JP2005243342A - 電解質粒子、正極、負極及びリチウム二次電池 - Google Patents

電解質粒子、正極、負極及びリチウム二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】 リチウム二次電池等の各種電池の低温特性を十分に向上させることが可能な電解質粒子、正極及び負極、並びに低温における充放電特性が十分に優れたリチウム二次電池を提供すること。
【解決手段】 正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、リチウム塩を溶媒に溶解した電解液と、前記正極と前記負極との間に配置されかつ前記電解液が含浸されているセパレータとを備えるリチウム二次電池であって、ナノサイズの細孔が中心部から外側に向かって放射状に配列されているラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体が、前記正極、前記負極、前記電解液及び前記セパレータのうちの少なくとも一つに含まれていることを特徴とするリチウム二次電池。
【選択図】 なし

Description

本発明は、電池等に用いられる電解質粒子、電池用の正極及び負極、並びにリチウム二次電池に関する。
リチウムの吸蔵・脱離現象を利用したリチウム二次電池は、高エネルギー密度であることから、携帯電話、パソコン等の小型化に伴い、通信機器、情報関連機器の分野で広く普及するに至っている。また、自動車の分野においても、資源問題、環境問題から電気自動車の開発が急がれており、電気自動車用の電源としても、リチウム二次電池が検討されている。そして、現在実用化されているリチウム二次電池は、一般に、正極活物質にリチウム遷移金属複合酸化物を用いた正極と、負極活物質に炭素材料等を用いた負極と、リチウム塩を有機溶媒に溶解した非水系電解液とから構成されており、4V級の高い電圧を有するものが主流となっている。
一方、このような非水系電解液を含んで構成されるリチウム二次電池は、電解液に引火点の低い非水系の有機溶媒を用いていることから、使用する溶媒量が多く、使用温度等が過酷な条件下での使用が予想される自動車等の動力用電源としては特に、その有機溶媒の発火、燃焼が問題となっていた。また、非水系電解液を用いるリチウム二次電池の製造においては、徹底したドライ環境が必要とされ、水分を完全に除去するための特殊な設備と多大な労力を要し、このことが、電池のコストを引き上げる一因ともなっていた。
そのため、基本的に上記のような問題を有しない二次電池として、電解液に水溶液を用いた水系リチウム二次電池の開発が進められている。しかし、水系リチウム二次電池においては、水の電気分解反応が起こらない電位範囲で充放電させることが必要であることから、非水系リチウム二次電池と比較して大きな放電容量を確保することが難しいという欠点を抱えていた。
このような実状の下、特開2003−17057号公報(特許文献1)には、基本組成をLiVとするスピネル構造リチウムバナジウム複合酸化物を負極活物質して備えており、低コスト、高安全性、大容量及び良好なサイクル特性を達成した水系リチウム二次電池が開示されている。しかしながら、特許文献1に記載されている水系リチウム二次電池であっても、水の融点が0℃であることに起因して低温での充放電特性が極端に低下するという問題があり、過酷な条件下での使用が予想される自動車等の動力用電源としてリチウム二次電池を使用するためには、このような低温での充放電特性の低下という問題を解決する必要があった。
一方、リチウム二次電池の低温における充放電特性の改善を目的とする方法として、特開2002−319405号公報(特許文献2)には正極に特定のシランカップリング剤を分散させる方法が、特開平10−261315号公報(特許文献3)には特定のゲル電解質を使用する方法が、特開2002−313420号公報(特許文献4)には沸点150℃以上の高沸点溶媒を電解質とし、正極にリチウムニッケル複合酸化物及びリチウムコバルト複合酸化物を用いる方法が、特開2003−92105公報(特許文献5)にはカーボンナノチューブを正極に添加してキャパシタとしての能力を付与する方法が、それぞれ記載されている。しかしながら、上記いずれの文献に記載の方法であっても、リチウム二次電池の低温特性を十分に改善するものではなく、特に水系リチウム二次電池における低温での充放電特性を抜本的に改善するものではなかった。
また、特表2002−543553号公報(特許文献6)には、2〜30nmの気孔直径を有するメソポーラスモレキュラーシーブからなる吸着剤を含有する固体電解質を備えたリチウム二次電池が開示されているが、このリチウム二次電池においても低温特性は十分に解決されるものではなく、特に水系リチウム二次電池における低温での充放電特性を抜本的に改善するものではなかった。
特開2003−17057号公報 特開2002−319405号公報 特開平10−261315号公報 特開2002−313420号公報 特開2003−92105公報 特表2002−543553号公報
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、リチウム二次電池等の各種電池の低温特性を十分に向上させることが可能な電解質粒子、正極及び負極、並びに低温における充放電特性が十分に優れたリチウム二次電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、ナノサイズの細孔が中心部から外側に向かって放射状に配列されているラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体を用いることにより上記目的が達成可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の電解質粒子は、ナノサイズの細孔が中心部から外側に向かって放射状に配列されているラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体と、前記細孔内に含浸されている電解液とを含むことを特徴とするものである。
また、本発明の正極は、ナノサイズの細孔が中心部から外側に向かって放射状に配列されているラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体と、正極活物質とを含むことを特徴とするものである。
さらに、本発明の負極は、ナノサイズの細孔が中心部から外側に向かって放射状に配列されているラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体と、負極活物質とを含むことを特徴とするものである。
また、本発明のリチウム二次電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、リチウム塩を溶媒に溶解した電解液と、前記正極と前記負極との間に配置されかつ前記電解液が含浸されているセパレータとを備えるリチウム二次電池であって、ナノサイズの細孔が中心部から外側に向かって放射状に配列されているラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体が、前記正極、前記負極、前記電解液及び前記セパレータのうちの少なくとも一つに含まれていることを特徴とするものである。
