基などの炭素−炭素不飽和基、エポキシ基、オキセタン基などの環状アルコキシド基やイソシアネート基、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、塩化シリル基、塩化アルミニウム基等が挙げられるが、カルボキシル基、アルコキシ基、ビニル基が好ましい。
これらの官能基の導入方法には特に制限はないが、アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミドの分子末端のカルボキシル基または酸無水物基に、上記の官能基及びグリシジルエーテル基を持つアルコキシシランまたはアルミニウムアルコキシドを反応させることにより導入させることができる。
架橋基を有するアルコキシシランまたはアルミニウムアルコキシド部分縮合物は、加水分解性アルコキシシランモノマーまたはアルミニウムアルコキシドモノマーを、酸またはアルカリ存在下で加水分解し、部分的に縮合させて得ることができる。
加水分解性アルコキシシランモノマーとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、イソプロピルトリメトキシシラン、イソプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルエチルジエトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、エポキシメチルトリメトキシシラン、エポキシメチルトリエトキシシラン、エポキシエチルトリメトキシシラン、エポキシメチルトリエトキシシラン、エポキシエチルトリエトキシシラン、アミノエチルトリメトキシシラン、アミノメチルトリエトキシシラン、テトラクロロシランが使用できる。
加水分解性アルミニウムアルコキシドモノマーとしては、例えば、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムメチルジエトキシド、アルミニウムメチルジイソプロポキシド、アルミニウムエチルジエトキシシラン、アルミニウムエチルジイソプロポキシド、アルミニウムイソプロピルジエトキシド、アルミニウムイソプロピルジイソプロポキシド、アルミニウムビニルジエトキシド、アルミニウムビニルジイソプロポキシド、アルミニウムビニルエチルイソプロポキシド、アルミニウムジビニルイソプロポキシド、アルミニウムエポキシメチルジイソプロポキシド、アルミニウムエポキシエチルジイソプロポキシド、アルミニウムアミノエチルジイソプロポキシド、アルミニウムアミノメチルジイソプロポキシド、アルミニウムトリクロライド等が使用できる。
これらモノマーを部分的に縮合し、部分縮合生成物にアルコキシ基、ビニル基、エポキシ基、塩化シリル基、塩化アルミニウム基等の架橋性官能基を存在させる割合であれば、上記モノマーを任意の割合で混ぜることができる。また、部分縮合の際にグリシドールを混合しておくことで、グリシジルエーテル基と架橋性官能基を共に有する部分縮合物を得ることができる。この部分縮合物の反応は脱アルコール反応であり、反応温度は50〜150℃、1〜15時間の範囲で行うことができる。
上記アラミド、ポリイミド、ポリアミドイミドが分子末端に持つカルボキシル基または酸無水物と、上記部分縮合物のグリシジルエーテル基の開環エステル化反応で、酸化物無機粒子と架橋しうる官能基を末端に持つ含窒素芳香族ポリマーを得ることができる。この開環エステル化反応は、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の溶媒の存在下で、50〜130℃、1〜7時間の範囲で行うことができる。
本発明に係る架橋性官能基を有する含窒素芳香族ポリマーの分子量は、GPC測定によるスチレン換算値で、重量平均分子量として5000以上、10000未満が好ましい。5000以上であればポリマーの伸張率が高くなり、セパレータの柔軟性が増し、10000未満であると粘度が低下し取り扱い作業性が向上する傾向にある。
本発明に係る酸化物無機粒子と架橋しうる官能基を末端に持つ含窒素芳香族ポリマーの含有量は、特に限定はないが、全セパレータ全質量の、1質量%以上、80質量%以下が好ましく、更に好ましくは3質量%以上、60質量%以下である。
〔電池用セパレータの製造方法〕
次いで、本発明の電池用セパレータを製造する方法について説明する。
本発明の電池用セパレータの製造方法としては、特に限定はないが、湿式塗布方式が好ましい。具体的には酸化物無機粒子と、酸化物無機粒子と架橋しうる官能基を末端に持つ含窒素芳香族ポリマーとを有機溶媒に混合してスラリーを調製し、ポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム上に塗布、乾燥させた後、塗膜を剥がすことで、本発明のセパレータが得られる。また、本発明のセパレータを、リチウムイオン電池に使用する場合は、集電体金属箔に活物質が塗布された正極板または負極板上に塗付することで、電極と一体となったセパレータ層が得られる。
(有機溶媒)
