JP2004052337A - オートクロージャ制御装置 - Google Patents

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Masahiro Inaba
稲葉 雅弘
Yuji Kita
北 裕治
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Abstract

【課題】ドアを開くときに何らかの理由によりハーフラッチ状態で止まった場合にこれを積極的に解消できるとともに、利便性の向上を図ることのできるオートクロージャ制御装置を提供すること。
【解決手段】ドア開操作を検出しこの開操作後所定時間経過したか計測するステップ101〜105の処理を実行するドア開経過時間計測手段と、前記所定時間経過後も、ドアがハーフラッチ状態にあるときにハーフラッチ状態での停止と判別するステップ106の処理を実行するハーフラッチ状態停止判別手段と、ハーフラッチ状態での停止と判別されたときにはアクチュエータを閉方向駆動させるように出力するステップ107の処理を実行するクロージャ作動手段とを設けた。
【選択図】    図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いわゆるハーフラッチ状態からフルラッチ状態に自動的にドアを閉じるオートクロージャ制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、車体側部に設けられたスライドドアや、車体側部や車体後面に設けられたヒンジドアなどにおいて、ドアを閉じたときに、いわゆる半ドア状態と呼ばれるハーフラッチ状態からドアが完全に閉じたフルラッチ状態に自動的に閉じるようにしたオートクロージャ制御装置が知られている。
【0003】
すなわち、ドアロック装置は、ドアと車体とのいずれか一方に設けられたストライカと、ドアと車体とのいずれか他方に回動可能に設けられて前記ストライカを迎え入れる係合溝を有したラッチと、このラッチと所定位置で係合するロックポールとを備えているものが一般的である。
また、前記ラッチは、回動可能な範囲において、ドアを閉じたときにストライカを係合溝に迎え入れることのできる方向を向いたドア開状態(図1(a)参照)と、係合溝にストライカを迎え入れたがロックポールがラッチに対して完全に係合していないハーフラッチ状態(図1(b)参照)と、係合溝にストライカを迎え入れるとともにロックポールと完全に係合しストライカと完全に係合したフルラッチ状態(図1(d)参照)と、に変位可能に構成されている。
【0004】
そこで、従来のオートクロージャ制御装置は、ドア閉時に、ハーフラッチ状態を検出したら、ラッチに対してフルラッチ方向へモータなどの駆動力を与え、ハーフラッチ状態からフルラッチ状態へ自動的に変位させるようにしている。また、このようにラッチが回動することによりストライカも一緒に移動されて、ドア自体も完全閉状態に変位する。
したがって、乗員は、ドアをハーフラッチ状態となるまで軽く閉めれば、後はモータなどの駆動力により自動的に完全に閉じることができる。よって、操作が楽であるとともに、乗員の不注意によりハーフラッチ状態となるのを防止することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、ドアを開く際に、ドアがハーフラッチ状態で止まってしまうことがある。
これは、例えば、手動によりドアを開こうとしてドアハンドルを少しだけ引いた後、この開操作を何らかの理由でやめた場合、あるいは、自動によりドアを開いたときに、凍結などによってドアが張り付いてドアが動かなかった場合などがある。
【0006】
このような場合、従来は、ドアを一旦、手動により完全に開いた後、ドアを閉じる必要があった。このドア閉操作によりハーフラッチ状態まで戻せば、オートクロージャ制御装置が作動して、フルラッチ状態まで閉じられるものであった。以上のように、従来、ドアを開くときに何らかの理由によりハーフラッチ状態で止まったときには、これを解消する手段が無く、手動操作によりこれを解消する必要があり、利便性に劣るものであった。
【0007】
本発明は、上述のような従来の問題点に着目して成されたものであり、ドアを開くときに何らかの理由によりハーフラッチ状態で止まった場合にこれを積極的に解消できるとともに、利便性の向上を図ることのできるオートクロージャ制御装置を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために請求項1に記載の発明は、
ドア開操作を検出し、この開操作後所定時間経過したか計測するドア開経過時間計測手段と、