上記本発明の電解質粒子、正極、負極、並びにリチウム二次電池においては、前記シリカ系メソ多孔体が、平均粒径が0.01〜20μm、中心細孔直径が1〜10nmであり、全粒子の90重量%以上が前記平均粒径の±10%の範囲内の粒径を有している球状シリカ系メソ多孔体であることが好ましい。
なお、本発明において前記ラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体を電解質粒子や正極や負極の材料として用いると、得られる電池の低温特性を著しく向上するようになる理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、先ず、ナノサイズの細孔中では物質の融点が低下するという現象があり、例えば水の場合、細孔径が2.7nm以下の場合には融点が−50℃以下にまで低下する。このことは、ナノサイズの細孔中の水は−50℃でも凍らないと言うことを示しており、このような細孔中における水の凝固点降下は下記のkelvinの式:
ln(T/T)=−2γM/ρQr
[式中、Tは細孔内での水の融点、Tは通常の水の融点、γは表面張力、Mは分子量、ρは密度、Qは融解熱、rは細孔径をそれぞれ示す。]
からも計算できる。更に、本発明において用いるシリカ系メソ多孔体においては、このようなナノサイズの細孔が中心部から外側に向かって放射状に配列されているいわゆるラジアル型構造を有しているため、細孔内に電解質が存在していればイオン(例えば、リチウムイオン)が多孔体内で効率良く移動可能となり、更に多孔体と多孔体の接点における多孔体間の移動も可能になる。そのため、本発明において前記ラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体を電解質粒子や正極や負極の材料として用いると得られる電池の低温特性を著しく向上し、結果として低温における充放電特性が十分に優れた水系リチウム二次電池が得られるようになると本発明者らは推察する。
本発明によれば、リチウム二次電池等の各種電池の低温特性を十分に向上させることが可能な電解質粒子、正極及び負極を提供することが可能となり、更に、低温における充放電特性が十分に優れたリチウム二次電池を得ることが可能となる。
以下、本発明の電解質粒子、正極、負極及びリチウム二次電池について、それらの好適な実施形態に即して詳細に説明する。先ず、本発明において用いるシリカ系メソ多孔体について説明する。
シリカ系メソ多孔体
本発明において用いるシリカ系メソ多孔体は、ナノサイズの細孔(以下、「ナノ細孔」という)が中心部から外側に向かって放射状に配列されている、いわゆるラジアル型構造を有するものである。このように、ナノ細孔が規則性を保ちながら粒子の中心部から外側に向かって配置されていることにより、細孔内に電解質が存在していればイオン(例えば、リチウムイオン)が多孔体内で効率良く移動可能となり、それによって電子が細孔配列の方向に効率良く移動するようになる。なお、シリカ系メソ多孔体がいわゆるラジアル型構造を有していることは、細孔内に白金等の金属を導入し、その断面を走査型電子顕微鏡により観察することによって確認することが可能である。
なお、本発明のシリカ系メソ多孔体における細孔の全てが中心部から外側に向かって放射状に配列されている必要はなく、全ての細孔のうち50%以上(より好ましくは70%以上)がこのように配列されていることが好ましい。
また、本発明にかかるシリカ系メソ多孔体においては、その細孔が上記のラジアル型構造を有していればよく、いわゆる2d−ヘキサゴナル構造、3d−ヘキサゴナル構造又はキュービック構造を有するものであってもよい。ここで、多孔体がヘキサゴナルの細孔配列構造を有するとは、細孔の配置が六方構造であることを意味する(S.Inagaki, et al., J. Chem. Soc., Chem. Commun., 680, 1993; S.Inagaki,et
al., Bull. Chem. Soc. Jpn., 69, 1449; 1996、Q.Huo, et al., Science, 268, 1324,1995参照)。また、多孔体がキュービックの細孔配列構造を有するとは、細孔の配置が立方構造であることを意味する(J.C.Vartuli,
et al., Chem. Mater., 6, 2317, 1994; Q.Huo, et al., Nature, 368, 317, 1994参照)。また、前記キュービック構造は、Pm−3n、Im−3m又はFm−3m対称性であることが好ましい。前記対称性とは、空間群の表記法に基づいて決定されるものである。
このような本発明にかかるシリカ系メソ多孔体は、後述する界面活性剤を鋳型として特定のシリカ源を原料として作製されるものであり、ケイ素原子が酸素原子を介して結合した骨格−Si−O−を基本とし、高度に架橋した網目構造を有している。このようなシリカ系材料は、ケイ素原子及び酸素原子を主成分とするものであればよく、ケイ素原子の少なくとも一部が有機基の2箇所以上で炭素−ケイ素結合を形成しているものでもよい。このような有機基としては、例えば、アルカン、アルケン、アルキン、ベンゼン、シクロアルカン等の炭化水素から2以上の水素がとれて生じる2価以上の有機基が挙げられるが、これらに限定されるものではなく、有機基は、アミド基、アミノ基、イミノ基、メルカプト基、スルフォン基、カルボキシル基、エーテル基、アシル基、ビニル基等を有するものであってもよい。
また、本発明にかかるシリカ系メソ多孔体は、細孔径分布曲線における中心細孔直径の±40%の範囲に全細孔容積の60%以上が含まれることが好ましい。この条件を満たすシリカ系メソ多孔体は、細孔の直径が非常に均一であることを意味する。また、かかるシリカ系メソ多孔体の比表面積については特に制限はないが、700m2/g以上であることが好ましい。なお、このような比表面積は、吸着等温線からBET等温吸着式を用いてBET比表面積として算出することができる。
さらに、本発明にかかるシリカ系メソ多孔体は、そのX線回折パターンにおいて1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークを有することが好ましい。X線回折ピークはそのピーク角度に相当するd値の周期構造が試料中にあることを意味する。したがって、1nm以上のd値に相当する回折角度に1本以上のピークがあることは、細孔が1nm以上の間隔で規則的に配列していることを意味する。
以上説明した本発明において用いるシリカ系メソ多孔体としては、更に、以下の条件:
(i)平均粒径が0.01〜20μm(特に好ましくは0.01〜3μm)であること、
(ii)中心細孔直径が1〜10nm(特に好ましくは1.8〜5nm)であること、