上記の方法で用いる有機溶媒としては、含窒素芳香族ポリマーを均一に且つ安定に溶解または分散できるもの、また酸化物無機粒子を均一に分散できるものであればよく、具体的には、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−ジメチルホルムアルデヒド等を用いることができる。また、上記塗布溶液あるいは分散液を安定化させるために、添加物を加えても良い。この添加物は、加熱によって除去できる物でも良いし、本発明のセパレータをリチウムイオン電池に適応したときに、高温下や高電圧下で安定に存在し、電池反応を阻害しない物であれば、電池内に残存しても良い。
(塗布方式)
上記塗布液を、所望の厚みに均一に塗布できる方法であれば、塗布方式は特に限定はない。例えば、スクリーン印刷、バーコーター法、ロールコーター法、リバースコーター法、グラビア印刷法、ドクターブレード法、ダイコーター法等をあげることができ、連続塗布、間欠塗布、ストライプ塗布等必要に応じ使い分けることができる。
(乾燥方法)
塗布後の乾燥方法については、含有した有機溶媒が除去できれば特に制限が無く、熱風乾燥、赤外線乾燥、遠赤外線乾燥、マイクロウエーブ乾燥、電子線乾燥、真空乾燥等の方式を利用できる。
乾燥温度も特に制限はないが50〜400℃が好ましく、80℃〜200℃が好ましい。
(セパレータの厚さ)
セパレータの厚さは特に限定は無いが、1μm〜200μmが好ましく5μm〜30μmが好ましい。この範囲であれば、正負極間の短絡を防止することができ、電池特性を向上させることができる。
《リチウムイオン電池》
本発明においては、本発明のセパレータをリチウムイオン電池に適用することを特徴とする。
本発明のリチウムイオン二次電池を構成する正極活物質、負極活物質、電極合剤、集電体、及び二次電池の作製方法について、以下その詳細を説明する。
〔正極活物質〕
本発明のリチウムイオン電池に適用可能な正極活物質としては、無機系活物質、有機系活物質、これらの複合体が例示できるが、無機系活物質あるいは無機系活物質と有機系活物質の複合体が、特にエネルギー密度が大きくなる点から好ましい。
無機系活物質として、例えば、Li0.2MnO、LiMn12、V、LiCoO、LiMn、LiNiO、LiFePO、LiCo1/2Ni1/2Mn1/2、Li1.2(Fe0.5Mn0.50.8、Li1.2(Fe0.4Mn0.4Ti0.20.8、Li1+x(Ni0.5Mn0.51−x、LiNi0.5Mn1.5、LiMnO、Li0.76Mn0.51Ti0.49、LiNi0.8Co0.15Al0.05、Fe、等の金属酸化物、LiFePO、LiCoPO、LiMnPO、LiMPOF(M=Fe、Mn)、LiMn0.875Fe0.125PO、LiFeSiO、Li2−xMSi1−x(M=Fe、Mn)、LiMBO(M=Fe、Mn)などのリン酸、ケイ酸、ホウ酸系が挙げられ、化学式中、xは0〜1の範囲であることが好ましい。更に、FeF、LiFeF、LiTiFなどのフッ素系、LiFeS、TiS、MoS、FeS等の金属硫化物、これらの化合物とリチウムの複合酸化物が挙げられる。
有機系活物質としては、例えば、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリパラフェニレン、等の導電性高分子、有機ジスルフィド化合物、有機イオウ化合物DMcT(2,5−ジメルカプト−1,3,4−チアジアゾール)、ベンゾキノン化合物PDBM(ポリ2,5−ジヒドロキシ−1,4−ベンゾキノン−3,6−メチレン)、カーボンジスルフィド、活性イオウ等のイオウ系正極材料、有機ラジカル化合物等が用いられる。
また、正極活物質の表面には、無機酸化物が被覆されていることが電池の寿命を延ばす点で好ましい。無機酸化物を被覆するに際しては、正極活物質の表面にコーティングする方法が好ましく、コーティングする方法としては、例えば、ハイブリタイザーなどの表面改質装置を用いてコーティングする方法などが挙げられる。
上記無機酸化物としては、例えば、酸化マグネシウム、酸化ケイ素、アルミナ、ジルコニア、酸化チタン等のIIA〜VA族、遷移金属、IIIB、IVBの酸化物、チタン酸バリウム、チタン酸カルシウム、チタン酸鉛、γ−LiAlO、LiTiO等が挙げられ、特に酸化ケイ素が好ましい。
〔負極活物質〕
本発明のリチウムイオン電池に適用可能な負極としては、特に制限はなく、集電体に負極活物質を密着させたものが利用できる。黒鉛系やスズ合金系などの粉末を、スチレンブタジエンゴムやポリフッ化ビニリデンなどの結着材とともにペースト状として集電体上に塗布して、乾燥後、プレス成形して作製したものが利用できる。物理蒸着(スパッタリング法や真空蒸着法など)によって、3〜5ミクロンのシリコン系薄膜を集電体上に直接形成したシリコン系薄膜負極なども利用できる。
リチウム金属負極の場合は、銅箔上に厚さ10〜30μmのリチウム箔を付着させたものが好適である。高容量化の観点からは、シリコン系薄膜負極やリチウム金属負極からなるものであることが好ましい。
〔電極合剤〕
本発明に用いる電極合剤としては、導電剤、結着剤やフィラーなどの他に、リチウム塩、非プロトン性有機溶媒等が添加されたものが挙げられる。
導電剤としては、構成されるリチウムイオン電池において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば、制限なく用いることができる。通常、天然黒鉛(例えば、鱗状黒鉛、鱗片状黒鉛、土状黒鉛など)、人工黒鉛、カーボンブラック、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、炭素繊維や金属粉(例えば、銅、ニッケル、アルミニウム、銀(特開昭63−148554号公報に記載)等)、金属繊維あるいはポリフェニレン誘導体(例えば、特開昭59−20971号公報に記載)などの導電性材料を1種またはこれらの混合物として含ませることができる。その中でも、黒鉛とアセチレンブラックの併用が特に好ましい。
