JP2020035587A - リチウムイオン伝導性ポリマー電解質 - Google Patents

リチウムイオン伝導性ポリマー電解質 Download PDF

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Abstract

【課題】低温でもイオン伝導率が高く、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度が高く、高い熱的及び電気化学的安定性を有し、広い電圧窓を有するリチウムイオン伝導性ポリマー電解質を提供する。【解決手段】イオン液体、ポリマー、リチウム塩及び無機電解質を含有する、リチウムイオン伝導性ポリマー電解質。【選択図】なし

Description

本発明は、リチウムイオン伝導性ポリマー電解質に関する。
既存のリチウムイオン二次電池の電解液には、通常、可燃性の有機溶媒を用いているために安全性に対する致命的な不安を抱えている。そこで、このような電解液を、難燃性のリチウムイオン導電性固体ポリマー電解質に置き換え、リチウムイオン二次電池を全固体化することで高い安全性が期待される。
現状では、固体ポリマー電解質(Solid polymer electrolyte, SPE)のイオン導電性の低さが広い実用化の妨げとなっているために、電解質のイオン導電性向上を目指した研究が盛んになされている。SPEの多くはポリエチレンオキサイド(polyethylene oxide;PEO)系のポリマーマトリックス中に電解質であるリチウム塩を溶解させた複合体から構成されている。PEOは-CH2CH2O-の繰返し構造を有しており、この中に含まれるエーテル結合を構成する酸素は非共有電子対を有するため、電解質塩中のリチウムイオンを強く溶媒和し、結果として溶解及び解離させることが可能となる。また、エーテル結合を構成する酸素は、そのC-O結合間での回転障壁が極めて小さいため、PEOは非常にガラス転移点が低く(-65℃)、リチウムイオンは高分子の局所運動(ミクロブラウン運動)と協同して輸送される(例えば、非特許文献1参照)。
Nano Energy 46 (2018) 176-184
ところが、従来のSPEではイオン伝導率は十分とは言えず、さらなる向上が求められている。一方、リチウムイオンの移動は正極及び負極の両電極と電解質との界面において起こるが、電極とSPEとの界面は固体−固体界面であり、その界面移動速度は従来の電解液を使用したリチウムイオン二次電池と比較して遅く、全固体リチウムイオン二次電池は通常60〜90℃程度に昇温する必要があった。したがって、低温で高いイオン伝導率を示すSPEを開発するだけでなく、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度も高くする必要がある。また、高い熱的及び電気化学的安定性や、リチウムポリマー電池に適した広い電圧窓を有する新規なSPEの開発も重要である。
以上から、本発明は、低温でもイオン伝導率が高く、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度が高く、高い熱的及び電気化学的安定性を有し、広い電圧窓を有するリチウムイオン伝導性ポリマー電解質を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記した目的を達成すべく鋭意研究を重ねてきた。その結果、イオン液体、ポリマー、リチウム塩及び無機電解質を含有することで、低温でもイオン伝導率が高く、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度が高く、高い熱的及び電気化学的安定性を有し、広い電圧窓を有するリチウムイオン伝導性ポリマー電解質が得られることを見出した。本発明者らは、このような知見に基づき、さらに研究を重ね、本発明を完成した。即ち、本発明は、以下の構成を包含する。
項1.イオン液体、ポリマー、リチウム塩及び無機電解質を含有する、リチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
項2.前記ポリマーが前記イオン液体で修飾されている、項1に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
項3.前記リチウムイオン伝導性ポリマー電解質の総量を100質量%として、前記イオン液体の含有量が0.1〜60質量%である、項1又は2に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
項4.前記リチウムイオン伝導性ポリマー電解質の総量を100質量%として、前記ポリマーの含有量が5〜80質量%である、項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
項5.前記リチウムイオン伝導性ポリマー電解質の総量を100質量%として、前記リチウム塩の含有量が5〜80質量%である、項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
項6.前記リチウムイオン伝導性ポリマー電解質の総量を100質量%として、前記無機電解質の含有量が1〜89.9質量%である、項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
項7.前記イオン液体が、ホスホニウムイオン及びアンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンと、ヒドロキシピリジン化合物からフェノール性水酸基の水素原子を除いたアニオンとから構成される、項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
項8.前記カチオンが、テトラメチルホスホニウムイオン、テトラエチルホスホニウムイオン、テトラn-プロピルホスホニウムイオン、テトラn-ブチルホスホニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラn-プロピルアンモニウムイオン、及びテトラn-ブチルアンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項7に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
