JP2011026832A - 車両用開閉体制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ラッチ機構の作動精度の低下を抑制しつつ、開閉体の開閉操作時の利便性を向上することができる車両用開閉体制御装置を提供する。
【解決手段】ドアECUは、中立位置検出スイッチによる中立位置の検出不可状態のとき、クローズ作動後にアクティブレバーが中立位置に向かう方向に所定時間又は所定量だけ反転駆動する応力緩和作動を行い、該応力緩和作動後にスライドドアの作動要求の検出に伴うアクティブレバーの駆動を禁止する。中立位置検出スイッチによる中立位置の検出不可状態の回数が複数回数である所定回数に満たないときに、アクティブレバーの駆動禁止を無効化する。
【選択図】図8

Description

本発明は、ラッチ機構により車両に搭載される開閉体を保持させるクローズ作動及びラッチ機構による開閉体の保持を解放させるリリース作動を電動で行う車両用開閉体制御装置に関するものである。
従来、車両用開閉体制御装置としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この装置は、開閉体としての車両ドアの閉作動に伴い、いわゆる半ドア状態になると、モータ部の駆動により中立位置にある作動用ギヤをドア全閉側に回動させてラッチ機構により車両ドアを全閉状態で保持させるクローズ作動を行うとともに、その後に作動用ギヤを中立位置に復帰させる。あるいは、例えばユーザのボタン操作などにより車両ドアの開作動要求が検出されると、モータ部の駆動により中立位置にある作動用ギヤをドア全閉解除側に回動させてラッチ機構による車両ドアの保持を解放させるリリース作動を行うとともに、その後に作動用ギヤを中立位置に復帰させる。なお、作動用ギヤが中立位置にあることは、中立スイッチの検出信号(オン・オフ状態の切り替わり)に基づき検出される。
また、前記クローズ作動後に、中立スイッチの異常により作動用ギヤの中立位置の検出ができない場合には、異常作動モードに移行して応力緩和作動を実施し、その後、強制停止にて作動用ギヤ(モータ部)の非駆動状態を維持する。なお、応力緩和作動は、クローズ作動時にラッチ機構等に過度に生じた応力を緩和するためのもので、ラッチ機構による車両ドアの保持が解放されないように基本的に作動用ギヤはドア全閉側寄りで停止される。
特開2002−250163号公報
ところで、特許文献1では、中立スイッチの異常による応力緩和作動後に強制停止が実施されることで、その後は車両ドアの開作動要求の検出に伴う前記リリース作動が受け付けられなくなる。このため、ユーザの通常操作による車両ドアの開作動ができなくなって利便性を損なうことになっている。
一方、利便性を重視して中立スイッチの異常による応力緩和作動後も前記リリース作動をそのまま受け付け続けていると、作動用ギヤの位置誤差が累積されてラッチ機構の作動精度が低下する可能性がある。
本発明の目的は、ラッチ機構の作動精度の低下を抑制しつつ、開閉体の開閉操作時の利便性を向上することができる車両用開閉体制御装置を提供することにある。
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、ラッチ機構と、該ラッチ機構に連係可能に設けられる駆動レバーと、該駆動レバーが前記ラッチ機構を解放する所定の中立位置にあることを検出する中立位置検出手段と、前記駆動レバーを前記中立位置を起点に一方向に駆動して前記ラッチ機構により開閉体を保持させるクローズ作動を行うとともに、前記開閉体の作動要求が検出されたときに前記駆動レバーを前記中立位置を起点に他方向に駆動して前記ラッチ機構による前記開閉体の保持を解放させるリリース作動を行い、前記クローズ作動又はリリース作動後に前記駆動レバーが前記中立位置に復帰するように反転駆動する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記中立位置検出手段による前記中立位置の検出不可状態のとき、前記クローズ作動後に前記駆動レバーが前記中立位置に向かう方向に所定時間又は所定量だけ反転駆動する応力緩和手段と、前記応力緩和手段による反転駆動後、前記開閉体の作動要求の検出に伴う前記駆動レバーの駆動を禁止する禁止手段と、前記検出不可状態の回数が複数回数である所定回数に満たないときに、前記禁止手段による前記駆動レバーの駆動禁止を無効化する無効化手段とを備えたことを要旨とする。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の車両用開閉体制御装置において、前記所定回数は、前記中立位置検出手段による前記中立位置の検出不可状態の連続する回数又は所定時間内で累積された回数であることを要旨とする。
上記各構成によれば、前記中立位置検出手段により前記駆動レバーが前記中立位置にあることを検出できない検出不可状態の回数が複数回数である前記所定回数に満たないときは、前記応力緩和手段による反転駆動後(応力緩和作動後)の、前記禁止手段による前記駆動レバーの駆動禁止が、前記無効化手段によって無効化される。この場合、例えば前記ラッチ機構により前記開閉体が全閉状態で保持されていれば、前記開閉体の作動要求(開作動要求)の検出に伴い、前記リリース作動が許容されることで、前記開閉体が作動可能(開作動可能)になる。従って、前記検出不可状態になっても、一定の条件下で前記開閉体の作動(開作動)を継続して行うことができ、開閉体の操作時(開操作時)の利便性を向上することができる。一方、前記検出不可状態の回数が前記所定回数に達すると、前記応力緩和手段による反転駆動後に、前記禁止手段によって前記駆動レバーの駆動が禁止されることで、該駆動レバーの位置誤差の累積による前記ラッチ機構の作動精度の著しい低下を抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の車両用開閉体制御装置において、前記ラッチ機構が前記開閉体の保持を解放するアンラッチ状態を検出するラッチ検出手段を備え、前記制御手段は、前記駆動レバーが前記中立位置にあるとき、前記開閉体の作動要求の検出に伴う前記駆動レバーの駆動後、前記ラッチ検出手段により前記ラッチ機構の前記アンラッチ状態が検出されたとき又は前記駆動レバーの駆動を開始してからの経過時間が前記リリース作動を完了し得る第1所定時間を超えたときに前記リリース作動を完了し、前記駆動レバーが前記応力緩和手段による反転駆動後の位置にあるとき、前記開閉体の作動要求の検出に伴う前記駆動レバーの駆動後、前記ラッチ検出手段により前記ラッチ機構の前記アンラッチ状態が検出されたとき又は前記駆動レバーの駆動を開始してからの経過時間が前記第1所定時間よりも長い第2所定時間を超えたときに前記リリース作動を完了することを要旨とする。