導電剤の添加量としては、電極合剤の1〜50質量%であることが好ましく、2〜30質量%がより好ましい。カーボンや黒鉛の場合は、2〜15質量%が特に好ましい。
本発明では、電極合剤を保持するための結着剤を用いることができる。このような結着剤としては、多糖類、熱可塑性樹脂及びゴム弾性を有するポリマーなどが挙げられ、その中でも、例えば、でんぷん、カルボキシメチルセルロース、セルロース、ジアセチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリビニルフェノール、ポリビニルメチルエーテル、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリヒドロキシ(メタ)アクリレート、スチレン−マレイン酸共重合体等の水溶性ポリマー、ポリビニルクロリド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ビニリデンフロライド−テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン−ジエンターポリマー(EPDM)、スルホン化EPDM、ポリビニルアセタール樹脂、メチルメタアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステルを含有する(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−アクリロニトリル共重合体、ビニルアセテート等のビニルエステルを含有するポリビニルエステル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリブタジエン、ネオプレンゴム、フッ素ゴム、ポリエチレンオキシド、ポリエステルポリウレタン樹脂、ポリエーテルポリウレタン樹脂、ポリカーボネートポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等のエマルジョン(ラテックス)あるいはサスペンジョンが好ましく、ポリアクリル酸エステル系のラテックス、カルボキシメチルセルロース、ポリテトラフロロエチレン、ポリフッ化ビニリデンがより好ましい。
上記結着剤は、一種単独または二種以上を混合して用いることができる。結着剤の添加量が少ないと、電極合剤の保持力、凝集力が弱くなる。多すぎると、電極体積が増加し電極単位体積あるいは単位質量あたりの容量が減少する。このような理由で、結着剤の添加量は電極合剤に対し1〜30質量%が好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
前記フィラーは、本発明のリチウムイオン電池において、化学変化を起こさない繊維状材料であれば何でも用いることができる。通常、ポリプロピレン、ポリエチレンなどのオレフィン系ポリマー、ガラス、炭素などの繊維が用いられる。フィラーの添加量は特に限定されないが、0〜30質量%が好ましい。
〔集電体〕
正・負極の集電体としては、本発明のリチウムイオン電池において、化学変化を起こさない電子伝導体が用いられる。正極の集電体としては、例えば、アルミニウム、ステンレス鋼、ニッケル、チタンなどの他にアルミニウムやステンレス鋼の表面にカーボン、ニッケル、チタンあるいは銀を処理させたものが好ましく、その中でも、アルミニウム、アルミニウム合金がより好ましい。負極の集電体としては、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタンが好ましく、銅あるいは銅合金がより好ましい。
集電体の形状としては、通常フィルムシート状のものが使用されるが、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体なども用いることができる。前記集電体の厚みとしては、特に限定されないが、1〜500μmが好ましい。また、集電体表面は表面処理により凹凸を付けることも好ましい。
〔電解液溶媒〕
本発明のリチウムイオン電池の電解液に使用する溶媒は、粘度が低くイオン伝導性を向上したり、または誘電率が高く、有効キャリアー濃度を向上したりして、優れたイオン伝導性を発現できる化合物であることが望ましい。
このような溶媒としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチルメチルカーボネート、ジエチルカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、ジオキサン、ジエチルエーテルなどのエーテル化合物、エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテルなどの鎖状エーテル類、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、カルボン酸エステル、リン酸エステル、ホスホン酸エステル等のエステル類、ジメチルスルフォキシド、スルフォランなど非プロトン極性物質などが挙げられる。
