JP5042801B2 - 車両用ドア開閉装置および車両用ドア開閉方法 - Google Patents

車両用ドア開閉装置および車両用ドア開閉方法 Download PDF

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Description

本発明は、車両に備えられたパワースライドドアなどの車両用ドアの開閉動作を制御する車両用ドア開閉装置および車両用ドア開閉方法に関する。
車両に備えられたパワースライドドアなどの車両用ドアの開閉動作を制御するものとして、例えば下記特許文献1に開示されている自動車のオートドア用インターロック装置(以下、「インターロック装置」と略記する。)が知られている。
このインターロック装置は、開閉スイッチの操作に応じてドア開閉機構の作動を制御するドア開閉制御手段と、作動状態検出手段によりパーキングロック機構がロック作動を行っているときのみドア開放作動を可能とし、ロック作動を行っていないときにはドア開放作動を禁止するドア開放禁止部とを備えている。これにより、車両の走行中に誤ってドアが開き、乗員が落下してしまうなどの事故を防止するようにしている。
また、車両用ドアの開閉動作を制御するものとして、例えば車速を表す車速パルスを入力し、この車速パルスが表す車速が所定速度以下(例えば、5km/h以下)または0km/hであるときのみ、車両用ドアの開閉動作を可能にするものが知られている。
さらに、例えば車両が停車中であっても、乗車している幼児が誤ってドアの開スイッチに触れてしまい、ドアが開いて幼児が車室外へ落下してしまうことを防ぐために、チャイルドロックスイッチを搭載して幼児が乗車しているときはドアの内側からはドアが開けられないようにしたものも知られている。
実開平6−8026号公報
しかしながら、上述したチャイルドロックスイッチを備えるタイプのものでも、例えばチャイルドロックスイッチがオン状態のときであっても、車室外からドアハンドルを操作したり、運転席からドア開閉スイッチを操作したり、リモートコントロールのドアスイッチを利用したりした場合に、ドアを開動作させることができるものも多い。
そして、例えば幼児がドアに寄りかかっていることなどを気付かずにドアを開動作させてしまった場合は、幼児が車室外に落下して怪我をするおそれがあり、このような事態を防ぐために、チャイルドロックスイッチがオン状態のときにドアの開動作をすべて禁止してしまっては使い勝手が著しく削がれてしまい利便性が低下するという問題がある。このような問題は幼児のみならず乗員全員に対して起こり得るものである。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたもので、車両用ドア近傍の人体の有無によって車両用ドアの開閉動作を制御して、車両の乗員が車両用ドアが不意に開いて車室外に落下するような不具合を効果的に防止することができる車両用ドア開閉装置および車両用ドア開閉方法を提供することを目的とする。
本発明に係る車両用ドア開閉装置は、車両に備えられた車両用ドアに設けられた少なくとも一以上のセンサ電極と、前記センサ電極からの静電容量を検知する検知回路と、前記検知回路からの検知信号に基づいて、前記車両用ドア近傍の人体の有無を判定する判定回路と、前記判定回路からの判定結果に応じて、前記車両用ドアの開閉動作を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る車両用ドア開閉装置は、以上のように構成することにより、車両用ドア近傍の人体の有無によって車両用ドアの開閉動作を制御することができるので、車両の乗員が車両用ドアが不意に開いて車室外に落下するような不具合を効果的に防止することができる。
前記センサ電極は、前記車両用ドアの高さ方向に複数並設されていてもよい。
車両用ドアの開閉動作指示を受け付ける入力手段をさらに備え、前記制御手段は、例えば前記判定結果および前記入力手段によって受け付けられた開閉動作指示に応じて前記開閉動作を制御するようにしてもよい。
また、前記制御手段は、例えば前記判定回路によって前記車両用ドア近傍に人体があると判定された場合は、前記入力手段によって前記車両用ドアの開動作指示が受け付けられても該車両用ドアが開動作しないようにドアロックをかけるようにしてもよい。