同構成によれば、前記制御手段は、前記開閉体の作動要求の検出に伴う前記駆動レバーの駆動後、前記ラッチ検出手段により前記ラッチ機構の前記アンラッチ状態が検出されたときに前記リリース作動を完了する。一方、前記駆動レバーが前記中立位置にあるとき、前記開閉体の作動要求の検出に伴う前記駆動レバーの駆動後、何らかの原因で前記ラッチ機構の前記アンラッチ状態が検出されなかったときは、前記制御手段は、前記駆動レバーの駆動を開始してからの経過時間が前記第1所定時間を超えたときに前記リリース作動を完了する。また、前記駆動レバーが前記応力緩和手段による反転駆動後の位置にあるとき、前記開閉体の作動要求の検出に伴う前記駆動レバーの駆動後、何らかの原因で前記ラッチ機構の前記アンラッチ状態が検出されなかったときは、前記制御手段は、前記駆動レバーの駆動を開始してからの経過時間が前記第1所定時間よりも長い前記第2所定時間を超えたときに前記リリース作動を完了する。通常、前記駆動レバーが前記応力緩和手段による反転駆動後の位置にあるときは、前記駆動レバーが前記中立位置にあるときに比べて、前記リリース作動が完了するまでの前記駆動レバーの駆動を開始してからの経過時間が長くなる。前記制御手段は、前記駆動レバーが前記応力緩和手段による反転駆動後の位置にあるとき、前記駆動レバーの駆動を開始してからの経過時間が前記第2所定時間を超えるまで前記リリース作動を完了しないことから、前記開閉体をより確実に作動可能にすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の車両用開閉体制御装置において、前記制御手段は、前記駆動レバーが前記中立位置及び前記応力緩和手段による反転駆動後の位置のいずれの位置にあるかを記憶するとともに、前記制御手段に対する電源遮断によりリセットされる記憶手段を有し、前記制御手段に対する電源再投入時に、前記開閉体の作動要求の検出に伴い、前記ラッチ検出手段により前記ラッチ機構のアンラッチ状態が検出されたとき又は前記駆動レバーの駆動を開始してからの経過時間が前記第2所定時間を超えたときに前記リリース作動を完了することを要旨とする。
同構成によれば、前記制御手段は、該制御手段に対する電源遮断によりその記憶手段に記憶される前記駆動レバーの位置(中立位置又は前記応力緩和手段による反転駆動後の位置)がリセットされる。従って、前記制御手段に対する電源再投入時には、前記駆動レバーの現在の位置が不明となる。しかしながら、前記制御手段に対する電源再投入時には、前記制御手段は、前記駆動レバーの駆動を開始してからの経過時間が前記第2所定時間を超えるまで前記リリース作動を完了しないことから、仮に前記駆動レバーが前記応力緩和手段による反転駆動後の位置にあったとしても、前記開閉体をより確実に作動可能にすることができる。
本発明では、ラッチ機構の作動精度の低下を抑制しつつ、開閉体の開閉操作時の利便性を向上することができる車両用開閉体制御装置を提供することができる。
本発明の一実施形態を示す側面図。 ドアロック装置を示す拡大図。 (a)〜(d)は、クローズ作動時の動作を示す説明図。 (a)〜(d)は、リリース作動時の動作を示す説明図。 ラッチスイッチ等の検出信号の推移を示すタイミングチャート。 中立スイッチの検出信号の推移を示すタイミングチャート。 同実施形態の電気的構成を示すブロック図。 アクティブレバーの回動位置とラッチ機構の状態遷移との関係を示す説明図。 同実施形態の制御態様を示すフローチャート。 同実施形態の制御態様を示すフローチャート。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図面に従って説明する。
図1は、本実施形態に係る車両用開閉体制御装置が適用される車両の側面図である。同図に示されるように、車両ボデー1の側部には、乗降用の開口部1aが形成されている。そして、車両ボデー1には、適宜の支持部材(図示略)を介して開閉体としてのスライドドア2が前後方向に移動可能に支持されている。スライドドア2は、前後方向への移動に伴って開口部1aを開閉する。
また、スライドドア2の外面前側には、車両前後方向に延在する略弓形状のアウトサイドグリップ3が固定されている。なお、アウトサイドグリップ3には、その手前側に露出するクローズスイッチ41及びオープンスイッチ42が設けられている。これらスイッチ41,42は、スライドドア2を作動要求(開作動要求又は閉作動要求)する旨の操作信号を出力するためのものである。
開口部1aの後縁部にはコの字形状のストライカ4が固着されるとともに(図2参照)、スライドドア2の後縁部内部には前記ストライカ4に臨んで該ストライカ4と係脱可能なドアロック装置10が設置されている。同様に、開口部1aの前縁部にはコの字形状のストライカ5が固着されるとともに、スライドドア2の前縁部内部には前記ストライカ5に臨んで該ストライカ5と係脱可能なフロントロック6が設置されている。これらドアロック装置10及びフロントロック6は、各対応するストライカ4,5と係合することでスライドドア2を車両ボデー1に対して全閉状態で保持する。一方、スライドドア2の前縁部内部には、開口部1aの後縁部と係脱可能な全開ロック7が設置されている。全開ロック7は、スライドドア2の開放時に開口部1aの後縁部と係合することでスライドドア2を車両ボデー1に対して全開状態で保持する。
図3及び図4に示すように、ドアロック装置10は、スライドドア2に固定されるベースプレート(図示略)を介して該スライドドア2に支持されたラッチ機構12を備える。このラッチ機構12は、ベースプレートに配置され互いに平行な回転軸12a,12b周りに回転自在に連結されたラッチ13及びポール14を備えており、前記ストライカ4と係脱する。
詳述すると、ラッチ13は、係合凹部13aを有してU字状に成形されており、該係合凹部13aを挟んでその一側及び他側(図3において時計回転方向及び反時計回転方向の側)にそれぞれ第1爪部13b及び第2爪部13cを形成する。そして、第1爪部13bの先端部には、係合凹部13aの反対側で第1係合部13dが形成され、第2爪部13cの先端部には、係合凹部13a側で第2係合部13eが形成されている。このラッチ13は、ベースプレートに一端の保持されたラッチ付勢ばねの他端が係止されることで、図示時計回転方向に回動する側に付勢されるとともに、該ベースプレートに設置されたラッチストッパに当接することで当該方向への回動が規制され、図3(a)に示す所定の回動位置に保持される。
一方、前記ポール14は、その回転軸12bから一側及び他側(図3(a)の右側及び左側)にそれぞれ延出する係合端部14a及び延出端部14bを形成する。このポール14は、ベースプレートに一端の保持されたポール付勢ばねの他端が係止されることで、図示反時計回転方向に回動する側、即ち係合端部14aを上昇させる側に付勢されるとともに、ベースプレートに設置されたポールストッパに当接することで当該方向への回動が規制され、図3(a)に示す所定の回動位置に保持される。
ここで、ラッチ機構12の基本的な動作について説明する。前記スライドドア2が開放されている状態では、図3(a)及び図4(d)に示すように、前記ラッチ13は、ラッチストッパに当接することで所定の回動位置に保持されており、前記係合凹部13aは、スライドドア2の閉作動に伴う前記ストライカ4の進入経路に臨んで開口している。また、前記ポール14は、ポールストッパに当接することで所定の回動位置に保持されており、係合端部14aは、前記第2爪部13cの下側に配置されている。なお、このときのラッチ機構12の状態をアンラッチ状態(解除状態)という。
次に、前記スライドドア2の閉作動に伴い、係合凹部13a内に前記ストライカ4が進入すると、該ストライカ4により係合凹部13aの内壁面が押圧されることで、図3(b)に示すように、前記ラッチ13は、ラッチ付勢ばねに抗して図示反時計回転方向に回動し、前記第2係合部13eに前記係合端部14aが係止されることで回り止めされる。このとき、前記スライドドア2は、係合凹部13aにおいて前記ストライカ4と係合してこれを抜け止めする半ドア状態にあり、このときのラッチ機構12の状態をハーフラッチ状態という。
