JP2009059659A - イオン液体ポリマー複合微粒子を用いた高分子固体電解質 - Google Patents

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Abstract

【課題】イオン液体のイオン伝導性を損なうこと無く、かつ、イオン液体の漏出が抑止可能で、リチウムイオン二次電池や固体高分子形燃料電池にも適用でき、常温以上で高い機械強度・優れた形状安定性を有する高分子固体電解質の提供。
【解決手段】重合性官能基を有するイオン液体モノマーが重合してなる高分子グラフト鎖からなるポリマーブラシ層を備える複合微粒子を主成分として含有する高分子固体電解質。
【選択図】図3

Description

本発明は、例えばリチウムイオン二次電池で用いられるリチウムイオン伝導性セパレータや固体高分子形燃料電池で用いられるプロトン伝導膜として使用可能な、高イオン伝導性と常温以上での高い機械強度・優れた形状安定性を有する高分子固体電解質に関する。より具体的には、リビングラジカル重合により所定の高分子グラフト鎖を略均一な長さで微粒子表面に密生させた複合微粒子を用いた高分子固体電解質膜に関する。
昨今のリチウムイオン二次電池や固体高分子形燃料電池の普及に伴い、イオン伝導性の固体電解質膜の需要やニーズが益々高まってきている。ここで、リチウムイオン二次電池は、電解質内に存在するリチウムイオンを媒体とした二次電池である。そして、当該電池には、対向配置される正極及び負極間に、正極及び負極間が短絡することを防止する目的で、両極間にリチウムイオンの流通が可能な多孔性高分子フィルムがセパレータとして設けられている。また、固体高分子形燃料電池は、水素と酸素との反応により発電させる燃料電池の一種であり、両極間には、電解質としてイオン伝導性を有する高分子膜が配されている。
そして、近年、これら固体高分子形燃料電池等への応用を念頭に置いた、各種の固体電解質膜が提案されている。その中で、イオン液体(ionic liquid)を用いた固体電解質膜は、高いイオン伝導性、優れた熱的・電気的安定性、難燃性及び不揮発性というイオン液体の特質故、特に注目を浴びている。当該イオン液体を用いての固体電解質膜として、例えば、イオン液体をゲル化する手法(例えば特許文献1)と、イオン液体をセラミック膜等の固体に浸透させる手法(例えば特許文献2)が挙げられる。
特開2007−48541号公報 特表2004−515351号公報
しかし、前者に関しては、ゲル化によって、もとのイオン液体それ自体よりもイオン伝導性が著しく低下すると共に、作動温度が高温になった場合には、当該イオノゲルがゾル化し、液状となって流れ出る恐れがあるという問題がある。他方、後者に関しても、イオン液体単独の場合に比してイオン伝導度が向上せず、また、浸透したイオン液体が使用中に外に漏れる等のおそれがある。そこで、本発明は、イオン液体のイオン伝導性を損なうこと無く、かつ、イオン液体の漏出が抑止可能で、リチウムイオン二次電池や固体高分子形燃料電池にも適用でき、常温以上で高い機械強度・優れた形状安定性を有する非水系の高分子固体電解質を提供することを目的とする。
本発明者らは、リビングラジカル重合法によって得られる、狭い分子量分布の高分子グラフト鎖が高密度で微粒子表面に結合した複合微粒子の内、特に高分子グラフト鎖の材料としてイオン液体モノマーを用いた複合微粒子が、イオン伝導性が極めて高くかつ常温以上での機械強度・形状安定性に優れた高分子固体電解質を得る際に有用であることを見出し、以下の発明(1)〜(7)を完成させたものである。
本発明(1)は、重合性官能基を有するイオン液体モノマーが重合してなる高分子グラフト鎖からなるポリマーブラシ層を備える複合微粒子を主成分として含有することを特徴とする高分子固体電解質である。
本発明(2)は、前記重合性官能基はラジカル重合性官能基である、前記発明(1)の高分子固体電解質である。
本発明(3)は、前記高分子グラフト鎖の前記複合微粒子の表面占有率が5〜50%である、前記発明(1)又は(2)の高分子固体電解質である。
本発明(4)は、前記高分子グラフト鎖の分子量分布指数は1.5以下である、前記発明(1)〜(3)のいずれかの高分子固体電解質である。
本発明(5)は、イオン液体を更に含有する、前記発明(1)〜(4)のいずれかの高分子固体電解質である。
本発明(6)は、前記イオン液体が、前記高分子グラフト鎖と相溶性を有する、前記発明(5)の高分子固体電解質である。
本発明(7)は、移動性イオンを更に含有する、前記発明(1)〜(6)のいずれかの高分子固体電解質である。
まず、本特許請求の範囲及び本明細書において使用される用語の定義を列記する。まず、「イオン液体モノマー」とは、例えば反応性の炭素−炭素二重結合等の重合性官能基を有するイオン液体を指す。ここで、「イオン液体」とは、イオン性液体や常温溶融塩とも呼称される、イオン伝導性を有する低融点の塩であって、その多くは、カチオンとしての有機オニウムイオン、アニオンとしての有機又は無機アニオンとを組み合わせることにより得られる比較的低融点の特性を有するものを指す。「高分子グラフト鎖」は、イオン液体モノマーのホモポリマーに限定されず、種類の異なる複数のイオン液体モノマーのランダムコポリマーやブロックコポリマー、イオン液体モノマーと他のモノマー(例えば、スチレン誘導体、酢酸ビニル、アクリロニトリル)とのランダムコポリマーやブロックコポリマーをも包含する。「ポリマーブラシ層」とは、多数の高分子グラフト鎖が高密度で表面に垂直方向に異方的な形態を有する状態で微粒子の表面に結合している際の当該高分子グラフト層を指す。「表面占有率」とは、微粒子表面上におけるモノマー断面積あたりの高分子鎖の本数を指す。更に、「結合」とは、一般的な化学反応により形成される結合を意味し、具体的には、共有結合及びイオン結合が挙げられる。「分子量分布指数」とは、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)の比を指す。「複合微粒子」とは、高分子グラフト鎖が微粒子表面に結合して形成されるものを意味し、「微粒子」と区別して使用される。「主成分」とは、高分子固体電解質の全重量(質量)に対して50重量%(質量%)以上含有されている成分を意味する。「高分子固体電解質」における「固体」とは、「構造体が自立的に一定の形と体積を有し、外から加えられる力に抵抗する性質を持ち、流動しない状態」を意味する。室温以上の温度において自立性の固体状であり膜状や板状が好ましい。外力に対して抵抗する力を現す方法として破断強度が挙げられる。「相溶性」とは、両方の成分を所定の割合で混合して放置した際に、二層に分離しないことを指す。「移動性イオン」とは、電気的に移動可能なものであれば、カチオンでもアニオンでも、また価数も問わず、例えば、リチウムイオンやプロトンを挙げることができる。「規則配列」とは、隣接する微粒子間の距離が略等間隔であることをいう。