前記車両用ドア近傍の座席に着座した人体の有無を示す情報を出力するロックスイッチと、前記車両用ドアが開動作できない旨の警報を報知手段とをさらに備え、前記制御手段は、例えば前記判定回路によって前記車両用ドア近傍に人体があると判定され、かつ前記ロックスイッチからの情報によって前記座席に着座した人体があることが示された場合には、前記入力手段によって前記車両用ドアの開動作指示が受け付けられても該車両用ドアが開動作しないようにドアロックをかけるとともに、前記報知手段を制御して前記警報を報知させるようにしてもよい。
前記センサ電極は、フレキシブルプリント基板上に形成され、前記車両用ドアのドアパネルの内側に貼着されて設けられていてもよい。
また、前記センサ電極は、フレキシブルプリント基板上に形成され、前記車両用ドアのドアパネルの内部に一体的に設けられていてもよい。
さらに、前記センサ電極は、透明性導電膜からなり、前記車両用ドアのドアウィンドウに塗布形成されて設けられていてもよい。
前記車両用ドアにおける前記センサ電極の近傍に設けられ、前記センサ電極と同等の電位が与えられるシールド電極をさらに備えていてもよい。
前記検知回路は差動動作可能に構成され、前記センサ電極が複数並設されている場合は、該検知回路の一方の入力端には複数並設された前記センサ電極のうちの所定のセンサ電極が接続され、当該検知回路の他方の入力端には前記シールド電極により検知面側が覆われた前記所定のセンサ電極以外のセンサ電極が接続されていてもよい。
前記制御手段は、前記入力手段によって受け付けられた前記車両用ドアの開閉動作指示が、特別の開閉動作指示を示す特別開閉動作指示である場合は、前記判定回路によって前記車両用ドア近傍に人体があると判定されたとしても、前記ドアロックを解除して該特別開閉動作指示に従い前記車両用ドアの開閉動作を制御するようにしてもよい。
本発明に係る車両用ドア開閉方法は、車両に備えられた車両用ドアに設けられた少なくとも一以上のセンサ電極からの静電容量を検知する検知工程と、検知された静電容量を示す検知信号に基づいて、前記車両用ドア近傍の人体の有無を判定する判定工程と、判定された判定結果に応じて、前記車両用ドアの開閉動作を制御する制御工程とを備えたことを特徴とする。
本発明に係る車両用ドア開閉方法は、以上のように構成されることにより、車両用ドア近傍の人体の有無によって車両用ドアの開閉動作を制御することができるので、車両の乗員が車両用ドアが不意に開いて車室外に落下するような不具合を効果的に防止することができる。
前記車両用ドアの開閉動作指示を受け付ける入力工程をさらに備え、前記制御工程では、例えば前記判定結果および前記入力工程にて受け付けられた開閉動作指示に応じて前記開閉動作を制御するようにしてもよい。
前記制御工程では、例えば前記判定工程にて前記車両用ドア近傍に人体があると判定された場合は、前記入力工程にて前記車両用ドアの開動作指示が受け付けられても該車両用ドアが開動作しないようにドアロックをかけるようにしてもよい。
前記入力工程では、例えば前記車両用ドア近傍の座席に着座した人体の有無を示すロックスイッチからの情報をさらに受け付け、前記制御工程では、前記判定工程にて前記車両用ドア近傍に人体があると判定され、かつ前記入力工程にて前記ロックスイッチからの情報により前記座席に着座した人体があることが示された場合には、前記入力工程にて前記車両用ドアの開動作指示が受け付けられても該車両用ドアが開動作しないようにドアロックをかけるとともに、当該車両用ドアが開動作できない旨の警報を報知するようにしてもよい。
前記制御工程では、前記入力工程にて受け付けられた前記車両用ドアの開閉動作指示が、特別の開閉動作指示を示す特別開閉動作指示である場合は、前記判定工程にて前記車両用ドア近傍に人体があると判定されたとしても、前記ドアロックを解除して該特別開閉動作指示に従い前記車両用ドアの開閉動作を制御するようにしてもよい。
以上のように本発明によれば、車両用ドア近傍の人体の有無によって車両用ドアの開閉動作を制御して、車両の乗員が車両用ドアが不意に開いて車室外に落下するような不具合を効果的に防止することができる。
以下に、添付の図面を参照して、本発明に係る車両用ドア開閉装置および車両用ドア開閉方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施の形態に係る車両用ドア開閉装置の一部が車両用ドアに適用された状態を示す説明図、図2は同車両用ドア開閉装置の全体構成を示すブロック図、図3は同車両用ドア開閉装置の静電容量検知回路の回路構成の例を示す説明図、図4は同静電容量検知回路の動作波形の例を示す動作波形図である。