ラッチ機構12のハーフラッチ状態において、前記ラッチ13が回動駆動されて図示反時計回転方向に更に回動すると、図3(c)(d)及び図4(a)(b)に示すように、ラッチ13は、係合凹部13a内に進入している前記ストライカ4を更に引き込むとともに、前記第1係合部13dに前記係合端部14aが係止されることで回り止めされる。このとき、前記スライドドア2は、係合凹部13aにおいて前記ストライカ4と係合してこれを抜け止めする全閉状態にあり、このときのラッチ機構12の状態をフルラッチ状態(係合状態)という。
また、上述したハーフラッチ状態又はフルラッチ状態において、前記ポール14が回動駆動されて図示時計回転方向に回動すると、図4(c)に示すように、前記係合端部14aによる前記第1係合部13d又は第2係合部13eの係止が解除される。このとき、前記ラッチ13は、ラッチ付勢ばねに付勢されて前記係合凹部13aの内壁面によりストライカ4を押圧しつつ、図示時計回転方向に回動する。そして、前記スライドドア2は、前記係合凹部13aにおける前記ストライカ4との係合を解除して開放可能となる。
次に、ラッチ機構12(ラッチ13及びポール14)の駆動構造について説明する。
前記ドアロック装置10は、スライドドア2に固定されるブラケット(図示略)を介して該スライドドア2に支持されDCモータ11の出力軸に一体回転するように連結されたピニオン22を備える。そして、ブラケットには、前記ラッチ13及びポール14の回転軸12a,12bの軸線とは異なる方向であって、前記ピニオン22の回転軸と平行に延びる軸線を有する回転軸23周りに金属板からなる扇状の駆動レバーとしてのアクティブレバー24が回転自在に連結されている。このアクティブレバー24は、前記ピニオン22と噛合する円弧状のギヤ部24aを有する。従って、DCモータ11により駆動されるアクティブレバー24の回動位置は、前記ピニオン22との噛合によって保持されており、通常は、ギヤ部24aの周方向中間部で前記ピニオン22と噛合する図3(d)及び図4(a)に示す所定の中立位置(以下、「第1中立位置」ともいう)又は図3(a)及び図4(d)に示す所定の中立位置(以下、「第2中立位置」ともいう)に保持されるように設定されている。アクティブレバー24の回動位置が第1及び第2中立位置間に配置される領域を中立領域という。
図3に示されるように、前記アクティブレバー24は、クローズ操作機構25を介してラッチ13と連係されており、ラッチ機構12のハーフラッチ状態でアクティブレバー24が図3において時計回転方向に回動すると、クローズ操作機構25を通じて回動力の伝達される前記ラッチ13は反時計回転方向に回動し、前述の態様でポール14に回り止めされる。そして、ラッチ機構12はフルラッチ状態に切り替わる。
また、図4に示されるように、前記アクティブレバー24は、リリース操作機構26を介してポール14と連係されており、ラッチ機構12のフルラッチ状態でアクティブレバー24が図4において反時計回転方向に回動すると、リリース操作機構26を通じて回動力の伝達される前記ポール14は時計回転方向に回動し、前述の態様でポール14によるラッチ13の回り止めが解除される。そして、ラッチ機構12はアンラッチ状態に切り替わる。
なお、アクティブレバー24の回動位置が前記した中立領域にあるとき、ラッチ13及びポール14は共にアクティブレバー24から解放されるように設定されている。
ここで、図3(a)及び図4(a)に示すように、ドアロック装置10は、ラッチ13の回動位置を検出するラッチ検出手段としてのロータリスイッチ型のハーフラッチスイッチ31及びフルラッチスイッチ32を備える。ハーフラッチスイッチ31は、ラッチ13がハーフラッチ状態に相当する回動位置(以下、「ハーフラッチ位置」ともいう)にあることを検出するためのものである。一方、フルラッチスイッチ32は、ラッチ13がフルラッチ状態に相当する回動位置(以下、「フルラッチ位置」ともいう)にあることを検出するためのものである。また、ドアロック装置10は、ポール14の回動位置を検出するロータリスイッチ型のポールスイッチ33を備える。ポールスイッチ33は、ラッチ機構12がハーフラッチ状態又はフルラッチ状態に切り替わる際のポール14の揺動を検出するためのものである。
図5は、ラッチ機構12の各状態とハーフラッチスイッチ31等の検出信号との関係を示すタイミングチャートである。同図に示したように、ハーフラッチスイッチ31は、ラッチ機構12がアンラッチ状態からハーフラッチ状態へと切り替わる直前にオン状態からオフ状態に切り替わる検出信号を出力する。フルラッチスイッチ32は、ラッチ機構12がハーフラッチ状態からフルラッチ状態へと切り替わる直前にオン状態からオフ状態に切り替わる検出信号を出力する。ポールスイッチ33は、ラッチ機構12がアンラッチ状態からハーフラッチ状態へと切り替わる際のポール14の回動開始に伴ってオフ状態からオン状態に切り替わるとともに、ハーフラッチ状態への移行完了によるポール14の回動停止に伴ってオン状態からオフ状態に切り替わる検出信号を出力する。あるいは、ポールスイッチ33は、ラッチ機構12がハーフラッチ状態からフルラッチ状態へと切り替わる際のポール14の回動開始に伴ってオフ状態からオン状態に切り替わるとともに、フルラッチ状態への移行完了によるポール14の回動停止に伴ってオン状態からオフ状態に切り替わる検出信号を出力する。
図3(a)及び図4(a)に示すように、ドアロック装置10は、アクティブレバー24の回動位置を検出する中立位置検出手段としてのロータリスイッチ型の第1中立位置検出スイッチ34及び第2中立位置検出スイッチ35を備える。第1中立位置検出スイッチ34は、アクティブレバー24が前記第1中立位置にあることを検出するためのものである。一方、第2中立位置検出スイッチ35は、アクティブレバー24が前記第2中立位置にあることを検出するためのものである。
図6は、アクティブレバー24が前記中立領域、ラッチ機構12をフルラッチ状態に切り替える側の回動位置(以下、「クローズ領域」ともいう)、ラッチ機構12をアンラッチ状態に切り替える側の回動位置(以下、「リリース領域」ともいう)の各領域にあるときの第1及び第2中立位置検出スイッチ34,35の検出信号との関係を示すタイミングチャートである。同図に示したように、第1中立位置検出スイッチ34は、アクティブレバー24がクローズ領域にあるときにオン状態となり、中立領域及びリリース領域にあるときにオフ状態となる検出信号NPCswを出力する。一方、第2中立位置検出スイッチ35は、アクティブレバー24がリリース領域にあるときにオン状態となり、クローズ領域及び中立領域にあるときにオフ状態となる検出信号NPRswを出力する。従って、第1中立位置検出スイッチ34は、例えばアクティブレバー24がクローズ領域から中立領域に進入することでオン状態からオフ状態に切り替わる検出信号NPCswを出力する。また、第2中立位置検出スイッチ35は、例えばアクティブレバー24がリリース領域から中立領域に進入することでオン状態からオフ状態に切り替わる検出信号NPRswを出力する。
なお、前記フロントロック6も、ドアロック装置10と同様のラッチ機構(ラッチ、ポール)を備えている。そして、例えばドアロック装置10のラッチ機構12がハーフラッチ状態になると、フロントロック6のラッチ機構もこれに同期してハーフラッチ状態になる。従って、DCモータ11の駆動により、前述の態様でドアロック装置10のラッチ13にストライカ4を引き込ませると、これに伴うスライドドア2の閉作動によって、フロントロック6のラッチ(係合凹部)はストライカ5に押圧されて回動するとともに、ポールに回り止めされる。そして、ドアロック装置10のラッチ機構12に同期して、フロントロック6のラッチ機構がフルラッチ状態になる。これにより、スライドドア2は、ドアロック装置10及びフロントロック6の協働で全閉状態に保持される。