項9.前記ヒドロキシピリジン化合物が、2-ヒドロキシピリジン、3-ヒドロキシピリジン、及び4-ヒドロキシピリジンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項7又は8に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
項10.前記ポリマーが、ポリエチレンオキシド、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリ(ビニリデンフルオライド)、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリピロール、ポリ塩化ビニル及びこれらの共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜9のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
項11.前記リチウム塩が、LiPF6、LiAsF6、LiClO4、LiBF4、リチウムビス(オキサレート)ボラート、リチウムジフルオロ(オキサレート)ボラート、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、及びリチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜10のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
項12.前記無機電解質が、ペロブスカイト型Li-La-Ti複合酸化物、NASICON型Li-Al-Ti複合リン酸塩、ガーネット型Li-La-Zr複合酸化物、ガーネット型Li-La-Zr-Ta複合酸化物、Li10GeP2S12、及びxLi2S-(1- x)P2S5(0.5≦x≦1)よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項1〜11のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
項13.項1〜12のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質の製造方法であって、
前記イオン液体、前記ポリマー、前記リチウム塩及び前記無機電解質を含む原料物質を不活性雰囲気下で混合する工程
を備える、製造方法。
項14.項1〜12のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質を含有する電解質層を備える、全固体リチウムイオン二次電池。
項15.ホスホニウムイオン及びアンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンと、ヒドロキシピリジン化合物からフェノール性水酸基の水素原子を除いたアニオンとから構成される、リチウムイオン伝導性ポリマー電解質用イオン液体。
項16.前記カチオンが、テトラメチルホスホニウムイオン、テトラエチルホスホニウムイオン、テトラn-プロピルホスホニウムイオン、テトラn-ブチルホスホニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラn-プロピルアンモニウムイオン、及びテトラn-ブチルアンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項15に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質用イオン液体。
項17.前記ヒドロキシピリジン化合物が、2-ヒドロキシピリジン、3-ヒドロキシピリジン、及び4-ヒドロキシピリジンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、項15又は16に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質用イオン液体。
項18.項15〜17のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質用イオン液体の製造方法であって、
ホスホニウム化合物及びアンモニウム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、ヒドロキシピリジン化合物とを含む溶液を乾燥する工程
を備える、製造方法。
本発明によれば、低温でもイオン伝導率が高く、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度が高く、高い熱的及び電気化学的安定性を有し、広い電圧窓を有するリチウムイオン伝導性ポリマー電解質を得ることができる。
実施例で充放電試験に用いた全固体リチウム二次電池セルの概略図を示す。 実施例1〜3で得られたSPEフィルムのイオン伝導率の結果を示す。 実施例1〜3で得られたSPEフィルムの熱的安定性ウインドウ及び実施例1で得られたSPEフィルムの電気化学的安定性ウインドウの結果を示す。左図は熱的安定性ウインドウ、右図は電気化学的安定性ウインドウの結果である。 実施例1及び比較例1で得られたSPEフィルムのリチウムイオン遷移数の結果を示す。左図は実施例1、右図は比較例1の結果である。 実施例1で得られたSPEフィルムを用いた全固体リチウムイオン二次電池の放電容量及びサイクル特性の結果を示す。左図は充放電電流を0.2Cで固定した場合の充放電の安定性、右図は充放電電流を0.2〜1Cで変化させた場合の充放電の安定性を示している。 実施例1で得られたSPEフィルムのX線回折プロファイルを示す。参考のため、原料であるLLZTO及びPEOポリマーのX線回折プロファイルも示す。
本明細書において、「全固体リチウムイオン二次電池」は、固体電解質を用いた電解質層を備え、リチウムイオンを電荷担体とするリチウムイオン二次電池を意味しており、リチウム金属を負極層とする全固体リチウム二次電池も包含する概念である。また、本明細書において、「含有」は、「含む(comprise)」、「実質的にのみからなる(consist essentially of)」、及び「のみからなる(consist of)」のいずれも包含する概念である。さらに、本明細書において、数値範囲を「A〜B」で示す場合、A以上B以下を意味する。