図1に示すように、車両用ドア開閉装置は、例えば座席40の近傍に設けられたサイドスライドドアとしての車両用ドア2のドアパネル4の内側に、この車両用ドア2の高さ方向に並設された状態で貼着された複数のセンサ電極11,12,13を有する。各センサ電極11〜13は、例えば図示しないフレキシブルプリント基板上に形成され、このフレキシブルプリント基板ごとドアパネル4の内側に貼着されている。なお、ここでは複数のセンサ電極11〜13が車両用ドア2に並設されている場合を例に挙げているが、センサ電極は少なくとも一つ設けられていればよい。この車両用ドア2は、その高さ方向に移動可能で開閉自在なドアウィンドウ3を備え、例えば車両の側方にそれぞれ設けられている。
各センサ電極11〜13は、それぞれ車両用ドア2の幅方向(すなわち、車両の前後方向)に長手方向を有し、その高さ方向に短手方向を有する帯状(矩形短冊状)の外観を備える形状に形成されている。そして、これらのセンサ電極11〜13は、車両用ドア2の近傍(例えば、座席40側の車内空間)の静電容量を検出する。
各センサ電極11〜13が形成される基板としては、この他、リジッド基板やリジッドフレキシブル基板であってもよい。各センサ電極11〜13は、上述したようにフレキシブルプリント基板上に形成されている場合は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド(PI)、ポリアミド(PA)、ガラスエポキシ樹脂またはセラミックなどの絶縁体からなる絶縁板上にパターン形成された銅、銅合金またはアルミニウムや鉄などの金属部品や電線などで構成することができる。
なお、各センサ電極11〜13がフレキシブルプリント基板上に形成されている場合は、上述したようにドアパネル4の内側に貼着される他に、例えばドアパネル4の内部(すなわち、ドアパネル4の外観からは視認できない状態)に、一体成形などにより一体的に設けられていてもよい。また、各センサ電極11〜13は、例えば透明性導電膜からなるものであってもよく、この場合は、ドアウィンドウ3などに塗布形成されて設けられていてもよい。
このように形成された各センサ電極11〜13は、図2に示すように、例えばそれぞれ検出した静電容量を検知する静電容量検知回路21,22,23に接続され、各静電容量検知回路21〜23は、検知された静電容量を示す検知信号に基づいて、車両用ドア2近傍の人体の有無を判定する判定回路30に接続されている。
判定回路30は、車両用ドア2近傍の人体の有無を、例えば検知信号が示す静電容量値があらかじめ設定されたしきい値よりも大きい場合は人体があると判定し、このしきい値よりも下回る場合は人体がないと判断することによって判定する。この判定回路30は、例えばコンパレータや微分回路などのアナログ回路によって構成されたり、静電容量検知回路21〜23の出力をディジタル的に処理するディジタル回路によって構成されたりする。また、判定回路30は、例えばCPU,RAM,ROMなどからなり、ソフトウェア的にデータを処理する構成であってもよい。
この判定回路30は、車両用ドア2などの車両に備えられたドアの開閉動作全般を制御するドアECU(Electronic Control Unit)33に接続されている。ドアECU33には、さらに例えば幼児(子供)が乗車しており、車両用ドア2の開閉動作を制限する必要があることを示す情報を出力するチャイルドロックスイッチ(SW)31と、車両に備えられた各ドアの開閉動作指示に関する情報を出力する各ドアスイッチ(SW)32とが接続されている。また、ドアECU33には、各ドアの開閉動作を行うドアモータ34と、スピーカやディスプレイ装置などを備え、所定の場合に警告音や警告文などの警報を報知(出力)する警報装置35が接続されている。
ドアECU33は、判定回路30からの判定結果(すなわち、車両用ドア2近傍に人体があるか否かを示す結果)に応じて、ドアモータ34を駆動して、車両用ドア2の開閉動作を制御する。また、ドアECU33は、上記判定結果とともに、チャイルドロックSW31や各ドアSW32からの情報を受け付けて、車両用ドア2の開閉動作を制御する。