(iii)全粒子の90重量%以上(特に好ましくは95重量%以上)が前記平均粒径の±10%の範囲内の粒径を有していること、
を満たす球状シリカ系メソ多孔体であることがより好ましい。
このように極めて粒径の均一性(単分散度)が高い球状シリカ系メソ多孔体を用いると、例えばそれらを密に充填して電池用セパレータ(固体電解質)として使用する際にパッキング効率が向上し、得られる電池の低温特性がより向上する傾向にある。さらに、平均粒径が相違する2種類以上の単分散度が高い球状シリカ系メソ多孔体を混合して用いると、充填空間の約96%以上を多孔体粒子で占めることが可能となり、得られる電池の低温特性が更に向上する傾向にある。
また、本発明にかかるシリカ系メソ多孔体の平均粒径が上記下限未満では粒子が細かくなり過ぎてハンドリング性が極端に低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると電解質イオンの移動距離が長くなるため電池の性能が低下する傾向にある。さらに、本発明にかかるシリカ系メソ多孔体の中心細孔直径が上記下限未満では細孔壁との衝突で電解質イオンの移動が妨げられるため、二次電池の特性が低下する傾向にあり、他方、上記上限を超えると細孔内での融点の低下の割合が小さくなり、二次電池の低温特性が改善されなくなる傾向にある。
なお、本発明でいう「球状」とは、真の球体に限定されるものではなく、最小直径が最大直径の80%以上(好ましくは90%以上)である略球体も包含するものである。また、略球体の場合、その粒径は原則として最小直径と最大直径との平均値をいう。更に、前記中心細孔直径とは、細孔容積(V)を細孔直径(D)で微分した値(dV/dD)を細孔直径(D)に対してプロットした曲線(細孔径分布曲線)の最大ピークにおける細孔直径である。なお、細孔径分布曲線は、次に述べる方法により求めることができる。すなわち、シリカ系メソ多孔体粒子を液体窒素温度(−196℃)に冷却して窒素ガスを導入し、定容量法あるいは重量法によりその吸着量を求め、次いで、導入する窒素ガスの圧力を徐々に増加させ、各平衡圧に対する窒素ガスの吸着量をプロットし、吸着等温線を得る。この吸着等温線を用い、Cranston−Inklay法、Pollimore−Heal法、BJH法等の計算法により細孔径分布曲線を求めることができる。
また、前記条件(i)〜(iii)を満たす本発明に好適な球状シリカ系メソ多孔体は、以下の製造方法によって効率良くかつ確実に得られるようになったものである。以下、その製造方法について詳細に説明する。
好適な球状シリカ系メソ多孔体の製造方法
<第1の工程>
本発明に好適な球状シリカ系メソ多孔体の製造方法においては、先ず、溶媒中でシリカ原料と界面活性剤とを混合し、前記シリカ原料中に前記界面活性剤が導入されてなる多孔体前駆体粒子を得る(第1の工程)。
本発明において好適に用いられるシリカ原料は、反応によりケイ素酸化物(ケイ素複合酸化物を含む)を形成可能なものであればよく特に制限されないが、反応効率や得られるケイ素酸化物の物性の観点から、アルコキシシラン、ケイ酸ナトリウム、層状シリケート、シリカ、またはこれらの任意の混合物を用いることが好ましく、中でもアルコキシシランを用いることがより好ましい。
アルコキシシランとしては、アルコキシ基を4個有するテトラアルコキシシラン、アルコキシ基を3個有するトリアルコキシシラン、アルコキシ基を2個有するジアルコキシシランを用いることができる。アルコキシ基の種類は特に制限されないが、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のようにアルコキシ基中の炭素原子の数が比較的少ないもの(炭素数として1〜4程度のもの)が反応性の点から有利である。また、アルコキシシランが有するアルコキシ基が3または2個である場合は、アルコキシシラン中のケイ素原子には有機基、水酸基等が結合していてもよく、当該有機基はアミノ基やメルカプト基等の官能基をさらに有していてもよい。
テトラアルコキシシランとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等が挙げられ、トリアルコキシシランとしては、トリメトキシシラノール、トリエトキシシラノール、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、γ−(メタクリロキシプロピル)トリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。また、ジアルコキシシランとしては、ジメトキシジメチルシラン、ジエトキシジメチルシラン、ジエトキシ−3−グリシドキシプロピルメチルシラン、ジメトキシジフェニルシラン、ジメトキシメチルフェニルシラン等が挙げられる。
上記アルコキシシランは、単独で用いることもできるが2種類以上を組み合わせて用いることも可能である。また、上記のアルコキシ基を2〜4個有するアルコキシシランは、アルコキシ基を1個有するモノアルコキシシランと組み合わせて使用することも可能である。このようにして用いることのできるモノアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、3−クロロプロピルジメチルメトキシシラン等が挙げられる。
アルコキシシランは、加水分解によりシラノール基を生じ、生じたシラノール基同士が縮合することによりケイ素酸化物が形成される。この場合において、分子中のアルコキシ基の数が多いアルコキシシランは、加水分解および縮合で生じる結合が多くなる。したがって、本発明において、アルコキシ基の多いテトラアルコキシシランをアルコキシシランとして用いることが好ましく、テトラアルコキシシランとしては、反応速度の観点からテトラメトキシシランまたはテトラエトキシシランを用いることが特に好ましい。
シリカ原料として用いられるケイ酸ナトリウムとしては、メタケイ酸ナトリウム(Na2SiO3)、オルトケイ酸ナトリウム(Na4SiO4)、二ケイ酸ナトリウム(Na2Si25)、四ケイ酸ナトリウム(Na2Si49)等が挙げられる。ケイ酸ナトリウムとしては、このような単一物質の他、水ガラス(Na2O・nSiO2、n=2〜4)等のように組成が場合により異なるものを使用することもできる。
層状シリケートとしては、カネマイト(NaHSi25・3H2O)、二ケイ酸ナトリウム結晶(α、β、γ、δ−Na2Si25)、マカタイト(Na2Si49・5H2O)、アイアライト(Na2Si817・xH2O)、マガディアイト(Na2Si1417・xH2O)、ケニヤイト(Na2Si2041・xH2O)等が挙げられる。また、セピオライト、モンモリロナイト、バーミキュライト、雲母、カオリナイト、スメクタイト等の粘土鉱物を酸性水溶液で処理してシリカ以外の元素を除去したものも層状シリケートとして使用可能である。
シリカ原料として用いられるシリカとしては、Ultrasil(Ultrasil社)、Cab-O-Sil(Cabot社)、HiSil(Pittsburgh