次に、本特許請求の範囲及び本明細書中に規定された主要な各種パラメータの測定方法を列記する。
《グラフト密度及び表面占有率の測定方法》
グラフト密度は、グラフト鎖のMn(数平均分子量)の絶対値、グラフトされたポリマー量、微粒子の比表面積より算出する。Mnの絶対値はゲルパーミエーションクロマトグラフ法或いは重合率より、グラフト量は熱重量分析法或いは各種分光法等により決定し、比表面積は微粒子粒径より算出する。なお、表面占有率は、ポリマーの伸びきり形態における繰り返し単位長さとポリマー(あるいはモノマー)のバルク密度より断面積を求め、グラフト密度を掛けて算出する。ここで、グラフト密度の理論最大値は、モノマーの大きさ(高分子の断面積)による。大きなサイズのモノマーであれば最大グラフト密度は小さくなる。他方、表面占有率は、モノマー断面積(ポリマー断面積)当たりのグラフト密度であり、モノマーの大きさ(ポリマーの太さ)の違いを補正し、最大値は100%である。占有率は、表面をグラフト点(1つ目のモノマー)が占める割合という意味になる(最密充填で100%、これ以上にはグラフトできない)。
《破断強度》
サンプルを23℃、65%の恒温室で12時間以上放置した後に、幅5mm、長さ50mmに切断する。そして、JIS K7113に基づき、島津製作所製精密万能試験機AGS−1KNGを用いて当該切断サンプルの破断強度を測定する。
《イオン伝導度》
サンプルを直径13mmの円形に切り抜くか、あるいはステンレス製の直径12mmのコイン(高さ10mm)上に製膜する。対極となる同じサイズのステンレス製コインを置き挟み込んで固定する。コインに直接取り付けたリード線にLCRメータを使って電圧10mVの交流電圧を周波数2MHzから10Hzまで変えながら印加し、電流と位相角の応答を測定する。イオン伝導度は、一般的に行われている方法でCole−Coleプロットの実数軸との切片から求める。尚、この測定は試料を恒温湿槽の中に入れて所定温度で測定する。
《重量平均分子量、数平均分子量》
グラフトポリマーのMw(重量平均分子量)及びMn(数平均分子量)は、フッ化水素酸処理によりシリカ粒子よりグラフトポリマーを切り出す、或いは、重合時に生成するフリーポリマーがグラフトポリマーと等しい分子量を有すると仮定して、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法により見積もる。なお、Mnの絶対値に関しては、重合率より算出する。
《規則配列》
例えばCCDマイクロスコープ、光学顕微鏡あるいは電子顕微鏡等を用いて高分子固体電解質表面を観察し、視野内に20から100個程度の微粒子を観察できる倍率において、10粒子以上の粒子について粒子間距離を測定する。(平均値±平均値の1/2)の範囲に測定結果の85%以上が入る場合を規則配列とする。
本発明(1)に係る高分子固体電解質は、高分子電解質型燃料電池においてプロトン伝導膜として汎用されているパーフルオロスルホン型イオン交換膜と異なり、当該膜内に、高いイオン伝導性を維持するための水分子を必要としない。したがって、本発明(1)に係る高分子固体電解質は、当該パーフルオロスルホン型イオン交換膜では稼働不能となる、水分蒸発が問題となる高温(80℃程度が上限)や水分が凝固する0℃以下であっても稼働させることができる。即ち、本発明(1)に係る高分子固体電解質は、水の蒸発や凝固に左右されない、無加湿・高温(例えば150〜250℃)での稼働が可能である結果、電極反応の効率化(反応性向上に使用される白金触媒の量の低減等)や出力特性の向上等、トータルコストが低減できるという効果を奏する。更に、本発明(1)に係る高分子固体電解質は、作用機序は確定的でないが、微粒子として非イオン伝導体(例えばシリカ)を使用した場合でも、当該非イオン伝導体を大量に含有するにも拘わらず、イオン液体ポリマー(バルクのポリマー)より極めて高いイオン伝導性を示すことに加え、バルクのイオン液体に匹敵するイオン伝導性を有することから、高速にイオンを伝導するネットワーク機構(イオンチャンネル)が規則配列した複合微粒子間に形成されていると推測される。従来報告のある固体電解質では、イオン伝導性と機械強度とはトレードオフの関係となる場合がほとんどであるが、本発明(1)に係る高分子固体電解質は、高いイオン伝導性を保持したまま、固体電解質膜としての強度を高めることが可能となるため、膜厚を薄くすることが可能となり、電解質膜の更なるイオン伝導性の向上も可能になるという効果も奏する。
本発明(2)によれば、イオン液体モノマーの重合性官能基がラジカル重合性官能基であるので、重合手法がリビングラジカル重合である場合には、高密度で分子量分布指数の低いポリマーブラシとなるという効果を奏する。
本発明(3)によれば、高分子グラフト鎖の複合微粒子の表面占有率が5〜50%と高いので、グラフト鎖が異方的な形態をとり、特にイオン液体含浸時に効率的なイオンチャンネルを形成しやすくなるという効果を奏する。
本発明(4)によれば、高分子グラフト鎖の分子量分布指数が1.5以下であるので、複合微粒子間に圧縮反発を均等に作用させることが可能になるという効果を奏する。