また、フロントロック6のポールは、ドアロック装置10のDCモータ11に適宜の伝達部材を介して駆動連結されており、ドアロック装置10のポール14に連動する。従って、ラッチ機構12及びフロントロック6のラッチ機構のフルラッチ状態(又はハーフラッチ状態)において、DCモータ11の駆動により、前述の態様でドアロック装置10のポール14を回動させると、これに連動してフロントロック6のポールも回動する。そして、ドアロック装置10のラッチ機構12及びフロントロック6のラッチ機構が同時にアンラッチ状態になる。これにより、スライドドア2は、ドアロック装置10及びフロントロック6によるストライカ4,5との係合が解除されて開放(開作動)可能となる。
一方、前記全開ロック7も、ドアロック装置10と同様のラッチ機構(ラッチ、ポール)を備えている。全開ロック7のラッチ機構(ラッチ、ポール)は、ドアロック装置10のDCモータ11に適宜の伝達部材を介して駆動連結されており、ドアロック装置10のラッチ機構12(ラッチ13、ポール14)に連動する。そして、例えばスライドドア2の開作動に伴い全開ロック7のラッチ機構がハーフラッチ状態になったとき、DCモータ11の駆動により、前述の態様でドアロック装置10のラッチ13を回動(空回り)させると、これに連動して全開ロック7のラッチも回動する。そして、全開ロック7のラッチ機構がフルラッチ状態になる。これにより、スライドドア2は、全開ロック7により全開状態に保持される。
また、全開ロック7のラッチ機構のフルラッチ状態(又はハーフラッチ状態)において、DCモータ11の駆動により、前述の態様でドアロック装置10のポール14を回動(空回り)させると、これに連動して全開ロック7のポールも回動する。そして、全開ロック7のラッチ機構がアンラッチ状態になる。これにより、スライドドア2は、閉鎖(閉作動)可能となる。
次に、本実施形態の電気的構成について説明する。
図7は、本実施形態の電気的構成を示すブロック図である。同図に示されるように、車両に設置される制御手段としてのドアECU(Electronic Control Unit )40は、例えばマイクロ・コントローラ(MCU)を主体に構成されており、電源バックアップされたメモリ40a及び計時用のタイマ40b等を内蔵する。そして、ドアECU40は、前記DCモータ11と、前記ハーフラッチスイッチ31と、前記フルラッチスイッチ32と、前記ポールスイッチ33と、前記第1及び第2中立位置検出スイッチ34,35と電気的に接続されている。ドアECU40は、DCモータ11を駆動制御してピニオン22を介してアクティブレバー24を回動制御し、前述の態様でドアロック装置10のラッチ機構12等を切替制御する。また、ドアECU40は、ハーフラッチスイッチ31の出力する検出信号に基づいてドアロック装置10のラッチ機構12等がハーフラッチ状態にあること(ラッチ13がハーフラッチ位置にあること)を検出するとともに、フルラッチスイッチ32の出力する検出信号に基づいてドアロック装置10のラッチ機構12等がフルラッチ状態にあること(ラッチ13がフルラッチ位置にあること)を検出し、更に第1及び第2中立位置検出スイッチ34,35の検出信号NPCsw,NPRswに基づいてアクティブレバー24が第1及び第2中立位置にあることをそれぞれ検出する。
また、ドアECU40は、ドア駆動ユニット50と電気的に接続されている。このドア駆動ユニット50は、DCモータ51と、電磁クラッチ52と、パルスセンサ53とを備えて構成される。DCモータ51は、適宜の伝達部材(例えばケーブル装置)を介して車両ボデー1及びスライドドア2に連係されており、ドアECU40は、DCモータ51を駆動制御してスライドドア2を開閉制御する。あるいは、ドアECU40は、電磁クラッチ52を駆動制御してDCモータ51及びスライドドア2間の動力伝達の断接(接続・非接続)を切替制御する。これは、スライドドア2を電動で開閉駆動する際にのみ上記動力伝達を接続状態とし、スライドドア2を手動で開閉操作する際には非接続状態として、円滑な開閉操作を実現するためである。さらに、ドアECU40は、パルスセンサ53の出力する互いに位相の異なる対のパルス信号に基づいて、DCモータ51の回転方向(正転又は逆転)、回転量及び回転速度、即ちスライドドア2の開閉位置及び開閉速度(移動速度)等を検出する。
さらに、ドアECU40は、前記クローズスイッチ41及び前記オープンスイッチ42と電気的に接続されている。クローズスイッチ41は、利用者の操作によりスライドドア2を閉作動させる旨の操作信号を出力するもので、この操作信号に基づいてドアECU40は、前記ドア駆動ユニット50(DCモータ51及び電磁クラッチ52)を駆動制御して開状態にあるスライドドア2を閉作動させるとともに、これに伴うドアロック装置10のラッチ機構12及びフロントロック6のラッチ機構のハーフラッチ状態への移行に基づいて前記DCモータ11を駆動制御しラッチ機構12等をフルラッチ状態に切り替える。これにより、スライドドア2は、全閉状態に保持される。なお、クローズスイッチ41の操作時にスライドドア2が全開状態に保持されている場合には、該スライドドア2を閉作動可能にすべく、ドアECU40はドア駆動ユニット50の駆動開始に先立って、前記DCモータ11を駆動制御し全開ロック7のラッチ機構をアンラッチ状態に切り替える。
オープンスイッチ42は、利用者の操作によりスライドドア2を開作動させる旨の操作信号を出力するもので、この操作信号に基づいてドアECU40は、前記DCモータ11を駆動制御してフルラッチ状態(又はハーフラッチ状態)にあるラッチ機構12等をアンラッチ状態に切り替えるとともに、前記ドア駆動ユニット50(DCモータ51及び電磁クラッチ52)を駆動制御して開可能状態にあるスライドドア2を開作動させる。また、ドアECU40は、これに伴う全開ロック7のラッチ機構のハーフラッチ状態への移行に基づいて前記DCモータ11を駆動制御し当該ラッチ機構をフルラッチ状態に切り替える。これにより、スライドドア2は、全開状態に保持される。
図8は、アクティブレバー24の回動位置(作動角)とラッチ機構12の状態遷移との関係を示す説明図である。以下では、図3〜図6を参照しつつ、図8に基づいて、ドアECU40によるドアロック装置10の制御態様について更に説明する。
まず、アクティブレバー24が中立領域(第2中立位置:図3(a)参照)にあるものとして、スライドドア2の閉作動時の動作について説明する。既述のように、この状態でスライドドア2が閉作動すると、ラッチ機構12がアンラッチ状態からハーフラッチ状態に切り替わる(図3(b)参照)。この際、ハーフラッチスイッチ31の検出信号がオン状態からオフ状態に切り替わったことが検出されると(図5参照)、ドアECU40は、DCモータ11によりアクティブレバー24を回動させてラッチ機構12をフルラッチ状態に切り替え(図3(c)参照)、スライドドア2を全閉状態で保持させる(クローズ作動)。この間、アクティブレバー24が第1中立位置を通過することで、第1中立位置検出スイッチ34の検出信号のオフ状態からオン状態への切り替わりが検出される(図6参照)。このとき、第2中立位置検出スイッチ35の検出信号がオフ状態を維持することは既述のとおりである。
