JP5568595B2 - 車両用乗員保護装置 - Google Patents
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Description
ところで、これら乗員保護装置は、乗員の意志によってその作動を禁止したい場合もある。
例えば、助手席に後ろ向きに取り付けるチャイルドシートを設置し、該チャイルドシートに幼児を乗車させているときなどには、助手席用エアバッグが展開するとチャイルドシートおよびこれに着座している幼児に不必要な衝撃が加わる虞がある。したがって、このような場合には、助手席用エアバッグを作動させない方がよい場合もある。
請求項1に係る発明は、
車両のドアに設けられ車両内部からのドアの開操作を禁止可能にするチャイルドプルーフスイッチ(例えば、後述する実施形態におけるリヤドアチャイルドプルーフスイッチ1)と、
前記チャイルドプルーフスイッチがドアの開操作を禁止する禁止位置にあるか否かを検知する検知手段(例えば、後述する実施形態における検出スイッチ7)と、
前記検知手段の検知結果に基づいて後席用乗員保護装置(例えば、後述する実施形態におけるリヤシート正突用エアバッグ装置3、リヤシートサイドエアバッグ装置4、リヤシート用シートベルトのプリテンショナ5、リヤシート用シートベルトの自動ロック式巻き取り装置6)の作動の許可または禁止を制御する制御手段(例えば、後述する実施形態における制御装置10)と、
を備え、
前記チャイルドプルーフスイッチはドアの開操作を禁止する前記禁止位置を複数備えその中から禁止位置が選択可能とされており、前記制御手段は、前記チャイルドプルーフスイッチの選択された禁止位置に応じて前記後席用乗員保護装置の作動の許可または禁止を制御することを特徴とする車両用乗員保護装置である。
さらに、請求項1に係る発明によれば、チャイルドプルーフスイッチの禁止位置を選択することによって、後席用乗員保護装置の作動の許可または禁止をする制御の内容を変えることができるので、リヤシートに乗車させる子供の状態に応じて後席用乗員保護装置の作動の許可または禁止の制御方法を、きめ細かく設定することが可能となり、使い勝手が向上する。
初めに、参考例の車両用乗員保護装置を図1および図2の図面を参照して説明する。
図1は、車両用乗員保護装置の概略構成を示すブロック図である。
車両用乗員保護装置は、車両のリヤドアに設置されたリヤドアチャイルドプルーフスイッチ1と、前記リヤドアに設けられたリヤドアロック装置2と、フロントシートの下部等に設置されたリヤシート(後席)正突用エアバッグ装置3と、リヤシートサイドエアバッグ装置4と、リヤシート用シートベルトのプリテンショナ5と、リヤシート用シートベルトの自動ロック式巻き取り装置6と、制御装置(制御手段)10と、を備えている。
リヤドアチャイルドプルーフスイッチ1は、リヤドアの端部近くであって車体のドア開口部に面する部位に設置されていて、リヤドアが閉状態となっているときには隠れて見えなくなるとともに操作が不能であり、リヤドアが開状態となっているときに外部から見えるとともに操作が可能となるように設置されている。
また、リヤドアには、リヤドアチャイルドプルーフスイッチ1がロック位置にあるかアンロック位置にあるかを検出する検出スイッチ(検知手段)7が設けられており、検出スイッチ7はロック位置とアンロック位置に応じた電気信号を制御装置10に出力する。
詳述すると、リヤシート正突用エアバッグ制御部13は、検出スイッチ7によってリヤドアチャイルドプルーフスイッチ1がロック位置にあることが検出されたときに、リヤシート正突用エアバッグ装置3の作動を禁止する制御を行い、検出スイッチ7によってリヤドアチャイルドプルーフスイッチ1がアンロック位置にあることが検出されたときに、リヤシート正突用エアバッグ装置3の作動を許可する制御を行う。
したがって、リヤシート正突用エアバッグ制御部13は、リヤドアチャイルドプルーフスイッチ1がアンロック位置にあり、且つ前記展開条件が満たされた場合にのみ、リヤシート正突用エアバッグを膨張、展開させることとなる。
詳述すると、リヤシートサイドエアバッグ制御部14は、検出スイッチ7によってリヤドアチャイルドプルーフスイッチ1がロック位置にあることが検出されたときに、リヤシートサイドエアバッグ装置4の作動を禁止する制御を行い、検出スイッチ7によってリヤドアチャイルドプルーフスイッチ1がアンロック位置にあることが検出されたときに、リヤシートサイドエアバッグ装置4の作動を許可する制御を行う。
したがって、リヤシートサイドエアバッグ制御部14は、リヤドアチャイルドプルーフスイッチ1がアンロック位置にあり、且つ前記展開条件が満たされた場合にのみ、リヤシートサイドエアバッグを膨張、展開させることとなる。
詳述すると、プリテンショナ制御部15は、検出スイッチ7によってリヤドアチャイルドプルーフスイッチ1がロック位置にあることが検出されたときに、プリテンショナ5の作動を禁止する制御を行い、検出スイッチ7によってリヤドアチャイルドプルーフスイッチ1がアンロック位置にあることが検出されたときに、プリテンショナ5の作動を許可する制御を行う。
したがって、プリテンショナ制御部15は、リヤドアチャイルドプルーフスイッチ1がアンロック位置にあり、且つ他車両との追突や側突の可能性が高いと制御装置10によって判断された場合にのみ、プリテンショナ5を作動させてウェビングの引き込みを行うこととなる。