本発明(5)によれば、前記効果に加え、高分子固体電解質が複合微粒子よりも少量のイオン液体を含有しているので、複合微粒子がイオン液体で可塑化される結果、より規則的な3次元配列状態を構築することが可能となる。その結果、当該規則配列に起因し、より高いイオン伝導性を有するという効果を奏する。また、当該イオン液体の存在により、微粒子に結合した高分子グラフト鎖が伸張する結果、当該鎖の分子量が小さい場合であっても機械強度を担保できる(固体電解質を維持できる)という効果を奏する。更には、イオン液体自体のイオン伝導性による、より一層のイオン伝導性向上も図ることができるという効果をも奏する。
本発明(6)によれば、前記効果に加え、イオン液体が高分子グラフト鎖と相溶性を有しているので、長期間保存或いは使用しても固体電解質膜として安定でイオン液体の漏出を抑制するという効果を奏する。
本発明(7)によれば、前記効果に加え、高分子固体電解質内に移動性イオン(例えばリチウムイオンやプロトン)がフリーの形で存在しているので、イオン伝導性が高い結果、リチウムイオン二次電池のセパレータや固体高分子形燃料電池で用いられるプロトン伝導膜としてより有用となるという効果を奏する。
以下、高分子固体電解質として固体電解質膜を例にとり、本発明の最良形態を説明する。但し、当該最良形態は、本発明のよりよい理解のために提供されるものであり、本発明の技術的範囲は以下の記載に限定されるべきでない。したがって、当業者は、本明細書中の記載を参酌して、本発明の範囲内で適宜改変を行うことができることは明らかである。
《固体電解質膜の各構成要素》
図1(右下)は、固体電解質膜の概念図である(尚、あくまで概念図であり、当該構造のものに本発明は限定されるものではない)。ここで、本最良形態に係る固体電解質膜は、イオン液体モノマーより合成される高分子グラフト鎖が微粒子の表面上に超高密度で結合した複合微粒子(図1の右上に示した高密度ポリマーブラシ)を少なくとも主成分として含有する。その他の任意成分として、イオン液体、リチウムイオン、プロトン、或いはその他のカチオン、アニオン等を含有していてもよい。ここで、本最良形態に係る固体電解質膜は、当該複合微粒子及びその他の任意成分とからのみなる自立性のあるものである。但し、本発明は当該形態には限定されず、例えば、不織布やその他多孔体の内部に上記組成の膜を充填した形態であってもよい(これについては後述する)。以下、まず、各構成要素を詳述する。
(複合微粒子)
本最良形態に係る固体電解質膜の必須成分である複合微粒子は、イオン液体モノマーを原料とする高分子グラフト鎖が微粒子の表面上に結合基を介して超高密度で結合している。その結果、隣接するグラフト鎖間の立体反発によりグラフト鎖は異方的な形態をとり、ポリマーブラシを形成する。ここでは、当該複合微粒子を「高分子グラフト鎖部」、「微粒子部」、「結合基部」に分けた上、これらを順に説明することとする。そして、その後、当該複合微粒子の構造及び物性を詳述することとする。
高分子グラフト鎖部
高分子グラフト鎖部は、イオン液体モノマー単独のホモポリマー、種類の異なる複数のイオン液体モノマーのランダムコポリマーやブロックコポリマー、イオン液体モノマーと他のモノマー(例えば、スチレン誘導体、酢酸ビニル、アクリロニトリル)とのランダムコポリマーやブロックコポリマーからなる。ここで、原料であるイオン液体モノマーは、重合官能基とイオン基を有する限り特に限定されない。但し、当該複合微粒子を製造する際、リビングラジカル重合により製造することが好適であるので、当該重合官能基はラジカル重合性官能基であることが好適である。ここで、原料であるイオン液体モノマーとしては、四級アンモニウム塩系重合性イオン液体、イミダゾリウム塩系重合性イオン液体、ピリジニウム塩系重合性イオン液体、四級ホスホニウム系重合性イオン液体、グアジニウム塩系重合性イオン液体、イソウロニウム塩系重合性イオン液体、チオウロニウム塩系重合性イオン液体等が挙げられるが、特に、アンモニウム塩型のイオン液体は、イミダゾリウム塩あるいはピリジニウム塩型イオン液体に比べて耐電圧性が高い。すなわち、低い還元分解電位と高い酸化分解電位を有し、広い電圧範囲で安定であり、四級アンモニウム塩系重合性イオン液体が、広い電位窓と低い粘性のため好適である。特に比較的短いC1〜C5程度のアルキル基を有するアンモニウム塩型イオン液体は、その粘度も低くより好適である。
ここで、四級アンモニウム塩系重合性イオン液体の好適例は、以下の式:
Figure 2009059659
{R、Rは、C1〜C5アルキルを表し、Rは、C1〜C5アルキル又は水素原子を表し、Rは、C1〜C2のアルキル基又は水素原子を表し、Xは、N(CFSO {TFSI}、BF、PF、BFCF3、等を表す。}で示される、アクリル酸誘導体又はメタクリル酸誘導体である。ここで、より具体的な例としては、R1、がメチル基でありRが水素原子であるアクリル酸誘導体モノマーや、Rがエチル基、Rが水素原子、Rがメチル基であるメタクリル酸モノマーや、Rがエチル基、Rがメチル基、Rがメチル基のメタクリル酸モノマーが例示されるが、これらに限定されず、当業者の認識する範囲内で適宜選択される。R1〜R3の二つ以上の置換基が連結した脂環式環状構造を有していてもよい。また、アルキル基の炭素の幾つかが酸素原子で置換されたアルコキシ基である場合も問題なく使用することが出来る。これら化合物は、WO2004/027789記載の方法により製造可能である。尚、本明細書において「アルキル」とは、メタン、エタン、プロパンのような脂肪族炭化水素(アルカン)から水素原子が一つ失われて生ずる1価の基をいい、一般にC2n+1−で表される(ここで、nは正の整数である)。アルキルは、直鎖又は分枝鎖であり得る。
尚、原料であるイオン液体モノマーは、重合基とイオン基の他、他の官能基を有していてもよい。例えば、より高いプロトン伝導度を達成するために、強酸基(例えばスルホン酸基)を有するものを使用してもよい。また、より高いプロトン伝導度を達成するに際しては、強酸基を有するイオン液体モノマーを使用しなくとも、強酸基を有する他のモノマーと組み合わせる形であってもよい。