Plate Glass社)等の沈降性シリカ;コロイダルシリカ;Aerosil(Degussa-Huls社)等のフュームドシリカを挙げることができる。
上記のシリカ原料は、単独で用いることもできるが2種類以上を組み合わせて用いることも可能である。但し、2種類以上のシリカ原料を用いる場合は、製造時の反応条件が複雑化することがあるため、本発明においてはシリカ原料は単独のものを使用することが好ましい。
本発明において好適に用いられる界面活性剤は、下記一般式(1)で表されるアルキルアンモニウムハライドである。
そして、一般式(1)におけるR1、R2、R3は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基を示す。このようなアルキル基としてはメチル基、エチル基、プロピル基が挙げられ、これらが一分子中に混在してもよいが、界面活性剤分子の対称性の観点からR1、R2、R3は全て同一であることが好ましい。界面活性剤分子の対称性が優れる場合は、界面活性剤同士の凝集(ミセルの形成等)が容易となる傾向にある。更に、R1、R2、R3のうち少なくとも1つはメチル基であることが好ましく、R1、R2、R3の全てがメチル基であることがより好ましい。
また、一般式(1)におけるnは7〜25の整数を示し、9〜19の整数であることがより好ましい。前記nが6以下であるアルキルアンモニウムハライドでは、界面活性剤の疎水性相互作用が弱いため、球状の多孔体が得られない傾向にある。他方、前記nが前記上限を超えているアルキルアンモニウムハライドでは、界面活性剤の疎水性相互作用が強すぎるため、層状の化合物が生成してしまい、球状の多孔体を得ることができなくなる傾向にある。
更に、一般式(1)におけるXはハロゲン原子を示し、このようなハロゲン原子の種類は特に制限されないが、入手の容易さの観点からXは塩素原子または臭素原子であることが好ましい。
したがって、上記一般式(1)で表される界面活性剤としては、R1、R2、R3の全てがメチル基でありかつ炭素数8〜26の長鎖アルキル基を有するアルキルトリメチルアンモニウムハライドであることが好ましく、中でもデシルトリメチルアンモニウムハライド、ドデシルトリメチルアンモニウムハライド、テトラデシルトリメチルアンモニウムハライド、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムハライド、オクタデシルトリメチルアンモニウムハライド、エイコシルトリメチルアンモニウムハライド、ドコシルトリメチルアンモニウムハライドがより好ましい。
このような界面活性剤は、シリカ原料と共に溶媒中で複合体を形成する。複合体中のシリカ原料は反応によりケイ素酸化物へと変化するが、界面活性剤が存在している部分ではケイ素酸化物が生成しないため、界面活性剤が存在している部分に孔が形成されることになる。すなわち、界面活性剤はシリカ原料中に導入されて孔形成のためのテンプレートとして機能する。本発明において、界面活性剤は1種類もしくは2種類以上を組み合わせて用いることが可能であるが、上記のように界面活性剤はシリカ原料の反応生成物に孔を形成させる際のテンプレートとして働き、その種類は多孔体の孔の形状に大きな影響を与えるため、より均一な球状多孔体が得るためには、界面活性剤は1種類のみを用いることが好ましい。
前記シリカ原料および前記界面活性剤を混合するための溶媒としては、水とアルコールとの混合溶媒が好適に用いられる。このようなアルコールとしては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、エチレングリコール、グリセリンが挙げられ、シリカ原料の溶解性の観点からメタノールまたはエタノールが好ましい。
そして、前記シリカ原料中に前記界面活性剤が導入されてなる多孔体前駆体粒子を合成する際に、アルコールの含有量が5〜80容量%の水/アルコール混合溶媒を用いることが重要であり、アルコールの含有量が20〜70容量%のものを用いることがより好ましい。このようにアルコールを含有する混合溶媒を使用することにより、均一な球状体の発生及び成長が実現され、得られる球状シリカ系メソ多孔体の粒径が高度に均一に制御されることとなる。アルコールの含有量が80容量%を超える場合は、粒径及び粒径分布の制御が困難となり、得られる球状シリカ系メソ多孔体の粒径の均一性が低くなる。
また、前記の水とアルコールとの比率を変化させることにより、粒径の均一性は高水準に保持しつつ、得られる球状シリカ系メソ多孔体の粒径を容易に制御することができる。すなわち、水の比率が高い場合は多孔体が析出し易くなるために粒径が小さくなり、逆にアルコールの比率が高い場合は大きい粒径の多孔体を得ることができる。
更に、前記シリカ原料および前記界面活性剤を前記混合溶媒中で混合して多孔体前駆体粒子を得る際に、上述した界面活性剤の濃度を溶液の全容量を基準として0.003〜0.03mol/L(好ましくは、0.01〜0.02mol/L)とし、上述したシリカ原料の濃度を溶液の全容量を基準として0.005〜0.03mol/L(好ましくは、0.008〜0.015mol/L)とする必要がある。このように界面活性剤およびシリカ原料の濃度を厳密に制御することによって、前述の混合溶媒を使用することと相俟って均一な球状体の発生及び成長が実現され、得られる球状シリカ系メソ多孔体の粒径が高度に均一に制御されることとなる。界面活性剤の濃度が0.003mol/L未満の場合は、テンプレートとなるべき界面活性剤の量が不足するために良好な多孔体を得ることができず、更に粒径及び粒径分布の制御が困難となって得られる球状シリカ系メソ多孔体の粒径の均一性が低くなる。他方、界面活性剤の濃度が0.03mol/Lを超える場合は、形状が球状である多孔体を高比率で得ることができず、更に粒径及び粒径分布の制御が困難となって得られる球状シリカ系メソ多孔体の粒径の均一性が低くなる。また、シリカ原料の濃度が0.005mol/L未満の場合は、形状が球状である多孔体を高比率で得ることができず、更に粒径及び粒径分布の制御が困難となって得られる球状シリカ系メソ多孔体の粒径の均一性が低くなる。他方、シリカ原料の濃度が0.03mol/Lを超える場合は、テンプレートとなるべき界面活性剤の比率が不足するために良好な多孔体を得ることができず、更に粒径及び粒径分布の制御が困難となって得られる球状シリカ系メソ多孔体の粒径の均一性が低くなる。
また、前記シリカ原料および前記界面活性剤を混合する際に、塩基性条件下で混合することが好ましい。シリカ原料は、一般に塩基性条件下においても酸性条件下においても反応が生じケイ素酸化物へと変化するが、上記のシリカ原料と界面活性剤の濃度は従来技術の方法に比較してかなり低いものとなっているために、酸性条件下では反応がほとんど進行しない。したがって、本発明においては塩基性条件下でシリカ原料を反応させることが好ましい。なお、シリカ原料は、酸性条件で反応させる場合よりも塩基性条件で反応させる場合の方がケイ素原子の反応点が増加し、耐湿性や耐熱性等の物性に優れたケイ素酸化物を得ることができるため、塩基性条件下で混合することはこの点においても有利である。