1.リチウムイオン伝導性ポリマー電解質
本発明のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質は、イオン液体、ポリマー、リチウム塩及び無機電解質を含有する。このような構成を採用することにより、イオン液体でポリマーを修飾することができ、ポリマーの結晶化が抑制されてリチウムイオンの移動が促進されることでイオン伝導率を高くすることができるとともに、安定な界面層が形成されてリチウムデンドライトの生成を効果的に抑制でき放電容量及びサイクル特性を向上させることができる。また、イオン液体がリチウム塩の解離を促進し、リチウムイオンの移動が促進されることで電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度を高くすることができる。さらに、このような構成を採用することにより、高い熱的及び電気化学的安定性を有し、広い電圧窓を有することができる。
(1−1)イオン液体
本発明において、イオン液体としては、特に制限されるわけではないが、イオン伝導率、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度、熱的及び電気化学的安定性、電圧窓、放電容量、サイクル特性等の観点から、ホスホニウムイオン及びアンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンと、ヒドロキシピリジン化合物からフェノール性水酸基の水素原子を除いたアニオンとから構成されることが好ましい。このようなイオン液体は、リチウムイオン伝導性ポリマー電解質用イオン液体として有用であり、後述するポリマーを修飾(結合)することで、ポリマーの結晶化が抑制されてリチウムイオンの移動が促進されイオン伝導率を高くすることができるとともに、安定な界面層が形成されてリチウムデンドライトの生成を効果的に抑制でき放電容量及びサイクル特性を向上させることができる。また、このようなイオン液体がリチウム塩の解離を促進し、リチウムイオンの移動が促進されることで電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度を高くすることができる。
このようなイオン液体を構成するカチオンとしては、特に制限されるわけではないが、例えば、テトラメチルホスホニウムイオン、テトラエチルホスホニウムイオン、テトラn-プロピルホスホニウムイオン、テトラn-ブチルホスホニウムイオン等のホスホニウムイオンや、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラn-プロピルアンモニウムイオン、テトラn-ブチルアンモニウムイオン等のアンモニウムイオン等が挙げられる。これらのカチオンは単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。なかでも、イオン伝導率、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度、熱的及び電気化学的安定性、電圧窓、放電容量、サイクル特性等の観点から、ホスホニウムイオンが好ましく、テトラn-ブチルホスホニウムイオンがより好ましい。
このようなイオン液体を構成するアニオンとしては、特に制限されるわけではないが、例えば、2-ヒドロキシピリジン、3-ヒドロキシピリジン、4-ヒドロキシピリジン等のヒドロキシピリジン化合物からフェノール性水酸基の水素原子を除いたイオン:
等が挙げられる。これらのアニオンは単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。なかでも、イオン伝導率、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度、熱的及び電気化学的安定性、電圧窓、放電容量、サイクル特性等の観点から、2-ヒドロキシピリジンからフェノール性水酸基の水素原子を除いたイオンが好ましい。
本発明において、イオン液体は、上記のとおりカチオン及びアニオンのいずれも1価であるため、その含有量については、カチオンとアニオンが同モルであることが理想的である。ただし、他のイオン種、例えばリチウムイオン、塩化物イオン等が少量共存していても差し支えはなく、例えばカチオンを40〜60モル%(特に45〜55モル%)、アニオンを40〜60モル%(特に45〜55モル%)とすることもできる。
上記のようなイオン液体は、ホスホニウム化合物及びアンモニウム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、ヒドロキシピリジン化合物とを含む溶液を乾燥する工程を備える製造方法により得ることができる。
ホスホニウム化合物及びアンモニウム化合物については、例えば、上記したカチオンと水酸化物イオン等のアニオンとから構成される化合物を採用することができる。例えば、テトラメチルホスホニウムヒドロキシド、テトラエチルホスホニウムヒドロキシド、テトラn-プロピルホスホニウムヒドロキシド、テトラn-ブチルホスホニウムヒドロキシド等のホスホニウムヒドロキシドや、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラn-プロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラn-ブチルアンモニウムヒドロキシド等のアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。これらの化合物は単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
ホスホニウム化合物及びアンモニウム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、ヒドロキシピリジン化合物とを含む溶液の調製方法は特に制限されない。例えば、ホスホニウム化合物及びアンモニウム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、ヒドロキシピリジン化合物を有機溶媒(メタノール、エタノール等のアルコール)中に溶解させた溶液とを混合することが挙げられる。
乾燥前に、必要に応じて溶液を攪拌することもできる。攪拌方法は特に制限されず、常法にしたがって行うことができる。