高分子グラフト鎖の重量平均分子量は、特に限定されないが、1000〜300,000が好適であり、2000〜100,000がより好適であり、4000〜70,000が更に好適である。ここで、分子量が大きくなる程、複合微粒子は固体電解質膜を形成しやすくなる反面、3次元配列を構築しにくくなるためイオン伝導性は低下する傾向にある。他方、分子量が小さくなる程、複合微粒子は固体電解質膜を形成しにくくなる反面、3次元配列を構築し易くなるためイオン伝導性は向上する傾向にある。このように、使用する原料や用途等に応じ、適宜分子量を決定することが好適である。更に、高分子グラフト鎖の分子量分布指数は、複合微粒子間に圧縮反発を均等に作用させるには1.5以下である必要があり、1.3以下であることが好適であり、1.2以下であることがより好適である。
微粒子部
次に、本最良形態に係る複合微粒子に使用される微粒子は、特に限定されず、無機物質であっても有機物質であってもよく、例えば、シリカ等のケイ素酸化物;Au(金)、Ag(銀)、Pt(白金)、Pd(パラジウム)等の貴金属;Ti、Zr、Ta、Sn、Zn、Cu、V、Sb、In、Hf、Y、Ce、Sc、La、Eu、Ni、Co、Fe等の遷移金属、それらの酸化物又は窒化物等の無機物質;或いは有機物質であるものが挙げられる。
微粒子表面から超高密度でグラフト重合させるためには、10nm〜1μmの粒径を有する単分散微粒子であることが好ましく、更に好ましくは100nm〜1μmの粒径を有する単分散微粒子である。ここで、「単分散微粒子」とは、粒子径のばらつきが10%以下であるものをいう。尚、ここでの粒径は、電子顕微鏡で観察した100個の微粒子の直径の平均値を指す。また、粒子径のばらつきの概念及び測定方法は、特開2006−208453に記載の通りである。
結合基部
次に、本最良形態に係る複合微粒子に使用される結合基は、微粒子表面と高分子グラフト鎖とを結合するものである限り特に限定されない。ここで、この結合基部の原料となる化合物は、微粒子表面に結合する基とリビングラジカル重合のための重合開始基とを有する化合物である。例えば、微粒子としてシリカを選択した場合、当該原料化合物の一例は、例えば、以下の式:
Figure 2009059659
(式中、スペーサー鎖長nは、3〜10の整数であることが好ましく、4〜8の整数がより好ましく、6が最も好ましい;Rは、C1〜C3アルキルであることが好ましく、C1又はC2アルキルがより好ましい;Rは、C1又はC2アルキルであることが好ましい;Xは、ハロゲン原子が好ましく、特にBrが好ましい)で示される、重合開始基含有シランカップリング剤である。当該重合開始基含有シランカップリング剤は、例えばWO2006/087839に記載された方法に従い製造可能である。代表的な重合開始基含有シランカップリング剤には、例えば(2−ブロモ−2−メチル)プロピオニルオキシヘキシルトリエトキシシラン(BHE)等が挙げられる。尚、グラフト密度調整の観点から、重合開始基含有シランカップリング剤に加え、重合開始基を含有しないシランカップリング剤(例えば、一般に使用されるアルキルシランカップリング剤)を使用してもよい。尚、微粒子自体が既に重合開始部位を有している等の場合(例えば、元々有している場合や、プラズマ処理等により表面処理された結果として形成された場合)には、結合基部は存在していなくともよい(微粒子が結合基部を有しているともいえる)。
複合微粒子の構造
複合微粒子は、イオン液体モノマーを原料とする高分子グラフト鎖が微粒子の表面上に結合基を介して超高密度で結合している(ブラシ状)。ここで、微粒子表面上のグラフト鎖の表面占有率は、数%以上の高密度であることが好ましく、より好ましくは5〜50%であり、更により好ましくは10〜40%である。このような範囲のグラフト密度とすることにより、グラフト鎖が異方的な形態をとり、特にイオン液体含浸時に効率的なイオンチャンネルを形成しやすくなる。
(イオン液体)
本最良形態に係る固体電解質膜の任意成分であるイオン液体は、固体電解質膜中に複合微粒子よりも少量(重量基準)存在し得る成分である。当該イオン液体は、複合微粒子を可塑化し、複合微粒子を規則配列させるように機能する。ここで、当該イオン液体は、例えば、四級アンモニウム塩、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、四級ホスホニウム塩、グアジニウム塩、イソウロニウム塩、チオウロニウム塩等のイオン液体が挙げられる。尚、イオン液体は、高分子グラフト鎖の構成成分であるイオン液体モノマーそれ自体であってもよい(これについては後述する)。ここで、イオン液体は、複合微粒子の高分子グラフト鎖と相溶性があるもの(良溶媒)を選択することが好適であり、具体的には、共通のイオン基を有することが好適であり、更には、共通のイオン基が結合した基本骨格部位が共通することがより好適である。また、イオン液体の含有量は、ポリマーブラシ層を形成する高分子グラフト鎖の分子量に応じて適宜選択されるが、複合微粒子(微粒子+ポリマーブラシ層)の全体に対し、1〜100重量%が好ましく、10〜80重量%がより好ましく、20〜50重量%がさらに好ましい。
(リチウムイオン)
高いリチウムイオン伝導性を付与することを特に意図した場合、固体電解質膜は、リチウムイオンを含有することが好適である。ここで、添加するリチウムイオン(リチウム塩)は、特に限定されず、例えば、LiN(CFSO {LiTFSI}、LiBF、LiPF等が挙げられる。
(プロトン)
高いプロトン伝導性を付与することを特に意図した場合、固体電解質膜は、強酸を含有していてもよい。ここで、添加する強酸は、特に限定されず、例えば、硫酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、燐酸化合物等が挙げられる。
《固体電解質膜の構造》