続いて、フルラッチスイッチ32の検出信号がオン状態からオフ状態に切り替わったことが検出されると(図5参照)、ラッチ機構12のフルラッチ状態への切り替わり(クローズ作動)が終了したことから、ドアECU40は、その時点での第1中立位置検出スイッチ34がオン状態であり、且つ、第2中立位置検出スイッチ35がオフ状態であることを検出できるか、即ちアクティブレバー24がクローズ領域にあることを認識できるかを判断する(図6参照)。そして、第1中立位置検出スイッチ34がオン状態であり、且つ、第2中立位置検出スイッチ35がオフ状態であることを検出できると、ドアECU40は、DCモータ11によりアクティブレバー24を反転回動させ、該アクティブレバー24を中立領域(第1中立位置:図3(d)、図4(a)参照)に復帰させる(クローズ復帰作動)。この際、アクティブレバー24が第1中立位置を通過して、第1中立位置検出スイッチ34の検出信号がオン状態からオフ状態に切り替わったことが検出されると(図6参照)、ドアECU40は、DCモータ11の駆動を停止する。また、何らかの原因で第1中立位置検出スイッチ34の検出信号がオン状態からオフ状態に切り替わったことが検出されないと、ドアECU40は、第2中立位置検出スイッチ35の検出信号がオフ状態からオン状態に切り替わったことが検出されることで、あるいは、アクティブレバー24が中立領域に到達していると推定される所定時間TNPCの経過を待ってDCモータ11の駆動を停止する。
また、前述のクローズ作動(ラッチ機構12のフルラッチ状態への切り替わり)が終了した時点で、第1中立位置検出スイッチ34がオン状態であり、且つ、第2中立位置検出スイッチ35がオフ状態であることを検出できず、アクティブレバー24がクローズ領域にあることを認識できないと、ドアECU40は、DCモータ11によりアクティブレバー24が中立領域(第1中立位置)に向かう方向に所定時間又は所定量だけ反転駆動する(応力緩和作動:応力緩和手段)。そして、ドアECU40は、DCモータ11の駆動を停止する。つまり、ドアECU40は、クローズ作動が終了した時点で中立位置検出スイッチ34,35に異常が認められるときに応力緩和作動を実施する。これにより、クローズ作動時にラッチ機構12、クローズ操作機構25及びアクティブレバー24等に過度に生じた応力を緩和することができる。そして、アクティブレバー24等を介して回動駆動されるラッチ13がストライカ4を引き込み過ぎた状態で機械的に拘束されることを回避できる。なお、応力緩和作動の終了後は、開作動待機状態(スタンバイ状態)となる。
一方、前述のクローズ復帰作動又は応力緩和作動の終了後に、前記オープンスイッチ42の操作によりスライドドア2を開作動させる旨の操作信号が出力されると、ドアECU40は、通常はDCモータ11によりアクティブレバー24を回動させてラッチ機構12をアンラッチ状態に切り替え(図4(c)参照)、スライドドア2の全閉状態での保持を解除させる(リリース作動)。この間、アクティブレバー24が第2中立位置を通過することで(図4(b)参照)、第2中立位置検出スイッチ35の検出信号のオフ状態からオン状態への切り替わりが検出される(図6参照)。このとき、第1中立位置検出スイッチ34の検出信号がオフ状態を維持することは既述のとおりである。
続いて、フルラッチスイッチ32の検出信号がオフ状態からオン状態に切り替わったことが検出されると(図5参照)、ドアECU40は、ラッチ機構12のアンラッチ状態への切り替わり(リリース作動)が終了したと判断する。また、何らかの原因でフルラッチスイッチ32の検出信号がオフ状態からオン状態に切り替わったことが検出されないと、ドアECU40は、アクティブレバー24の回動を開始してからの経過時間が前記リリース作動を完了し得る所定時間を超えることで、ラッチ機構12のアンラッチ状態への切り替わり(リリース作動)が終了したと判断する。具体的には、前回のクローズ作動終了後にクローズ復帰作動を実施している場合には、ドアECU40は、アクティブレバー24の回動を開始してからの経過時間が第1所定時間T1を超えることで、前記リリース作動が終了したと判断する。あるいは、前回のクローズ作動終了後に応力緩和作動を実施している場合には、ドアECU40は、アクティブレバー24の回動を開始してからの経過時間が前記第1所定時間T1よりも長い第2所定時間T2を超えることで、リリース作動が終了したと判断する。これは、アクティブレバー24が応力緩和作動後の回動位置にあるときは、アクティブレバー24がクローズ復帰作動後の回動位置(中立領域)にあるときに比べて、前記リリース作動が完了するまでのアクティブレバー24の駆動を開始してからの経過時間が長くなることによる。なお、ドアECU40は、クローズ作動終了後に実施した動作(クローズ復帰作動又は応力緩和作動)を前記メモリ40aに記憶している。換言すれば、メモリ40aに記憶しているクローズ作動終了後に実施した動作は、ドアECU40に対する電源が遮断されることでリセットされる。従って、本実施形態では、ドアECU40に対する電源再投入時においても、ドアECU40は、アクティブレバー24の回動を開始してからの経過時間が前記第2所定時間T2を超えることで、リリース作動が終了したと判断する。
そして、前記リリース作動が終了したと判断されると、ドアECU40は、DCモータ11によりアクティブレバー24を反転回動させ、該アクティブレバー24を中立領域(第2中立位置:図4(d)参照)に復帰させる(リリース復帰作動)。この際、アクティブレバー24が第2中立位置を通過して、第2中立位置検出スイッチ35の検出信号がオン状態からオフ状態に切り替わったことが検出されると(図6参照)、ドアECU40は、DCモータ11の駆動を停止する。また、何らかの原因で第2中立位置検出スイッチ35の検出信号NPRswがオン状態からオフ状態に切り替わったことが検出されないと、ドアECU40は、第1中立位置検出スイッチ34の検出信号がオフ状態からオン状態に切り替わることで、あるいは、アクティブレバー24が中立領域に到達していると推定される所定時間TNPRの経過を待ってDCモータ11の駆動を停止する。
なお、本実施形態において、ドアECU40は、中立位置検出スイッチ34,35の異常回数(検出不可状態の回数)を異常カウントCNとして計数しており、該異常カウントCNが複数回数である所定回数CNthに達することで、前記応力緩和作動の終了後に前記オープンスイッチ42からスライドドア2を開作動させる旨の操作信号が出力されても、DCモータ11によるアクティブレバー24の回動を強制的に停止する(禁止手段)。換言すれば、ドアECU40は、中立位置検出スイッチ34,35の異常が一時的に発生するのみで異常カウントCNが所定回数CNthを下回っていれば、前記応力緩和作動の終了後に前記オープンスイッチ42からスライドドア2を開作動させる旨の操作信号が出力されることで、DCモータ11によるアクティブレバー24の回動を許容する(無効化手段)。
次に、ドアECU40による異常カウントCNの計数態様について説明する。なお、ドアECU40は、異常カウントCNを閉側異常カウントCNPC及び開側異常カウントCNPRの合計値として算出する。
既述のように、ドアECU40は、第1中立位置検出スイッチ34の検出信号NPCswがオン状態であり、且つ、第2中立位置検出スイッチ35の検出信号NPRswがオフ状態であることに基づいてアクティブレバー24がクローズ領域にあることを認識する。従って、ドアECU40は、前記クローズ作動の終了時に検出信号NPCswがオン状態であり、且つ、検出信号NPRswがオフ状態である条件を満たさないときに、閉側異常カウントCNPCをカウントアップする。このとき、前記クローズ作動の終了後に応力復帰作動が実施されることは既述のとおりである。