乾燥方法は特に制限されず、常法にしたがって行うことができる。例えば、-0.02〜-0.1MPa(特に-0.08〜-0.1MPa)の減圧又は真空下において、50〜100℃(特に60〜75℃)で24〜72時間(特に42〜50時間)乾燥することができる。
このようにして得られたイオン液体の含有量は、特に制限されるわけではないが、イオン伝導率、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度、熱的及び電気化学的安定性、電圧窓、放電容量、サイクル特性等の観点から、リチウムイオン伝導性ポリマー電解質の総量を100質量%として、0.1〜60質量%が好ましく、1〜40質量%がより好ましく、3〜30質量%がさらに好ましい。複数種のイオン液体を使用する場合は、その合計量が上記範囲内となるように調整することが好ましい。
(1−2)ポリマー
本発明において、ポリマーとしては、特に制限されるわけではないが、イオン伝導率、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度、熱的及び電気化学的安定性、電圧窓、放電容量、サイクル特性等の観点から、ポリエチレンオキシド、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリ(ビニリデンフルオライド)、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリピロール、ポリ塩化ビニル、これらの共重合体等が好ましい。このようなポリマーは、上記したイオン液体で修飾(結合)されることで、結晶化が抑制されてリチウムイオンの移動が促進されイオン伝導率を高くすることができるとともに、安定な界面層が形成されてリチウムデンドライトの生成を効果的に抑制でき放電容量及びサイクル特性を向上させることができる。これらのポリマーは単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
このようなポリマーの含有量は、特に制限されるわけではないが、イオン伝導率、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度、熱的及び電気化学的安定性、電圧窓、放電容量、サイクル特性等の観点から、リチウムイオン伝導性ポリマー電解質の総量を100質量%として、5〜80質量%が好ましく、30〜75質量%がより好ましい。複数種のポリマーを使用する場合は、その合計量が上記範囲内となるように調整することが好ましい。
(1−3)リチウム塩
本発明において、イオン液体としては、特に制限されるわけではないが、イオン伝導率、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度、熱的及び電気化学的安定性、電圧窓、放電容量、サイクル特性等の観点から、LiPF6、LiAsF6、LiClO4、LiBF4、リチウムビス(オキサレート)ボラート、リチウムジフルオロ(オキサレート)ボラート、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、リチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミド等が好ましい。このようなリチウム塩は、上記したイオン液体により解離が促進され、リチウムイオンの移動が促進されることで電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度を高くすることができる。これらのリチウム塩は単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
このようなリチウム塩の含有量は、特に制限されるわけではないが、イオン伝導率、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度、熱的及び電気化学的安定性、電圧窓、放電容量、サイクル特性等の観点から、リチウムイオン伝導性ポリマー電解質の総量を100質量%として、5〜80質量%が好ましく、20〜60質量%がより好ましい。複数種のリチウム塩を使用する場合は、その合計量が上記範囲内となるように調整することが好ましい。
(1−4)無機電解質
本発明において、無機電解質としては、特に制限されるわけではないが、イオン伝導率、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度、熱的及び電気化学的安定性、電圧窓、放電容量、サイクル特性等の観点から、ペロブスカイト型Li-La-Ti複合酸化物(Li3xLa2/3-xTiO33(0<x<1)等)、NASICON型Li-Al-Ti複合リン酸塩(Li1+xAlxTi2-x(PO4)3(0<x<1)等)、ガーネット型Li-La-Zr複合酸化物(Li7La3Zr2O12等)、ガーネット型Li-La-Zr-Ta複合酸化物(Li6.4La3Zr1.4Ta0.6O12等)、Li10GeP2S12、xLi2S-(1- x)P2S5(0.5≦x≦1)等が好ましい。このような構成を採用することにより、イオン伝導率を高くすることができるとともに、安定な界面層が形成されてリチウムデンドライトの生成を効果的に抑制でき放電容量及びサイクル特性を向上させることができる。これらの無機電解質は単独で用いることもでき、2種以上を組合せて用いることもできる。
このような無機電解質の含有量は、特に制限されるわけではないが、イオン伝導率、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度、熱的及び電気化学的安定性、電圧窓、放電容量、サイクル特性等の観点から、リチウムイオン伝導性ポリマー電解質の総量を100質量%として、1〜89.9質量%が好ましく、7.5〜40質量%がより好ましい。複数種の無機電解質を使用する場合は、その合計量が上記範囲内となるように調整することが好ましい。
以上のような条件を満たす本発明のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質の形状は特に制限されず、例えば、粉末状、粒状、ペレット状、繊維状、薄膜状、板状等の任意の形状を採用することができる。なお、後述の製造方法によれば、薄膜状のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質を製造することも可能であり、この場合にはそのままリチウムイオン二次電池用電解質層として使用することが可能である。