本最良形態に係る固体電解質膜は、複合微粒子が規則配列した三次元構造若しくは二次元構造を採っている。そして、複合微粒子同士は、大きな圧縮抵抗という力学特性故、強く反発し合っている。また、複合微粒子間でイオンチャンネルを形成していると理解される。ところで、このような規則配列した三次元構造は、本最良形態に係る複合微粒子を良溶媒中に存在させることにより形成されることは確認されている(コロイド結晶、特開2003−327641)。したがって、前述した複合微粒子をイオン液体で可塑化する手法によらなくても、このコロイド結晶液を何らかの手段により固定すれば、結晶構造が固定化された固体電解質膜を得ることができる。そのための代表的な方策が、コロイド結晶液中で高分子グラフト鎖同士を架橋する手法等である(後述の段落番号0054及び0055参照)。
《固体電解質膜の性質》
本最良形態に係る固体電解質膜の特性は、「イオン伝導性」、「形状保持性」及び「機械強度」に優れている点にある。以下、これらを順に説明する。
(イオン伝導性)
本最良形態に係る固体電解質膜のイオン伝導度は、高ければ高いほど良いが、現実的には35℃において、0.08mScm−1以上の伝導性が必要である。さらに0.1mScm−1以上が好ましく、より好ましくは、0.5mScm−1以上あると良い。最上級に好ましいのは、1mScm−1以上である。このイオン伝導度は、PMMAグラフト鎖複合微粒子の3次元構造体よりも高く、固体でありながらバルクのイオン液体と同等の高い伝導性を示す。このように、高いイオン伝導性を示すのは、規則配列した複合微粒子のイオン液体ポリマー間に形成されたイオンチャンネルの存在のためと理解される。また、イオン液体を充填させた態様やリチウムイオンを存在させた態様は、更に高いイオン伝導性を示す。
(形状保持性)
本最良形態に係る固体電解質膜は、少なくとも室温から150℃の範囲において自立性のある非流動性の固体状態を示すものである。より好ましい形態保持温度範囲は、室温から250℃である。上限は特に限定されないが、ブラシ鎖ポリマーの熱分解温度まで固体状態を維持できることが好ましい。
(機械強度)
本最良形態に係る固体電解質膜の機械強度(破断強度)は、上記温度範囲(形状保持性の欄に記載した温度範囲)において引っ張り破断強度が0.05kgf/cm2以上、好ましくは0.1kgf/cm2以上であると尚良い。
このように、本最良形態に係る固体電解質膜においては、膜強度は主としてシリカ微粒子が、イオン伝導性は主としてイオン液体ポリマーグラフト鎖(ポリマーブラシ層)が担う。このように機能を分離したハイブリッド設計の場合、微粒子の材質や形状の選択と、イオン液体ポリマーの設計との組合わせにより、優れた機械特性とイオン伝導性を兼ね備えた最適な固体電解質膜を与え得る。特に、濃厚ブラシ同士が接触する界面では高分子鎖末端の偏在により、高い分子運動性、即ち、優れたイオン伝導性が期待される。尚、本最良形態に係る固体電解質膜は、前記のように自立性のあるものであるが、高温で膜強度に問題がある場合には、不織布やその他多孔体の内部に上記組成の膜を充填した形態であってもよい。
《固体電解質膜の製造方法》
以下、固体電解質膜の製造方法を説明する。まず、固体電解質膜の主成分である複合微粒子の製造方法を説明し、次いで、複合微粒子等から固体電解質膜を製造する方法を説明することとする。尚、以下の製造方法は例示であることに留意すべきである。
(複合微粒子の製造方法)
複合微粒子の製造方法は、
結合基部の原料となる化合物と微粒子とを反応させて、重合開始基を微粒子表面に形成させる第一工程;
表面に重合開始基を有する微粒子とモノマーとをリビングラジカル重合条件下で接触させて、高分子グラフト鎖が超高密度で微粒子表面に結合した複合微粒子を含有する粗生成物を得る第二工程;及び
第二工程での粗生成物を精製して複合微粒子を得る第三工程
である。以下、各工程を詳述する。
第一工程
第一工程は、周知の手法により実施できる。例えば、微粒子として無機・金属系材料(例えばシリカ)を使用し、結合基部の原料となる化合物として重合開始基含有シランカップリング剤を使用した場合、水の存在下でシランカップリング剤を加水分解させてシラノールとし、部分的に縮合させてオリゴマー状態とする。この状態で、シリカ表面に水素結合的に吸着させた後、無機・金属系材料を乾燥処理することで脱水縮合反応を起こさせ、重合開始基を当該材料上に形成させる。
ここで、微粒子表面上のグラフト密度は、重合開始基含有シランカップリング剤と重合開始基を含有しないシランカップリング剤との割合を調整することで、自在に変更することができる。シランカップリング剤のうちすべてが重合開始基含有シランカップリング剤である場合、以下の重合後に10%を超える表面占有率を達成できる。
第二工程
第二工程は、リビングラジカル重合条件下でモノマー原料(イオン液体モノマー等)を重合させることにより実施する。尚、使用するモノマーの種類は、単独であってもよいし、複数であってもよい。ここで、リビングラジカル重合とは、連鎖移動反応及び停止反応のない、又は無視できるほど小さい重合反応では、重合反応終了後でも生成重合体の末端に重合活性を保持しており、モノマーを加えると再び重合反応を開始させることができるような重合を意味する。リビングラジカル重合の特徴としては、モノマーと重合開始剤の濃度比を調節することにより任意の平均分子量をもつ重合体の合成ができること、また、生成する重合体の分子量分布が極めて狭いこと、ブロック共重合体へ応用できること、等が挙げられる。尚、「リビングラジカル重合条件下」とは、微粒子の表面上に設けた重合開始基を基点とするリビングラジカル重合が確実にかつ良好に進行するために当業者が適宜選択した重合条件を採用することを意味する。