上記混合溶媒を塩基性にするためには、通常、水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性物質を添加する。反応時の塩基性条件に関しては特に制限されないが、添加する塩基性物質のアルカリ当量を全シリカ原料中のケイ素原子モル数で除した値が0.1〜0.9となるようにすることが好ましく、0.2〜0.5となるようにすることがより好ましい。添加する塩基性物質のアルカリ当量を全シリカ原料中のケイ素原子モル数で除した値が0.1未満である場合は、収率が低下してしまう傾向があり、他方、0.9を超える場合は、多孔体の形成が困難となる傾向がある。
前述の第1の工程における反応条件(反応温度、反応時間等)は特に制限されず、反応温度としては、例えば−20℃〜100℃(好ましくは0℃〜80℃、より好ましくは10℃〜40℃)とすることができる。また、反応は攪拌状態で進行させることが好ましい。具体的な反応条件は、用いるシリカ原料の種類等に基づいて決定することが好ましい。
すなわち、シリカ原料としてアルコキシシランを用いる場合は、例えば、以下のようにして多孔体前駆体粒子を得ることができる。先ず、水とアルコールの混合溶媒に対して、界面活性剤および塩基性物質を添加して界面活性剤の塩基性溶液を調製し、この溶液にアルコキシシランを添加する。添加されたアルコキシシランは溶液中で加水分解(または、加水分解および縮合)するために、添加後数秒〜数十分で白色粉末が析出する。この場合において、反応温度は0℃〜80℃とすることが好ましく、10℃〜40℃とすることがより好ましい。また、溶液は攪拌することが好ましい。
沈殿物が析出した後、0℃〜80℃(好ましくは10℃〜40℃)で1時間〜10日、溶液をさらに攪拌してシリカ原料の反応を進行させる。攪拌終了後、必要に応じて室温で一晩放置して系を安定化させ、得られた沈殿物を必要に応じてろ過および洗浄することによって多孔体前駆体粒子が得られる。
また、シリカ原料として、アルコキシシラン以外のシリカ原料(ケイ酸ナトリウム、層状シリケートまたはシリカ)を用いる場合は、シリカ原料を、界面活性剤を含有する水とアルコールの混合溶媒に添加し、必要に応じてシリカ原料中のケイ素原子と等モル程度になるように、水酸化ナトリウム水溶液等の塩基性物質をさらに添加して均一な溶液を調製する。その後、希薄酸溶液をシリカ原料中のケイ素原子に対して1/2〜3/4倍モル添加するという方法により多孔体前駆体粒子を作製することができる。塩基性物質は、シリカ原料中に既に形成されているSi−(O−Si)4結合の一部を切断する目的のために過剰分必要となるが、その過剰分を酸により中和する必要がある。酸としては、塩酸、硫酸等の無機酸、酢酸等の有機酸のいずれを用いてもよい。
<第2の工程>
次に、本発明に好適な球状シリカ系メソ多孔体の製造方法においては、前記第1の工程で得られた多孔体前駆体粒子に含まれる界面活性剤を除去して球状シリカ系メソ多孔体を得る(第2の工程)。このように界面活性剤を除去する方法としては、例えば、焼成による方法、有機溶媒で処理する方法、イオン交換法等を挙げることができる。
焼成による方法においては、多孔体前駆体粒子を300〜1000℃、好ましくは400〜700℃で加熱する。加熱時間は30分程度でもよいが、完全に界面活性剤を除去するには1時間以上加熱することが好ましい。また、焼成は空気中で行うことが可能であるが、多量の燃焼ガスが発生するため、窒素等の不活性ガスを導入して行ってもよい。また、有機溶媒で処理する場合は、用いた界面活性剤に対する溶解度が高い良溶媒中に多孔体前駆体粒子を浸漬して界面活性剤を抽出する。イオン交換法においては多孔体前駆体粒子を酸性溶液(少量の塩酸を含むエタノール等)に浸漬し、例えば50〜70℃で加熱しながら攪拌を行う。これにより、多孔体前駆体粒子の孔中に存在する界面活性剤が水素イオンでイオン交換される。なお、イオン交換により孔中には水素イオンが残存することになるが、水素イオンのイオン半径は十分小さいため孔の閉塞の問題は生じない。
電解質粒子
次に、本発明の電解質粒子について説明する。本発明の電解質粒子は、前述のナノサイズの細孔が中心部から外側に向かって放射状に配列されているラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体と、その細孔内に含浸されている電解液とを含むことを特徴とするものである。
本発明の電解質粒子において、前述のシリカ系メソ多孔体の細孔内に含浸される電解液は、イオン伝導性の高い電解質溶液であればよく、得られる電解質粒子を用いる電池の種類等に応じて適宜選択される。例えば、本発明の電解質粒子をリチウム二次電池に用いる場合、以下の水系電解液や非水系電解液(有機溶媒系電解液)が好適に用いられる。
<水系電解液>
水系リチウム二次電池に使用される電解液であり、電解質としてのリチウム塩を水に溶解した水系電解液が一般的である。このような電解質として使用できるリチウム塩は、水に溶解するものであればよく、特に限定されるものではないが、正極活物質である酸化物の安定性等を考慮すると、溶解後に電解液が中性からアルカリ性となるようなリチウム塩を用いることが望ましい。具体的には、硝酸リチウム、水酸化リチウム、ヨウ化リチウム等を電解質として用いることが好ましい。これらのリチウム塩は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上のものを併用することもできる。特に、溶解度が高く、従って導電性も良好となるという観点から、中性の電解液とするためには硝酸リチウムを用いることが好ましく、また、強アルカリ性の電解液とするためには硝酸リチウムと水酸化リチウムとを混合して用いることが好ましい。なお、電解液中のリチウム塩の濃度は、電解液の電気伝導度を高くして二次電池の内部抵抗を小さくできるという観点から、飽和濃度、あるいはそれに近い濃度(一般的には1〜10mol/l程度)とすることが好ましい。
前記リチウム塩は水に溶解することによって解離し、リチウムイオンとなって電解液中に存在する。一般に、酸化物系の活物質材料は、中性からアルカリ性の水溶液中でより安定に存在する。また、リチウムイオンの吸蔵・脱離反応をより活性化させることをも考慮する場合には、使用する電解液は中性からアルカリ性であることが好ましい。なお、ここでいう中性とは、pHの値でいえばpH=6〜8程度のことを意味する。そして、より容量の大きな二次電池とする場合には、中性に近い電解液、具体的にはpH=6〜10である電解液を用いることが好ましく、他方、より出力特性やレート特性の良好な二次電池とする場合には、強アルカリ性の電解液、具体的にはpH=10〜12である電解液を用いることが好ましい。
<非水系電解液(有機溶媒系電解液)>