2.リチウムイオン伝導性ポリマー電解質の製造方法
本発明のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質は、例えば、イオン液体、ポリマー、リチウム塩及び無機電解質を含む原料物質に対して不活性雰囲気下で混合した後に、加熱する工程を備える製造方法により得ることができる。
原料物質における各成分の含有量は限定されず、最終的に得ようとするリチウムイオン伝導性ポリマー電解質の組成に応じて適宜選択することができる。
混合方法は特に制限されず、乳鉢混合、メカニカルミリング処理(ボールミル混合、振動ミル混合等)、各成分を溶媒中に分散させた後に混合する方法、各成分を溶媒中で一度に分散させて混合する方法等を採用することができる。
混合雰囲気は不活性雰囲気であれば特に制限されず、例えば、窒素ガス雰囲気、アルゴンガス雰囲気等が挙げられる。
混合時間は特に制限されず、各成分を十分に混合させることができる時間とすることができ、5〜30分 が好ましく、10〜15分 がより好ましい。また、混合を行う温度は特に制限されず、0〜50℃(例えば室温)で行うことができる。
本発明では、このようにして混合を行った後、乾燥(加熱)することが好ましい。これにより、結晶性をより高めることでイオン伝導率をより高めることができる。
乾燥方法は特に制限されず、常法にしたがって行うことができる。例えば、大気圧を0MPaとしたゲージ圧表記で-0.06〜-0.1MPa(特に-0.08〜-0.1MPa)の減圧又は真空下において、65〜80℃(特に70〜75℃)で6〜18時間(特に10〜12時間)乾燥することができる。
このようにして本発明のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質が得られるが、リチウムイオン二次電池用電解質層とするために薄膜状に成形する場合は、この後加圧することが好ましい。
乾燥方法は特に制限されず、常法にしたがって行うことができる。例えば、1〜30MPa(特に10〜20MPa)において、2〜10分(特に3〜5分)加圧することができる。
3.全固体リチウムイオン二次電池
本発明のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質を用いる全固体リチウムイオン二次電池は、公知の手法により製造することができる。 本発明の全固体リチウム二次電池は、本発明のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質を含む電解質層を備えるものであるが、例えば、正極集電箔、正極層、電解質層、負極層及び負極集電箔をこの順に備える(積層した)全固体リチウム二次電池とすることができる。電解質層は、上記のとおり、本発明のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質を薄膜状に成形することで使用することができる。この電解質層の厚みは、イオン伝導率、電極とSPEとの界面のリチウムイオンの移動速度、熱的及び電気化学的安定性、電圧窓、放電容量、サイクル特性等の観点から、75〜200μmが好ましく、100〜120μmがより好ましい。
正極集電箔としては、特に制限はなく、様々な金属、合金、炭素材料等を使用することができ、例えば、金、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、これらの合金、炭素材料等が挙げられる。
正極集電箔の厚みは、特に制限はなく、全固体リチウムイオン二次電池として成型できる範囲において、よりコンパクトにすることでエネルギー密度を担保する観点から、1〜100μmが好ましい。
正極層を構成する正極活物質としては、リチウム含有酸化物を使用することができ、例えば、LiCoO2、LiMO2(M: Fe, Co, Ni, Mn, Ti及びAlの少なくとも1種)、LiM2O4(M: Fe, Co, Ni, Mn, Ti及びAlの少なくとも1種)、LiMPO4(M: Fe, Co, Ni, Mn, Ti及びAlの少なくとも1種)等が挙げられる。
一般に、正極活物質は、電子伝導度の低い材料が多いことから、正極層中に固体電解質、導電助剤等を含ませていてもよい。また、上記正極活物質が導電助剤で覆われていてもよい。
固体電解質としては、特に制限されるわけではないが、上記した無機電解質を採用することができる。特に、電解質層内の本発明のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質中に含まれる無機電解質と同じ材料を用いることが、電解質層と正極層との接合しやすさ、イオン伝導率等の観点から好ましい。正極層中に固体電解質を含んでいる場合、固体電解質の含有量は、全固体リチウムイオン二次電池全体のエネルギー密度等の観点から、正極層の総量を100質量%として、1〜60質量%が好ましく、1〜20質量%がより好ましい。
導電助剤としては、例えば、黒鉛;カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック等);表面に非晶質炭素を生成させた炭素材料等の非晶質炭素材料;繊維状炭素(気相成長炭素繊維、ピッチを紡糸した後に炭化処理して得られる炭素繊維等);カーボンナノチューブ(各種の多層又は単層のカーボンナノチューブ)等の1種又は2種以上を用いることができる。正極層中に導電助剤を含んでいる場合、導電助剤の含有量は、全固体電池全体のエネルギー密度等の観点から、正極層の総量を100質量%として、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜5質量%がより好ましい。
正極層は、上記成分以外にも、バインダー(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、金属微粒子等の各種添加材を含むこともできる。この場合、添加剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲が好ましく、具体的には、正極層の総量を100質量%として、0〜10質量%が好ましく、0.1〜5.0質量%がより好ましい。