ここで、本最良形態において使用されるイオン液体性モノマーを用いてグラフト鎖を形成する際には、特に、原子移動ラジカル重合法(ATRP)により重合することが好ましい。原子移動ラジカル重合法に使用される触媒は、特に限定されないが、例えば、塩化銅(I)等の一価の銅触媒と、前記銅触媒に対して1モル当量のビピリジン(bpy)等の二座の配位子との組合せが挙げられる。更に、前記組合せに、二塩化銅(II)を加えることが好ましい。この方法によると、狭い分子量分布指数(例えば1.3未満)を保持したまま、重合率に比例して数平均分子量Mnを容易に増大させることができる結果、分子量の制御されたイオン液体ポリマーの合成や数千から数十万の分子量範囲での分子量制御が可能となる。ここで、イオン液体ポリマーの分子量を増加させると、ガラス転移温度が上昇する一方、イオン伝導度が低下する傾向にある。したがって、分子量の最適化は、電解質膜としての特性(イオン伝導性)を重要視しつつ、膜の機械的特性をも加味しながら行う必要がある。
第三工程
目的とする複合微粒子は、第二工程で得られた粗生成物(反応液)から夾雑物(未反応原料、副生成物、溶媒等)を、当該分野で慣用される方法(例えば、抽出、蒸留、洗浄、濃縮、沈澱、濾過、乾燥等)によって除去した後に、当該分野で慣用される後処理方法(例えば、吸着、溶離、蒸留、沈澱、析出、クロマトグラフィー等)を組み合わせて処理して単離し得る。
(複合微粒子等から固体電解質膜を製造する方法)
固体電解質膜の製造方法(一例)は、
複合微粒子を溶媒中に分散させて複合微粒子分散液又は複合微粒子ペーストを得る第一工程;及び
前記複合微粒子分散液又は前記複合微粒子ペーストを所定基材上に塗布又は型入れした後、当該塗布物又は当該型入れ物を乾燥させて溶媒を除去する第二工程、
である。
ここで、溶媒の極性も重要な要素である。イオン液体ポリマーに親和性が高い極性の高い溶媒を用いることが好ましい。アセトニトリルは好適に用いられる。
また、イオン液体が充填された固体電解質膜を製造する場合には、第一工程で溶媒とイオン液体との混合溶媒を使用し、第二工程で当該溶媒のみ除去すればよい。
更に、リチウムイオンを含有する固体電解質膜を製造する場合には、リチウム塩を予めイオン液体あるいは溶媒に溶解させたものを第一或いは第二工程で使用すればよい。その他のイオン化合物や酸を加える場合も同様である。
また、第一工程で複合微粒子のコロイド結晶液を形成し、当該コロイド結晶を固定化する場合には、場合により当該コロイド結晶液に架橋剤を添加した上で、周知の架橋手法(例えば、加熱やエネルギー線照射)により架橋させる工程が更に含まれる。この場合、複合微粒子の高分子グラフト鎖に架橋基を持たせる必要があるので、複合微粒子の製造の際、当該架橋基を有するモノマーを使用する(例えば、架橋基を有するイオン液体モノマーを使用するとか、架橋基を有する他のモノマーを併用する)。
或いは、当該コロイド結晶液を固定化する別の方法として、高融点の溶媒(室温よりも上)を用いて第一工程で複合微粒子のコロイド結晶液を形成し、その後、分散溶媒の融点以下に温度を下げコロイド結晶を固定化する冷却工程が更に含まれていてもよい(この場合、前記の第二工程は不要となる)。
尚、第一工程でコロイド結晶液を形成させた後に、当該コロイド結晶の固定化を図る場合には、第一工程の後、コロイド結晶が形成されているか否かの確認をしてもよい。ここで、コロイド結晶が形成できているかどうかは、分散液が構造色を発するか視覚的に確認することによってもできるが、共焦点レーザースキャン顕微鏡(略称:CSLM)による三次元画像によっても確認することができる。CSLMの特徴は、サンプルの焦点面と光学的に共役(コンフォーカル)の位置にピンホール絞りを設けていることにある。これにより、サンプル内部の二次元画像を迷光のない状態で得ることができる。また、サンプルの二次元平面をポイントスキャンし、光学的なスライス画像を作成した後、同様の操作をサンプルのZ軸方向に沿って移動して行う。こうして取り込んだ多数の二次元平面スライス画像から、三次元画像を構築することができる。このようなCSLM測定により、分散液内の複合微粒子の規則配列構造を確認することができる。
(複合微粒子と固体電解質膜を同時に形成する方法)
前述の方法は、先に複合微粒子を製造し、次に当該複合微粒子を用いて固体電解質を製造するという手法であったが、同時に製造することも可能である。具体的には、複合微粒子を製造する際に使用する溶媒として、イオン液体モノマーを使用する手法である。詳細には、上記の手法に従い、リビングラジカル重合を実施し、当該イオン液体モノマーの一部を重合させる。そして、重合に関与しなかった残存モノマーは、可塑剤として固体電解質膜内に留まることになる。このように、適切にリビングラジカル重合を実施することにより、複合微粒子を形成しつつ、複合微粒子間にイオン液体モノマーが介在した固体電解質膜を得ることができる。この時の重合を不織布あるいはその他の多孔体の中で行うことも出来る。多孔体の空隙の中にイオン液体モノマーと微粒子を浸透させておき、重合を行うことも出来る。その際に重合反応性を持たないイオン液体モノマー以外を加えておくことも出来る。
尚、高温で膜強度に問題がある場合には、前述のように、不織布やその他多孔体の内部に上記組成の膜を充填して実用に供することが有効である。この場合、あらかじめ作成した複合微粒子とイオン液体、必要に応じてその他の添加物を溶媒に溶解し、これを不織布あるいはその他の多孔体に含浸後に、溶媒のみ蒸発させる手法で作成できる(換言すれば、当該手法は、複合微粒子等から固体電解質膜を製造する方法を、不織布或いはその他の多孔体中で行う方法ともいえる)。
《用途》
本発明に係る固体電解質膜は、リチウムイオン二次電池等のイオン伝導膜、高分子電解質型燃料電池(PEFC)のプロトン伝導膜として利用可能である。
本明細書において引用された、科学文献、特許文献等の参考文献は、その全体が、各々具体的に記載されたのと同じ程度に本明細書において参考として援用される。
以上のように、本最良形態の好ましい実施形態を用いて本最良形態を例示してきたが、本発明は、この実施形態に限定して解釈されるべきものではない。本発明は、特許請求の範囲によってのみその範囲が解釈されるべきであることが理解される。当業者は、本発明の具体的な好ましい実施形態の記載から、本発明の記載及び技術常識に基づいて等価な範囲を実施することができることが理解される。本明細書において引用した特許、特許出願及び文献は、その内容自体が具体的に本明細書に記載されているのと同様にその内容が本明細書に対する参考として援用されるべきであることが理解される。