前記所定時間経過後も、ドアがハーフラッチ状態にあるときにハーフラッチ状態での停止と判別するハーフラッチ状態停止判別手段と、
ハーフラッチ状態での停止と判別されたときにはアクチュエータを閉方向駆動させるように出力するクロージャ作動手段と、
を設けたことを特徴とするオートクロージャ制御装置。
【0009】
【発明の作用および効果】
本発明では、ドアを開いたときに、何らかの理由によりドアがハーフラッチ状態で停止した場合には、以下のような作動を行う。
まず、ドア開経過時間計測手段が、ドアの開操作後に所定時間が経過したか否か判別する。この所定時間は、ドアの開操作を行ってからハーフラッチ状態を経てロックが完全に解除されたドア開状態となるのに必要十分な時間とする。
そして、ハーフラッチ状態停止判別手段が、前記所定時間が経過した後も、ドアがハーフラッチ状態にあることからハーフラッチ状態での停止と判別すると、クロージャ作動手段がアクチュエータを閉方向駆動させる。
これにより、ハーフラッチ状態のラッチがフルラッチ状態へ変位されて、ドアは完全閉状態となる。
【0010】
このように、本発明では、ドアを開いた際に、何らかの理由でドアがハーフラッチ状態で停止した場合、アクチュエータの駆動により自動的にフルラッチ状態まで変位して、ハーフラッチ状態のままおかれるのを積極的に回避することができる。
そして、従来のように、手動操作によりドアを一旦開いた後、オートクロージャ制御装置が作動するまで閉じる操作を行う煩わしさを解消でき、利便性が向上するする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0012】
まず、実施の形態のオートクロージャ制御装置の構成について説明する。
図1はロック装置の主要部を示す説明図である。
図において1はストライカであり、2はこのストライカ1と係合する係合溝21を備えたラッチ2である。すなわち、図外の車体とドアとのいずれか一方にストライカ1が固定され、いずれか他方にラッチ2が回動軸22を中心に回動可能に支持されている。この実施の形態では、ストライカ1は車体に、ラッチ2は図外のドアに設けられているものとする。
なお、本実施の形態では、ドアは車体側部にスライド自在に設けられたスライドドアであるものとするが、ヒンジドアであってもよい。
【0013】
また、図において3はラッチ2と係合してラッチ2のロック解除方向への回動を規制してロックするロックポールである。なお、このロックポール3は、回動軸31を中心に回動可能に設けられ、図外のドアハンドルを操作したときには、図において時計回り方向に回動してロック解除が成される。
【0014】
すなわち、ロック装置の作動を図1により説明すると、図1(a)はドアが閉近傍にあるときを示し、ドアが開かれているときには係合溝21の開口部21bはストライカ1を係合溝21に迎え入れる方向を向いている。
図1(a)の状態からドアを閉じると、ストライカ1が係合溝21に進入し、ラッチ2を回動させる。この回動により図1(b)のようにラッチ2が回動してロックポール3がラッチ2のハーフ係合片23と係合した状態がハーフラッチ状態である。なお、ロックポール3は、このハーフラッチ状態ではラッチ2のロック解除方向(時計回り方向)への回動規制力が十分に発揮できない。
【0015】
この図1(b)の状態からさらにドアを閉じると、ストライカ1とラッチ2のとの相対変位によりラッチ2がさらに回動し、(c)の状態を経て、ロックポール3がラッチ2のフルラッチ係合片24と係合した状態(d)となる。この図1(d)に示す状態がフルラッチ状態であり、この状態ではロックポール3によりラッチ2がロック解除方向へ回動するのが完全に規制される完全ロック状態となる。
【0016】
図2は実施の形態のオートクロージャ制御装置を示す回路図である。
図において、CMはオートクロージャモータであって、このオートクロージャモータCMは、前記ラッチ2に対して、間接的に閉方向(フルラッチ方向)の駆動力を与えるものである。
また、図においてPMはロックポール解除モータである。このロックポール解除モータPMは、前記ロックポール3に対してロック解除回動方向(図1において時計回り方向)へ駆動力を与えて、強制的にロック解除するものである。ここで、本実施の形態にあっては、スライドドアの開閉を人が行う手動開閉のスライドドアに実施したものである。また、前記ラッチ2がロック解除方向へ回動してスライドドアを開けられるように前記ロックポール3をラッチ2と係合した状態から解除するのにロックポール解除モータPMが設けられ、ロック解除モータPMが、図外のドアハンドルの操作によってON,OFFするドアハンドルスイッチ42によって作動するように設けられている。