また、ドアECU40は、第1中立位置検出スイッチ34の検出信号NPCswがオン状態からオフ状態に切り替わったことが検出されることで、前記クローズ復帰作動を終了する。従って、ドアECU40は、検出信号NPCswに基づいて前記クローズ復帰作動が終了されなかったときにも、前記閉側異常カウントCNPCをカウントアップする。なお、ドアECU40は、検出信号NPCswに基づいて前記クローズ復帰作動が終了されたときに、前記閉側異常カウントCNPCをクリアする。
一方、ドアECU40は、第2中立位置検出スイッチ35の検出信号NPRswがオン状態からオフ状態に切り替わったことが検出されることで、前記リリース復帰作動を終了する。従って、ドアECU40は、検出信号NPRswに基づいて前記リリース復帰作動が終了されなかったときに、開側異常カウントCNPRをカウントアップする。なお、ドアECU40は、検出信号NPRswに基づいて前記リリース復帰作動が終了されたときに、前記開側異常カウントCNPRをクリアする。
そして、ドアECU40は、前述の態様で計数された両異常カウントCNPC,CNPRを加算して前記異常カウントCNを算出する。ドアECU40は、このように算出された異常カウントCNが所定回数CNthに達することで、中立スイッチ異常判断を行う。このとき、応力緩和作動の終了後に前記オープンスイッチ42からスライドドア2を開作動させる旨の操作信号が出力されても、ドアECU40に受け付けられないことは既述のとおりである。
なお、スライドドア2の閉作動時の動作については、ドアロック装置10に連動する全開ロック7の動作(クローズ作動、リリース作動)として、クローズ作動後にスライドドア2が全開状態で保持され、リリース作動後にスライドドア2が閉作動可能になるように置き換えれば同様の説明が可能である。この場合、クローズスイッチ41の操作によりスライドドア2を閉作動させる旨の操作信号が出力される。
次に、本実施形態の動作について便宜的に図9及び図10のフローチャートに分けて説明する。なお、図9は、各中立位置検出スイッチ34,35の異常判定態様に注目した処理態様を示すものであり、図10は、前記クローズ作動の開始を起点とするドアロック装置10の駆動制御態様を示すものである。
図9に示すように、処理がこのルーチンに移行すると、前記リリース作動がフルラッチスイッチ32の検出信号がオフ状態からオン状態に切り替わることで終了し、あるいはアクティブレバー24の回動を開始してからの経過時間が前記所定時間(第1所定時間T1又は第2所定時間T2)を超えることで終了したか否かが判断される(S1)。ここで、前記リリース作動が前記条件で終了したと判断されると、前記リリース復帰作動に状態遷移して該リリース復帰作動が開始・終了される(S2)。
次に、前記リリース復帰作動が前記検出信号NPRswのオン状態からオフ状態への切り替わりによって正常に終了したか否かが判断される(S3)。そして、前記リリース復帰作動が前記条件で終了したと判断されると第2中立位置検出スイッチ35が正常であることから前記開側異常カウントCNPRがクリアされ(S4)、反対に前記リリース復帰作動が前記条件で終了していないと判断されると第2中立位置検出スイッチ35が異常と見なされて前記開側異常カウントCNPRが「1」だけカウントアップされる(S4)。
一方、S1において、前記リリース作動が該当の条件で終了していないと判断されると、前記クローズ作動終了時、前記検出信号NPCswがオン状態であり、且つ、前記検出信号NPRswがオフ状態であるか、即ちアクティブレバー24がクローズ領域にあることを認識できるか否かが判断される(S6)。ここで、前記クローズ作動終了時にアクティブレバー24がクローズ領域にあることを認識できると判断されると、前記クローズ復帰作動に状態遷移して該クローズ復帰作動が開始・終了される(S7)。
次に、前記クローズ復帰作動が前記検出信号NPCswのオン状態からオフ状態への切り替わりによって正常に終了したか否かが判断される(S8)。そして、前記クローズ復帰作動が前記条件で終了したと判断されると第1中立位置検出スイッチ34が正常であることから前記閉側異常カウントCNPCがクリアされ(S9)、反対に前記クローズ復帰作動が前記条件で終了していないと判断されると第1中立位置検出スイッチ34が異常と見なされて前記閉側異常カウントCNPCが「1」だけカウントアップされる(S10)。
さらに、S6において、前記クローズ作動終了時にアクティブレバー24がクローズ領域にあることを認識できると判断されないと、特に第1中立位置検出スイッチ34が異常と見なされて前記応力緩和作動に状態遷移して該応力緩和作動が開始・終了される(S11)。そして、前記閉側異常カウントCNPCが「1」だけカウントアップされる(S12)。
S4、S5、S9、S10、S12のいずれかで異常カウントCNPC,CNPRが更新等されると、現在の異常カウントCNPC,CNPRの合計値(=CNPC+CNPR)、即ち異常カウントCNが前記所定回数CNthに達するか否かが判断される(S13)。そして、異常カウントCNが前記所定回数CNthに達すると判断されると中立スイッチ異常と判断され(S14)、異常カウントCNが前記所定回数CNthを下回ると判断されると中立スイッチ異常と判断されずにその後も作動許可が継続される(S15)。
次に、前記した中立スイッチ異常等の判断を考慮して、ドアロック装置10の駆動制御態様について説明する。図10に示すように、処理がこのルーチンに移行すると、前記クローズ作動が開始されてラッチ機構12(ラッチ13)によるスライドドア2の引き込みが開始され(S21)、該スライドドア2の引き込みが終了される(S22)。続いて、前記クローズ作動終了時、前記検出信号NPCswがオン状態であり、且つ、前記検出信号NPRswがオフ状態であるか、即ちアクティブレバー24がクローズ領域にあることを認識できるか否かが判断される(S23:S6に相当)。ここで、前記クローズ作動終了時にアクティブレバー24がクローズ領域にあることを認識できると判断されると、前記クローズ復帰作動に状態遷移して該クローズ復帰作動が開始・終了される(S24:S7に相当)。
次に、オープンスイッチ42の操作によるスライドドア2の開作動要求があるか否かが判断され(S25)、該開作動要求があると判断されるまでECUフラグFが現状維持される(S26)。このECUフラグFは、リリース作動時に標準タイマ(第1所定時間T1)を採用する際にオフに設定され、長いタイマ(第2所定時間T2)を採用する際にオンに設定されるものである。つまり、ドアECU40は、クローズ作動終了後に実施した動作(クローズ復帰作動又は応力緩和作動)をECUフラグFとして前記メモリ40aに記憶している。そして、S25において、オープンスイッチ42の操作によるスライドドア2の開作動要求があると判断されると、前記リリース作動が開始・終了される(S27)。このとき、ECUフラグFがオフであるため、前記リリース作動の終了判断において、第1所定時間T1が採用される。なお、前記リリース作動の終了後、前記リリース復帰作動が開始・終了されるとともに、前記ドア駆動ユニット50の駆動制御に切り替えられて、スライドドア2が開作動することはいうまでもない。