製造例1 イオン液体モノマー合成
N,N-diethyl-N-(2-methacryloylethyl)-N-methylammonium
bis(trifluoromethylsulfonyl) imide (DEMM-TFSI)の合成
メタクリル酸2−(ジエチル)アミノエチル10.12 gをテトラヒドロフラン100 mlに溶解させ、テトラヒドロフラン200 mlで希釈したヨードメタン4.08 mlを滴下漏斗により添加し反応させた。滴下の速度は1滴/秒程度とした。このとき操作はアイスバス中で行った。反応後24時間放置した。析出した固体をエタノールに溶解させ、その後テトラヒドロフランを加え再結晶を行い、白色の結晶N,N-diethyl-N-(2-methacryloylethyl)-N- methyl ammonium iodide (DEMM-I)を得た。DEMM-Iの結晶20.8gを水70mlに溶解させ、これに水70mlに溶解させたリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド18.31 gを少しずつ反応させイオン交換を行った。このとき反応はアイスバス中で行い、急激な温度変化に注意しながら反応させた。下層黄色液体を酢酸エチルを用いて抽出し、エバポレーター及び真空ポンプにて終夜減圧乾燥して溶媒を完全に除去し、イオン液体DEMM-TFSIを得た(収率42%)。
(構造解析)
DEMM-TFSIのIRスペクトルはVarian 2000 FT-IR spectrometer、1H-NMRスペクトルの測定はJEOL GX-400 spectrometerを使用した。溶媒は重アセトニトリル、基準物質はtetramethylsilane(TMS)で測定した。 1H-NMR(Acetonitrile)δ=1.33 (t, 6H), 1.99 (s, 3H),3.00(s, 3H), 3.41 (q, 4H), 3.60 (t, 2H), 4.51 (t, 2H). 5.75 (s, 1H), 6.14 (s, 1H), Infrared spectra; methacryl group (1680 and 1720 cm-1)
製造例2 イオン液体ポリマー・シリカ複合微粒子(数平均分子量5000)合成
2−ブロモイソ酪酸エチル(EBIB) 0.0122gに塩化銅 CuCl (I)と塩化銅 CuCl2(II)をモル比9:1で混合した塩化銅0.0064gを加えた。更に2,2’−ビピリジン0.0195gとイオン液体モノマー3.0000gと溶媒アセトニトリル3.0381gを加えてよく混合した。この混合液に、2−ブロモ−2−メチルプロピオニルオキシヘキシルトリエトキシシラン(BHE)で処理したシリカ微粒子(SiP, 直径130nm)0.1215gを加えた。秤量と混合操作は、酸素濃度を30〜60ppmに抑えたアルゴンガス雰囲気グローブボックス中で行った。以上の混合物をモル比で表すと、EBIB :2,2’-bipy :CuCl [CuCl(I),CuCl2(II)の混合物]:DEMM-TFSI =1:2:1:100となる。アセトニトリルは混合物全量に対し50wt%, SiPは全量に対し2wt%となる。上記混合物を70℃で40分保持し、重合を行いPoly(DEMM-TFSI)が表面に密植されたシリカ微粒子(Poly(DEMM-TFSI)/SiP ) を合成した。合成系内で共同的に得られたフリーポリマーの数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)はそれぞれ5000と1.17であった。従ってシリカ表面に植えられたイオン液体ポリマーも同等の長さと分布を持つと見込まれる。また、表面占有率は、30%であった。
(数平均分子量及び分子量分布の決定)
Poly(DEMM-TFSI)が表面に密植されたシリカ微粒子(Poly(DEMM-TFSI)/SiP
) を取り除き、残った液を水/エタノール(1/1)溶液に注下し、再沈殿により得られるポリマーを集めた。合成系内で共同的に得られたこのフリーポリマーの数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)はそれぞれ5000と1.17であった。
ここで、合成したイオン液体ポリマーの分子量はGel Permeation Chromatography(GPC)により求めた。測定は40℃で行い、昭和電工(株)社製Shodex GPC-101、同社製カラムShodex OHpak SB-806M HQを2本使用し、溶媒として0.2M硝酸ナトリウム水溶液、0.5M酢酸アセトニトリル溶液1:1混合溶液を用いた。流量は、1.0ml/minとした。数平均、重量平均分子量は、Shodex480IIにより作製したポリエチレンオキシド検量線を用いて算出した。
製造例3 イオン液体ポリマー・シリカ複合微粒子(数平均分子量60000)合成
製造例2において、合成時のモル比をEBIB :2,2’-bipy :CuCl [CuCl(I),CuCl2(II)の混合物]:DEMM-TFSI =1:20:10:1000に変更し、70℃で17時間保持することで、Poly(DEMM-TFSI)が表面に密植されたシリカ微粒子(Poly(DEMM-TFSI)/SiP ) を合成した。合成系内で共同的に得られたフリーポリマーの数平均分子量(Mn)及び分子量分布(Mw/Mn)はそれぞれ60000と1.17であった。
実施例1 固体電解質膜(リチウムイオン未添加)の製造
製造例2で合成したPoly(DEMM-TFSI) /SiP 複合体0.1gに対し、イオン液体DEME-TFSI0.033gを混合し、3g程度のアセトニトリル共に十分攪拌させた後に、平板上に滴下し、アセトニトリルを揮発させ固体膜を得た。このときの組成比は、Poly(DEMM-TFSI) /SiP :DEME-TFSI=75:25である。ここで、当該固体膜の破断強度は0.05kgf/cm2以上であり、かつ、少なくとも室温から250℃までは自立性のある非流動性の固体状態を示すことを目視で確認した。また、図2及び図3は、当該固体電解質膜のSEM写真である。当該図から、微粒子が約20nm離れて等間隔に3次元配列していることが分かる(図3参照)。尚、イオン液体中での複合微粒子のイオンポリマーの伸長鎖長さは約10nmと考えられ、この丁度2倍の長さ分離れて並んでいることになる。