非水系リチウム二次電池に使用される電解液であり、電解質としてのリチウム塩を有機溶媒に溶解した非水系電解液が一般的である。このような電解質として使用できるリチウム塩は、有機溶媒に溶解するものであればよく、特に限定されるものではないが、格子エネルギーが小さく解離度が大きいリチウム塩を用いることが望ましい。具体的には、LiClO、LiBF、LiPF、LiAsF、LiSCN、LiCFSO、LiN(CFSO、LiC(CFSO等を電解質として用いることが好ましい。これらのリチウム塩は、それぞれ単独で用いてもよく、2種以上のものを併用することもできる。なお、電解液中のリチウム塩の濃度は、電解液の電気伝導度を高くして二次電池の内部抵抗を小さくできるという観点から、飽和濃度、あるいはそれに近い濃度(一般的には0.5〜2mol/l程度)とすることが好ましい。
前記リチウム塩は有機溶媒に溶解することによって解離し、リチウムイオンとなって電解液中に存在する。このような有機溶媒としては、極性が大きく、リチウムに対する反応性がないものが好ましく、具体的には、エチレン炭酸塩、プロピレン炭酸塩、ジメチル炭酸塩、ジエチル炭酸塩、エチルメチル炭酸塩、ガンマブチロラクトン、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、スルホラン、N,N−ジメチルホルムアミドが挙げられる。
このような水系電解液又は非水系電解液を前述のシリカ系メソ多孔体の細孔内に含浸してなる本発明の電解質粒子を使用する具体的な実施形態は特に制限されず、例えば、以下に説明するように電池用のセパレータとして用いたり、電池における電解液中に分散させて用いることができる。
<セパレータ>
本発明の電解質粒子を正極と負極との間に密に充填することにより、セパレータを構成することが可能である。このような本発明の電解質粒子からなるセパレータにおいては、ナノサイズの細孔中における溶媒の融点が低下すると共に、ラジアル型構造の細孔内でイオンが効率良く移動し、更に電解質粒子同士の接点を介してイオンが粒子間を移動するため、得られる電池の低温特性が著しく向上することとなる。
また、本発明の電解質粒子をセパレータとして用いる他の実施形態としては、
(i)セルロース系、ポリエチレン系等の一般的なセパレータ中に本発明の電解質粒子を担持せしめて使用する形態、
(ii)本発明の電解質粒子を膜状等の形状に成形し、電解質膜(固体電解質)として使用する形態、
(iii)本発明の電解質粒子を他の電解質等と混合して膜状等の形状に成形し、電解質膜(固体電解質)として使用する形態、
等が挙げられる。
<電解液中への分散>
本発明の電解質粒子は、前述の電解液中に分散せしめて用いてもよい。このように電解液中に本発明の電解質粒子が分散されていると、基本的に電解質粒子同士は接していないが、ナノサイズの細孔中における溶媒の融点が低下することによって実質的に電解液中に不凍液が存在することとなり、得られる電池の低温特性が著しく向上することとなる。なお、電解液中に分散せしめる本発明の電解質粒子の量は特に制限されないが、通常、電解質粒子の含有量が5〜60重量%程度であることが好ましい。
正極
次に、本発明の正極について説明する。本発明の正極は、前述のナノサイズの細孔が中心部から外側に向かって放射状に配列されているラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体と、正極活物質とを含むことを特徴とするものである。このように正極中に本発明の電解質粒子が含有されていると、低温における電極反応の低下が抑制され、得られる電池の低温特性が著しく向上することとなる。
本発明の正極において用いられる正極活物質は特に制限されず、得られる正極を用いる電池の種類等に応じて適宜選択される。例えば、本発明の正極をリチウム二次電池に用いる場合、組み合わせて用いる負極活物質より高いリチウム吸蔵・脱離電位をもつ物質が用いられ、例えば、基本組成をLiCoO2とする層状岩塩構造リチウムコバルト複合酸化物、基本組成をLiNiO2とする層状岩塩構造リチウムニッケル複合酸化物、基本組成をLiMn24とするスピネル構造リチウムマンガン複合酸化物、基本組成をLiMnO2とする層状構造リチウムマンガン複合酸化物、基本組成をLiFePO4とするオリビン構造リチウム鉄複合リン酸化物等が挙げられる。これらは、いずれもリチウム吸蔵・離脱電位が高く、後述する負極活物質と組み合わせることによって1V級のリチウム二次電池が構成できる。
また、本発明の正極は、前述のシリカ系メソ多孔体と正極活物質とを含んでいればよいが、一般的には、それらを導電材及び結着剤と混合し、得られた正極合材を金属製の集電体表面に圧着又は塗布乾燥して形成することによって本発明の正極が得られる。このような導電材は、電極の電気伝導性を確保するためのものであり、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、黒鉛等の炭素物質粉状体の1種又は2種以上を混合したものが用いられる。また、結着剤は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂が用いられる。
なお、本発明の正極における前記シリカ系メソ多孔体の量は特に制限されないが、通常、シリカ系メソ多孔体の含有量が5〜60重量%程度であることが好ましい。また、正極中に前記シリカ系メソ多孔体を含有させる際に、その細孔内に前記電解液を含浸させておくことが好ましい。
負極
次に、本発明の負極について説明する。本発明の負極は、前述のナノサイズの細孔が中心部から外側に向かって放射状に配列されているラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体と、負極活物質とを含むことを特徴とするものである。このように負極中に本発明の電解質粒子が含有されている場合も、低温における電極反応の低下が抑制され、得られる電池の低温特性が著しく向上することとなる。
本発明の負極において用いられる負極活物質は特に制限されず、得られる負極を用いる電池の種類等に応じて適宜選択される。例えば、本発明の負極をリチウム二次電池に用いる場合、組み合わせて用いる正極活物質より低いリチウム吸蔵・脱離電位をもつ物質が用いられ、例えば、炭素材料、LiWO2、LiMoO2、LiTiS2、LiV38、VO2等が挙げられる。また、本発明の負極を水系リチウム二次電池に用いる場合は、前述の特開2003−17057号公報(特許文献1)に記載の基本組成をLiVとするスピネル構造リチウムバナジウム複合酸化物を負極活物質して用いると、低コスト、高安全性、大容量及び良好なサイクル特性が達成される傾向にあるため好ましい。
また、本発明の負極は、前述のシリカ系メソ多孔体と負極活物質とを含んでいればよいが、一般的には、それらを導電材及び結着剤と混合し、得られた負極合材を金属製の集電体表面に圧着又は塗布乾燥して形成することによって本発明の負極が得られる。このような導電材及び結着剤は、前述の正極におけるものと同様のものでよい。
なお、本発明の負極における前記シリカ系メソ多孔体の量は特に制限されないが、通常、シリカ系メソ多孔体の含有量が5〜60重量%程度であることが好ましい。また、負極中に前記シリカ系メソ多孔体を含有させる際に、その細孔内に前記電解液を含浸させておくことが好ましい。
リチウム二次電池