一方、S23において、前記クローズ作動終了時にアクティブレバー24がクローズ領域にあることを認識できると判断されないと、前記応力緩和作動に状態遷移して該応力緩和作動が開始・終了される(S28:S11に相当)。そして、中立スイッチ異常と判断されているか否かが判断され(S29:S14参照)、中立スイッチ異常と判断されていなければ、ECUフラグFがオンに設定される(S31)。あるいは、ドアECU40に対する電源再投入により、メモリ40aの情報がリセットされても(S30)、同様にECUフラグFがオンに設定される。
次に、オープンスイッチ42の操作によるスライドドア2の開作動要求があるか否かが判断され(S32)、該開作動要求があると判断されるまでECUフラグFが現状維持される(S33)。そして、S32において、オープンスイッチ42の操作によるスライドドア2の開作動要求があると判断されると、前記リリース作動が開始・終了される(S34)。このとき、ECUフラグFがオンであるため、前記リリース作動の終了判断において、第2所定時間T2が採用される。なお、前記リリース作動の終了後、S27と同様に前記リリース復帰作動等の処理が実施される。そして、ECUフラグFがリセットされる(S35)。
また、S29において、中立スイッチ異常と判断されると、前記オープンスイッチ42からスライドドア2を開作動させる旨の操作信号が出力されても、ドアECU40に受け付けられず、強制停止される(S36)。
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、異常カウントCNが所定回数CNthに満たないときは、応力緩和作動後であっても、その後のリリース作動等が許可されて、強制停止が無効化される。この場合、例えばラッチ機構12によりスライドドア2が全閉状態(又は半ドア状態)で保持されていれば、スライドドア2の作動要求(開作動要求)の検出に伴い、前記リリース作動が許容されることで、スライドドア2が開作動可能になる。従って、中立位置(第1又は第2中立位置)の検出不可状態になっても、一定の条件下でスライドドア2の開作動を継続して行うことができ、スライドドア2の開操作時の利便性を向上することができる。一方、異常カウントCNが所定回数CNthに達すると、応力緩和作動後に強制停止されることで、アクティブレバー24の位置誤差の累積によるラッチ機構12の作動精度の著しい低下を抑制することができる。
なお、全開ロック7のラッチ機構によりスライドドア2が全開状態で保持されている場合も前記同様であり、特にスライドドア2の閉操作時の利便性を向上することができる。
(2)本実施形態では、アクティブレバー24が中立位置(第1中立位置)にあるとき、スライドドア2の作動要求(開作動要求)の検出に伴うアクティブレバー24の駆動後、何らかの原因でラッチ機構12のアンラッチ状態が検出されなかったときは、アクティブレバー24の駆動を開始してからの経過時間が第1所定時間T1を超えたときにリリース作動を完了する。また、アクティブレバー24が応力緩和作動後の回動位置にあるとき、スライドドア2の作動要求(開作動要求)の検出に伴うアクティブレバー24の駆動後、何らかの原因でラッチ機構12のアンラッチ状態が検出されなかったときは、アクティブレバー24の駆動を開始してからの経過時間が第2所定時間T2を超えたときにリリース作動を完了する。従って、スライドドア2が全閉状態又は半ドア状態に保持される場合において、該スライドドア2をより確実に作動可能(開作動可能)にすることができる。
なお、全開ロック7のラッチ機構によりスライドドア2が全開状態で保持される場合も前記同様であり、該スライドドア2をより確実に作動可能(閉作動可能)にすることができる。
(3)本実施形態では、ドアECU40に対する電源再投入時には、メモリ40aがリセットされてアクティブレバー24の現在の位置が不明となる。しかしながら、前記電源再投入時には、スライドドア2の作動要求(開作動要求)の検出に伴うアクティブレバー24の駆動後、何らかの原因でラッチ機構12のアンラッチ状態が検出されなかったときは、アクティブレバー24の駆動を開始してからの経過時間が第2所定時間T2を超えたときにリリース作動を完了する。従って、スライドドア2が全閉状態又は半ドア状態に保持される場合において、仮にアクティブレバー24が応力緩和作動後の回動位置にあったとしても、スライドドア2をより確実に作動可能(開作動可能)にすることができる。
なお、全開ロック7のラッチ機構によりスライドドア2が全開状態で保持される場合も前記同様であり、該スライドドア2をより確実に作動可能(閉作動可能)にすることができる。
(4)本実施形態では、アクティブレバー24の中立位置(第1及び第2中立位置)を2つの中立位置検出スイッチ34,35で検出することで、仮に一方の中立位置検出スイッチ34,35に不具合が生じてもアクティブレバー24を中立位置(中立領域)に維持することができ、例えばラッチ機構12及びアクティブレバー24の干渉を抑制することができる。
(5)本実施形態では、中立位置検出スイッチ34,35の異常が一時的に判断されても、異常カウントCNが所定回数CNthに達しない限り、その後に正常と判断されることで当該異常判断が取り消されるため、徒な中立スイッチ異常の判断、即ち強制停止を回避することができる。
(6)本実施形態では、応力緩和作動後にスライドドア2を開閉作動する際には、機械的な干渉を解消して該スライドドア2を開閉作動することができる。一方、クローズ復帰作動後にスライドドア2を開閉作動する際には、中立位置からアクティブレバー24を回動させることで、迅速にスライドドア2を開閉作動することができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・前記実施形態においては、異常カウントCNが所定回数CNthに満たない限り、中立スイッチ異常の判断を行わないが、異常カウントCNのカウントアップが実施されている間はユーザに対する注意換気のために、適宜の報知手段(警告灯など)にて報知するようにしてもよい。
・前記実施形態においては、異常カウントCNが所定回数CNthに達することで中立スイッチ異常の判断を行うが、閉側異常カウントCNPC及び開側異常カウントCNPRのいずれか一方が複数回数である所定回数に達することで中立スイッチ異常の判断を行ってもよい。
・前記実施形態において、中立位置は一箇所だけに設定し、該中立位置の検出を1個の中立位置検出スイッチで検出するようにしてもよい。この場合、中立位置の検出不可状態の連続する回数又は所定時間内で累積された回数に基づいて、中立スイッチ異常の判断、即ち強制停止を行うようにしてもよい。
・前記実施形態においては、スライドドア2の全閉側及び全開側の両方のドアロック(ドアロック装置10、全開ロック7)にクローズ作動の機能を設けたが、全閉側及び全開側のいずれか一方のドアロックにのみクローズ作動の機能を設けるようにしてもよい。なお、一般的には、全閉側のみにクローズ作動の機能が設けられていることが多い。
・このように全閉側及び全開側のいずれか一方のドアロックにのみクローズ作動の機能を設ける場合、当該ドアロックに関し、スライドドア2の開作動時及び閉作動時の両方の制御に本発明を適用してもよい。すなわち、例えば全閉側のドアロック装置10にのみクローズ作動の機能を設ける場合、全開ロック7は、そのラッチ機構が開作動時の勢いで車両ボデー1側(開口部1aの後縁部)と係合してフルラッチ状態に切り替わることで、スライドドア2を全開状態で保持することになる。また、全開ロック7のラッチ機構のフルラッチ状態は、前記実施形態と同様、アクティブレバー24の駆動によるドアロック装置10に連動したリリース動作によって解除される。なお、ドアロック装置10のラッチ機構12(ポール14)は、アウトサイドグリップ3と機械的に連結されており、手動での解除が可能となっている。