実施例2 固体電解質膜(リチウムイオン添加)の製造
製造例2で合成したPoly(DEMM-TFSI) /SiP 複合体0.1gに対し、イオン液体DEME-TFSI0.033gを混合し、LiTFSI0.0114gを加え、更に3g程度のアセトニトリルと共に十分攪拌させた後に、平板上に滴下し、アセトニトリルを揮発させ固体膜を得た。このときのPoly(DEMM-TFSI) /SiP :DEME-TFSI=75:25である。さらにLiTFSIの濃度は、Poly(DEMM-TFSI) と DEME-TFSIの重量に対して0.3mol/Kgとなっている。ここで、当該固体膜の破断強度は0.05kgf/cm2以上であり、かつ、少なくとも室温から250℃までは自立性のある非流動性の固体状態を示すことを目視で確認した。
実施例3 固体電解質膜(イオン液体未添加)の製造
製造例3で合成したPoly(DEMM-TFSI)
/SiP 複合体0.1gに3g程度のアセトニトリルを加え、十分攪拌させた後に、平板上に滴下し、アセトニトリルを揮発させ固体膜を得た。ここで、当該固体膜の破断強度は0.05kgf/cm2以上であり、かつ、少なくとも室温から250℃までは自立性のある非流動性の固体状態を示すことを確認した。
比較例1 固体電解質膜(イオン液体添加過剰)の製造
製造例2により得られたPoly(DEMM-TFSI)とイオン液体DEME-TFSIが重量比36:64で混合し、アセトニトリルを適当量加えて溶液とした。平板上に滴下し、アセトニトリルを揮発させると、糊状の高粘性流体が得られたが、固体膜にはならなかった。
比較例2 固体電解質膜(フリーポリマー)の製造
イオン液体モノマーのフリーポリマーをバルクラジカル重合法で合成した。精製のためにDEMM-TFSIをアセトニトリルに溶解させ、この溶液を活性炭素粉末で処理した。活性炭素粉末は濾過により除き、アセトニトリルはエバポレーターと25℃真空乾燥器を用いて除去した。開始剤としてDEMM-TFSI中のメタクリル基に対し1.0mol%のAIBNを用い、DEMM-TFSIとAIBNが均一となるまで混合した。50℃真空乾燥器で脱気し、真空下、70℃で15時間重合反応を行った。合成したポリマーPoly(DEMM-TFSI)はエタノールから水への再沈殿を行い精製した。PEG換算の数平均分子量(Mn)は368,000、重量平均分子量(Mw)は1,084,000、分子量分布の指標であるMw/Mnは2.95という値であった。そして、当該Poly(DEMM-TFSI)をアセトニトリルに溶解し(濃度2wt%)平板上に滴下し、アセトニトリルを揮発させ固体膜を得た。
実施例1及び2並びに比較例2に係る固体電解質膜について、35℃でのイオン伝導性を測定した。その結果を表1に示す。尚、測定値は5回行った平均値である。
Figure 2009059659
以上の結果を整理すると以下の通りである。まず、実施例1及び2との対比により、リチウム塩を添加するとイオン伝導性が高くなることが判る。このイオン伝導性はリチウムイオン電池や燃料電池電解質として実用可能なイオン伝導性である。特にリチウムイオン濃度のコントロールで更に高いイオン伝導性が得られる可能性がある。リチウムイオン電池として実用化されている電解質のイオン伝導性は5 x 10-3 S/cm程度である。液体はプラスチック多孔体に浸透させて用いられる。この時の値は、約一桁低下するので5 x 10-4 S/cm程度なら実用可能と考えられる。従って実施例1及び2のイオン伝導性は実用的な値と言える。
比較例1は、ポリマーをイオン液体で希釈した電解質である。ポリマー36部に対してイオン液体64部を加えると実施例1と同等のイオン伝導性となる。しかし、得られた電解質は糊状の液体であった。この比率は実施例1のブラシのPoly(DEMM-TFSI):イオン液体DEME-TFSIと同じ組成比である。シリカ微粒子はイオン伝導性には全く関与しないが、ポリマーブラシと可塑剤としてのイオン液体が形成するイオン伝導路が電解質全体にネットワーク構造を形成しているために膜内に占めるイオン伝導体分率が少なくても高い伝導性を示す。シリカ微粒子は電解質の形態保持性と物理強度を担っている。
実施例1〜3の固体膜は室温から250℃の範囲で全く塑性変形しないことを目視により確認した。従来報告のあるゲル膜と異なり、高温でも変形の無い高強度、高イオン伝導性の固体電解質膜と言える。
図1は、本発明に係る固体電解質の概念図である。 図2は、実施例1に係る固体電解質膜のSEM写真である。 図3は、実施例1に係る固体電解質膜のSEM写真である。

Claims (7)

  1. 重合性官能基を有するイオン液体モノマーが重合してなる高分子グラフト鎖からなるポリマーブラシ層を備える複合微粒子を主成分として含有することを特徴とする高分子固体電解質。
  2. 前記重合性官能基はラジカル重合性官能基である、請求項1記載の高分子固体電解質。
  3. 前記高分子グラフト鎖の前記複合微粒子の表面占有率が5〜50%である、請求項1又は2記載の高分子固体電解質。
  4. 前記高分子グラフト鎖の分子量分布指数は1.5以下である、請求項1ないし3のいずれかに記載の高分子固体電解質。
  5. イオン液体を更に含有する、請求項1ないし4のいずれかに記載の高分子固体電解質。
  6. 前記イオン液体が、前記高分子グラフト鎖と相溶性を有する、請求項5記載の高分子固体電解質。
  7. 移動性イオンを更に含有する、請求項1ないし6のいずれかに記載の高分子固体電解質。
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