なお、各ドアSW32は、それぞれのドアの内側(車室側)や外側(外部側)に各ドアと一体的に設けられていても、例えばセンターコンソールに一極集中的に各ドアを操作可能に設けられていてもよい。そして、この各ドアSW32には、開閉動作指示として、例えば特別な状況下(強制的に車両用ドア2を開閉可能にする状況下など)での開閉動作指示を示す特別開閉動作指示を出力する特別ドアスイッチ(SW)も含まれていることとする。
静電容量検知回路21〜23は、例えばセンサ電極11〜13によってそれぞれ検出された静電容量(Capacitance)を電圧(Voltage)に変換するC−V変換回路(図示せず)と、このC−V変換回路からの出力のアナログ信号をディジタル信号に変換するA/D変換器とをそれぞれ備えて構成されている。
各静電容量検知回路21〜23のC−V変換回路は、図3に示すように、静電容量Cに応じてデューティー比が変化するものであり、例えば一定周期のトリガ信号TGを出力するトリガ信号発生回路101と、入力端に接続された静電容量Cの大きさによってデューティー比が変化するパルス信号Poを出力するタイマー回路102と、このパルス信号Poを平滑化するローパスフィルタ(LPF)103とを備えて構成されている。
タイマー回路102は、例えば2つの比較器201,202と、これら2つの比較器201,202の出力がそれぞれリセット端子Rおよびセット端子Sに入力されるRSフリップフロップ回路(以下、「RS−FF」と呼ぶ。)203と、このRS−FF203の出力DISをLPF103に出力するバッファ204と、RS−FF203の出力DISでオン/オフ制御させるトランジスタ205とを備えて構成されている。
比較器202は、トリガ信号発生回路101から出力される図4に示すようなトリガ信号TGを、抵抗R1,R2,R3によって分割された所定のしきい値Vth2と比較して、トリガ信号TGに同期したセットパルスを出力する。このセットパルスは、RS−FF203のQ出力をセットする。
このQ出力は、ディスチャージ信号DISとしてトランジスタ205をオフ状態にし、各センサ電極11〜13およびグランドの間を、各電極11〜13の対接地静電容量Cおよび入力端と電源ラインとの間に接続された抵抗R4による時定数で決まる速度で充電する。これにより、入力信号Vinの電位が静電容量Cによって決まる速度で上昇する。
入力信号Vinが、抵抗R1,R2,R3で決まるしきい値Vth1を超えたら、比較器201の出力が反転してRS−FF203の出力を反転させる。この結果、トランジスタ205がオン状態となって、例えばセンサ電極11に蓄積された電荷がトランジスタ205を介して放電される。
したがって、このタイマー回路102は、図4に示すように、センサ電極11〜13との間の静電容量Cに基づくデューティー比で発振するパルス信号Poを出力する。LPF103は、この出力を平滑化することにより、図4に示すような直流の検知信号Voutを出力する。
こうしてC−V変換回路から出力された検知信号Voutは、上述したようにA/D変換器にてディジタル信号に変換される。なお、図4中において、実線で示す波形と点線で示す波形は、前者が後者よりも静電容量が小さいことを示しており、例えば後者が物体接近状態を示している。
なお、RC充放電回路を構成して充放電時間を測定する方式の車両用ドア開閉装置1の静電容量検知回路21〜23の構成として、例えばC−V変換回路が抵抗とコンデンサにより出力パルスのデューティー比が変化する周知のタイマーICを利用するものを説明したが、静電容量検知回路21〜23としては、これに限定されるものではない。
すなわち、例えば、正弦波を印加して静電容量値による電圧変化あるいは電流値から直接インピーダンスを測定する方式、測定する静電容量を含めて発振回路を構成して発振周波数を測定する方式、既知の電圧で充電した電荷を既知の容量に移動してその電圧を測定する方式、または未知の容量に既知電圧で充電し、その電荷を既知容量に移動させることを複数回行い、既知容量が所定電圧に充電されるまでの回数を測定する方式などがあり、検出した静電容量値にしきい値を設け、あるいは静電容量の信号波形を解析して該当する静電容量波形になったときにトリガとするなどの各種処理を行ってもよい。
また、静電容量検知回路21〜23がC−V変換回路を備えている場合に、静電容量を電圧に変換することを前提としたが、電気的にあるいはソフトウェアとして扱いやすいデータに変換できればよく、例えば静電容量をパルス幅に変換したり直接ディジタル値に変換したりしてもよい。