この中でも、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなどのカーボネート化合物、3−メチル−2−オキサゾリジノンなどの複素環化合物、アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル化合物、エステル類が特に好ましい。これらは単独で用いても2種以上を併用してもよい。
溶媒としては、耐揮発性による耐久性向上の観点から、常圧(1気圧)における沸点が200℃以上のものが好ましく、250℃以上のものがより好ましく、270℃以上のものが更に好ましい。
〔イオン液体〕
本発明のセパレータを適応したリチウムイオン電池では、電解液にイオン液体を含有することが好ましい。イオン液体を使用することで、電解液中でのセパレータの膨潤が抑えられるため、サイクル特性が向上する。
本発明に係るイオン液体とは、アンモニウム、ホスホニウム、ヨードニウムから選ばれるオニウムカチオンとアニオンとで形成される化合物であり、0℃以上、200以下の環境下で液体状態を呈する液体が用いられる。
オニウムカチオンとしてはアンモニウムが好適であり、脂肪族、脂環族、芳香族、複素環の4級アンモニウムカチオンから選ばれ、代表的にはイミダゾリウム、ピリジニウム、ピペリジニウム、チアゾリウム、ピロリウム、ピラゾリウム、ベンズイミダゾリウム、インドリウム、カルバゾリウム、キノリニウム、ピロリジニウム、ピペラジニウム、アルキルアンモニウム等が挙げられる。それぞれに置換基がついていてもかまわない。
また、アニオン部としてフッ素原子を含有するアニオンが好ましく、代表的なアニオンとしては、イミドアニオン、ボレートアニオン、ホスフェートアニオンが挙げられる。
本発明で好ましいカチオン群としては、例えば、1−ethyl−3−methyl−imidazolium(EMI)、N,N−diethyl−N−methyl−N−(2−methoxyethyl)ammonium(DEME)、N−Methyl−N−propyl pyrrolidinium(P13)、N−Methyl−N−propylpiperidinium(PP13)、N−ethyl−N−buthyl pyrrolidinium(P24)等を単独、もしくは混合して用いてもよく、電池作動電圧範囲内で安定な構造を有するのであれば、特に構造を限定するものではない。
本発明で好ましいアニオン群としては、例えば、bis(fluorosulfonyl)imide(FSI)、(fluorosulfonyl)(trifluoromethylsulfonyl)imide(FTI)、bis(trifluoromethylsulfonyl)imide(TFSI)、bis(pentafluoroethylsufonyl)amide(BETI)、tetrafluoroborate(BF4)、trifluoromethyltrifluoroborate(CF3BF3)、pentafluoroethyltrifluoroborate(CF3CF2BF3)、hexafluorophospate(PF6)等を単独、もしくは混合して用いてもよく、電池作動電圧範囲内で安定な構造を有するのであれば、特に構造を限定するものではない。
本発明に適用可能なイオン液体の代表的な例は、上記カチオン群、アニオン群の組み合わせであり、任意の混合率で使用できる。
本発明において、イオン液体の含有量は特に限定はないが、電解液溶媒の10質量%以上、100質量%以下が好ましい。
〔支持電解質塩〕
本発明において、イオン伝導度向上の観点から、支持電解質塩を使用することができる。支持電解質塩としては、任意のものを用いることができるが、好ましくは、周期律表Ia族またはIIa族に属する金属イオンの塩が用いられる。周期律表Ia族またはIIa族に属する金属イオンとしては、リチウム、ナトリウム、カリウムのイオンが好ましい。金属イオンの塩のアニオンとしては、ハロゲン化物イオン(I、Cl、Br等)、SCN、BF 、PF 、ClO 、SbF 、(CFSO、(FSO、(CFSO)(FSO)N、(CFCFSO、Ph、(C、(CFSO、CFCOO、CFSO 、CSO 等が挙げられる。その中でもBF 、PF 、(CFSO、(FSO、(CFSO)(FSO)N、(CFCFSO、(CFSO、CFSO がより好ましい。
代表的な支持電解質塩としては、LiCFSO、LiPF、LiClO、LiI、LiBF、LiCFCO、LiSCN、LiN(CFSO、Li(FSO、Li(CFSO)(FSO)N、NaI、NaCFSO、NaClO、NaBF、NaAsF、KCFSO、KSCN、KPF、KClO、KAsFなどが挙げられる。更に好ましくは、上記Li塩である。これらは一種または二種以上を混合してもよい。
電解液中の支持電解質塩の配合量は、5〜40質量%とすることが好ましく、特に10〜30質量%とすることが好ましい。
〔リチウムイオン電池の作製〕
本発明のセパレータを使用したリチウムイオン電池の作製について説明する。本発明のリチウムイオン二次電池の形状としては、シート、角、シリンダーなどいずれの形にも適用できる。正極活物質や負極活物質の電極合剤は、集電体の上に塗布(コート)、乾燥、圧縮されて、主に用いられる。