詳述すると、自動ロック制御部16は、検出スイッチ7によってリヤドアチャイルドプルーフスイッチ1がロック位置にあることが検出されたときに、自動ロック制御部16の作動を許可する制御を行い、検出スイッチ7によってリヤドアチャイルドプルーフスイッチ1がアンロック位置にあることが検出されたときに、自動ロック制御部16の作動を禁止する制御を行う。
次に、この発明に係る車両用乗員保護装置の実施形態を図3から図6の図面を参照して説明する。この実施形態の車両用乗員保護装置が参考例の車両用乗員保護装置と相違する点は、リヤドアチャイルドプルーフスイッチ1のロック位置の数と、ロック位置に応じて制御内容を異にすることにある。その他の構成は参考例の車両用乗員保護装置と同じであるので、図1を援用して説明するものとする。
この実施形態の車両用乗員保護装置では、リヤドアチャイルドプルーフスイッチ1を第1のロック位置または第2のロック位置にすると、リヤドアを車外側からのみ開操作可能で車内側からは開操作不能とするチャイルドロック状態となり、リヤドアチャイルドプルーフスイッチ1をアンロック位置にすると、リヤドアを車内側からも車外側からも開操作可能とするチャイルドアンロック状態となる。
図4に示す制御テーブルにおいて、リヤドアチャイルドプルーフスイッチ1における「ロック1」は、リヤドアチャイルドプルーフスイッチ1が第1のロック位置に位置している場合を示しており、「ロック2」は、リヤドアチャイルドプルーフスイッチ1が第2のロック位置に位置している場合を示している。
このように取り付けられたチャイルドシートに幼児を乗車させているときに、リヤシート正突用エアバッグ装置3やリヤシートサイドエアバッグ装置4を作動させてエアバッグを膨張、展開させると、それによって却って子供や幼児に不必要な衝撃が加わる虞がある。
また、リヤシート用シートベルトのプリテンショナ5を作動させてウェビングを引き込むと、リヤシートに取り付けているチャイルドシートに過剰な荷重が加わる虞があり、さらにチャイルドシートに着座している幼児に不必要な衝撃が加わる虞がある。したがって、この場合、制御装置10は、リヤシート正突用エアバッグ装置3とリヤシートサイドエアバッグ装置4とリヤシート用シートベルトのプリテンショナ5の作動を禁止することで、エアバッグの膨張、展開やウェビングの引き込みに起因してチャイルドシートに着座している幼児に不必要な衝撃が加わるのを防止する。また、制御装置10は、プリテンショナ5の作動を禁止することで、チャイルドシートに過剰な荷重が加わるのを防止する。
なお、この発明は前述した実施形態に限られるものではない。
例えば、前述した実施形態では、リヤドアチャイルドプルーフスイッチ1がロック位置にあるか否かに基づいて、リヤシート正突用エアバッグ装置3とリヤシートサイドエアバッグ装置4とリヤシート用シートベルトのプリテンショナ5とリヤシート用シートベルトの自動ロック式巻き取り装置6の全てに対して許可または禁止する制御を行っているが、必ずしもこれら全てを制御対象にしなくても本発明は成立する。
3 リヤシート正突用エアバッグ装置(後席用エアバッグ装置、後席用乗員保護装置)
4 リヤシートサイドエアバッグ装置(後席用エアバッグ装置、後席用乗員保護装置)
5 リヤシート用シートベルトのプリテンショナ(後席用乗員保護装置)
6 リヤシート用シートベルトの自動ロック式巻き取り装置(後席用乗員保護装置)
7 検出スイッチ(検出手段)
10 制御装置(制御手段)
Claims (4)
- 車両のドアに設けられ車両内部からのドアの開操作を禁止可能にするチャイルドプルーフスイッチと、
前記チャイルドプルーフスイッチがドアの開操作を禁止する禁止位置にあるか否かを検知する検知手段と、
前記検知手段の検知結果に基づいて後席用乗員保護装置の作動の許可または禁止を制御する制御手段と、
を備え、
前記チャイルドプルーフスイッチはドアの開操作を禁止する前記禁止位置を複数備えその中から禁止位置が選択可能とされており、前記制御手段は、前記チャイルドプルーフスイッチの選択された禁止位置に応じて前記後席用乗員保護装置の作動の許可または禁止を制御することを特徴とする車両用乗員保護装置。 - 前記後席用乗員保護装置は少なくとも後席用エアバッグ装置を含み、前記制御手段は、前記検知手段により前記チャイルドプルーフスイッチがドアの開操作を禁止する一の選択された禁止位置にあると検知された場合に前記後席用エアバッグ装置の作動を禁止することを特徴とする請求項1に記載の車両用乗員保護装置。
- 前記後席用乗員保護装置は、後席用シートベルトのウェビングを任意の位置でロック可能にし該ロック状態ではウェビングの巻き取りのみ許可し引き出しを禁止する自動ロック式巻き取り装置を含み、前記制御手段は、前記検知手段により前記チャイルドプルーフスイッチがドアの開操作を禁止する一の選択された禁止位置にあると検知された場合に前記自動ロック式巻き取り装置の作動を許可することを特徴とする請求項2に記載の車両用乗員保護装置。
- 前記後席用乗員保護装置は、所定の条件が満たされたときに乗員を拘束している後席用シートベルトのウェビングを引き込むプリテンショナを含み、前記制御手段は、前記検知手段により前記チャイルドプルーフスイッチがドアの開操作を禁止する一の選択された禁止位置にあると検知された場合に前記プリテンショナの作動を禁止することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の車両用乗員保護装置。
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