次に、本発明の一実施の形態に係る車両用ドア開閉方法を用いたこの車両用ドア開閉装置1におけるドア開閉処理について説明する。図5は、本発明の一実施の形態に係る車両用ドア開閉方法によるドア開閉処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、以降において、既に説明した箇所と重複する箇所については説明を割愛することとし、本発明に特に関わる処理以外は明記しない場合があることとする。ここでは、車両に備えられたイグニッションスイッチがACCやONとなって、車両用ドア開閉装置1に既に電源が供給された状態であることを前提として説明する。
図5に示すように、まず、車両用ドア開閉装置1のドアECU33は、乗員などの操作により各ドアSW32から車両用ドア2の開閉に関する指示が出力された場合は、この車両用ドア2の開閉動作指示を受け付ける(ステップS101)。そして、受け付けた開閉動作指示が特別開閉動作指示であるか否かを判断し(ステップS102)、特別開閉動作指示であると判断した場合(ステップS102のY)は、ドアモータ34を駆動して、特別開閉動作指示に応じた車両用ドア2の開閉動作を行い(ステップS107)、例えばイグニッションスイッチがOFFになることなどを検知して、処理を終了するか否か判断する(ステップS108)。
処理を終了すると判断した場合(ステップS108のY)は、本フローチャートによる一連のドア開閉処理を終了する。処理を終了しないと判断した場合(ステップS108のN)は、上記ステップS101に移行して処理を繰り返す。
一方、特別開閉動作指示でないと判断した場合(ステップS102のN)は、各センサ電極11〜13からの静電容量を検知した静電容量検知回路21〜23からの出力に基づいて、車両用ドア2の近傍に人体があるか否かを判定した判定回路30からの判定結果を受け付け、車両用ドア2近傍に人体があるか否かを判断する(ステップS103)。
車両用ドア2近傍に人体がないと判断した場合(ステップS103のN)は、上記ステップS107に移行して、上記ステップS101にて受け付けた開閉動作指示に応じた車両用ドア2の開閉動作を行い(ステップS107)、処理を終了するか否か判断して(ステップS108)、処理を終了すると判断した場合(ステップS108のY)は、本フローチャートによる一連のドア開閉処理を終了するとともに、処理を終了しないと判断した場合(ステップS108のN)は、上記ステップS101に移行して処理を繰り返す。
車両用ドア2近傍に人体があると判断した場合(ステップS103のY)は、ドアモータ34を駆動して、車両用ドア2を閉じた状態のままに維持するようにドアロックを行う(ステップS104)。そして、チャイルドロックSW31からの情報に基づいて、車両用ドア2近傍の座席40に、例えば幼児(子供)が乗車している(着座している)ことを示すべく、チャイルドロックSW31がONとなっているか否かを判断する(ステップS105)。
チャイルドロックSW31がONとなっていると判断した場合(ステップS105のY)は、警報装置35を介して、例えば車室内にて警報音を鳴らすなど警報を出力(報知)し(ステップS106)、上記ステップS101に移行して処理を繰り返す。チャイルドロックSW31がONとなっていないと判断した場合(ステップS105のN)は、上記ステップS101に移行して処理を繰り返す。
本例の車両用ドア開閉装置1では、このようにドア開閉処理を行うことによって、例えば幼児(子供)が車両用ドア2に寄りかかっていたり、車両用ドア2近傍に居る状態のときに、各ドアSW32による開閉動作指示があった場合であっても車両用ドア2が不意に開くことはない。これにより、幼児(子供)が車室外に落下するような不具合を防止することができる。
なお、上述した車両用ドア開閉装置1では、センサ電極11〜13を車両用ドア2のドアパネル4の内側に配置して、静電容量検知回路21〜23にて検出した静電容量値を利用し、車両用ドア2近傍の人体の有無を判定するものを例に挙げて説明したが、例えば次のようなものであってもよい。ここでは、静電容量検知回路21を例に挙げ、センサ電極11,12を配置した場合について説明する。
図6は、上述した静電容量検知回路の他の例を説明するための説明図である。この例の静電容量検知回路21は、センサ電極11,12からの静電容量を電圧に変換するC−V変換回路が差動動作するものとして構成されている。このC−V変換回路では、例えば上述したような既知の電圧で充電した電荷を既知の容量に移動してその電圧を測定する方式が採用される。