なお、前記ロックポール解除モータPMを設けずに図外のドアハンドルとロックポール3とがリンクあるいはワイヤで連結され、ドアハンドルの操作によってロックポール3をラッチ2と係合した状態から解除するように成した場合は、ドア開操作を検出するためにドアハンドルの操作によってON,OFFするドアハンドルスイッチ42を設ける。また、自動的にスライドドアを開閉スライドさせる自動開閉装置にオートクロージャ装置を備えている場合は、自動開作動を行う前に自動的にロック解除を行うためにロックポール解除モータPMを設けることは必須である。この自動開閉装置に設けられるオートクロージャ装置においては、ロックポール解除モータPMの作動は、前記ロックポール3を、図外のドアハンドルを操作することによって、あるいは、運転席周りに設置された図外のドア開操作スイッチを操作することによって、あるいは、図外のドア開閉装置リモコンユニットのドア開操作スイッチを操作することによって、ロック解除方向に回動するものである。
【0017】
前記オートクロージャモータCMおよびロックポール解除モータPMの駆動は、オートクロージャコントロールユニットCUにより制御される。
すなわち、このオートクロージャコントロールユニットCUは、中立スイッチ41,ドアハンドルスイッチ42,フルラッチスイッチ43,ハーフラッチスイッチ44のON,OFF状態に基づいて、オートクロージャモータCMおよびロックポール解除モータPMの駆動を制御するものである。
【0018】
ここで、各スイッチ41〜44について説明を加える。
前記中立スイッチ41は、前記オートクロージャモータCMおよびその駆動伝達機構部分が作動前の元の位置にあって、ラッチ2の回動に規制力を与えない中立位置に配置されていることを検出するスイッチであって、中立位置の検出時(中立位置にあるとき)はOFFでありオートクロージャモータCMの中立位置の非検出(オートクロージャモータCM作動中であるとき)するとONに切り替わるスイッチである。
前記ドアハンドルスイッチ42は、図外のドアハンドルが開操作されたことを検出するスイッチであって、ドアハンドル開操作非検出時にはOFFでありドアハンドル開操作検出時にONに切り替わるスイッチである。
前記フルラッチスイッチ43は、ラッチ2のフルラッチ状態を検出するスイッチであって、フルラッチ状態非検出時にはONでありフルラッチ状態検出時にOFFに切り替わるスイッチである。
前記ハーフラッチスイッチ44は、前記ラッチ2のハーフラッチ状態を検出するスイッチであって、ハーフラッチ状態非検出時にはONでありハーフラッチ状態検出時にOFFに切り替わるスイッチである。
【0019】
なお、上述の各スイッチ41〜44は、それぞれ上述の各状態が検出できればよいものであり、ON,OFFの関係は、上記の逆の関係に構成してもよい。
また、図において45は、給電スイッチであって、スライドドアを閉じたときに全閉直前で接続されてオートクロージャコントロールユニットCUや各モータCM,PMなどに対して給電可能とするスイッチである。
また、図示は省略するが、前述のスライドドアの自動閉作動を行う場合、図外のリモコンユニット、あるいは、運転席周りに設置された図外のドア開閉操作スイッチに設けられているドア閉操作スイッチをONとすることによって、これらから作動指令信号がオートクロージャコントロールユニットCUに入力されるものとする。
【0020】
次に、オートクロージャコントロールユニットCUにおいて実行される、本実施の形態の特徴とするハーフラッチ解除制御の流れを図3のフローチャートにより説明する。
このフローは、ドア全閉状態で開始される。
最初のステップ101で、ドアハンドルスイッチ42がONとなるドアの開操作が成されると、次のステップ102に進む。
【0021】
次のステップ102では、ドアハンドルスイッチ42がOFFとなったか否か判断し、ドアハンドルスイッチ42がOFFになったと判別できるときには、次のステップ103に進み、ドアハンドルスイッチ42がOFFとならずONのままの状態で開操作中と判別できるときには、ステップ102を繰り返す。
【0022】