従って、スライドドア2の全閉時に応力緩和作動でアクティブレバー24が停止しているとして、その後、手動でドアロック装置10のラッチ機構12が解除されてスライドドア2が開作動(開操作)されると、全開ロック7(ラッチ機構)によりスライドドア2が全開状態で保持される。このとき、アクティブレバー24の位置が変わらないことから、該アクティブレバー24は依然として応力緩和作動後の停止位置にある。この状態で、クローズスイッチ41の操作によるスライドドア2の閉作動要求が行われると、アクティブレバー24の駆動による前述のリリース作動によって全開ロック7が解除される。このように、全閉側のドアロック装置10にのみクローズ作動の機能を設ける場合には、全開ロック7に連動する当該ドアロック装置10に関し、スライドドア2の開作動時のみならず、閉作動時の制御にも本発明を適用可能である。
・開閉体としては、スウィングドアやバックドア、トランクリッドなどであってもよい。また、これらの開閉体とモータとを機械的に連係する駆動機構は任意であり、リンク機構やカム機構、ギヤ機構、ケーブル(ロープ、ベルト)伝動機構、ねじ機構、あるいはこれらの組合せ等を適宜採用すればよい。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について以下に追記する。
・車両ドアを保持するフルラッチ状態、前記車両ドアを半保持するハーフラッチ状態及び前記車両ドアを保持しないアンラッチ状態で切り替え自在なラッチ機構と、
前記ラッチ機構に連係可能に設けられ、駆動源により回動駆動される駆動レバーと、
前記駆動レバーが前記ラッチ機構との連係が解除される所定の中立位置にあることを検出する中立位置検出手段と、
前記ラッチ機構の状態を検出するラッチ検出手段と、
前記車両ドアの開作動要求又は閉作動要求を検出する作動要求検出手段と、
前記車両ドアの閉作動又は開作動に伴い前記ラッチ機構が前記アンラッチ状態から前記ハーフラッチ状態に切り替わったときに前記駆動レバーが前記所定の中立位置を起点に一側方向に回動するように前記駆動源を駆動して前記ラッチ機構を前記ハーフラッチ状態から前記フルラッチ状態に切り替え、一方、前記車両ドアの開作動要求又は閉作動要求が検出されたときに前記駆動レバーが前記所定の中立位置を起点に他側方向に回動するように前記駆動源を駆動して前記ラッチ機構を前記フルラッチ状態又は前記ハーフラッチ状態から前記アンラッチ状態に切り替え、前記ラッチ機構の前記フルラッチ状態又は前記アンラッチ状態への切り替わり後に前記駆動レバーが前記所定の中立位置に復帰回動するように前記駆動源を反転駆動する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記中立位置検出手段による前記中立位置の検出不可状態のとき、前記ラッチ機構の前記ハーフラッチ状態から前記フルラッチ状態への切り替わり後に前記駆動レバーが前記所定の中立位置に向かう方向に所定時間又は所定量だけ回動するように前記駆動源を反転駆動して前記ラッチ機構及び前記駆動レバーの応力緩和作動を行う応力緩和手段と、
前記応力緩和手段による応力緩和作動後、前記車両ドアの作動要求の検出に伴う前記駆動源の駆動を禁止する禁止手段と、
前記検出不可状態の回数が複数回数である所定回数に満たないときに、前記禁止手段による前記駆動源の駆動禁止を無効化して前記ラッチ機構を前記フルラッチ状態又は前記ハーフラッチ状態から前記アンラッチ状態に切り替える無効化手段とを備えたことを特徴とする車両用開閉体制御装置。
2…スライドドア(開閉体)、10…ドアロック装置、12…ラッチ機構、24…アクティブレバー(駆動レバー)、32…フルラッチスイッチ(ラッチ検出手段)、34,35…中立位置検出スイッチ(中立位置検出手段)、40…ドアECU(制御手段、応力緩和手段、禁止手段、無効化手段)、40a…メモリ(記憶手段)、41…クローズスイッチ、42…オープンスイッチ。

Claims (4)

  1. ラッチ機構と、該ラッチ機構に連係可能に設けられる駆動レバーと、該駆動レバーが前記ラッチ機構を解放する所定の中立位置にあることを検出する中立位置検出手段と、前記駆動レバーを前記中立位置を起点に一方向に駆動して前記ラッチ機構により開閉体を保持させるクローズ作動を行うとともに、前記開閉体の作動要求が検出されたときに前記駆動レバーを前記中立位置を起点に他方向に駆動して前記ラッチ機構による前記開閉体の保持を解放させるリリース作動を行い、前記クローズ作動又はリリース作動後に前記駆動レバーが前記中立位置に復帰するように反転駆動する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記中立位置検出手段による前記中立位置の検出不可状態のとき、前記クローズ作動後に前記駆動レバーが前記中立位置に向かう方向に所定時間又は所定量だけ反転駆動する応力緩和手段と、
    前記応力緩和手段による反転駆動後、前記開閉体の作動要求の検出に伴う前記駆動レバーの駆動を禁止する禁止手段と、
    前記検出不可状態の回数が複数回数である所定回数に満たないときに、前記禁止手段による前記駆動レバーの駆動禁止を無効化する無効化手段とを備えたことを特徴とする車両用開閉体制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用開閉体制御装置において、
    前記所定回数は、前記中立位置検出手段による前記中立位置の検出不可状態の連続する回数又は所定時間内で累積された回数であることを特徴とする車両用開閉体制御装置。
  3. 請求項1又は2に記載の車両用開閉体制御装置において、
    前記ラッチ機構が前記開閉体の保持を解放するアンラッチ状態を検出するラッチ検出手段を備え、
    前記制御手段は、
    前記駆動レバーが前記中立位置にあるとき、前記開閉体の作動要求の検出に伴う前記駆動レバーの駆動後、前記ラッチ検出手段により前記ラッチ機構の前記アンラッチ状態が検出されたとき又は前記駆動レバーの駆動を開始してからの経過時間が前記リリース作動を完了し得る第1所定時間を超えたときに前記リリース作動を完了し、
    前記駆動レバーが前記応力緩和手段による反転駆動後の位置にあるとき、前記開閉体の作動要求の検出に伴う前記駆動レバーの駆動後、前記ラッチ検出手段により前記ラッチ機構の前記アンラッチ状態が検出されたとき又は前記駆動レバーの駆動を開始してからの経過時間が前記第1所定時間よりも長い第2所定時間を超えたときに前記リリース作動を完了することを特徴とする車両用開閉体制御装置。
  4. 請求項3に記載の車両用開閉体制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記駆動レバーが前記中立位置及び前記応力緩和手段による反転駆動後の位置のいずれの位置にあるかを記憶するとともに、前記制御手段に対する電源遮断によりリセットされる記憶手段を有し、
    前記制御手段に対する電源再投入時に、前記開閉体の作動要求の検出に伴い、前記ラッチ検出手段により前記ラッチ機構のアンラッチ状態が検出されたとき又は前記駆動レバーの駆動を開始してからの経過時間が前記第2所定時間を超えたときに前記リリース作動を完了することを特徴とする車両用開閉体制御装置。
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