電極合剤の塗布方法としては、例えば、リバースロール法、ダイレクトロール法、ブレード法、ナイフ法、エクストルージョン法、カーテン法、グラビア法、バー法、ディップ法及びスクイーズ法等が好適に挙げられる。その中でも、ブレード法、ナイフ法及びエクストルージョン法が好ましい。
また、塗布は0.1〜100m/分の速度で実施されることが好ましい。この際、電極合剤の溶液物性、乾燥性に合わせて、上記塗布方法を選定することにより、良好な塗布層の表面状態を得ることができる。塗布は片面ずつ逐時でも、両面同時に行ってもよい。更に、前記塗布は連続でも間欠でもストライプでもそれらを組み合わせてもよい。
その塗布層の厚み、長さ及び巾は、電池の形状や大きさにより決められるが、片面の塗布層の厚みはドライ後の圧縮された状態で1〜2000μmが好ましい。
電極シート塗布物の乾燥及び脱水方法としては、熱風、真空、赤外線、遠赤外線、電子線及び低湿風を単独あるいは組み合わせた方法を用いることできる。乾燥温度は80〜350℃が好ましく、100〜250℃がより好ましい。含水量としては、電池全体で2000ppm以下が好ましく、正極合剤、負極合剤や電解質では、それぞれ500ppm以下にすることが好ましい。
シートのプレス法は、一般に採用されている方法を用いることができるが、特にカレンダープレス法が好ましい。プレス圧は特に限定されないが、0.2〜3t/cmが好ましい。前記カレンダープレス法のプレス速度としては、0.1〜50m/分が好ましく、プレス温度は室温〜200℃が好ましい。正極シートに対する負極シート幅の比としては、0.9〜1.1が好ましく、0.95〜1.0が特に好ましい。正極活物質と負極活物質との含有量比は、化合物種類や電極合剤処方により異なる。
本発明のセパレータは、上記のようにポリエチレンテレフタラート等の樹脂フィルム上に形成し、剥離することでフィルム化し正極板、負極板の間に重ね合わせ手も良いし、正極板及び/または負極板それぞれの上に直接塗布形成し、正極を重ね合わせ電池を組んでも良い。
本発明のリチウムイオン電池の形態は、特に限定されないが、コイン、シート、円筒等、種々の電池セルに封入することができる。
本発明のリチウムイオン電池の用途は特に限定されないが、例えば、電子機器としては、ノートパソコン、ペン入力パソコン、モバイルパソコン、電子ブックプレーヤー、携帯電話、コードレスフォン子機、ページャー、ハンディーターミナル、携帯ファックス、携帯コピー、携帯プリンター、ヘッドフォンステレオ、ビデオムービー、液晶テレビ、ハンディークリーナー、ポータブルCD、ミニディスク、電気シェーバー、トランシーバー、電子手帳、電卓、メモリーカード、携帯テープレコーダー、ラジオ、バックアップ電源、メモリーカードなどが挙げられる。
その他民生用として、自動車、電動車両、モーター、照明器具、玩具、ゲーム機器、ロードコンディショナー、時計、ストロボ、カメラ、医療機器(ペースメーカー、補聴器、肩もみ機など)などが挙げられる。更に各種軍需用、宇宙用として用いることができる。また、太陽電池と組み合わせることもできる。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《電池用セパレータの作製》
〔酸化物無機粒子の準備〕
酸化物無機粒子として、下記の各材料を準備した。なお、表1には、下記に示した略称で記載した。
1)UEP;第一稀元素社製 ジルコニア 平均粒径500nm
2)サイリシア;富士シリシア化学社製 多孔質シリカ 比表面積900m/g 細孔径4nm 平均粒径6μm
3)M−100SA;テイカ社製 酸化チタン 平均粒径15nm
4)A34;日本軽金属社製 非多孔質アルミナ粒子 平均粒径4μm
5)Alu−C;日本アエロジル社製 非多孔質アルミナ 平均粒径13nm
6)A200;日本アエロジル社製 シリカ 平均粒径10nm
なお、上記に記載した比表面積及び細孔径は、日本ベル(株)製の自動比表面積/細孔分布測定装置BELSORP−miniIIを用いて測定した。また平均粒径は走査型電子顕微鏡により200個以上の粒子を観察し、各粒子の球換算粒径の平均値を求めることにより得た。
〈酸化物無機粒子の表面修飾〉
組み合わせる含窒素芳香族ポリマーがもつ架橋基に応じ、上記各酸化物無機粒子の表面をビニルトリクロロシランで化学修飾した。
表面修飾の方法は、酸化物無機粒子10gをトルエン中に分散し、攪拌しながらKA−1003(信越化学社製 ビニルトリクロロシラン)を3g加えた。トルエンの沸点110℃にて還流を24時間行った。得られた分散液を10000rpm、10min遠心分離し、沈殿した生成物を回収し、アセトンに再分散、1時間攪拌後、再度遠心分離し沈殿物を回収、室温にて乾燥させることで、表面修飾済みの各酸化物無機粒子を得た。
〔含窒素芳香族ポリマーの合成〕
酸化物無機粒子表面と架橋しうる官能基を末端に持つ含窒素芳香族ポリマーを下記の方法に従って合成した。
(アラミドの合成)