正極層の厚みは、特に制限はなく、全固体リチウムイオン二次電池として成型できる範囲において、よりコンパクトにすることでエネルギー密度を担保する観点から、5〜1000μmが好ましく、10〜100μmがより好ましい。
負極層を構成する負極活物質としては、リチウム金属、リチウム貯蔵炭素物質、リチウム合金(Li-Al合金、Li-In合金、Li-Sn合金等)、リチウムチタン酸化物(Li4Ti5O12等)、シリコン、シリコン含有化合物(SiO、SiC等)、ナシコン型構造の結晶を含む物質(Li1+x+yMxE2-xSiyP3-yO12; 0≦x≦0.4, 0<y≦0.6, MはAl及び/又はGaを示す。EはTi,Ge及びZrの少なくとも1種を示す。)等が挙げられ、全固体リチウムイオン二次電池全体のエネルギー密度等の観点からはリチウム金属が好ましく、全固体リチウムイオン二次電池全体の安全性等の観点からはリチウムチタン酸化物が好ましい。
負極活物質として、電子伝導度の低い材料を使用する場合には、負極層中に導電助剤等を含ませていてもよい。また、上記負極活物質が導電助剤で覆われていてもよい。
導電助剤としては、例えば、黒鉛;カーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック等);表面に非晶質炭素を生成させた炭素材料等の非晶質炭素材料;繊維状炭素(気相成長炭素繊維、ピッチを紡糸した後に炭化処理して得られる炭素繊維等);カーボンナノチューブ(各種の多層又は単層のカーボンナノチューブ)等の1種又は2種以上を用いることができる。負極層中に導電助剤を含んでいる場合、導電助剤の含有量は、全固体リチウムイオン二次電池全体のエネルギー密度等の観点から、負極層の総量を100質量%として、0.1〜20質量%が好ましく、0.1〜5.0質量%がより好ましい。
負極層は、上記成分以外にも、バインダー(ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等)、金属微粒子等の各種添加材を含むこともできる。この場合、添加剤の含有量は、本発明の効果を損なわない範囲が好ましく、具体的には、負極層の総量を100質量%として、0〜10質量%が好ましく、0.1〜5.0質量%がより好ましい。
負極層の厚みは、特に制限はなく、全固体チウムイオン二次電池として成型できる範囲において、よりコンパクトにすることでエネルギー密度を担保する観点から、1〜1000μmが好ましく、5〜100μmがより好ましい。
負極集電箔としては、特に制限はなく、様々な金属、合金、炭素材料等を使用することができる。このような負極集電箔としては、例えば、金、アルミニウム、銅、ステンレス鋼、ニッケル、チタン、これらの合金、炭素材料等が挙げられる。
負極集電箔の厚みは、特に制限はなく、全固体リチウムイオン二次電池として成型できる範囲において、よりコンパクトにすることでエネルギー密度を担保する観点から、1〜100μmが好ましい。
さらに、必要に応じてその他の公知の電池構成要素を使用して、常法に従って、全固体リチウムイオン二次電池を組立てることができる。
以下、実施例および比較例を示し、本発明の特徴とするところを一層明確にするが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
なお、以下の実施例においては、各成分は以下:
2-ヒドロキシピリジン:富士フイルム和光純薬(株)製
テトラブチルホスホニウムヒドロキシド:富士フイルム和光純薬(株)製
ポリエチレンオキシド(PEOポリマー):SIGMA-ALDRICH製(Average Mv 600,000、融点:65℃)
Li6.4La3Zr1.4Ta0.6O12(LLZTO):(株)豊島製作所製(平均粒子径10μm)
リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LITFSI):富士フイルム和光純薬(株)製
のものを使用した。
実施例1
まず、簡便な液相反応法を利用して、テトラブチルホスホニウム2-ヒドロキシピリジン(TBPHP)イオン液体を合成した。
具体的には、2-ヒドロキシピリジン(HP)のエタノール溶液にテトラブチルホスホニウムヒドロキシド(TBP)のエタノール溶液を、2-ヒドロキシピリジン(HP)とテトラブチルホスホニウムヒドロキシドとの比率がモル比で1: 1となるように滴下し、室温で24時間撹拌した後、真空オーブンにて大気圧を0MPaとしたゲージ圧表記で-0.1 MPaの真空下に70℃で48時間乾燥した。
次に、アルゴン(Ar)を充填したグローブボックス中で、PEOポリマー、Li6.4La3Zr1.4Ta0.6O12(LLZTO)、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LITFSI)、及び上記で得られたイオン液体(TBPHP)を、PEOポリマー: LITFSI: LLZTO: TBPHP= 45: 36: 9: 10(質量比)の比率で秤量し、メノウ乳鉢にて室温で10分間均一に混合した後、密閉状態で真空オーブンに移し、大気圧を0MPaとしたゲージ圧表記で-0.1MPaの真空下に70℃で12時間乾燥した。得られた粉末を20MPaの圧力で3分間プレスして、電解質層として使用する実施例1のSPEフィルム(厚み0.1mm)を得た。
得られたSPEフィルムを2つのステンレススチール製ブロッキング電極の間に挟み、Princeton電気化学ステーションVersaSTAT 4を用い、温度30〜65℃、周波数105〜0.1Hz、及びAC振幅5mVで電気化学インピーダンス分光法によってイオン伝導率を測定した。
次に、得られたSPEフィルムの熱的安定性ウインドウは、窒素(N2)雰囲気下で、昇温速度10℃/minにて、25℃から550℃まで昇温し、熱重量分析装置(DTG-60H)を用いて、各温度におけるSPEフィルムの質量減少率(質量%)により評価した。また、SPEフィルムの電気化学的安定性ウインドウは、電位範囲2.5〜6.3Vにおける線形掃引ボルタンメトリーにより、走査速度1mV s-1で評価した。
次に、得られたSPEフィルムのリチウムイオン移動遷移数(リチウムイオンの移動速度)については、ACインピーダンス測定に関連する10mVのDC分極電圧を有する対称Li / SPEフィルム / Liセルを用いて測定した。Li電極の厚みは、いずれも0.1mmとした。初期(I0)及び定常(Iss)電流は、直流分極試験により評価した。