次のステップ103では、予め設定された時間(例えば1秒)を計測する開操作終了タイマをスタートさせる。ここで、ドアハンドルスイッチ42がOFFとなったときから所定時間が経過したかを計測開始しているのは、ドアハンドルに手を掛けてドアハンドルを引くなどの操作をしたとき、ドアハンドルスイッチ42をONとし、ドアハンドルを引く等の操作をしている間はON状態を継続させ、この時にはドア開操作の途中なので所定時間を計測するタイマーをスタートさせないで、完全にドア開操作が完了したとき前記タイマーをスタートさせるようにするためである。そして、このドアハンドルスイッチ42がOFFとなったときを検出してドア開操作が行われたことを検知する手段としたのは、このスライドドアが手動で開閉されるスライドドア開閉装置に設けたオートクロージャ装置の制御に係る実施の形態であるためである。スライドドアが自動で開閉されるスライドドア自動開閉装置に設けたオートクロージャ装置の制御に係る場合のドア開操作が行われたことを検知する手段としては、前述のドア開操作スイッチが押される等によりONとなり、該操作スイッチを離す等によりOFFとなったときを検出することでなされる。スライドドアの開閉が手動で行われる場合も自動で行われる場合もこのステップ103で、所定時間の計測を開始するのは、前のステップ102においてドア開操作が行われたのが検知されたときであるので、ドア開操作が行われるときON,OFFされるスイッチからの信号を前記オートクロージャコントロールユニットCUに入力すれば成立するものである。
ステップ104では、ハーフラッチスイッチ44がON、かつフルラッチスイッチ43がONであるか否か、すなわちドアが完全に開であるか否か判断し、ハーフラッチスイッチ44とフルラッチスイッチ43の両方がONで、完全にドア開と判別できるときには本制御を終了する。
一方、ステップ104において、NOすなわちハーフラッチスイッチ44とフルラッチスイッチ43のいずれかあるいは両方がOFFでドアが完全開となっていない場合には、ステップ105に進む。
次のステップ105では、ステップ103でスタートさせた開操作終了タイマの予め設定された所定時間が終了したか否か判断し、この所定時間が終了していない場合にはステップ104に戻り、所定時間が終了した場合にはステップ106に進む。
すなわち、ステップ101〜105の処理を実行する部分が、特許請求の範囲のドア開経過時間計測手段に相当するものであり、ステップ102において開操作の終了を、ステップ103〜105において、ドアの開操作後に所定時間が経過したか判断している。なお、この所定時間の経過を見ているのは、ドアの開操作後にドアが完全開状態となるのを待っているものである。
【0023】
次にステップ106では、ハーフラッチスイッチ44がOFFであり、かつフルラッチスイッチ43がONであるか否か、すなわちハーフラッチ状態であるか否か判断し、ハーフラッチスイッチ44がOFFでフルラッチスイッチ43がONであるハーフラッチ状態である場合はステップ107に進み、一方、ステップ106においてNO(ハーフラッチスイッチ44がOFFでフルラッチスイッチ43がONである以外)の場合は、全閉となっているか異常が生じているとして本制御を終了する。なお、このステップ106の処理を実行する部分が特許請求の範囲のハーフラッチ位置停止判別手段である。
【0024】
次に、ステップ107では、オートクロージャモータCMを正転出力、すなわちラッチ2をフルラッチ方向に回動させる(閉方向駆動)出力を行い、続く、ステップ108の通常のクロージャ制御に移行する。なお、ステップ107においてオートクロージャモータCMを正転出力処理を実行する部分が、特許請求の範囲のハーフラッチ停止時クロージャ作動手段である。
【0025】
ここで、ステップ108で述べた通常のクロージャ制御について、図4のタイムチャートにより説明する。
通常のクロージャ制御は、ドア開状態から、手動あるいは自動によりドアが閉じられたときに実行される。
このドアの作動によりドアが全閉直前となると、ストライカ1がラッチ2の係合溝21に入り込んでラッチ2が回動しハーフラッチ状態となり、ハーフラッチスイッチ44がONからOFFに切り替わる(t1)。
【0026】
このハーフラッチスイッチ44のONからOFFの切り替わりによりオートクロージャコントロールユニットCUは、オートクロージャモータCMを正転駆動(閉方向駆動)させる。このオートクロージャモータCMの正転駆動によりラッチ2に対して図1において反時計回り方向の駆動力が与えられ、ラッチ2はフルラッチ方向へ回動する。このように、ドアに対して手動による操作力を与えなくても、オートクロージャモータCMの駆動力によりフルラッチ状態へ確実に移行させることができる。
なお、オートクロージャモータCMが正転駆動するのに対応して中立スイッチ41がOFFからONに切り替わる。
【0027】
上述のようにラッチ2がフルラッチ状態となると、フルラッチスイッチ43がONからOFFへ切り替わり(t2)、オートクロージャコントロールユニットCUは、オートクロージャモータCMを逆転させる。
この逆転は、ラッチ2に駆動力を与える機構部分がラッチ2の回動の障害とならない中立位置(元の位置)に戻るまで、すなわち中立スイッチ41がONからOFFに切り替わるまで(t3)行われ、中立スイッチ41がOFFとなるとオートクロージャモータCMは停止する。