攪拌翼、温度計、窒素流入管及び粉体添加口を有する3リットルのセパラブルフラスコを使用して、アラミドの合成を行った。フラスコを十分乾燥し、N−メチルピロリドン2200gを仕込み、パラフェニレンジイソシアネートを153g添加して完全に溶解させた。その溶液を80℃に保ったまま、テレフタル酸173gを10分割して約5分おきに添加した。ただし、10分割したテレフタル酸の一つは、テレフタル酸と同質量のN−メチルピロリドン(以下、NMPと略記する)に溶解して最終の添加を行った。その後も攪拌しながら20℃に保った状態で1時間熟成した。最後にステンレス金網で濾過し、10質量%のアラミドNMP溶液を得た。得られたアラミドについて、GPCによる分子量測定を行った結果、スチレン換算の重量平均分子量が13000であった。
(ポリアミドイミドの合成)
攪拌翼、温度計、窒素流入管及び冷却管を備えた3リットルのセパラブルフラスコを使用して、ポリアミドイミドの合成を行った。フラスコを十分乾燥し、N−メチルピロリドン2200gを仕込み、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネートの206gを添加して完全に溶解させた。その溶液を135℃に保ったまま、無水トリメリット酸184gを10分割して約5分おきに添加した。ただし10分割した無水トリメリット酸の一つは、無水トリメリット酸と同質量のNMPに溶解して最終の添加を行った。その後も攪拌しながら20℃に保った状態で1時間熟成した。最後にステンレス金網で濾過し、10質量%のポリアミドイミドNMP溶液を得た。得られたポリアミドイミドを、GPCにより分子量を測定した結果、スチレン換算の重量平均分子量が15000であった。
(グリシジルエーテル基とクロロシリル基を有するアルコキシシランの合成)
上記各ポリマーの合成に用いたのと同様の反応装置に、グリシドール(日本油脂社製 エピオールOH)を250gと、テトラメトキシシラン部分縮合物(多摩化学社製 メチルシリケート51)を800g仕込み、窒素雰囲気下、攪拌しながら90℃に昇温した。さらに、テトラクロロシラン(関東化学社製)の500gを仕込み、触媒としてジブチル錫ジラウリレートを1g加えて5時間反応させた。
次いで、50℃に冷却した後に減圧し、発生したメタノールを除去し室温まで冷却して、1100gのグリシジルエーテル基とクロロシリル基を有するアルコキシシランを得た。
(グリシジルエーテル基とビニル基を有するアルコキシシランの合成)
上記グリシジルエーテル基とクロロシリル基を含有したアルコキシシラン縮合物の合成方法から、テトラクロロシランをビニルトリメトキシシラン(信越化学社製 KA−1003)の430gに変更した以外は同様の操作により、1050gのグリシジルエーテル基とビニル基を有するアルコキシシランを得た。
(グリシジルエーテル基とメトキシシリル基を有するアルコキシシランの合成)
上記グリシジルエーテル基とクロロシリル基を有するアルコキシシランの合成方法から、テトラクロロシランの添加を除いた以外は同様の操作により、930gのグリシジルエーテル基とメトキシシリル基を有するアルコキシシランを得た。
(グリシジルエーテル基とアルミニウムイソプロポキシ基を有するアルコキシシランの合成)
上記グリシジルエーテル基とクロロシリル基を含有したアルコキシシラン縮合物の合成方法から、テトラクロロシランをアルミニウムテトライソプロポキシド(関東化学社製)の750gに、反応温度を80℃にそれぞれ変更した以外は同様の操作により、1250gのグリシジルエーテル基とアルミニウムイソプロポキシ基を有するアルコキシシランを得た。
(含窒素芳香族ポリマー1の合成:ポリマー主鎖がアラミドで末端架橋基がクロロシランである含窒素芳香族ポリマー)
上記ポリマーの合成に用いたのと同様の反応容器に、上記で得たアラミド200gと、グリシジルエーテル基とクロロシリル基を有するアルコキシシラン6gを仕込み、100℃に昇温した後3時間反応させた。反応後N−メチルピロリドンを6g加えて冷却し、不揮発分が10質量%の含窒素芳香族ポリマー1を含む溶液を得た。
(含窒素芳香族ポリマー2の合成:ポリマー主鎖がアラミドで末端架橋基がビニル基である含窒素芳香族ポリマー)
上記ポリマー1の合成において、グリシジルエーテル基とクロロシリル基を有するアルコキシシラン(6g)に代えて、グリシジルエーテル基とビニル基を有するアルコキシシランの8gを用いた以外は同様の反応操作により、不揮発分が10質量%の含窒素芳香族ポリマー2を含む溶液を得た。
(含窒素芳香族ポリマー3の合成:ポリマー主鎖がアラミドで末端官能基がメトキシシランである含窒素芳香族ポリマー)
上記ポリマー1の合成において、グリシジルエーテル基とクロロシリル基を有するアルコキシシラン(6g)に代えて、グリシジルエーテル基とメトキシシリル基を有するアルコキシシランの5.5gを用いた以外は同様の反応操作により、不揮発分が10質量%の含窒素芳香族ポリマー3を含む溶液を得た。
(含窒素芳香族ポリマー4の合成:ポリマー主鎖がアラミドで末端官能基がアルミニウムイソプロポキシドである含窒素芳香族ポリマー)
上記ポリマー1の合成において、グリシジルエーテル基とクロロシリル基を有するアルコキシシラン(6g)に代えて、グリシジルエーテル基とアルミニウムイソプロポキシ基を有するアルコキシシランの10gを用い、反応温度を90℃に変更した以外は同様の反応操作により、不揮発分が10質量%の含窒素芳香族ポリマー4を含む溶液を得た。
(含窒素芳香族ポリマー5の合成:ポリマー主鎖がアミドイミドで末端官能基がビニル基である含窒素芳香族ポリマー)