次に、得られたSPEフィルムを用いて、充放電試験用の全固体リチウム二次電池セルを図1のように作製した。
負極集電箔としては銅フォイル(厚み0.01mm)を用い、負極層としてはリチウム金属(厚み0.01mm)を用いた。一方、正極集電箔としてはアルミフォイル(厚み0.01mm)を用い、正極層としては正極活物質LiFePO4と導電助剤カーボンブラックとを85: 15(質量比)で秤量し、メノウ乳鉢にて均一に混合した後、密閉状態で真空オーブンに移し、大気圧を0MPaとしたゲージ圧表記で-0.1MPaの減圧下に100℃で24時間乾燥した後に、得られた粉末を10MPaの圧力で5分間プレスして、得られた正極層(厚み0.02mm)を使用した。
アルゴン(Ar)を充填したグローブボックス中で、銅フォイルの上に、リチウム金属、得られたSPEフィルム、用意した正極層及びアルミフォイルをこの順に積層し、手動プレスを用い、層厚みが12mmの全固体リチウム二次電池セルを得た。
作製した全固体リチウム二次電池セルを用いて、25℃で充放電試験を行った。まず、カットオフ電圧(2.9〜3.8V)で制御し、0.2Cに相当する充放電電流で20サイクル充放電試験を行った。次に、カットオフ電圧(2.9〜3.8V)で制御し、0.2Cに相当する充放電電流で5サイクル、次いで0.5Cに相当する充放電電流で5サイクル、次いで1Cに相当する充放電電流で5サイクル、次いで0.2Cに相当する充放電電流で5サイクル充放電試験を行った。
実施例2
電解質層を作製する際に、PEOポリマー、Li6.4La3Zr1.4Ta0.6O12(LLZTO)、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LITFSI)、及び上記で得られたイオン液体(TBPHP)を、PEOポリマー: LITFSI: LLZTO: TBPHP=47.5: 38: 9.5: 5(質量比)の比率としたこと以外は実施例1と同様に、SPEフィルムを作製した。また、実施例1と同様に、得られたSPEフィルムのイオン伝導率及び熱的安定性ウインドウを測定した。
実施例3
電解質層を作製する際に、PEOポリマー、Li6.4La3Zr1.4Ta0.6O12(LLZTO)、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LITFSI)、及び上記で得られたイオン液体(TBPHP)を、PEOポリマー: LITFSI: LLZTO: TBPHP=40: 32: 8: 20(質量比)の比率としたこと以外は実施例1と同様に、SPEフィルムを作製した。また、実施例1と同様に、得られたSPEフィルムのイオン伝導率及び熱的安定性ウインドウを測定した。
比較例1
電解質層を作製する際に、PEOポリマー、Li6.4La3Zr1.4Ta0.6O12(LLZTO)、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド(LITFSI)、及び上記で得られたイオン液体(TBPHP)を、PEOポリマー: LITFSI: LLZTO: TBPHP=50: 40: 10: 0(質量比)の比率とした(イオン液体を使用しなかった)こと以外は実施例1と同様に、SPEフィルムを作製した。また、実施例1と同様に、得られたSPEフィルムのイオン伝導率、熱及び電気化学的安定性ウインドウ、並びにリチウムイオン遷移数を測定した。
実施例1〜3で得られたSPEフィルムのイオン伝導率の結果を図2に示す。この結果、55℃において、比較例1のイオン伝導率は2.5×10-4S cm-1であったのに対し、実施例1のイオン伝導率は1.3×10-3S cm-1であった。イオン液体を添加することによってPEOポリマーの結晶化が抑制され、リチウムイオンの移動が促進されたものと考えられる。
実施例1〜3で得られたSPEフィルムの熱的安定性ウインドウ及び実施例1で得られたSPEフィルムの電気化学的安定性ウインドウの結果を図3に示す。この結果、実施例1ではSPEフィルムの熱的及び電気化学的安定性がいずれも改善されたことが理解できる。
実施例1及び比較例1で得られたSPEフィルムのリチウムイオン遷移数の結果を図4に示す。この結果、比較例1のSPEフィルムのリチウムイオン遷移数(tLi+)は0.2162であったのに対し、実施例1のSPEフィルムのリチウムイオン遷移数(tLi+)は0.5957であった。このリチウムイオン遷移数増強効果は、イオン液体の添加によってリチウム塩の解離を促進し、リチウムイオンの移動を促進したものと考えられる。
実施例1で得られたSPEフィルムを用いた全固体リチウム二次電池の放電容量及びサイクル特性の結果を図5に示す。この結果、実施例1のSPEフィリウムを用いた全固体リチウム二次電池の初期放電容量は145.50mAh g-1であり、高分子論文集, Vol. 63, No. 3, pp. 139-148(Mar., 2006)では122.5mAh g-1であることと比較すると優れた結果が得られた。また、0.2Cで20サイクルの充放電を行った後の放電容量は初期放電容量の97.7%に達し、優れたサイクル安定性を示すことが確認された。イオン液体の添加によって安定な界面層が形成され、リチウムデンドライトの生成を効果的に抑制したものと考えられる。
なお、実施例1で得られたSPEフィルムと、原料であるLLZTO及びPEOポリマーのX線回折プロファイルを図6に示す。この結果、実施例1のSPEフィルムでは、含有量が少ないためか、PEOポリマーのピーク強度は低いものの、LLZTO及びPEOポリマーの結晶構造には原料自身と変化がなく、LLZTOがPEOポリマーに修飾(結合)することで上記の効果を奏していることが示唆されている。

Claims (18)

  1. イオン液体、ポリマー、リチウム塩及び無機電解質を含有する、リチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
  2. 前記ポリマーが前記イオン液体で修飾されている、請求項1に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
  3. 前記リチウムイオン伝導性ポリマー電解質の総量を100質量%として、前記イオン液体の含有量が0.1〜60質量%である、請求項1又は2に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