具体的には、図6に示すように、例えば差動増幅回路21aのマイナス側入力端にセンサ電極11を接続し、プラス側入力端にセンサ電極12を接続して、静電容量C2の値から静電容量C1の値を減算し、その出力値をコンパレータなどからなる差動増幅回路21aでしきい値と比較して車両用ドア2近傍の人体を検出するようにしたものである。
このようなC−V変換回路の動作としては、例えばスイッチS1がオープン(OFF)で、スイッチS2が接地(GND)され、スイッチS3がクローズ(ON)となっているときに、スイッチS3をオープン(OFF)にし、スイッチS2をVrに切り替え、スイッチS1をオペアンプの反転入力に接続すると、静電容量C2とCfにC2Vrが充電され、静電容量C1とCfにC1Vrが充電される。
次に、スイッチS1をオープン(OFF)およびスイッチS2を接地(GND)した後に、スイッチS1を接地(GND)したときの出力電圧Vを測定する。このときの電圧は、V/Vr={(Cf+C1)/Cf}−{(Cf+C2)/Cf}となり、静電容量C2と静電容量C1の割合に応じた電圧が出力される。このように、C−V変換回路を差動動作する構成とすることにより、回路の温度特性を相殺したりコモンモードノイズを低減したりすることができる。
なお、車両用ドア2には、金属製の部材が用いられているため、この金属製の部材とセンサ電極11,12との静電容量値を無視できない場合がある。この場合は、例えば人体を検出するセンサ電極として使うのを、センサ電極11,12のうちの一方とし、他方は電極の人体を検出したい側(検知面側)に後述するシールド電極を配置することで人体との間の感度をなくし、人体との静電容量結合が一方の電極のみになるようにしてもよい。
シールド電極は、図示は省略するが、例えばセンサ電極11,12と同等の電位で駆動され、センサ電極11,12の裏面側(検知面とは反対側)や周囲に配置される。このシールド電極の電位は、例えばセンサ電極11に加えられる電位や、この電位より高い入力インピーダンスで1倍のアンプ(バッファ)を通して生成してもよいし、図6に示したような構成の場合には、オペアンプの非反転入力部分をシールド電極に接続すれば、センサ電極11と同等の電位を与えることができる。
本発明の一実施の形態に係る車両用ドア開閉装置の一部が車両用ドアに適用された状態を示す説明図である。 同車両用ドア開閉装置の全体構成を示すブロック図である。 同車両用ドア開閉装置の静電容量検知回路の回路構成の例を示す説明図である。 同静電容量検知回路の動作波形の例を示す動作波形図である。 本発明の一実施の形態に係る車両用ドア開閉方法によるドア開閉処理手順の一例を示すフローチャートである。 静電容量検知回路の他の例を説明するための説明図である。
符号の説明
1…車両用ドア開閉装置、2…車両用ドア、3…ドアウィンドウ、4…ドアパネル、11〜13…センサ電極、21〜23…静電容量検知回路、30…判定回路、31…チャイルドロックスイッチ、32…各ドアスイッチ、33…ドアECU、34…ドアモータ、35…警報装置、40…座席。

Claims (13)

  1. 車両に備えられた車両用ドアに設けられた少なくとも一つのセンサ電極と、
    前記センサ電極からの静電容量を検知する検知回路と、
    前記検知回路からの検知信号に基づいて、前記車両用ドア近傍の人体の有無を判定する判定回路と、
    前記判定回路からの判定結果に応じて、前記車両用ドアの開閉動作を制御する制御手段と
    前記車両用ドアの開閉動作指示を受け付ける入力手段とを備え
    前記制御手段は、前記判定結果および前記入力手段によって受け付けられた開閉動作指示に応じて前記開閉動作を制御し、
    前記判定回路によって前記車両用ドア近傍に人体があると判定された場合は、前記入力手段によって前記車両用ドアの開動作指示が受け付けられても該車両用ドアを開動作させないことを特徴とする車両用ドア開閉装置。
  2. 前記車両用ドア近傍の座席に着座した人体の有無を示す情報を出力するロックスイッチと、
    前記車両用ドアが開動作できない旨の警報を報知する報知手段とをさらに備え、