上記ポリマー1の合成において、アラミドの200gをポリアミドイミドの200gに変更し、グリシジルエーテル基とクロロシリル基を有するアルコキシシラン(6g)に代えて、グリシジルエーテル基とビニル基を有するアルコキシシランの6gを用い、更に反応温度を90℃に変更した以外は同様の反応操作により、不揮発分が10質量%の含窒素芳香族ポリマー5を含む溶液を得た。
(含窒素芳香族ポリマー6の合成:ポリマー主鎖がアミドイミドで末端官能基がメトキシシランである含窒素芳香族ポリマー)
上記ポリマー1の合成において、アラミドの200gをポリアミドイミドの200gに変更し、グリシジルエーテル基とクロロシリル基を有するアルコキシシラン(6g)に代えて、グリシジルエーテル基とメトキシシリル基を有するアルコキシシランの7gを用い、更に反応温度を90℃に変更した以外は同様の反応操作により、不揮発分が10質量%の含窒素芳香族ポリマー6を含む溶液を得た。
(含窒素芳香族ポリマー7の合成:ポリマー主鎖がアミドイミドで末端官能基がアルミニウムイソプロポキシドである含窒素芳香族ポリマー)
上記ポリマー1の合成において、アラミドの200gをポリアミドイミドの200gに変更し、グリシジルエーテル基とクロロシリル基を有するアルコキシシラン(6g)に代えて、グリシジルエーテル基とアルミニウムイソプロポキシ基を有するアルコキシシランの10gを用い、更に反応温度を90℃にした以外は同様の反応操作により、不揮発分が10質量%の含窒素芳香族ポリマー7を含む溶液を得た。
〔イオン液体の合成〕
下記の方法に従って、イオン液体として1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルホニル)アミドを調製した。
カリウム ビス(フルオロスルホニル}アミド(K−FSA)の21.9g(0.1mol)を、100mlの水に70℃で溶解し、50℃で攪拌しながら、1−エチル−3−メチルイミダゾリウムクロライドの14.6g(0.1mol)を50mlの水に溶解した溶液を、15分間かけて滴下・混合した。50℃で激しく攪拌しながら更に2時間、複分解反応を行った後、生成した油相を分離した。生成物を各50mlの水で2回洗浄した後、60℃、13.3Paで2時間乾燥し、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルホニル)アミド(以下、EMI−FSAと略記する)の24.7g(収率85%)を得た。
〔セパレータフィルムの作製〕
上記で調製・準備した各酸化物無機微粒子とポリマーについて、表1に記載の組み合わせ、配合比率(質量比)で、ホモジナイザーを用いて5000rpmで30分間の分散混合を行った後、N−メチルピロリドンを加えて、不揮発分が10質量%のセパレータ塗布液1〜20を調製した。なお、架橋性基がビニル基の場合のみ、反応開始剤として、アゾビスイソブチロニトリル(表1にはAIBNと略記)を加えた。
次いで、各セパレータ塗布液を、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)上にワイヤーバーで塗布し、120℃で1分乾燥し、更に60℃で5分乾燥した。乾燥後、形成したセパレータ膜をPETフィルムから剥離し、厚さ15μmのセパレータフィルムである電池用セパレータ1〜20を作製した。同時に、架橋性官能基を持たない含素芳香族ポリマーを用いて調製したセパレータ塗布液21〜23を用いて、比較例である電池用セパレータ21〜23を、同様にして作製した。
《電池用セパレータの評価》
上記作製した電池用セパレータ1〜23について、下記の方法に従って、突刺強度試験を行った。また、各電池用セパレータを用いたときの非水系電解液のイオン伝導度を測定した。
〔電池用セパレータの突刺強度試験〕
圧縮試験器(カトーテック社製 KES−G5)を用いて、針径1.0mm、先端の曲率半径0.5mmの針を、突刺速度2mm/sで突刺試験を行い、最大突刺加重(g)を測定し、これを突刺強度の尺度とした。
〔非水電解液のイオン伝導度測定〕
上記作製した電池用セパレータ1〜23を、それぞれ1cmの円形にくりぬき、非水電解液としてキシダ化学社製のLBG−94923(EC:DEC=3:7、LiPF 1.3mol/L)を各電池用セパレータに染み込ませた。同じく円形1cmの白金電極間に試料を挟み、23℃、50%RHの環境下で、交流インピーダンス法(0.1V、周波数1Hz〜10MHz)により膜抵抗を測定し、イオン伝導度を算出した。
以上により得られた結果を、表1に示す。
Figure 2011187274
表1に記載の結果より明らかなように、本発明の電池用セパレータは、比較例に対し高い機械的強度を有しており、さらに本発明の電池用セパレータを使用した場合、非水電解液は高いイオン伝導度を発現していることが分かる。
実施例2
《リチウムイオン電池の作製》
〔正極シートの作製〕
50gのN−メチルピロリドンに、正極活物質としてLiCoOを43g、鱗片状黒鉛を2g、アセチレンブラックを2g、更に、結着剤としてポリフッ化ビニリデン(PVDF)の3gを加え、混練して得られたスラリーを、厚さ20μmのアルミニウム箔に、エクストルージョン式塗布機を使って塗設し、乾燥後にカレンダープレス機により圧縮成形し、端部にアルミニウム製のリード板を溶接し、厚さ95μm、幅54mm×長さ49mmの正極シートを作製し、露点−40℃以下の乾燥空気中、230℃で30分乾燥した。