【0028】
次に、本実施の形態の特徴であるハーフラッチ解除制御による作動例について説明する。
この制御は、ドアを開操作したのに完全に開かずにハーフラッチ状態で留めた場合に実行される。なお、このような状態は、例えば、手動によりドアハンドルに手を掛けてドアハンドルを引く等して開操作を始めた直後にドアハンドルから手を離して開操作を止めてしまってさらに坂道でドアが閉方向に戻った場合、あるいは、ドアの自動開閉装置にオートクロージャ装置を備えたオートクロージャ制御により開閉操作スイッチのドア開操作スイッチを操作してロックポール解除モータPMによりロックポールによるロックを解除したが、ドアが凍結していたり、異物が引っかかっていたりしてドアがスライドしなかった場合などに生じる。
【0029】
このようにドアの開操作を一旦行いながらハーフラッチ状態で停止してしまったときには、一旦ドアの開操作がなされ、さらにその開操作が終了し、その後、所定時間が経過した時点で、フルラッチスイッチ43がON,ハーフラッチスイッチ44がOFFの状態であることから、オートクロージャコントロールユニットCUにあっては、図3に示すハーフロック解除制御においてステップ101→102→103→104→105→106→107の流れとなって、オートクロージャモータCMが正転駆動(閉方向駆動)する。オートクロージャモータCMが正転駆動開始すると、通常のクロージャ制御が行われ、これにより、ラッチ2が図1において反時計回り方向に回動されてフルラッチ状態に移行する。
フルラッチ状態となると、中立スイッチ41がONからOFFに切り替わるまで、オートクロージャモータCMが逆転駆動され、オートクロージャモータCM及びオートクロージャモータCMによってラッチ2に駆動力を与えていた機構部分は元の中立位置に戻る。
【0030】
以上のように、実施の形態のオートクロージャ制御装置にあっては、ドアを開操作後に所定時間が経過しても、ドアがハーフラッチ状態にあることが判別されると、オートクロージャモータCMを作動させてドアをフルラッチ状態(完全閉状態)とするため、ドアがハーフラッチ状態(いわゆる半ロック状態)のまま置かれるのを積極的に回避できるという効果が得られる。
また、これにより、従来のようにハーフラッチ状態で停止しているドアを、クロージャ作動可能な位置まで手動で一旦開いた後に閉じる操作を行う煩わしさを解消することができるという効果が得られる。
しかも、上記効果は、既存のオートクロージャ制御装置に、制御を一部追加するだけであり追加部品がないことから、安価に実施することができる。
【0031】
以上、本発明の実施の形態を図面に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
例えば、実施の形態では、スライドドアを例に挙げて説明したが、ヒンジドアにも適用することができる。
また、実施の形態では、手動開閉されるスライドドアの構成を有したものを示したが、ドア開閉が自動で行われる自動開閉装置に設けられたオートクロージャ制御装置でも同様に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態のオートクロージャ制御装置におけるロック装置の要部の作動を示す説明図である。
【図2】実施の形態のオートクロージャ制御装置を示す回路図である。
【図3】実施の形態のオートクロージャ制御装置におけるハーフラッチ解除制御の流れを示すフローチャートである。
【図4】実施の形態のオートクロージャ制御装置の作動例を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1  ストライカ
2  ラッチ
3  ロックポール
21  係合溝
21b  開口部
22  回動軸
23  ハーフ係合片
24  フルラッチ係合片
31  回動軸
41  中立スイッチ
42  ドアハンドルスイッチ
43  フルラッチスイッチ
44  ハーフラッチスイッチ
CM  オートクロージャモータ
CU  オートクロージャコントロールユニット
PM  ロックポール解除モータ

Claims (1)

  1. ドア開操作を検出し、この開操作後所定時間経過したか計測するドア開経過時間計測手段と、
    前記所定時間経過後も、ドアがハーフラッチ状態にあるときにハーフラッチ状態での停止と判別するハーフラッチ状態停止判別手段と、
    ハーフラッチ状態での停止と判別されたときにはアクチュエータを閉方向駆動させるように出力するクロージャ作動手段と、
    を設けたことを特徴とするオートクロージャ制御装置。
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