    前記制御手段は、前記判定回路によって前記車両用ドア近傍に人体があると判定され、かつ前記ロックスイッチからの情報によって前記座席に着座した人体があることが示された場合には、前記入力手段によって前記車両用ドアの開動作指示が受け付けられても該車両用ドアを開動作させないとともに、前記報知手段を制御して前記警報を報知させることを特徴とする請求項記載の車両用ドア開閉装置。
  3. 前記センサ電極は、前記車両用ドアの高さ方向に複数並設されていることを特徴とする請求項1又は2記載の車両用ドア開閉装置。
  4. 前記センサ電極は、フレキシブルプリント基板上に形成され、前記車両用ドアのドアパネルの内側に貼着されて設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の車両用ドア開閉装置。
  5. 前記センサ電極は、フレキシブルプリント基板上に形成され、前記車両用ドアのドアパネルの内部に一体的に設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の車両用ドア開閉装置。
  6. 前記センサ電極は、透明性導電膜からなり、前記車両用ドアのドアウィンドウに塗布形成されて設けられていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の車両用ドア開閉装置。
  7. 前記車両用ドアにおける前記センサ電極の近傍に設けられ、前記センサ電極と同等の電位が与えられるシールド電極をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項記載の車両用ドア開閉装置。
  8. 前記検知回路は差動動作可能に構成され、前記センサ電極が複数並設されている場合は、該検知回路の一方の入力端には複数並設された前記センサ電極のうちの所定のセンサ電極が接続され、当該検知回路の他方の入力端には前記シールド電極により検知面側が覆われた前記所定のセンサ電極以外のセンサ電極が接続されていることを特徴とする請求項記載の車両用ドア開閉装置。
  9. 前記制御手段は、前記入力手段によって受け付けられた前記車両用ドアの開閉動作指示が、特別の開閉動作指示を示す特別開閉動作指示である場合は、前記判定回路によって前記車両用ドア近傍に人体があると判定されたとしても、該特別開閉動作指示に従い前記車両用ドアの開閉動作を制御することを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項記載の車両用ドア開閉装置。
  10. 車両に備えられた車両用ドアに設けられた少なくとも一つのセンサ電極からの静電容量を検知する検知工程と、
    検知された静電容量を示す検知信号に基づいて、前記車両用ドア近傍の人体の有無を判定する判定工程と、
    判定された判定結果に応じて、前記車両用ドアの開閉動作を制御する制御工程と
    前記車両用ドアの開閉動作指示を受け付ける入力工程とを備え
    前記制御工程では、前記判定結果および前記入力工程にて受け付けられた開閉動作指示に応じて前記開閉動作を制御し、
    前記判定工程にて前記車両用ドア近傍に人体があると判定された場合は、前記入力工程にて前記車両用ドアの開動作指示が受け付けられても該車両用ドアを開動作させないことを特徴とする車両用ドア開閉方法。
  11. 前記入力工程では、前記車両用ドア近傍の座席に着座した人体の有無を示すロックスイッチからの情報をさらに受け付け、
    前記制御工程では、前記判定工程にて前記車両用ドア近傍に人体があると判定され、かつ前記入力工程にて前記ロックスイッチからの情報により前記座席に着座した人体があることが示された場合には、前記入力工程にて前記車両用ドアの開動作指示が受け付けられても該車両用ドアを開動作させないとともに、当該車両用ドアが開動作できない旨の警報を報知することを特徴とする請求項10記載の車両用ドア開閉方法。
  12. 前記センサ電極は、前記車両用ドアの高さ方向に複数並設されていることを特徴とする請求項10又は11記載の車両用ドア開閉方法。
  13. 前記制御工程では、前記入力工程にて受け付けられた前記車両用ドアの開閉動作指示が、特別の開閉動作指示を示す特別開閉動作指示である場合は、前記判定工程にて前記車両用ドア近傍に人体があると判定されたとしても、該特別開閉動作に従い前記車両用ドアの開閉動作を制御することを特徴とする請求項10〜12のいずれか1項記載の車両用ドア開閉方法。
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