〔負極シートの作製〕
50gの水に、負極活物質としてハードカーボンを45g、結着剤としてBM−400B(日本ゼオン社製 変性スチレンブタジエンゴムを40質量%含む水分散液)を4g、さらに粘度調整剤としてカルボキシメチルセルロースを1g加え、混練して得られたスラリーを、厚さ20μmの銅箔にエクストルージョン式塗布機を使って塗設し、乾燥後にカレンダープレス機により圧縮成形し、端部にニッケル製のリード板を溶接して、厚さ100μm、幅55mm×長さ50mmの負極シートを作製し、露点−40℃以下の乾燥空気中において、150℃で30分乾燥した。
〔セパレータ層の形成〕
上記作製した負極シート上に、実施例1に記載の電池用セパレータの作製と東洋にして、セパレータ塗布液1〜23を、それぞれワイヤーバーで塗布し、120℃で1分間乾燥し、さらに60℃で5分乾燥して、セパレータ層を形成した。得られたセパレータ層は厚さ15μmで、露点−40℃以下の乾燥空気中において、150℃で30分再度乾燥した。
〔電解液に有機溶媒を含有するリチウムイオン電池101〜123の作製〕
露点−40℃以下の乾燥空気中で、上記作製した正極シートとセパレータ層形成済みの負極シートとを重ね合わせ、減圧下、80℃で3時間加熱して、電極積層体を作製した。その後、3縁をヒートシールしたポリエチレン(50μm)−アルミ蒸着済みポリエチレンテレフタレート(50μm)のラミネートフィルムから構成される外装材に、上記電極積層体を入れ、電解液としてキシダ化学社製のLBG−94923(有機溶媒 エチレンカーボネート:ジエチルカーボネート=3:7、LiPF:1.3mol/L)を注入した。注入後、最後の1縁を真空下でヒートシールして密閉することで、電解液として有機溶媒を含有するリチウムイオン電池101〜123を作製した。
〔電解液としてイオン液体を含有するリチウムイオン電池201〜223の作製〕
上記リチウムイオン電池101〜123の作製において、電解液としてLBG−94923に代えて、下記イオン液体電解液を用いた以外は同様にして、電解液としてイオン液体を含有するリチウムイオン電池201〜223を作製した。
〈イオン液体〉
実施例1で調製した1−エチル−3−メチルイミダゾリウム ビス(フルオロスルホニル)アミド(EMI−FSA)に、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)アミドを1.2mol/L添加して、イオン液体電解液を調製した。
《リチウムイオン電池の評価》
〔耐ショート性の評価〕
各リチウムイオン電池をそれぞれ100個作製し、20℃の環境下で、300mAの定電流で2Vから4.3Vまで充電した。その後、各リチウムイオン電池を50℃の環境下に20日間放置し、再び電池電圧を計測した。50℃環境に放置後の電池電圧が0.3V以上であった電池は、ショート電池と判定し、100個作製した電池の内、何個ショートしたかを計測し、これをショート発生率とし、耐ショート性の尺度とした。
〔充放電サイクル性の評価:放電容量保持率の測定〕
上記作製した各リチウムイオン電池について、計測器センター社製の充放電測定装置を用いて、300mAの定電流で電圧として2Vから4.2Vまで充電し、10分間の休止後、300mAの定電流で電池電圧3Vまで放電した。この充放電サイクルを、20℃の環境下で2000サイクル繰り返し、初期と、2000サイクル目の放電容量保持率(%)を測定し、これを放充電サイクル性の尺度とした。
以上により得られた結果を、表2(リチウムイオン電池101〜123)、表3(リチウムイオン電池201〜223)に示す。
Figure 2011187274
Figure 2011187274
表2、表3に記載の結果より明らかな様に、本発明の電池用セパレータを用いた本発明のリチウムイオン電池は、比較例に対し、耐ショート性に優れ、かつ充放電サイクル性(放電容量保持率)に優れていることが分かる。

Claims (6)

  1. 少なくとも酸化物無機粒子とバインダにより形成される電池用セパレータにおいて、該バインダが、酸化物無機粒子表面と架橋しうる官能基を末端に有する含窒素芳香族ポリマーであることを特徴とする電池用セパレータ。
  2. 前記含窒素芳香族ポリマーが、アミドイミドポリマーであることを特徴とする請求項1に記載の電池用セパレータ。
  3. 前記酸化物無機粒子が、アルミナまたはシリカであることを特徴とする請求項1または2に記載の電池用セパレータ。
  4. 前記含窒素芳香族ポリマーの末端に有する酸化物無機粒子と架橋しうる官能基が、アルミニウムアルコキシド基またはアルコキシシラン基であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
  5. 前記酸化物無機微粒子の平均粒径が、1.0nm以上、200nm以下であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電池用セパレータ。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載の電池用セパレータを有し、電解液にイオン液体を含有することを特徴とするリチウムイオン電池。
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