  4. 前記リチウムイオン伝導性ポリマー電解質の総量を100質量%として、前記ポリマーの含有量が5〜80質量%である、請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
  5. 前記リチウムイオン伝導性ポリマー電解質の総量を100質量%として、前記リチウム塩の含有量が5〜80質量%である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
  6. 前記リチウムイオン伝導性ポリマー電解質の総量を100質量%として、前記無機電解質の含有量が1〜89.9質量%である、請求項1〜5のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
  7. 前記イオン液体が、ホスホニウムイオン及びアンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンと、ヒドロキシピリジン化合物からフェノール性水酸基の水素原子を除いたアニオンとから構成される、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
  8. 前記カチオンが、テトラメチルホスホニウムイオン、テトラエチルホスホニウムイオン、テトラn-プロピルホスホニウムイオン、テトラn-ブチルホスホニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラn-プロピルアンモニウムイオン、及びテトラn-ブチルアンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項7に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
  9. 前記ヒドロキシピリジン化合物が、2-ヒドロキシピリジン、3-ヒドロキシピリジン、及び4-ヒドロキシピリジンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項7又は8に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
  10. 前記ポリマーが、ポリエチレンオキシド、ポリ(3,4-エチレンジオキシチオフェン)、ポリアクリロニトリル、ポリメチルメタクリレート、ポリ(ビニリデンフルオライド)、ポリ(エチレングリコール)ジアクリレート、ポリビニルピロリドン、ポリピロール、ポリ塩化ビニル及びこれらの共重合体よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜9のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
  11. 前記リチウム塩が、LiPF6、LiAsF6、LiClO4、LiBF4、リチウムビス(オキサレート)ボラート、リチウムジフルオロ(オキサレート)ボラート、リチウムビス(フルオロスルホニル)イミド、リチウムビス(トリフルオロメチルスルホニル)イミド、及びリチウムビス(ペンタフルオロエタンスルホニル)イミドよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜10のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
  12. 前記無機電解質が、ペロブスカイト型Li-La-Ti複合酸化物、NASICON型Li-Al-Ti複合リン酸塩、ガーネット型Li-La-Zr複合酸化物、ガーネット型Li-La-Zr-Ta複合酸化物、Li10GeP2S12、及びxLi2S-(1- x)P2S5(0.5≦x≦1)よりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項1〜11のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質。
  13. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質の製造方法であって、
    前記イオン液体、前記ポリマー、前記リチウム塩及び前記無機電解質を含む原料物質に対して不活性雰囲気下で混合する工程
    を備える、製造方法。
  14. 請求項1〜12のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質を含有する電解質層を備える、全固体リチウムイオン二次電池。
  15. ホスホニウムイオン及びアンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種のカチオンと、ヒドロキシピリジン化合物からフェノール性水酸基の水素原子を除いたアニオンとから構成される、リチウムイオン伝導性ポリマー電解質用イオン液体。
  16. 前記カチオンが、テトラメチルホスホニウムイオン、テトラエチルホスホニウムイオン、テトラn-プロピルホスホニウムイオン、テトラn-ブチルホスホニウムイオン、テトラメチルアンモニウムイオン、テトラエチルアンモニウムイオン、テトラn-プロピルアンモニウムイオン、及びテトラn-ブチルアンモニウムイオンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項15に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質用イオン液体。
  17. 前記ヒドロキシピリジン化合物が、2-ヒドロキシピリジン、3-ヒドロキシピリジン、及び4-ヒドロキシピリジンよりなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項15又は16に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質用イオン液体。
  18. 請求項15〜17のいずれか1項に記載のリチウムイオン伝導性ポリマー電解質用イオン液体の製造方法であって、
    ホスホニウム化合物及びアンモニウム化合物よりなる群から選ばれる少なくとも1種と、ヒドロキシピリジン化合物とを含む溶液を乾燥する工程
    を備える、製造方法。
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