次に、本発明のリチウム二次電池について説明する。本発明のリチウム二次電池は、正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、リチウム塩を溶媒に溶解した電解液と、前記正極と前記負極との間に配置されかつ前記電解液が含浸されているセパレータとを備えるリチウム二次電池であって、前述のナノサイズの細孔が中心部から外側に向かって放射状に配列されているラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体が、前記正極、前記負極、前記電解液及び前記セパレータのうちの少なくとも一つに含まれていることを特徴とするものである。
すなわち、本発明のリチウム二次電池においては、その正極、負極、電解液又はセパレータのうちの少なくとも一つに前述のシリカ系メソ多孔体が含まれていればよく、それによって低温における充放電特性が著しく向上することとなる。本発明にかかるシリカ系メソ多孔体が含まれている正極、負極、電解液及びセパレータは、それぞれ前述の通りである。また、シリカ系メソ多孔体が含まれていない正極、負極、電解液又はセパレータとしては、リチウム二次電池用の正極、負極、電解液又はセパレータとして従来公知のものが適宜用いられる。
なお、本発明のリチウム二次電池は、その形状等が特に限定されるものではなく、円筒型、積層型、コイン型等、種々のものとすることができる。いずれの形状を採る場合であっても、電池形状に応じて形成させた前記の正極及び負極を所定の電池ケースに収納し、正極集電体及び負極集電体から外部に通ずる正極端子及び負極端子までの間を集電用リード等を用いて接続し、正極と負極の間のセパレータに前記電解液を含浸させて電池ケースを密閉することにより、リチウム二次電池を完成することができる。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
ラジアル型構造を有する球状シリカ系メソ多孔体の合成
水5L及びメタノール5Lの混合溶媒に対して、ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(界面活性剤)35.2g(0.014mol/L)および1規定水酸化ナトリウム22.8mLを添加した。これにテトラメトキシシラン(シリカ原料)13.2g(0.011mol/L)を添加して攪拌を続けたところテトラメトキシシランは完全に溶解し、約200秒後に白色粉末が析出してきた。室温で更に8時間撹拌して一晩(14時間)放置した後、ろ過と脱イオン水による洗浄を3回繰り返して白色粉末(多孔体前駆体粒子)を得た。この白色粉末を熱風乾燥機で3日間乾燥した後、550℃で6時間焼成することによって界面活性剤を含む有機成分を除去し、球状シリカ系メソ多孔体を得た。
得られた球状シリカ系メソ多孔体のX線回折パターンを図1に示す。図1に示されたX線回折パターンより、得られた多孔体は高次のピークを有しており、この粉末が規則性の高いハニカム多孔体であり、ヘキサゴナルの細孔配列構造を有していることが確認された。
次に、この球状シリカ系メソ多孔体の走査型電子顕微鏡(SEM)による観察を行った。得られたSEM写真を図2に示す。SEMにより観察された多孔体はいずれも粒子径が均一な球状粒子の形状を有しており、任意の100個の粒子の粒径分布は0.60〜0.67μmであった。また、平均粒径は0.64μmであり、平均粒径の±10%の範囲内の粒径を有する粒子の割合は全粒子の100重量%であった。
更に、細孔内に塩化白金酸のメタノール溶液(0.02mol/l)を導入した後にエバポレータを用いてメタノールを除去し、その後水素気流下で400℃で2時間還元処理することによって球状シリカ系メソ多孔体の細孔内に白金を導入し、得られた粒子についても透過型電子顕微鏡(TEM)による観察を行った。得られたTEM写真を図3に示す。図3に示すTEM写真から、得られた球状シリカ系メソ多孔体においては、その細孔が球状粒子の中心部から粒子表面に向かって放射状に配列されている、いわゆるラジアル型構造を有することが確認された。
また、この球状シリカ系メソ多孔体の細孔直径を窒素吸着等温線測定後にBJH法から求めたところ、この粒子の細孔直径は2.5nmであり、細孔内に水を導入した後に測定した示差走査熱分析計(DSC)による水の融点は−65℃であった。
負極用リチウムバナジウム複合酸化物の合成
組成式LiVで表されるスピネル構造のリチウムバナジウム複合酸化物を以下のようにして合成した。すなわち、先ず、炭酸リチウム(LiCO)と五酸化バナジウム(V)とを、Li:Vがモル比で1:2となるような割合で自動乳鉢を用いて120分間混合した。次いで、その混合物をプレス成形し、水素気流中700℃で3時間焼成してVとLiVOの混合物を得た。さらにその混合物を自動乳鉢で20分間混合し、炭酸ガス中、650℃で48時間焼成した。この20分間の混合と炭酸ガス中での650℃、48時間の焼成をもう一度繰り返して、目的のスピネル構造のリチウムバナジウム複合酸化物を得た。なお、得られたリチウムバナジウム複合酸化物は、負極活物質として用いるため、乳鉢にて粉砕して粉末状のものとした。
負極の作製
上記のようにして得られた粉末状のリチウムバナジウム複合酸化物を用いて、以下のようにして負極を作製した。すなわち、先ず、70重量部のリチウムバナジウム複合酸化物に、導電材としての25重量部のカーボン及び結着剤としての5重量部のポリテトラフルオロエチレンを混合して負極合材を得た。次いで、その負極合材15mgを、予めコインセルの内側に溶接したステンレス製のメッシュ上に約0.6ton/cmの圧力で圧着して負極を得た。
正極用リチウム鉄複合リン酸化物の合成
組成式LiFePOで表されるオリビン構造のリチウム鉄複合リン酸化物を以下のようにして合成した。すなわち、先ず、LiOH・HOとFeC・2HOと(NHHPOとをそれぞれLi:Fe:Pがモル比で1:1:1となるように混合した。混合は、自動乳鉢にて30分間行った。得られた混合物をアルゴン気流中で350℃で5時間仮焼した後、自動乳鉢にて30分間混合した。その後さらに、アルゴン気流中で650℃で6時間焼成し、目的のリチウム鉄複合リン酸化物を得た。なお、得られたリチウム鉄複合リン酸化物は、正極活物質として用いるため、乳鉢にて粉砕して粉末状のものとした。
正極の作製
上記のようにして得られた粉末状のリチウム鉄複合リン酸化物を用いて、以下のようにして正極を作製した。すなわち、先ず、70重量部のリチウム鉄複合リン酸化物に、導電材としての25重量部のカーボン及び結着剤としての5重量部のポリテトラフルオロエチレンを混合して正極合材を得た。次いで、その正極合材10mgを、予めコインセルの内側に溶接したステンレス製のメッシュ上に約0.6ton/cmの圧力で圧着して正極を得た。
実施例1(本発明の電解質粒子からなるセパレータを有するリチウム二次電池)
先ず、ナノ細孔が粒子の中心部から外側に向かって放射状に配列されている前記の球状シリカ系メソ多孔体の細孔内に、リチウム塩であるLiNOを水に溶解した飽和濃度のLiNO水溶液(pH7)を十分に含浸させた。次に、上記のリチウムバナジウム複合酸化物を負極活物質とした負極と、リチウム鉄複合リン酸化物を正極活物質とした正極とを、その間に前記LiNO水溶液を含浸させた球状シリカ系メソ多孔体(20mg)を密に充填した状態で挟んで対向させ、コインセルを密封して2016型(外径20mmφ、厚さ16mm)のリチウム二次電池を完成させた。
実施例2(本発明の電解質粒子を電解液中に分散させてなるリチウム二次電池)
先ず、リチウム塩であるLiNOを水に溶解した飽和濃度のLiNO水溶液(pH7〉中に、ナノ細孔が粒子の中心部から外側に向かって放射状に配列されている前記の球状シリカ系メソ多孔体を20重量%含む電解液を作製した。次に、上記のリチウムバナジウム複合酸化物を負極活物質とした負極と、リチウム鉄複合リン酸化物を正極活物質とした正極とを、その間にセパレータ{東燃タピルス社製、電池用セパレータ(ポリエチレン製、膜厚25μm、空孔率40%)}を挟んで対向させ、更に上記の電解液として注入した後、コインセルを密封して2016型(外径20mmφ、厚さ16mm)のリチウム二次電池を完成させた。
実施例3(本発明の正極及び負極を有するリチウム二次電池)
先ず、ナノ細孔が粒子の中心部から外側に向かって放射状に配列されている前記の球状シリカ系メソ多孔体の細孔内に、リチウム塩であるLiNOを水に溶解した飽和濃度のLiNO水溶液(pH7)を十分に含浸させた。次に、前記のリチウムバナジウム複合酸化物を負極活物質として用いて負極を作製する際に、前記LiNO水溶液を含浸させた球状シリカ系メソ多孔体を20重量部添加するようにした以外は前記と同様にして負極を作製した。また、前記のリチウム鉄複合リン酸化物を正極活物質として用いて正極を作製する際に、前記LiNO水溶液を含浸させた球状シリカ系メソ多孔体を20重量部添加するようにした以外は前記と同様にして正極を作製した。このようにして作製された負極及び正極を、その間にセパレータ{東燃タピルス社製、電池用セパレータ(ポリエチレン製、膜厚25μm、空孔率40%)}を挟んで対向させ、リチウム塩であるLiNOを水に溶解した飽和濃度のLiNO水溶液(pH7)を電解液として注入した後、コインセルを密封して2016型(外径20mmφ、厚さ16mm)のリチウム二次電池を完成させた。
比較例1(従来のリチウム二次電池)
上記のリチウムバナジウム複合酸化物を負極活物質とした負極と、リチウム鉄複合リン酸化物を正極活物質とした正極とを、その間にセパレータ{東燃タピルス社製、電池用セパレータ(ポリエチレン製、膜厚25μm、空孔率40%)}を挟んで対向させ、リチウム塩であるLiNOを水に溶解した飽和濃度のLiNO水溶液(pH7)を電解液として注入した後、コインセルを密封して2016型(外径20mmφ、厚さ16mm)のリチウム二次電池を完成させた。
充放電サイクル試験
実施例1〜3及び比較例1で得られたそれぞれのリチウム二次電池に対して、以下のようにして充放電サイクル試験を行った。すなわち、各リチウム二次電池に対して、20℃と−30℃の環境下、電流密度1mA/cmの定電流で電池電圧1.5Vまで充電し、その後、電流密度1mA/cmの定電流で電池電圧0.05Vまで放電する充放電を1サイクルとし、このサイクルを50サイクル繰り返した。なお、充放電サイクルにおける充電休止時間及び放電休止時間はそれぞれ1分間とした。
このような充放電サイクル試験の結果として測定されたそれぞれのリチウム二次電池の正極活物質単位重量当たりの20℃での初回放電容量と、−30℃での初回放電容量とを表1に示す。
表1に示した結果から明らかなように、実施例1〜3で得られた本発明のリチウム二次電池は、比較例1で得られた従来のリチウム二次電池に比べて、低温での放電容量が顕著に増大していることが確認された。
以上説明したように、本発明の電解質粒子及び/又は正極及び/又は負極を用いることにより、リチウム二次電池等の各種電池の低温特性を十分に向上させることが可能となる。したがって、本発明の電解質粒子、正極及び負極は、低温における充放電特性が十分に優れたリチウム二次電池を提供するために有用であり、特に従来は低温特性に優れたものを得ることが困難であった水系のリチウム二次電池を提供するために非常に有用である。
実施例で得られた球状シリカ系メソ多孔体のX線回折パターンを示す図である。 実施例で得られた球状シリカ系メソ多孔体のSEM写真である。 実施例で得られた球状シリカ系メソ多孔体の細孔内に白金を導入したもののTEM写真である。

Claims (8)

  1. ナノサイズの細孔が中心部から外側に向かって放射状に配列されているラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体と、前記細孔内に含浸されている電解液とを含むことを特徴とする電解質粒子。
  2. 前記シリカ系メソ多孔体が、平均粒径が0.01〜20μm、中心細孔直径が1〜10nmであり、全粒子の90重量%以上が前記平均粒径の±10%の範囲内の粒径を有している球状シリカ系メソ多孔体であることを特徴とする請求項1記載の電解質粒子。
  3. ナノサイズの細孔が中心部から外側に向かって放射状に配列されているラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体と、正極活物質とを含むことを特徴とする正極。
  4. 前記シリカ系メソ多孔体が、平均粒径が0.01〜20μm、中心細孔直径が1〜10nmであり、全粒子の90重量%以上が前記平均粒径の±10%の範囲内の粒径を有している球状シリカ系メソ多孔体であることを特徴とする請求項3記載の正極。
  5. ナノサイズの細孔が中心部から外側に向かって放射状に配列されているラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体と、負極活物質とを含むことを特徴とする負極。
  6. 前記シリカ系メソ多孔体が、平均粒径が0.01〜20μm、中心細孔直径が1〜10nmであり、全粒子の90重量%以上が前記平均粒径の±10%の範囲内の粒径を有している球状シリカ系メソ多孔体であることを特徴とする請求項5記載の負極。
  7. 正極活物質を含む正極と、負極活物質を含む負極と、リチウム塩を溶媒に溶解した電解液と、前記正極と前記負極との間に配置されかつ前記電解液が含浸されているセパレータとを備えるリチウム二次電池であって、ナノサイズの細孔が中心部から外側に向かって放射状に配列されているラジアル型構造を有するシリカ系メソ多孔体が、前記正極、前記負極、前記電解液及び前記セパレータのうちの少なくとも一つに含まれていることを特徴とするリチウム二次電池。
  8. 前記シリカ系メソ多孔体が、平均粒径が0.01〜20μm、中心細孔直径が1〜10nmであり、全粒子の90重量%以上が前記平均粒径の±10%の範囲内の粒径を有している球状シリカ系メソ多孔体であることを特徴とする請求項7記載のリチウム二次電池。
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